説明

縁ポートを有する医療用手当て用品及び使用方法

制御された液体アクセスが所望される、創傷又は他の身体部位の上に配置するための、ポート付き医療用手当て用品を提供するために使用することができる医療用手当て用品及び医療用手当て用品キット。該医療用手当て用品によって提供される、制御された液体アクセスは、創傷からの液体を除去する(例えば、陰圧又は減圧治療などの場合)、1つ以上の気体を創傷部位に提供する、1つ以上の液体を創傷部位に提供する、及び/又は1つ以上の活性薬剤を創傷部位に提供するのに有用であり得る。制御された液体アクセスを達成するために、該医療用手当て用品及び医療用手当て用品キットは、創傷又は他の身体部位の周辺で、皮膚に接着的に接着する下面を有する、ポート本体を備え得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
陰圧創傷治療での使用に適合された包帯(例えば、米国特許第4,969,880号、同第5,261,893号、同第5,527,293号、及び同第6,071,267号(全ては、Zamierowskiに付与)に記載されるもの等)は、しばしば、それらが上に置かれる創傷の滅菌を損ない得る、構造を有する。これらの製品は、複数のピースの包帯を通して、又は単一ピースの包帯の下に管又は創傷ドレーンを導入する。いずれの場合においても、治療中に、優れた密閉を得ることは困難(困難でない場合は、不可能)であり、空気が創傷から漏出する可能性がある。この空気は、創傷内に混入物を運ぶ、及び/又は圧力ベースの治療の有効性を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
同様の問題は、創傷に酸素治療の提供を試みるときに、見られ得る。特に、創傷の上に配置される包帯のバリア特性を損なうことなく、酸素を創傷部位に送り出すことができる、密閉環境を得ることは、困難であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、制御された液体アクセスが所望される、創傷又は他の身体部位の上に配置するためのポート付き医療用手当て用品を提供するために使用することができる医療用手当て用品及び医療用手当て用品キットを提供する。好ましくは、この液体アクセスは、医療用手当て用品を除去、ないしは、それを妨害せずに、利用することができる。特に、本発明の包帯によって提供される、制御された液体アクセスは、創傷から液体を除去する(例えば、陰圧又は減圧治療の場合)、創傷部位に1つ以上の気体(例えば、酸素、酸化窒素、オゾン等)を提供する、創傷部位に1つ以上の液体(例えば、生理食塩水等)を提供する、及び/又は、創傷部位に1つ以上の活性薬剤(例えば、液体又は気体に担持)を提供するのに有用であり得る。
【0004】
制御された液体アクセスを達成するために、好ましくは、本発明の医療用手当て用品及び医療用手当て用品キットは、創傷又は他の身体部位の周辺で、皮膚に接着的に接着する下面を備える、ポート本体を含み得る。また、ポート本体は、ポート本体の少なくとも2つの対向する側面において、下面及び上面がテーパー状の縁に沿って交わる、上面も含む。裏材は、上面及びポート本体のテーパー状の縁を囲繞する皮膚の上に取り付けられる。縁のテーパー形状により、裏材は、ポート本体と皮膚表面との間の比較的円滑な遷移を生じさせることが可能になる。好ましくは、その円滑な遷移により、本発明の包帯は、包帯と皮膚との間の繰り返し可能な高整合性封止を提供することが可能になる。
【0005】
また、好ましくは、そこを貫通して形成される、1つ以上の通路も含み、ポート本体は、医療用手当て用品及びポート本体が創傷を囲繞する皮膚又は他の身体部位に固定されるとき、包帯の外側で開口する外部ポート、及び医療用手当て用品裏材及びポート本体によって画定される、内部容積内に開口する内部ポートを有する。通路を除いて、ポート本体は、内部容積へのアクセスが制御されるように、固形、ないしは、不浸透性液体であることが好ましい場合がある。
【0006】
一態様では、本発明は、下面及び上面を備えるポート本体であって、下面及び上面が2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、ポート本体のテーパー状の縁に沿って、90度未満の内角を形成する、ポート本体と、ポート本体の上面を貫通して、外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、外部開口部及び内部開口部の両方は、上面に配置される、通路と、ポート本体の下面上に配置される感圧接着剤と、ポート本体の上面に取り付けられる裏材であって、ポート本体の2つの対向する縁との間の上面を越えて延在し、外部開口部は、裏材及びポート本体の下面が本体表面に取り付けられるとき、内部開口部は、裏材、ポート本体、及び本体表面で画定される、内部容積内に開口するように、裏材の縁の近位に配置される、裏材と、を含む医療用手当て用品を提供する。
【0007】
別の態様では、本発明は、下面及び上面を備えるポート本体であって、下面及び上面が2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、テーパー状の縁に沿って、鋭内角を形成する、ポート本体と、ポート本体の上面を貫通して、外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、外部開口部及び内部開口部の両方は、上面に配置される、通路と、ポート本体の下面上に配置される感圧接着剤と、ポート本体の上面に取り付けられる裏材であって、ポート本体の2つの対向するテーパー状の縁との間の上面を越えて延在する縁を備える裏材と、裏材の下面に配置される感圧接着剤であって、裏材の下面は、ポート本体の上面に面し、裏材は、ポート本体の上面に接着的に取り付けられる、感圧接着剤と、ポート本体の下面上の感圧接着剤、及び裏材の下面上の感圧接着剤を被覆する剥離ライナーと、を含み、ポート本体内の外部開口部は、ポート本体の上面を越えて延在する裏材の縁の近位に配置され、内部開口部は、裏材、ポート本体、及び剥離ライナーによって画定される、内部容積内で開口する、包帯を提供する。
【0008】
