説明

結晶質ナノ一次粒子からなる真球状酸化スズマイクロ二次粒子及びその製造方法

【課題】 酸化スズ二次粒子の形状及び大きさを制御する技術を開発することによって、結晶質酸化スズのナノ一次粒子を構成成分とし、その凝集体である二次粒子の粒子径を0.5〜50μmで制御した真球状酸化スズマイクロ粒子を提供する。
【解決手段】 水溶性スズ化合物と1種類以上の界面活性剤あるいは1種類以上の長鎖アルコールを混合し、密閉容器内での加熱によって得られる前駆体を熱処理することで結晶質酸化スズのナノ一次粒子を構成成分とし、その凝集体である二次粒子の粒子径を0.5〜50μmで制御した真球状酸化スズマイクロ粒子を生成し、回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサー、透明電極膜、陶磁器、顔料、触媒、フォトニクス・エレクトロニクス・情報技術用基礎素材または機能素子、電子機器製造用等のペースト・スペーサー、電子部品用の電気抵抗体、マイクロリアクター構成部材、物質貯蔵材料などとして使用される酸化スズからなる新規な真球状マイクロ二次粒子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化スズは、優れた耐熱性、耐酸化性、耐還元性、耐食性、電気化学特性などを有し、従来から顔料、ガスセンサー、陶磁器、触媒等の多方面の分野において使用されている。これらの機能やその性能は、例えばガスセンサー特性に見られるように、母体の組成や一次粒子径、二次粒子径といった構造に敏感に依存することが知られている。
【0003】
これらの用途に用いられる酸化スズ粉末は、通常、金属スズを強熱酸化させる方法、水溶性スズ化合物を酸性あるいは塩基性溶液で処理して加水分解によって得られるスズ酸を熱分解する方法、有機金属塩を直接加熱処理する方法、または、スズアルコキシドの加水分解で得られる前駆体を加熱分解する方法等により生産されている。これらの方法のうち、液相法によって一次粒子径が比較的均一なものが得られるものの、上記の方法では、一般に一次粒子の粒子径が粗く、不揃いで、一次粒子から成る約500 nm以上の二次粒子にいたっては、大きさ・形状をほとんど制御できていなかった。
【0004】
一次粒子径が比較的均一な酸化スズは、水熱処理法によって得られることが報告されている(例えば、特許文献1、2、あるいは非特許文献1参照)。また、上記以外の学術文献には、酸化スズを主成分とする半導体ガスセンサーの特性が、一次粒子径だけでなく、二次粒子径および二次粒子間に形成される細孔に大きく影響されることが理論的に証明されたとの報告も記載されている(非特許文献2、3)。しかしながら、一次粒子が凝集して形成する二次粒子の形状及び大きさについては制御する方法がなかった。
【0005】
最近公表された特許文献の中には、四塩化スズ等の出発原料ガスを酸化性ガスの存在下で、レーザーを照射し、レーザーによる熱分解反応によって、外観形状が球形を呈したナノ粒子からなる一次粒子が特定の粒径に二次粒子として集合してなることについて言及した、いわゆる熱分解法による酸化スズ粒子が提案されている(特許文献3)。この提案におけるレーザーを用いた反応プロセスにより生成した酸化スズ粒子は、一次粒子の外観形状、及び二次粒子の大きさについて規定しているが、二次粒子がどのような外観形状に集合しているのかについては言及、規定されていない。すなわち、この提案は、あくまでも高温熱分解法による気相からの析出法による球形一次粒子とその二次的集合体に係る提案であって、酸化スズ二次粒子においても、真円形状とすることについては記載がない。そして、その開示された製造プロセスは、界面活性剤によるテンプレートによって制御される、再現性に富みしかも量産化に適ったいわゆる液相法による合成法によるものではなく、レーザーを備えた気相反応装置による気相からの析出法によるものである。
【0006】
一方、いわゆる液相法による結晶質酸化スズの合成法も特許文献に提案されている(特許文献4、5)。しかしながら、この提案は、酸化スズゾルないし酸化スズと酸化アンチモンとの均一混合ゾルを提供するものであって、これによって酸化スズ単一粒子あるいは両者を混合した、酸化スズと酸化アンチモンを必要とする利用分野に対して利便性のある原料を提供しようというものにすぎない。そこには、いわゆるナノ粒子レベルの酸化スズ一次粒子を提供すること、その二次粒子の形状を球形形状に制御することについて、言及し、調製するとの記載はない。
