総分岐鎖アミノ酸測定用液状試薬
【課題】テトラゾリウム塩を用いた液状のBCAA測定試薬において、試薬の「高精度性」と「安定性」を両立すること。初回の測定のみキャリブレーションを行えば、その後の測定ではキャリブレーションを行わなくても、生体試料中の特定成分の測定値が長期に渡って安定化する方法を提供すること。
【解決手段】還元型色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなる総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。好ましくは、第一試液がpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上である。
【解決手段】還元型色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなる総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。好ましくは、第一試液がpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液などの生体に由来する試料中に存在する総分岐鎖アミノ酸(以下、BCAA)測定用の試薬に関する。さらに詳しくは、下記(1)〜(4)を達成することにより、液状で長期間安定であり、かつ高精度な測定が可能なBCAA測定用試薬を提供するものである。
(1)液状試薬中での保存中の還元系色素の非特異的発色を抑制する。
(2)高精度測定が可能である。
(3)生体試料中のアスコルビン酸や乳酸デヒドロゲナーゼ(以下、LDH)の影響を回避する。
(4)還元系色素と生体試料中の蛋白質の影響を回避する。
【背景技術】
【0002】
病院の検査室や検査センターで使用されている臨床検査薬のうち、不安定な酵素などを使用している試薬は、安定化のため凍結乾燥品の形態で流通し、使用時に溶解液で溶解して使用するのが主流となっている。慢性肝炎から肝硬変への移行診断に用いられる、BTR測定用試薬(総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比測定試薬)は、BCAA測定試薬とTYR(チロシン)測定試薬がセットになっており、BTR測定用試薬も各々酵素、色素などが不安定であり凍結乾燥品の形態で流通している。なお、総分岐鎖アミノ酸とはL−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリンのことを指す。
一方、臨床検査施設では、多項目を測定し検体数も多いため、凍結乾燥品の溶解作業が負担になることが多く、使用時に試薬の調製が不要な溶液状態で長期間安定な測定用試薬の開発が望まれている。BTR測定用試薬に関しても同様であり溶液状態で長期間安定な測定用試薬の開発が望まれている。
【0003】
酵素的分析法を用いた生体試料中に含まれる種々の特定成分を定量する方法の一つとして、例えば、酸化還元反応を用いる方法が知られている。すなわち、電子受容体の存在下で、該特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することにより、試料中の特定成分を間接的に定量する方法である。
【0004】
特に、定量しようとする特定成分が微量成分であるような場合は、より高感度に測定するために、上記生成された電子受容体の還元体を、より発色感度の高い発色剤を用いて検出、定量することも行なわれている。例えば、電子受容体としてNAD又はNADPを用いた場合、その還元体であるNADH又はNADPHに、ジアホラーゼ等の電子キャリアーと還元系色素であるテトラゾリウムまたは、その化合物を作用させてホルマザンを形成させることにより検出、定量することが行なわれている。
【0005】
BTR測定方法に用いられるBTR測定用試薬においては、慢性肝炎から肝硬変への移行期に血中BCAA濃度が低下することから、診断上低値での精度が必要であり、高感度・高精度測定が要求される。そのため、これまでに流通しているBTR測定試薬の、BCAA測定試薬は該酸化還元反応を用いて測定が行われている。
【0006】
該BCAA試薬は、高感度発色剤として3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩(以下、MTT)が用いられている。MTTを用いる該BCAA試薬をはじめとして、これまでに販売されてきた還元系色素を用いた臨床検査試薬においては、生成するホルマザンが難溶性であり、分析機のセルに吸着し、測定に影響を与えることが問題となっていた。
【0007】
そこで、最近では水溶性の高いホルマザンを生成するテトラゾリウム塩が開発され、それを臨床検査試薬に適応する商品が販売されるようになってきている。
【0008】
還元系色素であるテトラゾリウムまたはその化合物を用いた測定法に関する先行技術としては、例えば以下の特許文献1〜9がある。
特許文献1には、本願請求項3の一般式(1)に含有される化合物について開示されている。
特許文献2には、本願請求項3の一般式(1)に含有される化合物を用いた活性酸素の測定法について開示されている。
特許文献3には、テトラゾリウム化合物を予め前処理液に添加しておくことで生体試料中の還元物質の影響を回避すること、テトラゾリウム化合物は生体試料中の還元物質の影響を回避する目的に利用することが開示されている。
特許文献4には、テトラゾリウムから生じるホルマザンを予め前処理液に添加しておくことで生体試料中の還元物質の影響を回避することが開示されている。
これら、特許文献3および4は、テトラゾリウム塩を生体試料の前処理目的で使用するものであり、生体試料中の特定成分の発色定量用途に用いる本発明とは明らかに異なっている。
特許文献5には、テトラゾリウム塩をpH8.5〜11.0(好ましくは9.5〜10.5)の範囲で被検試料と接触させて使用することが開示されている。
特許文献6には、実施例にpHが記されており、実施例中にあるようにテトラゾリウム塩を含む試薬のpHをpH10.0とすることが開示されている。
特許文献5、6においては、テトラゾリウム塩を含有する試薬のpHがpH8.5以上であり、該pH溶液中でテトラゾリウム塩を保存した場合、保存中にテトラゾリウム塩の経日的な非特異的発色が顕著になることを本発明者らは確認している。
特許文献7および8には、テトラゾリウム塩を用いた乾式試薬について開示されているが、液状試薬におけるテトラゾリウム塩の安定性についえては言及されていない。また、実施形態についても乾式試薬であり、本発明の液状試薬とは明らかに異なっている。
特許文献9には、テトラゾリウム塩を用いた測定系において、試薬にアルブミンを添加することでヘモグロビンを含有する生体試料の影響を回避する方法について開示されている。
これら何れの文献においても、テトラゾリウム塩の液状試薬中での保存中の非特異的発色については、記載されていない。
【特許文献1】特許第2592436号公報
【特許文献2】特許第3602956号公報
【特許文献3】特開2000−210100号公報
【特許文献4】再公表WO2003/033730号公報
【特許文献5】特許第2796150号公報
【特許文献6】特開2000−300293号公報
【特許文献7】特開2000−93198号公報
【特許文献8】特開2000−93199号公報
【特許文献9】特開2004−61263号公報
【0009】
また、総分岐鎖アミノ酸測定に関する先行技術としては、例えば以下の特許文献10がある。特許文献10には、BCAA測定試薬、TYR試薬からなる、BTR測定試薬を凍結乾燥品として提供することが開示されている。
【特許文献10】特許第1964672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、液状で長期間安定であり、かつ高精度な測定が可能なBCAA測定用試薬を提供することにある。
【0011】
還元系色素であるテトラゾリウム塩を用いる液状の臨床検査試薬においては、酵素の液状での安定性以外に、以下の2点が大きな問題となっている。
(1)保存中に経日的に試薬ブランクが上昇する。
(2)生体試料中の成分の影響を受け易い。
(1)においては、吸光度測定における、感度低下、測定レンジ上限の低下等の問題が生じるため、測定に際し、毎回標準物質を測定し検量線を引き(以下キャリブレーションと言う)、非特異的に発色した色素の吸光量を差し引いておく必要性が生じる。また、測定感度が低下することにより生体試料中に微量しか存在しない測定対象物については、測定が困難になる。
(2)においては、テトラゾリウム塩を用いる酸化還元反応測定系では、特に、アスコルビン酸やグルタチオン、蛋白などの還元物質や、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)などの酸化還元酵素の影響を受けることが大きな問題となっている。
【0012】
また、テトラゾリウム塩を高感度に使用するためには、pHをアルカリ性側にしておくことが知られているが、高感度で使用するために保存溶液のpHをアルカリ性側に設定した場合、経日的なブランク上昇がより顕著になることを本発明者らは見出した。
【0013】
さらに、高感度に測定するために反応pHをアルカリ性側にした場合、測定する生体試料中に乳酸が多く含まれる場合は、LDHの乳酸からピルビン酸への反応活性が促進されるため、テトラゾリウム塩を用いた酸化還元反応に影響を与えることが問題となる。
【0014】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、テトラゾリウム塩を用いた液状のBCAA測定試薬において、試薬の「高精度性」と「安定性」を両立することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[項1]
還元型色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなることを特徴とする総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項2]
第一試液がpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上であることを特徴とする、項1記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項3]
還元系色素が、一般式(1)で表される還元系色素である、項1または2に記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【化3】
[一般式(1)]
(式中、R1は水素、ニトロ基、または、メトキシ基、R2は水素またはニトロ基、R3はハロゲン、ニトロ基または、以下の式(2)で表されるアゾ化合物、R4は水素またはスルホ基、R5は水素または、スルホ基、R6は水素、ニトロ基、またはスルホ基、R7は水素または、スルホ基を示す。)
【化4】
[式(2)]
[項4]
還元系色素を含む第一試液に、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する項1〜3のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項5]
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体を含有する項1〜4のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項6]
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体およびアスコルビン酸オキシダーゼを含有する項1〜5のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【0016】
本発明において「高精度性」とは、生体試料中に含まれる測定対象物の濃度が低濃度、例えば2mM以下の測定対象物の測定において、既知濃度の測定値の変動幅が、±20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下の測定が可能であることを意味する。
【0017】
本発明において「安定性」とは、測定の初回のみ、下記に記載の方法で検量線を引き値を校正(キャリブレーション)しておけば、その後の測定ではキャリブレーションを行わなくても、生体試料中の特定成分の測定値が長期に渡って安定化することを意味する。より厳密には10℃以下の開封保存状態において、2週間中および2週間後の測定値が理論値の90%、好ましくは95%を下回らないことを意味する。
【0018】
本発明において「反応時」とは、「還元系色素が酵素特異的に発色反応に導かれる際」を意味し、「第一試薬と第二試薬の混合時」と同義で用いている。
【0019】
検量線での校正方法(キャリブレーション方法)
[1]精製水あるいは、生理食塩水と、
[2]1水準以上の濃度の標準物質または、標準溶液により行うのが好ましい。
【0020】
キャリブレーション方法としては、直線法、スプライン法などいずにも限定されないが、特に直線法が好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の目的は、還元系色素であるテトラゾリウム塩を用いた液状のBCAA測定試薬において、試薬の「高精度性」と「安定性」を両立することである。具体的には、テトラゾリウム塩を用いた液状の臨床検査試薬において、生体試料中に含まれる測定対象物の濃度が2mM以下の測定対象物の測定において、既知濃度の測定値の変動幅が、±20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下の測定が可能である。さらに液状保存中の還元系色素の非特異的発色を抑制すること、及び非特異的発色が抑制された試薬による生体試料中のBCAAの測定において、生体試料中のタンパク質、アスコルビン酸、グルタチオンなどの還元物質の影響および、生体試料中のLDHなどの酸化還元酵素の影響を回避することによって、生体試料中のBCAAの測定値が長期に渡って安定化する測定法、およびその試薬を提供することである。
【0022】
さらに、本発明方法を用いれば、初回の測定のみキャリブレーションを行えば、その後の測定ではキャリブレーションを行わなくても、生体試料中のBCAAの測定値が長期に渡って安定化する。
【0023】
還元系色素の非特異的発色を抑制し、かつ生体試料中の成分の影響を回避することにより、初回の測定のみキャリブレーションを行えば、その後キャリブレーションすることなく長期に渡って、生体試料中のBCAAの測定値を安定化させることが可能となる。
【0024】
また、本発明においては、ノンキャリブレーション測定において測定値を安定化させるために、試薬ブランクの上昇度と感度の関係が重要になってくる。
本発明においては、保存による試薬ブランクの吸光度上昇による誤差を許容できる感度を有することが好ましい。より具体的には、保存によるブランク上昇度が、感度に対して10%以内であることが好ましい。
【0025】
本特許中に記載の「試薬」と「試液」は同義で用いている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、2ないし4のパーツで構成される液状試薬を用いて生体試料中のBCAAを定量する方法であって、電子受容体の存在下で該BCAAに対して脱水素による酸化能を有するロイシンデヒドロゲナーゼを生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を、さらに電子キャリアーと還元系色素であるテトラゾリウム塩を作用させてホルマザンを形成させることにより検出・定量する方法であって、2試薬で構成される場合、還元系色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなることを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明は、還元系色素の保存中の非特異的発色を抑制するために、還元系色素を含有する第一試液のpHをpH6.0〜8.0にし、かつ還元系色素を高感度に使用するため、およびロイシンデヒドロゲナーゼの活性を高めるために、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上であることが好ましい。
【0028】
本発明の実施の形態としては、BCAA測定用試薬については測定方法として、[1]BCAAに酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADと略す)存在下、ロイシンデヒドロゲナーゼを作用させ、電子伝達体存在下、生成した還元型NADにより還元系発色試薬を還元し発色に導く方法、[2]BCAAにNAD存在下、ロイシンデヒドロゲナーゼを作用させ、生成した還元型NADによりジアホラーゼ存在下、還元系発色試薬を還元し発色に導く方法がある。
【0029】
特に式(3)で表される反応を用いる方法が好ましい。
【数1】
[式(3)]
【0030】
式(3)では、BCAA測定試薬の測定方法として、BCAAにNAD存在下、ロイシンデヒドロゲナーゼを作用させ、生成した還元型NADによりジアホラーゼ存在下、還元系発色試薬を還元し発色に導く方法を例示されている(ジアホラーゼの代わりに電子キャリアーを用いても良い)。
【0031】
なお、ジアホラーゼは、本発明においては電子キャリアーに包含される。
【0032】
なお、本明細書においては、「電子伝達体」と「電子キャリアー」は同義である。
【0033】
本発明の生体試料中のBCAAを定量する方法に用いられる液状試薬は、汎用自動分析装置で取り扱える試薬構成であれば、特に限定されないが、2ないし4のパーツで構成されることが望ましい。好ましくは2つのパーツで構成される2試薬系がよい。
また、試薬の状態としては、凍結乾燥試薬(液状で不安定な酵素などを凍結乾燥しておき、使用時に溶解液と混合して用いる試薬)、ドライケミストリー試薬(分析に必要な全ての試薬が乾燥状態で用意されている試薬)、液状試薬が好適に用いられるが、特に液状試薬であることが好ましい。
すなわち、2ないし4のパーツで構成される液状試薬であることが好ましい。好ましくは2つのパーツで構成される液状試薬がよい。
【0034】
測定対象物である生体試料としては、特に限定されないが、血清あるいは血漿もしくは、全血あるいは、尿であることが好ましい。
【0035】
本発明で用いられる酵素は、測定対象となるBCAA又は該BCAAから別の反応により派生した物質に対して、電子受容体の存在下で、脱水素による酸化能を有する酵素(以下、脱水素酵素という。)であればよい。すなわち、BCAAに直接作用する酵素に限定されず、酵素共役系等によりBCAAから定量的に派生した物質に対する脱水素酵素も用いることができる。例えば、BCAAに直接作用するロイシンデヒドロゲナーゼが用いられる。ロイシンデヒドロゲナーゼとしては、Bacillus SP、Bacillus stearothermophilus由来のものが、東洋紡社、ユニチカ社より入手できる。本発明試薬における、ロイシンデヒドロゲナーゼの添加配置は、第二試液である。
本発明で用いられる酵素濃度としては、好ましくは、反応液中、0.01〜200U/L、さらには0.05〜100U/Lの濃度で用いられることがより好ましい。
【0036】
また、電子受容体としては、生成された電子受容体の還元体を直接定量できるもの、あるいは該還元体を、発色剤を用いて比色定量できるものであれば、特に制限なく用いることができる。電子受容体であるNAD、NADP等の補酵素にテトラゾリウムおよびその化合物や、フェナジンメトサルフェート類、ジクロロフェノールインドフェノール、フェリシアン化合物等の電子キャリアーを作用させて生じるホルマザンを比色定量することが好ましい。
具体的には、ニコチンアミド補酵素としては、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH:還元型、NAD:酸化型、以下同様)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト(NADPH、NADP)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドホスフェイト、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド、あるいはニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェイト等が具体的に挙げられる。また、チオニコチンアミド補酵素としては、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNADH、チオNAD)、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト(チオNADPH、チオNADP)、チオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド、あるいはチオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェイト、ニコチンアミド1,N6−エテノアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミド1,N6−エテノアデニンジヌクレオチドホスフェイト、ピロロキノリンキノンおよび、フラビン化合物であるFAD、FMN等が挙げられる。
本発明試薬における、電子受容体の添加配置は、特に限定されないが、第一試液であることがより好ましい。
本発明で用いられる電子受容体としては、好ましくは、反応液中、0.01〜50mmol/L、さらには0.05〜10mmol/Lの濃度で用いられることがより好ましい。
【0037】
本発明で使用する、還元系色素は、還元されることにより発色する色素である。本発明においては、還元系色素としてテトラゾリウムおよびその化合物を使用する。
テトラゾリウムおよびその化合物は、その主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の結合が開裂することにより、ホルマザンへと導かれ、その際に生じる励起波長により発色する。
【0038】
非特異的発色における発色機構も同様であるが、本発明により、還元系色素を含有する試薬のpHをpH6.0〜8.0、さらに好ましくはpH6.0〜7.5にすることにより、テトラゾリウムおよびその化合物の主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の非特異的開裂を抑制し、それにより経時的な非特異的発色の抑制の程度を強めることが可能となる。
【0039】
