給湯装置
【課題】省エネ化を実現しつつ、利用者の使い勝手も向上することができる給湯装置を提供する。
【解決手段】給湯の開始時に、予め定められた省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作の機能を設ける。この機能は、省エネモード実行手段35による給湯流量制御によって水量制御実行手段60が実行する。また、省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さくすることを、リモコン装置1,2の報知手段33により報知する。
【解決手段】給湯の開始時に、予め定められた省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作の機能を設ける。この機能は、省エネモード実行手段35による給湯流量制御によって水量制御実行手段60が実行する。また、省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さくすることを、リモコン装置1,2の報知手段33により報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機能を有する給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給湯先への給湯機能を備えた給湯装置には、様々なものが提案されており、例えば、給湯装置周辺の騒音を検出し、その騒音が小さいときに、給湯装置内部のバーナの最大燃焼量を制限する機能を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1、参照)。この提案には、給湯装置周辺の騒音が小さい時には、給湯流量(出湯流量)を絞って少ない流量で給湯を行うことによって、バーナの燃焼量を小さくしても給湯の湯温を設定温度に保つようにし、低い温度の湯が出湯されることによる不快感をなくすようにしていることが記載されている。
【0003】
また、給湯装置の別の例として、省エネルギー化(省エネ化)の観点から、給湯装置に信号接続されているリモコン装置にエコ運転スイッチを設け、このエコ運転スイッチをオンとしたときには、給湯開始時から給湯流量を小さく絞って出湯する装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−33198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記各提案のように、給湯装置周辺の騒音が小さい時やエコ運転スイッチオンのときに、給湯開始時から給湯流量を小さく絞って出湯すると、以下のように不具合が生じて非常に使い勝手が悪いといった問題があった。つまり、利用者が湯の使用を始めようとした直後に給湯流量が小さくなると、利用者にストレスを与えることになる。また、例えば給湯装置と給湯先とが離れている場合に、前回の給湯から今回の給湯までに時間がたっている場合には、給湯装置と給湯先とをつなぐ管路内の水が冷えており、給湯開始時からその冷えた水が出終わった後(配管中の通過時間経過後)に、設定温度程度の湯が出湯されることになる。したがって、給湯開始時から給湯流量を小さくすると、冷えた水が出終わるまでに時間がかかり、利用者は、設定温度程度の湯を利用できるまでに時間がかかるために、非常に不快な思いをすることになり、さらに、その冷たい水が出終わってから(利用者が湯の使用を始めようとした直後に)も給湯流量が小さいことにより、利用者にストレスを与えることになる。
【0006】
なお、省エネ化は非常に重要な課題であるので、本発明者は、使い勝手を良好にしつつも、省エネ化を図ることができる給湯装置の実現が大切であると考えている。
【0007】
本発明は、上記本発明者の考えに基づいてなされたものであり、その目的は、省エネ化を実現しつつ、利用者の使い勝手も向上することができる給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給湯の開始時に、予め定められた省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作の機能を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0009】
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用情報に基づき、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変する猶予期間可変手段を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、給湯装置と給湯先とを接続する管路内を湯水が通過する時間を通過時間設定値とし、該通過時間設定値を含む値に省エネ開始猶予期間が設定されていることを特徴とする。
【0011】
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ水量を大きくする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ水量を小さくする方向に可変する省エネ水量可変手段を有することを特徴とする。
【0012】
さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことによって、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降も給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行う場合に比べて削減できるエネルギー削減量を算出する削減エネルギー算出手段を有することを特徴とする。
【0013】
さらに、第6の発明は、前記第5の発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には削減エネルギー算出手段によって算出したエネルギー削減量に対応してエネルギー削減量の情報を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、第7の発明は、前記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定するエコ運転オン操作部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、第8の発明は、前記前記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
さらに、第9の発明は、前記第1乃至第8のいずれか一つの発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する省エネ関連設定値可変操作手段が設けられていることを特徴とする。
【0017】
さらに、第10の発明は、前記第1乃至第9のいずれか一つに記載の発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定するエコ運転解除操作部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
さらに、第11の発明は、前記第10の発明の構成に加え、リモコン装置には給湯装置の動作指令操作手段を含む複数の操作手段が設けられて、これらの操作手段のうち予め定められた複数の操作手段がエコ運転解除操作部と成し、該エコ運転解除操作部としての複数の操作手段を同時に操作することにより給湯装置の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする。
【0019】
さらに、第12の発明は、前記第10または第11の発明の構成に加え、前記エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定された後に予め定められたオン待機時間が経過したときには、前記省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段を有することを特徴とする。
【0020】
さらに、第13の発明は、前記第1乃至第12のいずれか一つの発明の構成に加え、エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定の操作が行われてから予め定められたオフ待機時間が経過した後に、前記省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、給湯の開始時に、省エネ開始猶予期間が経過するまでは、給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行うことにより、利用者が湯の使用を始めようとした直後に給湯流量が小さくなることによって、利用者にストレスを与えることを防ぐことになる。また、給湯装置と給湯先とが離れていて、前回の給湯から今回の給湯までに時間がたっていることにより、給湯装置と給湯先とをつなぐ管路内の水が冷えている場合でも、その水は、給湯開始直後に給湯流量を絞る場合に比べて短時間で出終わり、その後、設定温度程度の湯が出湯されることになるので、利用者の使い勝手を向上させることができる。そして、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り、予め定められる省エネ水量の出湯を行うことにより、省エネ化を実現することができる。
【0022】
また、猶予期間可変手段を有する構成とすることにより、予め定めた省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変することができる。そのため、省エネ目標達成判断期間における給湯使用状況に応じて猶予期間の長さを適宜可変設定し、省エネ目標を達成しやすくなるようにしつつ、その省エネ目標を達成できれば省エネ開始猶予期間を長くして、使い勝手の向上も図ることができる。
【0023】
さらに、本発明において、給湯装置と給湯先とを接続する管路内を湯水が通過する時間を通過時間設定値とし、該通過時間設定値を含む値に省エネ開始猶予期間を設定することにより、前記のように、給湯装置と給湯先とが離れていて、前回の給湯から今回の給湯までに時間がたっていることにより、給湯装置と給湯先とをつなぐ管路内の水が冷えている場合でも、その水が確実に短時間で出終わるようにすることができ、その後、設定温度程度の湯が出湯されることになるので、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0024】
さらに、省エネ水量可変手段を有する構成とすることにより、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ水量を大きくする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ水量を小さくする方向に可変することができる。そのため、省エネ目標達成判断期間における給湯使用状況に応じて省エネ水量を適宜可変設定し、省エネ目標を達成しやすくなるようにしつつ、その省エネ目標を達成できれば省エネ水量を大きくして、使い勝手の向上も図ることができる。
【0025】
さらに、削減エネルギー算出手段を設けることにより、省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことにより、どの程度のエネルギー削減が実現できたかを定量的に求めることができる。
【0026】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、削減エネルギー算出手段によって算出したエネルギー削減量に対応してエネルギー削減量の情報を報知する報知手段を設けることによって、省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことにより、どの程度のエネルギー削減が実現できたかを利用者に知らせることができる。そのため、利用者が省エネ化の度合いを知ることができるようになるので、例えば利用者の省エネ化の実現の意識を高めることができる。
【0027】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定するエコ運転オン操作部を設けることにより、リモコン装置のエコ運転オン操作部を利用者が操作することによって、容易に給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定することができる。
【0028】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを報知する報知手段を設けることにより、省エネモードの給湯動作によって、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量が小さくされたことを利用者に知らせることができる。そのため、利用者に湯の使いすぎを認識させることができ、利用者の省エネ化実現の意識を高めることができる。
【0029】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する省エネ関連設定値可変操作手段を設けることにより、利用者が省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定できるようにすることができる。そのため、利用者は、例えば利用者の都合(使い勝手と省エネ意識との兼ね合い)に応じて省エネ開始猶予期間や省エネ水量を可変でき、利用者のニーズに対応させた給湯装置を実現できる。