【0007】
さらにまた、上記特許文献以外の特許文献にも、無機質化合物あるいはそれ以外の物質、例えば薬剤等を含めた物質を対象とした微粒子ないしは超微粒子の作製手段まで含めると、多数の提案がされている。すなわち、特定の圧縮ガス、液体又は超臨界流体を選定し、対象物質をこの圧縮溶液に溶解し、この圧縮溶液を急速に膨張させることによって、液中に溶解した物質を析出させることにより(サブ)ミクロンレベルの微細粒を生成し、回収すること(特許文献6)、微粒子単体が二次的に凝集し、しかも単体としての機能を損なわない球状凝集微粒子を作製する方法(特許文献7)、火炎溶射法による球状化処理を施してなる、無機質球状粉末の製造方法(特許文献8、9)、スズ化合物をゲル化し、次いで三酸化二アンモニウムを加えて処理して結晶質酸化スズ・アンチモンゾルを得ることからなる、結晶質酸化スズ・アンチモンゾルの製造方法(特許文献10)等が提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの特許文献には、前掲文献と同様、その何れにもナノメートルレベルの酸化スズ一次粒子をさらに特定の大きさの酸化スズ球形二次粒子に形成すること、界面活性剤の作るミセルによるテンプレートによって作製することについては全く記載もなく、示唆する記載がない。
【0009】
また、転動法による造粒工程と焼結工程によって高密度で強度の高い球状セラミック焼結体を製造すること(特許文献11)、特定構造のノズルバーナーから原料粉体と酸素ガス、燃料ガスを噴射することによって球状シリカ粒子を製造すること(特許文献12)、アルミン酸ソーダ水溶液から出発して、球状凝集粒子よりなる遷移アルミナ、αアルミナを得るまでのプロセスとその条件について言及した提案(特許文献13)、噴霧装置によるインクジェットまたはバブルジェットによって微細液滴を生成し、この液滴を乾燥および/又は焼成することによって連続的に微粒子を製造すること(特許文献14)等の提案がなされている。しかしながら、これらの文献を精査しても、前述特許文献と同様、ナノメートルレベルの酸化スズ一次粒子により特定の大きさの酸化スズ球形二次粒子を形成させること、界面活性剤ミセルによる鋳型法に基づいて液相法により作製することについて示唆する記載はない。
【0010】
【特許文献1】特許1830529
【特許文献2】特許1786804
【特許文献3】特表2002−505993
【特許文献4】特開昭62−223019
【特許文献5】特開昭62−207717
【特許文献6】特表2002−511398
【特許文献7】特開2003−252627
【特許文献8】特開2003−40613
【特許文献9】特開昭61−234922
【特許文献10】特開昭63−156016
【特許文献11】特開2000−185976
【特許文献12】特開11−199219
【特許文献13】特開平9−86924
【特許文献14】特開平6−277486
【特許文献15】特開2004−34228
【0011】
【非特許文献1】J.Am.Ceram.Soc.、83、p.2983−2987(2000)
【非特許文献2】G.Sakai 他3名、Sensors and Actuators B、77、p.116−121(2001)
【非特許文献3】G.Sakai 他3名、Sensors and Actuators B、80、p.125−131(2001)
【非特許文献4】T.Kijima 他3名、Langmuir、18、 p.6453−6457(2002)
【非特許文献5】T.Kijima 他6名、Angew.Chem.、Int.Ed.、43、p.228−232(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み、すなわち、酸化スズ二次粒子の形状及び大きさを制御する技術がない実情に鑑み、制御可能な技術を提供しようというものである。
【0013】
