説明

経皮デバイス中のテストステロンの安定化

【課題】本発明は、自己接着性の経皮デバイスに封入されたテストステロンの化学的安定性を高め、アンドロステンジオンやその他の不純物への化学的な劣化を制限することを可能にするものであり、そのようにして36ヶ月に及ぶ期間における前記デバイスの保存を保証する。
【解決手段】テストステロンを含む経皮デバイスを、気密性の包装容器で包装し、該包装容器の内部に、乾燥剤を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストステロンおよび/または少なくとも一つの誘導体を投与するための自己接着性経皮デバイス(auto−adhesive transdermic device:以下、「ATD」と略す)の分野に関するものであり、特に、テストステロンが高濃度で存在する場合に、そのようなデバイスの中に封入されたテストステロンの安定化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
そのようなATDは、慢性病理学の枠内で、更には予防のために、有効成分の経皮的投与を可能とする薬剤形態になっている。
そこで、男性ホルモン投与の一環として、そのようなホルモン、特にテストステロンの投与に寄与するようなATDが存在する。
【0003】
17−ヒドロキシアンドロスト−7−エン−3−オンとして、体系的な術語で知られているテストステロンは、主要なアンドロゲングループの循環型ホルモンである。
5アルファ−還元酵素の作用の下で、それはジヒドロテストステロンに変化するが、それは性差を生じさせる原因となるホルモンである。
【0004】
ATDの中でも、貯蔵型デバイスと基質型デバイスとが存在する。
前者においては、有効成分は、媒体と膜との間に配置されたゲルの中に封入されている。
後者の場合には、有効成分は、一般的には自身が自己接着性である基質層の内部に封入されている。
【0005】
ATDで生じる問題の一つが、有効成分の皮膚への浸透の遅さである。
テストステロン置換療法の場合には、吸収促進剤を用いるか、および/または、強制的に拡散を受け入れさせることができるよう、テストステロンの過飽和の条件を作り出すことができる。
【0006】
後者の場合には、基質の内部のテストステロンが過飽和状態にあると、前記基質の中でテストステロンの安定性の問題が生じる。
事実、テストステロンの過飽和は、該テストステロンの結晶化現象を引き起こすものであり、それは経皮通過を減退させるものである。
更に、過飽和状態のテストステロンを封入するATDを、数カ月から数年の長期にわたって貯蔵する場合には、アンドロステンジオンならびに様々な酸化不純物のような、テストステロンの水酸化物の存在が観察される。
事実、それらの製造後には、それらを患者に使用するために、ATDの貯蔵と保存を行うのが普通である。
産業的と同様に商業的に、そしてそれだけではなく、患者や前記製品を処方する薬剤師の立場からも常に望ましいのは、できるだけ使用期限の長い製品を用意することである。
品質保持期限という点で、テストステロンの量に対してアンドロステンジオンが許容される比率は最大で3重量%、そして他の不純物の比率も3重量%である。それらは、市販可能な製品として登録する条件を満たすのに不可欠の前提条件である。
【0007】
幾つかの症例、そして、特に具体的には国際公開第99/15156号パンフレットに記載されているものにおいては、ATDの中のテストステロンの安定性は、自己接着性の基質層の中に、非常に微量の他のステロイド・ホルモン、エストロンを併在させることによって得られる。
エストロンの存在は、ホルモン療法の医学的投与の状況においては望ましくない。
他の症例、特に国際公開第00/74933号パンフレットにおいては、ATDは幾つもの層で構成されており、そのうちの一層は、PVA、PVPタイプの重合体、ポリビニルアセテートで構成されているため、周囲の湿度を吸収するためのものである。
そのようなデバイスの製造は、更に複雑なものとなる。
【特許文献1】国際公開第99/15156号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/74933号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、このような一般的な観察からは、テストステロンの水酸化や酸化による劣化を、数カ月から数年にわたって制限するために、ATDの内部、特に基質型のATDの内部に存在する該テストステロンを保護するための簡便で安価な手段が必要であることが明らかとなる。
テストステロンを保護するための手段として知られているのは、酸化防止剤を加えるというものであるが、それは、アンドロステンジオンの量を制限できるとしても、識別不能な他の不純物の発生が観察された。
