説明

網膜を再構成するための最小限侵襲方法及び装置

本発明は、インプラントが、眼の内側の眼球幾何学的形状に適合するよう眼の内部組織と接触するように眼の内部に配置するためのインプラントを含む。また、本発明のインプラントは、眼の焦点距離を変更し、それによって近視及び遠視の矯正のための処置方法を提供するために用いることもできる。装置は、幾つかの可能な構成、即ち、目の荒いメッシュ構造、固体金属リング、固体ポリマー形状、メッシュポリマー形状又はこれらの組み合わせから成ることができる。前記形状は、近視又は遠視を処置するために眼の内部の眼球の所望の部分に近づくように特異的に成形される曲線、球、リング又はこれらの組み合わせであってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年2月22日に出願の米国仮特許出願第61/306,644号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容は参考として本明細書で明示的に援用される。
【背景技術】
【0002】
網膜は、眼球後部の内部層である。網膜は、水晶体を通って入る際の像を受け、視神経と連続しており、幾つかの層から成り、それらの内の1つは光に対する感受性がある桿状体細胞及び錐状体細胞を含む。
【0003】
網膜剥離は、網膜の、眼の中の下層の支持する脈絡膜組織へのその付着からの分離である。大部分の網膜剥離は、網膜裂隙、円孔又は裂孔として始まる開口の結果である。この開口によって、硝子体液が網膜と脈絡膜組織の間の中に漏出し得る。網膜組織が薄い又は弱い領域においては、それが裂ける可能性もある。この液の浸潤によって、網膜が分離した盲斑を生じる脈絡膜から網膜が離れる。これが網膜剥離と呼ばれる。より多くの液が網膜の後に集まるにつれて網膜剥離の程度が進行し得、網膜全体を含む可能性があり、それは、対応する失明を伴う全体的な剥離につながり得る。
【0004】
網膜剥離の前には、通常、後部硝子体剥離が起きるが、それは、光視症(周辺視覚内の光の閃光)、浮遊物(硝子体の中の沈着物)又は眼重感を生じさせ得る。網膜が分離し始めると、人は、通常、周辺視覚から生じ、剥離が進行するにつれて視野の中心へ移動する陰影;それらの視覚の曇り;直線の歪み及び視力喪失を経験する。
【0005】
現在の処置方法
網膜円孔又は裂孔は、全面的な剥離への進行を予防するためにジアテルミー(加熱)、レーザー(加熱)又は寒冷療法(凍結)により処置され得る。どの円孔又は裂孔が処置を必要とするかについては、多くの因子により決定される。因子としては、欠損の型及び位置、網膜上における引っ張り(牽引)又は出血を伴うのかどうか、上記の他のリスク因子の内のいずれかの存在が挙げられる。網膜剥離の修復のために、幾つかの型の眼の手術が行われる。手術としては、強膜バックリング、気体網膜復位、硝子体切除、シリコーンオイル注入及びパーフルオロン液注入が挙げられる。
【0006】
網膜裂孔、及び合併した又は重度の網膜剥離は、典型的には、網膜に対する特定の処置を実施する前に硝子体切除と呼ばれる手術を必要とする。これらの網膜裂孔及び/又は剥離としては、しばしば進行した糖尿病の合併症として生じる網膜上又は硝子体内における異常な血管の成長によって引き起こされるものが挙げられる。また、硝子体切除は、典型的には、巨大網膜裂孔、硝子体出血(網膜に対する手術医の視野を覆い隠す硝子体腔内の血液)、広範な牽引性網膜剥離(瘢痕組織又は硝子体液からの引っ張り)、網膜上の膜(余分の組織)又は眼内の重度の感染症(眼内炎)にも用いられる。硝子体切除術は全身麻酔又は局所麻酔下、病院において実施される。光ファイバの光、切断源(特殊な剪刀)及び繊細な鉗子の位置決めを可能にするために、強膜に小開口部を開ける。手術医は、手術用顕微鏡又は集束ヘッドライト(倒像検眼鏡)のいずれかを通して網膜円孔又は裂孔を同定する。眼の硝子体液を除去し、網膜裂孔の隣接領域を、網膜組織を瘢痕化するようにジアテルミー(加熱)、寒冷(凍結)又はレーザー(加熱)手技のいずれかで処置する。この瘢痕化によって、網膜の損傷領域を下層組織に再付着させる。この固定は、処置される領域内において更に即時に裂孔が生じることを予防することを目的とする。網膜が完全に治癒して再付着するために、より長い期間の治療を提供するために用いられる幾つかの方法がある。これらとしては、気体網膜復位(ガス気泡の挿入)、強膜バックリング(眼の外側の周りのバンド)、眼の内部へのシリコーンオイルの注入又はパーフルオロン液の注入が挙げられる。これらの方法の各々は、治癒し得るように、網膜の長期間の支持を提供するようにデザインされている。
【0007】
シリコーンオイルは、所定の位置に最高8ヵ月間とどまってよく、その除去には続いて外科的介入が必要である。異なる粘度のシリコーンオイルが利用可能であり、その使用は剥離の詳細に依存する。シリコーンが眼内にある間、視覚に支障を来す。
【0008】
パーフルオロンは、典型的には短期的に用いられる液であり、続く外科的介入で除去しなければならない。この液は、典型的には即時のタンポナーデを提供するための外科的手技の間に用いられ、典型的にはシリコーンオイルと交換される。パーフルオロンは、数日間用いることができるが、長期間眼内に残すことを目的としたものではない。
【0009】
気体網膜復位を受ける患者には、網膜に圧力をかけて、再付着が生じると共に所定の位置で網膜を保持するガス気泡を注入する。これらの患者は、ガス気泡により確実に網膜の適当なセグメントに圧力を加えるために、数日(最高1ヵ月)間、顔を下にして又は特定の一方側で眠る必要がある。日常活動の一部は、患者が本質的に頭部を低くする姿勢になって完了されなければならない。泡溶解前の数週間、視覚は完全になくなる、又は全体的にぼやける。
【0010】
長年に亘って、強膜バックリングは、現代医療による領域における剥離した網膜に対する標準的処置であった。手術は、全身又は局所麻酔により病院の手術室において行われる。次いで、シリコーン、プラスチック又はスポンジでできている強膜バックルを眼の外壁(強膜)に縫いつける。バックルは、バックルによってくぼませた眼の外側強膜壁に対して網膜内の円孔又は裂孔を押しつけるように眼に加圧する、眼の周囲における堅い帯又はベルト状のものである。バックルは、永久に所定の位置に残すことができる。バックルは、眼の後(後部)の周囲の途中に位置し、且つその上に慎重に縫いつけられた(縫合された)結膜(眼の透明外部被覆)で覆われているため、通常は見えない。バックルで眼を加圧することにより、網膜上の硝子体による考えられるあらゆる後の引っ張り(牽引)も低下する。強膜バックルは、硝子体切除の有無にかかわらず実施することができる。強膜バックルを用いる副作用の1つは、それらによって眼の形状が変化し、手術後に患者がより近視になる可能性があるということである。
【0011】
米国特許第6,699,285号には、注射器型注入器を通して送達される埋め込み構造バンドが記載されている。このバンドは、(眼球の周長の少なくとも100度の長さを有する)眼の湾曲に適合するように挿入するのに十分に柔軟性があるプラスチック若しくはゴム状の材料又はゴム被覆ワイヤから構成されている。挿入の際、バンドは網膜に対して圧力をかけ、それによって網膜を眼球内に押圧する。前記装置は、埋め込みの間の網膜の穿通を防止するために一対のカールした端部を含むことができる。バンドが100度よりも大きいという要件によって、網膜を眼球内に押圧するのに十分な圧力を生じさせるように前記装置が確実に曲げられる。このアプローチ法における不利な面は、それによって視覚が不明瞭になり、バンドの配置が困難になる可能性があるということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許番号第6,699,285号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、光及び液に対して透過性であるようにデザインされ得る構造体を眼の後部に適用して、網膜を所定の位置に保持するための方法及び機械的手段である。前記装置は、全部又は一部において、光及び液に対する浸透性を提供する必要のない状況があり得る。この支持構造体が眼球の後部への網膜の再付着を誘発して、なんらかのレベルの視覚を回復させ、網膜の更なる損傷と更なる視覚喪失とを予防するものと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の装置は、1つの構成内に格納され且つ配備され得、配備の際に安定な所望の構成を呈し得る金属又はポリマー等の弾性的な形状記憶材料から形成することができる。かかる装置は、血管を広げる又は循環体液の粒子を捕捉するために循環器科及び末梢血管系の分野で通常は用いられるが、眼等の繊細な器官の中における使用は知られていない。
【0015】
この装置は、強膜を通して前眼房内への切開を生じさせ、折りたたまれた状態の装置を含む送達システムを挿入することによって配置される。手術医は、典型的には、患者の眼の水晶体を通して見て、網膜裂孔の上に装置を配置する。次いで、装置を前記部位に送達し、送達システムから切離し、所望の位置において操作し、固定する。送達システムを取り除き、切開を閉じる。装置は一時的又は永久に所定の位置に残り、網膜組織の再付着を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の装置のための可能な製織パターンを示す図である。
【図2】本発明の装置のための第2の可能な製織パターンを示す図である。
【図3】本発明の装置の側面図である。
【図4】本発明の装置の上面図である。
【図5】網膜裂孔の図である。
【図6】網膜裂孔上への本発明の装置の配置を示す図である。
【図7A】本発明の形状及び大きさの変化を示す図である。
【図7B】本発明の形状及び大きさの変化を示す図である。
【図7C】本発明の形状及び大きさの変化を示す図である。
【図7D】本発明の形状及び大きさの変化を示す図である。
【図8】カテーテル内部の折りたたまれた状態における本発明の一実施形態の側面図である。
【図9】拡張状態における図8の実施形態の側面図である。
【図10A】正常な眼の光学的部分を示す図である。
【図10B】本発明によって矯正された近視の眼を示す図である。
【図10C】本発明によって矯正された遠視の眼を示す図である。
【図11A】網膜組織層を覆う連続材料を詳細に示すポリマー装置の実施形態装置の側面図である。
【図11B】黄斑/窩への貫通孔を詳細に示すポリマー装置の実施形態の側面図である。
【図11C】水晶体から窩/黄斑への貫通孔を有する眼腔の眼球支持体を詳細に示す装置の金属質の実施形態の側面及び端面図を示す図である。
【図11D】眼腔からの装置の除去を容易にするための構成方法を詳細に示す装置の金属質の実施形態の斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
網膜剥離は、網膜の、眼の中の下層の支持する脈絡膜組織へのその付着からの分離である。大部分の網膜剥離は、裂隙、円孔または裂孔による網膜壁の開口の結果である。網膜内の開口によって、硝子体液が網膜と脈絡膜の間に入ることが可能になる。前記液によって、網膜が分離した盲斑を生じる脈絡膜から網膜が離れる可能性がある。網膜は弱い場所で裂ける。より多くの硝子体が網膜の後で集まるにつれて、網膜剥離の程度が進行し得、網膜全体を含む可能性があり、それは、全体的な網膜剥離につながる。代表的な裂孔20が図5に示されるが、ここで網膜16は下層の支持する脈絡膜組織17から分離している。裂孔20によって、後眼房25からの液19が網膜16の後に貫入し、それによって網膜16を下層の視神経26から分離させる。液19が蓄積するにつれて、剥離は、徐々により大きく進行性となり、場合によっては全体的な視覚喪失となる。
本発明のインプラントは、眼の後眼房の内側に適合するようにサイズ設定された装置を含み、具体的には網膜の上に位置決め可能であるように成形される。位置を定める際、装置は、網膜への光の透過を可能にするための手段を有してよく、この透過のための機構は、材料間隔、材料組成又は両方の組み合わせにおいてあってよい。かかるインプラントは、各種材料から構成され得る。材料としては、編まれた金属織布、打ち抜き加工若しくは機械加工された金属又は織られた若しくは成形されたポリマー、或いはそれらの組み合わせを挙げることができ、いずれも、形状記憶及び/又は超弾性特性を有し得る。かかる装置は、半円形状、楕円形状、放物線状、双曲線状である円錐部分を表す様々な曲がった径線において利用可能とされ、具体的には、剥離の位置、大きさ及び又は重症度に従って選択される。この装置は、以前の網膜損傷による視覚喪失を回復することはできないが、剥離による更なる視覚喪失を予防することを目的としたものであって、現行の慣用の治療と比較してより早い回復時間を提供することができる治療上の選択肢を提供する。
【0018】
実質的に半球、半円形形状を含むインプラントは、最も高い保持力を生じ得、所定の位置における装置の配列を容易にすることができ、及び/又は誤配列を防止することができる。典型的には、想定される被覆度は、220°〜270°の範囲である。眼の前側部分の方向へ黄斑から伸びる場合、装置は、網膜の前縁まで各方向において約110°〜135°伸びる。装置は、特定の必要に応じて様々な被覆度を提供するように製造され得、これらは、述べたように270°よりも実質的に大きく又は小さくあり得る。場合により、装置は、角膜領域と直接接触しないようにデザインされると共に、いくらかの光の透過度を提供する球状体(360°)として構成され得る。光の透過を可能にしない本質的に球状の装置(360°)の作製を含み得る場合もある。これらの例において、装置の焦点は、極度の剥離の場合、治療を提供することである。このバージョンの装置は、再発性の剥離を有する人の処置を目的とするものであって、焦点は、回復中に視界を提供することなく長期間眼の視界を救済することである。しかし、より短い曲線を含む装置は、網膜の正常で健康な領域に対するインプラントの表面接触を最小化するために、少なくともある種の例において好ましい可能性がある。インプラントはその目的とする使用の間、所定の位置に網膜を保持するのに十分な力を発生させるために特定の寸法決めを必要とする。場合により、インプラントは永久的であり得ると考えられる。他の例では、インプラントは、網膜が再付着した後で取り外し可能であるようにデザインされ得る。他の実施形態は、徐々に吸収されるようデザインされ得る。幾つかの実施形態は、規定の期間治療価値を提供する(1種以上の)薬物がコーティング若しくは装填され得る又は治療法に従って規定の順序で薬物を放出するようデザインされ得る。他の実施形態は、手術医によって眼内に配置され、次いで(1種以上の)薬物が装填される装置を含み得る。この特定の実施形態は、特定の治療を容易にするために一定期間手術医が再装填する能力を有する装置を提供することもできる。この実施形態は、特定の治療法を達成するために所望の放出パターンを実施するよう別々のチャンバ内に1種以上の薬物を装填することもできる。
【0019】
