説明

統合された視覚検査及び/又は訓練

統合された視覚検査及び/又は訓練用キヨスクは表示装置及び入力装置を用いて多数の視覚検査及び/又は訓練タスクを被検者に対して実行することができる。一以上の表示装置は所望の解像度、形状及び/又はタッチ感度を提供することができる。一以上の入力装置は表示視標に関連して異なる位置から異なるタイプの入力を受信することができる。視覚検査及び/又は訓練の方法は被検者の視覚能力を評価及び/又は改善するために一以上の表示装置、一以上の入力装置及び/又は他のタイプの装置を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は視覚検査及び/又は訓練に関する。より詳しくは、本発明はコンパクトな多目的機器を効率的に使って個人の複数の視覚スキル又は能力を検査及び/又は訓練する統合されたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人の視覚的能力及び関連する生理学的及び/又は神経学的能力を測定するために種々の視覚検査が開発されている。多くの場合、このような検査は眼科医又は他のヘルスケアの専門家のオフィス内で行われる。このようなオフィス環境では、臨床医学者は多彩な機器を利用して個人(被検者)の視覚及び関連能力を検査することができる。しかし、視覚検査用に開発されている多くの機器は移送が困難であり、また注意深く制御された状態又は設定を必要とするために、被検者の視覚能力を他の非診療環境で検査することは困難であることが分かっている。更に、視覚検査に必要とされる機器は、例えば眼科医のオフィス全体のような大きな空間を必要とするので、運動競技訓練設備などの他の種類の設備に組み込むことは困難である。更に、被検者に対して一つの完全な評価を達成するために多数の装置交換、調整等に長時間を要するので、視覚検査は時間を要するプロセスになり得る。同様に、視覚訓練機器及び方法も開発されているが、視覚訓練は多くの場合専用の機器を必要とし、また個々の視覚スキルを訓練するものである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、被検者の視覚能力及び関連の生理学的及び/又は神経学的能力を検査及び/又は訓練する統合されたシステム及び方法を提供する。視覚検査及び/又は訓練用の装置をコンパクトなステーション又はキヨスク内に組み込むことによって、視覚検査及び/又は訓練のための多数の装置変更及びこのような装置に必要とされる空間量が低減される。本発明によるシステムは、視標を被検者に提示するために規定の少数の表示装置を利用するとともに、視標の表示に応答して為される被検者からの入力を受信する規定の数の入力装置を利用することができる。視覚検査及び/又は訓練は一つ以上のタスク、例えば視標が持つ視覚的特徴を識別するタスク、複数の視標の一つを選択するタスク等を含むことができる。複数の検査のためにこれらの検査に適した単一の表示装置及び入力装置を使用することができる。例えば、高解像度モニタ等の高解像度表示装置は被検者の静的視覚透明性の測定に使用する視標を表示するために使用することができる。同じ高解像度表示装置は、高解像度表示装置の恩恵を受ける被検者のコントラスト感度、奥行知覚及び遠近焦点調節能力等の他の視覚スキルを検査及び/又は訓練するためにも使用することができる。他の例として、必要に応じ高解像度表示装置とは異なる表示装置とし得るワイドアスペクト比の表示装置を、比較的遠距離での追跡及び捕捉などの視覚スキルを検査及び/又は訓練するために使用することができ、また眼と手の協調性、視覚認知スパン、視覚決断(ゴー/ノーゴー)、反応時間等の視覚スキルを検査及び/又は訓練するためにタッチセンシティブスクリーンも備えることができ、またタッチセンシティブスクリーンオーバレイと組み合わせることもできる。入力装置は、例えば光学無限遠のような距離で被検者の視覚スキルを検査するために表示装置から比較的遠距離で使用するマルチタッチ装置とすることができ、また被検者が物理的にスクリーンにタッチし得る近距離で使用するタッチセンシティブスクリーン又はタッチセンシティブスクリーンオーバレイを備えることもできる。更に、単一のマルチタッチ装置によって遠近焦点調節能力などの少なくとも幾つかの視覚スキルを検査及び/又は訓練するための入力装置と出力装置の両方を構成することができる。追加の視覚検査及び/又は訓練装置を本発明による統合された視覚検査方法の一部分としても利用することができる。例えば、被検者の輻輳近点の決定等のスキルの検査及び/又は訓練を実行するために追加の装置を利用することもできる。
【0004】
本発明の追加の目的、利点及び新規な特徴は以下に部分的に説明され、以下の説明を考察すると部分的に明らかになり、また本発明の実施により学ぶことができる。
【0005】
添付図面を参照して本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】被検者の視覚スキルを光学無限遠で検査及び/又は訓練している間の本発明によるシステムを示す。
【図1B】被検者の視覚スキルを視覚的に近距離で検査及び/又は訓練している間の本発明によるシステムを示す。
【図2】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う方法を示す。
【図3】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図4】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図5】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図6】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図7】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図8A】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図8B】本発明による統合視覚検査及び/又は訓練を行う他の方法を示す。
【図9】本発明による被検者のコントラスト感度及び奥行知覚を検査及び/又は訓練する相互関係方法を示す。
【図10A】本発明による視覚透明性の検査及び/又は訓練を示す。
【図10B】本発明によるコントラスト感度の検査及び/又は訓練を示す。
【図10C】本発明による奥行知覚の検査及び/又は訓練を示す。
【図10D】本発明による遠近焦点調節の検査及び/又は訓練の一部分を示す。
【図10E】本発明による遠近焦点調節の検査及び/又は訓練の他の部分を示す。
【図10F】本発明による跳躍目標捕捉の検査及び/又は訓練を示す。
【図10G】本発明による視覚認知スパンの検査及び/又は訓練を示す。
【図10H】本発明による眼と手の協調の検査及び/又は訓練を示す。
【図10I】本発明によるゴー/ノーゴーの検査及び/又は訓練に一部分を示す。
【図10J】本発明によるゴー/ノーゴーの検査及び/又は訓練に他の部分を示す。
【図10K】本発明による反応時間の検査及び/又は訓練の一部分を示す。
【図10L】本発明による反応時間の検査及び/又は訓練の他の部分を示す。
【図11】本発明による輻輳近点の検査及び/又は訓練を示す。
【図12】A−Cは本発明による調整可能な視標の表示を示す。
【図13】A−Dは本発明による視標の表示を示す。
【図14】A及びBは本発明による調整可能な視標の時間対変化の例を示す。
【図15】静止視力を検査及び/又は訓練する本発明による方法を示す。
【図16−1】静止視力を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法を示す。
【図16−2】静止視力を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法を示す。
【図17】被検者の静止視覚能力を検査及び/又は訓練する本発明による方法を示す。
【図18】被検者の静止視力を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法を示す。
【図19】被検者の静止視力を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法を示す。
【図20】本発明による静止視力を検査及び/又は訓練で達成し得る模範的な相対視標サイズを示す。
【図21】被検者の視覚感度を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法を示す。
【図22】被検者の視覚感度を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法を示す。
【図23】A及びBは正弦波状に変化する円形コントラストゾーンを視角の関数としてグラフ的に示す。
【図24】A及びBは方形波状に変化する円形コントラストゾーンを視角の関数としてグラフ的に示す。
【図25】本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する他のシステムを示す。
【図26】本発明による種々のタッチスクリーンコマンド感度検査及び/又は訓練システムを示す。
【図27】マルチタッチ入力装置を用いる本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する他のシステムを示す。
【図28A】Aは本発明によるマルチタッチ入力装置を用いる様々な複数の円形コントラストゾーン及び入力を示す。
【図28B】Bは本発明によるマルチタッチ入力装置を用いる様々な複数の円形コントラストゾーン及び入力を示す。
【図28C】C は本発明によるマルチタッチ入力装置を用いる様々な複数の円形コントラストゾーン及び入力を示す。
【図28D】Dは本発明によるマルチタッチ入力装置を用いる様々な複数の円形コントラストゾーン及び入力を示す。
【図29】本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する方法を示す。
【図30−1】本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図30−2】本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図31】本発明による遠近無点調節を検査及び/又は訓練するシステムを示す。
【図32】本発明による遠近無点調節を検査及び/又は訓練するシステムを示す。
【図33A】本発明による遠近無点調節を検査及び/又は訓練する方法を示す。
【図33B】本発明による遠近無点調節を検査及び/又は訓練する方法を示す。
【図34A】本発明による遠近無点調節を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図34B】本発明による遠近無点調節を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図35】A−Dは本発明による目標捕捉能力の検査及び/又は訓練に使用する調整可能な視標を示す。
【図36】本発明による多数の反復に亘る動的視標の速度変化を示す。
【図37】本発明の一実施形態による視覚情報を提示する表示装置を示す。
【図38】本発明の一実施形態による視覚情報を提示する他の表示装置を示す。
【図39】本発明の一実施形態による視覚情報に応答する入力を受信する他の入力装置を示す。
【図40】本発明の一実施形態による視覚認知スパンの評価を示す。
【図41】本発明の一実施形態による視覚情報を提示する他の表示装置を示す。
【図42】本発明の一実施形態による視覚情報に応答する入力を受信する入力装置を示す。
【図43】本発明の他の実施形態による視覚認知スパンの評価を示す。
【図44】本発明の一実施形態による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する方法を示す。
【図45】本発明の一実施形態による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図46】本発明の一実施形態による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図47A】Aは本発明の実施形態に従って単一のタッチセンシティブ表示装置を表示装置としても入力装置としても用いる本発明の実施形態を示す。
【図47B】Bは本発明の実施形態に従って単一のタッチセンシティブ表示装置を表示装置としても入力装置としても用いる本発明の実施形態を示す。
【図47C】Cは本発明の実施形態に従って単一のタッチセンシティブ表示装置を表示装置としても入力装置としても用いる本発明の実施形態を示す。
【図48】被検者の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練のための変化する量の視覚情報を表示し得る表示装置の実施形態を示す。
【図49】本発明による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する他の方法を示す。
【図50】標示される視標とタッチ応答との間の距離の測定に関する態様を示す。
【図51A】Aは本発明による反応時間の検査及び/又は訓練の模範的な実施形態を示す。
【図51B】Bは本発明による反応時間の検査及び/又は訓練の模範的な実施形態を示す。
【図51C】Cは本発明による反応時間の検査及び/又は訓練の模範的な実施形態を示す。
【図51D】Dは本発明による反応時間の検査及び/又は訓練の模範的な実施形態を示す。
【図52】本発明の模範的な実施形態による知覚検査及び訓練装置から表示されるグラフィック要素に応答して入力をタッチスクリーン装置に入力する被検者を示す。
【図53】本発明の模範的な実施形態による知覚入力タッチ装置を示す。
【図54】本発明の模範的な実施形態による第2の知覚入力タッチ装置を示す。
【図55】メモリ及びプロセッサを有するコンピュータ装置を用い、タッチスクリーン装置によって知覚検査への入力を受信する本発明の一実施形態による方法を示すブロック図である。
【図56】タッチスクリーン装置における被検者の知覚訓練活動に応答する入力を無線で受信する本発明の模範的な実施形態による方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の要旨は法的要件を満たすように特定的にここに記載される。しかしながら、その記載自体は特許請求に記載された発明の範囲を限定することを意図していない。むしろ、本発明者等は、特許請求の範囲に記載の要旨はここに記載されるステップ及び/又は構成要素と異なるステップ又は構成要要素を現在又は未来の他の技術とともに含むように他の態様に具体化される得ることも意図している。
【0008】
図1を参照すると、本発明による統合された視覚検査及び/又は訓練システム100が示されている。キヨスク110は、第1の表示装置130、第2の表示装置140及び制御ユニット120を備えることができる。支持フレーム115はキヨスクを支持する構造体で、第1の表示装置130を所定の位置に固定保持するとともに第2の表示装置140に対して摺動可能な支持を提供する。しかし、キヨスクは自立構造に構成して支持フレーム115は省略することもできる。第1の表示装置130は、例えば高解像度モニタを備えることができる。第1の表示装置130は、第1の高さ175に不動に固定することができ、その高さは視覚検査及び/又は訓練を受けている代表的な被検者、例えば被検者190のためにほぼ眼の高さにすることができる。第1の表示装置130の適切な高さは、キヨスク110が大人用、子供用、男性用、女性用であるか並びにキヨスク110で検査中に被検者が取るポーズに基づいて変えることができる。更に、第1の表示装置130の高さは必要に応じ調整可能にすることができる。第2の表示装置140は第1の高さ180で第1の可動結合部117及び第2の可動結合部118によって支持フレーム115に摺動可能に固定できる。ここに示す2つより多数又は少数の異なる数の任意のタイプの可動結合部を利用できること勿論である。第2の表示装置140は支持フレームに直接的に又は間接的に摺動自在に結合することができるとともに、利用者又は管理者による調整、モータ駆動装置の使用、サーボ、油圧等の使用、又は任意の他の機構等によって移動させることができる。調整可能な高さの第2の表示装置140は、必要に応じ第1の表示装置130も、高さが変化する被検者の検査に有用で、特に視覚的に近い検査のため及び/又はタッチセンシティブ入力装置として使用するために有用である。第2の表示装置140はワイドスクリーンモニタを備え、このモニタは例えば被検者190のような被検者のほぼ眼の高さに摺動調整されるとき第1の表示装置130を完全に覆い隠す。以下により詳細に説明されるように、第2の表示装置140は表示装置としても入力装置としても使用できるタッチセンシティブ表示装置を備えることができる。
【0009】
図1Aに示されるように、被検者190はキヨスク110から第1の距離160の位置で視覚検査及び/又は訓練をしている。第1の距離160は、例えば被検者190に対する光学的無限遠とすることができる。光学的無限遠は、被検者190の眼が表示された視標に焦点が合い、眼の視軸が平行になる、即ち零収束になる距離を言う。第1の距離160の適切な距離は、例えば光学的無限遠に近似する約16フィートとすることができる。光学的無限遠に近似もしくはそれを超える又は光学的無限遠よりかなり短い他の距離を使用することもできることは勿論である。図1Aに示されるように、被検者190は第1の表示装置130に表示される視標に対して第1の入力装置150を用いて応答することができる。図1Aに示されるように、第1の入力装置150はマルチタッチ入力装置を備えることができる。マルチタッチ入力装置は以下に詳細に説明される。
【0010】
図1Bを参照すると、被検者190がキヨスク110に視覚的に近い距離で視覚検査及び/又は訓練をしているシステム100が示されている。図1Bに示されるように、第2の表示装置140は第2の高さ185に摺動されて位置している。第2の高さ185は、第1の表示装置130を被検者190の視界から第2の表示装置140で覆い隠すために第1の高さ175(図1Aに示す)に十分等しくすることができる。図1Bに示されるように、被検者190は第2の表示装置から第2の距離170に位置する。図1Bに示されるように、第2の表示装置140はタッチセンシティブスクリーンを備えるため、被検者190は第2の表示装置140に物理的にタッチすることによって、第2の表示装置140に表示される可視視標に応答して入力をエンターすることができる。他の入力装置、例えばジョイスティック、ボタン、キーボード、マルチタッチ装置、音声認識等を使用することができること勿論である。
【0011】
図1A及び1Bに示されるように、第1の表示装置130及び/又は第2の表示装置140上の視標の表示は制御ユニット120で制御することができる。制御ユニット120は任意のタイプのコンピュータ装置を備えることができ、それにインストールされた適切に設定されたソフトウェアを用いて動作させることができる。制御ユニット120は更にプロセッサ、メモリ装置、ハードドライバ、フラッシュメモリ等を備えることができる。制御ユニット120は更に他のコンピュータ装置及び/又は記憶装置とインタラクトするために有線及び/又は無線ネットワーク接続を利用することができる。制御ユニット120は第1の接続132を介して第1の表示装置130に動作可能に接続することができる。同様に、制御ユニット120は第2の接続142を介して第2の表示装置140に動作可能に接続することができる。制御ユニット120は第3の接続152を介して入力装置150に動作可能に接続することができる。第1の接続132、第2の接続142及び第3の接続152の各々は任意のプロトコル又はフォーマットを利用することができ、また異なるプロトコル及びフォーマットを利用することができる。例えば、接続152は様々な802.11プロトコル及び/又はBluetoothプロトコルを利用する無線接続とするのが有利である。
【0012】
模範的な実施形態において、制御ユニット120はプロセッサ及びメモリを有するコンピュータ装置である。コンピュータ装置は典型的には種々のコンピュータ読取り可能な媒体を含む。一例では、限定されないが、コンピュータ読取り可能な媒体としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CDROM、ディジタルバーサタイルディスク(DVD)又は他の光又はホログラフィ媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶又は他の磁気記憶装置又は所望の情報を符号化しコンピュータ装置でアクセス可能にするために使用できる任意の他の媒体を含むことができる。
【0013】
図1A及び図IB並びに後続の図面は、視覚検査及び/又は訓練に行っている被検者190は第1の表示装置130及び/又は第2の表示装置140にほぼ垂直の凝視角を使う例を示すが、本発明による視覚検査及び/又は訓練には他の凝視角を使うこともできる。運動目的のような多くの活動においては、種々の凝視角からの視覚情報を正確に高速に知覚することが決定的に重要である。本発明によるシステム及び方法は特に任意の凝視角における視覚スキルを検査及び/又は訓練することができ、特に被検者190にとって興味のある特定の活動に対して重要な凝視角を指定することができる。このような非垂直凝視角は垂直凝視角の上、下、左及び/又は右にすることができる。本発明によるシステム及び方法は被検者190に対して多数の凝視角を検査及び/又は訓練するために使用することができる。
【0014】
次に図2を参照すると、被検者に対して知覚検査及び/又は訓練を実行する方法200が示されている。ステップ210において、第1群の知覚検査及び/又は訓練タスクを被検者に対して実行することができる。ステップ210において実行される第1群のタスクは、共通の表示装置、共通の入力装置、検査及び/又は訓練中の被検者の装置に対する共通の位置又は向き、又は装置及び/又は位置に関する他の共通点を使用することができる。ステップ220において、第2群の知覚検査及び/又は訓練タスクを被検者に対して実行することができる。ステップ220で実行される第2群の知覚タスクは、ステップ210で実行される第1群の知覚タスクと異なる、共通の表示装置、共通の入力装置、検査及び/又は訓練中の被検者の共通の位置又は向き、又は装置及び/又は位置に関する他の共通点を使用することができる。ステップ230において、第3群の知覚検査及び/又は訓練タスクを被検者に対して実行することができる。ステップ230で実行される第3群の知覚タスクは、ステップ210で実行される第1群の知覚タスク及びステップ220で実行される第2群の知覚タスクと異なる、共通の表示装置、共通の入力装置、検査及び/又は訓練中の被検者の共通の位置又は向き、又は装置及び/又は位置に関するその他の共通点を使用することができる。第1群の知覚タスク、第2群の知覚タスク及び第3群の知覚タスクの各々は1回以上実行される一種以上の知覚タスクを備えることができる。
【0015】
次に図3を参照すると、視覚検査及び/又は訓練を実行する他の方法300が示されている。ステップ310において、第1セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第1の表示装置を用いて第1の距離で被検者に対して実行することができる。ステップ320において、第2セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第2の表示装置を用いて第1の距離で被検者に対して実行することができる。ステップ330において、第3セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、評価装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ330で使用する評価装置は表示装置である必要はなく、例えば被検者の輻輳近点等の視覚能力を検査するために使用することができるような視覚スキル検査及び/又は訓練用の非表示装置型評価装置とすることができる。ステップ340において、第4セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを第2の表示装置を用いて第2の距離で被検者に対して実行することができる。方法300で使用される第1の表示装置及び第2の表示装置はそれらを異なる種類の視覚検査に適応させるために異なる特徴を有するものとすることができる。例えば、高解像度の表示装置は、視覚透明性、コントラスト感度、奥行知覚などの視覚スキルの検査及び/又は訓練用に特に良く適応する。しかし、拡大寸法のスクリーンは、サッカディック目標の捕捉、知覚認知スパン、眼と手の協調性、反応時間などの視覚スキルの検査及び/又は訓練に良く適応する。更にタッチセンシティブスクリーン又はタッチセンシティブオーバレイの利用に適したスクリーンは、表示された視覚検査視標に応答してタッチ入力を要求する検査及び/又は訓練に適している。
【0016】
次に図4を参照すると、本発明による視覚検査及び/又は訓練を実行する他の方法400が示されている。ステップ410において、第1セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第1の表示装置及び第1の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ420において、第2セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第2の表示装置及び第1の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ430において、第3セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第2の表示装置及び第2の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。図3について上述したように、方法400に使用される第1の入力装置及び第2の入力装置は、それらの特定の特性及び実行すべきタスクの種類に関して選択することができる。更に、方法400に使用される第1の入力装置及び第2の入力装置は、それらの特定の特性及び所定の種類の視覚検査に対して受信される特定の種類の入力に基づいて選択することができる。例えば、制御ユニットと無線で通信し得るマルチタッチ装置は、表示装置から光学的無限遠又はそれと同等の距離で実行される視覚タスクに特に有用である。他方、表示装置に光学的に近い位置で実行され得る視覚タスクは、入力を受信するためにタッチセンシティブスクリーン、ボタン、ジョイスティック等を使用するのが好ましい。
【0017】
次に図5を参照すると、本発明による視覚検査及び/又は訓練を実行する他の方法500が示されている。ステップ510において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、視覚的に遠い表示装置及び第1の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。視覚的に遠い表示装置は、検査中の被検者から光学的無限遠又はその近くに位置する表示装置とすることができる。ステップ520において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、視覚的に近い表示装置及び第2の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ530において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、表示装置を持たない装置を用いて被検者に対して実行することができる。
【0018】
次に図6を参照すると、本発明による視覚検査及び/又は訓練を実行する他の方法600が示されている。ステップ610において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、視覚的に遠い表示装置及び第1の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ620において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、視覚的に遠い表示装置、視覚的に近い表示装置及び第2の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ620は、例えば遠近焦点調節検査の実行を含むことができる。ステップ630において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、表示装置を持たない装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ640において、一以上の視覚検査及び/又は訓練タスクを、視覚的に近い表示装置及び第2の入力装置を用いて被検者に対して実行することができる。
【0019】
次に図7を参照すると、本発明による視覚検査及び/又は訓練を実行する他の方法700が示されている。ステップ710において、第1セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第1の表示装置及び第1の入力装置を用いて第1の距離で被検者に対して実行することができる。ステップ720において、第2セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第2の表示装置及び第1の入力装置を用いて第1の距離で被検者に対して実行することができる。ステップ730において、第3セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、装置を用いて被検者に対して実行することができる。ステップ730で使用する装置は表示装置にする必要はない。ステップ740において、第4セットの視覚検査及び/又は訓練タスクを、第2の表示装置及び第2の入力装置を用いて第2の距離で被検者に対して実行することができる。第1セットの視覚検査及び/又は訓練タスク、第2セットの視覚検査及び/又は訓練タスク、第3セットの視覚検査及び/又は訓練タスク及び第4セットの視覚検査及び/又は訓練タスクの各々は、1回以上実行される一種以上の視覚タスクを含むことができる。
【0020】
次に図8Aを参照すると、本発明による視覚検査及び/又は訓練を実行する他の方法800が示されている。ステップ805において、第1の解像度を有する第1の表示装置を提供することができる。ステップ810において、検査すべき被検者は第1の表示装置からほぼ光学的無限遠に位置することができる。ステップ815において、被検者の視覚透明性を検査及び/又は訓練することができる。ステップ820において、被検者のコントラスト感度を検査及び/又は訓練することができる。ステップ815及び820は視覚検査用の視標を表示するために第1の表示装置を使用することができる。被検者はステップ810、ステップ815及び/又は820において表示された視覚検査用の視標に、マルチタッチ装置等の入力装置を用いて応答することができる。ステップ825において、3次元効果アイウェアが被検者に与えられる。ステップ825で与えられる3次元効果アイウェアは表示装置と協働して被検者に3次元画像を提供するのに使用されるアナグリフアイウェア、LCDシャッタアイウェア、ベクトグラフ(偏光)アイウェア等とすることができる。ステップ830において、被検者の奥行知覚を検査及び/又は訓練することができる。ステップ830は、3次元アイウェアを通して見る被検者の視界に視標を表示するために第1の表示装置を使用することができる。被検者はステップ830で表示された視標に、マルチタッチ装置のような入力装置を用いて応答することができる。ステップ835において、3次元効果アイウェアが被検者から除去される。ステップ840において、携帯表示装置が被検者に与えられる。ステップ840で与えられる携帯表示装置は方法800において入力装置としても使用し得るマルチタッチ装置とすることができる。ステップ845において、第1の表示装置、携帯表示装置及び入力装置を用いて被検者の遠近焦点調節を検査及び/又は訓練することができる。方法800は図8Bに続き、ステップ850において、第2の寸法を有する第2の表示装置が与えられる。ステップ855において、被検者の視覚目標捕捉能力を検査及び/又は訓練することができる。ステップ855は視標を表示するために第2の表示装置を使用することができる。被検者はステップ855で表示された視標に、マルチタッチ装置のような入力装置を用いて応答することができる。ステップ860において、タッチセンシティブ表示装置が被検者に与えられる。ステップ865において、被検者はタッチセンシティブ表示装置に視覚的に近づいて位置することができる。ステップ870において、被検者の視覚認知スパンを検査及び/又は訓練することができる。ステップ875において、被検者の眼と手の協調性を検査及び/又は訓練することができる。ステップ880において、被検者のゴー/ノーゴー能力を検査及び/又は訓練することができる。ステップ870、ステップ880及びステップ890はタッチセンシティブ表示装置に表示される一つ又は複数の視標を使用することができる。被検者は表示された視標にタッチセンシティブ表示装置で応答することができる。ステップ885において、被検者の反応時間を検査及び/又は訓練することができる。ステップ885はタッチセンシティブ表示装置に表示される視標を使用することができる。被検者はタッチセンシティブ表示装置との接触を変化させることによってステップ885で表示される視標に応答することができる。
【0021】
次に図9を参照すると、被検者のコントラスト感度及び奥行知覚の相互に関連する検査及び/又は訓練の方法900が示されている。ステップ910において、検査及び/又は訓練すべき被検者がコンタクトレンズを装着しているかどうかを決定する。検査及び/又は訓練すべき被検者がコンタクトレンズを装着している場合、方法900はステップ920に進む。ステップ920において、被検者の右眼のコントラスト感度が検査及び/又は訓練される。方法900は次にステップ930に進み、ここで被検者の左眼のコントラスト感度が検査及び/又は訓練される。方法900は次にステップ940に進む。ステップ940において、被検者の右眼及び左眼の両方のコントラスト感度が許容し得るか否か決定される。ステップ940の決定が、ステップ920及び930のいずれか一方又は両方の結果が被検者の一方の眼又は両方の眼のコントラスト感度が十分でないことを示す場合には、方法900はコントラスト感度不足を矯正するステップ950に進む。模範的な実施形態においては、コントラスト感度の矯正は即時作用である。例えば、不十分なコントラスト感度を矯正するために矯正作用は被検者の検査及び/又は訓練中に又は同時に実行することができる。追加の模範的な実施形態においては、コントラスト感度の矯正は検査及び/又は訓練より少し又はかなり遅れた遅延矯正を含むことができる。例えば、遅延矯正は、不十分なコントラスト感度を矯正する将来の矯正ステップのスケジュールを含むことができる。多くの場合、このようなコントラスト感度の不足はコンタクトレンズの装着に関連し、コントラスト感度不足を矯正するためにコンタクトレンズの頻繁な交換及び/又は洗浄を実行することができる。ステップ940の決定が、各眼のコントラスト感度が許容可能である場合には、方法900は被検者の奥行知覚又は他の知覚タスクを検査するステップ960に進む。ステップ950の矯正が成功の場合も(ステップ920、ステップ930及びステップ940を繰り返すことによって決定できる)、方法900はステップ960に進む。また、矯正ステップ950は、方法900の終了後であって、被検者の各眼のコントラスト感度が受入可能でないことがステップ940で決定された後に実行することもでき、それでも方法900はステップ960に進むことができる。ステップ910の決定が、被検者はコンタクトレンズを装着していないことを示す場合には、方法900は被検者の両眼のコントラスト感度を同時に検査及び/又は訓練するステップ925に進むことができる。ステップ925の後、方法900は被検者の奥行知覚を検査及び/又は訓練するステップ960に進むことができる。ステップ960は被検者が両眼を同時に使用することを要求する。被検者の奥行知覚は被検者の左眼及び右眼の視覚透明性及び/又はコントラスト感度の差により悪影響を受け得る。方法900は、コンタクトレンズ着用者に一般に生じ、被検者の奥行知覚に悪影響を与え得る被検者の左眼及び右眼の視覚能力の不足及び/又は差を確定するために使用できる。
【0022】
次に図10Aを参照すると、被検者190の静止視覚透明性の検査に使用する検査及び/又は訓練システムの一例が示されている。この検査及び/又は訓練システムは、視標1010を表示し得る第1の表示装置130を有するキヨスク110を備えることができる。被検者190は表示される視標1010に応答して入力をエンターするために第1の入力装置150を使用することができる。キヨスク110と協働して実行できる可能な静止視覚透明性の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0023】
次に図10Bを参照すると、被検者190のコントラスト感度を検査している視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。第1の表示装置130は第1の視標1020、第2の視標1021、第3の視標1022及び第4の視標1023を表示し得る。図10Bに示される例では、第1の視標1020は第1の表示装置130に表示される他の視標より高いコントラストを有する。従って、被検者190はマルチタッチ装置のような入力装置150を用いて、第1の視標1020を選択する入力をエンターすることができる。キヨスク110で実行できる可能なコントラスト感度の検査及び/又は訓練の例が以下に更に説明される。
【0024】
次に図10Cを参照すると、被検者190の奥行知覚の検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。第1の表示装置130は第1の視標1030、第2の視標1031、第3の視標1032及び第4の視標1033を表示し得る。図10Cの例に示されるように、被検者190には3次元効果アイウェア1035が与えられる。3次元効果アイウェアは、例えば被検者190の左眼及び右眼用に第1の表示装置130に表示される画像と一致する異なる色のレンズを備えるアナグリフ眼鏡とすることができる。他の例によれば、3次元効果アイウェア1035は、第1の表示装置130と同期して被検者190の左眼及び右眼に光を交互に通すLCDシャッタ眼鏡とすることができる。このような場合には、被検者190の左眼及び被検者190の右眼は図10Cに示す例の第1の視覚検査マーク1030のようなわずかに異なる位置にある視標を知覚することができる。キヨスク110と協働して実行できる可能な奥行知覚の検査及び/又は訓練の例が以下に更に説明される。
【0025】
次に図10D及び図10Eを参照すると、遠近焦点調節検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。図10Dにおいて、第1の視標1040を第1の表示装置130に表示でき、これは被検者190から視覚的に遠くにある。被検者190は第1の入力装置150を用いて、視標1040の特徴に基づいて応答を入力することができる。図10Eにおいて、第2の視標1041を第1の入力装置150に表示でき、この入力装置は本例では携帯表示装置でもあり、更にこの特定の例ではマルチタッチ装置である。被検者190は第1の入力装置150を用いて、視標1041に応答して入力をエンターすることができる。キヨスク110、第1の表示装置130及びマルチタッチ装置150を用いる遠近焦点調節検査及び/又は訓練においては、被検者190によりエンターされる入力の正確さ及びそれらの入力の速度の両方を制御ユニット120で測定し、記録することができる。キヨスク110と協働して実行できる可能な遠近焦点調節の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0026】
次に図10Fを参照すると、被検者190のサッカディック目標捕捉スキルの検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。図10Fの例に示されるように、第2の表示装置140が第1の表示装置を被検者190の視界から覆い隠すように上昇している。図10Fの例に示されるように、視標1050を被検者190により予想されない第2の表示装置140上の位置に発生させることができ、視標1050の特徴を知覚するためには被検者190の高速で正確なサッカディック眼球運動及び認知が要求される。被検者190は第1の入力装置150を用いて、視標1050に応答して入力をエンターすることができる。キヨスク110と協働して実行できる可能なサッカディック目標捕捉の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0027】
次に図10Gを参照すると、被検者190の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。被検者190は第2の表示装置140に視覚的に近づいて位置することができる。第2の表示装置140は、被検者190により知覚可能な視覚情報を有する視標を表示することができる。図10Gに示される例では、その視覚情報は視標の空間分布とすることができる。図10Gの例では、第2の表示装置はタッチセンシティブ表示装置を備え、被検者190は視標の表示の終了後に第2の表示装置140にその視標の位置でタッチすることによって第2の表示装置140上の視標の表示に応答することができる。図10Gに示される例では、第1の視標1060、第2の視標1061、第3の視標1062及び第4の視標1063が示されている。本発明による視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練においては、多数の視標を特に大きな視覚認知スパン能力を示す被検者に使用することができる。キヨスク110と協働して実行できる可能な視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0028】
次に図10Hを参照すると、被検者190の眼と手の協調性の検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。第2の表示装置140は視標1070のような視標を表示し、被検者190はその視標に手でタッチしようすることができる。キヨスク110と協働して実行できる可能な眼と手の強調の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0029】
次に図10I及び図10Jを参照すると、ゴー.ノーゴー能力の検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。図10Iに示されるように、塗りつぶし円のような第1の特性を有する視標1080が第2の表示装置140に表示される。被検者190には塗りつぶし円のような第1の特性を有する視標にタッチしないように命令することができる。図10Jに示される例では、空白円のような第2の特性を有する第2の視標1081が第2の表示装置140に表示される。被検者190には空白円のような第2の特性を有する視標にタッチするように命令することができる。キヨスク110と協働して実行できる可能なゴー/ノーゴー能力の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0030】
次に図10K及び図10Lを参照すると、被検者190の反応時間の検査及び/又は訓練に使用する視覚検査及び/又は訓練用キヨスク110の一例が示されている。被検者190は最初に視標1090に手でタッチできる。図10Lは次の時刻を示し、この時刻において視標1090の表示は終り、第2の視標1091の表示と換わる。被検者190は自分の手を新たに表示された第2の視標1091に動かすように試行することができる。視標1091にタッチする被検者190の試行時間及び正確さを制御ユニット120で測定及び記録することができる。キヨスク110と協働して実行できる可能な反応時間の検査及び/又は訓練タスクの例が以下に更に説明される。
【0031】
