編機における自動リンキングのための装置及び方法と、前述の装置を備える機械
【課題】装置は、作業用糸(FL)のための経路と、作業用糸のための糸ガイド(33)と、第二糸(FA)のための保持部材(43,43A,43B)と、前述の第二糸のための支持部(35,39)とを備える。
【解決手段】第二糸のための支持部は、アイドル待機位置と、第二糸が機械の針(25,27)に移送される動作位置との間を移動可能である。
【解決手段】第二糸のための支持部は、アイドル待機位置と、第二糸が機械の針(25,27)に移送される動作位置との間を移動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編機の改良に関し、限定はしないが、特に、編地生産用の大径の丸編機で、特に針に糸を給送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
編機、特に大径の丸編機は、変化に富み、注目にさえ値する多数のフィードを有する。各フィードによってシリンダ及びダイヤルの針床に給送される糸は、その中断又は切れを直ちに検知するために連続的に制御されなければならない。現在、機械は、給糸のうちの1本が、例えば、切れによって見当たらなくなった場合、機械を停止する停止システムを装備する。この制御及び停止システムが各フィードに適用され、機械に給送された糸のいずれか1本の切れによって、機械の停止信号がトリガされる。
【0003】
しかしながら、可動部品の慣性により、機械は瞬時に停止することはできない。実際、大径の丸編機は、シリンダ及びダイヤルの針床と、編目形成領域下に位置する片引っ張り装置と、形成中の片が周囲に巻装されるローラによって表される、相当な回転質量を有する。そのため、糸の中断が検知された瞬間から機械が完全に停止する瞬間まで、糸が切れたフィード上で、糸が給送されることなく一定割合の回転が通常は実行される。
【0004】
糸の中断によって影響を受けたフィード上の編目は、糸を取り上げて新しい編目を形成することなく取り除かれる。このような場合、機械はそれ以上動作することはできず、編地の形成は大きく損なわれる。機械がゴム編みの作業をしている場合、編目は針から離れ、機械は文字通り編地を落とす。そのため、生産を再開できるようにするには、編目を復元するための手間のかかる作業が必要となり、機械にとって相当なアイドル時間及び時には針の破損となり、生産中の編地にとっては大きな損害で、相当な経済的損失を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、作業用糸の切れ又は中断に関連する前述の問題を、減少又は克服する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本質的に、第1の態様によると、本発明は、作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する装置に関し、この装置は、作業用糸の経路と、作業用糸のための糸ガイドと、第二糸のための保持部材と、前述の第二糸の支持部とを備える。支持部は、機械の針の作業領域外で第二糸を待機位置に保持するアイドル位置と、機械の針に第二糸を移送する作業位置との間を移動可能である。
【0007】
各フィードの高さでこの装置を機械に取り付けた状態で、機械に給送される糸が中断されると、針が動作する領域に対応する第二糸が取られる。針は第二糸を取り上げ、これが中断された作業用糸に代わり、給送され始める。この動作を自動リンキングと呼ぶ。
【0008】
作業用糸の中断により生成される警告信号の後、機械は停止前に、相当量となることもある回転を一部実行し続けることがある。第二糸の存在により、針は編目の形成を続けることができ、これにより、針床の移動を瞬時に停止することが不可能という事実によって従来の機械が抱える前述の不都合を防止することができる。
【0009】
本発明で考えられる実施例では、第二糸支持部は、作業用糸によってアイドル位置に保持される。例えば、これは、機械構造体と一体の軸周囲を揺動するロッドの端部に保持することができる。作業用糸はこれを上昇位置に保持するロッドに沿って通過し、第二糸が針の作業領域から離れて保持されるようにする。作業用糸が切れると、ロッドは支持されなくなって下方に揺動し、第二糸を直接、針の作業領域に運び、針は第二糸を取り上げてこれを作業用糸の代わりに用いる。
【0010】
この解決法は特に単純で、なんら電子的制御を必要としない。さらに、第二糸を制御するアクチュエータの使用も不要である。これにより、経済及び単純構造の観点、及び本発明が特に関連する大径の機械を特徴付ける多数のフィードを考慮すると有利である。
【0011】
しかしながら、異なる解決法もまた可能である。例えば、マイクロスイッチ等のセンサを各フィードと関連付けて、作業用糸の中断を検知することができる。一般に、このセンサは現在既に存在し、給糸の1本が中断された場合に機械を停止させる信号を生成するために使用されている。特徴として、従来の機械と異なり、本発明によると、このセンサの信号は、第二糸の支持部に直接作用するアクチュエータを制御して、第二糸を針の作業領域に運ばれるようにすることもできる。丸編機は相当な移動質量を有するため、作業用糸の中断によって生成される警告信号は機械を直ちに停止することはできないが、第二糸の支持部は質量が非常に小さく、直ちに制御して、第二糸を針の作業領域に即座に運ぶことができ、このようにして作業用糸を第二糸に交換することにより、前述の結果及び利点を得ることができる。
【0012】
本発明による装置のさらなる有利な特徴を、添付の従属請求項に示すと共に、可能な実施例を参照して以下に説明する。
【0013】
別の態様によると、本発明は、編機、一般的には丸編機で、特に大径の丸編機に関し、少なくとも1つの作業用糸のフィードを備え、作業用糸が何らかの理由で中断された場合、前述のタイプの装置は前述の少なくとも1つのフィードに関連付けられて、第二糸を直ちに作業領域に運ぶことを特徴とする。
【0014】
さらに別の態様によると、本発明は、作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する方法に関し、その方法は、
第二糸の一端を、編機の針に作業用糸を給送する領域に近接して、前述の第二糸が針によって係合されないアイドル位置に保持するステップと、
作業用糸を編機の針に給送し、編地を形成するステップと、
作業用糸が中断された場合、第二糸の位置を、アイドル位置から、遮断されて編機の針によって係合される動作位置へと迂回させるステップとを含む。
【0015】
実際には、この方法によると、作業用糸が中断された場合、機械の警告又は停止信号も有利に生成される。
【0016】
本発明による方法の有利な実施例では、アイドル位置から動作位置への第二糸の移送は、切れによって直接、あるいはどのような場合でも、作業用糸の中断によって引き起こされる。別の実施例では、針の作業領域への第二糸の移送は、作業用糸の中断を検知するセンサによる警告信号の生成によって間接的に行われ、前述の信号は、制御ユニット又は他の適切な方法により、第二糸を動作させるアクチュエータの作動を制御する。
