説明

結合判定装置、交通信号制御システム及びコンピュータプログラム

【課題】サブエリアの結合判定を行う場合に幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる結合判定装置、交通信号制御システム及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】サイクル長差抽出部32は、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出する。判定部34は、サイクル長差抽出部32で抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。隣接するサブエリアをそれぞれのサイクル長で系統制御した場合の評価値Aを算出する。また、隣接するサブエリアをサイクル長の長い方で系統制御した場合の評価値Bを算出する。評価値A>評価値Bである場合、隣接するサブエリアを結合すると判定し、評価値A≦評価値Bである場合、隣接するサブエリアの境界を非結合と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する結合判定装置、該結合判定装置を備える交通信号制御システム及び前記結合判定装置を実現するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通信号の系統制御では、隣接するサブエリアを交通状況に応じて結合/分割している。サブエリアとは、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機が設置された1又は複数の交差点を含むように区分けされたものである。サブエリアの結合判定は、隣接するサブエリアのサイクル長が異なる場合、当該隣接するサブエリアを結合するか否かを所定の評価値と予め設定した閾値と比較することにより行われる。
【0003】
結合判定の対象とするサブエリアとしては、対象地域全体の広範囲なサブエリアを含むことが理想的である。しかし、対象とするサブエリアを多くした場合には、判定処理に要する時間も増大するため、実際の交通信号制御に適用するには現実的ではない。従って、サブエリアの結合判定は、対象地域を制限して局所的に評価せざるを得ない。
【0004】
例えば、適確にサブエリアを構成するために、サイクル長が最短のものから選択して、隣接する少なくとも2つのサブエリアを結合した場合としなかった場合のそれぞれの脈動(交通流の乱れ)の影響を考慮した評価値に基づいて、当該少なくとも2つのサブエリアを結合するか否かを判定して交通信号制御機を制御する交通信号制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3327243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の従来の結合判定による場合は、以下のような問題が生じるおそれがあった。図10は従来の結合判定の一例を示す説明図である。図10(a)は結合判定処理を行う前のサブエリアの状態を示し、図10(b)は結合判定処理後のサブエリアの状態を示す。
【0007】
図10(a)に示すように、幹線道路上にサブエリアx1、x2、x3があり、それぞれのサイクル長は150秒、140秒、150秒である。また、非幹線道路上にサブエリアx4、x5があり、それぞれのサイクル長は120秒、110秒である。サイクル長は交通量の多い幹線道路は大きく、幹線道路に比べて交通量の比較的少ない非幹線道路のサイクル長は小さい傾向がある。従来の結合判定では、サイクル長が短いものから順に結合判定が行われるので、図10(a)に示すサブエリアx4とx5の境界(1)、サブエリアx4とx2の境界(2)、サブエリアx1とx2、及びサブエリアx2とx3の境界(3)の順序で結合判定が行われる。すなわち、幹線道路以外の非幹線道路から優先的に結合判定が行われることになる。
【0008】
非幹線道路から優先的に結合判定が行われるので、図10(b)に示すように、サブエリアx4とx5、及びサブエリアx2とx4を結合すると判定され、結合されたサブエリ
アのサイクル長が長くなる。サイクル長が長くなると、結合判定に用いる評価値が大きくなるので、非幹線道路の評価値が大きくなる。すなわち、非幹線道路の重みが大きくなる。本願では、評価値が小さくなるほど、望ましい交通状況であることを示し、評価値には、例えば、交差点での遅れ時間、停止時間などの円滑に関わるもののほか、事故危険度など安全に関わるもの、大型車混入率や二酸化炭素の排出量など環境に関わるものを加えてもよい。このため、幹線道路上のサブエリアx1とx2、及びサブエリアx2とx3が非結合と判定される事態が生じる。このことは、本来優先すべき幹線道路の系統を分断するようなサブエリアを構成することになる。