説明

統合IDサービス提供システム

【課題】公式サイトか一般サイトに拘わらず、それらサイトにてシームレスなサービスを提供することを可能とし、また、MNPに伴う弊害を回避することを可能とし、さらにはコンテンツのライセンス販売も可能にする。
【解決手段】統合ID登録サーバ3は、各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の携帯電話ユーザ毎に固有の統合識別情報(統合ID)を登録する。公式サイト23や一般サイト25といった携帯電話サイトで同一ユーザに提供されたサイトサービスの履歴情報が、統合ID管理サーバ5に集められて、UID、HIDおよび統合IDと関連づけて一括管理される。キャリア変更時は、統合IDと共に新しいUIDが携帯電話11から受け付けられて、キャリア変更前のUIDが更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話ユーザに対してネットワーク経由でサービスを提供する携帯電話サイトなどのために情報管理サービスを提供するシステムに関し、特に、統合IDを使った履歴情報管理サービスを提供する統合IDサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット接続機能を有する携帯電話が普及し、携帯電話に対するサイトサービスの提供が盛んになっており、多様な携帯電話サイトが開設されている。携帯電話サイトは、例えば、着信メロディなどの各種のコンテンツを携帯電話に提供したり、SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)のサービスを携帯電話に提供する。
【0003】
携帯電話サイトは、サービス提供処理の過程で、サービス提供先の携帯電話を識別するために識別情報(ID)を使用する。識別情報は典型的には携帯電話サイトの会員管理に使われる。
【0004】
従来の公式サイトでは、識別情報として、ユーザ識別情報(UID)が使われている。UIDは、携帯電話のユーザ毎に割り当てられた識別情報であり、キャリア(携帯電話会社)の携帯電話局で管理されている。携帯電話が公式サイトにアクセスしようとすると、UIDが携帯電話局から公式サイトに通知される。
【0005】
また、携帯電話サイトとしては、上記の公式サイト以外の一般サイト(勝手サイトともいわれる)も普及してきている。一般サイトでは、公式サイトと異なり携帯電話局からUIDの通知を受けられないため、公式サイトのようにUIDに依存した会員管理ができない。そこで、一般サイトは、携帯電話から端末識別情報(HID)を受け取るように構成されている。HIDは、各々の携帯電話に埋め込まれた物理的な識別情報であり、個々の携帯電話で異なっている。
【0006】
また、UIDに依存しない別の従来技術が、特許文献1に開示されている。同文献では、ID発生用の専用ソフトウエアが携帯電話にインストールされ、専用ソフトウエア毎に固有のIDが発行される。このIDを用いて、携帯電話は、公式サイトにも一般サイトにもアクセスする。
【特許文献1】特開2003−308299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来は、公式サイトが主にUIDを使用し、一般サイトがHIDを使用しており、両サイトがそれぞれ異なる種類のIDを使用して別々に会員管理を行っている。したがって、仮に同一ユーザが公式サイトと一般サイトに入会していたとしても、各々のサイトでは、同一ユーザであることの認識ができなかった。そのため、公式サイトと一般サイトに跨ったシームレスで総合的なサービスを提供するといったことも容易でなかった。
【0008】
図13は、上記の公式サイトと一般サイトの状況を例示している。図13の例では、同一ユーザが、公式サイト(着信メロディ配信サイト)と一般サイト(SNS)に入会している。しかし、これら公式サイトと一般サイトに関連性が無いため、両サイトは、お互いのサイトで同一ユーザに提供されているサービスを把握できず、したがって両サイトでのシームレスなサービスも不可能であった。
【0009】
また、周知のようにMNP(Mobile Number Portability)が始まろうとしており、M
NPでは、携帯電話のキャリアを変更しても電話番号を引き継ぐことができ、ユーザの利便性の向上が期待されている。しかし、MNPでは、電話番号を引き継ぐことはできても、UIDを引き継ぐことはできないので、公式サイトであっても、同一ユーザのキャリア変更を認識できない。そのため、例えば、着信メロディ等のコンテンツを公式サイトで購入後、キャリアを変更してしまうと、再度当該サイトへの入会手続きが必要な上、コンテンツも再購入しなければならない。この例に見られるようなサイト再入会や重複サービスといった弊害がMNP導入に伴って生じる可能性があるが、こうした弊害は極力回避することが望まれる。
【0010】
また、最近、マルチメディアやコンテンツ配信が普及する中で、音楽等の同一の対象を複数種類の形式のコンテンツで提供することが一般化している。例えば、一つの曲が、通常の楽曲データと着信メロディの2つの形式のコンテンツで提供される。このような場合に、従来は複数のコンテンツが個別に販売されていたが、今後は、コンテンツの代わりにライセンスを販売することが考えられる。上記の例を使うと、ライセンス販売では、楽曲データのダウンロード段階でライセンスが販売される。その後に着信メロディをダウンロードする段階では、ライセンスを購入済みなので、様々な形式(例えばMP3、WMA等)で着信メロディをダウンロードできる。このようなライセンス販売を行うことで、ユーザのニーズに合ったサービスを提供できると考えられる。しかしながら、現状では、上述のように各サイトが別々に会員を管理しているので、複数のサイトで同一ユーザに同じライセンス対象のコンテンツが提供されても、そのことを把握できず、したがって、ライセンスそのものの販売といったことはできなかった。
【0011】
上記の各種の問題は、公式サイトと一般サイトで共通のIDを利用する特許文献1の技術においても解決されるものではない。特許文献1の技術では、会員管理は各サイトで別々に行われており、したがって、上述したサイト間に跨ったサービスはできない。また、MNPに対応することもできず、上述のライセンス販売にも適合していない。
【0012】
本発明は上記背景の下でなされたものであり、その目的は、公式サイトか一般サイトに拘わらず、それらサイトにてシームレスなサービスを提供することを可能とし、また、MNPに伴う弊害を回避することを可能とし、さらにはライセンス販売も可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、従来はなかった新規のシステムとして、公式サイト、一般サイトに拘わらず、入会している会員に関する情報を統合IDを用いて一括管理する統合IDサービス提供システムを提供する。
【0014】
本発明の統合IDサービス提供システムは、各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の前記携帯電話ユーザ毎に固有の統合識別情報(統合ID)を登録する統合ID登録手段と、前記統合ID登録手段によって登録された前記統合IDを前記UIDおよび前記HIDと共に管理する統合ID管理手段と、を備え、前記統合ID管理手段は、前記携帯電話にサイトサービスを提供する携帯電話サイトと通信するサイト通信手段と、前記UID、前記HIDおよび前記統合IDと関連づけて前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報を記憶するID履歴記憶手段と、前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をサービス提供先の前記携帯電話の前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信すると、受信した前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込む履歴書込手段と、前記携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が受信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記携帯電話サイトに提供する履歴提供手段と、を備えている。
【0015】
また、前記統合ID登録手段は、前記携帯電話サイトからのリンクが張られた統合ID登録サイトを提供するように構成され、前記携帯電話サイトにおいて前記リンクが選択されたときに前記携帯電話と接続されて、前記統合ID登録サイトにて統合ID登録サービスを前記携帯電話に提供してよい。
【0016】
また、前記統合ID登録手段は、前記統合IDが未登録である未登録ユーザの前記携帯電話の前記UIDおよび前記HIDの少なくとも一方を含む統合ID登録要求を受け付けて前記統合IDを新規に登録する統合ID新規登録手段を含んでよい。
【0017】
また、前記統合ID登録手段は、前記統合IDが前記UIDおよび前記HIDの一方と共に既に登録された既登録ユーザについて、前記UIDおよび前記HIDの他方を受け付けて、既登録の前記統合IDと関連づけて登録する関連ID追加登録手段を含んでよい。
【0018】
また、前記統合ID登録手段は、同一キャリア内で携帯電話の機種変更が行われたときに、機種変更後の携帯電話の前記HIDを前記統合IDと共に受け付けて、前記統合IDに関連づけられた機種変更前の前記HIDを更新する関連ID変更登録手段を含んでよい。
