説明

経時的に安定な組成物

【課題】 新規なクロロアセトアニリド系除草活性成分を含有する乳剤を提供する。
【解決手段】 下記(a)および(b)を含有する乳剤組成物。
(a)クロロアセトアニリド系除草活性成分。
(b)カルボジイミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、着色剤および酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上。
該着色剤としては、トウガラシ色素またはクロロフィル色素が好ましい。該酸化防止剤としてはカテキンが好ましい。該クロロアセトアニリド系除草活性成分としては、アラクロールが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロアセトアニリド系除草活性成分を含む乳剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
色調を安定化した液状組成物として、分子中に窒素原子を含有しない溶媒および染料を含有する組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、クロロアセトアニリド系除草活性成分を含有する乳剤組成物の色調が経時的に変化することは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−131751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、クロロアセトアニリド系除草活性成分を含有する乳剤組成物の色調が経時的に変化することを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意研究した結果、クロロアセトアニリド系除草活性成分を含有する乳剤組成物に、カルボジイミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、着色剤および酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上を含有させると、該乳剤組成物の経時的な色調変化が抑制されることを見出した。すなわち、本発明は、下記〔1〕ないし〔6〕に関するものである。
【0006】
〔1〕 下記(a)および(b)を含有する乳剤組成物。
【0007】
(a)クロロアセトアニリド系除草活性成分。
【0008】
(b)カルボジイミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、着色剤および酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上。
【0009】
〔2〕 (b)が着色剤である上記〔1〕記載の組成物。
【0010】
〔3〕 着色剤が、トウガラシ色素またはクロロフィル色素である上記〔2〕記載の組成物。
【0011】
〔4〕 (b)が酸化防止剤である上記〔1〕記載の組成物。
【0012】
〔5〕 酸化防止剤がカテキンである上記〔4〕記載の組成物。
【0013】
〔6〕 (a)がアラクロールである上記〔1〕ないし〔5〕から選ばれるいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クロロアセトアニリド系除草活性成分を含有する乳剤組成物の経時的な色調変化が抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の乳剤組成物とは、組成物自体は溶液であるが、水で希釈すると微細な液滴となって水中に乳化するものである。
【0016】
本発明の乳剤組成物に含有されるクロロアセトアニリド系除草活性成分を一般名として例示すれば、アセトクロール(acetochlor)、アミドクロール(amidochlor)、アラクロール(alachlor)、キシラクロール(xylachlor)、ジエタチル(−エチル)(diethatyl(-ethyl)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamide)、テニルクロール(thenylchlor)、デラクロール(delachlor)、テルブクロール(terbuchlor)、ブタクロール(butachlor)、ブテナクロール(butenachlor)、プリナクロール(prynachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)、メタザクロール(metazachlor)およびメトラクロール(metolachlor)等が挙げられる。これらの中で、本発明の乳剤組成物に含まれる好ましいクロロアセトアニリド系除草活性成分としてはアラクロールが挙げられる。
【0017】
乳剤組成物には、さらにクロロアセトアニリド系除草活性成分以外の除草活性成分を含有させることができる。クロロアセトアニリド系除草活性成分以外の除草活性成分として、具体的にその一般名を例示すれば次の通りであるが、必ずしもこれらのみに限定されるものではない。
【0018】
ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron ethyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エスプロカルブ(esprocarb)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンの塩、2,4−D、2,4−Dの塩、2,4−Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、ジメタメトリン(dimethametryn)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、ピリミノバックメチル(pyriminobac methyl)、CNP、クロメトキシニル(chlormethoxynil)、シハロホップブチル(cyhalofop butyl)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シンメチリン(cimmethylin)、シマジン(simazine)、ジクロベンジル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン(atrazine)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、ブタミホス(butamifos)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxynil octanoate)、アシュラム(asulam)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップテフリル(quizalofop-tefuryl)、セトキシジム(sethoxydim)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、オルソベンカーブ(orbencarb)、カルブチレート(karbutilate)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ベスロジン(benefin)、メチルダイムロン(methyl dymron)、2,4−PA、MCPPA、フラザスルフロン(flazasulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)およびMCC、ピラクロニル(pyraclonil)、テフリルトリオン(tefuryltirone)、メソトリオン(mesotrione)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポキシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)およびトプラメゾン(topramezon)等が挙げられる。好ましくはリニュロンなどの畑地用除草剤が挙げられる。