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、サブエリアの結合判定を行う場合に幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる結合判定装置、該結合判定装置を備える交通信号制御システム及び前記結合判定装置を実現するためのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る結合判定装置は、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定する結合判定装置において、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出する第1の抽出手段と、該第1の抽出手段で抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る結合判定装置は、第1発明において、隣接するサブエリアのサイクル長を抽出する第2の抽出手段を備え、前記判定手段は、前記第1の抽出手段で同一のサイクル長差を複数抽出した場合、前記第2の抽出手段で抽出したサイクル長が長い順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係る結合判定装置は、第1発明又は第2発明において、前記判定手段で隣接するサブエリアを結合しないと判定した場合、該隣接するサブエリアの境界を保留と判定する保留判定手段と、前記判定手段で隣接するサブエリアを結合した場合に、該サブエリアのうちサイクル長が変化したサブエリアの境界が保留であるとき、該境界を未評価とする未評価判定手段とを備え、前記第1の抽出手段及び第2の抽出手段は、前記未評価の境界で隣接するサブエリアを抽出対象とするようにしてあり、結合判定対象のすべてのサブエリアが結合又は該サブエリアの境界が保留となった場合、前記判定手段の判定を終了するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第4発明に係る結合判定装置は、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定する結合判定装置において、幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する第1の判定手段と、該第1判定手段で判定が終了した場合、非幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する第2の判定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係る結合判定装置は、第4発明において、前記第1の判定手段及び第2の判定手段で判定が終了した場合、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとを結合するか否かを判定する第3の判定手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第6発明に係る結合判定装置は、第4発明又は第5発明において、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出する抽出手段を備え、前記第1の判定手段及び第2の判定手段は、前記抽出手段で抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否か
を判定するように構成してあることを特徴とする。
【0016】
第7発明に係る交通信号制御システムは、第1発明乃至第6発明のいずれか1つに係る結合判定装置と、該結合判定装置による判定結果に基づいて交通信号制御機を制御する信号制御装置とを備えることを特徴とする。
【0017】
第8発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出するステップと、抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するステップとを実行させることを特徴とする。
【0018】
第9発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、幹線道路上の隣接するサブエリアの境界を結合するか否かを判定するステップと、該判定するステップで判定が終了した場合、非幹線道路上の隣接するサブエリアの境界を結合するか否かを判定するステップとを実行させることを特徴とする。
【0019】
第1発明及び第8発明にあっては、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出し、抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。ここで、隣接するサブエリアを結合するとは、隣接するサブエリアを1つのサブエリアとして統合、あるいは纏めることである。サイクル長差の小さい順序で隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するので、結合すると判定された場合に、結合されたサブエリアの一方のサイクル長が変化したときでも、サイクル長の変化を小さく抑えることができる。これにより、結合されたサブエリアの評価値や重みが大きくなることを抑制し、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【0020】
第2発明にあっては、同一のサイクル長差を複数抽出した場合、サイクル長が長い順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。すなわち、隣接するサブエリアの結合判定を行う場合に、第1優先条件として、サイクル長差の小さい順序で結合判定を行う。仮に同一のサイクル長差の境界が複数存在する場合には、第2優先条件として、同一サイクル長差の境界のうち、サイクル長が長い順序で結合判定を行う。これにより、仮に同一のサイクル長差の境界が複数存在する場合には、サイクル長の長い方から順番に結合判定が行われるので、サブエリアの結合によるサイクル長の変化を抑制しつつ幹線道路を優先して結合判定が行われるので、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【0021】
