説明

給湯機

【課題】熱源機から給湯側へのスケール等の異物の流出を抑制することのできる給湯機を提供すること。
【解決手段】本発明の給湯機は、湯水を加熱して出湯する熱源機(ヒートポンプユニット200)と、熱源機から送り出された湯水が通る出湯配管10fと沸き上げ配管11aとバイパス配管11bとが接続され、異物を除去する濾過部を有する流路切替手段(三方弁400)とを備える。流路切替手段は、出湯配管10fと沸き上げ配管11aとを連通させて熱源機からの湯水を沸き上げ配管11aへ通水させる第一のモードと、出湯配管10fとバイパス配管11bとを連通させて熱源機からの湯水をバイパス配管11bへ通水させる第二のモードとに切り替え可能であり、第一のモードと第二のモードとで濾過部の通水方向が逆転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気の熱を吸収して湯を沸かす、エネルギー効率に優れたヒートポンプ給湯機が広く用いられている。ヒートポンプ給湯機の加熱熱交換器では、水に含まれる硬度成分が炭酸カルシウムなどの固形物として配管の内面に析出して付着する。このような析出付着物は、スケールと呼ばれる。このスケールが剥がれたものが異物として給湯側に流出することを抑制する必要がある。
【0003】
特許文献1には、沸き上げ運転停止時に、圧縮機を停止させて送水ポンプの動作を継続させることによりスケール生成防止運転を行う技術が開示されている。これにより、加熱熱交換器の出口温度を入口温度と同等まで低下させ、スケールの析出を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−243808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に提案される方法では、既に析出したスケールが剥がれた場合に、そのスケールが給湯側へ流出することを抑止することはできない。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、熱源機から給湯側へのスケール等の異物の流出を抑制することのできる給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る給湯機は、湯水を加熱して出湯する熱源機と、熱源機から送り出された湯水が通る出湯配管と、沸き上げ配管と、バイパス配管とが接続され、異物を除去する濾過部を有する流路切替手段と、を備え、流路切替手段は、出湯配管と沸き上げ配管とを連通させて熱源機からの湯水を沸き上げ配管へ通水させる第一のモードと、出湯配管とバイパス配管とを連通させて熱源機からの湯水をバイパス配管へ通水させる第二のモードとに切り替え可能であり、第一のモードと第二のモードとで濾過部の通水方向が逆転するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、熱源機から給湯側へのスケール等の異物の流出を抑制することができる。また、濾過部が異物によって詰まることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯機を示す構成図である。
【図2】実施の形態1のヒートポンプ給湯機における沸き上げ回路を示す図である。
【図3】実施の形態1のヒートポンプ給湯機におけるバイパス回路を示す図である。
【図4】実施の形態1のヒートポンプ給湯機が備える三方弁(第一のモード)の断面図である。
【図5】実施の形態1のヒートポンプ給湯機が備える三方弁(第二のモード)の断面図である。
【図6】実施の形態1のヒートポンプ給湯機が備える三方弁(第三のモード)の断面図である。
【図7】実施の形態1のヒートポンプ給湯機の三方弁が第三のモードのときの通水回路を示す図である。
【図8】実施の形態1のヒートポンプ給湯機の制御部の機能構成を示す図である。
【図9】実施の形態1のヒートポンプ給湯機の沸き上げ開始時の制御のフローチャートを示す図である。
【図10】実施の形態1のヒートポンプ給湯機の沸き上げ終了時の制御のフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2のヒートポンプ給湯機を示す構成図である。
【図12】実施の形態2のヒートポンプ給湯機における沸き上げ回路を示す図である。
【図13】実施の形態2のヒートポンプ給湯機におけるバイパス回路を示す図である。
【図14】実施の形態2のヒートポンプ給湯機が備える四方弁(第一のモード)の断面図である。
【図15】実施の形態2のヒートポンプ給湯機が備える四方弁(第二のモード)の断面図である。
【図16】実施の形態2のヒートポンプ給湯機が備える四方弁(第三のモード)の断面図である。
【図17】実施の形態2のヒートポンプ給湯機の四方弁が第三のモードのときの通水回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯機を示す構成図である。図1に示すヒートポンプ給湯機は、貯湯タンクユニット100と、熱源機としてのヒートポンプユニット200とを備えている。貯湯タンクユニット100とヒートポンプユニット200とは、外部配管10bおよび10eと、電気配線とを介して接続されている。
