説明

継手装置及び潤滑油の交換方法

【課題】グリース交換の際に古いグリースのみが排出され、グリース交換作業を簡単かつ確実に行える継手装置を提供する。
【解決手段】外側継手部22と内側継手部23の間にある一対のボール溝25,25 に対応して、外側継手部22にはボールを入れる通孔27が形成され、通孔27にはプラグ41がねじ込み固定される。プラグ41の頭部41a には上下を貫通してボールより小径の排出孔41b が形成され、排出孔41b には閉止部材の小ねじ42が着脱可能に嵌合される。小ねじ42を外し、プラグ30から新規のグリースを圧入すると、古いグリースは排出孔から円滑に排出され、ボール溝には新品のグリースが充填される。置換作業中にボール25が外に出ることはない。各ボール溝ごとに上記置換操作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールベアリングを用いたスイベルジョイント方式の継手装置において、潤滑油の交換に際してボールベアリングが外に出てしまう不都合が発生せず、潤滑油交換野作業を簡単に行えるようにした継手装置及びこれを用いた潤滑油交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体燃料等を備蓄側からタンクローリ側に供給するための供給装置としてローディングアームが知られている。図4(a),(b)はローディングアームの一例の平面図及び側面図を示している。
【0003】
図に示すこのローディングアームは、両側にエルボを備えた複数の輸送管及びその先端に鉛直配置された注入管の組合せからなるものであり、接合フランジ1を介して供給元に接続されたインボードアーム2と、インボードアーム2の先端に直交配置された中間アーム3を介してさらに先端に延びるアウトボードアーム4と、アウトボードアーム4の先端に鉛直に配置された注入管5とを備え、それぞれの関節部分にはスイベルジョイントを介して各アーム2,3,4及び注入管5を連結している。
【0004】
すなわち、接合フランジ1側とインボードアーム2の連結端との間には元スイベル6aが、インボードアーム2の先端と中間アーム3との間には第1の中スイベル6bが、中間アーム2とアウトボードアーム4の根本部分には第2の中スイベル6cが、アウトボードアーム4の先端と注入管5の上部との間には先端スイベル6dがそれぞ配置され、各アーム2,3,4及び注入管5を液密かつ相対回動可能に連結し、スイベルの数に応じた自由度で供給元から供給側である注入管5の移動や昇降を可能としている。
【0005】
なお、中間アーム3には固定具7を介して油圧シリンダ8が配置され、そのプランジャ8aの先端を連結具9を介してアウトボードアーム4に連結することにより、アウトボードアーム4を水平に維持するとともに、必要に応じてシリンダ8を駆動することで、第2の中スイベル6cを基点に傾動作させることができるようになっている。
【0006】
また、注入管5の上部周囲にはタンクローリなどの注入口を塞ぐための密栓10が配置されているとともに、密栓10の上部にはガス抜き管11が分岐配管されている。
【0007】
ガス抜き管11の上部はエルボを介してホース連結用のニップル12に接続され、インドアアーム2の上部にこれと平行に配置されたガス管13の先端に設けたニップル14に図示しないホースを介して接続することができる。ガス管13の両端にはエルボを介して前記と同じ構造のスイベルジョイント13a,13bが配置され、前記ホースの可撓性とともに、前記液体供給用のローディングアームの動きに追随できるよう構成されている。
【0008】
前記各スイベルジョイント6(6a〜6d),13(13a,13b)はいずれも実質的には同一の構造であり、各ローディングアームのラジアル・スラスト荷重及びモーメント荷重に耐えるよう、いずれも複列ボールベアリングが組込まれ、グリース潤滑により機械的強度を保持するものであって、従来は図5に示すような基本構造が一般に採用されていた。
【0009】
図5に示すスイベルジョイント6は、第1部材としての第1の供給管20の後端に、これの外径よりも大きく、かつ内側に管内径よりも大きな口径の嵌合孔21を形成した外側継手部22と、前記第1の供給管20と同一内径であって、前記嵌合孔21に挿入される第2部材としての第2の供給管23の先端に一体に設けられた内側継手部24とを備え、内側継手部24の外周部を前記嵌合孔21に嵌合することにより相対回転可能としており、前記外側継手部22の内周面と前記内側継手部24の外周面の対応する位置にはそれぞれ円の半割状断面とした前後一対のボール溝25が形成され、各ボール溝25内には複数の鋼性のボール26が転動自在に設けられ、2列のボールベアリングを構成している。
