説明

統合された閉ループコントローラを持つ患者モニタ

本発明は、患者信号を取得する患者センサ2と前記取得された患者信号の情報をユーザに提供するユーザインタフェース6とを持つ、患者1をモニタ及び制御するシステムに関し、前記システムは、前記患者信号をフィードされ、患者1を治療する患者治療装置5を制御する統合された閉ループコントローラ4を有する。したがって、患者をモニタ及び制御する容易かつ効率的な方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者モニタリングの分野に関し、特に、患者モニタリングと閉ループコントローラを介して患者の生理学的変数を制御することとを組み合わせたものに関する。
【背景技術】
【0002】
患者モニタは、病院、特に集中治療室及び未熟児病棟において幅広く使用されている。このような患者モニタを用いて、1つ又は典型的には複数の生理学的変数が、収集され、必要であれば処理され、介護者のようなユーザに表示される。更に、一般に、患者モニタは、前記収集された変数の1以上がそれぞれの所定の閾値を超過する場合にアラームを提供するようにも構成される。
【0003】
患者モニタは、以下のフィーチャ、すなわち、
−少なくとも1つの生理学的信号の測定、及び
−少なくとも1つの測定された信号及び/又は少なくとも1つのインタフェースされた生理学的信号に対するアラーム能力、
を有することにより定義される。
【0004】
更に、患者モニタは、以下のフィーチャ、すなわち、
−外部機器、すなわち患者を治療する医療機器を制御する少なくとも1つの外部信号、
−測定及びインタフェースされた生理学的信号を視覚化するユーザインタフェース可能性、
−測定された生理学的信号及びインタフェースされた生理学的信号に対する傾向付け可能性(trending possiblities)、
−例えば臨床的決定支援システムを用いて、実際の及び傾向付けられた測定された及びインタフェースされた生理学的信号を分析する可能性、
−前記ユーザとインタラクトし、前記ユーザにデータ並びに生理学的及び非生理学的データのコメントを手動で入力させる可能性、
−取得及び処理されたデータを有線又は無線接続された医療システムソリューション、例えば中央ステーション、病院情報システム、電子医療記録に転送するインフラストラクチャ、
の1以上を有することができる。
【0005】
患者モニタは、全ての機能に対して共通の1つの単一装置で構成される必要はなく、分散ユニットを持つシステムであることができる。
【0006】
更に、患者を治療する信号を計算するのに制御アルゴリズムに対して患者変数を使用する生理学的閉ループシステムが既知である。これは、しばしば、特定の患者信号に対するかく乱が制御調節を実行する不能性又は更に悪いことに前記制御調整が誤った方向になされることのいずれかの結果になるという制限を持つ。生理学的閉ループシステムにおいて、患者が治療される患者治療装置、患者自身及び場合により前記患者変数の測定の伝達関数は、一定ではなく、複数の外的要因により影響を受ける。
【0007】
原則的に、自動閉ループシステムは、部分的に酸素の供給、投薬又は前記患者の他の治療の調節に関して介護者の行動に取って代わることにより前記介護者の作業負荷を低減すべきである。しかしながら、前記患者の治療の変化に対する前記患者の反応を実際に定期的に確認することは必要であり、これは、介護者にとって骨の折れる仕事であり、患者にとって迷惑でありうる。この及び他の理由で、前記生理学的閉ループシステムの採用は依然として低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、患者をモニタ及び制御する容易かつ効率的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、患者をモニタ及び制御するシステムにより達成され、前記システムが、
患者信号を取得する患者センサと、
前記取得された患者信号の情報をユーザに提供するユーザインタフェースと、
を有し、
【0010】
前記システムが、前記患者信号をフィードされ、前記患者を治療する患者治療装置を制御する統合された閉ループコントローラ(integrated closed loop controller)を有する。
【0011】
したがって、閉ループコントローラが前記患者モニタに統合されていることは、本発明の本質的なフィーチャである。従来の閉ループコントローラは、常に前記患者モニタに並列に又は前記患者モニタと直列に構成されていたので、これは完全に新しいアプローチである。前記閉ループコントローラ及び前記患者モニタの並列構成は、追加のセンサ機器を要するのに対し、直列構成は、少なくとも前記閉ループコントローラ又は前記患者モニタそれぞれに対する最適な患者信号を提供しない。
【0012】
本発明との関連で、用語"患者"が人間だけではなく動物にも当てはまることに注意すべきである。更に、用語"患者"は、それぞれの人/動物が病気にかかっていることを意味せず、したがって、医療システムの一部をなす健康な人も"患者"と称される。
【0013】
本発明の好適な実施例によると、前記システムは、前記患者信号を処理し、処理されたデータを前記ユーザインタフェースに出力するモニタリングプロセッサを有し、更に、前記患者信号を処理し、処理されたデータを前記閉ループコントローラに出力する制御プロセッサを有し、前記モニタリングプロセッサ及び前記制御プロセッサは、同じ前処理状態の同じ患者信号をフィードされる。これは、前記患者信号が、"生の"状態、すなわち他の処理に不利に作用しないような形でのみ前処理された状態で、前記モニタリングプロセッサ及び前記制御プロセッサに提供されることができることを意味する。前記患者モニタ及び前記閉ループコントローラの直列構成の場合、最初に前記患者モニタにフィードされ、前記患者モニタにより処理される信号は、もはや開ループコントローラに対して最適に適しておらず、逆も同様であるので、これは可能ではない。
【0014】
更に、本発明の好適な実施例によると、前記システムは、前記患者信号をフィードされ、モニタリング及び制御に対する共通のアラーム条件を提供する警報ユニットを有する。したがって、本発明は、アラーム優先順位付けの可能性を提供し、これは、モニタリング及び制御のそれぞれに対して別個のアラームがもはや存在する必要がないことを意味する。特に、これは、生理学的バイタルサインアラーム及び閉ループアラームに対する組み合わせた警報システムが可能であることを意味する。結果として、一方で前記患者モニタにより、他方で前記閉ループコントローラにより別々に引き起こされた複数のアラームが、防止されることができる。
【0015】
本発明の好適な実施例によると、前記ユーザインタフェースは、モニタリングデータ及び制御データを指示及び/又は入力するように構成される。これに関連して、前記ユーザインタフェースが、前記閉ループコントローラに対する入力データとして要求される外部データを入力することを前記ユーザに要求するように構成される。これは、このような場合に、前記閉ループコントローラが、外部データ入力を要求する開ループのコントローラになることを意味する。これは、予測される信号からの前記収集された患者信号のずれにより、正しい制御がもはや保証されることができない場合に有利である。
【0016】
上述の目的は、更に、患者をモニタ及び制御する方法であって、以下のステップ、すなわち、
患者信号を取得するステップと、
前記取得された患者信号の情報をユーザに提供するステップと、
閉ループコントローラに前記患者信号をフィードするステップと、
前記閉ループコントローラを用いて前記患者の治療を制御するステップと、
を有する方法により達成される。
【0017】
本発明によるシステムの好適な実施例は、上記の本発明による方法の好適な実施例に起因する。
【0018】
特に、本発明の好適な実施例によると、前記患者信号は、モニタリング目的で処理され、処理されたデータとして前記ユーザに出力され、前記患者信号は、制御目的で処理され、処理されたデータとして前記閉ループコントローラに出力され、前記モニタリング目的の前記患者信号の処理及び前記制御目的の前記患者信号の処理は、同じ前処理状態の同じ患者信号に基づく。
【0019】
更に、本発明の好適な実施例によると、モニタリング及び制御に対する共通のアラーム条件が決定される。更に、モニタリングデータ及び制御データの指示及び/又は入力に対して共通のユーザインタフェースが使用されることが好ましい。これに関連して、ユーザが、前記共通のユーザインタフェースを介して前記閉ループコントローラに対する入力データとして要求される外部データを入力するように要求されることが、特に好ましい。
【0020】
本発明の他の好適な実施例は、入力値に基づいて前記患者の治療を制御するステップと、前記入力値を前記取得された患者信号の出力値と比較するステップと、前記出力値が所定量以上に予測された出力値から外れる場合に他の動作を生成するステップとを有する。したがって、本発明のこの好適な実施例は、制御プロセスの制御機能を定期的に確認することを提供する。前記閉ループコントローラにより決定された治療に対する前記患者の反応がもはや十分ではない場合、他の動作が取られることができる。特に、前記他の動作が、アラームである、及び/又は開ループ制御へのフォールバックであることが好ましい。後者は、介護者のようなユーザが、前記患者の生理学的変数の信頼できる十分な制御を確立するために外部データを入力するように要求されることを意味する。これに関して、本発明の好適な実施例によると、前記入力値は、意図的に変化させられる。
【0021】
したがって、本発明のこの好適な実施例による方策は、前記患者の伝達関数の変化に反応を示すのに適応的なアプローチを使用することにより従来技術の制限を克服する。更に、この方策は、前記介護者が反応しなくてはならない状況を示しうる前記患者伝達関数の変化を前記介護者に警告する手段を有する。したがって、基本的な原理は、制御システム全体を監督するのに前記患者治療装置上の変化に対する応答として前記患者変数側のフィードバックを使用することである。
【0022】