【0030】
さらに、リモコン装置に、給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定(解除)するエコ運転解除操作部を設けることにより、リモコン装置のエコ運転解除操作部を利用者が操作することによって、必要に応じて給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定することができる。
【0031】
さらに、リモコン装置設けられている給湯装置の動作指令操作手段を含む複数の操作手段のうち、予め定められた複数の操作手段をエコ運転解除操作部と成し、該エコ運転解除操作部としての複数の操作手段を同時に操作することにより給湯装置の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成とすることにより、省エネモードの給湯動作機能をオフ設定するための専用の操作部を設ける必要が無く、その分だけ装置構成を簡略化できる。また、複数の動作指令操作手段を同時に操作しなければ省エネモードの給湯動作機能を解除できないので、省エネモードの給湯動作を容易には解除できないため、給湯装置によってできるだけ省エネモードの給湯動作で給湯動作を行うようにすることができ、省エネ化の実現に貢献できる。
【0032】
さらに、エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定された後に予め定められたオン待機時間が経過したときには、前記省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段を設けることにより、例えば利用者の都合によって省エネモードの給湯動作機能を解除しても、その後、前記オン待機設定時間経過後には、再び自動的に省エネモードの給湯動作機能がオン設定されるので、より省エネ化を実現しやすいし、省エネモードの給湯機能のオンオフを頻繁に行う必要もない。
【0033】
さらに、エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定の操作が行われてから予め定められたオフ待機時間が経過した後に、前記省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成とすることにより、省エネモードの給湯動作機能の解除がすぐには行われない分だけ、省エネ化を実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る給湯装置の一実施例における制御構成を説明するためのブロック構成図である。
【図2】実施例の給湯装置のシステム構成図である。
【図3】実施例の給湯装置の省エネモードの給湯動作と、この給湯動作時のリモコン装置による報知動作を説明するための模式的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【実施例】
【0036】
図2には、本発明に係る給湯装置の一実施例におけるシステム構成が模式的に示されている。同図に示すように、この給湯装置27には、追い焚きバーナ16と、2つの燃焼面を持つ給湯バーナ10とが設けられており、該給湯バーナ10の上側には給湯熱交換器7が、追い焚きバーナ16の上側には追い焚き熱交換器15がそれぞれ設けられている。給湯熱交換器7の入側には給水通路5が設けられ、該給水通路5には、入水温度センサ6と流量センサ4とが介設されている。給湯熱交換器7の出側には給湯温度センサ8が設けられており、給湯通路11が接続されている。給湯通路11には、水量制御弁49が介設されている。
【0037】
前記追い焚き熱交換器15の入側には、管路19と追い焚き循環ポンプ21とを介して戻り管23が接続され、追い焚き熱交換器15の出側に往管24が接続されている。往管24と戻り管23とは浴槽26に接続されており、これら往管24、戻り管23、追い焚き熱交換器15、管路19を有して追い焚き循環通路25が形成されている。該追い焚き循環通路25は、注湯通路14を介して前記給湯通路11に接続されており、注湯通路14には、水位センサ20と注湯電磁弁23と流量センサ12とが介設されている。なお、図2において、符号22は流水スイッチ、符号9は給湯バーナ10へのガス通路、符号52はガス電磁弁、符号17は追い焚きバーナ16へのガス通路を、それぞれ示している。
【0038】
給湯装置27の制御装置3には、リモコン装置1,2(風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2)が信号接続されており、給湯装置27は、リモコン装置1,2の運転スイッチをオンした状態で給湯管路11から給湯先に設けられている給湯栓(図示せず)を開くことにより、給湯機能の動作が開始される。この動作は、制御装置3内の燃焼制御部(図示せず)の制御によって、入水温度センサ6による入水温と、流量センサ4による給湯量に基づき、給湯温度センサ8により検出される給湯温(出湯温)が給湯設定温度となるように、給湯バーナ10を燃焼して行われる。そして、このバーナ燃焼10により、給湯栓の開度に応じた水量の水を給湯熱交換器7に通して湯を作成し、給湯管路11を通して台所や浴室等の給湯先へ湯を供給する。なお、バーナ燃焼の上限に達しても給湯設定温度とならない場合には、給湯設定温度となるまで水量制御弁49で水量を絞るような場合もあるが、これを含めて、給湯栓の開度に応じた水量で給湯先から出湯される。
【0039】
また、本実施例の給湯装置27は、前記給湯機能の動作の他に、湯張り機能の動作、追い焚き機能の動作、保温機能の動作を連続的に行う自動運転の機能や、追い焚き単独運転の機能を有している。自動運転の機能は、リモコン装置1,2の少なくとも一方に設けられている自動スイッチをオンすることにより開始するものであり、注湯電磁弁13が開かれ、前記給湯機能の動作と同様に給湯熱交換器7を通って加熱された湯が、給湯管路11から注湯路14に入り、戻り管23と往管24を有して構成される追い焚き循環路25を通して浴槽26へ落とし込まれる。
【0040】
湯張りが完了したときに注湯電磁弁13が閉じられ、風呂温度センサ18によって検出される検出温度が湯張り設定温度(風呂設定温度)よりも低いときには追い焚き機能の動作が行われる。この追い焚き機能の動作は、循環ポンプ21が駆動されて浴槽26の湯水が追い焚き循環路25を通して循環されるものである。自動運転の動作においては、引き続き、予め設定された設定時間だけ、浴槽湯水の温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を越えて低くならないように、保温機能の動作が行なわれる。なお、追い焚き単独運転の機能は、通常リモコン装置1に設けられている追い焚きスイッチが押されたときに、前記追い焚き機能の動作を行うものである。
【0041】
図1には、本実施例の給湯装置27の特徴的な制御構成が模式的なブロック図により示されている。同図に示すように、リモコン装置1,2は、エコ運転オン操作部30、エコ運転解除操作部31、省エネ関連設定値可変操作手段32、報知手段33を有しており、制御装置3は、モード切換手段34、省エネモード実行手段35、水量制御実行手段60、猶予期間可変手段36、省エネ水量可変手段37、省エネ目標達成判断手段38、削減エネルギー算出手段39を有している。水量制御実行手段60は、流量センサ4と水量制御弁49に電気的に接続されている。
【0042】
なお、図3(c)には、風呂リモコン装置1の外観図の一例が示されており、同図に示すリモコン装置1は、表示画面41を有し、該表示画面41の側部には、スピーカ47と、複数の操作手段が設けられている。この操作手段は、給湯装置27の可動の有無を操作するための運転スイッチ42と、給湯装置27の追い焚き運転を指示する追い焚きスイッチ43と、給湯装置27の自動運転を指示する自動スイッチ44と、通話スイッチ45と、エコ運転スイッチ(エコ運転ボタン)46であり、スイッチ42,43,44は、給湯装置27の動作指令操作手段として機能する。リモコン装置1,2の態様は特に限定されるものではないが、本実施例に適用されている台所リモコン装置2は、風呂リモコン装置1の追い焚きスイッチ43を除いた構成を有している。
【0043】
エコ運転オン操作部30は、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能をオン設定する(給湯装置27が省エネモードの給湯動作を行うようにする)操作部であり、前記エコ運転スイッチ46により形成されている。このエコ運転スイッチ46をオンする(ここでは押す)と、このオン信号(オン設定信号)が制御装置3のモード切換手段34に加えられる。
【0044】
エコ運転解除操作部31は、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定(解除)する操作部であり、この解除信号をモード切換手段34に加える。本実施例において、エコ運転解除操作部31は、リモコン装置1,2の前記スイッチ42〜46のうち、適宜の複数(ここでは2つ)のスイッチにより形成され、そのスイッチを同時に操作する(押す)ことにより、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能が解除される構成と成している。
【0045】
なお、給湯流量を小さくすることを感知する感知手段を設け、該感知手段作動時(すなわち、給湯流量が小さくされていることを感知しているとき)のみは、運転スイッチ42を押すだけで省エネモードの給湯動作機能を解除できるようにしてもよい。なお、通常は、運転スイッチ42がオンされていてリモコン装置1,2が可動状態のときに運転スイッチ42を押すと、リモコン装置1,2の運転オフ(可動無し)になるが、この場合(前記感知手段作動時に)は、リモコン装置1,2はオン(可動状態)のままで省エネモードの給湯動作の解除のみを行う構成とする。
【0046】
また、エコ運転スイッチ46がエコ運転解除操作部31も兼用する構成とし、エコ運転スイッチ46がオンの状態で、さらにエコ運転スイッチ46を押すことにより、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定(解除)される構成としたり、専用のエコ運転解除操作部31を設けたりすることもできるが、できれば本実施例のような態様として、省エネモードの給湯動作機能のオフ設定は、容易に行えないようにすることが好ましい。
【0047】
なお、エコ運転スイッチ46を省略し、例えば給湯の開始毎に、自動的に省エネモードの給湯動作機能のオン設定が行われるようにしてもよい。このようにすると、省エネモードの給湯動作機能のオン設定のためのエコ運転スイッチ46を省略できる。そして、前記の如く、リモコン装置1,2の前記スイッチ42〜46のうち、適宜の複数(ここでは2つ)のスイッチにより形成され、そのスイッチを同時に操作する(押す)ことにより、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能が解除される構成とすれば、省エネモードの給湯動作機能のオフ設定のための特別なスイッチ等も不要となり、リモコン装置1,2の操作面をすっきりさせることができる。
【0048】
モード切換手段34は、エコ運転オン操作部30からのオン信号(省エネモードの給湯動作機能のオン設定信号)を受けて、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行指令を加える。また、モード切換手段34は、エコ運転解除操作部31から、給湯装置27の省エネモードの給湯動作の解除信号が加えられたときには、省エネモード実行手段35に、省エネモードの給湯動作の実行停止指令を加える。
【0049】
なお、モード切換手段34は、エコ運転解除操作部31から省エネモードの給湯動作機能の解除信号が出力されて、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行停止指令を加えた後、予め定められたオン待機設定時間が経過したときには、自動的に、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行指令を加える(前記オン待機設定時間経過後に省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段をモード切換手段34に設ける)ようにしてもよい。このようにすると、例えば利用者の都合によって省エネモードの給湯動作機能を解除しても、その後、前記オン待機設定時間経過後には、再び自動的に省エネモードの給湯動作機能がオン設定されるので、より省エネ化を実現しやすいし、省エネモードの給湯機能のオンオフを頻繁に行う必要もない。
【0050】
また、モード切換手段34は、エコ運転解除操作部31によって、省エネモードの給湯動作機能が解除されても、予め定められたオフ待機設定時間が経過するまでは、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行停止指令を加えないようにして、省エネモードの給湯動作機能の解除がすぐには行われないようにしてもよい。この場合にも、省エネモードの給湯動作機能の解除がすぐには行われない分だけ、省エネ化を実現しやすい。
【0051】