【0017】
作業用糸の切れ又は中断の影響により、第二糸が直接動作する場合、第二糸は実際には、作業用糸によってアイドル位置に保持される機械的支持部によって支持することができ、作業用糸の中断によって、例えばその自重の効果により、機械的支持部及び第二糸を動作位置に移動させることができる。
【0018】
本発明による方法のさらなる有利な特徴及び実施例を添付の特許請求の範囲に示し、実施例を参照しながら以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、以下の説明及び本発明の非限定的な実施例を示す添付の図面により、よりよく理解されるであろう。図面において、各図中の同一番号は、同一又は対応する部分を示す。
【0020】
図1は、全体として1で示す大径の丸編機の不等角投影図を示す。参照番号3は耐荷構造体を示し、番号5は編目形成及び糸給送領域を取り囲むケーシングを、番号7は回転シリンダの針を制御するためのカム又はロック群の一部を示す。図2は、針床(シリンダカム9の扇形及びダイヤルカム11の扇形)と耐荷構造体3の半径方向面による断面を示す。
【0021】
本発明による装置の第1の実施例を図3から図8に示す。
【0022】
図3及び図4は、複数のフィード(図3では2つ、図4では3つ)を備える編目形成領域を拡大した、不等角投影図及び正面図である。参照番号21及び23は、ダイヤルの針25及びシリンダの針27を制御するためのカム又はロックの群を示す。作業用糸FLのフィードは制御カムの各群に関連付けられている。各フィードの糸FLは、図示していない上方のリールから給送され、ブラケット31によって機械の構造体に固定されたセラミック素材のアイ29を通過する。アイ29の下で、作業用糸FLはそれぞれの糸ガイド33を通過し、糸ガイド33は2つの針床の針に糸を給送する。
【0023】
第二糸FAの支持部は各糸ガイド33と関連付けられている。支持部は、その一端が37でそれぞれの糸ガイドにヒンジ留めされるロッド35を備える。このロッドは緩やかにヒンジ留めされ、支持されない場合、以下に述べる目的のため、自重の効果で下方に揺動する。
【0024】
ロッドの遠位端(すなわち、糸ガイド33にヒンジ留めされた端部の反対側の端部)には、第二糸FAが通過するスリーブ39を備え、これが前述の第二糸の係合部材を形成する。
【0025】
各第二糸FAは、図示していない上方のリール又はボビンから来て、それぞれの糸ガイド33に接続された略垂直(図面において)のそれぞれの管41を通過する。各管41はその下端に、隣接する管から来る、ひいては隣接するフィードに関連する第二糸FAの先端を保持及び拘束するために用いる螺旋バネ43を備える。
【0026】
図3から特に詳細にわかるように、各第二糸FAは、2つの隣接する管41の2つの端部間の範囲を画定し、この範囲に沿って、それぞれのフィードと関連付けられたスリーブ39と係合する。図4を参照すると、機械を時計回りに回転させる場合、各第二糸FAは、それぞれのスリーブ39の右側に位置する管41から来て、その自由端はスリーブ39の左側に位置する管41と関連付けられた螺旋バネ43に接続される。
【0027】
作業用糸FLが完全で、それぞれの糸ガイド33によって針25、針27へ正しく給送される場合、アイ29と糸ガイド33との間に延伸する編目を画定し、それぞれのロッド35の正面及び下を通過する。そのため、実際にはロッドは、垂直に関して傾斜した位置にあり、作業用糸FLの経路を遮断する。ロッドのヒンジ37は糸ガイド33の上方かつ片側にあり、スリーブ39で表す、ロッドの自由端に関連付けられた第二糸の係合部材は、糸ガイド33よりは高い位置にあるが、ヒンジ37の軸の下、かつ前述のヒンジ37の対向側にある。そのため、作業用糸FLは、ロッドを上昇位置に十分保持できるようにロッドを支持する。この上昇位置において、第二糸FAが通過するスリーブ39は、針25、針27の作業領域外で後者を保持する。そのため、この配置では、第二糸FAの支持部はアイドル及び待機位置にある。
【0028】
例えば切れ等によって糸FLの給送が中断された場合、ロッドは支持されなくなり、その自重の効果により下方に揺動し、固定ストップ51(特に図3参照)に載置され、これが第二糸FAの支持部の作業位置を画定し、前記支持部はロッド35及びスリーブ39によって形成される。ロッド35の下降位置を図5及び図6に示す。2つの隣接する管41の間を延伸する第二糸FAの範囲は、そのため、ダイヤルの針25及びシリンダの針27の作業領域に位置決めされる。糸FAは針に取り上げられ、中断した作業用糸FLと自動的に交換される。
【0029】
従来の機械のように、各作業用糸FLの経路に沿ってセンサを好適に配置し、前述のセンサは糸の中断を検知し、動作速度と慣性を考慮して、必要な時間内に適切に機械を停止する警告信号を生成することが可能である。機械は、第二糸の動作のおかげで、重大な不都合もなく実質的な一部回転後であっても完全に停止することができる。
【0030】
対応する糸FLが正しく給送されているときに、第二糸が偶発的に動作してしまうのを防ぐため、第二糸の経路に沿って張力センサを備え、制御ユニットのための信号を生成することができる。このユニットは、糸FLに中断がないときに糸FAが動作された場合、動作不良を検知することができる。これが発生すると、制御ユニットは停止及び警告信号を生成する。図9は、1つのフィードの制御のブロック図を示す。作業用糸FLと第二糸FAのボビンをそれぞれ、BL及びBAで示す。糸FL及び糸FAの経路に沿った2つのセンサを53及び55で示し、機械のドライブと、必要な場合はユーザインタフェースとに公知の方法で接続した制御ユニットを、57で示す。実際には、制御ユニット57は、フィードの数に等しい、機械の作業用糸及び第二糸の数と同じ数のセンサとインタフェースすることになる。
【0031】
上記の装置は次の利点を有する。
【0032】
装置動作のための信号は、ロッドの物理的制約であるため、作業糸又は給糸の切れから直接生じる。これにより、糸が切れ、アンバランスな状態のままであることを示す信号を、ロッドが確実に受信するようになる。
【0033】
ロッドの移動は、自重の効果によって発生するため、瞬間的である。装置は、フィード又は作業用糸がゼロ張力になると直ちに動作することができる。
【0034】
前述の装置により、機械の生産性を再確立することは非常に簡単である。事実、作業用糸がその上で切れたフィードは、給送しない状態が続くことはなく、針は編目を落とさない。切れた作業用糸を編目形成サイクルに戻し、編目形成領域から第二糸を取り除き、ロッドのスリーブを通過させ、復元した作業用糸によって再び上昇位置に保持するだけで、通常の動作状態を再確立することができる。
【0035】
