説明

縫合糸パッケージング

【課題】パッケージングの中に位置する外科用縫合糸材料が、絡まったり、もつれたりすることなく取り出され得るような方法での外科用縫合糸材料に対するパッケージングをさらに開発すること。
【解決手段】縫合糸パッケージであって、ベース5と、下面および上面を有し、該ベースに取り付けられ、縫合糸を保持するように構成されたエリアを画定するカバー10と、該カバーの該上面の少なくとも一部分にヒートシールされたラベルとを備えている、縫合糸パッケージ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
この出願は、2006年4月7日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/400,686号の一部継続でありその利益を主張し、この米国特許出願第11/400,686号は、2004年7月15日に出願された米国特許出願第10/891,604号の一部継続であり、この出願第10/891,604号の出願は、2003年7月18日に出願された米国仮出願第60/488,464号の優先権を主張し、それらの各々は、参考として本明細書にその全容が援用されている。
【背景技術】
【0002】
(1.技術分野)
本開示は、外科用縫合糸のためのパッケージに関し、さらに詳細には、外科用縫合糸をパッケージするための方法および装置に関する。
【0003】
(2.関連技術の論議)
外科用縫合糸パッケージの普通の形式は、無菌の密封封筒内に収められた折られた硬い処理紙の縫合糸ホルダで作られている。この封筒は、第2の、概ね透明な、熱可塑性のヒートシールされた封筒外側ラップにさらに密封され、縫合糸ホルダおよび内側封筒の無菌性を維持する。縫合糸が使用されるべきとき、通常手術室で、外側透明ラップが開けられ、密封された無菌の内側封筒が無菌のエリアに置かれる。縫合糸へのアクセスが必要とされるとき、手術室の職員が次に内側封筒を開ける。
【0004】
一端または両端に取り付けられたニードルを有する外科用縫合糸のためのパッケージは、縫合糸材料の性質および縫合糸がいかに使用されるかに従って構成される。一般的に、パッケージは、縫合糸および取り付けられたニードルを正しい位置に保持し、取り扱いおよび格納の間にそれらを保護し、かつ縫合糸が使用されるべきときに、最小の取り扱いで取り出すための縫合糸への容易なアクセスを可能にする。
【0005】
縫合糸パッケージの設計および製造の重要な局面は、縫合糸がそれ自身と絡まり、もつれ、望ましくない状態でぐるぐる巻きまたは結ばれることなく取り出し可能であるべきことである。縫合糸材料の性質自体が、パッケージの構成、縫合糸がパッケージ内でいかに置かれるか、ニードルの配置、または縫合糸がいかにパッケージから引き出されるかに制限を課す。
【0006】
外科用縫合糸材料に対する例示的なパッケージングが、特許文献1に開示されている。特許文献1は、壁が螺旋の態様でそこから延びるベースを有する外科用縫合糸材料に対するパッケージングを開示する。壁は、ベースによって画定されるエリア内で、縫合糸ダクトを画定する。縫合糸ダクトは、その第1の端において、縫合糸取り出しエリアの中に開く。カバーが、縫合糸ダクトの上に位置する。螺旋の壁には、その外向き側において、縫合糸ダクトの途中で互いから離された縫合糸ディフレクターが提供されている。
【0007】
外科用縫合糸材料に対する既に公知のパッケージングの場合における欠点は、外科用縫合糸材料が取り出されているとき、縫合糸が、それが幾つかの螺旋回転上で案内される縫合糸保持エリアにおいて、引き締められ得ることである。つまり、縫合糸をパッケージングから取り出そうとする際に、引く力の方向は、縫合糸がパッケージング内の位置に向かって動くようにし、これが縫合糸が結ばれる原因となる。
【0008】
例えば、縫合糸は、縫合糸保持エリア内から、螺旋状に延びる壁とカバーとの間の接合点によって形成されたエリアの中に動き得る。縫合糸保持エリアは、螺旋の壁、ベースおよびカバーによって確定される。しかし、特許文献1における縫合糸パッケージ、および多くの他の従来技術の縫合糸パッケージにおける壁は、パッケージの底からカバーの方に延びる。従って、空隙が、壁とカバーとの接合点によって画定された位置においてしばしば形成される。縫合糸が空隙において挟まれ、それによって外科用縫合糸材料の取り出しがさらに難しくなるか、または不可能になることは、珍しいことではない。
【0009】
縫合糸に容易にアクセスし、かつ縫合糸をそのパッケージングから効率的に回収する能力が最も重要であり、特に、外科的処置の間に時間が重要となるときがそうである。外科用縫合糸材料に対するパッケージングを十分に提供する装置および方法が、公知であるが、縫合糸が、縫合糸パッケージ内で結ばれるかまたは引っかかることに関連する問題が、完全になくなったわけではない。従って、縫合糸が縫合糸パッケージ内でもつれたり、または引っかかったりする可能性をほとんどなくする改良された縫合糸パッケージに対するニーズが存在し続けている。
【特許文献1】米国特許第6,076,659号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示の目的は、パッケージングの中に位置する外科用縫合糸材料が、問題なく取り出され得るような方法での外科用縫合糸材料に対するパッケージングをさらに開発することである。従って、本開示は、従来技術の縫合糸パッケージに関連する多くの問題をなくする、外科用縫合糸パッケージングに対する新規な方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示による外科用縫合糸材料に対するパッケージは、ベース部材およびカバー部材を含み、カバー部材は、ベース部材に隣接して置かれ、外科用縫合糸材料のためのパッケージを形成するように構成される。ベース部材は、その外周から延びる外側壁を含む。外側壁は所定の高さを有し、それによってカバー部材がベース部材に隣接して置かれるとき、外側壁はカバー部材と係合する。仕切り構造が、カバー部材の底面から延び、パッケージ内で所望の向きに構造を保つ。仕切り構造は、カバーの中央から半径方向に配置された複数の突起を含み得る。さらに、縫合糸をパッケージ内で所望の向きに維持するために、カバーの底面から延びて縫合糸保持エリアの内側エッジを画定する内側壁が、複数の突起に加えて、またはこれらの代わりに提供され得る。実施形態において、例えば接着剤を使用して、ヒートシーリングによってまたはカバーの上面に形成されたポストを介して、情報ラベルが、カバー部材の上面に取り付けられる。
【0012】
利点を提供し、かつ製造および巻きプロセスを単純化する外科用縫合糸パッケージを提供することが本開示の別の局面である。
【0013】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0014】
(項目1)
縫合糸パッケージであって、
ベースと、
下面および上面を有するカバーであって、該ベースに取り付くように構成されて、縫合糸を保持するように構成されたエリアを画定する、カバーと、
該カバーの該上面の少なくとも一部分にヒートシールされたラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【0015】
(項目2)
縫合糸パッケージであって、
所定の高さの上向きに延びる周囲の壁、および実質的に平らな上面を有するベースと、