【0012】
ヒートポンプユニット200は、圧縮機204、加熱熱交換器201、絞り部202および吸熱熱交換器203を順次環状に接続した冷凍サイクルと、吸熱熱交換器203で空気と熱交換をさせるための送風を行う吸熱熱交換器側送風ファン206と、配管10c、加熱熱交換器201および出湯配管10dが順次接続された水回路と、出湯配管10dを通る湯水の温度を検出する温度検出手段205とを備えている。
【0013】
貯湯タンクユニット100は、出湯配管10f、三方弁400(流路切替手段)、沸き上げ配管11a、配管12、タンク上部接続口105および貯湯タンク101を順次接続する沸き上げ流路と、出湯配管10f、三方弁400、バイパス配管11b、タンク下部接続口106および貯湯タンク101を順次接続するバイパス流路と、貯湯タンク101、タンク底部接続口102、送水ポンプ103および配管10aを順次接続する送水流路と、給水配管108、給水接続口109および貯湯タンク101を順次接続する給水流路と、沸き上げ配管11a、配管12および給湯配管107が相互に連通した給湯経路と、制御部300(制御手段)とを備えている。制御部300は、温度検出手段205と三方弁400とに電気的に接続されており、三方弁400の動作を制御する。
【0014】
図2は、貯湯タンク101内の湯水を沸き上げる沸き上げ回路を示す図である。図2に示すように、沸き上げ回路は、貯湯タンク101、タンク底部接続口102、送水ポンプ103、配管10a、外部配管10b、配管10c、加熱熱交換器201、出湯配管10d、外部配管10e、出湯配管10f、三方弁400、沸き上げ配管11a、配管12およびタンク上部接続口105を順次接続して構成される。
【0015】
図3は、バイパス運転時のバイパス回路を示す図である。図3に示すように、バイパス回路は、貯湯タンク101、タンク底部接続口102、送水ポンプ103、配管10a、外部配管10b、配管10c、加熱熱交換器201、出湯配管10d、外部配管10e、出湯配管10f、三方弁400、バイパス配管11bおよびタンク下部接続口106を順次接続して構成される。
【0016】
図4は、三方弁400の内部構造を示す断面図である。図4に示すように、三方弁400は、本体401(ケーシング)と、この本体401内で回転可能なボール弁体402と、このボール弁体402内に形成されたT字状通路403と、このT字状通路403内に設置された濾過部404(ストレーナ)とを有している。本体401には、出湯配管10fと連通する流体流入口405と、沸き上げ配管11aと連通する流体流出口406と、バイパス配管11bと連通する流体流出口407とが設けられている。本体401の内部には、球状の回転弁体としてのボール弁体402が回動自在に配置されている。ボール弁体402は、例えば電気モータ等による弁体駆動手段(図示せず)によって回転駆動される。流体流出口406は、流体流入口405と直角方向に形成されている。流体流出口407は、流体流入口405と同軸方向の反対側に形成されている。本体401とボール弁体402との間には、リング状の弁座408,409,410,411を介在しており、水密性が維持されている。ボール弁体402のT字状通路403の同軸流路の片側内部に、濾過部404が止めリング412により固定されている。濾過部404は、本実施形態においては略円錐形状の金属網で構成されている。
【0017】
図4におけるボール弁体402の向きは、沸き上げ運転時の向きを示している。この状態では、ボール弁体402が流体流入口405と流体流出口406との間のみを連通している。この状態を「第一のモード」と称する。第一のモードでは、図中の矢印に示すように、出湯配管10fから沸き上げ配管11aに向かって通水する。
【0018】
図5は、バイパス運転時の三方弁400のボール弁体402の向きを示す図である。図5に示すように、ボール弁体402が第一のモードから反時計回りに90度回転すると、流体流入口405と流体流出口407との間のみを連通する状態となる。この状態を「第二のモード」と称する。第二のモードでは、図中の矢印に示すように、出湯配管10fからバイパス配管11bに向かって通水する。
【0019】
図6は、沸き上げ開始時にバイパス運転から沸き上げ運転へ回路を切り替えるときのボール弁体402の向きを示す図である。図6に示すように、ボール弁体402が第二のモードから反時計回りに180度回転すると、流体流入口405と、流体流出口406および流体流出口407とを連通する状態となる。この状態を「第三のモード」と称する。第三のモードでは、図中の矢印で示すように、出湯配管10fから沸き上げ配管11aに向かう方向、および、出湯配管10fからバイパス配管11bに向かう方向に通水する。第三のモードでは、通水する回路は、図7に示す回路となる。