【0019】
また、前記関連ID変更登録手段は、異なるキャリアへと携帯電話が変更されたときに、キャリア変更後の携帯電話の前記UIDを前記統合IDと共に受け付けて、前記統合IDに関連づけて登録されたキャリア変更前の前記UIDを更新してよい。
【0020】
また、前記統合ID管理手段は、前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含むID送信要求を前記携帯電話サイトから受信すると、受信された前記ID送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDと前記ID履歴記憶手段にて関連づけられた前記少なくとも一のID以外のIDのうち少なくとも一方のIDを返信するID提供手段を有してよい。
【0021】
また、前記ID履歴記憶手段に記憶される前記履歴情報は、前記携帯電話サイトがコンテンツ配信サイトとして提供したコンテンツを一意に特定できるコンテンツIDを含んでよい。
【0022】
また、前記サイト通信手段は、パーソナルコンピュータ(PC)にサイトサービスを提供するPCサイトとも通信を行ってよく、前記履歴提供手段は、前記PCサイトから前記統合IDを含む履歴送信要求が送信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記統合IDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記PCサイトに提供してよい。
【0023】
また、前記履歴書込手段は、前記PCサイトで前記携帯電話のユーザが操作する前記PCに提供されたサイトサービスの履歴情報が前記統合IDと共に受信されると、受信された前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込んでよい。
【0024】
また、前記ID履歴記憶手段に記憶される前記履歴情報は、前記PCサイトがコンテンツ配信サイトとして提供したコンテンツを一意に特定できるコンテンツIDを含んでよい。
【0025】
また、前記履歴書込手段は、第1の携帯電話サイトで提供された第1のサイトサービスの履歴情報を前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信して前記ID履歴記憶手段に書き込んでよく、前記履歴提供手段は、前記第1の携帯電話サイトとリンクが張られた第2のサイトサービスを提供する第2の携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求を受け付けて、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当し前記ID履歴記憶手段に記憶された前記第1のサイトサービスの履歴情報を検索して前記第2の携帯電話サイトに提供してよい。
【0026】
また、前記履歴書込手段は、前記携帯電話サイトで提供された第1のサイトサービスの履歴情報を前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信して前記ID履歴記憶手段に書き込んでよく、前記履歴提供手段は、第2のサイトサービスを提供する前記PCサイトから前記統合IDを含む前記履歴送信要求を受け付けて、前記統合IDに該当し前記携帯電話サイトで提供された前記第1のサイトサービスの履歴情報を検索して前記PCサイトに提供してよい。
【0027】
本発明は、上記の統合IDサービス提供システムの態様に限定されなくてよい。その他の装置、方法、プログラム、プログラム記録媒体等の態様が本発明の範囲に含まれ得る。
【0028】
本発明の別の態様は、例えば、各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の前記携帯電話ユーザ毎に固有の統合識別情報(統合ID)を登録し、登録された前記統合IDを前記UIDおよび前記HIDと共に統合ID管理サーバにおいて管理する統合IDサービス提供方法であって、前記統合ID管理サーバは、前記携帯電話にサイトサービスを提供する携帯電話サイトと通信し、前記UID、前記HIDおよび前記統合IDと関連づけて前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をID履歴記憶手段に記憶させ、前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をサービス提供先の前記携帯電話の前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信すると、受信した前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込み、前記携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が受信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記携帯電話サイトに提供する。この態様においても、上述の統合IDサービス提供システムの態様で説明した各種要素を加えることができる。
【0029】
また、本発明の別の態様は、各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の前記携帯電話ユーザ毎に登録された固有の統合識別情報(統合ID)を管理する統合ID管理手段の処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記携帯電話にサイトサービスを提供する携帯電話サイトと通信し、前記UID、前記HIDおよび前記統合IDと関連づけて前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をID履歴記憶手段に記憶させ、前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をサービス提供先の前記携帯電話の前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信すると、受信した前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込み、前記携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が受信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記携帯電話サイトに提供する処理を前記コンピュータに実行させせる。この態様においても、上述の統合IDサービス提供システムの態様で説明した各種要素を加えることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、公式サイトや一般サイトに拘わらず、入会している会員に関するIDや履歴情報を一括管理することができ、これにより、サイト間でシームレスなサービスを提供することが可能となり、また、MNPに伴う弊害を回避することが可能となり、さらにはライセンス販売も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る統合IDサービス提供システムを同システムに関連する各種構成と共に示す図である。
【図2】本実施の形態に係る統合IDサービス提供システムのブロック図である。
【図3】統合ID管理サーバに設けられるID履歴データベースを示す図である。
【図4】統合IDの新規登録時の処理の流れを示す図である。
【図5】統合IDに関連するUIDまたはHIDの追加登録時の処理の流れを示す図である。
【図6】MNPのキャリア変更に伴い統合IDに関連するUIDの変更登録をする時の処理の流れを示す図である。
【図7】統合ID管理サーバによる公式サイトと一般サイトのための履歴管理機能を示す図である。
【図8】公式サイト、一般サイトおよびPCサイトからの統合ID管理サーバの履歴閲覧を示す図である。
【図9】携帯電話サイトとPCサイトのシームレスなサービスの例を示す図である。
【図10】複数の携帯電話サイトでのシームレスなサービスの例を示す図である。
【図11】複数の携帯電話サイトでのシームレスなサービスの例を示す図である。
【図12】複数の携帯電話サイトでのシームレスなサービスの例を示す図である。
【図13】従来の公式サイトと一般サイトによる会員管理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施の形態に係る統合IDサービス提供システムについて、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態に係る統合IDサービス提供システム1をサービス提供対象の各種構成と共に示しており、図2は、統合IDサービス提供システム1の構成を示している。
【0034】
まず、図1を参照して、本実施の形態の統合IDサービス提供システム1に関連する各種構成を説明する。図1において、携帯電話11は、基地局13、携帯電話網15および携帯電話局17を介してインターネット19に接続される。また、携帯電話ユーザ(以下、単にユーザという)のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)21もインターネット19に接続される。
【0035】
