説明

置換2−フェニル−ピリジン誘導体

本発明は、式Iの化合物
【化1】


(式中、R、R、R、R、R、R、n、W及びZは、出願中で定義した通りである。)、それらの製造、並びにヒト及び他の哺乳動物の末梢血管、内臓、肝及び腎血管、心臓血管及び脳血管の疾患又は血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定の置換2−フェニル−ピリジン誘導体、並びにヒト及び他の哺乳動物の末梢血管、内臓、肝及び腎血管、心臓血管及び脳血管の疾患及び血栓症を含む血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防における、P2Y12受容体拮抗剤としての、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
止血は血管系における血液の流動性を維持するための自然平衡であると考えられ、血管の傷害による過剰な血液損失を、固形の血餅を急速に形成することにより防ぐ。血管損傷後、血管の収縮と血小板粘着が急速に起こり、続いて血小板の凝集、凝固カスケードの活性化が起こり、最後に線溶系の活性化も起こる。止血異常は過剰の出血及び血栓症を招き、いずれも生命に関わる状態である。
【0003】
一連の抗血小板剤が過去数年以上前から、異なる作用メカニズムに基づいて開発されてきた。抗血小板療法において最も広く使用される薬剤はアスピリンであるが、これはシクロオキシゲナーゼ−1を不可逆的に阻害し、それによってトロンボキサン経路に影響を及ぼす。必ずしも最適の効果を示すわけではないが、アスピリンによる治療は標準的療法であり、これに対し新しい治療剤が比較され、評価される。
【0004】
ホスホジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモール及びシロスタゾール並びにビタミンK拮抗剤(ワルファリン)のような他の薬剤が市販されているが、そのような薬剤として要求される全ての好ましい特徴を示していない。静脈投与でき、血小板凝集を阻止する3種の有力なGPIIb/IIIa受容体拮抗剤(アブシキシマブ(abciximab)、エプティフィバタイド(eptifibatide)、及びチロフィバン(tirofiban))が市場で利用可能である。そのほか、いくつかの経口活性なGPIIb/IIIa拮抗剤(例えば、シブラフィバン(sibrafiban)、ゼミロフィバン(xemilofiban)又はオルボフィバン(orbofiban))はこれまでのところ臨床的開発に成功していない。
【0005】
アデノシン 5’−ジホスフェート(ADP)が血小板活性化と凝集における主要なメディエーターであり、2つの血小板ADP受容体P2Y及びP2Y12と干渉する。
【0006】
血小板ADP受容体の拮抗剤が知られており、血小板凝集を阻害し、抗血栓作用を示す。これまでに知られている最も効果的な拮抗剤は、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)及びCS−747のようなチエノピリジン類であり、臨床的に抗血栓剤として使用されてきた。これらの薬剤は、それらの活性な代謝物によって、不可逆的にADP受容体のサブタイプP2Y12を阻害する。
【0007】
AR−C69931MX(カングレロール(cangrelor))又はAZD6140のようないくつかのP2Y12拮抗剤は第III相臨床研究の段階に達している。これらの阻害剤は、選択的血小板ADP受容体拮抗剤であり、ADP−依存性血小板凝集を阻害し、インビボで有効である。
【0008】
ピペラジノ−カルボニルメチルアミノカルボニル−ナフチル又は−キノリル誘導体が、ADP受容体拮抗剤として、国際公開公報第02/098856号及び国際公開公報第2004/052366号に記載されている。
【0009】
国際公開公報第2006/114774号は、P2Y12受容体拮抗剤としての2−フェニル−4−(カルボニルメチルアミノカルボニル)−ピリミジン誘導体を記述し、また、国際公開公報第2008/044217号公報は、P2Y12受容体拮抗剤としての2−フェニル−6−(カルボニルメチルアミノカルボニル)−ピリジン誘導体を記述する。しかしながら、これらの化合物はすべて、いかなるホスホン酸又はホスホネートモチーフも含まない。
【発明の概要】
【0010】
本発明の記載
発明者らは、本発明の2−フェニル−ピリジン誘導体が、驚くべきことに、以前から当業者に知られている対応するカルボン酸誘導体と比較して、著しく改善された生物活性を示すことを見出した。
【0011】
以下に、本発明の種々の態様を記載する。
1)本発明は、第一に式Iの化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0012】
【化1】

【0013】
式中、
は、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群よりそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよい(任意に(Optionally)置換された)(好ましくは1又は2個の置換基により置換されていてもよい(任意に置換された)、そしてより好ましくは1個の置換基により置換されていてもよい(任意に置換された))フェニルを表し;
Wは、結合を表し、かつRは、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表すか;又は
Wは、−O−を表し、かつRは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はヘテロシクリルを表すか;又は
Wは、−NR−を表し、Rは、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRは、水素又はアルキルを表すか;又は
Wは、−NR−を表し、かつR及びRは、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、ここで、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは水素又はアルキルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、アルコキシを表し;
は、ヒドロキシ、R−OCHO−又はR−アルキル−NH−を表し;
は、アルキルカルボニル又はアルコキシカルボニルを表し;
は、アルコキシカルボニルを表し;
nは、0、1、2又は3を表し、かつZは結合であるか、又は、nは1であり、かつZはフェニル(この場合、P(O)(R基は、好ましくはパラ位にある。)である;
【0014】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0015】
式Iの化合物は、P2Y12受容体拮抗剤である。したがって、それらは治療法(併用療法を含む)に有用であり、血小板活性化、凝集、及び脱顆粒の阻害剤として、血小板乖離の促進剤として、又は抗血栓剤として広く使用される。
【0016】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
【0017】
−「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を、より好ましくはフッ素を表す。
【0018】
−「アルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせの場合も、1から7個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル、n−ヘプチル又はイソ−ヘプチル)、そしてより好ましくは、1から4個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。好ましいアルキル基の代表的な例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを含む。「(C−C)アルキル」(x及びyは整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0019】
−「アルコキシ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わせの場合も、1から6個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペンチルオキシ、イソ−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ又はイソ−ヘキシルオキシ)、そして好ましくは、1から4個の炭素原子を含む飽和の、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を意味する。好ましいアルコキシ基の代表的な例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを含む。「(C−C)アルコキシ」(x及びyは整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を意味する。
【0020】
−本明細書で用いる「ヒドロキシアルキル」という用語は、1個の水素原子がヒドロキシ(すなわち、−OH)基で置き換えられた、本明細書で定義したアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシ−プロピル、2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチル、1−ヒドロキシ−プロピル、3−ヒドロキシ−プロピル、1−ヒドロキシ−ブチル、3−ヒドロキシ−ブチル、4−ヒドロキシ−ブチル、3−ヒドロキシ−ペンチル及び3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0021】
−本明細書で用いる「アルコキシアルキル」という用語は、1個の水素原子が本明細書で定義したアルコキシ基で置き換えられた、本明細書で定義したアルキル基を意味する。アルコキシアルキル基の例は、メトキシメチル及び2−メトキシ−エチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0022】
−本明細書で用いる「シクロアルキル」という用語は、単独でも、いかなる組み合わせにおいても、1個のヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル(好ましくはメトキシメチル又はエトキシメチル、そしてより好ましくはメトキシメチル)又はアルコキシ(好ましくはメトキシ又はエトキシ、そしてより好ましくはメトキシ)で置換されていてもよい(任意に(Optionally)置換された)、3〜7個の炭素原子を含む飽和環式炭化水素基を意味する。シクロアルキル基の代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−ヒドロキシ−シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−シクロヘキシル、2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル及び2−メトキシメチル−シクロプロピル(特に、シクロプロピル、2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル及び2−メトキシメチル−シクロプロピル)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0023】
−「カルボキシアルキル」という用語は、1個の水素原子がカルボキシ基によって(すなわち、−COOHによって)置き換えられた、本明細書で定義したアルキル基を意味する。カルボキシアルキル基の代表的な例は、2−カルボキシ−エチル及び3−カルボキシ−プロピルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0024】
−「アリール」という用語は、6から14個の炭素環原子、そして好ましくは6から10個の炭素環原子を持つ、1、2又は3環の芳香族環状基、例えば、フェニル又はナフチル基(そして特に、フェニル基)を意味する。ここで定義されるいずれのアリール基(特に、いずれのフェニル基)も、ハロゲン、アルキル及びアルコキシから成る群よりそれぞれ独立に選択される、1、2若しくはそれ以上の置換基(好ましくは、1から3個の置換基、より好ましくは1又は2個の置換基、そして特に1個の置換基)で置換されていてもよい。アリール基の具体的な例は、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジメトキシフェニル及び2,4−ジメチルフェニルである。好ましい例は、フェニル及び4−メトキシフェニルである。
【0025】
−本明細書で用いられる「アラルキル」という用語は、単独でも、いかなる組み合わせにおいても、親分子部分にアルキル基を介して結合するアリール基を表すが、ここで、当該アリール基は未置換であっても、又は、ハロゲン、アルキル及びアルコキシから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。アラルキル基の代表的な例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル及び2−ナフス−2−イルエチル(2−naphth−2−ylethyl)を含むが、これらに限定されるものではない。好ましいアラルキル基はフェニルアルキル基である。
【0026】
−本明細書で用いられる「フェニルアルキル」という用語は、単独でも、いかなる組み合わせにおいても、親分子部分にアルキル基を介して結合する未置換のフェニル基を表す。フェニルアルキル基の代表的な例は、ベンジル、2−フェニルエチル及び3−フェニルプロピルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
−本明細書で用いられる「ヘテロアリール」という用語は、単独でも、組み合わせにおいても、少なくとも1個の環が、窒素、酸素及び硫黄から成る群より独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、14個までの環原子を含む単環、二環又は三環式芳香環系を意味する;加えて、「ヘテロアリール」という用語はまた、1−オキシ−ピリジニル基をも意味する。ヘテロアリール基は、未置換であっても、又は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より独立に選択される1〜3個の置換基(好ましくは、1〜2個の置換基、そしてより好ましくは、1個の置換基)によって置換されていてもよい。ヘテロアリール基の代表的な例は、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、1−オキシ−4−ピリジニル、1−オキシ−3−ピリジニル、1−オキシ−2−ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、カルバゾリル、フェノチアジニル及びフェノキサジニルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0028】
−本明細書で用いられる「単環式ヘテロアリール」という用語は、5又は6個の環原子を含み、うち1又は2個がO、N及びSから選択されるヘテロ原子であってもよい、単環式芳香環系を意味する。単環式ヘテロアリール基は、未置換であっても、又は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群より独立に選択される1〜2個の置換基(好ましくは、1個の置換基)によって置換されていてもよい。単環式ヘテロアリール基の代表的な例は、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジニル及びピリミジニルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0029】
−本明細書で用いられる「ヘテロシクリル」という用語は、単独でも、いかなる組み合わせにおいても、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む3〜7員の(そして好ましくは4〜6員の)未置換の飽和単環基を意味するが、(I)ヘテロシクリル基は、分子の残りに窒素原子により結合しないこと、(ii)3〜4員のヘテロシクリル基は、窒素原子を唯一のヘテロ原子として含むこと、そして(iii)ヘテロシクリル基は2個の硫黄原子を含まないことが理解されるべきである。ヘテロシクリル基の硫黄原子は、例えば、スルホキシド又はスルホニルのような酸化形態であってもよい。ヘテロシクリル基の代表的な例は、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0030】
さらに、本発明の化合物のさらなる化学的部分の定義を以下に記載する。当該定義は、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、明細書及び請求の範囲を通して一律に適用される。
【0031】
本明細書で用いられる「アルコキシメチル」という用語は、1個の水素原子が、本明細書で定義したアルコキシ基で置き換えられたメチル基を意味する。アルコキシメチル基の例はメトキシメチル及びエトキシ−メチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0032】
本明細書で用いられる「R−アルキル−NH−」という用語は、1個の水素原子が、本明細書で定義したアルキル基(そして好ましくは(C−C)アルキル基)で置き換えられたアミノ基を意味し、このアルキル基はRで置換される。好ましくは、置換基Rと上記アミノ基の窒素原子は、アルキル基の同じ炭素原子に結合する。R−アルキル−NH−基の例は、1−アルコキシ−カルボニル−エチルアミノ、そして特に1−エトキシカルボニル−エチルアミノを含むが、これらに限定されるものではない。
【0033】
本明細書で用いられる「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書で定義したアルキル基で置換されたカルボニル基を意味する。アルキルカルボニル基の例は、メチルカルボニル(アセチル)及びエチルカルボニルを含むが、これらに限定されるものではない。好ましくはアセチルである。
【0034】
本明細書で用いられる「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書で定義したアルコキシ基で置換されたカルボニル基を意味する。アルコキシカルボニル基の例は、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルを含むが、これらに限定されるものではない。好ましくはエトキシカルボニルである。
【0035】
さらに、以下の段落では、種々の他の用語を定義をする。当該定義は、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、明細書及び請求の範囲を通して一律に適用される。
【0036】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0037】
本明細書で用いられる「室温」という用語は、25℃の温度を意味する。
【0038】
温度に関して使用されていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」(又はその代わりの「付近」)の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0039】
ii) 特に、本発明は、式Iの化合物でもある式Iの化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0040】
【化2】