該周囲の壁の頂上で終わる実質的に平らなエッジ部分、および該周囲の壁の該高さと実質的に等しい高さの下向きに延びる内側壁を有するカバーと、
該周囲の壁と該内側壁との間に画定された縫合糸保持エリアと、
該カバーの上面の少なくとも一部分に固定された情報ラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【0016】
(項目3)
上記カバーの上記上面は、上記情報ラベルを該カバーに固定することのできる上向きに延びるポストを含む、項目2に記載の縫合糸パッケージ。
【0017】
(項目4)
上記カバーの上記上面と上記情報ラベルとの間に接着剤をさらに備えて、該カバーに該情報ラベルを固定する、項目2に記載の縫合糸パッケージ。
【0018】
(項目5)
上記情報ラベルは、印刷可能な層およびヒートシール可能な層を備えている、項目2に記載の縫合糸パッケージ。
【0019】
(項目6)
縫合糸パッケージであって、
上向きに延びる周辺の壁を有するベースと、
上面および下面を有し、かつ該下面から下向きに延びる複数の弧状の列のポストを含む第1の端を含む、カバーと、
該カバーの該上面の少なくとも一部分に固定された情報ラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【0020】
(項目7)
上記カバーの上記上面は、上記情報ラベルを該カバーに固定することのできる上向きに延びるポストを含む、項目6に記載の縫合糸パッケージ。
【0021】
(項目8)
上記カバーの上記上面と上記情報ラベルとの間に接着剤をさらに備え、該カバーに該情報ラベルを固定する、項目6に記載の縫合糸パッケージ。
【0022】
(項目9)
上記情報ラベルは、印刷可能な層およびヒートシール可能な層を備えている、項目6に記載の縫合糸パッケージ。
【0023】
(項目10)
縫合糸パッケージであって、
上向きに延びる周囲の壁を有するベースと、
該周囲の壁から一定の間隔に置かれ、かつカバーの下面から下向きに延びる同心かつ弧状の第1の対の仕切り、該周囲の壁から一定の間隔に置かれ、かつカバーの下面から下向きに延びる同心かつ弧状の第2の対の仕切りのを含む第2の端、ならびに第1の対および該仕切りの第2の対の該仕切りを分離する実質的に平らな部分と、
該カバーの上面の少なくとも一部分に固定された情報ラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【0024】
(項目11)
上記カバーの上記上面は、上記情報ラベルを該カバーに固定することのできる上向きに延びるポストを含む、項目10に記載の縫合糸パッケージ。
【0025】
(項目12)
上記カバーの上記上面と上記情報ラベルとの間に接着剤をさらに備えて、該カバーに該情報ラベルを固定する、項目10に記載の縫合糸パッケージ。
【0026】
(項目13)
上記情報ラベルは、印刷可能な層およびヒートシール可能な層を備えている、項目10に記載の縫合糸パッケージ。
【0027】
(項目14)
縫合糸パッケージを組み立てる方法であって、該方法は、
下側を上向きにして該縫合糸パッケージのカバーを配置することと、
該カバーの該下側に縫合糸を巻くことと、
ベースを該カバーの該下側の上に配置して、少なくとも部分的に該縫合糸を覆うことと、
該ベースを該カバーに固定することと、
情報ラベルを該カバーの上側に取り付けることと
を包含する、方法。
【0028】
(項目15)
情報ラベルを上記カバーの上側に取り付けることは、接着剤を使用して該カバーに該ラベルを接着することを包含する、項目14に記載の方法。
【0029】
(項目16)
情報ラベルを上記カバーの上側に取り付けることは、該カバーの上面から延びるポストを使用して該ラベルを該カバーにヒートステークすることを包含する、項目14に記載の方法。
【0030】
(項目17)
情報ラベルを上記カバーの上側に取り付けることは、該ラベルを該カバーにヒートシールすることを包含する、項目14に記載の方法。
【0031】
(項目18)
上記ヒートシーリングは、上記カバーの上面の近くにラミネートラベルのヒートシーリング層を配置し、該ラベルに熱を加えることを包含する、項目14に記載の方法。
【0032】
(項目19)
縫合糸パッケージであって、
ベースと、
下面および上面を有するカバーと、
該ベースと該カバーの該下面との間に縫合糸を保持するように総体的に構成された、該ベースおよび該カバーと、
該カバーの該上面の少なくとも一部分にヒートシールされたラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【0033】
(摘要)
外科用材料のためのパッケージは、ベース部材およびカバー部材を含み、カバー部材は、ベース部材に隣接して置かれ、外科用縫合糸材料のためのパッケージを形成するように構成される。ベース部材は、その外周から延びる外側壁を含む。外側壁は所定の高さを有し、それによってカバー部材がベース部材に隣接して置かれるとき、外側壁はカバー部材と係合する。仕切り構造が、カバー部材の底面から延び、少なくとも1つの縫合糸保持エリアを画定する。情報ラベルが、カバーの上面に取り付けられる。複数の突起が外側壁に隣接して配置され、外科用縫合糸材料をパッケージの中央の部分に向かって所定の距離に維持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
この明細書に取り込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、かつ上に与えられた本開示の一般的な記述、および下に与えられた実施形態の詳細な記述と共に本開示の原理を説明することに役立つ。
【0035】
(好ましい実施形態の詳細な記述)
本開示の縫合糸パッケージおよびそれに対する方法の好ましい実施形態が、図面を参照して詳細に記述される。図面においては、同様な参照番号は、幾つかの図面を通して対応する要素を識別する。
【0036】
ここで図1Aおよび図1Bを参照して、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの実施形態の上面図および側面断面図がそれぞれ示されている。パッケージは、ベース5およびカバー10を有している。外側壁15は、ベース5から立ち上がり、ベース5の周囲の周りを楕円状に延びる。外側壁15は、上部リム20および下部リム25を有する。下部リム25は、ベース5に接続されている。外側壁15は、所定の高さを有するように設計され、それによって上部リム20は、カバー10と、好ましくはその周囲において係合する。従って、ベース5およびカバー10が互いの近くに動かされるとき、カバー10の外周が、外側壁15の上部リム20と接合し、閉じた縫合糸パッケージの外側壁を形成する。
【0037】
縫合糸保持エリア30は、外側壁15によって外側境界に、そして内側または内側壁35によって内側境界に画定される。本開示の実施形態に従って、内側壁35は好ましくは、カバー10から下向きに延びる。外側壁15とは違って、内側壁35は、連続的なループではない。その代わり、内側壁35は、以下にさらに詳細に記述される第1の端および第2の端を有する。内側壁35の第1の端の近くに、縫合糸45の第1の端が縫合糸保持エリア30の中に入ることを可能にする開口部が画定される。内側壁35は、縫合糸保持エリア30の形状に従うようにも構成される。従って、内側壁35によって形成された開口部の点において、内側壁35の端は、内側壁35の任意の他の部分からオフセットされる。このオフセットは、縫合糸保持エリア30の形状を維持するために、および縫合糸45が縫合糸保持エリア30にアクセスするための開口部を提供するために必要である。