第3発明にあっては、隣接するサブエリアを結合しないと判定した場合、当該サブエリアの境界を保留と判定する。なお、保留とは、隣接するサブエリアを非結合と判定することであり、当該境界を結合判定処理の対象外とすることである。そして、他のサブエリアの結合判定を続け、隣接するサブエリアを結合した場合に、該サブエリアのうちサイクル長が変化したサブエリアの境界が保留であるとき、該境界を未評価とする。未評価の境界で隣接するサブエリアを抽出対象とし、結合判定対象のすべてのサブエリアが結合又はサブエリアの境界が保留となった場合、判定を終了する。なお、未評価とは、当該境界を結合判定処理の対象とすることである。一旦、保留と判定された境界でサブエリアが後の結合判定処理の結果、サイクル長が変化した場合には、再度結合判定処理の対象とする。これにより、一旦非結合と判定されたサブエリアであっても、サイクル長が変化した場合に
は、再度の結合判定の対象とすることができるので、本来、結合すべきサブエリアが非結合のまま放置されることを防止でき、分断されたサブエリアを低減することができる。
【0022】
第4発明及び第9発明にあっては、幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定し、判定が終了した場合、非幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。すなわち、結合判定処理を、第1優先条件として幹線道路上のサブエリアに対して行い、第2優先条件として非幹線道路上のサブエリアに対して行う。ここで、幹線道路とは、国道、都道府県道等の主要地点間を結ぶ重要路線で交差する道路に比べ交通量の多い道路をいう。また、非幹線道路は、幹線道路以外の道路をいう。これにより、幹線道路を優先して結合判定が行われるので、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【0023】
第5発明にあっては、幹線道路上及び非幹線道路上の隣接するサブエリアの結合判定が終了した場合、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとを結合するか否かを判定する。すなわち、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとの結合判定を最後に(優先順位を最も低く)することにより、幹線道路単独、及び非幹線道路単独での結合判定が優先的に行われる。これにより、非幹線道路でのサブエリアの結合判定によりサイクル長が変化した結果生じ得る幹線道路の系統の分断を防止することができる。
【0024】
第6発明にあっては、幹線道路上及び非幹線道路上の隣接するサブエリアの結合判定する場合、サイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。これにより、サイクル長の変化を小さく抑えることができ、結合されたサブエリアの評価値や重みが大きくなることを抑制し、幹線道路の系統を分断する事態を一層効果的に防止することができる。
【0025】
第7発明にあっては、結合判定装置と、結合判定装置による判定結果に基づいて交通信号制御機を制御する信号制御装置とを備える。これにより、幹線道路のサブエリアが分断されることを防止して、交通信号制御機の制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、結合されたサブエリアの評価値や重みが大きくなることを抑制し、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態に係る交通信号制御システムの構成の一例を示す説明図である。
【図2】本実施の形態に係る結合判定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】サブエリアの結合判定による境界の遷移状態を示す説明図である。
【図4】サブエリアの結合判定による境界の遷移状態を示す説明図である。
【図5】サブエリアの結合判定による境界の遷移状態を示す説明図である。
【図6】サブエリアの結合判定による境界の遷移状態を示す説明図である。
【図7】サブエリアの判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】サブエリアの判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2のサブエリアの結合判定の一例を示す説明図である。
【図10】従来の結合判定の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施の形態1
以下、本発明に係る結合判定装置、該結合判定装置を備える交通信号制御システム及び前記結合判定装置を実現するためのコンピュータプログラムの実施の形態を示す図面に基
づいて説明する。図1は本実施の形態に係る交通信号制御システムの構成の一例を示す説明図であり、図2は本実施の形態に係る結合判定装置3の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、交通信号制御システムは、交通信号制御機1を制御する信号制御装置2、結合判定装置3などを備える。
