美容シート包装体
本発明は、
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
上部シートの内表面が底部シートの外表面と接触せず、
上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が上部シートの少なくとも一部に設けられており、
底部シートには、底部シートを破断可能な開封部が存在せず、
開封部の開封による上部シートの破断によって底部シートの内表面又は美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体に関する。本発明は、美容シートを包装体から取り出すことが容易であり、美容シート包装体が周囲の汚染を避けることができ、必要に応じて、汚染のリスクなしに美容包装体を清潔な表面の上に置くことを可能にできるので、有用である。
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
上部シートの内表面が底部シートの外表面と接触せず、
上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が上部シートの少なくとも一部に設けられており、
底部シートには、底部シートを破断可能な開封部が存在せず、
開封部の開封による上部シートの破断によって底部シートの内表面又は美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体に関する。本発明は、美容シートを包装体から取り出すことが容易であり、美容シート包装体が周囲の汚染を避けることができ、必要に応じて、汚染のリスクなしに美容包装体を清潔な表面の上に置くことを可能にできるので、有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは、皮膚、特に顔の美容トリートメントに使用される、折畳まれた美容シートを含む美容シート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ローション等の化粧用液体を含浸させた不織布シート等の基質シートによって構成される美容シートは、皮膚、特に顔の美容トリートメントに使用されてきた。
【0003】
例えば、米国特許第6702792号は、顔の皮膚を保湿し、皮膚から汚れを取り除くために使用される美容シートを開示している。
【0004】
美容シートは通常、アルミホイル等でできた袋又はサックの中に折畳まれた美容シートを収容する包装体に入れて販売されている。
【0005】
美容シートを使用するときは、包装体の袋又はサックを切断して、美容シートを袋又はサックから取り出し、空中でマスクシートを広げ、皮膚に適用する。
【0006】
折畳まれた美容シートは、非常に濡れており、切断した袋又はサックから取り出すことが困難であることがしばしばある。
【0007】
さらに、化粧用液体が美容シートから滴り落ちて包装体に広がり、周囲を汚染することがしばしばある。これにより、周囲が汚れ、周囲の清掃が必要となる。
【0008】
さらに、濡れた折畳まれた美容シートを指を使って空中で広げるのは困難である可能性があることから、袋やサックから美容シートを取り出した後、美容シートの使用者は、例えば美容シートを広げる過程において、美容シートをどこか下に置かなければならないことがある。使用者は、美容シートを袋又はサックの外表面に置く可能性がある。しかし、袋又はサックの外表面は、例えばハウスダストによってすでに汚染されている可能性があるため、美容シートを袋又はサックの外表面に置くことは好ましくない。
【0009】
特開2006-224974は、美容シートを支持する包装体シートと共に美容シートを巻き込むことによって作製する美容シート包装体を開示している。包装体の巻きを解くことによって、包装体シートの清潔な内表面を提供することができ、その上に美容シートの使用者が美容シートを置くことができる。しかし、包装体を作製するために巻き込まれるときに、美容シートは必然的に包装体シートの外表面と接触するので、包装体シートの外表面による美容シートの潜在的汚染を避けることは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6702792号
【特許文献2】特開2006-224974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、美容シートを包装体から容易に取り出すことを可能にし、周囲の汚染を避けることができ、必要に応じて、汚染のリスクなしに美容包装体を清潔な表面の上に置くことを可能にできる新規の美容シート包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前記の目的は、
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
上部シートの内表面が底部シートの外表面と接触せず、
上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が上部シートの少なくとも一部に設けられており、
底部シートには、底部シートを破断可能な開封部が存在せず、
開封部の開封による上部シートの破断によって底部シートの内表面又は美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体によって達成することができる。
【0013】
本発明によれば、開封部の開封によって、底部シートの内表面の全体を露出可能であることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、上部シート及び底部シートは、単一のシートを構成してもよい。
【0015】
本発明によれば、上部シートの内表面の周辺部及び底部シートの内表面の周辺部の少なくとも一部が剥離可能に互いに接着されている。
【0016】
本発明によれば、開封部は、剥離可能なシールを備える。剥離可能なシールはタブを備えてもよい。タブは、上部シートを構成する複数の部分シートの端部を剥離可能に接着することにより形成されてもよい。
【0017】
本発明によれば、上部シートは長方形であってよく、開封部は上部シートの任意の辺と垂直な直線上に存在してよい。一方で、開封部は上部シートの対角線上に存在してもよい。或いは、開封部は円弧又は楕円弧上に存在してもよい。
【0018】
本発明によれば、美容シートが折畳まれていること、及び、美容シートがフェイスマスクシートであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】従来の美容シート包装体の一例の未開封状態における正面図である。
【図1B】従来の美容シート包装体の一例の開封状態における正面図である。
【図2】美容シートの一例の正面図である。
【図3A】本発明の美容シート包装体の一例の未開封状態における正面図である。
【図3B】本発明の美容シート包装体の一例の開封状態における正面図である。
【図4A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図4B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【図5A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図5B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【図6A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図6B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【図7A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図7B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
鋭意検討の結果、発明者は、美容シート用のトレイとして機能することができ、したがって、美容シートを包装体から取り出すことが容易であり、本発明の美容シート包装体が周囲の汚染を避けることができ、必要に応じて、汚染のリスクなしに美容包装体を清潔な表面の上に置くことを可能にできる、新規の美容シート包装体を用意することが可能であることを発見した。
【0021】
したがって、本発明の美容シート包装体は、
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
上部シートの内表面が底部シートの外表面と接触せず、
上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が上部シートの少なくとも一部に設けられており、
底部シートは、底部シートを破断可能な開封部を有さず、
開封部の開封による上部シートの破断によって底部シートの内表面又は美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体であることを特徴とする。
【0022】
下文に、本発明の美容シート包装体を、図を用いて説明する。
【0023】
図1は、2つのフィルム又はシートの周辺部をシールして袋又はサックを形成することによって作製される典型的な従来の美容シート包装体(1)を示す。図1Aにおいて、従来の美容シート包装体(1)は、まだ開封されておらず、一方、図1Bにおいて、従来の美容シート包装体(1)を開封するために、従来の美容シート包装体(1)の一部が切断されている。
