説明

網戸付き雨戸の止め金具

【課題】簡易な技術手段により上記雨戸を窓部材に着脱自在に固定することができる網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
【解決手段】建物Bに於ける室外側の面に配置した雨戸24は各雨戸が可動自在又は折畳みかつ拡張自在に構成され、折畳みかつ拡張自在となっている。該雨戸24の背後に備えた網戸25で上記各雨戸24Aないし24Dの枠幅分の各網戸25A、25B、すなわち2個分を配備している。建物Bの開口部Cの左側及び右側つまり該雨戸24の左端部及び右端部に垂直方向(縦)に形成された断面略矩形状枠を有する左右雨戸枠体を上記窓部材31の左右枠33cに上記止め金具32によって固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の建物開口部であるサッシ又は窓に着脱自在に設置可能であると共に、当該雨戸内に装着した可動ガラリを外部から採光若しくは送風可能な状態に変位させた際、該可動ガラリが建物の外部に飛出すことなくまた、外部から強風が該雨戸に吹付けた際にも風切音の低減化を図ると共に簡易な技術手段により上記雨戸を窓部材に着脱自在に固定することができる網戸付き雨戸の止め金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の建物開口部用網戸に於けるルーバー取付構造の一例としては、特開2002−276268公開特許公報に開示した技術がある。これについて図9(a)、(b)に基づき説明すれば、網戸1は、建物開口部のサッシの上部から垂下する垂下縁と、下部から起立する起立縁との間において、横開き式にスライド開閉するように装設するためのもので、概略的には、略矩形状に形成した網戸枠2と、該網戸枠2に張設したネット3と、当該網戸1に取り付けるルーバー4とを備えている。上記網戸枠2は、上下の横枠部材5、6及び左右の縦枠部材7、8により略矩形状に形成されている。上部の横枠部材5の左右両端部には、サッシの上部から垂下する垂下縁を挟持して網戸1の走行をガイドする摺動部材9、9が、それぞれ該横枠部材5の内部に配設されたばね部材13により上方に付勢された状態で出没自在に配設されている。また、上記摺動部材9には、サッシにおける垂下縁の下端に該摺動部材9が当接した場合に、それらの間の摩擦を軽減し、網戸1の走行を円滑に行うための転輪10が配設されている。一方、下部の横枠部材6の左右両端部には、サッシの下部から起立する起立縁を挟持して、該起立縁上を転動する転輪11を備えた摺動部材12が配設されている。上記ネット3は、防虫性を有するシート状のネット3を、上下の横枠部材5、6及び左右の縦枠部材7、8の内縁において支持固定することにより、上記網戸枠2に張設されている。
上記網戸1に取り付けるルーバー4は、網戸枠2の内縁に取り付ける固定枠14と、該固定枠14に固定する複数のルーバー羽板15、16とを備えている。上記固定枠14は、上下の横枠部材5、6の内縁に取り付ける固定枠14と、左右の縦枠部材7、8の内縁に取り付ける固定枠部14bとで構成されており、それらの固定枠部14a、14bを、それぞれネット3に接する状態で網戸枠2にネジで固定している。そして、上記左右の縦枠部材7、8に固定した固定枠部14bの対向面間に、上記ルーバー羽板15の複数を所定の間隔をおいて取り付けることにより構成している。なお、上記固定枠14における上下の固定枠部14aは省略することもできる。
上記ルーバー羽板15は、紫外線を反射する素材により断面略への字形に形成されており、それらのルーバー羽板15を、正面から見たときに隙間が形成されないように、それぞれのルーバー羽板15、15の一部が重なり合うように、上記固定枠14に取り付けている。上記ルーバー羽板15の固定枠14への取り付けは、断面略角筒状の固定枠部14bに、ルーバー羽板15の両端部を差し込むことにより取り付けている。
【0003】
また、従来の技術に於ける雨戸の構造の他の例としては特開2003−155881公開特許公報に開示した技術がある。これについて図10に基づき説明すれば、当該雨戸は、建物の開口Aに略沿うように固定された固定枠17と、この固定枠17に配置された複数の雨戸18、18…からなっていて、それぞれの雨戸18、18…がそれぞれ室外側に折畳まれるようになっている。前記固定枠17は、各雨戸18、18…と開口A間の間隔を保たせてつつ該雨戸18を取付けるもので、サッシ枠等と雨戸の位置調整に使用する。前記固定枠17には、室外側横枠17aにレール部17bが設けられており、図10に示すように上下レール部17b、17bの各両端には、それぞれターンテーブルが設けられている。前記レール部17b及び前記ターンテーブルは、雨戸18、18…が折り畳まれたり、折り広げられる場合に、それぞれの雨戸18、18…に取付けられたガイド突起兼用ストッパのロッドが走行する部分である。前記固定枠17は、上記のように構成され、前記開口Aの周囲を沿って止着具を介して躯体側に固定されている。
【0004】
前記雨戸18は、上下框19、20、竪框及び中框21から雨戸框を形成し、上框19と中框21間、下框20と中框21間に、それぞれ複数のスラット22a、22bを水平方向に配列している。前記中框21は、図10に示したように上下2列に形成され、上下中框21a、21bには、それぞれ前記スラット22a、22bを揺動される第1、第2揺動機構を操作する操作スライダー23を臨ませている。前記中框21を上下中框21a、21bに2列にすることなく、一体型としてもよい。
【特許文献1】特開2002−276268公開特許公報
