説明

給水装置

【課題】 製氷機内の水質を維持でき、小型化およびコストの削減を達成できるとともに、信頼性の高い給水装置を提供する。
【解決手段】 製氷機21および湯タンク31に水を供給するための給水装置1は、製氷機21に水を供給するための製氷機給水部9、11と、給水源Tと、給水源Tと湯タンク31に接続され、給水源Tから湯タンク31に水を供給するための湯タンク給水通路5と、を備え、湯タンク給水通路5には、その通路面積が絞られた狭窄部8eが設けられており、製氷機21と湯タンク給水通路5の狭窄部8eに接続され、給水源Tから湯タンク給水通路5を介して湯タンク31に水が供給されたときに狭窄部8eに発生する負圧により、製氷機21内の水を湯タンク給水通路5に排出するための排出通路12をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機やディスペンサなどに設けられ、製氷機および湯タンクに水を供給するための給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の給水装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この給水装置は、自動販売機に適用されたものであり、上水道の蛇口に接続され、蛇口から送水された水を貯留するリザーバと、流入口や第1および第2の流出口を有する切替弁と、リザーバ、製氷機および切替弁の流入口に接続された主給水通路と、この主給水通路の製氷機と切替弁の間に設けられたポンプと、切替弁の第1流出口および湯タンクに接続された分岐通路を備えている。リザーバは、湯タンクよりも低い位置に配置されており、切替弁の第2流出口には、水を冷却するための冷却パイプが接続されている。
【0003】
以上の構成の従来の給水装置では、リザーバに貯留された水は、主給水通路を介して製氷機に供給される。また、冷却パイプ内の冷却水を用いたコールド飲料の販売時には、切替弁の制御により、主給水通路と冷却パイプを接続し、その状態でポンプを駆動することによって、リザーバや製氷機、主給水通路内(以下、これらを総称して「給水回路」という)の水が冷却パイプに送出され、供給される。一方、湯タンクの湯を用いたホット飲料の販売時には、切替弁の制御により、主給水通路と分岐通路を接続し、その状態でポンプを駆動することによって、給水回路内の水が、分岐通路を介して湯タンクに送出され、供給される。以上により、従来の給水装置では、冬季などのようにコールド飲料の販売頻度が低い場合でも、販売頻度の高いホット飲料の販売に伴って、給水回路内の水を、湯タンクに送出し、入れ替えることによって、長時間、滞留させないようにし、それにより、その水質を維持するようにしている。
【0004】
しかし、上述したように、従来の給水装置では、湯タンクへの給水に伴う給水回路内の水の送出を行うために、ポンプを設けなければならないので、その分、装置の大型化およびコストの増大を招いてしまう。また、ポンプに電気的な故障が発生した場合には、装置の動作を保障できず、その信頼性は高くない。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、製氷機内の水質を維持でき、小型化およびコストの削減を達成できるとともに、信頼性の高い給水装置を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】実開昭62−169886号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、製氷機および湯タンクに水を供給するための給水装置であって、製氷機に水を供給するための製氷機給水部と、給水源と、給水源と湯タンクに接続され、給水源から湯タンクに水を供給するための湯タンク給水通路と、を備え、湯タンク給水通路には、その通路面積が絞られた狭窄部が設けられており、製氷機と湯タンク給水通路の狭窄部に接続され、給水源から湯タンク給水通路を介して湯タンクに水が供給されたときに狭窄部に発生する負圧により、製氷機内の水を湯タンク給水通路に排出するための排出通路をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
この給水装置によれば、製氷機給水部から製氷機に水が供給され、給水源からの水が、湯タンク給水通路を介して湯タンクに供給される。この湯タンク給水通路には、その通路面積が絞られた狭窄部が設けられており、この狭窄部と製氷機に、排出通路が接続されている。以上の構成の給水装置では、湯タンクへの給水時、湯タンク給水通路の通路面積が絞られた狭窄部では、水の流速が高くなり、大きな負圧が発生する。上記のように、この狭窄部には、排出通路を介して製氷機が接続されているので、この大きな負圧によって、製氷機内の水の一部は、引き込まれ、排出通路を介して湯タンク給水通路に排出され、給水源からの水とともに湯タンクに供給される。