【0020】
図8は、制御部300の機能構成を示す図である。図8に示すように、制御部300は、計時手段301、弁駆動判断手段302および弁駆動指示手段303を有している。制御部300は、本実施形態のヒートポンプ給湯機における沸き上げ開始および沸き上げ終了の際の三方弁400のボール弁体402の向きの制御を行う。
【0021】
図9は、制御部300の沸き上げ開始時の制御のフローチャートを示す図である。図9に示すように、沸き上げ開始指示(ステップS501)が出された場合には、沸き上げ初期でバイパス運転を行うため、三方弁400を図5の第二のモードに駆動する(ステップS502)。次いで、温度検出手段205の検出温度Toと所定温度Ts(例えば、40℃)とを比較する(ステップS503)。検出温度Toが所定温度Ts未満である場合には、ステップS502に戻り、第二のモードを維持し、バイパス運転を継続する。
【0022】
一方、ステップS503で検出温度Toが所定温度Ts以上となった場合には、計時手段301の時間計測カウンタtを0へ初期化する(ステップS504)。次いで、三方弁400を第三のモードへ切り替える(ステップS505)。これにより、図7の通水回路が構成される。続いて、時間計測カウンタtに計時手段301にて単位時間(例えば1秒)を加算する(ステップS506)。そして、時間計測カウンタtが所定の時間set_t(例えば30秒間)を経過したかどうかを判断する(ステップS507)。所定の時間set_tを経過していない場合には、ステップS505に戻り、第三のモードを維持する。
【0023】
これに対し、ステップS507で時間計測カウンタtが所定の時間set_tを経過したと判断された場合には、ボール弁体402を反時計回りに90度回転させて三方弁400を第一のモードに切り替える(ステップS508)。この後、貯湯タンク101の沸き上げが継続され、予め決められた量の沸き上げを行う。
【0024】
図10は、沸き上げ終了時の制御のフローチャートを示す図である。貯湯タンク101の沸き上げ量が予め決められた量に到達した場合には、沸き上げ終了指示が出される(ステップS601)。沸き上げ終了指示が出された場合には、三方弁400を第二のモードに切り替える(ステップS602)。これにより、図3のバイパス運転回路が構成される。本実施形態では、沸き上げ終了時に三方弁400を第二のモードに切り替えることにより、次回の沸き上げを迅速に開始することができる。
【0025】
以上説明した本実施形態のヒートポンプ給湯機では、沸き上げ運転中にヒートポンプユニット200から送り出された湯は、図4(第一のモード)に示すように、三方弁400の濾過部404を通って沸き上げ配管11aに送られる。このため、ヒートポンプユニット200の加熱熱交換器201の配管内面から剥離したスケール等の異物(以下、単に「異物」と称する)が、給湯側である沸き上げ配管11aに流出することを確実に抑制することができる。第一のモードでは、異物は、濾過部404の凸面側に堆積する。
【0026】
また、沸き上げ開始時のバイパス運転においては、図5(第二のモード)に示すように、濾過部404の通水方向が第一のモードと逆転する。このため、前回の沸き上げ運転中の第一のモードで濾過部404に堆積した異物は、バイパス運転中(第二のモード)に、濾過部404から洗い流され、流体流出口407、バイパス配管11b、タンク下部接続口106を通じて、貯湯タンク101の下部側へ排出される。このため、濾過部404が異物で詰まることを確実に防止することができる。
【0027】
バイパス運転(第二のモード)中は、濾過部404の凹面側に異物が堆積する可能性がある。ただし、バイパス運転の継続時間は、沸き上げ運転の継続時間に比べて短いので、濾過部404の凹面側に堆積する異物は僅かである。本実施形態では、バイパス運転から沸き上げ運転に切り替える際に、第二のモードから第三のモードを経て第一のモードに切り替えることにより、濾過部404の凹面側に堆積した異物を除去することができる。図6に示すように、第三のモードでは、出湯配管10fからバイパス配管11bへ流れる湯水は、第一のモードと同じ通水方向で濾過部404を通過する。このため、バイパス運転中(第二のモード)に濾過部404の凹面側に堆積した異物は、第三のモードのときに濾過部404から洗い流され、流体流出口407、バイパス配管11b、タンク下部接続口106を通じて、貯湯タンク101の下部側へ排出される。このように、本実施形態では、濾過部404の凹面側が異物で詰まることも確実に防止することができる。
【0028】
なお、第三のモード(図6)では、出湯配管10fから沸き上げ配管11aへ流れる湯水は、濾過部404を通らない状態となる。しかしながら、上述したように、第三のモードの継続時間は、所定の時間set_tに制限されており、短時間であるので、この間に異物が沸き上げ配管11aへ流れる可能性は低く、問題はない。
【0029】
実施の形態2.
