説明

縦型製袋充填包装機における製袋充填筒

【課題】縦型製袋充填包装機において、良好な落下特性、メンテナンス性及び衛生性を両立することができる製袋充填筒を提供する。
【解決手段】製袋充填筒32の構造を、角状の筒を外側の筒体30と角状筒体の四隅を滑らかな曲面或は鈍角の内面に成形した筒体を内側筒体31として嵌合し、内外二重筒体式とする。外側筒体30と内側筒体31との間に形成される空隙部の上下の開口部35a〜35dは、ガス供給パイプ5の管以外が蓋材33,34によって密閉されている。袋の四隅にヘムシールを施す場合、角状の製袋充填筒32は良好なヘムシールを可能にする。角状製袋充填筒32の内面は滑らかに形成されているため、被包装品の落下特性、メンテナンス性及び清掃等の衛生製を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、帯状包装材からの袋の形成と当該袋内への包装物の充填とを順次繰り返して袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機において、筒状包装材を案内するとともに内部を通して包装物が投入される製袋充填筒構造に関する。
【背景技術】
【0002】
袋を製造しながらその袋内に被包装品を包装する製袋充填包装機として、包装材の送り及び被包装品の供給を縦方向に行う縦型製袋充填包装機がある。縦型製袋充填包装機は、縦方向に送られる帯状包装材が製筒器により湾曲状に曲成され、製袋充填筒の外側周面に沿って走行案内されることにより略筒状となり、その略筒状に成形された包装材の合わせ目にセンターシールを施して筒状に成形し、エンドシールを施すことで袋底部を形成し、該袋底部が形成された筒状包装材内に製袋充填筒内を通路として被包装品を投入又は充填し、袋口部に相当する部分にエンドシールを施すことで被包装品を包装袋に包装した袋包装体の製造を行う。上記の工程(包装材の送り、筒の形成、袋底部の形成、被包装品の投入又は充填、袋口部の封鎖)を繰り返すことで、袋包装体を連続的に製造することができる。
【0003】
袋包装体の流通性や商品陳列性等を向上するために、袋包装体の形態を角形に近づけることが要求されている。この要求に応じるために、袋を角底ガゼット袋にする或いは袋の六面をフラットにする方法や装置が考案されている。このような包装形態の場合、袋の角形を保持するために、袋の側面同士が交差する角部にシールを施して強度を高めたヘムシールを形成することがある。そうした場合、良好なヘムシールを施すために横断面が角形である角状製袋充填筒が用いられる(特許文献1参照)。図10は、そのような縦型製袋充填包装機の一例を示す概略斜視図である。
【0004】
上記のような角底形状の包装体を製造する場合、袋体内にエアを吹き込むことで形状の安定を図ることがある。また、被包装品が食品である場合、被包装品の酸化等による変質を防ぐ目的で、包装袋内の空気を窒素ガス等のように人体に無害な化学的に安定したガス(不活性ガス)に置換することがある(特許文献2、特許文献3参照)。さらに、袋体内の空気を不活性ガスに置換する場合、ガス置換率を検査するための残留酸素検出器が付属される場合もある。
【0005】
角状製袋充填筒を用いた縦型製袋充填包装機の場合、角状製袋充填筒が通常は板金を折り曲げて製造されるので、角形の袋には良好なヘムシールが形成される反面、内側の面も角状であるが故に四隅の角部内側に被包装物或いは被包装物の破片が付着しやすい。特に被包装物が粉粒体であったりスナック菓子のような壊れやすい物である場合には、粉粒や菓子の破片の付着が発生しやすい。
【0006】
さらに、上述したようなエアの吹き込み、不活性ガス置換及びそれに付随する残留酸素検出等を行う場合、包装袋内への吹き込み又は吸い出しのために製袋充填筒内にパイプが配設される。この送気又は排気のためのパイプは、筒状包装材との干渉を回避するために、帯状包装材が筒状包装材に形成される前の位置において外部から製袋充填筒に接続されている。また、この送気又は排気のためのパイプは、更に製袋充填筒の内部を通って、好ましくは製袋充填筒の先端からエンドシールを形成するエンドシーラの位置付近にまで延びているのが普通である。製袋充填筒の内径の大きさによっては、ガス供給パイプ等の各種部品を支持するために製袋充填筒内にUパイプ又は角ガイドが設けられている。これらのUパイプ又は角ガイドは、充填される被包装物が引っ掛かることで製袋充填筒内に包装物のブリッジを生じさせる原因になることがある。また、包装物が粉粒体やスナック菓子のような壊れやすい物である場合には、粉粒や菓子の破片がUパイプ又は角ガイド等の部品に付着しやすい。
【0007】
