説明

給紙装置、画像読取り装置及び画像形成装置

【課題】給紙装置において、いったんレジストされた用紙に斜行に起因するしわが発生することを未然に防止すること。
【解決手段】中間搬送手段24から搬送される用紙Dの先端が回転を停止しているレジスト手段25に当接した後に中間搬送手段24の回転を停止させ、レジスト手段25と中間搬送手段24との間で用紙Dに所定量の湾曲部を形成させる給紙装置。給紙される用紙Dのサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジスト手段25と中間搬送手段24とを同期して回転駆動させて用紙Dを搬送し、給紙される用紙Dのサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジスト手段25を回転駆動させ、かつ、中間搬送手段24は回転駆動することなく用紙Dを搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置、特に、原稿などの積載された用紙を1枚ずつ送り出す給紙装置、画像読取り装置及び電子写真方式の複写機やプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原稿画像を光学的に読取る画像読取り装置にあっては、図4に示すように、給紙トレイ上に積載された複数の原稿Dをピックアップローラ122の回転によってピックアップし、給紙ローラ123a(図示しない捌きローラを下側に備えている)にて1枚に捌いて矢印B方向に給紙し、中間搬送ローラ対124を経てレジストローラ対125に搬送している。給紙が開始される際、レジストローラ対125は回転停止状態にあり、中間搬送ローラ対124から搬送されてきた原稿Dの先端がローラ対125のニップ部に突き当たることにより、原稿Dの先端部が湾曲し、斜行が補正される。原稿Dの先端部に湾曲が形成されると、中間搬送ローラ対124はいったん回転を停止される。その後、レジストローラ対125と中間搬送ローラ対124とが同期して回転駆動され、原稿Dは湾曲を保持した状態で矢印B方向に搬送されていく。
【0003】
詳しくは、図5(A)に示すように、ピックアップ時に斜行が発生した原稿D1の先端が停止しているレジストローラ対125のニップ部に突き当たる(図5(B)参照)。このとき、中間搬送ローラ対124から付与される搬送力で原稿D1の先端部に湾曲cが発生し、斜行が補正される。その後、レジストローラ対125と中間搬送ローラ対124とが同期して回転駆動されることで、図5(C)に示すように、原稿D1は湾曲cを保持した状態で搬送されていく。レジスト後に、ローラ対124,125を同期して駆動して原稿D1の湾曲cを保持させるのは、仮にレジストローラ対125のみを回転駆動して中間搬送ローラ対124の回転を停止させると、レジストされた原稿D1が中間搬送ローラ対124にて負荷を受けてしまい、レジストした原稿D1が元の斜行状態に戻ってしまうことを避けるためである。
【0004】
ところで、原稿は同一サイズのものが給紙トレイにセットされるが、ときには異なるサイズの原稿が同時にセットされる場合(以下、混載モードと称する)がある。本明細書において、サイズが異なるとは、給紙方向に直交する方向の長さが異なることを意味する。つまり、同じA4サイズであっても、給紙方向に長辺又は短辺のいずれを沿わせてセットするかによってサイズは異なることになる。
【0005】
混載モードの場合、図4に示すように、大きなサイズの原稿Dは、センター基準で両側がサイド規制板131a,131bによってガイドされているため、ピックアップ時に斜行するおそれは少ない。しかし、小さなサイズの原稿D1は、片側のみがサイド規制板131aによってガイドされるため、非規制側に流れて大きく斜行する場合が多い。このように斜行した小サイズ原稿D1がレジストローラ対125に突き当たってレジストされると、図6に示すように、斜行によって先行している側部の湾曲量が他側部よりも大きくねじれた状態となる。各種ローラ122〜125は軸方向には原稿をセンター基準で搬送することを前提に、短尺ローラで構成されているため、斜行している小サイズ原稿D1の先端がレジストローラ対125に突き当たった際に、該原稿D1は中間搬送ローラ対124の中央部分を中心として矢印B’方向(図4参照)に回転することができず、中間搬送ローラ対124のグリップ力が強いと、中間搬送ローラ対124とレジストローラ対125とを同期回転させるので、両ローラ124,125対の間で原稿D1にしわが発生してしまう。
【0006】
特許文献1では、用紙をレジストローラ対にて搬送する際に、形成されているたわみ(湾曲)がなくならず、かつ、たわみ量が過大となってしわが発生しないように中間搬送ローラ対の回転速度を制御することが記載されている。ここでは、たわみそのものを解消することまでも意図していないため、比較的大きく斜行する小サイズ用紙に対してまでしわが生じることを防止することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−108482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、いったんレジストされた用紙に斜行に起因するしわが発生することを未然に防止できる給紙装置、画像読取り装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の形態である給紙装置は、
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
給紙される用紙のサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
給紙される用紙のサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段を回転駆動させ、かつ、前記中間搬送手段は回転駆動することなく用紙を搬送すること、
を特徴とする。
【0010】
