説明

緑化及び雑草抑制のための施工用パネルと、緑化及び雑草抑制のための施工方法

【課題】雑草の生育を好適に抑制することができ、且つ緑化される箇所の景観を損ねることがなく、また緑化される箇所を維持管理する際の費用を低減することのできるとともに、施工を簡易に行うことができる緑化及び雑草抑制のための施工用パネルと、緑化及び雑草抑制のための施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】植物を植栽するための植栽用孔がパネル本体に穿設され、且つ水を貯留することができるとともに、水不溶性の雑草抑制用充填材を充填することができる貯水充填部が前記パネル本体に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化及び雑草抑制のための施工用パネルと、緑化及び雑草抑制のための施工方法、さらに詳しくは、公園、歩道、道路、博覧会場、駐車場、プラザ、広場、公開空地等の種々の場所において、緑化された地域を維持管理するとともに、雑草の生育を抑制するための、緑化及び雑草抑制のための施工用パネルと、緑化及び雑草抑制のための施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市緑化等の要請が高まり、それに応じて種々の場所、たとえば、公園、歩道、道路、博覧会場、駐車場、プラザ、広場、公開空地等の場所で、緑化の施工が行われている。このような緑化が行われた地域や施設においては、植栽された植物の生育状態を維持するとともに、雑草の生育を抑制する等の維持管理を行う必要がある。
【0003】
ところで、少子高齢化に伴い、公共財源不足が急速に進むことが予測される今後の公共事業において、施設の維持管理をいかに低減していくかは重要な課題であり、公共事業の緑化工事にもそのような課題が要求される。公共事業の緑化工事は、主に街路樹等の道路植栽や公園植栽、港湾植栽、河川植栽等、メンテナンスをかけることができない緑化の形態のものが多く存在している。特に地被植栽や低木植栽では、雑草等が侵入し易く、メンテナンスが省力化される環境の下では景観が著しく低下し、植栽種の衰退が多く見受けられる。
【0004】
従って、上述のような緑化工事がなされた地域や施設であって、メンテナンスが省力化される施設等においては、雑草の生育を抑制することが、施設の維持管理の1つの手段となる。日本の気候は温暖で湿潤なため、雑草の繁茂量は非常に多い。従来、このような雑草の抑制手段としては、いわゆるマルチングシートを用いる方法、いわゆるマルチバーク材を用いる方法、固化土壌材を用いる方法等が採用されている。
【0005】
マルチングシートを用いる方法は、植物繊維や合成樹脂等で構成されたいわゆるマルチングシートと称されるシートを所望の場所に敷設することによって雑草の生育を抑制する方法であり、このような技術としてたとえば下記特許文献1や特許文献2のような出願がなされている。またマルチバーク材を用いる方法は、バークと称される繊維状の樹皮をいわゆるマルチング材として用いることによって雑草の生育を抑制する方法であり、このようにバークをマルチング材として用いることにより雑草の生育を抑制することは、たとえば下記特許文献3の明細書の段落[0002]や段落[0003]に記載され、また特許文献4の明細書の段落[0010]や段落[0013]に記載されている。さらに、土壌固化材を用いて雑草の生育を抑制する方法としては、たとえば下記特許文献5のような特許出願がなされている。
【0006】
しかしながら、マルチングシート材を用いる方法では、ある程度の雑草抑制効果が認められるものの、シートに切目や隙間が発生した場合には、その切目や隙間から雑草が生育するおそれがあり、雑草の生育抑制には限界がある。またマルチングシート材によって植栽される場所を覆うことになるので、緑化されるべき箇所の景観が損なわれることとなる。一方、マルチバーク材を用いる方法では、マルチングシート材を用いる方法に比べると景観は幾分良好となるが、その景観はあくまで土壌的なもので、緑化されている状態の景観を維持しているわけではない。その反面、マルチバーク材を用いる方法ではマルチングシート材を用いる方法に比べると、雑草抑制効果の持続時間が短いという欠点がある。
【0007】
さらに、土壌固化材を用いる方法では、ある程度の雑草抑制効果が認められるものの、土壌にクラックが発生するおそれがあり、そのクラックから雑草が生育するおそれがあり、この場合も雑草の生育抑制には限界がある。しかも、この方法では土を舗装するような外観となり、マルチバーク材を用いる方法に比べても景観は損なわれることとなる。
【0008】
【特許文献1】特開平7−184483号公報
【特許文献2】特開2004−49132号公報
【特許文献3】特開2001−86880号公報
【特許文献4】特開2001−204274号公報