【0038】
あるいは、内側壁35が、カバー10の中央におけるプラトー(plateau)領域の外側境界を画定し得ることが考えられている。(縫合糸取り出しエリア85とも称される)プラトー領域の高さは、ニードル70の厚さよりも小さい縫合糸保持エリア突起40の高さと同等であるように構成されている。従って、ニードル70は、縫合糸取り出しエリア85におけるプラトーであって、カバー10の外側面に配置され得る。縫合糸パッケージの外部にニードルを留めることが望まれる場合において、スペーサが、縫合糸取り出しエリア85におけるプラトーに置かれ得る。代替の実施形態において、内側壁35は、カバー10内に楕円形の開口部を画定する。その場合において、ニードル留め75は、縫合糸取り出しエリア85内でベース5に取り付けられることが好ましい。従って、外科職員は、カバー10内の開口部を介して、ニードル70にアクセスし、かつこれを取り出す能力を有する。
【0039】
縫合糸が、縫合糸パッケージを1つ以上の縫合糸保持エリアに仕切るカバー10から下向きに延びている。さらに詳細には、4つの縫合糸保持エリア突起40の複数のセットが、縫合糸保持エリアの対応する数を画定する。縫合糸保持エリア突起40のセットは、カバー10の中央から半径方向に配置されている。縫合糸保持エリア突起のセットが、4つ以上または4つ以下の保持エリア突起として構成され、それによってより多くのまたはより少ない縫合糸保持エリアが画定されることも考えられている。さらに、縫合糸保持エリア突起が、1つ以上の縫合糸保持エリアを画定する1つ以上の連続する壁として構成されることが考えられている。
【0040】
縫合糸保持エリア突起40は、外側壁15の高さと実質的に同等である高さを有する細長いフィンガ部材である。縫合糸保持エリア突起40は、カバー10の底面と、第1の端において接続されている。縫合糸保持エリア突起40の第2の端は、そこから延びるポスト60を有している。ポスト60は、ベース5に形成されたホール65内に適合する大きさとされる。ホール65は、くぼみまたはリセスでもあり得る。ポスト60はまた、ヒートステーク(heat stake)されるか、またはベース5に溶接され、カバー10をベース5に固定する。カバー10およびベース5が互いに接合されるとき、縫合糸保持エリア突起40から延びるポスト60は、ベース5によって画定されたホール65と係合する。この係合は、縫合糸パッケージに構造的な支持を提供する。あるいは、突起40の端は、カバー10が壁15と共にベース5に適合されたあと、リベットの態様で変形され得る。壁15とカバー10との間の、他のおよび/または追加的なタイプの接続が可能である。従って、例えば、カバー10の周辺で突出し、かつ壁15において適切な同等物と係合するキャッチ(catch)の使用が考えられる。
【0041】
さらに、縫合糸保持エリア突起40とベース5におけるホール65との間の嵌合の結果として、縫合糸がパッケージングから取り出されているとき、縫合糸保持エリア突起40がベース5と出会う領域において、外科用縫合糸がくっ付く可能性は、確実に避けられる。
【0042】
さらに詳細には、特に有用な実施形態において、縫合糸はカバーを通って取り出されるので、縫合糸は、カバー10の方向に動く傾向があり、これは、縫合糸保持エリア突起40とベース5との接合点において形成される空隙から遠ざかる方向である。従って、この構成は、この開示の目的、すなわち縫合糸取り出しの信頼性を増加することをさらに促進する。本明細書に記述された代替の実施形態は、様々な構造的相違を含むが、実施形態の各々の共通的な特徴は、縫合糸保持エリアを形成する構造は、カバーの底面から延びることである。
【0043】
縫合糸保持エリア突起40は、カバー10の底に縫合糸保持エリア30を画定する。図1Aおよび図1Bに例示される実施形態は、内側壁35と外側壁15との間で外向き半径方向に延びる4つの縫合糸保持エリア突起40の複数のセットを含む。従って、縫合糸保持エリア30は、4回転の縫合糸45を画定し、かつ提供する。さらに、この実施形態において、縫合糸保持エリア突起40は、縫合糸パッケージの端部分に配置されているのみである。縫合糸パッケージの2つの直線面80は、いかなる突起も含まない。従って、縫合糸45は、縫合糸が2つの面80の各々を通過するとき、確定された保持エリア内で拘束されない。
【0044】
縫合糸保持エリア30の第1の端50は、縫合糸取り出しエリア85の中に開き、縫合糸取り出しエリア85は、図1Aおよび図1Bに例示された実施形態において、縫合糸保持エリア30によって囲まれたゾーンに配列される。縫合糸保持エリア30の第2の端55は、閉じられている。図1A参照。縫合糸保持エリア30は、ベース5によって底に対して閉じられている。
【0045】
縫合糸パッケージ内に置かれる前に、縫合糸は通常ニードルに取り付けられ、縫合糸ニードル組み合わせを提供する。つまり、ニードル70は、縫合糸45の端に適合される。ニードル留めアセンブリ75は、カバー10の外側面またはベース5の内側面における縫合糸取り出しエリア85の中央部分内に提供される。ニードル留めアセンブリ75の構造は、当業者に公知であり得る。例えば米国特許第6,481,569号、米国特許第5,788,062号、米国特許第5,472,081号、米国特許第5,180,053号、米国特許第5,131,533号、米国特許第5,099,994号、および米国特許第4,424,898号を参照されたい。カバー10は、縫合糸取り出しエリア85への自由なアクセスを可能にする開口部を含むことが意図されている。開口部は、カバーにおける部分的な開口部か、またはより範囲の広い開口部であり得、それらの各々の利点は、以下に記述される。外科職員は、カバー10における開口部を介してニードルおよび縫合糸へのアクセスを獲得し、かつニードル70をニードル留め75から外し、それから縫合糸保持エリア30から縫合糸45を引くことによって、ニードル縫合糸組み合わせを取り出し得る。ニードル70は、縫合糸45によって画定される内側スペース内に配置されることに留意されるべきである。この構成は、パッケージからニードル縫合糸組み合わせを取り出すことをさらに助ける。
【0046】
図1Cは、本開示による縫合糸パッケージの実施形態の斜視図を例示する。ベース5およびカバー10が、図1Cに例示されている。ニードル70は、カバー10の凹所をなしている縫合糸取り出しエリア85内に配置されて示されている。従って、ニードル70は、縫合糸パッケージの外部面に配置されている。ニードル70は、ベース5上に存し得ることも考えられている。その場合、ニードル70は、開口部90よりも大きい、カバー10に画定された開口部を通って縫合糸パッケージからたぐり寄せられ得る。
【0047】
縫合糸取り出しエリア85は、カバー10の底面から延びる内側壁35によって外周に画定されている。複数の縫合糸保持エリア突起40も、カバー10の底面から延びている。カバー10が、ベース5に対して置かれるとき、縫合糸保持エリア突起40は、ベース5に形成されたホール65と係合する。
【0048】
図1Aおよび図1Bを参照して論じられたように、縫合糸保持エリア30は、外側壁15によって外側境界に、かつ内側壁35によって内側境界に画定される。縫合糸パッケージの端部分において、縫合糸保持エリア30は、縫合糸保持エリア突起40によって2つ以上の分離した保持エリアに分割される。
