説明

給湯暖房装置

【課題】ヒートポンプ式給湯暖房機とガス加熱式給湯暖房機を的確に切り換え運転する給湯暖房装置を提供する。
【解決手段】ヒートポンプ式給湯暖房機1から循環水を排出する第1排出管11Bと、ガス加熱式給湯暖房機2に循環水を導入する第2導入管12Aとが接続され、ガス加熱式給湯暖房機2から循環水を排出する第2排出管12Bと、ヒートポンプ式給湯暖房機1に循環水を導入する第1導入管11Aとが接続され、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1は循環水の温度を第1の設定温度に維持し、上記ガス加熱式給湯暖房機2は循環水の温度を第2の設定温度に維持し、上記第2の設定温度を第1の設定温度と同等以下とし、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1の能力が低下したときにガス加熱式給湯暖房機2によるガス加熱が開始され、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1の能力が回復したときにガス加熱式給湯暖房機2によるガス加熱が停止するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ式給湯暖房装置の出力低下を補い、寒冷地域等においてエネルギー効率のよい運転を実現した給湯暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、セントラル給湯暖房方式は、日本国内では北海道や東北地方などの寒冷地住宅において一般的に用いられている。このようなセントラル給湯暖房は、熱源として灯油ボイラのものが最も一般的で、その他ガスボイラや電気ボイラ方式のものがそれぞれ用いられている。
【0003】
最近では、冷媒と熱交換して温水を循環させるヒートポンプ式の電気給湯暖房システムが登場し、CO削減の面で有効な暖房システムとして注目されている。
【0004】
ここで、ヒートポンプ式の給湯暖房システムは、まず室外機において室外の大気中の熱を循環中の液体冷媒(約3〜4℃)と熱交換させ、上記液体冷媒を気化させて気体冷媒にする。この気体冷媒を圧縮機で圧縮し、冷媒の温度を上昇させる(約80〜90℃)。この高温の気体冷媒を床暖房等に用いる室内循環水に熱交換を行ない、55〜60℃の温水にして暖房や給湯に供する。熱交換が終わった冷媒は膨張弁で膨張されて低温低圧となり、再び液体冷媒となって室外の大気と熱交換する循環サイクルに戻す。
【0005】
このようなヒートポンプ式の給湯暖房システムとしては、例えば下記の特許文献1に開示したものがあげられる。
昨今は、灯油価格の変動が激しく、またLPガスも灯油価格と同様に変動が大きいこともあり、電気によるヒートポンプ式給湯電気暖房システムに対する注目度が上がっている。
【0006】
一方、ガスを熱源とする温水給湯暖房システムでは、例えば下記の特許文献2に示すような排気熱を再利用することによる潜熱回収型のガス式給湯暖房システムが主流となりつつある。
【0007】
従前のガス式給湯暖房システムでは1500℃の加熱で水を湯に変換して用いており、、このときに約200℃の排熱が発生していた。この排熱は水蒸気を伴っており高温の水蒸気によって熱交換器等の機器の腐食が問題となるため、やむなく約200℃の熱を排熱として廃棄していた。
【0008】
そこで、潜熱回収型のガス式給湯暖房システムでは、耐食性に優れた素材を二次熱交換器に採用することで、上記排熱の回収を行ったものである。すなわち、熱を水側に与える熱交換器を2台設け、従前方式で排熱となっていた約200℃の熱をまず二次熱交換器で循環水の予備加熱に用い、一次熱交換器による1500℃の加熱で本加熱を行う。この結果得られた湯を給湯と暖房に供している。
この結果、このシステムでの排熱は50〜80℃程度に収まり、熱効率は、給湯で80%だったものが95%に、暖房では80%だったものが89%まで改善され、ガス式として高効率を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−218910号公報
【特許文献2】特開2006−162121号公報
【特許文献3】特開2005−273958号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】内田真生他:空気調和・衛生工学会北海道支部第43回学術講演会論文集,p.179〜182,(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
昨今の燃料費の高騰を考えた場合、ガス式給湯暖房機よりもヒートポンプ式電気給湯暖房機のほうが経済的には有利である。
【0012】
しかしながら、ヒートポンプ式電気給湯暖房機は、外気温が一定以下に下がると、成績係数(COP)が低くなり、暖房出力が低下するという問題がある(下記の非特許文献1)。このため、寒冷地においては、季節と時間帯によって、十分な成績係数を得られないレベルまで外気温が低下することがあるため、ヒートポンプ式電気給湯暖房機だけでは、最も寒気の厳しい時期に十分な暖房をまかなうことができないという大きな問題がある。
