説明

美容器具

【課題】ユーザにとって手軽に利用でき、かつその使用感が快適なトリートメント用の美容器具を提供する。
【解決手段】美容器具1は、ユーザの手に装着されるグローブ本体11と、グローブ本体11の外面上に取り付けられる面状電極12と、制御装置13とを備えている。面状電極12は、グローブ本体11の上において、一方の電極がユーザの手の平の側の親指の全面を覆うように配置されており、他方の電極がユーザの手の平の側の親指以外の4本の指の各々の全面を覆うように配置されている。制御装置13は電源等を有しており、当該電源に電気的に接続されている面状電極12にかけられている交流電圧、およびその交流電圧によってユーザの身体に流れる交流電流の周波数を調整することができる。面状電極12は、銀粉を含むシリコン樹脂であり、交流電圧をかけながらのマッサージの際にユーザは不快感を伴うことなく疲労回復、美顔等の効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な刺激を利用した美容器具に関する。なお、ここに言及される「美容」には広く「医療」等の分野も含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
電気的な刺激を利用した美容器具に関しては、従来からいくつかのアイディアが提供されている。人間の身体は、外部から微弱電流を流して刺激してやると、血行がよくなるとともに細胞が活性化されて、疲労回復、筋肉痛等の痛みの解消、美顔、痩身等の効果が得られることが実験により、もしくは経験的に分かっているからである。
【0003】
例えば、非特許文献1に開示される美容器具によれば、ユーザの手にビニール製の手袋を装着した上にさらにグローブ形状の当該美容器具を装着し、当該美容器具の繊維を水でぬらした後、電源を入れた状態の当該美容器具を装着した手でユーザの顔面をマッサージすることにより、顔面の筋肉を活性化させリフトアップによる美顔が実現される。
【0004】
非特許文献1に開示の美容器具は、グローブ形状の本体の親指部分と、その他の指の部分とに導電性の繊維が織り込まれており、それらを電源の電極の各々に接続することにより、上記マッサージ時に親指とその他の指との間に位置するユーザの顔面部分に低周波交流電圧がかけられる仕組みとなっている。なお、当該美容器具の装着前にユーザの手にビニール製の手袋を装着するのは、手に電流が流れないようにするためである。また、当該美容器具の繊維を水でぬらすのは繊維の導電性を高めるためである。以下、交流電圧をかけながらマッサージを行うことを「トリートメント」という。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[online]、[平成23年1月5日検索]、インターネット〈URL:http://i-kony.co.jp/product/product_beauty_liftingshapeex.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電気的な刺激を利用した美容器具は、ユーザにとってできるだけ手軽に利用でき、またトリートメント時の快適性ができるだけ高いことが望ましい。その点、上述の非特許文献1にかかる美容器具は、美容器具のグローブ形状の本体の装着に加えビニール製の手袋の装着が必要であり、わずらわしいとともに、内側のビニール製の手袋と美容器具の本体とがずれるなど、必ずしもその装着感がよくない。また、非特許文献1にかかる美容器具は、導電性繊維を水で濡らして顔面に接触させるため、使用時に顔面に不快感を伴うことがあるとともに、使用後に乾かすなどの手入れが必要となりわずらわしさが伴う。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザにとって手軽に利用でき、かつその使用感が快適なトリートメント用の美容器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的に鑑みて想到されたものであり、
ユーザの手に装着される非導電性のグローブ本体と、
前記グローブ本体の外面上に取り付けられた導電性樹脂または導電性布の面状電極と
を備え、
ユーザの身体に交流電圧をかけるために用いられる美容器具を提供する(第1の実施態様)。
【0009】
また、上記の第1の実施態様において、
前記面状電極は、溶着によって前記グローブ本体に取り付けられている
構成が採用されてもよい(第2の実施態様)。
【0010】
また、上記の第2の実施態様において、
前記面状電極は、熱溶着によって前記グローブ本体に取り付けられている
構成が採用されてもよい(第3の実施態様)。
【0011】
また、上記の第1乃至3のいずれかの実施態様において、
前記面状電極は、電源の一方の電極と電気的に接続され前記手の複数の指のうち少なくとも1の指の手の平側の領域の少なくとも一部を覆う第1の電極と、前記電源の前記一方の電極とは異なる他方の電極と電気的に接続され前記手の複数の指のうち前記少なくとも1の指とは異なる少なくとも1の他の指の手の平側の領域の少なくとも一部を覆う第2の電極とを有する
構成が採用されてもよい(第4の実施態様)。
【0012】
また、上記の第1乃至4のいずれかの実施態様において、
前記面状電極の素材は、銀粉を含むシリコン樹脂を有する
構成が採用されてもよい(第5の実施態様)。
【0013】
また、上記の第1乃至5のいずれかの実施態様において、
前記グローブ本体の素材は、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、ナイロンおよびポリエステルのうちの一つ、もしくはそれらのうちの2以上を有する
構成が採用されてもよい(第6の実施態様)。
【0014】
また、上記の第1乃至6のいずれかの実施態様において、
前記面状電極に電気的に接続される電源と、前記電源から前記面状電極を介して前記ユーザの身体にかけられる前記交流電圧の大きさを8ボルト以上かつ170ボルト以下の範囲内で調整する電圧調整機構とを有する制御装置を備える
構成が採用されてもよい(第7の実施態様)。
【0015】
また、上記の第7の実施態様において、
前記制御装置は、前記交流電流の周波数の大きさを1ヘルツ以上かつ1500ヘルツ以下の範囲内で調整する周波数調整機構を有する