【0024】
従来の美容シート包装体(1)においては、折畳まれた美容シートが典型的に収容されている。図2は、広げられた美容シート(2)の一例を示す。図2に示す美容シート(2)は、顔に付着させるように設計されている。
【0025】
美容シート(2)が、ローション等の化粧用液体を含み、したがって濡れていることは典型的である。したがって、折畳まれた美容シート(2)を、袋又はサックの形態の切断した包装体から取り出すことは困難であることがある。
【0026】
さらに、折畳まれた美容シートを切断された美容シート包装体(1)から取り出すとき又は取り出した後に、美容シートに存在する化粧用液体が美容シートから滴り落ちて美容シート包装体(1)の上に広がり、滴が周囲を汚染する可能性がある。
【0027】
さらに、美容シート包装体(1)には美容シートを置くことができる清潔な表面がないために、美容シートの使用者は、折畳まれた美容シートを美容シート包装体(1)から取り出した後、美容シートを空中で保持しなければならない。美容シート包装体(1)の外表面は、例えばハウスダストによって、既に汚染されている可能性があり、したがって美容シートを美容シート包装体(1)の外表面に置くことは好ましくない。
【0028】
図3は、本発明の美容シート包装体(1)の一例を示す。図3Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図3Bは、その開封状態を示す。
【0029】
美容シート包装体(1)は、上部シート(3)及び底部シート(4)を備える。本実施形態において、折畳まれた美容シート(2)は、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0030】
図3に示す実施形態において、上部シート(3)は、2つの上部部分シート(3'、3")からなり、上部部分シート(3'、3")の端部(3a、3a)は、接着剤等によって剥離可能に接着されて、図3Aに示すような剥離可能なシールであるタブ(5)を形成する。剥離可能なシールは、開封可能であり、上部シート(3)の開封部として機能し、したがって、剥離可能なシールは、図3Bに示すように上部シート(3)を破断可能である。
【0031】
底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図3Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0032】
図3に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)は、単一のシートを構成する。すなわち、上部シート(3)及び底部シート(4)は、図3Bに明瞭に示すように、単一のシートの一部である。さらに、上部シート(3)の内表面の周辺部(3b)及び底部シート(4)の内表面の周辺部(3c)は、図3Aに示すように、接着剤等によって剥離可能に互いに接着されている。
【0033】
美容シート包装体(1)において、本実施形態においてはタブ(5)を形成する剥離可能なシールである開封部の開封による上部シート(2)の破断によって、底部シート(4)の内表面又は美容シート(2)の表面の少なくとも一部を露出可能である。
【0034】
したがって、図3に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者はタブ(5)を用いて端部(3a、3a)の間のシールを開封し、周辺部(3b、3c)を剥離することにより、上部シート(3)を2つの上部部分シート(3'、3")に破断又は分割して、上部シート(3)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が露出する。使用者は、美容シート(2)が濡れているにも関わらず、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0035】
図3に示す実施形態において、上部シート(3)の開封部の開封により、底部シート(4)の内表面全体を露出可能である。したがって、使用者にとって、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を取り出すことは、より容易である。
【0036】
さらに、底部シート(4)は、破断されず、したがって美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。したがって、美容シート(2)の中の化粧用液体が美容シート(2)から滴り落ちた場合でも、底部シート(4)は、化粧用液体の滴を収容することができ、液滴は美容シート包装体(1)の上に広がらないことになる。結果として、美容シート包装体(1)は、化粧用液体によって周囲が汚染されるのを阻止することができる。
【0037】
さらに、上部シート(3)及び底部シート(4)の内表面は、必要に応じて、使用者が美容シート(2)を置くことができる清潔な表面を提供する。したがって、例えば、使用者が空中で美容シート(2)を広げることが困難であると感じるとき、又は、使用者が美容シート(2)を使用している間に休憩を取る場合に、使用者は美容シート(2)を暫くの間、清潔であり、汚染されていない上部シート(3)及び/又は底部シート(4)の内表面の上に置くことができ、使用者は美容シート(2)の使用を再開することができる。
【0038】
本発明の美容シート包装体(1)において、上部シート(3)の内表面は底部シート(4)の外表面と接触しておらず、又は、底部シート(4)の内表面は上部シート(3)の外表面と接触していないので、上部シート(3)及び底部シート(4)の内表面は汚染される可能性がない。したがって、上部シート(3)及び底部シート(4)の内表面による汚染のリスクはない。
【0039】
さらに、美容シート(2)は、上部シート(3)の外表面又は底部シート(4)の外表面のいずれにも接触していない。したがって、ハウスダスト等の汚染物質が付着する可能性がある上部シート(3)又は底部シート(4)の外表面によって、美容シート(2)が汚染されるリスクもまたない。
【0040】
上部シート(3)の開封部は、直線状又は曲線状であってよい。したがって、本発明の種々の実施形態が存在する。
【0041】
図4は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図4Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図4Bは、その開封状態を示す。
【0042】
本実施形態においても、美容シート包装体(1)は、上部シート(3)及び底部シート(4)、を備えており、折畳まれた美容シート(2)が、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0043】
図4に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)の周辺部は、接着剤等で互いに接着されており、ミシン目線(6)が上部シート(3)の3つの周辺部に沿って形成されている。ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。開封部の使用者による開封操作を容易にするために、上部シート(3)にタブを形成してもよい。
【0044】
或いは、単一シートは折畳まれていてもよく、その周辺部は、図4に示す美容シート包装体(1)を形成するように接着剤等で互いに接着されていてよい。
ミシン目線(6)は、折畳み後に作製されてもよいが、ミシン目線(6)が、単一シートの一部が折畳まれる前に作製されることが好ましい。
【0045】
本実施形態において、上部シート(3)は、長方形であり、開封部は上部シート(3)の少なくとも1つの辺と垂直なまっすぐなミシン目線(6)の上に存在する。用語「長方形」は、本明細書において、長方形のみではなく正方形も包含する。
【0046】
同様に本実施形態において、底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図4Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0047】
したがって、図4に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は上部シート(3)をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断することによってミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が、露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0048】
図4に示す実施形態は、図3に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0049】
図5は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図5Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図5Bは、その開封状態を示す。
【0050】
本実施形態において、美容シート包装体(1)はまた、上部シート(3)及び底部シート(4)を備えており、折畳まれた美容シート(2)が、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0051】
図5に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)の周辺部は、接着剤等で互いに接着されており、ミシン目線(6)が上部シート(3)の対角線に沿って形成されている。ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。開封部の使用者による開封操作を容易にするために、上部シート(3)に1つもしくはそれ以上のタブを形成してもよい。
【0052】
或いは、単一シートは折畳まれていてもよく、その周辺部は、図5に示す美容シート包装体(1)を形成するように接着剤等で互いに接着されていてもよい。ミシン目線(6)は、折畳み後に作製されてもよいが、ミシン目線(6)が、単一シートの一部が折畳まれる前に作製されることが好ましい。
【0053】
本実施形態において、上部シート(3)は、長方形であり、開封部は上部シート(3)の対角線上に存在するまっすぐなミシン目線(6)の上に存在する。繰返しになるが、用語「長方形」は、本明細書において、長方形のみではなく正方形も包含する。
【0054】
同様に本実施形態において、底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図5Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0055】
したがって、図5に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は上部シート(3)をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断することによってミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0056】
図5に示す実施形態は、図3及び4に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0057】
図6は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図6Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図6Bは、その開封状態を示す。
【0058】
本実施形態においても、美容シート包装体(1)は、上部シート(3)及び底部シート(4)を備えており、折畳まれた美容シート(2)が、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0059】
図6に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)の周辺部は、接着剤等で互いに接着されており、曲線状のミシン目線(6)が上部シート(3)の上に形成されている。ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。開封部の使用者による開封操作を容易にするために、上部シート(3)にタブを形成してもよい。
【0060】
或いは、単一シートは折畳まれていてもよく、その周辺部は、図6に示す美容シート包装体(1)を形成するように接着剤等で互いに接着されていてもよい。ミシン目線(6)は、折畳み後に作製されてもよいが、ミシン目線(6)が、単一シートの一部が折畳まれる前に作製されることが好ましい。
【0061】
本実施形態において、上部シート(3)は、長方形であり、開封部は上部シート(3)の上に存在する円弧又は楕円弧形状のミシン目線(6)の上に存在する。繰返しになるが、用語「長方形」は、本明細書において、長方形のみではなく正方形も包含する。
【0062】
同様に本実施形態において、底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図6Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0063】
したがって、図6に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は上部シート(3)をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断することによってミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が、露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0064】
図6に示す実施形態は、図3から5に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0065】
図7は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図7Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図7Bは、その開封状態を示す。
【0066】
図7に示す実施形態は、剥離可能なシールであるタブがミシン目線(6)に置き換わっていることを除いては図3に示す実施形態と一致する。したがって、本実施形態において、ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。
【0067】
したがって、図7に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は、上部シート(3)を2つの上部部分シート(3'、3")に破断又は分割して、上部部分シート(3'、3")をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断し、周辺部(3b、3c)を剥離することにより、ミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0068】
図7に示す実施形態は、図3から6に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0069】
本発明は、本発明の美容シート包装体の要件を満たすものである限り、いかなる実施形態においても実行可能である。例えば、開封部は、シールテープ又はフィルム等、それが気密性を提供し、包装体の内部の周囲からの隔離を維持できるものである限り、いかなるシーリング手段により設けられてもよい。
【0070】
いずれにせよ、美容シートの一部が汚染されることを防止するために、美容シート全体が上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容されることは好ましい。
【0071】
同様に、トレイとして使用されることになる内表面を清潔に保つために、上部シート及び底部シートの内表面のいずれかが周囲に露出すること又は上部シート及び底部シートの外表面のいずれかと接触することは避けるべきである。
【0072】
使用者による通常の操作によって破断可能である限り、上部シート及び底部シートの材料に制限はない。したがって、上部及び底部シートは、任意の材料からできていてよく、好ましくはプラスチック又は金属フィルムでできていてよい。アルミホイル、特に積層アルミホイル、例えば、薄いプラスチックフィルムで被覆されたアルミホイルは、上部及び底部シートの材料として好ましい。アルミホイルは、光及び/又は酸素を透過せず、したがって上部及び底部シートの材料として使用するのが好ましい。両表面が薄いプラスチックフィルムで被覆されたアルミホイルは、より好ましい。プラスチックフィルムとして、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性フィルムを使用してよい。ポリエチレンとして、例えば、HDPE、LDPE及びこれらの混合物を使用してよい。或いは、アルミニウム等の金属がプラスチックフィルムのいずれかの表面又は両表面に積層されたプラスチックフィルムを使用してよい。上部及び底部シートの厚さには、それを切り裂くことができるのであれば、制限はないが、例えば、0.01mmから0.5mm、好ましくは0.05mmから0.3mmであってよい。
【0073】
図3から6に示す美容シート(2)は顔に付着させるように設計されている。すなわち、美容シート(2)は、フェイスマスクシートであるように設計されている。しかし、本発明の美容シートは、顔のみならず首又はデコルテ等の身体にも適用されるように設計されてもよい。図3から6に示す実施形態において、1つの美容シート(2)のみが美容シート包装体(1)に収容されている。しかし、必要に応じて、複数の美容シートが美容シート包装体に収容されていてもよい。
【0074】
美容シートの材料に制限はなく、したがって任意の材料をこれらシートを作製するために使用してよい。2種もしくはそれ以上の材料を使用してよい。
【0075】
典型的には、材料は、綿、パルプ、竹及びセルロース繊維等の天然繊維、ビスコースレーヨン繊維等の半天然繊維、並びにポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、及びポリプロピレン繊維等の合成繊維でできた織布又は不織布であってよい。前記材料から選択される2種もしくはそれ以上を組み合わせて使用してよい。
【0076】
或いは、材料は、ポリエチレン及びポリビニルアルコール等の合成ポリマー、バイオセルロース及びアルギネート等の半合成ポリマー、多糖(例えば、カラギーナン及びキサンタンガム)、ムコ多糖(例えば、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウム)、ポリペプチド(例えば、γ-ポリグルタミン酸)及びタンパク質(例えば、ゼラチン及びコラーゲン)等の天然ポリマーから選択される少なくとも1つでできたフィルム又はシートであってよい。フィルム又はシートは、ゲル又はゼリーの形態であってよく、これらは透明、半透明又は不透明であってよい。前記物質から選択される2種もしくはそれ以上の物質を組み合わせて使用してよい。
