説明

経食道超音波心臓検査カプセル

【課題】患者の食道に入るように構成され、患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを含む画像化システムを提供する。
【解決手段】システムは、食道内に入るように構成されたアプリケータ管を更に含み、この管は、食道内でカプセルを位置決めするためにカプセルに取り付け可能であり、かつカプセルの位置決め後に、カプセルが食道内の所定の位置に留まったまま管を食道から取り出すことを可能にするようにカプセルから切り離し可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年6月23日に出願された米国仮特許出願61/357,703号の利益を請求し、この仮特許出願は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、画像化に関し、特に患者の食道を介した超音波画像化に関する。
【背景技術】
【0003】
経食道画像化システムは、当該技術分野で既知である。そのようなシステムは、典型的には、画像化する患者の食道内に比較的太い管の挿入を必要とする。管の挿入は、典型的には、患者がやむを得ず鎮静剤を飲まされた場合でも、患者に不快感をもたらす。更に、システムのオペレータは、典型的には、管を使用して食道内のシステムを操作しなければならず、更なる不快感が生じる。
【0004】
参照により本特許出願に組み込まれる文書は、組み込まれた文書内の用語が、本明細書で明示的又は暗黙的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、
患者の食道に入るように構成され、患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルと、
食道に入るように構成されたアプリケータ管とを含む画像化システムであって、管が、食道内でカプセルを位置決めするためにカプセルに取り付け可能であり、かつカプセルの位置決め後に、カプセルが食道内の所定の位置に留まったまま管を食道から取り出すことを可能にするようにカプセルから切り離し可能である、画像化システムを提供する。
【0006】
典型的には、アプリケータ管は、ロック機構を含み、カプセルは、ロック機構と嵌合する保持機構を含み、ロック機構と保持機構は、管をカプセルに取り付けかつ管をカプセルから切り離すように動作可能である。
【0007】
幾つかの実施形態では、システムは、アプリケータ管の空洞を通りかつカプセルに結合されたケーブルを含み、このケーブルは、カプセルとの間で信号を伝送するように構成される。典型的には、信号は、超音波トランスデューサによって生成された画像化信号を含む。
【0008】
開示された実施形態では、カプセルは、トランスデューサからの超音波が患者の組織の方に導かれるように超音波トランスデューサを位置決めするように構成された1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEMs)を含む。
【0009】
更に他の開示された実施形態では、カプセルは、流体により膨張可能なバルーンを含み、それにより、膨張時にバルーンがカプセルを食道に固定する。典型的には、システムは、アプリケータ管の空洞を介してカプセルに接続された管材料を含み、管材料は、バルーンに流体を送るように構成される。一実施形態では、バルーンは、1つ又は複数の電極を含む。代替の実施形態では、トランスデューサの位置は、バルーンの膨張に応じて調整される。
【0010】
典型的には、カプセルは、カプセルの位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成されたカプセル位置決め装置を含む。カプセル位置決め装置は、磁気位置決め装置でもよい。
【0011】
更に他の開示された実施形態では、アプリケータ管は、アプリケータ管の遠位端の位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成された管位置決め装置を含む。
【0012】
カプセルは、円筒状でもよい。幾つかの実施形態では、円筒状カプセルは、螺旋状特徴を有する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、
患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを患者の食道に挿入することと、
食道内にアプリケータ管を挿入することとを含む画像化する方法であって、管が、食道内でカプセルを位置決めするためにカプセルに取り付け可能であり、かつカプセルの位置決め後に、カプセルが食道内の所定の位置に留まったまま管を食道から取り出すことを可能にするようにカプセルから切り離し可能である方法もまた提供される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、
患者の食道に入るように構成され、患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルと、
カプセルに固定接続され、患者の近くで生成された磁界に応じて、カプセルの第1の位置を示す第1の信号を提供する第1の磁気位置決め装置からなるカプセル位置決め装置と、
食道に入るように構成されたアプリケータ管であって、食道内でカプセルを位置決めするためにカプセルに取り付け可能であり、かつカプセルの位置決め後に、カプセルが食道内の所定の位置に留まったまま管を食道から取り出すことを可能にするようにカプセルから切り離し可能である、アプリケータ管と、
第2の磁気位置決め装置を含むプローブであって、第2の磁気位置決め装置が、磁界に応じて患者内のプローブの第2の位置を示しかつ第1の位置と位置合わせされた第2の信号を提供する、プローブと、を含む、画像化システムもまた提供される。
【0015】
また、本発明の一実施形態によれば、画像化する方法であって、
患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを患者の食道に挿入することと、
カプセル位置決め装置をカプセルに固定接続することであって、位置決め装置が、患者の近くで生成された磁界に応じてカプセルの第1の位置を示す第1の信号を提供する第1の磁気位置決め装置からなる、ことと、