次に、図11乃至図17を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0030】
図11は、本発明の実施の形態2のヒートポンプ給湯機を示す構成図である。図11に示すように、本実施形態の給湯機は、実施の形態1の三方弁400に代えて四方弁800(流路切替手段)を有している。四方弁800には、出湯配管10f、沸き上げ配管11a、バイパス配管11bおよび水バイパス配管13が接続されている。水バイパス配管13は、送水ポンプ103の下流側の配管10aから分岐している。
【0031】
図12は、図11に示すヒートポンプ給湯機における貯湯タンク101の湯水を沸き上げる沸き上げ回路を示す図である。沸き上げ回路は、貯湯タンク101、タンク底部接続口102、送水ポンプ103、配管10a、外部配管10b、配管10c、加熱熱交換器201、出湯配管10d、外部配管10e、出湯配管10f、四方弁800、沸き上げ配管11a、配管12およびタンク上部接続口105を順次接続して構成される。
【0032】
図13は、図11に示すヒートポンプ給湯機におけるバイパス運転時のバイパス回路を示す図である。バイパス回路は、貯湯タンク101、タンク底部接続口102、送水ポンプ103、配管10a、外部配管10b、配管10c、加熱熱交換器201、出湯配管10d、外部配管10e、出湯配管10f、四方弁800、バイパス配管11bおよびタンク下部接続口106を順次接続して構成される。
【0033】
図14は、四方弁800の内部構造を示す断面図である。図14に示すように、四方弁800は、本体801と、ボール弁体802と、L字状流路803と、濾過部804とを有している。本体801には、出湯配管10fと連通する流体流入口805と、沸き上げ配管11aと連通する流体流出口806と、水バイパス配管13と連通する流体流入口812と、バイパス配管11bと連通する流体流出口807とが設けられている。流体流出口806は、流体流入口805と直角方向に形成されている。流体流出口807は、流体流出口806と同軸方向の反対側に形成されている。流体流入口812は、流体流入口805と同軸方向の反対側に形成されている。ボール弁体802内には、L型流路803が形成されている。本体801とボール弁体802との間には、リング状の弁座808,809,810,811が介在され、水密性が維持されている。ボール弁体802のL字状流路803の流路の片側内部には、濾過部804が止めリング813により固定されている。
【0034】
図14は、沸き上げ運転時のボール弁体802の向きを示している。この状態では、ボール弁体802が流体流入口805と流体流出口806との間のみが連通している。この状態を「第一のモード」と称する。第一のモードでは、図中の矢印で示すように、出湯配管10fから沸き上げ配管11a向かって通水する。
【0035】
図15は、バイパス運転時のボール弁体802の向きを示す図である。ボール弁体802が第一のモードから反時計回りに90度回転すると、流体流入口805と流体流出口807との間のみが連通する第二のモードとなる。第二のモードでは、図中の矢印で示すように、出湯配管10fからバイパス配管11bに向かって通水する。
【0036】
図16は、沸き上げ開始時にバイパス運転から沸き上げ運転へ回路を切り替えるときのボール弁体802の向きを示す図である。図16に示すように、ボール弁体802が第二のモードから反時計回りに90度回転した第三のモードでは、流体流入口812と流体流出口807との間のみが連通する。第三のモードでは、図中の矢印で示すように、水バイパス配管13からバイパス配管11bに向かって通水する。第三のモードでは、通水する回路は、図17に示す回路となる。図17に示すように、第三のモードでは、貯湯タンク101、タンク底部接続口102、送水ポンプ103、配管10a、水バイパス配管13、三方弁400、バイパス配管11bおよびタンク下部接続口106の順に通水する。
【0037】
制御部900は、図示を省略するが、実施の形態1の制御部300と同様に、計時手段、弁駆動判断手段および弁駆動指示手段を有している。制御部900が行う制御は、実施の形態1の図9および図10のフローチャートと同様であるので、説明を省略する。
【0038】
以上説明した本実施形態のヒートポンプ給湯機によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、更に次のような効果が得られる。バイパス運転から沸き上げ運転に切り替える途中の第三のモード(図16)では、水バイパス配管13からバイパス配管11bに流れる水は、第一のモードと同じ通水方向で濾過部804を通過する。このため、バイパス運転中(第二のモード)に濾過部804の凹面側に堆積した異物は、第三のモードのときに濾過部804から洗い流され、流体流出口807、バイパス配管11b、タンク下部接続口106を通じて、貯湯タンク101の下部側へ排出される。このため、濾過部804の凹面側が異物で詰まることも確実に防止することができる。本実施形態では、このような第三のモードにおいて、出湯配管10fから沸き上げ配管11aへ湯水が流れない。このため、本実施形態によれば、異物が沸き上げ配管11aへ流れることをより確実に抑制することができる。