本発明で使用するテトラゾリウムおよびその化合物としては、例えば、2−(2’ベンゾチアゾリル)−5−スチリル−3−(4’−フタルヒドラジジル)テトラゾリウム(BSPT)、2−ベンゾチアゾリル−(2)−3,5−ジフェニルテトラゾリウム(BTDP)、2,3−ジ(4−ニトロフェニル)テトラゾリウム(DNP)、2,5−ジフェニル−3−(4−スチリルフェニル)テトラゾリウム(DPSP)、ジスチリルニトロブルーテトラゾリウム(DSNBT)、3,3’−[3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル]−ビス[2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル(−2Hテトラゾリウム(NBT)、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウム(MTT)、2−フェニル−3−(4−カルボキシフェニル)−5−メチルテトラゾリウム(PCPM)、テトラゾリウムブルー(TB)、チオカルバミルニトロブルーテトラゾリウム(TCNBT)、テトラニトロブルーテトラゾリウム(TNBT)、テトラゾリウムバイオレット(TV)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウムクロライド(INT)、3,3‘−[3,3’−ジメトキシ−(1,1‘−ビフェニル)−4,4’−ジル]−ビス(2,5−ジフェニル)−2H−テトラゾリウムクロライド、3,3‘−[3,3’−ジメトキシ−(1,1‘−ビフェニル)−4,4’−ジル]−ビス[2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウム クロライド]、2,3−ジフェニル−5−(4−クロロフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,5−ジフェニル−3−(p−ジフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−(p−ジフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,5−ジフェニル−3−(m−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,5−ジフェニル−3−(p−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−(2−チエニル)テトラゾリウム クロライド、2−ベンゾチアゾイル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルホエチル カルバモイル)フェニル]−2H−テトラゾリウム、2,2‘−ジベンゾチアゾイル−5,5’−ビス[4−ジ(2−スルホエチル)カルバモイルフェニル] −3,3’−(3,3’−ジメトキシ−4,4‘−ビフェニレン)ジテトラゾリウム塩、2,3−ジフェニル−5−シアノテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−カルボキシテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−メチルテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−エチルテトラゾリウム クロライド、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム ブロマイド、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム クロライド、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム オダイド、2,3,5−トリス(p−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−クロロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−フルオロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−クロロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−エチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(4−シアノフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−メチルフェニル)−5−(4−シアノフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ジ(p−トリル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−(p−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−アミノテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−カーボキシテトラゾリウム クロライド、2,5−ジ(p−トリル)−3−フェニルテトラゾリウム クロライド、2−(2−ベンゾチアゾリル)−3,5−ジフェニルテトラゾリウム ブロマイド、2−(2−ベンゾチアゾリル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム ブロマイド、2−(4−アイドフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2−フェニル−3−(4−ビフェニリル)−5−メチルテトラゾリウム クロライド、3,3’−(3,3‘−ジメトキシ−4,4−ジフェニレン)ビス(2−フェニル−5−ベラトリテトラゾリウム クロライド)、3−(3−ニトロフェニル)−5−メチル−2−フェニルテトラゾリウム クロライド、3−(4−ニトロフェニル)−5−メチル−2−フェニルテトラゾリウム クロライド、m−トリテトラゾリウムレッド、ネオ−テトリテトラゾリウム クロライド、ニトロブルーテトラゾリウム、O−トリテトラゾリウムレッド、p−トリテトラゾリウムレッド等が挙げられるが、特に水溶性ホルマザンを生成する以下のテトラゾリウムおよび、その化合物の適応が好ましい。
すなわち、本発明に用いられるテトラゾリウムおよびその化合物は、2−ベンゾチアゾチアゾリル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルフォエチルカルバモイル)フェニル]−2H−テトラゾリウム、2,2’−ジベンゾチアゾリル−5,5’−ビス[4−ジ(2−スルホエチル)カルバモイルフェニル]−3,3’−(3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン)ジテトラゾリウム、ジナトリウム塩、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ニトロ、2−メトキシフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム塩、2,5−ジ(4−ニトロフェニル)−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ニトロフェニル)−5−(2−スルホフェニル)−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム塩であることが好ましい。
これらは反応液中、0.01〜50mmol/L、好ましくは0.05〜10mmol/Lの濃度で用いられることが好ましい。
【0040】
本発明における、還元系色素の使用用途は発色定量用途であり、生体試料中の還元物質の影響回避のために前処理液等に添加して用いるものではない。
【0041】
本発明における還元系色素の添加配置は、第一試液である。
【0042】
本発明に用いられるジアホラーゼは起源として、例えばバチルス・メガテリウム、クロストリジウム・SPが挙げられる。反応液中、0.01〜100U/L、好ましくは0.05〜50U/Lの濃度で用いられることが好ましい。
【0043】
本発明に用いられる還元型NADオキシダーゼは反応液中に、0.5〜100U/mL、好ましくは1〜50U/mLの濃度で用いられることが好ましい。
【0044】
本発明に用いられる緩衝剤としては、非特異発色の要因となりうるアミン類などが不純物として含まないものであれば特に限定はなく、トリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ジメチルグリシン緩衝剤、グッド緩衝剤などが挙げられる。グッド緩衝剤としてはN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノメタンスルホン酸(TES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸(EPPS)、2−ヒドロキシ−3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO)、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−(2−アセトアミド)イミノニ酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、などが例示される。中でもN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、トリス緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、ジメチルグリシン緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤は還元系色素の非特異発色をより低減することから好適である。
該緩衝剤のpHは5〜10の範囲で調整されるが、還元系色素を含有する試薬のpHをpH5.5〜8.0、さらに好ましくはpH6.0〜8.0にすることが、還元系色素の非特異的発色抑制において好ましい。
還元系色素の発色の原理は、テトラゾリウムおよびその化合物の主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の結合が開裂することにより、ホルマザンへと導かれ、その際に生じる励起波長により発色するという原理である。
非特異的発色における発色機構も同様であるが、本発明により、還元系色素を含有する試薬のpHをpH8.0未満、好ましくはpH6.0〜8.0、さらに好ましくはpH6.0〜7.5にすることにより、テトラゾリウムおよびその化合物の主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の非特異的開裂を抑制し、それにより経時的な非特異的発色を抑制することが可能となる。
【0045】
本発明で用いられる界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルベタインであることが好適である。
【0046】
ポリオキシエチレンラウリルエーテル類として例えばエマルゲン(登録商標)104P、エマルゲン(登録商標)105、エマルゲン(登録商標)106、エマルゲン(登録商標)108、エマルゲン(登録商標)109P、エマルゲン(登録商標)120、エマルゲン(登録商標)123P、エマルゲン(登録商標)147、エマルゲン(登録商標)130K、ノニオン(登録商標)K−204、ノニオン(登録商標)K−215、ノニオン(登録商標)K−220、ノニオン(登録商標)K−230、NIKKOL(登録商標) BL−2、NIKKOL(登録商標) BL−4.2、NIKKOL(登録商標) BL−9EX、NIKKOL(登録商標) BL−21、NIKKOL(登録商標) BL−25、ポリオキシエチレンセチルエーテル類として、エマルゲン(登録商標)210、エマルゲン(登録商標)220、NIKKOL(登録商標) BC−2、NIKKOL(登録商標) BC−5.5、NIKKOL(登録商標) BC−7、NIKKOL(登録商標) BC−10TX、NIKKOL(登録商標) BC−15TX、NIKKOL(登録商標) BC−20TX、NIKKOL(登録商標) BC−23、NIKKOL(登録商標) BC−25TX、NIKKOL(登録商標) BC−30TX、NIKKOL(登録商標) BC−40TX、ノニオン(登録商標)P−208、ノニオン(登録商標)P−210、ノニオン(登録商標)P−213、ポリオキシエチレンステアリルエーテル類として、エマルゲン(登録商標)306P、エマルゲン(登録商標)320P、NIKKOL(登録商標) BS−2、NIKKOL(登録商標) BS−4、NIKKOL(登録商標) BS−20、ノニオン(登録商標)S−206、ノニオン(登録商標)S−207、ノニオン(登録商標)S−215、ノニオン(登録商標)S−220、ポリオキシエチレンオレイルエーテル類としては、エマルゲン(登録商標)404、エマルゲン(登録商標)408、エマルゲン(登録商標)409P、エマルゲン(登録商標)420、エマルゲン(登録商標)430、NIKKOL(登録商標) BO−2、NIKKOL(登録商標) BO−7、NIKKOL(登録商標) BO−10TX、NIKKOL(登録商標) BO−20、NIKKOL(登録商標) BO−50、ノニオン(登録商標)E−206、ノニオン(登録商標)E−215、ノニオン(登録商標)E−230、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル類としては、NIKKOL(登録商標) BB−5、NIKKOL(登録商標) BB−10、NIKKOL(登録商標) BB−20、NIKKOL(登録商標) BB−30等が挙げられる。
【0047】
また、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル類としては、エマルゲン(登録商標)707、NIKKOL(登録商標) BT−5、NIKKOL(登録商標) BT−7、NIKKOL(登録商標) BT−9、アデカトール(登録商標)SO−80、アデカトール(登録商標)SO−105、アデカトール(登録商標)SO−120、アデカトール(登録商標)SO−135、アデカトール(登録商標)SO−145、アデカトール(登録商標)SO−160、エマルゲン(登録商標)705、エマルゲン(登録商標)707、エマルゲン(登録商標)709等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類としては、エマルゲン(登録商標)810、エマルゲン(登録商標)840S、エマルゲン(登録商標)909、エマルゲン(登録商標)910、エマルゲン(登録商標)930、エマルゲン(登録商標)950、トリトンX−100、トリトンX−114、NIKKOL(登録商標) NP−5、NIKKOL(登録商標) NP−7.5、NIKKOL(登録商標) NP−10、NIKKOL(登録商標) NP−15、NIKKOL(登録商標) NP−20、NIKKOL(登録商標) OP−10、NIKKOL(登録商標) OP−30、等が挙げられる。ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル類としてはエマルゲン(登録商標)A60、エマルゲン(登録商標)A90、エマルゲン(登録商標)B66等が挙げられる。オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー類としては、エマルゲン(登録商標)PP−150、エマルゲン(登録商標)PP−230、エマルゲン(登録商標)PP−250、エマルゲン(登録商標)PP−290、NIKKOL(登録商標) PBC−34、NIKKOL(登録商標) PBC−44、等が挙げられる。ポリオキシプロピレン(2)ポリオキシエチレンデシルエーテル類としては、エマレックス(登録商標)DAPE0207、エマレックス(登録商標)DAPE0210、エマレックス(登録商標)DAPE0212、エマレックス(登録商標)DAPE0215、エマレックス(登録商標)DAPE0220、エマレックス(登録商標)DAPE0220等が挙げられる。脂肪酸エステル類としては、レオドール(登録商標)(登録商標)TW−L120、レオドール(登録商標)TW−L106、レオドール(登録商標)TW−P120、レオドール(登録商標)TW−S120、レオドール(登録商標)TW−O120、レオドール(登録商標)460、エマノーン(登録商標)1112、エマノーン(登録商標)3115、エマノーン(登録商標)3170、エマノーン(登録商標)3299、エマノーン(登録商標)3130
【0048】
ポリオキシエチレンステロール類としては、NIKKOL(登録商標) BPS−10、NIKKOL(登録商標) BPS−20、NIKKOL(登録商標) BPS−30、NIKKOL(登録商標) PSH−25、NIKKOL(登録商標) DHC−30等が挙げられる。その他には、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、N,N−ビス(3−D−グルコノアミドプロピル)コラミド、N,N−ビス(3−D−グルコノアミドプロピル)デオキシコラミド、n−オクタノイル−N−メチルグルコアミド、n−ノナノイル−N−メチルグルコアミド、n−デカノイル−N−メチルグルコアミド、シュークロースモノカプレート、シュークロースモノラウレート、シュークロースモノコレート、ジギトニン等が挙げられる。
【0049】
さらにアルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアラニン、アルキルアミンオキサイド、これらの誘導体等が挙げられる。これらのアンヒトール(登録商標)(登録商標)20BS、アンヒトール(登録商標)24B、アンヒトール(登録商標)86B、アンヒトール(登録商標)20Z、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、等が挙げられる。
【0050】
界面活性剤の濃度としては、特に規定はしないが、特異的あるいは非特異的に生じたホルマザンと試料中の蛋白質との作用による吸光度の低下を抑制するために、還元系色素を含有する試薬において界面活性剤を0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上さらに好ましくは、0.1重量%以上添加することが好ましい。
【0051】
また、界面活性剤のうち特にHLB値が8.8〜19.1さらに好ましくは、11.0〜19.1の範囲であり、かつ分子量が167〜1200であり、さらにその構造中に炭素分子を12個以上、水素原子を23個以上含有するものが好ましい。
【0052】
本発明に用いられる防腐剤として、アジ化物、キレート剤、抗生物質、抗菌剤などが挙げられる。中でもアジ化ナトリウムは好適であり、反応液中で0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0053】
本発明に用いられる安定化剤としては、シクロデキストリンおよびその修飾体、クラスターデキストリン、カリックスアレン誘導体、エチレンジアミン四酢酸塩、アミノスルホン酸化合物、スメクタイトなどの膨潤性層状粘土鉱物、ホウ酸塩、カタラーゼなどがある。中でもエチレンジアミン四酢酸塩が好適であり、反応液中で0.01〜10mmol/L、好ましくは0.05〜2mmol/Lである。
また、色素の安定化剤として、硫酸カリクスアレン(6)、硫酸カリクスアレン(8)等のカリクスアレン誘導体、およびG1αCD、G2αCD、G1βCD、G2βCD等のデキストリン類を使用する場合、非特異的発色抑制のために、還元系色素を含有する試薬とは別配置に添加することが好ましい。
【0054】
生体試料中のアスコルビン酸の影響回避のために、本発明で使用するアスコルビン酸オキシダーゼの起源としては、Cucumis sp.やCucurbita sp.およびAcremonium sp.が挙げられる。反応液中、0.01〜100U/L、好ましくは0.05〜50U/Lの濃度で用いられることが好ましい。また、アスコルビン酸オキシダーゼを含む試薬のpHとしては、酵素の安定性、活性を考慮し、pH6.0〜8.0であることが好ましい。すなわち本発明においては、テトラゾリウム塩を含む第一試薬に含有させることが好ましい。
【0055】
生体試料中のLDHの影響低減および回避剤としては、シュウ酸、オキサミド酸および、各々の塩や、ヨウ素、銀、水銀および各々のイオン、p−chloromercuribenzoate、NAD+もしくはNADHより生成する物質などが挙げられる。反応液中、0.01g/L以上、好ましくは0.05g/L以上、さらに好ましくは0.1g/L以上の濃度で用いられることが好ましい。
【0056】
本発明における試薬キットの様態としては、例えば以下が考えられるが、これらに限定されるものではない。
キット1(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素を含有する試薬
キット2(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアーを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット3(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子キャリアーを含有する試薬
キット4(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子受容体を含有する試薬
キット5(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
キット6(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット7(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット8(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含有する試薬
キット9(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
キット10(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、生体試料の特定成分のBCAAに作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット11(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子キャリアーを含有する試薬
キット12(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子受容体を含有する試薬
キット13(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
キット14(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子受容体、LDH阻害剤を含含有する試薬
キット15(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット16(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含有する試薬
キット17(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