装置のある種の実施形態についてのデザイン要件を満たす材料の内、1種はいわゆる形状記憶金属合金である。かかる合金は、材料が好ましい構成を示す、温度によって誘発された相変化があるように作製される。この構成は、材料の相変化を誘発するためにある温度を超えて材料を加熱することによって固定され得る又は固められ得る。合金を冷却する際、合金は、熱処理中の形状を「記憶」しており、一旦ある温度に達すると、その構成を呈する又はそれに移行する傾向がある。装置は、送達装置内に装填される場合等、場合によっては、この移行を防止することができる、
【0020】
本方法に用いるための特に好ましい形状記憶金属合金は、ニチノール(NITI)(ニッケル及びチタンの合金)である。適当な組成物及び操作要件を含むNiTi合金は、本技術分野において周知であり、かかる合金は、ここで詳細に考察する必要はない。例えば、それらの教示が参考として本明細書で援用される米国特許第5,067,489号(Lind)及び第4,991,602号(Amplatzら)及び第6,797,083号(Peterson)には、ガイドワイヤ及び他の装置における形状記憶NiTi合金の使用について考察されている。かかるNiTi合金は市販されており、かかる合金の操作が他の公知の形状記憶合金よりも知られており、生体適合性が十分に確立されているため、少なくとも部分的に好ましい。また、NiTi合金は、非常に弾性な特性を示すが、それらは、場合によっては「超弾性」又は「擬弾性」材料と呼ばれる。この弾性は、本発明の装置が配備の後で本拡張構成に戻るのに役立ち、必要であればその除去にも役立つ。
【0021】
生体吸収性材料の装置を製造する場合、生物に用いるのに安全ないかなる公知の生体吸収性材料も用いることができる。適切な生体吸収性材料としては、(例えば、生体内分解性金属、生体内分解性ポリマー、生体内分解性セラミック及び/又は生体内分解性金属塩)が挙げられる。身体における使用に適切な生体吸収性金属の例としては、マグネシウム、鉄、亜鉛及びそれらの合金が挙げられる。適切な生体吸収性鉄合金の例としては、Fe−35Mnが挙げられる。身体30としての使用に適切な生体吸収性ポリマーの例としては、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ−セリン、ポリカプロラクタム、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、シクロデキストリン、多糖(例えば、キトサン及びヒアルロナン)、それらのコポリマー及びそれらの組み合わせが挙げられる。生体吸収性ポリマーの他の例としては、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリ(トリメチレンカーボネート)(PTMC)、ポリホスファゼン、ポリケタール、タンパク質(例えば、糖タンパク質、フィブリン、コラーゲン、ゼラチン、ペクチン)、ポリ無水物(例えば、ポリ(エステル無水物)、脂肪酸系ポリ無水物、アミノ酸系ポリ無水物)、ポリエステル、ポリエステル−ポリ無水物混合物、ポリカーボネート−ポリ無水物混合物及び/又はそれらの組み合わせが挙げられる。生体吸収性ポリマーは、分解特性を変化させるために混合及び/又は共重合させることができる。ポリ−L−乳酸は、本発明の装置の製造に特に適している。
【0022】
ある種の実施形態において、形状記憶ポリマーの使用が好ましい。その開示内容が本明細書で援用される米国特許第6,720,402号には、本発明のインプラントを作製する際に有用なある種の形状記憶ポリマーが記載されている。
【0023】
前記装置のかかる製造方法は、以下の通りである。所望の形状を作製した後、得られた成形材料を型又は金型を用いて変形させ、収縮状態を達成する。変形状態は、熱処理の時間及び温度で型及び材料を加熱し、その変形状態の材料を実質的に固めることによって固められる。熱処理後、材料を成形要素との接触から取り外し、変形状態を実質的に保持する。そのように処置された材料は、患者の身体における所望の位置に送達装置を通して配備され得る医療装置の折りたたまれた状態を規定する。正常なヒトの眼の一般的な眼内圧(IOP)は、10〜21mmHgの範囲である。この値は、約0.19〜0.41psiに変換される。装置は、適当な支持を提供して網膜組織の治療上の再付着を促進すると共に、装置が所定の位置に保持されるよう、正常範囲のIOP値よりもわずかに大きな力を示すことが必要であると考えられる。力が装置に沿って変化するような、又は全体的により高くなる若しくは低くなるような方法で変更され得ると考えることもできる。単一のインプラントに沿って力の程度を変化させることもできる。これらの変更は、特別な症例、例えば、剥離の極度、重度又は再発性の症例において必要であり得る。
【0024】
装置は、形状記憶性、生物分解性及び/又は超弾性を示す、編まれた若しくは織られた金属織布、金属シート、金属ワイヤ、ポリマーシート、ポリマーストランド又はそれらの組み合わせから成ることができる。装置は、半円形状、楕円形状、放物線状又は双曲線状である円錐部分を表す様々な曲がった径線において利用可能とされ、且つ剥離の位置及び大きさに従って選択される単層、反転した球面二重層又は多層デザインであり得る。半円形状は、最も高い保持力と誤配列の防止とを生じ得るが、より小さい曲線は、網膜の正常で健康な領域に対するインプラントの表面接触を最小化するために好ましい可能性がある。
【0025】
装置は、手術医が適当な位置にインプラントを、所望の位置に放出する前に操作を可能にする付着手段を含み得る。特定の一実施形態は、インプラントの折りたたみ及び引抜きを、それを送達システムに確実に付着させる限りにおいて可能にする。かかる一実施形態は、折りたたまれた装置の引抜きを可能にするシステムの内径を最大にするために導入カニューレを越えて前進することができるより大きい同軸カニューレシステムを含む。
【0026】
前記デザインのかかる一実施形態は、編まれた材料を用いることができる。この場合、材料は、網膜に対する適当な保持圧を提供するのに十分であるが、編組の「ピック」及び「ピッチ」によって調整される金属織布内の開口を最適化するのに十分に小さいワイヤ径で構成される。また、この編組パラメータは、網膜にまで通過する最大光吸収を可能にするためにも重要である。ワイヤ径は、限定されるものではないが、0.0005〜0.010インチの範囲であってよく、好ましい直径は0.001〜0.003インチの範囲である。
【0027】
装置は、構造的完全性を維持するのに十分な多孔性、網膜の光受容体に到達する像又は光を阻害しない程度に十分な多孔性を有する織り、編組、一本糸、多糸複合体又は組み合わせ材料の形態の自己拡張型の金属又はポリマーを含み得る。(網戸又は窓を通して見ることと同様である。)かかるポリマーの実施形態は、光透過の潜在的干渉の効果を最小化するために半透明であってもよく、且つ/又は、再付着を可能にするのに十分な時間の後で分解する(溶解する)生分解性材料から作製してもよい。金属材料及びポリマー材料の組み合わせを含む装置があってもよい。ある種の実施形態において、光の透過を可能にする必要がなくてもよい。
【0028】
装置は、十分な半径方向圧力を網膜壁に適切に加える規定の「張力」を有するワイヤ、織布ストランド、ポリマー又は他の材料の適当な直径、厚さ又はデュロメータから構成される。装置を、網膜組織と接着しないように、即ち組織の内方成長又は膜の成長を促進しないようにデザインすることもできる。この特性は、天然材料特性、抗付着コーティング、例えばptfe、表面改質、医薬品等を含む幾つかの方法を通して達成され得る。
【0029】
装置は、永久的であってよく又は網膜の治療上の処置を可能にするのに十分に長く一時的に配置してよく、そして必要に応じて装置を回収することができる、再配置可能な、又はそれに薬物を再装填することができる手段を含み得る。装置は、永久に眼内に配置することもできる。
【0030】
1個超の装置を眼内に配置することができる。複数の装置の使用は、同じ材料の装置又は異なる材料の装置を包含し得る。これらの複数の装置は、それらが治療の詳細(即ち:網膜の再付着、薬物の送達等)に応じて同じ時点で又は異なる時点で取り除かれるように配置され得る。
【0031】
好ましい一実施形態は、眼の外側から配置された小径のカニューレを通してインプラントの位置を回収、又は再配置するために捕捉され得る、又は含まれ得る鳩目、ビーズ又は閉ループを含み得る。
【0032】
一時的な装置の他の一実施形態は、網膜を再付着した後日、抽出のために眼の眼窩を出る「テザー」として機能するために、装置の横側に付着させた小さい微細フィラメント又は縫合糸を含み得る。
【0033】
インプラントの更に他の一実施形態において、第2の付着の手段としてフック、スケール又はかぎが装置の表面に備えられる。フック、スケール又はかぎは、表面に沿ってどこにでも位置することができる。或いは、インプラントは、縫合糸、レーザー、凍結、接着又は機械的手段を用いて眼の壁に付着させることができる。
【0034】
次に、本発明のインプラント10の側面図を示す図3を参照する。インプラントは、配置する際に網膜に当接する湾曲端部11と、眼の後眼房に開かれている開放端部13とを含む。インプラントは、光が通過し得る開口3を有するメッシュ9を規定する構造要素12を含む。装置の形状は、網膜裂孔の位置に適合し、且つその損傷を受けていない位置内で網膜を保持するために十分な圧力を提供することができる、あらゆる構造であり得ることはいうまでもない。半円形状、楕円形状、放物線状又は双曲線状である円錐部分が、本発明の範囲内で検討される。この特定の実施形態は、9周辺の領域に織られる円孔を有してもよく、窩/黄斑を不明瞭にする材料はない。必要に応じて眼の他の解剖学的目標を選択的に覆うことができるように、又は覆うことができないように、装置を作製することができることもいうまでもない。構造要素12は、前方の網膜の境界で、又は、それを越えて終端するように内室の前方方向に伸びることもできる。装置が、図11Cに示した通りの構成で本質的に球状であり得、且つそれが角膜組織に接触しないようにデザインされ得ることもいうまでもない。光透過が可能であっても可能でなくてもよいように球状のデザインを作製することができる。
【0035】
図1を参照して、本発明は、光を通過させる構造体内に十分な開口を有するメッシュ9を含む。図1は、上部及び下部形態6における複数の水平ストランド2によって織られた複数の垂直ストランド1から形成される金属織布を示す。作製された織り目は、光が通過可能な開口3を有する。得られた織布は、所望の拡張形状を実質的に固めるために熱処理され得る。参考として援用される米国特許第7,367,985号には、本発明によって検討される型の織られた構造体を作製するためのかかる方法が記載されている。
【0036】
図2は、織布が対角線上に織られる図1における織布の他の織り目を示す。
【0037】
図4は、遊離端部を欠く、より複雑な織られたパターン織布を有する装置の更に他の一実施形態を示す。
【0038】
図5は、網膜裂孔の図である。
【0039】
図6は、網膜16に対する後眼房25の内部に位置する本発明のインプラント15を示す。この図において、網膜裂孔20(図示せず)は、適切な位置に押圧されている。
【0040】
図7A〜Dは、本発明のインプラント15の様々な形状を示す。
【0041】
インプラントの外向きの力以外のいずれかの手段で装置を眼に固定することが必要であるとは考えない。しかし、インプラントの動きを防止することが必要とされる場合、眼内に装置を固定するための手段を提供することが望ましい可能性がある。このことは、埋め込み装置のために許容し得るいずれかの手段によって達成され得る。網膜接合は、剥離した網膜を修復するために長く用いられてきており、本装置に組み込まれ得る又は別々の要素として用いられ得る。網膜接合の例は、米国特許第4,712,550号に開示されているが、その内容は、参考として本明細書で明示的に援用される。場合により、アンカーをステント内に組み込むことは、それを配備する際にアンカーが組織内に埋め込まれるように行うことが望ましい可能性がある。他の例において、ステントの本体を通して縫合糸を用いて所定の位置に固定すればよい。アンカーが装置の一部である例において、組織内における薬物の送達のためにアンカーを用いることができる。
【0042】
更に他の一実施形態において、装置は、参考として本明細書で明示的に援用される米国特許第6,720,402号に開示されているように形状記憶ポリマーから製造され得る。金属の代わりにポリマーを使用する効果は、ポリマーを容易に成形することができるということであり、具体的には高水分含有率を有するようにデザインすることができるということである。他の効果は、インプラントを挿入後に吸収して、それによってインプラントからの長期の合併症を回避することができるということである。より大きな光透過を可能にするために、ポリマーを、透明性について選択することもできる。ポリマーは、所望の形態において薬物を含有して、分注することもできる。ポリマーデザインは、網膜組織の癒着又は断裂の可能性を最小化するようにヒドロゲル(又は同等物)材料で作製することもできる。このポリマーデザインは、視覚を提供するように網膜組織への光透過を可能にするための好ましい屈折率を有するように作製され得る。ポリマーデザインは、網膜組織層と硝子体液との選択的接触を可能にするように様々な表面形状で製造することもできる。このポリマーデザインは、リザーバと同様の配置における医薬を収容する手段を含むこともできる。この医薬は、送達前に装置内に配置され得る、又は装置が配置された後で挿入され得る。このポリマーリザーバデザインは、網膜手術医が、網膜組織層の処置のための(同じ又は異なる成分の)リザーバ内における更なる薬物の周期的な配置を可能にすることができる。薬物溶出デザインの場合、装置は、網膜組織内への薬物溶出を方向づけ、眼腔内への溶出を防止するようにデザインされ得る。米国特許第6,720,402号に示すように、ポリマーは、より冷たい温度で折りたたまれ、体温で広がるようにデザインされ得る。ポリマーは、異なる層、材料デュロメータから作製することもでき、金属又はポリマー補強要素を組み込むことができる。1個超の装置を取り付けることを可能にするための手段も可能であり、患者が改善するにつれて、層が残らなくなるまで所望の通り層を取り除くことができる。
【0043】
更に他の一実施形態において、インプラントは、ガイドワイヤ又はループスネアによってつかむことができ、且つ眼からの取りはずしのためのカニューレ内にインプラントを回収するために用いることができるループ又は鳩目を更に含む。
【0044】