【0077】
本発明の美容シートは、単一シート又は2つもしくはそれ以上の積層シートを含む層化シートでできていてもよい。層化シートを使用する場合、積層される各シートの材料は同一であっても互いに異なっていてもよい。例えば、層化シートは、合成ポリマー、半合成ポリマー及び/又は天然ポリマーでできた前記フィルム又はシートを前記織布又は不織布の上に積層させることにより作製されてよい。
【0078】
本発明の美容シートは化粧品、好ましくは化粧水及びミルクローション等の化粧用液体を含んでよい。したがって、本発明の美容シートは好ましくは濡れている。
【0079】
化粧品は、活性成分を含んでよく、活性成分は水溶性又は脂溶性であってよい。
【0080】
水溶性活性成分は、下記の化合物:アスコルビン酸及び生物学的適合性のあるその塩、酵素、抗生物質、引き締め剤、α-ヒドロキシ酸及びこれらの塩、水酸化ポリ酸、スクロース及びこれらの誘導体、尿素、アミノ酸、オリゴペプチド、水溶性の植物抽出物及び酵母抽出物、タンパク加水分解物、ヒアルロン酸、ムコ多糖、ビタミンB2、B6、H、PP、パンテノール、葉酸、アセチルサリチル酸、アラントイン、 グリチルレチン酸、コウジ酸、及びハイドロキノンから選択されてよい。
【0081】
脂溶性活性成分は、下記の化合物:d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、l-α-トコフェロール、dl-α-酢酸トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ビタミンF及びビタミンFのグリセリド、ビタミンD、ビタミンD2、ビタミンD3、レチノール、レチノールエステル、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、β-カロチン、d-パンテノール、ファルネソール及び酢酸ファルネシル;ホホバ油及び必須脂肪酸を豊富に含むクロフサスグリ油;角質溶解剤、例えばサリチル酸、サリチル酸の塩及びエステル、n-オクタノイル-5サリチル酸及びそのエステル、クエン酸、乳酸、グリコール酸等のα-ヒドロキシル酸のアルキルエステル等、アジアチン酸、マデカシン酸、アジアチコシド、ツボクサ(centella asiatica)の完全抽出物、β-グリチルレチン酸、α-ビサボロール、並びに、2オレオイルアミノ-1,3オクタデカン等のセラミド;フィタントリオール、ミルクスフィンゴミエリン、ポリ不飽和必須脂肪酸を豊富に含む海洋由来のリン脂質、並びに、エトキシキン;ローズマリー抽出物、メリッサ抽出物、ケルセチン、乾燥微細藻類(microalgae)抽出物、並びにステロイド系抗炎症剤から選択されてよい。
【0082】
このような脂溶性活性成分は可溶化状態で、単独又は組み合わせて使用される油に配合されてよく、油の中でも、下記を挙げることができる:動物、植物又は鉱物由来の油、特に脂肪酸及びポリオールのエステル、特に液状トリグリセリドによって形成される動物又は植物油、例えば、ヒマワリ、トウモロコシ、ダイズ、ペポカボチャ、ゴマ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオナッツ、アンズ、アーモンド、又はアボカド油;魚油、グリセロールトリカプロカプリレート、又は、式中R1が7から19個の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表わし、R2が3から20個の炭素原子を含む分枝状炭化水素鎖を表わす、式R1COOR2の植物又は動物油、例えば、パーセリン油;コムギ胚芽、カロフィラム、ゴマ、コリアンダー及びサフラワー油、パッションフラワー油、ムスクローズ(rosa mosqueta)油、マカデミア油、(ブドウ、クロフサスグリ、オレンジ又はキウイフルーツ種子から作られた)果実種子油、セイヨウアブラナ(colza)、コプラ、ピーナッツ、オナガー(onager)、パーム、ヒマ、アマニ、ホホバ、チーア及びオリーブ油、コムギ胚芽油等の穀物胚芽油、フスマ油、コメ油、及びカリテ油;アセチルグリセリド;アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノレート;脂肪酸のトリグリセリド;グリセリド;パラフィン油、ワセリン油及びペルヒドロスクワレン;脂肪アルコール(ステアリルアルコール、セチルアルコール)及び脂肪酸(ステアリン酸)並びにこれらのエステル;ポリアルキル(C1〜C20)シロキサン及び特にトリメチルシリル末端基を有するもの、好ましくは粘度が0.06 m2/s未満のもの、中でも直鎖状ポリジメチルシロキサン及びアルキルメチルポリシロキサン例えばセチルジメチコン (CTFA名cetyl dimethicone)等を挙げることができる。
【0083】
部分的にフッ素化された炭化水素油又はパーフルオロ化油、特にパーフルオロポリエーテル及びパーフルオロアルカンもまた挙げることができる。
【0084】
油相、すなわち化粧品中に分散している油滴は、組成物の全重量に対して0.1重量%から30重量%の範囲内の割合で存在してよい。好ましくは、このパーセンテージは、5重量%から25重量%の範囲内である。
【0085】
化粧品は、化粧品に一般的に使用される活性成分をさらに含んでよい。使用される活性成分の中で、抗酸化クレンジング剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、脱色素剤、脂肪調節剤、抗アクネ剤、抗フケ剤、抗老化剤、柔軟剤、抗しわ剤、角質溶解剤、抗炎症剤、フレッシュナー、ヒーリング剤、血管保護剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、デオドラント、皮膚コンディショナー、麻酔剤、免疫調節剤、栄養剤、皮脂吸収剤(例えばオルガゾル[Orgasol])又は水分吸収剤を挙げることができる。
【0086】
美容シートは典型的には、美容シート包装体に収容される前に折畳まれる。しかし、包装体が十分に大きい場合には、美容シートを折畳まない形態で美容シート包装体に収容することも可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 美容シート包装体
2 美容シート
3 上部シート
3' 上部部分シート
3'' 上部部分シート
3a 端部
3b 周辺部
3c 周辺部
4 底部シート
5 タブ
6 ミシン目線
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは、皮膚、特に顔の美容トリートメントに使用される、折畳まれた美容シートを含む美容シート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ローション等の化粧用液体を含浸させた不織布シート等の基質シートによって構成される美容シートは、皮膚、特に顔の美容トリートメントに使用されてきた。
【0003】
例えば、米国特許第6702792号は、顔の皮膚を保湿し、皮膚から汚れを取り除くために使用される美容シートを開示している。
【0004】
美容シートは通常、アルミホイル等でできた袋又はサックの中に折畳まれた美容シートを収容する包装体に入れて販売されている。
【0005】
美容シートを使用するときは、包装体の袋又はサックを切断して、美容シートを袋又はサックから取り出し、空中でマスクシートを広げ、皮膚に適用する。
【0006】
折畳まれた美容シートは、非常に濡れており、切断した袋又はサックから取り出すことが困難であることがしばしばある。
【0007】
さらに、化粧用液体が美容シートから滴り落ちて包装体に広がり、周囲を汚染することがしばしばある。これにより、周囲が汚れ、周囲の清掃が必要となる。
【0008】
さらに、濡れた折畳まれた美容シートを指を使って空中で広げるのは困難である可能性があることから、袋やサックから美容シートを取り出した後、美容シートの使用者は、例えば美容シートを広げる過程において、美容シートをどこか下に置かなければならないことがある。使用者は、美容シートを袋又はサックの外表面に置く可能性がある。しかし、袋又はサックの外表面は、例えばハウスダストによってすでに汚染されている可能性があるため、美容シートを袋又はサックの外表面に置くことは好ましくない。
【0009】
特開2006-224974は、美容シートを支持する包装体シートと共に美容シートを巻き込むことによって作製する美容シート包装体を開示している。包装体の巻きを解くことによって、包装体シートの清潔な内表面を提供することができ、その上に美容シートの使用者が美容シートを置くことができる。しかし、包装体を作製するために巻き込まれるときに、美容シートは必然的に包装体シートの外表面と接触するので、包装体シートの外表面による美容シートの潜在的汚染を避けることは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6702792号
【特許文献2】特開2006-224974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、美容シートを包装体から容易に取り出すことを可能にし、周囲の汚染を避けることができ、必要に応じて、汚染のリスクなしに美容包装体を清潔な表面の上に置くことを可能にできる新規の美容シート包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前記の目的は、