前記第1の形態である給紙装置において、中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、給紙される用紙のサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジスト手段を回転駆動させ、かつ、中間搬送手段は回転駆動することなく用紙を搬送するため、レジストされた用紙の湾曲が解消されしわの発生が未然に防止される。
【0011】
本発明の第2の形態である給紙装置は、
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
給紙される用紙のサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
給紙される用紙のサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを回転駆動するも、用紙の湾曲状態を解消させるように中間搬送手段の搬送速度をレジスト手段の搬送速度よりも遅くすること、
を特徴とする。
【0012】
前記第2の形態である給紙装置において、中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、給紙される用紙のサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジスト手段と中間搬送手段とを回転駆動するも、用紙の湾曲状態を解消させるように中間搬送手段の搬送速度をレジスト手段の搬送速度よりも遅くするため、レジストされた用紙の湾曲が解消されしわの発生が未然に防止される。
【0013】
本発明の第3の形態である給紙装置は、
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記レジスト手段の搬送方向直前に用紙の斜行量を検出する斜行量検出手段を備え、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値以内の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段を回転駆動させ、かつ、前記中間搬送手段は回転駆動することなく用紙を搬送すること、
を特徴とする。
【0014】
第3の形態である給紙装置において、中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、検出された斜行量が所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジスト手段を回転駆動させ、かつ、中間搬送手段は回転駆動することなく用紙を搬送するため、レジストされた用紙の湾曲が解消されしわの発生が未然に防止される。
【0015】
本発明の第4の形態である給紙装置は、
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記レジスト手段の搬送方向直前に用紙の斜行量を検出する斜行量検出手段を備え、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値以内の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを回転駆動するも、用紙の湾曲状態を解消させるように中間搬送手段の搬送速度をレジスト手段の搬送速度よりも遅くすること、
を特徴とする。
【0016】
第4の形態である給紙装置において、中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、検出された斜行量が所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジスト手段と中間搬送手段とを回転駆動するも、用紙の湾曲状態を解消させるように中間搬送手段の搬送速度をレジスト手段の搬送速度よりも遅くするため、レジストされた用紙の湾曲が解消されしわの発生が未然に防止される。
【0017】
本発明の第5の形態である画像読取り装置は、前記第1ないし第4の形態である給紙装置のいずれかを備えたことを特徴とする。本発明の第6の形態である画像形成装置は前記画像読取り装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、いったんレジストされた用紙に斜行に起因するしわが発生することを、特にサイズの異なる用紙を混載した場合の小サイズ用紙に対して、未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】画像読取り装置を示す概略構成図である。
【図3】前記画像読取り装置の給紙部を示し、(A)は側面から見た説明図、(B)は上面から見た説明図である。
【図4】画像読取り装置での給紙状態を示す説明図である。
【図5】画像読取り装置での給紙状態を時間の経過に応じて示す説明図である。
【図6】斜行した原稿の湾曲状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る給紙装置、画像読取り装置及び画像形成装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1に、画像読取り装置(スキャナ)3を搭載したデジタル複写機を示す。この複写機において、画像読取り装置3のプラテンガラス10(図2参照)上に載置された原稿の画像は、以下に説明する読取り光学系50がプラテンガラス10の直下を移動することにより読み取られる。また、原稿搬送部20の給紙トレイ21に載置された原稿は自動的に1枚ずつ給紙、搬送され、その画像が読取りガラス40を通して静止状態にある読取り光学系50によって以下に説明するシートスルー方式により読み取られる。
【0022】
画像読取り装置3で読み取られた現像画像は、プリント部4で周知の電子写真プロセスにより給紙部5から給紙された転写材上にトナー画像として転写される。その後、転写材はトナーの定着を施され、排出部6に排出される。
【0023】