更に他の一実施形態において、インプラントは、網膜再付着を促進するための治療薬を更に含む。かかる薬物は、インプラント上にコーティングされ得る、又はインプラントがポリマーである場合、本技術分野において公知の手段を介して構造体内に、即ち、具体的には好ましい方法で薬物を捕捉、放出することを目的とする表面処置による領域内に組み込まれ得る、若しくは装置内に組み込まれるリザーバ内に装填され得る。好ましくは、装置は、生体適合性金属、金属合金、生体適合性ポリマー又はそれらの可能な組み合わせを含む。例えば、本発明の装置により使用可能な一種の生体適合性ポリマーとしては、国際公開WO91/12779に開示されている弾性ポリマー材料が挙げられる。更なる生体適合性金属及び合金としては、例えば、米国特許第4,733,665号;第4,800,882号;第4,886,062号;及び第6,478,815号に開示されているものが挙げられ、それらの開示内容は、参考として本明細書で明示的に援用される。かかる金属及び合金としては、銀、タンタル、ステンレス鋼、焼鈍鋼、金、銅合金、コバルト合金(例えば、コバルト−クロム−ニッケル合金)、チタン、タングステン、ジルコニウム、ニオブ、イリジウム及び白金が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、形状記憶金属合金(例えば、ニチノール、超弾性チタン合金)は、本明細書において考察される装置を形成するために用いることもできる。
【0045】
本発明の装置により用いるための生体適合性ポリマーは、非生体吸収性、部分的に生体吸収性又は実質的に完全に生体吸収性であり得る。装置の構成のために用いることができる安定な非生体吸収性ポリマーは、一般に低慢性組織反応(以下を含む:刺激、癒着、炎症等)を示すものである。これらとしては、ポリエステル、ポリアミド、(例えばハロゲン化物と置換又は非置換の)ポリオレフィン、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン尿素、セグメント化ポリウレタン尿素/ヘパリン)及びシリコーン(例えば、シリコーンA、シリコーンB及びシリコーンC)が挙げられる。
【0046】
インプラントを生体適合性でない材料から製造しなければならない場合、生体適合性コーティングの使用によって、インプラントを生体適合性とすることができる。生体適合性の表面は、医療用装置にとって重要である。「生体適合性」という用語は、ヒト若しくは動物の身体、又はその血液、体液若しくは他の生体膜と接触する際に全く反応を引き起こさない、又は最小の反応を引き起こす表面を意味するために、本明細書において用いられる。生体適合性コーティングの例は、本技術分野において周知であり、PTFE、ヒドロキシアパタイト及びシリコーンが挙げられる。当業者は、インプラント内における材料に基づき、どのコーティングが適切か知っている。米国特許第6,406,792号は、反応性ポリシロキサンを反応させることによって作製されるコーティングの使用を教示している。米国特許第3,574,673号は、潤滑膜を提供するために針等の様々な表面上で硬化させることができるオルガノシロキサンポリマーの使用を教示している。同様に、米国特許第4,720,521号は、非反応性潤滑シリコーンポリマーのためのマトリックスとしての役割を果たす架橋接着性コーティングを形成するための硬化性シリコーン組成物を有する針又はカテーテル等のコーティング装置を教示している。また、米国特許第5,061,738号は、医療用物品上における使用のための血液適合性潤滑組成物をも教示している。上記の特許の開示内容は参考として援用され、生体適合性コーティングを選択する際に限定するものとは考えない。
【0047】
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)が挙げられる。他のポリエステルとしては、コモノマーとして飽和二塩基酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、コハク酸及びシュウ酸を用いるポリエチレンテレフタレートコポリマー又はポリブチレンテレフタレートコポリマー;ジオールコモノマーとして1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールを用いるポリエチレンテレフタレートコポリマー又はポリブチレンテレフタレートコポリマー;及びそれらの混合物が挙げられる。これらのポリエチレンテレフタレートコポリマーの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート(PET/I)、ポリエチレンテレフタレート/セバケート(PET/S)及びポリエチレンテレフタレート/アジペート(PET/A)が挙げられる。ポリブチレンテレフタレートポリマーの具体例としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート(PBT/I)、ポリブチレンテレフタレート/セバケート(PBT/S)、ポリブチレンテレフタレート/アジペート(PBT/A)、ポリブチレン/エチレンテレフタレート及びポリブチレン/エチレンテレフタレート/イソフタレートが挙げられる。それらの物理的特性を改善するために他の第三成分と共重合又はそれで修飾したポリエステルも使用可能である。ポリエステル樹脂は、一軸又は二軸延伸され得る。
【0048】
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド、ナイロン66、ポリカプロラクタム、並びに−NH−(CH.−CO−及びNH−(CH−NH−CO−(CH−CO[式中、nは、好ましくは約6乃至約13の整数であり、xは、約6乃至約12の整数であり、yは、約4乃至約16の整数である]の形の分子が挙げられる。
【0049】
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−αオレフィンコポリマーが挙げられる。また、ポリオレフィンとしては、オレフィンと不飽和グリシジル基含有モノマーとのコポリマー、及びオレフィンと不飽和グリシジル基含有モノマーとエチレン性不飽和モノマーとのターポリマー又はマルチポリマーも挙げられる。オレフィンの例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1が挙げられる。不飽和グリシジル基含有モノマーの例としては、例えば、グリシジルエステル、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、モノグリシジルイタコネート、モノグリシジルブテントリカルボキシレート、ジグリシジルブテントリカルボキシレート及びトリグリシジルブテントリカルボキシレート;α−クロロアリル、マレイン酸、クロトン酸及びフマル酸のグリシジルエステル;グリシジルエーテル、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル及びスチレン−p−グリシジルエーテル;及びp−グリシジルスチレンが挙げられる。オレフィンに加えて、本発明の他のエチレン性不飽和モノマーを用いてホモ−又はコポリマーを形成することもできる。かかるモノマーとしては、例えば、ビニルエステル、並びにα−及びβ−エチレン性不飽和カルボン酸、並びにそれらの誘導体が挙げられる。例としては、ビニルエステル、例えばビニルアセテート;ビニルプロピオネート;ビニルベンゾエート;アクリル酸;メタクリル酸及びそれらのエステル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル及びオクタデシルアクリレート又はメタクリレート;マレイン酸;無水マレイン酸;イタコン酸;フマル酸;マレイン酸モノ及びジエステル;ビニルクロリド;ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル及びビニルエチルエーテル;及びアクリルアミドが挙げられる。
【0050】
他の有用な非生体吸収性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキルオキシド(ポリエチレンオキシド)、ポリビニルアルコールホモ−及びコポリマー(例えば、PVA発泡体、ポリエチレンビニルアルコール)、ポリエチレングリコールホモ−及びコポリマー、ポリリジン、ポリオキサマー、ポリシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリエチルオキサゾリン及びポリビニルピロリドン、並びにヒドロゲル、例えば架橋ポリビニルピロリジノンから形成されるもの、及びポリエステル(例えば、ポリビニルピロリドン/セルロースエステル及びポリビニルピロリドン/ポリウレタン)が挙げられる。更なる非生体吸収性ポリマー材料としては、アクリルポリマー(例えば、メタクリレート)及びコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル)、ポリビニリデンハライド(例えば、ポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデン)、ポリメチリデンマレエート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物(例えば、ポリスチレン)、ポリビニルエステル(例えば、ポリビニルアセテート)、ビニルモノマー同士とオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂及びエチレン酢酸ビニルコポリマー)、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、セルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セロハン、セルロースニトレート、セルロースプロピオネート、セルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロース)、セルロースエステル、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0051】
好ましい材料としては、シリコーンエラストマー、限定されるものではないがそれらの開示内容全体が参考として本明細書で援用される米国特許第5,371,147号、第5,314,960号及び第5,057,578号に開示されているものを含むシリコーン含有マクロマー、ヒドロゲル、シリコーン含有ヒドロゲル等、及びそれらの組み合わせを含むコンタクトレンズを製造するために有用なものが挙げられる。幾つかの実施形態において、レンズ材料は、ヒドロキシ基、カルボキシル基又はそれらの組み合わせを含むモノマーから構成される、限定されるものではないがポリジメチルシロキサンマクロマー、メタクリルオキシプロピルポリアルキルシロキサン及びそれらの混合物を含むシロキサン官能性、シリコーンヒドロゲル又はヒドロゲルを含むことができる。ソフトコンタクトレンズを作製するための材料は周知であり、市販されており、アクアフィルコン(acquafilcon)、エタフィルコン(etafilcon)、ゲンフィルコン(genfilcon)、レネフィルコン(lenefilcon)、バラフィルコン(balafilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)又はガリフィルコン(galyfilcon)が挙げられる。
【0052】
生体吸収性ポリマーを本発明の製造のために用いることもできる。生体吸収性ポリマーは、これらの材料から形成される装置又はその部分が身体内に吸収され得、故に物理的な取りはずしを必要としない点で有利である。生体吸収性ポリマーとしては、例えば、Tanquayら(Contemp.Intervention.Tech.12(4):699-713,(1994))に見出されるものが挙げられる。生体吸収性ポリマーは、in vivoでの治療に用いられると共に実質的に無毒性の生体内分解生成物に分解され得るという点で非生体吸収性ポリマーと異なる。分解は、一般に、ポリマーのそのモノマーサブユニットへの分解を含む。例えば、ポリ(ホスホネート)の最終加水分解性分解生成物はホスホネート、アルコール及びジオールであり、それらは全て潜在的に無毒性である。生体吸収性ポリマーの分解速度は、各種ポリマー特性、例えば、透過性、水溶性、結晶性及び物理的大きさに関連がある。
【0053】
生体吸収性ポリマーとしては、様々な型の脂肪族ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、アミド基を含むポリオキサエステル、ポリ(無水物)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスフェートエステル)、ポリウレタン、ポリ無水物、生体分子及びそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
生体吸収性ポリエステルが使用され得、例えば、Pittら、“Biodegradable Drug Delivery Systems Based on Alipathic Polyesters:Applicationto Contraceptives and Narcotic Antagonists”,ControlledRelease of Bioactive Materials,19-44 Richard Baker ed.,(1980)に記載されている。脂肪族ポリエステルとしては、(乳酸、並びにD−、L−及びメソラクチドを含む)ラクチドのホモポリマー及びコポリマー、ε−カプロラクトン、(グリコール酸及びラクチド/グリコリドコポリマーを含む)グリコリド、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、ジオキサノン(例えば、パラ−ジオキサノン)、トリメチレンカーボネート(及びそのアルキル誘導体)、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、及びそれらのポリマーブレンドが挙げられる。生体吸収性ポリオルトエステルが使用され得、例えば、“Release of Norethindrone from Poly(orthoEsters)”,Polymer Engineering Sci.,21:11,727-31(1981)に記載されており、また、Handbook of Biodegradable Polymers,edited by Domb,Kostand Wisemen,Hardwood Academic Press(1997)p.99-118に、Hellerらによっても記載されている。ポリオルトエステルとしては、例えば、ポリグリコール酸及びポリ乳酸、例えばポリ−L−乳酸(PLLA);ポリD,L−乳酸;及びポリ−D−乳酸が挙げられる。生体吸収性ポリホスファゼンは、例えば、米国特許第5,340,849号;第5,324,519号;第5,278,202号;及び第5,278,201号にDunnらにより記載されている。ポリホスファゼン、並びにL−ラクチド、D,L−ラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、パラ−ジオキサノン、トリメチレンカーボネート及びε−カプロラクトンより作製されるコー(co-)、ター(ter-)−及びより高次の混合モノマーをベースとするポリマーが、The Encyclopedia of Polymer Science,Vol.13,p.31-41,Wiley Intersciences,John Wiley & Sons(1988)にAllcockによって、並びにHandbook of Biodegradable Polymers,edited by Domb, Kost and Wisemen,HardwoodAcademic Press(1997),p.161-182にVandorpe、Schacht、Dejardin及びLemmouchiにより記載されている。