キット18(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット19(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアーを含有する試薬
キット20(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体を含有する試薬
キット21(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬を含有する試薬
キット22(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット23(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット24(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含む試薬を含有する試薬
キット25(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上となるように調整された緩衝剤を含む試薬
キット26(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試液
第二試薬
LDH阻害剤を含有する試薬
キット27(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水酵素を含有する試薬
第二試液
電子キャリアーを含有する試薬
キット28(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
電子受容体を含有する試薬
キット29(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬を含有する試薬
キット30(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット31(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット32(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含む試薬を含有する試薬
キット33(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
キット34(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアーを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット35(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、キャリアーを含有する試薬
キット36(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体を含有する試薬
キット37(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬を含有する試薬
キット38(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット39(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット40(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含む試薬を含有する試薬
【0057】
本発明の還元系色素を含む溶液は、ガラスビン、プラスチック容器等への充填の形態で提供することができるが、これらの容器を遮光することがより望ましい。
【0058】
本発明における検量線での校正方法(キャリブレーション方法)は特に限定されないが、[1]精製水あるいは、生理食塩水と、
[2]1水準以上の濃度の標準物質または、標準溶液により行うのが好ましい。
【0059】
キャリブレーション方法としては、直線法、スプライン法などいずにも限定されないが、特に直線法が好ましい。
【0060】
また、分析方法としては、以下の方法に限定されるものではないが、以下の[1]、[2]、[3]、のいずれかであることが好ましい。
[1]1ポイント法;試薬を添加し、一定時間後の吸光度を測定するエンドポイント法
[2]2ポイント法;測光ポイントを変えて2回測定し、差の吸光度を求めるエンドポイント法
[3]レート法;指定された測光ポイント間の単位時間あたりの吸光度変化を求める方法
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるものではない。
本実施例で用いる酵素としては、以下が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ロイシンデヒドロゲナーゼとしては、Bacillus SP、Bacillus stearothermophilus由来のものが、東洋紡社、ユニチカ社より入手できる。ジアホラーゼとしては、起源として、例えばClostridium SP、Bacillus stearothermophilusがあげられ、東洋紡社、ユニチカ社より入手できる。また、本発明では生体試料中のアスコルビン酸の影響を回避する目的で、アスコルビン酸オキシダーゼを含有してよく、Cucumis SPやCucuribita SP由来のものが、東洋紡社、ロシュ社、旭化成社より入手できる。
【0062】
[実施例1〜6、および、比較例1〜6]還元系色素の配置と非特異的発色による試薬ブランクの上昇度の関係(表1、図1)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した(比較例6のみ1,5−アンヒドロ−D−グルシトール(1,5−AG)測定試薬)。
【0063】
(実施例1)反応pH7.5
第一試薬(pH6.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0064】
(実施例2)反応pH7.75
第一試薬(pH6.5)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0065】
(実施例3)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0066】
(実施例4)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 25g/L
ジアホラーゼ(ユニチカ社製) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0067】
(実施例5)反応pH8.3
第一試薬(pH7.5)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0068】
(実施例6)反応pH8.5
第一試薬(pH8.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0069】
(比較例1)反応pH8.2
第一試薬(pH8.2)
Bicine緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.2)
Bicine緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
【0070】
(比較例2)反応pH7.6
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH8.2)
Bicine緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0071】
(比較例3)反応pH7.8
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH8.5)
Bicine緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0072】
(比較例4)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
N,N−Bis(3−D−gluconamidopropyl)cholamide(同仁化学株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
N,N−Bis(3−D−gluconamidopropyl)cholamide(同仁化学株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0073】
(比較例5)反応pH8.3
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine(同仁化学株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH9.5)
CHES緩衝液 150mmol/L
n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine(同仁化学株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0074】
(比較例6)反応pH8.1
第一試薬(pH6.8)
緩衝液
ADP依存性ヘキソキナーゼ 3U/mL
ジアホラーゼ 9U/mL
アデノシン−5’−二リン酸(ADP) 0.4mmol/L
酸化型NADP+ 9.2mmol/L
第ニ試薬(pH8.7)
緩衝液
AG−6−リン酸デヒドロゲナーゼ 80U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0075】
実施例1〜6、比較例1〜5のBCAA測定用試薬および、比較例6の1,5AG測定試薬を35℃、7日間保存し、調製直後の各試薬との試薬ブランクの差を検討した。
【0076】
実施例1〜6、比較例1〜5のBCAA測定試薬、比較例6の1,5AG試薬の調製直後および35℃、7日間保存した試薬、各々について、下記の測定法にて試料として精製水を繰返しn=3で測定し、その平均値より試薬ブランクを求めた。
【0077】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μL(比較例6のみ2.0μL)に第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、実施例1〜6および比較例1〜6試薬全て主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0078】
【表1】
【0079】
還元系色素の配置と非特異的発色による試薬ブランクの上昇度の関係を、表1および図1に示す。
還元系色素が第一試液に含まれる実施例1〜6では試薬ブランクの上昇が18mABS以下であったのに対し、還元系色素が第二試液に含まれる比較例1〜6では40mABS以上であった。(特に、実施例3と比較例4では、第一試液、第二試液のpHが同じ条件で比較している。)
【0080】
[実施例7〜14、および、比較例7、8]第一試薬と第二試薬の混合時のpHと感度の関係(表2、図2)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
【0081】
(実施例7)反応pH7.5
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0082】
(実施例8)反応pH7.6
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.5)
TAPS緩衝液 160mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0083】
(実施例9)反応pH7.75
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 160mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0084】
(実施例10)反応pH7.9
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 25g/L
ジアホラーゼ(ユニチカ社製) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 154mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0085】
(実施例11)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0086】
(実施例12)反応pH8.5
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.5)
CHES緩衝液 141mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0087】
(実施例13)反応pH9.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH10.0)
CAPSO緩衝液 133mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0088】
(実施例14)反応pH9.5
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH10.0)
CAPSO緩衝液 118mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0089】
(比較例7)反応pH7.25
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH7.5)
TES緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0090】
(比較例8)反応pH7.4
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.0)
TAPS緩衝液 154mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0091】
実施例7〜14、比較例7、8のBCAA測定用試薬について、試料として標準液と精製水を下記の測定法にて各々繰返しn=2で測定し、その平均値より各試薬の標準液の感度を以下の式より算出した。なお、標準液には、L−イソロイシン溶液(500μmol/L)を用いた。
標準液の感度(mABS)=標準液の吸光度(mABS)−試薬ブランクの吸光度(mABS)
【0092】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、実施例7〜14および、比較例6、7試薬全て主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0093】
【表2】
【0094】
第一試薬と第二試薬の混合時のpHと感度の関係を表2および図2に示す。
第一試薬と第二試薬の混合時のpHが7.5以上である実施例7〜14では、感度が150mABS以上であったのに対し、第一試薬と第二試薬の混合時のpHが7.5未満である比較例7、8では感度が140mABS程度以下であった。
また、第一試薬と第二試薬の混合時のpHが7.5を越えて高くなるにつれて、感度がより高くなった。
【0095】
【表3】
【0096】
次に、「還元系色素の配置」と「第一試薬と第二試薬の混合時のpH」の組合せに対し、非特異的発色による試薬ブランクの上昇度、感度がどのような値を示すかについて、表3にまとめた。
表3における実施例1〜6および比較例1〜6は、表1のそれと同じである。
表3にはさらに、上記結果から求められる、感度に対する試薬ブランク上昇度の数値を記載した。
【0097】
[還元系色素の配置について]
本発明において、ノンキャリブレーション測定での高精度かつ安定な測定を実現するためには、保存によるブランク上昇度が、感度に対して10%以内であることが好ましい。
表3からわかるように、還元系色素が第一試液に配置されている実施例1〜6では、保存によるブランク上昇度が感度に対して10%以内であるのに対し、還元系色素が第二試液に配置されている比較例1〜6では、感度に対する保存ブランクの上昇度が18〜72%と高い。比較例1〜6に代表される様に、35℃・7日間の保存において、保存ブランクの上昇度が感度に対して10%を上回る試薬組成においては、ノンキャリブレーション測定においても35℃・7日保存と同様に経日的にブランク上昇が起こり、保存ブランクの上昇度が許容できなくなる。
【0098】
[第一試薬と第二試薬の混合時のpHについて]
第一試薬と第二試薬の混合時のpHについては、表2および図2のところで述べたように、pHが7.5を越えて高くなるにつれて、感度がより高くなった。
一方、データの記載はしていないが、反応pHがpH7.5以下、特にpH7.0以下である場合には、還元系色素の感度が下がり、かつ本発明で用いられるロイシンデヒドロゲナーゼの酵素活性が低下し、本発明における(式(3))で表される反応が遅くなる。そのため、測定の安定性、高精度性が損なわれる。
【0099】
他方、生体試料中には、乳酸またはピルビン酸が含まれているが、さらに乳酸デヒドロゲナーゼが含まれる場合は、式(4)で表される反応が起こる。特に、pH8.5〜9.0では乳酸からピルビン酸への反応(以下、L→P反応)、pH7〜8ではピルビン酸から乳酸への反応(以下、P→L反応)が促進される。特に、L→P反応が、本発明の(式(3))で表される酸化還元反応と競合する。そのため、ロイシンデヒドロゲナーゼの反応性を高め、乳酸デヒドロゲナーゼの反応性を抑制することが重要になる。本発明においては、反応pHがpH7.5以上、好ましくはpH8.0以上で乳酸デヒドロゲナーゼの競合反応を抑制し、本発明の酸化還元反応を高めることができることを確認している。
【0100】
【数2】
[式(4)]
【0101】
さらに、本発明で電子キャリアーとして好適に用いられるジアホラーゼの活性を考慮した場合、反応pHがpH10以上では著しくジアホラーゼの活性が低下する。
よって、第一試液と第二試液の混合時のpH、つまり反応時のpHとしては、pH7.5以上、より好ましくは、pH7.5〜pH10.0、さらに好ましくはpH7.5〜pH9.5、さらに好ましくは、pH8.0〜9.5であることが好ましい。
【0102】
【表4】
【0103】
さらに、「還元系色素が配置される第一試液のpH」と「第一試薬と第二試薬の混合時のpH」の組合せに対し、非特異的発色による試薬ブランクの上昇の程度、測定感度、および、ノンキャリブレーション測定での高精度かつ安定な測定が可能かどうかについて、表4にまとめた。
【0104】
表4より、還元系色素を含有する第一試液のpHがpH6.0〜8.0であり、さらに第一試液とロイシンデヒドロゲナーゼを含有する第二試液の混合時のpHがpH7.5以上にすることにより、液状での長期安定性、および高精度測定を両立することが可能となることがわかる。
【0105】
この高精度かつ安定な測定を実現するためには、感度を上げる目的で反応時のpHをpH7.5以上に設定する必要があるが、還元系色素を含む第一試液のpHがpH6.0未満の場合、保存によるブランク上昇は良好であるものの、反応時の感度をpH7.5以上とするために、還元系色素を含有しない試液のpHをpH10〜11のように高く設定するか、もしくは、pH8〜10に設定した場合、緩衝剤濃度を高める必要がある。前者については、含有する酵素の液状での長期保存安定性を下げる可能性があり、また、後者については、イオン強度が増すため、同様に酵素の安定性、反応性を下げる可能性がある。
また、pH5.5未満では、緩衝能のすぐれたグッドバッファーが存在しないため、長期保存における酵素、色素の安定性が問題となる。
また、本発明で好適に用いられる電子キャリアーとしてジアホラーゼがあるが、該酵素を還元系色素を含有する試液中に保存する場合、pH6.0未満では、著しく保存安定性が低下する。また、本発明において、生体試料中のアスコルビン酸の影響を回避する目的で好適に用いられるアスコルビン酸オキシダーゼは、還元系色素を含有する第一試液に添加することが好適であるが、pH6.0未満においては、液状での保存安定性が著しく低下する。
よって、本発明において、還元系色素の非特異的発色による試薬ブランクの上昇を抑制するためには、還元系色素を含有する第一試薬のpHがpH5.5〜8.0、好ましくは、pH6.0〜8.0であることが好ましい。
【0106】
また、還元系色素の添加位置について、第二試液に配置した場合も第一試液に添加した場合と同様に、第二試液のpHをpH8.0以下にすれば、還元系色素の非特異的発色によるブランク上昇は抑制されるものの、反応pHをpH7.5以上とするために、第一試液のpHを中性以上に設定する必要がある。この場合、第一試液中に含まれるアスコルビン酸オキシダーゼやジアホラーゼの長期保存安定性が低下する。また、第二試液のpHをpH8.0以下とすることで、第二試液中のロイシンデヒドロゲナーゼの長期保存安定性の低下や、活性低下が見られるため、還元系色素を第二試液に含有させることは好ましくない。
【0107】
以上より、本発明を達成するためには、還元系色素を第一試液に含有し、かつ第一試液のpHがpHがpH5.5〜8.0、好ましくは、pH6.0〜8.0であることが必須である。
【0108】
[実施例15、および、比較例9、10]試薬を長期保存した際の試薬ブランクの上昇について(表5、図3)(後述の実施例16、および、比較例11、12と、それぞれ同じ組成の試薬を使用して検討)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
(実施例15)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0109】
(比較例9)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
【0110】
(比較例10)ダイヤカラー・BTR 総分岐鎖アミノ酸測定試薬(凍結乾燥品)
[1]酵素試薬BR1
1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェイト
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
[2]酵素溶解液BR1
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)
[3]酵素試薬BR2
ロイシンデヒドロゲナーゼ
[4]酵素溶解液BR2
3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロミド
第一試薬:[1]を[2]で溶解した試液(pH7.5)
第二試薬:[3]を[4]で溶解した試薬
【0111】
実施例15、比較例9、10のBCAA測定用試薬をH7180型自動分析機の試薬テーブル(10℃以下)にて、10週間(71日間)開封保存し、保存1日目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目、6週間目、8週間目、10週間目に、下記の測定法にて試料として精製水を繰返しn=3測定し、n=3測定の平均値より試薬ブランクを求めた。