食道内にアプリケータ管を挿入することであって、管が、食道内でカプセルを位置決めするためにカプセルに取り付け可能であり、かつカプセルの位置決めの後に、カプセルが食道内の所定の位置に留まったまま管を食道から取り出すことを可能にするようにカプセルから切り離し可能である、ことと、
患者に第2の磁気位置決め装置を含むプローブを挿入することであって、第2の磁気位置決め装置が、磁界に応じて患者内のプローブの第2の位置を示しかつ第1の位置と位置合わせされた第2の信号を提供する、ことと、を含む、方法もまた提供される。
【0016】
本開示は、以下のより詳細な実施形態と、その図面の記述により、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による画像化システムの概略図。
【図2】本発明の一実施形態によるシステムのアプリケータ管の概略図。
【図3】本発明の一実施形態によるシステムのカプセルの概略図。
【図4A】本発明の一実施形態によるロック及び保持機構を示す概略図。
【図4B】本発明の一実施形態によるロック及び保持機構を示す概略図。
【図5】本発明の一実施形態による図3のカプセルの保持管の概略図。
【図6】本発明の一実施形態によるシステムの使用中に実行される工程を示すフローチャート。
【図7】本発明の一実施形態による画像化システムを使用する処置を示す概略図。
【図8】本発明の実施形態による処置の工程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
要旨
本発明の一実施形態は、典型的には患者の心臓組織の超音波画像を提供するために使用され得る経食道超音波画像化システムを提供する。このシステムは、超音波トランスデューサを備えた画像化カプセルを含み、このカプセルは、患者の食道に入ることができるようにサイズが決められる。典型的には、トランスデューサは、1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEMS)ピストンに取り付けられ、このピストンは、カプセルが食道内で固定されている間にトランスデューサを並進させる及び/又は方向付けすることを可能にする。また、カプセル自体が、食道内でカプセル全体を再び方向付けすることを可能にするMEMS回転装置を含んでもよい。
【0019】
システムは、また、やはり患者の食道に入るようにサイズが決められたアプリケータ管を含む。カプセル及び管は、食道内にカプセルを位置決めするために管とカプセルとの取り付けを可能にするロック及び保持機構を含む。カプセルが、食道内の所望の位置になった後で、機構を作動させてカプセルから管を切り離してもよい。この切り離しによって、カプセルが食道内の所定の位置に留まったまま管を食道から取り出すことができる。
【0020】
典型的には、カプセルとの間の画像信号及び制御信号並びにカプセルへの電力は、カプセルに接続された細いケーブルを介して提供されてもよい。ケーブルは、典型的には、アプリケータ管の空洞内に通される。
【0021】
食道からアプリケータ管を取り出した後、カプセル及びその細い接続ケーブルのみが患者内に留まり、先行技術の経食道画像化システムよりも患者の快適さが大幅に向上する。患者の快適さが向上すると、典型的には前述のMEMS装置を使用することにより長時間のより徹底的な画像化を患者に行なうことができるようになる。
【0022】
システムの説明
次に、本発明の一実施形態による画像化システム20の概略図である図1を参照する。システム20は、画像化カプセル22を含み、この画像化カプセル22は、患者26の食道24内に入り、位置決めされることができるようにサイズが決められる。典型的には、カプセル22は、中心軸23を有する円筒状である。幾つかの実施形態では、カプセル22は、一般に、カプセルの外側面に形成された螺旋又は部分的螺旋25を有するような螺旋形特徴を有する円筒形でよい。
【0023】
システム20は、また、患者の食道に入ることができるようにサイズが決められたアプリケータ管28を含む。管28は、カプセル22に脱着することができる。したがって、管とカプセルとが取り付けられたとき、システムのオペレータ30は、手を使用して管を押したり引いたりして、それにより、カプセルを食道24内の所望の位置まで動かすことができる。管28とカプセル22とが切り離されたとき、オペレータは、画像化カプセルを所望の場所の所定の位置に留めたまま、食道24から管を取り出すことができる。
【0024】
カプセル22は、細いケーブル34によってシステムコントローラ32に結合され、細いケーブル34は、コントローラがカプセルに電力供給することを可能にする。ケーブルは、また、コントローラがカプセルとの間で操作信号をやりとりし、またカプセルから画像信号を受け取ることを可能にする。典型的には、ケーブル34は、小さな直径の同軸ケーブルである。コントローラ32内のマルチプレクサ33は、ケーブル34に接続され、ケーブルは、アプリケータ管28の中心空洞36内に配置されることによってマルチプレクサとカプセルとの間に接続される。マルチプレクサ33の機能を以下に説明する。幾つかの実施形態では、操作信号及び画像信号の少なくとも幾つかは、コントローラとカプセルとの間で無線でやりとりされる。
【0025】
幾つかの実施形態では、コントローラ32は、流体供給源35を含む(分かりやすくするために、図1では供給源に結合された配管は示されていない)。供給源35は、典型的には、閉ループ供給源であり、流体の冷却を可能にする熱交換器を備える。供給源35の機能を以下に説明する。
【0026】
本明細書の説明において、オペレータ30は、患者26の心臓38の組織を画像化する処置の間にカプセル22を使用すると仮定される。しかしながら、そのような処置が、例として述べられ、オペレータ30が、実質的に患者の食道近くの他の組織を画像化するために食道24内でカプセル22を位置決めしてもよいことを理解されたい。
【0027】
