説明

緩下作用がある電解質及び炭水化物を含むエネルギー性栄養組成物

【課題】 エネルギー性または栄養性組成物を提供する。
【解決手段】 この組成物は、緩下作用を持つ少なくとも一つの化合物、少なくともナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リンまたはそれらの組み合わせからなる部類中から選ばれた一つ以上の無機塩;及び人間の消化システムにより吸収されることができる少なくとも炭水化物を含む栄養素を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル内視鏡検査法のような内視鏡検査を含む身体チェックの前に消化管を準備するために意図されたエネルギー性または栄養性組成物、または内視鏡カプセル、放射線学的もしくは治療学的介入の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
消化管の検査の前に、粘膜を適切に見ることを可能にするために消化管においてそれを閉塞する便からきれいにすることが絶対に必要である。
【0003】
準備の質の幾つかの分類が、特にELIAKIMらの結腸病理学の検出でのPillCam結腸カプセルの評価:第一マルチセンターの予想比較研究の結果、Endoscopy 2006,38(10):963−970;VANNERらの結腸鏡検査のための患者の準備での標準ポリエチレングリコール系洗浄液(Golytely)とランダム化前向き試験比較経口リン酸ナトリウムを比較する無秩序予想試験、American Journal of Gastroenterology 1990,85:422−427;BARCLAYらの経口投与されたリン酸ナトリウムによる結腸洗浄時の脈管内容積収縮に対する炭水化物−電解質再水和保護、Gastrointestinal Endoscopy 2002,56:633−8で確立されている。ELIAKIMらによれば、等級1(優れた準備)から等級4(検査の質を傷つける不十分な準備)までの異なる等級で準備を分類することが可能である。VANNERらは、以下に記載される別の分類を提案する:優れた準備=透明な液の小容積;良好な準備=透明な液のかなりの容積;容認できる準備=吸引または清浄化されることができる限定された半固型便;不十分な準備=半固型便。
【0004】
従って、劣った準備は、検査の質に、特にフレキシブル内視鏡検査法による検査の場合に有害であるだけでなく、便がポリープの存在に似た症状を呈するかもしれない放射線学的検査の質に、または粘膜を見ることを可能にするために完全に透明でなければならない消化管内に含まれた液中にカプセルが通過するために準備の質が優れていなければならない内視鏡カプセルによる検査の場合にも有害であるかもしれない。
【0005】
内視鏡カプセルによるかかる検査の場合に、破片の及び/または濁った液の吹き出しまたは吸引は許可されることができないが、医師は、結腸鏡が使用されるときに積極的に介入することができる(例えば清浄化するための吸引、戻し)。後者は、内視鏡カプセルによる検査の場合に何故準備の質が優れていなければならないかの理由を表わす。従って、内視鏡カプセルの使用時に、同じ質の画像を得るために結腸鏡を用いる時より消化管はより良く準備されなければならない。これは、ポリープ及び癌腫の検出のための内視鏡検査対結腸鏡検査、N Engl J Med 2009;361:264−70の要約で確認されている。
【0006】
フレキシブル内視鏡検査法または放射線学的検査(coloscan)のための仙痛組成物(colic compositions)を用いる全ての上述の処置は、検査前日及び/または検査日の残留物なしの食事及び緩下作用のある組成物の投与を予感する。
【0007】
最大品質の検査を得るために、検査前の日の全てにおいて透明液体の食事が推奨されることが普通である。透明液体の食事は、水、脱脂肉汁、果肉なしの果物ジュース(りんご、白ぶどう)、透明なレモネード、透明なゼラチン、コーヒー(ミルクなし)、茶(ミルクなし)、ハーブ茶のような透明液体食品の摂取からなる。
【0008】
検査の質は、もしこの透明液体の食事がまた検査の実施前の36時間内の緩下作用のある物質の摂取と組み合わされるなら、さらに改善されることができるだろう。
【0009】
このタイプの緩下作用のある物質の延長した投与は、患者に対し重大な不快を起こし、その不快は栄養要素の供給不足とともに多量の液体の摂取により増大される。これは、気絶、倦怠、絶食に関連した悪心、患者の快適さ及び患者の検査を行うことへの利用可能性を変えること、従ってまた検査の準備中の医師により処方された食事との患者の従順さを低下させることを起こすかもしれない。上記の全ては、次善の準備、従って信頼性の少ない結果、検査に対する印象及び診断を起こしうる。さらに、緩下作用のある物質は塩辛い味を持ち、それは患者の飲み込みを不愉快にする。
【0010】
ポリエチレングリコール(PEG)はほとんどの仙痛組成物の基礎を表わす。消化管により吸収されないその巨大分子は、腸管液の容積を増大可能にする。従って、水和された便は、より早く結腸内を通過し、容易に排泄される。リン酸ナトリウムのような他の緩下作用のある物質もまた使用されることができる。
【0011】
現在、幾つかの既知の緩下作用のある物質または仙痛組成物が市販されている:Colofort(登録商標)(Ipsen),Colopeg(登録商標)(Bayer), Endofalk(登録商標)(Codali),Fleet(登録商標)Phosphosoda(Kela),Klean−Prep(登録商標)(Norgine)など。それらの幾つかは、不愉快な味の問題を芳香を添加することにより解決することを試みている。
【0012】
