説明

緩速濾過装置

【課題】揮発性の有害物質の他、緩速濾過装置内に溜まった化石土などの泥状物質を運転を停止させることなく取り除くようにする。
【解決手段】濾過槽1内に下端より栗石層2などからなる基礎部5、基礎部5の上に基礎部5の最上段の玉砂利層4よりも粒径が小さい砂からなる支持砂層6〜11からなる支持部12、支持部12の上に積層された細砂層13〜15からなる細砂部16が設けられ、濾過槽1の内部にはメッシュの大きさが0.1mm程度のステンレス製ネット17が最上段の細砂層15を覆うように設けられ、ネット17で受け止められた泥状物質などを外部に取り出すべく吸引ポンプに繋がれた泥状物質吸引口18をネット17の上側に位置せしめ、濾過槽1の内部において最上段の細砂層15の上に存在する原水にエアーを供給するエアーの供給部22を設け、濾過槽1の上端近傍に原水取り入れ口19を設け、濾過槽1の下端に処理水取り出し口20を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用水などを生成するための緩速濾過装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、河川や地下などから取水した水(以下「原水」という)を飲料水として生成する濾過装置には、緩速濾過装置と急速濾過装置が知られている。古くは急速濾過装置に比べて濾過速度が遅い緩速濾過装置が主流であったが、緩速濾過装置は前述のように濾過速度が遅く、水源の汚染が激しいと濾過砂層が目詰まりして濾過能力が低下するという問題があり、さらには人口の増加や産業の発展に伴い、濾過能力の大きな急速濾過装置が使用されてきた。しかしながら、急速濾過装置は濾過能力の大きいものの、塩素などの薬品を使用することから、処理された水は薬品臭く、また水源から取り入れた水に含まれる物質と薬品が反応して発癌性物質が生成されるなどの問題が生じ、さらには塩素が効かないクリプトス汚染が発生するなどの問題も生じており、濾過速度が遅いが、飲料水として安全な水を作ることのできる緩速濾過装置が見直されつつある。
【0003】
緩速濾過装置は具体的には被処理水を濾過砂層内をゆっくりと通過させ、砂壁に付着している微生物が被処理水の汚れを取り除くように構成されている。この緩速濾過装置の濾過砂として、一般には粒度を整えた海砂、山砂、川砂などが用いられる。
【0004】
ところで、濾過砂の洗浄濁度には規格が設けられており、この洗浄濁度は30度以下で、有機性不純物や雑菌、その他の夾雑物の付着ができるだけ少なくなければならない。そして、この従来の緩速濾過装置および緩速濾過方法において、海砂、山砂、川砂をそのまま濾過砂層として用いるために、規定の洗浄濁度を得、有機性不純物や雑菌、その他の夾雑物を除去するまで洗浄するのにかなりの時間と手間を要していた。
【0005】
そこで、濾過砂層に使用される砂に付着する有機性不純物や雑菌、その他の夾雑物を効率的に取り除いておき、濾過砂層を通過して得られた水は飲み水として安全に利用できるようにした緩速濾過装置として、特許文献1に開示されている装置が知られている。
【0006】
この特許文献1に開示されている緩速濾過装置は、所定の高さおよび径を有した濾過水槽の上部に原水供給部が設けられ、下部に濾過水取出し部が設けられ、前記濾過水槽に、所定温度で焼き洗浄水により洗浄を繰り返し行なった後の焼き砂からなる濾過槽が内装されている緩速濾過装置において、前記濾過槽は上側の第一の濾過層と下側の第二の濾過層とからなり、第一の濾過層は0.15mm〜0.29mmの粒度の焼き砂で形成されて、この第一の濾過層の焼き砂の表面に微生物膜を形成するように構成され、この第一の濾過層上に複数枚の濾過布が上から順に取り出し可能に敷設されてなるもので、上側の第一の濾過層を0.15mm〜0.29mmの粒度の焼き砂で形成してあることにより、塩素で除去できない原虫(クリプトスポリジウム、サイクロスポーラー、ジアルジア)などを捕獲するとともに、水中でほとんど溶けないダイオキシンを、主として第一の濾過層の最上部で捕獲するものである。また、この焼き砂からなる濾過膜で原水を濾過することにより、砂の表面に微生物膜(スライム)を形成し、自然の浄化力と微生物による分解作用で水中の濁りや雑菌だけでなく、有害成分からカビ臭の成分まで取り除き、水質検査の基準値を大きく上回る人体に対し安全な飲み水を得ることができる。また、第一の濾過層の上に設けられる濾過布により予め大きな不純物を取り除くことができるので、粒度の非常に小さな焼き砂からなる第一の濾過層の目詰まりを極力抑えることができ、しかも濾過布は複数枚設けられて、目詰まりした濾過布が上から順に取り出し可能となっているので、1度取り替えた後の濾過布の使用期間が長くなり、長期に亘って連続運転が可能になるというものである。