医療用手当て用品は、以下の特性のうちの1つ以上を任意に含み得る。ポート本体のテーパー状の縁に沿って、ポート本体の上面及び下面によって形成された内角が、75度以下であり得る;ポート本体が、裏材の周縁の外側に延在し得、上面の一部分は、裏材の周縁の外側の裏材によって被覆されない;ポート本体の上面が、内部容積内に露出される内部ポート表面を含み得、内部開口部は、内部ポート表面内に配置される;裏材が、ポート本体の上面に接着的に取り付けられ得る;ポート本体が、内部開口部に連結される内部延在部を含み得る;ポート本体が、外部開口部に連結される外部延在部を含み得る;一方向排出弁が、通路を通る内部容積からの流体流動を可能にし、かつ通路を通る内部容積内への流体流動を制限するように配設され得る;送給弁が、内部容積内への流体流動を可能にするように配設され得、送給弁が、補助ポート本体内に配置され得る。提供される場合、補助ポート本体は、平坦な下面及び上面であって、下面及び上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、補助ポート本体のテーパー状の縁に沿って、90度未満の内角を形成する、平坦な下面及び上面と、補助ポート本体の上面を貫通して、外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、外部開口部及び内部開口部の両方は、上面に配置される、通路と、補助ポート本体の下面上に配置される感圧接着剤と、補助ポート本体の2つの対向するテーパー状の縁の間の上面を越えて延在する裏材であって、裏材は、補助ポート本体の上面に取り付けられ、外部開口部は、裏材及びポート本体の下面が本体表面に取り付けられるとき、内部開口部が裏材、ポート本体、及び本体表面で画定される、内部容積内に開口するように、裏材の縁の近位に配置される、裏材とを含み得る。なお更なる任意の特性として、医療用手当て用品に提供され得る1つ以上は、以下のうちの1つ以上を含み得る。ポート本体の上面が、曲面を有し得る;ポート本体の上面が、円筒の一部分の形状であり得る;ポート本体は、固形体であり得る;ポート本体を貫通して、第2の外部開口部と第2の内部開口部との間に延在する第2通路が、提供され得、裏材及びポート本体の下面が本体表面に取り付けられるとき、第2の内部ポートは、裏材、ポート本体、及び本体表面によって画定される、内部容積内に開口する;裏材が、高分子フィルム裏材であり得る、等。
【0009】
別の態様では、本発明は、下面及び上面を有するポート本体であって、下面及び上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、ポート本体のテーパー状の縁に沿って、90度未満の内角を形成し、ポート本体は、ポート本体の上面を貫通して、外部開口部から内部開口部に延在する通路を更に含み、外部開口部及び内部開口部の両方は、上面に配置され、更に、感圧接着剤は、ポート本体の下面上に配置される、ポート本体と、裏材、裏材の下面上に配置される感圧接着剤、及び裏材の下面上の感圧接着剤を備える、接着性複合体とを含む、医療用手当て用品キットを提供し得る。
【0010】
さまざまな実施形態では、本明細書に記載する医療用手当て用品キットは、以下の特性のうちの1つ以上を任意に含むことができる。2つ以上のポート本体が、キットに含まれ得る;ポート本体の上面及び下面が、ポート本体のテーパー状の縁に沿って、75度以下の角度を形成する;裏材が、高分子フィルム裏材を備える;創傷充填材;一方向排出弁が、提供され、通路を通る内部開口部から外部開口部への流体流動を可能にし、かつ通路を通る外部開口部から内部開口部への流体流動を制限するように配設され得る、等。
【0011】
別の態様では、本発明は、創傷を治療する方法を提供し得、該方法は、包帯を創傷の上に適用する工程であって、医療用手当て用品は、下面及び上面を備えるポート本体であって、下面及び上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、ポート本体のテーパー状の縁に沿って、90度の内角を形成する、ポート本体と、ポート本体の上面を貫通して、外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、外部開口部及び内部開口部の両方は、上面に配置される、通路と、ポート本体の下面上に配置される感圧接着剤と、ポート本体の上面に取り付けられる裏材であって、ポート本体の2つの対向するテーパー状の縁との間の上面を越えて延在し、外部開口部は、裏材の縁の近位に取り付けられる、裏材とを備え、ポート本体の下面は、創傷を囲繞する本体表面に取り付けられ、内部開口部は、裏材、ポート本体、及び創傷によって画定される内部容積内に開口する、工程を含む。該方法は、ポート本体内の通路を貫通して内部容積から液体を除去する工程を更に含む。
【0012】
さまざまな実施形態では、該方法は、以下の特性のうちの1つ以上を含む。内部容積から除去された液体が、内部容積内の圧力が内部容積の外部の大気圧以下であるように、空気を含み得る;内部容積から除去された液体が、創傷からの創傷滲出物を含み得る;医療用手当て用品が、通路を通る内部容積からの流体流動を可能にし、かつ通路を通る内部容積内への流体流動を制限するように配設された、一方向排出弁を含み得る;医療用手当て用品が、内部容積への流体流動を可能にするように配設される送給弁を含み得、該方法が、送給弁を通って、内部容積内に選択された流体を送り出す工程を含み得る;送給弁を通って送達される選択された流体が、活性薬剤を含み得る。提供される場合、送給弁は、補助ポート本体内に配置され得る。提供される場合、補助ポート本体は、下面及び上面を有し、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、補助ポート本体の上面及び下面は、補助ポート本体のテーパー状の縁に沿って、90度未満の内角を形成する、下面及び上面と、補助ポート本体の上面を貫通して、外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、外部開口部及び内部開口部の両方は、上面に配置される、通路とを含み得、裏材は、補助ポート本体の上面に取り付けられ、補助ポート本体の2つのテーパー状の縁との間の上面を越えて延在する裏材であって、外部開口部は、内部開口部が内部容積内に開口するように、裏材の縁の近位に配置される。
【0013】
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利点をもたらし得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下において、他の実施形態もまた好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0014】
本明細書で使用する時、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。用語「及び/又は(使用される場合)は、1つ又は全ての特定した要素/特性、若しくは任意の2つ以上の特定した要素/特性の組み合わせを意味する。
【0015】
用語「及び/又は」は、1つ又は全ての記載した要素/特性、若しくは任意の2つ以上の記載した要素/特性の組み合わせを意味する。
【0016】
上記概要は、本発明の各実施形態又は全ての実装形態を記載するものではない。むしろ本発明に対する一層の理解は、添付図面と共に以下の実施形態の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって明らかとなり、かつ認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面を参照しながら、本発明を更に説明する。
【図1】本発明に従う医療用手当て用品の一実施携帯の平面図。
【図2】図1の線2−2に沿って切り取った、図1の医療用手当て用品の拡大した部分的断面図。
【図3】本発明に関連して使用され得る、代替的ポート本体の側面の正面図。
【図4】図3のポート本体の頂面図。
【図5】本発明に関連して使用され得る、別の代替的ポート本体の斜視図。
【図6】本発明に関連して使用され得る、別の代替的ポート本体の斜視図。
【図7】本発明に従う別の医療用手当て用品の平面図である(管を備える)。