省エネモード実行手段35は、モード切換手段34から省エネモードの給湯動作の実行指令が加えられた以降は、その実行指令が解除されるまで(実行停止指令が加えられるまで)の間、通常の給湯動作(通常モードの給湯動作であり、給湯栓の開度に応じた出湯を行う動作)に変えて、省エネモードの給湯動作を実行する。
【0052】
省エネモード実行手段35は、時計機構を備えており、給湯の開始時に、予め定められている省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は、出湯の水量を絞り、予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作を実行する。この際、出湯の水量制御は、水量制御実行手段60により行われるものであり、水量制御実行手段60は、流量センサ4の検出信号を取り込みながら、水量制御弁49の開弁量を制御する。また、省エネモード実行手段35は、前記流量制御情報をリモコン装置1,2の報知手段33に加える。なお、省エネモードの給湯動作時も通常の給湯動作時と同様に、給湯バーナ10の燃焼制御は、制御装置3に設けられている前記燃焼制御部により行われる。
【0053】
また、前記省エネ開始猶予期間は、例えば1分間といった値であり、前記省エネ水量は、例えば8リットル/分といった値である。これらの値は、省エネモード実行手段35に予め与えられている。
【0054】
報知手段33は、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを、例えば音声と表示の少なくとも一方により報知する。省エネモード実行手段35により、省エネモードの給湯動作が行われると、給湯栓の開度が図3(a)の特性線aに示すように、一定であるのに対し、給湯流量は、図3(b)の特性線bに示すように、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は、省エネ水量に絞られる。
【0055】
そこで、報知手段33は、例えば、この図3(b)の特性線bに示すようなグラフをリモコン装置1,2の表示部に表示する。なお、この時間と給湯流量との関係グラフの表示は、給湯開始直後から時々刻々と行ってもよいし、前記省エネ開始猶予期間が経過したときに表示を開始して、その後、時々刻々と行ってもよい。また、報知手段33は、前記省エネ開始猶予期間が経過したときに、スピーカから、図3(c)に示すような内容の音声を発信する。ここで、音声の代わりに、ブザーによって給湯流量が省エネ水量に絞られたことを報知するようにしてもよいし、ブザーによる報知の後に、音声発信を行ってもよい。さらに、報知手段33は、図3(c)のBで示した枠内のように、マーク表示を行ってもよい。なお、このようなマークは、省エネモードの動作のオン設定時に表示するようにしてもよいし、流量が絞られるときに表示するようにしてもよい。
【0056】
省エネ目標達成判断手段38には、給湯装置27の予め定められる単位使用期間が、例えば1日、1週間、30日といった適宜の値で省エネ目標達成判断期間として設定されている。なお、例えばリモコン装置1,2に省エネ目標達成判断期間の可変手段を設けて、省エネ目標達成判断期間を利用者等が適宜可変設定できるようにしてもよい。省エネ目標達成判断手段38は、省エネ目標達成判断期間における給湯使用情報に基づき、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のか否かを判断し、その判断結果を猶予期間可変手段36と省エネ水量可変手段37に加える。
【0057】
なお、省エネ目標値は、例えば給湯使用の水量(水の体積)により与えられるものであるが、リモコン装置1,2により、水道料金等の目標値を設定するようにし、その値を給湯装置27が省エネ目標値(水量)に換算するようにしてもよい。また、省エネ目標達成判断手段38が、先月の給湯使用量を今月の省エネ目標値として自動設定してもよく、適宜設定されるものである。
【0058】
猶予期間可変手段36は、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標達成判断が加えられたとき)には、省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標非達成判断が加えられたとき)には、省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変する。
【0059】
なお、省エネ開始猶予期間の可変方法は適宜設定されるものであり、その一例として、例えば、省エネ開始猶予期間の可変幅を一定の設定値(例えば20秒)に決めて可変幅設定値とし、この値に基づいて可変方法を適用することができる。この場合、例えば、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値以下の時には、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)の前記設定値を足して1分20秒とし、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)から前記可変幅設定値を差し引き、前記通過時間設定値を加えて40秒にするといったようにする。
【0060】
また、別の方法として、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量と前記省エネ目標との差に応じて、この差が大きいほど、省エネ開始猶予期間の可変幅を大きくする方法を適用してもよい。ただし、この方法を適用する場合には、省エネ達成と使い勝手のバランスを考慮して、可変幅の上限を設けるか、省エネ開始猶予期間の上限と下限を設けるかする。
【0061】
さらに、給湯装置27と給湯先をつなぐ管路内の湯が通過する通過時間(配管中の通過時間)を通過時間設定値として、省エネ開始猶予期間は通過時間設定値を含む値としてもよい。この場合、例えば通過時間設定値が40秒の場合は、例えば、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値以下の時には、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)に前記通過時間設定値と前記可変幅設定値とを加えて2分にし、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)から前記可変幅設定値を差し引き、前記通過時間設定値を加えて1分20秒にするといったようにする。なお、給湯先までの配管内の湯水が冷えているにもかかわらず、給湯流量を小さくすると、冷えた水が出終わるのに時間がかかり、利用者が不快な思いをするが、省エネ開始猶予期間を、前記通過時間設定値を含む値とすることによって、冷えた水を給湯栓の開度に応じた流量で早めに出すことができるし、その通過時間設定値と前記予め定めてある省エネ開始猶予期間の値(例えば1分)とを加えることによって、冷えた水が出終わった直後、すなわち利用者が湯の使用を始めようとした直後には、例えば1分くらいは給湯栓の開度に応じた水量での出湯を行うことにより、利用者にストレスを与えることを防ぐことができる。
【0062】
なお、前記通過時間設定値を一定の値に決めずに、例えば給湯栓の開度に応じて可変してもよい。つまり、例えば給湯流量が10リットル/分のときに配管中の通過時間が40秒の場合には、給湯流量が8リットル/分のときには配管中の通過時間は50秒となるので、給湯栓の開度に応じて(つまり、給湯流量に応じて)、給湯流量が8リットル/分のときには通過時間設定値を50秒とするといったように、通過時間設定値を可変してもよい。
【0063】
また、台所リモコン装置2が設定されている台所の給湯先から給湯装置27までの距離と、風呂リモコン装置1が設定されている台所の給湯先から給湯装置27までの距離とは異なる場合が多いので、給湯先に応じて前記通過時間設定値を変えるようにしてもよい。この場合、リモコン装置1,2の優先権がどちらにあるのか(リモコン装置1,2のうち、どちらのリモコン装置で設定した給湯設定温度に基づいて給湯バーナ10の燃焼制御を行うか)によって前記通過時間設定値を可変するとよい。さらに、前記配管中の通過時間は、配管距離に応じた値なので、工事業者が給湯装置27内のディップスイッチ(切換スイッチ)等によって、通過時間設定値を切り換えることができるようにしてもよい。
【0064】
さらに、配管内を湯が通過するときに、夏場においては通過中に湯温は下がらないが、冬場には湯温が下がるので、サーミスタ等で外気温を検出し、その検出値に応じて、例えば冬場は省エネ開始猶予時間を例えば10秒加算した値にしてもよい。
【0065】
さらに、例えば前回使用時から今回使用時までの使用待機時間が5分以内の場合は前回使用時に加熱されて配管内に滞留している湯が冷めていない状態で配管内が満たされているので、通過時間設定値を0としてもよい。また、前記使用待機時間中に配管内の湯の温度が低下する低下量は外気温によって異なるので、配管中の通過時間設定値を0とする使用待機時間を、外気温が5℃の時には3分以内、外気温が10℃の時には4分以内、外気温が15℃の時には5分以内、外気温が20℃の時には6分以内とする等、通過時間設定値を0とする使用待機時間を、外気温に応じて(あるいは、夏場と冬場によって)可変するようにしてもよい。
【0066】
省エネ水量可変手段37は、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標達成判断が加えられたとき)には、省エネ水量を大きくする方向に可変し、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標非達成判断が加えられたとき)には、前記省エネ水量を小さくする方向に可変する。
【0067】
なお、この省エネ水量の可変方法は適宜設定されるものであり、その一例として、例えば省エネ水量の可変幅を一定の設定値(例えば増やす場合は2リットル/分、減らす場合は3リットル/分)に決めておき、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値以下の時には、前記予め定めてある省エネ水量(8リットル/分)に前記設定値を加えて10リットル/分にし、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには、前記予め定めてある省エネ水量(8リットル/分)から前記設定値を差し引いて5リットル/分にするといったようにする方法を適用することができる。
【0068】
また、別の方法として、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量と前記省エネ目標との差に応じて、この差が大きいほど、省エネ水量の可変幅を大きくする方法を適用してもよい。ただし、この方法を適用する場合には、省エネ達成と使い勝手のバランスを考慮して、可変幅の上限を設けるか、省エネ水量の上限と下限を設けるかする。
【0069】
また、通常モードの給湯動作時には、給湯栓の開度に応じた水量の湯が出湯されるように制御が行われるものの、前記の如く、バーナ燃焼の上限に達しても給湯設定温度とならない場合には、通常モードの給湯動作時であっても、給湯設定温度となるまで水量制御弁49で水量を絞って出湯が行われる。そのため、例えば給湯設定温度によっては、給湯開始時に給湯栓の開度に応じた水量の出湯が行われずに、既に水量が絞られた状態で出湯が行われる場合もあるが、その場合、絞られて出湯されている水量を基準として、その水量よりも給湯流量を小さく絞れるように省エネ水量を設定してもよい。
【0070】
削減エネルギー算出手段39は、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことによって、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降も給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行う場合に比べて削減できる、図3(b)のAに示す部分のエネルギー削減量を算出する。例えば、このエネルギー削減量を熱量計算により求めると、次式(1)により求めることができる。
【0071】
熱量=(設定温度−入水温度)×流量/効率・・・(1)
【0072】
なお、ここで、流量は、給湯栓の開度に応じた水量から省エネ水量を差し引いた値となり、効率は、一定としたり、燃焼面毎の値としたりすることができる。削減エネルギー算出手段39は、求めたエネルギー削減量の値を、リモコン装置1,2の報知手段33に加える。
【0073】
報知手段33は、削減エネルギー算出手段39によって算出したエネルギー削減量に対応して、エネルギー削減量の情報を報知する。このエネルギー削減量の情報報知は、例えばリモコン装置1,2の表示画面41にエネルギー削減量の情報を表示することにより行うことができる。表示方法としては、エネルギー削減量の数値を表示してもよいし、グラフィック表示を行うようにしてもよい。また、例えば図3(d)に示すように、1つ以上の葉の絵をエネルギー削減量に対応させて、エネルギー削減量が大きいほど葉の数を増やして表示するようにしてもよい。このように、葉の絵などを用いて表示を行うと、省エネ効果を利用者に一目で確認させることができるので、好ましい。
【0074】
また、エネルギー削減量の情報表示を数値にて表示する場合に、給湯毎に、そのエネルギー削減量のみを表示してもよいし、給湯毎のエネルギー削減量の表示に加え、例えば給湯装置27の予め定められる単位使用期間におけるエネルギー削減量の積算値の表示を行ってもよいし、エネルギー削減量の積算値のみの表示を行ってもよい。