発明者を含めた研究グループにおいては、最近、非イオン性界面活性剤と陽イオン界面活性剤を混合して得られるネマチック液晶相を反応場とすることにより、直径1μm程度のワイヤ状臭化銀と酸化スズが得られることを見出し、さらに研究を進めた結果、複合界面活性剤系がナノ構造体の合成に有効であるとの重要な知見を得、これを学術文献に発表した(非特許文献4参照)。また、2種類の界面活性剤を用いる複合鋳型法によって、外径6nm、内径3nm、長さ数百nmの貴金属ナノチューブが合成できることを報告し(特許文献15、非特許文献5参照)、複合界面活性剤系がナノサイズの構造制御に有効であるとの知見を得た。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、発明者らは、複合界面活性剤系を基礎とする合成法により、酸化スズ一次粒子凝集体、すなわち、二次粒子の形状及び大きさの制御を実現すべく、用いるスズ源と界面活性剤の種類ならびに反応条件についてさらに鋭意研究を進めた結果、親水部サイズの比較的小さい非イオン界面活性剤またはイオン性界面活性剤と親水部サイズの比較的大きい部類の非イオン界面活性剤の2成分を混和してできる分子組織にスズ成分を加え、密閉容器内で反応させた後に、熱処理することで真球状の酸化スズ二次粒子凝集体が得られることを究明した。
【0015】
すなわち、本発明者等は、鋭意研究をした結果、前示課題を以下に記載する技術的構成が講じられた発明によって解決、達成することに成功したものである。
すなわち、第1の発明は、結晶質酸化スズのナノ一次粒子を構成成分とし、その凝集体である二次粒子の粒子径を0.5〜50μmで制御した真球状形態を特徴とする酸化スズマイクロ粒子である。
【0016】
また、第2の発明は、水溶性スズ化合物と1種類以上の界面活性剤あるいは1種類以上の長鎖アルコールを混合し、密閉容器内での加熱によって得られる前駆体を熱処理することで生成する真球状酸化スズマイクロ粒子の製造方法。
【0017】
また、以下、第3ないし第9の発明は、第1の発明の酸化スズマイクロ粒子の用途発明を提示しているものである。
すなわち、第3の発明は、(3)前記(1)記載の酸化スズを各種センサ設計における材料として用いることを特徴とした、センサ設計用材料。
第4の発明は、(4)前記各種センサが、温度、圧力、湿度、結露、流量、風速、光、ガス、酸素濃度、各種変位を検出あるいは測定するセンサ、もしくは形状記憶センサである、請求項3記載のセンサ設計用材料。
第5の発明は、(5)前記(1)記載の酸化スズを専ら電気分解用等の電極材料として用いることを特徴とした、電極材料。
第6の発明は、(6)前記(1)記載の酸化スズを専ら電気配線材、電気抵抗体、あるいはキャパシタ用設計材料として用いることを特徴とした、電気材料。
第7の発明は、(7)前記(1)記載の酸化スズを専らペースト材料として使用することを特徴とした、ペースト。
第8の発明は、(8)前記(1)記載の酸化スズを専ら顔料として使用することを特徴とする、顔料。
第9の発明は、(9)前記(1)記載の酸化スズをマイクロリアクター構成部材として使用することを特徴とする、マイクロリアクター。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、結晶質一次粒子から成る均一なマイクロメートルサイズの真球状二次粒子を提供するものであり、この粒子は、次のような効果が発現することが期待される。
1)これを温度、圧力、湿度、結露、流量、風速、光、ガス、酸素濃度、または変位を検出あるいは測定するセンサ、もしくは形状記憶センサとして用いた場合、検出精度・感度が格段に向上し、素子の小型化・高性能化が実現される。
2)これを電気分解用等の電極として用いた場合、従来の材料に比べて電極表面積の大幅な増大と二次粒子間に形成される大きな細孔によって物質移動が容易になり反応効率の飛躍的な上昇をもたらすことが期待される。
3)これをペーストとして用いた場合、従来の材料に比べて焼結温度が格段に低く均質な抵抗ペースト等を提供することとなる。
4)これを顔料として用いた場合、均一なサイズを有することから色むらがない均質な顔料を提供することになる。
5)これを電気抵抗体やキャパシタとして用いた場合、従来の材料に比べて均質で微細な電子回路の製作を可能にすること、および高容量の電極材料を供することとなる。