図7及び図8は、図3及び図4に等しい図において、変形実施例を示し、ここにおいて、第二糸FAの係合部材を形成するロッドの端部のスリーブ39は、ロッド35の端部を成形することによって得た39Aで示す特定の座に置き換えられる。装置の残りの部分は、前述のものと同一である。
【0036】
上記装置の正しい動作のため、機械の部品を、糸から飛散する繊維が蓄積しないように綿密に保つことが望ましい。実際、この動作原理は、ロッドが給糸によって支持されなくなったとき、ロッドが落ちる可能性があるという事実に基づく。ロッドのヒンジ点の高さにおけるゴミの蓄積は、糸FLが切れた場合にも、ロッドの下向きの移動を妨げる可能性がある。これをきれいに保つため、機械の一部をケーシング5(図1及び図2)によって取り囲み、空気を連続的に流入して、ケーシング内部容積から抜き出す。空気は吸引によって取り除くだけでなく、空気の流入を密封されていないケーシングのポイントを通じてのみ行うことが好ましい。より適切には、空気を、内部に乱流を生成するための特定の圧縮空気パイプによってケーシングの取り囲む容積内に吹き込み、糸から飛散する繊維を浮遊したままにする。このようにすると、吸引によって繊維を取り除き、自動リンキング装置の動作に関わる領域をきれいにしておくことが可能である。
【0037】
作業用糸FLによる支持の範囲によって可能な限度内で、ロッド35に弾性的に荷重することにより、装置の動作をより信頼性の高い迅速なものにすることもできる。
【0038】
図10から図18は、本発明による装置の改良した実施例を示す。同一の番号は、図3から図8までに示す実施例に関して同一又は等しい部分を示す。
【0039】
図10から図18までの実施例と図3から図8までの実施例との第1の相違は、各第二糸FAの自由端が、隣接する装置の第二糸の給送管41Aの下端に接続されたバネ43に保持されず、機械構造体に接続されたバネ43Aによって保持されるという事実にある。ヒンジ37の対向端部において、ロッド35は、スリーブ39の代わりに同じ機能を有するアイ39Bを有する。
【0040】
さらに、この場合の管41A(管41に等しい)ははるかに短く、糸ガイド33も接続する支持部材を形成する支持ブロック61によって担持される。この支持部材61は、第二糸FAのリールBAを担持する。これは上向きに巻きが解けて上方の水平ガイド管63を通過し、ここから管41Aを通って下方に延伸して、バネ43Aと係合する。
【0041】
装置の動作は、前述の実施例に関する動作の説明と本質的に同一であり、図から容易に理解されるように、図10、図11及び図12において、作業用糸FLは正しく給送され、ロッド35を懸架して保持し、第二糸FAが針25、針27による取り上げ領域から離れて位置決めされるようにする。一方、図13及び図16において、作業用糸FLは中断され、ロッド35が下向きに揺動して、第二糸FAを針に運ぶ。糸FAは、機械が停止するまで対応するボビンBAから給送される。
【0042】
図16から図19は、さらなる実施例を示す。同一の番号は前述の実施例のものと同一又は対応する部品を示す。
【0043】
図10から図15の実施例に関し、この場合、各第二糸の自由端は、第二糸FAと管41AのボビンBAを支持する部材61に堅く接続されたL形ブラケット又はバー65の一端に接続された螺旋バネ43Bによって保持される。この構成の残りの部分は、図10から図15までのものと本質的に同一である。
【0044】
図面は単に本発明の実施例を示すもので、本発明が基づく概念の範囲から逸脱することなく、形式やレイアウトを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】大径の丸編機全体の不等角投影図。
【図2】シリンダ及びダイヤルの軸を含む面による局部断面で、編目形成領域を示す図。
【図3】針床の一部、及び作業用糸が正しく動作する2つの連続フィードの斜視図。
【図4】通常の動作状態における、3つのフィードを備える針床の一部の正面図。
【図5】針床の一部、及び作業用糸が中断されて第二糸が動作しているフィードの斜視図。
【図6】針床の一部、及び作業用糸が中断されて第二糸が動作しているフィードの正面図。
【図7】実施例の変形例を示す図5と同様な図。
【図8】実施例の変形例を示す図6と同様な図。
【図9】制御システムのブロック図。
【図10】本発明の別の実施例における、通常の作業状態での3つのフィードを備える針床の一部の正面図。
【図11】通常の動作状態での、図10に示すように作製された装置を備える針床の一部の拡大斜視図。
【図12】図11の装置の正面図。
【図13】作業用糸の切れ及び第二糸の動作状態での、図12と同様な正面図。
【図14】作業用糸の切れ及び第二糸の動作状態での、図11の図と同様な不等角投影図。
【図15(A)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図15(B)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図15(C)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図15(D)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図16】さらなる実施例における、本発明による自動リンキング装置を備える針床の一部の正面図。
【図17】作業用糸が正しく給送される通常の動作状態における、図16の装置のうち1つの拡大正面図。
【図18】通常の動作状態における、図16及び図17の実施例の2つの連続する装置の不等角投影図。
【図19(A)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図19(B)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図19(C)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図19(D)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、編機の改良に関し、限定はしないが、特に、編地生産用の大径の丸編機で、特に針に糸を給送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
編機、特に大径の丸編機は、変化に富み、注目にさえ値する多数のフィードを有する。各フィードによってシリンダ及びダイヤルの針床に給送される糸は、その中断又は切れを直ちに検知するために連続的に制御されなければならない。現在、機械は、給糸のうちの1本が、例えば、切れによって見当たらなくなった場合、機械を停止する停止システムを装備する。この制御及び停止システムが各フィードに適用され、機械に給送された糸のいずれか1本の切れによって、機械の停止信号がトリガされる。
【0003】