【0075】
さらに、エネルギー削減量の情報報知は、音声発信により行ってもよいし、音声発信と表示の両方により行ってもよい。音声発信による報知も、給湯毎のエネルギー削減量のみでもよいし、給湯毎のエネルギー削減量と前記単位使用期間におけるエネルギー削減量の積算値の両方でもよいし、エネルギー削減量の積算値のみでもよい。
【0076】
また、前記の如く流量制御を行うと、エネルギー削減の効果に加え、使用ガス量や二酸化炭素発生量も削減することができる。そこで、使用ガス削減量の算出手段や発生二酸化炭素削減量の算出手段を設け、エネルギー削減量に加え、使用ガス量の削減量や二酸化炭素発生量の削減量を求める機能を設けてもよい。この場合、削減できる使用ガス量は、例えば次式(2)により求めることができ、削減できる二酸化炭素発生量は、例えば次式(3)により求めることができる。
【0077】
使用ガス削減量=熱量/1m3当たりの発熱量・・・(2)
【0078】
発生二酸化炭素削減量=使用ガス量×(CO2換算係数)+流量×(CO2換算係数)・・(3)
【0079】
ここで、CO2換算係数は、二酸化炭素係数のことであり、二酸化炭素排出量に換算する原単位である。この原単位は、燃料とするガス(天然ガスやプロパンガス)に応じたり、電気の発電所の種類(東京電力(株)の場合、CO2の排出量の少ない水力発電の割合が20%、原子力発電が24%である等)に応じたりして算出することが望ましい。また、流量は、前記と同様に、給湯栓の開度に応じた水量から省エネ水量を差し引いた値となる。
【0080】
省エネ関連設定値可変操作手段32は、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する手段である。前記の如く、本実施例において、省エネ開始猶予期間と省エネ水量は、省エネモード実行手段35に予め与えられており、また、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下か否かによって、前記猶予期間可変手段36、省エネ水量可変手段37によりそれぞれ可変されるものであるが、本実施例では、さらに、省エネ関連設定値可変操作手段32の操作に応じ、給湯装置27の利用者等が省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作できるようにしている。
【0081】
なお、省エネ関連設定値可変操作手段32は、例えばリモコン装置1,2に専用の操作部を設けてもよいが、例えばリモコン装置1,2に予め設けられているスイッチ42〜46の操作と、給湯設定温度等の給湯関連情報を設定する操作手段の操作とを組み合わせて操作が行えるようにしてもよい。
【0082】
本実施例は以上のように構成されており、省エネモードの給湯動作の機能を有し、省エネモード実行手段35によって省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さく絞ることにより、省エネ化を実現しつつ、給湯開始直後から給湯流量を絞って出湯する場合に比べ、利用者の使い勝手を向上させることができる。また、この省エネモードの給湯動作によって、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量が小さくされたことを、リモコン装置1,2の報知手段33によって利用者に知らせることにより、利用者の省エネ化の実現の意識を高めることができる。
【0083】
なお、本発明は前記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、前記実施例では、省エネモードの給湯動作の機能によって、省エネモード実行手段35が、省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さく絞るようにしたが、省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さく絞る代わりに、給湯バーナ10に供給するガス量を小さくしてもよい。この場合、給湯温度を給湯設定温度に保つ場合には、給湯流量が小さくなり、また、給湯流量を絞らずに、給湯栓の開度に応じた流量に保つ場合には、給湯温度が設定温度よりも低く制御される。
【0084】
また、前記実施例では、制御装置3に猶予期間可変手段36と省エネ水量可変手段37と削減エネルギー算出手段39を設けたが、これらのうち1つまたは複数の手段を省略することもできる。なお、猶予期間可変手段36と省エネ水量可変手段37の両方を省略する場合は、省エネ目標達成判断手段38も省略することができる。また、猶予期間可変手段36を設けない場合にも、予め与える省エネ開始猶予期間として、配管の通過時間とこの通過時間経過後に湯が出湯されてから給湯流量を絞らない期間とを合わせた時間を与えてもよい。
【0085】
また、リモコン装置1,2の省エネ関連設定値可変操作手段32や報知手段33を省略することもできる。ただし、報知手段33を設けて、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量が小さくされたことを報知したり、この給湯流量の制御動作によって削減されるエネルギー削減量を報知したりすることによって、利用者の省エネ実行意識を高めることができるため、報知手段33を設ける方が好ましい。なお、前記実施例では、給湯流量が小さくされたことを、報知手段33が図3(b)のようにグラフ表示したが、図3(c)に示すように、省エネモードの動作中(エコ運転により流量を小さくしている)ことを示す表示のみを行うようにしてもよい。
【0086】
さらに、リモコン装置1,2のエコ運転オン操作部30、エコ運転解除操作部31のいずれかを省略し、これらの機能を制御装置3側に設けてもよい。ただし、リモコン装置1,2に、エコ運転オン操作部30、エコ運転解除操作部31を設けて前記実施例のように機能させることにより、使い勝手を向上できる。
【0087】
さらに、リモコン装置1,2に、時計機構を設け、この時計機構によって計測する時刻が朝であるか夕方であるかに応じて、または、午前であるか午後であるかに応じて、省エネモード実行手段35による制御方法を変える機能を設けてもよい。この場合、例えば、省エネ開始猶予期間の設定に際し、朝一番での使用は、配管が冷えているので、季節に応じた省エネ開始猶予期間に、さらに例えば10秒加算してもよい。
【0088】
さらに、リモコン装置1,2の少なくとも一方には、リモコン装置1,2の未使用時の時間が予め定められる設定時間経過したときには、リモコン装置1,2の運転をオフする機能を設け、節電が行えるようにしてもよい。
【0089】
さらに、前記実施例では、給湯装置27に風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2を信号接続したが、必要に応じ、例えば給湯機能のみを有する給湯装置においては、台所リモコン装置2のみを接続してもよい。また、洗面所に設けるリモコン装置を信号接続してもよいし、例えば暖房機能等を有する給湯装置には居間に設けるリモコン装置を信号接続してもよく、リモコン装置の信号接続数や配置態様等は適宜設定されるものである。
【0090】
さらに、リモコン装置を複数設ける場合に、そのリモコン装置の1つにのみ、前記実施例に適用したリモコン装置1,2の機能の少なくとも一つを設けてもよいし、複数のリモコン装置に、前記実施例に適用したリモコン装置1,2の機能の少なくとも一つを設けてもよい。
【0091】
さらに、本発明の給湯装置のシステム構成は前記実施例で示した図2のシステム構成に限定されることはなく、適宜設定されるものである。つまり、給湯機能を有していれば、自動湯張り機能や追い焚き機能を有していなくてもよいし、暖房機能や太陽熱利用集熱機能などの他の機能を有していてもよい。
【0092】
さらに、前記実施例では、ガスを燃焼させるバーナを備えた給湯装置としたが、本発明の給湯装置は、ガス以外の燃料を燃焼させて水を加熱して湯とする給湯装置としてもよいし、電気によって水を加熱して湯とする給湯装置としてもよく、その詳細は適宜設定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の給湯装置は、利用者の使い勝手を良好に維持しつつ、省エネ実行意識も高めることができるので、例えば一般家庭用の給湯装置として適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1 リモコン装置(風呂リモコン装置)
2 リモコン装置(台所リモコン装置)
3 制御装置
27 給湯装置
30 エコ運転オン操作部
31 エコ運転解除操作部
32 省エネ関連設定値可変操作手段
33 報知手段
34 モード切換手段
35 省エネモード実行手段
36 猶予期間可変手段
37 省エネ水量可変手段
38 省エネ目標達成判断手段
39 削減エネルギー算出手段
41 表示画面
49 水量制御弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機能を有する給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給湯先への給湯機能を備えた給湯装置には、様々なものが提案されており、例えば、給湯装置周辺の騒音を検出し、その騒音が小さいときに、給湯装置内部のバーナの最大燃焼量を制限する機能を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1、参照)。この提案には、給湯装置周辺の騒音が小さい時には、給湯流量(出湯流量)を絞って少ない流量で給湯を行うことによって、バーナの燃焼量を小さくしても給湯の湯温を設定温度に保つようにし、低い温度の湯が出湯されることによる不快感をなくすようにしていることが記載されている。
【0003】
また、給湯装置の別の例として、省エネルギー化(省エネ化)の観点から、給湯装置に信号接続されているリモコン装置にエコ運転スイッチを設け、このエコ運転スイッチをオンとしたときには、給湯開始時から給湯流量を小さく絞って出湯する装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−33198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記各提案のように、給湯装置周辺の騒音が小さい時やエコ運転スイッチオンのときに、給湯開始時から給湯流量を小さく絞って出湯すると、以下のように不具合が生じて非常に使い勝手が悪いといった問題があった。つまり、利用者が湯の使用を始めようとした直後に給湯流量が小さくなると、利用者にストレスを与えることになる。また、例えば給湯装置と給湯先とが離れている場合に、前回の給湯から今回の給湯までに時間がたっている場合には、給湯装置と給湯先とをつなぐ管路内の水が冷えており、給湯開始時からその冷えた水が出終わった後(配管中の通過時間経過後)に、設定温度程度の湯が出湯されることになる。したがって、給湯開始時から給湯流量を小さくすると、冷えた水が出終わるまでに時間がかかり、利用者は、設定温度程度の湯を利用できるまでに時間がかかるために、非常に不快な思いをすることになり、さらに、その冷たい水が出終わってから(利用者が湯の使用を始めようとした直後に)も給湯流量が小さいことにより、利用者にストレスを与えることになる。
【0006】
なお、省エネ化は非常に重要な課題であるので、本発明者は、使い勝手を良好にしつつも、省エネ化を図ることができる給湯装置の実現が大切であると考えている。
【0007】
本発明は、上記本発明者の考えに基づいてなされたものであり、その目的は、省エネ化を実現しつつ、利用者の使い勝手も向上することができる給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給湯の開始時に、予め定められた省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作の機能を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0009】
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用情報に基づき、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変する猶予期間可変手段を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、給湯装置と給湯先とを接続する管路内を湯水が通過する時間を通過時間設定値とし、該通過時間設定値を含む値に省エネ開始猶予期間が設定されていることを特徴とする。
【0011】
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ水量を大きくする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ水量を小さくする方向に可変する省エネ水量可変手段を有することを特徴とする。
【0012】
さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことによって、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降も給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行う場合に比べて削減できるエネルギー削減量を算出する削減エネルギー算出手段を有することを特徴とする。