【0041】
式中、
は、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群よりそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよい(任意に置換された)(好ましくは1又は2個の置換基により置換されていてもよい(任意に置換された)、そしてより好ましくは1個の置換基により置換されていてもよい(任意に置換された))フェニルを表し;
Wは結合を表し、かつRは、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表すか;又は
Wは−O−を表し、かつRは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はヘテロシクリルを表すか;又は
Wは−NR−を表し、Rは、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRは、水素又はアルキルを表すか;又は
Wは−NR−を表し、かつR及びRは、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、ここで、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは水素又はアルキルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、アルコキシを表し;
nは、0、1、2又は3を表し、かつZは結合であるか、又は、nは1であり、かつZはフェニル(この場合、-P(O)(OH)基は、好ましくはパラ位にある。)である。
【0042】
iii) 特に、本発明は、式ICEの化合物でもある式Iの化合物及び式ICEの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0043】
【化3】

【0044】
式中、
は、1個のハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシにより置換されていてもよい(任意に置換された)(そして好ましくは、1個のハロゲン、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(任意に置換された))フェニルを表し;
Wは結合を表し、かつRは、アルキル、又は、3〜7個の炭素原子(好ましくは、3〜6個、そしてより好ましくは3〜5個の炭素原子)を持ち、1個のヒドロキシメチル又はアルコキシメチル(好ましくは、メトキシメチル又はエトキシメチル、そしてより好ましくはメトキシメチル)により置換されていてもよい(任意に置換された)シクロアルキル基を表すか、若しくは、Rは、1個のアルコキシにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニル基を表すか、若しくは、Rはまた、未置換の単環式ヘテロアリール基を表すか;又は
Wは−O−を表し、かつRは、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシアルキル(そして特に、アルキル又はアルコキシアルキル)を表すか;又は
Wは−NR−を表し、Rはアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、フェニル若しくはフェニルアルキル、又は3〜7個の炭素原子(好ましくは3〜6個の、そしてより好ましくは3〜5個の炭素原子)を持つ未置換のシクロアルキル基を表し、かつRは、水素又はアルキル(そして特に水素又はメチル)を表すか;又は
Wは−NR−を表し、かつR及びRは、それらを保持する窒素と共に、4〜7(そして特に5〜6)員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、ここで、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRはアルキル(特にメチル)を表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、水素を表し;
は、アルコキシを表し;
nは、0、1、2又は3を表し、かつZは結合であるか、又は、nは1であり、かつZはフェニル(この場合、−PO(OH)基は、好ましくはパラ位にある。)である。
【0045】
iv) 本発明の1つの好ましい態様によれば、上記態様i)、ii)又はiii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、(C−C)アルコキシ、特に直鎖の(C−C)アルコキシ、そして特にn−ブトキシを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0046】
v) 態様iv)の好ましい変形によれば、式Iの化合物(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rがエトキシを表すような化合物である。
【0047】
vi) 態様iv)の別の好ましい変形によれば、上記態様iv)に定義した式Iの化合物(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rがn−ブトキシを表すような化合物である。
【0048】
vii) 本発明の1つの特定の態様によれば、上記態様i)〜vi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、nが0を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0049】
viii) 本発明の別の特定の態様によれば、上記態様i)〜vi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、nが1を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0050】
ix) 本発明のさらに別の特定の態様によれば、上記態様i)〜vi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、nが2を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0051】
x) 本発明のさらなる特定の態様によれば、上記態様i)〜vi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、nが3を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0052】
xi) 本発明の1つの主態様によれば、上記態様i)〜x)の1つに定義した(そして特に、上記態様viii)に定義した)式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Zが結合であるような化合物又はそれらの塩である。
【0053】
xii) 本発明の1つの亜態様によれば、上記態様xi)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、下記の立体化学を有するような化合物又はそれらの塩である。
【0054】
【化4】

【0055】
xiii) 本発明の別の亜態様によれば、上記態様xi)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、下記の立体化学を有するような化合物又はそれらの塩である。
【0056】
【化5】

【0057】
xiv) 本発明の別の主態様によれば、上記態様i)〜vi)及びviii)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Zがフェニルであり、かつ、好ましくはそのような当該式Iの化合物又はそれらの塩が、下記の立体化学を有するような化合物又はそれらの塩であり、
【0058】
【化6】

【0059】
当該式Iの化合物は、好ましくは下記の式に対応する。
【0060】
【化7】

【0061】
xv) 好ましくは、上記態様i)〜xiv)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、1個のハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニル(特に、1個のハロゲン、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニル、そして特に、1個のフッ素、メチル又はトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0062】
xvi) また、好ましくは、上記態様i)〜xv)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、水素又はメチルを表し、かつRが水素を表し、そして特に、RとRのそれぞれが水素を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0063】
xvii) 本発明の1つの変形によれば、上記態様i)〜xvi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Wが結合を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0064】
xviii) 好ましくは、上記態様xvii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、シクロアルキル(特に、1個のヒドロキシメチル又はアルコキシメチルにより置換されていてもよい(任意に置換された)シクロプロピル)、1個のアルコキシにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニル基、又は未置換の単環式ヘテロアリール基(特にチオフェン−3−イル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0065】
xix) より好ましくは、上記態様xviii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、1個のアルコキシにより置換されていてもよい(任意に置換された)フェニル基(特に4−メトキシ−フェニル)、又は未置換の単環式ヘテロアリール基(特にチオフェン−3−イル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0066】
xx) 本発明の別の変形によれば、上記態様i)〜xvi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Wが−O−を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0067】
xxi) 好ましくは、上記態様xx)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、アルキル(例えば、メチル)又はアルコキシアルキル(例えば、2−メトキシ−エチル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0068】
xxii) 本発明のさらなる変形によれば、上記態様i)〜xvi)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Wが−NR−を表し、Rが、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRが水素又はアルキルを表すか、又はWが−NR−を表し、かつRとRが、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは水素又はアルキルを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0069】
xxiii) 当該さらなる変形の1つの亜変形によれば、上記態様xxii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Wが−NR−を表し、Rが、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRが、水素又はアルキル(特に、水素又はメチル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0070】
xxiv) 好ましくは、上記態様xxiii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRが、水素又はアルキル(特に、水素又はメチル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0071】
xxv) より好ましくは、上記態様xxiii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はヘテロシクリルを表し、かつRが、水素又はメチル(そして特に水素)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0072】
xxvi) 当該さらなる変形の別の亜変形によれば、上記態様xxii)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Wが−NR−を表し、かつR及びRが、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、Rは、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは、水素又はアルキル(特に、水素又はメチル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0073】
xxvii) 好ましくは、上記態様xxvi)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、R及びRが、それらを保持する窒素と共に、4〜7員(そして特に、5〜6員)のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、Rは、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは、アルキル(特にメチル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0074】
xxviii) より好ましくは、上記態様xxvi)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、R及びRが、それらを保持する窒素と共に、5〜6員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、Rは、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル又はメトキシを表し、そしてRは、メチルを表すような(特に、R及びRが、それらを保持する窒素と共に、ピロリジン−1−イル、モルフォリン−4−イル、4−メチル−ピペラジン−1−イル、3−メトキシ−ピロリジン−1−イル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル又は2−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イルを形成するような、そして特にR及びRが、それらを保持する窒素と共に、4−メチル−ピペラジン−1−イル、3−メトキシ−ピロリジン−1−イル又は2−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イルを形成するような)化合物又はそれらの塩である。
【0075】
xxix) 本発明の別の変形によれば、上記態様i)、ii)、iv)〜xvi)又はxx)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Wが−O−を表し、かつRが、ヘテロシクリル(特に、テトラヒドロフラン−3−イル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0076】
xxx) 本発明の好ましい変形によれば、上記態様i)〜xxix)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rがヒドロキシを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0077】
xxxi) 本発明の別の変形によれば、上記態様i)又はiv)〜xxix)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、R−OCHO−又はR−アルキル−NH−を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0078】
xxxii) 本発明の好ましい変形によれば、上記態様xxxi)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、R−OCHO−を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0079】
xxxiii) 好ましくは、上記態様xxxi)又はxxxii)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、アルキルカルボニル又はアルコキシカルボニル(そして好ましくは、メチルカルボニル又はエトキシカルボニル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0080】
xxxiv) 本発明の別の好ましい変形によれば、上記態様xxxi)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、R−アルキル−NH−(そして好ましくは、1−アルコキシカルボニル−エチルアミノ)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0081】
xxxv) 好ましくは、上記態様xxxi)又はxxxiv)の1つに定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、エトキシカルボニルを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0082】
xxxvi) 本発明の別の変形によれば、上記態様i)に定義した式Iの化合物又はそれらの塩(中でも薬学的に許容される塩が好ましい。)は、
が、未置換であるか(好ましい)、又は、1個のハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシに置換されたフェニルを表し;
Wが−NR−を表し、かつR及びRが、それらを保持する窒素と共に、5又は6員(好ましくは5員)のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−及び−NR−(好ましくは−CH−及び−CHR−)からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、ここで、Rはアルコキシ(好ましくはメトキシ)を表し、そしてRはアルキルを表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、アルコキシを表し;
が、R−OCHO−又はR−アルキル−NH−を表し;
が、アルキルカルボニル又はアルコキシカルボニルを表し;
が、アルコキシカルボニルを表し;そして
nが、1、2又は3(好ましくは1)を表し、そしてZが結合を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0083】
xxxvii) 態様i)、ii)又はiii)に定義した式Iの下記の化合物が特に好ましい:
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4,6−ジフェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−シクロプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(R)−2−({4−[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−ベンジルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−(−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ホスフォノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−フェニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
4−{(R)−2−[(4−フェニル−6−p−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−イソプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−ホスフォノメチル−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[6−フェニル−(R)−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルアミノ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(2−ヒドロキシメチル−6’−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−2’−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−シクロプロピルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−フェニルアミノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−プロピルアミノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−カルボキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル(特に、4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル);
4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−メチル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
並びにその塩(特に、薬学的に許容される塩)。
【0084】
xxxviii) 態様i)に定義した式Iのさらに好ましい化合物は、下記の化合物から成る群より選択される:
4−((R)−3−(ビス−アセトキシメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−3−(ビス−エトキシカルボニルオキシメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
N,N’−ビス−((S)−1−エトキシカルボニルエチル)−2−{(R)−[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−オキソ−3−(4−ブトキシ−カルボニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−ホスホン酸ジアミド;及び
4−[(R)−2−({6−フェニル−4−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
並びにその塩(特に、薬学的に許容される塩)。
【0085】
態様xxxvii)又はxxxviii)に挙げたいずれかの化合物の明示されていない立体中心は、絶対(R)−配置にあっても、絶対(S)−配置にあってもよいものとする。
【0086】
xxxix) 本発明のさらなる目的は、医薬としての、上記態様i)〜xxxviii)の1つに定義した、式Iの(又は式I又はICEの)化合物又はそれらの薬学的に許容される塩である。
【0087】
式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0088】
xl) 従って、本発明は、上記態様i)〜xxxviii)の1つに従う少なくとも1つの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。特に、本発明は、少なくとも一つの式Iの(又は式I又はICEの)化合物及び1又は2以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0089】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えばRemington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」 [published by Lippincott Williams & Wilkinsにより出版]を参照されたい)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療上有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0090】
Xli) 上記態様i)〜xxxviii)に定義した式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、以下の目的に適している。
【0091】
−安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、塞栓症(動脈硬化合併症、特に塞栓性脳卒中を含む)、動脈血栓症(動脈硬化の一次動脈血栓性合併症、特に血栓性脳卒中を含む)、静脈血栓症(特に、深部静脈血栓症)、血管損傷又は炎症(脈管炎、動脈炎及び糸球体腎炎を含む)による2次的血栓症、肝内性肝静脈閉塞症、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、血栓の有無を問わない心筋梗塞、骨髄増殖性疾患、血小板血症、鎌状赤血球病、炎症性大腸炎、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群を含む疾患の治療又は予防;
−敗血症の血栓性合併症、成人呼吸窮迫症候群、抗リン脂質症候群、ヘパリン起因性血小板減少症、及び前子癇/子癇の予防;
−ある種の手術方法(特に血管形成のような冠血行再建術(PTCA)、他の血管移植手術、動脈内膜切除又はステント留置)又は突発性外傷傷害の後の心血管系合併症の予防;
−移植器官拒絶の予防。
【0092】
xlii) 別の態様において、上記態様i)〜xxxviii)に定義した式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、そして血管れん縮が血管狭窄、ひいては組織−虚血又は組織−死(壊死)を引き起こす状況においての合併症の予防に適している。
【0093】
xliii) 従って、本発明の特定の目的は、上記態様i)〜xxxviii)の1つに定義した式Iの(又は式I又はICEの)化合物又はその薬学的に許容される塩を、上記態様xli)及び/又はxlii)(そして特に、態様xli))に掲げた使用のための医薬を製造するために、及び一般に血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するために使用することである。
【0094】
xliv) より一般的には、本発明は、上記態様i)〜xxxviii)の1つに定義した式Iの(又は式I又はICEの)化合物又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩の、血管閉塞性疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用、並びに、式Iの(又は式I又はICEの)化合物の、ヒト及び他の哺乳類の血栓症を含む、末梢血管疾患、内臓血管疾患、肝血管疾患、腎血管疾患、心臓血管疾患、脳血管疾患又は血小板凝集に関連する状態の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための使用に関する。
【0095】
xlv) 式Iの(又は式I又はICEの)化合物又はその薬学的に許容される塩の、上記態様xliii)の医薬の製造のための上記の使用の中で、心筋梗塞、動脈血栓症(特に血栓性脳卒中)、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患及び安定狭心症、不安定狭心症の治療又は予防のための医薬の製造のために使用することが好まれる。
【0096】
xlvi) 本発明は、さらに、上記態様i)〜xxxviii)の1つに従う式Iの(又は式I又はICEの)化合物又はその化合物の薬学的に許容される塩の、血液製剤のインビトロでの保存(例えば、血小板濃縮物の保存)、体外血液の閉塞の予防、血液製剤処理機械(例えば、腎臓透析機又は血漿交換機)での閉塞の予防のための使用にも関する。
【0097】
xlvii) 本発明はまた、態様i)〜xxxviii)の1つに従う式Iの(又は式I又はICEの)化合物又はそのような化合物の薬学的に許容される塩の有効量を、必要とする患者に投与することを含む、上記態様xli)及び/又はxlii)(そして特に態様xli))に記載の疾患の治療方法にも関する。
【0098】
本明細書における、式I、I又はICEの化合物に対するいかなる言及も、適切かつ好都合なように、そのような化合物の塩(そして、特に薬学的に許容される塩)をも指すものと理解されるべきである。式Iの化合物について示した好適性は、当然のことながら、式I又はICEの化合物、並びに式Iの、式Iの、又は式ICEの化合物の塩及び薬学的に許容される塩に準用される。本発明に従う、医薬としてのこれらの化合物、これらの化合物を活性成分として含む医薬組成物、疾病の治療のための医薬の製造のためのこれらの化合物の使用、又は本発明に従う、疾病の治療のための当該化合物においても同様に扱われる。
【0099】
本発明によれば、式Iの(又は式I又はICEの)化合物は、下記の方法に従って製造することができる。
【0100】
式Iの化合物の製造
略語
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使用される:
abs. 絶対的
Ac アセチル
ADP アデノシン二リン酸
anh. 無水
aq. 水性
Boc. tert−ブトキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CC カラムクロマトグラフィー
conc. 濃縮された
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMPU N,N’−ジメチルプロピレン尿素
dpm 1分当たりの壊変数
EA 酢酸エチル
EDCI N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
Et エチル
eq. 当量
HATU 2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,
1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
Hept ヘプタン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Hse L−ホモセリン
HV 高度真空
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
MCPBA メタ−クロロ過安息香酸
Me メチル
NMP N−メチルピロリドン
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
Ph フェニル
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Rf 保持係数
RT 室温
sat. 飽和
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
tBu tert−ブチル
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
保持時間
Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
【0101】
一般的製造ルート
式Iの種々の化合物は、下記のスキーム1及びスキーム1aに要約した一般的ルートを用いて製造することができる。
【0102】
【化8】

【0103】
がヒドロキシを表す式Iの化合物は、式IIの化合物を、任意に水の存在下、THF、EA、ジオキサン又はEtO等の適宜な有機溶媒中で、そして好ましくはRT付近の温度にて、HClにより、又はDCM又はMeCN等の適宜な溶媒中で、そして好ましくはRT付近の温度にて、トリメチルシリルブロミド又はトリメチルシリルヨージドにより処理することにより製造することができる(スキーム1)。
【0104】
【化9】

【0105】
が、R−OCHO−を表す、式IPDGの化合物は、適切な塩基(例えば、NEt、DIPEA)の存在下、DMF、NMP又はDMPU等の適切な溶媒中で、任意にNaIの存在下、そして好ましくは、45と90℃の間の温度にて、Rがヒドロキシを表す式Iのホスホン酸と、式R−OCH−X(Xは塩化物、臭化物又はヨウ化物である。)の適宜なハライド誘導体との反応により製造することができる(スキーム1a)。
【0106】
が、R−アルキル−NH−を表す,式IPDGの化合物は、適切な塩基(例えば、NEt)及び、2,2’−ジピリジルジスルフィドとPPhの組み合わせのような試薬の活性化混合物の存在下、無水ピリジン等の適切な溶媒中で、そして好ましくは、約60℃の温度にて、Rがヒドロキシを表す式Iのホスホン酸と式R−アルキル−NHの適宜なアミノ酸アルキルエステル(好ましくは、α−アミノ酸アルキルエステル)との反応により製造することができる(スキーム1a)。
【0107】
種々の合成中間体の製造:
式IIの化合物の製造
式IIの化合物は、下記のスキーム2、2a及び2bに要約したルートを用いて製造することができる。
【0108】
【化10】

【0109】
式Vの化合物は、NEt、DIPEA又はN−メチルモルフォリン等の適切な塩基の存在下、そしてDCM、THF又はDMF等の適切な溶媒中で、好ましくは、RT付近の温度にて、PyBOP等の標準的なペプチドカップリング法を用いて、式IIIの化合物を式IVの化合物とカップリングすることにより得ることができる(スキーム2)。
【0110】
次いで、得られた式Vの中間体は、任意にNEt、DIPEA又はN−メチルモルフォリン等の適切な塩基の存在下、式HNRのアミンとの芳香族置換反応により、Wが−NR−である式IIの化合物に変換することができ、反応は、THF、MeCN、DMF又はNMP等の適宜な溶媒中で、そして好ましくは80℃と160℃の間にて、マイクロ波オーヴン中で行われる。あるいは、Wが−NR−である式IIの化合物は、アセタート(2’−ジ−tert−ブチルホスフィノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)パラジウム等の適宜なパラジウム触媒の存在下、ナトリウムtert−ブトキシド等の適宜な塩基の存在下、そしてトルエン中で約90℃で加熱して、式HNRのアミンを用いて、Buchwald−Hartwig型の反応により得ることができる。
【0111】
さらに、式Vの中間体は、Suzuki反応の標準的な条件で、Rが水素又はアルキルである式R−B(OR)の試薬、そして好ましくはボロン酸又はエステル誘導体を用いて、KPO、NaCO又はKCO等の適宜な塩基の存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適宜なパラジウム触媒の存在下、DME/水又はジオキサン等の適切な溶媒中で、そして好ましくは80℃と100℃の間に加熱して、Wが結合である式IIの化合物に変換することができる。あるいは、式Vの中間体はまた、式R−MgBrのマグネシウム誘導体を用いて、アセチルアセトナート鉄(III)等の適切な鉄触媒の存在下、THF等の適切な溶媒中で、そして好ましくはRT付近の温度にて、Wが結合である式IIの化合物に変換することもできる(J.Am.Chem.Soc.、(2002)、13856−13863中のA.Fuerstnerらを見よ。)。さらに、式Vの中間体はまた、Stille反応の標準的な条件で、式R−SnBuの試薬、そして好ましくはトリブチルスタナン誘導体を用いて、トルエン等の適切な溶媒中で、そして好ましくは約130℃に加熱して、Wが結合である式IIの化合物に変換することができる。
【0112】
【化11】

【0113】
あるいは、式IIの化合物は、PyBOP、HOBT、EDCI塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、HATU等の標準的なペプチドカップリング法を用いて、任意にNEt、DIPEA又はN−メチルモルフォリン等の適切な塩基の存在下、DCM、THF又はDMF等の適切な溶媒中で、好ましくはRT付近の温度にて、式IIIの化合物を式VIの化合物とカップリングすることにより、スキーム2aに記載の通りに製造することができる。
【0114】
さらに、Wが結合であり、かつRがフェニルである式IIの化合物は、下記のスキーム2bに記載の通りに製造することができる。
【0115】
【化12】

【0116】
4−フェニル−ピリジン−2−カルボニトリルは、文献(J.Org.Chem.(1992)、57、6020−6025)の手順を用いて、容易に入手できる。この化合物は、MCPBA等の通常の酸化剤を使用して、DCM等の適宜な溶媒中で、室温と40℃の間の温度にて、ピリジンの酸化のための通常の条件を用いて酸化することができる。このようにして得られたピリジンオキシド誘導体は、通常の条件(例えば、塩化ホスホリルとの還流)を用いて塩素化することができる。シアノ基は、さらに通常の条件(例えば、濃塩酸との還流)を用いて加水分解することができる。クロロピリジン誘導体は、式IIIとVIの化合物に関するカップリング反応について上記した方法(スキーム2a)と同じ通常のカップリング法を用いて、塩化チオニル又は塩化オキサリル等の通常の試薬を用いて、又は、前記の通りに酸塩化物を製造することにより、式IIIの化合物にカップリングすることができる。最後に、式VIIの中間体は、式Vの中間体について記載したものと同じSuzuki反応の標準的な条件で(スキーム2を見よ。)、Rが水素又はアルキルである式R−B(OR)の試薬を用いて、式IIの化合物に変換することができる。
【0117】
類似の手順を、Wが結合であり、かつRが置換フェニル基である、式IIの化合物を得るために用いることができる。
【0118】
式IIIの化合物の製造
Zが結合であり、かつnが1である式IIIの化合物(以下、「式IIIB1の化合物」)は、下記のスキーム3に示すルートを用いて製造することができる。
【0119】
【化13】

【0120】
式IXの化合物は、Boc−3−ヨード−L−Ala−OMe又はBoc−3−ヨード−D−Ala−OMeを出発物質として、3工程で得ることができる:Arbuzov反応(例えば、還流下でP(OEt)を用いて)を行い、次いで、THF、MeOH又はEtOH等の適切な有機溶媒と水の混合物中のNaOH又はLiOH等の標準的な条件を用いたけん化反応を行い;最後に得られた酸中間体を、式IIの化合物の合成(スキーム2aを見よ。)に対して記載した方法のような標準的なペプチドカップリング法を用いて、式VIIIの化合物とカップリングする。次いで、当業者によく知られたBoc基の除去のための標準的な酸性条件、例えば、HCl又はTFA、を用いて、式IXの化合物から式IIIB1の化合物を得ることができる。
【0121】
Zが結合であり、かつnが2である式IIIの化合物(以下、「式IIIB2の化合物」)は、下記のスキーム3a及び3bに要約するルートを用いて製造することができる。
【0122】
アミノ基を保持する炭素が「R」配置を有する式IIIB2の化合物(以下、「式IIIB2Rの化合物」)は、従って、下記のスキーム3aに要約示すように製造することができる。
【0123】
【化14】

【0124】
まず、D−ホモセリンを、窒素原子上で、当業者に既知の標準的な条件を用いて、Cbz基で保護する。得られる中間体の対応するジシクロヘキシルアミン塩を製造し、そしてRT付近の温度にて、DMF中MeIを用いてメチルエステルを生成させることができる。次いで、ヒドロキシ官能基を、DCM等の適宜な溶媒中で、好ましくは0℃とRTの間にて、PPh及びCBr等の標準的な条件を用いて臭化物で置換する。式Xの化合物を得るための次の3工程は、式IXの化合物の合成に対して既に記載したような条件(スキーム3を見よ。)を用いて行うことができる。次いで、当業者に既知の標準的な条件を用いて、Cbz保護基を開裂することにより式IIIB2Rの化合物が得られる。
【0125】
アミノ基を保持する炭素が「S」配置を有する式IIIB2の化合物(以下、「式IIIB2Sの化合物」)は、従って、下記のスキーム3bに示すように製造することができる。
【0126】
【化15】

【0127】
式IIIB2Sの化合物を得るために、(S)−(+)−2−アミノ−4−ブロモ酪酸臭化水素酸塩を出発物質として合成を始めることができ、まず、当業者に既知の標準的な条件(例えば、MeOH中HCl)を用いてメチルエステルを形成し、酸上で保護する。次いで、当業者に既知の標準的な条件を用いて、Cbz基を窒素上に導入する。式XIの化合物を得るための次の3工程は、式IXの化合物の合成に対して既に記載したような条件(スキーム3を見よ。)を用いて行うことができる。Cbzの開裂は、当業者に既知の標準的な条件(例えば、MeOH中Pd/C)を用いて行うことができる。
【0128】
Zが結合であり、かつnが0である式IIIの化合物(以下、「式IIIB0の化合物」)は、下記のスキーム3cに要約するルートを用いて製造することができる。
【0129】
【化16】

【0130】
式XIIの化合物は、Cbz−α−ホスホノグリシントリメチルエステルを出発物質として、2工程で得ることができる:けん化反応は、THF、MeOH又はEtOH等の適切な有機溶媒と水の混合物中のNaOH又はLiOH等の標準的な条件を用いて行われる;得られた酸中間体を、式IIの化合物の合成(スキーム2aを見よ。)に対して記載した方法のような標準的なペプチドカップリング法を用いて、式VIIIの化合物とカップリングする。次いで、当業者に既知の、Cbz基の除去のための標準的な条件(例えば、EtOH中Pd/C)を用いて、式IIIB0の化合物を得ることができる。
【0131】
Zが結合であり、かつnが3である式IIIの化合物(以下、「式IIIB3の化合物」)は、下記のスキーム3dに要約するルートを用いて製造することができる。
【0132】
【化17】

【0133】
N−メチルモルフォリン等の適切な塩基の存在下、THF等の適切な溶媒中で、そして好ましくは約−15℃にて、クロロギ酸エステル試薬を用いて、Cbz−Glu−OMeの酸官能基上で混合無水物を形成することにより、ヒドロキシ化合物を得ることができる。混合無水物は、MeOHの存在下、−15℃付近の温度にて、NaBH等の適切な還元剤を用いて還元される。次いで、ヒドロキシ官能基は、イミダゾール、PPh及びI等の標準的な条件を用いて、THF等の適宜な溶媒中で、好ましくは0℃とRTの間にて、ヨウ化物により置換することができる。式XIIIの化合物を得るための次の3工程は、式IXの化合物の合成に対して既に記載したような条件(スキーム3を見よ。)を用いて行うことができる。次いで、当業者に既知の、Cbz基の除去のための標準的な条件(例えば、MeOH中Pd/C)を用いて、式IIIB3の化合物を得ることができる。
【0134】
Zがフェニルである式IIIの化合物(以下、「式IIIPhの化合物」)は、下記のスキーム3eに要約するルートを用いて製造することができる。
【0135】
【化18】

【0136】
Boc保護ヨードフェニルアラニン誘導体は、購入可能でない場合には、当業者に既知の標準的な条件を用いて、ヨードフェニルアラニン化合物から製造することができる。まず、Boc保護ヨードフェニルアラニン誘導体の酸官能基を、当業者に既知の標準的な条件を用いて、エチルエステルの形成により保護する。次いで、このように得られた化合物は、NEt等の適切な塩基の存在下、Pd(PPh等の適切なパラジウム触媒の存在下、MeCN等の適切な溶媒中で、そして好ましくは70℃付近に加熱して、亜リン酸ジエチルを用いてホスホン酸ジエチル誘導体に変換することができる。式IIIPhの化合物を得るための次の3工程は、式IIIB1の化合物の合成に対して既に記載したような条件(スキーム3を見よ。)を用いて行うことができる。
【0137】
式IVの化合物の合成
がフェニルである式IVの化合物は、下記スキーム4に示す反応を用いて製造することができる。
【0138】
【化19】

【0139】
出発物質2−メチル−6−フェニル−1H−ピリジン−4−オンは、文献(J.Med.Chem.(2004)、47、4277−4285)の手順を用いて、容易に入手することができる。この物質は、通常の条件(例えば、塩化ホスホリルとの還流)で塩素化され、4−クロロ−2−メチル−6−フェニル−ピリジンを生成する。次いで、4−クロロ−2−メチル−6−フェニル−ピリジンは、二酸化セレンの存在下、ジオキサン/水中で還流することにより、4−ヒドロキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸に酸化することができる。得られる化合物が、不純物としてEtOHを含む場合は、次いで、POCl中で還流することにより、塩素化し、そしてエステル化することができる。最後に、スキーム3に記載したような標準的なけん化方法により、Rがフェニルである式IVの化合物を得ることができる。
【0140】
類似の手順を、Wが結合であり、かつRが置換フェニル基である式IVの化合物を得るために用いることができる。
【0141】
式VIの化合物の製造
式VIの化合物は、下記スキーム5に示す反応を用いて製造することができる。
【0142】
【化20】

【0143】
Wが−NR−である式VIの化合物は、式HNRのアミンとの式IVの化合物の芳香族置換反応により、Wが−NR−である式IIの化合物の合成(スキーム2を見よ。)に対して記載したような条件を用いて得ることができる。
【0144】
さらに、Wが−O−である式VIの化合物は、式NaORのナトリウムアルコキシドとの式IVの中間体の芳香族置換反応により得ることができ、この反応は、、対応する式HORのアルコール又はTHF等の適切な溶媒中で、そして好ましくは還流温度にて行われる。
【0145】
式VIIIの化合物の製造
式VIIIの化合物は、国際公開公報第2006/114774号に記載のルートを用いて製造することができる(一般的製造ルートの、スキーム5及び5aの式Vの化合物の製造を見よ。)。
【0146】
本発明の特定の態様を以下の実施例に記載するが、これらは本発明をより詳しく説明するためのものであり、いかなる意味においても、その範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0147】
使用された定性分析法:
H−NMR(400MHz)は、Brucker Avance 400装置で測定した。化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、hex−六重項、hept=七重項、m=多重項、br=広域:
LC−MS保持時間は、次の溶出条件を用いて得られた。
【0148】
X−terra(登録商標)カラム(MS C18.5μm、2.1x50mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は次の通りである:溶媒A=水+0.06%ギ酸;溶媒B=MeCN+0.06%ギ酸。溶出速度は3ml/分であり、溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する。(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0149】
【表1】

【0150】
使用した分取用LC−MS法:
分取用LC−MSによる精製は、関連する実施例に他の記載が無い限り、下記の一般的条件を用いて、Phenomenex(登録商標)カラム(分取用LC−MS法(I)〜(IV))又はX−terra(登録商標)カラム(分取用LC−MS法(V))を用いて行った。
【0151】
分取用LC−MS法(I)〜(IV)
Phenomenex(登録商標)カラム(Gemini 10u C18 110A Ax 50x21.2mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は次の通りである:溶媒A=水+1%ギ酸;溶媒B=MeCN+1%ギ酸。溶出速度は50mL/分であった。溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0152】
【表2】

【0153】
【表3】

【0154】
【表4】

【0155】
【表5】

【0156】
分取用LC−MS法(V)
X−Terra(登録商標)カラム(Prep MS C18 OBD(登録商標)、10u 30x75mm)を使用した。2種類の溶出溶媒は、Phenomenex(登録商標)カラムについて記載した通りであった。溶出速度は100mL/分であった。溶出混合液の割合における特徴を、溶出の開始からの時間tの関数として、下記の表に要約する(2つの連続した時点の間では直線的勾配を採用する):
【0157】
【表6】