システムコントローラ32は、メモリ42と通信する演算処理装置40を含む。コントローラは、オペレータ30の統括的制御下で、メモリ42に記憶されたソフトウェアを使用して、カプセルからの信号を処理し、またシステム20の操作と関連した他の機能を実行する。コントローラ32によって実行される操作の結果は、画面44でオペレータに提示されて、画面44は、典型的には、オペレータにグラフィックユーザインタフェースを表示し、及び/又は心臓38の画像を表示する。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子形式でコントローラ32にダウンロードされてもよく、代替又は追加として、磁気、光学、若しくは電子メモリなどの持続的有形媒体に提供及び/又は記憶されてもよい。
【0028】
組織画像化処置の間、コントローラ32は、カプセル及び管に組み込まれたカリフォルニア州ダイアモンドバー(Diamond Bar)のBiosense Webster製のCARTO(登録商標)ナビゲーション・システムに使用されているような磁気位置決め装置からの信号を使用してカプセル22及び管28を追跡する。磁気位置決め装置(後でより詳細に述べる)は、典型的には1つ又は複数のコイルであり、患者26の近くに配置された磁気トランスミッタ46によって伝達された磁界に応じて信号をコントローラに提供する。あるいは又は更に、カプセル22及び管28は、当該技術分野で既知の他の便利な追跡システムによって追跡されてもよい。そのような追跡システムの一例を以下に述べる。
【0029】
前述の心臓画像化処置は、典型的には患者26が横に寝た状態で実行されるが、以下の説明では、分かりやすくするために、患者26は、電気生理学的処置の場合のように、食道24がほぼ垂直になるように向けられると仮定される。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態によるアプリケータ管28の概略図である。図は、管の近位端60と遠位端62を示す。管28は、典型的には、柔軟であるが、食道24に挿入できるように十分な剛性を有する。幾つかの実施形態では、管28は、可変弾性を有する材料から構成され、それにより、曲がりやすく比較的剛性のある状態で食道内に挿入された後で、管が弛緩するように弾性が変更されてもよい。
【0031】
管の遠位端には、アプリケータ管ロック機構64が実装される。管遠位端位置決め装置66(典型的には、磁気位置決め装置)が、遠位端62に固定されてもよい。位置決め装置66は、信号を管28内のケーブル68を介してコントローラ32に提供し、それによりコントローラは、遠位端の位置を追跡するするこができる。アプリケータ管ロック機構64は、カプセル28のカプセル保持機構と嵌合する。管ロック機構及びカプセル保持機構の両方について、以下に詳細に述べる。
【0032】
ロック機構64は、ロック・アクチベータ70を使用するオペレータ30によって作動される。本明細書では、例として、アクチベータ70は、空洞36内を近位端60から遠位端62まで延びるロック管72を含む機械的なものであると仮定され、管72の遠位端が、アクチベータとして働く。オペレータ30は、ロック管72の近位端を押すか引くことによってロック機構を作動させる。電気機械的及び磁気的なロック機構及びアクチベータを含むロック機構及びアクチベータの他の形態は、当業者に明らかになり、本発明の範囲は、これらの形態を含む。
【0033】
管72内には、ケーブル34がアプリケータ管28の近位端と遠位端との間に通ることを可能にする他の空洞74がある。幾つかの実施形態では、細い管材料76が空洞74内を通る。管材料76は、流体供給源35に接続されてもよく、典型的には、カプセル22との間で流体を閉ループで流すために使用されるように1対の管を含む。流体は、典型的には、食塩水であり、供給源35内の熱交換器によって冷却されることがある。図に示したように、近位端60で、ケーブル68、管材料76及びケーブル34が、システムコントローラに結合され、遠位端62で、管材料76及びケーブル34がカプセル22に結合される。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態によるカプセル22の概略図である。カプセル22は、その上側面に、アプリケータ管ロック機構64と典型的には機械的に嵌合するカプセル保持機構90を含む。代替実施形態では、保持機構90は、前述の管ロック機構の代替実施形態と嵌合するように選択された電気機械及び/又は磁気構成要素を含んでもよい。
【0035】
膨張式バルーン92が、カプセルに結合され、管材料76に接続されてもよい。バルーン92は、典型的には、カプセルを少なくとも部分的に取り囲むように実装される。幾つかの実施形態では、バルーンは、膨張したときにカプセル22がバルーン内に非対称的に配置され、したがって食道に対して非対称的に配置されるように実装される。そのような非対称位置によって、システム20は、カプセルが画像化している組織に対してカプセル22の位置を調整することができる。バルーンは、膨張されたときに、カプセル22を食道に対して固定位置に維持するために食道24に圧力を加えるように構成される。典型的には、バルーンには、バルーンによって食道に加えられる圧力を測定し、また食道の温度を測定するために、圧力センサ94及び温度センサ96が取り付けられる。更に、幾つかの実施形態では、1つ又は複数の電極98が、バルーンに取り付けられ、食道信号及び/又は除細動信号を記録するように構成される。
【0036】
カプセル22は、典型的には、管遠位端位置決め装置66とほぼ類似でよいカプセル位置決め装置100を含む。カプセル位置決め装置100は、カプセルの位置を追跡するための位置及び/又は向き信号をコントローラ32に提供する。電極98は、また、電極98から患者26の皮膚上に配置された電極までのインピーダンスを測定することによって、バルーン及びそれに結合されたカプセルの追跡又は位置決め装置として働くように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、少なくとも幾つかの電極98が、バルーン上ではなくカプセル22上に配置されてもよい。
【0037】
カプセル22は、カプセルから超音波を伝送するためにカプセル内に取り付けられる超音波トランスデューサ102を含む。トランスデューサ102は、また、心臓38などの組織から反射された超音波を受け取る。トランスデューサに結合されたトランシーバ103内の回路(典型的には、アナログ電子回路)によって、かつ反射波に応じて生成された信号から、コントローラ32は、超音波を反射する組織(心臓など)の画像を生成することができる。
【0038】