しかしながら、可動部品の慣性により、機械は瞬時に停止することはできない。実際、大径の丸編機は、シリンダ及びダイヤルの針床と、編目形成領域下に位置する片引っ張り装置と、形成中の片が周囲に巻装されるローラによって表される、相当な回転質量を有する。そのため、糸の中断が検知された瞬間から機械が完全に停止する瞬間まで、糸が切れたフィード上で、糸が給送されることなく一定割合の回転が通常は実行される。
【0004】
糸の中断によって影響を受けたフィード上の編目は、糸を取り上げて新しい編目を形成することなく取り除かれる。このような場合、機械はそれ以上動作することはできず、編地の形成は大きく損なわれる。機械がゴム編みの作業をしている場合、編目は針から離れ、機械は文字通り編地を落とす。そのため、生産を再開できるようにするには、編目を復元するための手間のかかる作業が必要となり、機械にとって相当なアイドル時間及び時には針の破損となり、生産中の編地にとっては大きな損害で、相当な経済的損失を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、作業用糸の切れ又は中断に関連する前述の問題を、減少又は克服する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本質的に、第1の態様によると、本発明は、作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する装置に関し、この装置は、作業用糸の経路と、作業用糸のための糸ガイドと、第二糸のための保持部材と、前述の第二糸の支持部とを備える。支持部は、機械の針の作業領域外で第二糸を待機位置に保持するアイドル位置と、機械の針に第二糸を移送する作業位置との間を移動可能である。
【0007】
各フィードの高さでこの装置を機械に取り付けた状態で、機械に給送される糸が中断されると、針が動作する領域に対応する第二糸が取られる。針は第二糸を取り上げ、これが中断された作業用糸に代わり、給送され始める。この動作を自動リンキングと呼ぶ。
【0008】
作業用糸の中断により生成される警告信号の後、機械は停止前に、相当量となることもある回転を一部実行し続けることがある。第二糸の存在により、針は編目の形成を続けることができ、これにより、針床の移動を瞬時に停止することが不可能という事実によって従来の機械が抱える前述の不都合を防止することができる。
【0009】
本発明で考えられる実施例では、第二糸支持部は、作業用糸によってアイドル位置に保持される。例えば、これは、機械構造体と一体の軸周囲を揺動するロッドの端部に保持することができる。作業用糸はこれを上昇位置に保持するロッドに沿って通過し、第二糸が針の作業領域から離れて保持されるようにする。作業用糸が切れると、ロッドは支持されなくなって下方に揺動し、第二糸を直接、針の作業領域に運び、針は第二糸を取り上げてこれを作業用糸の代わりに用いる。
【0010】
この解決法は特に単純で、なんら電子的制御を必要としない。さらに、第二糸を制御するアクチュエータの使用も不要である。これにより、経済及び単純構造の観点、及び本発明が特に関連する大径の機械を特徴付ける多数のフィードを考慮すると有利である。
【0011】
しかしながら、異なる解決法もまた可能である。例えば、マイクロスイッチ等のセンサを各フィードと関連付けて、作業用糸の中断を検知することができる。一般に、このセンサは現在既に存在し、給糸の1本が中断された場合に機械を停止させる信号を生成するために使用されている。特徴として、従来の機械と異なり、本発明によると、このセンサの信号は、第二糸の支持部に直接作用するアクチュエータを制御して、第二糸を針の作業領域に運ばれるようにすることもできる。丸編機は相当な移動質量を有するため、作業用糸の中断によって生成される警告信号は機械を直ちに停止することはできないが、第二糸の支持部は質量が非常に小さく、直ちに制御して、第二糸を針の作業領域に即座に運ぶことができ、このようにして作業用糸を第二糸に交換することにより、前述の結果及び利点を得ることができる。
【0012】
本発明による装置のさらなる有利な特徴を、添付の従属請求項に示すと共に、可能な実施例を参照して以下に説明する。
【0013】
別の態様によると、本発明は、編機、一般的には丸編機で、特に大径の丸編機に関し、少なくとも1つの作業用糸のフィードを備え、作業用糸が何らかの理由で中断された場合、前述のタイプの装置は前述の少なくとも1つのフィードに関連付けられて、第二糸を直ちに作業領域に運ぶことを特徴とする。
【0014】
さらに別の態様によると、本発明は、作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する方法に関し、その方法は、
第二糸の一端を、編機の針に作業用糸を給送する領域に近接して、前述の第二糸が針によって係合されないアイドル位置に保持するステップと、
作業用糸を編機の針に給送し、編地を形成するステップと、
作業用糸が中断された場合、第二糸の位置を、アイドル位置から、遮断されて編機の針によって係合される動作位置へと迂回させるステップとを含む。
【0015】
実際には、この方法によると、作業用糸が中断された場合、機械の警告又は停止信号も有利に生成される。
【0016】
本発明による方法の有利な実施例では、アイドル位置から動作位置への第二糸の移送は、切れによって直接、あるいはどのような場合でも、作業用糸の中断によって引き起こされる。別の実施例では、針の作業領域への第二糸の移送は、作業用糸の中断を検知するセンサによる警告信号の生成によって間接的に行われ、前述の信号は、制御ユニット又は他の適切な方法により、第二糸を動作させるアクチュエータの作動を制御する。
【0017】
作業用糸の切れ又は中断の影響により、第二糸が直接動作する場合、第二糸は実際には、作業用糸によってアイドル位置に保持される機械的支持部によって支持することができ、作業用糸の中断によって、例えばその自重の効果により、機械的支持部及び第二糸を動作位置に移動させることができる。
【0018】
本発明による方法のさらなる有利な特徴及び実施例を添付の特許請求の範囲に示し、実施例を参照しながら以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、以下の説明及び本発明の非限定的な実施例を示す添付の図面により、よりよく理解されるであろう。図面において、各図中の同一番号は、同一又は対応する部分を示す。
【0020】
図1は、全体として1で示す大径の丸編機の不等角投影図を示す。参照番号3は耐荷構造体を示し、番号5は編目形成及び糸給送領域を取り囲むケーシングを、番号7は回転シリンダの針を制御するためのカム又はロック群の一部を示す。図2は、針床(シリンダカム9の扇形及びダイヤルカム11の扇形)と耐荷構造体3の半径方向面による断面を示す。
【0021】
本発明による装置の第1の実施例を図3から図8に示す。
【0022】