【0158】
CCにたいして使用した固定相:
CCによる精製は、他の記載がない限り、シリカゲルを用いて行った。逆相については、BiotageのISOLUTE(登録商標)C18を使用した。RP18は、LiChroprep(登録商標)RP−18(15−25μM)、Merckに対する略語である。
【0159】
実施例1:4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
1.1(S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
二炭酸二−tert−ブチル(27.5g)を、(S)−3−ヒドロキシピロリジン(10g)とNEt(32ml)のDCM(240ml)中の溶液に少しづつ添加した。反応混合物をRTにて一晩攪拌した。水を添加し、そして有機相を分離した。sat.aq.NHCl、sat.aq.NaHCO及びbrine(塩水)で洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の化合物(21.4g)を得た。H−NMR(CDCl):4.43(br. s、1H);3.40(m、4H);2.70(m、1H);1.93(m、2H);1.46(s、9H)。
【0160】
1.2. (S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル:
中間体1.1(22g)のTHF(300mL)中の氷冷溶液に、NaH(7.7g、鉱油中の55%分散体)を分割して添加した。反応混合物をRTにて30min攪拌し、0℃に冷却し、そしてMeI(11mL)を滴下した。攪拌を、RTにてさらに2h続けた。水とエタノールアミン(14mL)を反応混合物に添加し、それを15min攪拌した。有機相を分離し、そして水相をDCMで3回抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、黄色の油状物(27.5g)を得た。H−NMR(CDCl):3.94(br. s、1H);3.44(m、4H);3.35(s、3H);1.99(m、2H);1.48(s、9H)。
【0161】
1.3. (S)−3−メトキシ−ピロリジン塩酸塩:
中間体1.2(27.5g)を、EA中1M HCl(300mL)中に溶解し、そしてEA中3M HCl(50mL)を添加した。反応混合物をRTにて一晩攪拌し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をEtO(500mL)中に取り、そして化合物を沈殿させた。懸濁液を1h攪拌し、ろ過し、そして粉末をEtOで洗浄した。HV乾燥により所望の塩酸塩(13.9g)を得た。H−NMR(CDCl):9.84(br. s、1H);4.10(br s、1H);3.43(m、4H);3.33(s、3H);2.19(m、1H);2.04(m、1H)。
【0162】
1.4. (Z)−4−フェニルアミノ−ペント−3−エン−2−オン:
2,4−ペンタンジオン(51.5ml)、アニリン(45.6mL)及び触媒量のパラ−トルエンスルホン酸一水和物(0.95g)の、トルエン(500mL)中の溶液を、Dean−Stark装置及びコンデンサを備えた丸底フラスコ中で3.5h還流した。溶液を濃縮乾固し、所望の化合物をオレンジ色の油状物(89.3g)として得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:176.14。
【0163】
1.5. 2−メチル−6−フェニル−1H−ピリジン−4−オン:
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(157g)の、THF(830mL)中の、-78℃に冷却した溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、697mL)を45minに渡って添加した。−78℃にて25min攪拌した後、中間体1.4(63g)のTHF(200mL)中の溶液を25minに渡って、次いで、ベンゾニトリル(47.9mL)のTHF(200mL)中の溶液を30minに渡って、混合物に添加した。冷却バスを除き、そして混合物を1.5hに渡って−56℃に温めた。HCl(32%、186.5g)、次いで水(400mL)及びTHF(200ml)を添加した。相を分離した。有機相を水で洗浄し、そしてHCl(32%、150mL)、次いで水(200ml)を添加した。相を分離し、そして水相を蒸発させた。残渣をトルエン中に取り、そして蒸発乾固し、249gの所望の化合物を13%の純度で得た。さらなる精製は行わなかった。LC−MS:t=0.64min;[M+H]:186.25。
【0164】
1.6. 4−クロロ−2−メチル−6−フェニル−ピリジン:
中間体1.5(233g)をPOCl(83mL)中に溶解し、そしてDMFを添加した(0.15ml)。混合物を4h還流しそして冷却した。トルエンを添加し、そして混合物を蒸発させた。残渣をEA/水中に取り、そして32 %NaOHを、pH7になるまで添加した。相を分離し、そして水相をEAで洗浄した。合わせた有機相を蒸発乾固した。粗生成物をCC(EA/Hept、1/9)で精製し、そして得られた油状物をTBME中に取った。有機層を0.5M HCl、sat.NaHCO、水で洗浄し、そして蒸発乾固して、所望の化合物をオレンジ色の油状物(31.2g)として得た。LC−MS:t=0.83min;[M+H]:203.92。
【0165】
1.7. 4−ヒドロキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸:
二酸化セレン(33.8g)に、中間体1.6(31g)、次いでジオキサン(165mL)を添加した。混合物を加熱還流した。4.5h後、水(0.274mL)を添加し、そして加熱を一晩続けた。水(2.5mL)を添加し、そして混合物をさらに7h還流した。混合物を0℃に冷却し、二酸化セレン(16.9g)を添加し、そして混合物をRTにて90h攪拌した。セライトを添加し、そして得られた混合物を、セライトのパッド上でろ過した。フィルターケークをMeOHで洗浄し、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物を酢酸イソプロピル(400mL)中に懸濁し、そして1h加熱還流した。酢酸イソプロピルを除き、EtOH(400mL)を添加し、そして再び1h加熱還流した。EtOHを除き、そしてEtOH(400mL)とHCl(32%、30mL)を添加した。混合物を3h還流加熱し、そして蒸発させて、なおEtOHを含む所望の化合物(52g)を得た。LC−MS:t=0.60min;[M+H]:216.11。
【0166】
1.8. 4−クロロ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.7(34g、EtOHを含む。)をPOCl(72mL)中に溶解し、そして混合物を3h加熱還流した。POClを留去し、残った残渣をDCMで希釈し、そして水を添加した。層をろ過し、そして分離した。水層をDCMで洗浄した。合わせた有機相を蒸発させた。粗生成物をCC(酢酸イソプロピル/メチルシクロヘキサン、1/3)で精製し、所望のエチルエステル化合物を茶色がかった固体(29.11g)として得た。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:262.10。
【0167】
1.9. ナトリウム 4−クロロ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボキシレート:
NaOH(水中32%、50mL)を、中間体1.8(20.1g)の、EtOH/水(2/1、150mL)中の溶液に添加した。混合物をRTにて1h攪拌し、そしてEtOHを蒸発させた。懸濁液をろ過した。水性の母液を酢酸イソプロピルで洗浄し、32%HCl溶液で酸性化し、そしてDCMで抽出した。ろ過した固形物を、32%HCl溶液とDCMの混合物に添加した。層を分離し、そして水層をDCMで洗浄した。すべての有機層を合わせ、そして蒸発乾固し、20gの黒色の油状物を得た。この油状物をMeOH(150mL)中に取り、そしてNaOH(水中32%水、10mL)を添加した。水(150mL)を添加して、懸濁液とした。MeOHを蒸発させ、懸濁液をろ過し、そして固形物を水で洗浄した。HV乾固の後、所望の化合物を白色の粉末(17g)として得た。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:234.09。
【0168】
1.10. 4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸:
中間体1.3(963mg)、中間体1.9(1.49g)及びDIPEA(2.2mL)の、THF(2mL)中の溶液を、110℃にて10h、そして140℃にて6h、マイクロ波オーヴン中で加熱した。水を添加し、そして混合物をEAで抽出した。水相を1M HClでpH5に酸性化し、そしてDCMで抽出した。合わせた有機相を乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(溶出液A:EA;溶出液B:MeOH;勾配:20%から40%Bへ)で精製し、所望の化合物を茶色がかったフォーム(1.06g)として得た。LC−MS:t=0.70min;[M+H]:299.08。
【0169】
1.11. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸:
H−Hse−OH(5g)のジオキサン/2M NaOH(168mL/42mL)中の氷冷溶液に、ベンジルクロロギ酸エステル(6.7mL)を、15minに渡って滴下した。反応混合物をRTに温め、そしてRTにて一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして水性の残渣をEtOで抽出し、そして2M HCl溶液で酸性化した。水相をDCMで抽出した。DCM層を合わせ、水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の生成物を白色の粉末(6.2g)として得た。LC−MS:t=0.71min;[M+H]:254.37。
【0170】
1.12. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸 ジシクロヘキシルアミン塩:
中間体1.11(6.2g)のEtOH(41mL)中の溶液に、ジシクロヘキシルアミン(3.7mL)を滴下した。溶媒を除き、そして白色の粉末をEtOに懸濁した。懸濁液をろ過し、そして白色の固体(7.38g)を真空乾燥した。LC−MS:t=0.66min;[M+H]:254.07。
【0171】
1.13. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸 メチルエステル:
MeI(3mL)を、中間体1.12(7.38g)の無水DMF(112mL)中の懸濁液に滴下した。反応混合物をRTにて48h攪拌した。MeI(3mL)を添加し、そして反応混合物を一晩攪拌した。溶媒を除いた。残渣をEA/水中に取り、そして有機相をチオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(EtO)で精製し、所望の化合物を白色の粉末(3.1g)として得た。LC−MS:t=0.79min;[M+H]:268.12。
【0172】
1.14. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ブロモ−酪酸 メチルエステル:
樹脂上のPPh(1.6mmol/g、16g)を、中間体1.13(3.1g)及びCBr(8.7g)の、無水DCM(150mL)中の氷冷溶液に添加した。反応混合物を0℃にて2h攪拌し、そしてRTに温めた。樹脂をろ過し、そして溶液を蒸発させた。粗生成物をCC(EA/Hept、0/1から1/0へ)で精製し、所望の化合物を無色の油状物(968mg)として得た。LC−MS:t=0.99min;[M+H]:330.02。
【0173】
1.15. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−酪酸 メチルエステル:
中間体1.14(1.39g)を、亜リン酸トリエチル(9.9mL)に溶解した。混合物を130℃にて一晩攪拌し、そして蒸発乾固した。粗生成物をCC(Hept/EA、1/3から0/1へ、次いでEA/MeOH、9/1)で精製し、無色の油状物(1.24g)を得た。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:387.93。
【0174】
1.16. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−酪酸:
水酸化リチウム水和物(3.2mL中268mg)の水溶液を、中間体1.15(1.24g)のTHF(13mL)中の溶液に添加した。反応混合物RTにて一晩攪拌し、そしてDCMと1M HCl溶液(60mL)を添加した。相を分離し、そして水相をDCMで3回抽出した。有機相を合わせ、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の生成物を無色の樹脂(1.19g)として得た。LC−MS:t=0.83min;[M+H]:374.07。
【0175】
1.17. 4−[(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.16(310mg)のTHF/DCM(1mL/4mL)中の溶液に、EDCI塩酸塩(191mg)、HOBT水和物(152mg)及びDIPEA(0.156mL)を添加した。RTにて5min攪拌した後、1−エトキシカルボニルピペラジン(134mg)を添加し、そして攪拌をRTにて一晩続けた。DCMと水を添加した。相を分離した。有機相を、sat.aq.NaCOで、aq.1M NaHSOで、塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の化合物を黄色の油状物(229mg)として得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:514.09。
【0176】
1.18. 4−[(R)−2−アミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.17(200mg)を、Pd/C(wet、5%、25mg)を用いて、24h、MeOH(3mL)中で水素化した。混合物をセライトを通してろ過し、そして溶媒を蒸発させた。HV乾燥により、所望の化合物を薄黄色の油状物(138mg)として得た。LC−MS:t=0.65min;[M+H]:380.59。
【0177】
1.19. 4−((R)−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.10(78mg)及び中間体1.18(100mg)のDCM(1mL)中の溶液に、PyBOP(151mg)とDIPEA(0.05mL)を添加した。溶液を、RTにて、完了するまで攪拌した。DCMで希釈し、そしてを水と塩水で洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物を分取用LC−MS(I)で精製し、所望の生成物を黄色の油状物(113mg)として得た。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:660.66。
【0178】
1.20. 4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19(55mg)の無水MeCN(1mL)中の溶液に、トリメチルシリル ブロミド(0.225mL)を滴下した。反応混合物をRTに温め、そして完了までRTにて攪拌した。水(1mL)を添加し、混合物を、加水分解の完了まで攪拌し、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物を分取用LC−MS(IV)で精製し、白色の粉末(8mg)を得た。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:604.47。
【0179】
実施例2:4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2.1. ピペラジン−1,4−ジカルボン酸 ブチルエステル tert−ブチルエステル:
ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(150g)の、4℃に冷却したDCM(1.05L)中の溶液に、NEt(123.6mL)、次いでn−ブチル クロロギ酸エステル(107mL)を、30minに渡って滴下した。冷却バスを除き、そして反応混合物を2.5hに渡ってRTに温めた。水を添加し、相を分離し、そして水相をDCMで抽出した。合わせた有機相を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、242.8gの油状物を得た。化合物を直接、次の工程に付した。TLC:(EA/Hept、1/1) Rf=0.7。
【0180】
2.2.ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル 塩酸塩:
中間体2.1(230.5g)のMeOH(1L)中の冷却(15℃)溶液に、ジオキサン中4M HCl(604mL)を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌し、そして蒸発乾固した。残渣をTBME(800mL)中に懸濁し、そして混合物を30min攪拌し、そしてろ過した。固形物をHV下で乾燥し、白色の固体(176g)を得た。H−NMR(CDCl):6.12(br. s、1H);5.71(br. s、1H);4.11(m、4H);3.77(s、3H);2.33(m、2H);1.41(s、9H);1.33(m、6H)。
【0181】
2.3. 4−[(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体2.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:542.05。
【0182】
2.4. 4−[(R)−2−アミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.17を中間体2.3に置き換えて、実施例1、工程1.18の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.73min;[M+H]:408.61。
【0183】
2.5. 4−((R)−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.18を中間体2.4に置き換えて、実施例1、工程1.19の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物を分取用LC−MS(I)で精製した。
LC−MS:t=0.90min;[M+H]:688.74。
【0184】
2.6. 4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体2.5に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.80min;[M+H]:632.11。
【0185】
実施例3:4−((R)−2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
3.1. (R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオン酸 メチルエステル:
Boc−3−ヨード−L−Ala−OMe(10g)を、亜リン酸トリエチル(79.7mL)に溶解した。混合物を140℃にて15h加熱し、そして蒸発乾固し、所望の化合物(9.37g)を得た。それをさらに精製することなく次の工程で用いた。H−NMR(CDCl):6.12(br. s、1H);5.71(br. s、1H);4.11(m、4H);3.77(s、3H);2.33(m、2H);1.41(s、9H);1.33(m、6H)。
【0186】
3.2. (R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオン酸:
中間体1.15を中間体3.1に置き換えて、実施例1、工程1.16の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を、イソプロパノールを用いた再結晶化により精製した。LC−MS:t=0.72min;[M+H]:326.08。
【0187】
3.3. 4−[(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.16を中間体3.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.86min;[M+H]:466.46。
【0188】
3.4. 4−[(R)−2−アミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.3(1.520g)の、10℃に冷却したDCM(1.38mL)中の溶液に、TFA(2.29mL)を15minに渡って添加した。添加完了後、冷却バスを除き、そして混合物をRTにて一晩攪拌した。混合物を0℃に冷却し、2M NaOHをpH12になるまで添加することによりクェンチし、そしてDCMで希釈した。相を分離した。有機相をDCMで抽出し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の化合物(807mg)を得た。LC−MS:t=0.64min;[M+H]:366.43。
【0189】
3.5. 4−[(R)−2−[(6−クロロ−2−フェニル−ピリミジン−4−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.18を中間体3.4に置き換え、そして中間体1.10を中間体1.9に置き換えて、実施例1、工程1.19の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(溶出液A:DCM;溶出液B:MeOH;一番目のCC:1%から10%Bへ;2番目のCC:2%B)で精製した。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:581.44。
【0190】
3.6. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.5(100mg)、4−メトキシフェニルボロン酸(32mg)及びPd(PPh(6mg)の、DME(1mL)と2M NaCO(0.173mL)中の混合物を、アルゴン下、80℃にて一晩攪拌した。混合物を、セライトを通してろ過し、ケークをEAで洗浄し、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(溶出液A:DCM;溶出液B:MeOH;勾配:2%から20%Bへ)で精製し、所望の化合物(80mg)を得た。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:653.68。
【0191】
3.7. 4−((R)−2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3 ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.6(80mg)の、ジオキサン中4M HCl(2.5mL)と水(0.25mL)中の溶液を、反応完了までRTにて攪拌した。トルエンを添加し、そして混合物を蒸発させた。粗生成物を分取用LC−MS(II)で精製し、所望の化合物(32mg)を得た。LC−MS:t=0.93min;[M+H]:597.71。
【0192】
実施例4:4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
4.1. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(6−フェニル−4−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
4−メトキシフェニルボロン酸をチオフェン−3−ボロン酸に置き換えて、実施例3、工程3.6の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.05min;[M+H]:629.67。
【0193】
4.2. 4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3 ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.6を中間体4.1に置き換えて、実施例3、工程3.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物を分取用LC−MS(II)で精製した。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:573.50。
【0194】
実施例5:4−{(R)−2−[(4,6−ジフェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
5.1. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(4,6−ジフェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
4−メトキシフェニルボロン酸をフェニルボロン酸に置き換えて、実施例3、工程3.6の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:623.57。
【0195】
5.2. 4−{(R)−2−[(4,6−ジフェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.6を中間体5.1に置き換えて、実施例3、工程3.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物を、分取用LC−MS(II)、次いでCC(逆相;溶出液A:水/TFA、100/1;溶出液B:MeCN/TFA、100/1;勾配:5%から90%Bへ)で精製した。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:567.51。
【0196】
実施例6:4−{(R)−2−[(4−シクロプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
6.1. 4−[(R)−2−[(4−シクロプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
4−メトキシフェニルボロン酸をシクロプロピルボロン酸に置き換えて、実施例3、工程3.6の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.01min;[M+H]:587.69。
【0197】
6.2. 4−{(R)−2−[(4−シクロプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3 ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.6を中間体6.1に置き換えて、実施例3、工程3.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物を、分取用LC−MS(III)、次いでCC(逆相;溶出液A:水/TFA、100/1;溶出液B:MeCN/TFA、100/1;勾配:5%から90%Bへ)で精製した。LC−MS:t=0.87min;[M+H]:531.46。
【0198】
実施例7:4−((R)−2−{[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
7.1. 4−((R)−3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.5(50mg)と(R)−3−ピロリジノール(31mg)のTHF(1mL)中の溶液を、マイクロ波オーヴン中で、160℃にて30min加熱した。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物を、次の工程で直接使用した。LC−MS:t=0.70min;[M+H]:604.40。
【0199】
7.2. 4−((R)−2−{[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体7.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.68min;[M+H]:576.20。
【0200】
実施例8:4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
8.1. 4−((R)−3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−{[4−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.5(50mg)と2−メトキシ−エチルアミン(0.5mL)のTHF(1mL)中の溶液を、マイクロ波オーヴン中で、160℃にて5h加熱した。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物を次の工程で直接使用した。LC−MS:t=0.73min;[M+H]:592.50。
【0201】
8.2. 4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体8.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.71min;[M+H]:564.30。
【0202】
実施例9:4−((R)−2−{[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
9.1. 4−((R)−3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−{[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−メトキシ−エチルアミンをエタノールアミンに置き換えて、実施例8、工程8.1の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.69min;[M+H]:578.58。
【0203】
9.2. 4−((R)−2−{[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体9.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.67min;[M+H]:550.37。
【0204】
実施例10:4−[(R)−2−({4−[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
10.1. 4−[(R)−3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−({4−[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.5(50mg)とN−(2−メトキシエチル)メチルアミン(39μL)の、NMP(1mL)中の溶液を、マイクロ波オーヴン中で、120℃にて1h加熱した。10eq.のN−(2−メトキシエチル)メチルアミンを添加し、そして混合物を120℃にて8h加熱した。さらに10eq.のN−(2−メトキシエチル)メチルアミンを添加し、そして混合物を120℃にて6h加熱した。溶媒を除き、そして粗生成物を次の工程で直接使用した。LC−MS:t=0.74min;[M+H]:606.40。
【0205】
10.2. 4−[(R)−2−({4−[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリジン−2 カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体10.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.71min;[M+H]:578.58。
【0206】
実施例11:4−{(R)−2−[(4−ベンジルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
11.1. 4−[(R)−2−[(4−ベンジルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.5(50mg)とベンジルアミン(192μL)の、NMP(1mL)中の溶液を、マイクロ波オーヴン中で、120℃にて12h加熱した。20eq.のベンジルアミンを添加し、そして混合物を120℃にて6h加熱した。溶媒を除き、そして粗生成物を次の工程で直接使用した。LC−MS:t=0.89min;[M+H]:624.66。
【0207】
11.2. 4−{(R)−2−[(4−ベンジルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体11.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.78min;[M+H]:596.06。
【0208】
実施例12:4−(−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ホスフォノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
12.1. ベンジルオキシカルボニルアミノ−(ジメトキシ−ホスフォリル)−アセテート・リチウム塩:
Cbz−α−ホスフィノグリシン トリメチルエステル(1.6g)をEtOH(5mL)中に溶解し、そしてLiOH.HO(408mg)のMeOH/HO(5mL/2mL)中の溶液で処理した。混合物を0℃にて30min攪拌し、そして溶媒を除いた。粗生成物(1.5g)次の工程で直接使用した。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:318.06。
【0209】
