説明

繊維構造物

【課題】涼感作用のある糖アルコールを耐久性良く付着させた繊維構造物を提供すること。
【解決手段】繊維表面に、無機粒子と糖アルコールとを含有する、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは該主鎖の側鎖として少なくとも2個のアクリル基および/またはメタクリル基を有する重合性単量体を重合せしめてなる被膜が形成されており、該被膜の厚みが5〜40nmであって、該重合性単量体/無機粒子の重量混合比が1/0.4〜1.0、かつ、該重合性単量体/該糖アルコールの重量混合比が1/0.01〜0.1、さらに、該無機粒子は、粒子径5〜400nmの粒子径を有する繊維構造物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、涼感作用のある糖アルコールを耐久性良く付着させた繊維構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖アルコールの持つ清涼効果(水和時に吸熱反応により周囲から熱を奪う作用)は広く知られ、例えば食品用途ではガムなどに使用され、咀嚼時の唾液の介在により涼感が得られる(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、水溶性である糖アルコールを繊維に加工する場合、洗濯に使用する水によって流出してしまうという問題があり、洗濯後も効果を持続させる洗濯耐久性を付与することが課題となっている。
【0004】
糖アルコールの繊維への加工に関して、糖アルコールが架橋基を介して架橋重合した樹脂を繊維に加工する技術が知られているが(特許文献2、3)、糖アルコールを予め樹脂と架橋しておくと糖アルコール中のOH基が減少して水和作用が小さくなり、十分な涼感が得られない。
【0005】
また、ポリアルキレングリコールを主鎖に持つビニル化合物の重合体で繊維表面を被覆する方法も知られており(特許文献4、特許文献5)、無機粒子と重合体とを洗濯耐久性よく保持することは知られているが、糖アルコールといった有機物の保持については開示がない。
【特許文献1】特表2004−508809号公報
【特許文献2】特開2003−20568号公報
【特許文献3】特開2004−91949号公報
【特許文献4】特公昭51−2559号公報
【特許文献5】特公昭63−29037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来技術に鑑み、涼感作用のある糖アルコールを耐久性よく付着させた繊維構造物を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記した課題、すなわち、水溶性の糖アルコールの洗濯耐久性向上について鋭意検討した結果、糖アルコールを無機粒子と共に重合性単量体を重合せしめてなる被膜によって保持させることにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような構成を有する。
【0009】
すなわち、本発明の繊維構造物は、繊維表面に、無機粒子と糖アルコールとを含有する、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは該主鎖の側鎖として少なくとも2個のアクリル基および/またはメタクリル基を有する重合性単量体を重合せしめてなる被膜が形成されており、該被膜の厚みが5〜40nmであって、該重合性単量体/無機粒子の重量混合比が1/0.4〜1.0、かつ、該重合性単量体/該糖アルコールの重量混合比が1/0.01〜0.1、さらに、該無機粒子は、粒子径5〜400nmの粒子径を有するものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、涼感作用のある糖アルコールを耐久性よく付着させ、洗濯後も涼感が持続する繊維布帛を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の繊維構造物は、まず、該繊維構造物を構成する各繊維の表面に、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは主鎖の側鎖として少なくとも2個のアクリルおよび/またはメタクリル基を有する単量体を重合せしめてなる被膜が形成されてなるものであり、かつ、該被膜の厚さは5〜40nm、特に好ましくは10〜30nmである被膜が形成されてなるものである。
【0012】
該被膜厚さが5nmよりも小さいと該被膜自体が洗濯等により剥離しやすくなり、また、40nmより大きいと風合いが硬化しゴワツキ感が大きくなるので、いずれも本発明の効果を良好に発揮してかつ良好な風合いなどをも兼備した繊維構造物を得ることは難しい。
【0013】
さらに本発明において、該被膜は、糖アルコールと5〜400nmという特定の粒子径を持つ無機粒子を含有していることが重要であり、特に、前述した特定単量体に糖アルコールと無機粒子を混合して繊維表面で重合させて被膜を形成することにより、該繊維構造物に対して優れた涼感と洗濯耐久性を付与することができるのである。
