説明

置換された2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、その製造法、並びにその除草剤および植物成長調節剤としての使用

本発明は置換された2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、その製造法、並びにそ
の除草剤または植物成長調節剤、除草または植物成長調節の方法、除草剤または植物成長調節剤としての使用を提供することを目的とする。
式(I)
【化1】


(式中、R1は請求項1で定義されたような場合により置換されるアミノ基または類似基であり、そしてR2〜R7はそれぞれ請求項1で定義された通りである)の化合物またはその塩は除草剤および作物成長調節剤として適している。化合物(I)は請求項6に記載の方法に従って例えば式(III)の新規中間体を含む中間体を経て製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は除草剤および作物成長調節剤(植物成長調節剤)、特に有用な作物において広葉およびイネ科の雑草を防除するための除草剤、さらに植物の望ましくない成長の一般防除のための除草剤に関する。
【背景技術】
【0002】
トリアジン環上のヘテロ原子を介して結合したハロゲン、アルコキシ、アルキルチオおよび他の基の群からの基を有する2,4−ジアミノ−s−トリアジンは多くの場合、除草剤として知られている。これらの化合物は通常、N,N−ジアルキル置換アミノ基を有する;いわゆる“トリアジン除草剤”、例えばアトラジン、シマジンなどを参照のこと。
【0003】
アルキル置換された2,4−ジアミノ−s−トリアジンおよび類似化合物の群からの特定の化合物は除草作用および作物の成長を調節する特性を有することもまた知られている;例えば2−アミノ−4−アルキルアミノ−6−ハロアルキル−1,3,5−トリアジン型の化合物[特許文献1、2、3、4、5]および2−アミノ−4−ビシクシルアミノ−1,3,5−トリアジン型の化合物[特許文献6、7、8、9]を参照のこと。そのような化合物は一般にトリアジン環に場合により置換されたアルキルまたはシクロア ルキル基および2,4−ジアミノ−s−トリアジンのアミノ基と架橋または非架橋脂 肪族ブリッジを介して結合している(ヘテロ)芳香族基を有する。これらの除草剤 は“トリアジン除草剤”のものと一般に効力および施用特性が異なる。
【0004】
後者の除草活性のアルキル置換2,4−ジアミノ−s−トリアジンと比べて、単にアミノ基に脂肪族基を有する類似の2,4−ジアミノ−s−トリアジンもまた知られるようになった;特許文献10を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO−A−90/09378(EP−A−411153)
【特許文献2】WO−A−88/02368(EP−A−283522)
【特許文献3】WO−A−94/24086
【特許文献4】EP−A−509544
【特許文献5】EP−A−492,615
【特許文献6】WO 97/31904
【特許文献7】DE−A−19607450
【特許文献8】WO−A−97/19936
【特許文献9】WO−A−2004/069814
【特許文献10】WO 00/32580およびそこで引用された文献
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、種々の有用な作物または未開墾地における有害な植物を防除するための後者のタイプの誘導体の除草剤としての使用は、すべての所望の条件下で不可能である。例えば、ある場合には、活性成分のギャップの閉鎖にはあまりに高い施用量を必要とし、その量では作物またはプランテーション作物(果樹を含む)への被害が生じたり、またはその作用は気候および土壌条件のような環境条件に大きく依存し過ぎる。したがって、作物または未開墾地において選択的に使用するための代替となる効力の高い除草剤に対するニーズはいまだに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
今般、驚くべきことに、後者のアルキル置換2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン群に属する新規な除草活性成分が、この群の公知の、構造的に類似した活性成分と比較して、作物の除草剤または成長調節剤として有利に使用することができることを発見した。
【0008】
本発明によれば式(I)
【化1】

[式中、R1は式−NH2、−NH(B1−D1)または−N(B1−D1)(B2−D2)の基であり、B1、B2、D1およびD2のそれぞれは下記で定義される通りのそれぞれであり、または式
【化2】

の基であり、ここで
L1は直接結合、−O−、−S−または式−NG2−の基、好ましくは直接結合であり、
U1、U2はそれぞれ独立して式G3、OG4、SG5、NG6G7、NG8NG9G10、NG11OG12またはNG11SG12の基であり、
U3は式G13、OG14、SG15、NG16G17、NG18NG19G20、NG21OG22またはNG23SG24の基であり、
U4は式G25、OG26、SG27またはNG28G29の基であり、ここで
G1〜G29基はそれぞれ独立して水素、未置換または置換されたアリール(置換基を含んで6〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで3〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで2〜30個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、アシル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニル、および未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで1〜30個の炭素原子を有する)からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または
【0009】
U1およびU3またはU2およびU4またはU2およびG1またはU4およびG1基はそれらと結合している原子と対になってそれぞれ4〜7個の環原子を有する炭素環式または複素環式環であり、該環は未置換または置換されており(置換基を含んで30個までの炭素原子を有する)、
B1およびB2はそれぞれ独立して式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−ま
たは−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、ここで
Z*は酸素または硫黄原子であり、Z**は酸素または硫黄原子であり、そしてR*は(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで30個までの炭素原子を有する)、
D1およびD2はそれぞれ独立して水素、(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで30個までの炭素原子を有する)、
R1基は好ましくは30個までの炭素原子、特に20個までの炭素原子、とりわけ12個までの炭素原子を有し、
R2は水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり(ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1-C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルコキシ−(C1−C4)アルコキシおよび場合によりハロゲン−、シアノ−、(C1−C4)アルキル−または(C1−C4)ハロアルキル−置換された(C3−C6)シクロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される)、または未置換またはハロゲン、シアノ、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C6)シクロアルキルであり、
【0010】
R3はシクロプロピルまたはシクロブチルであり、後者の2個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C2−C4)アルケニル、(C2−C4)アルキニル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここで
環状のR3基は2位の炭素原子により
(a) 二価のR4基=メチレンと結合することができ、そのため分子部分R3−C−C−R4と共に5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成することができ、または
(b) 直接またはメチレン基を介して環状のCR4R5基の2位の炭素原子と結合することができ、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成することができ、
R4およびR5はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり(ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される)、またはそれぞれ独立して未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C2−C4)アルケニル、(C2−C4)アルキニル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、または
R4およびR5はそれらに結合している炭素原子と一緒になって未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された3−〜9−員の炭素環式環であり、ここで
環状のCR4R5基は2位の炭素原子により直接またはメチレン基を介してR3基の環の2位の炭素原子と結合することができ、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成することができ、または
R4は環状のR3基の2位の炭素原子と結合している式−CH2−の二価の基であり、そのため分子部分R3−C−C−R4と共に5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成することができ、
R6は水素、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルであり、そして
R7は水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり、それは未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される]の除草性化合物またはその塩が提供される。
【0011】
環の2位の炭素原子(R3、R4、R5の定義を参照)は1位の炭素原子に隣接する環炭素原子であり、1位の炭素原子(the latter)は“イル位”(yl position)の炭素原子を意味する。アルキル基の“イル位”は遊離結合の炭素原子を意味する。
【0012】
特に断りがなければ、二価の基、例えばB1=−C(=Z*)−Z**−は結合基、例えば−B1−D1において、D1基に結合している二価の基の結合が二価の基の式で右側に書かれているものであるように定義され、すなわち−B1−D1は式−C(=Z*)−Z**−D1の基である;同じことが類似の二価の基にも当てはまる。
【0013】
式(I)の化合物は適当な無機酸または有機酸、例えばHCl、HBr、H2SO4またはHNO3、さらにシュウ酸またはスルホン酸を、塩基性基、例えばアミノまたはアルキルアミノに付加させることにより塩を形成することができる。脱プロトン化形態に存在する適当な置換基、例えばスルホン酸またはカルボン酸はアミノ基のようなプロトン化可能な基と内部塩を形成することができる。さらに、適切な置換基、例えばスルホン酸またはカルボン酸の場合、水素を農業に適したカチオンで置換することにより塩を形成することができる。これらの塩は例えば金属塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、とりわけナトリウムおよびカリウム塩、またはアンモニウム塩、有機アミンとの塩または第4アンモニウム塩である。
【0014】
式(I)およびそれに続くすべての式において、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノおよびアルキルチオ基、および炭素骨格の対応する不飽和および/または置換基は、それぞれ直鎖状または分枝状である。
【0015】
「(C1−C4)アルキル」なる表現は1〜4個の炭素原子を有するアルキルの簡単な表記である、すなわちメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピルまたはt−ブチル基を包含する。したがって、より大きな特定数の炭素原子を有する一般的なアルキル基、例えば「(C1−C6)アルキル」はまた、より大きな数の炭素原子を有するアルキル基、すなわち例によれば5および6個の炭素原子を有するアルキル基を包含する。
【0016】
特に断りがなければ、結合基を含むアルキル、アルケニルおよびアルキニル基のような炭化水素基の場合は例えば1〜6個の炭素原子を有する、または不飽和基の場合は2〜6個の炭素原子を有する低級炭素骨格が好ましい。アルコキシ、ハロアルキルなどのような結合基を含むアルキル基は例えばメチル、エチル、n−またはi−プロピル、n−、i−、t−または2−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシルおよび1,3−ジメチルブチルのようなヘキシル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシルおよび1,4−ジメチルペンチルのようなヘプチルであり;アルケニルおよびアルキニル基はアルキル基に対応する起り得る不飽和基として定義される;アルケニルは例えばビニル、アリル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、ペンテニル、2−メチルペンテニルまたはヘキセニル基、好ましくはアリル、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−3−エン−1−イル、1−メチル−ブタ−3−エン−1−イルまたは1−メチルブタ−2−エン−1−イルである。
【0017】
アルケニルはまた、特に2個以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状炭化水素基、例えば1,3−ブタジエニルおよび1,4−ペンタジエニル、さらに1個またはそれ以上の累積二重結合を有するアレニルまたはクムレニル基、例えばアレニル(1,2−プロパジエニル)、1,2−ブタジエニルおよび1,2,3−ペンタトリエニルを包含する。
【0018】
アルキニルは例えばプロパルギル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−3−イン−1−イル、1−メチルブタ−3−イン−1−イルである。
【0019】
アルキニルはまた、特に2個以上の三重結合を有する、あるいは1個またはそれ以上の三重結合および1個またはそれ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状炭化水素基、例えば1,3−ブタトリエニルまたは3−ペンテン−1−イン−1−イルを包含する。
【0020】
3−〜9−員の炭素環式環は(C3−C9)シクロアルキルまたは(C5−C9)シクロアルケニルである。(C3−C9)シクロアルキルは好ましくは3〜9個の炭素原子を有する炭素環式飽和環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルまたはシクロノニルである。置換シクロアルキルの場合、置換基を有する環系が包含され、その置換基はシクロアルキル基と二重結合で結合されてもよく、例えばメチリデンのようなアルキリデン基である。
【0021】
(C5−C9)シクロアルケニルは5〜9個の炭素原子を有する非芳香族で部分的に不飽和の炭素環式環系、例えば1−シクロブテニル、2−シクロブテニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニルまたは1,4−シクロヘキサジエニルである。置換シクロアルケニルの場合、置換シクロアルキルについての説明が対応して当てはまる。
【0022】
例えば(C1−C10)アルキリデンの形態でもあるアルキリデンは二重結合を介して結合する直鎖状または分枝状アルカン基であり、その結合部位の位置は固定されない。もちろん、分枝状アルカンの場合、2個の水素原子が二重結合により置換されうる位置だけが可能である;基は例えば=CH2、=CH−CH3、=C(CH3)−CH3、=C(CH3)−C2H5または=C(C2H5)−C2H5である。
【0023】
ハロゲンは例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。ハロアルキル、−アルケニルおよび−アルキニルはそれぞれ好ましくはフッ素、塩素および臭素の群、特にフッ素および塩素の群からの同一または異なるハロゲン原子により部分的または完全に置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニル、例えばモノハロアルキル、ペルハロアルキル、CF3、CHF2、CH2F、CF3CF2、CH2FCHCl、CCl3、CHCl2、CH2CH2Clであり;ハロアルコキシは例えばOCF3、OCHF2、OCH2F、CF3CF2O、OCH2CF3およびOCH2CH2Clであり;同じことがハロアルケニルおよび他のハロゲン置換基にも当てはまる。
【0024】
アリールは単環式、二環式または多環式の芳香族系、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、フルオレニルなど、好ましくはフェニルである。
【0025】
複素環式の基または環(ヘテロシクリル)は飽和、不飽和またはヘテロ芳香族であり;特に断りがなければ、それは複素環に好ましくは1個またはそれ以上、特に1、2または3個の、好ましくはN、OおよびSの群からのヘテロ原子を含有し;それは好ましくは3〜7個の環原子を有する脂肪族ヘテロシクリル基、あるいは5または6個の環原子を有するヘテロ芳香族基である。複素環式基は例えばヘテロ芳香族基または環(ヘテロアリール)、例えば少なくとも1個の環が1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する単環式、二環式または多環式の芳香族系である。それは好ましくはN、OおよびSの群からのヘテロ原子を有するヘテロ芳香族環、例えばピリジル、ピロリル、チエニルまたはフリルであり;それはまた、好ましくは2または3個のヘテロ原子を有する相当するヘテロ芳香族環、例えばピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびトリアゾリルである。それはまた、好ましくはN、OおよびSの群からのヘテロ原子を有する部分的または完全に水素化された複素環式基、例えばオキシラニル、オキセタニル、オキソラニル(=テトラヒドロフリル)、オキサニル、ピロリニル、ピロリジルまたはピペリジルである。
【0026】
それはまた、好ましくはN、OおよびSの群からの2個のヘテロ原子を有する部分的または完全に水素化された複素環式基、例えばピペラジニル、ジオキソラニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニルおよびモルホリニルである。置換された複素環式基についての可能な置換基には下記で特定される置換基、さらにオキソがある。オキソ基は様々な酸化状態で存在する環ヘテロ原子、例えばNおよびS上に存在してもよい。
【0027】
ヘテロシクリルの好ましい例はピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキシラニル、2−オキセタニル、3−オキセタニル、オキソラニル(=テトラヒドロフリル)、ピロリジル、ピペリジル、特にオキシラニル、2−オキセタニル、3−オキセタニルまたはオキソラニルの群からの3〜6個の環原子を有する複素環式基、あるいは2または3個のヘテロ原子を有する複素環式基、例えばピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペラジニル、ジオキソラニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニルまたはモルホリニルである。
【0028】
基本構造が基のリストまたは一般的に定義された基の群からの“1個またはそれ以上の基により”置換される場合、これはそれぞれ複数の同一および/または構造的に異なる基による同時置換を含む。
【0029】
置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基のような置換された基は例えば未置換の基本構造から誘導される置換された基であり、その置換基は例えばハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノ−およびジアルキルアミノカルボニル;アシルアミノ、モノ−およびジアルキルアミノのような置換アミノ;アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、環状基の場合はさらにアルキル、ハロアルキル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、場合により置換されるモノ−およびジアルキルアミノアルキルおよびヒドロキシアルキルの群からの1個またはそれ以上、好ましくは1、2または3個の基であり;置換アルキルなどのような“置換された基”なる用語において、置換基は上記の飽和炭化水素基の他に、対応する不飽和および芳香族基、例えば場合により置換されるアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、フェニル、フェノキシなどを含む。環に脂肪族部分を有する置換された環状基の場合、二重結合により環に結合する置換基を有する、例えばメチリデンまたはエチリデンのようなアルキリデン基により置換された環系もまた含まれる。
【0030】
例として挙げられる置換基(“第1置換レベル”)はそれらが炭化水素部分を含有する時、場合により例えば第1置換レベルについて定義されたような置換基の1つによりさらに置換されてもよい(“第2置換レベル”)。対応するさらなる置換レベルもまた可能である。“置換された基”なる用語は好ましくは1または2個の置換レベルだけを包含する。
【0031】
置換レベルの好ましい置換基は例えばアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルボキシル、カルボンアミド、SF5、アミノスルホニル、アルキル、
シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルカノイルアミノ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルカノイル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、シクロアルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、N−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、N−アルカノイルアミノカルボニル、N−アルカノイル−N−アルキルアミノカルボニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アリールチオ、アリールアミノおよびベンジルアミノである。
【0032】
炭素原子を有する基の場合、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、特に1または2個の炭素原子を有するものが好ましい。一般に、好ましい置換基はハロゲン、例えばフッ素および塩素、(C1−C4)アルキル、好ましくはメチルまたはエチル、(C1−C4)ハロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル、(C1−C4)アルコキシ、好ましくはメトキシまたはエトキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、ニトロおよびシアノの群からのものである。好ましい置換基はメチル、メトキシ、フッ素および塩素である。
【0033】
置換アミノ、例えば一置換または二置換アミノは例えばアルキル、アルコキシ、アシルおよびアリールの群からの1または2個の同一または異なる基によりN−置換された置換アミノ基の群からの基;好ましくはモノ−およびジアルキルアミノ、モノ−およびジアリールアミノ、アシルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルキル−N−アシルアミノおよびN−複素環であり;1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましく;アリールは好ましくはフェニルまたは置換フェニルであり;アシルは下記で定義される通りであり、好ましくは(C1−C4)アルカノイルである。同じことが置換ヒドロキシルアミノまたはヒドラジノにも当てはまる。
【0034】
アシルは形式的な意味では酸官能基におけるヒドロキシル基の除去により生じる有機酸の基であり、酸の有機基はヘテロ原子を介して酸官能基に結合していてもよい。アシルの例はカルボン酸HO−CO−Rの−CO−R基およびそれから誘導される酸、例えばチオカルボン酸、場合によりN−置換イミノカルボン酸の基、または炭酸モノエステル、N−置換カルバミン酸、スルホン酸、スルフィン酸、N−置換スルホンアミド酸、ホスホン酸またはホスフィン酸の基である。
【0035】
アシルは例えばホルミル、[(C1−C4)アルキル]カルボニルのようなアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、N−アルキル−1−イミノアルキルおよび他の有機酸の基である。これらの基はそれぞれアルキルまたはフェニル部分がさらに置換されてもよく、例えばアルキル部分はハロゲン、アルコキシ、フェニルおよびフェノキシの群からの1個またはそれ以上の基により置換され;フェニル部分の置換基の例は置換フェニルについて上記ですでに挙げられた一般的な置換基である。
【0036】
アシルは好ましくは狭い意味のアシル基、すなわち酸基が有機基の炭素原子に直接結合している有機酸の基、例えばホルミル、アセチルまたは[(C1−C4)アルキル]カルボニルのようなアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニルおよび他の有機酸の基である。
【0037】
本発明はまた、式(I)およびすべての立体異性体(その混合物を包含する)を提供する。そのような式(I)の化合物は1個またはそれ以上の不斉炭素原子、または一般式(I)で特記されていない二重結合を含有する。それらの特異的な三次元形状により定義される可能な立体異性体、例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、Z−およびE−異性体はすべて式(I)に包含され、立体異性体の混合物から従来の方法により得ることができ、または立体化学的に純粋な出発物質を使用して立体選択的反応により製造することができる。
【0038】
特に高い除草作用、良好な選択性および/または良好な製造能力のために、特に重要な本発明の化合物は、個々の基がすでに挙げた、または下記で挙げられる好ましい定義の1つを有する上記式(I)の化合物またはその塩、特に1個またはそれ以上のすでに挙げた、または下記で挙げられる好ましい定義が組合せで存在する化合物である。
【0039】
各場合のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7の群からの他の基、および好ましくは1個またはそれ以上のこれらの基の好ましい定義と組合せた、一般的な基に対応する下位定義とかかわりなく、特に重要な本発明の化合物は下記で挙げられる当該基の好ましい定義を有する化合物である。
【0040】
好ましくは、R1は式−NH2、−NH(B1−D1)または−N(B1−D1)(B2−D2)の基であり、B1、B2、D1およびD2はそれぞれ下記で定義される通りであり、または

【化3】

の基であり、
ここで
L1は直接結合、−O−、−S−または式−NG2−の基、好ましくは直接結合であり、
U1、U2はそれぞれ独立して式G3、OG4、SG5、NG6G7、NG8NG9G10、NG11OG12またはNG11SG12の基であり、
U3は式G13、OG14、SG15、NG16G17、NG18NG19G20、NG21OG22またはNG23SG24の基であり、
U4は式G25、OG26、SG27またはNG28G29の基であり、
ここで
G1〜G29基はそれぞれ独立して水素、または未置換または置換されたフェニル(置換基を含んで好ましくは6〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで好ましくは3〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで好ましくは2〜30個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換、またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)ハロアルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)ハロアルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニル、および未置換または置換されたヘテロシクリル、および
式R'−C(=Z')−、R'−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−、R'R''N−C(=Z')−、R'−Z−C(=Z')−O−、R'R''N−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−NR''−およびR'R''N−C(=Z')−NR'''−の基からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここで、R'、R''およびR'''はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており、そして前記ZおよびZ'はそれぞれ独立して酸素または硫黄原子であり、または
U1およびU3またはU2およびU4またはU2およびG1またはU4およびG1基はそれらと結合している原子と対になってそれぞれ4〜7個の環原子を有する炭素環式または複素環式環であり、該環は未置換または置換されており、
B1およびB2はそれぞれ独立して式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−または−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、ここで
Z*は酸素または硫黄原子であり、Z**は酸素または硫黄原子であり、そしてR*は(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで好ましくは20個までの炭素原子を有する)、
D1およびD2はそれぞれ独立して水素、(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されている(置換基を含んで好ましくは20個までの炭素原子を有する)、
ここで
基は好ましくはアミノ基であり、それは好ましくは未置換であるか、または化学的または生物学的条件下で容易に除去することができる1または2個の置換基を有する。
【0041】
R1基は一般に物理化学的特性の制御および影響を可能にする。したがって、活性成分は防除しようとする望ましくなく成長する植物によってより迅速に、またはよりゆっくり取り込まれ得る。R1基の使用および構造に依存するが、その基は、所定の期間をかけて除去することができ、その結果、遊離アミノ基を有する活性成分が徐々に放出され、環境保護の観点から望ましくない長期活性物質分解を有する同等効力の活性成分の使用を必要とすることなく活性期間を延長させることができる。このプロセスは施用に必要な活性物質の量を長期に亘って利用可能にするので有利である。したがって、繰り返しの施用を回避することができる。活性プロファイルに関する要件は様々な施用で異なるため、プロファイルを適切な脱離基を用いて変えて要件に合せて調整することができる。このシリーズの化合物は有利な活性プロファイルおよび良好な作物適合性を有する。
【0042】
より好ましくは、R1は式−NH2、−NH(B1−D1)または−N(B1−D1)(B2−D2)の基であり、B1、B2、D1およびD2はそれぞれ下記で定義される通りであり、または

【化4】

の基であり、
ここで
L1は直接結合、−O−、−S−または式−NG2−の基、好ましくは直接結合であり、
U1、U2はそれぞれ独立して式G3、OG4、SG5、NG6G7、NG8NG9G10、NG11OG12またはNG11SG12の基であり、
U3は式G13、OG14、SG15、NG16G17、NG18NG19G20、NG21OG22またはNG23SG24の基であり、
U4は式G25、OG26、SG27またはNG28G29の基であり、
ここで
G1〜G29基はそれぞれ独立して水素、未置換または置換されたフェニル(置換基を含んで好ましくは6〜30個の炭素原子、特に6〜22個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで好ましくは3〜30個の炭素原子、特に6〜22個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで好ましくは2〜30個の炭素原子、特に2〜20個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)ハロアルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)ハロアルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニルおよび未置換または置換されたヘテロシクリル、および式R'−C(=Z')−、R'−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−、R'R''N−C(=Z')−、R'−Z−C(=Z')−O−、R'R''N−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−NR''−およびR'R''N−C(=Z')−NR'''−の基からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここでR'、R''およびR'''はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており、そしてここで、ZおよびZ'はそれぞれ独立して酸素または硫黄原子であり、または
U1およびU3またはU2およびU4またはU2およびG1またはU4およびG1基はそれらと結合している原子と対になってそれぞれ4〜7個の環原子を有する炭素環式または複素環式環であり、ここで環は未置換または置換されており、
B1およびB2はそれぞれ独立して式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−または−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、
ここで、Z*は酸素または硫黄原子であり、Z**は酸素または硫黄原子であり、そしてR*は(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで好ましくは20個までの炭素原子を有する)、
D1およびD2はそれぞれ独立して水素、(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されている(置換基を含んで好ましくは20個までの炭素原子を有する)。
【0043】
上記の一般に未置換または置換された基において、非環状の基本構造の可能な置換基は好ましくはハロゲンおよび(C1−C4)アルコキシから選択され;環状の基本構造の場合、それらは好ましくはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)アルコキシから選択される。さらに、それぞれ未置換の基本構造が好ましい。
【0044】
R1は例えば式−NH2、−NH(B1−D1)または−N(B1−D1)(B2−D2)の基であり、前記B1、B2、D1およびD2はそれぞれすでに定義された通りであり、または好ましくは下記で定義される通りであり、すなわち好ましくはR8群からの基であり、前記R8は式(R8−a)〜(R8−d)
【化5】

の基であり、ここで
式中のU1、U3、U4、G1およびG2基はそれぞれR1について上記で定義された通りである。R8基はL1=直接結合または−NG2−であるR1基に対応する。さらに、R8についての後者の式の下位群から選択される基、例えば次式の基を有する化合物(I)が好ましい:
【0045】
【化6】

【0046】
【化7】

【0047】
【化8】

(式中、R9〜R21基はそれぞれ下記で定義される通りである)。
【0048】
また、特に重要な化合物はそれぞれ上記の基において2個の特定の基がそれらと結合している原子と一緒になって環を形成することができる化合物であり、すなわち
R10およびR11はNR10R11基の窒素原子と一緒になって、または
R11およびOR12はNOR12R11基の窒素原子と一緒になって、または
R11およびSR12はNSR12R11基の窒素原子と一緒になって、または
R14およびR15はNR14R15基の窒素原子と一緒になって、または
【0049】
OR16およびOR17またはSR16およびSR17またはOR13およびR18またはSR13およびR18またはR18およびR19は式
【化9】

の対応する基の式=C(OR16)(OR17)、=C(SR16)(SR17)、=C(OR13)(R18)、=C(SR13)(R18)または=C(R18)(R19)の特定の原子部分の炭素原子と一緒になって、または
【0050】
R9およびR11は式
【化10】

の基の原子部分
【化11】

と一緒になって、または
【0051】
R9およびNR21は特定の基の式
【化12】

の基の炭素原子と一緒になって、または
【0052】
R9およびR20
【化13】

基の全基
【化14】

と一緒になって、または
【0053】
R11およびR14
【化15】

【化16】

基の原子部分
【化17】

と一緒になってそれぞれ独立して3〜9個の環原子を有する炭素環式環または3〜7個の環原子および1〜6個のヘテロ原子を有する複素環式環を形成し、それは言及したヘテロ原子または言及した原子部分を含み、他のヘテロ環原子はN、OおよびSの群から選択され、さらに炭素環式または複素環式環はそれぞれ未置換であるか、または置換されており、そしてR9〜R21基はそれぞれ下記で定義される通りである。
【0054】
上述の原子部分において、特に片側に結合している二重結合“=”は二重結合または遊離二重結合の結合部位(イリデン基の結合部位を意味する)を示し、ビニルの簡単な表記ではない。
【0055】
上記式のR9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R20、R21はそれぞれ独立して水素、未置換または置換されたフェニル(置換基を含んで好ましくは6〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで好ましくは3〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C4−C9)シクロアルケニル(置換基を含んで好ましくは4〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで好ましくは2〜30個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)ハロアルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニル、未置換または置換されたヘテロシクリル、および式R'−C(=Z')−、R'−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−、R'R''N−C(=Z')−、R'−Z−C(=Z')−O−、R'R''N−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−NR''−およびR'R''N−C(=Z')−NR'''−の基からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、
ここで、R'、R''およびR'''はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており、ここでZおよびZ'はそれぞれ独立して酸素または硫黄原子であり、そして
置換基を含んで好ましくは1〜30個の炭素原子を有する。
【0056】
R16、R17はそれぞれ独立して未置換または置換されたフェニル(置換基を含んで好ましくは6〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで好ましくは3〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで好ましくは2〜30個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)ハロアルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニル、未置換または置換されたヘテロシクリル、および式R'−C(=Z')−、R'−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−、R'R''N−C(=Z')−、R'−Z−C(=Z')−O−、R'R''N−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−NR''−およびR'R''N−C(=Z')−NR'''−の基からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここでR'、R''およびR'''はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており、ここで、ZおよびZ'はそれぞれ独立して酸素または硫黄原子であり、そして
置換基を含んで好ましくは1〜30個の炭素原子を有する。
【0057】
R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R20、R21基は好ましくはそれぞれ独立して水素である。
【0058】
R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R20、R21基はまた、好ましくはそれぞれ独立して、置換基を含んで6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜20個の炭素原子、特に6〜15個の炭素原子を有する、未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、スルホ、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、(C1−C4)アルキルスルホニルおよび(C1−C4)ハロアルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたフェニルである。
【0059】
R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R20、R21基はまた、好ましくはそれぞれ独立して、置換基を含んで3〜30個の炭素原子、好ましくは3〜20個の炭素原子、特に3〜15個の炭素原子を有する、未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノおよびジ(C1−C4)アルキルアミノの群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C9)シクロアルキルである。
【0060】
R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R20、R21基はまた、好ましくはそれぞれ独立して、置換基を含んで2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子、特に2〜15個の炭素原子を有する、未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、スルホニル、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、(C1−C4)アルキルスルホニルおよび(C1−C4)ハロアルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換された複素環である。
【0061】
この基や他の基の場合、複素環は一般用語または好ましいものとして上記で定義された通りである。
【0062】
R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R20、R21はそれぞれ独立して好ましくは未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、および未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、モノ−およびジ[(C1−C4)アルキル]アミノ、(C1−C4)アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニトロ、シアノ、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノ−およびジ−[(C1−C4)アルキル]アミノカルボニルおよび(C1−C4)アルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたフェニル、および3〜6個の環原子とN、OおよびSの群からの1〜3個のヘテロ環原子を有し、環は未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよびオキソの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたヘテロシクリルの群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキル、または置換基を含んで2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子、特に2〜15個の炭素原子を有する未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、スルホニル、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、(C1−C4)アルキルスルホニルおよび(C1−C4)ハロアルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたフェニルである。
【0063】
R16、R17はまた、それぞれ独立して、好ましくは置換基を含んで6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜20個の炭素原子、特に6〜15個の炭素原子を有する未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、スルホ、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、(C1−C4)アルキルスルホニルおよび(C1−C4)ハロアルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたフェニルである。
【0064】
R16、R17はまた、それぞれ独立して、好ましくは置換基を含んで3〜30個の炭素原子、好ましくは3〜20個の炭素原子、特に3〜15個の炭素原子を有する未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアル
キル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノおよびジ(C1−C4)アルキルアミノの群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C9)シクロアルキルである。
【0065】
R16、R17はまた、それぞれ独立して、好ましくは置換基を含んで2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子、特に2〜15個の炭素原子を有する未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、スルホニル、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、(C1−C4)アルキルスルホニルおよび(C1−C4)ハロアルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換された複素環である。
【0066】
これに関して、複素環は一般用語または好ましいものとして上記で定義された通りである。
【0067】
R16、R17はそれぞれ独立して好ましくは未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、および未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、アミノ、モノ−およびジ[(C1−C4)アルキル]アミノ、(C1−C4)アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニトロ、シアノ、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノ−およびジ−[(C1−C4)アルキル]アミノカルボニルおよび(C1−C4)アルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたフェニル、および3〜6個の環原子とN、OおよびSの群からの1〜3個のヘテロ環原子を有し、環は未置換であるか、またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよびオキソの群からの1個またはそれ以上の基により置換された複素環の群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキル、または置換基を含んで2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子、特に2〜15個の炭素原子を有する未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、ホルミル、カルボキシル、スルホニル、シアノ、チオシアナート、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、(C1−C4)アルキルスルホニルおよび(C1−C4)ハロアルキルスルホニルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されたフェニルである。
【0068】
好ましくは、B1およびB2はそれぞれ独立して式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−または−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、ここで
Z*=OまたはSであり、Z**=OまたはSであり、そしてR*=(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルまたは(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキルであり、ここで、後者の5個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ホルミル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、環状基の場合はさらに(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルの群からの1個またはそれ以上の基により置換されており;特にZ*は酸素原子であり、特にR*は(C1−C
4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニルまたはフェニル(C1−C4)アルキルであり、フェニル部分の後者の2個の基は未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシまたは(C1−C4)ハロアルコキシの群からの1個またはそれ以上の基により置換される。
【0069】
好ましくは、D1およびD2はそれぞれ独立して水素、(C1−C4)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C4)アルキル、(C3−C6)シクロアルキルまたは(C3−C6)シクロアルキル(C1−C4)アルキルであり、ここで、後者の5個の基は未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ホルミル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、モノ(C1−C4)アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、(C3−C9)シクロアルキル、[(C1−C4)アルキル]カルボニル、[(C1−C4)アルコキシ]カルボニル、アミノカルボニル、モノ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4)アルキルアミノカルボニル、環状基の場合はさらに(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキル群からの1個またはそれ以上の基により置換され、
特に水素、(C1−C4)アルキルまたは(C3−C6)シクロアルキルまたはフェニルまたはフェニル(C1−C4)アルキルであり、ここで、フェニル部分の後者の2個の基は未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシまたは(C1−C4)ハロアルコキシの群からの1個またはそれ以上の基により置換される。
【0070】
より好ましくは、R1は未置換または植物の生理学的条件下で容易に除去することができる1または2個の基により置換されたアミノ基である。
【0071】
R1は好ましくはアミノ、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキリデンアミノまたはN−ヘテロシクリルアミノ(C1−C4)アルキリデンアミノであり、前記N−複素環はN、OおよびSの群からの1〜3個の環ヘテロ原子およびアルキリデン基に結合している環ヘテロ原子として少なくとも1個の窒素原子を有する飽和複素環式環である。
【0072】
R1はより好ましくはアミノ、未置換またはアルキル部分のハロゲン、ジ−[(C1−C4)アルキル]アミノメチリデンアミノまたはN−モルホリン−4−イルアミノメチリデンアミノにより置換された(C1−C6)アルカノイルアミノ、特にアミノである。
【0073】
R2は好ましくは水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルコキシおよび場合によりハロゲン−または(C1−C4)アルキル置換(C3−C6)シクロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または
未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C6)シクロアルキルである。
【0074】
R2はより好ましくは未置換でまたはフッ素および塩素のようなハロゲンの群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルであり、または
未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルである。
【0075】
R2は非常に好ましくは未置換またはアルキル基の1−位がフッ素および塩素の群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルである。
【0076】
R2の好ましい定義の例はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、1−フルオロシクロプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル[(R)−、(S)−または(RS)−1−フルオロエチル]、1−フルオロ−n−プロピル[(R)−、(S)−または(RS)−1−フルオロ−n−プロピル]、1−フルオロイソプロピル、1−フルオロブチル[(R)−、(S)−または(RS)−1−フルオロ−n−ブチル]基である。
【0077】
R3は好ましくはシクロプロピルまたはシクロブチルであり、ここで、後者の2個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニルおよび(C2−C4)アルキニルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここで
環状のR3基は2位の炭素原子により
(a) 二価のR4基=メチレンと結合することができ、そのため分子部分R3−C−C−R4と共に5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成することができ、または
(b) 直接またはメチレン基を介して環状のCR4R5基の2位の炭素原子と結合することができ、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成することができる。
【0078】
R3はより好ましくはシクロプロピルまたはシクロブチルであり(ここで、後者の2個の基はそれぞれ未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される)、
ここで
環状のR3基は2位の炭素原子により
(a) 二価のR4基=メチレンと結合することができ、そのため分子部分R3−C−C−R4と一緒になって5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成することができ、または
(b) 直接またはメチレン基を介して環状のCR4R5基の2位の炭素原子と結合することができ、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成することができる。
【0079】
R3は特に未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルである。
【0080】
R3の好ましい定義の例はシクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、1−フルオロシクロプロピル、1−クロロシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、2,2−ジクロロシクロプロピル、シクロブチル基であり、特に未置換シクロプロピルが好ましい。
【0081】
R4およびR5は好ましくはそれぞれ独立して(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたは(C2−C4)アルキニルであり、ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または
未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルである。
【0082】
R4およびR5はより好ましくはそれぞれ独立して未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルコキシからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキル、または未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルである。
【0083】
R4は好ましくはメチルまたはシクロプロピル、特にメチルである。
【0084】
R5は好ましくはメチルまたはシクロプロピル、特にメチルである。
【0085】
R4およびR5はより好ましくはそれらに結合している炭素原子と一緒になって未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換
された3−〜6−員の炭素環式環、好ましくはシクロプロピルであり、ここで環状のCR4R5基は2位の炭素原子により直接またはメチレン基を介してR3基の環の2位の炭素原子と結合し、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成する。
【0086】
R4およびR5は特に好ましくはそれらに結合している炭素原子と一緒になって3−〜6−員の炭素環式環、好ましくは未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、特に未置換シクロプロピルが好ましい。
【0087】
R4およびR5はまた、好ましくはそれらに結合している炭素原子と一緒になって3−〜6−員の炭素環式環、好ましくは未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、ここで環状のCR4R5基は2位の炭素原子により直接またはメチレン基を介してR3基の環の2位の炭素原子と結合し、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成する。
【0088】
R4はまた、好ましくは式−CH2−の二価の基であり、環状のR3基の2位の炭素原子と結合し、そのため分子部分R3−C−C−R4と共に5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成する。
【0089】
R6は好ましくは水素、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルである。
【0090】
R6は特に水素またはメチル、とりわけ水素である。
【0091】
R7は好ましくは水素、メチル、エチル、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、
R7は特に水素、メチル、エチル、シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、1−フルオロシクロプロピル、1−クロロシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、2,2−ジクロロシクロプロピル、とりわけ水素である。
【0092】
R1はアミノ、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキリデンアミノまたはN−複素環アミノ−(C1−C4)アルキリデンアミノ(R1についてすでに上記で定義された通りである)、特にアミノであり、
R2は水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルコキシおよび場合によりハロゲン−または(C1−C4)アルキル置換(C3−C6)シクロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C6)シクロアルキルであり、
R3はシクロプロピルまたはシクロブチルであり、ここで、後者の2個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニルおよび(C2−C4)アルキニルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、
R4およびR5はそれぞれ独立して(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたは(C2−C4)アルキニルであり(ここで、後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1-C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される)、または未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、
または
R4およびR5はそれらに結合している炭素原子と一緒になって未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された3−〜6−員の炭素環式環であり、
R6は水素、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルであり、
R7は水素、メチル、エチル、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルである式(I)の化合物またはその塩が好ましい。
【0093】
さらに、R1は好ましくはアミノ、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキリデンアミノまたはN−ヘテロシクリルアミノ(C1−C4)アルキリデンアミノ(R1についてすでに上記で詳しく定義された通りである)、特にアミノであり、
R2は未置換またはフッ素および塩素のようなハロゲンの群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキル、または未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピル、特に未置換またはアルキル基の1位がフッ素および塩素の群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルであり、
R3は未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、
R4およびR5はそれぞれ独立して未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルコキシからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキル、または未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、または
R4およびR5はそれらに結合している炭素原子と一緒になって3−〜6−員の炭素環式環、好ましくは未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、
R6は水素またはメチル、とりわけ水素であり、
R7は水素、メチル、エチル、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピル、特に水素、メチル、エチル、シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、1−フルオロシクロプロピル、1−クロロシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、2,2−ジクロロシクロプロピル、とりわけ水素である式(I)の化合物またはその塩が好ましい。
【0094】
式(I−A)
【化18】

(式中、R1〜R7はそれぞれ定義された通りであり、または好ましいものとして定義された通りであり、R4およびR5基は結合して環状の構造を形成することができるが、R3およびR4基は結合していない)の化合物およびその塩が好ましい。
【0095】
化合物(I−A)の中で、特に好ましいのは式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)の化合物およびその塩である。これらの化合物において:
式(Ia)の化合物=式(I−A)(式中、R1=アミノである)の化合物、
式(Ib)の化合物=式(I−A)(式中、R1=アセチルアミノである)の化合物、
式(Ic)の化合物=式(I−A)(式中、R1=プロピオニルアミノである)の化合物、
式(Id)の化合物=式(I−A)(式中、R1は式NH−CO−CHCl−CH3(2−クロロプロピオニルアミノ)の基である)の化合物、
式(Ie)の化合物=式(I−A)(式中、R1はジメチルアミノメチレンアミノ基である)の化合物、
式(If)の化合物=式(I−A)(式中、R1はモルホリン−4−イルメチレンアミノ基である)の化合物である。
【0096】
特に好ましいのはR1〜R7基が実施例の表で使用される基の定義を有する一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)の化合物である。
【0097】
また、二環式または三環式の式(I−B)
【化19】

(式中、R1〜R7はそれぞれ定義された通りであるか、または好ましいものとして定義された通りであり、R3およびR4基は結合して環状の構造を与え、さらにR4およびR5もまた結合して環状の構造を与えることができる)の化合物およびその塩が好ましい。
【0098】
特に好ましいのはR1〜R7基がそれぞれ実施例の表で使用される基の定義を有する一般式(I−B)の化合物である。
【0099】
本発明の式(I)、(I−A)および(I−B)の化合物は式中でその立体配置が特定して表示されていない、または明確に特定されていない分子において不斉中心または二重結合に基づいて存在することができるすべての立体異性体およびその混合物、例えばラセミ化合物および特定の立体異性体が部分的に多い混合物を含む。
【0100】
本発明はまた、すべての互変異性体、例えばケトおよびエノール互変異性体、並びに適当な官能基が存在する場合はそれらの混合物および塩を含む。
【0101】
本発明はまた、a)式(II)
R2−Fu (II)
(式中、Fuはカルボン酸エステル、カルボン酸オルトエステル、塩化カルボニル、カルボキサミド、カルボン酸無水物およびトリクロロメチルの群からの官能基である)の化合物を式(III)
【化20】

の化合物またはその酸付加塩と反応させ、または
【0102】
b)式(IV)
【化21】

(式中、Z1は変換可能な基または脱離基、例えば塩素、トリクロロメチル、(C1−C4)アルキルスルホニル、未置換または置換フェニル−(C1−C4)アルキルスルホニルまたは(C1−C4)アルキルフェニルスルホニルである)の化合物を、適切な式(V)
【化22】

のアミンまたはその酸付加塩と反応させ、または
【0103】
c)式(I')
【化23】

の化合物またはその塩をアミノ基で誘導体化して式(I)の化合物を得る(式(II)、(III)、(IV)、(V)および(I')においてR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7基は式(I)で定義された通りである)ことからなる式(I)の化合物およびその塩を製造する方法を提供する。
【0104】
式(II)および(III)の化合物は好ましくは塩基触媒作用下、不活性有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノールおよびエタノール中、−10℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは20℃〜60℃の温度で反応させ;式(III)の酸付加塩が使用される場合、それらは一般に現場で塩基により遊離させる。適切な塩基または塩基性触媒にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属炭酸塩、あるいはトリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機塩基がある。特定の塩基は例えば式(III)の化合物に基づいて0.1〜3モル当量の範囲で使用される。式(II)の化合物は式(III)の化合物に関して例えば等モル量または過剰で、一般に(III):(II)のモル比が1:4まで、通常は1:3まで使用することができる。類似の方法が文献から知られている(A.R.Katritzky, C.W. ReesのComprehensive Heterocyclic Chemistry, Pergamon Press,
Oxford, New York(1984年), 第3巻;パート2B; ISBN 0−08−030703−5, 第290頁を参照)。
【0105】
式(IV)および(V)の化合物は好ましくは塩基触媒作用下、不活性有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、アセトニトリル、DMF、メタノールおよびエタノール中、−10℃〜特定の溶媒または溶媒混合物の沸点の温度、好ましくは20℃〜60℃の温度で反応させ、そして化合物(V)は酸付加塩として使用される場合、適切ならばその場で塩基により遊離させる。適切な塩基または塩基性触媒にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属炭酸塩、あるいはトリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機塩基がある。特定の塩基は一般に式(IV)の化合物に基づいて1〜3モル当量の範囲で使用される。式(IV)の化合物は式(V)の化合物に関して例えば等モル量で、または2モル当量まで過剰に使用することができる。類似の方法が文献から知られている(A.R.Katritzky, C.W. ReesのComprehensive Heterocyclic Chemistry, Pergamon Press, Oxford, New York(1984年), 第3巻;パート2B;ISBN 0−08−030703−5, 第482頁を参照)。
【0106】
式(II)、(III)、(IV)および(V)の反応物質は商業的に入手できるか、または文献に記載の方法と同様にして製造することができる。式(III)の化合物は新規であり、同様に本発明の内容の一部を形成する。本化合物はまた、例えば下記の方法の1つにより製造することができる。
【0107】
式(IV)の化合物またはその直接的な前駆体は例えば次のようにして製造することができる:
1. 式(II)の化合物を式(VI)
【化24】

(式中、Z2は(C1−C4)アルキルまたはフェニル(C1−C4)アルキルであり、そしてR1は式(I)で定義された通りである)のアミジノチオ尿素誘導体と反応させて式(IV)(式中、Z1=−SZ2である)の化合物を得る。
2. 式(VII)
H2N−CR2=NH (VII)
(式中、R2は式(I)で定義された通りである)のアミジンまたはその酸付加塩を式(VIII)
NC−N=C(S−Z3)2 (VIII)
(式中、Z3は(C1−C4)アルキルまたはフェニル(C1−C4)アルキルである)のN−シアノジチオイミノカーボネートと反応させて式(IV)(式中、Z1=−S−Z3である)の化合物を得る。
3. アルカリ金属ジシアンアミドを前記式(II)のカルボン酸誘導体と反応させて式(IV)(式中、Z1=NH2である)の化合物を得る。
4. トリクロロアセトニトリルを最初に式(IX)
R2−CN (IX)
(式中、R2は式(I)で定義された通りである)のニトリルと反応させて式(X)
【化25】

(式中、Z1およびZ4はそれぞれCCl3である)の化合物を得、それを次に式H−R2(R2は式(I)で定義された通りである)の化合物と反応させて式(IV)(式中、Z1=CCl3である)の化合物を得ることができる。
【0108】
式(II)のカルボン酸誘導体と式(VI)のアミジノチオ尿素誘導体の反応は好ましくは塩基触媒作用下、有機溶媒、例えばアセトン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、DMF、メタノール、エタノール中、−10℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは0℃〜20℃で行なわれる。しかしながら、反応は1つまたはそれ以上の上記有機溶媒と共に水または水性溶媒中で行なうこともできる。式(VI)の化合物が酸付加塩として使用される場合、それは適切ならばその場で塩基により遊離させることができる。適切な塩基または塩基性触媒にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属炭酸塩、あるいはトリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機塩基がある。特定の塩基は例えば式(VI)の化合物に基づいて1〜3モル当量の範囲で使用される。式(II)および(VI)の化合物は例えば等モル量または過剰で、一般に(VI):(II)のモル比が1:4まで、通常は1:3まで使用することができる。類似の方法が文献から知られている(H. Eilingsfeld, H. ScheuermannのChem. Ber., 100, 1874(1967年)を参照)。
【0109】
式(VII)のアミジンと式(VIII)のN−シアノジチオイミノカーボネートの反応は好ましくは塩基触媒作用下、不活性有機溶媒、例えばアセトニトリル、DMF、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、メタノールおよびエタノール中、−10℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは20℃〜80℃で行なわれる。化合物(VII)が酸付加塩として使用される場合、それは適切ならばその場で塩基により遊離させることができる。適切な塩基または塩基性触媒にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属炭酸塩、あるいはトリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機塩基がある。特定の塩基は例えば式(VIII)の化合物に基づいて1〜3モル当量の範囲で使用される;式(VII)および(VIII)の化合物は一般に等モル量で、または式(VII)の化合物に関して2モル当量過剰に使用することができる。類似の方法が文献から知られている(T.A. Riley、W.J. Henney、N.K. Dalley、B.E. Wilson、R.K. RobinsのJ. Heterocyclic Chem., 23(6), 1706〜1714(1986年)を参照)。
【0110】
式(X)(式中、Z1=塩素である)の中間体の製造はアルカリ金属ジシアンアミドと式(II)のカルボン酸誘導体の反応により行なうことができ、その場合Fuは好ましくは官能基の塩化カルボニル(−COCl、クロロカルボニル)またはカルボキサミド(−CONH2、アミノカルボニル、カルバモイル)である。反応成分の反応は例えば酸触媒作用下、不活性有機溶媒、
例えばトルエン、クロロベンゼン、塩素化炭化水素中、−10℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは20℃〜80℃で行なわれ、そして得られる中間体はその場で適切な塩素化試薬、例えばオキシ塩化リンにより塩素化することができる。適切な酸は例えばHClのようなハロゲン化水素酸、またはルイス酸、例えばAlCl3またはBF3である(DuPont社のUS−A−5095113を参照)。
【0111】
式(X)(式中、Z1、Z4=トリハロメチルである)の中間体の製造は相当するトリハロアセトニトリルと式(IX)のカルボニトリルの反応により行なうことができる。反応成分の反応は例えば酸触媒作用下、不活性有機溶媒、例えばトルエン、クロロベンゼン、塩素化炭化水素中、−40℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは−10℃〜30℃で行なわれる。適切な酸は例えばHClのようなハロゲン化水素酸、またはルイス酸、例えばAlCl3またはBF3である(Ciba Geigy社のEP−A−130939を参照)。
【0112】
式(IV)(式中、Z1=(C1−C4)アルキルメルカプトまたは未置換フェニル(C1−C4)アルキルメルカプトである)の中間体を不活性有機溶媒、例えばトルエン、クロロベンゼン、塩素化炭化水素または他の溶媒中、−40℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは20℃〜80℃で適切な塩素化試薬、例えば元素状塩素またはオキシ塩化リンを使用して変換してより反応性の式(IV)(式中、Z1=Clである)のクロロトリアジンを得ることができる(J.K. Chakrabarti、D.E. TupperのTetrahedron, 31(16), 1879〜1882(1975年)を参照)。
【0113】
式(IV)(式中、Z1=(C1−C4)アルキルメルカプト、未置換または置換フェニル(C1−C4)アルキルメルカプトまたは(C1−C4)アルキルフェニルチオである)の中間体は適当な溶媒、例えば塩素化炭化水素、酢酸、水、アルコール、アセトンまたはそれらの混合物中、0℃〜溶媒の沸点の温度、好ましくは20℃〜80℃で適当な酸化試薬、例えばm−クロロ過安息香酸、過酸化水素、ペルオキソモノ硫酸カリウムを使用して酸化することができる(T.A. Riley、W.J. Henney、N.K. Dalley、B.E. Wilson、R.K. RobinsのJ. Heterocyclic Chem., 23(6), 1706〜1714(1986年)を参照)。
【0114】
式(III)の化合物は式(V)の化合物および/またはそれらの酸付加物から式(XI)
【化26】

のシアノグアニド(“ジシアンジアミド”)を場合により反応補助剤、例えば塩酸、そしてさらに場合により希釈剤、例えばn−デカンまたは1,2−ジクロロベンゼンの存在下、例えば100℃〜200℃の温度で反応させることにより製造することができる(EP−A−492615の製造例を参照)。
【0115】
式(V)のアミンは既知方法と同様にして前駆体として単純な構造単位から生成することができる。アミノ基は例えば相当するケトンから還元的アミノ化により得ることができる(上記文献、例えばアミノトリアジン除草剤に関する第1頁を参照)。
【0116】
変法(c)による化合物(I')およびその塩からの化合物(I)の製造は様々な方法で行なうことができ、アミンの誘導体化反応、例えばアミンをアシル化し、イミンおよびそれらの誘導体に変換し、アミジン、尿素またはアミナールに変換する反応は原則として可能である。
【0117】
化合物(I)は例えばWO 00/32580に記載の方法と同様にして式(I')の製造したアミノ化合物を酸無水物、酸ハロゲン化物および活性エステルのような反応性カルボン酸誘導体、あるいはスルホン酸またはスルフィン酸の対応する酸誘導体と標準条件下で反応させることにより製造することができる。例えば、アミノ化合物(I')は無水カルボン酸と等モル量で、または20倍まで過剰に、溶媒なしで、または不活性溶媒中、40〜150℃で反応させて式(I)のアシル化誘導体に変換することができる。同様にして、ハロゲン化アルキル−またはアリールスルホニル、あるいはハロゲン化アルキル−またはアリールスルフィニルと反応させてアシル化誘導体(I)を得ることができ、前者の場合、アシル基はアルキルスルホニルまたはアルキルスルフィニル基である。
【0118】
他の誘導体化反応は例えばジアルキルアセタール、好ましくはジメチルまたはジエチルアセタールを使用して極性溶媒、例えばアルコール、好ましくはメタノールまたはエタノール中、10℃〜溶媒の還流温度で行なうことができ、アミン(I')とアセタールの反応はp−トルエンスルホン酸のようなH+を生成する試薬により触媒され得る。このようにして、アミンの窒素がイミド基の二重結合を有するアミンのアルキルイミドアミドを得ることができる。
【0119】
さらなる誘導体化反応はイソシアネートまたはイソチオシアネートによる尿素またはチオ尿素の製造からなり、場合により塩基、例えば水素化ナトリウムとの先行反応を伴い、ジメチルホルムアミドのような適切な不活性溶媒中、−20℃〜+60℃、好ましくは0℃〜+30℃で行なわれる。
【0120】
さらなる誘導体化反応により、二重結合を有する反応物質例えばアクリロニトリルとのMichael反応という意味で付加生成物に導く。これは、不活性溶媒、例えばアセトニトリル中、例えば水酸化カリウムまたはトリトンBを使用して塩基触媒作用下、20〜100℃の温度で行なわれ、生理学的条件下で除去することができるN−(2−シアノエチル)化合物を得る。
【0121】
式(I)の化合物の酸付加塩を製造するために、例えば次の酸が可能である:塩酸または臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、さらにリン酸、硝酸、硫酸、単官能基または二官能基のカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸、例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、ソルビン酸または乳酸、さらにp−トルエンスルホン酸または1,5−ナフタレンジスルホン酸のようなスルホン酸。式(I)の酸付加化合物は従来の塩生成法により、例えば式(I)の化合物を適当な有機溶媒、例えばメタノール、アセトン、塩化メチレンまたはベンジンに溶解し、酸を0℃〜100℃の温度で加えることにより簡単に得ることができ、そして既知方法で、例えばろ過により単離することができ、また場合により不活性有機溶媒で洗浄して精製することができる。
【0122】
式(I)の化合物の塩基付加塩は好ましくは不活性極性溶媒、例えば水、メタノールまたはアセトン中、0℃〜100℃の温度で製造される。本発明の塩を製造するのに適した塩基は例えば炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、例えばNaOHまたはKOH、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化物、例えばNaH、アルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、あるいはアンモニアまたはエタノールアミンである。第4アンモニウム塩は例えば式[NRR'R''R''']+X-(式中、R、R'、R''およびR'''はそれぞれ独立して(C1−C4)アルキル、フェニルまたはベンジルであり、そしてX-はアニオン、例えばCl-またはOH-である)の第4アンモニウム塩を使用して二重分解または縮合により製造することができる。
【0123】
上記変法において使用される「不活性溶媒」(溶媒と呼ぶ場合もある)とはそれぞれ特定の反応条件下では不活性であるが、すべての反応条件下で不活性である必要はない溶媒を意味する。
【0124】
上記の方法により合成することができる一連の式(I)の化合物はさらにパラレル様式で製造することができ、その場合、これは手動で、部分的に自動化して、または完全に自動化して行なうことができる。反応手順、後処理、あるいは生成物または中間体の精製を自動化することができる。全体として、これは例えばS. H. DeWittの“Annual Reports in Combinatorial Chemistry and Molecular Diversity:Automated Synthesis”, 第1巻, Verlag Escom, 第69〜77頁(1997年)に記載のような手順を意味するものとして理解すべきである。
【0125】
パラレル様式における反応手順および後処理のために、例えばStem社(Woodrolfe Road,
Tollesbury, Essex, CM9 8SE, England)またはH+P Labortechnik社(Bruckmannring 28,
85764 Oberschleisheim, Germany)により供給されるような多くの商業的に入手できるユニットを使用することができる。化合物(I)または製造中に生じる中間体のパラレル精製のために使用できる装置には例えばISCO社(4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504, USA)製のクロマトグラフィー装置がある。記載した装置は個々の作業工程は自動化されるが作業工程の間に手動操作を行なう必要があるモジュール手順を可能にする。これは個々の自動化モジュールが例えばロボットにより操作される部分的または完全に統合された自動化システムの使用により回避することができる。そのような自動化システムは例えばZymark社(Zymark Center, Hopkinton, MA 01748, USA)から購入することができる。
【0126】
記載した方法の他に、化合物(I)は固相法により完全または部分的に製造することができる。このために、合成のまたは適切な手順に合せて調整された合成の個々の中間体またはすべての中間体は合成樹脂に結合させる。固相合成法は技術文献、例えばBarry A. Buninの“The Combinatorial Index”, Verlag Academic Press(1998年)に詳しく記載されている。
【0127】
固相合成法の使用は多くの文献記載の方法を可能にし、それは手動で、または自動化して行なうこともできる。例えば“ティーバッグ法”(HoughtenのUS 4,631,211;HoughtenらのProc. Natl. Acad. Sci., 82, 5131〜5135(1985年))はIRORI社(11149 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA)製の装置を使用して部分的に自動化することができる。固相法のパラレル合成法の自動化は例えばArgonaut Technologies社(887 Industrial Road, San Carlos, CA 94070, USA)またはMultiSynTech社(Wullener Feld 4, 58454 Witten, Germany)製の装置の使用により可能である。
【0128】
本明細書に記載した方法による製造により、化合物コレクションまたはライブラリーの形態で化合物(I)を得ることができる。したがって、本発明はまた、少なくとも2つの化合物(I)およびその前駆体からなる式(I)の化合物のライブラリーを提供する。
【0129】
本発明の式(I)の化合物およびその塩は広範スペクトルの経済的に重要な単子葉および双子葉の有害植物に対して優れた除草活性を有する。活性成分はまた、地下茎からのシュート、根茎または他の多年生器官を防除および除去するのが困難な多年生雑草に対して効率的に作用する。当該物質が播種前、発芽前または発芽後に施用されるかどうかは重要ではない。
【0130】
本発明の化合物により防除することができる単子葉および双子葉植物の雑草フローラの幾つかの代表的なものについて個々に具体例として記載することができるが、これは特定の種に制限するものではない。
【0131】
活性物質が有効に作用する単子葉植物の雑草種は例えば一年生の群からはAgrostis、Alopecurus、Apera、Avena、Brachicaria、Bromus、Dactyloctenium、Digitaria、Echinochloa、Eleocharis、Eleusine、Festuca、Fimbristylis、Ischaemum、Lolium、Monochoria、Panicum、Paspalum、Phalaris、Phleum、Poa、Sagittaria、Scirpus、Setaria、SphenocleaおよびCyperus種、そして多年生種ではAgropyron、Cynodon、ImperataおよびSorghum、さらに多年生Cyperus種である。
【0132】
双子葉植物の雑草種の場合、活性スペクトルは例えば一年生ではGalium、Viola、Veronica、Lamium、Stellaria、Amaranthus、Sinapis、Ipomoea、Matricaria、AbutilonおよびSida、さらに多年生雑草ではConvolvulus、Cirsium、RumexおよびArtemisiaのような種まで及ぶ。除草作用はAmbrosia、Anthemis、Carduus、Centaurea、Chenopodium、Cirsium、Convolvulus、Datura、Emex、Galeopsis、Galinsoga、Kochia、Lepidium、Lindernia、Papaver、Portlaca、Polygonum、Ranunculus、Rorippa、Rotala、Seneceio、Sesbania、Solanum、Sonchus、Taraxacum、Trifolium、UrticaおよびXanthiumのような有害な双子葉植物の場合にも達成される。
【0133】
イネの特定の栽培条件下で発生する雑草、例えばSagittaria、Alisma、Eleocharis、ScirpusおよびCyperusもまた、本発明の活性成分により著しく防除される。
【0134】
本発明の化合物を発芽前に土壌表面に施用した場合、雑草の実生を発芽から完全に除するか、または雑草は子葉期に達するまで生育するが、そこで成長はやがて停止して結局は3〜4週間後に完全に枯死する。
【0135】
また、活性物質を発芽後に植物の緑色部分に施用した場合も、処理後急速に劇的な成長停止が起こり、雑草植物は施用時の成長段階に留まるか、または一定期間経過後に完全に枯死し、結果として作物にとって有害な雑草による競合が非常に早い段階で継続的に排除される。
【0136】
本発明の化合物は単子葉および双子葉植物の雑草に対して優れた除草活性を示し、経済的に重要な農作植物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、イネ、トウモロコシ、テンサイ、大豆、特にプランテーション作物、例えばヤシ油、オリーブ、ココナツ、ゴムノキ、柑橘類、パイナップル、リンゴ、ナシ、サクランボ、綿、コーヒー、カカオ、ブドウおよび他の類似の果実およびプランテーション作物に対する損傷はあるとしてもごく僅かである。これらの理由で、本発明の化合物は観賞植物を含む農業上有用な植物において望ましくない植物の成長を選択的に防除するのに非常に適している。活性成分はまた、場合により他の活性成分と組合せて、不必要な植物の成長を防除するために未開墾地、例えば道路、空地、路床、芝生、鉄道盛土、工業地域で使用するのに適している。
【0137】
さらに、本発明の物質は作物に対して著しい成長調節特性を示す。これらは植物代謝を調節するように介入するので、植物成分への影響を制御するため、また例えば乾燥誘発および矮小化成長により収穫を容易にするために使用することができる。その上、これらは農作植物を枯死させることなく望ましくない植生の成長を全般的に防除および阻止するのにも適している。植生の生育の抑制はそれにより倒伏を減少させまたは完全に防止することができるため、多くの単子葉および双子葉作物において重要な役割を果たす。
【0138】
また、それらの除草および植物成長調節特性のため、活性成分は既知の遺伝子操作植物である作物またはまだ開発される予定の遺伝子操作植物である作物における有害植物を防除するのに使用することもできる。一般に、トランスジェニック植物は格別に有利な特性、例えば特定の農薬、とりわけ特定の除草剤に対する抵抗性、植物病害またはその病原体、例えば特定の昆虫または微生物、例えば真菌、細菌またはウイルスに対する抵抗性を特徴としている。他の格別な特性は例えば収穫物の量、質、貯蔵性、組成および特定成分に関するものである。例えば、デンプン含量が高い、またはデンプンの質が変化したトランスジェニック植物、または収穫物の脂肪酸組成が異なるものが知られている。
【0139】
有用植物および観賞植物の経済的に重要なトランスジェニック作物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、キビ、イネ、マニオクおよびトウモロコシのような穀物、または他にテンサイ、綿、大豆、菜種、ジャガイモ、トマト、エンドウおよび他のタイプの野菜の作物における本発明の式(I)の化合物またはその塩の使用が好ましい。
【0140】
式(I)の化合物は好ましくは除草剤の植物毒性作用に対して抵抗性であるか、または遺伝子組換により抵抗性とされた有用植物の作物栽培における除草剤として使用することができる。
【0141】
既存の植物と比較して改変された特性を有する新規な植物を発生するための従来の方法には例えば従来の育種方法および突然変異誘発がある。別法として、改変された特性を有する新規な植物は遺伝子工学の方法により得ることができる(例えばEP−A−0221044、EP−A−0131624を参照)。例えば、次の幾つかのケースが開示されている:
・植物中で合成されたデンプンを改変するための農作植物の組換え修飾(例えばWO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
・グルホシネート型(例えばEP−A−0242236、EP−A−242246を参照)またはグリホサート型(WO 92/00377)またはスルホニル尿素型(EP−A−0257993、US−A−5013659)の特定の除草剤に対して抵抗性のあるトランスジェニック農作植物、
・特定の害虫に対して植物を抵抗性にするバチルスチューリンゲンシス毒(Bacillus thuringiensis toxins;Bt毒)を産生する能力のあるトランスジェニック農作植物、例えば綿(EP−A−0142924、EP−A−0193259)、
・改変された脂肪酸スペクトルを有するトランスジェニック農作植物(WO 91/13972)。
【0142】
改変された特性を有する新規なトランスジェニック植物を生成することができる多くの分子生物学的方法は原則として知られている:例えばSambrookらのMolecular Cloning, A
Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY(1989年);またはWinnackerの“Gene und Klone” [Genes and Clones], VCH Weinheim, 第2版(1996年)、またはChristouの“Trends in Plant Science”, 1, 423〜431(1996)を参照。
【0143】
このような組換え操作において、核酸分子をプラスミドに組み込んでDNA配列の組換えを通して突然変異誘発または配列変化を生じさせることができる。上記の標準的な方法の助力を得て、例えば塩基交換を行なう、部分的配列を除去する、あるいは天然または合成配列を付加することができる。DNAフラグメントを互いに連結させるために、アダプターまたはリンカーをフラグメントに結合させることができる。
【0144】
例えば、遺伝子産生の活性が低下した植物細胞の生産は、例えば共サプレッサー効果を達成する少なくとも1個の適切なアンチセンスRNA、センスRNAを発現させることにより、または上記の遺伝子産物の転写産物を特異的に切断する少なくとも1個の対応して構成されたリボザイムを発現させることにより行なうことができる。
【0145】
この目的達成するために、まず第一に、存在するフランキング配列をすべて含む遺伝子産物の全コード配列を含むDNA分子、またはコード配列の一部だけを含むDNA分子を使用することができ、後者の場合、これらの部分は細胞でアンチセンス効果を引き起こすのに十分な程長い必要がある。また、遺伝子産物のコード配列と高度な相同性を有するが、完全に同一ではないDNA配列を使用することもできる。
【0146】
植物において核酸分子を発現させる場合、合成タンパク質を植物細胞の任意のコンパートメントに局在化させることができる。だが、局在化を特定のコンパートメントで達成するために、例えばコード領域を確実に特定のコンパートメントに局在化させるDNA配列と結合させることができる。このような配列は当業者に知られている(例えばBraunらのEMBO J. 11, 3219〜3227(1992年);WolterらのProc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 846〜850(1988年);SonnewaldらのPlant J. 1, 95〜106(1991年)を参照)。
【0147】
トランスジェニック植物細胞は、知られている方法により再生して完全なままの植物を得ることができる。原則として、トランスジェニック植物はすべての望ましい植物種の植物、すなわち単子葉または双子葉植物であってよい。
【0148】
したがって、相同(=天然)遺伝子または遺伝子配列の過剰発現、抑制または阻害、または異種(=外来)遺伝子または遺伝子配列の発現により改変された特性を有するトランスジェニック植物を得ることができる。
【0149】
本発明の化合物(I)は好ましくはイミダゾリノン類、スルホニル尿素類、グルホシネート−アンモニウムまたはグリホサート−イソプロピルアンモニウムおよび類似活性成分の群からの除草剤に対して抵抗性であるトランスジェニック栽培(culture)において使用することができる。
【0150】
本発明の活性成分をトランスジェニック栽培において使用する場合、他の作物で観察される有害植物に対する効果に加えて、特定のトランスジェニック栽培での施用に特異的な効果、例えば防除することができる雑草スペクトルの改変または特異的拡大、使用することができる施用量の改変、好ましくはトランスジェニック栽培が抵抗性を示す除草剤との良好な混用可能性、そしてトランスジェニック農作植物の成長および収穫量に対する効果がしばしば生じる。
【0151】
したがって、本発明はまた、トランスジェニック農作植物において有害植物を防除するための除草剤としての本発明の化合物(I)の使用を提供する。
【0152】
有害植物の防除または植物の成長調節のための本発明の使用はまた、式(I)の活性成分またはその塩が植物の表面、植物内部または土壌中に施用されるまでは、前駆体物質(“プロドラッグ”)から生成されないケースを含む。例えば、殆んどの場合、R1がアミノではない式(I)の化合物は、植物の生理学的条件下で式(I')の化合物、すなわちR1がアミノである式(I)の化合物に代謝されることは確かであると考えられる。この場合、これらの代謝物質が同様であるか、または主として除草剤として活性であるかでさえある。この場合、当然ながら前者は記載された意味の“プロドラッグ”である。
【0153】
本発明化合物は、水和剤、乳剤、散布剤(sprayable solutions)、粉剤または粒剤の形態で通常の製剤で使用することができる。したがって、本発明はまた、式(I)の化合物を含有する除草性で、かつ植物の成長を調節する組成物を提供する。
【0154】
式(I)の化合物は必要な生物学的および/または物理化学的パラメーターに応じて様々な方法で製剤化することができる。可能な製剤には例えば水和剤(WP)、水溶剤(SP)(water soluble concentrates)、水溶液剤、乳剤(EC)、エマルション製剤(EW)、例えば水中油および油中水型エマルション、散布液剤、懸濁製剤(SC)、油または水を基剤とする分散製剤、油混和性液剤、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣製品、散布および土壌施用のための粒剤;細粒剤、散布粒剤、コーティング粒剤および吸着粒剤の形態の粒剤(GR)、顆粒水和剤(WG)、水溶粒剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤およびワックス剤がある。
【0155】
これらの個々の製剤タイプは原則として知られており、例えばWinnacker−Kuchlerの“Chemische Technologie” [Chemical technology], 第7巻, C. Hanser Verlag Munich, 第4版(1986年);Wade van Valkenburgの“Pesticide Formulations”, Marcel Dekker, N.Y.(1973年);K. Martensの“Spray Drying” Handbook, 第3版, G. Goodwin Ltd. London(1979年)に記載されている。
【0156】
必要な製剤補助剤、例えば不活性物質、界面活性剤、溶剤およびその他の添加物もまた知られており、例えばWatkinsの“Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers”, 第2版, Darland Books, Caldwell N.J.;H.v. Olphenの“Introduction to Clay Colloid Chemistry”, 第2版, J. Wiley & Sons, N.Y.;C. Marsdenの“Solvents Guide”, 第2版, Interscience, N.Y.(1963年);McCutcheonの“Detergents and Emulsifiers Annual”, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.;SisleyおよびWoodの“Encyclopedia of Surface Active Agents”, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y.(1964年);Schonfeldtの“Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte” [Interface−active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart(1976年);Winnacker−Kuechlerの“Chemische Technologie”, 第7巻, C. Hanser Verlag Munich, 第4版(1986年)に記載されている。
【0157】
水和剤は水中に一様に分散させることができる製剤であり、活性成分に加えて希釈剤または不活性物質の他に、イオン性および/または非イオン性界面活性剤(湿展剤(wetter)、分散剤)、例えばポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪アルコール、ポリオキシエチル化脂肪アミン、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、リグノスルホン酸ナトリウム、ナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホネート、ナトリウムジブチルナフタレンスルホネート、さらにナトリウムオレイルメチルタウリドを含有する。水和剤を調製するために、除草性活性成分を、例えばハンマーミル、ブローミルおよびエアジェットミルのような通常の装置で微細に粉砕し、同時にまたは続いて製剤化補助剤と混合する。
【0158】
乳剤は、1種またはそれ以上のイオン性および/または非イオン性界面活性剤(乳化剤)を添加した有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、さらに比較的高い沸点の芳香族化合物または炭化水素または有機溶媒の混合物中に活性成分を溶解することにより調製される。使用される乳化剤は例えばカルシウムドデシルベンゼンスルホネートのようなカルシウムアルキルアリールスルホネート、または非イオン性乳化剤、例えば脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド−エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
【0159】
粉剤は活性成分を微細な固体物質、例えばタルク、天然クレー、例えばカオリン、ベントナイトおよびパイロフィライト、または珪藻土と一緒に粉砕することにより得られる。
【0160】
懸濁製剤は水ベースまたは油ベースであってよい。それらは例えば場合により他のタイプの製剤について上記ですでに挙げたような界面活性剤を加えて市販のビーズミルで湿式粉砕することにより調製することができる。
【0161】
エマルション製剤(EW)、例えば水中油型エマルション剤は例えば水性の有機溶媒、場合により他のタイプの製剤について上記ですでに挙げたような界面活性剤を使用してスターラー、コロイドミルおよび/またはスタティックミキサーにより製造することができる。
【0162】
粒剤は活性成分を吸着性の粒状不活性物質上に噴霧することにより、または粘着剤、例えばポリビニルアルコール、ナトリウムポリアクリレートまたは鉱油を使用して活性成分の濃縮物を担体、例えば砂、カオリナイトまたは粒状不活性物質の表面に塗布することにより調製することができる。また、適当な活性成分を粒状肥料の製造において通常の方法で、所望により肥料との混合物として造粒することもできる。
【0163】
顆粒水和剤は一般に固体の不活性物質を使用することなく噴霧乾燥、流動床造粒、パン造粒、高速ミキサーによる混合および押出のような通常の方法により調製される。
【0164】
パン、流動床、押出機および噴霧による粒剤の調製については、例えば“Spray−Drying Handbook”, 第3版, G. Goodwin Ltd., London(1979年);J.E. Browningの“Agglomeration”, Chemical and Engineering 1967, 第147頁以下;“Perry's Chemical Engineer's Handbook”, 第5版, McGraw−Hill, New York, 第8〜57頁(1973年)に記載の方法を参照。
【0165】
作物保護組成物の調製に関する詳細については、例えばG.C. Klingmanの“Weed Control as a Science”, John Wiley and Sons, Inc., New York, 第81〜96頁(1961年)およびJ.D. Freyer, S.A. Evansの“Weed Control Handbook”, 第5版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 第101〜103頁(1968年)を参照。
【0166】
本農薬製剤は、一般に0.1〜99質量%、特に0.1〜95質量%の式(I)の活性成分を含有する。水和剤では、活性成分濃度は例えば約10〜90質量%であり、100質量%までの残りは通常の製剤化成分で構成される。乳剤の場合、活性成分濃度は約1〜90質量%、好ましくは5〜80質量%である。粉剤タイプの製剤は1〜30質量%の活性成分、好ましくは通常5〜20質量%の活性成分を含有し;散布液剤は約0.05〜80質量%、好ましくは2〜50質量%の活性成分を含有する。顆粒水和剤において、活性成分含量は活性化合物が固体または液体のどちらの形態で存在するか、またどの造粒補助剤、増量剤などが使用されるかに部分的に依存する。顆粒水和剤では、活性成分の含量は例えば1〜95量%、好ましくは10〜80質量%である。
【0167】
さらに、記載された活性成分の製剤は場合によりそれぞれ通常の粘着剤、湿展剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、防腐剤、凍結防止剤、溶剤、増量剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発抑制剤、並びにpHおよび粘度に影響を与える物質を含有する。製剤補助剤の例はとりわけ“Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations”, D.A. Knowles編, Kluwer Academic Publishers(1998年)に記載されている。
【0168】
式(I)の化合物またはその塩は、それ自体で、または他の農薬的に活性な物質、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤と組合せた製剤の形態で、例えば最終製剤またはタンクミックスとして使用することができる。複合製剤は配合する活性成分の物理的特性および安定性を考慮しながら上記製剤化に基づいて製造することができる。
【0169】
混合製剤またはタンクミックスにおいて本発明の活性成分と配合可能な活性成分は例えばアセト乳酸シンターゼ、アセチル−補酵素Aカルボキシラーゼ、PS I、PS II、HPPDO、フィトエンデサチュラーゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、グルタミンシンテターゼ、セルロース生合成、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンテターゼの阻害に基づく知られている活性成分である。作用機構が知られていない、または異なる場合もある、このような化合物、さらに他の有用な化合物は例えばWeed Research 26, 441〜445(1986年)または英国作物保護協議会により出版された“The Pesticide Manual”, 第14版(2006年)(以後“PM”とも略される)およびその中で引用された文献に記載されている。文献から知られており、式(I)の化合物と配合することができる除草剤、植物成長調節剤および除草剤薬害軽減剤には例えば次の活性成分(注:化合物は国際標準化機構(ISO)に従って一般名称により、または化学名により、適当ならば慣用のコード番号と共に示される)がある:
【0170】
アセトクロール;アシベンゾラル−S−メチル;アシフルオルフェン(−ナトリウム);アクロニフェン;AD−67;AKH7088、すなわち[[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ]酢酸およびそのメチルエステル;アラクロール;アロキシジム(−ナトリウム);アメトリン;アミカルバゾン、アミドクロール、アミドスルフロン;アミノピラリド;アミトロール;AMS、すなわちスルファミン酸アンモニウム;アンシミドール;アニロホス;アシュラム;アトラジン;アビグリシン;アザフェニジン、アジムスルフロン(DPX−A8947);アジプロトリン;バーバン;BAS516H、すなわち5−フルオロ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン;ベフルブタミド、ベナゾリン(−エチル);ベンカルバゾン;ベンフルラリン;ベンフレセート;ベノキサコール;ベンスルフロン(−メチル);ベンスリド;ベンタゾン;ベンズフェンジゾン;ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ;ベンゾフルオル;ベンゾイルプロパ(−エチル);ベンズチアズロン;ビアラホス;ビフェノックス;ビラナホス(ビアラホス)、ビスピリバック(−ナトリウム)、ホウ砂、ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロムロン;ブミナホス;ブソキシノン;ブタクロール;ブタフェナシル、ブタミホス;ブテナクロール;ブチダゾール;ブトラリン;ブトロキシジム、ブチレート;カフェンストロール(CH−900);カルベタミド;カルフェントラゾン(−エチル)(ICI−A0051);カロキシジム、CDAA、すなわち2−クロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド;CDEC、すなわち2−クロルアリルジエチルジチオカルバメート;クロメトキシフェン;クロラムベン;クロラジホップ−ブチル、2−クロロ−5−[2,6−ジオキソ−4−(トリフルオロメチル)−3,6−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル]−4−フルオロ−N−[メチル(1−メチルエチル)スルファモイル]ベンズアミド(WO 2001/083459)、[[3−[2−クロロ−5−[3,6−ジヒドロ−3−メチル−2,6−ジオキソ−4−(トリフルオロメチル)−1(2H)−ピリミジニル]−4−フルオロフェノキシ]−2−ピリジニル]オキシ]酢酸エチルエステル(SYN−523)(WO 2006/061562、EP 1122244)、クロルフレコール(−メチル)、クロルメコート(−クロリド)、クロルメスロン(ICI−A0051);クロルブロムロン;クロルブファム;クロルフェナク;クロリダゾン;クロリムロン(−エチル);クロルニトロフェン;クロロトルロン;クロロクスロン;クロルプロファム;クロルスルフロン;クロルタール−ジメチル;クロルチアミド;クロルトルロン、シニドン(−メチルおよび−エチル)、シンメチリン;シノスルフロン;クレフォキシジム、クレトジム;クロジナホップおよびそのエステル誘導体(例えばクロジナホップ−プロパルギル);クロフェンセット;クロマゾン;クロメプロップ;クロプロップ、クロプロキシジム;クロピラリド;クロピラスルフロン(−メチル)、クロキントセット(−メチル);クロランスラム(−メチル)、クミルロン(JC940);シアナミド、シアナジン;シクラニリド、シクロエート;シクロスルファムロン(AC104);シクロキシジム;シクルロン;シハロホップおよびそのエステル誘導体(例えばブチルエステル、DEH−112);シペルコート;シプラジン;シプラゾール;シプロスルファミド;ダイムロン;2,4−D、2,4−DB;2,4−DB、ダラポン;ダミノジッド;ダゾメット;n−デカノール;デスメジファム;デスメトリン;ダイアレート;ジカンバ;ジクロベニル;ジクロルミド;ジクロルプロップ(−P)(塩);ジクロホップおよびそのエステル、例えばジクロホップ−メチル;ジクロスラム、ジエタチル(−エチル);ジフェノクスロン;ジフェンゾコート(−メチルスルフェート;ジフルフェニカン;ジフルフェンゾピル、ジメフロン;ジメピペレート、ジメタクロール;ジメタメトリン;ジメタゾン;ジメテナミド(SAN−582H);ジメテナミド−P;ジメチルアルシン酸;ジメキシフラム、ジメチピン;ジメトラスルフロン、ジニトラミン;ジノセブ;ジノテルブ;ジフェナミド;ジプロペトリン;ジコート(塩);ジチオピル;ジウロン;DNOC;エグリナジン−エチル;EL77、すなわち5−シアノ−1−(1,1−ジメチルエチル)−N−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;エンドタル;エポプロダン、EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメトスルフロン−メチル;エテホン;エチジムロン;エチオジン;エトフメセート;エトキシフェンおよびそのエステル(例えばエチルエステル、HN−252);エトキシスルフロン、エトベンザニド(HW52);F5231、すなわちN−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオルプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]−フェニル]エタンスルホンアミド;フェンクロラゾール(−エチル);フェンクロリム;フェノプロップ;フェノキサン、フェノキサプロップおよびフェノキサプロップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフェノキサプロップ−P−エチルおよびフェノキサプロップ−エチル;フェノキシジム;フェントラザミド、フェヌロン;硫酸第一鉄;フラムプロップ(−メチルまたは−イソプロピルまたは−イソプロピル−L);フラザスルフロン;フロアズレート、フロラスラム、フルアジホップおよびフルアジホップ−Pおよびそれらのエステル、例えばフルアジホップ−ブチルおよびフルアジホップ−P−ブチル;フルアゾレート、フルカルバゾン(−ナトリウム)、フルセトスルフロン;フルクロラリン;フルフェナセット;フルフェンピル(−エチル);フルメトラリン;フルメツラム;フルメツロン;フルミクロラック(−ペンチル)、フルミオキサジン(S−482);フルミプロピン;フルオメツロン、フルロクロリドン、フルオロジフェン;フルオログリコフェン(−エチル);フルポキサム(KNW−739);フルプロパシル(UBIC−4243);フルプロパノエート;フルピルスルフロン(−メチル)(−ナトリウム);フルラゾール;フルレノール(−ブチル);フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル(−メプチル);フルルプリミドール、フルルタモン;フルチアセット(−メチル)、フルチアミド、フルキソフェニム;ホメサフェン;ホラムスルフロン、ホルクロルフェヌロン;ホサミン;フリラゾール;フリルオキシフェン;ジベレリン酸;グルホシネート(−アンモニウム);グリホサート(−イソプロピル−アンモニウム);ハロサフェン;ハロスルフロン(−メチル)およびそのエステル(例えばメチルエステル、NC−319);ハロキシホップおよびそのエステル;ハロキシホップ−P(=R−ハロキシホップ)およびそのエステル;HC−252;ヘキサジノン;イマザメタベンズ(−メチル);イマザモックス、イマザピック、イマザピル;イマザキンおよび塩、例えばアンモニウム塩;イマザメタピル、イマザピック、イマゼタメタピル;イマゼタピル;イマゾスルフロン;イナベンフィド;インダノファン;インドール−3−イル酢酸;4−インドール−3−イル酪酸;ヨードスルフロン−メチル(−ナトリウム);イオキシニル;イソカルバミド;イソプロパリン;イソプロツロン;イソウロン;イソキサベン;イソキサクロルトール、イソキサジフェン(−エチル);イソキサフルトール、イソキサピリホップ;カルブチラート;ラクトフェン;レナシル;リヌロン;マレイン酸ヒドラジド、MCPA;MCPB;メコプロップ(−P);メフェナセト;メフェンピル(−ジエチル);メフルイジド;メピコート(−クロリド)、メソトリオン、メソスルフロン(−メチル);メソトリオン、メタム;メタミホップ;メタミトロン;メタザクロル;メタベンズチアズロン;メタゾール;メトキシフェノン;メチルアルソン酸;1−メチルシクロプロペン;メチルジムロン;メチルイソチオシアナート、メトベンズロン、メトブロムロン;(アルファ−)メトラクロール;メトスラム(XRD511);メトキスロン;メトリブジン;メトスルフロン−メチル;MH;MK−616;モリネート;モナリド;モノカルバミドジヒドロゲンスルフェート;モノリヌロン;モヌロン;MT128、すなわち6−クロロ−N−(3−クロロ−2−プロペニル)−5−メチル−N−フェニル−3−ピリダジンアミン;MT5950、すなわちN−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)−フェニル]−2−メチルペンタンアミド;2−(1−ナフチル)アセトアミド、1−ナフチル酢酸、2−ナフチルオキシ酢酸、ナプロアニリド;ナプロパミド;ナプタラム;NC310、すなわち4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール;ネブロン;ニコスルフロン;ニピラクロフェン;ニトラリン;ニトロフェン;ニトロフェノレート混合物;ニトロフルオルフェン;ノナン酸;ノルフルラゾン;オルベンカルブ;オルタスルファムロン;オリザリン;オキサベトリニル;オキサジアルギル(RP−020630);オキサジアゾン;オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン;パクロブトラゾール;パラコート(−ジクロリド);ペブレート;ペラルゴン酸、ペンジメタリン;ペノクスラム;ペンタクロロフェノール;ペンタノクロル;ペントキサゾン、ペルフルイドン;ペトキサミド;フェニソファム;フェンメジファム;ピクロラム;ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス;ピリブチカルブ;ピリフェノップ−ブチル;プレチラクロル;プリミスルフロン(−メチル);プロベナゾール;プロカルバゾン−(ナトリウム)、プロシアジン;プロジアミン;プロフルラリン;プロホキシジム、プロヘキサジオン(−カルシウム)、プロヒドロジャスモン;プログリナジン(−エチル);プロメトン;プロメトリン;プロパクロール;プロパニル;プロパキザホップおよびそのエステル;プロパジン;プロファム;プロピソクロル;プロポキシカルバゾン(−ナトリウム);n−プロピル−ジヒドロジャスモネート;プロピザミド;プロスルファリン;プロスルホカルブ;プロスルフロン(CGA−152005);プリナクロール;ピラクロニル;ピラフルフェン(−エチル)、ピラスルホトール;ピラゾリネート;ピラゾン;ピラゾスルフロン(−エチル);ピラゾキシフェン;ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダホル、ピリデート;ピリフタリド;ピリミドバック(−メチル)、ピリミスルファン;ピリチオバック(−ナトリウム)(KIH−2031);ピロキサスルホン;ピロキソホップおよびそのエステル(例えばプロパルギルエステル);ピロクスラム;キンクロラック;キンメラック;キノクラミン、キノホップおよびそのエステル誘導体、キザロホップおよびキザロホップ−Pおよびそれらのエステル誘導体、例えばキザロホップ−エチル;キザロホップ(P−テフリルおよび−エチル);レンリジュロン;リムスルフロン(DPX−E9636);S275、すなわち2−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール; セクブメトン;セトキシジム;シデュロン;シマジン;シメトリン;シントフェン;SN106279、すなわち2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]−プロパン酸およびそのメチルエステル;スルコトリオン、スルフェントラゾン(FMC−97285、F−6285);スルファズロン;スルホメツロン(−メチル);スルホサート(ICI−A0224);スルホスルフロン、2,3,6−TBA、TCA;テブタム(GCP−5544);テブチウロン;テクナゼン、テフリトリオン、テンボトリオン;テプラロキシジム、ターバシル;テルブカルブ;テルブクロル;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;TFH450、すなわちN,N−ジエチル−3−[(2−エチル−6−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド;テニルクロル(NSK−850);チアフルアミド、チアザフルロン;チアゾピル(Mon−13200);チジアジミン(SN−24085);チジアズロン;チエンカルバゾン;チフェンスルフロン(−メチル);チオベンカルブ;TI−35;チオカルバジル;トプラメゾン、トラルコキシジム;トリアレート;トリアスルフロン;トリアジフラム、トリアゾフェンアミド;トリベヌロン(−メチル);トリクロピル;トリジファン;トリエタジン;トリフロキシスルフロン(−ナトリウム)、トリフルラリン;トリフルスルフロンおよびエステル(例えばメチルエステル、DPX−66037);トリメツロン;トリネキサパック(−エチル);トリトスルフロン
、チトデフ;ウニコナゾール、ベーナレート;WL110547、すなわち5−フェノキシ−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1H−テトラゾール;BAY MKH6561、UBH−509;D−489;LS 82−556;KPP−300;NC−324;NC−330;KH−218;DPX−N8189;SC−0774;DOWCO−535;DK−8910;V−53482;PP−600;MBH−001;KIH−9201;ET−751;KIH−6127およびKIH−2023。
【0171】
特に重要なのは有用植物および観賞植物の作物における有害植物の選択的な防除である。本発明の化合物(I)は数多くの作物において非常に良好か十分な選択性を示すが、原理上は農作植物において植物毒性が生じることもあり、特に選択性が低い他の除草剤との混合物の場合はそうである。これに関して、特に重要な組合せは化合物(I)、またはそれらと他の除草剤または農薬の組合せ、および薬害軽減剤を含有する本発明の化合物(I)の組合せである。解毒剤として作用するような量で使用される薬害軽減剤は、例えば経済的に重要な作物、例えば穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、イネ、キビ)、テンサイ、サトウキビ、菜種、綿および大豆、好ましくは穀物において使用される除草剤/農薬の植物毒性的副作用を軽減する。次の化合物群は例えば化合物(I)およびそれらの他の農薬との組合せにおいて薬害軽減剤として有用である:
【0172】
a) ジクロロフェニルピラゾリン−3−カルボン酸型の化合物、好ましくはエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボキシレート(S1−1)(“メフェンピル−ジエチル”、PM)のような化合物、およびWO 91/07874に記載のような関連化合物;
b) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体、好ましくはエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−2)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−3)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)ピラゾール−3−カルボキシレート(S1−4)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−5)のような化合物、並びにEP−A−333131およびEP−A−269806に記載のような関連化合物;
c) トリアゾールカルボン酸型の化合物、好ましくはフェンクロラゾール(エチルエステル)、すなわちエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(S1−6)のような化合物および関連化合物(EP−A−174562およびEP−A−346620);
d) 5−ベンジル−または5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸型、または5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボン酸型の化合物、好ましくはエチル5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−7)またはエチル5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−8)のような化合物およびWO 91/08202に記載のような関連化合物、またはエチル5,5−ジフェニル−2−イソキサゾリンカルボキシレート(S1−9)(“イソキサジフェン−エチル”)またはそのn−プロピルエステル(S1−10)、または特許出願WO−A−95/07897に記載のようなエチル5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−11);
e) 8−キノリンオキシ酢酸型の化合物(S2)、好ましくは1−メチルヘキサ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(一般名“クロキントセット−メキシル”(S2−1)(PMを参照)、1,3−ジメチルブタ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−2)、4−アリルオキシブチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−3)、1−アリルオキシプロパ−2−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−4)、エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−5)、メチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−6)、アリル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−7)、2−(2−プロピリデンイミノキシ)−1−エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−8)、2−オキソプロパ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−9)、並びにEP−A−86750、EP−A−94349およびEP−A−191736またはEP−A−0 492366に記載のような関連化合物;
f) (5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸型の化合物、好ましくは(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸メチルエチルのような化合物およびEP−A−0 582 198に記載のような関連化合物;
g) フェノキシ酢酸または−プロピオン酸誘導体型または芳香族カルボン酸型の活性成分、例えば2,4−ジクロロフェノキシ酢酸/エステル(2,4−D)、4−クロロ−2−メチルフェノキシプロピオン酸エステル(メコプロップ)、MCPAまたは3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸/エステル(ジカンバ);
【0173】
h) 土壌に作用する薬害軽減剤としてイネで使用されるピリミジン型の活性成分、例えば播種されたイネ用プレチラクロールの薬害軽減剤として知られている”フェンクロリム”(PM)(=4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン);
i) 発芽前の薬害軽減剤(土壌に作用する薬害軽減剤)としてしばしば使用されるジクロロアセトアミド型の活性成分、例えば“ジクロルミド”(PM)(=N,N−ジアリル−2,2−ジ
クロロアセトアミド)、“R−29148”(=3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン;Stauffer社)、“ベノキサコル”(PM)(=4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾキサジン)、“PPG−1292”(=N−アリル−N−[(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]ジクロロアセトアミド;PPG Industries社)、“DK−24”(=N−アリル−N−[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド;Sagro−Chem社)、“AD−67”または“MON 4660”(=3−ジクロロアセチル−1−オキサ−3−アザ−スピロ[4,5]デカン;Nitrokemia社またはMonsanto社)、“ジクロノン”または“BAS145138”または“LAB145138”(=3−ジクロロアセチル−2,5,5−トリメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン;BASF社)および“フリラゾール”または“MON13900”(PMを参照)(=(RS)−3−ジクロロアセチル−5−(2−フリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン);
j) ジクロロアセトン誘導体型の活性成分、例えばトウモロコシ用薬害軽減剤として知られている“MG191”(CAS登録番号96420−72−3)(=2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン;Nitrokemia社);
k) 種子粉衣剤として知られているオキシイミノ化合物型の活性成分、例えばメトラクロル損傷に対するキビ用種子粉衣薬害軽減剤として知られている“オキサベトリニル”(PM)(=(Z)−1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)、メトラクロール損傷に対するキビ用種子粉衣薬害軽減剤として知られている“フルキソフェニム”(PM)(=1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−エタノンO−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)オキシム)、およびメトラクロール被害に対するキビ用種子粉衣薬害軽減剤として知られている“シオメトリニル”または“CGA−43089”(PM)(=(Z)−シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル);
l) 種子粉衣製品として知られているチアゾールカルボン酸エステル型の活性成分、例えばアラクロールおよびメトラクロール損傷に対するキビ用種子粉衣薬害軽減剤として知られている“フルラゾール”(PM)(=ベンジル2−クロロ−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート);
m) 種子粉衣製品として知られているナフタレンジカルボン酸誘導体型の活性成分、例えば除草剤チオカルバメートによる損傷に対するトウモロコシ用種子粉衣薬害軽減剤として知られている“ナフタル酸無水物”(PM)=1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物);
n) クロマン酢酸誘導体型の活性成分、例えばイミダゾリノン損傷に対するトウモロコシ用薬害軽減剤として知られている“CL 304415”(CAS登録番号31541−57−8)(=2−(4−カルボキシクロマン−4−イル)酢酸;
【0174】
o) 有害植物に対する除草作用に加えて、さらにイネのような作物で薬害軽減作用を示す活性成分、例えば除草剤モリネートによる損傷に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“ジメピペレート”または“MY−93”(PM)(=S−1−メチル−1−フェニルエチルピペリジン−1−チオカルボキシレート)、除草剤イマゾスルフロンによる損傷に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“ダイムロン”または“SK23”(PM)(=1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p−トリル尿素)、ある種の除草剤による損傷に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“クミルロン”=“JC−940”(=3−(2−クロロフェニルメチル)−1−(1−メチル−1−フェニルエチル)尿素;JP−A−60087254を参照)、ある種の除草剤による損傷に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“メトキシフェノン”または“NK049”(=3,3'−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン)、ある種の除草剤による損傷に対するイネ用薬害軽減剤として知られている“CSB”(=1−ブロモ−4−(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091−06−4;Kumiai社);
【0175】
p) WO−A−97/45016に記載のような式(S3)
【化27】

のN−アシルスルホンアミドおよびその塩、
【0176】
q) 国際特許出願No. PCT/EP98/06097に記載のような式(S4)
【化28】

のアシルスルファモイルベンゾアミド、適切な場合は塩形態、例えば“シプロスルファミド”(S4−1)、並びに
【0177】
r) WO−A 98/13361に記載のような式(S5)
【化29】

の化合物であり、農業で通常使用される立体異性体および塩を含む。
【0178】
上記の薬害軽減剤の中で、(S1−1)、(S1−9)、(S2−1)および(S4−1)は特に重要である。
【0179】
幾つかの薬害軽減剤はすでに除草剤として知られており、その結果、有害植物に対する除草作用に加えて、さらに農作植物の防疫作用を示す。
【0180】
除草剤(混合物)と薬害軽減剤の質量比は一般に除草剤の施用量および当該薬害軽減剤の効力に依存し、広い制限範囲内で変動し、例えば200:1〜1:200、好ましくは100:1〜1:100、特に20:1〜1:20の範囲である。化合物(I)またはそれらの混合物と同様にして、薬害軽減剤は他の除草剤/農薬と一緒に製剤化して提供することができ、最終製剤または除草剤とのタンクミックスとして使用することができる。
【0181】
使用の際に、商業的に入手できる形態で存在する除草剤または除草剤/薬害軽減剤の製剤は適切ならば通常の方法で、例えば水和剤、乳剤、分散製剤および顆粒水和剤の場合は水を使用して希釈される。土壌施用または散布のための粉剤、粒剤および散布液剤の形態の製剤は通常、使用前に他の不活性物質でさらに希釈されることはない。
【0182】
式(I)の化合物の必要な施用量は温度、湿度、使用される除草剤の性質などのような外的条件で変動する。それは広い制限範囲内で変動し、例えば0.001〜10.0kg/haまたはそれ以上の活性物質であるが、好ましくは0.005〜5kg/haである。
【0183】
下記の実施例において、定量的データ(百分率を含む)は特に断りがなければ質量に基づいている。式(I)の立体異性体の特定のキラル中心の絶対配置について説明および実施例の中で使用される記号表示“R”および“S”はカーン・インゴルド・プレローグ(Cahn−Ingold−Prelog)則によるRS表示法に従っている。
【0184】
(A) 化学実施例
実施例1〜6のスキーム中の式において、メチル基は“Me”と略される。
【0185】
〔実施例1〕グリニャール化合物のニトリルへの添加を経由するケトン合成(前駆体)
【化30】

最初に4.43g(0.18モル)のマグネシウムを保護ガス下で10mlの無水ジエチルエーテル中に入れた。2−ヨードプロパンを全部で28.15g(0.17モル)の少しを加えた;反応はその後開始した。残りの2−ヨードプロパンを90mlの乾燥ジエチルエーテルで希釈し、次に反応混合物が沸騰温度に達するようにゆっくりと滴加した。内容物を1時間加熱還流し、次に0〜4℃に冷却した。この温度で、100mlの乾燥ジエチルエーテル中の10.0g(0.15モル)のシアン化シクロプロピルの溶液を滴加し、反応混合物を2時間加熱還流した。
反応混合物を氷浴で冷却し、80mlの10%塩酸を5℃でゆっくりと滴加した。2つの相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出し、3つの有機相を合一し、飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、次に有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ液を減圧下で溶媒除去した。7.07g(収率:42%)のシクロプロピルイソプロピルケトンを単離した;その構造は1H NMRスペクトルにより確認された。
【0186】
〔実施例2〕シクロペンテノンのケトン前駆体へのシクロプロパン化
【化31】

最初に12.28g(純度80%、0.41モル)の水素化ナトリウムを保護ガス下で100mlのジメチルスルホキシドに入れた。続いて、28.0g(0.34モル)のシクロペンタ−2−エン−1−オンおよび90.06g(0.41モル)のヨウ化トリメチルオキソスルホニウムを加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、最後に水と混合した。混合物をメチルt−ブチルエーテルで2回抽出し、合一した有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物を減圧下で精留して10.1gの所望のケトンを無色の液体として得た。
ケトンを下記の実施例と同様にして最初に還元的アミノ化を経て相当するアミンに変換し、そのアミンを続いて所望の対応する置換2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジンに首尾よく変換した。
【0187】
〔実施例3〕還元的アミノ化によるアミンの製造(前駆体)
【化32】

70mlのメタノール中の1.0g(8.9ミリモル)のシクロプロピルイソプロピルケトンの溶液を17.2g(0.22モル)の酢酸アンモニウムと混合し、室温で5分間撹拌した。その後、1.7g(26.7ミリモル)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えた。混合物を室温で数日間撹拌し、次に1M水酸化カリウム溶液と混合した。フラスコの内容物を10分間撹拌し、次に40mlの20%水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を塩酸で酸性にし、水相を取り出し、酢酸エチルを加えた後、冷却しながら水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にした。酢酸エチルで抽出した後、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ液を冷却しながら15mlの1.25Mエタノール性HCl溶液と混合した。混合物を30分間撹拌し、次に減圧下で溶媒除去した。0.6gの1−シクロプロピル−2−メチルプロピルアミンをその塩酸塩形態で単離した(収率:45%)。1H NMRスペクトルにより構造が確認された。
【0188】
〔実施例4〕4−アミノ−2−(1−シクロプロピル−2−メチルプロピルアミノ)−6
−(R,S−1−フルオロエチル)−1,3,5−トリアジンの製造
【化33】

最初に300mg(2.0ミリモル)の1−シクロプロピル−2−メチルプロピルアミン塩酸塩、354mg(2.0ミリモル)の2−アミノ−4−クロロ−6−(1−フルオロエチル)−1,3,5−トリアジンおよび609mg(4.4ミリモル)の炭酸カリウムを15mlのアセトニトリルに入れ、80℃に16時間加熱した。セライトを通して反応混合物を吸引ろ過し、残留物を酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で溶媒除去した。残留物をクロマトグラフィーにより精製して83mg(収率:16.4%)の所望の生成物を得た。1H NMRおよび質量スペクトルにより構造を確認した。
【0189】
〔実施例5〕ジシクロプロピルメチルビグアニドの製造
【化34】

1.6g(10.8ミリモル)の1,1−ジシクロプロピルメチルアミン塩酸塩を6mlのデカンおよび20mlのトルエンの混合物中0.91g(10.8ミリモル)のシアノグアニジンと混合した。混合物を140℃の温度に5時間加熱し、その間トルエンを留去した。フラスコの内容物を室温に冷却し、次にアセトンを加えた。沈殿をデカントオフし、残留溶媒を減圧下で除去した。1.7gの粗生成物(純度約80%)を得、それをさらに精製することなく次の合成段階に使用した。
【0190】
〔実施例6〕4−アミノ−2−(ジシクロプロピルメチルアミノ)−6−メチル−1,3,5−トリアジン
【化35】

272mg(80質量%、0.94ミリモル)の1,1−ジシクロプロピルメチルビグアニド塩酸塩を4mlのメタノールに取り、85mg(30質量%、0.47ミリモル)のナトリウムメトキシドメタノール溶液と混合し、次に室温で10分間撹拌した。その後、165mg(1.88ミリモル)の酢酸エチルおよび84mg(30質量%、0.47ミリモル)のナトリウムメトキシドメタノール溶液を連続して滴加した。混合物を室温で一晩撹拌した。後処理のために、水を加え、次に水相を酢酸エチルで2回抽出した。合一した有機相を乾燥し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をクロマトグラフィーにより精製して23mg(収率:11.2%)の所望の生成物を得た。1H NMRおよび質量スペクトルにより構造を確認した。
【0191】
上記の方法と同様にして下表1〜7の実施例化合物を得た。
【0192】
【表1】

【0193】
【表2】

【0194】
【表3】

【0195】
表1〜7の 物理的データの欄において:
“NMR”=1H NMRスペクトル(1H核磁気共鳴データ)のデータが利用可能であり、特定の表の最後に記載される。
“樹脂”=化合物は樹脂状物質(“粘性油状物”)として得られた。
【0196】
【表4】

【0197】
【表5】

【0198】
【表6】

【0199】
【表7】

【0200】
【表8】

【0201】
【表9】

【0202】
【表10】

【0203】
【表11】

【0204】
【表12】

【0205】
【表13】

【0206】
【表14】

【0207】
【表15】

【0208】
【表16】

【0209】
【表17】

【0210】
【表18】

【0211】
【表19】

【0212】
【表20】

【0213】
【表21】

【0214】
【表22】

【0215】
【表23】

【0216】
【表24】

【0217】
【表25】

【0218】
表1についての説明:
特に断りがなければ、実施例化合物の“NMR”はそれぞれ300MHz(CDCl3)の1H NMRスペクトルとして測定した(1H核磁気共鳴データ)。幾つかの実施例化合物について特徴的な化学シフトδ(ppm)を下記に示す:
実施例番号 δ(ppm) =
1−19:8.10 (s, 1H), 3.30 (m, 1H), 0.95 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H);
1−98:3.35 (m, 1H), 2.25 (s, 3H), 0.95 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H);
1−177:3.35 (q, 1H), 2.50 (q, 2H), 1.25 (t, 3H), 0.95 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H);
1−183:4.00 (q, 1H), 2.45 (m, 2H), 2.30 (m, 2H), 1.90−1.65 (m, 12H), 1.20 (t, 3H);
1−256:3.20 (q, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.00−0.95 (m, 2H), 0.90−0.80 (m, 4H), 0.45−0.20 (m, 8H);
1−317:5.40−5.10 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 2.00−1.80 (m, 1H), 1.60 (dd, 3H), 0.95 (m, 7H), 0.55−0.25 (m, 4H);
1−335:5.25 (dq, 1H), 3.30 (q, 1H), 1.60 (dd, 3H), 1.00−0.85 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H);
1−341:5.30−5.00 (m, 1H), 4.10−3.90(m, 1H), 2.30 (m, 2H), 1.90−1.50 (m, 15H);
1−414:5.15−4.90 (ddd, 1H), 3.35 (m, 1H), 2.05−1.85 (m, 2H), 1.05 (dd, 3H), 0.95 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H);
1−420:5.10−4.80 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 2.25 (m, 2H), 2.00−1.30 (m, 14H), 0.95 (dd, 3H);
1−475:3.30 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.60 (d, 6H), 0.95 (d, 6H), 0.85 (m, 1H), 0.60−0.25 (m, 4H);
1−493:3.30 (m, 1H), 1.65 (d, 6H), 0.90 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H);
1−499:4.00 (m, 1H), 2.25 (m, 2H), 1.90−1.50 (m, 18H);
1−572:3.30−2.80 (m, 1H), 1.40−1.25 (d, 4H), 0.80 (m, 2H), 0.45−0.15 (m, 8H);
1−651:6.12 (t, 1H), 3.30 (m, 1H), 0.95 (m, 2H), 0.60−0.30 (m, 8H)。
【0219】
1−651は400MHz(CDCl3)の1H NMRスペクトルとして分析した。
【0220】
【表26】

【0221】
【表27】

【0222】
【表28】

【0223】
【表29】

【0224】
【表30】

【0225】
【表31】

【0226】
【表32】

【0227】
【表33】

【0228】
【表34】

【0229】
表2についての説明:
実施例化合物の“NMR”はそれぞれ400MHz(CDCl3)の1H NMRスペクトルとして測定した(1H核磁気共鳴データ)。実施例化合物について特徴的な化学シフトδ(ppm)を下記に示す:
実施例番号 δ(ppm) =
2−199:3.30 (m, 1H), 2.60および2.55 (それぞれs,一緒になって3H), 1.70−1.60 (2個のd, 一緒になって6H), 1.10−0.90 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H)。
【0230】
【表35】

【0231】
【表36】

【0232】
【表37】

【0233】
【表38】

【0234】
【表39】

【0235】
【表40】

【0236】
【表41】

【0237】
【表42】

【0238】
【表43】

【0239】
【表44】

【0240】
【表45】

【0241】
【表46】

【0242】
【表47】

【0243】
【表48】

【0244】
【表49】

【0245】
【表50】

【0246】
【表51】

【0247】
【表52】

【0248】
【表53】

【0249】
【表54】

【0250】
【表55】

【0251】
【表56】

【0252】
【表57】

【0253】
【表58】

【0254】
【表59】

【0255】
【表60】

【0256】
【表61】

【0257】
表5についての説明:
実施例化合物の“NMR”はそれぞれ400MHz(CDCl3)の1H NMRスペクトルとして測定した(1H核磁気共鳴データ)。実施例化合物について特徴的な化学シフトδ(ppm)を下記に示す:
実施例番号 δ(ppm) =
5−201:8.75 (m, 1H), 3.60−3.25 (m, 1H), 3.15 (s, 6H),1.70 (m, 6H), 0.95 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H)。
【0258】
【表62】

【0259】
【表63】

【0260】
【表64】

【0261】
【表65】

【0262】
【表66】

【0263】
【表67】

【0264】
【表68】

【0265】
【表69】

【0266】
【表70】

【0267】
表6についての説明:
実施例化合物の“NMR”はそれぞれ400MHz(CDCl3)の1H NMRスペクトルとして測定した(1H核磁気共鳴データ)。実施例化合物について特徴的な化学シフトδ(ppm)を下記に示す:
実施例番号 δ(ppm) =
6−199:8.80 (m, 1H), 3.90−3.40 (m, 8H), 2.65 (m, 1H), 1.70 (m, 6H), 0.95 (m, 2H), 0.55−0.25 (m, 8H)。
【0268】
【表71】

【0269】
【表72】

【0270】
【表73】

【0271】
【表74】

【0272】
【表75】

【0273】
【表76】

【0274】
【表77】

【0275】
【表78】

【0276】
【表79】

【0277】
【表80】

【0278】
【表81】

【0279】
【表82】

【0280】
【表83】

【0281】
【表84】

【0282】
【表85】

【0283】
【表86】

【0284】
【表87】

【0285】
【表88】

【0286】
【表89】

【0287】
【表90】

【0288】
【表91】

【0289】
【表92】

【0290】
表7についての説明:
実施例化合物の“NMR”はそれぞれ400MHz(CDCl3)の1H NMRスペクトルとして測定した(1H核磁気共鳴データ)。実施例化合物について特徴的な化学シフトδ(ppm)を下記に示す:
実施例番号 δ(ppm) =
7−79:4.35 (m, 1H), 1.90 − 0.80 (m, 12H), 0.50−0.20 (m, 2H)。
【0291】
(B) 製剤例
a) 散粉製品は10質量部の式(I)の化合物および不活性物質としての90質量部のタルクを混合し、それらをハンマーミルで粉砕することにより得られる。
b) 容易に水に分散しうる水和剤は25質量部の式(I)の化合物、不活性物質としての64質量部のカオリン含有石英、10質量部のリグノスルホン酸カリウム、並びに湿展剤および分散剤としての1質量部のナトリウムオレイルメチルタウレートを混合し、それらをピン
ミルで粉砕することにより得られる。
c) 容易に水に分散しうる分散製剤(Dispersible concentrates)は20質量部の式(I)の化合物を6質量部のアルキルフェノールポリグリコールエーテル(Triton(登録商標)X207)、3質量部のイソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)および71質量部のパラフィン系鉱油(沸点範囲:例えば約255〜277℃)と混合し、それらを摩擦ボールミルで5ミクロン以下の粉末度まで粉砕することにより得られる。
d) 乳剤は15質量部の式(I)の化合物、溶剤としての75質量部のシクロヘキサノンおよび乳化剤としての10質量部のエトキシル化ノニルフェノールを混合することにより得られる。
e) 顆粒水和剤は75質量部の式(I)の化合物、10質量部のリグノスルホン酸カルシウム、5質量部のラウリル硫酸ナトリウム、3質量部のポリビニルアルコールおよび7質量部のカオリンを混合し、それらをピンミルで粉砕し、その粉末を、流動床で造粒液としての水に噴霧することにより造粒して得られる。
f) 顆粒水和剤はまた、25質量部の式(I)の化合物、5質量部のナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホネート、2質量部のナトリウムオレイルメチルタウレート、1質量部のポリビニルアルコール、17質量部の炭酸カルシウムおよび50質量部の水をコロイドミルで均質化および予粉砕し、次にそれらをビーズミルで粉砕し、ワンサブスタンスノズルを用いた噴霧塔で得られた懸濁液を噴霧および乾燥することにより得られる。
【0292】
(C) 生物学的試験
1. 発芽前の除草作用
単子葉および双子葉雑草植物の種子または地下茎片をプラスチックポットに入れた砂壌土に置き、覆土した。次に、水和剤または乳剤の形態に製剤化した本発明の化合物を様々な用量の水性懸濁液またはエマルションとして600〜800l/haの水(換算)の施用割合で種々の薬量で覆土表面に施用した。
処理後、ポットを温室に入れ、雑草にとって良好な成長条件下に保った。3〜4週間の実験期間後、試験植物の発芽後の植物または発芽に対する損傷を目視で未処理対照と比較して評点した。試験の結果からわかるように、本発明の化合物は広範なスペクトルの広葉およびイネ科雑草に対して良好な発芽前の除草活性を示した。例えば、表1〜7の実施例化合物no.1−19、1−98、1−317、1−335、1−420、1−475、1−493、1−499、1−572、1−651、2−199、5−201、6−199および7−79は本試験においてStellaria media、Lolium multiflorum、Amaranthus retroflexus、Sinapis alba、Avena sativaおよびSetaria viridisのような有害植物に対して発芽前の方法により1ヘクタールあたり500g以下の活性物質の施用量で非常に良好な除草作用を示した 。
【0293】
2. 発芽後の除草作用
単子葉および双子葉雑草植物の種子または地下茎片をプラスチックポットに入れた砂壌土に置き、覆土し、温室に入れて良好な成長条件下で育成した。播種してから3週間後、試験植物を3葉期に処理した。水和剤または乳剤に製剤化した本発明の化合物を600〜800l/haの水(換算)の施用量で種々の薬量で植物の緑色の部分に散布した。試験植物を温室で最適な成長条件下に3〜4週間静置した後、前記製剤の作用を未処理対照と目視で比較して評点した。本発明の組成物はさらに広範なスペクトルの経済的に重要なイネ科および広葉雑草に対して良好な発芽後の除草活性を有していた。例えば、表1〜7の実施例化合物no.1−19、1−256、1−317、1−335、1−414、1−420、1−475、1−493、1−572、1−651、2−199、5−201、6−199および7−79は本試験においてSinapis alba、Echinochloa crus−galli、Lolium multiflorum、Stellaria media、Cyperus iria、Amaranthus retroflexus、Setaria viridis、Avena sativa、Lamium purpureum、Matricaria inodora、Papaver rhoeas、Veronica persica、Viola trocolor、Kochia sppおよびChenopodium albumのような有害植物に対して発芽後の方法により1ヘクタールあたり500g以下の活性物質の施用量で非常に良好な除草作用を示した。
【0294】
3. プランテーション作物に対する除草作用
圃場試験において、プランテーション作物を自然条件下、試験プロットで育成し、その間に有害植物が自然に成長した。その後、有害植物に特定の化合物の水性分散液を散布することによりプロットを本発明の化合物で処理した。このような処理を行なってから約3週間後、試験プロットを有害植物の成長および損傷に関して評価し、そしてプランテーション作物を対照プロットと目視で比較して評価した。
【0295】
本発明の化合物は有害植物に対して非常に良好な除草作用を示し、ヤシ油、ココヤシ、ゴムノキ、柑橘類、パイナップル、綿、コーヒーの木のようなプランテーション作物に認識可能な薬害損傷はなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、R1は式−NH2、−NH(B1−D1)または−N(B1−D1)(B2−D2)の基であり、B1、B2、D1およびD2のそれぞれは下記で定義される通りのそれぞれであり、または

【化2】

の基であり、ここで
L1は直接結合、−O−、−S−または式−NG2−の基であり、
U1、U2はそれぞれ独立して式G3、OG4、SG5、NG6G7、NG8NG9G10、NG11OG12またはNG11SG12の基であり、
U3は式G13、OG14、SG15、NG16G17、NG18NG19G20、NG21OG22またはNG23SG24の基であり、
U4は式G25、OG26、SG27またはNG28G29の基であり、ここで
G1〜G29基はそれぞれ独立して水素、未置換または置換されたアリール(置換基を含んで6〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで3〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで2〜30個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルチオ、アシル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニル、および未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで1〜30個の炭素原子を有する)からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または
U1およびU3またはU2およびU4またはU2およびG1またはU4およびG1基はそれらと結合している原子と対になってそれぞれ4〜7個の環原子を有する炭素環式または複素環式環であり、該環は未置換または置換されており(置換基を含んで30個までの炭素原子を有する)、
B1およびB2はそれぞれ独立して式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−または−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、ここで
Z*は酸素または硫黄原子であり、Z**は酸素または硫黄原子であり、そしてR*は(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで30個までの炭素原子を有する)、
D1およびD2はそれぞれ独立して水素、(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで30個までの炭素原子を有する)、
R2は水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり(ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1-C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)ハロアルコキシ、(C1−C4)アルコキシ−(C1−C4)アルコキシ、および場合によりハロゲン−、シアノ−、(C1−C4)アルキル−または(C1−C4)ハロアルキル−置換された、(C3−C6)シクロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される)、または未置換またはハロゲン、シアノ、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C6)シクロアルキルであり、
R3はシクロプロピルまたはシクロブチルであり、ここで、後者の2個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C2−C4)アルケニル、(C2−C4)アルキニル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここで
環状のR3基は2位の炭素原子により
(a) 二価のR4基=メチレンと結合することができ、そのため分子部分R3−C−C−R4と共に5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成することができ、または
(b) 直接またはメチレン基を介して環状のCR4R5基の2位の炭素原子と結合することができ、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成することができ、
R4およびR5はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり(ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される)、またはそれぞれ独立して未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C2−C4)アルケニル、(C2−C4)アルキニル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、または
R4およびR5はそれらに結合している炭素原子と一緒になって未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された3−〜9−員の炭素環式環であり、ここで
環状のCR4R5基は2位の炭素原子により直接またはメチレン基を介してR3基の環の2位の炭素原子と結合することができ、そのため分子部分R3−C−CR4R5と共に三環を形成することができ、または
R4は環状のR3基の2位の炭素原子と結合している式−CH2−の二価の基であり、そのため分子部分R3−C−C−R4と共に5−員環およびR3の3−または4−員環で構成される二環を形成することができ、
R6は水素、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルであり、そして
R7は水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり、それは未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)ハロアルキル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される]
の化合物またはその塩。
【請求項2】
R1は式−NH2、−NH(B1−D1)または−N(B1−D1)(B2−D2)の基であり、B1、B2、D1およびD2はそれぞれ下記で定義される通りであり、または式
【化3】

の基であり、
ここで
L1は直接結合、−O−、−S−または式−NG2−の基、好ましくは直接結合であり、
U1、U2はそれぞれ独立して式G3、OG4、SG5、NG6G7、NG8NG9G10、NG11OG12またはNG11SG12の基であり、
U3は式G13、OG14、SG15、NG16G17、NG18NG19G20、NG21OG22またはNG23SG24の基であり、
U4は式G25、OG26、SG27またはNG28G29の基であり、
ここで
G1〜G29基はそれぞれ独立して水素、または未置換または置換されたフェニル(置換基を含んで6〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル(置換基を含んで3〜30個の炭素原子を有する)、または未置換または置換されたヘテロシクリル(置換基を含んで2〜30個の炭素原子を有する)、または(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオシアナート、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C2−C4)アルケニルオキシ、(C2−C4)ハロアルケニルオキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)アルキルスルフィニル、(C1−C4)アルキルスルホニル、(C1−C4)ハロアルキルチオ、(C1−C4)ハロアルキルスルフィニル、(C1−C4)ハロアルキルスルホニル、未置換または置換された(C3−C9)シクロアルキル、未置換または置換されたフェニル、および未置換または置換されたヘテロシクリル、および式R'−C(=Z')−、R'−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−、R'R''N−C(=Z')−、R'−Z−C(=Z')−O−、R'R''N−C(=Z')−Z−、R'−Z−C(=Z')−NR''−およびR'R''N−C(=Z')−NR'''−の基からなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、ここでR'、R''およびR'''はそれぞれ独立して(C1−C6)アルキル、アリール、アリール(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており、そして前記ZおよびZ'はそれぞれ独立して酸素または硫黄原子であり、または
U1およびU3またはU2およびU4またはU2およびG1またはU4およびG1基はそれらと結合している原子と対になってそれぞれ4〜7個の環原子を有する炭素環式または複素環式環であり、該環は未置換または置換されており、
B1およびB2はそれぞれ独立して式−C(=Z*)−、−C(=Z*)−Z**−、−C(=Z*)−NH−または−C(=Z*)−NR*−の二価の基であり、ここで
Z*は酸素または硫黄原子であり、Z**は酸素または硫黄原子であり、そしてR*は(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されており(置換基を含んで20個までの炭素原子を有する)、
D1およびD2はそれぞれ独立して水素、(C1−C6)アルキル、フェニル、フェニル(C1−C6)アルキル、(C3−C9)シクロアルキルまたは(C3−C9)シクロアルキル(C1−C6)アルキルであり、ここで後者の5個の基はそれぞれ未置換または置換されている(置換基を含んで20個までの炭素原子を有する)
請求項1記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項3】
R1はアミノ、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキリデンアミノまたはN−複素環アミノ−(C1−C4)アルキリデンアミノであり、ここでN−複素環はN、OおよびSの群からの1〜3個の環ヘテロ原子およびアルキリデン基に結合している環ヘテロ原子として少なくとも1個の窒素原子を有する飽和複素環式環である請求項1または2記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項4】
R2は水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニルであり、ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキルチオ、(C1−C4)ハロアルコキシ、(C1−C2)アルコキシ(C1−C2)アルコキシ、および場合によりハロゲン−または(C1−C4)アルキル置換の(C3−C6)シクロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または
未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C3−C6)シクロアルキルであり、
R3はシクロプロピルまたはシクロブチルであり、ここで後者の2個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニルおよび(C2−C4)アルキニルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、
R4およびR5はそれぞれ独立して(C1−C4)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたは(C2−C4)アルキニルであり、ここで後者の3個の基はそれぞれ未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1-C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換され、または
未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換されたシクロプロピルであり、または
R4およびR5はそれらに結合している炭素原子と一緒になって未置換またはハロゲンおよび(C1−C4)アルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された3−〜6−員の炭素環式環であり、
R6は水素、または未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)ハロアルコキシおよび(C1−C4)アルキルチオからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換された(C1−C4)アルキルであり、
R7は水素、メチル、エチルまたはシクロプロピルであり、それは未置換またはハロゲン、(C1−C4)アルキルおよび(C1−C4)ハロアルキルからなる群からの1個またはそれ以上の基により置換される請求項1〜3の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項5】
式(I−A)
【化4】

[式中、R1〜R7はそれぞれ式(I)で定義された通りであり、ここでR4およびR5基は環系に連結することができるが、R3およびR4基は環系に連結しない]の化合物およびその塩である請求項1〜4の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項6】
A)式(II)
R2−Fu (II)
(式中、Fuはカルボン酸エステル、カルボン酸オルトエステル、塩化カルボニル、カルボキサミド、カルボン酸無水物およびトリクロロメチルの群からの官能基である)の化合物を、式(III)
【化5】

の化合物またはその酸付加塩と反応させ、または
B)式(IV)
【化6】

[式中、Z1は変換可能な基または脱離基、例えば塩素、トリクロロメチル、(C1−C4)アルキルスルホニル、未置換または置換フェニル−(C1−C4)アルキルスルホニルまたは(C1−C4)アルキルフェニルスルホニルである]の化合物を、式(V)
【化7】

のアミンまたはその酸付加塩と反応させ、または
C)式(I')
【化8】

の化合物またはその塩をアミノ基上で誘導体化して
式(I)の化合物を得る[ここで、式(II)、(III)、(IV)、(V)および(I')においてR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は式(I)で定義された通りである]ことを含む請求項1〜5の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその塩を製造する方法。
【請求項7】
1種またはそれ以上の請求項1〜5の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその塩および作物保護で通常の製剤化補助剤を含有する除草性または作物成長調節組成物。
【請求項8】
有効量の1種またはそれ以上の請求項1〜5の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその塩を、植物、植物の種子または耕作区域に施用することを含む有害植物を防除する、または植物の成長を調節するための方法。
【請求項9】
除草剤または作物成長調節剤としての請求項1〜5の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその塩の使用。
【請求項10】
式(I)の化合物またはその塩を有害植物を防除するために、あるいは有用または観賞植物の作物の成長を調節するために使用する、請求項9記載の使用。
【請求項11】
作物はトランスジェニック作物である請求項10記載の使用。
【請求項12】
作物はプランテーション作物から選択される請求項10または11記載の使用。
【請求項13】
有害植物を有用または観賞植物の作物において選択的に防除する請求項9〜12の何れかの項記載の使用。
【請求項14】
請求項6で定義されたような式(III)の化合物。

【公表番号】特表2010−513338(P2010−513338A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541816(P2009−541816)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010589
【国際公開番号】WO2008/074403
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】