ポリ(アミノ酸)及び擬ポリ(アミノ酸)は、例えば、Pulapuraら、“Trends in the Development of BioresorbablePolymers for Medical Applications,”J.of Biomaterials Appl.,6:1,216-50(1992)に記載されており;ポリ(イミノカーボネート)は、例えば、Kemnitzerand Kohn,Handbook of Biodegradable Polymers,edited by Domb,Kost and Wisemen,Hardwood Academic Press(1997),p.251-272に記載されている。コポリ(エーテル−エステル)としては、例えば、PEO/PLA、並びにCohn and Younes,Journal of Biomaterials Research,Vol.22(1998),p.993-1009及びCohn,PolymerPreprints(ACS Division of Polymer Chemistry)Vol.30(1),(1989)p.498に記載されている他のものが挙げられる。ポリアルキレンオキサレートとしては、米国特許第4,208,511号;第4,141,087号;第4,130,639号;第4,140,678号;第4,105,034号;及び第4,205,399号に記載されているものが挙げられる。ポリ無水物としては、HOOC−C−O−(CH−O−C− −COOH[式中、mは、約2乃至約8の整数である]の形の二酸の重合から生じるものが挙げられ、また、これらの二酸と最高12個の炭素の脂肪族α−ω二酸との共重合から生じるコポリマーも挙げられる。本技術分野で公知であるように、ポリ無水物コポリマー中のモノマー比は、得られたコポリマーが表面侵食性であるように変化させることができる。ポリオキサエステル、ポリオキサアミド、並びにアミン及び/又はアミド基を含むポリオキサエステルは、米国特許第5,464,929号;第5,595,751号;第5,597,579号;第5,607,687号;第5,618,552号;第5,620,698号;第5,645,850号;第5,648,088号;第5,698,213号及び第5,700,583号の内の1つ以上に記載されている。生体吸収性ポリ(ホスフェート−エステル)、例えば、ポリ(ホスフェート)、ポリ(ホスホネート)及びポリ(ホスファイト)は、例えば、Penczekら、Handbook of Polymer Synthesis,Chapter17:“Phosphorus-Containing Polymers”,p.1077-1132(Hans R.Kricheldorf ed.,1992)に記載されており、及び米国特許第6,153,212号に記載されている。生体吸収性ポリウレタンは、例えば、Bruinら、“Biodegradable Lysine Diisocyanate-based Poly-(Glycolide-co-.epsi-lon.-Caprolactone)-Urethane Network in Artificial Skin”,Biomaterials,11:4,291-95(1990)に記載されている。生体吸収性ポリ無水物は、例えば、Leongら、“Polyanhydrides for Controlled Release of Bioactive Agents”,Biomaterials,7:5,364-71(1986)に記載されている。
【0055】
ポリマー生体分子は、本発明による装置又は装置の部分により有利には用いることもできる。ポリマー生体分子としては、ヒトの身体内において酵素的に分解し得る天然に存在する材料、又はヒトの身体内において加水分解的に不安定であるものが挙げられる。かかる材料としては、アルブミン、アルギネート、ゼラチン、アカシア、セルロースデキストラン、フィコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フィブリン、フィブリノーゲン、コラーゲン、エラスチン、硫酸デキストラン、並びに吸収性生体適合性多糖、例えばキトサン、脱アセチル化キトサン、デンプン、脂肪酸(及びそれらのエステル)、グルコソ−グリカン及びヒアルロン酸が挙げられる。
【0056】
他の有用な材料としては、生体吸収性エラストマー、好ましくは脂肪族ポリエステルエラストマーが挙げられる。適切な割合では、脂肪族ポリエステルコポリマーはエラストマーである。コーティング材料として用いる場合、エラストマーは、有利には装置の金属部分に十分に付着し、割れが入ることなく著しい変形に耐えられる。適切な生体吸収性エラストマーの例は、米国特許第5,468,253号に記載されている。好ましい生体吸収性生体適合性エラストマーは、脂肪族ポリエステルをベースとしており、ε−カプロラクトンとグリコリドとのエラストマーコポリマー(好ましくは、グリコリドに対するε−カプロラクトンのモル比が約35:65〜約65:35である);ε−カプロラクトンとラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド及びそれらの混合物を含む)とのエラストマーコポリマー、又は乳酸コポリマー(好ましくは、ラクチドに対するε−カプロラクトンのモル比が約35:65〜約90:10である);p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)とラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド及び乳酸を含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、ラクチドに対するp−ジオキサノンのモル比が約40:60〜約60:40);ε−カプロラクトンとp−ジオキサノンとのエラストマーコポリマー(好ましくは、p−ジオキサノンに対するε−カプロラクトンのモル比が約30:70〜約70:30である);p−ジオキサノンとトリメチレンカーボネートとのエラストマーコポリマー(好ましくは、トリメチレンカーボネートに対するp−ジオキサノンのモル比が約30:70〜約70:30である);トリメチレンカーボネートとグリコリドとのエラストマーコポリマー(好ましくは、グリコリドに対するトリメチレンカーボネートのモル比が約30:70〜約70:30である);トリメチレンカーボネートとラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド及びそれらの混合物を含む)とのエラストマーコポリマー;又は乳酸コポリマー(好ましくは、ラクチドに対するトリメチレンカーボネートのモル比が約30:70〜約70:30である)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
また、本発明は、上述した装置の1つを用いて薬剤を身体に導入することをも含む。好ましい一実施形態において、(1種以上の)薬剤は、装置のストランドの内の1本以上によって担持され、所定の期間に亘って身体の中で放出される。薬剤の局所的送達は、その有効局所濃度が全身投与によって通常達成されるものよりも装置によって送達される場合に非常に高い点で有利である。レール要素12、12’、120及び312は、それらの横強度特性において相対的に弾性がなく、眼の中に装置を配備した後で血管が動いて薬剤担持要素と接触する際に血管に加える上述した薬剤の内の1種以上を担持することができる。また、薬物送達は、他の実施形態、例えば含浸ポリマー、金属及びポリマーの表面処置、リザーバによるポリマー等を介して達成することもできる。
【0058】
上述した装置は、治療剤及び医薬剤、例えば薬物を含む1種以上の公知の薬剤を、眼の一部と接触する部位で、又は公知のように担体から放出する際に送達することができる。この放出は、必要に応じて、持続放出、網膜組織層の特定の領域への放出、眼全般への放出、又は他の配置であってよい。これらの薬剤としては、疾患又は疾病の処置、予防、診断、治癒又は緩和のために用いるあらゆる公知の治療薬、抗血小板剤、抗血液凝固剤、抗菌剤、代謝拮抗剤及びタンパク質;身体の機能の構造に影響を及ぼす物質;及び所定の生理環境の配置後に生物学的に活性になる又はより活性になるプロドラッグを挙げることができる。薬剤としては、薬物、ビタミン剤、ミネラルサプリメントを挙げることができる。薬剤としては、Hossainyらに対する米国特許第6,153,252号及びDonovanらに対する米国特許第5,833,651号(両方とも、開示内容全体が参考として本明細書で援用される)に開示されているものの内のいずれかを挙げることもできる。
【0059】
本明細書に開示される埋め込み可能装置によって使用可能な好ましい薬剤は、様々なアプローチ法のいずれかによって組織の成長を阻害するものであり、デキサメタゾン、m−プレドニゾロン、インターフェロンγ−1b、レフルノミド、シロリムス、エベロリムス、タクロリムス、ミコフェノール酸、ミゾリビン、シクロスポリン、ラパマイシン及びトラニラストを含む抗炎症免疫調節剤;QP−2、タキソール、アクチノマイシン、メトトレキセート、アンギオペプチン、ビンクリスチン、マイトマイシン、スタチン、CMYCアンチセンス、ABT−578、RestenASE、2−クロロデオキシアデノシン、PCNAリボザイム、パクリタキセル、ラパマイシン、エベロリムス及びタクロリムスを含む抗増殖剤;バチマスタット、プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、ハロフギノン、C−プロテイナーゼ阻害剤、プロブコール、ラパマイシン、エベロリムス及びタクロリムスを含む遊走阻害剤/ECM−調節剤;並びにBCP671、VEGF及びエストロゲンを含む治癒及び再内皮化を促進する薬剤が挙げられる。以下で考察するもの等、更なる薬剤を用いることもできる。
【0060】
薬剤の非限定的な例としては、以下の治療上のカテゴリの範囲内のものが挙げられる:鎮痛薬、例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ステロイド性抗炎症薬、COX 2選択的阻害剤、オピエート作動薬及びサリチレート;血管形成阻害剤;抗喘息薬;抗ヒスタミン剤/鎮痒薬、例えばH遮断薬及びH遮断薬;抗感染薬、例えば、駆虫薬、抗嫌気性薬、抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、抗真菌抗生物質、マクロライド系抗生物質、種々のβ−ラクタム系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、キノロン系抗生物質、スルホンアミド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、抗菌薬、抗菌剤、抗マイコバクテリア薬、抗結核抗マイコバクテリア薬、抗原生動物剤、抗マラリア性抗原生動物剤、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、疥癬虫撲滅薬及び尿路抗感染薬;抗関節炎薬;抗線維素溶解薬;抗悪性腫瘍薬、例えばアルキル化剤、代謝拮抗薬、プリン類似体代謝拮抗薬、ピリミジン類似体代謝拮抗薬、ホルモン性抗悪性腫瘍薬、天然抗悪性腫瘍薬、抗生物質天然抗悪性腫瘍薬及びビンカアルカロイド系天然抗悪性腫瘍薬;カルシウム調節剤;自律神経薬、例えば抗コリン作用薬、キサンチン、肥満細胞安定化薬、抗ムスカリン様抗コリン作用剤、麦角アルカロイド、副交感神経作動薬、コリン作動性作動薬系副交感神経作動薬、コリンエステラーゼ阻害剤系副交感神経作動薬、交感神経抑制薬、α−遮断薬系交感神経抑制薬、β−遮断薬系交感神経抑制薬、交感神経模倣薬及びアドレナリン作動薬系交感神経模倣薬;心臓血管作用薬、例えば抗狭心症薬、β−遮断薬系抗狭心症薬、カルシウムチャネル遮断薬系抗狭心症薬、硝酸系抗狭心症薬、抗不整脈薬、強心配糖体系抗不整脈薬、クラスI、II、III又はIV抗不整脈薬、抗高血圧剤、α−遮断薬系抗高血圧薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)系抗高血圧薬、β−遮断薬系抗高血圧薬、カルシウムチャネル遮断薬系抗高血圧薬、中枢作用性アドレナリン抗高血圧薬、利尿抗高血圧剤、末梢血管拡張薬系抗高血圧剤、抗高脂血症薬、強心剤、強心配糖体系強心剤及び血栓溶解薬/線維素溶解薬;外皮用剤、例えば抗ヒスタミン薬、抗炎症剤、コルチコステロイド系抗炎症薬及び止痒剤/局所麻酔薬;電解質及び腎臓剤、例えば酸性化剤、アルカリ化剤、利尿薬、炭酸脱水酵素阻害薬系利尿薬、ループ利尿薬、浸透圧性利尿薬、カリウム保持性利尿薬、チアジド系利尿薬、電解質補給剤及び尿酸排泄剤;酵素、例えば膵酵素及び血栓溶解酵素;胃腸剤、例えば止瀉薬、抗嘔吐薬/制吐薬、胃腸抗炎症剤、サリチレート系胃腸抗炎症薬、抗潰瘍/抗逆流剤、制酸抗潰瘍薬、胃酸−ポンプ阻害剤系抗潰瘍薬、胃粘膜抗潰瘍薬、H遮断薬系抗潰瘍薬、胆石溶解剤、消化薬、催吐薬、緩下薬及び便軟化剤、並びに運動促進剤;酵素阻害剤;全身麻酔薬、例えばハロゲン化麻酔薬、バルビツール酸系麻酔薬、ベンゾジアゼピン系麻酔薬及びオピエート作動薬系麻酔薬;血液作用薬、例えば抗貧血剤、造血抗貧血剤、凝固剤、抗凝固薬、血液レオロジー剤、止血性凝固剤、抗血小板剤、血栓溶解酵素凝固剤及び血漿増量剤;ホルモン剤、ホルモン変性剤及び甲状腺ホルモン剤、例えば堕胎薬、副腎剤、副腎コルチコステロイド、アンドロゲン、抗アンドロゲン薬、抗糖尿病薬、スルホニル尿素抗糖尿病薬、高血糖治療薬、プロゲスチン、エストロゲン、受胎促進薬、子宮収縮薬、副甲状腺剤、脳下垂体ホルモン剤、抗甲状腺薬、甲状腺ホルモン剤及び子宮収縮抑制薬;免疫生物学的薬剤、例えば免疫グロブリン、免疫抑制薬、トキソイド及びワクチン;局所麻酔薬、例えばアミド系局所麻酔薬及びエステル系局所麻酔薬;筋骨格剤、例えば抗痛風抗炎症剤、コルチコステロイド系抗炎症剤、免疫抑制抗炎症剤、サリチレート系抗炎症剤、骨格筋弛緩薬、神経筋遮断薬系骨格筋弛緩薬及び逆神経筋遮断薬系骨格筋弛緩薬;抗アポトーシス薬;神経薬、例えば抗痙攣薬、バルビツール酸系抗痙攣薬、ベンゾジアゼピン系抗痙攣薬、抗片頭痛剤、抗パーキンソン病薬、抗回転性めまい剤、オピエート作動薬及びオピエート拮抗薬;眼科用剤、例えば、抗緑内障剤、β−遮断薬系抗緑内障剤、縮瞳薬系抗緑内障剤、散瞳薬、アドレナリン作動薬系散瞳薬、抗ムスカリン様散瞳薬、眼科用麻酔薬、眼科用抗感染薬、眼科用アミノグリコシド系抗感染薬、眼科用マクロライド系抗感染薬、眼科用キノロン系抗感染薬、眼科用スルホンアミド系抗感染薬、眼科用テトラサイクリン系抗感染薬、眼科用剤、眼科用コルチコステロイド系抗炎症薬剤及び眼科用非ステロイド系抗炎症薬;向精神薬、例えば抗うつ薬、複素環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、三環系抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、フェノサイアジン系抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬及び催眠薬、バルビツール酸系鎮静薬及び催眠薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、鎮静薬及び催眠薬、並びに精神刺激薬;呼吸器薬剤、例えば鎮咳薬、気管支拡張薬、アドレナリン作動薬系気管支拡張薬、抗ムスカリン様気管支拡張薬、去痰薬、粘液溶解剤、呼吸器抗炎症剤及び呼吸器コルチコステロイド系抗炎症薬剤;毒物学薬剤、例えば解毒薬、重金属中毒解毒薬/キレート化剤、物質乱用剤、物質乱用抑制剤及び物質乱用中止剤;ミネラル;ビタミン剤、例えばビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンK;アミノ酸;及びタンパク質、例えば、抗体(例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体及び抗体フラグメント)。