上記のように、角状製袋充填筒を用いた縦型製袋充填包装機の場合、四隅に粉粒や菓子の破片が付着しやすいため、一般的なピロー包装に用いられる円筒状製袋充填筒と比べてより念入りな筒内の定期的な清掃・洗浄が必要になる。エアの吹き込み、不活性ガス置換を伴う場合には、送気又は排気のためにパイプが筒内に設置されることに起因して粉粒や菓子の破片が付着しやすい箇所が増えるため、清掃・洗浄の必要性がさらに高まる。また、被包装物がパイプに引っ掛かることで製袋充填筒内に包装物のブリッジを発生した場合は、筒内の臨時的な清掃・洗浄が必要となる。筒内の清掃・洗浄を実施する際には、筒内の四隅部や筒内面とパイプの接触部分の隅部や隙間をくまなく清掃・洗浄をする必要があり作業時間が長くなる等、作業性が悪いという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−153939号公報(請求項3、請求項8、段落0015、図2)
【特許文献2】特開平8−40405号公報(段落0027、図6)
【特許文献3】特開平10−53217号公報(請求項4、段落0002、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
縦型製袋充填包装機において、横断面が角形の製袋充填筒を用いて袋包装体を製造する場合でも、当該角形製袋充填筒の内部において投入された被包装品の良好な落下特性、メンテナンス性及び、粉粒や破片が付着し難くするとともにたとえそれらが付着したとしても清掃を簡単にするという衛生性を兼ね備えた角状製袋充填筒が必要とされている。
【0010】
本発明の目的は、このような従来の問題を解決しようとするものであり、横断面が角形の製袋充填筒の形状と良好な落下特性とメンテナンス性、衛生性を可能にする縦型製袋充填包装機における製袋充填筒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような課題を解決するため、帯状包装材から角形袋の形成と前記袋内へ被包装品の投入とを順次繰り返して角形袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機において、前記帯状包装材を外側周面に沿わせて走行案内させつつ筒状包装材を形成するのに用いられる横断面が角形の外側筒体と、前記外側筒体の内部に嵌合され且つ前記被包装品が投入される内部の内周面が滑らかに形成された内側筒体とを嵌合した二重構造に構成され、前記外側筒体と前記内側筒体との間に形成された空隙部が上下端で開く開口部において密閉されていることを特徴とする製袋充填筒構造である。
【0012】
この縦型製袋充填包装機における製袋充填筒構造において、前記内側筒体の前記内周面は、一つ又は複数の円弧状の凹曲面或いは鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり曲面を組合せることで滑らかに形成することができる。
また、前記内側筒体は、外縁が前記外側角状筒体の内縁と接する大きさの角状筒体であり、四隅の内面を一つ又は複数の円弧状の凹曲面或いは鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり曲面を組合せることで滑らかに形成することができる。
【0013】
この縦型製袋充填包装機における製袋充填筒構造において、前記外側筒体と前記内側筒体との間に形成された空隙部の少なくとも一つがエア又は不活性ガスの吹き込みと袋内の空気の吸い出しとをするための通路として用いられており、当該通路として用いられている空隙部以外の前記空隙部について前記開口部を密閉することができる。
【0014】
この縦型製袋充填包装機における製袋充填筒構造において、前記外側筒体と前記内側筒体との間に形成された空隙部の少なくとも一つにエア又は不活性ガスの吹き込みと袋内の空気の吸い出しとをするためのガス供給パイプ及び/又はガス吸引パイプが挿入されており、前記ガス供給パイプ及び/又はガス吸引パイプが挿入されている空隙部については当該パイプの両端開口以外の開口部、並びに当該パイプが挿入されている空隙部以外の前記空隙部について前記開口部を密閉することができる。
【0015】
この縦型製袋充填包装機における製袋充填筒構造において、前記空隙部が上下端部で開く前記開口部を密閉するために蓋材が設けられており、上側の前記蓋材は、前記製袋充填筒を製筒器ユニットに組み付け固定する固定部を兼用させることができる。
【0016】
この縦型製袋充填包装機における製袋充填筒構造において、前記帯状包装材から四隅にヘムシールの施された角形袋の形成と前記袋内への被包装品の投入とエア又は不活性ガスの充填とを順次繰り返してヘムシール付き角形袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機に適用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。