【0049】
ここで図2Aおよび図2Bを参照して、本開示の実施形態による縫合糸パッケージ100の実施形態の上面図および側面断面図がそれぞれ示されている。パッケージは、ベース105およびカバー110を有している。外側壁115は、ベース105から立ち上がり、ベース105の周囲の周りを楕円状に延びる。外側壁115は、上部リム120および下部リム125を有する。下部リム125は、ベース105に接続されている。外側壁115は、所定の高さを有するように設計され、それによって上部リム120は、カバー110と、好ましくはその周囲において係合する。従って、ベース105およびカバー110が互いの近くに動かされるとき、カバー110の外周が、外側壁115の上部リム120と接合し、閉じた縫合糸パッケージ100の外側壁を形成する。
【0050】
縫合糸保持エリア130は、外側壁115によって外側境界に、そして内側または内側壁135によって内側境界に画定される。本開示の実施形態に従って、内側壁135は好ましくは、カバー110から下向きに延びる。外側壁115とは違って、内側壁135は、連続的なループではない。その代わり、内側壁135は、以下にさらに詳細に記述される第1の端および第2の端を有する。内側壁135の第1の端の近くに、縫合糸145の第1の端が縫合糸保持エリア130の中に入ることを可能にする開口部が画定される。内側壁135は、縫合糸保持エリア130の形状に従うようにも構成される。従って、内側壁135によって形成された開口部の点において、内側壁135の端は、壁135の任意の他の部分からオフセットされる。このオフセットは、縫合糸保持エリア130の形状を維持するために、および縫合糸145が縫合糸保持エリア130にアクセスするための開口部を提供するために必要である。
【0051】
縫合糸が、縫合糸パッケージを1つ以上の縫合糸保持エリアに仕切るカバー110から下向きに延びている。さらに詳細には、4つの縫合糸保持エリア突起140の複数のセットが、縫合糸保持エリアの対応する数を画定する。縫合糸保持エリア突起140のセットは、カバー105の中央から半径方向に配置されている。縫合糸保持エリア突起のセットが、4つ以上または4つ以下の保持エリア突起として構成され、それによってより多くのまたはより少ない縫合糸保持エリアが画定されることも考えられている。さらに、縫合糸保持エリア突起が、1つ以上の縫合糸保持エリアを画定する1つ以上の連続する壁として構成されることが考えられている。
【0052】
縫合糸保持エリア突起140は、外側壁115の高さと実質的に同等である高さを有する細長いフィンガ部材である。縫合糸保持エリア突起140は、カバー110の底面と、第1の端において接続されている。縫合糸保持エリア突起140の第2の端は、そこから延びるポスト160を有している。ポスト160は、ベース105に形成されたホール165内に適合する大きさとされる。ホール165は、くぼみまたはリセスでもあり得る。ポスト160はまた、ヒートステーク(heat stake)されるか、またはベース105に溶接され、カバー110をベース105に固定する。カバー110およびベース105が互いに接合されるとき、縫合糸保持エリア突起140から延びるポスト160は、ベース105によって画定されたホール165と係合する。この係合は、縫合糸パッケージに構造的な支持を提供する。あるいは、突起140の端は、カバー110が壁115と共にベース105に適合されたあと、リベットの態様で変形され得る。壁115とカバー110との間の、他のおよび/または追加的なタイプの接続が可能である。従って、例えば、カバー110の周辺で突出し、かつ壁115において適切な同等物と係合するキャッチ(catch)の使用が考えられる。
【0053】
さらに、縫合糸保持エリア突起140とベース105におけるホール165との間の嵌合の結果として、縫合糸がパッケージングから取り出されているとき、縫合糸保持エリア突起140がベース105と出会う領域において、外科用縫合糸がくっ付く可能性は、確実に避けられる。
【0054】
さらに詳細には、好ましい実施形態において、縫合糸はカバーを通って取り出されるので、縫合糸は、カバー110の方向に動く傾向があり、これは、縫合糸保持エリア突起140とベース105との接合点において形成される空隙から遠ざかる方向である。従って、この構成は、この実施形態の目的、すなわち縫合糸取り出しの信頼性を増加することをさらに促進する。本明細書に記述された代替の実施形態は、様々な構造的相違を含むが、実施形態の各々の共通的な特徴は、縫合糸保持エリアを形成する構造は、カバーの底面から延びることである。
【0055】
縫合糸保持エリア突起140は、カバー110の底に縫合糸保持エリア130を画定する。図2Aおよび図2Bに例示される実施形態は、内側壁135と外側壁115との間で外向き半径方向に延びる4つの縫合糸保持エリア突起140の複数のセットを含む。従って、縫合糸保持エリア130は、4回転の縫合糸145を画定し、かつ提供する。
【0056】
縫合糸保持エリア130の第1の端150は、縫合糸取り出しエリア185の中に開き、縫合糸取り出しエリア185は、図2Aおよび図2Bに例示された実施形態において、縫合糸保持エリア130によって囲まれたゾーンに配列される。縫合糸保持エリア130の第2の端155は、閉じられている。図2A参照。縫合糸保持エリア130は、ベース105によって底に対して閉じられている。
【0057】
縫合糸パッケージ内に置かれる前に、縫合糸は通常ニードルに取り付けられ、ニードル−縫合糸組み合わせを提供する。つまり、ニードル170は、縫合糸145の端に適合される。ニードル留めアセンブリ175は、カバー110の外側面またはベース105の内側面における縫合糸取り出しエリア185の中央部分内に提供される。カバー110は、縫合糸取り出しエリア185への自由なアクセスを可能にする開口部を含む。外科職員は、カバー110における開口部を介してニードルおよび縫合糸へのアクセスを獲得し、かつニードル170をニードル留め175から外し、それから縫合糸保持エリア130から縫合糸145を引くことによって、ニードル縫合糸組み合わせを取り出し得る。ニードル170は、縫合糸145によって画定される内側スペース内に配置されることに留意されるべきである。この構成は、パッケージからニードル縫合糸組み合わせを取り出すことをさらに助ける。
【0058】
図3Aおよび図3Bは、本開示の別の実施形態による縫合糸パッケージ200の実施形態の上面図および側面断面図をそれぞれ例示する。パッケージは、ベース205およびカバー210を有している。外側壁215は、ベース205から立ち上がり、ベース205の周囲の周りを楕円状に延びる。外側壁215は、上部リム220および下部リム225を有する。下部リム225は、ベース205に接続されている。外側壁215は、所定の高さを有するように設計され、それによって上部リム220は、カバー210と、好ましくはその周囲において係合する。従って、ベース205およびカバー210が互いの近くに動かされるとき、カバー210の外周が、外側壁215の上部リム220と接合し、閉じた縫合糸パッケージ200の外側壁を形成する。
【0059】