【図8】本発明に従う医療用手当て用品キットの1つの例示的実施形態において提供し得る、構成要素のブロック図。
【図9】通路を通る流体流動を制御するための弁を含む、通路の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の代表的な実施形態に関する以下の説明において、その一部を形成する添付図面の図が参照され、本発明が実施され得る特定の実施形態が実例として示されている。本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよく、並びに構造的変更が行われてもよいことは理解されるであろう。
【0019】
本発明に従う医療用手当て用品の例示的な一実施形態を図1及び2(図2は、図1の線2−2に沿って切り取った部分的断面図である)に示す。医療用手当て用品10は、裏材12(好ましくは、本明細書に記載するとおり、適合し得る)と、裏材12の底面の感圧性接着剤14と、感圧性接着剤14の露出面に取り付けられるライナー16と、裏材12の頂面に取り付けられる担体18とを含む。
【0020】
包帯10は、ライナー16と裏材12との間に配置されるポート本体20を更に含む。ポート本体20は、下面22及び上面24を含む。好ましくは、裏材12は、ポート本体20の上面24に取り付けられる。上面24を裏材12に取り付ける他の技術を、接着材14の代わりに、又は、それに加えて使用し得るが(例えば、ヒートシール、超音波溶接等)、裏材12上の接着剤14を使用して、裏材12がポート本体20の上面24に接着的に取り付けられるのが好ましい場合がある。
【0021】
医療用手当て用品は、1つのポート本体20のみを含むが、本発明の医療用手当て用品(及び本明細書に記載するキット)は、創傷又は他の身体部位への付加的なアクセスが所望される場合に、1つ以上のポート本体を含み得ることを理解されたい。
【0022】
好ましくは、ポート本体20は、裏材12の残部上の接着剤14を被覆するライナー16によって、好ましく被覆される接着剤26とともに、下面22上の接着剤26(好ましくは、感圧性接着剤)を含む。この配置は必須ではないが、接着材26が接着剤14と同一であることが好ましい場合がある。
【0023】
好ましくは、ポート本体20は、そこを貫通して形成される2つ以上の通路30も含み得る。好ましくは、通路30のそれぞれは、裏材12の周縁近位に配置される、少なくとも1つの外部開口部32、及び裏材12の周縁内に配置される、少なくとも1つの内部開口部34を含み得る。
【0024】
好ましくは、ポート本体20は、上面の一部分として、外部ポート表面28及び内部ポート表面29を含み得る。好ましくは、同様に裏材12の周縁の外側に配置される、通路30の外部開口部32は、好ましくは、外部ポート表面28内に配置され得る(特に、好ましくは、外部ポート表面28は、裏材12で被覆されない)。好ましくは、通路30の内部開口部34は、同様に裏材12の周縁内に配置される内部ポート表面29内に配置され得る。
【0025】
使用する際、ポート本体20は、ポート本体20及び裏材12が、内部開口部34がその中で開口する内部容積36を画定するように、包帯10が取り付けられる表面上の裏材12を担持することが好ましい場合がある。一様態では、ポート本体20は、裏材12を包帯10が取り付けられる表面上に「テント」させるとして、記載され得る。したがって、通路30は、通路30を貫通して内部容積36内に開口する。図1に示す実施形態では、内部容積は、裏材12と下部のライナー16との間に形成される。創傷上に使用する際、ポート本体20及び裏材12は、(図2に見られるとおり、ライナー16と考えられ得る)包帯10で被覆される創傷上に内部容積を形成する。場合によっては、その内部容積は、例えば、内部容積内の圧力を大気圧以下のレベルまで減少するために真空が印加される場合に、減少され得る。
【0026】
本体20は、液体不透過性であることが好ましい場合があるが(そこを貫通して形成される任意の通路の外側に)、ポート本体20は、さまざまな異なる材料から形成され得る。また、本体20は、ポート本体20が取り付けられる本体表面に少なくとも多少適合するように可撓性であることが好ましい場合がある。
【0027】
好ましくは、ポート本体20は、外面28から内面29に(示した実施例において)延在する上面24及び下面22が2つの対向する縁23及び25で交わるような形状であり得る。図1及び2に示す実施形態は、2つの異なる縁23及び25を含むが、一部の実施形態において、2つの対向する縁は、ポート本体周辺の湾曲経路に沿って延在する連続する縁上の位置であり得る(例えば、以下の図3及び4のポート本体220を参照)。いずれの場合においても、2つの対向するテーパー状の縁は、裏材がその上に配置される、ポート本体の反対側に配置される。
【0028】
示したポート本体20の縁は、比較的平滑であるが、他の縁の設計は、例えば、のこぎり波パターン、波状パターン(例えば、正弦波形状等)を使用し得る。
【0029】
上面24及び下面22が、ポート本体20のテーパー状の縁23及び25に沿って、90未満の内角を形成することが好ましい場合がある。いくつかの実施形態では、好ましくは、上面24及び下面22によって形成された内角は、75度以下であり得る。あるいは、内角は、鋭角として特徴付けられ得る。包帯と関連して使用されるポート本体が、図1に示すもの等の直線状縁を有しない場合に、好ましくは、本明細書に言及する内角は、裏材12に垂直に配向される平面とともに、対向する縁23及び25上の裏材12とポート本体20との間の接合点との間に延在する、平面に取り込まれたポート本体の断面図内で測定される。
【0030】
好ましくは、裏材12がその上に取り付けられる、テーパー状の縁23及び25は、ポート本体20から包帯が取り付けられる本体表面への比較的円滑な遷移を提供する。図2に示すとおり、ライナー16は、本発明の包帯の潜在的利点を示すように、典型的な本体表面として機能する。好ましくは、ポート本体20からライナー/本体表面16への円滑な遷移により、ユーザーは、包帯10によって被覆される創傷への異物、空気等の侵入が、実質的に防止される、又は阻止されるように、裏材12及びポート本体20を封止する様態で、包帯10を取り付けることが可能になる。
【0031】
図1及び2に示す実施形態に関連して示す他の任意の特性の中には、ポート本体20は、ポート本体22の上面24の一部が裏材12で被覆されないように、裏材12の周縁を越えて延在し得ることがある。示した実施形態では、ポート本体20は、(本明細書に記載するとおり、他の構成も使用し得るが)弓状の上面24を有する。更に具体的には、図1及び2に示すポート本体20は、更に具体的に、縁表面(外面28及び内面29)が平坦な(例えば、実質的に平面)表面である、直円筒として記載され得る、円筒の断面(例えば、半円断面)として記載され得る。
【0032】