図3及び図4は、複数のフィード(図3では2つ、図4では3つ)を備える編目形成領域を拡大した、不等角投影図及び正面図である。参照番号21及び23は、ダイヤルの針25及びシリンダの針27を制御するためのカム又はロックの群を示す。作業用糸FLのフィードは制御カムの各群に関連付けられている。各フィードの糸FLは、図示していない上方のリールから給送され、ブラケット31によって機械の構造体に固定されたセラミック素材のアイ29を通過する。アイ29の下で、作業用糸FLはそれぞれの糸ガイド33を通過し、糸ガイド33は2つの針床の針に糸を給送する。
【0023】
第二糸FAの支持部は各糸ガイド33と関連付けられている。支持部は、その一端が37でそれぞれの糸ガイドにヒンジ留めされるロッド35を備える。このロッドは緩やかにヒンジ留めされ、支持されない場合、以下に述べる目的のため、自重の効果で下方に揺動する。
【0024】
ロッドの遠位端(すなわち、糸ガイド33にヒンジ留めされた端部の反対側の端部)には、第二糸FAが通過するスリーブ39を備え、これが前述の第二糸の係合部材を形成する。
【0025】
各第二糸FAは、図示していない上方のリール又はボビンから来て、それぞれの糸ガイド33に接続された略垂直(図面において)のそれぞれの管41を通過する。各管41はその下端に、隣接する管から来る、ひいては隣接するフィードに関連する第二糸FAの先端を保持及び拘束するために用いる螺旋バネ43を備える。
【0026】
図3から特に詳細にわかるように、各第二糸FAは、2つの隣接する管41の2つの端部間の範囲を画定し、この範囲に沿って、それぞれのフィードと関連付けられたスリーブ39と係合する。図4を参照すると、機械を時計回りに回転させる場合、各第二糸FAは、それぞれのスリーブ39の右側に位置する管41から来て、その自由端はスリーブ39の左側に位置する管41と関連付けられた螺旋バネ43に接続される。
【0027】
作業用糸FLが完全で、それぞれの糸ガイド33によって針25、針27へ正しく給送される場合、アイ29と糸ガイド33との間に延伸する編目を画定し、それぞれのロッド35の正面及び下を通過する。そのため、実際にはロッドは、垂直に関して傾斜した位置にあり、作業用糸FLの経路を遮断する。ロッドのヒンジ37は糸ガイド33の上方かつ片側にあり、スリーブ39で表す、ロッドの自由端に関連付けられた第二糸の係合部材は、糸ガイド33よりは高い位置にあるが、ヒンジ37の軸の下、かつ前述のヒンジ37の対向側にある。そのため、作業用糸FLは、ロッドを上昇位置に十分保持できるようにロッドを支持する。この上昇位置において、第二糸FAが通過するスリーブ39は、針25、針27の作業領域外で後者を保持する。そのため、この配置では、第二糸FAの支持部はアイドル及び待機位置にある。
【0028】
例えば切れ等によって糸FLの給送が中断された場合、ロッドは支持されなくなり、その自重の効果により下方に揺動し、固定ストップ51(特に図3参照)に載置され、これが第二糸FAの支持部の作業位置を画定し、前記支持部はロッド35及びスリーブ39によって形成される。ロッド35の下降位置を図5及び図6に示す。2つの隣接する管41の間を延伸する第二糸FAの範囲は、そのため、ダイヤルの針25及びシリンダの針27の作業領域に位置決めされる。糸FAは針に取り上げられ、中断した作業用糸FLと自動的に交換される。
【0029】
従来の機械のように、各作業用糸FLの経路に沿ってセンサを好適に配置し、前述のセンサは糸の中断を検知し、動作速度と慣性を考慮して、必要な時間内に適切に機械を停止する警告信号を生成することが可能である。機械は、第二糸の動作のおかげで、重大な不都合もなく実質的な一部回転後であっても完全に停止することができる。
【0030】
対応する糸FLが正しく給送されているときに、第二糸が偶発的に動作してしまうのを防ぐため、第二糸の経路に沿って張力センサを備え、制御ユニットのための信号を生成することができる。このユニットは、糸FLに中断がないときに糸FAが動作された場合、動作不良を検知することができる。これが発生すると、制御ユニットは停止及び警告信号を生成する。図9は、1つのフィードの制御のブロック図を示す。作業用糸FLと第二糸FAのボビンをそれぞれ、BL及びBAで示す。糸FL及び糸FAの経路に沿った2つのセンサを53及び55で示し、機械のドライブと、必要な場合はユーザインタフェースとに公知の方法で接続した制御ユニットを、57で示す。実際には、制御ユニット57は、フィードの数に等しい、機械の作業用糸及び第二糸の数と同じ数のセンサとインタフェースすることになる。
【0031】
上記の装置は次の利点を有する。
【0032】
装置動作のための信号は、ロッドの物理的制約であるため、作業糸又は給糸の切れから直接生じる。これにより、糸が切れ、アンバランスな状態のままであることを示す信号を、ロッドが確実に受信するようになる。
【0033】
ロッドの移動は、自重の効果によって発生するため、瞬間的である。装置は、フィード又は作業用糸がゼロ張力になると直ちに動作することができる。
【0034】
前述の装置により、機械の生産性を再確立することは非常に簡単である。事実、作業用糸がその上で切れたフィードは、給送しない状態が続くことはなく、針は編目を落とさない。切れた作業用糸を編目形成サイクルに戻し、編目形成領域から第二糸を取り除き、ロッドのスリーブを通過させ、復元した作業用糸によって再び上昇位置に保持するだけで、通常の動作状態を再確立することができる。
【0035】
図7及び図8は、図3及び図4に等しい図において、変形実施例を示し、ここにおいて、第二糸FAの係合部材を形成するロッドの端部のスリーブ39は、ロッド35の端部を成形することによって得た39Aで示す特定の座に置き換えられる。装置の残りの部分は、前述のものと同一である。
【0036】
上記装置の正しい動作のため、機械の部品を、糸から飛散する繊維が蓄積しないように綿密に保つことが望ましい。実際、この動作原理は、ロッドが給糸によって支持されなくなったとき、ロッドが落ちる可能性があるという事実に基づく。ロッドのヒンジ点の高さにおけるゴミの蓄積は、糸FLが切れた場合にも、ロッドの下向きの移動を妨げる可能性がある。これをきれいに保つため、機械の一部をケーシング5(図1及び図2)によって取り囲み、空気を連続的に流入して、ケーシング内部容積から抜き出す。空気は吸引によって取り除くだけでなく、空気の流入を密封されていないケーシングのポイントを通じてのみ行うことが好ましい。より適切には、空気を、内部に乱流を生成するための特定の圧縮空気パイプによってケーシングの取り囲む容積内に吹き込み、糸から飛散する繊維を浮遊したままにする。このようにすると、吸引によって繊維を取り除き、自動リンキング装置の動作に関わる領域をきれいにしておくことが可能である。
【0037】
作業用糸FLによる支持の範囲によって可能な限度内で、ロッド35に弾性的に荷重することにより、装置の動作をより信頼性の高い迅速なものにすることもできる。
【0038】
図10から図18は、本発明による装置の改良した実施例を示す。同一の番号は、図3から図8までに示す実施例に関して同一又は等しい部分を示す。
【0039】