【特許文献1】特許第3406258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、最近になって越境公害として黄砂による環境汚染問題が取り上げられている。黄砂粒子には土壌起源ではないと考えられるアンモニウムイオン、硫酸イオンなどの有害物質が多く含まれており、飲料水の基になる河川水や地下水などに多く降り注いでいるものと考えられる。上記特許文献1に開示されている緩速濾過装置によれば、殆んどの有害物質を取り除くことができるが、黄砂粒子に付着しているトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質を曝気させて処理することは不可能である。この揮発性の有害物質は黄砂粒子に限らず、メッキ工場から出る排水中にも含まれている場合があり、河川水や地下水などに入り込むと飲料水に至るまでに処理しきれないというのが現状である。
【0008】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質の他、各種有害物質を取り除くことができ、また緩速濾過装置内に溜まった化石土などの泥状物質を運転を停止させることなく取り除くことができる緩速濾過装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の緩速濾過装置は、濾過槽の内部に下端より栗石層とこの栗石層の上に位置する砕石層とこの砕石層の上に位置する玉砂利層とからなる基礎部、この基礎部の上に玉砂利層よりも粒径が小さい砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の支持砂層からなる支持部、この支持部の上に最上段の支持砂層の砂の粒径よりも小さな粒径の砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の細砂層からなる細砂部が設けられ、細砂部は最下段の細砂層の砂の粒径を0.3mmとし、最上段の細砂層の砂の粒径が0.08〜0.1mmとなるように複数段の細砂層が積層されてなり、濾過槽の内部にはメッシュの大きさが0.1mm程度のステンレス製のネットが最上段の細砂層を覆うように設けられ、またネットで受け止められて堆積した泥状物質などを濾過槽の外部に取り出すべく吸引ポンプに繋がれた泥状物質吸引口をネットの上側に位置せしめ、さらに濾過槽の内部において最上段の細砂層の上に存在する原水にエアーを供給するエアーの供給部を設け、濾過槽の上端近傍に原水取り入れ口を設け、濾過槽の下端に処理水取り出し口を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の緩速濾過装置は、濾過槽と前処理槽とからなり、濾過槽の内部に下端より栗石層とこの栗石層の上に位置する砕石層とこの砕石層の上に位置する玉砂利層とからなる基礎部、この基礎部の上に玉砂利層よりも粒径が小さい砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の支持砂層からなる支持部、この支持部の上に最上段の支持砂層の砂の粒径よりも小さな粒径の砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の細砂層からなる細砂部が設けられ、細砂部は最下段の細砂層の砂の粒径を0.3mmとし、最上段の細砂層の砂の粒径が0.08〜0.1mmとなるように複数段の細砂層が積層されてなり、濾過槽の内部にはメッシュの大きさが0.1mm程度のステンレス製のネットが最上段の細砂層を覆うように設けられ、またネットで受け止められて堆積した泥状物質などを濾過槽の外部に取り出すべく吸引ポンプに繋がれた泥状物質吸引口をネットの上側に位置せしめ、濾過槽の上端近傍に前処理槽からの原水を取り入れる原水取り入れ口を設け、濾過槽の下端に処理水取り出し口を設けてなり、さらに前