【0010】
そして、前記外側継手部22には前記ボールの外径より大きい内径で前記各ボール溝25に連通する通孔27が貫通形成され、この通孔27を丸皿ねじ形のプラグ28により閉止する一方、前記各通孔27の180度対向位置の中央において、前記外側継手部22にはねじキャップ式の潤滑油孔であるグリース孔29が開口され、このグリース孔29を潤滑油ニップルとしてのグリースニップル30により閉止している。
【0011】
なお、内側継手部24の先端外周及び後部外周には、それぞれシールリング31及びパッキン32が配置され、回転接触部を液密に保持している。
【0012】
以上の構成になるスイベルジョイント6は、ボール26が設けられたボール溝25内には潤滑油としてのグリースが充填されて使用されるが、このグリ−スが劣化した場合には、潤滑性が低下し、ボール溝25が摩耗し、継手部のがたつきなどにより、シールリング31及びパッキン32のシール性が保てなくなり、内部流体が漏洩する原因となる。そこで、定期的に劣化したグリースを取除き、新たなグリースと入替える必要がある。
【0013】
この方法としては、プラグ28を緩め、グリースニップル30を通じて新たなグリースを圧入すれば、グリースは外側継手部22と内側継手部24の接触部に形成された隙間よりボール溝25内に侵入し、既存のグリースを通孔27より押出しつつボール溝25内に充填されるものとなるが、この交換作業時には次に述べる不具合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
潤滑油の中でも、特にグリースは粘度が高く、またプラグ28を少し緩めただけではプラグ28と通孔27との隙間が小さいため、新規のグリースをグリースニップル30からグリース孔29を介して内部に注入する圧力を相当高くしても、古いグリースはなかなか排出されず、交換時間が長くかかり、交換作業が極めて煩雑であった。
【0015】
その逆にプラグ28を緩めすぎると、プラグ28が外れてしまい、古いグリースとともにボール26までもが通孔27から排出される場合がある。なお、ボール26の交換と同時にグリース交換を行う場合には特に不都合はないものの、一般にボール26の耐久性は高いので頻繁に交換を行うことはない反面、グリース交換は頻繁に行わなければならず、ボール26が排出された場合には、古いグリースがボール26の外周に付着しているため、ボール26が抜け出した場合には、その都度ボール26を洗浄し、新たに入直す手間ががかかっていた。
【0016】
これに対し、別の形式のスイベルジョイントもある。この形式においては、前記通孔の間の一箇所にグリース排出用の小孔をあけ、これを小ねじにより着脱可能に閉止した構造となっている。この場合には、先に説明した構造例の場合よりは円滑にグリースを圧入できるが、両ボール溝内に残留している古いグリースと完全に置き換えるのは困難であった。
【0017】
また、いずれの形式においても、プラグ28として、図示のごとく丸皿ねじ形のものを用いており、マイナスドライバーまたはあり合せのコインなどを用いて回動操作し、脱着するようにしているが、ドライバー溝が合わない器具を用いると、却って着脱作業がやりにくく、マイナス溝が崩れやすいなどの不具合が散見された。
【0018】
そこで、本発明は以上の課題を解決するものであって、その目的とするところは潤滑油交換の際に古い潤滑油のみが排出されるようにし、グリース交換作業を簡単かつ確実に行えるようにした継手装置と係る継手装置を用いたグリース交換方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された継手装置は、第1部材の一端に設けられ、開口した円筒形の嵌合孔を有する外側継手部材と、第2部材の一端に設けられ、前記嵌合孔に挿入される円柱形の内側継手部材と、前記外側継手部材の嵌合孔の内周面と前記内側継手部材の外周面の対応する位置にそれぞれ周状に設けられて内部に潤滑油が充填されるボール溝と、前記ボール溝内に転動自在に設けられた複数のボールと、前記ボールの外径より大きい内径で前記ボール溝に連通するように、前記外側継手部材に形成された通孔と、前記通孔に脱着可能に取付けられて前記通孔を閉止するプラグと、前記継手部材に設けられて前記ボール溝内に潤滑油を充填する供給部とを備え、前記第1部材と前記第2部材を共通の軸を中心として回動自在に結合する継手装置において、