6)これをマイクロリアクター構成部材として用いた場合、従来の材料に比べて格段に優れた耐食性、耐酸化性、各種反応に対する優れた触媒性、電気化学特性、あるいはサイズ選択性等を兼ね備えたリアクターが供しえられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下実施例を添付した図面に基づき、具体的に説明する。ただし、これらの実施例は、あくまでも本発明の一つの態様を開示するものであり、決して本発明を限定する趣旨ではない。すなわち、本発明のねらいとするところは酸化スズ一次粒子を構成成分として組織された真球状凝集体二次粒子を提供するところにあることは、前述したとおりである。
【0020】
また、製造方法の骨子は、少なくとも2種類の界面活性剤と金属塩の水溶液とを適切な条件で混合することによって得られる前駆体を焼成して特定寸法の真球状二次粒子を誘導するというものであり、前駆体を構築するための最適温度や混合条件も対象とするスズ化合物や用いる界面活性剤の特性によって多様に変化する。対して、実施例は、本発明に対して、あくまでもその一態様例を示すものにすぎず、本発明を構成するスズ化合物種や製造方法もこの実施例によって限定されるべきではない。
【0021】
図1は、本発明の真球状酸化スズ二次粒子の透過型電子顕微鏡による観察写真であり、これによると、本発明の真球状酸化スズ二次粒子は真球状構造を呈していることが観察される。
【0022】
図2は、本発明の真球状酸化スズ二次粒子における表面付近の透過型電子顕微鏡による観察写真であり、これによると、本発明の真球状酸化スズ二次粒子は微細なナノメートルスケールの結晶質一次粒子を構成成分としていることが観察される。
【0023】
図3は、本発明の真球状酸化スズ二次粒子の走査型電子顕微鏡による観察写真であり、これによると、本発明の真球状酸化スズ二次粒子は真球状構造を呈していることが観察される。
【0024】
図4は、本発明の真球状酸化スズ二次粒子のX線回折図であり、これによると、本発明の真球状酸化スズ二次粒子は微細な結晶質一次粒子から成ることが観察される。
【0025】
実施例1;
試験管に秤り取った四塩化スズ(SnCl)の水溶液にノナエチレングリコールモノデシルエーテル(C12EO)を滴下し、60 ℃に昇温した。ついでポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween60;米国 Atlas Powder社 商品名)を加えて60 ℃の湯浴で15分間振とうした後、密閉容器に移した。
仕込みモル比SnCl:C12EO:Tween60:HO=1:1:1:60の反応混合物を調製し、容器内に密閉した状態で150℃まで昇温して、そのまま12時間反応させた。得られた前駆体を磁性るつぼに移し、500℃で5時間焼成して灰白色粉末を得た。
透過型顕微鏡および走査型顕微鏡による観察により、この粉末は、その主生成物が直径2μmの真球状粒子であることが確認された(図1および図3)。また、真球状粒子の外周を詳細に観察した結果、直径6nmの一次粒子が観察された(図2)。これは、マイクロ粒子が、直径6nmの一次粒子が凝集することにより構成されることを示している。また、得られた灰白色粉末をX線回折法により調べた結果、マイクロ粒子が結晶質酸化スズからなることが示された(図4)。
【0026】
実施例2;
ノナエチレングリコールモノデシルエーテル(C12EO)を試験管に秤りとり、四塩化スズ(SnCl)の水溶液を加え、60 ℃に昇温した。さらに、温度を保った状態でポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween60;米国 Atlas Powder社 商品名)を加えて60 ℃の湯浴で5分間振とうした後、密閉容器に移して25℃で20分間放置した。
仕込みモル比SnCl:C12EO:Tween60:HO=1:1:1:50の反応混合物を調製し、容器内に密閉した状態で150℃まで昇温して、そのまま24時間反応させた。得られた前駆体を磁性るつぼに移し、500℃で5時間焼成して灰白色粉末を得た。