【0112】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μL(比較例10は1.7μL)に第一試薬を120μL添加し、37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL(比較例10は30μL)添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法を用い、測定波長は、実施例15および比較例9の両試薬については、主波長450nmにおける吸光度を、比較例10は主波長570nmにおける吸光度を測定した。
【0113】
【表5】
【0114】
試薬を長期保存した際の試薬ブランクの上昇について、結果を表5および図3に示す。
比較例9、10は経時的に非特異的発色による試薬ブランクの上昇が見られ、10週間目の段階で、非特異的発色による試薬ブランク上昇度は、スタート時と比較し比較例9では98.9mABS、比較例10では20.1mABSであるのに対し、実施例15は経時的な非特定的発色は見られず、10週間目の段階での非特異的発色による試薬ブランク上昇度もスタート時と比較し3.6mABS程度と良好であり、本法の有用性が示された。
【0115】
[実施例16、および、比較例11、12]試薬を長期保存した際のノンキャリブレーション測定における測定値の精密性と安定性について(表6、図4〜6)(前述の実施例15、および、比較例9、10と、それぞれ同じ組成の試薬を使用して検討)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
なお、実施例15と16、比較例9と11、比較例10と12は同じ試薬である。
(実施例16)
第一試薬(pH7.0)反応pH8.0
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0116】
(比較例11)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
【0117】
(比較例12)ダイヤカラー・BTR 総分岐鎖アミノ酸測定試薬(凍結乾燥品)
[1]酵素試薬BR1
1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェイト
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
[2]酵素溶解液BR1
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)
[3]酵素試薬BR2
ロイシンデヒドロゲナーゼ
[4]酵素溶解液BR2
3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロミド
第一試薬:[1]を[2]で溶解した試液(pH7.5)
第二試薬:[3]を[4]で溶解した試薬
【0118】
実施例16、比較例11および12のBCAA測定用試薬をH7180型自動分析機の試薬テーブル(10℃以下)にて、10週間(71日間)開封保存し、保存1日目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目、6週間目、8週間目、10週間目に、下記の測定法にて試料として液状ネスコールN、液状ネスコールA(アルフレッサファーマ社)、QAPトロールIIX(シスメックス社)を繰返しn=5で測定した。
【0119】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μL(比較例12は1.7μL)に第一試薬を120μL添加し、37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL(比較例12は30μL)添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法を用い、測定波長は、実施例16および比較例11の両試薬については、主波長450nmにおける吸光度を、比較例12は主波長570nmにおける吸光度を測定した。
【0120】
また測定は、一日目測定のみ下記方法にてキャリブレーションを行い、その後の測定はキャリブレーションなしのいわゆるノンキャリブレーション測定法にて、上記方法で液状ネスコールN、液状ネスコールA(アルフレッサファーマ社)、QAPトロールIIX(シスメックス社)を各々繰返しn=5で測定した。結果はn=5測定の平均値を示したものである。
【0121】
(キャリブレーション法)
精製水、500μmol/L L−イソロイシン水溶液を2重測定し、500μmol/L L−イソロイシン水溶液測定吸光度から精製水測定吸光度を差引いた吸光度(感度)を算出し、補正を行った。
【0122】
【表6】
【0123】
試薬を長期保存した際の測定値の精密性について、結果を表6および図4、5、6に示す。
比較例11は還元系色素の経日的な非特異的発色の影響により、血清測定値が上昇していく。一方、凍結乾燥品である比較例12については、4週目までは、還元系色素の経日的な非特異的発色の影響により血清測定値が上昇し、その後、酵素の保存安定性が低下するため、血清測定値が低下する。
実施例16については経時的な血清値の変動は見られず、ノンキャリブレーションでの高精度かつ長期安定な測定が可能であることを示している。
【0124】
その他、実施例および比較例としてデータの記載はしないが、還元系色素を含有する第一試液のpHがpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上である条件においては、実施例16同様の結果が得られ、本発明におけるノンキャリブレーションでの高精度かつ安定な測定が可能であった。
【0125】
[実施例17〜34、および、比較例13]界面活性剤添加による、還元系色素に及ぼす生体試料中のタンパク質の影響回避について(表7〜9、図7〜9 )
(実施例17)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0126】
(実施例18)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 5g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0127】
(実施例19)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0128】
(実施例20)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0129】
(実施例21)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0130】
(実施例22)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)30g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0131】
(実施例23)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0132】
(実施例24)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 5g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0133】
(実施例25)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0134】
(実施例26)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0135】
(実施例27)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0136】
(実施例28)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)30g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0137】
(実施例29)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0138】
(実施例30)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 5g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0139】
(実施例31)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0140】
(実施例32)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0141】
(実施例33)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0142】
(実施例34)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)30g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
【0143】
(比較例13)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0144】
実施例17〜34、比較例13のBCAA測定用試薬を、下記の測定法にて試料としてQAPトロールIIX(シスメックス社)を繰返しn=5で測定した。
【0145】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、実施例17〜34および比較例13の何れの試薬とも主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0146】
【表7】
【0147】
【表8】
【0148】
【表9】
【0149】
結果を表7〜9および図7〜9に示す。同様の試料を市販のダイヤカラーBTRのBCAA測定試薬(総分岐鎖アミノ酸測定試薬)にて測定した値を真値とした。なお、ダイヤカラーBTR試薬は製造承認を受けており、測定に関しては、HPLC法との相関性についても良好である。
結果より、テトラゾリウム塩を含有する試薬に界面活性剤を添加しない場合(比較例13)においては、真値に対して測定値が低値化するのに対して、テトラゾリウム塩を含有する試薬に界面活性剤を含有する試薬(実施例17〜34)では、真値に対し、良好な測定値であった。測定値の低下は、還元系色素と試料中のアルブミン等のタンパク質との作用により還元系色素の発色吸光度が低下することに起因している。実施例17〜34に示したように、ホルマザン色素と試料中のアルブミン等の蛋白質の作用による吸光度の低下を抑制するために、本発明においては、還元系色素を含む試薬に界面活性剤を0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上含有させることが好ましい。
【0150】
また、界面活性剤の種類としては、特に限定されないが、濃度としては、同配置中の酵素の安定性を考慮し、上限5.0重量%さらに好ましくは、3.0%であることがより好ましい。
したがって、還元系色素への生体試料中の蛋白質の作用による吸光度低下を抑制するために、還元系色素を含有する試液への界面活性剤の添加濃度としては、0.1〜5.0重量%、好ましくは、0.1〜3.0重量%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%、さらに好ましくは1.0〜3.0重量%であることが好ましい。
【0151】
[実施例35] アスコルビン酸の影響回避(表10、図10)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
(実施例35)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0152】
実施例35のBCAA測定用試薬を、下記の測定法にて以下の試料を繰返しn=2で測定した。
【0153】
(試料)
QAPトロールIIX(シスメックス社):L−イソロイシン溶液(5000μmol/L)=9:1の混合溶液に、アスコルビン酸を試料中に終濃度0mg/dL、20mg/dL、40mg/dL、60mg/dL、80mg/dL、100mg/dLとなるように添加した試料。
【0154】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0155】
(濃度換算)
試料中のL−イソロイシン濃度を以下のキャリブレーション法の結果より算出した。
試料中のイソロイシン濃度(μmol/L)=(試料の測定吸光度)/(500μmol/L L−イソロイシン水溶液の測定吸光度)×(500μmol/L)
【0156】
(キャリブレーション法)
精製水、500μmol/L L−イソロイシン水溶液を2重測定し、500μmol/L L−イソロイシン水溶液測定吸光度から精製水測定吸光度を差引いた吸光度(感度)を算出し、補正を行った。
【0157】
【表10】
【0158】
結果を表10および図10に示す。実施例35において、試料中のアスコルビン酸の影響を回避することが可能であることを示している。データには示していないが、アスコルビン酸オキシダーゼおよび還元系色素を含有する第一試液のpHをpH6.0〜8.0かつ、反応時のpHがpH7.5以上である試薬においては、同様の結果が得られた。
【0159】
本発明においては、アスコルビン酸オキシダーゼは、還元系色素と同様に第一試液に配置して用いる。さらに、第一試液のpHをpH5.5〜8.0、好ましくは、pH6.0〜8.0にすることで、還元系試薬の非特異的発色を抑制するのみならず、アスコルビン酸の試液中での保存安定性も保つことが可能である。
【0160】
[実施例36] 乳酸デヒドロゲナーゼの影響回避(表11、図11)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
(実施例36)
反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
オキサミド酸ナトリウム 10mM
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0161】
実施例36のBCAA測定用試薬を、下記の測定法にて以下の試料を繰返しn=2で測定した。
【0162】
(試料)
L−イソロイシン(500μmol/L)と乳酸(20mM)を含む混合溶液に、乳酸デヒドロゲナーゼを試料中に終濃度0u/L、2000u/L、4000u/L、6000u/L、8000u/L、10000u/Lとなるように添加した試料。
【0163】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0164】
(濃度換算)
試料中のL−イソロイシン濃度を以下のキャリブレーション法の結果より算出した。
試料中のイソロイシン濃度(μmol/L)=(試料の測定吸光度)/(500μmol/L L−イソロイシン水溶液の測定吸光度)×(500μmol/L)
【0165】
(キャリブレーション法)
精製水、500μmol/L L−イソロイシン水溶液を2重測定し、500μmol/L L−イソロイシン水溶液測定吸光度から精製水測定吸光度を差引いた吸光度(感度)を算出し、補正を行った。
【0166】
【表11】
【0167】
結果を表11および図11に示す。酸化還元反応を用いる測定系では、特に試料中の乳酸デヒドロゲナーゼの乳酸からピルビン酸への触媒反応、または、ピルビン酸から乳酸への触媒反応が測定に影響を与えることが問題となっている。実施例36において、乳酸デヒドロゲナーゼの阻害剤であるオキサミド酸ナトリウムを添加することにより、試料中の乳酸デヒドロゲナーゼの影響を回避することが可能であることを示している。
【0168】
また、データには示していないが、還元系色素を含有する第一試液のpHをpH6.0〜8.0かつ、反応時のpHがpH7.5以上である試薬においては、同様の結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明の、総分岐鎖アミノ酸測定用液状試薬は、体外診断用医薬品などの用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】還元系色素を含有する試薬pHと試薬ブランクの関係を示す(実施例1〜6、比較例1〜5)。縦軸は35℃、7日間保存後の調製直後試薬と比較した試薬ブランク上昇度(mABS;ミリ吸光度)を示す。横軸は各実施例、比較例における還元系色素を含有する試薬のpHを示す。
【図2】試薬の反応pHと感度の関係を示す(実施例7〜14、比較例6、7)。縦軸に標準液の測定感度(mABS;ミリ吸光度)を示す。
【図3】実施例15と比較例9、10の経時的な試薬ブランク上昇度を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。縦軸は試薬ブランクを示し、mABSは、ミリ吸光度を示す。
【図4】実施例16のノンキャリブレーション測定での各血清測定値の経時的な変動を示す。縦軸は血清中の総分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度(μmol/L)を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。
【図5】比較例11のノンキャリブレーション測定での各血清測定値の経時的な変動を示す。縦軸は血清中の総分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度(μmol/L)を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。
【図6】比較例12のノンキャリブレーション測定での各血清測定値の経時的な変動を示す。縦軸は血清中の総分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度(μmol/L)を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。
【図7】界面活性剤添加濃度と真値に対する測定値の関係を示す(実施例17〜22、比較例13)。縦軸は生体試料中のBCAA濃度(μmol/L)に対する測定値(μmol/L)を示す(%)。横軸は界面活性剤添加濃度を示す。
【図8】界面活性剤添加濃度と真値に対する測定値の関係を示す(実施例23〜28、比較例13)。縦軸は生体試料中のBCAA濃度(μmol/L)に対する測定値(μmol/L)を示す(%)。横軸は界面活性剤添加濃度を示す。
【図9】界面活性剤添加濃度と真値に対する測定値の関係を示す(実施例29〜34、比較例13)。縦軸は生体試料中のBCAA濃度(μmol/L)に対する測定値(μmol/L)を示す(%)。横軸は界面活性剤添加濃度を示す。
【図10】実施例35の試料中のアスコルビン酸の影響を示す。縦軸はL−イソロイシンの試料中の濃度を、横軸はアスコルビン酸の試料への添加濃度を示す。
【図11】実施例36の試料中の乳酸デヒドロゲナーゼの影響を示す。縦軸はL−イソロイシンの試料中の濃度を、横軸は乳酸デヒドロゲナーゼの試料への添加濃度を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液などの生体に由来する試料中に存在する総分岐鎖アミノ酸(以下、BCAA)測定用の試薬に関する。さらに詳しくは、下記(1)〜(4)を達成することにより、液状で長期間安定であり、かつ高精度な測定が可能なBCAA測定用試薬を提供するものである。
(1)液状試薬中での保存中の還元系色素の非特異的発色を抑制する。
(2)高精度測定が可能である。
(3)生体試料中のアスコルビン酸や乳酸デヒドロゲナーゼ(以下、LDH)の影響を回避する。
(4)還元系色素と生体試料中の蛋白質の影響を回避する。
【背景技術】
【0002】
病院の検査室や検査センターで使用されている臨床検査薬のうち、不安定な酵素などを使用している試薬は、安定化のため凍結乾燥品の形態で流通し、使用時に溶解液で溶解して使用するのが主流となっている。慢性肝炎から肝硬変への移行診断に用いられる、BTR測定用試薬(総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比測定試薬)は、BCAA測定試薬とTYR(チロシン)測定試薬がセットになっており、BTR測定用試薬も各々酵素、色素などが不安定であり凍結乾燥品の形態で流通している。なお、総分岐鎖アミノ酸とはL−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリンのことを指す。
一方、臨床検査施設では、多項目を測定し検体数も多いため、凍結乾燥品の溶解作業が負担になることが多く、使用時に試薬の調製が不要な溶液状態で長期間安定な測定用試薬の開発が望まれている。BTR測定用試薬に関しても同様であり溶液状態で長期間安定な測定用試薬の開発が望まれている。
【0003】
酵素的分析法を用いた生体試料中に含まれる種々の特定成分を定量する方法の一つとして、例えば、酸化還元反応を用いる方法が知られている。すなわち、電子受容体の存在下で、該特定成分又は該特定成分より派生した物質に対して脱水素による酸化能を有する酵素を生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を測定することにより、試料中の特定成分を間接的に定量する方法である。
【0004】
特に、定量しようとする特定成分が微量成分であるような場合は、より高感度に測定するために、上記生成された電子受容体の還元体を、より発色感度の高い発色剤を用いて検出、定量することも行なわれている。例えば、電子受容体としてNAD又はNADPを用いた場合、その還元体であるNADH又はNADPHに、ジアホラーゼ等の電子キャリアーと還元系色素であるテトラゾリウムまたは、その化合物を作用させてホルマザンを形成させることにより検出、定量することが行なわれている。
【0005】
BTR測定方法に用いられるBTR測定用試薬においては、慢性肝炎から肝硬変への移行期に血中BCAA濃度が低下することから、診断上低値での精度が必要であり、高感度・高精度測定が要求される。そのため、これまでに流通しているBTR測定試薬の、BCAA測定試薬は該酸化還元反応を用いて測定が行われている。
【0006】
該BCAA試薬は、高感度発色剤として3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩(以下、MTT)が用いられている。MTTを用いる該BCAA試薬をはじめとして、これまでに販売されてきた還元系色素を用いた臨床検査試薬においては、生成するホルマザンが難溶性であり、分析機のセルに吸着し、測定に影響を与えることが問題となっていた。
【0007】
そこで、最近では水溶性の高いホルマザンを生成するテトラゾリウム塩が開発され、それを臨床検査試薬に適応する商品が販売されるようになってきている。
【0008】