【0029】
複数の交差点を繋ぐ道路の各地点には、その地点を通過する車両の数などの交通量を測定する車両感知器などの交通量測定センサ(不図示)を設置してある。交通量測定センサは、車両の通過を感知すると、感知信号を信号制御装置2へ送信する。信号制御装置2は、交通量測定センサからの感知信号をサンプリングし、交通量、占有率などの車両感知器情報を収集する。その後、信号制御装置2は、渋滞長、飽和度などの交通情報を算出し、この交通情報に基づき、サイクル長、スプリット、オフセットなどの信号制御パラメータを算出し、算出した制御パラメータを結合判定装置3へ送信する。
【0030】
サイクル長は、信号現示が一巡する時間をいう。スプリットは、1サイクルの時間のうち、各現示に割り当てられる時間配分をいう。また、オフセットは、道路を走行する車両が信号で停止することなく各交差点を通過できるよう隣接する交差点の青信号開始時間の時間差をいう。
【0031】
なお、交通量測定センサからの感知信号を、信号制御装置2ではなく、管制センタなどに設置した監視装置等(不図示)へ送信し、監視装置で信号制御パラメータを算出し、算出した信号制御パラメータを信号制御装置2及び結合判定装置3へ送信することもできる。
【0032】
結合判定装置3は、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機1を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機1を含むサブエリアを結合するか否かを判定する。ここで、隣接するサブエリアを結合するとは、隣接するサブエリアを1つのサブエリアとして統合、あるいは纏めることである。1つのサブエリアには、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機1が含まれ、1又は複数の交差点を含む。結合判定装置3は、判定結果、すなわち、いずれのサブエリアが結合又は非結合(サブエリアの境界が保留)であるかを示す情報を信号制御装置2へ送信する。なお、図1の例では、1台の信号制御装置2が例示されているが、数は1台に限定されるものではなく、結合判定の対象地域の大きさに応じた数の信号制御装置を設けることができる。結合判定処理の詳細は後述する。
【0033】
信号制御装置2は、結合判定装置3による判定結果に基づいて、各交通信号制御機1に対して制御指令を行う。
【0034】
図2に示すように、結合判定装置3は、装置全体を制御する制御部31、サイクル長差抽出部32、サイクル長抽出部33、判定部34、所要の情報を記憶する記憶部35、信号制御装置2及び交通量測定センサとの間で情報の送受信機能を備えるインタフェース部36などを備える。
【0035】
信号制御装置2は、サブエリアのサイクル長Cを算出し、結合判定装置3へ送信する。サイクル長Cは、例えば、C=2×L/{1-(ρ1+ρ2)}で求めることができる。ここで、ρ1、ρ2は、交差点の主方向、交差側の各現示の飽和度である。飽和度は、交差点への流入交通量を飽和交通率で除した値のうち最大の値であり、交差点での飽和度が1を超える場合、交通を捌くことができない。また、Lは損失時間であり、黄信号と全赤信号の合計時間である。なお、サイクル長の算出式は一例であって、上述の式に限定されるものではない。なお、結合判定装置3でサイクル長を算出してもよい。
【0036】
なお、サブエリアは、交差点毎に設けてもよく、あるいは、サイクル長が等しく、かつお互いに隣接する交差点を纏めて1つのサブエリアとしてもよい。
【0037】
サイクル長差抽出部32は、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出する抽出手段又は第1の抽出手段としての機能を有する。
【0038】
サイクル長抽出部33は、隣接するサブエリアのサイクル長を抽出する第2の抽出手段としての機能を有する。
【0039】
判定部34は、サイクル長差抽出部32で抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する判定手段としての機能を有する。また、判定部34は、サイクル長差抽出部32で同一のサイクル長差を複数抽出した場合、サイクル長抽出部33で抽出したサイクル長が長い順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。
【0040】
サブエリアを結合するか否かの判定処理は、以下の方法を用いることができる。すなわち、隣接するサブエリアをそれぞれのサイクル長で系統制御した場合の評価値Aを算出する。また、隣接するサブエリアをサイクル長の長い方で系統制御した場合の評価値Bを算出する。すなわち、評価値Aは、サブエリアを結合しない場合の評価値であり、評価値Bは、サブエリアを結合した場合の評価値である。そして、評価値A>評価値Bである場合、隣接するサブエリアを結合すると判定し、評価値A≦評価値Bである場合、隣接するサブエリア非結合(境界を保留)と判定する。
【0041】