【特許文献5】特開2005−230005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、雑草の生育を好適に抑制することができ、且つ緑化される箇所の景観を損ねることがなく、また緑化される箇所を維持管理する際の費用を低減することのできるとともに、施工を簡易に行うことができる緑化及び雑草抑制のための施工用パネルと、緑化及び雑草抑制のための施工方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような課題を解決するために、緑化及び雑草抑制のための施工用パネルと、緑化及び雑草抑制のための施工方法としてなされたもので、施工用パネルとしての特徴は、植物を植栽するための植栽用孔がパネル本体に穿設され、且つ水を貯留することができるとともに、水不溶性の雑草抑制用充填材を充填することができる貯水充填部が前記パネル本体に形成されていることである。
【0011】
パネル本体は、たとえば不透水性素材で構成される。また、パネル本体の貯水充填部は、たとえばパネル本体の底板と、該底板に周縁部に立設された側壁と、植栽用孔の周縁部に立設された植栽用壁とで構成される。さらにパネル本体には、そのパネル本体が複数個配置される際、隣接するパネル本体と連結するための連結部が形成されることが望ましい。尚、雑草抑制用充填材としては、たとえば砂利のようなものが用いられる。
【0012】
さらに緑化及び雑草抑制のための施工方法の特徴は、パネル本体の植栽用孔に植物を植栽し、該パネル本体の貯水充填部に水不溶性の雑草抑制用充填材を充填するとともに水を貯留することである。この施工方法において、複数個のパネル本体を、隣接するパネル本体間で相互に連結することによって設置することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の施工用パネルは、上述のように、植物を植栽するための植栽用孔がパネル本体に穿設され、且つ水を貯留することができるとともに、水不溶性の雑草抑制用充填材を充填することができる貯水充填部がパネル本体に形成されて構成されたものであるため、このような施工用パネルを緑化すべき箇所に設置し、パネル本体に穿設された植栽用孔に植栽すべき植物を挿入して設置することで、このような施工用パネルが設置された箇所が好適に緑化されることとなる。
【0014】
その一方で、貯水充填部に水不溶性の雑草抑制用充填材を充填することで、上記植栽用孔に挿入されて植栽された植物の周辺部における雑草の生育を好適に抑制することができる。また都市部では乾燥に適応した雑草が多く繁茂しているが、上記貯水充填部に水を供給して貯留することで、その貯水充填部内がいわゆる湿地状態となり、それによって上記のような乾燥に適応した雑草の生育を抑制することができる。従って、このような貯水充填部への雑草抑制用充填材の充填や貯水によって雑草の生育を好適に抑制することができるので、緑化箇所での維持管理を容易に行えるという効果がある。特に、パネル本体を設置することによっても、その設置されたパネル本体の部分によって、植物が植栽される植栽用孔の周辺部における雑草の生育が抑制されるので、雑草抑制用充填材とパネル本体との相乗効果により雑草抑制効果が一層良好となる。
【0015】
また貯水充填部に充填される雑草抑制用充填材として、着色されたようなものを用いることができるので、貯水充填部に充填される雑草抑制用充填材によって、緑化箇所における緑色による美観のみならず、種々の色によって装飾性や意匠性を一般の緑化の施工箇所に比べて著しく向上させることができ、それによって緑化箇所の景観を
著しく良好なものとすることができるという効果がある。
【0016】
さらに、パネル本体を不透水性素材で構成した場合には、貯水機能がより良好となり、その分、メンテナンスの維持管理等が一層容易となる利点がある。またパネル本体の劣化も好適に防止される。さらに、パネル本体の貯水充填部を、パネル本体の底板と、該底板に周縁部に立設された側壁と、植栽用孔の周縁部に立設された植栽用壁とで構成した場合には、簡単な構成で貯水機能や雑草抑制用充填材を充填する機能を付与することができる。
【0017】
さらに、隣接するパネル本体と連結するための連結部をパネル本体に形成し、そのように形成されたパネルを複数個配置し、隣接するパネル間で相互に連結した場合には、隙間等を生じさせることなく複数のパネルを所定の箇所に設置することができ、しかも、複数のパネルの一体化作業を簡易に行なうことができ、作業性が向上するという効果がある。特に、このように複数のパネルを連結して施工する場合には、異なるパネルにそれぞれ異なる色の雑草抑制用充填材を充填するようなことも可能となり、装飾性、意匠性を一層向上させることができるという効果がある。
【0018】