トランスデューサ102は、典型的には、その超音波を比較的狭いスワス(swathe)で伝送することによって動作し、それにより、典型的には、心臓などの臓器のスライスが画像化される。心臓の完全画像を生成するために、伝送されたスワスを心臓全体にわたって走査しなければならず、各走査からの画像を継ぎ合わせて完全画像を形成した。本発明の実施形態により、トランスデューサを1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEMS)式ピストン104に取り付けることによって、オペレータ30は、トランスデューサ102の向きを変更することができ、トランスデューサ102は、典型的にはMEMSドライバ106を介してコントローラ32によって制御される。そのような向きの変更は、オペレータが、カプセル22を移動させずにトランスデューサのみを移動させることによって臓器全体を走査し画像化することを可能にし、それにより患者26の苦痛が最小になる。
【0039】
幾つかの実施形態では、カプセル22は、典型的には形状が円筒形でコントローラ32からの信号に応じて回転するMEMS回転エンジン108を含む。エンジン108は、バルーン92の収縮状態でエンジンの表面が食道24と接触するようにカプセルの縁に取り付けられる。エンジン108の回転は、エンジン108の表面が食道と接触しながら、カプセル22を軸23のまわりに回転させる。カプセル22が、螺旋形特徴を有するように構成された場合は、エンジン108の回転によってカプセルは食道内で垂直方向に移動する。
【0040】
カプセル22の要素への制御信号と、要素からの信号は、マルチプレクサ110を介して要素との間で伝送されてもよい。マルチプレクサ110は、コントローラ32内のマルチプレクサ33と共に、カプセルの様々な要素とコントローラとの間で信号を多重形式で伝送することを可能にする。典型的には、様々な要素の信号は、デジタル化されたシリアル形式で伝送され、その結果、同軸ケーブルとしてのケーブル34が伝送に適切である。
【0041】
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態によるロック機構64及びカプセル保持機構90を示す概略図である。第1の略図150は、カプセル22が管28に取り付けられたときの機構の構成要素を示す。第2の略図152は、カプセルがアプリケータ管から切り離されたときの構成要素を示す。
【0042】
ロック機構64は、アプリケータ管の遠位端62に固定された複数(通常は3個以上)のL形要素154を含む。それぞれのL形要素は、要素の垂直方向の脚から突出する突出部156を有する。
【0043】
保持機構90は、断面が逆L形でその鏡像の形を有する円環要素158を含む。
【0044】
略図150に示されるように、カプセルとアプリケータ管とが取り付けられた状態で、管72は、L形要素154がリング要素158と係合し、かつ管が突出部156と接触しないように近位方向に動かされた。略図152に示したように、カプセルと管とが切り離された状態で、ロック管72は、遠位方向に下降されて突出部156と接触する。これにより、L形要素は外方に押し出され、したがってリング要素と切り離される。L形要素をリング要素と切り離すと、カプセルがアプリケータ管から分離されるか切り離される。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態によるカプセル22の保持管の概略図である。本発明の幾つかの実施形態では、カプセル22が食道24と接触するのではなく、保持管180が、最初に食道に配置される。保持管は、アプリケータ管28と類似のアプリケータ管を使用して食道内に配置されてもよい。所定の位置になった後で、カプセル22が、アプリケータ管28を使用して保持管内に位置決めされてもよい。保持菅180を使用すると、エンジンが食道ではなく管と接触するので、回転エンジン108の操作によりカプセル22を移動しやすくなる。幾つかの実施形態では、保持管180は、食道内で溶解可能であり、その結果、処置に使用した後で管を取り出す必要がない。
【0046】
図6は、本発明の一実施形態によるシステム20の使用中に行なわれる工程を説明するフローチャート200である。説明は、管材料76を有する実施形態を仮定し、管材料がバルーン92に食塩水流体を供給すると仮定する。説明は、また、位置決め装置66、100が管28及びカプセル22内で動作可能であると仮定する。当業者は、この説明を本明細書に記載した他の実施形態にも適合させることができるであろう。
【0047】
最初の工程202で、カプセル22と管28とは、略図150に示したように、そのロック及び保持機構を使用して取り付けられる。取り付け前に、ケーブル34及び管材料76は、カプセルから空洞74を通されてもよい。次に、ケーブル及び管材料はそれぞれ、コントローラ32内のマルチプレクサ33及び流体供給源35に接続される。カプセルとアプリケータ管を取り付け状態で維持するために、オペレータは、ロック管72が突出部156と接触しないように、即ち管72が近位方向に移動するようにする。
【0048】
初期処置工程204で、オペレータ30は、取り付けられたカプセル及びアプリケータ管を患者26の食道に導入する。典型的には、患者は、導入前に弱く麻酔をかけられる。オペレータは、位置決め装置100及び/又は66を使用することによって、カプセルの位置を表す画面44を使用してカプセル22を食道内の所望の位置に配置する。カプセルの所望の位置は、本明細書では心臓38と仮定された、画像化される組織の近くであり、したがって、トランシーバ103は、組織を画像化することができる。あるいは又は更に、オペレータは、トランシーバ103を作動させ、トランシーバによって生成された画像を使用してカプセルを位置決めすることができる。
【0049】
固定工程206で、カプセル22が所望の位置になった後で、オペレータは、流体供給源35からの流体を使用してバルーン92を膨張させる。典型的には、膨脹後に、画面44は、食道の温度及び圧力測定値を登録センサ94及び96として表示する。オペレータ30は、温度及び圧力の値を使用して患者の快適さを確保してもよい。あるいは又は更に、コントローラ32は、その値を使用して、食道の過熱などの明白な問題の場合に、自動的に膨脹レベルを調整、及び/又はオペレータに警告を提供してもよい。幾つかの実施形態では、流体供給源35は、流体をバルーン92に循環させて、温度及び圧力の改善された制御を可能にする。