換言すると、本発明は、前記入力変数及び前記患者変数の測定と、前記制御アルゴリズムに対する入力としてのこれらの処理とを組み合わせることに関する。これは、生の入力データに対する即時のリアルタイムアクセス、閉ループ制御及びバイタルサイン処理に対する最適化されたアルゴリズムの可能性、生理学的バイタルサインアラーム及び閉ループアラームに対する組み合わせた警報システム、患者データベースにおける同期データ取得、バイタルサイン及び閉ループコントローラユーザインタラクションに対するユニークなユーザインタフェースの利点を使用する。
【0023】
更に、アラームレベルの異なる品質は、前記ユーザがバイタルサイン患者ステータスアラームと閉ループコントローラアラームとを区別することを可能にするように実施されることができる。異なる警告条件に対する設定がマッチされることができ、生理学的アラーム及び閉ループコントローラアラームの組み合わせたアラームが、前記ユーザに対する前記患者モニタとの必要なインタラクションを最適化及び低減するように生成されることができる。したがって、前記患者は、ただ1つの装置、すなわち統合された患者モニタ及び閉ループコントローラ装置により監督及び制御される。
【0024】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好適な実施例による患者をモニタ及び制御するシステムを概略的に描く。
【発明を実施するための形態】
【0026】
患者モニタの上の定義に基づいて、以下の機能性が、統合された閉ループコントローラを実現するために本発明の好適な実施例によって患者モニタにおいて実装される。
【0027】
前記統合された閉ループコントローラ、そして前記患者モニタは、閉ループ制御アルゴリズムを備える。更に、内部の閉ループコントローラに対する最適化された入力を生成し、閉ループコントローラ決定をサポートする意図で、前記入力信号を処理する特別なフィルタリング及びアルゴリズムが備えられる。入力生信号、内部で処理された信号、出力信号及び閉ループコントローラ状態、例えばリアルタイム及びトレンド、のデータ取得は、前記閉ループコントローラアルゴリズム決定を記録及び視覚化するために備えられる。
【0028】
更に、例えば所定の事象を使用する、構成及びセットアップバイタルアラーム、閉ループコントローラアラーム及び/又は組み合わせたアラームが、提供される。このような所定の事象は、マルチパラメータアラーム条件により規定され、これは、少なくとも2つの異なるパラメータが、それぞれの所定の範囲に入らなくてはならないか、それぞれの所定の閾値を超過しなくてはならないか、又はそれぞれの所定の閾値の下にならなくてはならないことを意味する。前記異なる警告条件に対する設定は、マッチされることができる。ユニークなユーザインタフェースが、バイタルサイン及び閉ループコントローラユーザインタラクションに対して使用される。
【0029】
患者モニタにおいて監督された閉ループコントローラを実装することは、これら2つのコントローラタイプの間の動的な遷移及び開ループコントローラの実施を含む。前記開ループコントローラは、閉ループ環境における動作に対する要求なしで、助言及び記録システムとしてスタンドアロンで実行されることもできる。前記閉ループの制御の現在の状態は、常に前記生理学的変数と一緒に記録される。
【0030】
前記閉ループは、前記生理学的フィードバック信号を分析し、制御信号を自動的に生成する。以下のこと、すなわち、1以上のフィードバック信号は、所定の制限の外であるか、1以上のフィードバック信号がもはや測定されることができないか、又は測定品質が不十分であるか、前記コントローラが、前記制御信号の変化がもはや前記フィードバック信号に作用しないことを検出することが、開ループコントローラモードへのフォールバックの理由である。前記開ループコントローラモードへのフォールバックは、追加的に、所定の警告条件として通知される。
【0031】
監督される閉ループは、前記閉ループと同様であり、前記閉ループコントローラの出力は、前記ユーザにより、好ましくは視覚的に、制御され、前記ユーザが前記コントローラ出力の変化を認識し、前記コントローラ出力を手動で上書きするために手動で開ループモードに切り替えることを可能にする。前記開ループは、前記ユーザ、すなわち介護者に助言を与える意図で前記生理学的フィードバック信号を分析し、前記ユーザのインタラクション及び決定を待ち、全ての時間同期コマンド、提案されたコントローラ出力、ユーザコントローラ出力及び臨床的決定支援システムに対する生理学的フィードバック変数を依然として記録する。前記提案されたコントローラ出力及び前記ユーザにより手動で調節された出力は、互いにマッチすることができるが、する必要はない。
【0032】
本発明は、様々な、好ましくは閉ループ制御システムにおいて使用されることができる。当業者は、制御の目的が単一のタイプの制御ループに限定されず、複数の変形例及び制御ループの異なる実装、例えば閉ループ制御、監督された制御及び開ループ制御を含むことを認識するだろう。例は、FiO2制御、例えば患者の血圧を制御する輸液ポンプ投薬制御、麻酔の深度に対する制御、例えば不揮発性麻酔処置中の静脈内麻酔の制御、及び血糖制御である。
【0033】