さらに雑草抑制用充填材として砂利を用いる場合には、雑草抑制用充填材の入手を容易に行えるので、施工も簡易化され、コストも一層低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
本実施形態の緑化及び雑草抑制のための施工用パネルは、図1乃至図4に示すように、パネル本体1と、該パネル本体1を設置箇所に固定するためのアンカーピン2とを具備して構成されたものである。
【0020】
パネル本体1は、図1乃至図3に示すように平面略長方形状に形成されており、たとえば金属や合成樹脂等の不透水性の素材で構成されている。金属としては、ステンレス、鉄、アルミニウム等の任意のものを用いることができる。また合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、発泡ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリエステル等の任意のものを用いることができる。
【0021】
パネル本体1は、底板3と、該底板3の周縁部に立設された側壁4とを具備して構成されており、前記底板3には、植物を植栽するための円形の植栽用孔5が4箇所に穿設されている。そして、該植栽用孔5の周縁部には、植栽用壁6が立設されている。
そして、このような底板3と、側壁4と、植栽用壁6とによって、後述する雑草抑制用充填材を充填することができ且つ水を貯留することができる貯水充填部9が形成されることとなる。
【0022】
パネル本体1の4辺の周縁部に立設された側壁4のうち、隣接する長辺と短辺の2辺の周縁部に立設された側壁4には、その頂部から外側且つ下向きに屈曲した係止片7が形成されている。この係止片7は、複数のパネル本体1が連結される際に、隣接するパネル本体1の側壁4に係止されるものである。前記2辺の係止片7、7のうち、長辺側の係止片7の略中央には切欠き8が形成されている。
【0023】
アンカーピン2は、図4に示すように頭部2aが逆U字状に屈曲して形成されており、先端部2bは地中に打ち込むことができるように先鋭に形成されている。アンカーピン2は、全体が異形鉄筋で構成されている。
【0024】
次に、このような構成からなる緑化及び雑草抑制のための施工用パネルを用いた、緑化及び雑草抑制のための施工方法について説明する。
【0025】
先ず、上記図1乃至図3に示すような構成からなるパネル本体1を4個準備し、図5に示すように、その4個のパネル本体1を連結して所定の箇所に設置する。より具体的には、図6に示すように1個のパネル本体1の係止片7を隣接するパネル本体1の側壁4に係止させることによって相互に隣接する2個のパネル本体1、1が連結され、このような係止片7を側壁4に係止させる作業を計4個のすべてのパネル本体1について行うことによって、4個のパネル本体1のすべてが、隣接するパネル本体1との間で連結されることとなる。
【0026】
次に、上述のように4個のパネル本体1が連結された状態において、その4個のパネル本体1の計16個の植栽用孔5のうち、4角コーナー部における植栽用孔5の位置、つまり4個のパネル本体1のうち両外側に配置されたパネル本体1の外側の植栽用孔5の2個ずつの位置における植栽用壁6に、図7に示すようにアンカーピン2が係止される。
【0027】
より具体的には、図8に示すように、アンカーピン2の頭部2aの部分が植栽用壁6に係止され、且つそのアンカーピン2の先端部2bが図8のように地中に打ち込まれる。この場合において、植栽用壁6の外側にはパネル本体1の底板3が存在するが、
植栽用壁6の内側には植栽用孔5が穿設されているので、その植栽用孔5の部分においてアンカーピン2の先端部2bを好適に打ち込むことができるのである。
【0028】
このようにアンカーピン2の頭部2aを植栽用壁6に係止させ、アンカーピン2の先端部2bを地中に打ち込むことによって、連結して設置された計4個のパネル本体1が不用意に移動するのを好適に防止することができる。特に、4個のアンカーピン2は、上述のように4個のパネル本体1の計16個の植栽用孔5のうち、4角コーナー部における植栽用孔5の周縁部の植栽用壁6に係止されているので、非常に安定した状態でパネル本体1を固定することができ、計4個のパネル本体1の不用意な移動を確実に阻止することができるのである。
【0029】
次に、上述のように4本のアンカーピン2で計4個のパネル本体1を固定した後、図9及び図10に示すように計16個の植栽用孔5に植物10を挿入して設置する。より具体的には、図10に示すようなポット11に植栽された植物10を、そのポット11の部分を土中に埋設するとともに、植物10の部分を植栽用孔5に挿入させることによって、図9及び図10に示すように計16個の植物10の部分がパネル本体1の表面側に裸出されることとなる。
【0030】