【0039】
以上説明した各実施の形態では、ヒートポンプユニット200を熱源機とするヒートポンプ給湯機を例に説明したが、本発明は、ヒートポンプ式以外の方式の熱源機を用いる給湯機にも適用可能である。
【0040】
また、以上説明した各実施の形態では、貯湯タンク101に貯湯する貯湯動作を行う場合を例に説明したが、本発明の適用範囲は、貯湯動作を行う給湯機に限定されるものではない。すなわち、本発明は、熱源機から供給される湯を直接給湯に用いる動作、熱源機から供給される湯を熱源に用いた浴槽追焚き動作、熱源機から供給される湯を熱源に用いた暖房等の熱交換負荷動作など、貯湯を伴わない給湯動作を行う給湯機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10a,10c,12 配管
10b,10e 外部配管
10d,10f 出湯配管
11a 沸き上げ配管
11b バイパス配管
13 水バイパス配管
100 貯湯タンクユニット
101 貯湯タンク
102 タンク底部接続口
103 送水ポンプ
105 タンク上部接続口
106 タンク下部接続口
107 給湯配管
108 給水配管
109 給水接続口
200 ヒートポンプユニット
201 加熱熱交換器
202 絞り部
203 吸熱熱交換器
204 圧縮機
205 温度検出手段
206 吸熱熱交換器側送風ファン
300,900 制御部
301 計時手段
302 弁駆動判断手段
303 弁駆動指示手段
400,800 三方弁
402,802 ボール弁体
403 T字状通路
404,804 濾過部
405,805,812 流体流入口
406,407,806,807 流体流出口
408,409,410,411,808,809,810,811 弁座
412,813 リング
803 L字状流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を加熱して出湯する熱源機と、
前記熱源機から送り出された湯水が通る出湯配管と、沸き上げ配管と、バイパス配管とが接続され、異物を除去する濾過部を有する流路切替手段と、
を備え、
前記流路切替手段は、前記出湯配管と前記沸き上げ配管とを連通させて前記熱源機からの湯水を前記沸き上げ配管へ通水させる第一のモードと、前記出湯配管と前記バイパス配管とを連通させて前記熱源機からの湯水を前記バイパス配管へ通水させる第二のモードとに切り替え可能であり、
前記第一のモードと前記第二のモードとで前記濾過部の通水方向が逆転する給湯機。
【請求項2】
前記流路切替手段は、前記出湯配管と前記沸き上げ配管および前記バイパス配管とを連通させて前記熱源機からの湯水を前記沸き上げ配管および前記バイパス配管へ通水させる第三のモードに更に切り替え可能であり、
前記第三のモードでは、前記出湯配管から前記沸き上げ配管へ流れる湯水は前記濾過部を通らず、前記出湯配管から前記バイパス配管へ流れる湯水は前記第一のモードと同じ通水方向で前記濾過部を通る請求項1記載の給湯機。
【請求項3】
水バイパス配管が前記流路切替手段に更に接続されており、
前記流路切替手段は、前記水バイパス配管と前記バイパス配管とを連通させて前記水バイパス配管から送られる湯水を前記バイパス配管へ通水させる第三のモードに更に切り替え可能であり、
前記第三のモードでは、前記水バイパス配管から前記バイパス配管へ流れる湯水は前記第一のモードと同じ通水方向で前記濾過部を通る請求項1記載の給湯機。
【請求項4】
前記熱源機から出る湯水の温度を検出する温度検出手段と、
前記熱源機による沸き上げ動作の開始時に、前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記流路切替手段を前記第二のモードから前記第三のモードを経て前記第一のモードへ切り替える制御手段と、
を備える請求項2または3記載の給湯機。
【請求項5】
前記熱源機による沸き上げ動作の終了時に、前記流路切替手段を前記第一のモードから前記第二のモードへ切り替える制御手段を備える請求項1乃至4の何れか1項記載の給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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