角状の筒を外側の筒体とし、角状筒体の四隅を滑らかな凹曲面或は鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり面に加工した筒体を内側筒体として嵌合し、内外二重筒体式に構成された製袋充填筒としているので、外側に角状の筒を用いることで良好なヘムシールを可能にせしめるとともに、四隅を滑らかな凹曲面或は鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり面に加工した内側筒体によって良好な落下特性、メンテナンス性及び衛生性を可能にすることができる。また、袋内にエア又は不活性ガスの充填を行う場合でも、外側筒体と内側筒体を嵌合したときに形成される空隙部をガス供給パイプの通路として使用することが可能なので、ガス供給パイプが落下特性や衛生性に悪影響を及ぼすことが無い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明による製袋充填筒を備えた縦型製袋充填包装機の一例を説明する斜視図である。
【図2】図1に示す製袋充填筒の外側の筒体の概要図である。
【図3】図1に示す製袋充填筒の内側の筒体の概要図である。
【図4】図2に示す外側の筒体と図3に示す内側の筒体の嵌合の概要図である。
【図5】図4に示す内外の筒体が嵌合した二重構造の筒体の概要図である。
【図6】エアまたはガスの吹き込みを実施する場合の二重構造の筒体の概要図である。
【図7】製袋充填筒、製筒器、機械本体への取り付け板の関係を示す概要図である。
【図8】図7に示す製袋充填筒、製筒器を機械本体に組み付けた状態を示す概要図である。
【図9】その他の例の二重構造の筒体を説明する筒体の横断面図である。
【図10】角状の製袋充填筒を用いてヘムシールを行う縦型製袋充填包装機の概要を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、この発明による縦型製袋充填包装機における製袋充填筒の構造を説明する。図2は、本発明による内外二重筒体式に構成された製袋充填筒構造の外側筒体30を示す図であり、(a)はその外側筒体の横断面図、(b)はその外側筒体の正面図(高さ方向の一部を省略して記載)である。図3は、本発明による内外二重筒体式に構成された製袋充填筒構造の内側筒体31を示す図であり、(a)はその内側筒体の横断面図、(b)はその内側筒体の正面図である。内側筒体31は、角状筒体の四隅を円弧状に加工したものである。外側筒体30は、例えば、板金加工によって横断面が矩形に形成された筒体であり、外側の側面には帯状の包装材が縦方向に案内されて走行される。その走行中又は停止中にセンターシールが施される。内側筒体31は、外側筒体30内に嵌合可能なサイズの角状の筒体であり、製袋充填時において包装される被包装品が内部に投入される。内側筒体31は、四隅を円弧状の凹曲面、即ち4分の1の円筒面に加工することで、隣合う平面の内面に滑らかに接続され、全体としても内面が滑らかに形成されている。
【0020】
図4は、外側筒体30と内側筒体31を嵌合することを示す図である。図5は、外側筒体30と内側筒体31を嵌合させた内外二重筒体式に構成された製袋充填筒32を示す図であり、(a)はその内外二重筒体式に構成された製袋充填筒の横断面図、(b)はその内外二重筒体式に構成された製袋充填筒の正面図である。本発明による内外二重筒体式に構成された製袋充填筒構造は、図1で示すように袋体にヘムシールを施し、袋体内部にエアまたはガスの充填を行う縦型製袋充填包装機に適用可能であり、以下では、その実施形態について説明する。
【0021】
図6で示すように、内外二重筒体式に構成された製袋充填筒32の長手方向両端面の開口部は、蓋材33、34によって閉鎖される。蓋材33、34は、例えば溶接によって製袋充填筒32の長手方向両端面に固着される。蓋材33、34は、外側筒体30と四隅を滑らかな曲面に加工した内側筒体31との間に形成された4箇所の空隙部の上下に開口する開口部35a〜35dのうち、エアまたは充填ガスを袋内に供給するガス供給パイプ5を挿入する通路として使用する空隙部に対応した開口部35aを除く開口部35b〜35dを閉鎖している。蓋材33、34は、内側筒体31の内部に形成されている被包装品の落下通路に通じる開口部については覆っておらず、投入又は充填される被包装品の通過を許容している。
【0022】
被包装品の落下方向上流側の上端部蓋材33は、製袋充填筒40の上流端部に当てられて溶接される蓋材33aと、その周囲に拡がり且つ製袋器ユニット50へ取り付けられるフランジ33bとを備えている。フランジ33bには図示のように四隅に固着具(締付ボルト)が挿入される取り付け孔33cが形成されている。
【0023】
内外二重筒体式に構成された製袋充填筒32に上端部蓋材33及び下端部蓋材34を固着した後に、上流側の端部にエア源又は充填ガス源に繋がる流体供給管4(図1参照)と接続可能な詮が取り付けられているガス供給パイプ5を挿入し上端部蓋材33及び下端部蓋材34に対して溶接により固着する。ガス供給パイプ5の下端は、袋内にガスを供給するため、下端部蓋材34の下面に開口するか、或いは下部蓋材34を貫通して更に下側に延びている。これらの溶接による固着作業においては、部材間に隙間が残らないように行うことが肝要である。特に下端部蓋材34においては、充填される粉体や被包装品の破片が舞い上がって開口部35b〜35dに侵入しないように清浄に保つことができるようにする。これにより袋体内部にエアまたはガスの充填を実施する内外二重筒体式に構成された製袋充填筒40が完成する。