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
上部シートの内表面が底部シートの外表面と接触せず、
上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が上部シートの少なくとも一部に設けられており、
底部シートには、底部シートを破断可能な開封部が存在せず、
開封部の開封による上部シートの破断によって底部シートの内表面又は美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体によって達成することができる。
【0013】
本発明によれば、開封部の開封によって、底部シートの内表面の全体を露出可能であることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、上部シート及び底部シートは、単一のシートを構成してもよい。
【0015】
本発明によれば、上部シートの内表面の周辺部及び底部シートの内表面の周辺部の少なくとも一部が剥離可能に互いに接着されている。
【0016】
本発明によれば、開封部は、剥離可能なシールを備える。剥離可能なシールはタブを備えてもよい。タブは、上部シートを構成する複数の部分シートの端部を剥離可能に接着することにより形成されてもよい。
【0017】
本発明によれば、上部シートは長方形であってよく、開封部は上部シートの任意の辺と垂直な直線上に存在してよい。一方で、開封部は上部シートの対角線上に存在してもよい。或いは、開封部は円弧又は楕円弧上に存在してもよい。
【0018】
本発明によれば、美容シートが折畳まれていること、及び、美容シートがフェイスマスクシートであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】従来の美容シート包装体の一例の未開封状態における正面図である。
【図1B】従来の美容シート包装体の一例の開封状態における正面図である。
【図2】美容シートの一例の正面図である。
【図3A】本発明の美容シート包装体の一例の未開封状態における正面図である。
【図3B】本発明の美容シート包装体の一例の開封状態における正面図である。
【図4A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図4B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【図5A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図5B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【図6A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図6B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【図7A】本発明の美容シート包装体の別の例の未開封状態における正面図である。
【図7B】本発明の美容シート包装体の別の例の開封状態(B)における正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
鋭意検討の結果、発明者は、美容シート用のトレイとして機能することができ、したがって、美容シートを包装体から取り出すことが容易であり、本発明の美容シート包装体が周囲の汚染を避けることができ、必要に応じて、汚染のリスクなしに美容包装体を清潔な表面の上に置くことを可能にできる、新規の美容シート包装体を用意することが可能であることを発見した。
【0021】
したがって、本発明の美容シート包装体は、
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
上部シートの内表面が底部シートの外表面と接触せず、
上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が上部シートの少なくとも一部に設けられており、
底部シートは、底部シートを破断可能な開封部を有さず、
開封部の開封による上部シートの破断によって底部シートの内表面又は美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体であることを特徴とする。
【0022】
下文に、本発明の美容シート包装体を、図を用いて説明する。
【0023】
図1は、2つのフィルム又はシートの周辺部をシールして袋又はサックを形成することによって作製される典型的な従来の美容シート包装体(1)を示す。図1Aにおいて、従来の美容シート包装体(1)は、まだ開封されておらず、一方、図1Bにおいて、従来の美容シート包装体(1)を開封するために、従来の美容シート包装体(1)の一部が切断されている。
【0024】
従来の美容シート包装体(1)においては、折畳まれた美容シートが典型的に収容されている。図2は、広げられた美容シート(2)の一例を示す。図2に示す美容シート(2)は、顔に付着させるように設計されている。
【0025】
美容シート(2)が、ローション等の化粧用液体を含み、したがって濡れていることは典型的である。したがって、折畳まれた美容シート(2)を、袋又はサックの形態の切断した包装体から取り出すことは困難であることがある。
【0026】
さらに、折畳まれた美容シートを切断された美容シート包装体(1)から取り出すとき又は取り出した後に、美容シートに存在する化粧用液体が美容シートから滴り落ちて美容シート包装体(1)の上に広がり、滴が周囲を汚染する可能性がある。
【0027】
さらに、美容シート包装体(1)には美容シートを置くことができる清潔な表面がないために、美容シートの使用者は、折畳まれた美容シートを美容シート包装体(1)から取り出した後、美容シートを空中で保持しなければならない。美容シート包装体(1)の外表面は、例えばハウスダストによって、既に汚染されている可能性があり、したがって美容シートを美容シート包装体(1)の外表面に置くことは好ましくない。
【0028】
図3は、本発明の美容シート包装体(1)の一例を示す。図3Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図3Bは、その開封状態を示す。
【0029】
美容シート包装体(1)は、上部シート(3)及び底部シート(4)を備える。本実施形態において、折畳まれた美容シート(2)は、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0030】
図3に示す実施形態において、上部シート(3)は、2つの上部部分シート(3'、3")からなり、上部部分シート(3'、3")の端部(3a、3a)は、接着剤等によって剥離可能に接着されて、図3Aに示すような剥離可能なシールであるタブ(5)を形成する。剥離可能なシールは、開封可能であり、上部シート(3)の開封部として機能し、したがって、剥離可能なシールは、図3Bに示すように上部シート(3)を破断可能である。
【0031】
底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図3Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0032】
図3に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)は、単一のシートを構成する。すなわち、上部シート(3)及び底部シート(4)は、図3Bに明瞭に示すように、単一のシートの一部である。さらに、上部シート(3)の内表面の周辺部(3b)及び底部シート(4)の内表面の周辺部(3c)は、図3Aに示すように、接着剤等によって剥離可能に互いに接着されている。
【0033】
美容シート包装体(1)において、本実施形態においてはタブ(5)を形成する剥離可能なシールである開封部の開封による上部シート(2)の破断によって、底部シート(4)の内表面又は美容シート(2)の表面の少なくとも一部を露出可能である。
【0034】
したがって、図3に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者はタブ(5)を用いて端部(3a、3a)の間のシールを開封し、周辺部(3b、3c)を剥離することにより、上部シート(3)を2つの上部部分シート(3'、3")に破断又は分割して、上部シート(3)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が露出する。使用者は、美容シート(2)が濡れているにも関わらず、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0035】
図3に示す実施形態において、上部シート(3)の開封部の開封により、底部シート(4)の内表面全体を露出可能である。したがって、使用者にとって、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を取り出すことは、より容易である。
【0036】
さらに、底部シート(4)は、破断されず、したがって美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。したがって、美容シート(2)の中の化粧用液体が美容シート(2)から滴り落ちた場合でも、底部シート(4)は、化粧用液体の滴を収容することができ、液滴は美容シート包装体(1)の上に広がらないことになる。結果として、美容シート包装体(1)は、化粧用液体によって周囲が汚染されるのを阻止することができる。