図1及び2に示す更に別の任意の特徴は、本明細書に記載するとおり、裏材12が可撓性である場合に、特に有用であり得る、担体18である。好ましくは、担体18は、患者への設置中に、包帯10の取り扱いを容易にすることができる、タブ19を含み得る。好ましくは、担体18は、裏材12周縁の有意な部分の周囲に延在する、額縁形状で提供され得る。示した実施形態では、担体18は、担体18の内側及び外側部分が互いから分離して除去され得るように、任意の中間分離線17を含む。本発明に関連して使用し得る、担体(担体18等)のいくつかの潜在的に適切な例は、例えば、米国特許第6,169,224号、同第5,088,483号、及び同第4,598,004号で確認することができる。
【0033】
図1及び2に関連して示したポート本体20は、直円筒の断面又は部分の形状であり得るが、本発明に関連して使用するポート本体は、さまざまな異なる形状を成し得る。潜在的な代替的形状のポート本体のいくつかの例を、(これらは、潜在的な代替的形状のいくつかの例のみであるが)、図3〜6に関連して示す。図3及び4に示すポート本体120(側正面図である図3及び頂面図である図4)は、下面122及び上面124を含み、通路130が、ポート本体120を貫通して延在する。ポート本体120は、一般的に、ポート本体120と、ポート本体120及びその関連する裏材が取り付けられる本体表面(図示せず)との間の円滑な遷移を提供するために、テーパー状の縁123及び125に沿って交わる下面122及び上面124を有する、細長い楕円形のような形状を有する。
【0034】
ポート本体の代替的形状の別の例を図5に示し、ポート本体220は、下面222、並びに2つの表面227a及び227bを含む上面を含む。2つの表面227a及び227bは、下面222とともに、ポート本体220と、ポート本体220及びその関連する裏材が取り付けられる本体表面(図示せず)との間の円滑な遷移を提供するために、ポート本体220に2つのテーパー状の縁223及び225を有する三角柱の形状を提供する。また、ポート本体220は、ポート本体220が本明細書に記載する医療用手当て用品と関連して使用されるとき、内部容積へのアクセスを提供するために、そこを通って形成される、2つの通路230a及び230bも含む。
【0035】
ポート本体の代替的形状の更に別の例を図6に示し、ポート本体320は、下面322、並びに3つの表面327a、327b、及び327cを含む上面を含む。3つの表面327a、327b、及び327cは、下面322とともに、ポート本体320に台形形状の底面を有する角柱形状を提供する。ポート本体320は、ポート本体320と、ポート本体320及びその関連する裏材が取り付けられる本体表面(図示せず)との間の円滑な遷移を提供するために、2つのテーパー状の縁323及び325を含む。また、ポート本体320は、ポート本体320が本明細書に記載する医療用手当て用品と関連して使用されるとき、内部容積へのアクセスを提供するために、そこを貫通して形成される、3つの通路330a、330b、及び330cも含む。
【0036】
さまざまな代替的ポート本体の形状は、本発明のポート本体に含まれ得る、さまざまな異なる特性を示す。しかしながら、一般的に、ポート本体が、ポート本体が取り付けられる本体表面との許容可能な封止を形成できるように、下面は、平面であることが好ましい場合がある。上面は、ポート本体と、裏材と、本体表面との間の円滑な遷移を得ることができるように、上面が2つの対向するテーパー状の縁に沿って下面と交わることが好ましいが、さまざまな異なる形状の特性を含み得る。上面は、平坦な表面のみを含み得(図5及び6の場合)、その場合、ポート本体は、角柱形状を有するとして記載し得る。他の実施形態では、上面は、曲面のみを含み得る(図3及び4の場合)。更に他の実施形態では、上面は、平面及び曲面の両方を含み得る(図1及び2の通り)。
【0037】
ポート本体420の更に別の実施形態を図7に示す。ポート本体420は、一対の内部開口部から延在する延在部452及び454(例えば、管又は他の構造)を含む(図7に見られない)。2つの延在部を図7に示すが、本発明に関連して使用するポート本体は、そのような延在部の1つのみ又は2つ以上の延在部を含み得ることを理解されたい。典型的に、それぞれの延在部は、他の配置も可能であるが、ポート本体420内の単一の内部開口部に連結される。延在部452及び454は、(本明細書に記載する)本発明の医療用手当て用品によって画定される、内部容積内、及び/又はそこからの流体の動作を補助するために使用し得る。延在部は、さまざまな構成を成し得る。例えば、本発明に関連して使用する延在部は、穿孔、多孔質等であり得る(例えば、Jackson Prattの創傷ドレーンに関連して使用する管と同様)。他の代替では、延在部は、米国特許第4,398,910号(Blake et al.)に開示される形状等のより複雑な長手方向の形状を有し得る。
【0038】
また、ポート本体420内の外部開口部から延在する延在部456及び458も図7に示す。延在部456及び458は、例えば、本明細書に記載するとおり、医療用手当て用品によって画定される内部容積内、及び/又は、そこからの流体を送り出すために使用し得るポンプ、液体源(例えば、酸素、生理食塩水等)に連結するために使用し得る。延在部456及び458はそれぞれ、漏れ防止連結を促進することができる、取付部457及び459を含む。例えば、取付部457及び459は、(他のコネクタも使用し得るが)例えば、ルアーロック型接続等の迅速な接続構造で使用し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、内部開口部から延在する延在部452及び454は、外部開口部から延在する延在部456及び458と一体型であり得、言い換えると、延在部452は、延在部456と一体型であり得、延在部454は、管458と一体型であり得る。あるいは、異なる延在部は、別個であり、ポート本体420に取り付けられる異なる物品であり得る。
【0040】
本発明の医療用手当て用品は、裏材に取り付けられるポート本体とともに提供し得るが、いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のポート本体が1つ以上の裏材から別個に提供される、キットの形状で提供し得る。図8は、ポート本体520が医療用手当て用品510から別個に提供される、そのようなキット500を示す。好ましくは、任意のそのようなキットは、運搬中及び保管中に、異なる成分の清浄度及び滅菌度が保護されるように、封止パッケージで提供され得る。
【0041】
そのようなキットを使用する際、ポート本体(又は複数の本体)は、患者の皮膚上に設置し、続いて、内部容積がポート本体及び裏材によって形成されるように、裏材を設置し得る。あるいは、ユーザーは、患者にポート本体又は裏材のいずれかを設置する前に、ポート本体を裏材にアセンブル(例えば、取り付ける)し得る。
【0042】
また、本発明のキットは、例えば、創傷充填材等の他の材料も含み得る。創傷充填材のいくつかの潜在的に適切な例は、内部容積を充填する創傷内に設置し得る、完全又は部分的網状発泡体、布地(例えば、ガーゼ、織物、編物、又は不織布材)、粒子状物質等を含み得る。
【0043】
好ましくは、本発明の医療用手当て用品のポート本体は、ポート本体内の内部開口部が、包帯(及びその中に任意の創傷充填材が配置され得る)によって画定される、内部容積と流体連結するように、創傷周囲領域(創傷の縁)にわたって設置され得る。
【0044】