【0024】
次に、図7で示すように、前記製袋充填筒40を以下のように構成された製筒器ユニット50に組み付け固定する。製筒器ユニット50は、製筒器6を固着させた縦型製袋充填包装機本体への取り付け板52と、製袋充填筒の取り付け板53を上下方向に2本の接合支柱54a、54bで組み付け固定されている。製袋充填筒40は、取付け板53に形成された製袋充填筒挿入孔53aを通して矢印で示すように製筒器6内へ挿入され、上端部蓋材33がフランジ33bにおいて取付け孔33cと取付け板53に形成されている取付け孔53bとに固着具を通すことにより、取付け板53に固定される。
【0025】
以上により、袋体内部にエアまたはガスの充填を行う縦型製袋充填包装機に取り付けて使用可能な図8に示す製筒器付製袋充填筒ユニット60が完成する。上記の製筒器付製袋充填筒ユニット60を使用した縦型製袋充填包装機の概略斜視図を図1に示す。なお図1においては、包装機の概略を示すため製筒器ユニット50のうち、縦型製袋充填包装機本体への取り付け板52と、製袋充填筒の取り付け板53と、両板52,53を組み付ける上下方向に2本の接合支柱54a,54bを省いて描いてある。
【0026】
図1で示すように、袋体にヘムシールを施し、袋体内部にエア又はガスの充填を行う縦型製袋充填包装機に適用可能であり、以下では、その実施形態について説明する。縦型製袋充填包装機61においては、帯状包装材Fwが、製筒器6によって湾曲状に曲成され、製袋充填筒40の外側の角状筒袋30の周囲に案内されて下方に走行される。包装材は、製袋充填筒40の外側に配設された一対の紙送りベルト26a,26bが包装材を製袋充填筒40との間に挟みつつ摩擦力で送ることにより送られる。センターシーラ23によって、包装材Fwの両側縁部同士にヒートシールを施すことによって、筒状包装材Ftに成形される。筒状の包装材Ftには、製袋充填筒40の四隅外側において配設されたヘムシーラ25a〜25dによってヘムシール7a〜7dが施される。ヘムシール7a〜7dによって角状袋が補強されて袋の形が保たれる。製袋充填筒40の内側筒体31の内部を通して被包装品が投入され、対向配置されたエンドシーラ24a,24bから成るエンドシーラ24によって筒状包装材Ftを挟み込んで下部エンドシール部3が形成されることによって、被包装品が内部に収容・充填されたヘムシール付き袋包装体1が製造される。
【0027】
本実施例では、ガス供給パイプが1本であるが、外側角状筒体30と内側筒体31との間に形成された開口部は4箇所あるので、高いガス置換能力が要求される場合、4本まで増設することができる。また4箇所の開口部に挿入するのは、ガス供給パイプに限らず、例えば袋内の残存酸素量を検査する酸素検出器の検体採集用の吸引パイプ等の通路としても使用できる。
【0028】
本実施例では、エアまたはガスの充填を行うのに外側角状筒体30と内側筒体31との間に形成された空隙部を、ガス供給パイプ5を挿入する通路として使用すしたが、ガス供給パイプを使用せず、空隙部をそのままガスの流路として使用することも可能である。
【0029】
以上説明したように、内外の角状筒体は、横断面での四隅以外は、密に嵌合した状態で示した。これによれば、内側の筒体の内部を可能な限り大きく取ることができ、被包装品の充填に有利である。しかし、図9a)に横断面図を示すように外側筒体30と内側筒体31との間には隙間が存在していても適宜のスペーサ70を介して内側筒体31を外側筒体30に支持させることができる。また、内側筒体31は、四隅の形状を除いて角筒状と同じような平面状の内面を持つ筒体としたが、これに代えて、図9b)、図9c)に横断面図を示すように筒体全体を円形や楕円形の筒体を用いてもよい。更に、内側筒体31の内面を清浄に保つために清掃しやすいように、四隅の形状として、滑らかに形成された円弧状にする例を説明したが、これに代えて、図9d)に横断面図を示すように鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり面(折れ曲がり線は内側筒体31の筒軸線に平行に配置)にしてもよい。更に、下端部蓋材34については、内側筒体31の開口部に対応して、開放した形状となっているが、被包装品の降下を停止させるシャッタ等の開閉機構を付加的に設けてもよいことは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、角底ガゼット袋や六面をフラット等の包装形態で袋の四隅にヘムシールが施される場合に、良好なヘムシールを可能にせしめるとともに良好な落下特性、メンテナンス性及び高い衛生性を備えた製袋充填筒として用いられる。