評価値A、Bを算出する際の評価式は、例えば、評価値PI=D+(25/3600)×Sで求めることができる。すなわち、サブエリアを結合しない場合の評価値PIが評価値Aであり、サブエリアを結合した場合の評価値PIが評価値Bである。ここで、Dは遅れ時間(台・時/時)であり、いわゆる信号待ち時間である。遅れ時間Dは、例えば、サイクル長が大きくなると大きくなり、評価値PIが大きくなり、指標が悪化する。評価値PIは小さいほど良い状態であることを示す。また、サイクル長が必要以上に小さくなると、交差点での車両を捌く(通過させる)ことができなくなり、遅れ時間が大きくなる。Sは停止回数(台/時)である。停止回数Sは、隣接するサブエリア間でサイクル長が異なる場合、交通流の乱れである脈動が大きくなる。上述の式からわかるように、サイクル長が異なる場合、停止回数Sが増加し、評価値PIが大きくなり、指標が悪化する。なお、評価式は上述の例に限定されるものではない。本願では、評価値が小さくなるほど、望ましい交通状況であることを示し、評価値には、例えば、交差点での遅れ時間、停止時間などの円滑に関わるもののほか、事故危険度など安全に関わるもの、大型車混入率や二酸化炭素の排出量など環境に関わるものを加えてもよい。
【0042】
上述の結合判定処理は、例えば、予め設定された条件に従って模擬的に交通流を発生させるシミュレータを用いて、信号制御のパラメータの組み合わせのパターン毎にシミュレータを動作させてパターン毎に評価値を算出する。この場合に、シミュレータを動作させて評価値を算出する範囲は、結合の是非を判断するサブエリアに含まれる交差点のみを対象とする。
【0043】
上述のように、結合判定装置3は、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出し、抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。サイクル長差の小さい順序で隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するので、結合すると判定された場合に、結合されたサブエリアの一方のサイクル長が変化したときでも、サイクル長の変化を小さく抑えることができる。これにより、結合されたサブエリアの評価値や重みが大きくなることを抑制し、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができ
る。
【0044】
また、結合判定装置3は、同一のサイクル長差を複数抽出した場合、サイクル長が長い順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。すなわち、隣接するサブエリアの結合判定を行う場合に、第1優先条件として、サイクル長差の小さい順序で結合判定を行う。仮に同一のサイクル長差の境界が複数存在する場合には、第2優先条件として、同一サイクル長差の境界のうち、サイクル長が長い順序で結合判定を行う。これにより、仮に同一のサイクル長差の境界が複数存在する場合には、サイクル長の長い方から順番に結合判定が行われるので、サブエリアの結合によるサイクル長の変化を抑制しつつ幹線道路を優先して結合判定が行われるので、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【0045】
判定部34は、隣接するサブエリアを結合しないと判定した場合、該隣接するサブエリアの境界を保留と判定する保留判定手段としての機能を有する。また、判定部34は、隣接するサブエリアを結合した場合に、該サブエリアのうちサイクル長が変化したサブエリアの境界が保留であるとき、該境界を未評価とする未評価判定手段としての機能も有する。
【0046】
判定部34による判定処理では、隣接するサブエリアの境界を、結合確定(結合すると判定した場合)、保留(非結合、すなわち、結合しないと判定した場合)、及び未評価(判定処理が終了していない場合)の3通りの状態に分けている。保留とは、境界を非結合と判定することであり、当該境界を結合判定処理の対象外とすることである。また、未評価とは、当該境界を結合判定処理の対象とすることである。判定部34は、サブエリアの境界が未評価である場合、当該未評価の境界で隣接するサブエリアを抽出対象とする。判定部34は、結合判定対象のすべてのサブエリアが結合又はサブエリアの境界が保留となった場合、結合判定処理を終了する。
【0047】
上述のように、一旦、保留と判定された境界であってもサブエリアが後の結合判定処理の結果、サイクル長が変化した場合には、再度結合判定処理の対象とする。これにより、一旦非結合と判定されたサブエリアであっても、サイクル長が変化した場合には、再度の結合判定の対象とすることができるので、本来、結合すべきサブエリアが非結合のまま放置されることを防止でき、分断されたサブエリアを低減することができる。
【0048】
次に、隣接するサブエリアの結合判定の例について説明する。図3、図4、図5及び図6はサブエリアの結合判定による境界の遷移状態を示す説明図である。まず、図3に示すように、判定対象のサブエリアのサイクル長を算出した結果、サブエリアa1からa11までが結合判定対象のサブエリアであるとする。また、各サブエリアのサイクル長は、サブエリアa1からa11まで、それぞれ150秒、140秒、120秒、110秒、150秒、120秒、120秒、130秒、120秒、110秒、90秒であるとする。
【0049】
隣接するサブエリアの境界のサイクル長差が最も小さいのは、サブエリアa1とa2の境界、サブエリアa8とa9の境界、サブエリアa3とa4の境界でいずれもサイクル長差は10である。同じサイクル長差が複数抽出されたので、サイクル長の長い順に判定処理の順番が付される。すなわち、図3で示すように、サブエリアa1とa2の境界(1)、サブエリアa8とa9の境界(2)、サブエリアa3とa4の境界(3)の順番で結合判定処理を行う。