次に図11を参照すると、本発明による被検者用視覚検査装置1120の輻輳近点検査及び/又は訓練の一例が示されている。輻輳近点検査及び/又は訓練は視覚耐久力検査及び/又は訓練と言うこともできる。トレーナ1110により視覚スキルを検査及び/又は訓練されている被検者190が示されている。トレーナ1110は被検者190の輻輳近点を測定するために装置1120を使用することができる。装置1120は測定要素1140及びマーカ要素1130を利用できる。マーカ要素1130は、被検者190がマーカ要素1130の単一像を視覚的に知覚できなくなる位置まで測定要素1140に沿って摺動させることができる。この位置で距離1150を決定できる。この距離1150は被検者190の輻輳近点の測定値を与える。装置1120のような視覚装置を用いる検査及び/又は訓練により得られたデータは、第2の表示装置140が備え得るタッチセンシティブスクリーンのような入力装置を用いてトレーナ1110がキヨスク110に入力することができる。輻輳近点の検査及び/又は訓練データの代りに又は加えて他の種類の検査及び/又は訓練データを同様にキヨスク110に入力することができる。
【0032】
本発明の実施形態は2つ以上の訓練を規定の順序で達成することを意図している。訓練が被検者に提示される順序は、そのプロセスにおいて先に検査されたスキルが改善又は矯正された時次のスキルに影響を与えるものとなるように構成される。例えば、静止視力検査の結果は、他のスキルが被検者の低い視力により大きく影響され得ることを示し得る。それゆえ、スキルが検査及び/又は訓練される順序を効率的にするためにウォーターフォールロジックを使用することができる。
【0033】
模範的な実施形態において、評価は、静止視覚透明性、コントラスト感度、奥行知覚、遠近焦点調節、目標補足、輻輳近点(視覚耐久力)、認知スパン、眼と手の協調性、ゴー/ノーゴー及び反応時間の順序で行うことができる。上記の順序は単なる一例であるので、様々な効率又は利点を達成するために任意の順序を実施できることが理解されよう。例えば、統合視覚検査システムに対する物理的な設定の変更(例えば、表示、入力又は被検者の移動)を低減するために、順序をより短い総評価時間になるように変更することができる。或いは又、疲労(例えば筋肉疲労、眼精疲労、精神的疲労)を防ぐために評価を被検者に提示することもできる。同様に、評価は最短の時間または最少の評価で最大の利益が得られるように配列することができる。例えば、該当階級内の被検者に対して達成するのが望ましい精度に基づいて追加の評価を一以上の階級に与えることができる。従って、プロレベルでは、評価の順序は微小視標を生じるように最適化することができるが、アマチュアレベルにおける評価の順序は終了までに要する時間が最少になるように最適化することができる。
【0034】
前述したように、多数の検査及び/又は訓練活動を個別に又は組み合わせてここに記載する統合視覚検査システムで実行することができる。多数の検査及び/又は訓練活動について上述したが、追加の詳細が一つ以上の活動の一つ以上の模範的な実施形態に関して以下に与えられる。しかし、以下は模範的な実施形態であり、必ずしも本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
静止視覚透明性の検査及び/又は訓練
本発明によれば、静止視力などの視覚感度能力を検査及び/又は訓練するために調整可能な視標を使用することができる。例えば、視標は被検者に正しく知覚できない初期サイズで表示装置上に提示される。視標はその後被検者が正しく知覚するまでサイズが大きくなる。一連の視標を提示し、それらが正しく知覚されたとき被検者からの応答を受信することによって、被検者の静止視力の正確な評価を視覚検査及び/又は訓練の一部分として行うことができる。
【0036】
被検者に提示される視標は視覚的特徴を有することができる。例えば、提示される視標は、左、右、上又は下向きの切れ目を有するランドルト環(C)とすることができる。被検者が提示されたランドルト環の向きを受けると、被検者は検査システムに入力を生成することができる。例えば、被検者は視標として提示されたランドルト環の向きに対応する方向にジョイスティックを押すことができる。他の例によれば、被検者はマルチタッチ装置を使用し、そのタッチセンシティブスクリーンを提示されたランドルト環の向きに対応する方向に「ストローク」することができる。ランドルト環のサイズを知覚したランドルト環の向きを正しく入力した被検者と関連付けることによって、被検者の視力を視覚検査及び/又は訓練の一部分として測定することができる。
【0037】
本発明は、被検者の視覚感度を評価するために、変化する又は調整可能な特徴を有する視標を使用することができる。視標が持つ特徴は、被検者がその視標を正しく知覚できるとき被検者の視覚感度の指示を与えることができる。本発明によれば、視標が持つ調整可能な特徴の種類の例は、例えば視標のサイズ及び速度である。視標の変化する特徴の他の例は、視標が異なる移動軌跡、色、背景とのコントラスト、表示時間又は検査及び/又は訓練において変更を受ける任意の他の特徴を有することができる。一般に、本発明によるシステム及び方法は、変化する特徴を有する視標(視標の特徴は任意の所定の表示時間中に変化する可能性がある)を提示し被検者に知覚させるために表示装置を使用することができる。被検者が視標を知覚したことを示す被検者からの入力を受信すると、被検者から受信された入力を表示された視標に対する正しい入力に対応するかどうか決定するために検査することができる。例えば、被検者に複数の入力の任意の一つを受信する入力装置を与えることができ、可能な各入力は表示される視標が潜在的に保有する特徴に対応する。視標が持つ特徴には、例えば向き、同一性(アイデンティティ)などがある。受信した入力が表示された視標の特徴に合致するかどうかを決定することによって、本発明によるシステムは表示された視標の被検者の視覚認知の正確さを評価することができる。
【0038】
次に図12A−12Cを参照すると、表示装置1220上の異なる表示時刻における調整可能な視標1225が示されている。図12Aは初回の視標1225を示す。図12Aに示される時刻では、視標1225は小さすぎて被験者(図示せず)により知覚されないサイズで表示装置1220に表示され、従って何の入力もジョイスティック1230で入力されない。2回目の視標1226が図12Bに示されている。図12Bに示される時刻において、視標1226は被検者(図示せず)が知覚し得るサイズより小さいサイズに維持され、図12Bに示される時刻では何の入力もジョイスティック1230で入力されない。図12Cに示される時刻では、視標1227は被検者(図示せず)が視標1225の持つ視覚的特徴を知覚し得るサイズに増大している。図12A−12Cに示される例では、視標1225は右向きのランドルト環よりなる。従って、被検者(図示せず)が右向きの視標1225を知覚するとき、ジョイスティック1230は図12Cに矢印1242で示すように右方向に押される。視標1225が被検者(図示せず)により知覚されるサイズに到達するとき被検者(図示せず)がジョイスティックを操作して視標1225の知覚した向きを示す入力をエンターすることによって、被検者(図示せず)の視力を視覚検査及び/又は訓練の一部分として評価することができる。
【0039】
次に図13A−13Dを参照すると、異なる視覚的特徴を持つ複数の視標が、表示された視標の持つ複数の特徴に対応する様々な入力を受けることができる入力装置1330と一緒に示されている。図13A−Dに示される例では、図示されている代表的な視標は4つの相互排他的な向きの一つの代表的な特徴を持つランドルト環である。本発明によれば他の種類の視標を使用することもでき、視標は向き以外の特徴を持つこともできる。例えば、視標は同一性の特徴を持つアルファベットの文字とすることができる。更に、視標は複数の非排他的な特徴、例えば同一性と向きを保有してもよい。特徴に対応する入力は図13A−13Dで与えられるジョイスティックの操作以外に多くの方法で行うことができること勿論である。例えば、マルチタッチ装置、キーボード、ボタン、音声認識等を本発明から逸脱することなく使用することができる。
【0040】
次に図13Aを参照すると、第1の視標1325は表示装置1320により表示された上向きのランドルト環である。ジョイスティック1330は、被検者(図示せず)が第1の視標1325及び第1の視標1325が持つ視覚的特徴を知覚したことを指示するために被検者(図示せず)によって対応する方向1341に操作され得る。次に図13Bを参照すると、第2の視標1326は表示装置1320により表示された右向きのランドルト環である。ジョイスティック1330は、被検者(図示せず)が第2の視標1326及び第2の視標1326が持つ視覚的特徴を知覚したことを指示するために被検者(図示せず)によって対応する方向1342に操作され得る。
【0041】
次に図13Cを参照すると、第3の視標1327は表示装置1320により表示された下向きのランドルト環である。ジョイスティック1330は、被検者(図示せず)が第3の視標1327の向きを知覚したとき下向きに操作され得る。
【0042】
次に図13Dを参照すると、第4の視標1328は表示装置1320により表示された左向きのランドルト環である。ジョイスティック1330は、被検者(図示せず)が第4の視標1328及び第4の視標1328が持つ視覚的特徴を知覚したことを指示するために被検者(図示せず)によって対応する方向1344に操作され得る。
【0043】
次に図14Aを参照すると、本発明による変化する視標の一例の視標サイズ対時間が示されている。図14Aに示される例では、視標のサイズは時間に対し線形に変化する。最初の時刻“t”において、初期視標サイズを有する視標が表示される。初期視標サイズは、被検者のだれにも知覚し得ないように選択することができる。初期サイズはその後、例えば時刻“t”において入力を受信するまで、図14Aに示される線形レートのようなほぼ一定のレートで増大する。時刻“t”において、視標は一意のサイズを有する。入力“t”及び/又は入力時の視標のサイズの両方を記録し、被検者の視力を評価するために利用することができる。例えば時刻“t”のようなある時刻において、視標はその最大許容サイズに到達する。最大許容視標サイズは視覚感度検査及び/又は訓練システムの設定において予め決めることができる。例えば、被験者の重度の視力障害のために、ある時点において表示される視標のサイズの更なる増大が保証されなくなることもあり得る。更に、所与の表示装置が視標の表示可能なサイズを制限する又は事実上制限することもあり得る。いずれの場合にも、視標をそれ以上増大することができない時点において、検査方法論として、検査を終了させ、別の視標を初期視標サイズで表示させ、次に表示される視標の初期視標サイズに調整を行う、本質的に「タイムアウト」シナリオ又は他の手段を取ることができる。
【0044】
次に図14Bを参照すると、段階的視標サイズ調整を用いる本発明による一例の視標サイズ対時間が示されている。図14Bに示される例では、視標は複数の特定のサイズのいずれかを有し、本例では0.25の増分で0.25の最小値から4.0の最大値までの範囲である。図14Bに示される例のような視標のサイズの数値記載は、実寸(例えばインチ、センチメートルなど)、被検者の視野内の角度サイズ又は表示装置上の視標のサイズ内の画素数を指すものとし得る。このサイズ範囲は単なる一例であるが、もっと多数又は少数のサイズレベルを用いることができる。可能な視標サイズは、適切な範囲の視覚感度検査及び/又は訓練能力を与えるために、被検者から表示装置までの距離に基づいて選択することができる。例えば、0.25レベルより良い被検者の視覚スキルを評価又は訓練する必要はないため、その視力レベルより下の視標は不要である。同様に、本発明の特定の実施形態は20/200より悪い被検者の視力を検査及び/又は訓練しようとしない。指標の特定のサイズ範囲は必要な最小サイズと必要な最大サイズの間の適切な評価点を与えるように選択することができる。図14Bに示される例では、最初に2.00のサイズを有する視標が時刻tにおいて表示される。この視標はこのサイズで少なくとも所定の期間の間表示され、その間に被検者(図示せず)は応答することができる。図14Bに黒点で示されるように、時刻tにおいて被検者は正しい応答を与えた。その後、視標は同じサイズを維持しながら異なる特徴を持つように変化した。時刻tからtまで視標はサイズ2.00のままであり、被検者は黒点で示されるように別の正しい応答を与えた。2つの連続する正しい応答後に、表示される視標サイズは時刻tにおいてサイズ1.00に全ステップだけ減少させることができる。その後、時刻tにおいて白点で示されるように、被検者(図示せず)は表示された視標に対して正しくない応答をするか、応答できない可能性がある。時刻tにおいて、表示される視標は1.00のサイズを維持しながら異なる特徴を持つように変化することができる。図14Bの例では、被検者(図示せず)は表示された視標に対して間違った応答を与えたか、応答できなかった。その後、表示される視標サイズは時刻tにおいてサイズ1.50に半ステップだけ増大される。黒点で示されるように、時刻tにおいて被検者(図示せず)は正しい応答を与えた。その後、表示される視標は1.50のサイズを維持しながら異なる特徴を持つように変化することができる。黒点で示されるように、被検者(図示せず)は時刻tにおいて正しく応答した。その後、表示される視標サイズはサイズ1.25に1/4ステップだけ減少させることができる。図14Bの例に示されるように、被験者(図示せず)はサイズ1.25で時刻tにおいて正しい応答を与え、サイズ1.25で時刻tにおいて間違った応答又は無応答を与え、サイズ1.25で時刻t、t10において正しい応答を与えた。この時刻で、図14Bに示される例は、被検者(図示せず)の視力は1.25の視標サイズ対応するものと決定することができる。
【0045】
次に図15を参照すると、本発明による静止視力の検査及び/又は訓練方法1500が示されている。ステップ1500において、視覚的特徴を有する視標を被検者に観察可能な表示装置に表示することができる。ステップ1520において、表示される視標のサイズを変化させることができる。例えば、ステップ1520において、表示される視標のサイズを増大することができる。ステップ1530において、被検者が表示された視標及び/又は表示された視標の特徴を知覚したことを指示する入力を被検者から受信する。この入力は表示された指標が持つ特徴に対応する。ステップ1540において、入力が受信されるとき、その視標のサイズを記録することができる。ステップ1510は任意のタイプの表示装置を利用でき、ステップ1530は任意のタイプの入力装置を利用でき、ステップ1540は任意のタイプの記憶装置を利用できる。方法1500及びここに記載する追加の方法のステップのパフォーマンスはここに記載する一以上の制御ユニットにより制御、指示又は監視することができる。
【0046】
次に図16を参照すると、本発明による他の方法1600が示されている。ステップ1605において、複数の視覚的特徴のうちの少なくとも一つを持つことができる視標を規定することができる。ステップ1610において、複数の視覚的特徴にそれぞれ対応する複数の入力を規定することができる。ステップ1610で規定された入力はステップ1605で規定された視覚的特徴と1対1で対応することができる。例えば、ステップ1605は視標として、上向き、下向き、左向き、又は右向きの複数の視覚的特徴を有するランドルト環を規定することができる。同様に、この例では、ステップ1610は複数の入力を表示されるランドルト環の向きと一致するジョイスティックの上、下、左又は右方向の動きとしてそれぞれ規定する。ステップ1615において、被検者により観察可能であって、規定された指標を表示することができる表示装置を被検者に提供することができる。ステップ1620はステップ1610で規定された入力以上の入力を受信することができる入力装置を提供することができる。ステップ1625において、一つの特徴を持つ視標を時刻tにおいて表示装置に表示することができ、表示される視標は時刻tにおいて第1のサイズを有する。ステップ1630において、表示される視標のサイズはほぼ一定のレートで増大できる。ステップ1630のほぼ一定のレートは線形又は一定のステップとすることができる。ステップ1645において、入力装置からの入力が受信されたかどうかを決定する。何の入力も受信されない場合、方法1600は視標が最大サイズに到達したかを決定するステップ1665に進む。ステップ1665の決定が、視標はまだ最大サイズに到達していないという場合には、方法1600は応答の失敗を記録するステップ1670に進む。入力が受信されたかどうかに関するステップ1645の決定がイエスの場合、方法1600はステップ1650に進み、受信した入力が表示された視標の特徴に対応するかどうかを決定する。ステップ1650の決定が、入力は表示された視標の特徴に対応しないという場合には、方法1600はステップ1675に進み、誤応答を記録する。ステップ1650の決定が、入力は表示された視標の特徴に対応するという結果であれば、方法1600はステップ1655に進み、正しい応答に対する視標サイズを記録し、必要に応じ、応答が正しかったこと及び/又は視標の持つ特徴であったことを記録する。ステップ1655、1670及び1675のどれからも方法1600はステップ1660に進み、正しい応答に対する視標サイズが確定されたかどうかを決定する。ステップ1660は、例えば被検者の応答が被検者の静止視力の決定を可能にするかを決定することができる。ステップ1660の決定が、正しい応答に対する視標サイズが確定されているという場合には、方法1600は被検者に対して測定された視標サイズ/視力を記録するステップ1680に進む。
【0047】
次に図17を参照すると、知覚可能な視標のサイズが確定されたかを判定する方法1700が示されている。ステップ1710において、所定数の視標を表示する。例えば、所定数の視標は10個の視標からなり、これらの視標は、更に説明されるように、被検者が正しい応答をする平均サイズを達成するために使用することができる。ステップ1720において、表示された各視標に対応する入力を受信することができる。ステップ1730において、正しい入力が受信されたとき表示された視標のサイズを記録することができる。ステップ1740において、正しい入力が受信されたとき表示された視標の平均サイズを計算することができる。このように、図16のステップ1660のようなステップは、所定数の視標に対して正しい応答受信時のサイズを単に平均化するものとすることができる。
【0048】
次に図18を参照すると、知覚可能な視標のサイズが確定されたかを判定する方法1800が示されている。ステップ1810において、所定数の正しい応答が受信されるまで、視標を表示し、表示された指標に対応する入力を受信することができる。例えば、視標の表示と入力の受信は所定数の正しい応答を受信するまで続けることができる。ステップ1820において、正しい入力が受信されたとき表示された視標の平均サイズを計算することができる。ステップ1700と異なり、ステップ1800は、被検者が表示された視標及び/又はその特徴をどの視標サイズで正しく知覚できるかを決定するために利用することができる。
【0049】
次に図19を参照すると、知覚可能な視標のサイズが確定されたかを判定する方法1900が示されている。ステップ1910において、相対視標サイズ範囲を規定することができる。ステップ1910で規定される視標サイズ範囲は所定の表示装置に表示された視標の±2センチメートルのサイズ範囲のような実寸範囲とすることができる。ステップ1910で規定されたサイズ範囲は表示される視標の直径の10パーセント以内のような相対範囲とすることもできる。ステップ1920において、表示された視標に正しく対応する複数の入力を受信し、正しい入力毎に表示された視標サイズを記録することができる。ステップ1930において、しきい量の正しい応答が受信されたかについて決定を行うことができる。ステップ1940において、規定の相対視標サイズ範囲に入るサイズを有する視標に対して何パーセントの正しい応答が与えられたかについて決定を行うことができる。ステップ1950において、ステップ1910で規定された相対視標サイズ範囲に入るサイズを有する視標に対する応答の割合が例えば80パーセントのような所定のしきい割合を超える場合、当該範囲内の平均サイズは被検者の静止視力に対応すると決定することができる。
【0050】
次に図20を参照すると、規定の相対視標サイズ範囲及び検査及び/又は訓練結果が示されている。図20に示される例では、10個の視標サイズS〜S10が示されている。更に、相対視標サイズ範囲がグラフで示されている。視標サイズS〜S10の各サイズは被検者からの正しい入力に対応する。図20の例に示されるように、70パーセント、即ち10個の正しい応答のうちの7個が規定の相対視標サイズ範囲内の視標サイズであった。方法1900のステップ1950における所定のパーセント閾値が70パーセントであった場合、サイズS10の10番目の正しい入力の受信は、被検者の静止視力の測定として、相対視標サイズ範囲に入る視標サイズの平均値の計算による検査に含めることができる。図20に示される例では、正しい応答に対応する視標のサイズはS,S,S,S,S及びS10であった。
【0051】