更に、接着性の基質の内部に酸化防止剤を加えるということは、経皮浸透のリスクを考慮すると、生理的適合性の面で、幾つかの問題を生じさせる。
不活性な雰囲気のもとで、酸素を通さない材質を配合した包装容器を検討することもできた。
しかしながら、そのような方法は、費用がかかるものであり、また、貯蔵期間が36カ月にもおよぶものであることから、その材質が酸素を通すものではないとはいっても、最終的には酸素を通してしまうことが常であることを考慮にいれると、部分的にしか満足のいくものではない。
実験によると、100%近い酸素での置換率を確保するのは、更に難しい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、ATDの内部、より詳細には、基質型のATDの内部のテストステロンの安定性の問題に取り組むものである。
事実、驚くべきことに、そして、全く予想外のこととして、乾燥剤を用いることによって、酸化や水酸化の不純物が形成されるのを制限することができることに気づいた。
【0010】
そえゆえ、本発明は、実質的に気密性の容器内に封入された、自己接着性の経皮デバイスの中に存在するテストステロンの劣化を制限するための乾燥剤の使用に関するものである。
【0011】
ここで、乾燥剤と言うのは、水への親和力が強く、その包装容器の内部の雰囲気中に封入された水分、または、前記包装容器の中に浸透する恐れのある水分を固定することが可能な、あらゆる製品のことである。
【0012】
ここで、テストステロンの劣化と言うのは、前記テストステロンを酸化および/または水酸化する不純物の形成のことである。
そのようにして、接着性の基質を脱水することができる乾燥剤の活用は、ATDを長期にわたって貯蔵する際に、酸化誘導体および水酸化誘導体が形成されるのを著しく制限することができるという驚異的な能力に気づくことができた。
【0013】
本発明での使用法は、要するに、好ましくは、水蒸気や酸素に対して気密性であり、テストステロンを含むATDを封入する小袋タイプの包装容器の内部に、乾燥剤を配置することである。
【0014】
「包装容器」という表現は、つまりは、その維持、輸送および貯蔵の際に、ATDを封入して保護するための、様々な性質の材質の組み合わせによって構成された集合物のことである。
「実質的に気密性の」という表現は、つまりは、その雰囲気から前記包装容器の内部へと酸素や水蒸気が通過するのを、前記包装容器が実質的に妨げるということである。そして、それが包装されたATDの貯蔵期間を通じて妨げ続けられるということである。
【0015】
乾燥剤は、好ましくは、ATDとは物理的に分離されている。
【0016】
その乾燥剤は、錠剤の筒型容器の中で用いられているもののように、製薬業界において既知である。そして、用いられている乾燥剤なら、どのようなタイプのものでもよい。
例えば、シリカゲルや分子ふるいでもよい。
【0017】
好ましくは、ほとんどの場合、例えば、珪酸化アルミニウムのナトリウム塩またはカリウム塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムまたは酸化アルミニウムによる分子ふるいである。
これらの製品は、非常に微細な粉末の形状を有しており、該粉末の使用可能なサイズは、1から10Åの間に含まれる。
【0018】
乾燥剤は、好ましくは、ATDと一体化するようになってはおらず、ATDからは、物理的に独立している。
同様に、この乾燥剤は、包装容器と結びつき、物理的に独立するようにして、該包装容器と一体化していてもよい。
乾燥剤は、ATDが、封入されている、例えば、前記乾燥剤が、封入された、遊離しているか、接着されている、多孔質の小袋の形状の包装容器の中に、配置されていてもよい。
また、接着性の支えと、例えば、不織布製の多孔質のカバー・シートとの間に挟まれてサンドイッチ状になった、乾燥剤が封入されている、遊離しているか接着可能な、乾燥剤シールであってもよい。
したがって、このようなシールは、ATDが、封入されている気密性の包装容器の内部に接着されることもできる。
このシールは、既に説明したように、ATDからは物理的に独立していてよいが、しかしながら、例えばATDを支持層の外表面に接着することを検討してもよい。
したがって、特に適した乾燥剤として、MULTISORB Technologies社から市販されているDESIMAX(登録商標)という製品が挙げられる。
それは、非常に微細なテストステロンを含むATDが封入された気密性の包装容器の中に容易に配置することができる、湿度を吸収する接着シールである。特に適した他のタイプの乾燥剤は、その内部において乾燥剤そのものが、できる限り均一に配分されている、重合体から構成されるシールである。
【0019】
テストステロンが封入されているATDは、水の透過性が非常に低い包装容器の中にパックすることもできるものである。該包装容器は、例えば、熱形成されたプラスチック材質製の底、アルミノ・プラスチック製、あるいは、好ましくは、純アルミニウム製の、柔軟で熱接着性されたシートの形状の、剥がすことのできる蓋を供えるブリスターである。