記前処理槽内には前処理槽内に送り込まれた原水にエアーを供給するエアーの供給部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の緩速濾過装置は、最下段の細砂層の砂の粒径を0.3mmとし、最上段の細砂層の砂の粒径が0.08〜0.1mmとなるように複数段の細砂層が積層されてなる細砂部により塩素で除去できない原虫(クリプトスポリジウム、サイクロスポーラー、ジアルジア)などを捕獲するとともに、水中でほとんど溶けないダイオキシンを、主として最上段の細砂層で捕獲するものであり、また前記ネット上に堆積した泥状物質などの除去を吸引ポンプを介して泥状物質吸引口で行なうようになっており、そのときネット上に堆積した泥状物質を泥状物質吸引口で取り除きながら、原水取り入れ口からの原水の供給を停止させることなく連続運転が可能となる。さらに、原水中に存在するトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質の分解処理をエアーの供給部よりエアーを供給することにより行なうようになっており、濁度の安全基準をクリアした飲み水として人体に安全な処理水を得ることができる。さらに、濾過槽とは別に前処理槽を設けることにより、この前処理槽で原水中に含まれる比重の大きな鉄分などを沈殿させ、濾過槽への流入を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
先ず、図1〜図2に示す第1の実施の形態について説明すると、本発明の実施の形態に係る緩速濾過装置の濾過槽1内には、図1に示すように、最下端に最大径が50〜100mm程度の大きさの栗石層2と、この栗石層2の上に位置する最大径が10〜20mm程度の大きさの砕石層3と、この砕石層3の上に位置する最大径が2〜5mm程度の大きさの玉砂利層4とからなり後述する支持砂層の砂の流出を止める基礎部5を設け、この基礎部5の上に玉砂利層4よりも粒径が小さい砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の支持砂層6〜11からなる支持部12を設け、さらにこの支持部12の上に最上段の支持砂層11の砂の粒径よりも小さな粒径の砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の細砂層13〜15からなる細砂部16が設けられている。前記支持部12の支持砂層6〜11の粒径は上にいくほど粒径が小さくなるように、最下段の支持砂層6の粒径が1.8mmとして、上に向って順番に1.2mm、1.0mm、0.8mm、0.6mm、0.4mmの粒径の支持砂層7〜11が積層されている。さらに、前記細砂部16の細砂層13〜15の砂の粒径も上にいくほど粒径が小さくなるように、最下段の細砂層13の砂の粒径が0.3mmとして、上に向って順番に0.2mm、0.08〜0.1mmの粒径の細砂層14,15が積層されている。なお、基礎部5、支持部12、細砂部16の厚みについては、基礎部5は約400mm、支持部12は約300mm、細砂部16は約300mmとなるように設定されている。
【0013】
このように下から基礎部5、支持部12、細砂部16が積層状態で設けられた濾過槽1の中には前記細砂部16の最上段の細砂層15の上にメッシュの大きさが0.1mm程度のステンレス製のネット17が最上段の細砂層15を覆うように載せられる。
【0014】
前記ネット17は濾過槽1の上から供給された原水中に含まれる化石土などの泥状物質を受け止める役目を行なうものである。
このネット17で受け止められて堆積した泥状物質や鉄分などはネット17の上方に設けられた泥状物質吸引口18が泥状物質に近づいた状態で、吸引ポンプ(図示せず)で濾過槽1内の端から順番に吸引され、濾過槽1の外部に取り出されるようになっている。
【0015】
図中、19は濾過槽1の上端近傍に設けた原水取り入れ口、20は濾過槽1の下端に設けた処理水取り出し口、21は前記原水取り入れ口19とネット17との間の位置で濾過槽1の途中に設けられた原水引き抜き口である。さらに、22は濾過槽1の内部において最上段の細砂層15の上に存在する原水にエアーを供給して原水を撹拌するエアーの供給部であり、複数本のパイプ22aの先端からエアーを噴出させるようになっている。
【0016】