【0013】
そこで、例えばヒートポンプ式給湯暖房装置を2台並列にして使用することで暖房出力の低下を補おうとする提案もなされているが、装置自体が大型となるうえ、結果としてエネルギー的に有効ではない。
【0014】
このような複合式の給湯暖房システムとしては、例えば上記特許文献3に示すものがあげられる。このシステムは、電気料金の安い深夜にヒートポンプユニットで温水をつくり、それ以外の時間帯には石油バーナーの燃焼加熱器で温水をつくり、それらを貯湯タンクに貯湯して給湯暖房に供するものである。このシステムでは、単なるタイマー制御により、深夜23時〜早朝7時の間だけ燃焼加熱器からヒートポンプユニットに切り替えるものに過ぎず、室内温度、外気温度等によって的確な条件で切り替え運転がなされるものではない。
【0015】
このように、ヒートポンプ式電気給湯暖房機とガス式給湯暖房機をユーザの利用環境温度等に従って的確に切り換え運転を行ない、さらに、2台が同時に動作しないように制御するシステムは現在のところ供給されていないのが実情である。
【0016】
ここで、暖房に必要な供給熱量である暖房負荷は、次式(1)で表される。
q=A×Q×ΔT・・・(1)
q:暖房負荷(W)
A:暖房面積(m
Q:熱損失係数(W/m・K)
ΔT:室内外の温度差(K)
【0017】
熱損失係数の基準値は、例えば北海道では1.6と定められており、これを固定値と考えれば、暖房面積と室内外の温度差とによって暖房負荷が決定される。
【0018】
図1に、北海道石狩市での1日の気温と暖房負荷の推移を示す(2009年2月)。ここには、ヒートポンプ式暖房機を用いた場合の出力を併せて示している。ヒートポンプ式給湯暖房機としては、エコヌクールピコ(商品名;三菱電機株式会社製;熱交換ユニット 型番VEH−406HCA−M,室外ユニット 型番VEH−406HPU3−HL,暖房性能;出力6kW)を用いた。
【0019】
この場合では、暖房面積を115m、設計室温を20℃としている。なお、石狩市は、札幌市近郊の都市であり、標高5m、年間の最低気温が−17.2℃、2月における日平均気温が−4.7℃である(気象庁発表 拡張アメダス標準気象データ(1981〜1995年))。
【0020】
この図からわかるように、暖房負荷とヒートポンプ式給湯暖房機の出力は外気温の変化に伴い大きく変化する。これは、式(1)で示すように、暖房負荷が室内外の温度差ΔTに依存することによる。また、ヒートポンプ式給湯暖房機では、上述したように外気温によって成績係数(COP)が著しく変化するため出力が変動している。
【0021】
図1からわかるように、この例では、深夜1時から朝8時までの時間帯において、暖房負荷がヒートポンプ式給湯暖房機の出力を上回っている。すなわち、この時間帯では、ヒートポンプ式給湯暖房機だけでは十分な暖房がまかなえていないことになる。一方、日中はヒートポンプ式給湯暖房機の出力が暖房負荷を大きく上回っているため、ヒートポンプ式給湯暖房機だけで十分に暖房をまかなえている。
【0022】
図1は、石狩市をモデルとした例を示しているが、例えば同じ北海道でもより内陸の旭川市は標高112mで年間の最低気温が−21.7℃、2月における日平均気温が−6.8℃、帯広市では、標高38mで年間の最低気温が−17.3℃、2月における日平均気温が−6.8℃である(いずれも、気象庁発表 拡張アメダス標準気象データ(1981〜1995年))。このことから、これらの地域でも同様の問題が生じるものと考えられる。
【0023】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ヒートポンプ式電気給湯暖房機とガス式給湯暖房機を、ユーザの利用環境温度等に基づいて的確に切り換え運転を行なうことができる給湯暖房装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の給湯暖房装置は、循環水と熱交換して加熱するためのヒートポンプ式給湯暖房機と、上記循環水を加熱するガス加熱式給湯暖房機と、上記ヒートポンプ式給湯暖房機とガス加熱式給湯暖房機の少なくともいずれかで加熱された循環水の熱を利用する循環水利用設備とを備え、
上記ヒートポンプ式給湯暖房機から循環水を排出する第1排出管と、ガス加熱式給湯暖房機に循環水を導入する第2導入管とが接続され、
上記ガス加熱式給湯暖房機から循環水を排出する第2排出管と、ヒートポンプ式給湯暖房機に循環水を導入する第1導入管とが接続され、
上記ヒートポンプ式給湯暖房機は、循環水の温度を第1の設定温度に維持するよう熱交換を制御する第1加熱制御手段を有し、
上記ガス加熱式給湯暖房機は、循環水の温度を第2の設定温度に維持するようガス加熱の開始と停止を制御する第2加熱制御手段を有し、