透過型顕微鏡および走査型顕微鏡による観察により、この粉末は、その主生成物が直径3μmの真球状粒子であることが確認された。
【0027】
本発明は、以上の実施例に加え、多岐にわたる実験例を積み重ね、得られたデータを整理した結果、前記(1)に記載する結晶質酸化スズのナノ一次粒子を構成成分とし、その凝集体である二次粒子の粒子径を0.5〜5μmで制御した真球状形態を特徴とする酸化スズマイクロ粒子であることが確認されたものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、結晶質酸化スズのナノ一次粒子を構成成分とし、その凝集体である二次粒子の粒子径を0.5〜50μmで制御した真球状形態を有する酸化スズを開発し、得ることに成功したものであり、その意義は極めて大であると確信する。その詳細な物性や、諸特性及び各種技術分野における作用効果に関する具体的データ等の開示、及びこれに関漣して誘導される新たな技術的可能性、発展性等の研究開発は、今後の研究に待つところ大であり、委ねられているものであるが、新規な粒子形態の基本的材料を提供するもので、今後は、以下に列記する各種用途に利用され、優れた作用効果が奏され、大いに利用され産業の発展に寄与するものと期待される。
【0029】
すなわち、本発明による酸化スズマイクロ二次粒子は、その用途を列記すると、ガスセンサー、透明電極膜、陶磁器、顔料、触媒、フォトニクス・エレクトロニクス・情報技術用基礎素材または機能素子、電子機器製造用等のペースト・スペーサー、電子部品用の電気抵抗体、マイクロリアクター構成部材、物質貯蔵材料などが挙げられ、特定の分野に限定されない基本的工業材料として利用することが出来る。勿論、それ以外の用途にも使用され、多様な性質を有し、且つ優れた材料として、今後大いに利用され、産業の発展に寄与することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の真球状マイクロ粒子の透過型電子顕微鏡による観察図
【図2】本発明の真球状マイクロ粒子の表面付近の透過型電子顕微鏡による観察図
【図3】本発明の真球状マイクロ粒子の走査型電子顕微鏡による観察図
【図4】本発明の真球状マイクロ粒子のX線回折図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶質酸化スズのナノ一次粒子を構成成分とし、その凝集体である二次粒子の粒子径を0.5〜5μmで制御した真球状形態を特徴とする酸化スズマイクロ粒子。
【請求項2】
水溶性スズ化合物と1種類以上の界面活性剤あるいは1種類以上の長鎖アルコールを混合し、密閉容器内での加熱によって得られる前駆体を熱処理することで生成する真球状酸化スズマイクロ粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の酸化スズを各種センサ設計における材料として用いることを特徴とした、センサ設計用材料。
【請求項4】
各種センサが、温度、圧力、湿度、結露、流量、風速、光、ガス、酸素濃度、または変位を検出あるいは測定するセンサ、もしくは形状記憶センサである、請求項3記載のセンサ設計用材料。
【請求項5】
請求項1記載の酸化スズを専ら電気分解用等の電極材料として用いることを特徴とした、電極材料。
【請求項6】
請求項1記載の酸化スズを専ら電気配線材、電気抵抗体、あるいはキャパシタ用設計材料として用いることを特徴とした、電気材料。
【請求項7】
請求項1記載の酸化スズを専らペースト材料として使用することを特徴とした、ペースト。
【請求項8】
請求項1記載の酸化スズを専ら顔料として使用することを特徴とした、顔料。
【請求項9】
請求項1記載の酸化スズをマイクロリアクター構成部材として使用することを特徴とした、マイクロリアクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−69823(P2006−69823A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253107(P2004−253107)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【Fターム(参考)】