【特許文献2】特開2003−155881公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、背景技術で述べたような構成及び作用であるので次の課題が存在した。
すなわち、上記一例としての特開2002−276268公開特許公報に開示した技術によれば、上記ルーバー羽板15、16を取り付けるための固定枠14を、網戸枠2における左右の縦枠部材7、8の内縁に沿ってネット3に接する状態で取り付けているので、網戸1自体の厚みを可及的に厚くすることなく、網戸1自体の厚さの範囲から大きく突出せずに上記ルーバー4を固定することができ、したがって、上記網戸1を、サッシの外側に装設された雨戸等の開閉に干渉しないようにサッシに装設することができるという特徴がある。
しかしながら、当該特開2002−276268公開特許公報に開示した技術は、もとより網戸付き雨戸及びその止め金具に係る技術は開示されておらず、該雨戸を簡易かつ迅速に窓部材に装着することができないという問題点があった。
【0006】
また、従来の技術に於ける他の例としての特開2003−155881公開特許公報に開示した技術によれば、建物の開口に設けられる建具としての折れ雨戸であって、特に、雨戸18の雨戸框19、20に配列された複数のスラット22a、22bを揺動させる揺動機構を備えた折れ雨戸18において、該揺動機構は、スライド力を回転力に変換させるねじりバーと、該ねじりバーの一端側に取付けられ、かつ、その回転力が伝達される第1の伝達部材と、該第1の伝達部材に取付けられ、かつその回転力が伝達されるバー部材と、複数のスラット22a、22bに対応するように、バー部材に所定間隔を置いて取付けられ、その回転力が伝達される第2の伝達部材とからなることを特徴としている。
而して、当該従来の技術の他の例では、網戸や窓ガラス又はサッシの存在しない複数のスラットの開閉装置であって、特に、複数のスラット22a、22bの開閉構造を示す技術である。
そして、当該従来の技術に於ける他の例では、該複数のスラット22a、22bを開放した際、該複数のスラット22a、22bの相互間で形成された隙間から外気が建物内に流入すると共に、特に、蝿又は蚊等の虫類も這り込むので弊害があり、これを防止するためには室内側に網戸を別置する必要があった。そのため網戸を設置するための工数や設置費用が大幅に増大するうえに既存の建築物に後付け不可能な場合もあり、この他の例は実用的でなかった。また、上記複数のスラット22a、22bの形状が当該公開特許公報の図7に開示したように略L字状に構成され、室外から該複数のスラット22a、22bに強風を伴う場合、これの風切音が高く居住性が悪いという問題点があった。
また、当該特開2003−155881公開特許公報に開示された技術によれば雨戸を窓部材に簡易かつ迅速に固定する手段が存在しないという問題点もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具は、既存又は新設の建物に於いて雨戸を窓又は窓ガラス若しくはサッシの外側に容易に嵌め込んで装着可能にすると共に該雨戸の裏側に網戸を備えてなり、この雨戸全体を可動自在に構成し、この各雨戸を例えば断面形状が略S字状又は波形若しくはM字状の多数段に列設した可動ガラリで一体構成してなる網戸付き雨戸であって、当該雨戸内に装着した可動ガラリを外部から採光若しくは送風可能な状態に変位させた際、該可動ガラリが建物の外部に飛出すことなくまた、外部から強風が該雨戸に吹付けた際にも風切音の低減化を図ると共に簡易な技術手段により上記雨戸を窓部材に着脱自在に固定することができることを目的としたものであって、次の構成、手段から成立する。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、雨戸と、該雨戸の背後に備えた網戸と、該網戸の背後に備えた窓部材と、該雨戸が所望数の各雨戸の組で構成すると共に該各雨戸を可動自在に構成し、上記各雨戸に上框、下框及び中間框を有し、該上框と中間框の間及び中間框と下框の間に上記雨戸の水平方向(横)に多段式に列設した開閉自在の可動ガラリとでなる構成に於いて、断面略矩形状枠に形成した上記雨戸の枠体を上記窓部材の枠体に固定する止め金具であって、該窓部材の枠体に圧接する第1平面部と、該雨戸の枠体に緊締部品で固定しかつ該第1平面部に一体成形された第2平面部とを形成した断面略ヘ字状の第1押え片及び該第1押え片の下面に略直交して結合されると共に上記雨戸の枠体内に固定されかつ上記第1押え片と略同一形状の第2押え片とを有したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、雨戸と、該雨戸の背後に備えた網戸と、該網戸の背後に備えた窓部材と、該雨戸が所望数の各雨戸の組で構成すると共に該各雨戸を可動自在に構成し、上記各雨戸に上框、下框及び中間框を有し、該上框と中間框の間及び中間框と下框の間に上記雨戸の水平方向(横)に多段式に列設した開閉自在の可動ガラリとでなる構成に於いて、断面略矩形状枠に形成した上記雨戸の枠体を上記窓部材の枠体に固定する止め金具であって、該窓部材の枠体に圧接する第1平面部と、該雨戸の枠体に第1緊締部品で固定しかつ該第1平面部に一体に一体成形された第2平面部とを形成した断面略ヘ字状第1押え片及び該第1押え片の下面に略直交して結合され共に上記雨戸の枠体内に第2緊締部品により圧着しかつ上記第1押え片と略同一形状の第2押え片とを有したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明に於いて、前記第1押え片と前記第2押え片は一体成形して単一にしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、請求項1、2又は3記載の発明に於いて、前記第2押え片の幅長は、上記雨戸の断面略矩形状枠の水平方向枠内幅長と略同一寸法に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、請求項1、2又は3記載の発明に於いて、前記第1押え片の第2平面部に長孔を貫通形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、請求項1、2、3、4又は5記載の発明に於いて、前記第1及び第2押え片の第1平面部と第2平面部との結合部位を段差状に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具は、上述の構成を有するので次の効果がある。