次に図21を参照すると、調整可能な視標を用いて視覚感度を検査及び/又は訓練する本発明による他の方法2100が示されている。ステップ2110において、視標サイズの範囲、最小視標サイズ及び最大視標サイズを規定することができる。ステップ2110における規定は、表示装置上の視標の画素数又は物理的実寸、被検者の視点から視標により占められる視野又は視標のサイズを示す他の量で行うことができる。ステップ2120において、所定のサイズを有する視標が最初に被検者に表示される。ステップ2120における視標の表示後に、方法2100はステップ2130に進み、入力を受信したかを決定する。入力が受信されなかった場合、ステップ2132はタイムアウトが起こったかを決定する。タイムアウトが起こるまで本発明によるシステムが被検者からの入力の受信を待つ持続時間は被検者の望む視覚感度検査及び/又は訓練、被検者のスキルレベル又は他のファクタに基づいて変えることができる。ステップ2132の決定がタイムアウトでない場合、方法2100はステップ2130で入力の受信を待ち続ける。ステップ2132の決定がタイムアウトである場合、方法2100はタイムアウトを記憶装置に記録するステップに進む。タイムアウト状態を記録するステップ2134は、表示された視標のサイズ、表示された視標が持つ向き又は他の特徴、検査及び/又は訓練に関与する被検者の識別情報又は他の任意の情報等のタイムアウトの状況を記録することもできる。ステップ2130の決定が入力を受信したである場合、方法2100はステップ2140に進み、その入力が正しいかを決定する。例えば、入力は表示された視標が持つ特徴を正しく識別することができる。入力が正しくない場合、方法2100はステップ2142に進み、誤応答を記録する。タイムアウトを記録するステップ2134と同様に、誤応答を記録するステップ2142はその誤応答を受信したときの状況及び時間に関する追加の情報を更に記録することができる。ステップ2134及びステップ2142のいずれの後も、方法2100は、必要な場合に、連続する誤応答のカウントをインクリメントするステップ2150に進むことができる。ステップ2150でインクリメントされ保持される誤応答は、視標サイズを増大するかしないかを決定するため、又は検査及び/又は訓練が被検者の最低視覚しきい値に到達したかを最終的に決定するために使用することができる。方法2100は次に視標サイズを増大するかを決定するステップ2152に進むことができる。ステップ2152は、所定の視標サイズで被検者に与えられた連続する誤応答の数に基づいて行われる。例えば、2つより少ない連続する誤応答が被検者により与えられた場合、ステップ2152は表示される視標のサイズを方法2100の更なる繰り返しのために増大しないことを決定することができ、その場合には方法2100は同じ所定のサイズを有する視標を表示するステップ2120に戻ることができる。ステップ2152の決定が視標サイズを増大すべきである場合、方法2100は視標サイズが既にステップ2110で先に規定された最大サイズであるかを決定するステップ2154に進む。ステップ2154の決定が、視標サイズが既に最大であるという場合、方法2100は被検者の視覚感度を規定の最大視標サイズに対応する感度より良くないと記録するステップ2170に進むことができる。ステップ2154の決定が視標サイズはまだ最大でない場合、方法2100は視標の所定のサイズを増大するステップ2156に進むことができる。ステップ2156において視標の所定のサイズを増大した後、方法2100はステップ2120に戻り、ステップ2156で規定された増大したサイズの視標を用いて所定のサイズの視標を表示することができる。ステップ2156は視標のサイズ増大の量を任意の種々の方法、例えば図14Bに記載された階段関数を用いて決定することができるが、これに限定されない。追加の関数又は方法を同様の結果を達成するように実装することもできる。従って、図14Bに示される階段関数は限定を意図せず、単なる例示である。
【0052】
しかし、ステップ2140の決定が正しい入力を受信したという場合、方法2100はステップ2144に進み、その正しい応答を記録する。ステップ2144はステップ2134及び2142と同様に、正しい応答の受信状況及び時間に関する追加の情報を記録することができる。方法2100は次に連続する正しい応答のカウントをインクリメントするステップ2160に進むことができる。ステップ2150でインクリメントされ記録される連続する誤応答のカウントと同様に、ステップ2160でインクリメントされ記録される連続する正しい応答のカウントは、表示された視標のサイズを増大するタイミング及び/又は被検者の視覚感度が検査及び/又は訓練のために決定されたかを決定するタイミングを決定するために利用することができる。例えば、方法2100は被検者の視覚感度を決定するサイズが特定されたかを決定するステップ2162に進むことができる。ステップ2162は、例えばそれ以前に記録された正しい応答、誤応答及びタイムアウト応答を利用して、最後の正しい応答に対する視標のサイズを減少させると被検者が一つ以上の誤応答を生じるサイズになるかどうかを決定することができる。ステップ2162の決定が、被検者の視覚感度を決定する視標のサイズが特定されたことを示す場合、方法2100はその視覚感度を記録するステップ2170に進むことができる。ステップ2162の決定が、被検者の視覚感度を決定する視標のサイズが特定されなかったことを示す場合、方法2100は視標サイズを減少させるかどうかを決定するステップ2164に進むことができる。ステップ2164は、例えばステップ2160でインクリメントされた連続する正しい応答のカウントを利用し、所定数の連続する正しい応答、図14Bに先に示された例では2つの連続する正しい応答、が受信された場合にのみ次に表示される視標のサイズを減少させることができる。ステップ2164の結果が視標サイズを減少すべきでないという場合には、方法2100は所定のサイズを有する視標を表示するステップ2120に戻ることができる。ステップ2164の決定が視標サイズを更に増大すべきであるという場合には、方法2100は視標サイズがステップ2110で予め規定された最小サイズに既に達しているかどうかを決定するステップ2166に進むことができる。ステップ2166の決定が、視標サイズはまだ最小でないという場合には、方法2100は視標の所定のサイズを減少させるステップ2168に進むことができる。ステップ2168はサイズの減少を種々の方法、例えば図14Bの例に示される段階的方法で決定することができる。ステップ2168における視標の所定のサイズの減少後、方法2100はステップ2168で決定され減少された新しい所定のサイズを用いて所定のサイズを有する視標を表示するステップ2120に戻ることができる。ステップ2166の決定が、視標サイズは既に最小であるという場合には、方法2100は被検者の視覚感度を最小の視標サイズで規定される最悪感度として記録するステップ2170に進む。模範的な方法2100の一部分として示される種々のステップは順序を変更することができ、また幾つかのステップを完全に省略することができる。
【0053】
次に図22を参照すると、調整可能な視標を用いて被検者の視覚感度を検査及び/又は訓練する他の方法2200が開示されている。ステップ2210において、複数の特徴の少なくとも一つを持つ視標を規定することができる。複数の特徴の各々は被検者からの複数の入力にそれぞれ対応し、各視標は少なくとも一つの可変の特性で表示できる。例えば、少なくとも2210で規定される視覚的特徴は、ランドルト環の向き、文字のアイデンティティ又は他の表示画像等とすることができる。少なくとも2210で規定される視標の特性は、視標の視覚的サイズ、視標の表示時間、表示装置上の視標の位置、視覚的背景に対する視標のコントラスト、視標の色、視標の運動状態等のような特徴とすることができる。その後方法2200は、第1の時刻に、少なくとも一つの特徴を持つ視標を少なくとも一つの特性で被検者に表示するステップ2220に進むことができる。その後方法2200は、表示された視標が持つ特徴の被検者の知覚に対応する被検者からの入力を第2の時刻に受信するステップ2230に進むことができる。ステップ2230は、表示された視標に対して被検者が所定の時間内に応答できなかったためにタイムアウトが起こったかを決定することができる。ステップ2240において、被検者からの入力及び視標が表示された第1の時刻と被検者からの入力が受信された第2の時刻との間の経過時間に加えて、表示された視標の特徴及び特性も記録することができる。タイムアウト状態がステップ2230において決定された場合、その情報もステップ2240で記録することができる。更に、ステップ2240は、検査及び/又は訓練の繰り返しに関する追加の情報、例えば被検者のID、日時、検査及び/又は訓練セッションと関連する他の視覚的特性等を記録および保存することができる。方法2200は検査及び/又は訓練セッションが完了したかどうかを決定するステップ2250に進むことができる。ステップ2250の決定がセッションは完了したである場合には、方法2200はセッションの結果の報告を提供するステップ2260に進むことができる。ステップ2260で発生される報告は、検査及び/又は訓練中の被検者の能力を方法2200の使用によって得られた被検者の視覚感度の評価を含めて任意の詳細度で記述することができる。ステップ2260で発生される報告は、記憶装置に入力されるデータベース、任意の種類の揮発性または不揮発性電子メモリ装置内の他の任意のタイプの電子レコード、ステップ2220で使用された同じ表示装置上に与えられた遂行能力の要約、任意の他の表示装置に表示される情報の要約、紙や他の媒体への結果の物理的プリントアウト、又は任意の他のタイプのレポートとすることができる。ステップ2250の決定がセッションは完了してない場合には、方法2200は視標の視覚的特性及び/又は特徴を表示のために変更するステップ2270に進むことができる。ステップ2270において視標の特性及び/又は特徴が変更されると、方法2200はステップ2220に戻り、変更された特性及び/又は特徴を持つ視標を第1の時刻に表示する。
【0054】
ここに記載した例は単に本発明のいくつかの特徴を説明するためである。例えば、文字、数字、絵、日常的な物の絵等を含む様々な目印を視標として利用することができる。更に、どのサイズの視標が被検者により最も正確に知覚されるかを決定するために任意の数の方法及びアプローチを利用することができ、同様に被検者が視標を正しく知覚する速度を決定するために様々な方法及びアプローチを利用することができる。更に、表示された視標は多数の視覚的特徴を持つことができ、所望の特徴の知覚を本発明による検査の一部分とすることができる。本発明は任意の特定のタイプの表示装置、入力装置、検査装置、記憶装置又は他の装置に限定されないこと勿論である。更に、任意の数のこのような装置又は構成要素を使用することができ、ここに記載したいくつかの装置又は構成要素は他の装置又は構成要素と組み合わせることができ、また多数の装置を単一の装置に実装することもできる。
【0055】
コントラスト感度の検査及び/又は訓練
本発明によれば、コントラスト感度の検査及び/又は訓練は複数の円形コントラストゾーンを利用することができる。複数の円形コントラストゾーンの一つは他の円形コントラストゾーンより高い又は低いコントラストパターンを有する。コントラスト感度の検査及び/又は訓練は、被検者に複数のコントラストゾーンの中で最高又は最低のコントラストパターンを有するコントラストゾーンを選択するように要求することによって進めることができる。所定の時刻に提示されるコントラストゾーンの各々は同等の総合輝度を有し、任意の所定の円形コントラストゾーンのコントラストのみが異なる。本発明で使用される複数の円形コントラストゾーンは表示装置上に空間的に分布された態様で提示することができる。複数のコントラストゾーンのうちの一つを識別する入力は、被検者が表示装置上の円形コントラストゾーンの空間分布に対応する一つ以上の入力を与えることができる入力装置で入力することができ、よって被検者は一以上の円形コントラストゾーンを入力で一意に識別することができる。適切な入力装置としてはタッチセンシティブスクリーン、ジョイスティック、ボタン、マルチタッチ入力装置等がある。
【0056】
コントラスト感度検査においては、コントラストパターンを被検者に表示し、被検者がそのコントラストパターンを知覚できるか検査する。被検者が乱視を持つ場合、被検者のコントラスト感度の検査に一つの課題が生じ、コントラストパターンが乱視に起因する視覚欠陥と一致するとき、被検者はそのコントラストパターンの知覚を妨げられる。この問題は円形コントラストパターンを有する円形コントラストゾーンを使用することによって克服することができる。このような円形コントラストゾーンの円形コントラストパターンは360°に亘り延在するため、乱視に起因する被検者の視覚欠陥と一致し得ない。
【0057】
本発明による円形コントラストゾーンの空間周波数は異なる実施形態に対して又は同じ実施形態における異なる検査及び/又は訓練の反復に対して変化させることができる。円形コントラストゾーンの空間周波数は円形コントラストゾーンのサイズ、円形コントラストゾーンを表示する表示装置からの被検者の距離及び円形コントラストゾーン内のコントラストパターンのサイクル数に依存する。本発明によれば様々なコントラストパターンを使用できるが、対称な正弦波状格子コントラストパターンは被検者にかなり大きな課題を与え得る。正弦波状格子コントラストパターンの一例はガボールパッチであり、コントラスト感度検査に時々使用されている。ガボールパッチは対称でなく、それゆえ、ガボールパッチのコントラストパターンの知覚は乱視により妨げられ得る。比較的小さい課題が被検者に対して望ましい場合には、方形波状コントラストパターンを使用することができる。本発明によれば、円形コントラストゾーンにおいて任意のタイプのコントラストパターンを利用することができる。不規則なコントラストパターンを使用する場合には、コントラストパターンの空間周波数は円形コントラストゾーンの半径に沿って変化させることができる。規則的なコントラストパターンを使用する場合には、任意の空間周波数を利用できる。コントラストゾーンのコントラストパターンの空間周波数は被検者の視角1度当たりのサイクル数として表すことができる。例えば、1度当たり18サイクル及び/又は1度当たり6サイクル等の空間周波数を使用することができる。本発明による円形コントラストゾーンを用いて広範囲のコントラストを広範囲の空間周波数に亘って検査することができる。
【0058】
図23A−23B及び図24A−24Bは、本発明による円形コントラストゾーンと関連して使用し得る模範的な輝度パターンを視角の関数としてグラフ的に示す。図23A−23B及び図24A−24Bは所定のコントラストパターンの輝度を示し、輝度は円形コントラストゾーン内の最大輝度値“max”から円形コントラストゾーン内の最小輝度値“min”に変化し、輝度は被検者の画角に亘って変化する。図23A−23B及び図24A−24Bに示される最大輝度及び最小輝度はそれぞれ表示装置で達成し得る最大輝度及び最小輝度であり、所定の円形コントラストゾーンの輝度は使用する表示装置が可能な全輝度レンジに亘って変化する必要はない。図23A−23B及び図24A−24Bは円形コントラストゾーンの輝度を1度の視角の半分に亘って示すが、円形コントラストゾーンはこの距離より大きい又は小さい距離を占めることができる。図23A−23B及び図24A−24Bは模範的な円形コントラストゾーンの直径に沿う輝度を示す。図23Aは円形コントラストゾーンの直径に沿って1度あたり18サイクルの周波数を有する正弦波状の輝度変化を示す。図23Bは円形コントラストゾーンの直径に沿って1度当たり6サイクルの周波数を有する正弦波状の輝度変化を示す。図24Aは円形コントラストゾーンの直径に沿って1度あたり18サイクルの周波数を有する方形波状の輝度変化を示す。図24Bは円形コントラストゾーンの直径に沿って1度当たり6サイクルの周波数を有する方形波状の輝度変化を示す。任意の周期的又は非周期的パターンを本発明による円形コントラストゾーンと関連して使用することができる。例えば、円形コントラストゾーンは円形コントラストゾーンの残部と異なる輝度を有する単一部分を有することができる。他の例として、円形コントラストゾーンは非周期的な輝度差を有することができる。
【0059】
更に、本発明によれば、複数の円形コントラストゾーンを同時に使用し、被検者がそれらから一つの円形コントラストゾーンを選択ができるようにすることができる。例えば、被検者に最高又は最低コントラストパターンを有するコントラストゾーンを選択するように指示することができる。この場合には、多数の検査及び/又は訓練の反復が複数の円形コントラストゾーンを表示し、被検者は最高コントラストパターン又は最低コントラストパターンのような一つを選択することができる。本発明によれば丁度目立つコントラスト差の程度を評価するためにコントラストの差を異なる反復に対して変化させることができ、それによって、被検者のコントラスト感度を、一部のスクリーニング目的で利用されているように、単に被検者が所定のコントラストを知覚できるかどうかを決定する場合より正確に測定することができる。円形コントラストゾーンのコントラストは様々な方法で規定することができる。コントラストゾーンのコントラストの一つの有用な測定方法は、時々「変調」又は「マイケルソンコントラスト」と呼ばれる。マイケルソンコントラストMは、コントラストゾーンの最大及び最小輝度から、方程式M=(Lmax−Lmin)/(Lmax+Lmin)に基づいて計算できる。場合によっては、コントラストゾーンは(Lmax=Lmin)のように均一にすることができ、この場合にはM=0である。コントラストの他の尺度/定義を使用できること勿論である。本発明によるコントラスト感度の検査は、表示された円形コントラストゾーンの空間分布に対応する入力を受信し得る入力装置を利用することができる。この方法では、被検者は複数のコントラストゾーンの所与の表示に対する正しい応答であると信じる一つのコントラストゾーンを簡単に素早く選択することができる。複数のコントラストゾーンの表示と複数のコントラストゾーンの一つの選択を指示する入力との間の経過時間の分析によって被検者のコントラスト感度能力に関する追加の情報を与えることができる。本発明によるコントラスト感度の検査及び/又は訓練においては様々な入力装置を利用することができる。適切な入力装置のいくつかの例は、ジョイスティック、ボタン、タッチセンシティブスクリーン及びジェスチャ認識である。しかし、音声認識、フットペダル、バランスボード等の他のタイプの入力装置を利用することもできる。
【0060】
次に図25を参照すると、被検者2550のコントラスト感度を検査及び/又は訓練する本発明による他のシステム2500が示されている。システム2500はタッチセンシティブスクリーン2520を有する表示装置2510を利用することができる。こうして、表示装置2510は複数の円形コントラストゾーンを被検者2550に表示することができ、被検者2550はタッチセンシティブスクリーン2520上の選択したい円形コントラストゾーン又はその近くにタッチすることによって複数の円形コントラストゾーンの一つの選択を入力することができる。ケーブル2512は表示装置2510を制御ユニット2530に接続することができる。制御ユニット2530は複数の円形コントラストゾーンを表示するように表示装置2510を動作させるとともに、タッチセンシティブスクリーン2520からの入力を受信することができる。検査ユニット2530は接続2532を介して検査データを記憶ユニット2540に伝達するが、任意の他のタイプの媒体又はプロトコルを使用することができる。
【0061】
次に図26を参照すると、複数の円形コントラストゾーン2600は上コントラストゾーン2610、右コントローラゾーン2620、下コントラストゾーン2630及び左コントラストゾーン2640を備えることができる。図26に示される例では、上コントラストゾーン2610は複数の円形コントラストゾーン2600のうちで最高のコントラストパターンを有する。被検者(図示せず)は手2605でスクリーン上の上コントラストゾーン2610にタッチすることによって上コントラストゾーン2610を選択することができる。
【0062】
次に図27を参照すると、被検者2750のコントラスト感度を検査及び/又は訓練する他のシステム2700が示されている。円形コントラストゾーンは被検者2750に対して表示装置2710上に表示できる。被検者2750はiPod等のマルチタッチ装置2720を用いて表示装置2710上に表示された円形コントラストゾーンの選択を入力することができる。マルチタッチ装置2720は無線リンク2722で制御ユニット2730に接続することができる。無線リンク2722はBluetooth(登録商標)、802.11又は他の標準又は非標準無線通信プロトコルを利用することができる。制御ユニット2730は接続2712を介して表示装置2710に接続することができる。制御ユニット2730は被検者2750により入力が行われるときに、表示装置2710上の円形コントラストゾーンの表示を制御する。制御ユニット2730はデータを記憶のために接続2732を介して記憶装置2740に送る。
【0063】
次に図28A−28Dを参照すると、マルチタッチ装置を用いる円形コントラストゾーンの様々な配列及び入力受信が示されている。
【0064】
次に図28Aを参照すると、複数の円形コントラストゾーン2800は上コントラストゾーン2810、右コントローラゾーン2820、下コントラストゾーン2830及び左コントラストゾーン2840を備えることができる。図28Aの例では、上コントラストゾーン2810が複数のゾーン2800の他のゾーンより高いコントラストパターンを有する。図28Aの例では、右コントローラゾーン2820、下コントラストゾーン2830及び左コントラストゾーン2840は零コントラストを有し、それらは均一な輝度である。図28Aの例では、被検者(図示せず)は手2805でマルチタッチ装置2850に上方向2811にタッチすることによって上コントラストゾーン2810の選択を指示することができる。
【0065】
次に図28Bを参照すると、複数の円形コントラストゾーン2801は上コントラストゾーン2812、右コントラストゾーン2822、下コントラストゾーン2832及び左コントラストゾーン2842を備えることができる。図28Bの例では、右コントラストゾーン2822が複数のゾーン2801の他のゾーンより高いコントラストパターンを有する。被検者(図示せず)は手2805でマルチタッチ装置2850に右方向2821にタッチすることによって右コントラストゾーン2822の選択を指示することができる。
【0066】
次に図28Cを参照すると、複数の円形コントラストゾーン2802が示されている。複数のコントラストゾーン2802は上コントラストゾーン2814、右コントラストゾーン2824、下コントラストゾーン2834及び左コントラストゾーン2844を備える。図28Cの例では、下コントラストゾーン2834が複数のゾーン2802の他のゾーンより高いコントラストパターンを有する。被検者(図示せず)は手2805でマルチタッチ装置2850に下方向2831にタッチすることによって下コントラストゾーン2834の選択を指示することができる。
【0067】
次に図28Dを参照すると、複数の円形コントラストゾーン2803が示されている。複数のコントラストゾーン2803は上コントラストゾーン2816、右コントラストゾーン2826、下コントラストゾーン2836及び左コントラストゾーン2846を備える。図28Dの例では、左コントラストゾーン2846が複数のゾーン2802の他のゾーンより高いコントラストパターンを有する。被検者(図示せず)は手2805でマルチタッチ装置2850に左方向2841にタッチすることによって左コントラストゾーン2846の選択を指示することができる。
【0068】
次に図29を参照すると、本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する方法2900が示されている。ステップ2901において、空間的に配列された複数の円形コントラストゾーンを被検者に提示する。複数の円形コントラストゾーンの一つは他のコントラストゾーンと異なるコントラストを有する。ステップ2920において、被検者から空間的に配列された複数の円形コントラストゾーンの一つに対応する入力を受信する。ステップ2930において、受信した入力を異なるコントラストパターンを有する円形コントラストゾーンと比較して入力と異なる円形コントラストゾーンとの一致を決定する。ステップ2930は被検者が提示された複数の円形コントラストゾーンを正しく知覚したかを有効に決定する。
【0069】
次に図30を参照すると、本発明によるコントラスト感度を検査及び/又は訓練する他の方法3000が示されている。ステップ3005において、空間的に配列された複数の円形コントラストゾーンを表示し得る被検者により観察可能な表示装置が提供される。ステップ3010において、空間的に配列された複数の円形コントラストゾーンの一つを指示する被検者からの入力を受信する被検者によりアクセス可能な入力装置が提供される。例えば、提供される入力装置はステップ3005で提供された表示装置により表示し得る複数の円形コントラストゾーンにそれぞれ空間的に対応する複数の入力の任意の一つを受信し得るものとすることができる。
【0070】
ステップ3015において、複数の円形コントラストゾーンが第1の時刻に表示装置に最初に表示される。円形コントラストゾーンの各々は等しい輝度総量を有し、複数の円形コントラストゾーンの少なくとも一つは他のコントラストゾーンと異なるコントラストを有する。例えば、ステップ3015において、検査ユニットは表示装置に上コントラストゾーン、右コントラストゾーン、下コントラストゾーン及び左コントラストゾーンを表示させることができ、それらのコントラストゾーンの一つは他のコントラストゾーンより高いコントラストを有することで他のコントラストゾーンとその総コントラストが異なる。例えば、一つのコントラストゾーンは非零コントラストを有するが、他のコントラストゾーンは零コントラストを有するものとし得る。複数のコントラストゾーンの2つ以上又はすべてが非零コントラストを有し、一つのコントラストゾーンが他のコントラストゾーンより高いコントラストを有するものとし得ること勿論である。ステップ3020において、第1の時刻後の第2の時刻に、被検者がステップ3015で表示された複数の円形コントラストゾーンのどのコントラストゾーンが他の円形コントラストゾーンと異なるコントラストパターンを有するものと知覚したかを指示する入力が入力装置で受信される。ステップ3020と関連して任意の入力方法を使用することができる。ステップ3025において、ステップ3020における入力の受信に応答して、複数の円形コントラストゾーンの表示は終了する。
【0071】
ステップ3030において、受信された入力が複数の円形コントラストゾーンの他の円形コントラストゾーンと異なるコントラストパターンを有する円形コントラストゾーンに対応するかどうか決定される。ステップ3030は被検者のコントラスト感度の正確さの測定値を提供する。ステップ3035において、複数の円形コントラストゾーンが最初に表示される第1の時刻と入力が受信される第2の時刻との間の経過時間が決定される。ステップ3035は被検者のコントラスト感度の速度の測定値を提供する。ステップ3040において、受信した入力が他の円形コントラストゾーンと異なるコントラストパターンを有する円形コントラストゾーンに対応したかの決定を記憶する。ステップ3040は、更に又は代りに、第1の時刻と第2の時刻との間の経過時間の測定値を記憶することができる。ステップ3040で記憶された正確さ及び速度の測定値は被検者のコントラスト感度の検査及び/又は訓練の両方に有用である。
【0072】
ステップ3045において、コントラスト感度の検査及び/又は訓練セッションが完了したかを決定することができる。ステップ3045の決定の結果は任意の数の可能な考察に基づくものとし得る。例えば、コントラスト感度の検査及び/又は訓練セッションは、できれば反復ごとに異なるコントラストを有する一つの円形コントラストゾーンと他のコントラストとの間のコントラスト差を相違させて所定の回数反復動作するように設計することができる。このような例では、ステップ3045の決定は、コントラスト感度検査及び/又は訓練セッションは所定の回数の反復が終了するまで終了しないことになる。代りに、コントラスト感度検査及び/又は訓練セッションは、被検者が異なるコントラストを有する円形コントラストゾーンを所定の回数誤って知覚するまで難しさを増大するように設計することもできる。この追加の例では、ステップ3045の決定は、ステップ3020で受信される入力及びステップ3030の決定の正確さに基づいて、できればこれらのステップのそれ以前の反復も加味して行うことができる。また、「段階的」方法を使用し、第1の反復は高いコントラストの円形コントラストゾーンを提示し、次の反復は誤応答がなされるまでコントラストを「全」ステップずつ減少させ、誤応答がなされた後にコントラストを「半」ステップだけ増大させ、その後、正しい応答が受信される場合はコントラストを「1/4」ステップだけ減少させ、誤応答が受信される場合は「1/4」ステップだけ増大させ、被検者にかろうじて知覚し得るコントラスト差が特定されるまで以下同様とすることができる。「ステップ」のサイズは変えることができること勿論である。コントラスト感度検査の終了の決定には多くの変更をステップ3045において使用することができる。ステップ3045の結果が、コントラスト感度検査が終了してないという決定である場合には、方法3000は複数の円形コントラストゾーンを表示するステップ3015に戻る。ステップ3015からステップ3040の反復は、必ずしも必要ないが、前回の反復と異なるコントラストパターンを利用することができ、場合により異なる総数を有する異なる配列の円形コントラストゾーンを利用することができる。ステップ3045の結果がコントラスト感度検査及び/又は訓練は終了したであれば、方法3000はステップ3050に進むことができる。
【0073】
ステップ3050において、被検者のコントラスト感度の評価スコアを計算することができる。ステップ3050で計算されたコントラスト感度の評価スコアは単純に被検者の正しい応答の数とすることができ、またもっと複雑なものとすることもできる。このような評価スコアは検査中の円形コントラストゾーンのコントラスト、第1の時刻と第2の時刻の間の経過時間および任意の他のファクタからなるものとすることができる。
【0074】
ステップ3055において、被検者に対するコントラスト感度評価スコアを出力することができる。ステップ3055は評価スコアを被検者、トレーナ、専門医、視覚専門家、他の個人、データベース、記憶装置等に直接出力することができる。
【0075】
奥行知覚の検査及び/又は訓練
奥行知覚の検査及び/又は訓練は奥行に差があるように知覚される一以上の視標を被検者に与える。例えば、眼を覆う液晶ディスプレイ(LCD)は、第1の眼を覆う第1のLCDが活性化され(不透明又は半透明のいずれかになり得る)、第2の眼を覆う第2のLCDが活性化されない(第1のLCDと反対の効果を生じる)とき、フリッカ効果を提供することができ、このようなLCDはここでは説明を簡単にするためにシャッタ眼鏡という。このフリッカ効果は、各眼が表示された視標の視覚情報を交互の時間にのみ受けるようにする。従って、第1の眼が視標を見ることができるとき、第2の眼は視標を診ることはできない。模範的な実施形態においては、視標を提示するスクリーンがシャッタ眼鏡と同期して、第1の視標を第1の眼に示し、第2の視標を第2の眼に示すことができる。この能力によって一つ以上の視標を奥行があるように表示することができる。ここでは同様の効果を達成するために追加の方法が考えられる。例えば、前述したように、同様の効果を達成するためにアナグリフ型眼鏡等の3次元アイウェアを利用することもできる。
【0076】
図10Cに戻り説明すると、本発明の模範的な実施形態では第2の表示装置130から規定の距離に被検者190が位置する。第2の表示装置は4つの視標1030−1033のような複数の視標を提示する。被検者190は4つの視標のうちのどれに奥行(又は最大又は最小の奥行)を知覚したかを指示する入力をする。模範的な実施形態においては、被検者の入力により指示されることを目的とする視標はシステマティック又はランダムな位置に位置させることができる。例えば、視標を提示するために規定の位置を存在させることができるが、これらの規定の位置のどれも識別すべき視標の排他的位置にしないことができる。それゆえ、すべての視標は既知の位置に提示できるが、識別すべき視標はこれらの既知の位置を回転させることができる。更に他の実施形態においては、表示される視標の位置はランダムに又は擬似ランダムに変化させることができる。
【0077】
他の検査及び/又は訓練活動に対して先に検討したように、表示される視標のタイミング及び入力を検証するタイミングは一定にする、可変にする又はランダムにすることができる。更に、タイミングは奥行知覚の検査又は訓練のフレームワーク内で追加の可変性を与えるためにシステマティックに変化させることができる。
【0078】
更に、被検者により指示される視標と、同時に提示される他の視標の知覚された奥行との間の知覚された奥行の差は変化し得ることが予想される。例えば、視標の知覚された奥行の大きな不一致は被検者に最初に与えられるが、この不一致は被検者の能力の発達に部分的に基づいて系統的に変化し得る。それゆえ、被検者に表示される視標は一以上のファクタに適応させることができる。更に、視標を表示する又は入力を受信するタイミングも一以上のファクタの結果として変化させることもできる。
【0079】
遠近焦点調節の検査及び/又は訓練
発明によるシステムおよび方法は、被検者の目の焦点を近傍から遠方に、また遠方から近傍に変化させる被検者の視覚能力を検査および/または訓練するために使用することができる。本発明によるシステムおよび方法は、少なくとも1つの近位表示装置および少なくとも1つの遠位表示装置を使用することができる。遠位表示装置は、被検者から光学的無限遠に配置することができる。近位表示装置は、被検者から異なる距離、例えば数インチから数フィートにわたる範囲の位置に配置することができる。さらに、複数の距離に配置した複数の表示装置を使用することができ、例えば近位表示装置、遠位表示装置、近位表示装置と遠位表示装置との間の中間表示装置を使用することができる。また、複数の近位表示装置および/または遠位表示装置を使用することができる。さらに、表示装置を被検者から異なる方向に配置することができる。例えば表示装置の視角を相違させることができ、いくつかを被検者の視線左側に、いくつかを被検者の視線右側に配置することができる。さらに、表示装置を、被検者の垂直視線より高くまたは低く配置することができる。当業者は、特定の活動を行う個人を検査および/または訓練するために、表示装置の異なる位置決めを適切に行うことができることを理解されたい。例えば、野球の遊撃手は、投げられたボールを打つバッター(ほぼ光学無限遠にいる)から、ゴロのボールを捕球するために、ほぼ遊撃手の膝辺りにおけるグラウンド近傍位置に視覚焦点を瞬時にシフトする必要がある。この理由のために、遊撃手としてプレーする個人の視覚検査および/または訓練は、これら2つの位置に視覚的に焦点を合わせる個人能力に傾注する。本発明によるシステムおよび方法の様々な態様が添付図面と関連してより詳細に説明される。
【0080】
図31につき説明すると、被検者の遠近の視覚能力を検査および/または訓練するシステム3100が示されている。第1の表示装置(近位表示装置とも称する)はマルチタッチ装置3120を備え、被検者3110の視覚的近傍に配置することができる。第2表示装置3130は、被検者3110から視覚的遠方に配置することができる。第2表示装置3130(遠位表示装置または遠隔表示装置とも称する)は、被検者に対して光学無限遠またはその近傍に配置することができる。マルチタッチ装置はマルチタッチ装置3120及び/又は表示装置3130に表示された視標に応答する被検者3110からの入力を受信する。制御ユニット3150は近位表示装置3120及び遠位表示装置3130に接続することができる。
【0081】
図31に示されるように、視標3160は近位表示装置3120に表示することができる。図31に示されるように、視標3160はランドルト環を備える。図31に示されるように、視標のランドルト環は被検者3110から見て右向きである。被検者はマルチタッチ装置を右にストロークすることによって視標3160に応答することができる。
【0082】
図32につき説明すると、システム3100は、近位表示装置3120から視標3160が消去された状態を示している。例えば、被検者3110は、図31に表示された右向きの視標3160を、例えばマルチタッチ装置を右にストロークすることによって右向きであると正しく識別することができる。正しい入力を受信するとき、または正しくない入力を受信するとき、または所定時間中に入力を受信しないとき、検査ユニット3150は近位表示装置3120上の視標の表示を消去して、遠位表示装置3130に視標3260の表示を開始することができる。図32に示す実施形態においては、視標3260をランドルト環であり、このとき上向きである。被検者はマルチタッチ装置を上向きにストロークすることによって視標3260に応答することができる。視標3260として示すランドルト環の向きは図示の向きから変えることができること勿論である。図31及び図32に示されるランドルト環以外の視標を本発明に使用できる。例えば、数字、文字、絵、写真、または被検者3110に認識し得る他のタイプの視標を使用することができる。
【0083】
次に図33Aおよび図33Bにつき説明すると、本発明による方法3300が示されている。ステップ3310において、第1の視標を第1の距離で第1の時刻に表示することができる。例えば、ステップ3310は、第1時刻に近位表示装置上に視標を表示することができる。
【0084】
ステップ3315において、被検者が第1の視標を知覚したことを示す第1の入力を受信することができる。ステップ3315は、例えば、被検者からの入力を検出するために制御ユニットに結合されたマルチタッチ装置を使用することができる。入力は、例えば、表示される視標の持つ特徴、例えばランドルト環の向きを識別することができる。
【0085】
ステップ3320において、視標を表示した第1の時刻と第1の入力の受信時との間の経過時間を決定することができる。ステップ3320は、制御ユニットにより適切に実行することができ、制御ユニットはステップ3310において第1の視標の表示を制御するとともにステップ3315において第1の入力を受信するためにマイクロフォンと連動する。
【0086】
ステップ3325において、第1の入力を受信した後に、第2の視標を第2距離で第2時刻に表示することができる。例えば、視標は第2の時刻に遠位表示装置に表示することができる。ステップ3330において、被検者が第2の視標を知覚したことを示す第2の入力を受信することができる。
【0087】
ステップ3330は、受信する入力のタイプおよびその入力の受信の仕方に関してステップ3315と同様にすることができるが、表示視標を識別する特徴は異なる表示視標が持つ特徴に基づいて相違させることができる。
【0088】
ステップ3335において、第2の視標を表示した第2の時刻と第2の入力の受信時との間の経過時間を決定することができる。ステップ3335はステップ3320と同様に制御ユニットにより適切に実行することができる。
【0089】
ステップ3340において、第2の入力を受信した後に、第3の視標を第1の距離で第3の時刻に表示することができる。例えば、ステップ3340は、被検者がステップ3330において遠位表示装置に表示された視標に対して応答した後に、近位表示装置に第3の視標を表示することができる。ステップ3345において、被検者が第3の視標を知覚したことを示す第3の入力を受信することができる。ステップ3345はスクリーン3315と同様にすることができる。ステップ3350において、第3の視標を表示した第3の時刻と第3の入力の受信時との間の経過時間を決定することができる。ステップ3350はステップ3320と同様にすることができる。
【0090】
ステップ3355において、第3の入力を受信した後に、第4の視標を第2の距離で第4時刻に表示することができる。例えばステップ3355は、近位表示装置上の第3の視標の表示に応答する入力を受信した後に、遠位表示装置に第4の視標を表示することができる。ステップ3355はステップ3325と同様にすることができる。ステップ3360において、被検者が第4の視標を知覚したことを示す入力を受信することができる。ステップ3360はステップ3330と同様のものとすることができる。ステップ3365において、第4の時刻と第4の入力の受信時との間の経過時間を決定することができる。ステップ3365をステップ3335と同様にすることができる。
【0091】
ステップ3370において、決定した経過時間に基づいて被検者の能力を定量化して、スコアを計算することができる。視標の表示と適切な入力の受信を、経過時間の決定とともに、ステップ3370の前に繰り返し実行することができる。ステップ3370において、例えば、被検者が第1の距離で表示された視標に対して遅く応答したが第2の距離で表示された視標対して速く応答した場合、被検者は第1距離において焦点調節および両眼離反運動障害があり、第2距離にはその障害がないことを示す。
【0092】
次に、図34A及び図34Bにつき説明すると、本発明による他の方法3400が示されている。ステップ3410において、第1の表示装置は被検者に対して視覚的に近傍に設けることができる。ステップ3420において、第2の表示装置は被検者に対して視覚的に遠方に設けることができる。ステップ3420は、被検者に対して光学的無限遠またはその近傍に表示装置を設けることができる。
【0093】
検査/訓練ステップ3440において、当該ステップはいくつかのサブステップを有し、検査/訓練が終了するまで表示装置に視標を表示し、入力を受信することができる。サブステップ3441において、識別特徴を有する視標を、第1の時刻に第1の表示装置に表示する。サブステップ3442は、被検者から入力を受信したかどうかを決定する。ステップ3442は、例えば、近位表示装置としても入力装置としても機能するマルチタッチ装置と連動する制御ユニットにより実行することができる。サブステップ3442の結果が入力を受信しなかったという場合には、サブステップ3443においてタイムアウト決定が行われる。サブステップ3443のタイムアウト決定は、例えば制御ユニットで行うことができる。サブステップ3443でタイムアウトを決定した場合、方法500はサブステップ3446に進み、このサブステップ3446は後で説明する。サブステップ3442で入力を受信した場合、方法3400はサブステップ3444に進む。サブステップ3444は、入力が表示された視標の特徴を適正に識別しているかどうかを決定する。例えば表示される視標は、入力で識別可能な所定の向きを有することができる。方法3400は、このとき、第1の時刻からサブステップ3442において入力を受信するまでの経過時間を決定するサブステップ3445に進むことができる。方法3400は、次に、サブステップ3443でタイムアウト決定の結果を得た場合と同様に、サブステップ3446に進むことができる。サブステップ3446において、入力が特徴を正しく識別したものであるか、入力を受信するまでの経過時間、および/またはタイムアウトを生じたかを記録する。サブステップ3446は、例えば制御ユニットにより実行することができ、また電子記録媒体、例えばハードディスク、メモリ、コンパクトディスク、DVD、フロッピー(登録商標)ディスクなどの電子記録媒体、紙などの物理媒体への印刷、または他のタイプの記録デバイスを使用することができる。方法3400は、その後、識別特徴を有する視標を第2の時刻で視覚的に遠方の表示装置に表示するサブステップ3447に進む。方法3400は、次に、入力を受信したか否かを決定するサブステップ3448に進む。サブステップ3442と同様であるサブステップ3448は、マルチタッチ装置と連動する制御ユニットにより実行することができる。サブステップ3448の結果が入力を受信しなかったという決定である場合、方法3400は、タイムアウトを生じたかを決定するステップ3449に進む。タイムアウトを生じていない場合、方法3400は入力を受信したかを決定するサブステップ3448に戻る。サブステップ3449は、例えば、サブステップ3443と同様に制御ユニットにより実行することができる。サブステップ3448の結果が入力を受信したという決定である場合、方法3400はサブステップ3450に進む。サブステップ3450は、視標の特徴を正しく識別した入力であるかを決定する。方法3400は、次に、第2の時刻から入力を受信するまでの経過時間を決定するサブステップ3451に進む。方法3400は、次に、サブステップ3449の決定がタイムアウトを生じたという場合にも到達するサブステップ3452に進む。サブステップ3452は、入力が特徴を正しく識別したものであるか、入力を受信するまでの経過時間、および/またはタイムアウトを生じたかを記録する。サブステップ3446と同様に、サブステップ3452は任意のタイプの記憶媒体を用いる検査ユニットにより実行することができる。方法3400は、次に、検査又は訓練セッションが終了したかを決定するサブステップ3453に進む。サブステップ3453の結果がまだ検査/訓練が終了していないという場合、方法3400はサブステップ3441に戻り、検査/訓練を続行する。サブステップ3453の結果が検査/訓練が終了したという場合、検査ステップ3440を終了することができ、方法3400は、特徴を正しく識別した応答、経過時間、およびタイムアウトに基づいてスコアを計算するステップ3460に進む。スコアは、特に所定距離における被検者の能力を同定することができる。当業者であれば、更に、追加の表示装置を被検者から他の距離および他の向きで利用することができることが理解されよう。そのような実施形態では、他の距離にある追加の表示装置のための追加のサブステップを検査ステップ3440に含めることができる。