【0061】
単独で用いることができるか、若しくはこれらの薬剤の内の他の1種以上と併用することができる又は装置の実施形態の内の1つ以上において最適な治療効果を送達するように特異的に調合することができる、上記で考察された各種の治療上のカテゴリの範囲内の薬剤の例は、以下の通りである。
【0062】
鎮痛薬としては、例えば、パラ−アミノフェノール誘導体(例えば、アセトアミノフェン)、インドール及びインデン酢酸(例えば、エトドラク)、ヘテロアリール酢酸(例えば、ジクロフェナク及びケトロラク)、アリールプロピオン酸(例えば、イブプロフェン)、アントラニル酸(例えば、メフェナム酸及びメクロフェナム酸)、エノール酸(例えば、テノキシカム及びオキシフェンタトラゾン(oxyphenthatrazone))、ナブメトン、金化合物(例えば、金チオリンゴ酸ナトリウム)、ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、プロポキシフェンナプシレート、塩酸メペリジン、塩酸ヒドロモルホン、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、二酒石酸ジヒドロコデイン、ペンタゾシン、酒石酸水素塩ヒドロコドン、レボルファノール、ジフルニサル、サリチル酸トロラミン、塩酸ナルブフィン、メフェナム酸、ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール、クエン酸フェニルトロキサミン、メトトリメプラジン、塩酸シンナメドリン、メプロバメート、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ラミフェナゾン、メロキシカム、フルアザコルト、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ネパフェナク、ISV−205が挙げられ;血管形成阻害剤としては、例えば、アンジオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、一酸化窒素供与体、抗血管新生性アンチトロンビンIII、軟骨由来阻害剤(CD1)、CD59補体断片、エンドスタチン(コラーゲンXVIIIフラグメント)、フィブロネクチンフラグメント、gro−β、ヘパリナーゼ、ヘパリン六糖フラグメント、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、α−、β−及びγ−インターフェロン、インターフェロン誘導タンパク質(IP−10)、インターロイキン−12、クリングル5(プラスミノーゲンフラグメント)、メタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP)、2−メトキシエストラジオール、胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、血小板第4因子(PF−4)、プロラクチン16kDフラグメント、プロリフェリン関連タンパク質(PRP)、レチノイド、テトラヒドロコルチゾール−S、トロンボスポンジン−1(TSP−1)、トランスフォーミング成長因子−β(TGF−b)、バスキュロスタチン、バソスタチン(カルレティキュリンフラグメント)、アポリポタンパク質E、TBC−2576が挙げられ;抗喘息薬としては、例えば、ケトチフェン及びトラキサノクスが挙げられ;抗うつ薬としては、例えば、ネホパム、オキシペルチン、アモキサピン、トラゾドン、マプロチリン、フェネルジン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミン・パモエート、イソカルボキサジド、トリミプラミン及びプロトリプチリンが挙げられ;抗糖尿病薬としては、例えば、ビグアナイド(例えば、メトホルミン)、スルホニル尿素誘導体(例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド及びグリメピリド)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン)及びメグリチニド類似体(例えば、レパグリニド)が挙げられ;抗高血圧剤としては、例えば、プロパノロール、プロパフェノン、オクスプレノロール、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、塩酸パルギリン、デセルピジン、ジアゾキシド、グアネチジンモノ硫酸塩、ミノキシジル、レシンナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク、アルセロキシロン及びフェントラミンが挙げられ;抗悪性腫瘍薬としては、例えば、クラドリビン(2−クロロデオキシアデノシン)、ナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びクロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、ストレプトゾシン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU及び類似体)、トラゼン(例えば、ダカルバジニン(DTIC))、白金配位錯体(例えば、カルボプラチン及びシスプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、カンプトセシンフェネステリン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン)、エピジポドフィロトキシン(epidipodophyllotoxin)(例えば、エトポシド(VP−16)及びテニポシド)、タモキシフェン並びにピポスルファンが挙げられ;抗不安薬としては、例えば、ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン及びダントロレンが挙げられ;酵素阻害剤としては、例えば、セレジリン又はその塩酸塩、ラザベミド、ラサギリン、モクロベミド、エンタカポン、トルカポン、ニテカポン、Ro 40−7592、クロザピン、リスペリドン、オランザピン及びクエチアピンが挙げられ;免疫抑制薬としては、例えば、カルシニューリン阻害剤(例えば、シクロスポリン及びタクロリムス(FK−506))、抗増殖剤/代謝拮抗剤(例えば、シロリムス、QP−2、タキソール、アクチノマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、アンギオペプチン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、プリカマイシン、CMYCアンチセンス、ABT−578、RestenASE、2−クロロデオキシアデノシン、PCNAリボザイム、ラパマイシン、葉酸類似体(例えば、メトトレキセート)、フルオロウラシル(5−FU)、フロクシウリジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、シクロホスファミド、サリドマイド、クロラムブシル、レフルノミド、バチマスタット及びミゾリビン)、エベロリムス、アザチオプリン、シトキサン、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル及びトラニラストが挙げられ;抗片頭痛剤としては、例えば、エルゴタミン、粘液酸イソメテプテン及びジクロラールフェナゾンが挙げられ;鎮静薬及び催眠薬としては、例えば、バルビツール酸塩(例えば、ペントバルビタール及びセコバルビタール)、塩酸フルラゼパム、トリアゾラム及びミダゾラムが挙げられ;カルシウムチャネル遮断薬系抗狭心症薬としては、例えば、ニフェジピン及びジルチアゼムが挙げられ;硝酸系抗狭心症薬としては、例えば、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール及び四硝酸エリスリチルが挙げられ;抗精神病薬としては、例えば、ハロペリドール、コハク酸ロキサピン、塩酸ロキサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、ペルフェナジン、クエン酸リチウム及びプロクロルペラジンが挙げられ;抗躁薬としては、例えば、炭酸リチウムが挙げられ;抗不整脈薬としては、例えば、ブレチリウムトシレート、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、グルコン酸キニジン、ポリガラクツロン酸キニジン、酢酸フレカイニド、トカイニド及びリドカインが挙げられ;抗関節炎薬としては、例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン、サルサレート、ピロキシカム、インドメタシン、メクロフェナメート、ケトプロフェン、オーラノフィン、アウロチオグルコース、トルメチン及びトルメチンナトリウムが挙げられ;抗痛風剤としては、例えば、コルヒチン及びアロプリノールが挙げられ;抗凝固薬としては、例えば、ダナパロイド、レピルジン、ジクマロール、アセノクマロール、ヘパリン、ヘパリン塩(例えば、ヘパリンナトリウム)、ワルファリンナトリウム、4−ヒドロキシクマリン、フェンプロクーモン、インダン−1,3ジオン、アニシンジオン、ワルファリンナトリウム、組織因子経路阻害剤(TFPI)、ティファコジン、アンクロド、ブロムインジオン、クロリンジオン、クメタロール、シクロクマロール、4−クマリノール、デシルジン、デキストラン硫酸ナトリウム、ジフェナジオン、ビスクマ酢酸エチル、フルインジオン、ヒルジン、ナドロパリンカルシウム、ナファモスタットメシレート、オキサジジオン、フェニンジオン、ホスビチン、ピコタミド、アポラートナトリウム、トロンボシド(thrombocid)、チオクロマロール、ワルファリン、アプロスラートナトリウム、ART 123、ビバリルジン、BMS 189090、BMS 186282、BMS 189664、BMS 191032、コルセビンM、CS 747、カードラン硫酸、DPC 423、DX 9065a、エフェガトラン、ホンダパリヌクスナトリウム、GR 144053、イノガトラン、LB 30057、メラガトラン、MR 33、ナプサガトラン、NSL 9403、SR 90107、YM 75466、ZK 805412、ZK 807834、OGS 15435、JTV 803、LY 287045、P 8720、RE 1492、Ro 43−8857、S 18326、S 31214、SK 549、SB 249417、SR 123781A及びUK 156406が挙げられ;血栓溶解薬/線維素溶解薬としては、例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、ホスホリルコリン、プラスミン、プラスミノーゲン、アンジオキナーゼ、アニストレプラーゼ、プロウロキナーゼ、レテプラーゼ、サルプラーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベータ、アクチノキナーゼ(actinokinase)、α2−抗プラスミン、抗トロンビン、E 6010、フィブロラーゼ、lys−プラスミノーゲン、ラノテプラーゼ、ルンブロキナーゼ、メタロプロテイナーゼ、モンテプラーゼ、PAIプロテイナーゼ阻害剤、パミテプラーゼ、スタフィロキナーゼ及びテネクテプラーゼが挙げられ;抗線維素溶解薬としては、例えば、アミノカプロン酸が挙げられ;血液レオロジー剤としては、例えば、ペントキシフィリンが挙げられ;抗血小板剤としては、例えば、アスピリン、チクロピジン、アブシキシマブ、クロピドグレル、エプチフィバチド、チロフィバン及び糖タンパク質IIb/IIa阻害剤、アルガトロバン、シロスタゾール、クロリクロメン、ダルテパリン、ダルトロバン、デフィブロチド、ジピリダモール、エノキサパリン、イロプロスト、インドブフェン、イスボグレル、ラミフィバン、ロトラフィバンナドロパリンカルシウム、オルボフィバン、パミコグレルKBT 3022、プラフィブリド、ピコタミド、オザグレル、ラマトロバン、レビパリンナトリウム、リドグレル、ロキシフィバン、サチグレル、シブラフィバン、スロトロバン、タプロステン、チクロピジン、トリフルサール、アムリノン、シロスタミド、ジラゼプ、エノキシモン、ミルリノン、ナフタゾン、ピミルプロスト、ピモベンダン、サルポグレラート、スルフィンピラゾン、バピプロスト、ベスナリノン、ゼミロフィバン、ザプリナスト、ゼリアZ 335、A 02131−1、カモナグレル、カングレロル、DMP 728、DMP 802、エラロフィバン、EMD 122347 FK 633、FXV 673、イフェトロバン、L 734217、レフラダフィバン、MK 852、ON 579、R 99224、RGD 039、RGD 891、RPR 109891、Ro 48−3657、Ro 44−3888、S 1197、SDZ−GPI 562、SL 650472、SM 20302、SR 121566A、SR 121787A、TA 993、TAK 029、XV 454、XV 459、YC−1、アスパラトン、BAY 41−2272、BM 531、BM 14515、C 186−65、CS 570、F