【0013】
さらに、第6の発明は、前記第5の発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には削減エネルギー算出手段によって算出したエネルギー削減量に対応してエネルギー削減量の情報を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、第7の発明は、前記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定するエコ運転オン操作部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、第8の発明は、前記前記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
さらに、第9の発明は、前記第1乃至第8のいずれか一つの発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する省エネ関連設定値可変操作手段が設けられていることを特徴とする。
【0017】
さらに、第10の発明は、前記第1乃至第9のいずれか一つに記載の発明の構成に加え、給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定するエコ運転解除操作部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
さらに、第11の発明は、前記第10の発明の構成に加え、リモコン装置には給湯装置の動作指令操作手段を含む複数の操作手段が設けられて、これらの操作手段のうち予め定められた複数の操作手段がエコ運転解除操作部と成し、該エコ運転解除操作部としての複数の操作手段を同時に操作することにより給湯装置の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする。
【0019】
さらに、第12の発明は、前記第10または第11の発明の構成に加え、前記エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定された後に予め定められたオン待機時間が経過したときには、前記省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段を有することを特徴とする。
【0020】
さらに、第13の発明は、前記第1乃至第12のいずれか一つの発明の構成に加え、エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定の操作が行われてから予め定められたオフ待機時間が経過した後に、前記省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、給湯の開始時に、省エネ開始猶予期間が経過するまでは、給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行うことにより、利用者が湯の使用を始めようとした直後に給湯流量が小さくなることによって、利用者にストレスを与えることを防ぐことになる。また、給湯装置と給湯先とが離れていて、前回の給湯から今回の給湯までに時間がたっていることにより、給湯装置と給湯先とをつなぐ管路内の水が冷えている場合でも、その水は、給湯開始直後に給湯流量を絞る場合に比べて短時間で出終わり、その後、設定温度程度の湯が出湯されることになるので、利用者の使い勝手を向上させることができる。そして、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り、予め定められる省エネ水量の出湯を行うことにより、省エネ化を実現することができる。
【0022】
また、猶予期間可変手段を有する構成とすることにより、予め定めた省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変することができる。そのため、省エネ目標達成判断期間における給湯使用状況に応じて猶予期間の長さを適宜可変設定し、省エネ目標を達成しやすくなるようにしつつ、その省エネ目標を達成できれば省エネ開始猶予期間を長くして、使い勝手の向上も図ることができる。
【0023】
さらに、本発明において、給湯装置と給湯先とを接続する管路内を湯水が通過する時間を通過時間設定値とし、該通過時間設定値を含む値に省エネ開始猶予期間を設定することにより、前記のように、給湯装置と給湯先とが離れていて、前回の給湯から今回の給湯までに時間がたっていることにより、給湯装置と給湯先とをつなぐ管路内の水が冷えている場合でも、その水が確実に短時間で出終わるようにすることができ、その後、設定温度程度の湯が出湯されることになるので、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0024】
さらに、省エネ水量可変手段を有する構成とすることにより、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ水量を大きくする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ水量を小さくする方向に可変することができる。そのため、省エネ目標達成判断期間における給湯使用状況に応じて省エネ水量を適宜可変設定し、省エネ目標を達成しやすくなるようにしつつ、その省エネ目標を達成できれば省エネ水量を大きくして、使い勝手の向上も図ることができる。
【0025】
さらに、削減エネルギー算出手段を設けることにより、省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことにより、どの程度のエネルギー削減が実現できたかを定量的に求めることができる。
【0026】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、削減エネルギー算出手段によって算出したエネルギー削減量に対応してエネルギー削減量の情報を報知する報知手段を設けることによって、省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことにより、どの程度のエネルギー削減が実現できたかを利用者に知らせることができる。そのため、利用者が省エネ化の度合いを知ることができるようになるので、例えば利用者の省エネ化の実現の意識を高めることができる。
【0027】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定するエコ運転オン操作部を設けることにより、リモコン装置のエコ運転オン操作部を利用者が操作することによって、容易に給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定することができる。
【0028】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを報知する報知手段を設けることにより、省エネモードの給湯動作によって、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量が小さくされたことを利用者に知らせることができる。そのため、利用者に湯の使いすぎを認識させることができ、利用者の省エネ化実現の意識を高めることができる。
【0029】
さらに、給湯装置に信号接続されているリモコン装置に、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する省エネ関連設定値可変操作手段を設けることにより、利用者が省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定できるようにすることができる。そのため、利用者は、例えば利用者の都合(使い勝手と省エネ意識との兼ね合い)に応じて省エネ開始猶予期間や省エネ水量を可変でき、利用者のニーズに対応させた給湯装置を実現できる。
【0030】
さらに、リモコン装置に、給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定(解除)するエコ運転解除操作部を設けることにより、リモコン装置のエコ運転解除操作部を利用者が操作することによって、必要に応じて給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定することができる。
【0031】
さらに、リモコン装置設けられている給湯装置の動作指令操作手段を含む複数の操作手段のうち、予め定められた複数の操作手段をエコ運転解除操作部と成し、該エコ運転解除操作部としての複数の操作手段を同時に操作することにより給湯装置の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成とすることにより、省エネモードの給湯動作機能をオフ設定するための専用の操作部を設ける必要が無く、その分だけ装置構成を簡略化できる。また、複数の動作指令操作手段を同時に操作しなければ省エネモードの給湯動作機能を解除できないので、省エネモードの給湯動作を容易には解除できないため、給湯装置によってできるだけ省エネモードの給湯動作で給湯動作を行うようにすることができ、省エネ化の実現に貢献できる。
【0032】
さらに、エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定された後に予め定められたオン待機時間が経過したときには、前記省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段を設けることにより、例えば利用者の都合によって省エネモードの給湯動作機能を解除しても、その後、前記オン待機設定時間経過後には、再び自動的に省エネモードの給湯動作機能がオン設定されるので、より省エネ化を実現しやすいし、省エネモードの給湯機能のオンオフを頻繁に行う必要もない。
【0033】
さらに、エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定の操作が行われてから予め定められたオフ待機時間が経過した後に、前記省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成とすることにより、省エネモードの給湯動作機能の解除がすぐには行われない分だけ、省エネ化を実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る給湯装置の一実施例における制御構成を説明するためのブロック構成図である。
【図2】実施例の給湯装置のシステム構成図である。
【図3】実施例の給湯装置の省エネモードの給湯動作と、この給湯動作時のリモコン装置による報知動作を説明するための模式的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【実施例】
【0036】
図2には、本発明に係る給湯装置の一実施例におけるシステム構成が模式的に示されている。同図に示すように、この給湯装置27には、追い焚きバーナ16と、2つの燃焼面を持つ給湯バーナ10とが設けられており、該給湯バーナ10の上側には給湯熱交換器7が、追い焚きバーナ16の上側には追い焚き熱交換器15がそれぞれ設けられている。給湯熱交換器7の入側には給水通路5が設けられ、該給水通路5には、入水温度センサ6と流量センサ4とが介設されている。給湯熱交換器7の出側には給湯温度センサ8が設けられており、給湯通路11が接続されている。給湯通路11には、水量制御弁49が介設されている。
【0037】
前記追い焚き熱交換器15の入側には、管路19と追い焚き循環ポンプ21とを介して戻り管23が接続され、追い焚き熱交換器15の出側に往管24が接続されている。往管24と戻り管23とは浴槽26に接続されており、これら往管24、戻り管23、追い焚き熱交換器15、管路19を有して追い焚き循環通路25が形成されている。該追い焚き循環通路25は、注湯通路14を介して前記給湯通路11に接続されており、注湯通路14には、水位センサ20と注湯電磁弁23と流量センサ12とが介設されている。なお、図2において、符号22は流水スイッチ、符号9は給湯バーナ10へのガス通路、符号52はガス電磁弁、符号17は追い焚きバーナ16へのガス通路を、それぞれ示している。
【0038】
給湯装置27の制御装置3には、リモコン装置1,2(風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2)が信号接続されており、給湯装置27は、リモコン装置1,2の運転スイッチをオンした状態で給湯管路11から給湯先に設けられている給湯栓(図示せず)を開くことにより、給湯機能の動作が開始される。この動作は、制御装置3内の燃焼制御部(図示せず)の制御によって、入水温度センサ6による入水温と、流量センサ4による給湯量に基づき、給湯温度センサ8により検出される給湯温(出湯温)が給湯設定温度となるように、給湯バーナ10を燃焼して行われる。そして、このバーナ燃焼10により、給湯栓の開度に応じた水量の水を給湯熱交換器7に通して湯を作成し、給湯管路11を通して台所や浴室等の給湯先へ湯を供給する。なお、バーナ燃焼の上限に達しても給湯設定温度とならない場合には、給湯設定温度となるまで水量制御弁49で水量を絞るような場合もあるが、これを含めて、給湯栓の開度に応じた水量で給湯先から出湯される。
【0039】