【0094】
サッカディック目標捕捉の検査及び/又は訓練
模範的な実施形態においては、統合視覚検査装置は被検者のサッカディック目標捕捉能力を検査及び/又は訓練するのに有効である。図35A−35Dにつき説明すると、調整可能な視標を用いる目標補足検査及び/又は訓練が示されている。図35A−35Dに示される例では、表示装置3520は表示装置3520の中心又はその近傍に焦点3521を表示する。被検者(図示せず)は焦点3521に視覚的に焦点を合わせることができ、被検者が焦点3521を凝視している間に調整可能な視標を表示装置3520のコーナ部等のくつかの位置に表示することができる。しかし、視標は表示装置上の任意の位置に表示することができ、実際上、本発明によれば表示される視標の位置を調整可能な特徴とすることができ、即ちこの検査及び/又は訓練によって焦点3521から変化する距離における及び/又は表示装置3520上の異なる凝視角における被検者の目標捕捉能力を発達させることができる。一般に、焦点3521を凝視している被検者(図示せず)は表示された視標を視覚的に捕捉し視標が持つ特徴を知覚するためにサッカディック眼球運動を行う。35A−35Dに示す例では、視標は向きを持つランドルト環である。目標捕捉検査及び/又は訓練のために表示される視標のサイズは、上述したように調整可能な視標を用いて事前に決定された静止視力等の視覚的感度の評価に基づくものとすることができる。更に、図35A−35Dに示す例は、入力装置としてマルチタッチ装置3590を用いる。被検者(図示せず)は表示されたランドルト環の向きの方向を示すために指でマルチタッチ装置3590をその方向にスイープすることができる。図35Aの例では、第1の視標3525は表示装置3520の左上コーナに表示され、被検者(図示せず)はマルチタッチ装置3590を矢印3591で示すように右にスイープしている。図35Bの例では、視標3526は表示装置3520の右上コーナに表示され、下向きのランドルト環であり、この視標に対して被検者(図示せず)はマルチタッチ装置3590を矢印3592で示す下向きにスイープすることによって応答する。図35Cの例では、視標3527は表示装置3520の右下コーナに表示され、左向きのランドルト環であり、この視標に対して被検者(図示せず)はマルチタッチ装置3590を矢印3593で示す左向きにスイープすることによって応答する。図35Dの例では、視標3528は表示装置3520の左下コーナに表示され、上向きのランドルト環であり、この視標に対して被検者(図示せず)はマルチタッチ装置3590を矢印3594で示す上向きにスイープすることによって応答する。図35A−35Dに示す例では、表示される視標3525,3526,3527,3528は検査及び/又は訓練の異なる反復において変化する特徴を有することができる。例えば、所定の視標が表示される持続時間、表示される視標の焦点3521からの距離及び/又は方向、視標の色、視標の背景に対するコントラスト、視標のサイズ、又は表示される視標の任意の他の視覚的特徴を単独で又はその背景と一緒に変化させることができる。
【0095】
次に図36につき説明すると、異なるトライアルに対する視標の速度が示されている。図36において、黒点は表示された視標の特徴に対応する正しい入力を示すが、白点は表示された視標の特徴に対応する誤応答又は無応答を示す。図36に示す例では、視標はS,S,S,S及びSとして示す最低速から最高速までの5つの速度のうちの一つの速度で移動する。この例では、第1の反復トライアルIはSで移動する視標を使用し、黒点で示されるように、被検者は表示された視標に対して正しい入力を与えた。図36の例において更に示されるように、第2の反復トライアルIは第1の速度Sで移動する視標を使用している。反復トライアルIは黒点で示されるように被検者から正しい入力が生じた。図36の例では、反復トライアルIは速度Sで生じ、白点で示されるように被検者から誤応答又は無応答が生じた。図36の例では、反復トライアルIは速度Sで生じ、このトライアルも白点で示されるように被検者から誤応答又は無応答を生じた。その後、この例では、被検者は速度Sでの反復トライアルI及びIに対して正しい応答を与え、速度Sでの反復トライアルIに対して誤応答又は無応答を与え、速度Sでの反復トライアルI及びIに対して2つの連続する正しい応答を与えた。図36に一例として示される動体視力検査は反復トライアルI以後も進めることができるが、被検者の動体視力は速度Sで移動する視標を識別することができるものとして決定することもできる。
【0096】
視覚認知スパンの検査及び/又は訓練
被検者の視覚認知スパンは、一次元又は2次元表示を被検者に提示し、一次元又は2次元表示に対する被検者の知覚に基づく被検者からの入力を受信し、受信した入力を処理するシステム及び/又は方法を用いて検査及び/又は訓練することができる。視覚認知スパン検査及び/又は訓練は、実行する評価を被検者のニーズに基づいて変化させることができるように設定可能にすることができる。この場合、受信した入力は、例えば被検者の視覚認知スパンに関するデータを全体的に又は各被検者の評価ごとに計算するために使用することができる。更に、被検者が一次元又は2次元表示をどのくらい速く知覚できるかを決定することによって被検者の視覚認知速度を検査及び/又は訓練することができる。
【0097】
次に図37につき説明すると、本発明の一実施形態による第2の表示装置3720が更に示され、本例ではタッチセンシティブスクリーンを備える。第2の表示装置3720は複数の出力部分3725を備えることができる。図37に示される出力部分3725は不活性状態を示す。出力部分3725は活性状態と代替状態(例えば不活性状態)との間で切り替え表示できるスクリーンの部分とすることができる。第2の表示装置3720の出力部分3715は2次元表示に配列することができる。出力部分3725は2つ以上の色を備えることもでき、出力部分の2つ以上の色は活性状態と不活性状態とを区別するために使用することができる。第2の表示装置の出力部分3725の活性状態は第2の表示装置3720により被検者に与えられる情報の量を決定することができ、第2の表示装置3720の活性状態の持続時間は表示される情報を知覚するために被検者が使用できる時間を決定することができる。図37に提示されるように、各出力部分3725は「不活性」状態である。
【0098】
図38につき説明すると、本発明の一実施形態による第2の表示装置3820が更に示されている。第2の表示装置3820は活性出力部分3827と不活性出力部分3826との区別を示している。活性出力部分3827に加えて、不活性出力部分3826は表示装置3820上の格子の残部を構成するものとして表され、不活性出力部分3826は空白特徴で表すことができる。
【0099】
図39は、2次元視覚情報の表示が終了した後に被検者からの応答を入力するために使用中の第2の表示装置を示す。入力装置3930及び表示装置3920は単一のタッチセンシティブスクリーンを備えることができる。図39に示されるように、入力装置3930は、例えば表示装置3820に表示された刺激に応答する被検者の応答入力を指示するために使用されている。入力装置3930は入力部分3935を備え、入力部分は活性部分3936及び不活性入力部分3937として分類することができる。図39の入力部分3935は図37に示される出力部分3725と同じにすることができる。
【0100】
図40につき説明すると、本発明の一実施形態による視覚認知スパン及び/又は速度評価4070が示されている。図40は、視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練のために表示された視覚情報に対する被検者の応答入力の正確さを表している。図40は、被検者が選択した入力部分を示すために使用し得る一群の入力方形部4071を示す。図40に示すように、空白入力方形部4072は被検者が入力をエンターしなかった部分を示す。対照的に、方形部4073のような非空白入力方形部は被検者が入力をエンターした部分を示す。図40に示すように、すべての非空白入力方形部は方形部4073と同様の正しい入力方形部として示されている。被検者が表示装置に提示された一以上の画像に応答して入力装置に正確な入力をエンターしたことを示すために正しい入力方形部に「×」印をつけることができる。図40に示すこのような被検者の検査結果の視覚的特性描写は被検者の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練の一部分として必要でなく、また所望でないかもしれないが、本発明の理解を容易にするために提示されている。
【0101】
図41は本発明の一実施形態による第2の表示装置4120の他の例を示す。第2の表示装置4120は複数の出力部分4125を備える。図38と同様に、図41は更に活性出力部分4127及び不活性出力部分4126の区別を示している。出力部分4125の間の区別によって、図41は活性出力部分4127の2次元表示を示している。活性出力部分4127に加えて、不活性部分4126が第2の表示装置4120上の格子の残部を構成するものとして表示されている。代替実施形態では、出力部分の間の区別は塗りつぶし部分対空白部分のようなバイナリ特徴に限定する必要はない。代替実施形態では、出力部分は複数のファクタに基づいて互に区別することができる。例えば、4種類の出力部分をカードに見られるような2つに特徴:赤色である出力部分対黒色である出力部分及びダイアモンド、ハート、クラブ及びスペードである出力部分の追加の区別に基づいて区別することができ、この例は例えば赤色のスペード及び黒色のダイアモンドなどの可能性を残す。
【0102】
図42に示される入力装置4230は、図41の表示装置4120に示されるような表示を有する第2の表示装置のタッチセンシティブスクリーンで被検者により入力された模範的な応答を示す。入力装置4230は複数の入力部分4235を備える。図38と同様に、図42は被検者によりタッチされた活性入力部分4237と不活性部分4236との区別を更に示している。図42に示すように、入力装置4230は被検者の入力を反映する。図42の2次元入力表示を図41の2次元出力表示と比較すると、図42に示す被検者の応答入力は図41に示す2次元表示と相違することが分かる。
【0103】
図43は、図41に示す出力を図42に示す入力と比較する本発明の一実施形態による視覚認知スパン及び/又は速度評価4370を示す。図43は、被検者に表示された視覚情報に応答して被検者から受信される入力の比較も示す限りにおいて図40に類似する。しかし、図40と対照的に、図43は被検者により入力された応答入力のいくつかは図41に示す視覚情報と比較して正しくないというシナリオを示している。図40と同様に、図43は被検者が表示装置により表示された視覚情報に応答して入力をエンターしなかった部分を示す入力方形部4371を示している。図43は空白入力方形部、例えば方形部4372と、被検者が表示装置に表示された視覚情報に応答して入力をエンターした部分又は被検者が表示装置に表示された視覚情報に応答する位置で応答を入力できなかった部分を示す非空白方形部、例えば方形部4373,4374及び4375を示している。
【0104】
非空白方形部は、被検者が入力を正しくエンターしたかどうかを示すために異なる記号で示されている。図43に示すように、いくつかの非空白方形部は正しい入力、例えば方形部4373を示す。正しい入力方形部は、被検者が表示装置に表示された視覚情報に応答して入力装置に正確な入力をエンターしたことを示すために「×」で示される。同様に図43に示すように、いくつかの非空白方形部は正しくない入力方形部、例えば方形部4374及び4375を示す。方形部4375と同類の正しくない入力方形部は、被検者が第2の表示装置4130上の活性出力部分に対応する入力部分で応答を入力できなかったことを示すために、垂直ハッチで示す。方形部4374と同類の正しくない入力方形部は、被検者が第2の表示装置4130上の活性出力部分に対応しない入力部分で応答を入力したことを示すために、水平ハッチで示す。図43の説明図及び上述した指示マークは一例にすぎず、本発明の範囲を限定する意図はない。更に、被検者の検査結果の視覚的特性描写は必要でも所望でもないこともあるが、本発明の理解を容易にするために提示されている。
【0105】
次に図44につき説明すると、本発明の一実施形態による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する方法4400が示されている。以下において、採用する方法の種々の部分を包含するために用語「ステップ」及び「ブロック」を使用するが、これらの用語は、個々のステップの順序が明示的に記載されない限り、種々のステップの特定の順序を意味するものと解釈すべきではない。
【0106】
ステップ4410において、2次元図形を含む視覚情報を表示装置で被検者に提示する。次に、ステップ4420において、表示された2次元図形に対応する応答入力を入力装置で受信することができる。実施形態においては、単一のタッチセンシティブスクリーンを表示装置としても入力装置としても使用することができる。ステップ4430において、処理構成要素が受信した入力を表示した2次元図形と比較することができる。方法4400のステップは、例えば図1Aに示す制御ユニット120のようなコンピュータ装置によって一つ以上の表示装置及び一つ以上の入力装置と連携して実行することができる。
【0107】
図45は本発明の一実施例による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する方法4500を示す。ステップ4510において、表示装置の視野内に被検者を位置させることができる。表示装置は2次元に配列された個別に活性化可能な表示部分を有するものとし得る。ステップ4520において、入力装置の範囲内に被検者を位置させることができる。ステップ4510の表示装置及びステップ4520の入力装置は、被検者に情報を表示することも被検者から入力を受信することもできる単一のタッチセンシティブ表示装置とすることができる。入力装置は2次元に配列された個別に接触し得る入力部分を有するものとすることができる。その2次元配列は表示装置の表示部分の配列に対応させることができる。或いは又、その2次元配列は多数の異なる表示装置の寸法に対応させることができるように表示部分よりも大きくすることができる。
【0108】
ステップ4530において、第1の量の視覚情報を被検者に与えるために表示装置の表示部分のサブセットを第1の期間中活性化することができる。ここで、「期間」とは個別の時間量を指す。サブセットは異なる色、異なるサイズ等の変化した特徴を有する表示部分を含むことができる。ステップ4530中に表示される情報量は活性化されるサブセットに含まれる表示部分の量及び/又はサブセットの持つ特徴に直接関連し得る。第1の期間後に、ステップ4540においてサブセットからの入力を入力装置でエンターすることができる。単一のタッチセンシティブスクリーンは表示装置と入力装置の両方を構成することができる。エンターされる入力は入力装置の入力部分のサブセットを含むことができる。ステップ4540はステップ4530の期間に続く第2の期間中に行うことができる。第2の期間の経過後に、被検者は追加の入力を阻止される。入力が入力装置でエンターされると、活性化された表示部分のサブセットと入力部分のサブセットとの間の一致を第2の期間中にエンターされた入力に基づいて決定することができる。
【0109】
方法4500は被検者の視覚認知速度及び/又はスパンを検査及び/又は訓練するために任意の回数反復することができる。ステップ4530で表示される情報の量は被検者の視覚認知スパンを検査及び/又は訓練するために異なる反復において変化させることができる。被検者の視覚認知速度を検査及び/又は訓練するために表示装置のサブセットを活性化する第1の期間を異なる反復において変化させることができる。
【0110】
図46につき説明すると、本発明の一実施例による被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する方法4600が示されている。ステップ4605において、2次元表示を表示し得るビューアブル表示装置を被検者に与える。ステップ4610において、2次元入力を受信し得るアクセス可能な入力装置を被検者に与える。単一のタッチセンシティブスクリーンは表示装置と入力装置の両方を構成することができる。代わりに、2次元入力装置は被検者が表示装置上で視た活性部分の位置に対応する入力装置上の位置を指示できる一連のボタン及び/又はタッチスクリーン部分を備えるものとすることができ、表示装置は任意のタイプのモニタ、ディスプレイ等とすることができる。ステップ4615において、2次元表示を含む視覚情報を表示装置に表示する。ステップ4615で表示される視覚情報の量は被検者の視覚認知スパンを検査及び/又は訓練するために制御することができる。表示装置上の2次元表示の提示をステップ4620において停止することができる。ステップ4620前のステップ4615の持続時間は被検者の視覚認知スパンを検査及び/又は訓練するために制御することができる。
【0111】
ステップ4625において、被検者からの2次元入力を入力装置で受信する。一つ以上の入力が2次元表示の提示がステップ4620で停止された後の時刻に入力され得る。2次元応答入力を入力装置で受信した後に、その応答はステップ4630において表示装置に表示された2次元表示と比較することができる。比較によって、2次元応答入力と表示装置に表示された2次元表示との一致の程度に関する決定を行うことができる。一致の程度はステップ4635において記憶することができる。更に、2次元応答入力を受信した時刻をステップ4640において記憶することができ、この情報は応答の速さの示度として使用することができる。
【0112】
ステップ4645において、被検者の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練が完了したかについて決定を行うことができる。検査及び/又は訓練が完了してない場合には、方法4600はステップ4610に戻ることができる。しかし、検査及び/又は訓練が完了した場合には、方法4600はステップ4650に進み、例えば2次元応答入力と表示装置に表示された2次元表示との一致の程度等の情報を用いて性能スコアを計算することができる。視覚情報が表示された期間の持続時間、応答の速さ、被検者による以前の検査及び/又は訓練等も使用することができるが、これらの情報の一部分のみを使用することもできる。
【0113】
次に図47A−47Cにつき説明すると、被検者4790の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練において、表示装置及び入力装置の両方としてタッチセンシティブスクリーン4740を使用することができ、被検者は検査及び/又は訓練に自身の感覚記憶を利用することができる。
【0114】
タッチセンシティブスクリーンはキヨスク4710に一体に固定することができ、また調整可能に取り付けることができる。制御ユニット4720は接続4742を介してタッチセンシティブスクリーンに接続することができる。制御ユニット4720は任意のタイプの計算装置又はプロセッサ、記憶装置、ネットワーク接続などを備えた任意のタイプのコンピュータ装置とすることができる。接続4742は任意の例えばープロトコルの有線又は無線接続とすることができる。
【0115】
制御ユニット4720は、タッチセンシティブスクリーン4740に空間的に配列された視標、例えば第1の視標4760、第2の視標4761、第3の指標2762及び第4の視標4763、を表示させることができる。制御ユニット4720はタッチセンシティブスクリーン4740からタッチ入力、例えば第1の選択4770、第2の選択4771、第3の選択4772及び第4の選択4773、を受信することもできる。当然のことながら、被検者4790は必ずしも表示された視標に正しく対応する入力を首尾よくエンターすることができるわけではない。上述したように、制御ユニットは被検者4790の認知スパンの測定値を得るために被検者4790による選択の正確さを測定することができるとともに、もっと多くの又はもっと少ない視覚情報を異なる検査及び/又は訓練の反復に含めることができる。上でも述べたように、被検者4790の認知速度の測定のために視標を表示する持続時間を制御ユニット4720によって変化させることもできる。更に、被検者の応答に要する時間を測定し記録することもできる。
【0116】
次に図48について説明すると、被検者の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練用のための変化する量の視覚情報を表示し得る表示装置の他の実施形態が示されている。表示装置4800は被検者に視覚情報を与えるために2次元空間配列の複数の視標を表示することができる。表示装置4800は、被検者が先に表示された視覚情報に対応する入力を表示装置4800にタッチすることによってエンターできるようにタッチセンシティブにすることができる。図48の例に示す視標は活性化又は不活性化し得る個別の円を備えるが、単なる活性化又は不活性化を上回る様々な特徴を持つ他のタイプの視標を使用することができる。使用中、表示装置48の視標のサブセットを第1の期間中活性化し、その後不活性化することができ、その間被検者は先に活性化された表示装置4800の部分にタッチすることを試みることができる。図48に示すように、視標は拡大する同心円、例えば第1の円4810、第2の円4820及び第3の円4830に配列される。第1の円4810は複数の第1の視標、例えば4815を含むことができる。第2の円4820は複数の第1の視標、例えば4825を含むことができる。第3の円4830は複数の第1の視標、例えば4835を含むことができる。本発明によれば、本発明の範囲を逸脱することなく、図48に示す3つより多数又は少数の同心円を使用することができ、任意の所定の同心円は図48に示す例より多数又は少数の視標を含むことができる。各同心円が所定の最大量の可能な視覚情報(本例では所定数の視標)を含む複数の同心円の使用は、被検者の視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練中に提示される視覚情報の量を、もっと多数又は少数の円内の視標を用いることで、特定の反復検査に対してもっと多量又は少量の視覚情報を含むように調整することが可能になる。例えば、検査及び/又は訓練セッションは第1の円4810内の視標のみを用いて開始することができる。被検者が第1の円4810内の視覚情報の所定数の表示に正しく応答した後に、更なる検査及び/又は訓練は第1の同心円4810及び第2の同心円4820の双方に含まれる視標を用いて実行することができる。被検者がこのような反復検査に正しく応答した場合、被検者はその後第1の同心円4810、第2の同心円4820及び第3の同心円4830を用いて検査及び/又は訓練の反復を実行することができる。検査及び/又は訓練の反復は最大量の可能な情報を用いて開始し、検査及び/又は訓練のコースに沿って提示情報を減少させることができ、また検査及び/又は訓練の反復はより多くの情報が被験者に表示される回とより少ない情報が被検者に表示される回の間で変化するように他の方法で分布させることもできる。