上記第2の設定温度を第1の設定温度と同等以下とすることにより、上記ヒートポンプ式給湯暖房機の熱交換能力が低下したときにガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱が開始され、上記ヒートポンプ式給湯暖房機の熱交換能力が回復したときにガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱が停止するように構成されたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、上記第2の設定温度を第1の設定温度と同等以下とすることにより、上記ヒートポンプ式給湯暖房機の熱交換能力が低下したときに自動的にガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱が開始され、上記ヒートポンプ式給湯暖房機の熱交換能力が回復したときに自動的にガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱が停止する。
【0026】
すなわち、ヒートポンプ式給湯暖房機の第1排水管から排出されて第2導入管からガス加熱式給湯暖房機に導入される循環水の水温が十分に高い間は、ガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱は行われず、ヒートポンプ式給湯暖房機で給湯暖房運転をまかなう。外気の環境温度が低下してヒートポンプ式給湯暖房機の能力が低下してくると、ヒートポンプ式給湯暖房機から排水されてガス加熱式給湯暖房機に導入される循環水の水温が低くなり、ガス加熱式給湯暖房機がガス加熱を開始する。そして、外気の環境温度が高くなってヒートポンプ式給湯暖房機の能力が回復してくると、ヒートポンプ式給湯暖房機から排水されてガス加熱式給湯暖房機に導入される循環水の水温が高くなり、ガス加熱式給湯暖房機がガス加熱を停止する。このように、ヒートポンプ式給湯暖房機でベース運転を行ない、ヒートポンプの暖房負荷が不足したときにガス加熱式給湯暖房機で加熱を補うことができるため、エネルギー面での経済性が向上する。
【0027】
本発明において、上記第2排出管から第2導入管に循環水をバイパスさせる第2バイパス管が設けられている場合には、
ガス加熱式給湯暖房機のガス加熱がオンになっているときに、第2排出管から排出された循環水が第2導入管に還流されるため、第2導入管から導入される循環水の温度は、ヒートポンプ式給湯暖房機の第1排出管から排出される循環水の温度よりも高くなる。このため、例えば、上記ガス加熱式給湯暖房機における第2の設定温度がヒートポンプ式給湯暖房機における第1の設定温度と同等であったとしても、ヒートポンプ式給湯暖房機とガス加熱式給湯暖房機でそれぞれ循環水の温度制御を行うときに、ガス加熱式給湯暖房機のガス加熱が先にオフになってヒートポンプ式給湯暖房機だけの運転となる。このように、ヒートポンプ式給湯暖房機を確実にベース運転機として機能させ、無駄なガス加熱によるエネルギー消費をさせないようにしながら循環水を所定の設定温度に制御することができる。
【0028】
本発明において、上記第2バイパス管に第1流量調節弁が設けられている場合には、
第2排出管から排出された循環水を第2導入管に還流する流量を調節することにより、ガス加熱式給湯暖房機のガス加熱を先にオフにするタイミングを調節することが可能となり、ヒートポンプ式給湯暖房機やガス加熱式給湯暖房機の個々の設定や装置個体の特性ばらつき等に応じた的確なオンオフタイミングの調節が可能で、無駄なガス加熱によるエネルギー消費をさせないようにしながら循環水を所定の設定温度に制御することができる。
【0029】
本発明において、上記第2バイパス管に第2逆止弁が設けられている場合には、
ヒートポンプ式給湯暖房機の循環ポンプが稼動するときに第2バイパス管内を循環水が逆流しようとするのを防止し、循環水を確実にバイパスさせることができ、的確なオンオフタイミングを実現し、無駄なガス加熱によるエネルギー消費をさせないようにしながら循環水を所定の設定温度に制御することができる。
【0030】
本発明において、第1導入管から第1排出管に循環水をバイパスさせる第1バイパス管が設けられている場合には、
ヒートポンプ式給湯暖房機を停止してガス加熱式給湯暖房機だけで循環水を加熱し循環させて使用することができる。このとき、循環水は、第2導入管からガス加熱式給湯暖房機に導入されて第2排出管から排出され、第1導入管から第1バイパス管を経由して第1排出管に向かって流れ、再び第2導入管からガス加熱式給湯暖房機に導入される。このようにすることにより、例えば、停電等のアクシデントでヒートポンプ式給湯暖房機が使用できないときに、それを停止してガス加熱式給湯暖房機だけで給湯暖房をまかなうことが可能となる。
【0031】
本発明において、上記第1バイパス管に第1逆止弁が設けられている場合には、
ヒートポンプ式給湯暖房機を停止状態から再稼動するときに、ヒートポンプ式給湯暖房機の循環ポンプが稼動するときの水圧で第2バイパス管内を循環水が逆流しようとするのを防止し、ガス加熱式給湯暖房機の循環ポンプ等、他の機器に障害や破損等が発生するのを防止する。
【0032】
本発明において、第2導入管から第2排出管に循環水をバイパスさせる第3バイパス管が設けられている場合には、