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、雨戸と、該雨戸の背後に備えた網戸と、該網戸の背後に備えた窓部材と、該雨戸が所望数の各雨戸の組で構成すると共に該各雨戸を可動自在に構成し、上記各雨戸に上框、下框及び中間框を有し、該上框と中間框の間及び中間框と下框の間に上記雨戸の水平方向(横)に多段式に列設した開閉自在の可動ガラリとでなる構成に於いて、断面略矩形状枠に形成した上記雨戸の枠体を上記窓部材の枠体に固定する止め金具であって、該窓部材の枠体に圧接する第1平面部と、該雨戸の枠体に緊締部品で固定しかつ該第1平面部に一体成形された第2平面部とを形成した断面略ヘ字状の第1押え片及び該第1押え片の下面に略直交して結合されると共に上記雨戸の枠体内に固定されかつ上記第1押え片と略同一形状の第2押え片とを有したことを特徴とする網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
このような構成としたので、止め金具が第1及び第2押え片若しくはボルト又はナット等の緊締部品等の少ない部品で構成し、新設又は既存の折れ雨戸や各種の上記雨戸を上記窓部材に簡易かつ迅速に脱着自在に固定でき、雨戸の交換を容易にし併せて装着のための工数を大幅に削減し量産に好適な網戸付き雨戸を提供する効果がある。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、雨戸と、該雨戸の背後に備えた網戸と、該網戸の背後に備えた窓部材と、該雨戸が所望数の各雨戸の組で構成すると共に該各雨戸を可動自在に構成し、上記各雨戸に上框、下框及び中間框を有し、該上框と中間框の間及び中間框と下框の間に上記雨戸の水平方向(横)に多段式に列設した開閉自在の可動ガラリとでなる構成に於いて、断面略矩形状枠に形成した上記雨戸の枠体を上記窓部材の枠体に固定する止め金具であって、該窓部材の枠体に圧接する第1平面部と、該雨戸の枠体に第1緊締部品で固定しかつ該第1平面部に一体に一体成形された第2平面部とを形成した断面略ヘ字状第1押え片及び該第1押え片の下面に略直交して結合され共に上記雨戸の枠体内に第2緊締部品により圧着しかつ上記第1押え片と略同一形状の第2押え片とを有したことを特徴とする網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
このような構成としたので、請求項1記載の効果に加えて、2つの押え片及びボルト等3部品の簡易な構成でなる止め金具を構成することができ、この止め金具を雨戸の固定以外にも共同部品として適用でき、その市場性が高く、量産に優れた止め金具を提供する効果がある。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、前記第1押え片と前記第2押え片は一体成形して単一にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
このような構成としたので、請求項1又は2記載の効果に加えて、第1及び第2押え片を一体成形し単一物としての適用も可能となり、さらに雨戸を窓部材に固定するための工数を低減すると共に緊締部品点数の削減を図ることができる効果がある。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、前記第2押え片の幅長は、上記雨戸の断面略矩形状枠の水平方向枠内幅長と略同一寸法に設定したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
このような構成としたので、請求項1、2又は3記載の効果に加えて、雨戸断面略矩形状の枠体内が第2押え片のガイド機能を図り雨戸と窓部材の固定に際しガタ付きのない高品質の止め金具を提供する効果がある。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、前記第1押え片の第2平面部に長孔を貫通形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
このような構成としたので、請求項1、2又は3記載の効果に加えて、雨戸を固定する窓部材の設計寸法や各種の構造に対応させて長孔に挿入するボルト等の位置決めを調整しながら固定することができる効果がある。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、前記第1及び第2押え片の第1平面部と第2平面部との結合部位を段差状に形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の網戸付き雨戸の止め金具を提供する。