【0117】
次に図49につき説明すると、本発明による複数のレベルを用いて被検者の視覚認知スパン及び/又は速度を検査及び/又は訓練する他の方法が示されている。方法4900は、反復ごとに表示される情報の空間範囲を変化させるために図48に示されるような同心円の視標を利用することができるが、方法4900は、任意の所定の反復に対して表示される情報の量、表示される情報の知覚難易度、所定の情報セットが表示される時間量を変化させる他の表示構成を使用するように構成でき、さもなければ反復の難易度を変化させるここともできる。ステップ4910において、被検者の知覚認知スパン及び/又は速度は所定の空間範囲内で検査及び/又は訓練することができる。ステップ4910における所定の空間範囲は、例えば図48に示す第1の円4810とすることができる。ステップ4920において、レベルは完了したかについて決定が行われる。ステップ4920の決定は前レベルで実行された反復の数、前レベルで与えられた正確な応答の数、前応答の正確さ等の基準に基づいて行われる。ステップ4920の結果がレベルは完了してない場合には、方法4900はステップ4910に戻る。ステップ4920の結果がレベルは完了したである場合には、方法4900はステップ4930に進むことができる。ステップ4930はレベルを上げるかについて決定を行う。ステップ4930の結果がレベルを上げるである場合には、方法4900は視覚認知スパン及び/又は速度の検査及び/又は訓練のために所定の視覚範囲を増大するステップ4940に進む。例えば、ステップ4940は空間範囲を図48に示す第1の円4810及び第2の円4820の両方を含むように増大することができる。その後、方法4900はステップ4910に戻り、増大した空間範囲を用いる。ステップ4930の決定がレベルを上げないである場合には、方法4900は被検者の能力を記録するステップ4950に進むことができる。ステップ4950は他の測定と同時に実行することができること勿論である。方法4900はその後被検者の能力を出力するステップ4960に進む。ステップ4960は、表示装置へのスコアの表示、被検者の能力の報告書の印刷、ローカル記憶媒体上又はリモートサーバ又は記憶媒体上での被検者の能力の電子レポートの作成、又は同時又は後の使用のための被検者の能力の測定値を付与する他の方法などを含むことができる。
【0118】
眼と手の協調性の検査及び/又は訓練
眼と手の協調性は視覚的刺激に応答する個人の能力を意味する。本発明の特徴は他のタイプの協調性(例えば眼と足の協調性)を検査及び/又は訓練するのに使用することができるが、ここでは概して眼と手の協調性の検査及び/又は訓練について記載する。
【0119】
一連の視標をタッチセンシティブスクリーンに表示できる。検査及び/又は訓練中の被検者は、例えばタッチスクリーンに表示されている視標を手及び/又は指タッチすることによって視標に対して適切な応答をすることができる。視標の特徴、例えばそれらの色、は異なる応答が適切であること又はその視標は完全に無視すべきであること(例えばゴー/ノーゴー検査)を指示することができる。例えば赤色表示の視標は無応答を要求し、緑色視標は物理的接触を要求するものとし得る。他の特徴は適切と見なされる特定の手又は動きを要求する。
【0120】
本発明の実施形態は、被検者が視標に適切に応答する速度と被検者が指標に応答する正確さの両方を決定することができる。例えば、被検者は速いが正確でないことがあり、例えばアスリートは視標が表示されると標示スクリーンに入力としてタッチするが、そのタッチは標示された視標の所定の領域内でないことがある。代りに、被検者は正確であるが速くないことがあり、例えば被検者は視標を識別し、標示された視標の所定の領域内にタッチするのに時間を要することがある。その結果、被検者の眼と手の協調性を測定し、記録し、採点することができる。被検者の眼と手の協調性は視標により指示される位置に手を動かす個人的能力に関連する。被検者の眼と手の協調速度は表示視標に応答するのに要する個人のラップタイムに関連する。速度及び正確さは個人的に相違し、他の個人と比較しても相違する。
【0121】
次に図50につき説明すると、標示される視標とタッチ応答との間の距離の測定に関する態様が示されている。視標5015は中心5016を有する。図50に示されるように、被検者は視標5015に手又は指でタッチしようと試み、点5018に中心を持つ点でスクリーン5010にタッチしている。図50に示されるように、タッチ点5018は視標の中心5016と正確に一致しない。タッチ応答の正確さを決定するために視標の中心5016と指5017によるタッチの中心5018との間の距離を計算することができる。
【0122】
模範的な実施形態では、視標5015の中心点5016の距離5020内で生じる被検者のタッチは所定の閾値内である。例えば、距離5020は、視標5015が円形視標である場合には、視標5015の半径と一致させることができる。しかし、距離5020は中心点5016から任意の距離にすることができ、例えば視標のグラフィック表示(例えば視標5015で表される領域)より大きい又は小さい距離にすることができることが想定される。
【0123】
更に、視標5015等の視標は検査及び/又は訓練中任意の時刻に表示画面(例えばスクリーン5010)の任意の位置に提示することができる。例えば、被検者の予測又は記憶を阻止するために、眼と手の強調性検査及び/又は訓練のための視標は擬似ランダム位置に不規則時間隔で提示することができる。更に、視標が標示される位置を変化させることによって、被検者の視野の全ての領域を検査及び/又は訓練することが可能になる。従って、追加のもしくはより少ない検査及び/又は訓練を必要とするために所定の凝視角が決定される場合には、このような制限を条件として検査及び/又は訓練活動を生じさせることができる。例えば、ある種のスポーツは被検者の凝視領域の特定の位置における眼と手の協調に重点を置く必要があり、検査及び/又は訓練活動をこのような要件を満足するように調整することができる。
【0124】
同様に、能力は視野/凝視角に基づいて分析することができる。被検者の様々な凝視角を含む様々な位置において被検者により入力された応答に基づいてメトリクスを収集し、維持することができる。その結果、メトリクスはどの位置及び得られる被検者の凝視角が他の又は周囲の位置及び得られる凝視角に対して変化したかを示すために分析することができる。前述したように、これは被検者のスポーツと通常関連する活動のタイプに依存して重視することができる。
【0125】
前述したように、被検者の速度及び/又は正確さを検査及び/又は訓練することができる。例えば、速度の検査は視標が提示されたときタイマを開始させ、被検者が入力を与えるとき停止させることができる。模範的な実施形態では、被検者の速度は、タッチ点が視標の所定の距離内であるときにのみ計算することができる。代替実施形態では、速度は被検者の入力の正確さ及び/又は正しさと無関係に決定する。同様に、正確さの測定は、被検者が視標内で入力を与えるとき肯定入力を生じ、被検者が視標外で入力を与えるとき否定入力を生じるバイナリ結果を含むことができる。更に他の実施形態では、正確さは標示された視標の中心点からの又は一般に標示された視標からの距離に基づいて測定する。この模範的な実施形態では、入力が与えられる目標の中心点からの半径距離が大きいほど、その結果の正確さが被検者に対して低くなるようにブルズアイタイプのパターンを使用することができる。
【0126】
ゴー/ノーゴーの検査及び/又は訓練
ゴー/ノーゴー検査及び/又は訓練は、変化する特徴の視標を被検者に与え、現在提示されている特徴に応じて入力を実行する又は実行しないことを被検者に期待する活動である。例えば、図10I及び10Jについて前述したように、第1の特性又は第2の特性を有する視標を被検者に提示することができる。被検者は、視標の特性に応じて応答を実行する又は実行しないことを期待される。例えば、空白円(例えば図10J)が提示されるとき、被検者は入力を実行すること、例えばタッチスクリーンに接触することを指示される。これらの指示は更に、塗りつぶし円(例えば図10I)が提示されるとき被検者は入力を実行しないことを指示することができる。
【0127】
適正な「ゴー」視標を正しく識別する被検者の能力を監視し記録するのに加えて、「ノーゴー」視標が提示されたとき、入力を実行するのを正しくやめる被検者の能力も監視し記録するのが望ましい。このように、偽陽性及び偽陰性の両方を監視することができる。
【0128】
ここで議論される他の検査及び/又は訓練と同様に、被検者に提示する視標は表示スクリーン内の擬似ランダム位置に位置させることができることも考えられる。表示位置の不規則性は結果を変更し得る被検者の予測を禁止することができる。更に、視標が標示スクリーンの大きな面積をカバーする場合には、凝視角の影響をゴー/ノーゴー活動の分析に含めることができる。しかし、一つ以上の変数(例えば目標捕捉時間)を除去するために視標は一定の位置又は少なくとも論理的な位置に提示することができることも考えられる。更に、視標を被検者に表示する時間もランダムにする、一定にする又は変化させることができる。例えば、視標を表示する時間は一定の時間隔に維持できるが、多数の視標の表示の時間間隔は結果への予測効果を低減するために変化させることができる。
【0129】
更に他の模範的な実施形態においては、視標の特徴又は特性は任意の点でシステマティック又はランダムに変更させることができる。例えば、視標の形、色、陰影、輝度、向き、サイズ又は他の属性を全体的に又は部分的に変更、修正又は変化させることができる。模範的な実施形態では、視標の多数の特徴を任意の所定の表示において変化させる。更に、入力を実行するかどうかを決定するとき被検者が多数の特徴を識別しなければならないように多数の「ゴー」特徴及び多数の「ノーゴー」特徴を被検者に与えることができる。
【0130】
表示された視標へのタッチによって正しく識別する能力を監視するのに加えて、被検者が入力を実行するのに要する時間も監視することができる。模範的な実施形態では、視標は第1の期間中提示することができるが、被検者は第2の期間内に入力を実行することができる。第2の期間は第1の期間より長くまたは短くすることができる。従って、一実施形態では、第1及び第2の期間のどちらが長くても、入力が所定の閾値内に受信される場合に入力を記録する。しかし、追加の実施形態では、入力を記録するためには第2の期間を第1の期間に等しいかそれより短くしなければならない。
【0131】
従って、模範的な実施形態においては、被検者は第1の特性が視標に提示されるとき入力を実行することを指示され、第2の特性(又は第1の特性)が視標に提示される(又は提示されない)とき入力の実行をやめることを指示される。被検者はゴー/ノーゴー入力を指示するためにタッチスクリーンディスプレイ又はマルチタッチ装置にタッチすることで入力を実行することができる。ここで議論される追加の入力を実施することも考えられる。被検者が表示スクリーンを視ているとき、一つ以上の特性を有する視標が表示スクリーンにより被検者に提示される。このとき、被検者はその視標が特徴(又は特徴の欠如)によって「ゴー」視標を示すのか「ノーゴー」視標を示すのかを決定しなければならない。被検者が決定を行うとき、被検者はゴー及び/又はノーゴーを示す入力を実行(又は中止)する。入力が適切な入力と一致する場合にコンピュータ装置によって決定が行われる。この決定に基づいて、一以上のメトリクスが計算される。プロセスは活動の終了前に規定の数又は計画的な数の反復に亘って続けることができる。終了時に、一以上のメトリクスを被検者について計算することができる。
【0132】
反応時間の検査及び/又は訓練
次に図51A−51Dにつき説明すると、反応時間の検査及び/又は訓練に使用した本発明の一例が示されている。図51A−51Dに示す例はキヨスクの第2のタッチセンシティブスクリーンを利用することができる。図51Aに示すように、スクリーン5100は第1の目標5130及び第2の目標5140を表示することができる。第1の目標は被検者5110の手5120に対して開始点を構成する。検査及び/又は訓練において、第2の目標の上に手を置くことによって反応の指示が与えられるまで、被検者は手5120を第1の目標5130の上に置くことができる。図51Aに示す例では、反応時間の検査及び/又は訓練は第1の状態(本例では黒色)を有する第1の目標5130及び第2の状態(本例では白色)を有する第2の目標5140で開始する。図51Bにおいて、第1の目標5130の状態は白に変化し、第2の目標5140は黒に変化している。ここに示す例では、この色の変化は被検者の手を第1の目標から第2の目標へできるだけ速く移動させるための被検者に対する指示である。図51Cは第1の目標5130から第2の目標5140へ移動する際の被検者の手5120を示す。図51Dは第1の目標5130から第2の目標5140への移動を終了した被検者の手5120を示す。キヨスクの第2の表示装置のようなタッチセンシティブスクリーンの使用は、統合検査及び/又は訓練システムによって視標が被検者に与えられる時刻(本例では第1の目標及び/又は第2の目標の状態の変化時)、被検者の手が第1の目標から離れる時刻及び被検者の手が第2の目標に接触する時刻を記録することを可能にする。当然のことながら、手を第1の目標から第2の目標へ移動させるために他の指示を被検者に与えることができ、例えば目標の視覚特性の変化、音又は視覚的刺激等の刺激の変化、又は第2の目標の外観の変化を利用することができる。例えば、第2の目標は反応時間の検査及び/又は訓練の最初から視覚的に表示する必要はなく、手を移動させるための被検者に対する指示として出現させることができる。このような場合には、第2の目標は表示装置上の様々な位置に出現させることができる。
【0133】
入力装置及び/又は出力装置として使用するマルチタッチ入力装置及び/又は携帯表示装置
本発明の実施形態は、知覚検査に対する入力をメモリ及びプロセッサを有するタッチスクリーン装置によって受信するシステム、方法及びコンピュータ記憶媒体に関する。本方法は、知覚検査及び/又は訓練装置から無線通信プロトコルによって命令を受信するステップを備えることができる。命令はタッチスクリーン装置にグラフィック要素を表示させるコマンドからなる。本方法は、タッチスクリーン装置の画面にグラフィック要素を表示するステップも含む。本方法は、被検者から、被検者とタッチスクリーン装置の画面との物理的接触の形の入力を受信するステップを更に含む。この入力は知覚検査又は知覚訓練活動に対する応答である。本方法は、無線通信プロトコルを利用して入力を知覚訓練装置に通知するステップも含む。
【0134】
知覚入力タッチ装置は被検者からの入力を受信し得るタッチスクリーン装置である。例えば、知覚入力タッチ装置は一以上のタッチを検出し、一以上の被検者の意図の指示に変換し得る容量型表示スクリーンを含むことができる。タッチスクリーン装置は、被検者の入力を識別するために種々の技術を実装することができる。例えば、タッチスクリーンは、抵抗技術、容量技術、表面音響波技術、赤外技術、ストレインゲージ技術、分散信号技術及び音響パルス認識技術等の技術に基づくものとすることができる。一般に、タッチスクリーン装置はタッチのような入力を受信するよう機能する領域に一以上のグラフィック要素を表示することができる。模範的なタッチスクリーン装置104はカルフォルニア州クパチーノ所在のアップル社から市販されているアイポッドタッチ(商品名)を含むことができる。同様に、模範的なタッチスクリーン装置104はゲーム機(例えば、日本のソニー社から市販されているプレイステーションポータブル(商品名))を含むことができる。
【0135】
更に、知覚入力タッチ装置は統合視覚検査及び/又は訓練システムの一以上の構成要素及び装置と無線通信することができる。例えば、知覚入力タッチ装置は、トランスポート制御プロトコル(TCP)又はユーザデータグラムプロトコル(UDP)等のインターネットプロトコル(IP)を用いて通信するよう機能する。UDPはユニバーサルデータグラムプロトコルとも呼ばれている。UDPは最小メッセージ向けトランスポート層プロトコルであり、IETE RFC768に文書化されている。典型的には、UDPはデータの高速通信を促進するコンタクトレス通信を可能にする。その結果、UDPをタッチスクリーン装置からのユーザ入力の通信に使用してシステム誘起レイテンシを低減するのが望ましい。例えば、コンピュータ装置が知覚入力タッチ装置にグラフィックイメージを表示するよう命令し、知覚入力タッチ装置がグラフィックイメージに応答してユーザ入力を返送する知覚検査測定反応時間に起因するシステム誘起レイテンシを低減するのが望ましい。被検者の反応時間は知覚入力タッチ装置とコンピュータ装置との間の通信と関連する遅延に基づいて影響される。従って、システム誘起レイテンシを最小にするUDPのようなプロトコルが有利である、
【0136】
図52に戻り説明すると、この図は本発明の模範的な実施形態による知覚検査及び訓練装置5208から表示されるグラフィック要素5210に応答して入力5026をタッチスクリーン装置5202に入力する被検者5204を示す。模範的な実施形態では、被検者5204は知覚検査及び訓練装置5208から規定の距離5212に位置する。例えば、一以上の知覚検査及び訓練活動は被検者が知覚検査及び訓練装置5208から特定の位置に位置することを要求する。
【0137】
規定の距離5212のために、タッチスクリーン装置5202は無線接続を利用して通信することができる。模範的な実施形態では、無線接続は被検者を知覚検査又は訓練の活動にコードや有線接続によって妨げられることなく参加させることを可能にするために有利である。
【0138】
模範的な実施形態では、被検者5204は知覚検査又は知覚訓練活動に参加するために検査及び訓練装置5208から規定の距離に位置する。知覚検査及び訓練装置5208は表示画面上に被検者5204が知覚すべき一以上のグラフィック要素5210を表示する。グラフィック要素5210の被検者5204の知覚のために、被検者は入力5206をタッチスクリーン装置5202にエンターする。例えば、被検者が表示画面の上部の選択すべきグラフィック要素を指示したいとき、被検者5204は上部のグラフィック要素を指示するためにタッチスクリーン装置で規定された方法でタッチスクリーン装置にタッチすることができる。
【0139】
本発明による知覚入力タッチ装置5300を示す図53に戻り説明する。知覚入力タッチ装置5300はタッチスクリーン装置である。知覚入力タッチ装置5300は表示画面5302からなる。表示画面5302は一つ以上のグラフィック要素を表示し、被検者の入力を受信するように機能する。知覚入力タッチ装置5300は特定の大きさ又は形に限定されないことを示すために切除線で切除されて示されている。更に、切除線は以下で述べる原点も知覚入力タッチ装置5300の特定の位置又は領域に限定されないことを示している。
【0140】
模範的な実施形態では、知覚入力タッチ装置5300はスライドタッチの形の被検者入力を受信するように機能する。スライドタッチは表示画面5302上の初期点に接触したまま表示画面5302を横切って第2の点まで移動する接触からなる。例えば、被検者は指を表示画面5032の中心に置き、指を画面に沿って右へドラッグすることができる。このようなドラッグは方向「右」の入力を指示することができる。画面5302の「原点」は画面5302上の任意の点にできる。例えば、模範的な実施形態の例では、原点はユーザの初期接触点とすることができる。従って、方向の入力又は他の入力の基準となる原点は画面5302の任意の位置にすることができる。
【0141】
一実施形態では、ドラッグの方向は直交座標軸からの接触移動方向の角度に基づいて決まる。例えば、第1の点から画面5302の水平軸から15度以内で右側に位置する第2の点まで維持される接触は「右」方向コマンドである。画面5302は上側部分5308、右側部分5310、下側部分5312及び左側部分5314からなる。これらの部分は直交軸5304及び5306の一つの軸に沿って集中する。例えば、下側部分5312は垂直軸5306を中心とする。下側部分5312は原点から規定の角度5316で放射状に広がる。規定の角度5316は、下側部分5312がその中心軸(垂直軸5306)から広がる角度である。規定の角度5316は関連する部分を切開する軸に対して表わすことができ、従って軸に対して所定度数の角度の2倍が規定の角度を表す。例えば、右方向指示は水平軸5304の7.5度以内の動きで表すことができ、規定の角度は軸の上と下の7.5度を両方含むので15度の規定の角度が使用される。入力タッチ装置5300の向きによってどの部分が特定の方向と一致するかが決まると考えられる。例えば、入力タッチ装置5300が長方形である場合、装置が縦長に向けられたとき、「上側」部分が長方形の上側短辺と一致する。装置が横長に向けられた場合には、長方形の上側長辺が「上側」部分と一致する。
【0142】