【0037】
さらに、上部シート(3)及び底部シート(4)の内表面は、必要に応じて、使用者が美容シート(2)を置くことができる清潔な表面を提供する。したがって、例えば、使用者が空中で美容シート(2)を広げることが困難であると感じるとき、又は、使用者が美容シート(2)を使用している間に休憩を取る場合に、使用者は美容シート(2)を暫くの間、清潔であり、汚染されていない上部シート(3)及び/又は底部シート(4)の内表面の上に置くことができ、使用者は美容シート(2)の使用を再開することができる。
【0038】
本発明の美容シート包装体(1)において、上部シート(3)の内表面は底部シート(4)の外表面と接触しておらず、又は、底部シート(4)の内表面は上部シート(3)の外表面と接触していないので、上部シート(3)及び底部シート(4)の内表面は汚染される可能性がない。したがって、上部シート(3)及び底部シート(4)の内表面による汚染のリスクはない。
【0039】
さらに、美容シート(2)は、上部シート(3)の外表面又は底部シート(4)の外表面のいずれにも接触していない。したがって、ハウスダスト等の汚染物質が付着する可能性がある上部シート(3)又は底部シート(4)の外表面によって、美容シート(2)が汚染されるリスクもまたない。
【0040】
上部シート(3)の開封部は、直線状又は曲線状であってよい。したがって、本発明の種々の実施形態が存在する。
【0041】
図4は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図4Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図4Bは、その開封状態を示す。
【0042】
本実施形態においても、美容シート包装体(1)は、上部シート(3)及び底部シート(4)、を備えており、折畳まれた美容シート(2)が、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0043】
図4に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)の周辺部は、接着剤等で互いに接着されており、ミシン目線(6)が上部シート(3)の3つの周辺部に沿って形成されている。ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。開封部の使用者による開封操作を容易にするために、上部シート(3)にタブを形成してもよい。
【0044】
或いは、単一シートは折畳まれていてもよく、その周辺部は、図4に示す美容シート包装体(1)を形成するように接着剤等で互いに接着されていてよい。
ミシン目線(6)は、折畳み後に作製されてもよいが、ミシン目線(6)が、単一シートの一部が折畳まれる前に作製されることが好ましい。
【0045】
本実施形態において、上部シート(3)は、長方形であり、開封部は上部シート(3)の少なくとも1つの辺と垂直なまっすぐなミシン目線(6)の上に存在する。用語「長方形」は、本明細書において、長方形のみではなく正方形も包含する。
【0046】
同様に本実施形態において、底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図4Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0047】
したがって、図4に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は上部シート(3)をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断することによってミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が、露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0048】
図4に示す実施形態は、図3に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0049】
図5は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図5Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図5Bは、その開封状態を示す。
【0050】
本実施形態において、美容シート包装体(1)はまた、上部シート(3)及び底部シート(4)を備えており、折畳まれた美容シート(2)が、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0051】
図5に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)の周辺部は、接着剤等で互いに接着されており、ミシン目線(6)が上部シート(3)の対角線に沿って形成されている。ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。開封部の使用者による開封操作を容易にするために、上部シート(3)に1つもしくはそれ以上のタブを形成してもよい。
【0052】
或いは、単一シートは折畳まれていてもよく、その周辺部は、図5に示す美容シート包装体(1)を形成するように接着剤等で互いに接着されていてもよい。ミシン目線(6)は、折畳み後に作製されてもよいが、ミシン目線(6)が、単一シートの一部が折畳まれる前に作製されることが好ましい。
【0053】
本実施形態において、上部シート(3)は、長方形であり、開封部は上部シート(3)の対角線上に存在するまっすぐなミシン目線(6)の上に存在する。繰返しになるが、用語「長方形」は、本明細書において、長方形のみではなく正方形も包含する。
【0054】
同様に本実施形態において、底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図5Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0055】
したがって、図5に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は上部シート(3)をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断することによってミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0056】
図5に示す実施形態は、図3及び4に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0057】
図6は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図6Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図6Bは、その開封状態を示す。
【0058】
本実施形態においても、美容シート包装体(1)は、上部シート(3)及び底部シート(4)を備えており、折畳まれた美容シート(2)が、上部シート(3)の内表面及び底部シート(4)の内表面の間に収容されている。
【0059】
図6に示す実施形態において、上部シート(3)及び底部シート(4)の周辺部は、接着剤等で互いに接着されており、曲線状のミシン目線(6)が上部シート(3)の上に形成されている。ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。開封部の使用者による開封操作を容易にするために、上部シート(3)にタブを形成してもよい。
【0060】
或いは、単一シートは折畳まれていてもよく、その周辺部は、図6に示す美容シート包装体(1)を形成するように接着剤等で互いに接着されていてもよい。ミシン目線(6)は、折畳み後に作製されてもよいが、ミシン目線(6)が、単一シートの一部が折畳まれる前に作製されることが好ましい。
【0061】
本実施形態において、上部シート(3)は、長方形であり、開封部は上部シート(3)の上に存在する円弧又は楕円弧形状のミシン目線(6)の上に存在する。繰返しになるが、用語「長方形」は、本明細書において、長方形のみではなく正方形も包含する。
【0062】
同様に本実施形態において、底部シート(4)は、開封部を備えていない。底部シート(4)は、道具を使わずに容易に切断可能な部分を備えていない。美容シート(2)の使用者は、使用者の手のみでは底部シート(4)を切断することはできず、底部シート(4)を切断するためにはナイフ又ははさみ等の道具を必要とする。したがって、美容シート(2)を美容シート包装体(1)から取り出す通常の操作によって底部シート(4)を破断することは不可能である。したがって、図6Bに示す開封状態において、底部シート(4)は、美容シート(2)を収容するトレイとして機能することができる。
【0063】
したがって、図6に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は上部シート(3)をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断することによってミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が、露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0064】
