説明

緊急通報機能付電話装置

【目的】 利用者が電話機まで移動しなくても通話ができ、さらに局線使用中の場合にも相手先に緊急通報を伝える。
【構成】 通常時に緊急押ボタンスイッチ9をオン(ON)にすると、着信中、留守録用件メッセージ録音中であることをCPU3が判断するとともに、この緊急押ボタンスイッチ9のオン(ON)で局着応答状態になる。通話制御部1は通話経路をスピーカ7、マイクロホン8に切り換え、ハンズフリー通話に設定する。また、通話中に緊急押ボタンスイッチ9をオン(ON)すれば、即座に通話制御部1が通話経路を2の音声録再部に切り換えて、緊急通報メッセージを送出する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高齢者などが緊急時の緊急通報に利用する緊急通報機能付電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の緊急通報機能付電話装置は、一般の電話装置に緊急通報メッセージ送出機能と、外付けの緊急押ボタンスイッチを備えている。さらに、緊急押ボタンスイッチをオン(ON)にすると、予め設定した電話番号の通報先に通報が行われる。この通報を受けた通報先からは、発報者の様子が判明するようにダイヤルによるリモコン又は自動でハンズフリー通話が設定されるようになっている。また着信時には、通常のハンドセットによる通話の他に、電話装置操作部のスイッチ等でハンズフリー通話になる。
【0003】さらに、留守番電話機能付の場合には、着信時、自動応答後応答メッセージ送出後、発呼者が用件メッセージを録音開始した場合にハンドセットを取り上げれば、通常の通話に移行する。また電話装置操作部のスイッチなどでハンズフリー通話に切り換えができるようにもなっている。
【0004】このように、従来例の緊急通報機能付電話装置でも着信応答時、及び用件録音中にも専用スイッチの切り換えによりハンズフリー通話に設定できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例の緊急通報機能付電話装置では利用対象者が比較的体を動かすのが困難な人が多いにもかかわらず、通常の着信に対しての応答は、ハンドセットを取り上げるか、あるいは通話をあきらめて留守録機能に依存することになる。したがって、モニタで相手先の声を聞くことができず、緊急押ボタンスイッチの置かれている位置にいながら通話応答し難いという問題があった。
【0006】また、着信中や、留守番電話機能等における応答中に緊急事態が発生した場合に、緊急押ボタンスイッチをオン(ON)にしても、継続している通話を強制切断するか、あるいは通話終了するまで発報を待たなければならないという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、利用者が電話機まで移動しなくても通話ができるとともに、局線使用中の場合にも相手先に緊急通報を伝えることができる優れた緊急通報機能付電話装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明の緊急通報機能付電話装置は、緊急通報を開始するための緊急押しボタンスイッチと、電話回線からの着信検出をする着信検出部と、ハンズフリー機能を有する通話制御部と、緊急通報メッセージを送出する音声録再部とを備え、着信中に緊急押ボタンスイッチをオンにすることによりハンズフリー通話に設定される構成である。
【0009】また、緊急通報を開始するための緊急押しボタンスイッチと、電話回線からの着信検出をする着信検出部と、一定の着信時間で自動応答し、応答メッセージを送出、用件メッセージを録音し、さらに緊急通報メッセージを送出する音声録再部と、ハンズフリー機能を有する通話制御部とを備え、用件メッセージ録音中に緊急押ボタンスイッチをオンにすることによりハンズフリー通話に設定される構成である。
【0010】さらに、緊急通報を開始するための緊急押しボタンスイッチと、ハンズフリー機能を有する通話制御部と、緊急通報メッセージを送出する音声録再部を備え、ハンズフリー通話中に緊急押しボタンスイッチをオンにすることにより緊急メッセージを送出し、通話終了後、再度、発報処理に移行する構成である。
【0011】
【作用】このような構成により、本発明の緊急通報機能付電話装置は、着信中に緊急押ボタンスイッチをオン(ON)にするとハンズフリー通話に移行するようにしたので、利用者が電話機まで移動しなくても通話ができる。
【0012】さらに、留守番電話の用件録音中に緊急押しボタンスイッチをオン(ON)にするとハンズフリー通話に移行するようにしたので、利用者が電話機まで移動しなくても通話ができる。
【0013】また、ハンズフリー中に緊急押ボタンスイッチをオン(ON)にすると緊急メッセージが送出されるようにしたので、局線使用中の場合にも相手先に緊急通報を伝えることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の緊急通報機能付電話装置の実施例について図面をもとに説明する。