【0009】
以上により、冬季などのように製氷機の作動頻度が低い場合でも、実行頻度の高い湯タンクへの給水に伴って、製氷機内の水を、湯タンク給水通路に排出し、入れ替えることができるので、製氷機内の水が長時間、滞留するのを防止でき、したがって、その水質を維持することができる。また、上述したように、製氷機内の水の排出を、湯タンクへの給水に伴って狭窄部に発生する負圧によって行うので、前述した従来のようなポンプは不要になり、それにより、給水装置の小型化およびコストの削減を達成することができる。さらに、狭窄部は、湯タンク給水通路を絞っただけの非常に簡単な構成であるため、ポンプよりも故障しにくいので、給水装置の信頼性を高めることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の給水装置において、湯タンク給水通路および排出通路は、給水源から供給される供給水量と製氷機から排出される排出水量との比が所定値になるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、給水源から湯タンクに供給される供給水量と製氷機から排出される排出水量との比が、所定値になっている。このため、この所定値を適切に設定することによって、製氷機内の水を過不足なく排出でき、それにより、製氷機において製氷を行うのに十分な水量を確保しながら、製氷機内の水質を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による給水装置1を、これを適用したカップ式の自動販売機とともに概略的に示している。この自動販売機は、製氷機21および湯タンク31を備えており、コールド飲料およびホット飲料の双方を販売可能なものである。
【0013】
製氷機21は、オーガ式のものであり、製氷を行うための製氷筒22、オーガモータ23、オーガおよび冷凍機(いずれも図示せず)と、この製氷筒22の上部に設けられ、製氷された氷を貯蔵する貯氷庫24を備えている。このオーガは、製氷筒22内に設けられるとともに、オーガモータ23によって駆動される。上記の冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器(いずれも図示せず)などで構成されている。
【0014】
また、製氷筒22は、後述する蛇口Tよりも低い位置に配置されており、その下端部には、給水口22aおよび排水口22bが設けられている。通常、製氷筒22内には、後述するリザーバ9から給水口22aを介して供給された水が貯められている。さらに、製氷筒22内の水は、上記の冷凍機によって冷却され、製氷筒22の内壁面に氷結する。氷結した氷は、オーガモータ23によるオーガの回転によって押し上げられ、オーガの上方に設けられたカッタ(図示せず)に押し込まれることによって、ブロック状に成形された後、上記の貯氷庫24に送出される。
【0015】
貯氷庫24には、氷送出口と、これを開閉する開閉機構(いずれも図示せず)が設けられており、自動販売機のコールド飲料の販売時には、この開閉機構によって氷送出口が開放され、それにより、貯氷庫24内の氷が、カップ(図示せず)に送出される一方、販売時以外のときには、氷送出口が閉鎖される。また、貯氷庫24には、貯蔵する氷の融解によって発生した水を排出するためのドレン口24aが設けられている。
【0016】
湯タンク31は、湯(水)を貯留するタンク本体32と、このタンク本体32内の水(湯)を加熱するためのヒータ33を備えており、蛇口Tよりも低い位置に配置されている。タンク本体32の上面には、タンク本体32内に水を供給するための給水口32aが設けられている。また、タンク本体32には、湯送出口と、これを開閉する送出弁が設けられており、この湯送出口は、ミキシングボウルやコーヒー抽出機(いずれも図示せず)に接続されている。自動販売機のホット飲料の販売時には、上記の送出弁によって湯送出口が開放され、それにより、湯タンク31内の湯が、上記のミキシングボウルなどに送出される一方、販売時以外のときには、湯送出口が閉鎖される。
【0017】
さらに、タンク本体32内には、フロート式の湯量センサ41が設けられており、この湯量センサ41は、タンク本体32内の水位がその所定の上限値および下限値になったときにON/OFFし、その検出信号を後述するコントローラ51に出力する(図5参照)。この検出信号に応じ、湯タンク31への給水動作が後述するように行われることによって、タンク本体32内の湯量(以下「湯タンク湯量」という)は、所定の上限湯量と下限湯量の間に制御される。