また、本実施例の給湯装置27は、前記給湯機能の動作の他に、湯張り機能の動作、追い焚き機能の動作、保温機能の動作を連続的に行う自動運転の機能や、追い焚き単独運転の機能を有している。自動運転の機能は、リモコン装置1,2の少なくとも一方に設けられている自動スイッチをオンすることにより開始するものであり、注湯電磁弁13が開かれ、前記給湯機能の動作と同様に給湯熱交換器7を通って加熱された湯が、給湯管路11から注湯路14に入り、戻り管23と往管24を有して構成される追い焚き循環路25を通して浴槽26へ落とし込まれる。
【0040】
湯張りが完了したときに注湯電磁弁13が閉じられ、風呂温度センサ18によって検出される検出温度が湯張り設定温度(風呂設定温度)よりも低いときには追い焚き機能の動作が行われる。この追い焚き機能の動作は、循環ポンプ21が駆動されて浴槽26の湯水が追い焚き循環路25を通して循環されるものである。自動運転の動作においては、引き続き、予め設定された設定時間だけ、浴槽湯水の温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を越えて低くならないように、保温機能の動作が行なわれる。なお、追い焚き単独運転の機能は、通常リモコン装置1に設けられている追い焚きスイッチが押されたときに、前記追い焚き機能の動作を行うものである。
【0041】
図1には、本実施例の給湯装置27の特徴的な制御構成が模式的なブロック図により示されている。同図に示すように、リモコン装置1,2は、エコ運転オン操作部30、エコ運転解除操作部31、省エネ関連設定値可変操作手段32、報知手段33を有しており、制御装置3は、モード切換手段34、省エネモード実行手段35、水量制御実行手段60、猶予期間可変手段36、省エネ水量可変手段37、省エネ目標達成判断手段38、削減エネルギー算出手段39を有している。水量制御実行手段60は、流量センサ4と水量制御弁49に電気的に接続されている。
【0042】
なお、図3(c)には、風呂リモコン装置1の外観図の一例が示されており、同図に示すリモコン装置1は、表示画面41を有し、該表示画面41の側部には、スピーカ47と、複数の操作手段が設けられている。この操作手段は、給湯装置27の可動の有無を操作するための運転スイッチ42と、給湯装置27の追い焚き運転を指示する追い焚きスイッチ43と、給湯装置27の自動運転を指示する自動スイッチ44と、通話スイッチ45と、エコ運転スイッチ(エコ運転ボタン)46であり、スイッチ42,43,44は、給湯装置27の動作指令操作手段として機能する。リモコン装置1,2の態様は特に限定されるものではないが、本実施例に適用されている台所リモコン装置2は、風呂リモコン装置1の追い焚きスイッチ43を除いた構成を有している。
【0043】
エコ運転オン操作部30は、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能をオン設定する(給湯装置27が省エネモードの給湯動作を行うようにする)操作部であり、前記エコ運転スイッチ46により形成されている。このエコ運転スイッチ46をオンする(ここでは押す)と、このオン信号(オン設定信号)が制御装置3のモード切換手段34に加えられる。
【0044】
エコ運転解除操作部31は、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定(解除)する操作部であり、この解除信号をモード切換手段34に加える。本実施例において、エコ運転解除操作部31は、リモコン装置1,2の前記スイッチ42〜46のうち、適宜の複数(ここでは2つ)のスイッチにより形成され、そのスイッチを同時に操作する(押す)ことにより、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能が解除される構成と成している。
【0045】
なお、給湯流量を小さくすることを感知する感知手段を設け、該感知手段作動時(すなわち、給湯流量が小さくされていることを感知しているとき)のみは、運転スイッチ42を押すだけで省エネモードの給湯動作機能を解除できるようにしてもよい。なお、通常は、運転スイッチ42がオンされていてリモコン装置1,2が可動状態のときに運転スイッチ42を押すと、リモコン装置1,2の運転オフ(可動無し)になるが、この場合(前記感知手段作動時に)は、リモコン装置1,2はオン(可動状態)のままで省エネモードの給湯動作の解除のみを行う構成とする。
【0046】
また、エコ運転スイッチ46がエコ運転解除操作部31も兼用する構成とし、エコ運転スイッチ46がオンの状態で、さらにエコ運転スイッチ46を押すことにより、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定(解除)される構成としたり、専用のエコ運転解除操作部31を設けたりすることもできるが、できれば本実施例のような態様として、省エネモードの給湯動作機能のオフ設定は、容易に行えないようにすることが好ましい。
【0047】
なお、エコ運転スイッチ46を省略し、例えば給湯の開始毎に、自動的に省エネモードの給湯動作機能のオン設定が行われるようにしてもよい。このようにすると、省エネモードの給湯動作機能のオン設定のためのエコ運転スイッチ46を省略できる。そして、前記の如く、リモコン装置1,2の前記スイッチ42〜46のうち、適宜の複数(ここでは2つ)のスイッチにより形成され、そのスイッチを同時に操作する(押す)ことにより、給湯装置27の省エネモードの給湯動作機能が解除される構成とすれば、省エネモードの給湯動作機能のオフ設定のための特別なスイッチ等も不要となり、リモコン装置1,2の操作面をすっきりさせることができる。
【0048】
モード切換手段34は、エコ運転オン操作部30からのオン信号(省エネモードの給湯動作機能のオン設定信号)を受けて、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行指令を加える。また、モード切換手段34は、エコ運転解除操作部31から、給湯装置27の省エネモードの給湯動作の解除信号が加えられたときには、省エネモード実行手段35に、省エネモードの給湯動作の実行停止指令を加える。
【0049】
なお、モード切換手段34は、エコ運転解除操作部31から省エネモードの給湯動作機能の解除信号が出力されて、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行停止指令を加えた後、予め定められたオン待機設定時間が経過したときには、自動的に、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行指令を加える(前記オン待機設定時間経過後に省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段をモード切換手段34に設ける)ようにしてもよい。このようにすると、例えば利用者の都合によって省エネモードの給湯動作機能を解除しても、その後、前記オン待機設定時間経過後には、再び自動的に省エネモードの給湯動作機能がオン設定されるので、より省エネ化を実現しやすいし、省エネモードの給湯機能のオンオフを頻繁に行う必要もない。
【0050】
また、モード切換手段34は、エコ運転解除操作部31によって、省エネモードの給湯動作機能が解除されても、予め定められたオフ待機設定時間が経過するまでは、省エネモード実行手段35に省エネモードの給湯動作の実行停止指令を加えないようにして、省エネモードの給湯動作機能の解除がすぐには行われないようにしてもよい。この場合にも、省エネモードの給湯動作機能の解除がすぐには行われない分だけ、省エネ化を実現しやすい。
【0051】
省エネモード実行手段35は、モード切換手段34から省エネモードの給湯動作の実行指令が加えられた以降は、その実行指令が解除されるまで(実行停止指令が加えられるまで)の間、通常の給湯動作(通常モードの給湯動作であり、給湯栓の開度に応じた出湯を行う動作)に変えて、省エネモードの給湯動作を実行する。
【0052】
省エネモード実行手段35は、時計機構を備えており、給湯の開始時に、予め定められている省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は、出湯の水量を絞り、予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作を実行する。この際、出湯の水量制御は、水量制御実行手段60により行われるものであり、水量制御実行手段60は、流量センサ4の検出信号を取り込みながら、水量制御弁49の開弁量を制御する。また、省エネモード実行手段35は、前記流量制御情報をリモコン装置1,2の報知手段33に加える。なお、省エネモードの給湯動作時も通常の給湯動作時と同様に、給湯バーナ10の燃焼制御は、制御装置3に設けられている前記燃焼制御部により行われる。
【0053】
また、前記省エネ開始猶予期間は、例えば1分間といった値であり、前記省エネ水量は、例えば8リットル/分といった値である。これらの値は、省エネモード実行手段35に予め与えられている。
【0054】
報知手段33は、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを、例えば音声と表示の少なくとも一方により報知する。省エネモード実行手段35により、省エネモードの給湯動作が行われると、給湯栓の開度が図3(a)の特性線aに示すように、一定であるのに対し、給湯流量は、図3(b)の特性線bに示すように、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は、省エネ水量に絞られる。
【0055】
そこで、報知手段33は、例えば、この図3(b)の特性線bに示すようなグラフをリモコン装置1,2の表示部に表示する。なお、この時間と給湯流量との関係グラフの表示は、給湯開始直後から時々刻々と行ってもよいし、前記省エネ開始猶予期間が経過したときに表示を開始して、その後、時々刻々と行ってもよい。また、報知手段33は、前記省エネ開始猶予期間が経過したときに、スピーカから、図3(c)に示すような内容の音声を発信する。ここで、音声の代わりに、ブザーによって給湯流量が省エネ水量に絞られたことを報知するようにしてもよいし、ブザーによる報知の後に、音声発信を行ってもよい。さらに、報知手段33は、図3(c)のBで示した枠内のように、マーク表示を行ってもよい。なお、このようなマークは、省エネモードの動作のオン設定時に表示するようにしてもよいし、流量が絞られるときに表示するようにしてもよい。
【0056】
省エネ目標達成判断手段38には、給湯装置27の予め定められる単位使用期間が、例えば1日、1週間、30日といった適宜の値で省エネ目標達成判断期間として設定されている。なお、例えばリモコン装置1,2に省エネ目標達成判断期間の可変手段を設けて、省エネ目標達成判断期間を利用者等が適宜可変設定できるようにしてもよい。省エネ目標達成判断手段38は、省エネ目標達成判断期間における給湯使用情報に基づき、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のか否かを判断し、その判断結果を猶予期間可変手段36と省エネ水量可変手段37に加える。
【0057】
なお、省エネ目標値は、例えば給湯使用の水量(水の体積)により与えられるものであるが、リモコン装置1,2により、水道料金等の目標値を設定するようにし、その値を給湯装置27が省エネ目標値(水量)に換算するようにしてもよい。また、省エネ目標達成判断手段38が、先月の給湯使用量を今月の省エネ目標値として自動設定してもよく、適宜設定されるものである。
【0058】
猶予期間可変手段36は、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標達成判断が加えられたとき)には、省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標非達成判断が加えられたとき)には、省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変する。
【0059】
なお、省エネ開始猶予期間の可変方法は適宜設定されるものであり、その一例として、例えば、省エネ開始猶予期間の可変幅を一定の設定値(例えば20秒)に決めて可変幅設定値とし、この値に基づいて可変方法を適用することができる。この場合、例えば、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値以下の時には、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)の前記設定値を足して1分20秒とし、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)から前記可変幅設定値を差し引き、前記通過時間設定値を加えて40秒にするといったようにする。
【0060】
また、別の方法として、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量と前記省エネ目標との差に応じて、この差が大きいほど、省エネ開始猶予期間の可変幅を大きくする方法を適用してもよい。ただし、この方法を適用する場合には、省エネ達成と使い勝手のバランスを考慮して、可変幅の上限を設けるか、省エネ開始猶予期間の上限と下限を設けるかする。
【0061】