還元系色素であるテトラゾリウムまたはその化合物を用いた測定法に関する先行技術としては、例えば以下の特許文献1〜9がある。
特許文献1には、本願請求項3の一般式(1)に含有される化合物について開示されている。
特許文献2には、本願請求項3の一般式(1)に含有される化合物を用いた活性酸素の測定法について開示されている。
特許文献3には、テトラゾリウム化合物を予め前処理液に添加しておくことで生体試料中の還元物質の影響を回避すること、テトラゾリウム化合物は生体試料中の還元物質の影響を回避する目的に利用することが開示されている。
特許文献4には、テトラゾリウムから生じるホルマザンを予め前処理液に添加しておくことで生体試料中の還元物質の影響を回避することが開示されている。
これら、特許文献3および4は、テトラゾリウム塩を生体試料の前処理目的で使用するものであり、生体試料中の特定成分の発色定量用途に用いる本発明とは明らかに異なっている。
特許文献5には、テトラゾリウム塩をpH8.5〜11.0(好ましくは9.5〜10.5)の範囲で被検試料と接触させて使用することが開示されている。
特許文献6には、実施例にpHが記されており、実施例中にあるようにテトラゾリウム塩を含む試薬のpHをpH10.0とすることが開示されている。
特許文献5、6においては、テトラゾリウム塩を含有する試薬のpHがpH8.5以上であり、該pH溶液中でテトラゾリウム塩を保存した場合、保存中にテトラゾリウム塩の経日的な非特異的発色が顕著になることを本発明者らは確認している。
特許文献7および8には、テトラゾリウム塩を用いた乾式試薬について開示されているが、液状試薬におけるテトラゾリウム塩の安定性についえては言及されていない。また、実施形態についても乾式試薬であり、本発明の液状試薬とは明らかに異なっている。
特許文献9には、テトラゾリウム塩を用いた測定系において、試薬にアルブミンを添加することでヘモグロビンを含有する生体試料の影響を回避する方法について開示されている。
これら何れの文献においても、テトラゾリウム塩の液状試薬中での保存中の非特異的発色については、記載されていない。
【特許文献1】特許第2592436号公報
【特許文献2】特許第3602956号公報
【特許文献3】特開2000−210100号公報
【特許文献4】再公表WO2003/033730号公報
【特許文献5】特許第2796150号公報
【特許文献6】特開2000−300293号公報
【特許文献7】特開2000−93198号公報
【特許文献8】特開2000−93199号公報
【特許文献9】特開2004−61263号公報
【0009】
また、総分岐鎖アミノ酸測定に関する先行技術としては、例えば以下の特許文献10がある。特許文献10には、BCAA測定試薬、TYR試薬からなる、BTR測定試薬を凍結乾燥品として提供することが開示されている。
【特許文献10】特許第1964672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、液状で長期間安定であり、かつ高精度な測定が可能なBCAA測定用試薬を提供することにある。
【0011】
還元系色素であるテトラゾリウム塩を用いる液状の臨床検査試薬においては、酵素の液状での安定性以外に、以下の2点が大きな問題となっている。
(1)保存中に経日的に試薬ブランクが上昇する。
(2)生体試料中の成分の影響を受け易い。
(1)においては、吸光度測定における、感度低下、測定レンジ上限の低下等の問題が生じるため、測定に際し、毎回標準物質を測定し検量線を引き(以下キャリブレーションと言う)、非特異的に発色した色素の吸光量を差し引いておく必要性が生じる。また、測定感度が低下することにより生体試料中に微量しか存在しない測定対象物については、測定が困難になる。
(2)においては、テトラゾリウム塩を用いる酸化還元反応測定系では、特に、アスコルビン酸やグルタチオン、蛋白などの還元物質や、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)などの酸化還元酵素の影響を受けることが大きな問題となっている。
【0012】
また、テトラゾリウム塩を高感度に使用するためには、pHをアルカリ性側にしておくことが知られているが、高感度で使用するために保存溶液のpHをアルカリ性側に設定した場合、経日的なブランク上昇がより顕著になることを本発明者らは見出した。
【0013】
さらに、高感度に測定するために反応pHをアルカリ性側にした場合、測定する生体試料中に乳酸が多く含まれる場合は、LDHの乳酸からピルビン酸への反応活性が促進されるため、テトラゾリウム塩を用いた酸化還元反応に影響を与えることが問題となる。
【0014】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、テトラゾリウム塩を用いた液状のBCAA測定試薬において、試薬の「高精度性」と「安定性」を両立することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[項1]
還元型色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなることを特徴とする総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項2]
第一試液がpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上であることを特徴とする、項1記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項3]
還元系色素が、一般式(1)で表される還元系色素である、項1または2に記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【化3】
[一般式(1)]
(式中、R1は水素、ニトロ基、または、メトキシ基、R2は水素またはニトロ基、R3はハロゲン、ニトロ基または、以下の式(2)で表されるアゾ化合物、R4は水素またはスルホ基、R5は水素または、スルホ基、R6は水素、ニトロ基、またはスルホ基、R7は水素または、スルホ基を示す。)
【化4】
[式(2)]
[項4]
還元系色素を含む第一試液に、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する項1〜3のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項5]
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体を含有する項1〜4のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
[項6]
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体およびアスコルビン酸オキシダーゼを含有する項1〜5のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【0016】
本発明において「高精度性」とは、生体試料中に含まれる測定対象物の濃度が低濃度、例えば2mM以下の測定対象物の測定において、既知濃度の測定値の変動幅が、±20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下の測定が可能であることを意味する。
【0017】
本発明において「安定性」とは、測定の初回のみ、下記に記載の方法で検量線を引き値を校正(キャリブレーション)しておけば、その後の測定ではキャリブレーションを行わなくても、生体試料中の特定成分の測定値が長期に渡って安定化することを意味する。より厳密には10℃以下の開封保存状態において、2週間中および2週間後の測定値が理論値の90%、好ましくは95%を下回らないことを意味する。
【0018】
本発明において「反応時」とは、「還元系色素が酵素特異的に発色反応に導かれる際」を意味し、「第一試薬と第二試薬の混合時」と同義で用いている。
【0019】
検量線での校正方法(キャリブレーション方法)
[1]精製水あるいは、生理食塩水と、
[2]1水準以上の濃度の標準物質または、標準溶液により行うのが好ましい。
【0020】
キャリブレーション方法としては、直線法、スプライン法などいずにも限定されないが、特に直線法が好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の目的は、還元系色素であるテトラゾリウム塩を用いた液状のBCAA測定試薬において、試薬の「高精度性」と「安定性」を両立することである。具体的には、テトラゾリウム塩を用いた液状の臨床検査試薬において、生体試料中に含まれる測定対象物の濃度が2mM以下の測定対象物の測定において、既知濃度の測定値の変動幅が、±20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下の測定が可能である。さらに液状保存中の還元系色素の非特異的発色を抑制すること、及び非特異的発色が抑制された試薬による生体試料中のBCAAの測定において、生体試料中のタンパク質、アスコルビン酸、グルタチオンなどの還元物質の影響および、生体試料中のLDHなどの酸化還元酵素の影響を回避することによって、生体試料中のBCAAの測定値が長期に渡って安定化する測定法、およびその試薬を提供することである。
【0022】
さらに、本発明方法を用いれば、初回の測定のみキャリブレーションを行えば、その後の測定ではキャリブレーションを行わなくても、生体試料中のBCAAの測定値が長期に渡って安定化する。
【0023】
還元系色素の非特異的発色を抑制し、かつ生体試料中の成分の影響を回避することにより、初回の測定のみキャリブレーションを行えば、その後キャリブレーションすることなく長期に渡って、生体試料中のBCAAの測定値を安定化させることが可能となる。
【0024】
また、本発明においては、ノンキャリブレーション測定において測定値を安定化させるために、試薬ブランクの上昇度と感度の関係が重要になってくる。
本発明においては、保存による試薬ブランクの吸光度上昇による誤差を許容できる感度を有することが好ましい。より具体的には、保存によるブランク上昇度が、感度に対して10%以内であることが好ましい。
【0025】
本特許中に記載の「試薬」と「試液」は同義で用いている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、2ないし4のパーツで構成される液状試薬を用いて生体試料中のBCAAを定量する方法であって、電子受容体の存在下で該BCAAに対して脱水素による酸化能を有するロイシンデヒドロゲナーゼを生体試料に作用させ、生成された電子受容体の還元体を、さらに電子キャリアーと還元系色素であるテトラゾリウム塩を作用させてホルマザンを形成させることにより検出・定量する方法であって、2試薬で構成される場合、還元系色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなることを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明は、還元系色素の保存中の非特異的発色を抑制するために、還元系色素を含有する第一試液のpHをpH6.0〜8.0にし、かつ還元系色素を高感度に使用するため、およびロイシンデヒドロゲナーゼの活性を高めるために、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上であることが好ましい。
【0028】
本発明の実施の形態としては、BCAA測定用試薬については測定方法として、[1]BCAAに酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADと略す)存在下、ロイシンデヒドロゲナーゼを作用させ、電子伝達体存在下、生成した還元型NADにより還元系発色試薬を還元し発色に導く方法、[2]BCAAにNAD存在下、ロイシンデヒドロゲナーゼを作用させ、生成した還元型NADによりジアホラーゼ存在下、還元系発色試薬を還元し発色に導く方法がある。
【0029】
特に式(3)で表される反応を用いる方法が好ましい。
【数1】
[式(3)]
【0030】
式(3)では、BCAA測定試薬の測定方法として、BCAAにNAD存在下、ロイシンデヒドロゲナーゼを作用させ、生成した還元型NADによりジアホラーゼ存在下、還元系発色試薬を還元し発色に導く方法を例示されている(ジアホラーゼの代わりに電子キャリアーを用いても良い)。
【0031】
なお、ジアホラーゼは、本発明においては電子キャリアーに包含される。
【0032】
なお、本明細書においては、「電子伝達体」と「電子キャリアー」は同義である。
【0033】
本発明の生体試料中のBCAAを定量する方法に用いられる液状試薬は、汎用自動分析装置で取り扱える試薬構成であれば、特に限定されないが、2ないし4のパーツで構成されることが望ましい。好ましくは2つのパーツで構成される2試薬系がよい。
また、試薬の状態としては、凍結乾燥試薬(液状で不安定な酵素などを凍結乾燥しておき、使用時に溶解液と混合して用いる試薬)、ドライケミストリー試薬(分析に必要な全ての試薬が乾燥状態で用意されている試薬)、液状試薬が好適に用いられるが、特に液状試薬であることが好ましい。
すなわち、2ないし4のパーツで構成される液状試薬であることが好ましい。好ましくは2つのパーツで構成される液状試薬がよい。
【0034】
測定対象物である生体試料としては、特に限定されないが、血清あるいは血漿もしくは、全血あるいは、尿であることが好ましい。
【0035】
本発明で用いられる酵素は、測定対象となるBCAA又は該BCAAから別の反応により派生した物質に対して、電子受容体の存在下で、脱水素による酸化能を有する酵素(以下、脱水素酵素という。)であればよい。すなわち、BCAAに直接作用する酵素に限定されず、酵素共役系等によりBCAAから定量的に派生した物質に対する脱水素酵素も用いることができる。例えば、BCAAに直接作用するロイシンデヒドロゲナーゼが用いられる。ロイシンデヒドロゲナーゼとしては、Bacillus SP、Bacillus stearothermophilus由来のものが、東洋紡社、ユニチカ社より入手できる。本発明試薬における、ロイシンデヒドロゲナーゼの添加配置は、第二試液である。
本発明で用いられる酵素濃度としては、好ましくは、反応液中、0.01〜200U/L、さらには0.05〜100U/Lの濃度で用いられることがより好ましい。
【0036】
また、電子受容体としては、生成された電子受容体の還元体を直接定量できるもの、あるいは該還元体を、発色剤を用いて比色定量できるものであれば、特に制限なく用いることができる。電子受容体であるNAD、NADP等の補酵素にテトラゾリウムおよびその化合物や、フェナジンメトサルフェート類、ジクロロフェノールインドフェノール、フェリシアン化合物等の電子キャリアーを作用させて生じるホルマザンを比色定量することが好ましい。
具体的には、ニコチンアミド補酵素としては、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH:還元型、NAD:酸化型、以下同様)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト(NADPH、NADP)、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド、アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドホスフェイト、ニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド、あるいはニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェイト等が具体的に挙げられる。また、チオニコチンアミド補酵素としては、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNADH、チオNAD)、チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト(チオNADPH、チオNADP)、チオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド、あるいはチオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェイト、ニコチンアミド1,N6−エテノアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミド1,N6−エテノアデニンジヌクレオチドホスフェイト、ピロロキノリンキノンおよび、フラビン化合物であるFAD、FMN等が挙げられる。
本発明試薬における、電子受容体の添加配置は、特に限定されないが、第一試液であることがより好ましい。
本発明で用いられる電子受容体としては、好ましくは、反応液中、0.01〜50mmol/L、さらには0.05〜10mmol/Lの濃度で用いられることがより好ましい。
【0037】
本発明で使用する、還元系色素は、還元されることにより発色する色素である。本発明においては、還元系色素としてテトラゾリウムおよびその化合物を使用する。
テトラゾリウムおよびその化合物は、その主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の結合が開裂することにより、ホルマザンへと導かれ、その際に生じる励起波長により発色する。
【0038】
非特異的発色における発色機構も同様であるが、本発明により、還元系色素を含有する試薬のpHをpH6.0〜8.0、さらに好ましくはpH6.0〜7.5にすることにより、テトラゾリウムおよびその化合物の主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の非特異的開裂を抑制し、それにより経時的な非特異的発色の抑制の程度を強めることが可能となる。
【0039】
本発明で使用するテトラゾリウムおよびその化合物としては、例えば、2−(2’ベンゾチアゾリル)−5−スチリル−3−(4’−フタルヒドラジジル)テトラゾリウム(BSPT)、2−ベンゾチアゾリル−(2)−3,5−ジフェニルテトラゾリウム(BTDP)、2,3−ジ(4−ニトロフェニル)テトラゾリウム(DNP)、2,5−ジフェニル−3−(4−スチリルフェニル)テトラゾリウム(DPSP)、ジスチリルニトロブルーテトラゾリウム(DSNBT)、3,3’−[3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル]−ビス[2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル(−2Hテトラゾリウム(NBT)、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウム(MTT)、2−フェニル−3−(4−カルボキシフェニル)−5−メチルテトラゾリウム(PCPM)、テトラゾリウムブルー(TB)、チオカルバミルニトロブルーテトラゾリウム(TCNBT)、テトラニトロブルーテトラゾリウム(TNBT)、テトラゾリウムバイオレット(TV)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウムクロライド(INT)、3,3‘−[3,3’−ジメトキシ−(1,1‘−ビフェニル)−4,4’−ジル]−ビス(2,5−ジフェニル)−2H−テトラゾリウムクロライド、3,3‘−[3,3’−ジメトキシ−(1,1‘−ビフェニル)−4,4’−ジル]−ビス[2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−テトラゾリウム クロライド]、2,3−ジフェニル−5−(4−クロロフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,5−ジフェニル−3−(p−ジフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−(p−ジフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,5−ジフェニル−3−(m−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,5−ジフェニル−3−(p−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−(2−チエニル)テトラゾリウム クロライド、2−ベンゾチアゾイル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルホエチル カルバモイル)フェニル]−2H−テトラゾリウム、2,2‘−ジベンゾチアゾイル−5,5’−ビス[4−ジ(2−スルホエチル)カルバモイルフェニル] −3,3’−(3,3’−ジメトキシ−4,4‘−ビフェニレン)ジテトラゾリウム塩、2,3−ジフェニル−5−シアノテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−カルボキシテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−メチルテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−エチルテトラゾリウム クロライド、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム ブロマイド、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム クロライド、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム オダイド、2,3,5−トリス(p−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−クロロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−フルオロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−クロロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−エチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−(4−シアノフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−メトキシフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−メチルフェニル)−5−(4−シアノフェニル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ジ(p−トリル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ビス(3−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−(p−トリル)テトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−アミノテトラゾリウム クロライド、2,3−ジフェニル−5−カーボキシテトラゾリウム クロライド、2,5−ジ(p−トリル)−3−フェニルテトラゾリウム クロライド、2−(2−ベンゾチアゾリル)−3,5−ジフェニルテトラゾリウム ブロマイド、2−(2−ベンゾチアゾリル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム ブロマイド、2−(4−アイドフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウム クロライド、2−フェニル−3−(4−ビフェニリル)−5−メチルテトラゾリウム クロライド、3,3’−(3,3‘−ジメトキシ−4,4−ジフェニレン)ビス(2−フェニル−5−ベラトリテトラゾリウム クロライド)、3−(3−ニトロフェニル)−5−メチル−2−フェニルテトラゾリウム クロライド、3−(4−ニトロフェニル)−5−メチル−2−フェニルテトラゾリウム クロライド、m−トリテトラゾリウムレッド、ネオ−テトリテトラゾリウム クロライド、ニトロブルーテトラゾリウム、O−トリテトラゾリウムレッド、p−トリテトラゾリウムレッド等が挙げられるが、特に水溶性ホルマザンを生成する以下のテトラゾリウムおよび、その化合物の適応が好ましい。