【0018】
給水装置1は、上水道の蛇口T(給水源)、主給水管2、第1給水弁3、第2給水弁4、湯タンク給水通路5、リザーバ9(製氷機給水部)、および排出管12(排出通路)を備えている。この蛇口Tは、常時、開放状態に保持されている。
【0019】
この主給水管2の一端部は蛇口Tに接続されており、主給水管2の途中に上記第1給水弁3が、他端部に上記第2給水弁4が、それぞれ設けられている。また、主給水管2、第1および第2の給水弁3,4は、蛇口Tよりも低く、かつ、前述した製氷筒22および湯タンク31よりも高い位置に配置されている。
【0020】
第1給水弁3は、常閉タイプのON/OFF式の電磁弁で構成されており、通常は主給水管2を閉鎖し、コントローラ51の制御により励磁されたときに主給水管2を開放する。第2給水弁4は、1つの流入口4a、第1および第2の流出口4b,4cを有し、これらを選択的に開閉する電磁式の三方バルブである。また、流入口4aには主給水管2が、第1流出口4bには湯タンク給水通路5が、それぞれ接続されており、第2流出口4cには、リザーバ9に水を供給するための後述するリザーバ給水管10が接続されている。さらに、第2給水弁4は、第1および第2の流出口4b,4cを閉鎖することにより、製氷機21および湯タンク31のいずれにも給水を行わない閉鎖モードと、第1流出口4bを開放することにより、湯タンク31にのみ給水を行う湯タンク給水モードと、第2流出口4cを開放することにより、製氷機21にのみ給水を行う製氷機給水モードとを有しており、その動作は、コントローラ51によって制御される。
【0021】
上記の湯タンク給水通路5は、蛇口Tから湯タンク31に水を供給するためのものであり、第2給水弁4の第1流出口4bに接続された上流側給水管6と、前述した湯タンク31の給水口32aに接続された下流側給水管7とを有しており、これらの上流側および下流側の給水管6,7は、フィッティング8によって互いに接続されている。
【0022】
図2〜図4に示すように、このフィッティング8は、互いに連通する第1流入部8a、第2流入部8bおよび流出部8cの3つの管から成る断面逆T字状の管継手である。上下方向に延びる第1流入部8aには、排出管12が接続され、第1流入部8aの下端部から両側に延びる第2流入部8bおよび流出部8cには、湯タンク給水通路5の上流側給水管6および下流側給水管7が、それぞれ接続されている。
【0023】
また、第2流入部8bの内部には、第1流入部8aとの接続部付近に、その通路面積を絞るための絞り壁8dが設けられている。この絞り壁8dは、第2流入部8bによって画成される断面円形の通路の下側から半分強の部分をふさぐように設けられており、水平な上面を有している。この絞り壁8dによって絞られた第2流入部8bの通路の部分が、狭窄部8eになっている。また、絞り壁8dは、水の流れ方向(図4のX−X方向)において、絞り壁8dの下流側の面の位置P1が、第2流入部8bとの接続部分における第1流入部8aの内壁面の位置P2に一致するように配置されている。
【0024】
なお、フィッティング8は、製氷機21および湯タンク31よりも低い位置に配置されている。また、下流側給水管7は、流出部8cから湯タンク31よりも高い位置まで延びており、その最高高さは、前述した主給水管2のそれと等しい。
【0025】
前述したリザーバ9は、蛇口Tからの水を貯留し、製氷機21に供給するためのものであり、第2給水弁4よりも低く、かつ、製氷機21の給水口22aよりも高い位置に配置されている。リザーバ9の上端部および下端部には、給水口9aおよび送水口9bがそれぞれ設けられている。この給水口9aは、リザーバ給水管10を介して、前述した第2給水弁4の第2流出口4cに接続されており、上記の送水口9bは、製氷機給水管11(製氷機給水部)を介して、前述した製氷機21の給水口22aに接続されている。また、リザーバ9の内部は、大気に連通している。以下、リザーバ9、製氷機給水管11、製氷筒22および貯氷庫24を総称して、「製氷機回路」という。
【0026】
さらに、リザーバ9内には、フロート式の水量センサ42が設けられており、この水量センサ42は、リザーバ9内の水位がその所定の上限値および下限値になったときにON/OFFし、その検出信号をコントローラ51に出力する。製氷筒22とリザーバ9が常時、連通していることから、リザーバ9内の水位は、製氷筒22内の水位と等しい。この水量センサ42の検出信号に応じ、製氷機21への給水動作が後述するように行われることによって、製氷筒22内の水量は、所定の上限水量と下限水量の間に制御される。
【0027】
また、排出管12は、湯タンク31への給水時に、上記の製氷機回路内の水を、湯タンク給水通路5を介して湯タンク31に排出するためのものである。さらに、排出管12は、前述したフィッティング8の第1流入部8aから上方に延び、その途中から二股に分岐し、この分岐した一方の端部が製氷機21の排水口22bに、他方の端部がドレン口24aに、それぞれ接続されている。以上のように、排出管12は、製氷機21に接続されるとともに、第1流入部8aを介して狭窄部8eに接続されている。
【0028】
コントローラ51は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されており、ROMに記憶された制御プログラムなどに従い、前述した各種のセンサ41および42からの検出信号に応じ、給水装置1の動作を制御する。
【0029】
具体的には、製氷機21における製氷動作やメンテナンスなどによって製氷筒22内の水量が前述した下限水量を下回ったときには、製氷機21への給水を次のようにして行う。すなわち、第1給水弁3を開弁するとともに、第2給水弁4を制御することによって、その第2流出口4cを開放する。これにより、蛇口Tからの水が、主給水管2およびリザーバ給水管10を介して、リザーバ9に供給され、さらに、製氷機給水管11を介して、製氷機21に供給される。以上の製氷機21への給水は、水量センサ42の検出信号に応じて、製氷筒22内の水量が前述した上限水量になるまで行われる。
【0030】
また、ホット飲料の販売やメンテナンスなどによって湯タンク湯量が前述した下限湯量を下回ったときには、湯タンク31への給水を次のようにして行う。すなわち、第1給水弁3を開弁するとともに、第2給水弁4を制御することによって、その第1流出口4bを開放する。これにより、蛇口Tからの水が、主給水管2および湯タンク給水通路5を介して、湯タンク31に供給される。以上の湯タンク31への給水は、湯量センサ41の検出信号に応じて、湯タンク湯量が前述した上限湯量になるまで行われる。
【0031】
また、上述した湯タンク31への給水時、湯タンク給水通路5を水が流れるのに伴い、フィッティング8の狭窄部8eでは、水の流速が高くなり、大きな負圧が発生する。そして、この大きな負圧により、製氷機回路内、すなわち、リザーバ9、製氷機給水管11、製氷筒22および貯氷庫24内の水の一部が、引き込まれ、排水口22b、ドレン口24a、排出管12およびフィッティング8の第1流入部8aを介して、湯タンク給水通路5に排出され(図4参照)、蛇口Tからの水とともに、湯タンク31に供給される。なお、図4における太い矢印は、水の流れを示している。
【0032】
また、上述した湯タンク31への給水に伴う製氷機回路内の水の排出によって、製氷筒22内の水量が下限水量を下回ったときにも、製氷機21への給水が上述したようにして行われる。
【0033】
さらに、湯タンク給水通路5や排出管12などの通路面積は、蛇口Tから湯タンク31に供給される水量と製氷機回路から排出される水量との比が1:1になるように設定されている。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、湯タンク31への給水時、狭窄部8eで発生した負圧によって、製氷機回路内の水の一部が、引き込まれ、排出管12を介して、湯タンク給水通路5に排出される。したがって、冬季などのように製氷機21の作動頻度が低い場合でも、実行頻度の高い湯タンク31への給水に伴って、製氷機回路内、すなわち、リザーバ9、製氷機給水管11、製氷筒22および貯氷庫24内の水を、湯タンク給水通路5に排出し、入れ替えることができるので、製氷機回路内の水が長時間、滞留するのを防止でき、したがって、その水質を維持することができる。
【0035】
また、製氷機回路内の水の排出を、湯タンク31への給水に伴って狭窄部8eに発生する負圧によって行うので、前述した従来のようなポンプは不要になり、それにより、給水装置1の小型化およびコストの削減を達成することができる。さらに、狭窄部8eは、湯タンク給水通路5を絞っただけの非常に簡単な構成であるため、ポンプよりも故障しにくいので、給水装置1の信頼性を高めることができる。また、絞り壁8dが前述したように配置されているので、狭窄部8eで発生した負圧を、第1流入部8aと第2流入部8bとの接続部分に効果的に作用させることができ、したがって、この負圧による製氷機回路内の水の引き込み動作を、適切に行うことができる。
【0036】
さらに、湯タンク給水通路5や排出管12などの通路面積は、蛇口Tから湯タンク31に供給される供給水量と製氷機回路から排出される排出水量との比が1:1になるように設定されている。これにより、製氷機21において製氷を行うのに十分な水量を確保しながら、製氷機回路内の水質を維持することができる。
【0037】
図6および図7は、狭窄部の他の例を示している。これらの図に示すように、この狭窄部8fは、第2流入部8bの途中の部分から流出部8cの途中の部分にわたって、第1流入部8aを中心として対称に設けられており、その長さは、径よりも大きくなっている。狭窄部8fと第2流入部8bおよび流出部8cとの移行部8gおよび8hの断面はいずれも、緩やかに変化している。なお、この場合においても、湯タンク給水通路5や排出管12などの通路面積は、前述した実施形態と同様、蛇口Tから湯タンク31に供給される水量と製氷機回路から排出される水量との比が1:1になるように設定されている。
【0038】
以上の構成により、この狭窄部8fを用いた場合にも、前述した実施形態の効果を同様に得ることができる。また、移行部8gおよび8hの断面が緩やかに変化しているので、この部分における渦損失を抑制することができ、したがって、湯タンク31への給水をより適切に行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明における製氷機給水部として、リザーバ9および製氷機給水管11を用いているが、水を供給可能な他の任意の手段、例えば上水道の蛇口Tを用いてもよいことは、もちろんである。このことは、本発明における給水源についても同様であり、実施形態の蛇口Tに代えて、例えばリザーバや圧力タンクを用いてもよいことは、もちろんである。
【0040】
また、供給水量と排出水量との比を1:1にするための要因として、湯タンク給水通路5や排出管12の通路面積を用いているが、供給水量および排出水量に影響を及ぼす他の適当な要因、例えば、湯タンク給水通路5および排出管12の形状や配置を用いてもよい。さらに、供給水量と排出水量との比は、実施形態の1:1に限らず、他の適切な値を採用することが可能であり、例えば、1:1から7:3までの任意の所定値に設定してもよい。また、製氷機21としてオーガ式のものを用いているが、これに限らず、任意のタイプの製氷機、例えばセル式の製氷機を用いることが可能である。
【0041】
さらに、実施形態は、本発明を自動販売機に適用した例であるが、本発明はこれに限らず、例えばディスペンサに適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態による給水装置を、これを適用した自動販売機とともに概略的に示す図である。
【図2】フィッティングの拡大斜視図である。
【図3】フィッティングを第2流入部側から見た図である。
【図4】図3の線A−Aに沿う断面図を、湯タンクへの給水時における水の流れとともに示す図である。
【図5】コントローラなどを示すブロック図である。
【図6】図3および図4に示すものとは異なる狭窄部を有するフィッティングを第2流入部側から見た図である。
【図7】図6の線B−Bに沿う断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 給水装置
T 蛇口(給水源)
5 湯タンク給水通路
8e 狭窄部
8f 狭窄部
9 リザーバ(製氷機給水部)
11 製氷機給水管(製氷機給水部)
12 排出管(排出通路)
21 製氷機
31 湯タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷機および湯タンクに水を供給するための給水装置であって、
前記製氷機に水を供給するための製氷機給水部と、
給水源と、
当該給水源と前記湯タンクに接続され、前記給水源から前記湯タンクに水を供給するための湯タンク給水通路と、を備え、
当該湯タンク給水通路には、その通路面積が絞られた狭窄部が設けられており、
前記製氷機と前記湯タンク給水通路の前記狭窄部に接続され、前記給水源から前記湯タンク給水通路を介して前記湯タンクに水が供給されたときに前記狭窄部に発生する負圧により、前記製氷機内の水を前記湯タンク給水通路に排出するための排出通路をさらに備えることを特徴とする給水装置。
【請求項2】
前記湯タンク給水通路および前記排出通路は、前記給水源から供給される供給水量と前記製氷機から排出される排出水量との比が所定値になるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の給水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−98923(P2009−98923A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269687(P2007−269687)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】