【0050】
典型的には、膨張バルーン内の流体は、食道を冷やすことによって、トランスデューサ102によって生成された熱から食道24を保護する。更に、流体によって提供される冷却は、左心房の後壁の切除などの食道の近くでの切除処置の際に生じることがある付随損傷から食道を保護する。
【0051】
幾つかの実施形態では、バルーンの膨張体積のサイズは、コントローラ32によって調整されてもよい。そのような調整は、カプセル22が、食道内の比較的固定された位置にある間にトランスデューサ102の再位置決めを可能にする。カプセルが膨張バルーン内に非対称的に配置された実施形態では、非対称性が、再位置決めに使用されてもよい。トランスデューサのこのタイプの再位置決めは、MEMS式ピストン104及び/又はMEMS回転エンジン108によって提供される再位置決めに加えて、又は代替として実行されてもよい。
【0052】
ロック解除工程208で、オペレータは、カプセルをアプリケータ管からロック解除する。ロック解除操作を実行するために、オペレータは、略図152に示したように、ロック管72を遠位方向に押して突出部156と係合させる。ロック解除操作は、アプリケータ管からカプセルを切り離す。
【0053】
アプリケータ取り外し工程210で、オペレータは、患者の食道から管28を取り出し、食道内の適所にカプセル22を残す。
【0054】
実行処置工程212で、オペレータは、トランシーバ103を作動させ、それによりトランスデューサ102が心臓38の走査を開始する。走査過程で、MEMS式ピストン104は、心臓の様々な部分を走査するように作動される。更に又はあるいは、MEMS回転エンジン108は、超音波走査を誘導するために作動される。更に、あるいは、バルーン92の膨張は、トランスデューサ102の位置を変更するために調整されてもよい。例えば、膨脹は、心臓とトランスデューサとの間の距離を増減し、したがってトランスデューサの視野が増減するように構成されてもよい。
【0055】
MEMS装置の作動及びバルーン膨張は、オペレータによって実行されてもよく、コントローラ32と併せてオペレータによって半自動で実行されてもよく、又はオペレータからの総合的入力によりコントローラによって実質的に自動で実行されてもよい。MEMS装置は、トランスデューサ102を左右及び上下に移動することを可能にし、バルーンの膨張又は収縮は、典型的には、トランスデューサを横方向に移動させる。
【0056】
カプセル22によって実行され得る典型的な処置には、以下の処置があるがこれらに限定されない。
・例えば特徴的解剖学的標識点の識別による、対象チャンバの区分の自動画像化、並びにチャンバ画像の完全性の検証。識別は、例えばカラーフロードップラー画像化によって標識点を画像化する任意の好都合な方法を使用して実行されてもよい。
・1つ又は複数の電極98を使用した食道信号及び/又は除細動信号の記録。
・高フレームレート電気機械波画像化(EWI)。EWIを使用することによって、超音波から得られた解剖学的構造で描写された心臓の電気的活性化マップを生成してもよい。そのようなマップは、心臓カテーテル・プローブが心臓に導入される前でも生成することができる。マップをそのように生成することによって、処置時間が短くなり、また心臓の心内膜表面をカテーテルと接触させることにより完全逐一マップ(full point-by-point map)を得る必要がなくなる。
・心臓38内の電気生理学的カテーテルの画面44を使用する連続追跡及び可視化。追跡は、カプセル22に対するカテーテルの自動位置合わせを可能にする。また、追跡によって、例えば、経中隔処置でカテーテルが使用される場合に、その操作中にカテーテルの誘導が可能になる。
・将来の処置の事前計画及びシミュレーション。
・切除するときに組織を画像化することによる切除処置の誘導。
・エラストグラフィ(elastography)を使用した病変の特徴の評価。エラストグラフィは、音響放射力インパルス(ARFI)を心臓38に導くトランスデューサ102によって、及び/又はEWIを使用することによって行なわれてもよい。
・並列処置の実行中の合併症の実時間検出。並列切除処置中に検出される場合がある合併症には、例えば、心外膜液、血栓、及び弁損傷が挙げられる。
・幾つかの実施形態では、トランスデューサ102は、誘導された非侵入性の高密度焦点式超音波(HIFU)切除を患者の組織に実行するように構成されてもよい。
【0057】
以下に、システム20を使用して実行され得る処置の他の例を述べる。
【0058】
処置中に、オペレータが必要と考えた場合、オペレータは、アプリケータ管28を患者の食道に再び導入して管をカプセル22に取り付けなおしてもよい。取り付けなおした後で、オペレータは、カプセルを異なる位置及び/又は向きに移動させ、管をカプセルから切り離し、食道から管を取り出して、カプセルをその新しい位置に留めてもよい。
【0059】
最終工程214で、工程212の処置の完了後、カプセル22は、バルーン92の収縮後に、食道24及び患者の口を介して患者から取り出されてもよい。取り出しは、ケーブル34及び/又は管材料76を使用してカプセルをゆっくりと引っ張るか、アプリケータ管を再び取り付け、それを使用してカプセルを取り出すことによって達成されてもよい。
【0060】
本発明の実施形態は、食道内で太い管を使用する先行技術のシステムと比べて、快適度を大幅に改善し、経食道画像化を含む処置中に患者に要求される鎮静作用を減少させることが理解されよう。そのような改善された快適度と少ない鎮静作用は、経食道画像化を使用する処置回数を大幅に拡大することを可能にする。更に、トランスデューサ102は、MEMSシステム104、108及び/又はバルーン92によって向き及び位置が決められるので、所望の組織の完全な画像化は、いかなる処置にも利用できる長期間にわたって達成されてもよい。
【0061】
したがって、カプセル22は、診断及び/又は治療手段のオンラインガイダンスのために、実時間で、典型的には三次元の心臓画像化に有利に使用されてもよい。そのような処置には、心臓切除、ペースメーカー配置、CRT(心臓再同期化治療)電極配置、及び弁修復術が挙げられる。更に、本発明の実施形態は、カテーテル若しくは電極リード又は別のツールの自動の非手動閉ループ連続追跡を可能にする。あるいは又は更に、カプセル22は、呼吸運動の自動補正を可能にするように実装されてもよい。