次に、図11に示すように、パネル本体1の貯水充填部9内に、多数の雑草抑制用充填材12を充填する。雑草抑制用充填材12としては、本実施形態では砂利が用いられる。この雑草抑制用充填材12は、同図に示すように、貯水充填部9内にほぼ充満状態となるように充填する。この場合、雑草抑制用充填材12が貯水充填部9から溢れることのないように、充填される雑草抑制用充填材12の表面はパネル本体1の側壁4の上端よりも下側に位置させる必要があるが、植栽用壁6の上端よりも上側に位置するように雑草抑制用充填材12を充填することが望ましい。
【0031】
このように雑草抑制用充填材12の表面が植栽用壁6の上端よりも上側に位置するように雑草抑制用充填材12を貯水充填部9に充填することで、植栽用壁6の上端が
充填された雑草抑制用充填材12で覆われ、さらにその雑草抑制用充填材12が隣接するパネル本体1の貯水充填部9へも溢流することとなり、その結果、雑草抑制用充填材12は計4個のパネル本体1の貯水充填部9内にまんべんなく充填されることとなり、植栽用孔5の直下の部分から雑草が不用意に生育するのが好適に防止されることとなる。
【0032】
さらに、雑草抑制用充填材12を貯水充填部9に充填した後、散水等によって水を貯水充填部9内に貯留する。この場合、貯水充填部9は、パネル本体1の底板3、側壁4、及び植栽用壁6で包囲されて形成されているので、散水等によって貯水充填部9に供給された水は、その貯水充填部9内で好適に貯留されることとなり、貯水状態が維持されることとなるのである。この結果、都市部等において乾燥状態に適応して繁茂し易い雑草の生育が、上記のような貯水状態の貯水充填部9においては抑制されることとなる。
【0033】
その一方で、植物10が植栽されている部分においては、植栽用孔5が穿設されているので、パネル本体1上に散水等される水は、その植栽用孔5を介して土中に通水されることとなる。従って、ポット11の部分には水が不用意に貯留されることがないので、植物が根腐れ等を生じさせることもない。
【0034】
このように本実施形態では、パネル本体1に、上記のような底板3、側壁4、及び植栽用壁6で包囲される貯水充填部9が形成されているので、その貯水充填部9内に
雑草抑制用充填材12を充填することによって、雑草の生育を好適に抑制することができる。しかも、植物が設置されている周辺部には、パネル本体1の底板が存在するので、そのパネル本体1の底板によって雑草の生育が直接的に抑制されることとなる。
【0035】
また貯水充填部9内に水を貯留することによって、乾燥状態に適応して繁茂し易い雑草の生育を好適に抑制することができる。しかもパネル本体1が不透水性の素材で構成されているので、水の漏洩などが生じるおそれもなく、またパネル本体1の劣化も好適に防止されることとなる。
【0036】
さらにパネル本体1の貯水充填部9内に雑草抑制用充填材12が充填され、且つパネル本体1の植栽用孔5内に植物10が設置されることによって、パネル本体1のほとんどの部分がその雑草抑制用充填材12や植物10によって覆い隠されることとなるので、パネル本体1が表面に裸出されるようなこともなく、外観体裁が損なわれることもない。このため、雑草抑制用充填材12である砂利を種々の色に着色することによって、植物が植栽された周辺部の装飾性、意匠性を非常に良好なものとすることができる。特に、本実施形態では4個のパネル本体1が連結して設置されているので、それらの4個のパネル本体1の貯水充填部9内にそれぞれ色の異なる雑草抑制用充填材12を充填することで、装飾性、意匠性を変化に富んだものとすることができ、景観を非常に良好とすることができる。
【0037】
さらに、係止片7を側壁4に係止させることによって計4個のパネル本体1を連結させているので、4個のパネル本体1を一体化する作業を簡易に行うことができ、施工性も非常に良好なものとなる。
【0038】
尚、上記実施形態では雑草抑制用充填材12として砂利を用いたが、雑草抑制用充填材12の種類も上記実施形態の砂利に限定されるものではない。貯水充填部9には水も貯留されることから、要は水に不溶性の雑草抑制用充填材12が用いられていればよい。ただし、入手や取り扱いが容易で安価な砂利を用いることで、施工性が良好になるとともに、緑化の維持管理費用も低減することができるという利点がある。
【0039】
またパネル本体1の素材も特に限定されるものではなく、上記のような各種の金属や合成樹脂等の素材のものを適宜変更して使用することができる。尚、本発明においては、上述のようにパネル本体1を不透水性の素材で構成することを主眼とするが、ある程度の貯水機能が貯水充填部9にあれば、パネル本体1の素材に不透水性が厳格に要求されるものではない。
【0040】
さらに、上記実施形態では、パネル本体1が平面略長方形状に形成されていたが、パネル本体1の形状も上記実施形態に限定されるものではない。また上記実施形態では、パネル本体1の底板3と、側壁4と、植栽用壁6とによって貯水充填部9が構成されていたが、貯水充填部9の構成も該実施形態に限定されるものではない。ただし、このように底板3と、側壁4と、植栽用壁6とで貯水充填部9が構成されることで構造が複雑化することもなく、パネル本体1の成形等も容易に行うことができる。