文献US−A−2006/0073214には、組成物及び/または調製方法が記載されており、患者により困難性を伴なって我慢されている多量の液体の摂取は限定されるべきである。
【0013】
理想的な準備は、結腸を全ての糞便から信頼性をもって空にし、粘膜の全体的または顕微鏡的外観に殆ど影響を持たず、摂取及び評価のために比較的短期間を必要とし、患者に殆ど不快を起こさず、かつ結腸疾病の検出を最大としながら有意な流体−電解質シフトを作らない。長い期間の準備が予期されうるけれども、特にカプセル内視鏡検査の分野で、結腸レベルで不透明液体残留物を除去する栄養物を与えることができることを考慮することが重要となっている。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、エネルギー性または栄養性組成物に関し、それは:
− 緩下作用を持つ少なくとも一つの化合物;
− 少なくともナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リンまたはそれらの組み合わせを含む一つ以上の無機塩;及び/または
− 人間の消化器官により吸収されることができる少なくとも炭水化物を含む栄養素
を含む。
【0015】
好ましくは、無機塩は、ナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リン及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0016】
好ましくは、アスコルビン酸のようなビタミンもまた、エネルギー性または栄養性組成物に添加されることができる。
【0017】
好ましくは、かかるビタミン、特にアスコルビン酸の量は100mgより多く、好ましくは1gより多いが10gより少ない。
【0018】
好ましくは、エネルギー性または栄養性組成物は250kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ。
【0019】
好ましくは、エネルギー性または栄養性組成物は500kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ。
【0020】
好ましくは、エネルギー性または栄養性組成物は1000kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ。
【0021】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物は浸透圧性の緩下剤の群に属する。
【0022】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物はポリエチレングリコール(PEG)であり、その平均分子量は3000kDaより大きいかまたはそれに等しい。
【0023】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物はポリエチレングリコール(PEG)であり、その平均分子量は3000kDa〜20000kDaである。
【0024】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物はポリエチレングリコール(PEG)であり、その平均分子量は3350kDaである。
【0025】
好ましくは、エネルギー性または栄養性組成物はたん白質を含む。
【0026】
好ましくは、エネルギー性または栄養性組成物は他の微量元素(1重量%未満を示す)を含む。
【0027】
栄養性組成物は好ましくは透明である(クリアである)。これは、栄養素及び無機塩が、吸収された液体が粘膜を見ることを可能にするために完全に透明であるように消化管内に存在するように選ばれることを意味する。
【0028】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物は次の群の化合物:バラスト状緩下剤、潤滑剤、浸透圧性緩下剤、接触性緩下剤、アントラキノン誘導体、ジフェニルメタン誘導体及び/またはこれらの化合物の混合物から選ばれる。
【0029】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物は浸透圧性緩下剤の群に属する。
【0030】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物は、3000kDaより大きいかまたはそれに等しい分子量を持つポリエチレングリコールである。
【0031】
好ましくは、緩下作用を持つ化合物はポリエチレングリコール3350である。
【0032】
本発明によれば、栄養素は、グルコース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、サッカロース、ポリサッカライド等のような人間の消化器官により吸収されることができる炭水化物を含むことができる。
【0033】
好ましくは、栄養素はさらに、投与された液体の完全に透明な(クリアな)特性、すなわち可視光に対する透明性を持つたん白質を含む。
【0034】
好ましくは、前記エネルギー性または栄養性組成物はさらに、少なくとも一つの食品添加物を含む。
【0035】
好ましくは、食品添加物の一つは甘味料である。
【0036】
好ましくは、添加物の一つは、味修正効果を持つ食品添加物である。
【0037】
好ましくは、食品添加物の一つは香味料である。
【0038】
前記香味料は、可変量で存在することができ、あらゆる人の味覚に適合されることができる。
【0039】
好ましくは、栄養素はさらに、1重量%未満の割合の微量元素を含む。
【0040】
好ましくは、前記エネルギー性または栄養性組成物は独自の袋内に包装される。