模範的な実施形態では、上側部分5308、右側部分5310、下側部分5312及び左側部分5314等の部分は画面5302上の共通点を共有しない非重複部部分である。しかし、最初の接触点である原点は種々の部分の交点であるため2つ以上の部分に共通の領域であるとみなせる。更に、原点は最初の接触点から延びる規定の半径部分を含み、この部分は共通領域専用として識別される。更に、画面は部分5318のような一以上の非入力部分を含むことができる。部分5318は上側部分5308と左側部分5314との間に位置する部分である。模範的な実施形態では、部分5318と関連すると識別される入力は方向と関連しない無効入力である。例えば、部分5318にあると識別される入力は、入力が上側部分5308又は左側部分5314と関連するよう意図された信頼レベルに入らない。従って、検知された入力が特定の意図を持つという信頼性を与えるために、種々の入力部分間に非入力部分を存在させることができる。
【0143】
更に、模範的な実施形態では,一以上の部分を画定する規定の角度はユーザが入力を実行できる範囲を提供する。例えば、入力装置の保持の不正確さ又はユーザ入力の不正確さを補償するために、角度で画定される範囲によって、正確な軸方向移動から外れた入力も許容する。従って、ユーザが入力タッチ装置を通常の水平位置と見掛け上整列した状態に保持していない場合、通常のユーザの「上」方向の入力は垂直軸5306と一致しないが、「上側」部分5308は角度θで規定されるため、ユーザ入力は「上側」部分5308内であれば、「上」入力として識別することができる。更に、ユーザは正確な又は確実な方向指示に気を遣わないかもしれないため、角度(例えば角度5316)で規定される範囲で不正確な又は不確実な入力を許容可能にしている。
【0144】
模範的な実施形態では、直交軸5304及び5306の交点により規定される原点は画面5302上の最初の接触点に位置する。従って、被検者の方向の意図は最初の接触点と無関係に決定できる。模範的な実施形態では種々の部分(例えば5308,5310,5312,5314)は知覚入力タッチ装置5300により表示されないが、説明を明確にするためにここでは図示されている。追加の実施形態では、被検者の意図と一致する入力を実行する被検者を助けるために一以上の部分又は視覚要素を表示することができる。
【0145】
更に、模範的な実施形態では、一以上の触覚ガイドを入力タッチ装置5300と関連させることができる。例えば、画面5302にユーザ接触用の開口部を与える保護カバーで入力タッチ装置5300を包むことができる。保護カバーで与えられる開口部は画面5302の活性領域又は使用可能領域に制限することができる。更に、入力タッチ装置5300の向き、使用可能領域又は軸位置に関する触覚指示を与えるために一以上の線形、多角形又は曲線表面を入力タッチ装置5300に結合することができる。
【0146】
入力タッチ装置5300はスピーカ等の音響発生器も含むことができる。音響発生器は一以上の音を発生し、例えばユーザに返すことができる。これらの音は知覚訓練及び/又は検査で使用する妨害音、気を散らす音又は情報音とすることができる。
【0147】
本発明の模範的な実施形態による第2の知覚入力タッチ装置5400を示す図54に戻り説明する。知覚入力タッチ装置5400は一以上のグラフィック要素5404を表示するように機能する表示画面5402を含む。例えば、知覚入力タッチ装置5400は要素5406,5408及び5410を表示する。要素5406−5410は知覚検査及び/又は訓練活動として画面5402上に視覚的に提示される。模範的な実施形態では、被検者は知覚入力タッチ装置5400に点5406−5410の各々と関連する位置に入力として接触する。例えば、被検者から規定の距離にある知覚検査及び/又は訓練装置と関連する外部表示装置は被検者により選択されたグラフィック要素5406−5410と一致する位置に3つのグラフィック要素を表示することができる。従って、知覚入力タッチ装置5400は入力を実行する被検者に役立つ一以上のグラフィック要素を表示することができる。更に、知覚入力タッチ装置5400は知覚検査又は知覚訓練活動の一部分として一以上のグラフィック要素を表示することができる。
【0148】
次に図55は、メモリ及びプロセッサを有するコンピュータ装置を用い、タッチスクリーン装置によって知覚検査への入力を受信する、本発明の一実施形態による方法5500を示すブロック図である。ステップ5502において、タッチスクリーン装置はグラフィク要素を表示するためにコマンドからなる命令を受信する。例えば、知覚検査及び/又は訓練は命令又は個人指導情報をタッチスクリーン装置に表示するのが望ましい。更に、タッチスクリーン装置によって開始コマンドを表すグラフィック要素を表示することができる。模範的な実施形態では、グラフィック要素はタッチスクリーン装置に記憶され、グラフィック要素はコマンドの結果としてアクセスされる。例えば、命令はコンピュータ実行可能コードを含み、このコードはタッチスクリーン装置内に記憶された特定のイメージファイルを表示させるコマンドを含むことができる。ステップ5504において、タッチスクリーン装置はグラフィック要素を画面に表示する。例えば、グラフィック要素はデータファイルからレンダリングすることができる。模範的な実施形態では、命令は無線通信プロトコルで受信することができる。
【0149】
ステップ5506において、タッチスクリーン装置は被検者からの入力を被検者と画面との物理的接触の形で受信する。例えば、被検者は知覚検査及び/又は訓練の一部分として提示された一以上の知覚刺激の結果として特定のコマンドを発生することを望み、その結果、被検者は入力を信号伝達するためにタッチスクリーン装置と接触する。
【0150】
ステップ5508において、タッチスクリーン装置は無線通信プロトコルを用いて知覚訓練装置に入力を送る。模範的な実施形態では、タッチスクリーン装置は入力から解釈されたコマンドを送る。例えば、タッチスクリーン装置は被検者からの入力を分析し、被検者の意図を一以上の基準、規則及び/又はトレランスに基づいて決定する。
【0151】
次に図56は、タッチスクリーン装置における被検者の知覚訓練活動に応答する入力を無線で受信する本発明の模範的な実施形態による方法5600を示すブロック図である。ステップ5602において、知覚訓練装置が知覚訓練活動の一部分として使用されるグラフィック要素を表示する。ステップ5604において、知覚訓練装置はタッチスクリーン装置を用いて実行された被検者からの入力を受信する。例えば、ステップ5602で表示されたグラフィック要素に応答して、被検者はタッチスクリーン装置にタッチすることによって応答をタッチスクリーン装置に入力することができる。本例ではタッチスクリーン装置はその入力を知覚訓練装置に無線で送ることができる。
【0152】
ステップ5606において、知覚訓練装置は入力に基づいてコマンドを決定する。例えば、入力は無線通信プロトコルで有効に通信されるフォーマットにすることができるが、知覚訓練結果の分析に有用なフォーマットではないため、入力は知覚訓練装置で使用可能なコマンドに解釈される。例えば、数値指示をタッチスクリーン装置から入力として送ることができる。数値指示は特定の方向入力(例えば右、左、上、下)を表すように解釈される。ステップ5608において、コマンドを処理する。例えばコマンドは知覚訓練装置のコンピュータ装置で処理され、先に表示されたグラフィック要素に関連して分析し得る結果を与える。
【0153】
ステップ5610において、知覚訓練装置はタッチスクリーン装置へフィードバックを送る。例えば、コマンドの処理成功時に、確認フィードバックをタッチスクリーン装置に送ることができる。模範的な実施形態では、フィードバックは入力を受信し処理したことを表す可聴音を発生するコマンドを含む。追加の実施形態では、フィードバックは特定のグラフィック要素をタッチスクリーン装置に表示させる命令とすることができる。更に、フィードバックは振動感覚又は他のタイプの振動入力などの触覚フィードバックを含むことができる。例えば、入力コマンドの解釈成功時に、タッチスクリーン装置は入力の解釈成功を指示するために第1のタイプの振動することができる。更に、様々な意味を指示するために様々な振動(例えばパルス振動、一定振動、間欠振動又はその任意の組み合わせ)を使用することができる。例えば、訓練中の弱い時間警告は第2のタイプの振動で与えることができ、誤応答は第3のタイプの振動、正しい応答は第4のタイプの振動とすることができる。更に、フィードバックの組み合わせを使用することも考えられる。例えば、正応答フィードバックに対しては可聴音を、誤応答フィードバックに対しては振動を、活動の時間切れ又は終了に対しては振動及び可聴音の組み合わせを与えることができる。
【0154】
ステップ5612において、知覚訓練装置からタッチスクリーン装置へ命令を送る。この命令はタッチスクリーン装置にグラフィック要素を表示させるコマンドである。例えば、タッチスクリーン装置は知覚訓練活動の一部分(例えば訓練対象、命令、入力ガイド)として使用されるグラフィック要素を表示することができる。ステップ5614において、知覚訓練装置は被検者から第2の入力を受信する。例えば、タッチスクリーン装置に表示されたグラフィック要素に応答して、被検者は入力を与えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練するシステムであって、該システムは、少なくとも第1のタイプの視標を表示する第1の表示装置、少なくとも第2のタイプの視標を表示する第2の表示装置、第1のタイプの入力を受信する第1の入力装置、第2のタイプの入力を受信する第2の入力装置、及び前記第1の表示装置、前記第2の表示装置、前記第1の入力装置及び前記第2の入力装置に動作可能に接続された制御ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記第1の入力装置から第1のタイプの入力を受信し、前記第2の入力装置から第2のタイプの入力を受信するために、前記第1の表示装置に前記第1のタイプの視標のうちの少なくとも一つの視標を表示させ、前記第2の表示装置に前記第2のタイプの視標のうちの少なくとも一つの視標を表示させるように動作し得ることを特徴とする、視覚活動を検査及び/又は訓練するシステム。
【請求項2】
前記第1の入力装置はマルチタッチ装置を備える、請求項1記載の被験者の視覚活動を検査及び/又は訓練するシステム。
【請求項3】
前記マルチタッチ装置は少なくとも第3のタイプの視標を表示する第3の表示装置を更に備える、請求項2記載の被験者の視覚活動を検査及び/又は訓練するシステム。
【請求項4】
前記第2の表示装置及び前記第2の入力装置は単一のタッチセンシティブスクリーンを備える、請求項1記載の被験者の視覚活動を検査及び/又は訓練するシステム。
【請求項5】
被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法であって、該方法は、第1の時刻に、前記被検者から第1の距離にあって、前記被検者が見ることができる第1の表示装置を用いて第1の特徴を有する少なくとも一つの第1の視標を表示するステップ、前記少なくとも一つの第1の視標に応答して、前記被検者から、前記第1の視標の前記第1の特徴に対応し得る特徴を有する第1の入力を第1の入力装置で受信するステップ、前記第1の入力の特徴が前記第1の視標の前記第1の特徴に対応したかを決定するステップ、第2の時刻に、前記被検者から第2の距離にあって、前記被検者が見ることができる第2の表示装置を用いて第2の特徴を有する少なくとも一つの第2の視標を表示するステップ、前記少なくとも一つの第2の視標に応答して、前記被検者から、前記第2の視標の前記第2の特徴に対応し得る特徴を有する第2の入力を第2の入力装置で受信するステップ、前記第2の入力の特徴が前記第2の視標の前記第2の特徴に対応したかを決定するステップ、及び前記第1の入力の特徴が前記第1の視標の前記第1の特徴に対応したかの決定及び前記第1の入力の特徴が前記第1の視標の前記第1の特徴に対応したかの決定を出力するステップを備えることを特徴とする、被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項6】
前記第1の時刻と前記第1の入力の受信時との間の経過時間を決定するステップ、前記第2の時刻と前記第2の入力の受信時との間の経過時間を決定するステップ、及び前記第1の時刻と前記第1の入力の受信時との間の経過時間及び前記第2の時刻と前記第2の入力の受信時との間の経過時間を出力するステップを更に備える、請求項5記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項7】
前記第1の表示装置から前記被検者までの前記第1の距離は光学無限遠に近似し、前記第2の表示装置から前記被検者までの前記第2の距離は視覚的に近傍である、請求項6記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項8】
前記第1の入力を受信するステップはマルチタッチ装置を使用し、前記第2の入力を受信するステップは前記第2の表示装置としてタッチセンシティブ表示装置を使用する、請求項7記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項9】
前記マルチタッチ装置は更に第3の表示装置を備える、請求項8記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項10】
被検者の視覚能力を検査及び/又は訓練する方法であって、該方法は、
視覚情報を表示する第1の表示装置及び表示された視覚情報に対する応答を受信する第1の入力装置を用いて第1群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの少なくとも一つを実行するステップを備え、前記第1の表示装置は前記被検者から視覚的に遠方おいて前記被検者が見ることができ、前記第1の入力装置は前記被検者により物理的にアクセス可能であり、
視覚情報を表示する第2の表示装置及び表示された視覚情報に対する応答を受信する第2の入力装置を用いて第2群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの少なくとも一つを実行するステップを備え、前記第2の表示装置は前記被検者から視覚的に近傍において前記被検者が見ることができ、前記第2の入力装置は前記被検者により物理的にアクセス可能である、
ことを特徴とする被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項11】
前記第1の入力装置はマルチタッチ装置を備え、前記第2の表示装置及び前記第2の入力装置は一つのタッチセンシティブ表示装置を備える、請求項10記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項12】
前記第1群の視覚検査及び/又は訓練タスクは、静止視力、コントラスト感度及び奥行知覚を検査及び/又は訓練するタスクを備え、前記第2群の視覚検査及び/又は訓練タスクは、視覚認知速度、視覚認知スパン、眼と手の協調性、ゴー/ノーゴー及び反応時間を検査及び/又は訓練するタスクを備える、請求項11記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項13】
視覚情報を表示するために前記第1の表示装置及び前記マルチタッチ装置用いて第3群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの一つを実行するステップを更に備える、請求項12記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項14】
視覚情報を表示するために前記第2の表示装置を用い、表示された視覚情報に対する応答を受信するために前記マルチタッチ装置用いて第4群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの一つを実行するステップを更に備える、請求項13記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項15】
前記第3の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの一つは遠近調節速さを検査及び/又は訓練する少なくとも一つのタスクを備え、前記第4の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの一つは目標捕捉を検査及び/又は訓練する少なくとも一つのタスクを備える、請求項14記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項16】
前記被検者の輻輳近点を測定する装置を用いて第5群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの少なくとも一つを実行するステップを更に備える、請求項15記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項17】
前記第1群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの少なくとも一つを実行するステップは、前記被検者の右眼のみのコントラスト感度を検査及び/又は訓練する少なくとも一つのタスクを実行するステップ、前記被検者の左眼のみのコントラスト感度を検査及び/又は訓練する少なくとも一つのタスクを実行するステップ、前記被検者の右眼及び左眼のコントラスト感度が両方とも許容し得るか、いずれか一方が許容し得ないかを決定するステップ、及び許容し得ないコントラスト感度を矯正するステップを備える、請求項15記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項18】
前記第1群の視覚検査及び/又は訓練タスクのうちの少なくとも一つを実行するステップは、前記被検者の右眼のコントラスト感度及び前記被検者の左眼のコントラスト感度を検査及び/又は訓練するタスクの実行後に、奥行知覚を検査及び/又は訓練する少なくとも一つのタスクを実行するステップを更に備える、請求項17記載の被検者の視覚活動を検査及び/又は訓練する方法。
【請求項19】
被検者の視覚能力を検査及び/又は訓練するシステムであって、該システムは、支持フレームと、前記支持フレームに前記被検者のほぼ眼の高さで不動に固定された高解像度モニタと、前記支持フレームに調整可能に固定されたワイドスクリーンモニタと、前記高解像度モニタ及び前記ワイドスクリーンモニタに動作可能に接続された制御ユニットを備え、前記ワイドスクリーンモニタは前記高解像度モニタより幅及び高さが大きく、前記ワイドスクリーンモニタは、前記高解像度モニタを覆い隠さないで被検者が前記高解像度モニタを見ることができる少なくとも第1の位置と前記高解像度モニタを完全に覆い隠す第2の位置に調整可能であり、前記制御ユニットは、前記ワイドスクリーンモニタが前記第1の位置にある間、前記高解像度モニタに視標を表示させ、前記ワイドスクリーンモニタが前記第2の位置にある間、前記ワイドスクリーンモニタに視標を表示させ、更に前記制御ユニットに動作可能に接続された第1の入力装置及び前記制御ユニットに動作可能に接続された第2の入力装置を備え、前記第1の入力装置は、前記被検者が表示された視標から視覚的に遠方にある間、前記表示された視標に応答して被検者により操作可能であり、前記第12入力装置は、前記被検者が表示された視標から視覚的に近傍にある間、前記表示された視標に応答して被検者により操作可能であることを特徴とする、被検者の視覚能力を検査及び/又は訓練するシステム。
【請求項20】
前記第1の入力装置はマルチタッチ装置を備え、前記ワイドスクリーンモニタ及び前記第2の入力装置は一つのタッチセンシティブ表示装置を備える、請求項19記載の被検者の視覚能力を検査及び/又は訓練するシステム。
【請求項21】
前記マルチタッチ装置は第3の表示装置を更に備え、前記制御ユニットは前記第3の表示装置に視標を表示させる、請求項20記載の被検者の視覚能力を検査及び/又は訓練するシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【図10J】
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【図10K】
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【図10L】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図29】
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【図30−1】
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【図30−2】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47A】
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【図47B】
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【図47C】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51A】
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【図51B】
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【図51C】
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【図51D】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公表番号】特表2013−500835(P2013−500835A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523700(P2012−523700)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044257
【国際公開番号】WO2011/017329
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)