図10から図18までの実施例と図3から図8までの実施例との第1の相違は、各第二糸FAの自由端が、隣接する装置の第二糸の給送管41Aの下端に接続されたバネ43に保持されず、機械構造体に接続されたバネ43Aによって保持されるという事実にある。ヒンジ37の対向端部において、ロッド35は、スリーブ39の代わりに同じ機能を有するアイ39Bを有する。
【0040】
さらに、この場合の管41A(管41に等しい)ははるかに短く、糸ガイド33も接続する支持部材を形成する支持ブロック61によって担持される。この支持部材61は、第二糸FAのリールBAを担持する。これは上向きに巻きが解けて上方の水平ガイド管63を通過し、ここから管41Aを通って下方に延伸して、バネ43Aと係合する。
【0041】
装置の動作は、前述の実施例に関する動作の説明と本質的に同一であり、図から容易に理解されるように、図10、図11及び図12において、作業用糸FLは正しく給送され、ロッド35を懸架して保持し、第二糸FAが針25、針27による取り上げ領域から離れて位置決めされるようにする。一方、図13及び図16において、作業用糸FLは中断され、ロッド35が下向きに揺動して、第二糸FAを針に運ぶ。糸FAは、機械が停止するまで対応するボビンBAから給送される。
【0042】
図16から図19は、さらなる実施例を示す。同一の番号は前述の実施例のものと同一又は対応する部品を示す。
【0043】
図10から図15の実施例に関し、この場合、各第二糸の自由端は、第二糸FAと管41AのボビンBAを支持する部材61に堅く接続されたL形ブラケット又はバー65の一端に接続された螺旋バネ43Bによって保持される。この構成の残りの部分は、図10から図15までのものと本質的に同一である。
【0044】
図面は単に本発明の実施例を示すもので、本発明が基づく概念の範囲から逸脱することなく、形式やレイアウトを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】大径の丸編機全体の不等角投影図。
【図2】シリンダ及びダイヤルの軸を含む面による局部断面で、編目形成領域を示す図。
【図3】針床の一部、及び作業用糸が正しく動作する2つの連続フィードの斜視図。
【図4】通常の動作状態における、3つのフィードを備える針床の一部の正面図。
【図5】針床の一部、及び作業用糸が中断されて第二糸が動作しているフィードの斜視図。
【図6】針床の一部、及び作業用糸が中断されて第二糸が動作しているフィードの正面図。
【図7】実施例の変形例を示す図5と同様な図。
【図8】実施例の変形例を示す図6と同様な図。
【図9】制御システムのブロック図。
【図10】本発明の別の実施例における、通常の作業状態での3つのフィードを備える針床の一部の正面図。
【図11】通常の動作状態での、図10に示すように作製された装置を備える針床の一部の拡大斜視図。
【図12】図11の装置の正面図。
【図13】作業用糸の切れ及び第二糸の動作状態での、図12と同様な正面図。
【図14】作業用糸の切れ及び第二糸の動作状態での、図11の図と同様な不等角投影図。
【図15(A)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図15(B)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図15(C)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図15(D)】機械から隔離された図10から図14までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図16】さらなる実施例における、本発明による自動リンキング装置を備える針床の一部の正面図。
【図17】作業用糸が正しく給送される通常の動作状態における、図16の装置のうち1つの拡大正面図。
【図18】通常の動作状態における、図16及び図17の実施例の2つの連続する装置の不等角投影図。
【図19(A)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図19(B)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図19(C)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【図19(D)】機械から隔離された、図16から図18までの装置の各種角度による不等角投影図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する装置であって、前記作業用糸のための経路と、前記作業用糸のための糸ガイドと、前記第二糸のための保持部材と、前記第二糸の支持部とを備え、前記支持部は、アイドル待機位置と、前記機械の針に前記第二糸を移送する作業位置との間を移動可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第二糸の前記支持部を前記作業用糸によって前記アイドル位置に保持するように、前記作業用糸の前記経路を配置することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二糸の前記支持部は、前記作業用糸が中断されたときに、自重の効果により前記アイドル位置から前記動作位置へと移動することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持部が、耐荷構造体に揺動的にヒンジ留めされ、その自由端に前記第二糸と係合する係合部材を有するロッドを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ロッドが、前記糸ガイドと一体の軸にヒンジ留めされることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ロッドが、垂直に関して傾斜したヒンジ点から延伸し、前記糸ガイドの上流で前記作業用糸の経路を遮断することを特徴とする、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記ロッドの前記動作位置を画定するストップ部が、その前記ヒンジ点に近接して配置されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ヒンジ点が、前記糸ガイドの上方かつ片側に配置され、前記ロッドの自由端に関連付けられた前記第二糸の前記係合部材は、前記アイドル位置で前記糸ガイドより高い位置で、かつ前記ロッドの前記ヒンジ点の対向側にあることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記動作位置において、前記第二糸の前記係合部材が、前記糸ガイドより低い高さにあることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前期第二糸がその中を通って給送される管を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第二糸がそこから出る前記管の下端に、隣接する装置の前記第二糸の前記保持部材を形成する螺旋バネが配置されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