このような構成としたので、請求項1、2、3、4又は5記載の効果に加えて、雨戸を固定する窓部材や雨戸の枠体の設計仕様や各種構造に対応させて第1平面部及び第2平面部に圧接する度合を調整しながら適宜の圧着力を保持させて適正に雨戸を窓部材に脱着自在に固定することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具に於ける実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る止め金具を装着した網戸付き雨戸の実施の形態を示す断面概要図であって、その高さ方向を一部省略して切断した図面である。
図2は、本発明に係る止め金具を装着した網戸付き雨戸の実施の形態に於いて、室外側からみた該雨戸を拡張した際の正面図である。
図3は、本発明に係る止め金具を装着した網戸付き雨戸の実施の形態に於いて、窓部材に取付けた場合の室内側からみた正面図である。
図4は、図1の矢視D−D線方向からみた当該網戸付き雨戸Eの上面概要図である。
【0023】
24は建物Bに於ける室外側の面に配置した雨戸であって、例えば、各雨戸が可動自在又は折畳みかつ拡張自在に構成され、図2に示すものは各雨戸24A、24B、24C、24Dを備えており、折畳みかつ拡張自在となっている。25は該雨戸24の背後に備えた網戸であって、図3に示すように上記各雨戸24Aないし24Dの枠幅分の各網戸25A、25B、すなわち2個分を配備している。
図1に於いて26A及び26Bは建物Bの開口部Cに備えた上部枠体及び下部枠体である。上記上部枠体26Aは、雨戸枠としてのレール枠26A1と、該レール枠26A1に一体形成されかつ上部枠体26Aと一体になった上部雨戸枠26A2又は上部網戸枠を備えている。
また、下部枠体26Bは、支持ガイド枠26B1と、該支持ガイド枠26B1と一体形成された下部雨戸枠26B2又は下部網戸枠を備えている。
【0024】
上記雨戸24は、上方には上記レール枠26A1内に滑動自在に載置された吊戸車27に連結部材28を介して連結する上框29aを設け、及び下方には、上記支持ガイド枠26B1に滑動自在に係止する下框29bを設けている。そして、該下框29bは係合突子29b1を備え、この係合突子29b1を支持ガイド枠26B1に係合している。また、該雨戸24の上下の略中間位置には中間框29cを備えており、この中間框29cは、上、下に断面形状が略H型であって薄板状鋼板で成形された第1枠体29c1及び第2枠体29c2と、その第1及び第2枠体29c1及び29c2間を連係してその前端と後端を結ぶ斜面枠体としての第3枠体29c3とを一体成形している。
【0025】
30は可動ガラリであって、図1に示すように上框29aと上記中間框29cとの間に、及び上記中間框29cと、上記下框29bとの間に、図2に示すように横方向に所定の長さを有し、かつ上下に連続して多数個を開放閉止自在に列設している。該可動ガラリ30は、図1に示すように断面形状が概ねS字状若しくはM字状又はいわゆる波形形状の羽根体で構成しており、開閉レバーローレット機構を回動操作することにより、該可動ガラリ30の開閉動作を行なう。そして、上記可動ガラリ30が開放した際、つまり、水平方向に回動したとき、(図1の破線で示す)該可動ガラリ30の先端部30aが当該雨戸24の前面から室外側へ飛出すことがないように設定されている。そして、図4に示すように当該雨戸24のうち各雨戸24A、24B及び24C、24Dを一点鎖線L1、L2の位置からL3、L4の位置を経て実線で示すように右側及び左側に折畳んだとき、建物Bの開口部Cに配置した窓部材31、すなわち室外側面の窓部材31a及び室内側面の窓部材31bであって、この窓部材31a、31bを図示するように重なるように可動した際、このとき、左右の空間部位F、Gに各網戸25A及び25Bを左側及び右側に可動し、位置決定をすることにより当該左右の空間部位F及びGは外部から上記網戸25A、25Bにより閉塞され外気は流過するが、蚊や蝿等の虫類は該網戸25A、25Bの網目により侵入を阻止する。
【0026】
該網戸25は、例えば、上記各雨戸24Aないし24Dの2枠分又は2個分、すなわち図3に示すように雨戸24A及び24Dの背後に配備された網戸25A及び25Bを有してなる。31は、既存又は新設の窓部材であり、例えば、図4に示すように2枚で一組31a、31bを構成し、これを左又は右に可動することにより上記建物Bの開口を閉止するように構成している。そして、窓、サッシ又は窓ガラス等で構成され、建物Bの室内側の面に配置されてあってかつ、上記網戸25の背部に配置されている。
【0027】
尚、図1に於いて32は止め金具であり、第1押え片32a、第2押え片32b及びネジ付き小ボルト等の第1及び第2緊締部品32c、32dで構成され、上記雨戸24と、窓部材31を係止する金具等でなる。33a及び33bは上記窓部材31の上方枠及び下方枠であって、建物Bに固定されており該窓部材31を上方及び下方から嵌合し、かつ、それぞれ上記雨戸24の上部枠体26A及び下部枠体26Bに例えば、ワンタッチ段等による着脱自在又は溶接により連結可能に固定できるものとする。
而して、本発明によれば図4に示すように雨戸24(24Aないし24D)に網戸25(25A、25B)を付設した構造体、すなわち網戸付き雨戸Eとして意義を有し、従来に存在した雨戸24の商品価値を高める機能を有する。そして、例えば、雨戸製造工場等に於いて、上記雨戸24、上記網戸25、上記上部枠体26A及び上記下部枠体26Bのそれぞれを一体構成物として組付け完成し、建物Bの現場に搬送して窓部材31の上方枠及び下方枠33a、33bにこれを係合して取付け完了する。従って、既存の建物Bに取付け可能とするばかりか取替えにも応じる技術を提供する。
尚、上記上方枠33a及び下方枠33bは上記上部枠体26A及び下部枠体26Bに一体形成してもよい。また、該上方枠33a及び下方枠33bは例えば、異形状突片33cを一体成形し、これを窓部材31の上縁部又は下縁部に埋込み構成してもよい。