【0050】
上述の評価値を用いて、結合判定を行った結果、図4に示すように、サブエリアa1とa2の境界は結合確定、サブエリアa8とa9の境界は保留、サブエリアa3とa4の境界は結合確定と判定されたとする。結合確定となることにより、サブエリアa2のサイクル長は、サブエリアa1と同一のサイクル長である150秒に変化する。また、サブエリアa4のサイクル長は、サブエリアa3と同一のサイクル長である120秒に変化する。
【0051】
次に、図5で示すように隣接するサブエリアa1とa8の結合判定が行われ、隣接するサブエリアa1とa8の境界が結合確定となったとする。このとき、サブエリアa8のサイクル長が130秒から150秒に変化する。そして、サイクル長が変化したサブエリアa8の境界がすでに保留と判定されているため、当該境界は保留から未評価と判定される。これにより、サブエリアa8とa9の境界は、再び結合判定の対象となる。
【0052】
図6の例は、最終的に結合判定が終了した場合のサブエリアの境界の状態の一例を示すものである。図6の例で、サブエリアa1、a2、…、及びサブエリアa9、a10、…が幹線道路上のサブエリアとすると、サブエリアa1とa2が分断されていない。また、サブエリアa9とa10が分断されていないので、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【0053】
上述のように、一旦サブエリアの結合判定が行われた後は、この状態で信号制御装置2はサブエリア内の交通信号制御機1を制御する。そして、結合判定処理の周期である所定の時間(例えば、15分など)が経過すると、交通状況に応じて各サブエリアのサイクル長を再度算出し、算出したサイクル長に基づいて、再びサブエリアの結合判定を繰り返す。
【0054】
次に、結合判定装置3の動作について説明する。図7及び図8はサブエリアの判定処理の手順を示すフローチャートである。制御部31は、結合判定処理の周期であるか否かを判定し(S11)、結合判定処理の周期でない場合(S11でNO)、ステップS11の処理を続ける。
【0055】
結合判定処理の周期である場合(S11でYES)、制御部31は、交通状況に従ってサイクル長を算出する(S12)。制御部31は、判定対象又は未評価のサブエリアの境界を第1優先条件(サイクル長差が小さい)及び第2優先条件(サイクル長が長い)の順に判定処理の順番を付す(S13)。
【0056】
制御部31は、上述の順番に従って隣接するサブエリアを選択し(S14)、隣接するサブエリアをそれぞれのサイクル長で系統制御した場合(すなわち、隣接するサブエリアを結合しない場合)の評価値Aを算出する(S15)。制御部31は、隣接するサブエリアをサイクル長の長い方で系統制御した場合(すなわち、隣接するサブエリアを結合した場合)の評価値Bを算出する(S16)。
【0057】
制御部31は、評価値Aが評価値Bより大きいか否かを判定し(S17)、評価値Aが評価値Bより大きい場合(S17でYES)、2つのサブエリアを結合し、サブエリアの境界を結合確定とする(S18)。評価値Aが評価値Bより大きくない場合(S17でNO)、制御部31は、2つのサブエリアの境界を保留とし(S19)、ステップS14以降の処理を続ける。
【0058】
制御部31は、サブエリアの結合によってサイクル長が変化したサブエリアの境界のうち、保留の境界があるか否かを判定し(S20)、保留の境界がない場合(S20でNO)、すべてのサブエリアの境界が結合確定又は保留であるか否かを判定する(S21)。保留の境界がある場合(S20でYES)、制御部31は、保留であるサブエリアの境界を未評価とし(S22)、ステップS13以降の処理を続ける。
【0059】
すべてのサブエリアの境界が結合確定又は保留でない場合(S21でNO)、制御部3
1は、ステップS14以降の処理を続ける。すべてのサブエリアの境界が結合確定又は保留である場合(S21でYES)、制御部31は、処理終了であるか否かを判定し(S23)、処理終了でない場合(S23でNO)、ステップS11以降の処理を続け、処理終了である場合(S23でYES)、処理を終了する。
【0060】
上述の結合判定装置3は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図7及び図8に示すような、各処理手順を定めたプログラムコードをコンピュータに備えられたRAMにロードし、プログラムコードをCPUで実行することにより、コンピュータ上で結合判定装置を実現することができる。
【0061】
より具体的には、コンピュータに、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出させ、抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定させることができる。
【0062】
実施の形態2
上述の実施の形態1では、隣接するサブエリアの結合判定は、各サブエリアが幹線道路上にあるのか又は非幹線道路上にあるのかは関係がない。以下では、サブエリアが幹線道路上にあるのか、非幹線道路上にあるのかに注目して結合判定を行う場合について説明する。実施の形態2では、結合判定装置3の構成は、実施の形態1と同様であるが、判定部34での処理が異なる。
【0063】