使用されるとき、内部容積(及び、したがって、包帯で被覆される創傷)からの液体を除去する、及び/又はそこへ液体を送り出す機会を提供することによって、ポート本体を貫通して形成された通路を使用して、創傷の上の包帯によって画定される、内部容積内の環境を制御し得る。本発明の包帯によって創傷上に形成された内部容積から除去された液体は、空気又は他の気体(例えば、酸素、酸化窒素、オゾン等)、及び/又は液体(例えば、創傷滲出物、生理食塩水等)を含み得る。いくつかの例では、好ましくは、内部容積内の気体の除去により、内部容積内の気体圧が周囲の大気圧(つまり、内部容積の外側の圧力)以下である、陰圧又は減圧環境が提供される。その結果、本発明の医療用手当て用品を使用して、陰圧又は減圧創傷治療を提供し得る。
【0045】
1つ以上のポート本体及び/又は単一のポート本体を通る1つ以上の通路の使用により、本発明の包帯によって形成された内部容積からの液体を除去し、かつそこへ液体を送り出す機会が提供され得る。内部容積に送達される液体は、気体(例えば、酸素、酸化窒素、オゾン等)、及び/又は液体(例えば、生理食塩水、水等)を含み得る。いくつかの例では、例えば、微粒子が通路を通って送達される液体内に同伴する場合、それらも内部容積に送達される。
【0046】
いくつかの例では、ポート本体を通る通路を使用して、内部容積(及び、したがって、包帯によって被覆される創傷)に1つ以上の活性薬剤を送達し得る。活性薬剤は、流体として提供し得る、及び/又は内部溶液に送達される流体内で保有され得る。いくつかの潜在的に適切な活性薬剤は、例えば、抗菌生物材、抗菌剤、鎮痛剤、ビタミン等の回復要因、成長因子、栄養素等を含み得る。
【0047】
送達される場合、活性薬剤(又は複数の薬剤)を連続的又は断続的に供給することが可能である。例えば、活性薬剤を内部容積に送り出すことが可能であり、選択された期間(例えば、数時間)の間、定置に残留(つまり、常在)し、続いて、第2の活性薬剤の送達が可能になる。最初の活性薬剤は、第2の薬剤の送達前に除去することが可能であるか、又は定置に残留することが可能である。あるいは、内部容積は、第2の薬剤の送達前に、例えば、生理食塩水又は別のフラッシング溶液で洗浄することが可能である。2つの通路が内部溶液内に提供される場合、流体の送達及び除去は、2つ以上の通路間で調整され、異なる活性薬剤、並びに創傷に陰圧創傷治療及び/又はガス治療を提供する要望に応じて、治療計画の有効性を向上し得る。
【0048】
以下の考察は、本発明の医療用手当て用品と関連して使用し得るさまざまな特性の構造に関して、いくつかの制限されない例を提供する。
【0049】
ポート本体
本発明と関連して使用するポート本体が、そこ(ポート本体を通って意図的に提供される通路の外側)を通る液体又は気体の通過を制限又は効果的に防止する流体バリアを提供する材料で製造されることが好ましい場合がある。好ましくは、ポート本体に使用される材料は、身体部位に適合し、かつ接着するのを補助するために、比較的弾力性又は可撓性であり得る。いくつかの潜在的に適切な材料の例としては、例えば、プラスチック化されたPVC、ポリウレタン、シリコーン、ブロックコポリマーエラストマー(例えば、KRATON)、ポリオレフィン(メタロセンポリオレフィンを含む)、ポリアミド(例えば、PEBAX)、エラストマーポリエステル(HYTRELエラストマーを含む)等が挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)、ブチルゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ネオプレン等の熱硬化性エラストマーも適切であり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ポート本体は、複合品(例えば、弾力性基部及び少ない弾力性の上部分等の2つ以上のコンポーネントの集合体)として製造し得る。
【0051】
本発明のポート本体は、任意の適切な技術によって形成され得る。例えば、溶融押出等のポート本体構造を効果的に産生することが可能な製造工程を使用することが好ましい場合がある。他の潜在的な製造技術は、例えば、射出成形、インサート成形等を含み得る。他の実施形態では、ポート本体は、例えば、2部ポリウレタン又はシリコーン反応、フリーラジカル加硫反応等の反応が生じる成形作業で形成され得る。
【0052】
本発明と関連して使用されるポート本体は、ポート本体内に形成された通路を通る流体流動を制御するための、1つ以上の弁を含み得る。ポート本体620内の通路630内に配置される弁660を示す断面図を図9で提供する。通路630内に配置されて示されているが、弁660は、弁660が通路630内の流動を制御するように、通路630のいずれかの端部に配置され得る。あるいは、弁(複数)は、図7の452、454、456、及び458等の延在部内に設置することができる。
【0053】
代替的に他の弁を使用し得るが、好ましくは、本発明と関連して使用される弁は、一方向の流動を可能にし、かつ反対方向の流動を制限する、自己閉鎖型の一方向又は単方向弁であり得る。いくつかの適切な自己閉鎖型の一方向弁は、例えば、ダックビル弁、ボタン弁、傘弁、バネ荷重ボール弁等を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、一方向弁が、通路を通る内部容積からの流体流動を可能にし、かつ通路を通る内部容積への流体流動を制限する排出弁として動作するように、一方向弁が配設されるのが好ましい場合がある。一方向弁を使用することによって、本発明の包帯によって形成された内部容積から流体を断続的に除去し、かつ除去事象間の流体除去によって形成された任意の減圧又は陰圧状態を保持することが可能であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、ポート本体の通路を通って、内部容積内に流体を送り出すために使用することができる送給弁を提供することが好ましい場合がある。そのような送給弁は、一方向弁であってもなくてもよい。送給弁が一方向弁である場合、通路を通る内部容積への流体流動を可能にし、かつ通路を通る内部容積からの流体流動を制限するように配設される。
【0056】
裏材
本発明の医療用手当て用品は、好ましく、液体及び少なくともいくらかの気体の通路にバリアを提供する、適合裏材と併せて、有用である。典型的な裏材は、高分子フィルム及び他の同様の裏材を含み得る。好ましい好適な裏材は、半透明又は透明の高分子フィルムである。
【0057】
本発明と関連して使用する裏材が、高透湿性フィルム裏材であることが好ましい場合がある。発行された米国特許第3,645,835号、及び同第4,595,001号は、そのようなフィルムを作製する方法、及びそれらの透過性を試験する方法を記載する。フィルム(及び、本明細書に記載する、そこに使用される任意の接着剤)が、ヒトの皮膚と同等又はそれ以上の速度で水蒸気を透過することが好ましい場合がある。好ましくは、接着剤で被覆されたフィルムは、米国特許第4,595,001号に記載される逆カップ法を使用して、少なくとも300g/m/24時間/37℃/100−10%RH、より好ましくは、少なくとも700g/m/24時間/37℃/100−10%RH、及び最も好ましくは、少なくとも2000g/m/24時間/37℃/100−10%RHの速度で、水蒸気を透過する。