このような包装容器の中に、好ましくは、ブリスターの内表面、または底、または剥がすことのできる蓋に、接着されたシールの形状の乾燥剤を配置することができる。
ブリスタータイプの包装容器の場合には、水蒸気に対する可能な限り高度の気密性が得られるよう、底と同様に蓋にもアルミニウムを使用することが好ましい。
【0020】
課題のATDも、その周囲を溶着した、多層フィルムの集合によって形成した、気密性の小袋の中に、パックされてもよい。
多層フィルムとして妥当なのは、製薬業界で従来使用されているものであり、例えば、紙/ポリエチレン/アルミニウムを組み合わせたものを挙げることができる。
【0021】
したがって、このような包装容器の内部に、乾燥剤を封入した多孔質の小袋、あるいは、任意の選択で自己接着性のものともできる、乾燥シールを配置することができる。
乾燥剤の存在は、したがって、ATDに封入されたテストステロンを、12カ月、更には24カ月、更には36カ月もの貯蔵期間中、安定させることを可能にする。そして、その間、乾燥剤を用いていない対照と比較すると、アンドロステンジオンタイプの劣化生成物の発生が非常に低く抑えられることが確認される。
【0022】
本発明の具体的な実施態様においては、乾燥剤は、包装容器の材質の不可分な一部としてもよいことになる。
したがって、そのために、小袋の場合には、該乾燥剤は、多層フィルムの間の溶着部位のところで、または、ブリスターの場合には、剥がすことのできる蓋と底との間に、分配されていてもよい。
【0023】
本発明が対象とする、テストステロンを封入した経皮デバイスは、あらゆるタイプのATDである。
しかしながら、本発明は、より詳細には、基質型と呼ばれるデバイスに関するものである。
有効成分としてテストステロンを封入した基質型ATDの例として挙げられるのは、本出願人の名義で出願された仏国特許出願公開第2793689号明細書に記載されたデバイスである。
この出願に記載されたATDは、基質層の中に酸として作用するアクリルタイプの重合体を含んでいる。
酸は、ベースモノマーの間にアクリル酸が存在することによって作用する。
それゆえ、基質層の中で用いられている、この自己接着性重合体が、遊離カルボン酸側鎖基を有することを理解しなくてはならない。
本来、不都合な基質材質の酸性の特性を考慮に入れて、テストステロンの安定性を最大にするためには、ポリビニルピロリドンを加えることにより、前記テストステロンの物理的な安定化が可能になった。
しかしながら、やはり、そのような酸性基が存在するため、長期にわたるテストステロンの化学的安定性は最適ではないと感じられた。
それがまた、本発明の対象であり、つまり基質ATD、特に、内部の基質層が酸性官能基を有する、自己接着性重合体を含んでいる、基質型のATDの中に封入されたテストステロンの化学的安定性を、長期にわたり確保することである。
【0024】
それゆえ、本発明は、ATD、特に好ましくは、酸性官能基を有する重合体を、少なくとも一つ含む、基質型のATDの中に封入されるテストステロンの安定化を目指すものである。
【0025】
本発明の枠内において、テストステロンというのは、テストステロンそのものか、その誘導体の一つのことである。
テストステロンの誘導体というのは、本発明では、例えば、アセテート、エナント酸エステル、プロピオン酸エステル、イソブチル酸エステル、ウンデカノ酸エステルおよびシピオン酸エステルのようなエステル構造だけでなく、少なくとも、6−aか7−aの位置に、置換基を有する誘導体のことである。
特に挙げられるのは、7−a−メチル・テストステロン、7−a−メチル−19−ノルテストステロン、7−a−メチル−11b−ヒドロキシテストステロン、7−a−17−ジメチルテストステロン、7−a,17−ジメチル−11b−ヒドロキシテストステロンなどである。
【0026】
それゆえ、本発明に係るテストステロンを封入したATDと乾燥剤とを結びつけて用いることで、このようなデバイスの中に封入された、テストステロンの化学的安定性を、相当に改善することができる。
したがって、例えば、仏国特許出願公開第2793689号明細書に記載されているように、DESIMAX(登録商標)のようなタイプの乾燥剤を経皮デバイスに結びつけることによって、25℃/60%の相対湿度(HR)で30カ月貯蔵した際に、乾燥剤なしの対照と比較して、アンドロステンジオンの含有量が半減し、そして他の不純物も四分の一近くまで下がったことを観察できた。
したがって、必然的に、貯蔵期間中の、包装容器の内部に乾燥剤が存在している状態での、劣化によるテストステロン含有量の低下は、乾燥剤なしの同じ対照と比較して二分の一に抑えることができる。
【0027】