【0062】
図7は、画像化システム20を使用する処置を示す概略図であり、図8は、本発明の実施形態による処置の工程を示すフローチャート300である。図7では、心臓内カテーテル・プローブ(intercardiac catheter probe)250は、心臓処置で使用され、したがって、プローブの遠位先端252が、心臓38に入る。遠位先端252は、前述のCARTO(登録商標)ナビゲーション・システムで使用される磁気位置決め装置、又はBiosense Websterによって作成されたCARTO 3(登録商標)システムに提供されるような磁気インピーダンス複合追跡装置、更にはインピーダンス追跡装置などの先端位置決め装置254を含むように想定される。分かりやすくするために、以下の説明では、遠位先端が、磁気トランスミッタ46によって生成された磁界を使用して追跡されると仮定されている。
【0063】
単純にするために、説明は、遠位先端の追跡についてのみ述べる。当業者は、この説明を、位置決め装置を含むことがあるプローブ250の他の部品(そのシャフトなど)を対象とするように適合させることができ、また機械特性(プローブの弾性など)が分かっているときに適合させることができる。
【0064】
説明は、1個のプローブの追跡について述べるが、複数のプローブを実質的に同時に追跡してもよく、また様々なプローブが異なる特性を有してもよいことが理解されよう。例えば、第1のプローブは、線形切除プローブでもよく、第2のプローブは、輪縄プローブを含んでもよい。
【0065】
以下の説明では、カプセル22内のカプセル位置決め装置100及びアプリケータ遠位端位置決め装置66は、トランスミッタ46からの磁界も使用して追跡される磁気位置決め装置を含むと仮定される。
【0066】
フローチャート200の工程302〜310で実行される操作はそれぞれ、フローチャート200(図6)の工程202〜210と実質的に同じである。
【0067】
カプセル位置合わせ工程312で、トランスミッタ46に対するカプセルの位置が、カプセル位置決め装置及び/又はアプリケータ遠位端位置決め装置を使用して決定される。
【0068】
心臓内位置合わせ工程(intercardiac registration step)314では、トランスミッタ46に対するプローブ遠位先端252の位置が、位置決め装置254を使用して決定される。次に、カプセル及びプローブ遠位先端の位置が、例えば2つの位置の間のベクトルを計算することによって互いに位置合わせされる。同じ磁気トランスミッタ46を使用して2つの位置が測定されるので、位置合わせが極めて正確であることが理解されよう。
【0069】
処置工程316は、フローチャート200の工程212と実質的に同じである。工程316において、心臓内処置が実行され、それにより、心臓38及び遠位先端252の画像、並びに遠位先端の正確な相対位置が生成される。矢印320は、処置工程312、314及び316が、反復的に実施されてもよく、その結果、カプセル22と遠位先端252との互いの位置合わせが、実時間で連続的に更新されることを示す。
【0070】
最終工程318は、工程316の処置が完了したときに実行され、フローチャート200の工程214と実質的に同じである。
【0071】
以上に記載した実施形態は、一例として引用したものであり、本発明はこれまでの具体的に図示及び記載したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ本発明の範囲は、以上に記述されたさまざまな特徴の結合及び副結合の両方とともに、当業者が前述の記述を読了後に思いつくであろう、先行技術に開示されていない、それらの変更及び修正をも包含する。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 患者の食道に入るように構成され、前記患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルと、
前記食道に入るように構成されたアプリケータ管とを含む画像化システムであって、前記管が、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、画像化システム。
(2) 前記アプリケータ管が、ロック機構を含み、前記カプセルが、前記ロック機構と嵌合する保持機構を含み、前記ロック機構と前記保持機構が、前記管を前記カプセルに取り付けかつ前記管を前記カプセルから切り離すように動作可能である、実施態様1に記載の画像化システム。
(3) 前記アプリケータ管の空洞を通りかつ前記カプセルに結合されたケーブルを含み、前記ケーブルが、前記カプセルとの間で信号を伝送するように構成された、実施態様1に記載の画像化システム。
(4) 前記信号が、前記超音波トランスデューサによって生成された画像化信号を含む、実施態様3に記載の画像化システム。
(5) 前記カプセルが、前記トランスデューサからの超音波が前記患者の前記組織の方に導かれるように前記超音波トランスデューサを位置決めするように構成された1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEM)を含む、実施態様1に記載の画像化システム。
(6) 前記カプセルが、流体により膨張可能なバルーンを含み、それにより、膨張時に前記バルーンが前記カプセルを前記食道に固定する、実施態様1に記載の画像化システム。
(7) 前記アプリケータ管の空洞を介して前記カプセルに接続された管材料を含み、前記管材料が、前記バルーンに前記流体を送るように構成された、実施態様6に記載の画像化システム。
(8) 前記バルーンが、1つ又は複数の電極を含む、実施態様6に記載の画像化システム。
(9) 前記トランスデューサの位置が、前記バルーンの前記膨張に応じて調整される、実施態様6に記載の画像化システム。
(10) 前記カプセルが、前記カプセルの位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成されたカプセル位置決め装置を含む、実施態様1に記載の画像化システム。
【0073】