【0058】
また、好ましくは、裏材は、解剖学的表面に適合し得る。そのため、裏材が解剖学的表面に適用されたとき、その表面が動いたときであっても、その表面に適合する。また、好ましい裏材は、動物の解剖学的関節にも適合し得る。関節が屈曲した後に非屈曲位置に戻るとき、裏材は、伸びて関節の屈曲に対応するが、関節が非屈曲状態に戻ると関節へ適合し続けるのに十分な弾力性がある。裏材のこの特徴の説明は、発行された米国特許第5,088,483号及び同第5,160,315号で確認することができる。説明するとおり、特に好ましい裏材は、エラストマーポリウレタン、ポリエステル、又はポリエーテルブロックアミドフィルムであり得る。これらのフィルムは、弾力性、高い水蒸気透過性、及び透明性の望ましい性質を組み合わせる。
【0059】
市販の潜在的に適切な裏材の例としては、TEGADERM(3M社)、BIOSITE(Johnson & Johnson社)、OPSITE(Smith & Nephew)等の商標名で販売されている、薄い高分子フィルム裏材が挙げられ得る。外科用切開ドレープ(例えば、STERIDRAPE及びIOBANの商標名で、3M社によって製造される切開ドレープ)等の製造に一般的に使用されるもの等を含む、他の多くの裏材も使用し得る。
【0060】
担体/送達システム
いくつかの例では、本発明の医療用手当て用品で使用する裏材は、剥離ライナーが裏材から除去されるとき、裏材が患者の皮膚への包帯の円滑で無菌の適用を阻害して、それ自体を褶曲し、かつそれに接着する傾向があり得るような非常に可撓性及び柔軟であり得る。
【0061】
この問題に対処するために、さまざまな送達システム(米国特許第4,485,809号、米国特許第4,600,001号、及びEPO公報第0 051 935号に開示されるもの等)が提案されている。担体型送達システム(米国特許第6,685,682号に記載されるもの等)は、適合する裏材とともに使用するための代替的送達システムを提供する。
【0062】
代替的担体及び/又は送達システムは、発行された米国特許第6,742,522号、同第5,979,450号、同第6,169,224号、同第5,088,483号、同第4,598,004号、同第D493,230号に開示されるとおり、枠、ハンドル、補強ストリップ等を備え得る。更に別の潜在的に適切な送達システムは、米国特許出願第2007/0156075A1号に記載され得る。いくつかの例では、例えば、米国特許第5,803,086号に記載されるとおり、裏材は、ライナー無しで送り出すことが可能である。
【0063】
感圧接着剤
好ましくは、本発明の医療用手当て用品及びポート本体に使用され得る感圧接着剤は、米国特許第RE 24,906号に記載されるアクリル酸コポリマー、具体的には、96:4のイソオクチルアクリレート:親油性コポリマー等の、典型的に皮膚に適用される接着剤を含み得る。別の例は、米国特許第4,737,410号(実施例31)に記載するとおり、70:15:15のイソオクチルアクリレート:エチレンオキシドアクリレート:アクリル酸ターポリマーを含み得る。他の潜在的に有用な接着剤は、米国特許第3,389,827号、同第4,112,213号、同第4,310,509号、及び同第4,323,557号に記載されている。米国特許第4,310,509号及び同第4,323,557号に記載されているように、薬剤又は抗微生物剤が接着剤に包含されることも想起される。
【0064】
好ましくは、感圧接着剤は、ヒトの皮膚よりも早い、又は同等の速度で水蒸気を透過する。そのような特徴は、適切な接着剤を選択することで達成することができる一方、米国特許第4,595,001号に記載されるとおり、裏材上の接着剤を被覆するパターン等の、高い相対速度の水蒸気透過を達成する他の方法を使用し得ることも、本発明に意図される。
【0065】
剥離ライナー
本発明の医療用手当て用品の使用に適切であり得る剥離ライナーは、スーパーカレンダー仕上げのクラフト紙、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、又は任意のこれらの材料の複合物からなる可能性がある。好ましくは、ライナーは、炭化水素、フッ素性化学物質、シリコーン、又はこれらの組み合わせ等の離型剤で被覆される。例えば、米国特許第4,472,480号は、低表面エネルギーペルフルオロ化合物ライナーを記載する。好ましくは、ライナーは、紙、ポリオレフィンフィルム、ポリオレフィン被覆紙、又はシリコーン剥離材で被覆されたポリエステルフィルムの形状であり得る。市販のシリコーン被覆の剥離ライナーの例は、ポリオレフィン被覆紙上のシリコーン剥離である、POLY SLIK(商標)、フィルム上のシリコーン剥離である、FL2000(商標)、及びスーパーカレンダー仕上げのクラフト紙上のシリコーン剥離である、STICK−NOT(商標)、(全ては、Loparex社(Willowbrook,Ill.)から入手可能)、Akrosil社(Menasha,Wis.))のシリコーン被覆のスーパーカレンダー仕上げのクラフト紙、及びHuhtamaki Florchheim社(Florchheim,Germany)のシリコーン剥離フィルムである。別の潜在的なライナーは、Huhtamaki社から入手可能なシリコーン被覆(1630)低密度ポリエチレンである。
【0066】
特定の剥離ライナーの選択は、感圧接着剤の選択に関連して行い得る。当業者は、最終製品において望ましい質の組み合わせに到達するように、異なるライナーに対して、新たな接着剤を、又は異なる接着剤に対して、新たなライナーを試験するプロセスを熟知しているであろう。シリコーン剥離ライナーの選択に適切な考察は、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology、Van Nostrand−Reinhold,1982、pp.384〜403 の18章で確認することができる。また、米国特許第4,472,480号は、ペルフルオロポリエーテル剥離ライナーの選択に適切な考察を記載する。
【0067】
本明細書に引用する特許、特許文献、及び出版物の完全な開示は、それぞれが、独立して組み込まれるかのように(本明細書において、明確に提供される、任意のそのような開示と説明との間の矛盾は、本文書を支持して解決されるべきであるが)、参照することにより、その全体に組み込まれる。
【0068】
本発明の例示的実施形態は、本発明の範囲内で実行可能な変更に関して記述する。本発明内のこれら及び他の変形及び修正は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者に明らかであり、本発明は本明細書に説明される代表的な実施形態に限られないということは理解されるべきである。したがって、本発明は、以下に提供されている請求項及びその同等物によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面及び上面を有するポート本体であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該ポート本体の該テーパー状の縁に沿って90度未満の内角を形成する、ポート本体と、