第二糸のリールが、前記管と関連付けられることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
第二糸の前記管及び前記リールが、共通の支持部材によって支持されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第二糸のための前記支持部が、第二糸の前記管及び前記リールの前記共通支持部材にヒンジ留めされることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第二糸の前記保持部材が、前記第二糸の前記支持部の下に延伸するブラケットの一端で担持されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ロッドが支持部材にヒンジ留めされ、そこに前記第二糸の前記各保持部材を担持するブラケットが固定されることを特徴とする、請求項4又は15に記載の装置。
【請求項17】
空気清浄システムを備えることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記空気清浄システムが、少なくとも前記ロッドのヒンジ領域を取り囲むケーシングを備えることを特徴とする、請求項4又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記空気清浄システムが、ケーシングによって画定される封じ込め容積と、前記容積中の空気の乱流を生成するための手段と、前記容積から空気と塵を吸引するための吸引手段とを備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項20】
前記作業用糸の前記経路に沿って、前記作業用糸のいかなる中断も検知するセンサを備えることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第二糸の前記経路に沿って、前記第二糸の給送の状態を検知するセンサを備えることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの作業用糸のフィードを備え、請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置が、前記少なくとも1つのフィードと関連付けられることを特徴とする編機。
【請求項23】
前記作業用糸の1本の中断が検知されたとき、前記機械の動作を中断させる手段を備えることを特徴とする、請求項22記載の編機。
【請求項24】
中断されてない作業用糸に対応する前記第二糸の1本の給送が検知されたとき、前記機械の動作を中断させる手段を備えることを特徴とする、請求項22又は23に記載の編機。
【請求項25】
前記作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する方法であって、
前記第二糸の一端を、前記編機の針に前記作業用糸を給送する領域に近接して、前記第二糸が前記針によって係合されないアイドル位置に保持するステップと、
前記作業用糸を前記編機の前記針に給送し、編地を形成するステップと、
前記作業用糸が中断された場合、前記第二糸の位置を、前記アイドル位置から、遮断されて前記編機の前記針によって係合される動作位置へと迂回させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記作業用糸が中断された場合、前記機械の警告又は停止信号を生成するステップをも含むことを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記作業用糸の中断によって、前記第二糸は前記アイドル位置から前記動作位置へと直接移動させられることを特徴とする、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記第二糸が機械的支持部によって支持され、前記支持部が前記作業用糸によって前記アイドル位置に保持され、前記作業用糸の中断によって、前記機械的支持部及び前記第二糸が前記動作位置へと移動させられることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記機械的支持部の下向きの移動が、自重の効果によって引き起こされることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記作業用糸の1本が中断された場合、対応する前記第二糸が動作された後に前記編機を停止することを特徴とする、請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
作業用糸及び対応する第二糸を同時に給送する場合、前記編機を停止することを特徴とする、請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する装置であって、前記作業用糸のための経路と、前記作業用糸のための糸ガイドと、前記第二糸のための保持部材と、前記第二糸の支持部とを備え、前記支持部は、アイドル待機位置と、前記機械の針に前記第二糸を移送する作業位置との間を移動可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第二糸の前記支持部を前記作業用糸によって前記アイドル位置に保持するように、前記作業用糸の前記経路を配置することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二糸の前記支持部は、前記作業用糸が中断されたときに、自重の効果により前記アイドル位置から前記動作位置へと移動することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持部が、耐荷構造体に揺動的にヒンジ留めされ、その自由端に前記第二糸と係合する係合部材を有するロッドを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ロッドが、前記糸ガイドと一体の軸にヒンジ留めされることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ロッドが、垂直に関して傾斜したヒンジ点から延伸し、前記糸ガイドの上流で前記作業用糸の経路を遮断することを特徴とする、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記ロッドの前記動作位置を画定するストップ部が、その前記ヒンジ点に近接して配置されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ヒンジ点が、前記糸ガイドの上方かつ片側に配置され、前記ロッドの自由端に関連付けられた前記第二糸の前記係合部材は、前記アイドル位置で前記糸ガイドより高い位置で、かつ前記ロッドの前記ヒンジ点の対向側にあることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記動作位置において、前記第二糸の前記係合部材が、前記糸ガイドより低い高さにあることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前期第二糸がその中を通って給送される管を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第二糸がそこから出る前記管の下端に、隣接する装置の前記第二糸の前記保持部材を形成する螺旋バネが配置されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