(11) 前記カプセル位置決め装置が、磁気位置決め装置を含む、実施態様10に記載の画像化システム。
(12) 前記アプリケータ管が、前記アプリケータ管の遠位端の位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成された管位置決め装置を含む、実施態様1に記載の画像化システム。
(13) 前記カプセルが円筒状である、実施態様1に記載の画像化システム。
(14) 前記円筒状カプセルが、螺旋状特徴を有する、実施態様13に記載の画像化システム。
(15) 患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを前記患者の食道に挿入することと、
前記食道内にアプリケータ管を挿入することとを含む画像化する方法であって、前記管が、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、方法。
(16) 前記アプリケータ管が、ロック機構を含み、前記カプセルが、前記ロック機構と嵌合する保持機構を含み、前記ロック機構と前記保持機構が、前記管を前記カプセルに取り付けかつ前記管を前記カプセルから切り離すように動作可能である、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記アプリケータ管の空洞内にケーブルを通し、前記ケーブルを前記カプセルに結合することを含み、前記ケーブルが、前記カプセルとの間で信号を伝送するように構成された、実施態様15に記載の方法。
(18) 1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEM)を使用して、前記トランスデューサによって生成された超音波が前記患者の前記組織の方に導かれるように前記超音波トランスデューサを位置決めすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記カプセルに結合されたバルーンを流体によって膨張させ、それにより、膨張時に前記バルーンが前記カプセルを前記食道に固定することを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記トランスデューサの位置が、前記バルーンの前記膨張に応じて調整される、実施態様19に記載の方法。
【0074】
(21) 前記カプセルが、前記カプセルの位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成されたカプセル位置決め装置を含む、実施態様15に記載の方法。
(22) 前記アプリケータ管が、前記アプリケータ管の遠位端の位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成された管位置決め装置を含む、実施態様15に記載の方法。
(23) 画像化システムであって、
患者の食道に入るように構成され、前記患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルと、
前記カプセルに固定接続され、前記患者の近くで生成された磁界に応じて、前記カプセルの第1の位置を示す第1の信号を提供する第1の磁気位置決め装置を含むカプセル位置決め装置と、
前記食道に入るように構成されたアプリケータ管であって、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、アプリケータ菅と、
第2の磁気位置決め装置を含むプローブであって、前記第2の磁気位置決め装置が、前記磁界に応じて前記患者内の前記プローブの第2の位置を示しかつ前記第1の位置と位置合わせされた第2の信号を提供する、プローブと、を含む、画像化システム。
(24) 画像化する方法であって、
患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを前記患者の食道に挿入することと、
カプセル位置決め装置を前記カプセルに固定接続することであって、前記位置決め装置が、前記患者の近くで生成された磁界に応じて前記カプセルの第1の位置を示す第1の信号を提供する第1の磁気位置決め装置を含む、ことと、
前記食道内にアプリケータ管を挿入することであって、前記管が、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、ことと、
前記患者に第2の磁気位置決め装置を含むプローブを挿入することであって、前記第2の磁気位置決め装置が、前記磁界に応じて前記患者内の前記プローブの第2の位置を示しかつ前記第1の位置と位置合わせされた第2の信号を提供する、ことと、を含む、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の食道に入るように構成され、前記患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルと、
前記食道に入るように構成されたアプリケータ管とを含む画像化システムであって、前記管が、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、画像化システム。
【請求項2】
前記アプリケータ管が、ロック機構を含み、前記カプセルが、前記ロック機構と嵌合する保持機構を含み、前記ロック機構と前記保持機構が、前記管を前記カプセルに取り付けかつ前記管を前記カプセルから切り離すように動作可能である、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項3】
前記アプリケータ管の空洞を通りかつ前記カプセルに結合されたケーブルを含み、前記ケーブルが、前記カプセルとの間で信号を伝送するように構成された、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項4】
前記信号が、前記超音波トランスデューサによって生成された画像化信号を含む、請求項3に記載の画像化システム。
【請求項5】
前記カプセルが、前記トランスデューサからの超音波が前記患者の前記組織の方に導かれるように前記超音波トランスデューサを位置決めするように構成された1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEM)を含む、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項6】