【0041】
代替的に、前記エネルギー性または栄養性組成物は少なくとも二つの袋内に包装される。
【0042】
代替的に、前記エネルギー性または栄養性組成物は、少なくとも一つの袋と少なくとも一つの液体のための容器(携帯びん)内で調質される。
【0043】
代替的に、前記エネルギー性または栄養性組成物は、少なくとも一つの液体のための容器(携帯びん)内で調質される。
【0044】
好ましくは、この組成物は粉末及び/または液体溶液の形態である。
【0045】
好ましくは、この組成物は、経口または静脈投与のための液体溶液を調製するために使用される。
【0046】
好ましくは、この液体溶液は、前記発明による組成物を溶媒と混合することにより得られる。
【0047】
好ましくは、前記溶媒は水である。
【0048】
代替的に、この組成物は、ゼラチンカプセルまたは腸溶性被膜を持つ錠剤として調製されることができる。
【0049】
代替的に、この組成物は前述の投与形態を組み合わせることができる。
【0050】
本発明はまた、キット装置に関し、それは:
− エネルギー性栄養組成物を含む少なくとも一つの袋または一つの携帯びんのいずれか、または
− 本発明による組成物を一緒に形成する、緩下剤を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、及び一つ以上の無機塩及び炭水化物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、または
− 本発明による組成物を一緒に形成する、緩下化合物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、一つ以上の無機塩を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、及び炭水化物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、
を含む。
【0051】
本発明による組成物は、有利には250kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ。
【0052】
好ましくは、前記組成物は、500kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ。
【0053】
好ましくは、前記組成物は、1000kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ。
【0054】
本発明はまた、投与方法に関し、そこでは:
− エネルギー性または栄養性組成物は少なくとも以下のものを混合することにより調製され、
・ 緩下作用を持つ少なくとも一つの化合物;
・ 少なくともナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リンまたはそれらの組み合わせを含む一つ以上の無機塩;及び/または
・ 人間の消化器官により吸収されることができる少なくとも炭水化物を含む栄養素;
− 前記エネルギー性または栄養性組成物は少なくとも検査日に患者に投与される。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明を組成物の特別な実施態様に関してかつ投与の使用の特別な例に関して説明するが、本発明はそれらに限定されず、請求項によってのみ限定される。
【0056】
特に、本発明は、本発明の一般的特徴として以下に記載された組成物のいずれかの個々の特徴を選ぶことにより理解されることができる。
【0057】
さらに、請求項で使用される「含む」という用語は、それ以後に掲げられた手段に限定されるものとして解釈されるべきでなく、それは他の要素または工程を排除しない。述べられた特徴、整数、工程または要素の存在を言及されたように特定するものとして解釈される必要があるが、一つ以上の他の特徴、整数、工程または要素、またはそれらの群の存在または追加を排除しない。
【0058】
組成物1:
80kg未満の人のために作られたこの組成物は、1.5リットルまでの水中で希釈される粉末の形態のものである。
【0059】
この組成物は、単一袋内に包装され、次のものを含む:

【0060】
組成物2:
80kg未満の人のために作られたこの組成物は、1.5リットルまでの水中で希釈される粉末として存在する。
【0061】
この組成物は、二つの袋内で調質され、次のものを含む:

【0062】
組成物3:
80kgより多い人のために作られたこの組成物は、1.5リットルまでの水中で希釈される粉末及び液体の形態である。
【0063】
この組成物は、袋内で及び液体のための容器(携帯びん)内で調質され、次のものを含む:

【0064】
組成物4:
この組成物は、栄養溶液としての電解質−PEG溶液とNutrical(登録商標)の組み合わせである。(電解質−)PEG溶液は、従来技術からの上述の透明液体内で可溶化された上述の組成物1,2及び/または3のいずれかまたは組み合わせであることができる。Nutrical(登録商標)(Nutricia Advanced Medical Nutrition,ベルギー)は、低い水(水分)と無機含有量を持つエネルギーに富んだ炭水化物飲料である。この炭水化物飲料の使用は、不十分なエネルギー摂取を持つまたはエネルギーのために高い必要性を持つ人のために推奨される。上述の炭水化物飲料は、200mlのカートンベースの包装で売られている。この炭水化物飲料の成分は、脱塩水、グルコースシロップ、マルトース、デキストリン、酸性度調節剤(クエン酸)である。
上述の炭水化物飲料の100ml当たり平均分析値:

上述の組成物1,2及び3は、任意選択的に<10gアスコルビン酸(すなわちビタミンC)を含むことができる。