判定部34は、幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する第1の判定手段としての機能を有する。また、判定部34は、幹線道路上の隣接するサブエリアの判定が終了した場合、非幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する第2の判定手段としての機能も有する。
【0064】
すなわち、結合判定処理を、第1優先条件として幹線道路上のサブエリアに対して行い、第2優先条件として非幹線道路上のサブエリアに対して行う。ここで、幹線道路とは、国道、都道府県道等の主要地点間を結ぶ重要路線で交差する道路に比べ交通量の多い道路をいう。また、非幹線道路は、幹線道路以外の道路をいう。これにより、幹線道路を優先して結合判定が行われるので、幹線道路の系統を分断する事態を防止することができる。
【0065】
また、判定部34は、幹線道路上及び非幹線道路上の隣接するサブエリアの判定が終了した場合、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとを結合するか否かを判定する第3の判定手段としての機能を有する。すなわち、判定部34は、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとの結合判定を最後に(優先順位を最も低く)行う。すなわち、幹線道路単独での結合判定、及び非幹線道路単独での結合判定が優先的に行われる。これにより、非幹線道路でのサブエリアの結合判定によりサイクル長が変化した結果生じ得る幹線道路の系統の分断を防止することができる。また、非幹線道路上のサブエリアの一部が、幹線道路と結合し、非幹線道路の系統の分断を防ぐこともできる。なお、評価値が改善された場合には、最終的に幹線道路と非幹線道路が結合するときもあるものの、本実施の形態では、特に、隣接サブエリア同士でサイクル長差が小さいにも拘わらず、幹線道路上での系統の分断、あるいは非幹線道路上での系統の分断が起こることを防止することができる。
【0066】
判定部34は、幹線道路上及び非幹線道路上の隣接するサブエリアの結合判定する場合、サイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。これにより、サイクル長の変化を小さく抑えることができ、結合されたサブエリアの評価値や重みが大きくなることを抑制し、幹線道路の系統を分断する事態を一層効果的に防止することができる。すなわち、○○街道、XX通りなど同一路線の系統を分断する事態を一層効果
的に防止することができる。また、非幹線道路上のサブエリアの一部が、幹線道路と結合し、非幹線道路の系統の分断を防ぐこともできる。
【0067】
幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する場合、図7及び図8で例示した処理手順で行うことができる。また、非幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する場合、図7及び図8で例示した処理手順で行うことができる。さらに、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとを結合するか否かを判定する場合も図7及び図8で例示した処理手順で行うことができる。
【0068】
図9は実施の形態2のサブエリアの結合判定の一例を示す説明図である。図9において、幹線道路上のサブエリアをb1、b2、b3、b4とする。また、非幹線道路上のサブエリアをb5、b6、b7とする。サブエリアb2は幹線道路と非幹線道路が交差しているエリアなので便宜上幹線道路上とする。
【0069】
まず、幹線道路上のサブエリアについて、隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。この場合、サイクル長差の小さい順に判定すると、図9に示すように、サブエリアb2とb3の境界(1)、次にサブエリアb1とb2の境界(2)、次にサブエリアb3とb4の境界(3)の順で結合判定を行う。
【0070】
幹線道路上のサブエリアについて結合判定が終了した後、非幹線道路上のサブエリアについて、隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する。この場合、サブエリアb6とb7の境界(4)が次に結合判定の対象となる。
【0071】
最後に、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとを結合するか否かを判定する。この場合、サイクル長差の小さい順に判定すると、サブエリアb2とb6の境界、サブエリアb2とb5の境界の順で結合判定を行う。
【0072】
上述の実施の形態2の結合判定装置3についても、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することができる。すなわち、上述の図9の例で示したような処理手順を定めたプログラムコードをコンピュータに備えられたRAMにロードし、プログラムコードをCPUで実行することにより、コンピュータ上で結合判定装置を実現することができる。
【0073】
なお、幹線道路上及び非幹線道路上の隣接するサブエリアの結合判定、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとの結合判定を行う場合に、サイクル長差の小さい順序で結合判定を行う方法に代えて、予め適宜順序を決めておいてもよく、交差点の並びの順序で結合判定を行ってもよい。
【0074】