楕円縫合糸保持エリア230は、外側壁215によって外側境界に、そして内側壁235によって内側境界に画定される。本開示の実施形態に従って、内側壁235は好ましくは、カバー210から下向きに延びる。外側壁215と違って、内側壁235は、連続的なループではない。その代わり、内側壁235は、第1の端250および第2の端255を有する。第1の端250の近くに、縫合糸245の第1の端が楕円縫合糸保持エリア230の中に入ることを可能にする開口部が画定される。さらに、空隙が、第1および第2の端250、255の間に維持されて、縫合糸巻きの中央における領域へのニードル270のアクセスを提供する。
【0060】
内側壁235は、間隔を置いて並べられ、かつそれから延びる複数のポスト260を含む。内側壁235の高さは、外側壁215の高さと実質的に同等である。ポスト260は、ベース205に形成されたホール265の中に適合する大きさとされる。ホール265は、くぼみまたはリセスでもあり得る。従って、カバー210およびベース205が互いに接合されるとき、内側壁から延びるポスト260は、ベース205によって画定されるホール265と係合する。この係合は、縫合糸パッケージに構造的な支持を提供する。あるいは、ポスト260は、カバー210が壁215と共にベース205に嵌合されたあと、リベットの態様で変形され得る。壁215とカバー210との間の、他のおよび/または追加的なタイプの接続が可能である。従って、例えば、カバー210の周辺で突出し、かつ壁215において適切な同等物と係合するキャッチの使用が考えられる。
【0061】
縫合糸パッケージ内に置かれる前に、ニードル270は、縫い糸245の端に適合される。ニードル留めアセンブリ275は、カバー210の外側面またはベース205の内側面における縫合糸取り出しエリア285の中央部分の中に提供される。カバー210は、縫合糸取り出しエリア285への自由なアクセスを可能にする開口部を含む。外科職員は、カバー210における開口部を介してニードルおよび縫合糸へのアクセスを獲得し、かつニードル270をニードル留め275から外し、それから縫合糸保持エリア230から縫合糸245を引くことによって、縫合糸を取り出し得る。
【0062】
図4Aおよび図4Bをここで参照して、本開示の実施形態による外の面ニードル留めを有する縫合糸パッケージ300の実施形態の上面図および側面断面図をそれぞれ示す。縫合糸パッケージ300は、図2Aおよび図2Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似しているが、ただしニードル留めの位置を除く。つまり、ニードル留めアセンブリをベース305の上面、縫合糸巻き保持エリア330によって画定された中央領域内に配置する代わりに、ニードル370およびニードル留めアセンブリ375は、カバー310の上面に配置される。この構成は、縫合糸ニードル組み合わせを外科職員にとってよりアクセス可能にする。外科職員は、ニードル留めアセンブリ375からニードル370を単に外し、引く力を与えてニードルに取り付けられた縫合糸を引く。
【0063】
図2Aおよび図2Bを参照して上述されたように、縫合糸保持エリア330は、外側壁315によって外側境界に、そして内側壁335によって内側境界に画定される。内側壁335は、カバー310から下向きに延びる。4つの縫合糸保持エリア突起340の複数のセットもカバー310から下向きに延び、縫合糸保持エリアの対応する数を画定する。
【0064】
図5Aおよび図5Bをここで参照して、本開示の実施形態による縫合糸パッケージ400の実施形態の上面図および側面断面図がそれぞれ示されている。縫合糸パッケージ400は、図2Aおよび図2Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似しているが、ただし内側壁135がない。つまり、縫合糸保持エリア430の内側境界を画定する連続的な内側壁を有する代わりに、縫合糸保持エリア430の内側境界は、縫合糸保持エリア突起440の複数のセットによって画定される。縫合糸445は、縫合糸保持エリア突起440によって画定された縫合糸保持エリア430内で巻かれる。ニードル470およびニードル留めアセンブリ475は、縫合糸保持エリア430によって画定された中央領域内で、ベース405の上面に配置される。
【0065】
図6Aおよび図6Bをここで参照して、本開示の実施形態による縫合糸パッケージ500の実施形態の上面図および側面断面図がそれぞれ示されている。縫合糸パッケージ500は、図3Aおよび図3Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似しているが、ただし内側壁235がない。つまり、縫合糸保持エリア530の内側境界を画定する連続的な内側壁を有する代わりに、縫合糸保持エリア530の内側境界は、縫合糸保持エリア突起540の複数のセットによって画定される。縫合糸545は、縫合糸保持エリア突起540によって画定された縫合糸保持エリア530内で巻かれる。ニードル570およびニードル留めアセンブリ575は、縫合糸巻き保持エリア530によって画定された中央領域内で、ベース505の上面に配置される。
【0066】
図7Aおよび図7Bをここで参照して、本開示の実施形態による縫合糸パッケージ600の実施形態の上面図および側面断面図がそれぞれ示されている。縫合糸パッケージ600は、図4Aおよび図4Bを参照して上述された縫合糸パッケージと類似しているが、ただし内側壁335がない。つまり、縫合糸保持エリア630の内側境界を画定する連続的な内側壁を有する代わりに、縫合糸保持エリア630の内側境界は、縫合糸保持エリア突起640の複数のセットによって画定される。縫合糸645は、縫合糸保持エリア突起640によって画定された縫合糸保持エリア630内で巻かれる。ニードル670およびニードル留めアセンブリ675は、縫合糸保持エリア630によって画定された中央領域内で、カバー610の上面に配置される。
【0067】
本明細書に記述されたパッケージは、従来の成形可能な材料から製造され得る。例えばポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン材料、他の熱可塑性の材料、およびナイロンのようなポリエステル材料、ならびにそれらの均等物を使用することが特に好まれる。好ましくは、ここに記述されたパッケージは射出成形されるが、パッケージは、熱形成を含む他の従来のプロセスおよびそれらの均等物によって形成され得る。所望の場合、パッケージは、個々のアセンブリ、またはそのとき組み立てられる構成要素として製造され得る。
【0068】
図8および図9は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの斜視図である。図8および図9にそれぞれ例示された縫合糸パッケージ800および900は、特定の相違を有し、互いに類似し、かつ図1Cを参照して上述された縫合糸パッケージと類似している。最も有意な相違は、図8に例示された実施形態における仕切り815の追加である。仕切り815は、縫合糸保持エリア突起840の各列を接続する。従って、個々の縫合糸保持エリア突起940を有する代わりに、仕切り815は、縫合糸保持エリア830をさらに画定するための連続する壁を確定する態様で、縫合糸保持エリア突起840を接続する。それに取り付けられたニードル870および970を有する縫合糸825および925は、縫合糸保持エリア830および930内で巻かれて例示されている。仕切り815は、カバーとベースとの間の接続を高め、縫合糸の結ばれを防ぐ。さらに、射出成形プロセスに関連する利益は、仕切りを有する実施形態に対して実現される。
【0069】