ガス加熱式給湯暖房機を完全に停止してヒートポンプ式給湯暖房機だけで循環水を加熱し循環させて使用することができる。このとき、循環水は、第1導入管からヒートポンプ式給湯暖房機に導入されて第1排出管から排出され、第2導入管から第3バイパス管を経由して第2排出管に流れ、再び第1導入管からヒートポンプ式給湯暖房機に導入される。このようにすることにより、例えば、ガス加熱式給湯暖房機にトラブルが発生してガス加熱式給湯暖房機を稼動できないときに、それを完全に停止してヒートポンプ式給湯暖房機だけで給湯暖房を行うことが可能となる。
【0033】
本発明において、上記第3バイパス管に第3逆止弁が設けられている場合には、
ガス加熱式給湯暖房機を停止状態から再稼動するときに、ガス加熱式給湯暖房機の循環ポンプが稼動するときの水圧で第3バイパス管内を循環水が逆流しようとするのを防止し、ヒートポンプ式給湯暖房機の循環ポンプ等、他の機器に障害や破損等が発生するのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】一日の気温と暖房負荷およびヒートポンプ出力の推移を示すグラフである。
【図2】本発明を適用した給湯暖房装置の一実施形態を示す構成図である。
【図3】実施例と比較例の一次エネルギー消費量を月毎に算出したグラフである。
【図4】実施例と比較例の一次エネルギー消費量の年間合計を比較したグラフである。
【図5】実施例と比較例の排出CO量を月ごとに示したグラフである。
【図6】実施例と比較例の排出CO量の年間合計を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0036】
図2は、本発明が適用される給湯暖房装置の一実施形態を示す図である。
【0037】
この給湯暖房装置は、ヒートポンプ式給湯暖房機1と、ガス加熱式給湯暖房機2を組合わせ、主運転をヒートポンプ式給湯暖房機1で行い、ヒートポンプ式給湯暖房機1で十分に暖房運転がまかなえない程度に環境温度が低下したときに、ガス加熱式給湯暖房機2に切り換え運転を行ってヒートポンプ式給湯暖房機1の運転を停止するようにしたものである。
【0038】
より詳しく説明すると、この給湯暖房装置は、循環水と熱交換して加熱するためのヒートポンプ式給湯暖房機1と、上記循環水を加熱するガス加熱式給湯暖房機2と、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1とガス加熱式給湯暖房機2の少なくともいずれかで加熱された循環水の熱を利用する循環水利用設備3とを備えている。この例では、上記循環水利用設備3の一例として、室内暖房用の放熱器を示している。
【0039】
上記ヒートポンプ式給湯暖房機1は、室外機4と室内機5とを備えている。上記室外機4には、冷媒を外気と熱交換する室外熱交換器(図示せず)、熱交換された冷媒を圧縮する圧縮機(図示せず)等を備えている。室内機5には、圧縮されて高温となった冷媒と循環水を熱交換して循環水を加熱する室内熱交換器6を備えている。
【0040】
また、上記室内機5には、上記室内熱交換器6に循環水を導入する第1導入管11Aと、上記室内熱交換器6で熱交換により加熱された循環水を排出する第1排出管11Bとがそれぞれ接続されている。上記第1導入管11Aには、循環水を循環させるための第1循環ポンプ7が設けられている。また、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1は、循環水の温度を第1の設定温度に維持するよう熱交換を制御する第1加熱制御手段15を有している。
【0041】
上記ガス加熱式給湯暖房機2は、循環水を導入する第2導入管12Aと、加熱された循環水を排出する第2排出管12Bとがそれぞれ接続されている。上記第2導入管12Aには、循環水を循環させるための第2循環ポンプ8が設けられている。
【0042】
また、上記ガス加熱式給湯暖房機2は、上記第2導入管12Aから導入された循環水を加熱するためのガスバーナ9を備え、循環水の温度を第2の設定温度に維持するよう上記ガスバーナ9によるガス加熱の開始と停止を制御する第2加熱制御手段16を有している。
【0043】
この給湯暖房装置では、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1から循環水を排出する第1排出管11Bと、ガス加熱式給湯暖房機2に循環水を導入する第2導入管12Aとが第1接続管17を介して接続されている。また、上記ガス加熱式給湯暖房機2から循環水を排出する第2排出管12Bと、ヒートポンプ式給湯暖房機1に循環水を導入する第1導入管11Aとが第2接続管18を介して接続されている。この例では、上記第2接続管18の途中に循環水利用設備3が設けられている。
【0044】
このような基本構造により、上記給湯暖房機装置はつぎのようにして運転される。
【0045】
すなわち、循環水は、主として第1循環ポンプ7の駆動力により、第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に導入され、室内熱交換器6によって熱交換されて加熱される。加熱された循環水は第1排出管11Bから排出される。第1排出管11Bから排出された循環水は、第1接続管17を経由し、主として第2循環ポンプ8の駆動力により、第2導入管12Aからガス加熱式給湯暖房機2に導入され、必要に応じてガスバーナ9によるガス加熱で加熱される。その循環水は、第2排出管12Bから排出されて第2接続管18および循環水利用設備3を経て再び第1導入管11Aに戻って循環サイクルを繰り返す。