【実施例】
【0028】
次に、図1ないし図9(a)、(b)に基づき、本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具に於ける実施例について更に、詳しく説明する。
【0029】
図5は、本発明に係る止め金具を装着した網戸付き雨戸の一例を示すもので、その雨戸の上面からみた平面図であって、折り畳み可能な状態を示す図である。
【0030】
図1に示すように、上記吊戸車27は、上記レール枠26A1内であって、該雨戸24を折り畳む際、雨戸24の水平(横)方向の左右に滑動自在に動作しかつ、該レール枠26A1内に載置されている。上記吊戸車27は、回転軸27aと、該回転軸27aの左右又は前後端部27b、27cに回転自在に枢着された2つの車輪27d、27dとを有している。そして、2つの該車輪27d、27dは上記レール枠26A1の底部に形成した2つの略U字状又はコ字状のレール部26a、26aの内面に載置され、上記雨戸24の各雨戸、例えば図1に示すように雨戸24A、24Bを左側に、雨戸24C、24Dを右側に折り畳むとき、上記吊戸車27の車輪27d、27dを上記レール部26a、26aの内面上を走行する。そして、上記吊戸車27と上框29aを連結する連結部材28は、実施例としては、軸棒(不図示)及び上、下固定板(不図示)を介して、上記上框29aに連結している。更に、上記軸棒の上端はコイルスプリング又はバネ片等でなる弾性部品(不図示)を介して連結部材28に形成した軸受部に係合している。該軸受部は凹陥を形成してなり、上記軸棒に対して回動自在に可動するように及びガイド機能も併有する。
【0031】
上記雨戸24に於いて各雨戸24Aと各雨戸24Bの間は図5に示すように折畳みかつ拡張可能にすべくした各種の形状、構造を有する連結金具34で結合されている。この連結金具34は各雨戸24Cと各雨戸24Dの間にも配置している。そして、該連結金具34は、該雨戸24の上端から下端まで一連に設けているが、その構造、形状等によっては上、下端に各々1個を備えることにしてもよい。該連結金具34は例えば、金属材料又は各種の樹脂で形成したヒンジ等で構成され、図2及び図5に示すように室外側からみて一方の雨戸24Aの右端枠24A1と他方の雨戸24Bの左端枠24B1に連結するそれぞれ回動自在軸部34a、34aと、この回動自在軸部34a、34aに軸着する本体部34bとを構成してなる。該連結金具34の本体部34bは内部が空洞を形成して軽量化を図っている。
また、上記連結金具34は、図5には図示しないが一方の雨戸24Cの右端枠24C1と他方の雨戸24Dの左端枠24D1にも前記と同様に配置している。
【0032】
上記雨戸24のうちその中央部、例えば、各雨戸24Bと各雨戸24C間にはその上端から下端まで、若しくは適宜の部位に複数個の着脱自在の吸着部材35を介装している。該吸着部材35は、例えば、磁石体(マグネット)や係止部品で構成され、図1及び図5に示すように、上記各雨戸24Bの右端枠24B2及び/又は上記雨戸24Cの左端枠24C2に備えている。
尚、上記吸着部材35は上記雨戸24を拡張した際に、当該各雨戸24Bと各雨戸24Cが閉止できる構成であれば必ずしも設ける必要はない。
【0033】
上記各網戸25A及び25Bは上記雨戸24の背後に配置されてあって、通例では建物Bの窓部の開放を図るために該各雨戸24Aないし24Dのうち2個分、すなわち2枠分を備えている。そして、該各網戸25A及び25Bはそれぞれ概ね上記各雨戸24Aないし24Dの1個分の幅長を有している。
【0034】
尚、図5に於いて、37は雨戸ロック機構であって、上記雨戸24Aないし24Dのいずれか又はそれぞれに装着しており、汎用のロック・アンロック機構で構成され室内側にロックピン37aを突出させ、このロックピン37aを押圧し又は引戻し等(プッシュ、プル)を行なうことにより該雨戸24を閉止し又は開放することを許容する。
【0035】
次に、本発明に係る止め金具を装着した網戸付き雨戸に於ける実施例に基づいてその動作等を説明する。
【0036】
先づ、図4に示すように、雨戸24のうち各雨戸24A及び各雨戸24Bを一方側に、各雨戸24C及び各雨戸24Dを他方側に折畳むときは、上記雨戸ロック機構37のロックピン37aをプッシュ等を行いロック解除する。そして、上記雨戸24A及び雨戸24Bや上記雨戸24C及び雨戸24Dを室外側に押出し操作すれば、図5に示すように連結金具34が破線で示す位置に移動する。各雨戸24C及び各雨戸24Dについても図示しないが同様の動作を行なう。
【0037】
すなわち、上記各雨戸24A及び各雨戸24Bは図4に示すように水平位置L1から傾き角度を変化させながら室外側へ突出する方向位置L3に移動する。この際、上記各雨戸24A及び各雨戸24Bの雨戸枠、すなわちレール枠26A1を各雨戸24A及び各雨戸24Bの傾きに応じて傾斜させ、図1に示すようにレール枠26A1のレール部26a、26aも同様に室外側へ傾かせながら吊戸車27を該レール部26a、26aの内面上に走行させる。
【0038】
また、軸棒の上端は弾性部品を介して連結部材に形成した軸受部に係合しており、この弾性部品の弾性回転力により該軸棒の上端の廻りに連結部材を図1に於いて右回転方向又は左回転方向に回動させる。
而して、図4に示すように上記各雨戸24A及び各雨戸24Bは一方側(左端)に折畳むことができる。同様な動作により上記各雨戸24C及び各雨戸24Dは水平位置L2から室外側へ突出する方向位置L4を経て他方側(右端)に折畳むことができる。そして、重ねて配置した窓部材31a及び31bの左、右の空間部位F、Gに上記網戸25A及び上記網戸25Bを可動して位置設定すれば、当該空間部位F、Gは網戸25A、25Bにより閉塞され外気は流過するが、蚊や蝿等の虫類は該網戸25A、25Bにより侵入できない。