図2に、画像読取り装置3とその原稿搬送部20を示す。読取り光学系50は、それ自体周知のものであって、ランプ53と、ミラー54,55,56と、図示しない結像レンズと、撮像部(CCDカラーセンサ)58とで構成されている。ランプ53とミラー54とは第1スライダ51に搭載され、ミラー55,56は第2スライダ52に搭載され、それぞれ副走査方向Yに移動可能である。シートスルー方式による原稿画像の読取りは、光学系50を図2に示す読取り位置Aに静止させた状態で行われる。
【0024】
原稿搬送部20は、給紙トレイ21と、ピックアップローラ22と、給紙ローラ23a及び捌きローラ23bと、中間搬送ローラ対24と、レジストローラ対25と、読取り部ローラ対26,27と、排出部ローラ対28,29と、排出トレイ30とで構成されている。
【0025】
複数枚の原稿は、トレイ21上に画像面を上方に向けて、かつ、サイド規制板31にてセンター基準で規制された状態で載置される。まず、最上層の原稿から、ピックアップローラ22で矢印B方向にピックアップされ、給紙ローラ23aの回転にて捌きローラ23bとのニップ部から給紙され、ここで、1枚に捌かれる。その後、原稿は回転駆動されている中間搬送ローラ対24からレジストローラ対25へと搬送される(図3参照、原稿は符号Dで示す)。
【0026】
レジストローラ対25は給紙動作の当初は回転停止状態にあり、中間搬送ローラ対24から搬送されてきた原稿Dの先端がローラ対25のニップ部に突き当たることにより、原稿Dの先端部が湾曲し、斜行が補正される。原稿Dの先端部に湾曲が形成されると、中間搬送ローラ対24はいったん回転を停止される。その後、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とが同期して回転駆動され、原稿Dは湾曲を保持した状態で矢印B方向に搬送されていく。以下、このような原稿搬送動作を通常モードと称する。
【0027】
ところで、前述のごとく給紙される原稿に斜行が発生した場合に前記通常モードで搬送すると、原稿にしわが発生するおそれがある。この不具合を解消するため、以下の制御例1〜4のいずれかで原稿搬送部20を駆動し、ローラ対24,25間での湾曲を解消させてしわの発生を未然に防止する。その前提として、中間搬送ローラ対24はそのニップで挟着している原稿から搬送方向Bへの力が作用したときに従動回転する構成とされている。具体的には、ローラ対24のそれぞれにワンウェイクラッチを組み込むことで、ローラ対24が回転を停止していても原稿がレジストローラ対25によって矢印B方向に搬送可能に構成されている。
【0028】
(制御例1)
給紙される原稿のサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とを同期して回転駆動させて原稿を搬送する(通常モード)。給紙される原稿のサイズが異なる場合(混載モード)は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25を回転駆動させ、かつ、中間搬送ローラ対24は回転駆動することなく原稿を搬送する。混載モードであることは、ユーザーが操作パネル上でその旨を入力する。なお、混載モードの場合、サイズの大きな原稿はサイド規制板31a,31bによってセンター基準でトレイ21上に載置され、サイズの小さな原稿はサイド規制板31aにて片側が規制された状態でトレイ21上に載置される。
【0029】
制御例1の混載モードでは、湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25のみを回転駆動させる。それゆえ、レジストローラ対25にて搬送されていく原稿は湾曲が解消され、しわが発生することはない。湾曲が解消されるとともに、原稿は中間搬送ローラ対24が前記ワンウェイクラッチにより搬送方向Bには従動回転することにより、原稿にダメージを与えることなく搬送することができる。
【0030】
(制御例2)
給紙される原稿のサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とを同期して回転駆動させて原稿を搬送する(通常モード)。給紙される原稿のサイズが異なる場合(混載モード)は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とを回転駆動するも、原稿の湾曲状態を解消させるように中間搬送ローラ対24の搬送速度をレジストローラ対25の搬送速度よりも遅くする。
【0031】
制御例2の混載モードでも、湾曲部を形成させた後の搬送状態では、原稿の湾曲状態が解消され、しわの発生が未然に防止される。
【0032】
(制御例3)
制御例3では、レジストローラ対25の搬送方向直前に原稿の斜行量を検出する斜行量検出手段を設ける。例えば、図3(B)に示すように、原稿の先端を検出するためのセンサ32a,32bを搬送方向Bとは直交する方向に設ける。センサ32a,32bは最小サイズと想定される原稿のサイズに対応させて最小サイズの原稿の斜行を検出できる配置とする。最小サイズとは、例えば、B5サイズで長辺を搬送方向Bに沿って搬送する場合をいう。
【0033】
そして、給紙される原稿のサイズが一定か異なっているかに拘わらず、センサ32a,32bによって検出された斜行量が所定値(例えば、原稿の両側部におけるずれ量2〜3mmのうちの特定の寸法)以内の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とを同期して回転駆動させて原稿を搬送する(通常モード)。センサ32a,32bによって検出された斜行量が前記所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25を回転駆動させ、かつ、中間搬送ローラ対24は回転駆動することなく原稿を搬送する。
【0034】
制御例3では、検出された斜行量が所定値を超えた場合は、湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25のみを回転駆動させる。それゆえ、レジストローラ対25にて搬送されていく原稿は湾曲が解消され、しわが発生することはない。湾曲が解消されるとともに、原稿は中間搬送ローラ対24が前記ワンウェイクラッチにより搬送方向Bには従動回転することにより、原稿にダメージを与えることなく搬送することができる。なお、検出された斜行量が所定値以内であれば、通常モードで動作させても原稿にしわが発生するおそれはない。