【0046】
ここで、上述したように、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1は、循環水の温度を第1の設定温度に維持するよう熱交換を制御する第1加熱制御手段15を有し、上記ガス加熱式給湯暖房機2は、循環水の温度を第2の設定温度に維持するようガス加熱の開始と停止を制御する第2加熱制御手段16を有している。
【0047】
そして、この給湯暖房装置では、上記ガス加熱式給湯暖房機2における第2の設定温度を、ヒートポンプ式給湯暖房機1における第1の設定温度と同等以下としている。これにより、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1の熱交換能力が低下したときに自動的にガス加熱式給湯暖房機1によるガス加熱が開始され、上記ヒートポンプ式給湯暖房機1の熱交換能力が回復したときに自動的にガス加熱式給湯暖房機2によるガス加熱が停止するように構成されている。
【0048】
すなわち、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1排出管11Bから排出されて第2導入管12Aからガス加熱式給湯暖房機2に導入される循環水の水温が第2の設定温度より十分に高い間は、ガス加熱式給湯暖房機2の第2加熱制御手段16はガスバーナ9を着火しないよう制御してガス加熱は行わず、ヒートポンプ式給湯暖房機1だけで給湯暖房運転をまかなう。
【0049】
この間、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1加熱制御手段15の熱交換制御により、循環水の水温は第1の設定温度となるよう制御が行われる。
【0050】
一方、外気の環境温度が低下してヒートポンプ式給湯暖房機1の暖房能力が低下してくると、ヒートポンプ式給湯暖房機1から排水されてガス加熱式給湯暖房機2に導入される循環水の水温が第2の設定温度よりも低くなる。このとき、ガス加熱式給湯暖房機2の第2加熱制御手段16は、ガスバーナ9を着火するよう制御してガス加熱を行い、ガス加熱式給湯暖房機2による循環水の加熱を開始する。
【0051】
このとき、ガス加熱式給湯暖房機2の第2加熱制御手段16の加熱制御により、循環水の水温は第2の設定温度となるよう制御が行われる。
【0052】
したがって、循環水利用設備3での循環水の熱利用を一定にするためには、第1の設定温度と第2の設定温度を同等に設定するのが好ましい。
【0053】
そうすると、ガス加熱式給湯暖房機2の第2排出管12Bから排出される循環水の水温が高くなる。このとき、一時的に、循環水利用設備3での熱交換を経ても第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に導入される循環水の水温が第1の設定温度よりも高くなることがある。その場合は、ヒートポンプ式給湯暖房機1の熱交換運転が停止し、再び第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に導入される循環水の水温が第1の設定温度よりも低くなるまでガス加熱式給湯暖房機2だけで給湯暖房運転がまかなわれる。
【0054】
再び第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に導入される循環水の水温が第1の設定温度よりも低くなると、ヒートポンプ式給湯暖房機1の熱交換運転が再開する。
【0055】
外気の環境温度が上昇してヒートポンプ式給湯暖房機1の暖房能力が回復してくると、ヒートポンプ式給湯暖房機1から排水されてガス加熱式給湯暖房機2に導入される循環水の水温が第2の設定温度よりも高くなる。このとき、ガス加熱式給湯暖房機2の第2加熱制御手段16は、ガスバーナ9を消火するよう制御してガス加熱を停止し、ガス加熱式給湯暖房機2による循環水の加熱を停止する。
【0056】
そして再び、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1加熱制御手段15の熱交換制御により、循環水の水温は第1の設定温度となるよう制御が行われる。
【0057】
さらに、本実施形態の給湯暖房装置は、上記第2排出管12Bから第2導入管12Aに循環水をバイパスさせる第2バイパス管22が設けられている。上記第2バイパス管22には、第1流量調節弁35および第2逆止弁32が設けられている。
【0058】
このように、上記第2排出管12Bから第2導入管12Aに循環水をバイパスさせる第2バイパス管22を設けたため、ガス加熱式給湯暖房機1のガス加熱がオンになっているときに、第2排出管12Bから排出された循環水が第2導入管12Aに還流されるため、第2導入管12Aから導入される循環水の温度は、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1排出管11Bから排出される循環水の温度よりも高くなる。