上記構成において、例えば地下から汲み上げられた原水は原水取り入れ口19より濾過槽1内に送り込まれて前記ネット17を通り、細砂部16、支持部12、基礎部5を通過して処理水取り出し口20より処理水として外部に取り出される。原水中に含まれる化石土などの泥状物質やネット17のメッシュの大きさよりも大きな物質はネット17で受け止められ、ネット17のメッシュの大きさよりも小さなごみ、微生物を含む不純物は細砂部16によって取り除かれる。
【0017】
前記原水中に含まれる化石土などの泥状物質の殆んどは前記ネット17で受け止められるのであるが、その一部はネット17を通過して細砂部16の最上段の細砂層15の上に薄く積もった状態となり、微生物膜を形成し、自然の浄化力と微生物による分解作用で水中の濁りや雑菌だけでなく、有害成分からカビ臭の成分まで取り除くことができる。
【0018】
また、前記エアーの供給部22より最上段の細砂層15の上に存在する原水にエアーを供給することにより、原水中に存在するトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質を曝気させて分解させ揮発性の有害物質を空気中(ネット17上に存在する水の上の空間部)に放出させることができる。濾過槽1の上端内部には図面では示されていないが、活性炭の層が設けられ、前記空気中に放出された揮発性の有害物質は活性炭で捕捉されて濾過槽1外部の大気中への放出が止められるようになっている。
【0019】
さらに、前記ネット17上に堆積した泥状物質は泥状物質の堆積量が多くなることにより水処理速度が低下したことを確認した時点で吸引ポンプを介して前記泥状物質吸引口18で吸引され、濾過槽1の外部に取り出される。そのとき、前記原水引き抜き口21を開放して、原水引き抜き口21のレベルまで最上段の細砂層15の上に存在する原水の量を減らすことによりネット17上での汚れた原水の量が少なくなる。そして、ネット17上に堆積した泥状物質を泥状物質吸引口18で取り除きながら、原水取り入れ口19からの原水の供給を停止させることなく連続運転が可能となる。
【0020】
以上のように本緩速濾過装置によれば、粒径が0.3mmの砂からなる細砂層13、粒径が0.2mmの砂からなる細砂層14、粒径が0.08〜0.1mmの砂からなる細砂層15からなる細砂部16により塩素で除去できない原虫(クリプトスポリジウム、サイクロスポーラー、ジアルジア)などを捕獲するとともに、水中でほとんど溶けないダイオキシンを、主として最上段の細砂層15で捕獲するものであり、また前記ネット17上に堆積した泥状物質などの除去を吸引ポンプで行なうようになっており、そのときネット17上に堆積した泥状物質を吸引ポンプを介して前記泥状物質吸引口18で取り除きながら、原水取り入れ口19からの原水の供給を停止させることなく連続運転が可能となる。さらに、原水中に存在するトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質の分解処理をエアーの供給部22よりエアーを供給することにより行なうようになっており、濁度の安全基準をクリアした飲み水として人体に安全な処理水を得ることができる。
【0021】
次に、図3に示す第2の実施の形態について説明すると、前記第1の実施の形態では原水中に存在するトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質を曝気させるべく、濾過槽1の内部において最上段の細砂層15の上に存在する原水にエアーを供給して原水を撹拌するエアーの供給部22を設けたが、第2の実施の形態では濾過槽1内にエアーの供給部22を設けずに、濾過槽1とは別に前処理槽23を設け、この前処理槽23に一旦原水を送り込むようにし、この前処理槽23の中に第1の実施の形態と同様のエアーの供給部22を設けて前処理槽23内の原水中に存在するトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性の有害物質を曝気させるようにしてある。なお、前処理槽23内にも活性炭の層が設けられ、前処理槽23内の空気中に放出された揮発性の有害物質は活性炭で捕捉されて外部の大気中への放出が止められるようになっている。他の構成は第1の実施の形態と同じであり、前処理槽23を出た原水は濾過槽1に送り込まれて濾過槽1で処理されるものである。なお、この前処理槽23では原水中に含まれる比重の大きな鉄分などを沈澱させ、濾過槽1への流入を減らすことができる。