図6に示す実施形態は、図3から5に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0065】
図7は、本発明の美容シート包装体(1)の別の例を示す。図7Aは、美容シート包装体(1)の未開封状態を示し、図7Bは、その開封状態を示す。
【0066】
図7に示す実施形態は、剥離可能なシールであるタブがミシン目線(6)に置き換わっていることを除いては図3に示す実施形態と一致する。したがって、本実施形態において、ミシン目線(6)は、上部シート(3)の開封部として機能することができる。
【0067】
したがって、図7に示す美容シート包装体(1)を開封するとき、例えば、使用者は、上部シート(3)を2つの上部部分シート(3'、3")に破断又は分割して、上部部分シート(3'、3")をドアのように引き出すために、ミシン目線(6)を破断し、周辺部(3b、3c)を剥離することにより、ミシン目線(6)を開封することができる。したがって、美容シート(2)を支持する底部シート(4)の内表面が露出する。使用者は、開封された美容シート包装体(1)から美容シート(2)を容易に取り出すことができる。
【0068】
図7に示す実施形態は、図3から6に示す実施形態の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0069】
本発明は、本発明の美容シート包装体の要件を満たすものである限り、いかなる実施形態においても実行可能である。例えば、開封部は、シールテープ又はフィルム等、それが気密性を提供し、包装体の内部の周囲からの隔離を維持できるものである限り、いかなるシーリング手段により設けられてもよい。
【0070】
いずれにせよ、美容シートの一部が汚染されることを防止するために、美容シート全体が上部シートの内表面及び底部シートの内表面の間に収容されることは好ましい。
【0071】
同様に、トレイとして使用されることになる内表面を清潔に保つために、上部シート及び底部シートの内表面のいずれかが周囲に露出すること又は上部シート及び底部シートの外表面のいずれかと接触することは避けるべきである。
【0072】
使用者による通常の操作によって破断可能である限り、上部シート及び底部シートの材料に制限はない。したがって、上部及び底部シートは、任意の材料からできていてよく、好ましくはプラスチック又は金属フィルムでできていてよい。アルミホイル、特に積層アルミホイル、例えば、薄いプラスチックフィルムで被覆されたアルミホイルは、上部及び底部シートの材料として好ましい。アルミホイルは、光及び/又は酸素を透過せず、したがって上部及び底部シートの材料として使用するのが好ましい。両表面が薄いプラスチックフィルムで被覆されたアルミホイルは、より好ましい。プラスチックフィルムとして、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性フィルムを使用してよい。ポリエチレンとして、例えば、HDPE、LDPE及びこれらの混合物を使用してよい。或いは、アルミニウム等の金属がプラスチックフィルムのいずれかの表面又は両表面に積層されたプラスチックフィルムを使用してよい。上部及び底部シートの厚さには、それを切り裂くことができるのであれば、制限はないが、例えば、0.01mmから0.5mm、好ましくは0.05mmから0.3mmであってよい。
【0073】
図3から6に示す美容シート(2)は顔に付着させるように設計されている。すなわち、美容シート(2)は、フェイスマスクシートであるように設計されている。しかし、本発明の美容シートは、顔のみならず首又はデコルテ等の身体にも適用されるように設計されてもよい。図3から6に示す実施形態において、1つの美容シート(2)のみが美容シート包装体(1)に収容されている。しかし、必要に応じて、複数の美容シートが美容シート包装体に収容されていてもよい。
【0074】
美容シートの材料に制限はなく、したがって任意の材料をこれらシートを作製するために使用してよい。2種もしくはそれ以上の材料を使用してよい。
【0075】
典型的には、材料は、綿、パルプ、竹及びセルロース繊維等の天然繊維、ビスコースレーヨン繊維等の半天然繊維、並びにポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、及びポリプロピレン繊維等の合成繊維でできた織布又は不織布であってよい。前記材料から選択される2種もしくはそれ以上を組み合わせて使用してよい。
【0076】
或いは、材料は、ポリエチレン及びポリビニルアルコール等の合成ポリマー、バイオセルロース及びアルギネート等の半合成ポリマー、多糖(例えば、カラギーナン及びキサンタンガム)、ムコ多糖(例えば、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウム)、ポリペプチド(例えば、γ-ポリグルタミン酸)及びタンパク質(例えば、ゼラチン及びコラーゲン)等の天然ポリマーから選択される少なくとも1つでできたフィルム又はシートであってよい。フィルム又はシートは、ゲル又はゼリーの形態であってよく、これらは透明、半透明又は不透明であってよい。前記物質から選択される2種もしくはそれ以上の物質を組み合わせて使用してよい。
【0077】
本発明の美容シートは、単一シート又は2つもしくはそれ以上の積層シートを含む層化シートでできていてもよい。層化シートを使用する場合、積層される各シートの材料は同一であっても互いに異なっていてもよい。例えば、層化シートは、合成ポリマー、半合成ポリマー及び/又は天然ポリマーでできた前記フィルム又はシートを前記織布又は不織布の上に積層させることにより作製されてよい。
【0078】
本発明の美容シートは化粧品、好ましくは化粧水及びミルクローション等の化粧用液体を含んでよい。したがって、本発明の美容シートは好ましくは濡れている。
【0079】
化粧品は、活性成分を含んでよく、活性成分は水溶性又は脂溶性であってよい。
【0080】
水溶性活性成分は、下記の化合物:アスコルビン酸及び生物学的適合性のあるその塩、酵素、抗生物質、引き締め剤、α-ヒドロキシ酸及びこれらの塩、水酸化ポリ酸、スクロース及びこれらの誘導体、尿素、アミノ酸、オリゴペプチド、水溶性の植物抽出物及び酵母抽出物、タンパク加水分解物、ヒアルロン酸、ムコ多糖、ビタミンB2、B6、H、PP、パンテノール、葉酸、アセチルサリチル酸、アラントイン、 グリチルレチン酸、コウジ酸、及びハイドロキノンから選択されてよい。
【0081】
脂溶性活性成分は、下記の化合物:d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、l-α-トコフェロール、dl-α-酢酸トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ビタミンF及びビタミンFのグリセリド、ビタミンD、ビタミンD2、ビタミンD3、レチノール、レチノールエステル、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、β-カロチン、d-パンテノール、ファルネソール及び酢酸ファルネシル;ホホバ油及び必須脂肪酸を豊富に含むクロフサスグリ油;角質溶解剤、例えばサリチル酸、サリチル酸の塩及びエステル、n-オクタノイル-5サリチル酸及びそのエステル、クエン酸、乳酸、グリコール酸等のα-ヒドロキシル酸のアルキルエステル等、アジアチン酸、マデカシン酸、アジアチコシド、ツボクサ(centella asiatica)の完全抽出物、β-グリチルレチン酸、α-ビサボロール、並びに、2オレオイルアミノ-1,3オクタデカン等のセラミド;フィタントリオール、ミルクスフィンゴミエリン、ポリ不飽和必須脂肪酸を豊富に含む海洋由来のリン脂質、並びに、エトキシキン;ローズマリー抽出物、メリッサ抽出物、ケルセチン、乾燥微細藻類(microalgae)抽出物、並びにステロイド系抗炎症剤から選択されてよい。
【0082】
このような脂溶性活性成分は可溶化状態で、単独又は組み合わせて使用される油に配合されてよく、油の中でも、下記を挙げることができる:動物、植物又は鉱物由来の油、特に脂肪酸及びポリオールのエステル、特に液状トリグリセリドによって形成される動物又は植物油、例えば、ヒマワリ、トウモロコシ、ダイズ、ペポカボチャ、ゴマ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオナッツ、アンズ、アーモンド、又はアボカド油;魚油、グリセロールトリカプロカプリレート、又は、式中R1が7から19個の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表わし、R2が3から20個の炭素原子を含む分枝状炭化水素鎖を表わす、式R1COOR2の植物又は動物油、例えば、パーセリン油;コムギ胚芽、カロフィラム、ゴマ、コリアンダー及びサフラワー油、パッションフラワー油、ムスクローズ(rosa mosqueta)油、マカデミア油、(ブドウ、クロフサスグリ、オレンジ又はキウイフルーツ種子から作られた)果実種子油、セイヨウアブラナ(colza)、コプラ、ピーナッツ、オナガー(onager)、パーム、ヒマ、アマニ、ホホバ、チーア及びオリーブ油、コムギ胚芽油等の穀物胚芽油、フスマ油、コメ油、及びカリテ油;アセチルグリセリド;アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノレート;脂肪酸のトリグリセリド;グリセリド;パラフィン油、ワセリン油及びペルヒドロスクワレン;脂肪アルコール(ステアリルアルコール、セチルアルコール)及び脂肪酸(ステアリン酸)並びにこれらのエステル;ポリアルキル(C1〜C20)シロキサン及び特にトリメチルシリル末端基を有するもの、好ましくは粘度が0.06 m2/s未満のもの、中でも直鎖状ポリジメチルシロキサン及びアルキルメチルポリシロキサン例えばセチルジメチコン (CTFA名cetyl dimethicone)等を挙げることができる。