インターネット19には、さらに、公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27が接続される。公式サイト23および一般サイト25は携帯電話サイトであり、インターネット19を介して携帯電話13にサイトサービスを提供する。PCサイト27は、インターネット19を介してユーザのPC21に対してサイトサービスを提供する。
【0036】
公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27の各々は、WEBサーバ機能を有するサーバ装置によって実現される。このサーバ装置は、WEBサーバ機能によってインターネットに接続され、携帯電話11やPC21にサイトサービスを提供するための通信を行う。サイトサービスでは、他のサイトとのリンクも提供される。また、サーバ装置は、図示のように統合IDサービス提供システム1との通信機能も有している。
【0037】
図1では、携帯電話11、PC21、公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27が一つずつ示されている。しかし、実際には複数の携帯電話11、複数のPC21、複数の公式サイト23、複数の一般サイト25および複数のPCサイト27がインターネット19に接続されることはもちろんである。また、図1では一つのキャリアの携帯電話局17が示されているが、実際には複数のキャリアの携帯電話局17がインターネット19に接続される。
【0038】
次に、図1および図2を参照し、本実施の形態の統合IDサービス提供システム1について説明する。統合IDサービス提供システム1は、図1に示されるように、本実施の形態に特徴的な統合識別情報(統合ID)を登録する統合ID登録サーバ3と、統合ID登録サーバ3によって登録された統合IDを管理する統合ID管理サーバ5とを備えており、これらは互いに接続されている。また、これらのサーバは、一のコンピュータに備えられてもよい。
【0039】
統合ID登録サーバ3は、上記のようにサービス提供対象の各ユーザのために統合IDを登録する機能を有する。統合IDは、ユーザ識別情報(UID)および端末識別情報(HID)とは別にユーザ毎に登録される。ここで、UIDは、既に説明したように、携帯電話キャリアにて各々のユーザに与えられた識別情報であり、公式サイト23で利用される。また、HIDは、携帯電話毎に付けられた識別情報であり、主として、UIDを入手できない一般サイト25にて利用される。本実施の形態では、これらUIDおよびHIDに加えて、さらに、統合IDが登録される。
【0040】
統合ID登録サーバ3はWEBサーバの機能を有し、インターネット19に接続され、インターネット19を介して統合ID登録サービスを提供するように構成されている。より詳細には、統合ID登録サーバ3は、携帯電話サイトからのリンクが張られた統合ID登録サイトを提供する。そして、統合ID登録サーバ3は、携帯電話サイトにおいてリンクが選択されたときに携帯電話11と接続されて、統合ID登録サイトにて統合ID登録サービスを携帯電話11に提供する。
【0041】
統合ID登録サーバ3は、図2に示されるように、統合ID新規登録部31、関連ID追加登録部33および関連ID変更登録部35を有する。統合ID新規登録部31、関連ID追加登録部33および関連ID変更登録部35は、統合ID登録サーバ3のWEBサーバの機能を用いて統合IDの登録関連のサービスを提供する。
【0042】
統合ID新規登録部31は、新規に統合IDを登録する処理を行う。統合ID新規登録部31は、統合IDが未登録である未登録ユーザの携帯電話11から統合ID登録要求を受け付ける。統合ID登録要求は、UIDおよびHIDの少なくとも一方を含む。統合ID新規登録部31は、統合ID登録要求に応えて新しい統合IDを登録する処理を行う。ここでは、新しい統合IDが、統合ID登録要求に含まれたUID、HIDまたはその両方と共に、統合ID新規登録部31の指示で統合ID管理サーバ5に記憶される。
【0043】
関連ID追加登録部33は、統合IDがUIDおよびHIDの一方と共に既に登録された既登録ユーザについて、残りのIDを受け付けて既登録の統合IDと関連づけて登録する。例えば、HIDと共に統合IDが既に登録されているとする。そして、統合IDとUIDが受け付けられたとする。この場合、関連ID追加登録部33は、UIDを統合IDおよびHIDと関連づけて登録する処理を行う。UIDは、関連ID追加登録部33の指示により、統合ID管理サーバ5に記憶される。
【0044】
関連ID変更登録部35は、機種変更やキャリア変更が行われたときに機能して、統合IDと関連するHIDやUIDを変更する。
【0045】
関連ID変更登録部35は、同一キャリア内で携帯電話11の機種変更が行われたとき、機種変更後の携帯電話11のHIDを統合IDと共に受け付け、統合IDに関連づけられた機種変更前のHIDを更新する。更新処理としては、関連ID変更登録部35の指示で、統合ID管理サーバ5で管理しているID情報が書き換えられる。
【0046】
また、関連ID変更登録部35は、異なるキャリアへと携帯電話11が変更されたときに、キャリア変更後の携帯電話11のUIDを統合IDと共に受け付けて、統合IDに関連づけて登録されたキャリア変更前のUIDを更新する。更新処理としては、関連ID変更登録部35の指示で、統合ID管理サーバ5で管理しているID情報が書き換えられる。
【0047】
次に、統合ID管理サーバ5について説明する。統合ID管理サーバ5は、統合IDをUIDおよびHIDと共に管理する。統合ID管理サーバ5は、これらIDと共に、公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27で提供されたサイトサービスの履歴情報を一括管理するように構成されている。
【0048】
統合ID管理サーバ5は、図2に示されるようにID履歴データベース41を有している。ID履歴データベース41は、各ユーザのUID、HIDおよび統合IDと、同ユーザに公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27で提供されたサイトサービスの履歴情報とを関連づけて記憶する。
【0049】
図3は、ID履歴データベース41に記憶されるデータの例を示す図である。この例では、UIDが「XX0001」であり、HIDが「ABCDABCD」であり、統合IDが「xxxyyy1111」である。また、履歴情報としては、公式サイト23および一般サイト25で提供されたサイトサービスの履歴が記録されている。図の例では、公式サイト23は着信メロディ配信サイトであり、一般サイト25はSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)である。
【0050】
図3に示すように、着信メロディを提供したときは、曲名と素材IDが履歴情報として記録される。着信メロディはコンテンツの一例であり、そして、素材IDは、コンテンツを一意に特定するコンテンツIDに相当する。この例に示したように、本実施の形態では、公式サイト23、一般サイト25やPCサイト27がコンテンツ配信サイトである場合には、提供したコンテンツのコンテンツIDが履歴情報に含められる。
【0051】
図3では、UID、HID、統合IDと履歴情報が一つのテーブルで示されている。より詳細には、実際のシステムでは、図2に示されるように、ID履歴データベース41が、IDデータベース43および履歴データベース45といった2つのデータベースで構成されてよい。IDデータベース43は、各ユーザのUID、HIDおよび統合IDを関連づけて記憶するデータベースである。履歴データベース45は、各ユーザの統合IDと履歴情報を関連づけて記憶するデータベースである。したがって、これらデータベースを合わせると、図3の情報が得られる。例えば、UIDに対応する履歴情報を検索するときは、UIDに対応する統合IDがIDデータベース43から検索され、さらに、統合IDに対応する履歴情報が履歴データベース45から検索される。
【0052】
統合ID管理サーバ5は、さらに、サイト通信部47、履歴書込部49、履歴提供部51およびID提供部53を有している。サイト通信部47は、公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27と通信する。通信には専用回線等が用いられてよい。
【0053】
履歴書込部49は、公式サイト23や一般サイト25およびPCサイト27で提供されたサイトサービスの履歴情報をID履歴データベース41に書き込む構成である。公式サイト23や一般サイト25といった携帯電話サイトからは、提供したサイトサービスの履歴情報が、UID、HIDおよび統合IDの少なくとも一のIDと共に送られてくる。また、PCサイト27からは履歴情報が統合IDと共に送られてくる。これら履歴情報はサイト通信部47に受信され、履歴書込部49に供給され、受け取ったIDおよび残りのIDと関連づくようにID履歴データベース41に書き込まれる。
【0054】
履歴提供部51は、ID履歴データベース41に記憶された履歴情報を公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27に提供する構成である。公式サイト23や一般サイト25からは、UID、HIDおよび統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が送られてくる。また、PCサイト27からは統合IDを含む履歴送信要求が送られてくる。この履歴送信要求がサイト通信部47に受信され、履歴提供部51に供給される。履歴提供部51は、履歴送信要求に含まれるIDに該当する履歴情報をID履歴データベース41から検索する。そして、履歴提供部51は、検索した履歴情報を、履歴送信要求を送ってきたサイトへとサイト通信部47を介して送信する。また、図示はしていないが、検索した履歴情報を公式サイト23、一般サイト25、PCサイト27へ送信する際に、履歴情報を表示するための画面を作成するサーバを経由して送信してもよい。