第二糸のリールが、前記管と関連付けられることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
第二糸の前記管及び前記リールが、共通の支持部材によって支持されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第二糸のための前記支持部が、第二糸の前記管及び前記リールの前記共通支持部材にヒンジ留めされることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第二糸の前記保持部材が、前記第二糸の前記支持部の下に延伸するブラケットの一端で担持されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ロッドが支持部材にヒンジ留めされ、そこに前記第二糸の前記各保持部材を担持するブラケットが固定されることを特徴とする、請求項4又は15に記載の装置。
【請求項17】
空気清浄システムを備えることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記空気清浄システムが、少なくとも前記ロッドのヒンジ領域を取り囲むケーシングを備えることを特徴とする、請求項4又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記空気清浄システムが、ケーシングによって画定される封じ込め容積と、前記容積中の空気の乱流を生成するための手段と、前記容積から空気と塵を吸引するための吸引手段とを備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項20】
前記作業用糸の前記経路に沿って、前記作業用糸のいかなる中断も検知するセンサを備えることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第二糸の前記経路に沿って、前記第二糸の給送の状態を検知するセンサを備えることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの作業用糸のフィードを備え、請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置が、前記少なくとも1つのフィードと関連付けられることを特徴とする編機。
【請求項23】
前記作業用糸の1本の中断が検知されたとき、前記機械の動作を中断させる手段を備えることを特徴とする、請求項22記載の編機。
【請求項24】
中断されてない作業用糸に対応する前記第二糸の1本の給送が検知されたとき、前記機械の動作を中断させる手段を備えることを特徴とする、請求項22又は23に記載の編機。
【請求項25】
前記作業用糸が切れた場合、編機の作業用糸を第二糸に自動的に交換する方法であって、
前記第二糸の一端を、前記編機の針に前記作業用糸を給送する領域に近接して、前記第二糸が前記針によって係合されないアイドル位置に保持するステップと、
前記作業用糸を前記編機の前記針に給送し、編地を形成するステップと、
前記作業用糸が中断された場合、前記第二糸の位置を、前記アイドル位置から、遮断されて前記編機の前記針によって係合される動作位置へと迂回させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記作業用糸が中断された場合、前記機械の警告又は停止信号を生成するステップをも含むことを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記作業用糸の中断によって、前記第二糸は前記アイドル位置から前記動作位置へと直接移動させられることを特徴とする、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記第二糸が機械的支持部によって支持され、前記支持部が前記作業用糸によって前記アイドル位置に保持され、前記作業用糸の中断によって、前記機械的支持部及び前記第二糸が前記動作位置へと移動させられることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記機械的支持部の下向きの移動が、自重の効果によって引き起こされることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記作業用糸の1本が中断された場合、対応する前記第二糸が動作された後に前記編機を停止することを特徴とする、請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
作業用糸及び対応する第二糸を同時に給送する場合、前記編機を停止することを特徴とする、請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図19】
【公表番号】特表2008−524454(P2008−524454A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546312(P2007−546312)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000704
【国際公開番号】WO2006/064528
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507203043)ピロテリ マキネ テシリ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000704
【国際公開番号】WO2006/064528
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507203043)ピロテリ マキネ テシリ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ (1)
【Fターム(参考)】
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