図10をここで参照して、縫合糸パッケージ内に置かれる前に、縫合糸は通常、ニードルに取り付けられ、ニードル縫合糸組み合わせを提供する。つまり、ニードル970は、縫合糸945の端に適合される。ニードル留めアセンブリ975は、カバー910の表面の縫合糸取り出しエリア985の中央部分内に提供される。ニードル留めアセンブリ975は、一対のフィン955およびポスト965を含む。ポスト965は、円形の断面を有し、フィン955は、柔軟である。従って、フィン955およびポスト965の特性は、組み合わさって、ニードル970に対する3点接触を提供し、ニードル留めアセンブリ975が異なる曲率を有するニードルを収容することを可能にする。
【0070】
カバー910は、開口部990を画定し、外科職員にニードル970への非制限的なアクセスを提供することが意図されている。さらに詳細には、開口部990は、ニードルホールダをカバーの表面を通過させて挿入する能力を外科職員に提供する。外科職員は、ニードル留め975からニードル970を外し、次に縫合糸保持エリアから縫合糸945を引くことによって、カバー910における開口部970を介してニードルおよび縫合糸へのアクセスを獲得し得る。
【0071】
図11をここで参照して、当業者に公知であるように、組み立てられた縫合糸パッケージング1000が、ホイルラッパー(foil wrapper)でパックされることが意図されている。さらに、好ましい実施形態において、情報ラベル1015が、カバー1010の上面に取り付けられている。情報ラベル1015は、縫合糸パッケージの中身に関する情報を少なくとも部分的に提供するインディシア1025を含む。情報ラベル1015は、ラベルの周囲の少なくとも一部分の周りの接着剤を介してカバー1010に取り付けられることが好ましい。接着剤を適用する場合、接着剤がニードルおよび/または縫合糸と接触しないように注意が払われるべきである。情報ラベル1015は好ましくは、紙で形成される。生体吸収可能な縫合糸が使用されるとき、紙のラベルは、湿気シンクとして特に有用である。図11に例示される情報ラベル1015は、カバー1010の表面積全体を完全にカバーするわけではない。従って、外科職員は、ニードル1070への容易なアクセス、および情報ラベル1015を素早く除去する能力を有する。
【0072】
実施形態において、情報ラベル1015は、カバー1010の上面にヒートシールされる。図11Aに示されるように、ヒートシーリングを容易にするために、情報ラベル1015は有利にも、印刷可能な層1016およびヒートシーリング層1017を有するラミネートから作られ得る。パッケージに適用されるとき、情報ラベル1015のヒートシール可能な層1017は、カバー1010の近くに配置される。ヒートシーリングを達成するために適切な特性を有する単一の層材料、または2つよりも多くの層を有するラミネートも、情報ラベル1015に対する構成材料として使用され得ることは、もちろん理解されるべきである。
【0073】
印刷可能な層1016およびヒートシーリング層1017に対する適切な材料は、当業者の知識の範囲内である。実施形態において、印刷可能な層は、紙状の製品から作られる。適切な紙状の製品は商業的に利用可能であり、当業者に公知である。1つの適切な紙状の製品は、商標ASTROLITE SILKの下にMonadnock Paper Mills,Inc.によって販売されている厚紙である。ヒートシール可能な層1017に対する構成材料の選択は、カバー1010の構成材料を含む多くの要因に依存する。例えば、カバー1010がポリエチレンから成形されるとき、情報ラベル1315のヒートシール可能な層1017は、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、例えば商標MARLEXの下にChevron Phillipsによって販売されているLDPEから作られ得る。ヒートシール可能な層1017に対する他の適切な材料は、当業者に明らかである。
【0074】
カバー1010に情報ラベル1015を取り付けるためには、情報ラベル1015は、カバー1010の方に配置されたヒートシール可能な層1017と共にカバー1010の上に置かれる。当業者の知識の範囲内にある技術を使用して、熱および圧力が、情報ラベル1015の少なくとも周囲の周りに適用される。ヒートシール可能な1017およびカバー1010に対する構成材料であるので、温度、圧力および加熱の継続時間は、当業者によって容易に決定され得る。
【0075】
図11に例示された情報ラベルとは対照的に、図12に例示された情報ラベル1015は、カバー1010の全表面積を覆う。紙の情報ラベル1015は、所定の位置において切取り線を画定するための複数の穴1035を含む。所定の位置は、カバー1010の上面に留められたニードル1070(幻影で図示)の上、かつ実質的にこれに垂直な位置に対応する。穴1035は、外科職員がパッケージを開くとき、切り取りを案内し、ニードルが傾くことを防ぐ。
【0076】
図13〜図17をここで参照して、縫合糸パッケージのベースとカバーとが接合されるとき、縫合糸が、パッケージの外周の周りで引っかかることを防ぎながら、縫合糸の位置を維持するように構成された代替の縫合糸パッケージの実施形態が開示される。最初に図13〜図16を参照して、縫合糸パッケージは、ベース1105およびカバー1110を有している。壁1115は、ベース1105の楕円状の円周から立ち上がる。ベース1105とカバー1110とが組み立てられ、完全な縫合糸パッケージを形成するとき、カバー1110の外周は、壁1115の上部リムと接触する。壁1115は、縫合糸パッケージの中央部分に向かって内向きに延びる複数の突起1123を含む。突起1123は、縫合糸パッケージの中央に向かって所定の距離に縫合糸の位置を維持し、パッケージの組み立ての間に縫合糸が、壁1115とカバー1110との接合点において引っかかることを防ぐ。ベースおよびカバーが組み立てられるとき、壁1115の爪1127は、カバー1110の対応する開口部1125の中にぱちんと嵌る。パッケージが組み立てられるとき、ポスト1140は、カバー1110の内側面からベース1105の開口部1180の中を通って延びる。カバー1110とベース1105とは、ポスト1140をヒートステークすることによって永久に接合される。
【0077】
縫合糸パッケージの各端において、縫合糸は、壁1115およびポスト1140によって画定されたエリア1130に保持されている。弧状の壁1145、およびポスト1140を接合する壁1146は、縫合糸と接触するようには意図されておらず、むしろパッケージの構造的完全性を向上させることが意図されている。パッケージの各面に沿って、縫合糸が、パッケージの中央部分に向かう動きが、カバー1110の構造によってもベース1105の構造によっても拘束されない部分1150がある。カバー1110における開口部1153は、パッケージからの縫合糸の取り出しを可能にする。
【0078】
カバー1110は、その外側面にニードル留め1175を含む。縫合糸ニードル組み合わせのニードルは、ニードルとの3点接触を提供する3つのカンチレバー(cantilever)部材(1155および1165)を含むニードル留め1175に配置される。図14および図15を参照。ニードルは、ニードルの1つの側において(図14において1155として分類された)カンチレバー部材のうちの2つ、およびニードルの他の側において1つのカンチレバー1165によって配置される。1つのカンチレバー部材1165は、2つのカンチレバー部材1155のうちのいずれに対しても同一線上にはない。