信号制御装置2は、結合判定装置3による判定結果に基づいて交通信号制御機1を制御することにより、幹線道路のサブエリアが分断されることを防止して、交通信号制御機1の制御を行うことができる。
【0075】
上述の実施の形態では、信号制御装置2と結合判定装置3とは別個の装置として構成されているが、これに限定されるものではなく、信号制御装置2が結合判定装置3の機能を備える構成であってもよい。
【0076】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 交通信号制御機
2 信号制御装置
3 結合判定装置
31 制御部
32 サイクル長差抽出部
33 サイクル長抽出部
34 判定部
35 記憶部
36 インタフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定する結合判定装置において、
隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出する第1の抽出手段と、
該第1の抽出手段で抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする結合判定装置。
【請求項2】
隣接するサブエリアのサイクル長を抽出する第2の抽出手段を備え、
前記判定手段は、
前記第1の抽出手段で同一のサイクル長差を複数抽出した場合、前記第2の抽出手段で抽出したサイクル長が長い順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の結合判定装置。
【請求項3】
前記判定手段で隣接するサブエリアを結合しないと判定した場合、該隣接するサブエリアの境界を保留と判定する保留判定手段と、
前記判定手段で隣接するサブエリアを結合した場合に、該サブエリアのうちサイクル長が変化したサブエリアの境界が保留であるとき、該境界を未評価とする未評価判定手段とを備え、
前記第1の抽出手段及び第2の抽出手段は、
前記未評価の境界で隣接するサブエリアを抽出対象とするようにしてあり、
結合判定対象のすべてのサブエリアが結合又は該サブエリアの境界が保留となった場合、前記判定手段の判定を終了するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の結合判定装置。
【請求項4】
共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定する結合判定装置において、
幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する第1の判定手段と、
該第1判定手段で判定が終了した場合、非幹線道路上の隣接するサブエリアを結合するか否かを判定する第2の判定手段と
を備えることを特徴とする結合判定装置。
【請求項5】
前記第1の判定手段及び第2の判定手段で判定が終了した場合、幹線道路上のサブエリアと非幹線道路上のサブエリアとを結合するか否かを判定する第3の判定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の結合判定装置。
【請求項6】
隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出する抽出手段を備え、
前記第1の判定手段及び第2の判定手段は、
前記抽出手段で抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するように構成してあることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の結合判定装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の結合判定装置と、該結合判定装置による判定結果に基づいて交通信号制御機を制御する信号制御装置とを備えることを特徴とする交通信号制御システム。
【請求項8】
コンピュータに、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けさ
れた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、隣接するサブエリアのサイクル長差を抽出するステップと、
抽出したサイクル長差の小さい順に隣接するサブエリアを結合するか否かを判定するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、共通のサイクル長で制御される交通信号制御機を含むように区分けされた複数のサブエリアのうち、隣接するサブエリアであって異なるサイクル長で制御される交通信号制御機を含むサブエリアを結合するか否かを判定するステップを実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、幹線道路上の隣接するサブエリアの境界を結合するか否かを判定するステップと、
該判定するステップで判定が終了した場合、非幹線道路上の隣接するサブエリアの境界を結合するか否かを判定するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−81448(P2011−81448A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230875(P2009−230875)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】