尚、上記各雨戸24Aないし24Dは折畳みかつ伸張自在に構成したものを説明したが、本発明は各雨戸が折畳むことなく左右に可動自在に移動する構成のものにも適用できる。
【0039】
次に、図3について説明し、可動ガラリ30の開閉動作等を明らかにする。
【0040】
図3に於いて、38は開閉レバーローレット機構であって、回転摘みと、該回転摘みの回動操作によって回転動作をするレバーアーム(不図示)と、該レバーアームに連結されたアーム係合片(不図示)とで構成される。そして、該開閉レバーローレット機構38は図3に示すように上記各雨戸24Aないし24Dの背部であって、中間框29cで上下に区分された雨戸枠体24aの部位にそれぞれ配備している。すなわち、本実施例によれば8個を設置する。上記回転摘みを回転させると、上記アーム係合片が上下動する。アーム係合片の先端は係止突子(不図示)を形成し、この係止突子は、各雨戸24Aないし24Dにそれぞれ備えた作動杆(不図示)の係止孔(不図示)に係合する。該作動杆はアーム係合片の上下動により、一端を該作動杆に、その他端を可動ガラリ30の作動軸(不図示)にそれぞれ軸着した多数個かつ水平(横方向)であって多段状に上記各雨戸24Aないし24Dに配置したカム(不図示)を所定角度例えば、90(°)の範囲内に可動する。
該カムの動作により上記可動ガラリ30を図1に実線で示す閉止位置から破線で示す開放位置まで回動する。
【0041】
図中、24a、24bは図2に示すように各雨戸24Aないし24Dの両側にそれぞれ垂直方向に備えた各雨戸の左右枠体であり、図1に示すような上記可動ガラリ30の作動軸30bを水平(横)方向に固定している。
【0042】
室外から外気を取込んでいない場合は可動ガラリ30は、図1の実線で示すように閉止状態となっている。そして、かかる状態に於いて、室外から外気を室内に流過させるときは、図3に示す開閉レバーローレット機構38の所望するいずれか又は全部の回転摘みを例えば、矢印a方向(右回転)に回転させる。そこでその回転力が上記レバーアーム、アーム係合片及び作動杆に伝達され、上記カムを所望位置まで回動させ、これに連動して可動ガラリ30が所望方向に傾斜させて該可動ガラリ30を閉止状態から徐々に開放状態にする。該可動ガラリ30を図1の破線で示す位置、つまり閉止状態から90(°)等で回転させると全開位置であって全開放状態となる。
このとき可動ガラリ30の先端部30aが当該雨戸24の前面から室外側へ飛出すことがないように構成されている。
【0043】
また、上記回転摘み外周面を図示するように連続した凹凸状面に仕上げる等して、回動量の微調整を可能としたので該可動ガラリ30の開放度合を好みに応じて変化できる。
而して、上記可動ガラリ30を閉止状態、つまり、図1の実線で示す位置に復元する場合は、上記開閉レバーローレット機構38の回転摘みを例えば、図3に示す矢印b方向(左回転)に逆回転することにより前述と逆の動作により行うことができる。
【0044】
次に、上記網戸付き雨戸24を前述した上部枠体26A及び下部枠体26Bに垂直方向に連なる左右枠体としての窓部材31の枠体に着脱自在に固定する構成等について図6(a)、(b)ないし図8(a)、(b)に基づき説明する。
【0045】
図6(a)、(b)は上部雨戸枠26A2及び下部雨戸枠26B2から垂直方向に上下に一体に設置された上記雨戸24の枠体であって、特に、建物Bの開口部Cの左側及び右側つまり該雨戸24の左端部及び右端部に垂直方向(縦)に形成された断面略矩形状枠26E(26F)を有する左右雨戸枠体26C(26D)を上記窓部材31の左右枠33c(33d)に上記止め金具32によって固定した状態を示した水平断面図である。尚、図面は左右の一方側を例示的に示してある。
【0046】
上記止め金具32は、図7(a)、(b)に示すように、例えば肉薄状の第1押え片32aと、肉薄状の第2押え片32bと、ネジ付き小ボルトでなる第1、第2緊締部品32c、32dで構成している。上記第1押え片32aは断面略ヘ字状でなり図6(a)、(b)及び図8(a)、(b)、(c)に示すように例えば、前記窓部材31の左右枠33c(33d)の垂直平面331に圧接又は圧着して固定される第1平面部32a1及び該第1平面部32a1に段差状結合部32a5に連なりこれと一体形成された第2平面部32a2を備えている。この第2平面部32a2は略中心部であって該第1押え片32aの長さ方向に所定幅の貫通した長孔32a3を形成し、この長孔32a3内を例えばネジ付き小ボルトでなる第1緊締部品32cを挿入し、かつ第2押え片32bの第1平面部32b1に形成した図8(a)、(b)、(c)に示すネジ穴32b3に螺合させ上記左右雨戸枠体26C(26D)を上記窓部材31の左右枠33c(33d)に締め付け固定する。また、上記第1押え片32aの第1平面部32a1は図7(b)に示すように水平位置から傾斜角θを有して窓部材31の左右枠33c(33d)の垂直面331方向に傾斜させている。このように構成したので、該第1押え片32aを窓部材31の左右枠33c(33d)に圧接した際、圧着力が増大する作用を奏する。
図中、32a4は、第1押え片32aの第2平面部32a2の端部に形成した折り返し部である。
【0047】
上記第2押え片32bは図8(a)、(b)、(c)に示すように、上記第1押え片32aと形状及び構造が略同一でなり全体が略ヘ字状に形成している。該第2押え片32bは第1押え片32aの第2平面部32a2の下面であって、図1に示す室外側方向に配置されかつ上記第1緊締部品32cで固定される第1平面部32b1と、該第1平面部32b1と段差状結合部32b5を介して一体形成される第2平面部32b2を有してなる。該第1及び第2平面部32b1、32b2はそれぞれネジ穴32b3、32b4を穿孔してあり、ネジ穴32b3は、上記第1緊締部品32c、具体的には図6(a)に示すようにネジ部32c1を周設した小ボルト軸32c2をねじ込むことを許容し、第1押え片32aと第2押え片32bが固定される。