【0079】
図15を再び参照して、くぼんだエリア1170は、カバー1110の外側面に提供され、ニードル留め1175に配置されたニードルを収納する。ニードル留めに配置されたとき、ニードルの少なくとも一部分は、開口部1154の上に位置し、それによってニードルは、ニードルホールダで掴まれ得る。パッケージに適用された紙のラベル(図示されず)は、くぼんだエリア1170の少なくとも一部分を覆う。パッケージに含まれた製品に関する情報を提供することに加えて、紙のラベルは、ニードルの先端によって刺し通されることから外側パッケージを保護する。カバー1110の外側面のポスト1185は、ラベルの中を通り、ヒートステークされて紙のレベルをカバーに固定する。
【0080】
図16および図17をここで参照して、縫合糸パッケージカバーの別の実施形態が開示され、参照番号1210として識別される。縫合糸パッケージカバー1210の各端において、縫合糸は、ベース1105から伸びる壁1115およびポスト1240によって画定されたエリア1230において保持される。弧状の壁1245、およびポスト1240を接合する壁1246は、縫合糸と接触するようには意図されておらず、むしろパッケージの構造的完全性を向上させることが意図されている。パッケージの各面に沿って、縫合糸が、パッケージの中央部分に向かう動きが、カバー1210の構造によってもベース1105の構造によっても拘束されない部分1250がある。カバー1110における開口部1253は、パッケージからの縫合糸の取り出しを可能にする。カバー1210における開口部1253は、カバー1110における開口部1153とは異なる大きさを有するように構成されている。様々な開口部構成の目的は、様々なニードルのサイズおよび質に適応することである。
【0081】
カバー1210は、その外側面にニードル留め1275を含む。縫合糸ニードル組み合わせのニードルは、ニードルとの3点接触を提供する3つのカンチレバー部材を含むニードル留め1275に配置される。ニードルは、ニードルの1つの側において(図16において1255と分類された)カンチレバー部材のうちの2つ、およびニードルの他の側において1つのカンチレバー1265によって配置される。1つのカンチレバー部材1265は、2つのカンチレバー部材1255のうちのいずれに対しても同一線上にはない。
【0082】
くぼんだエリア1270は、カバー1210の外側面に提供され、ニードル留め1275に配置されたニードルを収納する。ニードル留めに配置されたとき、ニードルの少なくとも一部分は、開口部1254の上に位置し、それによってニードルは、ニードルホールダで掴まれ得る。パッケージに適用された紙のラベル(図11および図12に例示)は、くぼんだエリア1270の少なくとも一部分を覆う。パッケージに含まれた製品に関する情報を提供することに加えて、紙のラベルは、ニードルの先端によって刺し通されることから外側パッケージを保護する。カバー1210の外側面のポスト1285は、ラベルの中を通り、ヒートステークされて紙のレベルをカバーに固定する。
【0083】
本明細書に開示された実施形態には、様々な変更がなされることは理解される。例えば、上記の実施形態は、外科用縫合糸パッケージについて記述されたが、本開示はそのような適用に限定されず、様々な医療器具に適用され得ることが考えられている。さらに、本明細書に記述された例示的な実施形態は、パッケージ内での単一のニードル縫合糸組み合わせを開示しているが、複数の縫合糸が、単一の縫合糸パッケージ内に収納され得ることが考えられている。さらに別の例において、ニードル留めをカバーの表面に取り付けるのではなく、ニードル留めは、ベースの表面に位置し得る。さらに別の例において、カバーにおける開口部を介して、縫合糸ニードル組み合わせを取り出すのではなく、縫合糸ニードル組み合わせは、ベースに形成された開口部を介して取り出され得ることが考えられている。従って、上述は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、請求項の範囲および精神内で、他の変更を想到する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1A】図1Aは、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに例示された縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図1C】図1Cは、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの斜視図である。
【図2A】図2Aは、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに例示された縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図3A】図3Aは、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに例示された縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図4A】図4Aは、本開示の実施形態による外面のニードル留めを有する縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに例示された外面のニードル留めを有する縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図5A】図5Aは、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aに例示された縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図6A】図6Aは、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aに例示された縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図7A】図7Aは、本開示の実施形態による外面のニードル留めを有する縫合糸パッケージの実施形態の上面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aに例示された外面のニードル留めを有する縫合糸パッケージの側面断面図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの斜視図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージの斜視図である。
【図10】図10は、本開示の実施形態によるニードル留めを有する縫合糸パッケージの斜視図である。
【図11】図11は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージのカバーの上面に取り付けられた情報ラベルを有する縫合糸パッケージの斜視図である。
【図11A】図11Aは、情報ラベルがパッケージのカバーの上面にヒートシールされた実施形態において有用なラミネート情報ラベルの概略的な表現である。
【図12】図12は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージのカバーの上面に取り付けられた情報ラベルを有する縫合糸パッケージの斜視図である。