すなわち、本発明に用いられるテトラゾリウムおよびその化合物は、2−ベンゾチアゾチアゾリル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルフォエチルカルバモイル)フェニル]−2H−テトラゾリウム、2,2’−ジベンゾチアゾリル−5,5’−ビス[4−ジ(2−スルホエチル)カルバモイルフェニル]−3,3’−(3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン)ジテトラゾリウム、ジナトリウム塩、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ニトロ、2−メトキシフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム塩、2,5−ジ(4−ニトロフェニル)−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム塩、2−(4−ニトロフェニル)−5−(2−スルホフェニル)−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム塩であることが好ましい。
これらは反応液中、0.01〜50mmol/L、好ましくは0.05〜10mmol/Lの濃度で用いられることが好ましい。
【0040】
本発明における、還元系色素の使用用途は発色定量用途であり、生体試料中の還元物質の影響回避のために前処理液等に添加して用いるものではない。
【0041】
本発明における還元系色素の添加配置は、第一試液である。
【0042】
本発明に用いられるジアホラーゼは起源として、例えばバチルス・メガテリウム、クロストリジウム・SPが挙げられる。反応液中、0.01〜100U/L、好ましくは0.05〜50U/Lの濃度で用いられることが好ましい。
【0043】
本発明に用いられる還元型NADオキシダーゼは反応液中に、0.5〜100U/mL、好ましくは1〜50U/mLの濃度で用いられることが好ましい。
【0044】
本発明に用いられる緩衝剤としては、非特異発色の要因となりうるアミン類などが不純物として含まないものであれば特に限定はなく、トリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ジメチルグリシン緩衝剤、グッド緩衝剤などが挙げられる。グッド緩衝剤としてはN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノメタンスルホン酸(TES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸(EPPS)、2−ヒドロキシ−3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO)、ピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−(2−アセトアミド)イミノニ酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、などが例示される。中でもN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、トリス緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、ジメチルグリシン緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤は還元系色素の非特異発色をより低減することから好適である。
該緩衝剤のpHは5〜10の範囲で調整されるが、還元系色素を含有する試薬のpHをpH5.5〜8.0、さらに好ましくはpH6.0〜8.0にすることが、還元系色素の非特異的発色抑制において好ましい。
還元系色素の発色の原理は、テトラゾリウムおよびその化合物の主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の結合が開裂することにより、ホルマザンへと導かれ、その際に生じる励起波長により発色するという原理である。
非特異的発色における発色機構も同様であるが、本発明により、還元系色素を含有する試薬のpHをpH8.0未満、好ましくはpH6.0〜8.0、さらに好ましくはpH6.0〜7.5にすることにより、テトラゾリウムおよびその化合物の主骨格である五環状中の窒素間の二重結合を形成するπ電子同士の非特異的開裂を抑制し、それにより経時的な非特異的発色を抑制することが可能となる。
【0045】
本発明で用いられる界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルベタインであることが好適である。
【0046】
ポリオキシエチレンラウリルエーテル類として例えばエマルゲン(登録商標)104P、エマルゲン(登録商標)105、エマルゲン(登録商標)106、エマルゲン(登録商標)108、エマルゲン(登録商標)109P、エマルゲン(登録商標)120、エマルゲン(登録商標)123P、エマルゲン(登録商標)147、エマルゲン(登録商標)130K、ノニオン(登録商標)K−204、ノニオン(登録商標)K−215、ノニオン(登録商標)K−220、ノニオン(登録商標)K−230、NIKKOL(登録商標) BL−2、NIKKOL(登録商標) BL−4.2、NIKKOL(登録商標) BL−9EX、NIKKOL(登録商標) BL−21、NIKKOL(登録商標) BL−25、ポリオキシエチレンセチルエーテル類として、エマルゲン(登録商標)210、エマルゲン(登録商標)220、NIKKOL(登録商標) BC−2、NIKKOL(登録商標) BC−5.5、NIKKOL(登録商標) BC−7、NIKKOL(登録商標) BC−10TX、NIKKOL(登録商標) BC−15TX、NIKKOL(登録商標) BC−20TX、NIKKOL(登録商標) BC−23、NIKKOL(登録商標) BC−25TX、NIKKOL(登録商標) BC−30TX、NIKKOL(登録商標) BC−40TX、ノニオン(登録商標)P−208、ノニオン(登録商標)P−210、ノニオン(登録商標)P−213、ポリオキシエチレンステアリルエーテル類として、エマルゲン(登録商標)306P、エマルゲン(登録商標)320P、NIKKOL(登録商標) BS−2、NIKKOL(登録商標) BS−4、NIKKOL(登録商標) BS−20、ノニオン(登録商標)S−206、ノニオン(登録商標)S−207、ノニオン(登録商標)S−215、ノニオン(登録商標)S−220、ポリオキシエチレンオレイルエーテル類としては、エマルゲン(登録商標)404、エマルゲン(登録商標)408、エマルゲン(登録商標)409P、エマルゲン(登録商標)420、エマルゲン(登録商標)430、NIKKOL(登録商標) BO−2、NIKKOL(登録商標) BO−7、NIKKOL(登録商標) BO−10TX、NIKKOL(登録商標) BO−20、NIKKOL(登録商標) BO−50、ノニオン(登録商標)E−206、ノニオン(登録商標)E−215、ノニオン(登録商標)E−230、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル類としては、NIKKOL(登録商標) BB−5、NIKKOL(登録商標) BB−10、NIKKOL(登録商標) BB−20、NIKKOL(登録商標) BB−30等が挙げられる。
【0047】
また、ポリオキシエチレン2級アルキルエーテル類としては、エマルゲン(登録商標)707、NIKKOL(登録商標) BT−5、NIKKOL(登録商標) BT−7、NIKKOL(登録商標) BT−9、アデカトール(登録商標)SO−80、アデカトール(登録商標)SO−105、アデカトール(登録商標)SO−120、アデカトール(登録商標)SO−135、アデカトール(登録商標)SO−145、アデカトール(登録商標)SO−160、エマルゲン(登録商標)705、エマルゲン(登録商標)707、エマルゲン(登録商標)709等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類としては、エマルゲン(登録商標)810、エマルゲン(登録商標)840S、エマルゲン(登録商標)909、エマルゲン(登録商標)910、エマルゲン(登録商標)930、エマルゲン(登録商標)950、トリトンX−100、トリトンX−114、NIKKOL(登録商標) NP−5、NIKKOL(登録商標) NP−7.5、NIKKOL(登録商標) NP−10、NIKKOL(登録商標) NP−15、NIKKOL(登録商標) NP−20、NIKKOL(登録商標) OP−10、NIKKOL(登録商標) OP−30、等が挙げられる。ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル類としてはエマルゲン(登録商標)A60、エマルゲン(登録商標)A90、エマルゲン(登録商標)B66等が挙げられる。オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー類としては、エマルゲン(登録商標)PP−150、エマルゲン(登録商標)PP−230、エマルゲン(登録商標)PP−250、エマルゲン(登録商標)PP−290、NIKKOL(登録商標) PBC−34、NIKKOL(登録商標) PBC−44、等が挙げられる。ポリオキシプロピレン(2)ポリオキシエチレンデシルエーテル類としては、エマレックス(登録商標)DAPE0207、エマレックス(登録商標)DAPE0210、エマレックス(登録商標)DAPE0212、エマレックス(登録商標)DAPE0215、エマレックス(登録商標)DAPE0220、エマレックス(登録商標)DAPE0220等が挙げられる。脂肪酸エステル類としては、レオドール(登録商標)(登録商標)TW−L120、レオドール(登録商標)TW−L106、レオドール(登録商標)TW−P120、レオドール(登録商標)TW−S120、レオドール(登録商標)TW−O120、レオドール(登録商標)460、エマノーン(登録商標)1112、エマノーン(登録商標)3115、エマノーン(登録商標)3170、エマノーン(登録商標)3299、エマノーン(登録商標)3130
【0048】
ポリオキシエチレンステロール類としては、NIKKOL(登録商標) BPS−10、NIKKOL(登録商標) BPS−20、NIKKOL(登録商標) BPS−30、NIKKOL(登録商標) PSH−25、NIKKOL(登録商標) DHC−30等が挙げられる。その他には、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、N,N−ビス(3−D−グルコノアミドプロピル)コラミド、N,N−ビス(3−D−グルコノアミドプロピル)デオキシコラミド、n−オクタノイル−N−メチルグルコアミド、n−ノナノイル−N−メチルグルコアミド、n−デカノイル−N−メチルグルコアミド、シュークロースモノカプレート、シュークロースモノラウレート、シュークロースモノコレート、ジギトニン等が挙げられる。
【0049】
さらにアルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアラニン、アルキルアミンオキサイド、これらの誘導体等が挙げられる。これらのアンヒトール(登録商標)(登録商標)20BS、アンヒトール(登録商標)24B、アンヒトール(登録商標)86B、アンヒトール(登録商標)20Z、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、等が挙げられる。
【0050】
界面活性剤の濃度としては、特に規定はしないが、特異的あるいは非特異的に生じたホルマザンと試料中の蛋白質との作用による吸光度の低下を抑制するために、還元系色素を含有する試薬において界面活性剤を0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上さらに好ましくは、0.1重量%以上添加することが好ましい。
【0051】
また、界面活性剤のうち特にHLB値が8.8〜19.1さらに好ましくは、11.0〜19.1の範囲であり、かつ分子量が167〜1200であり、さらにその構造中に炭素分子を12個以上、水素原子を23個以上含有するものが好ましい。
【0052】
本発明に用いられる防腐剤として、アジ化物、キレート剤、抗生物質、抗菌剤などが挙げられる。中でもアジ化ナトリウムは好適であり、反応液中で0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0053】
本発明に用いられる安定化剤としては、シクロデキストリンおよびその修飾体、クラスターデキストリン、カリックスアレン誘導体、エチレンジアミン四酢酸塩、アミノスルホン酸化合物、スメクタイトなどの膨潤性層状粘土鉱物、ホウ酸塩、カタラーゼなどがある。中でもエチレンジアミン四酢酸塩が好適であり、反応液中で0.01〜10mmol/L、好ましくは0.05〜2mmol/Lである。
また、色素の安定化剤として、硫酸カリクスアレン(6)、硫酸カリクスアレン(8)等のカリクスアレン誘導体、およびG1αCD、G2αCD、G1βCD、G2βCD等のデキストリン類を使用する場合、非特異的発色抑制のために、還元系色素を含有する試薬とは別配置に添加することが好ましい。
【0054】
生体試料中のアスコルビン酸の影響回避のために、本発明で使用するアスコルビン酸オキシダーゼの起源としては、Cucumis sp.やCucurbita sp.およびAcremonium sp.が挙げられる。反応液中、0.01〜100U/L、好ましくは0.05〜50U/Lの濃度で用いられることが好ましい。また、アスコルビン酸オキシダーゼを含む試薬のpHとしては、酵素の安定性、活性を考慮し、pH6.0〜8.0であることが好ましい。すなわち本発明においては、テトラゾリウム塩を含む第一試薬に含有させることが好ましい。
【0055】
生体試料中のLDHの影響低減および回避剤としては、シュウ酸、オキサミド酸および、各々の塩や、ヨウ素、銀、水銀および各々のイオン、p−chloromercuribenzoate、NAD+もしくはNADHより生成する物質などが挙げられる。反応液中、0.01g/L以上、好ましくは0.05g/L以上、さらに好ましくは0.1g/L以上の濃度で用いられることが好ましい。
【0056】
本発明における試薬キットの様態としては、例えば以下が考えられるが、これらに限定されるものではない。
キット1(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素を含有する試薬
キット2(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアーを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット3(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子キャリアーを含有する試薬
キット4(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子受容体を含有する試薬
キット5(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
キット6(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット7(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット8(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含有する試薬
キット9(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
キット10(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、生体試料の特定成分のBCAAに作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット11(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子キャリアーを含有する試薬
キット12(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子受容体を含有する試薬
キット13(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
キット14(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子受容体、LDH阻害剤を含含有する試薬
キット15(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット16(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含有する試薬
キット17(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
キット18(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット19(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアーを含有する試薬
キット20(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体を含有する試薬
キット21(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬を含有する試薬
キット22(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット23(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット24(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含む試薬を含有する試薬
キット25(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上となるように調整された緩衝剤を含む試薬
キット26(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試液
第二試薬
LDH阻害剤を含有する試薬
キット27(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水酵素を含有する試薬
第二試液
電子キャリアーを含有する試薬
キット28(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
電子受容体を含有する試薬
キット29(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬
第二試液
電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬を含有する試薬
キット30(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット31(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤、生体試料中のBCAAに作用する酵素を含有する試薬、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット32(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
第二試液
電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含む試薬を含有する試薬
キット33(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素を含有する試薬
キット34(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアーを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、LDH阻害剤を含有する試薬
キット35(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、キャリアーを含有する試薬
キット36(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体を含有する試薬
キット37(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子受容体、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤を含有する試薬を含有する試薬
キット38(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、電子キャリアー、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体、LDH阻害剤を含有する試薬
キット39(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼ、LDH阻害剤を含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子受容体、電子キャリアーを含有する試薬
キット40(第一試液と第二試液混合時のpH:pH7.5以上)
第一試液(pH6.0〜8.0)
テトラゾリウム塩、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬
第二試液
生体試料中のBCAAに作用する脱水素酵素、生体試料のBCAAの派生物に作用する脱水素酵素、電子キャリアー、LDH阻害剤、電子受容体を含む試薬を含有する試薬
【0057】
本発明の還元系色素を含む溶液は、ガラスビン、プラスチック容器等への充填の形態で提供することができるが、これらの容器を遮光することがより望ましい。
【0058】
本発明における検量線での校正方法(キャリブレーション方法)は特に限定されないが、[1]精製水あるいは、生理食塩水と、
[2]1水準以上の濃度の標準物質または、標準溶液により行うのが好ましい。
【0059】
キャリブレーション方法としては、直線法、スプライン法などいずにも限定されないが、特に直線法が好ましい。
【0060】
また、分析方法としては、以下の方法に限定されるものではないが、以下の[1]、[2]、[3]、のいずれかであることが好ましい。
[1]1ポイント法;試薬を添加し、一定時間後の吸光度を測定するエンドポイント法
[2]2ポイント法;測光ポイントを変えて2回測定し、差の吸光度を求めるエンドポイント法
[3]レート法;指定された測光ポイント間の単位時間あたりの吸光度変化を求める方法
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるものではない。
本実施例で用いる酵素としては、以下が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ロイシンデヒドロゲナーゼとしては、Bacillus SP、Bacillus stearothermophilus由来のものが、東洋紡社、ユニチカ社より入手できる。ジアホラーゼとしては、起源として、例えばClostridium SP、Bacillus stearothermophilusがあげられ、東洋紡社、ユニチカ社より入手できる。また、本発明では生体試料中のアスコルビン酸の影響を回避する目的で、アスコルビン酸オキシダーゼを含有してよく、Cucumis SPやCucuribita SP由来のものが、東洋紡社、ロシュ社、旭化成社より入手できる。
【0062】
[実施例1〜6、および、比較例1〜6]還元系色素の配置と非特異的発色による試薬ブランクの上昇度の関係(表1、図1)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した(比較例6のみ1,5−アンヒドロ−D−グルシトール(1,5−AG)測定試薬)。
【0063】
(実施例1)反応pH7.5
第一試薬(pH6.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0064】
(実施例2)反応pH7.75
第一試薬(pH6.5)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0065】
(実施例3)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0066】
(実施例4)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 25g/L
ジアホラーゼ(ユニチカ社製) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0067】
(実施例5)反応pH8.3
第一試薬(pH7.5)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0068】
(実施例6)反応pH8.5
第一試薬(pH8.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0069】
(比較例1)反応pH8.2
第一試薬(pH8.2)
Bicine緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.2)
Bicine緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
【0070】
(比較例2)反応pH7.6
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH8.2)
Bicine緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(ナカライテスク株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0071】
(比較例3)反応pH7.8
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH8.5)
Bicine緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0072】
(比較例4)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
N,N−Bis(3−D−gluconamidopropyl)cholamide(同仁化学株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
N,N−Bis(3−D−gluconamidopropyl)cholamide(同仁化学株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0073】
(比較例5)反応pH8.3
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine(同仁化学株式会社) 20g/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
第ニ試薬(pH9.5)
CHES緩衝液 150mmol/L
n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine(同仁化学株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 100U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0074】
(比較例6)反応pH8.1
第一試薬(pH6.8)
緩衝液
ADP依存性ヘキソキナーゼ 3U/mL
ジアホラーゼ 9U/mL
アデノシン−5’−二リン酸(ADP) 0.4mmol/L
酸化型NADP+ 9.2mmol/L
第ニ試薬(pH8.7)
緩衝液
AG−6−リン酸デヒドロゲナーゼ 80U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
【0075】
実施例1〜6、比較例1〜5のBCAA測定用試薬および、比較例6の1,5AG測定試薬を35℃、7日間保存し、調製直後の各試薬との試薬ブランクの差を検討した。
【0076】
実施例1〜6、比較例1〜5のBCAA測定試薬、比較例6の1,5AG試薬の調製直後および35℃、7日間保存した試薬、各々について、下記の測定法にて試料として精製水を繰返しn=3で測定し、その平均値より試薬ブランクを求めた。
【0077】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μL(比較例6のみ2.0μL)に第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、実施例1〜6および比較例1〜6試薬全て主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0078】
【表1】
【0079】
還元系色素の配置と非特異的発色による試薬ブランクの上昇度の関係を、表1および図1に示す。
還元系色素が第一試液に含まれる実施例1〜6では試薬ブランクの上昇が18mABS以下であったのに対し、還元系色素が第二試液に含まれる比較例1〜6では40mABS以上であった。(特に、実施例3と比較例4では、第一試液、第二試液のpHが同じ条件で比較している。)
【0080】
[実施例7〜14、および、比較例7、8]第一試薬と第二試薬の混合時のpHと感度の関係(表2、図2)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
【0081】
(実施例7)反応pH7.5
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0082】
(実施例8)反応pH7.6
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.5)
TAPS緩衝液 160mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0083】
(実施例9)反応pH7.75
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 160mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0084】
(実施例10)反応pH7.9
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 25g/L
ジアホラーゼ(ユニチカ社製) 10U/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 154mmol/L
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0085】
(実施例11)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0086】
(実施例12)反応pH8.5
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)5g/L
1−M−PMS 0.1μmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.5)
CHES緩衝液 141mmol/L
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ナカライテスク株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0087】
(実施例13)反応pH9.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH10.0)
CAPSO緩衝液 133mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0088】
(実施例14)反応pH9.5
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH10.0)
CAPSO緩衝液 118mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0089】
(比較例7)反応pH7.25
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH7.5)
TES緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0090】
(比較例8)反応pH7.4
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(ロシュ社製) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社製DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスル
ホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH8.0)
TAPS緩衝液 154mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0091】
実施例7〜14、比較例7、8のBCAA測定用試薬について、試料として標準液と精製水を下記の測定法にて各々繰返しn=2で測定し、その平均値より各試薬の標準液の感度を以下の式より算出した。なお、標準液には、L−イソロイシン溶液(500μmol/L)を用いた。
標準液の感度(mABS)=標準液の吸光度(mABS)−試薬ブランクの吸光度(mABS)
【0092】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、実施例7〜14および、比較例6、7試薬全て主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0093】
【表2】
【0094】
第一試薬と第二試薬の混合時のpHと感度の関係を表2および図2に示す。
第一試薬と第二試薬の混合時のpHが7.5以上である実施例7〜14では、感度が150mABS以上であったのに対し、第一試薬と第二試薬の混合時のpHが7.5未満である比較例7、8では感度が140mABS程度以下であった。
また、第一試薬と第二試薬の混合時のpHが7.5を越えて高くなるにつれて、感度がより高くなった。
【0095】
【表3】
【0096】
次に、「還元系色素の配置」と「第一試薬と第二試薬の混合時のpH」の組合せに対し、非特異的発色による試薬ブランクの上昇度、感度がどのような値を示すかについて、表3にまとめた。
表3における実施例1〜6および比較例1〜6は、表1のそれと同じである。
表3にはさらに、上記結果から求められる、感度に対する試薬ブランク上昇度の数値を記載した。
【0097】
[還元系色素の配置について]
本発明において、ノンキャリブレーション測定での高精度かつ安定な測定を実現するためには、保存によるブランク上昇度が、感度に対して10%以内であることが好ましい。
表3からわかるように、還元系色素が第一試液に配置されている実施例1〜6では、保存によるブランク上昇度が感度に対して10%以内であるのに対し、還元系色素が第二試液に配置されている比較例1〜6では、感度に対する保存ブランクの上昇度が18〜72%と高い。比較例1〜6に代表される様に、35℃・7日間の保存において、保存ブランクの上昇度が感度に対して10%を上回る試薬組成においては、ノンキャリブレーション測定においても35℃・7日保存と同様に経日的にブランク上昇が起こり、保存ブランクの上昇度が許容できなくなる。
【0098】
[第一試薬と第二試薬の混合時のpHについて]
第一試薬と第二試薬の混合時のpHについては、表2および図2のところで述べたように、pHが7.5を越えて高くなるにつれて、感度がより高くなった。
一方、データの記載はしていないが、反応pHがpH7.5以下、特にpH7.0以下である場合には、還元系色素の感度が下がり、かつ本発明で用いられるロイシンデヒドロゲナーゼの酵素活性が低下し、本発明における(式(3))で表される反応が遅くなる。そのため、測定の安定性、高精度性が損なわれる。
【0099】
他方、生体試料中には、乳酸またはピルビン酸が含まれているが、さらに乳酸デヒドロゲナーゼが含まれる場合は、式(4)で表される反応が起こる。特に、pH8.5〜9.0では乳酸からピルビン酸への反応(以下、L→P反応)、pH7〜8ではピルビン酸から乳酸への反応(以下、P→L反応)が促進される。特に、L→P反応が、本発明の(式(3))で表される酸化還元反応と競合する。そのため、ロイシンデヒドロゲナーゼの反応性を高め、乳酸デヒドロゲナーゼの反応性を抑制することが重要になる。本発明においては、反応pHがpH7.5以上、好ましくはpH8.0以上で乳酸デヒドロゲナーゼの競合反応を抑制し、本発明の酸化還元反応を高めることができることを確認している。
【0100】
【数2】
[式(4)]
【0101】
さらに、本発明で電子キャリアーとして好適に用いられるジアホラーゼの活性を考慮した場合、反応pHがpH10以上では著しくジアホラーゼの活性が低下する。
よって、第一試液と第二試液の混合時のpH、つまり反応時のpHとしては、pH7.5以上、より好ましくは、pH7.5〜pH10.0、さらに好ましくはpH7.5〜pH9.5、さらに好ましくは、pH8.0〜9.5であることが好ましい。
【0102】
【表4】
【0103】
さらに、「還元系色素が配置される第一試液のpH」と「第一試薬と第二試薬の混合時のpH」の組合せに対し、非特異的発色による試薬ブランクの上昇の程度、測定感度、および、ノンキャリブレーション測定での高精度かつ安定な測定が可能かどうかについて、表4にまとめた。
【0104】
表4より、還元系色素を含有する第一試液のpHがpH6.0〜8.0であり、さらに第一試液とロイシンデヒドロゲナーゼを含有する第二試液の混合時のpHがpH7.5以上にすることにより、液状での長期安定性、および高精度測定を両立することが可能となることがわかる。
【0105】
この高精度かつ安定な測定を実現するためには、感度を上げる目的で反応時のpHをpH7.5以上に設定する必要があるが、還元系色素を含む第一試液のpHがpH6.0未満の場合、保存によるブランク上昇は良好であるものの、反応時の感度をpH7.5以上とするために、還元系色素を含有しない試液のpHをpH10〜11のように高く設定するか、もしくは、pH8〜10に設定した場合、緩衝剤濃度を高める必要がある。前者については、含有する酵素の液状での長期保存安定性を下げる可能性があり、また、後者については、イオン強度が増すため、同様に酵素の安定性、反応性を下げる可能性がある。
また、pH5.5未満では、緩衝能のすぐれたグッドバッファーが存在しないため、長期保存における酵素、色素の安定性が問題となる。
また、本発明で好適に用いられる電子キャリアーとしてジアホラーゼがあるが、該酵素を還元系色素を含有する試液中に保存する場合、pH6.0未満では、著しく保存安定性が低下する。また、本発明において、生体試料中のアスコルビン酸の影響を回避する目的で好適に用いられるアスコルビン酸オキシダーゼは、還元系色素を含有する第一試液に添加することが好適であるが、pH6.0未満においては、液状での保存安定性が著しく低下する。
よって、本発明において、還元系色素の非特異的発色による試薬ブランクの上昇を抑制するためには、還元系色素を含有する第一試薬のpHがpH5.5〜8.0、好ましくは、pH6.0〜8.0であることが好ましい。
【0106】
また、還元系色素の添加位置について、第二試液に配置した場合も第一試液に添加した場合と同様に、第二試液のpHをpH8.0以下にすれば、還元系色素の非特異的発色によるブランク上昇は抑制されるものの、反応pHをpH7.5以上とするために、第一試液のpHを中性以上に設定する必要がある。この場合、第一試液中に含まれるアスコルビン酸オキシダーゼやジアホラーゼの長期保存安定性が低下する。また、第二試液のpHをpH8.0以下とすることで、第二試液中のロイシンデヒドロゲナーゼの長期保存安定性の低下や、活性低下が見られるため、還元系色素を第二試液に含有させることは好ましくない。
【0107】
以上より、本発明を達成するためには、還元系色素を第一試液に含有し、かつ第一試液のpHがpHがpH5.5〜8.0、好ましくは、pH6.0〜8.0であることが必須である。
【0108】
[実施例15、および、比較例9、10]試薬を長期保存した際の試薬ブランクの上昇について(表5、図3)(後述の実施例16、および、比較例11、12と、それぞれ同じ組成の試薬を使用して検討)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
(実施例15)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0109】
(比較例9)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
【0110】
(比較例10)ダイヤカラー・BTR 総分岐鎖アミノ酸測定試薬(凍結乾燥品)
[1]酵素試薬BR1
1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェイト
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
[2]酵素溶解液BR1
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)
[3]酵素試薬BR2
ロイシンデヒドロゲナーゼ
[4]酵素溶解液BR2
3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロミド
第一試薬:[1]を[2]で溶解した試液(pH7.5)
第二試薬:[3]を[4]で溶解した試薬
【0111】
実施例15、比較例9、10のBCAA測定用試薬をH7180型自動分析機の試薬テーブル(10℃以下)にて、10週間(71日間)開封保存し、保存1日目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目、6週間目、8週間目、10週間目に、下記の測定法にて試料として精製水を繰返しn=3測定し、n=3測定の平均値より試薬ブランクを求めた。
【0112】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μL(比較例10は1.7μL)に第一試薬を120μL添加し、37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL(比較例10は30μL)添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法を用い、測定波長は、実施例15および比較例9の両試薬については、主波長450nmにおける吸光度を、比較例10は主波長570nmにおける吸光度を測定した。
【0113】
【表5】
【0114】
試薬を長期保存した際の試薬ブランクの上昇について、結果を表5および図3に示す。
比較例9、10は経時的に非特異的発色による試薬ブランクの上昇が見られ、10週間目の段階で、非特異的発色による試薬ブランク上昇度は、スタート時と比較し比較例9では98.9mABS、比較例10では20.1mABSであるのに対し、実施例15は経時的な非特定的発色は見られず、10週間目の段階での非特異的発色による試薬ブランク上昇度もスタート時と比較し3.6mABS程度と良好であり、本法の有用性が示された。
【0115】
[実施例16、および、比較例11、12]試薬を長期保存した際のノンキャリブレーション測定における測定値の精密性と安定性について(表6、図4〜6)(前述の実施例15、および、比較例9、10と、それぞれ同じ組成の試薬を使用して検討)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
なお、実施例15と16、比較例9と11、比較例10と12は同じ試薬である。
(実施例16)
第一試薬(pH7.0)反応pH8.0
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0116】
(比較例11)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
【0117】
(比較例12)ダイヤカラー・BTR 総分岐鎖アミノ酸測定試薬(凍結乾燥品)
[1]酵素試薬BR1