12.2. 4−[2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(ジメトキシ−ホスフォリル)−アセチル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体12.1(1.5g)のDCM(5mL)中の溶液に、DIPEA(3.4mL)とHATU(2.2g)を添加した。RTにて10min攪拌した後、中間体2.2(1.1g)を添加した。反応混合物をRTにて一晩攪拌し、そしてHOを添加した。相を分離し、有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(Hept/EA、2/8)で精製し、所望の化合物(1.1g)を得た。LC−MS:t=0.95min;[M+H]:486.01。
【0210】
12.3. 4−[2−アミノ−2−(ジメトキシ−ホスフォリル)−アセチル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.17を中間体12.2に置き換えて、実施例1、工程1.18の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.67min;[M+H]:352.55。
【0211】
12.4. 4−(2−(ジメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.18を中間体12.3に置き換えて、実施例1、工程1.19の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(EA/MeOH、1/0から1/9へ)で精製した。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:632.31。
【0212】
12.5. 4−(−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ホスフォノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体12.4に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(逆相;溶出液A:HO/TFA、100/1;溶出液B:MeCN/TFA、100/1;勾配:5から90%Bへ)で精製した。LC−MS:t=0.77min;[M+H]:604.47。
【0213】
実施例13:4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
13.1. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−ペンタン酸 メチルエステル:
Cbz−Glu−OMe(1.5g)のTHF(70mL)中の冷(−15℃)溶液に、N−メチルモルフォリン(0.616mL)、次いでイソブチル クロロギ酸エステル(0.731mL)を滴下した。−15℃にて30min攪拌した後、NaBH(576mg)、次いでMeOHを滴下した。反応混合物を−10℃にて15min攪拌し、そして1M KHSO溶液の添加によりクェンチした。混合物をEAで抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、粗生成物を無色の油状物(1.5g)として得た。LC−MS:t=0.82min;[M+H]:282.11。
【0214】
13.2. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−ヨード−ペンタン酸 メチルエステル:
中間体13.1(1.4g)のTHF(40mL)中の溶液に、イミダゾール(545mg)とPPh(1.97g)を添加した。混合物を0℃に冷却し、そしてヨウ素(1.9g)を分割して添加した。10min後、反応混合物をRTに温め、そしてRTにて4h攪拌した。Naの水溶液を混合物に添加し、それをさらにEtOで希釈した。相を分離し、そして有機相を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして蒸発させて、粗生成物化合物を黄色の油状物(3.5g)として得た。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:391.87。
【0215】
13.3. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタン酸 メチルエステル:
中間体1.14を中間体13.2に置き換えて、実施例1、工程1.15の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:402.02。
【0216】
13.4. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタン酸:
中間体1.15を中間体13.3に置き換えて、実施例1、工程1.16の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.80min;[M+H]:388.19。
【0217】
13.5. 4−[(S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体13.4に置き換え、そして中間体1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体2.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:555.98。
【0218】
13.6. 4−[(S)−2−アミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.17を中間体13.5に置き換えて、実施例1、工程1.18の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.74min;[M+H]:422.12。
【0219】
13.7. 4−((S)−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.18を中間体13.6に置き換えて、実施例1、工程1.19の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、10/1から9/1へ)で精製した。
LC−MS:t=0.91min;[M+H]:702.13。
【0220】
13.8. 4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体13.7に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(逆相、水/MeCN、1/0から0/1へ)、次いで分取用TLC(EA/MeOH、2/1)で精製した。LC−MS:t=0.80min;[M+H]:646.10。
【0221】
実施例14:4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
14.1. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシ−ペンタン酸 メチルエステル:
Cbz−Glu−OMeをCbz−D−Glu−OMeに置き換えて、実施例13、工程13.1の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.82min;[M+H]:282.11。
【0222】
14.2. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−ヨード−ペンタン酸 メチルエステル:
中間体13.1を中間体14.1に置き換えて、実施例13、工程13.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:391.84。
【0223】
14.3. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタン酸 メチルエステル:
中間体1.14を中間体14.2に置き換えて、実施例1、工程1.15の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.92min;[M+H]:402.02。
【0224】
14.4. (R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタン酸:
中間体1.15を中間体14.3に置き換えて、実施例1、工程1.16の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.80min;[M+H]:388.09。
【0225】
14.5. 4−[(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体14.4に置き換え、そして中間体1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体2.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(Hept/EA、2/8、次いでEA/MeOH、10/1)で精製した。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:556.02。
【0226】
14.6. 4−[(R)−2−アミノ−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.17を中間体14.5に置き換えて、実施例1、工程1.18の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.74min;[M+H]:422.13。
【0227】
14.7. 4−((R)−5−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.18を中間体13.6に置き換えて、実施例1、工程1.19の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、8/2、次いでEA/MeOH、9/1)で精製した。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:702.42。
【0228】
14.8. 4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体14.7に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(逆相、水/MeCN、1/0から0/1へ)、次いで分取用TLC(EA/MeOH、2/1)で精製した。LC−MS:t=0.80min;[M+H]:646.12。
【0229】
実施例15:4−((R)−2−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
15.1. 4−[(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体3.2に置き換え、そして中間体1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体2.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を、CC(1番目のCC:Hept/EA、88/12から0/100へ、次いでEA/MeOH、9/1、次いでEA/MeOH/NEt、8/2/0.1;2番目のCC:Hept/EA、1/1から0/1へ)で2回精製した。LC−MS:t=0.94min;[M+H]:494.54。
【0230】
15.2. 4−[(R)−2−アミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体3.3を中間体15.1に置き換えて、実施例3、工程3.4の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.73min;[M+H]:394.37。
【0231】
15.3. 4−フェニル−ピリジン−2−カルボニトリル:
4−フェニルピリジンN−オキシド(5g)のDCM(50mL)中の溶液に、RTにて、トリメチルシリルシアニド(11mL)、次いでアセチルクロリド(3.1mL)を、10minに渡って添加した。反応混合物をRTにて一晩攪拌した。10%NaCO水溶液を添加し、そして混合物をEAで抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。シリカゲルのプラグ上のろ過(Hept/EA、1/1)により、所望の化合物(450mg)を得た。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:181.52。
【0232】
15.4. 1−オキシ−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニトリル:
MCPBA(766mg)を、中間体15.3(400mg)のDCM(10mL)中の溶液に、RTにて添加した。反応混合物を、48hの間40−45℃に加熱した。反応混合物をろ過し、そして固形物をDCMで洗浄した。溶液を濃縮し、そしてEtOを残渣に添加した。このようにして得られた懸濁液をろ過し、そして白色の固体を最初のバッチと合わせて、所望の化合物(410mg)を得た。LC−MS:t=0.83min;[M+H]:197.48。
【0233】
15.5. 6−クロロ−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニトリル:
中間体15.4(400mg)に、RTにて、POCl(5.3mL)を添加し、そして懸濁液を、還流下にて2h攪拌した。反応混合物を注意深く氷冷NaOH溶液に添加した。得られた懸濁液をろ過し、そして白色の固体を水で洗浄し、そしてHV下で乾燥して、所望の生成物(350mg)を得た。LC−MS:t=1.06min;[M+H+CHCN]:257.30。
【0234】
15.6. 6−クロロ−4−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸:
conc.HCl(37%、12mL)中の中間体15.5(350mg)を、2h加熱還流した。反応混合物を、氷冷水(100mL)とconc.NaOH溶液(32%、10mL)に添加した。水相をEAで2回抽出した。合わせた有機相をconc.HClと塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の化合物(330mg)を得た。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:234.13。
【0235】
15.7. 4−[(R)−2−[(6−クロロ−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体15.6(300mg)のMeCN(6mL)中の氷冷溶液に、塩化オキサリル(0.109mL)を添加した。混合物をRTに温め、再び0℃に冷却し、そしてNEt(0.357mL)、次いで中間体15.2(505mg)のMeCN(4mL)中の溶液をゆっくりと添加した。混合物をRTに温め、そしてRTにて20h攪拌した。中間体15.2(150mg)を添加し、そして混合物をRTにて2h攪拌した。中間体15.2(150mg)を再び添加し、そして混合物をRTにて3h攪拌した。EAと水を混合物に添加した。有機相をNaCO溶液と塩水で洗浄した。水相をEAで抽出し、そして合わせた有機相を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の生成物を茶色の油状物(950mg)として得た。LC−MS:t=1.06min;[M+H]:609.04。
【0236】
15.8. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体15.7(100mg)、2−フルオロベンゼンボロン酸(30mg)、KPO(70mg)及びPd(PPh(9.5mg)の、ジオキサン(0.5mL)中の混合物を、アルゴン下、110℃にて一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた。粗生成物を分取用TLC(DCM/アセトン、5/3)で精製し、所望の化合物を無色の油状物(35mg)として得た。LC−MS:t=1.12min;[M+H]:669.59。
【0237】
15.9. 4−((R)−2−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体3.6を中間体15.8に置き換えて、実施例3、工程3.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(III)で精製した。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:613.20。
【0238】
実施例16:4−((R)−2−{[4−フェニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
16.1. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−フェニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−フルオロベンゼンボロン酸を3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸に置き換えて、実施例15、工程15.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.15min;[M+H]:719.72。
【0239】
16.2. 4−((R)−2−{[4−フェニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体15.8を中間体16.1に置き換えて、実施例15、工程15.9の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.02min;[M+H]:663.55。
【0240】
実施例17:4−((R)−2−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
17.1. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−フルオロベンゼンボロン酸を4−フルオロベンゼンボロン酸に置き換えて、実施例15、工程15.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.12min;[M+H]:669.97。
【0241】
17.2. 4−((R)−2−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体15.8を中間体17.1に置き換えて、実施例15、工程15.9の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:613.67。
【0242】
実施例18:4−{(R)−2−[(4−フェニル−6−p−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
18.1. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(4−フェニル−6−p−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−フルオロベンゼンボロン酸を4−トリルボロン酸に置き換えて、実施例15、工程15.8の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.13min;[M+H]:665.73。
【0243】
18.2. 4−{(R)−2−[(4−フェニル−6−p−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体15.8を中間体18.1に置き換えて、実施例15、工程15.9の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.00min;[M+H]:609.18。
【0244】
実施例19:4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
19.1. (E)−3−トリブチルスタンナニル−プロプ−2−エン−1−オール((E)−3−tributylstannanyl−prop−2−en−1−ol):
ニートのプロパルギルアルコール(1.77mL)に、水素化トリブチルスズ(10.3mL)、次いで1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(378mg)を添加した。混合物を80℃にて2.5h加熱し、RTに冷却し、そして直接CC(EA/Hept、5/95)で精製し、所望の化合物(5.4g)を得た。H−NMR(CDCl):6.22(m、2H);4.20(m、2H);1.57−1.28(m、18H);0.92(t、9H)。
【0245】
19.2. ((1R,2S)−2−トリブチルスタンナニル−シクロプロピル)−メタノール:
ジメトキシエタン(1.8mL)の、−13℃に冷却した無水DCM(70mL)中の溶液に、内部温度を−12.5℃付近に保ちつつ、アルゴン下、ジエチル亜鉛(18.5mL)、次いでDCM(20mL)中ジヨードメタン(3mL)を、30minの間に渡ってゆっくりと添加した。添加完了後、得られた溶液を、−10℃にて30min攪拌した。(4R,5R)−2−ブチル−N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサミドの、DCM(25mL)中の溶液を、ゆっくりと添加して、内部温度を−10℃未満に保ち、次いで、すぐに中間体19.1(3.2g)のDCM(25mL)中の溶液を滴下した(内部温度は−10℃と−8℃の間。)。冷却バスを除き、そして反応混合物をRTに温め、そしてRTにて一晩攪拌した。aq.NHCl溶液(10mL)と1M aq.HCl溶液(10mL)を用いて、反応をクェンチした。混合物をHOで希釈し、有機相を分離し、そして水相をDCMとEtOで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。CC(Hept/EA、100/0から95:5へ)により、3.18gの所望の化合物を得た。H−NMR(CDCl):3.55(m、1H);3.39(m、1H);1.54−1.44(m、6H);1.36−1.24(m、6H);1.14−1.03(m、1H);0.90(t、9H);0.83−0.78(m、6H);0.75−0.69(m、1H);0.55−0.50(m、2H);−0.20 − −0.30(m、1H)。旋光(589nm、CHCl、26.6℃、l=10cm、10mL中99.6mg、c=1.0):比旋光度=+14.74。
【0246】
19.3. トリブチル−((1S,2R)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−スタナン:
中間体19.2(9.5g)のTHF(200mL)中の溶液に、RTにてNaH(2.27g、鉱油中60%)を添加し、そして混合物をRTにて30min攪拌した。MeI(7.55mL)を添加し、そして攪拌をRTにて一晩続けた。反応混合物をHOで希釈し、そしてDCMで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして蒸発させて、所望の化合物を薄黄色の油状物(10.49g)として得た。H−NMR(CDCl):3.45(dd、1H);3.38(s、3 H);3.12(dd、1H);1.55−1.47(m、6H);1.37−1.28(m、6H);1.05(m、1H);0.91(t、9H);0.83(m、6H);0.56(m、2H);−0.30(m、1H)。
【0247】
19.4. 4−[(R)−2−[(4−クロロ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体1.9に置き換え、そして中間体1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体15.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(Hept/EA、1/1から0/1へ)で精製した。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:609.29。
【0248】
19.5. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体19.3(90mg)、中間体19.4(95mg)及びPd(PPh(10mg)の、トルエン(1.5mL)中の溶液を脱気し、そしてアルゴン下、130℃にて16h加熱した。同量の中間体19.3とPd(PPhを添加し、そして混合物を130℃にて20hさらに加熱した。水とEAを添加し、そして相を分離した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。粗生成物をCC(EA/MeOH、1/0から1/1へ)で精製し、所望の化合物を黄色の油状物(45mg)として得た。LC−MS:t=1.05min;[M+H]:659.75。
【0249】
19.6. 4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体3.6を中間体19.5に置き換えて、実施例3、工程3.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:603.71。
【0250】
実施例20:4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
20.1. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体19.3を中間体19.2に置き換えて、実施例19、工程19.5の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(Hept/EA、1/1から0/1へ、次いでEA/MeOH、1/1)で精製した。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:645.57。
【0251】
20.2. 4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体3.6を中間体20.1に置き換えて、実施例3、工程3.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:589.61。
【0252】
実施例21:4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
21.1. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.16を中間体1.10に置き換え、そして中間体1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体3.4に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:647.05。
【0253】
21.2. 4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体21.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、後処理は行わず、反応混合物を蒸発させ、そして残渣を分取用LC−MS(IV)、次いで分取用LC−MS(V)で精製した。LC−MS:t=0.72min;[M+H]:590.44。
【0254】
実施例22:4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
22.1. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体1.10に置き換え、そして中間体1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体15.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、1/0から9/1へ)で精製した。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:674.72。
【0255】
22.2. 4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体22.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から10/90へ)で精製した。LC−MS:t=0.78min;[M+H]:618.22。
【0256】
実施例23:4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
23.1. (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオン酸 メチルエステル:
Boc−3−ヨード−L−Ala−OMeをBoc−3−ヨード−D−Ala−OMeに置き換えて、実施例3、工程3.1の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。H−NMR(CDCl):6.12(br. s、1H);5.71(br. s、1H);4.11(m、4H);3.77(s、3H);2.33(m、2H);1.41(s、9H);1.33(m、6H)。
【0257】
23.2. (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオン酸:
中間体1.15を中間体23.1に置き換えて、実施例1、工程1.16の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.77min;[M+H]:326.29。
【0258】
23.3. 4−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.16を中間体23.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.85min;[M+H]:466.21。
【0259】
23.4. 4−[(S)−2−アミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル 塩酸塩:
中間体2.1を中間体23.3に置き換え、そしてMeOHをEAに置き換えて、実施例2、工程2.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.66min;[M+H]:366.12。
【0260】
23.5. 4−((S)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体12.1を中間体1.10に置き換え、そして中間体23.4を中間体2.2に置き換えて、実施例12、工程12.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/Hept/MeOH、1/1/0から9/0/1へ)で精製した。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:646.85。
【0261】
23.6. 4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体23.5に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から50/50へ)で精製した。LC−MS:t=0.71min;[M+H]:590.23。
【0262】
実施例24:4−[(S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
24.1. (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヨード−フェニル)−プロピオン酸 エチルエステル:
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ヨード−フェニル)−プロピオン酸(3g)の、anh.EtOH(38mL)中の溶液に、DMAP(187mg)とPyBOP(6g)を添加した。反応混合物をRTにて攪拌し、そしてEAと水の間で分画した。有機相を分離し、10% aq.クエン酸とsat.aq.NaHCOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。得られた粗製物質をCC(Hept/EA、1/0から0/1へ)で精製し、表題の化合物を白色の固体(3g)として得た。LC−MS:t=1.10min;[M+H]:419.78。
【0263】
24.2. (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオン酸 エチルエステル:
中間体24.1(3g)のMeCN(128mL)中の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(254mg)、亜リン酸ジエチル(1.4mL)及びNEt(2mL)を添加した。混合物を70℃にて攪拌し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(846mg)をさらに添加し、そして混合物を還流した。MeCNを蒸発させ、そして残渣をEA中に取った。有機相を10% aq.クエン酸、sat.aq.NaHCO及び塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を蒸発させた。粗製物質を生成物をCC(Hept/EA、9/1から0/1へ;次いでDCM/MeOH、1/0から20/1へ)で2回精製して、表題の化合物を無色の樹脂(2.79g)として得た。LC−MS:t=0.98min;[M+H]:430.05。
【0264】
24.3. (S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオン酸:
中間体1.15を中間体24.2に置き換えて、実施例1、工程1.16の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.86min;[M+H]:402.01。