さらに、給湯装置27と給湯先をつなぐ管路内の湯が通過する通過時間(配管中の通過時間)を通過時間設定値として、省エネ開始猶予期間は通過時間設定値を含む値としてもよい。この場合、例えば通過時間設定値が40秒の場合は、例えば、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値以下の時には、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)に前記通過時間設定値と前記可変幅設定値とを加えて2分にし、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには、予め定めてある省エネ開始猶予期間(1分)から前記可変幅設定値を差し引き、前記通過時間設定値を加えて1分20秒にするといったようにする。なお、給湯先までの配管内の湯水が冷えているにもかかわらず、給湯流量を小さくすると、冷えた水が出終わるのに時間がかかり、利用者が不快な思いをするが、省エネ開始猶予期間を、前記通過時間設定値を含む値とすることによって、冷えた水を給湯栓の開度に応じた流量で早めに出すことができるし、その通過時間設定値と前記予め定めてある省エネ開始猶予期間の値(例えば1分)とを加えることによって、冷えた水が出終わった直後、すなわち利用者が湯の使用を始めようとした直後には、例えば1分くらいは給湯栓の開度に応じた水量での出湯を行うことにより、利用者にストレスを与えることを防ぐことができる。
【0062】
なお、前記通過時間設定値を一定の値に決めずに、例えば給湯栓の開度に応じて可変してもよい。つまり、例えば給湯流量が10リットル/分のときに配管中の通過時間が40秒の場合には、給湯流量が8リットル/分のときには配管中の通過時間は50秒となるので、給湯栓の開度に応じて(つまり、給湯流量に応じて)、給湯流量が8リットル/分のときには通過時間設定値を50秒とするといったように、通過時間設定値を可変してもよい。
【0063】
また、台所リモコン装置2が設定されている台所の給湯先から給湯装置27までの距離と、風呂リモコン装置1が設定されている台所の給湯先から給湯装置27までの距離とは異なる場合が多いので、給湯先に応じて前記通過時間設定値を変えるようにしてもよい。この場合、リモコン装置1,2の優先権がどちらにあるのか(リモコン装置1,2のうち、どちらのリモコン装置で設定した給湯設定温度に基づいて給湯バーナ10の燃焼制御を行うか)によって前記通過時間設定値を可変するとよい。さらに、前記配管中の通過時間は、配管距離に応じた値なので、工事業者が給湯装置27内のディップスイッチ(切換スイッチ)等によって、通過時間設定値を切り換えることができるようにしてもよい。
【0064】
さらに、配管内を湯が通過するときに、夏場においては通過中に湯温は下がらないが、冬場には湯温が下がるので、サーミスタ等で外気温を検出し、その検出値に応じて、例えば冬場は省エネ開始猶予時間を例えば10秒加算した値にしてもよい。
【0065】
さらに、例えば前回使用時から今回使用時までの使用待機時間が5分以内の場合は前回使用時に加熱されて配管内に滞留している湯が冷めていない状態で配管内が満たされているので、通過時間設定値を0としてもよい。また、前記使用待機時間中に配管内の湯の温度が低下する低下量は外気温によって異なるので、配管中の通過時間設定値を0とする使用待機時間を、外気温が5℃の時には3分以内、外気温が10℃の時には4分以内、外気温が15℃の時には5分以内、外気温が20℃の時には6分以内とする等、通過時間設定値を0とする使用待機時間を、外気温に応じて(あるいは、夏場と冬場によって)可変するようにしてもよい。
【0066】
省エネ水量可変手段37は、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標達成判断が加えられたとき)には、省エネ水量を大きくする方向に可変し、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたとき(省エネ目標達成判断手段38から省エネ目標非達成判断が加えられたとき)には、前記省エネ水量を小さくする方向に可変する。
【0067】
なお、この省エネ水量の可変方法は適宜設定されるものであり、その一例として、例えば省エネ水量の可変幅を一定の設定値(例えば増やす場合は2リットル/分、減らす場合は3リットル/分)に決めておき、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値以下の時には、前記予め定めてある省エネ水量(8リットル/分)に前記設定値を加えて10リットル/分にし、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには、前記予め定めてある省エネ水量(8リットル/分)から前記設定値を差し引いて5リットル/分にするといったようにする方法を適用することができる。
【0068】
また、別の方法として、省エネ目標達成判断期間における給湯使用量と前記省エネ目標との差に応じて、この差が大きいほど、省エネ水量の可変幅を大きくする方法を適用してもよい。ただし、この方法を適用する場合には、省エネ達成と使い勝手のバランスを考慮して、可変幅の上限を設けるか、省エネ水量の上限と下限を設けるかする。
【0069】
また、通常モードの給湯動作時には、給湯栓の開度に応じた水量の湯が出湯されるように制御が行われるものの、前記の如く、バーナ燃焼の上限に達しても給湯設定温度とならない場合には、通常モードの給湯動作時であっても、給湯設定温度となるまで水量制御弁49で水量を絞って出湯が行われる。そのため、例えば給湯設定温度によっては、給湯開始時に給湯栓の開度に応じた水量の出湯が行われずに、既に水量が絞られた状態で出湯が行われる場合もあるが、その場合、絞られて出湯されている水量を基準として、その水量よりも給湯流量を小さく絞れるように省エネ水量を設定してもよい。
【0070】
削減エネルギー算出手段39は、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことによって、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降も給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行う場合に比べて削減できる、図3(b)のAに示す部分のエネルギー削減量を算出する。例えば、このエネルギー削減量を熱量計算により求めると、次式(1)により求めることができる。
【0071】
熱量=(設定温度−入水温度)×流量/効率・・・(1)
【0072】
なお、ここで、流量は、給湯栓の開度に応じた水量から省エネ水量を差し引いた値となり、効率は、一定としたり、燃焼面毎の値としたりすることができる。削減エネルギー算出手段39は、求めたエネルギー削減量の値を、リモコン装置1,2の報知手段33に加える。
【0073】
報知手段33は、削減エネルギー算出手段39によって算出したエネルギー削減量に対応して、エネルギー削減量の情報を報知する。このエネルギー削減量の情報報知は、例えばリモコン装置1,2の表示画面41にエネルギー削減量の情報を表示することにより行うことができる。表示方法としては、エネルギー削減量の数値を表示してもよいし、グラフィック表示を行うようにしてもよい。また、例えば図3(d)に示すように、1つ以上の葉の絵をエネルギー削減量に対応させて、エネルギー削減量が大きいほど葉の数を増やして表示するようにしてもよい。このように、葉の絵などを用いて表示を行うと、省エネ効果を利用者に一目で確認させることができるので、好ましい。
【0074】
また、エネルギー削減量の情報表示を数値にて表示する場合に、給湯毎に、そのエネルギー削減量のみを表示してもよいし、給湯毎のエネルギー削減量の表示に加え、例えば給湯装置27の予め定められる単位使用期間におけるエネルギー削減量の積算値の表示を行ってもよいし、エネルギー削減量の積算値のみの表示を行ってもよい。
【0075】
さらに、エネルギー削減量の情報報知は、音声発信により行ってもよいし、音声発信と表示の両方により行ってもよい。音声発信による報知も、給湯毎のエネルギー削減量のみでもよいし、給湯毎のエネルギー削減量と前記単位使用期間におけるエネルギー削減量の積算値の両方でもよいし、エネルギー削減量の積算値のみでもよい。
【0076】
また、前記の如く流量制御を行うと、エネルギー削減の効果に加え、使用ガス量や二酸化炭素発生量も削減することができる。そこで、使用ガス削減量の算出手段や発生二酸化炭素削減量の算出手段を設け、エネルギー削減量に加え、使用ガス量の削減量や二酸化炭素発生量の削減量を求める機能を設けてもよい。この場合、削減できる使用ガス量は、例えば次式(2)により求めることができ、削減できる二酸化炭素発生量は、例えば次式(3)により求めることができる。
【0077】
使用ガス削減量=熱量/1m3当たりの発熱量・・・(2)
【0078】
発生二酸化炭素削減量=使用ガス量×(CO2換算係数)+流量×(CO2換算係数)・・(3)
【0079】
ここで、CO2換算係数は、二酸化炭素係数のことであり、二酸化炭素排出量に換算する原単位である。この原単位は、燃料とするガス(天然ガスやプロパンガス)に応じたり、電気の発電所の種類(東京電力(株)の場合、CO2の排出量の少ない水力発電の割合が20%、原子力発電が24%である等)に応じたりして算出することが望ましい。また、流量は、前記と同様に、給湯栓の開度に応じた水量から省エネ水量を差し引いた値となる。
【0080】
省エネ関連設定値可変操作手段32は、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する手段である。前記の如く、本実施例において、省エネ開始猶予期間と省エネ水量は、省エネモード実行手段35に予め与えられており、また、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下か否かによって、前記猶予期間可変手段36、省エネ水量可変手段37によりそれぞれ可変されるものであるが、本実施例では、さらに、省エネ関連設定値可変操作手段32の操作に応じ、給湯装置27の利用者等が省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作できるようにしている。
【0081】
なお、省エネ関連設定値可変操作手段32は、例えばリモコン装置1,2に専用の操作部を設けてもよいが、例えばリモコン装置1,2に予め設けられているスイッチ42〜46の操作と、給湯設定温度等の給湯関連情報を設定する操作手段の操作とを組み合わせて操作が行えるようにしてもよい。
【0082】
本実施例は以上のように構成されており、省エネモードの給湯動作の機能を有し、省エネモード実行手段35によって省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さく絞ることにより、省エネ化を実現しつつ、給湯開始直後から給湯流量を絞って出湯する場合に比べ、利用者の使い勝手を向上させることができる。また、この省エネモードの給湯動作によって、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量が小さくされたことを、リモコン装置1,2の報知手段33によって利用者に知らせることにより、利用者の省エネ化の実現の意識を高めることができる。
【0083】
なお、本発明は前記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、前記実施例では、省エネモードの給湯動作の機能によって、省エネモード実行手段35が、省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さく絞るようにしたが、省エネ開始猶予期間が経過した以降に給湯流量を小さく絞る代わりに、給湯バーナ10に供給するガス量を小さくしてもよい。この場合、給湯温度を給湯設定温度に保つ場合には、給湯流量が小さくなり、また、給湯流量を絞らずに、給湯栓の開度に応じた流量に保つ場合には、給湯温度が設定温度よりも低く制御される。
【0084】
また、前記実施例では、制御装置3に猶予期間可変手段36と省エネ水量可変手段37と削減エネルギー算出手段39を設けたが、これらのうち1つまたは複数の手段を省略することもできる。なお、猶予期間可変手段36と省エネ水量可変手段37の両方を省略する場合は、省エネ目標達成判断手段38も省略することができる。また、猶予期間可変手段36を設けない場合にも、予め与える省エネ開始猶予期間として、配管の通過時間とこの通過時間経過後に湯が出湯されてから給湯流量を絞らない期間とを合わせた時間を与えてもよい。
【0085】
また、リモコン装置1,2の省エネ関連設定値可変操作手段32や報知手段33を省略することもできる。ただし、報知手段33を設けて、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量が小さくされたことを報知したり、この給湯流量の制御動作によって削減されるエネルギー削減量を報知したりすることによって、利用者の省エネ実行意識を高めることができるため、報知手段33を設ける方が好ましい。なお、前記実施例では、給湯流量が小さくされたことを、報知手段33が図3(b)のようにグラフ表示したが、図3(c)に示すように、省エネモードの動作中(エコ運転により流量を小さくしている)ことを示す表示のみを行うようにしてもよい。
【0086】