【0059】
このため、ガス加熱式給湯暖房機2の第2加熱制御手段16は、循環水が第2の設定温度よりも高くなったときにガス加熱を停止するので、例えば、上記ガス加熱式給湯暖房機2における第2の設定温度がヒートポンプ式給湯暖房機1における第1の設定温度と同等であったとしても、ヒートポンプ式給湯暖房機1とガス加熱式給湯暖房機2でそれぞれ循環水の温度制御を行うときに、ガス加熱式給湯暖房機2のガス加熱が先にオフになってヒートポンプ式給湯暖房機1だけの運転となる。
【0060】
このように、ヒートポンプ式給湯暖房機1を確実にベース運転機として機能させ、無駄なガス加熱によるエネルギー消費をさせないようにしながら循環水を所定の設定温度に制御することができる。
【0061】
このとき、上記第2バイパス管22に第1流量調節弁35を設けたことにより、第2排出管12Bから排出された循環水を第2導入管12Aに還流する流量を調節し、ガス加熱式給湯暖房機2のガス加熱を先にオフにするタイミングを調節することが可能となる。したがって、ヒートポンプ式給湯暖房機1やガス加熱式給湯暖房機2の個々の設定や装置個体の特性ばらつき等に応じて還流する流量を調節することで、第2の設定温度における的確なオンオフタイミングに調節することが可能となり、無駄なガス加熱によるエネルギー消費をさせないようにしながら循環水を所定の設定温度に制御することができる。
【0062】
また、上記第2バイパス管22に第2逆止弁32を設けたことにより、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1循環ポンプ7が再び稼動するとき、第1循環ポンプ7の駆動圧力が第1排出管11Bおよび第1接続管17を介して第2バイパス管22に作用し、第2バイパス管22内を循環水が逆流しようとするのを防止する。これにより、循環水を確実にバイパスさせることができ、的確なオンオフタイミングを実現し、無駄なガス加熱によるエネルギー消費をさせないようにしながら循環水を所定の設定温度に制御することができる。
【0063】
さらに、本実施形態の給湯暖房装置は、第1導入管11Aから第1排出管11Bに循環水をバイパスさせる第1バイパス管21が設けられ、上記第1バイパス管21に第1逆止弁31が設けられている。
【0064】
このように、第1導入管11Aから第1排出管11Bに循環水をバイパスさせる第1バイパス管21を設けたため、ヒートポンプ式給湯暖房機1を停止してガス加熱式給湯暖房機2だけで循環水を加熱し循環させて使用することができる。このとき、循環水は、第2導入管12Aからガス加熱式給湯暖房機2に導入されて第2排出管12Bから排出され、第1導入管11Aから第1バイパス管21を経由して第1排出管11Bに向かって流れ、第1接続管17を経由して再び第2導入管12Aからガス加熱式給湯暖房機2に導入される。このようにすることにより、例えば、停電等のアクシデントでヒートポンプ式給湯暖房機1が使用できないときに、それを停止してガス加熱式給湯暖房機2だけで給湯暖房をまかなうことが可能となる。
【0065】
また、上記第1バイパス管21に第1逆止弁31を設けたため、ヒートポンプ式給湯暖房機1を停止状態から再稼動するときに、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1循環ポンプ7が稼動するときの水圧で、第1バイパス管21内を循環水が逆流しようとするのを防止し、ガス加熱式給湯暖房機2の第2循環ポンプ8等、他の機器に障害や破損等が発生するのを防止する。
【0066】
さらに、本実施形態の給湯暖房装置は、第2導入管12Aから第2排出管12Bに循環水をバイパスさせる第3バイパス管23が設けられ、上記第3バイパス管23に第3逆止弁33が設けられている。
【0067】
このように、第2導入管12Aから第2排出管12Bに循環水をバイパスさせる第3バイパス管23を設けたため、ガス加熱式給湯暖房機2を完全に停止してヒートポンプ式給湯暖房機1だけで循環水を加熱し循環させて使用することができる。このとき、循環水は、第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に導入されて第1排出管11Bから排出され、第1接続管17を経て第2導入管12Aから第3バイパス管23を経由し、第2排出管12Bに向かって流れ、第2接続管18および循環水利用設備3を経由して再び第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に導入される。このようにすることにより、例えば、ガス加熱式給湯暖房機2にトラブルが発生してガス加熱式給湯暖房機2を稼動できないときに、それを完全に停止してヒートポンプ式給湯暖房機1だけで給湯暖房を行うことが可能となる。
【0068】
また、上記第3バイパス管23に第3逆止弁33を設けたため、ガス加熱式給湯暖房機2を停止状態から再稼動するときに、ガス加熱式給湯暖房機2の第2循環ポンプ8が稼動するときの水圧で第3バイパス管23内を循環水が逆流しようとするのを防止し、ヒートポンプ式給湯暖房機1の第1循環ポンプ7等、他の機器に障害や破損等が発生するのを防止する。