【0083】
部分的にフッ素化された炭化水素油又はパーフルオロ化油、特にパーフルオロポリエーテル及びパーフルオロアルカンもまた挙げることができる。
【0084】
油相、すなわち化粧品中に分散している油滴は、組成物の全重量に対して0.1重量%から30重量%の範囲内の割合で存在してよい。好ましくは、このパーセンテージは、5重量%から25重量%の範囲内である。
【0085】
化粧品は、化粧品に一般的に使用される活性成分をさらに含んでよい。使用される活性成分の中で、抗酸化クレンジング剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、脱色素剤、脂肪調節剤、抗アクネ剤、抗フケ剤、抗老化剤、柔軟剤、抗しわ剤、角質溶解剤、抗炎症剤、フレッシュナー、ヒーリング剤、血管保護剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、デオドラント、皮膚コンディショナー、麻酔剤、免疫調節剤、栄養剤、皮脂吸収剤(例えばオルガゾル[Orgasol])又は水分吸収剤を挙げることができる。
【0086】
美容シートは典型的には、美容シート包装体に収容される前に折畳まれる。しかし、包装体が十分に大きい場合には、美容シートを折畳まない形態で美容シート包装体に収容することも可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 美容シート包装体
2 美容シート
3 上部シート
3' 上部部分シート
3'' 上部部分シート
3a 端部
3b 周辺部
3c 周辺部
4 底部シート
5 タブ
6 ミシン目線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
前記上部シートの内表面及び前記底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
前記上部シートの前記内表面が前記底部シートの前記外表面と接触せず、
前記上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が前記上部シートの少なくとも一部に設けられており、
前記底部シートには、該底部シートを破断可能な開封部が存在せず、
前記開封部の開封による前記上部シートの破断によって前記底部シートの内表面又は前記美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体。
【請求項2】
前記開封部の開封によって前記底部シートの内表面の全体を露出可能な、請求項1記載の美容シート包装体。
【請求項3】
前記上部シート及び前記底部シートが単一のシートを構成可能な、請求項1又は2記載の美容シート包装体。
【請求項4】
前記上部シートの内表面の周辺部及び前記底部シートの内表面の周辺部の少なくとも一部が剥離可能に互いに接着されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項5】
前記美容シートが前記上部シートの外表面又は前記底部シートの外表面のいずれにも接触していない、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項6】
前記開封部が剥離可能なシールを備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項7】
前記シールがタブを備える、請求項6記載の美容シート包装体。
【請求項8】
前記タブが、前記上部シートを構成する複数の部分シートの端部を剥離可能に接着することにより形成されている、請求項7記載の美容シート包装体。
【請求項9】
前記開封部が直線状又は曲線状である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項10】
前記上部シートが長方形であり、前記開封部が前記上部シートの任意の辺と垂直な直線上に存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項11】
前記上部シートが長方形であり、前記開封部が前記上部シートの対角線上に存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項12】
前記上部シートが長方形であり、前記開封部が円弧又は楕円弧上に存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項13】
前記美容シートが液体を含む、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項14】
前記美容シートが折畳まれている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項15】
前記美容シートがフェイスマスクシートである、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項1】
内表面及び外表面を有する上部シート、
内表面及び外表面を有する底部シート、並びに
前記上部シートの内表面及び前記底部シートの内表面の間に収容された美容シートを備える美容シート包装体であって、
前記上部シートの前記内表面が前記底部シートの前記外表面と接触せず、
前記上部シートを破断可能な少なくとも1つの開封部が前記上部シートの少なくとも一部に設けられており、
前記底部シートには、該底部シートを破断可能な開封部が存在せず、
前記開封部の開封による前記上部シートの破断によって前記底部シートの内表面又は前記美容シートの表面の少なくとも一部を露出可能な美容シート包装体。
【請求項2】
前記開封部の開封によって前記底部シートの内表面の全体を露出可能な、請求項1記載の美容シート包装体。
【請求項3】
前記上部シート及び前記底部シートが単一のシートを構成可能な、請求項1又は2記載の美容シート包装体。
【請求項4】
前記上部シートの内表面の周辺部及び前記底部シートの内表面の周辺部の少なくとも一部が剥離可能に互いに接着されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項5】
前記美容シートが前記上部シートの外表面又は前記底部シートの外表面のいずれにも接触していない、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項6】
前記開封部が剥離可能なシールを備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項7】
前記シールがタブを備える、請求項6記載の美容シート包装体。
【請求項8】
前記タブが、前記上部シートを構成する複数の部分シートの端部を剥離可能に接着することにより形成されている、請求項7記載の美容シート包装体。
【請求項9】
前記開封部が直線状又は曲線状である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項10】
前記上部シートが長方形であり、前記開封部が前記上部シートの任意の辺と垂直な直線上に存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項11】
前記上部シートが長方形であり、前記開封部が前記上部シートの対角線上に存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項12】
前記上部シートが長方形であり、前記開封部が円弧又は楕円弧上に存在する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項13】
前記美容シートが液体を含む、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項14】
前記美容シートが折畳まれている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【請求項15】
前記美容シートがフェイスマスクシートである、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の美容シート包装体。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2013−512154(P2013−512154A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524946(P2012−524946)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/JP2009/070356
【国際公開番号】WO2011/064901
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/JP2009/070356
【国際公開番号】WO2011/064901
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
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