【0048】
また、上記第2押え片32bは、図6(a)、(b)及び図8(b)に示すように左右雨戸枠体26C(26D)に一体形成した断面略矩形状枠26E(26F)内に挿置されており、その幅長S2は、該断面略矩形状枠26E(26F)内の幅長S1と略同一寸法若しくは若干幅を狭くして構成し、該第2押え片32bを上記断面略矩形状枠26E(26F)内挿置したとき左右にガタ付くことがないように設定している。
【0049】
そして、上記第2押え片32bは図6(b)及び図7(b)に示すように第2緊締部品32d、例えば、ネジ32d1を周設した小ボルト軸32d2をその第2平面部32b2に設けたネジ孔32b4にねじ込むことにより断面略矩形状26E(26F)に固定される。
尚、図(a)、(b)に示す符号Kは、上記左右雨戸枠体26C(26D)の背部であって、該断面略矩形状枠26E(26F)の左右の折り返し面部263、263の相互間に形成した空間部である。
【0050】
上記網戸付き雨戸24を左右枠体としての窓部材31の左右枠体、33c(33d)に取付ける手順等について説明する。
先づ網戸付き雨戸24を建物Bの開口部Cから挿装し、窓部材31の上方枠、下方枠33a、33b及び左右枠体33c、33dに嵌め込む。そして、第2押え片32bを図6(a)に示す上記断面略矩形状枠26E(26F)の左右内側面261、262をガイドとして挿入配置する。第2緊締部品32dを第2押え片32bの第2平面部に仮ねじ止めする。一方、第1押え片32aの第1平面部32a1を図6(a)に示すように窓部材31の左右枠体33c(33d)の一部、例えば垂直平面331に当接する。そして、該第1押え片32aを調整して第2平面部32a2の長孔32a3を空間部Kを介して前記第2押え片32bの第1平面部32b1に穿設したネジ穴32b3に適合するように配置する。上記第1緊締部品32cをねじ込み動作させると該第1押え片32aは一方の第1平面部32a1が傾斜角θを拡開させ垂直平面331に圧接すると共にその他方の第2平面部32a2が左側の折り返し面部263の垂直平面に圧接し断面略矩形状枠26E(26D)に固定する。
【0051】
その後、図6(b)に示す上記第2緊締部品32dを完全にねじ込むことにより該第2緊締部品32dの先端32d3がストッパとしての断面略矩形状枠26E(26F)の上側内側面264に衝当し上記第1押え片32aと第2押え片32bは強固な連結状態となり装着を完了する。そこで、止め金具32により上記網戸付き雨戸24を窓部材31の左右枠33c(33d)に装着し固定することができる。該網戸付き雨戸24を窓部材31の左右枠33c(33d)から取外すときは、上述と逆の手順をすればよい。
尚、上述した止め金具の固定方法又は手順は一例を示すものであって、第1押え片32a又は第2押え片32bと第1緊締部品32c又は第2緊締部品32dのいずれか一方の固定方法のみでもよく、また、第1及び第2緊締部品32c、32dの締付け作業はいずれが先であっても差支えなく、各種の締付け作業が考えられる。
このように窓部材31の左右枠33c(33d)の垂直方向に複数個又は多数個の簡易な止め金具32を設置し、網戸付き雨戸24と窓部材31の脱着操作を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0052】
尚、上述は第1、第2押え片32a、32bが2部品で構成されたがこれを一体形成し、該網戸付き雨戸24を窓部材31の左右枠33c(33d)に単一部品として装着又は取外し、してもよい。また、第1及び第2緊締部品32c、32dを単品で構成してもよく、さらにネジ付き小ボルト以外のネジ無しボルトや他の部品、例えば、爪部材による係合部品等でもよく、各種設計仕様に適合して構成するものとする。
また、上記断面略矩形状枠26E(26F)は、網戸24の左右枠に形成してもよく、該網戸24と窓部材31を脱着自在とすることも可能である。さらに本発明は、折れ雨戸の固定手段として適用されるばかりでなく、単に左右にスライドする雨戸等にも適用することができる。その利用範囲は広いものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具の実施の形態を示す断面概要図であって、その高さ方向を一部省略して切断した図面である。
【図2】本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具の実施の形態に於いて、室外側からみた該折れ雨戸を拡張した際の正面図である。
【図3】本発明に係る網戸付き雨戸の止め金具の実施の形態に於いて、窓部材に取付けた場合の室内側からみた正面図である。
【図4】図1の矢視D−D線方向からみた当該網戸付き雨戸Eの上面概要図である。
【図5】本発明に係る網戸付き雨戸の一例を示すもので、その雨戸の上面からみた平面図であって、折り畳み可能な状態を示す図である。
【図6】本発明に係る網戸付きの左右雨戸枠体と窓部材の左右枠を装置し、固定した止め金具を示す水平断面図であって、(a)は第1緊締部品の固定状態を示す図、(b)は第2緊締部品の固定状態を示す図である。
【図7】本発明に係る止め金具の一例を示す図面であって、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視H−H線方向からみた側面図である。