前記プラグに、前記ボールの外径よりも小さい内径で前記ボール溝に連通する前記潤滑油の排出孔を設け、前記排出孔を閉止部材で着脱可能に閉止したことを特徴としている。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記通孔を閉止する前記プラグの先端が前記ボール溝内で回動する前記ボールベアリングに接触せず、前記閉止部材の先端が前記プラグの先端よりも先方に突出しないように構成したことを特徴としている。
【0021】
請求項3の発明は、請求項2記載の発明において、前記通孔がねじ孔であり、前記プラグが前記ねじ孔にねじ込まれる六角頭付ねじ部材であって、前記ねじ部材の中心に形成された前記排出孔をねじ孔とし、前記ねじ孔に前記閉止部材としての小ねじを外部に突出しないように着脱可能にねじ込むことを特徴としている。
【0022】
請求項4記載の潤滑油交換方法は、請求項1記載の継手装置における潤滑油の交換方法であって、前記プラグの前記排出孔から前記閉止部材を取外し、前記供給部から前記ボール溝内に新規の潤滑油を圧入しながら、前記ボール溝内にある従前の潤滑油を新前記排出孔から排出することにより、前記ボール溝内の潤滑油を新規の潤滑油に交換することを特徴としている。
【0023】
請求項5記載の潤滑油交換方法は、請求項4記載の潤滑油交換方法において、前記ボール溝が2列以上あり、前記ボール溝内の潤滑油の交換を前記各ボール溝ごとに1つずつ順に行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明によれば、新規の潤滑油圧入時に、プラグはそのままで、閉止部材のみ排出孔から取出すことで、潤滑油圧入作業をスムーズに行うことができる。
【0025】
また、プラグを従来のプラグ単体のものから、閉止部材付のプラグに交換するだけで以上のようなスムーズな圧入作業が実現できるため、継手装置の主要部を何ら改変することなく、容易に実施できる。
【0026】
請求項2の発明によれば、操作者がプラグや閉止部材の設定位置に特に注意しなくても、プラグ及び閉止部材の取付に伴うボール溝内におけるボール転動に対する干渉を未然に防止できる。
【0027】
請求項3の発明によれば、プラグ頭部が六角形状であるため、専用のボックスレンチを用いることにより、山を潰すことなくプラグそのものを確実に着脱できる。また小ねじのねじ込みにより排出孔を確実に開閉でき、閉止状態での抜けも防止できる。
【0028】
請求項4の発明によれば、対象とするボール溝に対応する排出孔が開いた状態で潤滑油を圧入することで、最も圧入抵抗の少ないボール溝内を経路として圧入され、古い潤滑油を排出孔を通じて排出しつつ新規の潤滑油をボール溝内に充填することができる。
【0029】
請求項5の発明方法によれば、各ボール溝毎に潤滑油の圧入作業を行うことができるため、各ボール溝に過不足なく潤滑油が充填される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下本発明の最良の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の継手装置であるスイベルジョイントの一部を切り欠いて示した分解拡散斜視図、図2は同組立状態を示す断面図、図3(a),(b)は同スイベルジョイントに対する潤滑油としてのグリースの圧入作業時の説明用断面図である。なお、各図において同一箇所には同一符号を援用し、異なる箇所、あるいは新たに説明を付加する箇所にのみ新たな符号を用いて説明する。
【0031】
図1において、外側継手部22の内側に形成された一対のボール溝25に連通する通孔27の上部周縁には溝27aが形成され、この溝27aに嵌合されるO−リング40を介してボールリテーナ用のプラグ41がねじ込み固定される。
プラグ41の頭部41aは六角ボルト状となっており、またその頭部にはプラグ41の上下を貫通してねじ孔構造の排出孔41bが形成され、この排出孔41bには閉止部材となる六角孔付きのいもねじ等の小ねじ42が着脱可能に嵌合されている。