前記カプセルが、流体により膨張可能なバルーンを含み、それにより、膨張時に前記バルーンが前記カプセルを前記食道に固定する、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項7】
前記アプリケータ管の空洞を介して前記カプセルに接続された管材料を含み、前記管材料が、前記バルーンに前記流体を送るように構成された、請求項6に記載の画像化システム。
【請求項8】
前記バルーンが、1つ又は複数の電極を含む、請求項6に記載の画像化システム。
【請求項9】
前記トランスデューサの位置が、前記バルーンの前記膨張に応じて調整される、請求項6に記載の画像化システム。
【請求項10】
前記カプセルが、前記カプセルの位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成されたカプセル位置決め装置を含む、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項11】
前記カプセル位置決め装置が、磁気位置決め装置を含む、請求項10に記載の画像化システム。
【請求項12】
前記アプリケータ管が、前記アプリケータ管の遠位端の位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成された管位置決め装置を含む、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項13】
前記カプセルが円筒状である、請求項1に記載の画像化システム。
【請求項14】
前記円筒状カプセルが、螺旋状特徴を有する、請求項13に記載の画像化システム。
【請求項15】
患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを前記患者の食道に挿入することと、
前記食道内にアプリケータ管を挿入することとを含む画像化する方法であって、前記管が、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、方法。
【請求項16】
前記アプリケータ管が、ロック機構を含み、前記カプセルが、前記ロック機構と嵌合する保持機構を含み、前記ロック機構と前記保持機構が、前記管を前記カプセルに取り付けかつ前記管を前記カプセルから切り離すように動作可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アプリケータ管の空洞内にケーブルを通し、前記ケーブルを前記カプセルに結合することを含み、前記ケーブルが、前記カプセルとの間で信号を伝送するように構成された、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
1つ又は複数の超小型電子機械システム(MEM)を使用して、前記トランスデューサによって生成された超音波が前記患者の前記組織の方に導かれるように前記超音波トランスデューサを位置決めすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記カプセルに結合されたバルーンを流体によって膨張させ、それにより、膨張時に前記バルーンが前記カプセルを前記食道に固定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記トランスデューサの位置が、前記バルーンの前記膨張に応じて調整される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記カプセルが、前記カプセルの位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成されたカプセル位置決め装置を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記アプリケータ管が、前記アプリケータ管の遠位端の位置と向きの少なくとも一方を提供するように構成された管位置決め装置を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
画像化システムであって、
患者の食道に入るように構成され、前記患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルと、
前記カプセルに固定接続され、前記患者の近くで生成された磁界に応じて、前記カプセルの第1の位置を示す第1の信号を提供する第1の磁気位置決め装置を含むカプセル位置決め装置と、
前記食道に入るように構成されたアプリケータ管であって、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、アプリケータ菅と、
第2の磁気位置決め装置を含むプローブであって、前記第2の磁気位置決め装置が、前記磁界に応じて前記患者内の前記プローブの第2の位置を示しかつ前記第1の位置と位置合わせされた第2の信号を提供する、プローブと、を含む、画像化システム。
【請求項24】
画像化する方法であって、
患者の組織を画像化するように構成された超音波トランスデューサを含むカプセルを前記患者の食道に挿入することと、
カプセル位置決め装置を前記カプセルに固定接続することであって、前記位置決め装置が、前記患者の近くで生成された磁界に応じて前記カプセルの第1の位置を示す第1の信号を提供する第1の磁気位置決め装置を含む、ことと、
前記食道内にアプリケータ管を挿入することであって、前記管が、前記食道内で前記カプセルを位置決めするために前記カプセルに取り付け可能であり、かつ前記カプセルの位置決め後に、前記カプセルが前記食道内の所定の位置に留まったまま前記管を前記食道から取り出すことを可能にするように前記カプセルから切り離し可能である、ことと、
前記患者に第2の磁気位置決め装置を含むプローブを挿入することであって、前記第2の磁気位置決め装置が、前記磁界に応じて前記患者内の前記プローブの第2の位置を示しかつ前記第1の位置と位置合わせされた第2の信号を提供する、ことと、を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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