該ポート本体の該上面を貫通して外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、該外部開口部及び該内部開口部の両方は、該上面に配置される、通路と、
該ポート本体の該下面上に配置される感圧接着剤と、
該ポート本体の該上面に取り付けられる裏材であって、該裏材は、該ポート本体の該2つの対向するテーパー状の縁の間の該上面を越えて延在し、該外部開口部は、該裏材及び該ポート本体の該下面が本体表面に取り付けられるとき、該内部開口部が、該裏材、該ポート本体、及び該本体表面によって画定される内部容積内に開口するように、該裏材の該縁の近位に配置される、裏材と、
を備える、医療用手当て用品。
【請求項2】
前記ポート本体の前記テーパー状の縁に沿って前記ポート本体の前記上面及び前記下面によって形成された前記内角は、75度以下である、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項3】
前記ポート本体は、前記裏材の周縁
の外側に延在し、前記上面の一部分は、前記裏材の周縁の外側で前記裏材によって被覆されない、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項4】
前記ポート本体の前記上面は、前記内部容積内に露出される内部ポート表面を備え、前記内部開口部は、該内部ポート表面内に配置される、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項5】
前記裏材は、前記ポート本体の前記上面に接着的に取り付けられる、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項6】
前記ポート本体は、前記内部開口部に連結する内部延在部を更に備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項7】
前記ポート本体は、前記外部開口部に連結する外部延在部を更に備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項8】
前記医療用手当て用品は、前記通路を通る前記内部容積からの流体流動を可能にし、かつ前記通路を通る前記内部容積内への流体流動を制限するように配設された一方向排出弁を更に備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項9】
前記医療用手当て用品は、前記内部容積内への流体流動を可能にするように配設された送給弁を更に備える、請求項8に記載の医療用手当て用品。
【請求項10】
前記送給弁は、補助ポート本体内に配置され、
該補助ポート本体は、
平坦な下面及び上面であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該補助ポート本体の該テーパー状の縁に沿って90度未満の内角を形成する、平坦な下面及び上面と、
該補助ポート本体の該上面を通って外部開口部から内部開口部へ延在する通路であって、該外部開口部及び該内部開口部は、該上面に配置される、通路と、
該補助ポート本体の該下面上に配置される感圧接着剤と、を備え、
前記裏材は、前記補助ポート本体の該上面に取り付けられ、該裏材は、該補助ポート本体の該2つの対向するテーパー状の縁の間の該上面を越えて延在し、該外部開口部は、該裏材及び該補助本体の該下面が本体表面に取り付けられるとき、該内部開口部が、該裏材、該補助ポート本体、及び該本体表面によって画定される内部容積内に開口するように、該裏材の該縁の近位に配置される、請求項9に記載の医療用手当て用品。
【請求項11】
前記上面は、曲面を備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項12】
前記上面は、円筒の断面を備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項13】
前記ポート本体は、固形体を有する、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項14】
前記ポート本体を貫通して第2の外部開口部及び第2の内部開口部の間に延在する第2の通路であって、前記裏材及び該ポート本体の前記下面が本体表面に取り付けられるとき、該第2の内部ポートは、該裏材、該ポート本体、及び該本体表面によって画定される内部容積内に開口する第2の通路を更に備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項15】
前記裏材は、高分子フィルム裏材を備える、請求項1に記載の医療用手当て用品。
【請求項16】
下面及び上面を有するポート本体であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該テーパー状の縁に沿って鋭内角を形成する、ポート本体と、
該ポート本体の上記上面を貫通して外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、該外部開口部及び該内部開口部の両方は、該上面に配置される、通路と、
該ポート本体の該下面上に配置される感圧接着剤と、
該ポート本体の該上面に取り付けられる裏材であって、該ポート本体の該2つの対向するテーパー状の縁の間の該上面を越えて延在する縁を備える、裏材と、
該裏材の下面上に配置される感圧接着剤であって、該裏材の該下面は、該ポート本体の該上面に面し、該裏材は、該ポート本体の該上面に接着的に取り付けられる、感圧接着剤と、を備えた医療用手当て用品であって、
該ポート本体の該下面上の該感圧接着剤、及び該裏材の該下面上の該感圧接着剤を被覆する剥離ライナーと、
を備え、
該ポート本体内の該外部開口部は、該ポート本体の該上面を越えて延在する該裏材の該縁の近位に配置され、該内部開口部は、該裏材、該ポート本体、及び該剥離ライナーによって画定される内部容積内に開口する、医療用手当て用品。
【請求項17】
前記ポート本体は、前記裏材の周縁の外側に延在し、前記上面の一部分は、該裏材によって被覆されない、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項18】
前記ポート本体は、前記内部開口部に連結する内部延在部を更に備え、該内部延在部の少なくとも一部分は、前記裏材、該ポート本体、及び前記剥離ライナーによって画定される前記内部容積内に配置される、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項19】
前記ポート本体は、前記外部開口部に連結する外部延在部を更に備える、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項20】
前記ポート本体を貫通して第2の外部開口部と第2の内部開口部との間に延在する第2の通路を更に備え、該第2の内部開口部は、前記裏材、該ポート本体、及び前記剥離ライナーによって画定される該内部容積内に開口する、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項21】
前記上面は、曲面を備える、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項22】