【0032】
なお図1においては、潤滑油孔であるグリース孔29は前記各通孔27に対して90°交差角度をなして描かれているが、実際には下面側である180°対向位置に開口されていてもよい。また、複数(本例では2つ)の前記通孔27は、外側継手部22において周方向の同一位置において軸線方向に隣接して配置されるように形成されているが、周方向の位置が異なるとともに軸線方向に隣接しない千鳥状の配置で形成されていてもよい。また、各ボール26は内側継手部24のボール溝25の外周に配置されているように描かれているが、実際には内側継手部24を外側継手部22に嵌合し、両者にそれぞれ形成されたボール溝25を合致させた上で、前記通孔27を通じて1つ1つはめ込むことで各ボール溝25内にボール26が配置される。
【0033】
図2において、プラグ41がねじ込み固定された状態で、その先端は前記通孔27内の上部側に位置し、これによって通孔27内のボール26はプラグ41の先端と干渉せず、ボール26はボール溝25に沿って自由に転動することができる。また、排出孔41bの雌ねじ部も下部に到達するまでは形成されておらず、さらに下部側は細径化されているため、これにねじ込まれる小ねじ42もプラグ41の下端よりも先にまでは到達せず、同じくその下部空間におけるボール26に接触することがなく、これによりボール26はボール溝25に沿って自由に転動することができる。また、小ねじ42は、プラグ41に設けられた排出孔41bの上端から上方には突出していないので、スイベルジョイント6の周囲に配置された他の部材や設備等に接触して破損するおそれがない。
なお、図2では、グリースニップル30が下に位置し、プラグ41が上に位置する配置となっているが、この配置は常時維持される訳ではなく一例に過ぎず、本スイベルジョイント6においては使用時乃至潤滑油の交換時等においてグリースニップル30とプラグ41の上下関係に特に限定はない。
【0034】
前記プラグ41の脱着には頭部の外形寸法に応じたボックスレンチ43が用いられ、また小ねじ42の脱着には六角レンチ44が用いられる。いずれにおいても規格寸法が合致した場合には角を潰したり、六角穴を変形させることなく正確かつ確実な着脱操作ができるため、従来のマイナス溝付丸皿ねじの着脱を行う場合に比べて、部品の損傷なく確実に着脱できる。
【0035】
また、その材質としてはスイベルジョイント6の内側継手部24や外側継手部22を構成する例えば一般構造用圧延鋼でもよいが、ステンレス鋼等を用いれば、発錆やこれに伴う固着などもより確実に防止される。
【0036】
次に以上のように構成されたスイベルジョイントにおける潤滑油としてのグリースの交換方法について、図3を用いて説明する。まず図3(a)に示すごとく、グリース圧入作業に先立ち、一方の小ねじ42をプラグ41より取去り、他方の小ねじ42は閉止したままとし、次いでグリースニップル30を通じてグリースを圧入すれば、新規グリースは継手部22,24間の隙間を伝って最も圧入抵抗の小さな一方のボール溝25内に矢印(イ)のごとく流入し、ここに充填されている古いグリースを排出孔41bを通じて外部に排出しつつ、これに置換してボール溝25内に新たに充填される。
【0037】
古いグリースと新たなグリースとでは、その汚れ度合が異なることから、色の変化によりその置換え度合を判定できる。
【0038】
なお前記グリースニップル30は、本例においては前記排出孔41bとは180°対向位置にあるため、実際に圧入される新規のグリースは、周方向について反対向きの2方向に分岐し、互いにボール溝25を半周して通孔27から排出孔41b側に至ることになり、この間にボール溝25内の古いグリースを押し出して古いグリースと完全に置き換わり、これによって新規のグリースがボール溝25の全周に充填される。
【0039】
一方のボール溝25に対する充填作業終了後は、図3(b)に示すごとく、その一方の排出孔41b(図示左側)を小ねじ42で閉じ、他方のボール溝25側の小ねじ42(図示右側)を取去った上でニップル30を通じてグリースの充填作業を行えば、今度は専ら他方のボール溝25側に矢印(ロ)のごとく流入し、古いグリースを排出孔41bを通じて外部に排出しつつ、ボール溝25内の全周に新品のグリースが充填される。