本発明が、特に予想外で驚異的なのは、事実、テストステロンを有するATDを、中に封入した包装容器の内部における乾燥剤の存在に起因する、テストステロンの酸化と水酸化を制限できることを説明するのは難しいと思われるためである。
一つの仮説を先行させると、テストステロンを封入した接着性の基質の完全な脱水は、この基質のところで、残留水分の働きをはっきりと減退させることを可能にするものである。また同様に、酸化生成物と水酸化生成物を形成する動力を減退させることを可能にするものである。
【0028】
既に述べたように、本発明は、より詳細には、酸性官能基を有する重合体が少なくとも一つ封入された、基質型の自己接着性経皮デバイスの中に封入されたテストステロンの化学的安定性に関するものである。
それゆえ、乾燥剤の存在は、重合体の、特に酸性官能基の有害な効果を阻止すると思われる。
【0029】
最後に、本発明のもう一つの対象は、中にテストステロンが封入された自己接着性の経皮デバイスの形を有する薬学的組成物を提供することである。共に、乾燥剤が封入された気密性の包装容器の中に配置されている前記組成物の特徴は、25℃で相対湿度が60%の状態で12カ月、好ましくは、24カ月、更に36カ月貯蔵した後の、デバイスの中に封入されているアンドロステンジオンの量が、他の劣化不純物の量と同様、テストステロンの量の3重量%未満、更には2重量%未満であることである。
【0030】
更に好ましくは、経皮デバイスは、酸性官能基を有する自己接着性重合体を少なくとも一つ封入した基質型のデバイスである。
したがって、好ましくは、この酸性官能基を有する自己接着性重合体は、(メタ)アクリル酸モノマーと、C1−C6でのアルキルの(メタ)アクリル酸モノマー、2−(C1−C6でのアルキル)ヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、そして2−ヒドロキシ(C1−C6でのアルキル)(メタ)アクリレートの群から選択された少なくとも一つのモノマーとの重合体である。
それよりも更に好ましくは、(メタ)アクリル酸モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸グリシド、そして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの群から選択された少なくとも一つのモノマーとの重合体である。
そのようなアクリル系のモノマーは、例えば、National Starch社のDUROTAK(登録商標)387−2052または87−2052である。
【0031】
それゆえ、本発明は、気密性の包装容器の中にパックされた、テストステロンを封入したATDの貯蔵を保証することを可能にするものである。それは、その包装容器の中に、乾燥剤が存在することによって可能になっている。
これにより、テストステロンを入れたATDを、約25℃の温度と約60%の相対湿度で、12カ月まで、更に24カ月まで、更には36カ月まで保存することが可能になる。そして、テストステロンの量の約3重量%というアンドロステンジオン含有量の閾値を越えることを観察せず行うことが可能になる。
【0032】
このような発明は、特に有益であり、実施も簡便である。
本発明の利点を更に明らかにするために、実施例と安定性試験を以下に説明する。
【実施例1】
【0033】
テストステロンを主成分とするATDのモデルとなるバッチについての、自己接着性の乾燥シール(Desimax(登録商標))0.145gで得られた結果を、次に示す。
ここで、A(%アンドロステンジオン、テストステロンの量に対する重量%)であり、O(%他の不純物、テストステロンの量に対する重量%)である。
【0034】
【表1】

【0035】
●組成物CM851E01とCM852E02は、以下の組成のテストステロンを主成分とするATDの二つのバッチである。
○重合体が網目状になっており、酸指標が10から70の間に含まれ、ならびに、ガラス転移温度が−100℃から−10℃(DUROTAK 387−2052)の間に含まれる、アクリル酸モノマー、2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニルとアクリル酸ブチルの自己接着性の重合体が69重量%。
○分子量が44000と54000の間に含まれる、ポリビニルピロリドンが15重量%。
○N,N,−ジエチル−m−トルアミドが11重量%。
○テストステロンが5重量%。
【0036】
ATDは、紙/アルミニウム/ポリエチレンの三層を熱封止した二枚のシートによる気密性の小袋の中に、包装される。
乾燥シールは、その小袋の内表面に配置される。
【0037】
実施例1では、本発明によるDesiMax(登録商標)の乾燥シールを用いることにより、不純物の進行を、はっきりと減退させることができる。
例えば、30℃/相対湿度65%で、12カ月の、DesiMaxの存在なしの、アンドロステンジオンと他の不純物の平均値は、それぞれテストステロンの量の1.9重量%と2.17重量%である。