【0069】
さらに、本実施形態の給湯暖房装置は、第2接続管18の循環水利用設備3の上流側に第2流量調節弁36が設けられている。これにより、給湯暖房装置全体を循環して循環水利用設備3に流れる循環水の流量を調節し、無駄な熱放散を避けてより省エネルギーに有利となる。
【0070】
つぎに、実施例について説明する。
【0071】
ここで説明する実施例では、ヒートポンプ式給湯暖房機1として、エコヌクールピコ(商品名;三菱電機株式会社製;熱交換ユニット 型番VEH−406HCA−M,室外ユニット 型番VEH−406HPU3−HL,暖房性能;出力6kW)を用いた。また、潜熱回収型のガス加熱式給湯暖房機2として、エコジョーズ(商品名;株式会社ノーリツ製;型番GTH−C2439AWXPD−FF−KR BL,暖房性能;出力17.4kW)を用いた。
【0072】
接続するシステムの配管は、銅配管に第1および第2流量調節弁35、36と、第1〜第3逆止弁31〜33のみでよい。このように、複雑なセンサーを設けたり、電子制御を行う必要がなく、パーツも少なくてすみ、極めて簡略なシステムである。さらには貯湯タンクも必要なく、ヒートポンプ式給湯暖房機1およびガス加熱式給湯暖房機2に対し、上述した銅配管、第1および第2流量調節弁35、36、第1〜第3逆止弁31〜33に、密閉回路を設備する場合の標準部材である膨張タンク41と空気抜き弁42、圧力計43、安全弁44を加えて設備するだけですむ。
【0073】
図2に示したように、配管の回路を直列としてヒートポンプ式給湯暖房機1とガス加熱式給湯暖房機2を接続し、上流側にヒートポンプ式給湯暖房機1を、下流側にガス加熱式給湯暖房機2を配置した。
【0074】
ガス加熱式給湯暖房機2における第2の設定温度は55℃とした。外気温が下がり、循環水利用設備3であるパネルラジエータなどからの戻りの水温が第1の閾値である45℃以下になったとき、すなわちヒートポンプ式給湯暖房機1だけで暖房負荷がまかなえなくなった場合に、ガス加熱式給湯暖房機2が起動する。
【0075】
これは、ガス加熱式給湯暖房機2の設定温度に基づく加熱制御であるため、ユーザがオンオフする必要はない。また、温水の温度が上がって第2の閾値である62℃に達すれば、ガス加熱式給湯暖房機2が停止する。これも、ガス加熱式給湯暖房機2の設定温度に基づく加熱制御によるため、ユーザがオンオフする必要はない。
【0076】
このように、下流側に第2バイパス管22と第1流量調節弁35を設けたことで、ヒートポンプ式給湯暖房機1でベースロード運転を行ない、暖房負荷の不足分をガス加熱式給湯暖房機2で補うことができ、経済性が向上した。
【0077】
また、直列回路にしてかつ第1の設定温度と第2の設定温度を同等にすることで、上流側のヒートポンプ式給湯暖房機1の加熱で主暖房することになる。ガス加熱式給湯暖房機2へ導入される循環水の水温が低くなると上流側のヒートポンプ式給湯暖房機1だけでは給湯暖房運転をカバーできなくなり、下流側のガス加熱式給湯暖房機2が運転を開始する。
【0078】
第2流量調節弁36としては、一般的に室温を感知して流量を調節するサーモスタットバルブであるワックスエレメント型の自動調節弁が使用される。室温が高くなって上記第2流量調節弁36が絞られると、第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に戻る循環水の温度が高くなるが、第1導入管11Aに戻る水温より、第2バイパス管22を通じてガス加熱式給湯暖房機2の第2導入管12Aに戻る水温の方が高くなるため、先にガス加熱式給湯暖房機2が停止する。すると、上流側のヒートポンプ式給湯暖房機1のみの運転となり、第1導入管11Aからヒートポンプ式給湯暖房機1に戻る循環水の温度はそこから上昇せず、ベース運転が可能となる。
【0079】
ワックスエレメント型の自動調節弁は、温度上昇に伴うワックスの体積膨張を利用して弁の開度を調節するものであり、ワックスの特性で流量を確実に調節できるほか、構造がシンプルで信頼性が高いという利点を有している。
【0080】
つぎに、エネルギー的な観点および排出CO量削減の観点からの検証を行った。
【0081】
図3は、実施例の給湯暖房装置と、比較例として灯油式の給湯暖房機、LPガスを用いたガス給湯暖房機および電気ボイラー式の給湯暖房機について、それぞれの一次エネルギー消費量を算出して示したものである。
【0082】
この算出にあたっては、灯油;36.7MJ/L=10.2kWh/L、LPガス;100.8MJ/m=28kWh/mの値を用いてエネルギーの比較単位をkWhに統一した。ここで、灯油1L=36.7MJの換算値は、環境省発布の「事業者からの温室効果ガス排出量算定ガイドライン(試案ver1.5)」を参考とし、LPガス1m=100.8MJの換算値は、経済産業省資源エネルギー庁発布の「2005年度以降適用する標準発熱量の検討結果と改定値について」を参考とした。
【0083】
図3からわかるとおり、いずれの月においても、実施例のシステムは、最も消費エネルギー量が少ない。