前記上面は、円筒の断面を備える、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項23】
前記上面は、前記内部容積内に露出される内部ポート表面を備え、前記内部開口部は、該内部ポート表面に配置される、請求項15に記載の医療用手当て用品。
【請求項24】
前記ポート本体は、固形体を有する、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項25】
前記医療用手当て用品は、前記通路を通る前記内部容積からの流体流動を可能にし、かつ前記通路を通る該内部容積内への流体流動を制限するように配設された一方向排出弁を更に備える、請求項16に記載の医療用手当て用品。
【請求項26】
前記医療用手当て用品は、前記内部容積内への流体流動を可能にするように配設された送給弁を更に備える、請求項25に記載の医療用手当て用品。
【請求項27】
前記送給弁は、補助ポート本体内に配置され、
該補助ポート本体は、
下面及び上面であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該補助ポート本体の該テーパー状の縁に沿って90度未満の内角を形成する、下面及び上面と、
該補助ポート本体の該上面を通って外部開口部から内部開口部へ延在する通路であって、該外部開口部及び該内部開口部は、該上面内に配置される、通路と、
該補助ポート本体の該下面上に配置される感圧接着剤と、を備え、
前記裏材は、該補助ポート本体の該上面に取り付けられ、該裏材は、該補助ポート本体の該2つの対向するテーパー状の縁の間の該上面を越えて延在し、該外部開口部は、該裏材及び該補助本体の該下面が本体表面に取り付けられるとき、該内部開口部が、該裏材、該補助ポート本体、及び該本体表面によって画定される内部容積内に開口するように、該裏材の該縁の近位に配置される、請求項26に記載の医療用手当て用品。
【請求項28】
下面及び上面を備えるポート本体であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該ポート本体の該テーパー状の縁に沿って90度未満の内角を形成し、該ポート本体は、該ポート本体の該上面を貫通して外部開口部から内部開口部へ延在する通路を更に備え、該外部開口部及び該内部開口部の両方は、該上面内に配置され、更に、感圧接着剤が該ポート本体の該下面上に配置される、ポート本体と、
裏材、該裏材の下面上に配置される感圧接着剤、及び該裏材の該下面上の該感圧接着剤を被覆する剥離ライナーを有する、接着複合物と、
を備える、医療用手当て用品キット。
【請求項29】
前記キットは、2つ以上の前記ポート本体を備える、請求項28に記載の医療用手当て用品キット。
【請求項30】
前記上面及び前記下面は、前記ポート本体の前記テーパー状の縁に沿って75度以下の角度を形成する、請求項28に記載の医療用手当て用品キット。
【請求項31】
前記裏材は、高分子フィルム裏材を備える、請求項28に記載の医療用手当て用品キット。
【請求項32】
創傷充填材を更に備える、請求項28に記載の医療用手当て用品キット。
【請求項33】
前記医療用手当て用品は、前記通路を通る前記内部開口部から前記外部開口部への流体流動を可能にし、かつ該通路を通る該外部開口部から該内部開口部への流体流動を制限するように配設された一方向排出弁を更に備える、請求項28に記載の医療用手当て用品キット。
【請求項34】
医療用手当て用品を創傷の上に適用する過程であって、
下面及び上面を有するポート本体であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該ポート本体の該テーパー状の縁に沿って90度未満の内角を形成する、ポート本体と、
該ポート本体の前記上面を貫通して外部開口部から内部開口部に延在する通路であって、該外部開口部及び該内部開口部の両方は、該上面に配置される、通路と、
該ポート本体の該下面上に配置される感圧接着剤と、
該ポート本体の該上面に取り付けられた裏材であって、該裏材は、該ポート本体の該2つの対向するテーパー状の縁の間の該上面を越えて延在し、該外部開口部は、該裏材の該縁の近位に配置される裏材と、を備えた医療用手当て用品であって、該ポート本体の該下面は、創傷を囲繞する本体表面に取り付けられ、該内部開口部は、該裏材、該ポート本体、該本体表面、及び該創傷によって画定される内部容積内に開口する医療用手当て用品を、創傷の上に適用する過程と、
該ポート本体内の該通路を通って該内部容積から液体を除去する過程とを含む、創傷を治療するための方法。
【請求項35】
前記内部容積から除去された液体は、該内部容積内の圧力が、該内部容積の外側の大気圧以下であるように、空気を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記内部容積から除去された該液体は、前記創傷からの滲出物を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記医療用手当て用品は、前記通路を通る前記内部容積からの流体流動を可能にし、かつ前記通路を通る該内部容積内への流体流動を制限するように配設された一方向排出弁を更に備える、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記医療用手当て用品は、前記内部容積への流体流動を可能にするように配設された送給弁を更に備え、該送給弁を通って、選択された液体を該内部容積に送り出す過程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記選択された液体は、活性薬剤を備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記送給弁は、補助ポート本体内に配置され、
該補助ポート本体は、
下面及び上面であって、該下面及び該上面は、2つの対向するテーパー状の縁に沿って交わり、該補助ポート本体の該テーパー状の縁に沿って90度未満の内角を形成する、下面及び上面と、
該補助ポート本体の該上面を通って外部開口部から内部開口部へ延在する通路であって、該外部開口部及び該内部開口部は、該上面内に配置される、通路と、
該補助ポート本体の該下面上に配置される感圧接着剤と、を備え、
該裏材は、該補助ポート本体の該上面に取り付けられ、該裏材は、該補助ポート本体の該2つの対向するテーパー状の縁の間の該上面を越えて延在し、該外部開口部は、該内部開口部が該内部容積内に開口するように、該裏材の該縁の近位に配置される、請求項39に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2011−507669(P2011−507669A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541490(P2010−541490)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/088092
【国際公開番号】WO2009/088757
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】