【0014】
本発明においては、粒子径5〜400nmの無機粒子が用いられるが、ここでいう粒子径とは、粘度分布計による平均粒子径を意味する。粘度計としては、島津製作所製レーザー回折式粘度分布計SALD−2000Jを用いた。
【0015】
本発明において、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは該主鎖の側鎖として少なくとも2個のアクリル基および/またはメタクリル基を有する単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート等を、単独あるいは2種以上の混合物として使用することができる。
【0016】
かかる単量体を重合するために重合開始剤を使用することができ、重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、アゾビスイソブチロニトリル、硫酸アンモニウム等、一般的なビニル重合開始剤を使用することができる。かかる重合開始剤を用いて、80〜160℃の飽和水蒸気または過飽和水蒸気雰囲気中で0.5〜10分間の処理をすることにより、繊維表面に連続または非連続的被膜を形成させることができる。かかる被膜の厚みは樹脂付着量によってコントロールすることができる。
【0017】
すなわち、重合性単量体および重合触媒の混合液を作成する際の樹脂有効成分濃度と繊維構造物を樹脂液に含浸させてマングルで絞る際の絞り率、つまりマングルの加圧圧力を適宜調整することにより樹脂付着量つまり被膜の膜厚をコントロールすることができる。一般的には、一定圧力で絞り樹脂有効成分濃度を変更することによりコントロールするものであり、樹脂有効成分濃度を低くする、または絞り率を高くすれば被膜の厚みは薄くなる傾向にある。
【0018】
本発明において繊維表面上の前述した被膜は、1本の繊維の表面に連続または非連続に被膜を形成することによって、洗濯によっても脱落しにくいものであり、また、被膜の化学成分により吸水性が得られる。そして、良好な吸水性を持つと吸汗性が良くなり、また汗中の水分は糖アルコールの水和作用に利用される。また被膜の形成時には、糖アルコールと無機粒子の両者を加えることが洗濯耐久性を得るために重要である。糖アルコールにより涼感が得られ、無機粒子により被膜表面に形成されるドライタッチにより、汗をかいて暑いときにも快適に過ごせるのである。
【0019】
本発明に用いられ得る無機粒子としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム等であり、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。中でも酸化ケイ素が粒子径の揃ったものを得やすく、好ましい。ケイ素の重合反応によって反応媒体にシリカの核粒子が生成し、その粒子成長をコントロールすることによって、特定の粒子径を形成したものが得られるのである。
【0020】
該粒子の粒子径としては5〜400nmであり、好ましくは10〜200nmのものを使用する。5nmより小さいと微細な凹凸を形成しにくく、400nmを越えると重合体の被膜形成が不十分となる場合があるため、無機粒子としては粒径が5〜400nmの範囲内とする必要があるが、該粒径範囲外の粒径のものが上記凹凸形成に影響のない程度、例えば0%を超え、10%程度まで含まれることはさしつかえない。該粒子範囲の無機粒子は、市販されている特定の粒子範囲の無機粒子を使用することもできるが、好ましくは分散液の状態で使用するのが好ましい。
【0021】
本発明において、糖アルコールは、水和時に吸熱反応をするものであればいかなるものでも用いられ得るが、好ましくは、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ジペンタエリスリトールなどがよく、中でも、キシリトールが特に好ましく用いられる。
【0022】
本発明に用いられる糖アルコールとしては、糖アルコールの水溶液を用いることができ、必要に応じて他の有機成分、例えばエリスリトールといった糖類、スクワランやグリセリンといった油分、なども加えることができる。
【0023】
本発明の重合性単量体と糖アルコールと無機粒子の3者の重量混合比は、単量体/無機粒子=1.0/0.4〜1.0、単量体/糖アルコール=1.0/0.01〜0.1であることが必要である。無機粒子が0.4より少ないと表面凹凸が小さく汗のベトツキを感じやすく、また1.0より多いと被膜形成性が悪くなる。糖アルコールが0.01より少ないと涼感を感じにくく、また0.1より多いと被膜形成性が悪くなる。被膜形成性が悪くなると洗濯耐久性も悪くなり、好ましくない。
【0024】