【0055】
ID提供部53は、公式サイト23および一般サイト25へとID履歴データベース41に記憶されたIDを通知する構成である。各サイトからは、UID、HIDおよび統合IDのうちの少なくとも一のIDを含むID送信要求が送られてくると、このID送信要求がサイト通信部47に受信され、ID提供部53に供給される。ID提供部53は、ID送信要求に含まれるIDに該当する他のIDをID履歴データベース41から検索する。ここでは、ID履歴データベース41のIDデータベース43が検索される。例えば、ID送信要求がUIDを含んでいれば、HIDと統合IDが検索される。ID送信要求に応じて、一つのID、例えば統合IDのみが検索されてもよい。ID提供部53は、検索したIDを、ID送信要求を送ってきたサイトへとサイト通信部47を介して送信する。
【0056】
ID提供部53は、PCサイト27に対しても上記と同様にしてID送信要求に応えてIDを通知してよい。
【0057】
以上に本実施の形態に係る統合IDサービス提供システム1の各部構成について説明した。次に、具体例を参照して、統合IDサービス提供システム1の動作を説明する。
【0058】
図4は、統合IDを新規に登録するときの処理の流れを示している。この例では、公式サイト23への入会時に統合IDが登録される。また、この例では、公式サイト23が着信メロディ配信サイトである。
【0059】
図4において、携帯電話11が、公式サイト23にアクセスして、公式サイト23に入会すると共に着信メロディを購入したとする。公式サイト23では、携帯電話11のUIDが取得され、UIDと共に、曲名とその素材IDが記録される。なお、もちろん、入会と着信メロディの購入は同時でなくてもよい。
【0060】
図示のように、公式サイト23の携帯電話画面上では、さらに、統合ID関連のページが表示される。このページには、統合ID入力欄と統合ID登録ボタンが表示される。統合ID入力欄は、後述するように、既に統合IDが登録されているときに使用される。ここでは、統合IDが未登録なので、統合ID登録ボタンがクリックされる。
【0061】
統合ID登録ボタンがクリックされると、公式サイト23から張られたリンクにより、携帯電話11は、統合ID登録サーバ3が提供する統合ID登録サイトへと接続される。統合ID登録サイトに接続されると、まず、図示のように、メール送信画面が起動して空メールが生成される。この空メールが統合ID登録サーバ3に送信され、統合ID登録サーバ3からの返信メールに統合ID登録ページへのリンクが表示される。このリンクがクリックされると、携帯電話11が統合ID登録サイトと接続され、統合IDが発行されて、携帯電話11に表示される。統合IDは携帯電話11のUIDおよびHIDと紐付けて統合ID管理サーバ5のID履歴データベース41にて管理される。
【0062】
上記の過程で、統合ID登録サーバ3は、携帯電話11からアクセスされることで、UIDとHIDを含む統合ID登録要求を受け付ける。この統合ID登録要求に応えて、統合ID新規登録部31により統合IDが登録される。その結果、図示のように、統合IDがUIDおよびHIDと共に登録される。
【0063】
この例では、統合ID登録要求がUIDとHIDを含んでおり、最初から統合IDがUIDおよびHIDと共に登録される。しかし、UIDのみを含む統合ID登録要求が受け付けられてよい。この場合、統合IDの新規登録時点では、UIDのみが統合IDと紐付けられる。
【0064】
また、携帯電話11が一般サイト25にアクセスしたときも、同様にして統合IDが登録される。ただし、一般サイト25はHIDを携帯電話11から取得する。そこで、統合ID登録サーバ3でも、HIDを含む統合ID登録要求を受け付け、HIDと紐付けて新規の統合IDを登録する。
【0065】
以上のように、統合ID新規登録部31は、公式サイト23や一般サイト25といった携帯電話サイトから、UIDおよびHIDの少なくとも一方を含む統合ID登録要求を受け付けて統合IDを新規に登録する。
【0066】
なお、上記の例では、入会と同時に統合IDが登録された。しかし、統合IDのタイミングは任意であり、入会時でなくてよい。ユーザが統合IDの登録を希望するときに統合ID登録ボタンを押すと、統合IDが登録される。
【0067】
また、公式サイト23の統合ID登録ボタンは、統合IDが未登録の場合にのみ表示されてよい。この場合、ユーザの統合IDが登録済みか否かが公式サイト23にて判断される。この判断のために、公式サイト23は、UIDを含むID送信要求を統合ID管理サーバ5に送信する。統合ID管理サーバ5からUIDに対応する統合IDが返信されなければ、統合IDが未登録であると判断される。この点は、一般サイト25においても同様であるが、一般サイト25においてはHIDが用いられる。
【0068】
また、上記の例では、公式サイト23からのリンクによる統合ID登録サーバ3の統合ID登録サイトへの接続後に、空メールが送信され、それから統合ID登録サイトのリンクを表示したメールが返信されて、また統合ID登録サイトへの接続が行われた。この一連の処理は、携帯電話11から電子メールアドレスを入手するために行われている。空メールを利用することで、ユーザが電子メールアドレスを入力する手間が省かれる。
【0069】
また、図示されないが、統合IDの登録処理では、統合IDの希望がユーザの携帯電話11から受け付けられてよい。この場合、希望する統合IDが統合ID登録サーバ3から統合ID管理サーバ5に送られる。統合ID管理サーバ5では、希望する統合IDと同一の統合IDが存在するか否かが調べられる。同一の統合IDが無ければ、希望する統合IDがそのまま統合ID管理サーバ5で記憶される。同一の統合IDが既に登録されている場合、その旨が統合ID登録サーバ3に伝えられる。統合ID登録サーバ3は、携帯電話11から別の統合IDの希望を受け付ける。
【0070】
なお、上記の例と異なり、既登録の統合IDと重複しない統合IDが自動的に生成され、ユーザに通知されてもよい。
【0071】
また、図示されないが、パスワードも統合IDと共に登録される。パスワードも、統合IDの希望と共に携帯電話11から受け付けられ、統合IDと紐付けて統合ID管理サーバ5に記憶される。
【0072】
以上に統合IDの新規登録処理について説明した。統合IDが登録されると、統合ID管理サーバ5での統合IDの管理が開始する。図示のように、公式サイト23からはUIDと共に履歴情報が統合ID管理サーバ5へ送られ、履歴情報はUIDなどと関連づけて統合ID管理サーバ5のID履歴データベース41に書き込まれる。図の例では、履歴情報は、公式サイト23への入会記録と、公式サイト23での着信メロディの購入記録である。
【0073】
図5は、統合IDに紐付けられるべきUIDまたはHIDを追加するときの処理の流れを示している。この例では、ユーザは既に一般サイト25に入会している。一般サイト25はSNSである。統合ID管理サーバ5のID履歴データベース41では、統合IDがHIDと紐付けてすでに登録されており、履歴情報としてはSNSへの入会が記録されている。しかし、UIDはまだ登録されていない。
【0074】
携帯電話11は、公式サイト23にアクセスして、公式サイト23に入会すると共に着信メロディを購入したとする。公式サイト23では、携帯電話11のUIDが取得され、UIDと共に、曲名とその素材IDが記録される。
【0075】
この際、公式サイト23の携帯電話画面上には、図4と同様の統合ID関連のページが表示される。ここでは、統合IDが登録済みなので、統合ID入力欄に統合IDが入力される。統合IDは手動操作で入力される。
【0076】
統合IDが入力されると、公式サイト23からのリンクによって、携帯電話11は統合ID登録サーバ3に接続される。統合ID登録サーバ3では、関連ID追加登録部33が、携帯電話11から統合IDとUIDを受け付けて、UIDを統合IDと紐付けて追加で登録する。この際、関連ID追加登録部33は、統合IDとUIDを統合ID管理サーバ5に伝えて、UIDの追加を指示する。統合ID管理サーバ5では、統合IDがID履歴データベース41から検索されて、統合IDと関連づけてUIDを記録する。
【0077】
UIDが登録されると、公式サイト23から履歴情報がUIDと共に統合ID管理サーバ5に送信される。この履歴情報がUID等と関連づけてID履歴データベース41に記録される。図の例では、公式サイト23への入会と着信メロディの購入が記録されている。
【0078】
上記の例では、先にHIDと統合IDのみが記録されていて、UIDが追加された。逆に、UIDと統合IDのみが記録されていて、HIDが追加されてもよい。
【0079】
図6は、MNPによってUIDが変わったときの処理の流れを示している。MNPでは、携帯電話キャリアの変更の際に携帯電話番号は引き継がれるが、UIDは変わってしまう。図の例では、UIDが「XX0001」から「YY9999」に変わる。
【0080】