前処理槽23の底に溜まった沈澱物は前処理槽23の底部に形成した取り除き口24から取り除かれるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態における緩速濾過装置の濾過槽の断面図である。
【図2】同緩速濾過装置の濾過槽の内部を上方から見た平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における緩速濾過装置の濾過槽の断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 濾過槽
2 栗石層
3 砕石層
4 玉砂利層
5 基礎部
6 支持砂層
7 支持砂層
8 支持砂層
9 支持砂層
10 支持砂層
11 支持砂層
12 支持部
13 細砂層
14 細砂層
15 細砂層
16 細砂部
17 ネット
18 泥状物質吸引口
19 原水取り入れ口
20 処理水取り出し口
21 原水引き抜き口
22 エアーの供給部
22a パイプ
23 前処理槽
24 取り除き口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過槽の内部に下端より栗石層とこの栗石層の上に位置する砕石層とこの砕石層の上に位置する玉砂利層とからなる基礎部、この基礎部の上に玉砂利層よりも粒径が小さい砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の支持砂層からなる支持部、この支持部の上に最上段の支持砂層の砂の粒径よりも小さな粒径の砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の細砂層からなる細砂部が設けられ、細砂部は最下段の細砂層の砂の粒径を0.3mmとし、最上段の細砂層の砂の粒径が0.08〜0.1mmとなるように複数段の細砂層が積層されてなり、濾過槽の内部にはメッシュの大きさが0.1mm程度のステンレス製のネットが最上段の細砂層を覆うように設けられ、またネットで受け止められて堆積した泥状物質などを濾過槽の外部に取り出すべく吸引ポンプに繋がれた泥状物質吸引口をネットの上側に位置せしめ、さらに濾過槽の内部において最上段の細砂層の上に存在する原水にエアーを供給するエアーの供給部を設け、濾過槽の上端近傍に原水取り入れ口を設け、濾過槽の下端に処理水取り出し口を設けたことを特徴とする緩速濾過装置。
【請求項2】
濾過槽と前処理槽とからなり、濾過槽の内部に下端より栗石層とこの栗石層の上に位置する砕石層とこの砕石層の上に位置する玉砂利層とからなる基礎部、この基礎部の上に玉砂利層よりも粒径が小さい砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の支持砂層からなる支持部、この支持部の上に最上段の支持砂層の砂の粒径よりも小さな粒径の砂からなり上段側ほど粒径が小さくなるように積層された複数段の細砂層からなる細砂部が設けられ、細砂部は最下段の細砂層の砂の粒径を0.3mmとし、最上段の細砂層の砂の粒径が0.08〜0.1mmとなるように複数段の細砂層が積層されてなり、濾過槽の内部にはメッシュの大きさが0.1mm程度のステンレス製のネットが最上段の細砂層を覆うように設けられ、またネットで受け止められて堆積した泥状物質などを濾過槽の外部に取り出すべく吸引ポンプに繋がれた泥状物質吸引口をネットの上側に位置せしめ、濾過槽の上端近傍に前処理槽からの原水を取り入れる原水取り入れ口を設け、濾過槽の下端に処理水取り出し口を設けてなり、さらに前記前処理槽内には前処理槽内に送り込まれた原水にエアーを供給するエアーの供給部を設けたことを特徴とする緩速濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−291752(P2009−291752A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150014(P2008−150014)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(508172616)株式会社孝陽 (2)
【Fターム(参考)】