【0265】
24.4. 4−{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体12.1を中間体24.3に置き換え、そして中間体2.2を1−エトキシカルボニルピペラジンに置き換えて、実施例12、工程12.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、1/0から40/1へ)で精製した。LC−MS:t=0.93min;[M+H]:542.01。
【0266】
24.5. 4−{(S)−2−アミノ−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル 塩酸塩:
中間体2.1を中間体24.4に置き換え、そしてMeOHをEAに置き換えて、実施例2、工程2.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.69min;[M+H]:442.11。
【0267】
24.6. 4−((S)−3−[4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−フェニル]−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体12.1を中間体24.3に置き換え、そして中間体2.2を1−エトキシカルボニルピペラジンに置き換えて、実施例12、工程12.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。
【0268】
中間体12.1を中間体1.10に置き換え、そして中間体2.2を中間体24.5に置き換えて、実施例12、工程12.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、1/0から98/2へ)で精製した。LC−MS:t=0.89min;[M+H]:722.87。
【0269】
24.7. 4−[(S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体24.6に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から20/80へ)で精製した。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:666.03。
【0270】
実施例25:4−{(R)−2−[(4−イソプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
25.1. 4−[(R)−2−[(4−クロロ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体1.9に置き換え、そして1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体15.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/Hept、1/1から1/0へ)で精製した。LC−MS:t=1.07min;[M+H]:609.71。
【0271】
25.2. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(4−イソプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体25.1(26mg)のTHF(0.4mL)中の溶液に、RTにて、アセチルアセトン鉄(III)(0.8mg)と、イソプロピルマグネシウムブロミドのTHF中の1M溶液(0.13mL)を添加した。混合物をRTにて2h攪拌し、そしてイソプロピルマグネシウムブロミドのTHF中の1M溶液(0.21mL)を、RTにてさらに添加した。混合物を15minさらに攪拌し、HClの1M水溶液でクェンチし、そしてEAで2回抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、蒸発させ、そして粗製物質をCC(EA/MeOH、1/0から25/1へ)で精製し、表題の化合物を黄色がかった樹脂(14mg)として得た。LC−MS:t=1.09min;[M+H]:617.63。
【0272】
25.3. 4−{(R)−2−[(4−イソプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体25.2に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から20/80へ)で精製した。LC−MS:t=0.94min;[M+H]:561.54。
【0273】
実施例26:4−{(R)−2−[(4−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
26.1. 4−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸:
中間体1.9(1g)のanh.DMF(5mL)とanh.MeOH(3mL)中の溶液に、RTにて、ナトリウムメトキシドのMeOH中5.4M溶液(3.2mL)を滴下した。得られた懸濁液を100℃にて攪拌し、冷却し、そして真空濃縮した。残渣を水で処理し、不溶物質をろ過し、そしてHV下で乾燥し、粗生成物をベージュ色の固体(1g)として得た。LC−MS:t=0.68min;[M+H]:230.37。
【0274】
26.2. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(4−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体12.1を中間体26.1に置き換え、そして中間体2.2を中間体15.2に置き換えて、実施例12、工程12.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、1/0から100/1へ)で精製した。LC−MS:t=1.04min;[M+H]:605.60。
【0275】
26.3. 4−{(R)−2−[(4−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体26.2に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から20/80へ)で精製した。LC−MS:t=0.88min;[M+H]:549.57。
【0276】
実施例27:4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
27.1. 4−{3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−[(6−フェニル−4−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体25.1(58mg)とピロリジン(68μL)のTHF(0.5mL)中の溶液を、マイクロ波オーヴン中で、120℃にて1h加熱した。溶媒を蒸発させ、そしてNMP(0.5mL)で置き換え、そしてさらに10eq.のピロリジンを添加した。混合物を120℃にて1h加熱し、そして分取用LC−MS(I)で直接精製し、所望の化合物といくらかの対応する亜リン酸ジエチルの混合物から成る黄色の油状物(47mg)を得た。LC−MS:t=0.82min;[M+H]:616.50。
【0277】
27.2. 4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体27.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.79min;[M+H]:588.28。
【0278】
実施例28:4−{(R)−2−[2−(4−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−1−ホスフォノメチル−エチルカルバモイル]−6−フェニル−ピリジン−4−イル}−1−メチル−ピペラジン−1−イウム ホルメート(4−{(R)−2−[2−(4−butoxycarbonyl−piperazin−1−yl)−2−oxo−1−phosphonomethyl−ethylcarbamoyl]−6−phenyl−pyridin−4−yl}−1−methyl−piperazin−1−ium formate):
28.1. 4−(3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−{[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
ピロリジンを1−メチルピペラジンに置き換えて、実施例27、工程27.1の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.72min;[M+H]:645.17。
【0279】
28.2. 4−{(R)−2−[2−(4−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル)−2−オキソ−1−ホスフォノメチル−エチルカルバモイル]−6−フェニル−ピリジン−4−イル}−1−メチル−ピペラジン−1−イウム ホルメート:
中間体1.19を中間体28.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.70min;[M+H]:617.31。
【0280】
実施例29:4−((R)−2−{[6−フェニル−(R)−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルアミノ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
29.1. 4−{3−(エトキシ−ヒドロキシ−ホスフォリル)−2−[(6−フェニル−4−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体25.1(100mg),(R)−(+)−3−アミノテトラヒドロフラン トルエン−4−スルホネート(43mg)、アセタート(2’−ジ−tert−ブチルホスフィノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)パラジウム(9.7mg)及びNaOtBu(46mg)を、トルエン(1mL)中に含む反応混合物を、90℃にて、アルゴン下、反応が完了するまで。溶媒を真空下で蒸発させ、そして粗生成物(119mg)をさらに精製することなく使用した。LC−MS:t=0.78min;[M+H]:632.16。
【0281】
29.2. 4−((R)−2−{[6−フェニル−(R)−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルアミノ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体27.1に置き換え、そして1h後に10eq.のTMSBrを添加し、反応混合物を1hさらに攪拌して、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.71min;[M+H]:604.14。
【0282】
実施例30:4−{(R)−2−[(2−ヒドロキシメチル−6’−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−2’−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体25.1(100mg)、2−ヒドロキシメチル−ピペリジン(382mg)、アセタート(2’−ジ−tert−ブチルホスフィノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)パラジウム(1.5mg)及びNaOtBu(46mg)を、トルエン(1mL)中に含む反応混合物を、アルゴン下、90℃にて3h加熱した。溶媒を真空下で蒸発させ、そして残渣をRP−18(約5g)上でろ過してアミンを除いた。中間体1.19を粗生成物で置き換えた上で、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用い、粗生成物を直接次の工程に付した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製し、黄色の固体(6mg)を得た。LC−MS:t=0.77min;[M+H]:632.59。
【0283】
実施例31:4−{(R)−2−[(4−シクロプロピルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−ヒドロキシメチル−ピペリジンをシクロプロピルアミンに置き換えて、実施例30の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.78min;[M+H]:574.38。
【0284】
実施例32:4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−フェニルアミノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−ヒドロキシメチル−ピペリジンをアニリンに置き換えて、実施例30の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.81min;[M+H]:610.14。
【0285】
実施例33:4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−プロピルアミノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−ヒドロキシメチル−ピペリジンをプロピルアミンに置き換えて、実施例30の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.75min;[M+H]:576.16。
【0286】
実施例34:4−((R)−2−{[4−(2−カルボキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
2−ヒドロキシメチル−ピペリジンをβ−アラニン エチルエステル塩酸塩に置き換えて、実施例30の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t=0.74min;[M+H]:606.27。
【0287】
実施例35:4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
35.1. 3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
2−メチルピペラジン(10.0g)のMeOH(120mL)、HO(40mL)及びAcOH中の溶液に、−5℃にて、25minの間に、エチルクロロギ酸エステル(10mL)を滴下し、そして反応混合物をRTにて一晩攪拌した。次いで、HO(100mL)を添加し、そしてMeOHを真空下で蒸発させた。水相をトルエン(70mL)で希釈し、層を分離し、そして有機層を水(50mL)で洗浄した。次いで、水相をNaOH(2M、80mL)で塩基性化し、そしてトルエン(100mL)で抽出した。合わせた有機相を塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして真空下で蒸発させて、所望の化合物(8.5g)を得た。LC−MS:t=0.34min;[M+H+CHCN]:214.40。
【0288】
35.2. 4−[(R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
1−エトキシカルボニルピペラジン中間体35.1に置き換え、そして中間体1.16を中間体3.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.88min;[M+H]:479.66。
【0289】
35.3. 4−[(R)−2−アミノ−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−プロピオニル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体3.3を中間体35.2に置き換えて、実施例3、工程3.4の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.67min;[M+H]:380.38。
【0290】
35.4. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体35.3に置き換え、そして中間体1.16を中間体1.10で置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物をCC(EA/Hept、1/1から1/0へ、次いでDCM/MeOH、97/3から95/5へ)で精製した。LC−MS:t=0.86min;[M+H]:660.16。
【0291】
35.5. 4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル:
中間体1.19を中間体35.4に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用LC−MS(IV)で精製した。LC−MS:t =0.73;[M+H]:604.30。
【0292】
実施例36:4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
36.1. 4−(2−メトキシ−エトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸:
ナトリウム(35mg)のanh.THF(3mL)中の懸濁液に、2−メトキシ−エタノール(0.24mL)を添加した。懸濁液を、RTにて30min、次いで50℃にてナトリウム片が完全に消失するまで攪拌した。このアルコキシドの溶液に、中間体1.9(200mg)のanh.THF(0.8mL)中の溶液を滴下し、そして得られた懸濁液を還流下で攪拌した。アルコキシドの溶液を上記のようにさらに調製し(ナトリウム(35mg)、2−メトキシ−エタノール(0.24mL)及びanh.THF(3mL))、そして反応混合物に添加した、懸濁液を還流下にてさらに攪拌し、そして真空濃縮した。残渣を水中に取り、そして水性の溶液を25%HClでpH2に酸性化し、そしてDCMで抽出した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、黄色の油状物(204mg)を得た。LC−MS:t=0.71min;[M+H]:274.26。
【0293】
36.2. 4−((R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−(2−メトキシ−エトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体12.1を中間体36.1に置き換え、そして中間体2.2を中間体15.2に置き換えて、実施例12、工程12.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。化合物をCC(EA/MeOH、1/0から25/1へ)で精製した。LC−MS:t=1.03min;[M+H]:649.77。
【0294】
36.3. 4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体36.2に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から20/80へ)で精製した。LC−MS:t=0.88min;[M+H]:593.46。
【0295】
実施例37:4−{(R)−2−[(4−メチル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
37.1. 4−{(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−[(4−メチル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
イソプロピルマグネシウムブロミドのTHF中の1M溶液を、メチルマグネシウムブロミドのTHF中の1M溶液に置き換えて、実施例25、工程25.2の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=1.04;[M+H]:589.98。
【0296】
37.2. 4−{(R)−2−[(4−メチル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体37.1に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。粗生成物をCC(逆相、水/MeCN、95/5から20/80へ)で精製した。LC−MS:t=0.89;[M+H]:533.46。
【0297】
実施例38:4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
38.1. (S)−2−アミノ−4−ブロモ−酪酸 メチルエステル:
(S)−(+)−2−アミノ−4−ブロモ酪酸臭化水素酸塩(5g)の、HClのMeOH中3M溶液(57mL)中の溶液を、20h還流した。反応混合物の溶媒を蒸発させ、HV乾燥の後、所望の化合物を茶色の油状物(3.97g)として得た。LC−MS:t=0.27min;[M+H]:193.18。
【0298】
38.2. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ブロモ−酪酸 メチルエステル:
中間体38.1(3.95g)のDCM/水(18mL、1/2)中の懸濁液に、NaHCO(2.6g)を添加した。混合物を0℃に冷却し、そしてCbz−Cl(2.48mL)を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌した。DCM/水を添加し、そして相を分離した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして蒸発させて、所望の化合物を薄黄色の油状物(5.1g)として得た。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:327.12。
【0299】
38.3. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−酪酸 メチルエステル:
中間体1.14を中間体38.2に置き換えて、実施例1、工程1.15の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:388.44。
【0300】
38.4. (S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−酪酸:
中間体1.15を中間体38.3に置き換えて、実施例1、工程1.16の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.84min;[M+H]:374.24。
【0301】
38.5. 4−[(S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.16を中間体38.4に置き換え、そして1−エトキシカルボニルピペラジンを中間体2.2に置き換えて、実施例1、工程1.17の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:542.40。
【0302】
38.6. 4−[(S)−2−アミノ−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−ブチリル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.17を中間体38.5に置き換えて、実施例1、工程1.18の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.74min;[M+H]:408.55。
【0303】
38.7. 4−((S)−4−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体15.2を中間体38.6に置き換え、そして中間体15.6を中間体1.10に置き換えて、実施例15、工程15.7の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。しかしながら、化合物を分取用TLC(DCM/アセトン、2/3)で精製した。LC−MS:t=0.90min;[M+H]:688.73。
【0304】
38.8. 4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体1.19を中間体38.7に置き換えて、実施例1、工程1.20の方法と類似の方法を用いて、本化合物を製造した。LC−MS:t=0.79min;[M+H]:632.04。
【0305】
実施例39:4−((R)−3−(ビス−アセトキシメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体22.2(50mg)とEtN(0.041mL)のNMP(0.6mL)中の溶液を、RTにて20min攪拌した。次いで、ブロモメチルアセテート(0.092mL)、次いでNaI(13mg)を添加し、そして反応混合物を45℃にて一晩攪拌した。反応混合物をトルエンで希釈し、そして水(5x)で洗浄した。その後、それぞれのaq.層をトルエン(2x)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。CC(EA)により、6mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:762.30。
【0306】
実施例40:4−((R)−3−(ビス−エトキシカルボニルオキシメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体22.2(100mg)の、abs.DMPU(0.3mL)とNEt(68μL)中の溶液を、RTにて10min攪拌した。次いで、炭酸クロロメチルエチル(650mg、国際公開公報第2004092189号に記載の通りに製造。)とNaI(29mg)を、RTにて添加し、そして反応混合物を50℃にて一晩攪拌した。反応混合物をHOで希釈し、そして水相をトルエンで抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。CC(EA)により、19mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.97min;[M+H]:822.32。
【0307】
実施例41:N,N’−ビス−((S)−1−エトキシカルボニルエチル)−2−{(R)−[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−オキソ−3−(4−ブトキシ−カルボニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−ホスホン酸 ジアミド:
中間体22.2(200mg)、HCl H−Ala−OEt(149mg)及びNEt(0.27mL)の、abs.ピリジン(1mL)中の溶液を、60℃に10min加熱した。次いで、アルドリチオール−2(2,2’−ジピリジルジスルフィド)(250mg)とPPh(297mg)の、abs.ピリジン(1mL)中の、RTにて10min予備攪拌した溶液を添加し、そして反応混合物を60℃にて一晩加熱した。反応混合物を塩水10mlで希釈し、そしてDCM(3x)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(EA、次いでアセトン)で精製し、48mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.91min;[M+H]:816.40。
【0308】
実施例42:4−[(R)−2−({6−フェニル−4−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
42.1. 6−フェニル−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−カルボン酸:
anh.THF(8mL)中に懸濁したナトリウム(118mg)に、3−ヒドロキシ−テトラヒドロフラン(0.83mL)をRTにて添加した。懸濁液をRTにて30min、次いで65℃にて1h攪拌した。中間体1.9(400mg)のanh.THF(8mL)中の溶液を滴下し、そして反応混合物を75℃にて3d攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣をHO中に取った。水相をEtO(2x)で洗浄し、そして水層を、25%HClでpH2に酸性化した。水相をDCM(3x)で抽出し、そして合わせた有機相をanh.NaSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。CC(逆相;溶出液A:HO/TFA(1%);溶出液B:MeCN/TFA(1%);勾配:1から95%Bへ)による精製の後、80mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.72min;[M+H]:286.29。
【0309】
42.2. 4−[(R)−3−(ジエトキシ−ホスフォリル)−2−({6−フェニル−4−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体42.1(80mg)と中間体15.2(55mg)の、DCM/THF(0.7mL、4:1)中の溶液に、DIPEA(48μL)、次いでHATU(106mg)を添加し、そして反応混合物をRTにて3.5h攪拌した。Sat.aq.NaCOを添加し、そして水相をDCMで抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、そして蒸発乾固した。CC(EA/MeOH、1:0から0:1へ)による精製の後、39mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=1.03min;[M+H]:661.64。
【0310】
42.3. 4−[(R)−2−({6−フェニル−4−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル:
中間体42.2(36mg)のMeCN(0.16mL)中の溶液に、トリメチルシリルブロミド(0.141mL)を0℃にて添加した。反応混合物をRTに温め、そしてRTにて一晩攪拌した。HO(1mL)を添加し、そして混合物をRTにて2h攪拌した。水相をDCMで5回抽出し、合わせた有機相をMgSO上で乾燥し、そして濃縮乾固した。粗生成物をCC(逆相;溶出液A:HO;溶出液B:MeCN;勾配:5から80%Bへ)、次いで分取用TLC(DCM/MeOH、9:1から3:1へ)で精製し、2.2mgの所望の生成物を得た。LC−MS:t=0.85min;[M+H]:605.15。
【0311】
生物学的試験
P2Y12受容体結合試験
方法
遺伝子組み換えヒトP2Y12受容体を発現できるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、24穴細胞培養プレート中で培養した。細胞は、結合バッファー(50mM トリス pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、0.5%BSA)で3回洗浄した。ついで、細胞を、1ウェルあたり0.5mLの、トリチウムラベル 2−メチル−チオ−アデノシン 5’−ジホスフェート(2−メチル−S−ADP)(100,000から300,000dpm/ウェル)含有結合バッファーと種々の濃度の試験化合物とともに培養した。室温で2時間の培養後、細胞を結合バッファーで3回洗浄した。次いで、可溶化バッファー(SDS、NaOH、EDTA)0.5mLを加えて、細胞を可溶化した。それぞれのウェルの内容物をベータ計数バイアルに移し、Ultima Gold Scintillation液2.0mlを加えた。細胞関連シグナルの定量後、過剰の非放射性2−メチル−S−ADPを加えることによって示される最大可能阻害と比較して、阻害量が計算された。
【0312】
結果
P2Y12受容体結合試験のための上記の手順を用い、実施例1〜42の化合物について、相加平均値約48nM、1nM〜929nMの範囲にわたるIC50値が測定された。
【0313】
例えば、P2Y12受容体結合試験のための上記の手順を用いて、以下の結果が得られた:
【0314】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中、
は、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群よりそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよいフェニルを表し;
Wは結合を表し、かつRは、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表すか;又は
Wは−O−を表し、かつRは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はヘテロシクリルを表すか;又は
Wは−NR−を表し、Rは、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRは、水素又はアルキルを表すか;又は
Wは−NR−を表し、かつR及びRは、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、ここで、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは水素又はアルキルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、アルコキシを表し;
は、ヒドロキシ、R−OCHO−又はR−アルキル−NH−を表し;
は、アルキルカルボニル又はアルコキシカルボニルを表し;
は、アルコキシカルボニルを表し;
nは、0、1、2又は3を表し、かつZは結合であるか、又は、nは1であり、かつZはフェニルである。
【請求項2】
式Iの化合物でもある、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化2】