R 158999、フラダフィバン、L 750034、リノトロバン、ME 3277、MED 27、NQ 12、NQ 301、NQ 304、NSL 9511、NSP 513、4−ペンチン酸、3−[[4−[[4−(アミノメチル)−フェニル]アミノ−]−1,4−ジオキソブチル]−アミノ]−エチルエステル、RE 2047、SCH 79797、SM 10906、SR 25989、TP 9201、XJ 735、XR 300、XU 057、XU 063、XU 065、Y 909、ZD 2486及びZD 9583が挙げられ;抗アポトーシス薬としては、例えば、CGP 3466、CEP−1347/KT−7515、TCH−346及びWHI−P131が挙げられ;神経薬としては、例えば、チモロール、ダピプラゾール、レボブノロール、ベタキソロール、ベフノロール、カルテオロール、メチプラノロール、AMO−140、ブナゾシン、アダプロロール、ISV−208、L−653328、セタモロール、H−216/44、KRG−332、レボベタキソロール、メタゾシン、NCX−904、NCX−905、グアネチジン、ブリモニジン、アプラクロニジン、AGN−195795、AGN−191103、AGN−190532、AGN−192172、AGN−193080、AGN−190837、タリペキソール、チオ尿素、ジピベフリン、エピネフリン、フェニレフリン、コカイン、ヒドロキシアンフェタミン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、レボドパ、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、アマンタジン、スマニロール、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ブロモクリプチン、リスリド又は9,10ジヒドロリスリド、アポモルヒネ又はN−プロピルノルアポルフィン、N−プロピルノルアポルフィン、PHNO、N−0437(ラセミ体)及びN−9023(精製された負のエナンチオマー)、カベルゴリン、シラドパ、ABT−431、レルゴトリル、DIB1508Y及びABT418mが挙げられ;選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)としては、例えば、パロキセチン及びセルトラリンが挙げられ;抗痙攣薬としては、例えば、バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビトール、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタールナトリウム、クロラゼプ酸二カリウム及びトリメタジオンが挙げられ;抗パーキンソン病薬としては、例えば、エトスクシミドが挙げられ;抗ヒスタミン剤/止痒剤としては、例えば、ヒドロキシジン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、マレイン酸デクスクロルフェニラミン及びメトジラジンが挙げられ;カルシウム調節剤としては、例えば、カルシトニン及び副甲状腺ホルモンが挙げられ;抗菌剤としては、例えば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチンメタナトリウム及び硫酸コリスチンが挙げられ;抗生物質としては、例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリン及びシプロフロキサシンが挙げられ;抗真菌抗生物質としては、例えば、グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アムホテリシンB、ナイスタチン及びカンジシジンが挙げられ;抗ウイルス剤としては、例えば、ジドブジン(AZT)、塩酸アマンタジン、リバビリン及びアシクロビルが挙げられ;抗菌薬としては、例えば、セファロスポリン(例えば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシムeアゾチル、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水化物、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファマンドールナフェート、セフォキシチンナトリウム、セホニシドナトリウム、セホラニド、セフトリアキソンナトリウム、セファドロキシル及びセフロキシムナトリウム)、ペニシリン(例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ペニシリンGベンザチン、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウム及びナフシリンナトリウム)及びエリスロマイシン(例えば、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン及びエチルコハク酸エリスロマイシン)及びテトラサイクリン(例えば、塩酸テトラサイクリン、ドキシサイクリンヒクレート、塩酸ミノサイクリン、アジスロマイシン及びクラリスロマイシン)が挙げられ;抗感染薬としては、例えば、GM−CSFが挙げられ;交感神経模倣薬としては、例えば、塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、イソエタリンメシラート、イソエタリン塩酸塩、硫酸{りゅうさん}アルブテロール、アルブテロール、ビトルテロルメシラート、塩酸イソプロテレノール、エピネフリン及び酒石酸水素エピネフリンが挙げられ;抗コリン作用薬としては、例えば、臭化イプラトロピウム、ベンズヘキソール、トリヘキシフェニジル、ベンズトロピン、塩酸ジフェンヒドラミン、オルフェナドリン、クロルフェノキサミン、アミトリプチリン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、ビペリデン、エトプロパジン、プロシクリジン、シクリミン及びエトプロパジンが挙げられ;キサンチンとしては、例えば、アミノフィリン、ダイフィリン、硫酸メタプロテレノール及びアミノフィリンが挙げられ;肥満細胞安定化薬としては、例えば、クロモリンナトリウムが挙げられ;気管支拡張薬としては、例えば、サルブタモール、ブデソニド、ケトチフェン、サルメテロール、キシナホエート、硫酸テルブタリン、テオフィリン、ネドクロミルナトリウム、硫酸メタプロテレノール、フルニソリド及びプロピオン酸フルチカゾンが挙げられ;アンドロゲンとしては、例えば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、エナント酸テストステロン、メチルテストステロンが挙げられ;エストロゲンとしては、例えば、エストラジオール、エストロピペート及び抱合型エストロゲンが挙げられ;プロゲスチンとしては、例えば、酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸ノルエチンドロンが挙げられ;副腎コルチコステロイドとしては、例えば、コルチゾール、コルチゾン、オキサンドロロン、クレアチン、エリスロポエチン、デヒドロエピアンドロステロントリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、酢酸デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン懸濁液、トリアムシノロンアセトニド、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、トリアムシノロンヘキサアセトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロンテブテート及び酢酸プレドニゾロンが挙げられ;甲状腺ホルモンとしては、例えば、レボチロキシンナトリウムが挙げられ;抗低血糖剤としては、例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド及びトラザミドが挙げられ;抗高脂血症薬としては、例えば、抗アテローム性動脈硬化薬及び抗高コレステロール血症薬(例えば、コレステロールエステル転移タンパク質(CETP)阻害剤、例えば米国特許第6,458,850号に開示されているもの;回腸胆汁酸輸送(IBAT)阻害剤、例えば米国特許第6,458,851号に開示されているもの;及びHMG CoA還元酵素阻害剤、例えば米国特許第6,462,091号に開示されているもの)、フィブリン酸誘導体(例えば、クロフィブレート、フェノフィブレート、シプロフィブレート、ベンザフィブレート、クリノフィブレート、ビニフィブレート及びゲムフィブロジル)及びニコチン酸誘導体(例えば、ニコチン酸、ニセリトロール及びアシピモクス)、デキストロサイロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン及びナイアシンが挙げられ;抗潰瘍/抗逆流剤としては、例えば、ファモチジン、シメチジン及び塩酸ラニチジンが挙げられ;抗嘔吐薬/制吐薬としては、例えば、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリネート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジン及びスコポラミンが挙げられ;コラーゲン合成阻害剤としては、例えば、プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、C−プロテイナーゼ阻害剤及びハロフギノンが挙げられ;ビタミン剤としては、脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E及びK)が挙げられ;アミノ酸としては、例えば、バリン、ロイシン及びイソロイシンが挙げられ;タンパク質としては、例えば、サイクロフィリン、抗胸腺細胞グロブリン、免疫グロブリン、ムロモナブ−CD3抗体、ダクリズマブ、バシリキシマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、DNアーゼ、アルギナーゼ、L−アスパラギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、リパーゼ、メタロチオネイン、アポリポタンパク質E、オキサンドロロン、クレアチン、デヒドロエピアンドロステロン、血小板由来成長因子、フィブリン、フィブリノーゲン、コラーゲン、インターロイキン1〜18、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)及びトランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)、腫瘍壊死因子−α及びβ(TNF−α及びβ)、神経成長因子(NGF)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子相同因子(FGFHF);肝細胞成長因子(HGF);インスリン成長因子(IGF)、浸潤阻害因子−2(IIF−2)、骨形成タンパク質1〜7(BMP 1〜7)、ソマトスタチン;サイモシン−α−1及びγ−グロブリンが挙げられる。組換え形態、変異体、補体、類似体、誘導体及びフラグメントを含む、これらのタンパク質の各種の生物学的に活性な形態も考えられる。他の有用な薬剤としては、核酸(例えば、本明細書に記載されているタンパク質のいずれかを含む、任意の治療上有用なタンパク質をコードするセンス又はアンチセンス核酸)が挙げられる。
【0063】
有用な薬剤の他のカテゴリ又は他の個別の薬剤の記載については、Martindale,TheExtra Pharmacopoeia,30.sup.th Ed.(The Pharmaceutical Press,London1993)に見出すことができる。
【0064】
本発明の装置を用いて送達することができる他の薬剤の例としては、クロルヘキシジン、エストラジオールシピオネート、吉草酸エストラジオール、フルルビプロフェンナトリウム、イベルメクチン、ナファレリン、ベータグルカン、ウシ免疫グロブリン、ウシスーパーオキシドジスムターゼ、HIV−1イムノゲン、ヒト抗TAC抗体、CD34抗体、組換えヒト成長ホルモン(r−hGH)、組換えヒトヘモグロビン(r−Hb)、組換えヒトメカセルミン(r−IGF−1)、レノグラスチム(G−CSF)、組換え甲状腺刺激ホルモン(r−TSH)、トポテカン、アルデスロイキン、アテノロール、エポエチンアルファ、酢酸ロイプロリド、セフトリアキソン、セフタジジム、オキサプロジン、ブレベルジン、バラシクロビル、ウロホリトロピン、ファムシクロビル、フルタミド、エナラプリル、メトホルミン、イトラコナゾール、ガバペンチン、フォシノプリル、トラマドール、ロラゼパム、ホリトロピン、オメプラゾール、フルオキセチン、リシノプリル、トラマドール、レボフロキサシン、ザフィルルカスト、成長ホルモン、顆粒球刺激因子、ニザチジン、ブプロピオン、ペリンドプリル、エルブミン、アデノシン、アレンドロネート、アルプロスタジル、ベナゼプリル、硫酸ブレオマイシン、デキスフェンフルラミン、フェンタニル、フレカイニド、ゲムシタビン、酢酸ガラティラメル、グラニセトロン、ラミブジン、マンガホジピル三ナトリウム、メサラミン、フマル酸メトプロロール、ミグリトール、モエキシプリル、モンテルカスト、酢酸オクトレオチド、オロパタジン、パリカルシトール、ソマトロピン、コハク酸スマトリプタン、タクリン、トロバフロキサシン、ドラセトロン、フィナステリド、イスラジピン、ランソプラゾール、テルビナフィン、パミドロン酸、ジダノシン、シサプリド、ベンラファクシン、フラバスタチン、ロサルタン、イミグルセラーゼ、ドネペジル、バルサルタン、フェキソフェナジン、BCP 671、アダパレン、メシル酸ドキサゾシン、モメタゾンフロエート、ウルソジオール、マレイン酸エナラプリル、フェロジピン、塩酸ネファゾドン、バルルビシン、アルベンダゾール、抱合型エストロゲン、酢酸メドロキシプロゲステロン、塩酸ニカルジピン、酒石酸ゾルピデム、ベシル酸アムロジピン、エチニルエストラジオール、ルビテカン、ベシル酸アムロジピン/塩酸ベナゼプリル、エトドラク、塩酸パロキセチン、アトバクオン、ポドフィロックス、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プラミペキソール二塩酸塩、ビタミンD及び関連類似体、フマル酸クエチアピン、カンデサルタン、シレキセチル、フルコナゾール、リトナビル、フルマゼニル、カルバマゼピン、カルビドパ、ガンシクロビル、サキナビル、アンプレナビル、塩酸セルトラリン、カルベジロール、プロピオン酸ハロベタゾール、クエン酸シルデナフィル、クロルタリドン、イミキモッド、シンバスタチン、シタロプラム、塩酸イリノテカン、スパルフロキサシン、エファビレンツ、シサプリド一水和物、塩酸タムスロシン、モダフィニル、レトロゾール、塩酸テルビナフィン、マレイン酸ロシグリタゾン、ジクロフェナクナトリウム、塩酸ロメフロキサシン、塩酸チロフィバン、テルミサルタン、ジアゼパム、ロラタジン、クエン酸トレミフェン、ジノプロストン、塩酸メフロキン、トランドラプリル、トレチノイン、メシル酸ネルフィナビル、インジナビル、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、イソトレチノイン、クエン酸タモキシフェン、ニモジピン、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、AL−10682、AL−3138、AGN−191976、PhXA−34、AL−16082、ビマトプロスト、エタノールアミド、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド、L−662583、MK−927、L−693612、L−685393、マンニトール、グリセロール、イソソルビド、フィゾスチグミン、エコチオフェート、アセチルコリン、メタコリン、ピロカルピン、アセクリジン、カルバコール、デメカリウム、イソフルロフェート、メマンチン、ロメリジン、H−7、SR−43845、エナルキレン、Y−39983、GPI−5693、アナンドアミド、L−768242、L−759787、デキサナビノール、コラゲナーゼABC、ロメフロキサシン、ロサルタン、CS−088、メコバラミン、ISV−900、カルジオトロフィン−1、S−1033、D−22A、ペンチゲチド、レルデリムマブ、DE−085、SR−121463、org−34517、オクタマー、NNC−26−9100、KSR−592、A−75169、エタクリン酸ナトリウム、SDZ−GLC−756、ロスタポルフィン、プロキソドロール、WIN−552122、OSA−8302、AL−16049、ナボクタート、L−696986、AL−4333A、バニノロール、PCA−50941、HGP−32、AGN−192836、AGN−191970、WP−934、ACC−9002、AL−4623A、L−4414A、CK−119、アルプレノキシム、CBT−101、AGN−191151、H 