【0065】
使用例
実施例1:
準備の質が良から秀(ELIAKINらによる等級1または2)でなければならない内視鏡カプセル検査に対する消化管を準備するために、患者は次の投与に従わなければならない:
− 検査2日前の夕方に、組成物1の袋が1.5リットルの水に溶かされ、かつ患者に投与される。
− 検査前日、組成物1の3袋が3度1.5リットルの水に溶かされ、かつ1日中、患者に投与される。
− 検査日の朝に、組成物1の袋が1.5リットルに溶かされ、かつ患者に投与される。
【0066】
これは、検査2日前から開始するこの組成物で患者がもっぱら食事を与えられることを可能にする。従って、患者はいずれの追加の液体も取るべきでない。
【0067】
実施例1の2:
準備の質が良から秀(ELIAKINらによる等級1または2)でなければならない内視鏡カプセル検査に対する消化管を準備するために、患者は次の投与に従わなければならない:
− 検査2日前の朝及び昼に、接触性緩下剤(例えばSenna Alexandrinaシロップ)が患者に投与される。
− 検査2日前の夕方に、組成物1の袋が1.5リットルの水に溶かされ、かつ患者に投与される。
− 検査前日、組成物1の3袋が3度1.5リットルの水に溶かされ、かつ1日中、患者に投与される。
− 検査日の朝に、組成物1の袋が1.5リットルに溶かされ、かつ患者に投与される。
【0068】
これは、検査2日前から開始するこの組成物で患者がもっぱら食事を与えられることを可能にする。従って、患者は追加の液体も取るべきでない。
【0069】
実施例2:
準備の質がVANNERらによる秀または良でなければならない放射線学的検査(ColoScan)のための消化管を準備するために、患者は次の工程に従う:
− 検査1日前に、組成物1の2袋が2度1.5リットルの水に溶かされ、かつ患者に投与される。
− 検査日の朝に、組成物1の袋が1.5リットルに溶かされ、かつ患者に投与される。
【0070】
これは、検査1日前から開始するこの組成物で患者はもっぱら食事を与えられることを可能にする。従って、患者は追加の液体も取るべきでない。
【0071】
実施例3:
準備の質がVANNERらによる満足のいく良または秀でなければならない結腸鏡による診断検査のための消化管を準備するために、患者は次の工程に従う:
− 検査1日前に、組成物2の2つの量が2度1.5リットルの水に溶かされ、かつ患者に投与される。
− 検査日の朝に、組成物2の1つの量が1.5リットルに溶かされ、かつ患者に投与される。
【0072】
これは、検査前日から開始するこの組成物で患者はもっぱら食事を与えられることを可能にする。従って、患者は追加の液体も取るべきでない。
【0073】
実施例4:
準備の質がVANNERらによる満足のいく良または秀でなければならない治療介入のための消化管を準備するために、患者は次の工程に従う:
− 検査前日に、組成物3の2つの量が2度1.5リットルの水に溶かされ、かつ患者に投与される。
− 検査日の朝に、組成物3の1つの量が1.5リットルに溶かされ、かつ患者に投与される。
【0074】
これは、検査前日から開始するこの組成物で患者はもっぱら食事を与えられることを可能にする。従って、患者は追加の液体も取るべきでない。
【0075】
実施例5:
準備(口腸)の質が許容可能、VANNERらによる好ましくは良、より好ましくは秀でなければならないPillCam(登録商標)Colon 2(Given Imaging Ltd.,イスラエル)のための消化管を準備するために、患者は次の工程に従う:
− 検査2日前の被験者は:
・ 血液採取を介して決定されたベースライン血清電解質またはイオン及び血糖またはグルコースレベルまたは血糖指数、及び
・ 夕方1リットルのPEG溶液、随意に水(または従来技術の上述の透明液体のいずれか)
を持つであろう。
− 検査前日に、組成物4が次のスケジュールにより患者に投与される:
・ 朝に1リットルのPEG及び200mlの組成物4の炭水化物飲料、
・ 午後に400mlの組成物4の炭水化物飲料、及び
・ 夕方に1リットルのPEG及び200mlの組成物4の炭水化物飲料。
この日には約2000kcal:2(2×247kcal)+(4×247kcal)=1976kcalの合計摂取がある。一食は約700kcalに等しい。
随意に水(または従来技術からの上述の透明液体のいずれか)を除き(患者を断食させるために)口による摂取なし。
− 検査日に被験者は:
・ 血液採取を介して決定されたベースライン血清電解質またはイオン及び血糖またはグルコースレベルまたは血糖指数、及び
・ 実施例5の第1パラグラフの独占の内視鏡カプセルの摂取後の1リットルのPEG溶液
を持つであろう。
上述の(電解質−)PEG(溶液)は、従来技術からの上述の透明液体に溶かされた上述の組成物1,2及び/または3のいずれかまたはそれらの組み合わせであることができる。
健康な志願者が、実施例5の工程を受けさせられ、その後、医師が得られたRAPIDビデオを観察する。内視鏡カプセルの背後の技術は、それが画像形成装置及び光源を含み、かつそれが画像を患者の腹部に取り付けられたセンサ列に及び患者の腰周りのベルトに取り付けられたデータ記録器に伝送することである。観察及び診断のための画像は、医師により独占RAPIDソフトウエアがインストールされているGivenワークステーションにダウンロードされる。結腸の各分節部のための尺度及び全ビデオのための全体を使用して等級化がなされ、等級秀は、付着ふん便のほんのわずかな量があるときに与えられ、劣等級は、多量のふん便残留物があるときに与えられる。この臨床試験または研究の目的は:PEGと組み合わせた炭水化物の経口再水和が患者の腸準備に対する寛容を高め、電解質−PEG溶液と実施例5の第一パラグラフの独占の内視鏡カプセルのための組成物4の炭水化物飲料の組み合わせの結腸浄化の効率(または結腸浄化レベル)を評価する仮定を試みて、組み合わせた食事に対する患者の順守を評価し、組み合わせた食事に対する患者の寛容さを評価し、カプセル滞留時間における食事の効果を評価する‐‐‐‐‐等である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下のものを含むことを特徴とするエネルギー性または栄養性組成物:
− 緩下作用を持つ一つの化合物;
− 少なくともナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リンまたはそれらの組み合わせを含む一つ以上の無機塩;及び
− 人間の消化器官により吸収されることができる少なくとも炭水化物を含む、250kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ栄養素。
【請求項2】
500kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項3】
1000kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項4】
炭水化物が、少なくともグルコース、ガラクトース、フルクトース、マルトース、サッカロース、ポリサッカライドまたはそれらの組み合わせからなる群中から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項5】
緩下作用を持つ化合物が浸透圧性緩下剤の群に属することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項6】
緩下作用を持つ化合物が、3000kDaより大きいかまたはそれに等しい平均分子量を持つポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする請求項5に記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項7】
緩下作用を持つ化合物が、3000kDa〜20000kDaの平均分子量を持つポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする請求項6に記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項8】
緩下作用を持つ化合物が、3350kDaの平均分子量を持つポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする請求項7に記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項9】
たん白質をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項10】
アスコルビン酸のようなビタミンをさらに含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物。
【請求項11】
以下のものを含むことを特徴とするキット:
− 請求項1〜10のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん;または
− 請求項1〜10のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物を一緒に形成する、緩下剤化合物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、一つ以上の無機塩を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、及び栄養物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん;または
− 請求項1〜10のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物を一緒に形成する、緩下剤化合物を含む少なくとも一つの袋または携帯びん、及び一つ以上の無機塩及び栄養素を含む少なくとも一つの袋または携帯びん。
【請求項12】
以下のことを含むことを特徴とする投与方法:
− 請求項1〜10のいずれかに記載のエネルギー性または栄養性組成物が少なくとも以下のものを混合することによって調製される:
− 緩下作用を持つ少なくとも一つの化合物;
− 少なくともナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、リンまた
はそれらの組み合わせを含む一つ以上の無機塩;及び/または
− 人間の消化器官により吸収されることができる少なくとも炭水化物を含む、25
0kcalより大きいかまたはそれに等しいエネルギー値を持つ栄養素;
− 前記エネルギー性または栄養性組成物が少なくとも検査日に患者に投与される。

【公表番号】特表2013−516390(P2013−516390A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544880(P2011−544880)
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050210
【国際公開番号】WO2010/081781
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(510041278)ユニヴェルシテ リブル ドゥ ブリュッセル (12)
【Fターム(参考)】