本発明において無機粒子と糖アルコールを含有する被膜を形成させる方法としては、重合性単量体、重合開始剤および無機粒子を混合した水系液に、繊維布帛を浸積して、マングル等で絞って所定の付着量に調整した後、80〜160℃の飽和水蒸気または過飽和水蒸気の雰囲気で0.5〜10分、好ましくは1〜4分の処理を行い、しかる後に非イオン系界面活性剤と炭酸ナトリウム等を含む洗浄液中で40〜80℃の温度で1〜5分間洗浄、水洗して未反応の単量体や重合開始剤を除去し、100〜130℃で乾燥、140〜180℃でヒートセット方法などを採用することができる。また、水系液を付与した後、100〜130℃で乾燥した後に、水蒸気処理する方法も採用することもできる。かかる被膜形成加工をした後に、本発明の効果が損なわれない範囲で、帯電防止剤、吸水剤、吸湿剤、撥水剤、撥油剤、防汚剤、着色剤、増摩剤、可縫性向上剤等で処理してもかまわない。
【0025】
本発明の繊維構造物を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、例えば100000倍で観察すると該無機粒子と糖アルコールを含有した5〜40nmの厚みの被膜が単繊維上に形成されていることが確認できる。
【0026】
本発明の繊維構造物を構成する繊維としては、特に限定されないが、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ乳酸系繊維などの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維を使用することができ、これらを単独または2種以上混合して使用することができ、また、長繊維でも短繊維でも良く、これらを混合して使用しても良い。
【0027】
本発明の繊維布帛の組織としては、前記繊維からなる織物、編物、不織布等のものを使用することができる。
【0028】
本発明の繊維構造物の吸水性は、下記測定法により測定したときの吸水性(吸水時間)が5秒以下であることが好ましい。ポリエステル系繊維などの疎水性繊維で構成された繊維構造物に対しても、本発明の被膜を被覆することにより、該値を満足する吸水性を付与できる。重合性単量体のエーテル基、糖アルコールの水酸基により親水性皮膜が構成されるためである。発汗時に速やかに吸水し、糖アルコールの水和反応も速やかに進むことによって涼感を得やすくなるのである。
【0029】
吸水性(吸水速度)の測定方法:
タテ15cm×ヨコ15cmの繊維布帛を直径10cm以上の刺繍枠に固定して水平に置き、上部5cmの所から蒸留水を一滴、注射針を用いて滴下し、滴下直後から水滴が布帛に完全に吸収されるまでの時間を測定する。測定は3回行い、3回の測定時間の平均値を吸水性(吸水速度)とするものである。
【0030】
本発明の繊維構造物は、涼感を得られることから、スポーツウェア、トレーニングウェア、ブラウス、ドレスシャツ、スカート、スラックス、手袋、帽子、裏地、肌着または靴下などの用途に好適に使用されるものである。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の品質評価は、次の方法で実施した。
【0032】
(1)涼感性:
35℃に調温した生地(5cm×5cm)を生地表が外側にくるよう2つ折りにし、生地と生地のすきまに、折り畳んだ生地の長辺に対して垂直になるようアルコール温度計の液だめ側の先端を真ん中に置き生地の短辺を温度計に巻き付け、輪ゴムで布を固定して温度計を垂直に固定する。
温度計の読値が35℃であることを確認したのち、蒸留水(水温32℃)を5ml生地に含ませし、5分毎に温度を読みとる。
【0033】
(2)着用テスト:
右半分に重合性単量体加工布、左半分に重合性単量体処理なしの染め上がり布を使用して縫製したポロシャツを作成し、成年男子がこれを着用して屋外で1時間歩行をし、左右の着用感を、左半分を清涼感なしとした相対評価により比較した。
【0034】
(3)吸水性:
上記したとおりである。
【0035】
(4)洗濯耐久性:
自動反転渦巻き電気洗濯機に、JIS K 337に規定される弱アルカリ性合成洗剤を0.2%の濃度になるように溶解し、浴比1:50で、40±2℃の温度で、強条件で10分洗濯し、次いで排水し水洗5分をする工程を1回とし、これを10回繰り返した後、風乾した。
【0036】
(5)被膜厚さの測定法:
本発明の繊維表面の被膜厚さとは、以下の方法により得られる値をいう。
【0037】
繊維構造物の表面の被膜に対し、オスミウム酸染色を予め行い、被膜と繊維本体を見分けやすくする。染色された繊維構造物について、タテ断面を切り取り、ランダムに10本の繊維を選び、それぞれについて1カ所ずつ膜厚を透過型電子顕微鏡(TEM)で測定する。ヨコ断面についても、同様にして10ケ所の膜厚を測定する。合計20個の測定値の平均値を本発明の被膜の厚さとする。
【0038】
(6)無機粒子の粒子径の測定法:
島津製作所製レーザー回折式粘度分布計SALD−2000Jを用いて平均値を測定した。
【0039】
実施例1〜3、比較例1〜10
ポリエチレンテレフタレートからなる110dtex/48フィラメントと167dtex/72フィラメントの仮撚り加工糸を60:40の割合で交編した丸編地を編成した後、該織物を95℃の温度で連続式精練機で常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥し、さらに180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し、130℃で乾燥し、さらに170℃でピンテンターセットして、ウェール/コース密度34/38本/2.54cmの白色編物とした。