本発明の原理の説明に対して、図を参照して、以下に、システムが、本発明の好適な実施例として記載され、ここで患者のSaO2値は、前記患者に提供される気体混合物のFiO2濃度を調節することにより制御される。例えば、これは、未熟児の血液酸素飽和度の閉ループ制御において実施されることできる。
【0034】
図に描かれたように、本発明の好適な実施例によると、患者1をモニタ及び制御するシステムが提供され、前記システムは、患者信号を取得する患者センサ2を有する。前記システムは、前記患者信号をフィードされ、患者1を治療する患者治療装置5、この場合には患者1に酸素を提供する機械式人工呼吸器、を制御する統合された閉ループコントローラ4を持つ患者モニタ3を更に有する。
【0035】
更に、ユーザインタフェース6が提供される。このユーザインタフェース6は、ディスプレイ7上に情報、例えば患者1に関する情報を示すように構成される。更に、ユーザインタフェース6は、キーボード又はディスプレイ7と同一であることができるタッチスクリーンのような入力装置8を有し、入力装置8は、ユーザがデータを入力することを可能にする。前記ユーザによるこのようなデータ入力に対する要求は、ディスプレイ7により示されることができる。
【0036】
更に、前記患者信号を処理し、処理されたデータをユーザインタフェース6に出力するモニタリングプロセッサ9及び前記患者信号を処理し、処理されたデータを閉ループコントローラ4に出力する制御プロセッサ10が備えられる。図からわかるように、モニタリングプロセッサ9及び制御プロセッサ10は、同じ前処理状態において同じ患者信号をフィードされる。前記システムは、前記患者信号をフィードされ、例えばディスプレイ7により、モニタ及び制御に対する共通のアラーム条件を提供する警報ユニット11をも有する。
【0037】
前記閉ループの場合、すなわち通常の条件下で、FiO2は、自動的に制御され、すなわち閉ループ制御が実行される。これは、制御が排他的に閉ループコントローラ4により実行されることを意味する。前記ディスプレイは、モニタリングデータを示すためだけに使用され、外部データ入力は要求されない。
【0038】
意図的に引き起こされたFiO2値の変化のため及び/又は通常の制御動作によるFiO2値の変化のため、取得されたSpO2値のこれに応じた変化が予測される。このフィードバックは、連続的に監視され、このフィードバックに基づいて、前記システムの以下の動作が存在する。
【0039】
1.前記伝達関数の現在のモデルが、受け入れ可能な制限内で確認され、したがって、前記モデルの調節が必要ではない。
【0040】
2.前記応答が、前記伝達関数の現在のモデルとマッチせず、ずれが、前記伝達関数のモデルを適宜に自動的に調節することを可能にする範囲内である。オプションとして、前記ユーザは、前記ユーザが、何が前記伝達関数の変化を引き起こすのかを確認することができ、前記変化を補正したいと望むことができるように、前記モデルに関して低い優先順位の警告を得ることができる。例えば、肺のO2摂取は、分泌物の蓄積により減少されるが、わずかに増大するFiO2レベルで、これは補償されることができる。前記介護者が、患者の気道を吸うことにより状況を改善することができるので、これは、前記ユーザの中位の又は低い緊急性の通知を引き起こす。
【0041】
3.前記応答は、前記伝達関数の現在のモデルとマッチせず、前記ずれは、前記モデルの自動的な調節が実行可能ではない又は危険すぎるほど極端であり、すなわち前記モデルにフィットしない。この場合、前記ユーザは、より高い緊急性を持つこの状況を通知される。緊急レベルは、前記患者変数の実際の状態にも依存しうるが、どんな場合でも、前記閉ループシステムが未来の前記患者の状態の潜在的な劣化に適切に反応することが不可能でありうるので、前記ユーザが前記状態に気付いていることは重要である。例えば、気道閉塞により、肺に到達する空気がほとんどなく、したがって、FiO2が最大にセットされる場合でさえ、SaO2は急速に降下する。これは、前記閉ループ制御システムにより補償されることができない前記患者の伝達関数の変化である。
【0042】
したがって、高い緊急性の通知が前記ユーザにきっかけを与える。他の例によると、前記患者に対するO2供給は停止され、前記患者は、部屋の空気を呼吸している。現在の患者状態に依存して、これは、依然として許容可能な範囲内でありうるSaO2のわずかな低下のみを引き起こしうるが、前記閉ループコントローラは、前記患者が未来で要求しうる場合に、より高いFiO2レベルを提供する制御をもはや持たない。これは、前記ユーザに対して中位の緊急性の通知をトリガする。
【0043】
しかしながら、前記応答が前記伝達関数の現在のモデルとマッチせず、前記ずれが、前記モデルの自動的な調節が実行可能ではない又は危険すぎるほど極端である、すなわち前記モデルにフィットしない、これら全ての場合において、閉ループから開ループへの変更が実行され、ユーザからの外部データの入力が要求される。
【0044】
本発明が、図面及び先行する記載に詳細に図示及び記載されているが、このような図示及び記載は、説明的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は開示された実施例に限定されない。