【0019】
本発明のカルボジイミドは、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩およびビス-(2,6-ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドなどが挙げられる。
【0020】
本発明の着色剤としては、食品用の天然色素が好ましく、アナトー色素、トウガラシ色素、クチナシ黄色素、コチニール色素、ラック色素、赤キャベツ色素、赤大根色素、紫トウモロコシ色素、ベリー類色素、ブドウ果皮色素、ブドウ果汁色素、シソ色素、ムラサキイモ色素、カカオ色素、ベニバナ黄色素、クロロフィル、ウコン色素、ビートレッド、紅麹色素、カラメル色素およびクチナシ青色素などが挙げられる。好ましくは、油溶性の色素であるトウガラシ色素およびクロロフィルである。
【0021】
本発明の酸化防止剤としては、ポリフェノール類が好ましく、フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、フラボン、イソフラボン、フラバン、フラバノン、ルチン)、フェノール酸類(クロロゲン酸、エラグ酸、没食子酸、没食子酸プロピル)、リグナン類、クルクミン類およびクマリン類などを挙げることができる。また、これらは、以下のような天然物由来の抽出物中に多く含まれるため、抽出物という状態で利用することができる。
【0022】
例えば、カンゾウ抽出物、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、コレステロール及びその誘導体、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物および羅漢果抽出物等が挙げられる(かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらのポリフェノール類のうち、特に好ましいものとしては、カテキン、ローズマリー抽出物、グルコシルルチン、エラグ酸および没食子酸を挙げることができる。
【0023】
本発明の酸化防止剤は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、ローズマリー抽出物(商品名 RM−21E、RMキーパーSF:三菱化学フーズ)、カテキン(商品名 サンカトールW−5、No.1:太陽化学)、ルチン・グルコシルルチン・酵素分解ルチン(商品名 ルチンK−2、P−10:キリヤ化学 / 商品名 αGルチン:林原生物化学研究所)が挙げられる。
【0024】
本発明の乳剤組成物に用いることのできる補助成分としては、例えば、界面活性剤、溶剤、pH調整剤、分解防止剤、消泡剤および防腐剤等が挙げられる。
【0025】
本発明の乳剤組成物に使用できる界面活性剤としては、例えば、以下の(A)、(B)、(C)、(D)および(E)が挙げられる。
【0026】
(A)ノニオン性界面活性剤:
(A-1)ポリエチレングリコール型界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキル(例えばC8〜18)エーテル、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル(例えばC8〜18)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキル(例えばC8〜12)フェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(例えばC8〜18)モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(例えばC8〜18)ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン(モノ、ジまたはトリ)脂肪酸(例えばC8〜18)エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキル(例えばC8〜18)アミンエチレンオキサイド付加物および脂肪酸(例えばC8〜18)アミドエチレンオキサイド付加物等。
【0027】
(A-2)多価アルコール型界面活性剤:例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸(例えばC8〜18)エステル、ソルビタン(モノ、ジまたはトリ)脂肪酸(例えばC8〜18)エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシドおよび脂肪酸アルカノールアミド等。
【0028】
(A-3)アセチレン系界面活性剤:例えば、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物およびアセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等。
【0029】
(B)アニオン性界面活性剤:
(B-1)カルボン酸型界面活性剤:例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ無水マレイン酸、マレイン酸または無水マレイン酸とオレフィン(例えばイソブチレンおよびジイソブチレン等)との共重合物、アクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸または無水マレイン酸とスチレンの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸の共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸または無水マレイン酸の共重合物、ポリオキシエチレンアルキル(例えばC8〜18)エーテル酢酸、N−メチル−脂肪酸(例えばC8〜18)サルコシネート、樹脂酸および脂肪酸(例えばC8〜18)等のカルボン酸、並びにそれらカルボン酸の塩。
【0030】
(B-2)硫酸エステル型界面活性剤:例えば、アルキル(例えばC8〜18)硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(例えばC8〜18)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの硫酸エステル、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸および硫酸化オレフィン等の硫酸エステル、並びにそれら硫酸エステルの塩。
【0031】
(B-3)スルホン酸型界面活性剤:例えば、パラフィン(例えばC8〜22)スルホン酸、アルキル(例えばC8〜12)ベンゼンスルホン酸、アルキル(例えばC8〜12)ベンゼンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、α−オレフィン(例えばC8〜16)スルホン酸、ジアルキル(例えばC8〜12)スルホコハク酸、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル(例えばC8〜18)エーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸、(モノまたはジ)アルキル(例えばC1〜6)ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、(モノまたはジ)アルキル(例えばC1〜6)ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、アルキル(例えばC8〜12)ジフェニルエーテルジスルホン酸、イゲポンT(商品名)、ポリスチレンスルホン酸およびスチレンスルホン酸とメタアクリル酸の共重合物等のスルホン酸、並びにそれらスルホン酸の塩。