キャリア変更後の携帯電話11が、キャリア変更前にユーザが入会していた公式サイト23にアクセスし、着信メロディを購入したとする。公式サイト23は、キャリア変更後のUIDを取得し、着信メロディの購入を記録する。
【0081】
さらに、キャリア変更後の携帯電話11の画面上には、図4と同様の統合ID関連のページが表示される。ここでは、キャリア変更前の携帯電話11を用いて既に統合IDが登録されているので、統合ID入力欄に統合IDが入力される。
【0082】
統合IDが入力されると、公式サイト23からのリンクによって、携帯電話11は統合ID登録サーバ3に接続される。統合ID登録サーバ3では、関連ID変更登録部35が、キャリア変更後のUIDを統合IDと共に受け付けて、統合IDと関連づけられたキャリア変更前のUIDを更新する処理を行う。この際、関連ID変更登録部35は、統合IDとUIDを統合ID管理サーバ5に伝えて、UIDの変更を指示する。統合ID管理サーバ5では、統合IDがID履歴データベース41から検索されて、統合IDと関連づけられたUIDが更新される。
【0083】
公式サイト23からは更新後のUIDと共に履歴情報が統合ID管理サーバ5に送られる。そして、更新後のUID等と関連づけて履歴情報が保存される。図の例では、履歴情報は、キャリア変更後の携帯電話11を使った着信メロディの購入記録である。
【0084】
また、キャリア変更前のサイトサービスの履歴情報もキャリア変更時に引き継がれる。これにより重複サービスを避けられる。例えば、キャリア変更前にダウンロードした着信メロディを、キャリア変更後に再度ダウンロードしたとする。この場合、着信メロディの購入履歴が残っているので、再度の課金を避けられる(なお、更新後のUIDを使って再ダウンロードサービスを提供できるので、統合IDの入力は不要である)。
【0085】
なお、キャリア変更時は、UIDだけでなくHIDも変わる。しかし、図6の例では、UIDは更新されているが、HIDは更新されていない。HIDは、後にキャリア変更後の携帯電話11が一般サイト25にアクセスしたときに更新されてよい。また、UIDと同時にHIDも携帯電話11から入手され、更新されてよい。
【0086】
また、キャリア変更ではなく、同一キャリア内の機種変更が行われることもある。この場合、携帯電話番号とUIDは変わらないが、HIDは変わってしまう。そこで、上記と同様の処理によってHIDが更新される。すなわち、HIDが統合IDと共に統合ID登録サーバ3に受け付けられて、統合ID管理サーバ5のHIDが更新される。この処理も統合ID登録サーバ3の関連ID変更登録部35により行われる。
【0087】
以上に、統合IDなどの登録関連の動作を説明した。次に、統合ID管理サーバ5でIDや履歴情報を一括管理する動作について説明する。
【0088】
図7の例を参照すると、携帯電話11のユーザは、公式サイト23と一般サイト25に入会している。この例でも、公式サイト23は着信メロディ配信サイトであり、一般サイト25はSNSである。
【0089】
公式サイト23は、携帯電話11にサイトサービスを提供するときにUIDを用いてユーザを特定する。そして、公式サイト23は、提供したサイトサービスの履歴情報をUIDと共に統合ID管理サーバ5に送信する。一方、一般サイト25は、携帯電話11にサイトサービスを提供するときにHIDを用いてユーザを特定する。そして、一般サイト25は、提供したサイトサービスの履歴情報をHIDと共に統合ID管理サーバ5に送信する。統合ID管理サーバ5では、履歴情報がUID、HIDおよびそれらに対応する統合IDと関連づくようにID履歴データベース41に記録される。
【0090】
上記のようにして、公式サイト23や一般サイト25で提供されたサイトサービスの履歴情報が統合ID管理サーバ5に集められ、蓄積される。蓄積された履歴情報は以下のようにして活用される。
【0091】
公式サイト23は、携帯電話11からアクセスされてUIDを入手すると、UIDを含む履歴送信要求を統合ID管理サーバ5に送る。統合ID管理サーバ5は、履歴送信要求のUIDに該当する履歴情報を検索して、公式サイト23に提供する。このとき、一般サイト25から送られて統合ID管理サーバ5に蓄積された履歴情報も検索され、公式サイト23に送られる。
【0092】
同様に、一般サイト25は、携帯電話11からアクセスされてHIDを入手すると、HIDを含む履歴送信要求を統合ID管理サーバ5に送る。統合ID管理サーバ5は、履歴送信要求のHIDに該当する履歴情報を検索して、一般サイト25に提供する。このとき、公式サイト23から送られて統合ID管理サーバ5に蓄積された履歴情報も検索され、一般サイト25に送られる。
【0093】
このように、公式サイト23や一般サイト25は、履歴送信要求を送ることで、自分のサイトで提供したサイトサービスの履歴情報以外に、他のサイトで提供されたサイトサービスの履歴情報を入手でき、この履歴情報を使ってシームレスなサービスを提供することができる。例えば、配信された着信メロディの履歴情報を基に、他のサイトでおすすめの曲等の情報を配信することができる。
【0094】
なお、上記の例では、公式サイト23は履歴情報や履歴送信要求を送るときに、専らUIDを送っている。しかし、本発明はこれに限定されず、公式サイト23は、UID、HIDおよび統合IDの少なくとも一つを送ってよい(公式サイト23はUIDだけでなくHIDも入手可能である)。また、一般サイト25は専らHIDを送っているが、本発明はこれに限定されず、一般サイト25はHIDおよび統合IDの少なくとも一つを送ってよい。このように携帯電話サイトは、履歴情報や履歴送信要求を送るとき、UID、HIDおよび統合IDの少なくとも一つを送ればよい。少なくとも一つのIDが通信されれば、統合ID管理サーバ5ではIDを使った履歴管理を行える。
【0095】
この点に関して説明を加えると、本実施の形態では、上述のように公式サイト23や一般サイト25は基本的にはUIDやHIDのみをキーにして処理を行う。しかし、個人情報を扱う処理等を行う場合には、統合IDの入力を公式サイト23や一般サイト25から携帯電話11に要求することがセキュリティ対策として効果的である。この場合に、統合IDと共に登録されたパスワードの入力も要求されてよい。そして、これら統合IDおよびパスワードも公式サイト23や一般サイト25から統合ID管理サーバ5に送られる。これら情報を用いて認証等を行うことができる。
【0096】
図8は、公式サイト23、一般サイト25およびPCサイト27といった各種のサイトからの履歴情報の閲覧処理を示す図である。公式サイト23や一般サイト25がUIDやHIDを用いて統合ID管理サーバ5の履歴情報を閲覧できることは既に述べた通りであるが、本実施の形態では、さらにPCサイト27も統合IDを用いることにより統合ID管理サーバ5の履歴情報を閲覧できる。
【0097】
より詳細には、PCサイト27は、携帯電話ユーザのPC21からのアクセスを受け付け、PC21に統合IDの入力を要求し、入力された統合IDを受け付ける。そして、PCサイト27は、統合IDを含む履歴送信要求を統合ID管理サーバ5に送る。統合ID管理サーバ5では、統合IDに該当する履歴情報が履歴提供部51により検索されて、PCサイト27に返される。これにより、PCサイト27は、携帯電話ユーザの携帯電話11へ公式サイト23や一般サイト25から提供されたサイトサービスの履歴情報を入手でき、この履歴情報に基づいたサイトサービスを携帯電話ユーザのPC21へと提供できる。
【0098】
PCサイト27がPC21へ提供したサイトサービスの履歴情報も統合ID管理サーバ5に管理される。この場合、PCサイト27は、履歴情報を統合IDと共に統合ID管理サーバ5に送信する。この履歴情報が統合IDなどと関連づけてID履歴データベース41に記録される。これにより、PCサイト27の履歴情報を公式サイト23や一般サイト25から閲覧可能になる。
【0099】
また、PCサイト27がコンテンツ配信サイトである場合、公式サイト23等がコンテンツ配信サイトである場合と同様、統合ID管理サーバ5に蓄積される履歴情報には、提供したコンテンツを一意に特定するコンテンツID(本実施の形態では素材ID)が含められる。
【0100】
次に、図9は、本実施の形態により実現されるシームレスなサービスの具体例を示している。図9の例では、統合ID管理サーバ5のID履歴データベース41には、公式サイト23や一般サイト25で提供されたサイトサービスの履歴情報が既に記録されている。ここでも、公式サイト23が着信メロディ配信サイトであり、一般サイト25がSNSである。そして、図9の例では、公式サイト23のサイトサービスの履歴情報が、PCサイト27によって利用される。
【0101】
PCサイト27は、音楽、画像等のPC素材を配信するダウンロードサイトである。PC素材は、例えば、楽曲データ(曲全体のデータ)である。また、PC素材は画像データでもよい。画像データは、例えばCDジャケット写真のデスクトップ用壁紙である。また例えば、PC素材は歌詞のテキストデータでもよい。PCサイト27は、いろいろな曲についてのPC素材を記憶した素材データベースを有している。
【0102】
PCサイト27は、PC21からアクセスされて、統合IDを受け付ける。統合IDを含む履歴送信要求が統合ID管理サーバ5に送られて、統合ID管理サーバ5から履歴情報がPCサイト27に提供される。これにより、PCサイト27は、公式サイト23で配信された着信メロディの曲名と素材IDを入手する。
【0103】