【0015】図1は実施例の構成を示している。図1において、1はダイヤラー機能を備える通話制御部、2は音声録音再生部、3はCPU、4は操作表示部、5は着信検出部、6はハンドセット、7はスピーカ、8はマイクロホン、9は緊急押ボタンスイッチである。
【0016】着信検出部5で電話回線の着信状態を検出してCPU3に通知する。通話制御部1は電話回線と装置との径路を決めており、CPU3により、スピーカ7、マイクロホン8又はハンドセット6又は音声録音再生部2に接続される。
【0017】音声録音再生部2は、緊急通報時の緊急通報メッセージ及び不在時の応答メッセージを録音、再生できるようになっており、さらに用件メッセージを録音・再生できるようになっている。緊急押ボタンスイッチ9は電話機の操作表示部4と共にCPU3に、オン(ON)状態が通知されるようになっている。
【0018】次に、この実施例における構成の動作について説明する。図2は、動作における処理手順を示している。図2において、緊急押ボタンスイッチ9がオン(ON)される(ステップ21〔図中、Sと記載する〕)。この緊急押ボタンスイッチ9のオン(ON)でCPU3が着信中を処理中のYesの場合、CPU3から通話制御部1を制御し、スピーカ7、マイクロホン8をオン(ON)してハンズフリー通話に設定する(ステップ22,23,24,25)。ステップ22でYesの場合、続いて、用件メッセージを録音中か否かを判断する(ステップ26)。このステップ26で用件メッセージを録音中のYesの場合もステップ23,24,25を処理し、同様にハンズフリー通話に設定される。また、ステップ26で、既にハンズフリー通話中のNoの場合には、CPU3が通話制御部1を制御して音声録再部をオン(ON)に設定し、緊急メッセージを送出する(ステップ27)。
【0019】このように、この実施例によれば、緊急押ボタンスイッチ9は、従来用いられていたハンズフリースイッチと共用できるため、緊急押ボタンスイッチ9が置かれた位置から移動せずにハンズフリー通話に設定できることになる。ハンズフリー通話状態で緊急押ボタンスイッチ9をオン(ON)した場合には、電話回線を接続したままで緊急メッセージを送出することができる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の緊急通報機能付電話装置は、着信中に緊急押ボタンスイッチをオン(ON)にするとハンズフリー通話に移行するようにしたため、利用者が電話機まで移動しなくても通話ができるという効果を有する。
【0021】さらに、留守番電話の用件録音中に緊急押しボタンスイッチをオン(ON)にするとハンズフリー通話に移行するようにしたため、利用者が電話機まで移動しなくても通話ができるという効果を有する。
【0022】また、ハンズフリー中に緊急押ボタンスイッチをオン(ON)にすると緊急メッセージが送出されるようにしているため、局線使用中の場合にも相手先に緊急通報を伝えることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緊急通報機能付電話装置の実施例における構成を示すブロック図
【図2】実施例の動作における処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 通話制御部
2 音声録音再生部
3 CPU
4 操作表示部
5 着信検出部
6 ハンドセット
7 スピーカ
8 マイクロホン
9 緊急押ボタンスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 緊急通報を開始するための緊急押しボタンスイッチと、電話回線からの着信検出をする着信検出部と、ハンズフリー機能を有する通話制御部と、緊急通報メッセージを送出する音声録再部とを備え、着信中に前記緊急押ボタンスイッチをオンにすることによりハンズフリー通話に設定されることを特徴とする緊急通報機能付電話装置。
【請求項2】 緊急通報を開始するための緊急押しボタンスイッチと、電話回線からの着信検出をする着信検出部と、一定の着信時間で自動応答し、応答メッセージを送出、用件メッセージを録音し、さらに緊急通報メッセージを送出する音声録再部と、ハンズフリー機能を有する通話制御部とを備え、用件メッセージ録音中に前記緊急押ボタンスイッチをオンにすることによりハンズフリー通話に設定されることを特徴とする緊急通報機能付電話装置。
【請求項3】 緊急通報を開始するための緊急押しボタンスイッチと、ハンズフリー機能を有する通話制御部と、緊急通報メッセージを送出する音声録再部を備え、ハンズフリー通話中に前記緊急押しボタンスイッチをオンにすることにより緊急メッセージを送出し、通話終了後、再度、発報処理に移行することを特徴とする緊急通報機能付電話装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate