説明

織物裏地

【課題】夏向けの清涼な表地に好適な裏地を提供することであり、軽さと通気量を併せ持つ着用感のよい裏地織物を提供する。
【解決手段】目付が30〜65g/m、カバーファクターの和が1300〜2000、JIS L 1096(A法(フラジール形法))によって測定した通気量が30〜200cm/cm・s、引裂強力が5N以上であることを特徴とする織物裏地。
ただし、カバーファクター=A×D1/2+B×D1/2
A:織物のタテ糸密度(本/2.54cm)
B:織物のヨコ糸密度(本/2.54cm)
:タテ糸の総繊度(dtex)
:ヨコ糸の総繊度(dtex)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量で通気性がよく、かつ実用上問題のない引裂強力を兼ね備えた織物裏地に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ファッション素材の多様化により、スポーツアウターや婦人用途にて薄地織物の需要が増加している。
【0003】
例えばスポーツアウターであれば、織物設計の工夫等を取り入れた薄地高密度織物、ポリアミドを用いた薄地織物、強力を高めたポリエステル繊維を用いた薄地織物等多数提案されている(特許文献1〜3参照)。しかしながらこれら織物は織物裏地との観点からはかけ離れた物であり、裏地の要求特性である柔らかさや滑り等には言及されていないものである。
【0004】
また織物裏地の観点からは、袖裏用に模紗と一般的3元組織を緯方向に交互に配置した高通気性織物が提案されている(特許文献4参照)。該発明は軽量感ではなく、高通気性を持った袖裏地であり胴裏としては緯のボーダー調柄が明確になるため使用できないこと、また軽量感や薄地織物にて問題となりやすい引裂強力には言及されていない。
【0005】
また織物組織に関しては模紗組織を用い、高通気性・防透け性が提案されている(特許文献5)。該発明では多重組織とする事で目的を達成しているが、用途が裏地ではなくシャツ・ブラウスを目的としており、生地の厚さがあるため裏地には不適であり、かつ引裂強力には触れられていない。
【特許文献1】特開平2005−240265号公報
【特許文献2】特開平2005−48298号公報
【特許文献3】特開平2006−52505号公報
【特許文献4】特開2005−139570
【特許文献5】特開平2006−225806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、夏向けの清涼な表地に好適な裏地を提供することであり、軽さと通気量および実用上問題のない引裂強力を併せ持つ着用感のよい裏地織物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は鋭意検討の結果、下記構成により達成できる事を見出した。
(1)目付が30〜65g/m、カバーファクターが1300〜2000、JIS L 1096(A法(フラジール形法))によって測定した通気量が10〜200cm/cm・s、引裂強力が5N以上である織物裏地。
【0008】
ただし、カバーファクター=A×D1/2+B×D1/2
A:織物のタテ糸密度(本/2.54cm)
B:織物のヨコ糸密度(本/2.54cm)
:タテ糸の総繊度(dtex)
:ヨコ糸の総繊度(dtex)
(2)織物のタテ糸およびヨコ糸の撚り係数kが5000〜13000である上記(1)の織物裏地。
【0009】
ただし、撚り係数k=T×(D1/2
T:糸の撚り数(回/m)
D:糸の総繊度(dtex)
(3)織物の組織が模紗である上記(1)または(2)の織物裏地。
【発明の効果】
【0010】
本発明の裏地織物は、軽量で通気性に優れ、かつ裏地に要求されるすべり良さ、および実用に耐えうる強さを併せ持つものであり、特に夏向け衣料の裏地として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の裏地織物は、目付が30〜65g/m、織物のカバーファクターの和が1300〜2000、JIS L 1096(A法(フラジール形法))によって測定した通気量が30〜200cm/cm・s、引裂強力が5N以上とならなければならない。また引裂強力は実着用時の破れ易さを考慮すると8N以上が好ましい。
【0013】
目付は軽量感を感じる上で重要である。通常一般に市販されている平組織を用いた裏地は70g/m程度の目付を有する。組織がツイルやサテン、カルゼ等になると目付はさらに高くなる。本発明では表地の軽快感に合わせるため、目付を30〜65g/mとする、さらに好ましくは35〜60g/m、さらに好ましくは35〜45g/mとすることが重要である。
【0014】
かかる目付の織物裏地を得るためには、使用する繊維の総繊度選択が非常に重要である。使用する繊維はタテ糸の総繊度Dが10〜55dtexであるのが好ましく、中でも20〜40dtexがより好ましい。ヨコ糸の総繊度Dは20〜70dtexであるのが好ましく、中でも30〜60dtexがより好ましい。またタテ糸とヨコ糸の総繊度の関係は次式を満足する事が引裂強力を向上させる上で好ましい。
【0015】
/D=1.0〜1.8
使用する繊維の単糸繊度は特に限定されないが、0.5〜3.0dtexであると、適度に柔らかい風合いの裏地織物が得られやすく、好ましい。ただし織物の引裂強力を加味すると、単糸繊度は1dtex以上3dtex以下がより好ましい。また経糸の単糸繊度dと緯糸の単糸繊度dは次式を満足することが、特に問題となりやすい横方向の引裂強力を改善する上で好ましい。
【0016】
/d=0.5〜1.8
また繊維形態は紡績糸ではなく、すべりの良いフィラメント糸で構成されるのが好ましく、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等半合成繊維などが使用できるが、中でも比重が軽く引張強力の高いポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維が好ましく使用される。なかでも繊維自体の吸水性が低いためポリエステル系繊維は形態安定性に優れシワになりにくく、安価であることから最も好ましい。
【0017】
ポリエステル糸繊維はポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのいずれでもよく、異種もしくは共重合を行った改質ポリエステルとの複合糸であってもよい。複合形態はサイドバイサイド形態にて張り合わせたバイコンポーネント構造を取ることが、布帛にストレッチ性を付与することが出来好ましいが、種々目的に合わせ選択する事が出来る。またポリエステルポリマー中に該知の艶消し剤、顔料、吸湿剤、制電剤、導電剤などが含まれていても差し支えない。糸の断面形状は、丸断面を用いることが製造コスト面で好ましいが、吸水性を裏地に付与する場合は三角、ダルマ型、多葉断面の他、X型、Y型、星型等該知の断面形態を採用する事が出来る。これら異形断面を採用する場合は、追撚を施す方の繊維にした方が毛細管現象を発現させることが出来るため好ましく、また性能を向上させる場合、該知の吸水剤を裏地に後加工で施すことが好ましい。
【0018】
目付を軽く抑えつつ、実用上問題のない裏地織物を得るためには、引裂強力を5N以上にすることが重要である。一般的に総繊度の細い繊維を用いると引裂強力が極端に悪くなるが、本発明ではスポーツアウターの様な高密度設計としないことから、組織の自由度拡大により強伸度積が向上することで引裂強力を維持する事が出来る。具体的には織物のカバーファクターの和を1300〜2000とすることが重要である。カバーファクターが1300未満であると糸と糸の間の隙間が大きく、染色工程での目ヨレや製品での縫い目ズレを起こしやすく好ましくない。またカバーファクターが2000を越えると織物組織の自由度が低くなるため織物の引裂強力が低下したり、風合いが硬くなって表地のシルエットに追従しにくくなる。上記理由より織物裏地のより好ましいカバーファクターの和は1500〜2000である。
【0019】
本発明の裏地織物のJIS L 1096(A法(フラジール形法))によって測定した通気量は、30〜200cm/cm・sであることが重要である。通気量が30cm/cm・s未満であると、一般的に用いられる目付の高い織物裏地と大差が無く、風通しが悪く、体から放出された熱が衣服内部にこもって不快である。逆に通気量が200cm/cm・sを越えると透け感が大きくなり、透け防止という裏地の役割が十分に果たせない。より好ましくは30〜150cm/cm・s、さらに好ましくは60〜140cm/cm・sである。
【0020】
かかる通気性の良さを得るため、また引裂強力を維持するためには、織物を構成するタテ糸、ヨコ糸の組織間隔を開けるのが有効であり、そのためには模紗組織の様な隙間の開く織組織にしたり、追撚した糸を使用して糸のふくらみを抑えたりすることが好ましい。
【0021】
繊維に追撚を施す場合、織物のタテ糸およびヨコ糸の撚り係数Kは5000〜13000に設定することが好ましい。
【0022】
撚係数が低いと繊維の収束性が低くなるため、結果として通気度が低くなる場合がある。また逆に高くなるとデシン等強撚織物風になってしまい、滑り特性が悪くなると共に、製織コストの上昇原因となる傾向がある。本発明の撚り数を繊維に施し織物裏地とする事で、撚トルクによる繊維の伸長性が発現されるため、繊維の引張強度が同じであっても強伸度積が高くなり、結果として引裂強力を維持することが出来る。
【0023】
ポリエステル糸を使用の場合には、染色加工時にアルカリ減量加工を行って糸の総繊度を細くすると、通気性も向上し、目付も軽くなり、風合いも柔らかくなるので実施することが好ましい。減量率は3から10%にする事が、物性面・強度面から好ましく、また強度面・風合い面から5から8%に設定することが好ましい。
【0024】
織物の組織は平組織もしくは模紗組織が好ましい。平組織を採用する場合、必ず繊維に追撚する事が必要である。
【0025】
本発明の裏地織物は、快適性を訴求される春・夏向けのジャケットの胴裏、袖裏、スラックスの膝裏、スカートやワンピースの裏地、帽子の裏地など、様々な衣料品に用いることができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の品質評価は、染色加工品について次の方法で実施した。
<織り組織>
JIS L 1096 8.1に従った。
<糸密度>
JIS L 1096 8.6に従った。
<総繊度>
JIS L 1096 8.8.1に従った。
<撚り数>
JIS L 1096 8.8.2に従った。
<カバーファクター>
カバーファクター=A・D1/2+B・D1/2 として計算を行った。但し、文字で表した変数は、以下の数値をとる。
【0027】
A:織物のタテ糸密度(本/2.54cm)
B:織物のヨコ糸密度(本/2.54cm)
:タテ糸の総繊度(dtex)
:ヨコ糸の総繊度(dtex)
<目付>
JIS L 1096 8.4に従った。
<通気量>
JIS L 1096 8.27.1 A法(フラジール形法)に従った。
<引裂強力>
JIS L 1096 8.15.5 D法(ペンジュラム法)に従った。
<風合いの柔らかさ>
織物を片手で軽くもんで、柔らかさを良好(◎)、やや良(○)、並(△)、悪い(×)の4段階で評価した。
<目ズレ>
織物を両手の親指と人差し指でつまんで、局所的に強く力をかけて表面変化の有無を評価した。
<すべり良さ>
織物を平らに置き、手のひらを織物のタテ方向に滑らせてすべり良さを良好(◎)、やや良(○)、並(△)、悪い(×)の4段階で評価した。
【0028】
[実施例1]
タテ糸に33dtex/12フィラメントの無撚りポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に56dtex/24フィラメントで、撚り数1000回/mのポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度132本/2.54cm、ヨコ密度104本/2.54cmの平織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度144本/2.54cm、ヨコ密度97本/2.54cm、目付43g/mの織物を得た。
【0029】
この織物について、通気量、引裂強力を測定した結果を表1に示す。なお、引裂強力はタテとヨコの測定値の内、数値が小さい方を記入した。また、ハンドリングによって風合いの柔らかさ、目ズレ、すべり良さを評価した。評価については以下記載の実施例、比較例共に実施例1と同様に実施した。
【0030】
その後、婦人用ワンピースにこの織物を裏地として縫製し夏期に着用したところ、軽い着心地で、体に密着して熱のこもりやすい腹部もムレ感が少なく、快適であった。
【0031】
[実施例2]
タテ糸に33dtex/12フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に56dtex/36フィラメントの仮撚り加工したポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度180本/2.54cm、ヨコ密度110本/2.54cmの模紗組織織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットした後、5%のアルカリ減量、染色、仕上げセットを行い、タテ密度193本/2.54cm、ヨコ密度117本/2.54cm、目付52g/mの織物を得た。
【0032】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0033】
また、紳士用ジャケットの胴裏にこの織物を裏地として縫製し夏期に着用したところ、ジャケットの重量感をほとんど感じない軽い着心地で、背中の熱がこもらずムレ感も感じにくく、快適であった。
【0034】
[実施例3]
タテ糸に22dtex/24フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に33dtex/24フィラメントに1300回/mの撚りを施したポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度157本/2.54cm、ヨコ密度113本/2.54cmの平織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットをした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度168本/2.54cm、ヨコ密度117本/2.54cm、目付37g/mの織物を得た。
【0035】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0036】
また、婦人用ワンピースにこの織物を裏地として縫製し夏期に着用したところ、軽い着心地で、体に密着して熱のこもりやすい腹部もムレ感が少なく、快適であった。
【0037】
[実施例4]
タテ糸に22dtex/24フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に33dtex/24フィラメントに1300回/mの撚りを施したポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度131本/2.54cm、ヨコ密度115本/2.54cmの模紗織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットをした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度168本/2.54cm、ヨコ密度117本/2.54cm、目付52g/mの織物を得た。
【0038】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0039】
また、婦人用ワンピースにこの織物を裏地として縫製し夏期に着用したところ、大変軽い着心地で、体に密着して熱のこもりやすい腹部もムレ感が少なく、快適であった。
【0040】
[実施例5]
タテ糸に33dtex/12フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に56dtex/24フィラメントに450回/mの撚りを施したポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度132本/2.54cm、ヨコ密度94本/2.54cmの平織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度144本/2.54cm、ヨコ密度97本/2.54cm、目付39g/mの織物を得た。
【0041】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0042】
また、婦人用ワンピースにこの織物を裏地として縫製し夏期に着用したところ、軽い着心地で、体に密着して熱のこもりやすい腹部もムレ感が少なく、快適であった。
【0043】
[比較例1]
タテ糸に33dtex/12フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に56dtex/36フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度180本/2.54cm、ヨコ密度112本/2.54cmの模紗組織織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットをした後、8%のアルカリ減量、染色、仕上げセットを行い、タテ密度193本/2.54cm、ヨコ密度117本/2.54cm、目付68g/mの織物を得た。
【0044】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0045】
また、実施例2と同じ紳士用ジャケットを作成し、胴裏地をこの織物に代えて縫製し、夏期に着用したところ、背中の熱がこもらずムレ感を感じにくかったものの、ジャケットは重量感があった。
【0046】
[比較例2]
タテ糸に33dtex/12フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に56dtex/24フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度137本/2.54cm、ヨコ密度92本/2.54cmの平織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットをした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度144本/2.54cm、ヨコ密度97本/2.54cm、目付42g/mの織物を得た。
【0047】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0048】
また、実施例1と同じ婦人用ワンピースを作成し、裏地のみこの織物に代えて縫製し、夏期に着用したところ、腹部に熱がこもってムレて不快であり、着用感はやや重い感じがした。
【0049】
[比較例3]
タテ糸に33dtex/12フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に22dtex/24フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度137本/2.54cm、ヨコ密度131本/2.54cmの平織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットをした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度144本/2.54cm、ヨコ密度140本/2.54cm、目付41g/mの織物を得た。
【0050】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0051】
また、実施例1と同じ婦人用ワンピースを作成し、裏地のみこの織物に代えて縫製し、夏期に着用したところ、腹部に熱がこもってムレて不快であった。
【0052】
[比較例4]
タテ糸に56dtex/18フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメント、ヨコ糸に84dtex/36フィラメントの無撚りのポリエステルマルチフィラメントを用い、タテ密度107本/2.54cm、ヨコ密度80本/2.54cmの平織物をウォータージェットルームで製織した。該生機を常法に従って精練セットをした後、染色、仕上げセットを行い、タテ密度110本/2.54cm、ヨコ密度82本/2.54cm、目付72g/mの織物を得た。
【0053】
この織物について、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0054】
また、実施例1と同じ婦人用ワンピースを作成し、裏地のみこの織物に代えて縫製し、夏期に着用したところ、腹部に熱がこもってムレて不快であり、着用感は重い感じがした。
【0055】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
目付が30〜65g/m、カバーファクターの和が1300〜2000、JIS L 1096(A法(フラジール形法))によって測定した通気量が30〜200cm/cm・s、引裂強力が5N以上であることを特徴とする織物裏地。
ただし、カバーファクター=A×D1/2+B×D1/2
A:織物のタテ糸密度(本/2.54cm)
B:織物のヨコ糸密度(本/2.54cm)
:タテ糸の総繊度(dtex)
:ヨコ糸の総繊度(dtex)
【請求項2】
該織物のタテ糸およびヨコ糸の撚り係数Kが5000〜13000であることを特徴とする請求項1に記載の織物裏地。
ただし、撚り係数K=T×(D1/2
T:糸の撚り数(回/m)
D:糸の総繊度(dtex)
【請求項3】
該織物の組織が模紗であることを特徴とする請求項1または2に記載の織物裏地。