同じ保存条件と同じ品質保持期限で、DesiMax(登録商標)の乾燥シールが存在していると、アンドロステンジオンの量は半減し、他の不純物は約70%減らすことができる。
【実施例2】
【0038】
テストステロンを主成分とするATDの産業バッチについての、DesiMax(登録商標)タイプの、自己接着性の乾燥シール0.145gで得られた結果を、次に示す。
ここで、A(%アンドロステンジオン、テストステロンの量に対する重量%)であり、O(%他の不純物、テストステロンの量に対する重量%)である。
【0039】
【表2】

【0040】
組成物7043524、7043534、7043554と7043564は、実施例1に記載されている組成物に対応するものであり、また、実施例1に記載されているのと同一の方法で包装した、テストステロンを主成分とするATDである。
【0041】
実施例2によると、本発明のDesiMax(登録商標)の乾燥シールを用いることにより、産業規模で製造されたATDの安定性を改善することが可能になる。
例えば、25℃/相対湿度60%で最初の9カ月を通じての安定性については、このシールの存在により、劣化生成物の進行にブレーキをかけることができる。
アンドロステンジオンと他の不純物の量は、半減する。
ATDの物理的安定性は、良好である。
【実施例3】
【0042】
テストステロンを主成分とするATDのモデルとなるバッチについて、DesiMax(登録商標)タイプの乾燥シール0.145gで得られた結果と、ATDの含水量の重量%での比較とを、次に示す。
【0043】
【表3】

【0044】
実施例3によると、本発明によるDesiMax(登録商標)シールを用いることにより、ATDをほとんど完全に脱水することが可能になる。
包装前の当初の平均含水量(0.8%)は急速に低下して、0.1%を下回る閾値に達する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密性の包装容器内に封入された、自己接着性の経皮デバイスの中に存在するテストステロンの劣化を制限するための乾燥剤の使用。
【請求項2】
乾燥剤は、自己接着性の経皮デバイスとは物理的に独立しているものであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
乾燥剤は、包装容器から物理的に分離していることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
乾燥剤は、包装容器と結びつけられていることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
乾燥剤は、包装容器の内表面に接着されていることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
乾燥剤は、分子ふるいとシリカゲルとを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
そのような分子ふるいは、珪酸化アルミニウムのナトリウム塩またはカリウム塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムまたは酸化アルミニウムを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
乾燥剤は、多孔質の小袋の中に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
乾燥剤は、任意の選択により自己接着性のものともなりうるシールの中に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
接着性のシールは、接着性の支えと多孔質のカバー・シートとの間に挟まれてサンドイッチ状になった乾燥剤を含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
シールは、その内部において乾燥剤が配分されている重合体を少なくとも一つ含むことを特徴とする、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2009−522243(P2009−522243A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548013(P2008−548013)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002873
【国際公開番号】WO2007/074239
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(504249145)
【氏名又は名称原語表記】PIERRE FABRE MEDICAMENT
【Fターム(参考)】