さらに、リモコン装置1,2のエコ運転オン操作部30、エコ運転解除操作部31のいずれかを省略し、これらの機能を制御装置3側に設けてもよい。ただし、リモコン装置1,2に、エコ運転オン操作部30、エコ運転解除操作部31を設けて前記実施例のように機能させることにより、使い勝手を向上できる。
【0087】
さらに、リモコン装置1,2に、時計機構を設け、この時計機構によって計測する時刻が朝であるか夕方であるかに応じて、または、午前であるか午後であるかに応じて、省エネモード実行手段35による制御方法を変える機能を設けてもよい。この場合、例えば、省エネ開始猶予期間の設定に際し、朝一番での使用は、配管が冷えているので、季節に応じた省エネ開始猶予期間に、さらに例えば10秒加算してもよい。
【0088】
さらに、リモコン装置1,2の少なくとも一方には、リモコン装置1,2の未使用時の時間が予め定められる設定時間経過したときには、リモコン装置1,2の運転をオフする機能を設け、節電が行えるようにしてもよい。
【0089】
さらに、前記実施例では、給湯装置27に風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2を信号接続したが、必要に応じ、例えば給湯機能のみを有する給湯装置においては、台所リモコン装置2のみを接続してもよい。また、洗面所に設けるリモコン装置を信号接続してもよいし、例えば暖房機能等を有する給湯装置には居間に設けるリモコン装置を信号接続してもよく、リモコン装置の信号接続数や配置態様等は適宜設定されるものである。
【0090】
さらに、リモコン装置を複数設ける場合に、そのリモコン装置の1つにのみ、前記実施例に適用したリモコン装置1,2の機能の少なくとも一つを設けてもよいし、複数のリモコン装置に、前記実施例に適用したリモコン装置1,2の機能の少なくとも一つを設けてもよい。
【0091】
さらに、本発明の給湯装置のシステム構成は前記実施例で示した図2のシステム構成に限定されることはなく、適宜設定されるものである。つまり、給湯機能を有していれば、自動湯張り機能や追い焚き機能を有していなくてもよいし、暖房機能や太陽熱利用集熱機能などの他の機能を有していてもよい。
【0092】
さらに、前記実施例では、ガスを燃焼させるバーナを備えた給湯装置としたが、本発明の給湯装置は、ガス以外の燃料を燃焼させて水を加熱して湯とする給湯装置としてもよいし、電気によって水を加熱して湯とする給湯装置としてもよく、その詳細は適宜設定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の給湯装置は、利用者の使い勝手を良好に維持しつつ、省エネ実行意識も高めることができるので、例えば一般家庭用の給湯装置として適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1 リモコン装置(風呂リモコン装置)
2 リモコン装置(台所リモコン装置)
3 制御装置
27 給湯装置
30 エコ運転オン操作部
31 エコ運転解除操作部
32 省エネ関連設定値可変操作手段
33 報知手段
34 モード切換手段
35 省エネモード実行手段
36 猶予期間可変手段
37 省エネ水量可変手段
38 省エネ目標達成判断手段
39 削減エネルギー算出手段
41 表示画面
49 水量制御弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯の開始時に、予め定められた省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作の機能を有することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用情報に基づき、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変する猶予期間可変手段を有することを特徴とする請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
給湯装置と給湯先とを接続する管路内を湯水が通過する時間を通過時間設定値とし、該通過時間設定値を含む値に省エネ開始猶予期間が設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の給湯装置。
【請求項4】
給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ水量を大きくする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ水量を小さくする方向に可変する省エネ水量可変手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の給湯装置。
【請求項5】
省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことによって、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降も給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行う場合に比べて削減できるエネルギー削減量を算出する削減エネルギー算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項6】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には削減エネルギー算出手段によって算出したエネルギー削減量に対応してエネルギー削減量の情報を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項5記載の給湯装置。
【請求項7】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定するエコ運転オン操作部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項8】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項9】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する省エネ関連設定値可変操作手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項10】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定するエコ運転解除操作部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項11】
リモコン装置には給湯装置の動作指令操作手段を含む複数の操作手段が設けられて、これらの操作手段のうち予め定められた複数の操作手段がエコ運転解除操作部と成し、該エコ運転解除操作部としての複数の操作手段を同時に操作することにより給湯装置の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする請求項10記載の給湯装置。
【請求項12】
エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定された後に予め定められたオン待機時間が経過したときには、前記省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段を有することを特徴とする請求項10または請求項11記載の給湯装置。
【請求項13】
エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定の操作が行われてから予め定められたオフ待機時間が経過した後に、前記省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12記載の給湯装置。
【請求項1】
給湯の開始時に、予め定められた省エネ開始猶予期間が経過するまでは給湯先に設けられている給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行い、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降は出湯の水量を絞り予め定められる省エネ水量の出湯を行う省エネモードの給湯動作の機能を有することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用情報に基づき、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ開始猶予期間を長くする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ開始猶予期間を短くする方向に可変する猶予期間可変手段を有することを特徴とする請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
給湯装置と給湯先とを接続する管路内を湯水が通過する時間を通過時間設定値とし、該通過時間設定値を含む値に省エネ開始猶予期間が設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の給湯装置。
【請求項4】
給湯装置の予め定められる単位使用期間を省エネ目標達成判断期間として設定し、該省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が予め定められる省エネ目標値以下のときには省エネ水量を大きくする方向に可変し、前記省エネ目標達成判断期間における給湯使用量が前記省エネ目標値を超えたときには前記省エネ水量を小さくする方向に可変する省エネ水量可変手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の給湯装置。
【請求項5】
省エネ開始猶予期間が経過した以降に省エネ水量の出湯を行うことによって、前記省エネ開始猶予期間が経過した以降も給湯栓の開度に応じた水量の出湯を行う場合に比べて削減できるエネルギー削減量を算出する削減エネルギー算出手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項6】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には削減エネルギー算出手段によって算出したエネルギー削減量に対応してエネルギー削減量の情報を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項5記載の給湯装置。
【請求項7】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオン設定するエコ運転オン操作部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項8】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間が経過した以降は給湯流量を小さくすることを報知する報知手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項9】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には、省エネ開始猶予期間と省エネ水量の少なくとも一方の値を可変設定操作する省エネ関連設定値可変操作手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項10】
給湯装置にはリモコン装置が信号接続され、該リモコン装置には前記給湯装置の省エネモードの給湯動作機能をオフ設定するエコ運転解除操作部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載の給湯装置。
【請求項11】
リモコン装置には給湯装置の動作指令操作手段を含む複数の操作手段が設けられて、これらの操作手段のうち予め定められた複数の操作手段がエコ運転解除操作部と成し、該エコ運転解除操作部としての複数の操作手段を同時に操作することにより給湯装置の省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする請求項10記載の給湯装置。
【請求項12】
エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定された後に予め定められたオン待機時間が経過したときには、前記省エネモードの給湯動作機能のオン設定を自動的に行う自動オン設定手段を有することを特徴とする請求項10または請求項11記載の給湯装置。
【請求項13】
エコ運転解除操作部により省エネモードの給湯動作機能がオフ設定の操作が行われてから予め定められたオフ待機時間が経過した後に、前記省エネモードの給湯動作機能がオフ設定される構成としたことを特徴とする請求項10または請求項11または請求項12記載の給湯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2011−141087(P2011−141087A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2179(P2010−2179)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】
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