式中、
は、ハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから成る群よりそれぞれ独立に選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよいフェニルを表し;
Wは結合を表し、かつRは、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表すか;又は
Wは−O−を表し、かつRは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はヘテロシクリルを表すか;又は
Wは−NR−を表し、Rは、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRは、水素又はアルキルを表すか;又は
Wは−NR−を表し、かつR及びRは、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、ここで、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは水素又はアルキルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、水素又はメチルを表し;
は、アルコキシを表し;
nは、0、1、2又は3を表し、かつZは結合であるか、又は、nは1であり、かつZはフェニルである。
【請求項3】
が、1個のハロゲン、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシにより置換されていてもよいフェニルを表す、請求項1〜2のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項4】
Wが結合を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項5】
Wが−O−を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
Wが−NR−を表し、Rが、アルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール又はアラルキルを表し、かつRが水素又はアルキルを表すか、又はWが−NR−を表し、かつRとRが、それらを保持する窒素と共に、4〜7員のヘテロシクリル環を形成し、当該ヘテロシクリル環を完成するために必要なメンバーは、−CH−、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−からそれぞれ独立に選択されるが、当該ヘテロシクリル環は、−CHR−、−O−、−S−、−CO−及び−NR−から成る群より選択されるメンバーを1より多く含まないものとし、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル又はアルコキシを表し、そしてRは水素又はアルキルを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
が(C−C)アルコキシを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
が、R−OCHO−又はR−アルキル−NH−を表す、請求項1又は3〜7のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の式Iの化合物:
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−チオフェン−3−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4,6−ジフェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−シクロプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(R)−2−({4−[(2−メトキシ−エチル)−メチル−アミノ]−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−ベンジルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−(−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ホスフォノ−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−5−ホスフォノ−ペンタノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[6−(2−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−フェニル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[6−(4−フルオロ−フェニル)−4−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル
4−{(R)−2−[(4−フェニル−6−p−トリル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−メトキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((1S,2S)−2−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−[(S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ホスフォノ−フェニル)−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−イソプロピル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−メトキシ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−ピロリジン−1−イル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−ホスフォノメチル−アミノ}−アセチル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[6−フェニル−(R)−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルアミノ)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(2−ヒドロキシメチル−6’−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−2’−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−シクロプロピルアミノ−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−フェニルアミノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(6−フェニル−4−プロピルアミノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−カルボキシ−エチルアミノ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸 エチルエステル;
4−((R)−2−{[4−(2−メトキシ−エトキシ)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ホスフォノ−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−{(R)−2−[(4−メチル−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−ホスフォノ−プロピオニル}−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((S)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−4−ホスフォノ−ブチリル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
又はそのような化合物の塩。
【請求項10】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の式Iの化合物:
4−((R)−3−(ビス−アセトキシメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
4−((R)−3−(ビス−エトキシカルボニルオキシメトキシ−ホスフォリル)−2−{[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
N,N’−ビス−((S)−1−エトキシカルボニルエチル)−2−{(R)−[4−((S)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−6−フェニル−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−オキソ−3−(4−ブトキシ−カルボニル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−ホスホン酸ジアミド;及び
4−[(R)−2−({6−フェニル−4−[(テトラヒドロ−フラン−3−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボニル}−アミノ)−3−ホスフォノ−プロピオニル]−ピペラジン−1−カルボン酸 ブチルエステル;
又はそのような化合物の塩。
【請求項11】
医薬としての、請求項1に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の少なくとも一つ、及び1又は2以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
血管閉塞性疾患の治療のための医薬を製造するための、請求項1に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項14】
血管閉塞性疾患の治療のための、請求項1に定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2011−516540(P2011−516540A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503538(P2011−503538)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051499
【国際公開番号】WO2009/125366
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】