【0041】
さらに上記実施形態では、植物10を植栽する植栽用孔5を平面略円形に形成したが、この植栽用孔5の形状も該実施形態の円形に限定されるものではなく、たとえば正方形状、長方形状、三角形状等に形成されていてもよく、その形状は問わない。また上記実施形態では、植栽用孔5がパネル本体1に計4個穿設されていたが、パネル本体1に穿設される植栽用孔5の個数も該実施形態に限定されるものではない。
【0042】
さらに、本発明においては、上記実施形態のように複数のパネル本体1を連結して設置する場合について説明したが、1個のパネル本体1を設置する場合も本発明の範囲に含むものである。ただし、雑草抑制の観点からは、上記実施形態のように複数のパネル本体1を連結して用いることが好ましい。
【0043】
さらに、上記実施形態では、パネル本体1を固定する手段として、頭部2aを植栽用壁6に係止させ且つ先端部2bを地中に打ち込むことができるようなアンカーピン2を用いたが、パネル本体1を固定する手段は該実施形態のようなアンカーピン2に限定されるものではない。尚、このアンカーピン2のような固定手段を採用することで、設置後のパネル本体1の不用意な移動を好適に防止することができるという好ましい効果が得られたが、このアンカーピン2のような固定手段を採用することも本発明に必須の条件ではない。
【0044】
その他、パネル本体1の構成等も本発明の意図する範囲内で任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】一実施形態の緑化及び雑草抑制のための施工用パネルのパネル本体を示す平面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】同斜視図。
【図4】アンカーピンの正面図。
【図5】複数のパネル本体を連結させた状態の平面図。
【図6】図5のB−B線断面図。
【図7】連結された複数のパネル本体をアンカーピンで固定した状態の平面図。
【図8】図7のC−C線断面図。
【図9】パネル本体の植栽用孔に植物を挿入して設置した状態の平面図。
【図10】図9のD−D線断面図。
【図11】パネル本体の貯水充填部内に雑草抑制用充填材を充填した状態の断面図。
【符号の説明】
【0046】
1…パネル本体 3…底板
4…側壁 5…植栽用孔
6…植栽用壁 9…貯水充填部
10…植物 12…雑草抑制用充填材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を植栽するための植栽用孔(5)がパネル本体(1)に穿設され、且つ水を貯留することができるとともに、水不溶性の雑草抑制用充填材(12)を充填することができる貯水充填部(9)が前記パネル本体(1)に形成されていることを特徴とする緑化及び雑草抑制のための施工用パネル。
【請求項2】
パネル本体(1)が不透水性素材で構成されている請求項1記載の緑化及び雑草抑制のための施工用パネル。
【請求項3】
雑草抑制用充填材(12)が砂利である請求項1又は2記載の緑化及び雑草抑制のための施工用パネル。
【請求項4】
パネル本体(1)の底板(3)と、該底板(3)の周縁部に立設された側壁(4)と、植栽用孔(5)の周縁部に立設された植栽用壁(6)とで貯水充填部(9)が構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の緑化及び雑草抑制のための施工用パネル。
【請求項5】
パネル本体(1)が複数個配置される際、隣接するパネル本体(1)と連結するための連結部が形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の緑化及び雑草抑制のための施工用パネル。
【請求項6】
パネル本体(1)の植栽用孔(5)に植物を植栽し、該パネル本体(1)の貯水充填部(9)に水不溶性の雑草抑制用充填材(12)を充填するとともに水を貯留することを特徴とする緑化及び雑草抑制のための施工方法。
【請求項7】
複数個のパネル本体(1)を、隣接するパネル本体(1)間で相互に連結することによって設置する請求項6記載の緑化及び雑草抑制のための施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−237056(P2008−237056A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79669(P2007−79669)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000221775)東邦レオ株式会社 (35)
【出願人】(596008493)株式会社東京ランドスケープ研究所 (1)
【Fターム(参考)】