21644、SL 1111、GPI−5232、エリプロジル、チリソロール、ロメリジン、リルゾール、ラモトリジン、デキストロメトルファン、EAAT2、トピラメート、AP5、CPP、セルホテル又はCGS 19755、CGP 37849、CGP 39551、CGP 40116、NPC 17742、アプチガネル/CNS 1102、デキストロメトルファン及び酵素阻害剤、FR 115427、ケタミン、ケトベミドン、メタドン、ジゾシルピン又はMK 801、PCP、ペチジン、RPR−1 19990、LY−300164又はタランパネル、CNQX、DNQX、LY 215490、NNC 079202又はNBQX、NS 257、GYKI 52466、シクロチアジド、IDRA 21、DCG−IV、グリシン、AP4、t−ACPD、L−SOP、L−AP3、S−4C3HPG、S−4CPG、MAP−4、RS−M4CPG、N−(3−[5−クロロ−1−(4−クロロフェニル[インダン−1−イル]プロピル)−N−メチルアラニン、SR−57746A、T−588、3,4 ジアミノピリジン、CPC−304、CPC−317、PD−176078、セファロスポリンセフトリアキソン、フペルジンA、10−メチルフペルジンA、10,10 ジメチルフペルジンA、フペルジンB、ニコチン、エピバチジン、シトシン、ロベリン、アナバシン、CNTF、BNDF、rhIGF−1、ミオトロフィンメカセルミン、ソマトメジンC、GDNF、リアテルミン、ニュールツリン、PEDF、FKBO−ニューロイムノフィリンリガンド、AIT−082、レテプリニムカリウム、ネオトロフィンT、エンフィレルミン、CT−1、NT−3、NT−4/5、EHT 201、EHT 202、ゲニステイン、RX−77368、MK−771、JTP−2942、GPI−5000、ZVAD fink、3−(2−フェニル−2−オキソエチル)−4,5−ジメチルチアゾリウム塩、ノルジヒドログアイアレチン酸、L−655238、Bay−X−1005、ML−3000、ザイリュートン、オキソチアゾリジンカルボン酸、ARR 17477、SOD、組換えヒトCuZn−SOD、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、一酸化窒素合成酵素、ビタミンE、ビタミンC、セレン、アセチルシステイン、セレジリン、ピクノジェノール、補酵素Q10、βカロチン、PC 01、SC−55858、エダラボン、鉄(III)ポルフィリン、クロモマイシン、ダウノマイシン、オリボマイシン、WP−631、DHEA、バクロフェン、チザニジン、ドロナビノール、ジアゼパム、AVP−923、アミトリプチリン、フルボキサミン、セルトラリン、グリコピロレート、スコポラミン、トリヘキシフェニジル、クロニジン、プロパンテリン、トロピン、ドキュセートナトリウム、トルテロジン、TA−0910、ユビキノン、アルファリポ酸、NAC、ポリフェノール、プレグネノロン、スレオニン、メチルコバラミン、メタキサロン、チザニジン、カリソプロドール、シクロベンザプリン、トラマドール、カリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ボツリヌス神経毒素、サクシニルコリン、デカメソニウム、キニーネ、テトラヒドロカンナビノール、d−ツボクラリン、アトラクリウム、ドキサクリウム、ミバクリウム、ベシル酸シサトラクリウム、パンクロニウム、臭化ピペクロニウム、臭化ラパクロニウム、ロクロニウム、臭化ベクロニウム、アトラクリウム、スキサメトニウム;アルクロニウム、クラーレ、メトクリン、ガラミン、ニトラゼパム、ノルダゼパム、ビガバトリン、プロカイン、クロロキン、グルタチオン、オンダンセトロン、メマンチン、GPI−1046、エラドリン(eradoline)U−69 593、KW 6002、レマセミド、デキストロメトルファン、NS−2214、CD133抗原、CD34抗原並びにレボキセチンが挙げられる。
【0065】
上記の薬剤の他に、内腔の血管壁に核酸を送達するため本発明の装置で用いることができる組換えウイルスを含む多くの生きた又は不活化ウイルスがある。処置は、細胞に治療効果を提供するための遺伝子の発現、又はi)細胞内における変異遺伝子を置換するため、ii)細胞内におけるタンパク質の発現を増強するため、若しくはiii)細胞内における遺伝子を阻害するための遺伝子の発現を含む。
【0066】
上記で特定される治療上のカテゴリの中で、1組の好ましいカテゴリは、本発明の使用を必要とし得る又は必要とする可能性がある網膜剥離の処置に関連したものである。他の好ましいカテゴリは、装置の挿入を伴って起こる可能性がある副作用(例えば、感染)の予防又は処置に関連したものである。好ましい治療上のカテゴリとしては、血液作用薬、好ましくは抗血小板剤及び抗凝固薬;抗感染薬、好ましくは抗菌薬、抗菌剤、抗ウイルス剤及び抗生物質;免疫生物学的薬剤、好ましくは免疫抑制薬;タンパク質、好ましくは抗体;心臓血管作用薬、好ましくは抗高脂血症薬及び血栓溶解薬/線維素溶解薬;血管形成阻害剤;抗アポトーシス薬;抗悪性腫瘍薬;並びにコラーゲン合成阻害剤が挙げられる。
【0067】
上記の薬剤は、任意の公知の薬学的に許容される形態で用いることができる。「薬学的に許容される」という用語は、薬剤がin vivoでの使用に適切であることを指す。例えば、薬学的に許容される形態としては、各種の金属イオン及び有機イオン形態が挙げられる。金属イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及び他の生理学的に許容し得る金属イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例示的なイオンとしては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛イオンの形態が挙げられるが、ここでイオンはそれらの通常の原子価である。好ましい有機イオンとしては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、Ν,Ν’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインを部分的に含む、プロトン化第三級アミン及び第四級アンモニウムカチオンが挙げられる。
【0068】
上記の薬剤の各種酸性形態も薬学的に許容される形態として挙げられる。例示的な薬学的に許容される酸としては、限定されるものではないが、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及び安息香酸が挙げられる。更なる薬学的に許容される形態としては、上記の薬剤の各種の塩の形態が挙げられる。例証となる薬学的に許容される塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸から調製される。
【0069】
他の薬学的に許容される塩の形態は、上記の薬剤の塩基付加塩の形態である。例証となる薬学的に許容される塩基付加塩としては、金属イオン塩及び有機イオン塩が挙げられる。好ましい金属イオン塩としては、適切なアルカリ金属(Ia族)塩、アルカリ土類金属(IIa族)塩、及び他の公知の生理学的に許容される金属イオンが挙げられる。かかる塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛のイオンから作製することができる。好ましい有機塩は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、Ν,Ν’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインを部分的に含む、第三級アミン及び第四級アンモニウム塩から作製することができる。
【0070】
また、上記薬剤の他の薬学的に許容される形態としては、これらの薬剤の各種異性体形態(例えば、精製された構造異性体;精製された立体異性体、例えばジアステレオマー及びエナンチオマー;及び精製されたラセミ体)、互変異性体、エステル、アミド及びプロドラッグも挙げられる。
【0071】
上述した薬剤の内のいずれか1種以上は、スプレーコーティング、蒸着、単純な浸漬コーティング、又は、治療剤のより厚いコーティングが望ましい場合、同じ若しくは複数種の薬剤の複数の浸漬コーティング等の任意の慣用の方法で装置又はその部品、装置の部品の上にコーティングすることができる。薬剤は、直接、装置上に多層で塗布することができる。
【0072】
装置をスプレーコーティングするための方法は、例えば、米国特許第5,464,650号及び第5,833,651号に記載されている。或は、米国特許第4,866,062号に記載されているように、装置フレームワークの上に治療剤の薄膜を成形することができる。
【0073】
一般に、複数浸漬は、適切な粘性の液体(例えば、溶液、分散液又はエマルション)の形態である薬剤の幾枚かの薄い層を塗布することと、連続した塗布の間に各液体層を乾燥させることとを含む。この方法は、薬物の持続放出要素を装置に提供する際に典型的である。乾燥は、単純に空気中で蒸発によって行うことができ、或いはベーキング若しくは熱フラッシングを含む加熱によって、又は例えば半透膜を用いる浸透圧脱水によっても促進させることができる。その他の場合、例えば米国特許第4,548,736号(フィブリノーゲンとトロンビンの間で凝固反応を起こすことによって装置上にフィブリンを凝固させる)に記載されているように、装置表面に生じる化学的又は生物学的転換を通して、層を接着させる固体の形成を達成することができる。
【0074】
アクティブフローシステムも可能である。例えば、米国特許第6,153,252号には、閉塞又は架橋の形成を回避するために、穿孔医療装置内における通路を通した流体流動又は運動を用いた方法が記載されている。流体流動は、通路を通してコーティング流体を循環させるために装置に挿入された穿孔マニホルドを用いることによって、又はコーティングプロセス中に装置に対して移動するマンドレル上に若しくは小さなチューブ内に装置を配置することによって生じさせることができる。
【0075】
治療剤を組み込むための他の可能性は、物理的又は化学的吸着を促進する活性材料を用いることによるものである。WO 01/68158に記載されているように、フラーレンとして知られている活性型炭素は、治療的送達のためのレール12、12’、120及び312の表面への各種生物学的薬剤(例えば、抗体)の化学結合を促進することができる。同様に、例えばコモノマーの組み込みによって、既に記載されている各種材料(例えば、ポリマー材料)に化学修飾をほどこして、所定の治療剤と化学的に相互作用又は結合する官能基を導入することができる。
【0076】
装置を製造する織布への製織の前に薬物コーティングを個別のストランドに組み込むことができると考えられる。異なる活性剤を含むストランドを同じ装置内で用いることができる。その結果、本発明による装置は、導入される同じ又は異なる薬剤を異なるレール要素が担持することを可能にすることによって、身体に送達される薬剤のカスタマイゼーションを可能にする。
【0077】
更に、コーティングされたストランド又はコーティングされた織布から製造された装置に、製造後に活性剤の更なる層をコーティングすることができる。活性剤は、装置全体の上に、又はその部分上のみにコーティングすることができる。
【0078】
なお別の一実施形態において、活性剤を、全てのストランドによって同時に、若しくは完全に異なる時点で放出することができる、又は送達を適時に並行することができる。個別の薬剤又は全ての薬剤の放出速度は、上記の生体適合性ポリマー及び製造方法を用いて特定の患者又は状態に対してカスタマイズすることができる。これにより、薬物の送達は所望の時点で送達される正しい濃度の適切な薬物による正常な治癒プロセスに最適化される。
【0079】
別々の層で塗布された薬剤は、同じ薬剤であり得、異なる時点で放出する異なる薬剤であり得、又は同時に若しくは連続した順序で放出されることを目的とする異なる薬剤であり得る。いずれの例にもおいても、バリヤー層は、薬剤の異なる層を覆うことができる。例えば、第1バリヤー層がレール表面を覆うことができ、第1薬物層を前記バリヤー層の上部に塗布することができ、分離層を第1薬物層の上に塗布することができる。第2薬物層を分離層の上に塗布することができ、次いでカバー層を第2薬物層の上に塗布することができる。2枚超の薬物層をレールに塗布することができる。カバー層及び分離層は、それらが覆う塗布剤の所定の独立した徐放性を提供するように選択され得る。
【0080】
上記で考察した異なる薬剤は、装置の異なる糸又は部分上に塗布され得る。その結果、薬剤の多くの組み合わせを装置に塗布することができる。例えば、レールの各糸又はコーティング部分は、同じ又は異なる薬剤の1枚以上の層を含むことができる。故に、1本のレールは、その長さに沿った異なる位置で異なる薬剤の組み合わせで覆うことができる。
本発明の装置は、一旦形成し、縮小させた場合、眼内への送達用カニューレ等の送達機構上に装填することができる。図8を参照すると、インプラント15は、眼内への送達用カニューレ42内に装填するために折りたたまれる。インプラント15を配備して、所定の位置にそれを配置するために用いられるガイドワイヤ41にインプラントを付着させる。カニューレは、眼内に外科的に切開する必要の有る無しに関わらず挿入することができる針カニューレであり得る。好ましい一実施形態において、装置を、20〜25ゲージのカニューレ、最も好ましくは23〜25ゲージのカニューレを通して送達する。場合によって、カニューレ上の針を、その目的とする位置へのインプラントの方向づけを容易にするために遠位端上で曲げる。
【0081】
図9は、配備カニューレに続いて拡張状態となった図8の装置15を示す。
【0082】
代替の実施形態において、装置を、注射器機構内に埋め込み、直接眼内に注入する。
【0083】