【0045】
前記開示された実施例に対する他の変形例は、図面、開示及び添付の請求項の検討により、請求される発明を実施する当業者により理解及び達成されることができる。請求項において、単語"有する"は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞"1つの"("a"又は"an")は複数を除外しない。特定の方策が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。請求項内の参照符号は、前記請求項の範囲を限定すると解釈されるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者信号を取得する患者センサと、
前記取得された患者信号の情報をユーザに提供するユーザインタフェースと、
を持つ、患者をモニタ及び制御するシステムであって、
前記システムが、前記患者信号をフィードされ、前記患者を治療する患者治療装置を制御する統合された閉ループコントローラを有する、システム。
【請求項2】
前記システムが、前記患者信号を処理し、処理されたデータを前記ユーザインタフェースに出力するモニタリングプロセッサを有し、前記患者信号を処理し、処理されたデータを前記閉ループコントローラに出力する制御プロセッサを有し、前記モニタリングプロセッサ及び前記制御プロセッサが、同じ前処理状態の同じ患者信号をフィードされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システムが、前記患者信号をフィードされ、モニタリング及び制御に対する共通のアラーム条件を提供する警報ユニットを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースが、モニタリングデータ及び制御データを示す及び/又は入力する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザインタフェースが、前記閉ループコントローラに対する入力データとして要求される外部データを入力するように前記ユーザに要求する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
患者をモニタ及び制御する方法において、
患者信号を取得するステップと、
前記取得された患者信号の情報をユーザに提供するステップと、
前記患者信号を閉ループコントローラにフィードするステップと、
前記閉ループコントローラを用いて前記患者の治療を制御するステップと、
を有する方法。
【請求項7】
前記患者信号が、モニタリング目的で処理され、処理されたデータとして前記ユーザに出力され、前記患者信号が、制御目的で処理され、処理されたデータとして前記閉ループコントローラに出力され、前記モニタリング目的での前記患者信号の処理及び前記制御目的での前記患者信号の処理が、同じ前処理状態の同じ患者信号に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
モニタリング及び制御に対する共通のアラーム条件が決定される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
モニタリングデータ及び制御データを示す及び/又は入力するのに、共通のユーザインタフェースが使用される、請求項6ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ユーザが、前記共通のユーザインタフェースを介して前記閉ループコントローラに対する入力データとして要求される外部データを入力するように要求される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の治療を制御するステップが、入力値に基づき、前記入力値が、前記取得された患者信号の出力値と比較され、前記出力値が所定の量より大きく予測された出力値から外れる場合に他の動作が生成される、請求項6ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記他の動作が、アラーム及び/又は開ループ制御へのフォールバックである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記入力値が意図的に変更される、請求項11又は12に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−515139(P2011−515139A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500321(P2011−500321)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051018
【国際公開番号】WO2009/115949
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】