なお、図3(a)(b)では、グリースニップル30が下に位置し、プラグ41が上に位置する配置となっているが、この配置は一例に過ぎず、本スイベルジョイント6におけるグリース(潤滑油)の交換時においてグリースニップル30とプラグ41の上下配置関係に特に限定はない。
【0040】
なお、実施形態ではボール溝25が2列の場合について説明したが、3列以上あっても同様な作業を繰返すことにより、各ボール溝内の古いグリースを完全に排出しつつ新たなグリースを充填することができる。
【0041】
また、実施形態では、プラグ41と小ねじ42はねじ構造で着脱するものとしたが、これ以外の着脱構造であってもかまわない。
【0042】
また実施形態では、一例として図4に示す多関節式ローディングアームに用いられるスイベルジョイントに適用した場合を示したが、本発明がボールベアリング式の継手装置の潤滑油供給方式一般に広く適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明をスイベルジョイントに適用した場合を示す分解斜視図である。
【図2】同組立状態の断面図である。
【図3】(a),(b)は同スイベルジョイントに対するグリース圧入作業時の説明用断面図である。
【図4】(a),(b)複数のスイベルジョイントを備えた多関節式ローディングアームの平面図及び側面図である。
【図5】同ローディングアームに用いられる従来のスイベルジョイントの断面図である。
【符号の説明】
【0044】
6 継手装置としてのスイベルジョイント
20 第1部材としての第1の供給管
21 嵌合孔
22 外側継手部
23 第2部材としての第2の供給管
24 内側継手部
25 ボール溝
26 ボール
41 プラグ
41a 六角ボルト形頭部
41b 排出孔
42 閉止部材としての小ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材の一端に設けられ、開口した円筒形の嵌合孔を有する外側継手部材と、第2部材の一端に設けられ、前記嵌合孔に挿入される円柱形の内側継手部材と、前記外側継手部材の嵌合孔の内周面と前記内側継手部材の外周面の対応する位置にそれぞれ周状に設けられて内部に潤滑油が充填されるボール溝と、前記ボール溝内に転動自在に設けられた複数のボールと、前記ボールの外径より大きい内径で前記ボール溝に連通するように、前記外側継手部材に形成された通孔と、前記通孔に脱着可能に取付けられて前記通孔を閉止するプラグと、前記継手部材に設けられて前記ボール溝内に潤滑油を充填する供給部とを備え、前記第1部材と前記第2部材を共通の軸を中心として回動自在に結合する継手装置において、
前記プラグに、前記ボールの外径よりも小さい内径で前記ボール溝に連通する前記潤滑油の排出孔を設け、前記排出孔を閉止部材で着脱可能に閉止したことを特徴とする継手装置。
【請求項2】
前記通孔を閉止する前記プラグの先端が前記ボール溝内で回動する前記ボールベアリングに接触せず、前記閉止部材の先端が前記プラグの先端よりも先方に突出しないように構成された請求項1記載の継手装置。
【請求項3】
前記通孔がネジ孔であり、前記プラグが前記ネジ孔にねじ込まれる六角頭付ネジ部材であって、前記ネジ部材の中心に形成された前記排出孔をネジ孔とし、前記ネジ孔に前記閉止部材としての小ネジを外部に突出しないように着脱可能にねじ込むことを特徴とする請求項2記載の継手装置。
【請求項4】
請求項1記載の継手装置における潤滑油の交換方法において、
前記プラグの前記排出孔から前記閉止部材を取外し、前記供給部から前記ボール溝内に新規の潤滑油を圧入しながら、前記ボール溝内にある従前の潤滑油を新前記排出孔から排出することにより、前記ボール溝内の潤滑油を新規の潤滑油に交換することを特徴とする継手装置における潤滑油の交換方法。
【請求項5】
前記ボール溝が2列以上あり、前記ボール溝内の潤滑油の交換を前記各ボール溝ごとに1つずつ順に行うことを特徴とする請求項4記載の継手装置における潤滑油の交換方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−100902(P2007−100902A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293816(P2005−293816)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000181343)鹿島石油株式会社 (11)
【Fターム(参考)】