【図13】図13は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージカバーの上面図である。
【図14】図14は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージベースの内側面の上面図である。
【図15】図15は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージベースの外側面の斜視図である。
【図16】図16は、本開示の別の実施形態による縫合糸パッケージベースの内側面の上面図である。
【図17】図17は、本開示の実施形態による縫合糸パッケージベースの外側面の斜視図である。
【符号の説明】
【0085】
5 ベース
10 カバー
15 外側壁
20 上部リム
25 下部リム
30 縫合糸保持エリア
35 内側壁
40 縫合糸保持エリア突起
45 縫合糸
100 縫合糸パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸パッケージであって、
ベースと、
下面および上面を有するカバーであって、該ベースに取り付くように構成されて、縫合糸を保持するように構成されたエリアを画定する、カバーと、
該カバーの該上面の少なくとも一部分にヒートシールされたラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【請求項2】
縫合糸パッケージであって、
所定の高さの上向きに延びる周囲の壁、および実質的に平らな上面を有するベースと、
該周囲の壁の頂上で終わる実質的に平らなエッジ部分、および該周囲の壁の該高さと実質的に等しい高さの下向きに延びる内側壁を有するカバーと、
該周囲の壁と該内側壁との間に画定された縫合糸保持エリアと、
該カバーの上面の少なくとも一部分に固定された情報ラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【請求項3】
前記カバーの前記上面は、前記情報ラベルを該カバーに固定することのできる上向きに延びるポストを含む、請求項2に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項4】
前記カバーの前記上面と前記情報ラベルとの間に接着剤をさらに備えて、該カバーに該情報ラベルを固定する、請求項2に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項5】
前記情報ラベルは、印刷可能な層およびヒートシール可能な層を備えている、請求項2に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項6】
縫合糸パッケージであって、
上向きに延びる周辺の壁を有するベースと、
上面および下面を有し、かつ該下面から下向きに延びる複数の弧状の列のポストを含む第1の端を含む、カバーと、
該カバーの該上面の少なくとも一部分に固定された情報ラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【請求項7】
前記カバーの前記上面は、前記情報ラベルを該カバーに固定することのできる上向きに延びるポストを含む、請求項6に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項8】
前記カバーの前記上面と前記情報ラベルとの間に接着剤をさらに備え、該カバーに該情報ラベルを固定する、請求項6に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項9】
前記情報ラベルは、印刷可能な層およびヒートシール可能な層を備えている、請求項6に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項10】
縫合糸パッケージであって、
上向きに延びる周囲の壁を有するベースと、
該周囲の壁から一定の間隔に置かれ、かつカバーの下面から下向きに延びる同心かつ弧状の第1の対の仕切り、該周囲の壁から一定の間隔に置かれ、かつカバーの下面から下向きに延びる同心かつ弧状の第2の対の仕切りのを含む第2の端、ならびに第1の対および該仕切りの第2の対の該仕切りを分離する実質的に平らな部分と、
該カバーの上面の少なくとも一部分に固定された情報ラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。
【請求項11】
前記カバーの前記上面は、前記情報ラベルを該カバーに固定することのできる上向きに延びるポストを含む、請求項10に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項12】
前記カバーの前記上面と前記情報ラベルとの間に接着剤をさらに備えて、該カバーに該情報ラベルを固定する、請求項10に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項13】
前記情報ラベルは、印刷可能な層およびヒートシール可能な層を備えている、請求項10に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項14】
縫合糸パッケージを組み立てる方法であって、該方法は、
下側を上向きにして該縫合糸パッケージのカバーを配置することと、
該カバーの該下側に縫合糸を巻くことと、
ベースを該カバーの該下側の上に配置して、少なくとも部分的に該縫合糸を覆うことと、
該ベースを該カバーに固定することと、
情報ラベルを該カバーの上側に取り付けることと
を包含する、方法。
【請求項15】
情報ラベルを前記カバーの上側に取り付けることは、接着剤を使用して該カバーに該ラベルを接着することを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
情報ラベルを前記カバーの上側に取り付けることは、該カバーの上面から延びるポストを使用して該ラベルを該カバーにヒートステークすることを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
情報ラベルを前記カバーの上側に取り付けることは、該ラベルを該カバーにヒートシールすることを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒートシーリングは、前記カバーの上面の近くにラミネートラベルのヒートシーリング層を配置し、該ラベルに熱を加えることを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
縫合糸パッケージであって、
ベースと、
下面および上面を有するカバーと、
該ベースと該カバーの該下面との間に縫合糸を保持するように総体的に構成された、該ベースおよび該カバーと、
該カバーの該上面の少なくとも一部分にヒートシールされたラベルと
を備えている、縫合糸パッケージ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−284351(P2008−284351A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119332(P2008−119332)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】