【符号の説明】
【0031】
1 ヘムシール付包装体
3 下部エンドシール部
4 エア源又は充填ガス源に繋がる流体供給管
5 ガス供給パイプ
6 製筒器
7a〜7d ヘムシール
20 縦型製袋充填包装機
22 製袋充填筒
23 センターシーラ
24a,24b エンドシーラ
25a〜25d ヘムシーラ
26a,26b 紙送りベルト
30 外側の筒体
31 内側の筒体
32 内外二重筒体式に構成された製袋充填筒
33 上端部蓋材
33a 蓋材
33b フランジ
33c 取付け孔
34 下端部蓋材
35a〜35d 外筒と内筒の間に形成された開口部
40 ガスの充填を実施する内外二重筒体式に構成された製袋充填筒
50 製筒器ユニット
52 縦型製袋充填包装機本体への取り付け板
53 製袋充填筒の取り付け板
53a 製袋充填筒挿入孔
53b 取付け孔
54a,54b 接合支柱
60 製袋器付製袋充填筒ユニット
61 ガス充填式縦型製袋充填包装機
70a〜70b スペーサ
FW 帯状の包装材
Ft 筒状に成形された包装材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状包装材から角形袋の形成と前記袋内への被包装物の投入とを順次繰り返して角形袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機において、
前記帯状包装材を外側周面に沿わせた湾曲状態で走行案内させつつ筒状包装材を形成するのに用いられる横断面角形の外側筒体と、前記外側筒体の内部に嵌合され且つ前記被包装物が投入される内部の内周面が滑らかに形成された内側筒体とを嵌合した二重構造に構成され、前記外側筒体と前記内側筒体との間に形成される空隙部が上下端部で開く開口部において密閉されていることを特徴とする製袋充填筒構造。
【請求項2】
前記内側筒体の前記内周面は、一つ又は複数の円弧状の凹曲面、或いは鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり面を組合せることで滑らかに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の製袋充填筒構造。
【請求項3】
前記内側筒体は、外縁が前記外側角状筒体の内縁と接する大きさの角状筒体であり、四隅の内面を一つ又は複数の円弧状の凹曲面、或いは鈍角で折れ曲がった複数の連続する折れ曲がり面を組合せることで滑らかに形成したことを特徴とする請求項1に記載の製袋充填筒構造。
【請求項4】
前記外側角状筒体と内側筒体との間に形成される空隙部の少なくとも一つがエア又は不活性ガスの吹き込みと空気の吸い出しとをするための通路として用いられており、当該通路として用いられている空隙部以外の空隙部について前記開口部が密閉されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製袋充填筒構造。
【請求項5】
前記外側角状筒体と内側筒体との間に形成される空隙部の少なくとも一つにエア又は不活性ガスの吹き込みと空気の吸い出しをするためのガス供給パイプ及び/又はガス吸引パイプが挿入されており、前記ガス供給パイプ及び/又はガス吸引パイプが挿入されている空隙部については当該パイプの両端開口以外の開口部、並びに当該パイプが挿入されている空隙部以外の前記空隙部について前記開口部が密閉されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製袋充填筒構造。
【請求項6】
前記空隙部が上下端で開く前記開口部を密閉するために蓋材が設けられており、上側の前記蓋材は、前記製袋充填筒を製袋器ユニットに組み付け固定する固定部を兼ねていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製袋充填筒構造。
【請求項7】
前記帯状包装材から四隅にヘムシールの施された角形袋の形成と前記袋内への包装物の投入とエア又は不活性ガスの充填とを順次繰り返してヘムシール付き角形袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機に適用されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の製袋充填筒構造。

【図1】
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【図10】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−136714(P2011−136714A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296450(P2009−296450)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】