【0040】
該染色布を次に示す方法で処理し、性能を評価した結果を表1に示した。
【0041】
<重合性単量体>
ポリアルキレンオキサイドセグメントが分子量1000であるポリエチレングリコールジメタクリレート(有効成分100重量%)を使用した。
【0042】
<無機粒子>
次に示す粒径の酸化ケイ素の水分散液を使用した。なお、ここでいう有効成分とは水分散液中の酸化ケイ素のことであり、示した粒径以外の粒径のものを数%含む。
a.スノーテックスXS(粒径約4nm)(日産化学工業(株)製、有効成分20重量%)
b.スノーテックス20(粒径10〜20nm)(日産化学工業(株)製、有効成分20重量%)
c.スノーテックスOL(粒径40〜50nm)(日産化学工業(株)製、有効成分20重量%)
d.MP4540(粒径420〜480nm)(日産化学工業(株)製、有効成分40重量%)
【0043】
<糖アルコール>
TASTEX COOLEX−A(バイエルケミカルズジャパン(株)製、有効成分2.5重量%)を使用した。
【0044】
<処理液の調整>
単量体を3g/l、10g/l、20g/l、40g/lの濃度で水に溶解し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム2g/lを加え、該液に酸化ケイ素の有効成分が単量体1に対して0.1、0.4、0.9、1.2の重量比になるよう、キシリトールの有効成分が単量体1に対して0.005、0.01、0.02、0.04、0.08、0.16の重量比になるよう添加した。酸化ケイ素を含まない処理液、キシリトールを含まない処理液も調整した。
酸化ケイ素使用量(g/l)=単量体量(g/l)×酸化ケイ素量÷有効成分重量%
キシリトール使用量(g/l)=単量体量(g/l)×キシリトール量÷有効成分重量%
【0045】
<処理条件>
染色布を処理液に浸積して、マングルで絞り、処理液の付着量が100重量%になるように調整した後、106℃の飽和水蒸気雰囲気中にて3分間の処理を行った。
次いで、非イオン界面活性剤1g/L、炭酸ナトリウム1g/Lとした60℃の水溶液中で1分洗浄し、水洗し、130℃で乾燥、160℃でピンテンターセットした。
【0046】
【表1】

【0047】
表1から明らかなように、比較例に比して、実施例のものは、重合性単量体に特定比率で酸化ケイ素とキシリトールを混合しているもので、微細な凹凸を有する5〜40nmの被膜が形成されており、涼感性が優れかつ吸水性も良く、耐洗濯性にも優れることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維表面に、無機粒子と糖アルコールとを含有する、ポリアルキレンオキサイドセグメントを主体とする主鎖の両末端または一方の末端あるいは該主鎖の側鎖として少なくとも2個のアクリル基および/またはメタクリル基を有する重合性単量体を重合せしめてなる被膜が形成されており、該被膜の厚みが5〜40nmであって、該重合性単量体/無機粒子の重量混合比が1/0.4〜1.0、かつ、該重合性単量体/該糖アルコールの重量混合比が1/0.01〜0.1、さらに、該無機粒子は、粒子径5〜400nmの粒子径を有するものであることを特徴とする繊維構造物。
【請求項2】
前記無機粒子が、酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造物。
【請求項3】
前記糖アルコールが、キシリトールであることを特徴とする請求項1または2記載の繊維構造物。
【請求項4】
下記測定法により測定したときの吸水性(吸水速度)が5秒以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の繊維構造物。
吸水性(吸水速度)の測定方法:
タテ15cm×ヨコ15cmの繊維布帛を直径10cm以上の刺繍枠に固定して水平に置き、上部5cmの所から蒸留水を一滴、注射針を用いて滴下し、滴下直後から水滴が布帛に完全に吸収されるまでの時間を測定する。測定は3回行い、3回の測定時間の平均−値を吸水性(吸水速度)とする。
【請求項5】
該繊維構造物が、スポーツウェア、トレーニングウェア、ブラウス、ドレスシャツ、スカート、スラックス、手袋、帽子、裏地、肌着または靴下である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。

【公開番号】特開2007−70744(P2007−70744A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256330(P2005−256330)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【出願人】(397022391)株式会社サカイナゴヤ (7)
【Fターム(参考)】