別の一実施形態において、インプラントをカニューレ内における挿入の前にバルーン上に配置する。カニューレは、バルーンを膨張させ、且つしぼませるためのルーメンを含む。バルーンは、制御手段により空気又は液体源で膨張させることができる。空気又は液体源は、典型的にはカニューレの外側に位置する。インプラントを、カニューレで眼内に挿入し、適切な位置にインプラントを拡張してバルーンを膨張させる場所に導く。バルーンをしぼませ、カニューレ内に引き込み、カニューレを眼から取り除く。装置を配置する前に眼から硝子体液を除去するために、典型的には硝子体切除を行う。硝子体液の除去は、バルーンの拡張のための場所を空けるために行われる。これは、典型的には、あらゆる網膜修復手技における初期ステップである。
【0084】
なお別の一実施形態において、インプラント15は、ポリマーから成形される。ポリマーは、好ましくは、光が通過することができるように透明である。
【0085】
本発明のインプラントは、インプラントが網膜に対して十分な力を及ぼし、それを適切な位置に保持する任意の好都合な形状であってよい。考えられる形状としては、網膜を含む眼の半球を覆う形状、眼の半球の半分未満を覆う形状、及び場合により、眼の半球の半分超を覆う形状が挙げられる。
【0086】
図11Aを参照すると、眼の半球の半分超を覆っているポリマーインプラント50が示されている。かかる一実施形態において、酸素が通過することができる材料をインプラントが含むことは、重要である。好ましくは、前記材料は、視覚を妨げないように光学的に透明である。
【0087】
使用する材料の透明性に応じて、光が網膜を照らすための少なくとも1つの開口を提供することを含むことが望ましいこともある。図11Bは、窩及び黄斑を曝露する開口51を有する本発明の別のポリマー装置を示す。
【0088】
図11cは、光がFを通過するための中心を通る通路61を有するドーナツ形又は球状のメッシュインプラント60を示す。
【0089】
処置の方法
本発明の装置は、全身麻酔を用いることなく、且つ患者に対する外傷を最小限にして、患者に容易に挿入することができる。この手技を用いて、眼は、ほとんどの場合、全身麻酔の必要をなくして麻酔される。その折りたたまれた状態の装置は、小さな針カニューレを通して、及び/又は麻酔した眼の強膜を通して光学的スコープを通して挿入する。送達システムの遠位セグメントを出ると、手術医は、装置を配置し、その前もってプログラムされた形状にそれを再配備する。
【0090】
本装置を埋め込む手術医は、拡大下で水晶体を通して手技を目視することにより実施可能であると考えられる。使用される材料に応じて、装置は、放射線不透過性であってよく、超音波、X線、コンピュータ断層撮影(CAT Scan)、磁気共鳴イメージング(MRI)等の他の通常使用される画像生成手段によって視覚化が可能であり得る。装置の湾曲は、十分な圧力でインプラントが網膜壁にしっかり適合して、眼の内側に固設するように配置するのに役立つ。送達装置を取り除き、必要に応じて入口円孔を縫合する。
【0091】
場合によっては、インプラントを取り除くことが有利であり得る。かかる場合において、インプラントは、ステントを捕捉し、回収するようにデザインされたカニューレ送達抽出ツール又は他の特定の装置を介して捕捉され得るテザー、鳩目、ループ、ビーズ等の取り除き用手段を更に含む。図11Cは、取り除きを容易にするためのエクステンション62又は63を有するデザインを示す。かかる場合、前記ツールを後眼房内に送達し、取り除き用手段を捕捉し、インプラントをカニューレ内に引き抜く。カニューレの助けなしでインプラントの回収が可能な場合もある。
【0092】
本発明のインプラントを用いて、眼の湾曲を変化させ、それによって眼の焦点に影響を及ぼす水晶体と網膜との距離に影響を及ぼすことができる。正常な視覚において、毛様体筋は水晶体を取り囲み、弛緩したり収縮したりすることで水晶体の湾曲を変え、水晶体の焦点距離を変える。これにより、眼が、近くの対象物や遠くの対象物に焦点を合わせることができる。眼球を伸長させる位置内に装置を埋め込むことによって、眼の湾曲を変化させるために本発明のインプラントを用いることができる。網膜の前で像の焦点を合わせる水晶体から生じる近視(近眼)は、網膜により近い水晶体を引っ張る方法で、眼球を延伸するために眼の後に装置を配置することによって処置することができる。網膜の後で像の焦点を合わせる水晶体から生じる遠視は、インプラントを眼の側面に配置して、インプラントから離れるように水晶体を押すことによって処置することができる。視覚矯正のために用いるインプラントは、視覚矯正が誘導されるように、より広くなるように、より長くなるように、及び/又は所望の変形を達成するために変化させた湾曲となるように特異的に構成することができる。矯正因子を電子制御することができるように上記のように装置を作製することも可能である。この特性により、近視又は遠視の状態が外科的介入を必要とすることなく変化する場合に、患者が装置で視覚を改変することが可能になる。近視及び遠視の処置のための機構を1つの装置に組み合わせる装置を作製する可能性もあり得る。この組み合わせは、機械的なもののみであり得、又は前述した通りの電子制御特性を組み合わせることができる。
【0093】
図10aは、水晶体が網膜上に直接焦点を合わせた正常な眼の光学的部分を示す。図10bは、後眼房の後にインプラント15を埋め込んで水晶体28と網膜16との距離を短縮して近眼を矯正した近視の眼を示す。図10cは、後眼房の側面に沿ってインプラント15を埋め込んで、水晶体28と網膜16との距離を長くして遠視を矯正した遠視の眼を示す。複数のインプラントを配置することができることは、当業者にとって明らかである。
【0094】
本発明の好ましい実施形態を記載したが、本発明の精神及び請求項の範囲から逸脱することなく本発明の各種の変更、適合、改変及び複数のユニットの使用が可能なことは、当業者によって容易に理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の中において剥離した、裂けた、さもなければ損傷した網膜を支持するための埋め込み可能装置であって、眼の後眼房内に適合するようにサイズ設定された十分に湾曲した構造体を含み、前記支持構造体が光を通過させる埋め込み可能装置。
【請求項2】
形状変化材料又は超弾性材料から作製される請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項3】
前記埋め込み可能装置が、第1の拡張状態と第2の折りたたまれた状態とを有し、
前記折りたたまれた状態においては、インプラントのための網膜組織に送達可能であり、前記拡張状態においては、前記網膜組織に対して適切な力を、所定の位置にそれを保持するように配置する方法で眼の内部湾曲に適合する請求項2に記載の埋め込み可能装置。
【請求項4】
潜在的な治療上の必要性に応じて前記埋め込み可能装置の正味電荷を負、ゼロ又は正の値の範囲となるように選択的に変化させることができる請求項2に記載の埋め込み可能装置。
【請求項5】
所望の治療結果を達成するために眼の中に埋め込まれた同じ又は異なる構成の1つ以上の装置が存在し得る請求項2に記載の埋め込み可能装置。
【請求項6】
眼の内側の周りに約220から約270度まで伸びる請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項7】
眼の前側部分の方向へ黄斑から約110度から約135度伸び、前記網膜の前縁まで各方向において約135°伸びる請求項6に記載の埋め込み可能装置。
【請求項8】
球状体であり、角膜に接触しないようにデザインされる請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項9】
光の透過を可能にする本質的に球状の装置として構成される請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項10】
ドーナツ形状である請求項9に記載の埋め込み可能装置。
【請求項11】
編まれた又は織られた材料を含む請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項12】
前記材料が金属組成物である請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項13】
前記材料がポリマー組成物である請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項14】
前記材料が金属及びポリマーハイブリッド組成物である請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項15】
拡張状態で形成され、折りたたまれた状態に成形される請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項16】
永久に埋め込まれることを目的とする請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項17】
取り除き用手段を更に含む請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項18】
前記取り除き用手段が取り除き用テザーを含む請求項10に記載の埋め込み可能装置。
【請求項19】
前記取り除き用手段が、鳩目、ビーズ又は閉ループである請求項17に記載の埋め込み可能装置。
【請求項20】
前記取り除き用手段が、部分に分かれて取り除かれるように特定の位置で選択的に切断されるようにデザインされる装置である請求項17に記載の埋め込み可能装置。
【請求項21】
前記取り除き用手段が、前記装置を幾つかの部分に分かれて取り除くことができるように分解可能な材料の特定のセクションである請求項17に記載の埋め込み可能装置。
【請求項22】
吸収性ポリマーを含む請求項2に記載の埋め込み可能装置。
【請求項23】
ポリマーが設定温度で形状を変化させる請求項2に記載の埋め込み可能装置。
【請求項24】
前記インプラントを再成形し、温度と共にそれを固めることによって、前記インプラントが、製造中にその折りたたまれた状態に配置される請求項3に記載の埋め込み可能装置。
【請求項25】
眼の内側後部に対して前記網膜又は剥離した前記網膜の部分を保持するために十分な外向きの圧力を生じる放射状の曲線に拡張する請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項26】
球状体に近似するように拡張し、その結果、眼の内側後部に対して前記網膜又は剥離した前記網膜の部分を保持するために十分な外向きの圧力を生じる請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項27】
なんらかのレベルの視覚が前記インプラントの完了の際に保持されるように、像が前記網膜の全体又は一部に到達する能力を提供する請求項25に記載の埋め込み可能装置。
【請求項28】
眼の内部湾曲の特定のセクション内に直接固着する手段を有する請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項29】
眼の房内への装置の埋め込みのための送達システムであって、請求項1に記載の、折りたたまれ、予め組み立てられた埋め込み可能装置を含むカニューレを含む送達システム。
【請求項30】
前記カニューレが、手術医が切断することなく眼内に挿入することができるニードルチップを含む請求項29に記載の送達システム。
【請求項31】
前記インプラントの配置を容易にするために前記カニューレを一端上に傾斜させる請求項29に記載の送達システム。
【請求項33】
前記カニューレが、前記カニューレの中で軸方向に移動し、且つ前記インプラントを眼の房内に押し込むために用いることができる部材を含む請求項29に記載の送達システム。
【請求項34】
前記カニューレが、前記カニューレの中で軸方向に移動する部材を含み、眼から取り除くためのカニューレ内にインプラントを引っ張るために前記部材を用いることができる請求項29に記載の送達システム。
【請求項35】
前記送達システムが、前記埋め込み可能装置を送達又は回収するために眼内に特定の切開を行う必要がないよう典型的なアクセスカニューレの中で適合する請求項29に記載の送達システム。
【請求項36】
前記埋め込み可能装置が活性剤を含む請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項37】
前記材料の個別の繊維又はワイヤが活性剤を更に含む請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項38】
ポリマー構成が活性剤を含む請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項39】
ポリマー構成が、補充可能内部リザーバから活性剤を分注する手段を含む請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項40】
内部リザーバが、特定の治療法に応じて前記埋め込み可能装置の複数のセクションが同じ又は異なる時点で、同じ薬物又は異なる薬物を分注することができるように複数のリザーバを含むことができる請求項31に記載の埋め込み可能装置。
【請求項41】
1つ以上の前記内部リザーバが、異なる活性剤放出速度を与えるようにデザインされ得る請求項40に記載の埋め込み可能装置。
【請求項42】
金属及びポリマー要素の組み合わせを含むことができる請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項43】
眼の内部構造内の組織への癒着を予防することを目的とする表面処置を有することができる請求項11に記載の埋め込み可能装置。
【請求項44】
前記表面処置が、前記埋め込み可能装置の表面を増大させる物理的方法である請求項43に記載の埋め込み可能装置。
【請求項45】
前記表面処置が、前記埋め込み可能装置の表面を増大させる化学的方法である請求項43に記載の埋め込み可能装置。
【請求項46】
生体吸収性ポリマーを含む請求項1に記載の埋め込み可能装置。
【請求項47】
前記生体吸収性ポリマーがポリ−1−乳酸を含む請求項46に記載の埋め込み可能装置。
【請求項48】
a)眼の後眼房内に適合するようにサイズ設定された湾曲した支持構造体を網膜上に送達するステップであって、前記支持構造体が光を通過させるステップと、
b)所定の位置に前記網膜を保持するために前記支持構造体を配置するステップと
を含む、網膜の再付着方法。
【請求項49】
埋め込み可能装置を、眼に挿入されたカニューレを通して非拡張状態で送達し、配備の際に拡張させる請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【公表番号】特表2013−520239(P2013−520239A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554088(P2012−554088)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2011/025686
【国際公開番号】WO2011/103555
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512217385)
【出願人】(512217396)
【Fターム(参考)】