【図8】本発明に係る止め金具の一例を構成する第2押え片を示す図面であって、(a)は(b)の矢視I−I線方向から見た断面図、(b)は平面図、(c)は(a)の矢視J方向から見た側面図である。
【図9】従来の技術に於ける網戸に於けるルーバー取付構造の一例を示す断面図であって、(a)は正面図、(b)は垂直断面図である。
【図10】従来の技術に於ける雨戸の構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
24 雨戸
24a 雨戸枠体
24A〜24D 各雨戸
24A1 各雨戸24Aの右端枠
24B1 各雨戸24Bの左端枠
24B2 各雨戸24Bの右端枠
24C1 各雨戸24Cの右端枠
24C2 各雨戸24Cの左端枠
24D1 各雨戸24Dの左端枠
25 網戸
25A、25B 各網戸
26A 上部枠体
26A1 上部枠体のレール枠
26A2 上部網戸固定枠
26a レール部
26B 下部枠体
26C 左雨戸枠体
26D 右雨戸の枠体
26E 左雨戸の枠体の断面略矩形状枠
26F 右雨戸の枠体の断面略矩形状枠
26B1 支持ガイド枠
26B2 下部雨戸枠
261 断面略矩形状枠の左内側面
262 断面略矩形状枠の右内側面
263 断面略矩形状枠の左、右折り返し面部
264 断面略矩形状枠の上側内側面
27 吊戸車
27a 吊戸車の回転軸
27b 吊戸車の回転軸の左端
27c 吊戸車の回転軸の右端
27d 吊戸車の車輪
28 連結部材
29a 上框
29b 下框
29c 中間框
29c1 中間框の第1枠体
29c2 中間框の第2枠体
29c3 中間框の第3枠体
30 可動ガラリ
30a 可動ガラリの先端部
30b 可動ガラリの作動軸
31 窓部材
31a 室外側面の窓部材
31b 室内側面の窓部材
32 止め金具
32a 止め金具の第1押え片
32a1 止め金具の第1押え片の第1平面部
32a2 止め金具の第1押え片の第2平面部
32a3 止め金具の第1押え片の長孔
32a4 止め金具の第1押え片の折り返し部
32a5 止め金具の第1押え片の段差状結合部
32b 止め金具の第2押え片
32b1 止め金具の第2押え片の第1平面部
32b2 止め金具の第2押え片の第2平面部
32b3 止め金具の第2押え片の第1平面部のネジ穴
32b4 止め金具の第2押え片の第2平面部のネジ穴
32b5 止め金具の第2押え片の段差状結合部
32c 止め金具の第1緊締部品
32d 止め金具の第2緊締部品
33a 窓部材の上方枠
33b 窓部材の下方枠
33c 上方枠、下方枠の異形突片
331 窓部材の左右枠の垂直面
34 連結金具
34a 連結金具の回動自在軸部
34b 連結金具の本体部
35 吸着部材
37 雨戸ロック機構
37a 雨戸ロック機構のロックピン
38 開閉レバーローレット機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨戸と、該雨戸の背後に備えた網戸と、該網戸の背後に備えた窓部材と、該雨戸が所望数の各雨戸の組で構成すると共に該各雨戸を可動自在に構成し、上記各雨戸に上框、下框及び中間框を有し、該上框と中間框の間及び中間框と下框の間に上記雨戸の水平方向(横)に多段式に列設した開閉自在の可動ガラリとでなる構成に於いて、断面略矩形状枠に形成した上記雨戸の枠体を上記窓部材の枠体に固定する止め金具であって、該窓部材の枠体に圧接する第1平面部と、該雨戸の枠体に緊締部品で固定しかつ該第1平面部に一体成形された第2平面部とを形成した断面略ヘ字状の第1押え片及び該第1押え片の下面に略直交して結合されると共に上記雨戸の枠体内に固定されかつ上記第1押え片と略同一形状の第2押え片とを有したことを特徴とする網戸付き雨戸の止め金具。
【請求項2】
雨戸と、該雨戸の背後に備えた網戸と、該網戸の背後に備えた窓部材と、該雨戸が所望数の各雨戸の組で構成すると共に該各雨戸を可動自在に構成し、上記各雨戸に上框、下框及び中間框を有し、該上框と中間框の間及び中間框と下框の間に上記雨戸の水平方向(横)に多段式に列設した開閉自在の可動ガラリとでなる構成に於いて、断面略矩形状枠に形成した上記雨戸の枠体を上記窓部材の枠体に固定する止め金具であって、該窓部材の枠体に圧接する第1平面部と、該雨戸の枠体に第1緊締部品で固定しかつ該第1平面部に一体に一体成形された第2平面部とを形成した断面略ヘ字状第1押え片及び該第1押え片の下面に略直交して結合され共に上記雨戸の枠体内に第2緊締部品により圧着しかつ上記第1押え片と略同一形状の第2押え片とを有したことを特徴とする網戸付き雨戸の止め金具。
【請求項3】
前記第1押え片と前記第2押え片は一体成形して単一にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の網戸付き雨戸の止め金具。
【請求項4】
前記第2押え片の幅長は、上記雨戸の断面略矩形状枠の水平方向枠内幅長と略同一寸法に設定したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の網戸付き雨戸の止め金具。
【請求項5】
前記第1押え片の第2平面部に長孔を貫通形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の網戸付き雨戸の止め金具。
【請求項6】
前記第1及び第2押え片の第1平面部と第2平面部との結合部位を段差状に形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の網戸付き雨戸の止め金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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