【0035】
(制御例4)
制御例4でもレジストローラ対25の搬送方向直前に原稿の斜行量を検出するセンサ32a,32bを設ける。そして、給紙される原稿のサイズが一定か異なっているかに拘わらず、センサ32a,32bによって検出された斜行量が所定値(例えば、原稿の両側部で2〜3mmのずれ)以内の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とを同期して回転駆動させて原稿を搬送する(通常モード)。センサ32a,32bによって検出された斜行量が前記所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、レジストローラ対25と中間搬送ローラ対24とを回転駆動するも、原稿の湾曲状態を解消させるように中間搬送ローラ対24の搬送速度をレジストローラ対25の搬送速度よりも遅くする。
【0036】
制御例4において、検出された斜行量が所定値を超えた場合は、湾曲部を形成させた後の搬送状態では、原稿の湾曲状態が解消され、しわの発生が未然に防止される。
【0037】
なお、本発明に係る給紙装置、画像読取り装置及び画像形成装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明は、給紙装置、画像読取り装置及び画像形成装置に有用であり、特に、いったんレジストされた用紙に斜行に起因するしわが発生することを未然に防止できる点で優れている。
【符号の説明】
【0039】
3…画像読取り装置
20…原稿搬送部
22…ピックアップローラ
23a…給紙ローラ
24…中間搬送ローラ対
25…レジストローラ対
32a,32b…原稿先端検出センサ
D,D1…原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
給紙される用紙のサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
給紙される用紙のサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段を回転駆動させ、かつ、前記中間搬送手段は回転駆動することなく用紙を搬送すること、
を特徴とする給紙装置。
【請求項2】
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
給紙される用紙のサイズが一定の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
給紙される用紙のサイズが異なる場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを回転駆動するも、用紙の湾曲状態を解消させるように中間搬送手段の搬送速度をレジスト手段の搬送速度よりも遅くすること、
を特徴とする給紙装置。
【請求項3】
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記レジスト手段の搬送方向直前に用紙の斜行量を検出する斜行量検出手段を備え、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値以内の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段を回転駆動させ、かつ、前記中間搬送手段は回転駆動することなく用紙を搬送すること、
を特徴とする給紙装置。
【請求項4】
積層されている用紙をピックアップして一方向に送り出す給紙手段と、送り出された用紙を一方向に搬送する中間搬送手段と、該中間搬送手段によって搬送される用紙の先端を付き当てて該用紙を整合させるレジスト手段と、を備えた給紙装置において、
前記レジスト手段の搬送方向直前に用紙の斜行量を検出する斜行量検出手段を備え、
前記中間搬送手段は挟着している用紙から搬送方向への力が作用したときに従動回転する構成とされ、
前記中間搬送手段から搬送される用紙の先端が回転を停止している前記レジスト手段に当接した後に該中間搬送手段の回転を停止させ、レジスト手段と中間搬送手段との間で用紙に所定量の湾曲部を形成させ、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値以内の場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを同期して回転駆動させて用紙を搬送し、
前記斜行量検出手段によって検出された斜行量が所定値を超えた場合は、前記湾曲部を形成させた後に、前記レジスト手段と前記中間搬送手段とを回転駆動するも、用紙の湾曲状態を解消させるように中間搬送手段の搬送速度をレジスト手段の搬送速度よりも遅くすること、
を特徴とする給紙装置。
【請求項5】
前記斜行量検出手段は、搬送方向に直交する方向に少なくとも二つ配置された用紙の先端を検出するためのセンサであること、を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の給紙装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の給紙装置を備えたこと、を特徴とする画像読取り装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像読取り装置を備えたこと、を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40019(P2013−40019A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178315(P2011−178315)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】