1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェイト
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
[2]酵素溶解液BR1
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)
[3]酵素試薬BR2
ロイシンデヒドロゲナーゼ
[4]酵素溶解液BR2
3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロミド
第一試薬:[1]を[2]で溶解した試液(pH7.5)
第二試薬:[3]を[4]で溶解した試薬
【0118】
実施例16、比較例11および12のBCAA測定用試薬をH7180型自動分析機の試薬テーブル(10℃以下)にて、10週間(71日間)開封保存し、保存1日目、1週間目、2週間目、3週間目、4週間目、6週間目、8週間目、10週間目に、下記の測定法にて試料として液状ネスコールN、液状ネスコールA(アルフレッサファーマ社)、QAPトロールIIX(シスメックス社)を繰返しn=5で測定した。
【0119】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μL(比較例12は1.7μL)に第一試薬を120μL添加し、37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL(比較例12は30μL)添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法を用い、測定波長は、実施例16および比較例11の両試薬については、主波長450nmにおける吸光度を、比較例12は主波長570nmにおける吸光度を測定した。
【0120】
また測定は、一日目測定のみ下記方法にてキャリブレーションを行い、その後の測定はキャリブレーションなしのいわゆるノンキャリブレーション測定法にて、上記方法で液状ネスコールN、液状ネスコールA(アルフレッサファーマ社)、QAPトロールIIX(シスメックス社)を各々繰返しn=5で測定した。結果はn=5測定の平均値を示したものである。
【0121】
(キャリブレーション法)
精製水、500μmol/L L−イソロイシン水溶液を2重測定し、500μmol/L L−イソロイシン水溶液測定吸光度から精製水測定吸光度を差引いた吸光度(感度)を算出し、補正を行った。
【0122】
【表6】
【0123】
試薬を長期保存した際の測定値の精密性について、結果を表6および図4、5、6に示す。
比較例11は還元系色素の経日的な非特異的発色の影響により、血清測定値が上昇していく。一方、凍結乾燥品である比較例12については、4週目までは、還元系色素の経日的な非特異的発色の影響により血清測定値が上昇し、その後、酵素の保存安定性が低下するため、血清測定値が低下する。
実施例16については経時的な血清値の変動は見られず、ノンキャリブレーションでの高精度かつ長期安定な測定が可能であることを示している。
【0124】
その他、実施例および比較例としてデータの記載はしないが、還元系色素を含有する第一試液のpHがpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上である条件においては、実施例16同様の結果が得られ、本発明におけるノンキャリブレーションでの高精度かつ安定な測定が可能であった。
【0125】
[実施例17〜34、および、比較例13]界面活性剤添加による、還元系色素に及ぼす生体試料中のタンパク質の影響回避について(表7〜9、図7〜9 )
(実施例17)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0126】
(実施例18)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 5g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0127】
(実施例19)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0128】
(実施例20)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0129】
(実施例21)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0130】
(実施例22)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)30g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0131】
(実施例23)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0132】
(実施例24)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 5g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0133】
(実施例25)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0134】
(実施例26)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0135】
(実施例27)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0136】
(実施例28)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)30g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0137】
(実施例29)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0138】
(実施例30)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 5g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0139】
(実施例31)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 10g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0140】
(実施例32)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)15g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0141】
(実施例33)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0142】
(実施例34)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社)30g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社) 1g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
【0143】
(比較例13)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 1U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm)0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社) 1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0144】
実施例17〜34、比較例13のBCAA測定用試薬を、下記の測定法にて試料としてQAPトロールIIX(シスメックス社)を繰返しn=5で測定した。
【0145】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、実施例17〜34および比較例13の何れの試薬とも主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0146】
【表7】
【0147】
【表8】
【0148】
【表9】
【0149】
結果を表7〜9および図7〜9に示す。同様の試料を市販のダイヤカラーBTRのBCAA測定試薬(総分岐鎖アミノ酸測定試薬)にて測定した値を真値とした。なお、ダイヤカラーBTR試薬は製造承認を受けており、測定に関しては、HPLC法との相関性についても良好である。
結果より、テトラゾリウム塩を含有する試薬に界面活性剤を添加しない場合(比較例13)においては、真値に対して測定値が低値化するのに対して、テトラゾリウム塩を含有する試薬に界面活性剤を含有する試薬(実施例17〜34)では、真値に対し、良好な測定値であった。測定値の低下は、還元系色素と試料中のアルブミン等のタンパク質との作用により還元系色素の発色吸光度が低下することに起因している。実施例17〜34に示したように、ホルマザン色素と試料中のアルブミン等の蛋白質の作用による吸光度の低下を抑制するために、本発明においては、還元系色素を含む試薬に界面活性剤を0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上含有させることが好ましい。
【0150】
また、界面活性剤の種類としては、特に限定されないが、濃度としては、同配置中の酵素の安定性を考慮し、上限5.0重量%さらに好ましくは、3.0%であることがより好ましい。
したがって、還元系色素への生体試料中の蛋白質の作用による吸光度低下を抑制するために、還元系色素を含有する試液への界面活性剤の添加濃度としては、0.1〜5.0重量%、好ましくは、0.1〜3.0重量%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%、さらに好ましくは1.0〜3.0重量%であることが好ましい。
【0151】
[実施例35] アスコルビン酸の影響回避(表10、図10)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
(実施例35)反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0152】
実施例35のBCAA測定用試薬を、下記の測定法にて以下の試料を繰返しn=2で測定した。
【0153】
(試料)
QAPトロールIIX(シスメックス社):L−イソロイシン溶液(5000μmol/L)=9:1の混合溶液に、アスコルビン酸を試料中に終濃度0mg/dL、20mg/dL、40mg/dL、60mg/dL、80mg/dL、100mg/dLとなるように添加した試料。
【0154】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0155】
(濃度換算)
試料中のL−イソロイシン濃度を以下のキャリブレーション法の結果より算出した。
試料中のイソロイシン濃度(μmol/L)=(試料の測定吸光度)/(500μmol/L L−イソロイシン水溶液の測定吸光度)×(500μmol/L)
【0156】
(キャリブレーション法)
精製水、500μmol/L L−イソロイシン水溶液を2重測定し、500μmol/L L−イソロイシン水溶液測定吸光度から精製水測定吸光度を差引いた吸光度(感度)を算出し、補正を行った。
【0157】
【表10】
【0158】
結果を表10および図10に示す。実施例35において、試料中のアスコルビン酸の影響を回避することが可能であることを示している。データには示していないが、アスコルビン酸オキシダーゼおよび還元系色素を含有する第一試液のpHをpH6.0〜8.0かつ、反応時のpHがpH7.5以上である試薬においては、同様の結果が得られた。
【0159】
本発明においては、アスコルビン酸オキシダーゼは、還元系色素と同様に第一試液に配置して用いる。さらに、第一試液のpHをpH5.5〜8.0、好ましくは、pH6.0〜8.0にすることで、還元系試薬の非特異的発色を抑制するのみならず、アスコルビン酸の試液中での保存安定性も保つことが可能である。
【0160】
[実施例36] 乳酸デヒドロゲナーゼの影響回避(表11、図11)
下記組成からなる総分岐鎖アミノ酸(以下BCAA)測定試薬を調製した。
(実施例36)
反応pH8.0
第一試薬(pH7.0)
PIPES緩衝液 50mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)20g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ(東洋紡社製ASO−311) 5U/mL
酸化型NAD 10mmol/L
ジアホラーゼ(東洋紡社性DAD−301) 10U/mL
オキサミド酸ナトリウム 10mM
2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム塩(λmax=438nm) 0.5mmol/L
第ニ試薬(pH9.0)
TAPS緩衝液 150mmol/L
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社)1g/L
ロイシンデヒドロゲナーゼ(東洋紡社製LED−201) 70U/mL
【0161】
実施例36のBCAA測定用試薬を、下記の測定法にて以下の試料を繰返しn=2で測定した。
【0162】
(試料)
L−イソロイシン(500μmol/L)と乳酸(20mM)を含む混合溶液に、乳酸デヒドロゲナーゼを試料中に終濃度0u/L、2000u/L、4000u/L、6000u/L、8000u/L、10000u/Lとなるように添加した試料。
【0163】
(測定法)
日立7180形自動分析機を用いた。試料1.8μLに第一試薬 120μL添加し37℃にて5分間インキュベーションし第一反応とした。その後第二試薬を40μL添加し5分間インキュベーションし第二反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2ポイントエンド法で測定波長は、主波長450nmにおける吸光度を測定した。
【0164】
(濃度換算)
試料中のL−イソロイシン濃度を以下のキャリブレーション法の結果より算出した。
試料中のイソロイシン濃度(μmol/L)=(試料の測定吸光度)/(500μmol/L L−イソロイシン水溶液の測定吸光度)×(500μmol/L)
【0165】
(キャリブレーション法)
精製水、500μmol/L L−イソロイシン水溶液を2重測定し、500μmol/L L−イソロイシン水溶液測定吸光度から精製水測定吸光度を差引いた吸光度(感度)を算出し、補正を行った。
【0166】
【表11】
【0167】
結果を表11および図11に示す。酸化還元反応を用いる測定系では、特に試料中の乳酸デヒドロゲナーゼの乳酸からピルビン酸への触媒反応、または、ピルビン酸から乳酸への触媒反応が測定に影響を与えることが問題となっている。実施例36において、乳酸デヒドロゲナーゼの阻害剤であるオキサミド酸ナトリウムを添加することにより、試料中の乳酸デヒドロゲナーゼの影響を回避することが可能であることを示している。
【0168】
また、データには示していないが、還元系色素を含有する第一試液のpHをpH6.0〜8.0かつ、反応時のpHがpH7.5以上である試薬においては、同様の結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明の、総分岐鎖アミノ酸測定用液状試薬は、体外診断用医薬品などの用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】還元系色素を含有する試薬pHと試薬ブランクの関係を示す(実施例1〜6、比較例1〜5)。縦軸は35℃、7日間保存後の調製直後試薬と比較した試薬ブランク上昇度(mABS;ミリ吸光度)を示す。横軸は各実施例、比較例における還元系色素を含有する試薬のpHを示す。
【図2】試薬の反応pHと感度の関係を示す(実施例7〜14、比較例6、7)。縦軸に標準液の測定感度(mABS;ミリ吸光度)を示す。
【図3】実施例15と比較例9、10の経時的な試薬ブランク上昇度を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。縦軸は試薬ブランクを示し、mABSは、ミリ吸光度を示す。
【図4】実施例16のノンキャリブレーション測定での各血清測定値の経時的な変動を示す。縦軸は血清中の総分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度(μmol/L)を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。
【図5】比較例11のノンキャリブレーション測定での各血清測定値の経時的な変動を示す。縦軸は血清中の総分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度(μmol/L)を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。
【図6】比較例12のノンキャリブレーション測定での各血清測定値の経時的な変動を示す。縦軸は血清中の総分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度(μmol/L)を示す。横軸は経過日数であり、図中Wはweek(週)を示す。
【図7】界面活性剤添加濃度と真値に対する測定値の関係を示す(実施例17〜22、比較例13)。縦軸は生体試料中のBCAA濃度(μmol/L)に対する測定値(μmol/L)を示す(%)。横軸は界面活性剤添加濃度を示す。
【図8】界面活性剤添加濃度と真値に対する測定値の関係を示す(実施例23〜28、比較例13)。縦軸は生体試料中のBCAA濃度(μmol/L)に対する測定値(μmol/L)を示す(%)。横軸は界面活性剤添加濃度を示す。
【図9】界面活性剤添加濃度と真値に対する測定値の関係を示す(実施例29〜34、比較例13)。縦軸は生体試料中のBCAA濃度(μmol/L)に対する測定値(μmol/L)を示す(%)。横軸は界面活性剤添加濃度を示す。
【図10】実施例35の試料中のアスコルビン酸の影響を示す。縦軸はL−イソロイシンの試料中の濃度を、横軸はアスコルビン酸の試料への添加濃度を示す。
【図11】実施例36の試料中の乳酸デヒドロゲナーゼの影響を示す。縦軸はL−イソロイシンの試料中の濃度を、横軸は乳酸デヒドロゲナーゼの試料への添加濃度を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元型色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなることを特徴とする総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項2】
第一試液がpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上であることを特徴とする、請求項1記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項3】
還元系色素が、一般式(1)で表される還元系色素である、請求項1または2に記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【化1】
[一般式(1)]
(式中、R1は水素、ニトロ基、または、メトキシ基、R2は水素またはニトロ基、R3はハロゲン、ニトロ基または、以下の式(2)で表されるアゾ化合物、R4は水素またはスルホ基、R5は水素または、スルホ基、R6は水素、ニトロ基、またはスルホ基、R7は水素または、スルホ基を示す。)
【化2】
[式(2)]
【請求項4】
還元系色素を含む第一試液に、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項5】
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項6】
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体およびアスコルビン酸オキシダーゼを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項1】
還元型色素を主成分とする第一試液と、ロイシンデヒドロゲナーゼを主成分とする第二試液とからなることを特徴とする総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項2】
第一試液がpH6.0〜8.0かつ、第一試液と第二試液の混合時のpHがpH7.5以上であることを特徴とする、請求項1記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項3】
還元系色素が、一般式(1)で表される還元系色素である、請求項1または2に記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【化1】
[一般式(1)]
(式中、R1は水素、ニトロ基、または、メトキシ基、R2は水素またはニトロ基、R3はハロゲン、ニトロ基または、以下の式(2)で表されるアゾ化合物、R4は水素またはスルホ基、R5は水素または、スルホ基、R6は水素、ニトロ基、またはスルホ基、R7は水素または、スルホ基を示す。)
【化2】
[式(2)]
【請求項4】
還元系色素を含む第一試液に、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項5】
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【請求項6】
還元系色素を含む第一試液に、電子受容体およびアスコルビン酸オキシダーゼを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の総分岐鎖アミノ酸測定用試薬。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−72137(P2009−72137A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245047(P2007−245047)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【特許番号】特許第4200467号(P4200467)
【特許公報発行日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【特許番号】特許第4200467号(P4200467)
【特許公報発行日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】
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