【0084】
図4は、図3の結果について年間合計を算出して比較したものである。
【0085】
実施例は、灯油式の50%程度のエネルギー消費であり、低消費エネルギーを謳っている電気ボイラ式よりも少ないエネルギー消費で運転されることがわかる。
【0086】
つぎに、これらの給湯暖房機の運転で発生するCO量について検討した。
【0087】
比較したのは、上述した実施例の給湯暖房装置と、比較例として灯油式の給湯暖房機、LPガスを用いたガス給湯暖房機および電気ボイラー式の給湯暖房機である。
【0088】
排出CO量換算値として、電気:1kWh=0.378kg−CO、LPガス:1m=3.002kg−CO、灯油;1L=2.492kg−COを用いた(環境省発布の「事業者からの温室効果ガス排出量算定ガイドライン(試案ver1.5)」)。
【0089】
図5は、このようにして算出した排出CO量を月ごとに示したものである。いずれの月においても実施例の排出CO量が少ないことがわかる。
【0090】
図6は、図5の結果について年間合計を算出して比較したものである。実施例が排出CO量が少ないことがわかる。
【0091】
以上の結果より、ヒートポンプ式給湯暖房機1とガス加熱式給湯暖房機2とを組合せた実施例では、一次エネルギー消費量および排出CO量のいずれもにおいて少ないことがわかり、十分で不具合のない暖房運転が可能であるうえ、エネルギー的にも環境的にも有利であることがわかった。
【0092】
なお、上記実施形態では、循環水利用設備として室内暖房用のパネルラジエータ等を例示して説明したが、これに限定するものではなく、熱交換による浴室給湯装置や追い炊き装置等、各種の給湯暖房設備を適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1:ヒートポンプ式給湯暖房機
2:ガス加熱式給湯暖房機
3:循環水利用設備
4:室外機
5:室内機
6:室内熱交換器
7:第1循環ポンプ
8:第2循環ポンプ
9:ガスバーナ
11A:第1導入管
11B:第1排出管
12A:第2導入管
12B:第2排出管
15:第1加熱制御手段
16:第2加熱制御手段
17:第1接続管
18:第2接続管
21:第1バイパス管
22:第2バイパス管
23:第3バイパス管
31:第1逆止弁
32:第2逆止弁
33:第3逆止弁
35:第1流量調節弁
36:第2流量調節弁
41:膨張タンク
42:空気抜き弁
43:圧力計
44:安全弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環水と熱交換して加熱するためのヒートポンプ式給湯暖房機と、上記循環水を加熱するガス加熱式給湯暖房機と、上記ヒートポンプ式給湯暖房機とガス加熱式給湯暖房機の少なくともいずれかで加熱された循環水の熱を利用する循環水利用設備とを備え、
上記ヒートポンプ式給湯暖房機から循環水を排出する第1排出管と、ガス加熱式給湯暖房機に循環水を導入する第2導入管とが接続され、
上記ガス加熱式給湯暖房機から循環水を排出する第2排出管と、ヒートポンプ式給湯暖房機に循環水を導入する第1導入管とが接続され、
上記ヒートポンプ式給湯暖房機は、循環水の温度を第1の設定温度に維持するよう熱交換を制御する第1加熱制御手段を有し、
上記ガス加熱式給湯暖房機は、循環水の温度を第2の設定温度に維持するようガス加熱の開始と停止を制御する第2加熱制御手段を有し、
上記第2の設定温度を第1の設定温度と同等以下とすることにより、上記ヒートポンプ式給湯暖房機の熱交換能力が低下したときにガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱が開始され、上記ヒートポンプ式給湯暖房機の熱交換能力が回復したときにガス加熱式給湯暖房機によるガス加熱が停止するように構成されたことを特徴とする給湯暖房装置。
【請求項2】
上記第2排出管から第2導入管に循環水をバイパスさせる第2バイパス管が設けられている請求項1記載の給湯暖房装置。
【請求項3】
上記第2バイパス管に第1流量調節弁が設けられている請求項2記載の給湯暖房装置。
【請求項4】
上記第2バイパス管に第2逆止弁が設けられている請求項2または3記載の給湯暖房装置。
【請求項5】
第1導入管から第1排出管に循環水をバイパスさせる第1バイパス管が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の給湯暖房装置。
【請求項6】
上記第1バイパス管に第1逆止弁が設けられている請求項5記載の給湯暖房装置。
【請求項7】
第2導入管から第2排出管に循環水をバイパスさせる第3バイパス管が設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載の給湯暖房装置。
【請求項8】
上記第3バイパス管に第3逆止弁が設けられている請求項7記載の給湯暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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