PCサイト27は、公式サイト23で配信された着信メロディの曲名のリストを表示する。リスト中の各曲名の横には曲名選択用のダウンロードボタンが表示される。ダウンロードボタンをクリックされると、選択された曲名に対応する素材IDに対応するPC素材が素材データベースから検索されて、PC21にダウンロードされる。
【0104】
このようにして、PCサイト27は、統合ID管理サーバ5の履歴情報を活用することにより、公式サイト23で提供された着信メロディに関連するPC素材を携帯電話ユーザのPC21に提供することができる。このとき、公式サイト23で購入した着信メロディの曲名リストがPCサイト27で表示されるので、ユーザは、曲名の入力を繰り返さずとも、購入した着信メロディに対応するPC素材を容易に入手できる。
【0105】
図10は、本実施の形態により実現されるシームレスなサービスの別の具体例を示している。図10の例では、携帯電話11が、公式サイト23であるECサイトへアクセスする。ECサイトでは、CDと、そのCDの収録曲の着信メロディとが一緒に購入される。ECサイトは、UIDと共に、CD購入と着信メロディ購入の履歴情報を統合ID管理サーバ5に送信し、統合ID管理サーバ5では履歴情報が記憶される。
【0106】
ECサイトでは、さらに、図示のように着信メロディのダウンロードサイトへのリンクが表示される。このリンクがクリックされると、携帯電話11は着信メロディのダウンロードサイトへ接続され、このときに本実施の形態の統合ID管理サービスが引き継がれる。着信メロディのダウンロードサイトが一般サイト25であったとすると、HIDを含む履歴送信要求がダウンロードサイトから統合ID管理サーバ5に送られる。そして、履歴送信要求に応えて履歴情報がダウンロードサイトに提供される。このとき、ECサイトでの着信メロディ購入の履歴情報が提供され、この履歴情報に基づいて、購入された着信メロディが携帯電話11にダウンロードされる。こうして、同じ曲のCDと着信メロディを容易に購入できる。このとき、複数の携帯電話サイトを利用しているにも拘わらず、前のサイトの履歴が後のサイトで利用されるので、曲名を何度も入力するなどの手間が省くことができる。
【0107】
図11および図12は、本実施の形態により実現されるシームレスなサービスの別の具体例を示している。この例では、図11にて、公式サイト23から着信メロディが購入され、続いて、図12にて、購入した着信メロディの情報が一般サイト25のSNS日記に貼り付けられる。
【0108】
図11では、携帯電話11が公式サイト23にアクセスして曲を購入すると、公式サイト23は、UIDと共に着信メロディ購入の履歴情報を統合ID管理サーバ5に送る。履歴情報は曲名と素材IDを含む。統合ID管理サーバ5では、UIDなどと関連づけて着信メロディ購入の履歴情報が記憶される。
【0109】
公式サイト23の画面では、「ダウンロード」ボタンと共に「日記に貼り付け」ボタンが表示される。このボタンがクリックされると、リンクによって携帯電話11はSNSの一般サイト25に接続される。このとき、統合IDが公式サイト23から一般サイト25に引き継がれる。
【0110】
図12に示されるように、一般サイト25は、引き継いだ統合IDに対応するHIDを取得する。このとき、統合IDを含むID送信要求が統合ID管理サーバ5に送られる。統合ID管理サーバ5では、ID送信要求に含まれる統合IDに対応するHIDが検索されて、一般サイト25に提供される。この処理はID提供部53により行われる。
【0111】
一般サイト25は、さらに、HIDを含む履歴送信要求を統合ID管理サーバ5に送る。統合ID管理サーバ5では、履歴送信要求に含まれるHIDに対応する履歴情報が検索されて、一般サイト25に送られる。これにより、公式サイト23での着信メロディ配信の履歴情報も一般サイト25に提供される。
【0112】
上記の例では、まず、引き継がれた統合IDを含むID送信要求に応答して統合ID管理サーバ5からHIDが提供され、それから、HIDを含む履歴送信要求に応えて統合ID管理サーバ5から着信メロディ配信の履歴情報が提供された。別の例では、統合IDを含んだID送信要求と履歴送信要求が同時に受け付けられて、これら要求に応えて、統合IDに対応するHIDと着信メロディ配信の履歴情報が統合ID管理サーバ5から一般サイト25に提供されてもよい。この処理でも、HIDと着信メロディ配信の履歴情報を一般サイト25に入手させることができる。
【0113】
一般サイト25は、公式サイト23からのリンクにより接続された携帯電話11に対して、上記のようにして取得したHIDと着信メロディ配信の履歴情報を使ってSNSサービスを提供する。一般サイト25は、HIDを基に会員を特定し、特定した会員の日記画面を携帯電話11に提示する。日記画面中には、着信メロディのダウンロードサイトへのリンクも貼り付けられる。
【0114】
このようにして本実施の形態によれば公式サイト23で購入された着信メロディの情報を一般サイト25のSNS日記に自動的に貼り付けることができ、両サイトでシームレスなサービスが提供される。
【0115】
最後に、本実施の形態の統合IDサービス提供システム1によって実現可能になるライセンス販売について説明する。ここでは、ライセンスの対象の例として曲(音楽)を取り上げる。
【0116】
上述の実施の形態において、図7の例では、公式サイト23によりコンテンツとして着信メロディが配信された。また、図9の例では、PCサイト27により、コンテンツとして曲関連のPC素材(曲全体の楽曲データや、その他の画像、テキストなど)が配信された。これらに代表されるように、複数の携帯電話サイト(公式サイト23および一般サイト25)や複数のPCサイト27がコンテンツ配信サイトとして各種のコンテンツを配信する。そして、同じ曲に関する異なるコンテンツが別々のサイトで同一ユーザに提供されることもある。このような場合に、従来は単に各々のサイトでコンテンツが個別に販売されていた。こうした従来のコンテンツ販売と異なり、本実施の形態では、統合IDサービス提供システム1の履歴情報を利用してライセンス販売を行うことができる。
【0117】
ライセンス販売では、典型的には一のサイトにてあるライセンス対象のコンテンツをユーザに最初に配信する時点の処理でライセンスが販売される。その後、他のサイトが、同一ユーザに同じライセンス対象についての異なるコンテンツを配信するとき、統合IDサービス提供システム1の履歴情報が閲覧される。これにより、同じライセンス対象の別のコンテンツを別のサイトで配信済みであることが分かり、したがって、ライセンスが既に販売されたことを把握できる。そして、他のサイトは、販売済みのライセンス対象についての他の形式のコンテンツを配信する。
【0118】
図7の例では、公式サイト23により「曲1」の着信メロディが購入されている。このときに対象ユーザに対して初めて「曲1」関連のコンテンツが配信されたとすると、ライセンス販売を適用する場合、上記の「曲1」の着信メロディの購入時点でライセンスが販売される。その後、他の携帯電話サイト(公式サイト23でも一般サイト25でもよい)が同一ユーザにコンテンツ配信サービスを提供するときに、履歴送信要求に応えて同ユーザの履歴情報が統合IDサービス提供システム1から提供される。この履歴情報から、他の携帯電話サイトは、「曲1」のライセンスが販売済みであることを把握して、「曲1」についての様々な形式のコンテンツを配信する。
【0119】
さらに、図9の例では、既に説明したように公式サイト23で「曲1」の着信メロディが配信された後、PCサイト27で「曲1」のPC素材が配信される。このときも、PCサイト27からの履歴送信要求に応えて履歴情報が統合IDサービス提供システム1からPCサイト27に提供される。そこで、PCサイト27は、「曲1」のライセンスが販売済みであることが把握して、「曲1」についてのコンテンツを配信する。
【0120】
上記の例では、携帯電話サイトが「曲1」のコンテンツを最初に配信しており、この際にライセンスが販売された。これに対して、PCサイトが最初にコンテンツを配信する場合には、その時点でライセンスが販売されてよい。その後に他のPCサイトや携帯電話サイトから、統合IDサービス提供システム1の履歴情報に基づいてコンテンツが配信される。
【0121】
また、上記の例では、曲についてのライセンスが販売された。しかし、ライセンスの対象は曲に限定されなくてよい。
【0122】
また、上記の例では、一のサイトにてあるライセンス対象のコンテンツを最初にユーザに配信するときにライセンスが販売された。しかし、コンテンツを提供しなくても、ライセンスのみをサイトサービスで販売することも可能である。このライセンス販売の履歴が統合ID管理サーバ5に記憶され、コンテンツ配信サイトに提供される。
【0123】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、統合IDサービス提供システム1の履歴情報を利用することで、より詳しくは統合ID管理サーバ5が履歴情報を蓄積し提供する機能を利用することで、ライセンス販売の履歴情報を各サイトに提供できる。これにより、同じ曲などについての異なるコンテンツが異なるサイトで提供される状況でも、ライセンス販売を実現できる。ライセンス販売の実現により、ユーザは、所望の曲などについて、一回ライセンスを購入すると、多様なコンテンツをいろいろなサイトから入手して楽しむことができ、これにより、複数のサイトが一緒になってユーザに便利なサービスを提供できる。
【0124】