【0032】
(B-4)燐酸エステル型界面活性剤:例えば、アルキル(例えばC8〜12)燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(例えばC8〜18)エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)アルキル(例えばC8〜12)フェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの燐酸エステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールイミンおよび縮合燐酸(例えばトリポリリン酸等)等の燐酸エステル、並びにそれら燐酸エステルの塩。
【0033】
上記の(B-1)〜(B-4)における塩の対イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0034】
(C)カチオン性界面活性剤:
例えば、アルキルアミン、アルキル4級アンモニウム塩、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物およびアルキル4級アンモニウム塩のエチレンオキサイド付加物等。
【0035】
(D)両性界面活性剤:
(D−1)ベタイン型界面活性剤:例えば、アルキル(例えばC8〜18)ジメチルアミノ酢酸ベタイン、アシル(例えばC8〜18)アミノプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキル(例えばC8〜18)ヒドロキシスルホベタインおよび2−アルキル(例えばC8〜18)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが挙げられる
(D−2)アミノ酸型界面活性剤:例えば、アルキル(例えばC8〜18)アミノプロピオン酸、アルキル(例えばC8〜18)アミノジプロピオン酸およびN−アシル(例えばC8〜18)−N‘−カルボキシエチル−N‘−ヒドロキシエチルエチレンジアミンが挙げられる。
【0036】
(D−3)アミンオキシド型界面活性剤:例えば、アルキル(例えばC8〜18)ジメチルアミンオキシドおよびアシル(例えばC8〜18)アミノプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0037】
(E)その他の界面活性剤:
(E−1)シリコン系界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体およびポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
(E−2)フッ素系界面活性剤:例えば、パーフルオロアルケニルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテルおよびパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0038】
これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
本発明の乳剤組成物に使用できる溶剤としては、例えばキシレン、アルキル(CまたはC10等)ベンゼン、フェニルキシリルエタンおよびアルキル(CまたはC等)ナフタレン等の芳香族炭化水素類、マシン油、ノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびナフテン等の脂肪族炭化水素類、ケロシン等の芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素の混合物、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコール等のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等の多価アルコール、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびプロピレングリコールモノフェニルエーテル等のエーテル、アセトフェノン、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトン等のケトン、脂肪酸メチルエステル、コハク酸ジアルキルエステル、グルタミン酸ジアルキルエステル、アジピン酸ジアルキルエステルおよびフタル酸ジアルキルエステル等のエステル、N−アルキル(C、CまたはC12等)ピロリドン等の酸アミド、大豆油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油、綿実油およびヒマシ油等の油脂、ジメチルスルホキシドならびに水が挙げられる。
【0040】
本発明の乳剤組成物は、例えば以下の方法で製造することが出来る。(a)クロロアセトアニリド系除草活性成分、(b)カルボジイミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、着色剤および酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上、並びに必要に応じて(c)界面活性剤および溶剤等から選ばれる1種または2種以上の補助成分を混合して、均一な溶液を調製することにより本発明の乳剤組成物が得られる。
【実施例】
【0041】
〔試験例1〕経時的色調変化
第1表に示した乳剤組成物を製造し、直後の色調をガードナー比色計で評価した。その後、第2表に示した温度で暗所に保管し、第2表に示した日数が経過した時点で再び色調をガードナー比色計で評価し、製造直後との差を求めた。
【0042】
結果を第2表に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の乳剤組成物は、雑草の防除に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)および(b)を含有する乳剤組成物。
(a)クロロアセトアニリド系除草活性成分。
(b)カルボジイミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、着色剤および酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上。
【請求項2】
(b)が着色剤である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
着色剤が、トウガラシ色素またはクロロフィル色素である請求項2記載の組成物。
【請求項4】
(b)が酸化防止剤である請求項1記載の組成物。
【請求項5】
酸化防止剤がカテキンである請求項4記載の組成物。
【請求項6】
(a)がアラクロールである請求項1ないし5から選ばれるいずれか1項記載の組成物。

【公開番号】特開2011−68565(P2011−68565A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218704(P2009−218704)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】