以上に本発明の好適な実施の形態について説明した。上述の実施の形態では、統合ID登録サーバ3および統合ID管理サーバ5がそれぞれ本発明の統合ID登録手段および統合ID管理手段に相当する。統合ID管理サーバ5においては、サイト通信部47、ID履歴データベース41、履歴書込部49および履歴提供部51が、本発明のサイト通信手段、ID履歴記憶手段、履歴書込手段および履歴提供手段に相当する。
【0125】
本発明によれば、上述したように、UIDおよびHIDとは別にサービス対象の携帯電話ユーザ毎に固有の統合IDが統合ID登録手段により登録され、この統合IDがUIDおよびHIDと共に統合ID管理手段により管理される。統合ID管理手段では、UID、HIDおよび統合IDと関連づけて携帯電話サイトで携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報が記憶される。そして、携帯電話サイトからの履歴送信要求に応えて、統合ID管理手段に記憶された履歴情報が提供される。
【0126】
このようにして、本発明によれば、公式サイトや一般サイトといった各種携帯電話サイトで同一ユーザに提供されたサイトサービスの履歴情報が、統合ID管理手段に集められて、UID、HIDおよび統合IDと関連づけて一括管理される。これにより、図7等を用いて説明したように、公式サイトおよび一般サイトが共通の履歴情報を利用可能になり、他のサイトで同一ユーザに提供されたサービスの履歴を把握でき、この履歴に基づいてシームレスなサービスを提供可能になる。
【0127】
また、本発明によれば、図6を用いて説明したように、UIDおよびHIDが統合IDと共に管理されるので、MNPによってUIDが変わったとしても、統合IDを頼りにUIDを更新でき、統合ID管理手段に管理されたサービス履歴の情報も引き続き利用できる。したがって、UIDが変更されたことによるサイト再入会や重複サービスといった弊害がMNP導入に伴って生じるのを回避することができる。
【0128】
また、本発明によれば、上記のように各種携帯電話サイトで同一ユーザに提供されたサイトサービスの履歴情報が一括管理される。これにより、同一曲等の同一のライセンス対象に対応する複数のコンテンツが複数の携帯電話サイトで提供されることを把握でき、したがって、ライセンス販売が可能になる。
【0129】
また、本発明によれば、図4を用いて説明したように、登録ID登録手段は、携帯電話サイトからのリンクが張られた統合ID登録サイトを提供するように構成され、携帯電話サイトにおいてリンクが選択されたときに携帯電話と接続されて、統合ID登録サイトにて統合ID登録サービスを携帯電話に提供する。これにより、統合IDの登録を容易に行うことができる。
【0130】
また、上記の実施の形態では統合ID新規登録部31が本発明の統合ID新規登録手段に相当しており、統合ID新規登録手段を設けたことにより統合IDの新規登録を好適に行うことができる。
【0131】
また、上記の実施の形態では関連ID追加登録部33が本発明の関連ID追加登録手段に相当しており、関連ID登録手段を設けたことにより、UIDおよびHIDの一方としか統合IDが関連づけられていない場合に、他方のIDを統合IDに好適に関連づけることができる。
【0132】
また、上記の実施の形態では関連ID変更登録部35が本発明の関連ID変更登録手段に相当しており、関連ID変更登録手段を設けたことにより、同一キャリア内の機種変更時に、統合IDと関連づけられたHIDを適切に変更でき、サイト再入会や重複サービスを避けることができる。
【0133】
さらに、関連ID変更登録手段を設けたことにより、MNPによるキャリア変更時に、統合IDと関連づけられたUIDを適切に変更でき、サイト再入会や重複サービスを避けることができる。
【0134】
また、上述の実施の形態では統合ID管理サーバ5のID提供部53が本発明のID提供手段に相当する。本発明によれば、ID提供手段を設けたことにより、ID送信要求を携帯電話サイトから受信すると、ID送信要求に対応するIDが検索されて携帯電話サイトに提供される。これにより、履歴情報を使う前のID確認等のサービスも携帯電話サイトに提供することができる。例えば、携帯電話サイトが携帯電話のUIDを受け付けたときに、受け付けたUIDに対応する統合IDの確認が可能になる。
【0135】
また、上述の実施の形態で説明したように、本発明では、携帯電話サイトがコンテンツ配信サイトである場合に、提供されたコンテンツを一意に特定できるコンテンツID(実施の形態では素材ID)が履歴情報に含まれる。これにより、対象ユーザに過去に提供されたコンテンツに応じたサービスを提供することができる。また、同一のライセンス対象に対応する複数のコンテンツが複数の携帯電話サイトで提供されることを把握でき、したがって、ライセンス販売を好適に行える。
【0136】
また、本発明によれば、図9の例を用いて説明したように、PCサイトから統合IDを含む履歴送信要求が送信されたときも、履歴送信要求に含まれる履歴情報が検索されてPCサイトへ提供される。これにより、携帯電話ユーザのPCへも、携帯電話サイトでのサービスの履歴に基づいたサービスをPCサイトから提供できる。このようにして、本発明によれば、統合IDを使うことで携帯電話サイトとPCサイトが共通の履歴を利用でき、携帯電話サイトとPCサイトに跨ったシームレスなサービスを提供できる。
【0137】
また、本発明によれば、PCサイトで携帯電話のユーザが操作するPCに提供されたサイトサービスの履歴情報が統合IDと共に受信されると、この履歴情報も統合ID管理手段に記憶される。これにより、PCサイトで提供されたサービスの情報も、統合IDを使って本システムに履歴情報として記憶される。したがって、PCサイトで提供されたサービスの履歴も携帯電話サイトに供給可能になり、この履歴情報を使ったシームレスなサービスを携帯電話サイトで提供できる。
【0138】
また、本発明によれば、PCサイトがコンテンツ配信サイトである場合にも、コンテンツIDが履歴情報に含まれる。これにより、対象ユーザに過去にPCサイトで提供されたコンテンツに応じたサービスも提供することができる。PCサイトで先に提供されたコンテンツについても、ライセンス販売を好適に行える。
【0139】
また、本発明によれば、図11および図12の例を用いて説明したように、第1の携帯電話サイトと第2の携帯サイトにリンクが張られ、第1の携帯電話サイトから第2の携帯電話サイトへとサービスが移行する(図の例では公式サイト23が第1の携帯電話サイトであり、一般サイト25が第2の携帯電話サイトである)。この際、第1の携帯電話サイトで提供された第1のサイトサービスの履歴情報が統合ID管理手段に記憶され、そして、第2の携帯電話サイトからの要求に応えて提供される。これにより第2の携帯電話サイトが、第1の携帯電話サイトで同一ユーザに提供したサービスの履歴を利用でき、両サイトがシームレスなサービスを提供可能になる。
【0140】
また、本発明によれば、図9の例を用いて説明したように、携帯電話サイト(図9では公式サイト23)で提供された第1のサイトサービスの履歴情報が統合ID管理手段に記憶される。そして、PCサイト27からの要求に応えて、上記の第1のサイトサービスの履歴情報が提供される。このようにして、携帯電話サイトで提供されたサービスの履歴が統合IDを利用してPCサイトに供給され、これにより、携帯電話サイトでのサービスの履歴がPCサイトで利用可能になり、携帯電話サイトとPCサイトでシームレスなサービスを提供可能になる。
【0141】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明にかかる統合IDサービス提供システムは、携帯電話サイトやPCサイトと通信を行ってサイトサービスの情報を管理する技術として有用である。
【符号の説明】
【0143】
1 統合IDサービス提供システム
3 統合ID登録サーバ
5 統合ID管理サーバ
11 携帯電話
13 基地局
15 携帯電話網
17 携帯電話局
19 インターネット
21 PC
23 公式サイト
25 一般サイト
27 PCサイト
31 統合ID新規登録部
33 関連ID追加登録部
35 関連ID変更登録部
41 ID履歴データベース
43 IDデータベース
45 履歴データベース
47 サイト通信部
49 履歴書込部
51 履歴提供部
53 ID提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の前記携帯電話ユーザ毎に固有の統合識別情報(統合ID)を登録する統合ID登録手段と、
前記統合ID登録手段によって登録された前記統合IDを前記UIDおよび前記HIDと共に管理する統合ID管理手段と、
を備え、
前記統合ID管理手段は、
前記携帯電話にサイトサービスを提供する携帯電話サイトと通信するサイト通信手段と、
前記UID、前記HIDおよび前記統合IDと関連づけて前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報を記憶するID履歴記憶手段と、
前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をサービス提供先の前記携帯電話の前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信すると、受信した前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込む履歴書込手段と、
前記携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が受信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記携帯電話サイトに提供する履歴提供手段と、
を備えたことを特徴とする統合IDサービス提供システム。
【請求項2】
前記統合ID登録手段は、前記携帯電話サイトからのリンクが張られた統合ID登録サイトを提供するように構成され、前記携帯電話サイトにおいて前記リンクが選択されたときに前記携帯電話と接続されて、前記統合ID登録サイトにて統合ID登録サービスを前記携帯電話に提供することを特徴とする請求項1に記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項3】
前記統合ID登録手段は、前記統合IDが未登録である未登録ユーザの前記携帯電話の前記UIDおよび前記HIDの少なくとも一方を含む統合ID登録要求を受け付けて前記統合IDを新規に登録する統合ID新規登録手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項4】
前記統合ID登録手段は、前記統合IDが前記UIDおよび前記HIDの一方と共に既に登録された既登録ユーザについて、前記UIDおよび前記HIDの他方を受け付けて、既登録の前記統合IDと関連づけて登録する関連ID追加登録手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項5】
前記統合ID登録手段は、同一キャリア内で携帯電話の機種変更が行われたときに、機種変更後の携帯電話の前記HIDを前記統合IDと共に受け付けて、前記統合IDに関連づけられた機種変更前の前記HIDを更新する関連ID変更登録手段を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項6】
前記関連ID変更登録手段は、異なるキャリアへと携帯電話が変更されたときに、キャリア変更後の携帯電話の前記UIDを前記統合IDと共に受け付けて、前記統合IDに関連づけて登録されたキャリア変更前の前記UIDを更新することを特徴とする請求項5に記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項7】
前記統合ID管理手段は、前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含むID送信要求を前記携帯電話サイトから受信すると、受信された前記ID送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDと前記ID履歴記憶手段にて関連づけられた前記少なくとも一のID以外のIDのうち少なくとも一方のIDを返信するID提供手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項8】
前記ID履歴記憶手段に記憶される前記履歴情報は、前記携帯電話サイトがコンテンツ配信サイトとして提供したコンテンツを一意に特定できるコンテンツIDを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項9】
前記サイト通信手段は、パーソナルコンピュータ(PC)にサイトサービスを提供するPCサイトとも通信を行い、
前記履歴提供手段は、前記PCサイトから前記統合IDを含む履歴送信要求が送信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記統合IDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記PCサイトに提供することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項10】
前記履歴書込手段は、前記PCサイトで前記携帯電話のユーザが操作する前記PCに提供されたサイトサービスの履歴情報が前記統合IDと共に受信されると、受信された前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込むことを特徴とする請求項9に記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項11】
前記ID履歴記憶手段に記憶される前記履歴情報は、前記PCサイトがコンテンツ配信サイトとして提供したコンテンツを一意に特定できるコンテンツIDを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項12】
前記履歴書込手段は、第1の携帯電話サイトで提供された第1のサイトサービスの履歴情報を前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信して前記ID履歴記憶手段に書き込み、
前記履歴提供手段は、前記第1の携帯電話サイトとリンクが張られた第2のサイトサービスを提供する第2の携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求を受け付けて、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当し前記ID履歴記憶手段に記憶された前記第1のサイトサービスの履歴情報を検索して前記第2の携帯電話サイトに提供することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項13】
前記履歴書込手段は、前記携帯電話サイトで提供された第1のサイトサービスの履歴情報を前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信して前記ID履歴記憶手段に書き込み、
前記履歴提供手段は、第2のサイトサービスを提供する前記PCサイトから前記統合IDを含む前記履歴送信要求を受け付けて、前記統合IDに該当し前記携帯電話サイトで提供された前記第1のサイトサービスの履歴情報を検索して前記PCサイトに提供することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の統合IDサービス提供システム。
【請求項14】
各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の前記携帯電話ユーザ毎に固有の統合識別情報(統合ID)を登録し、登録された前記統合IDを前記UIDおよび前記HIDと共に統合ID管理サーバにおいて管理する統合IDサービス提供方法であって、
前記統合ID管理サーバは、
前記携帯電話にサイトサービスを提供する携帯電話サイトと通信し、
前記UID、前記HIDおよび前記統合IDと関連づけて前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をID履歴記憶手段に記憶させ、
前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をサービス提供先の前記携帯電話の前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信すると、受信した前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込み、
前記携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が受信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記携帯電話サイトに提供することを特徴とする統合IDサービス提供方法。
【請求項15】
各々の携帯電話ユーザに与えられたユーザ識別情報(UID)および携帯電話毎に付けられた端末識別情報(HID)とは別にサービス対象の前記携帯電話ユーザ毎に登録された固有の統合識別情報(統合ID)を管理する統合ID管理手段の処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記携帯電話にサイトサービスを提供する携帯電話サイトと通信し、
前記UID、前記HIDおよび前記統合IDと関連づけて前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をID履歴記憶手段に記憶させ、
前記携帯電話サイトで前記携帯電話に提供されたサイトサービスの履歴情報をサービス提供先の前記携帯電話の前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDと共に受信すると、受信した前記サイトサービスの履歴情報を前記ID履歴記憶手段に書き込み、
前記携帯電話サイトから前記UID、前記HIDおよび前記統合IDのうちの少なくとも一のIDを含む履歴送信要求が受信されると、前記履歴送信要求に含まれる前記少なくとも一のIDに該当する履歴情報を前記ID履歴記憶手段から検索して前記携帯電話サイトに提供する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−120195(P2012−120195A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−977(P2012−977)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2006−264877(P2006−264877)の分割
【原出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(598138327)株式会社ドワンゴ (97)
【Fターム(参考)】