構成が採用されてもよい(第8の実施態様)。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の実施態様にかかる美容器具によれば、ユーザの肌に触れる部分が非導電性のグローブ本体ではなく導電性の面状電極なので、トリートメントの際にユーザが不快な感じを与えられることがない。なぜなら、グローブ本体は一般的にごわごわした繊維によってつくられており肌触りが悪く、さらに本発明においては電極の導電性をよくするために水分を美容器具に含ませる必要もないからである。その結果として、ユーザは、使用時のわずらわしさや不快的な感触を伴うことなく、疲労回復、美顔等の効果を得ることができる。
【0017】
また、本発明の第2の実施態様にかかる美容器具によれば、面状電極が溶着によってグローブ本体に取り付けられているので、当該面状電極が当該グローブ本体から容易に剥がれてしまうようなことがない。
【0018】
また、本発明の第3の実施態様にかかる美容器具によれば、例えば超音波溶着のような他の溶着方法による溶着が行われた美容器具と比べ、一般的にコストが安くすむ。
【0019】
また、本発明の第4の実施態様にかかる美容器具によれば、片手のみで上述のトリートメントを行うことができるので、もう一方の手で制御装置を操作する等、ユーザフレンドリーな使用方法が可能である。
【0020】
また、本発明の第5の実施態様にかかる美容器具によれば、面状電極が銀粉により高い導電性を有するとともに、シリコン素材がトリートメントの際にユーザの肌に快適な感触を与える。
【0021】
また、本発明の第6の実施態様にかかる美容器具によれば、グローブ本体の素材が適切な非導電性の物質であるため、ユーザの手の側に電気的刺激がもたらされることがない。また、これらの素材は当該グローブ本体がトリートメントの際にユーザの肌に触れたとしてもさほどの不快感を与えない。
【0022】
また、本発明の第7の実施態様にかかる美容器具によれば、ユーザの身体に流れる交流電圧の振幅を調整することができるので、当該ユーザにとって好適な電気的刺激を得ることができる。ここで、好適な電気的刺激とは、上述したような血行促進、疲労回復、筋肉痛等の痛みの解消、美顔、痩身等の効果が得られる電気的刺激のことである(以下同様)。また、本実施態様にかかる美容器具によれば、ユーザの身体の部位等に応じて適切な電圧がかけられるので、過度の電気的刺激によるぴりぴりした痛み等を感じることがないとともに、電気的刺激が弱過ぎて上述の効果が得られないということもない。
【0023】
また、本発明の第8の実施態様にかかる美容器具によれば、ユーザの身体に流れる交流電圧の周波数を調整することができるので、当該ユーザにとって好適な電気的刺激を得ることができる。本実施態様にかかる美容器具によれば、ユーザの身体の部位や目的等に応じて適切な周波数が与えられるので、より高い美容効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明にかかる美容器具のユーザの手の平の側を表す図である。
【図2】図2は、本発明にかかる美容器具のユーザの手の甲の側を表す図である。
【図3】図3は、制御装置を取り外した状態の本発明にかかる美容器具のユーザの手の甲の側を表す図である。
【図4】図4は、本発明にかかる美容器具の制御装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態)
以下、本発明の一具体例である実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかる美容器具1のユーザの手の平の側の図である。図2は、本実施形態にかかる美容器具1のユーザの手の甲の側の図である。
【0026】
美容器具1は、ユーザの手に装着されるグローブ本体11と、グローブ本体11の外面上に取り付けられる面状電極12と、全般的な電気的制御を行う制御装置13とを備えている。
【0027】
グローブ本体11は、手袋状の形状を有するものであり、非導電性の素材によって作られている。より具体的には、当該非導電性の素材は例えばナイロンである。
【0028】
グローブ本体11は、右手用と左手用があり、それらのいずれかを片手にのみ装着して使用してもよいし、それらを両手に各々装着して使用してもよい。なお、図1および図2に示されるグローブ本体11は右手用であり、図3に示されるグローブ本体11は左手用である。
【0029】
なお、グローブ本体11は、例えば日本人の一般的な大人の女性の手にフィットするような大きさに作られている。
【0030】
面状電極12は、導電性樹脂の素材によって作られている電極である。より具体的には、面状電極12は、例えば所定の量の銀粉が散りばめられたシリコンである。当該銀粉の量は、面状電極12の総重量に対して例えば約10パーセントである。
【0031】
面状電極12は、例えば熱溶着によってグローブ本体11の上に固着されている。
【0032】
面状電極12は、図1に示されるように、グローブ本体11の上において、一方の電極がユーザの手の平の側の親指の全面を覆うように配置されており、他方の電極がユーザの手の平の側の親指以外の4本の指の各々の全面を覆うように配置されている。面状電極12がこのように構成されているため、ユーザが美容器具1を装着した状態で5本の指を使って例えば顔面をマッサージすると、それらの電極間に位置する顔面の部分に電圧がかけられトリートメント効果が得られる。
【0033】
図3は、本実施形態にかかる美容器具1から制御装置13を取り外した状態の美容器具1の手の甲の側の図である。
【0034】
図3に示されるように、面状電極12の一方の電極および他方の電極は、各々が上述した手の平の側から互いに交わったり接触したりすることなく手の甲の側の端部まで連続するようにグローブ本体11の上に配置されている。
【0035】
そして、当該各々の端部には2個で1対をなす金属製のオス型のスナップ121の各々が配置されている。これら2個のオス型のスナップ121の各々は、制御装置13の電極(後述)の各々と電気的かつ構造的に連結される。なお、制御装置13には右手用と左手用の区別はないが、右手用と左手用のグローブ本体11が同時に使用される場合、それらの各々に連結される制御装置13が計2個用いられることになる。
【0036】
図4は、制御装置13の背面図である。図4に示されるように、制御装置13には、グローブ本体11のオス型のスナップ121に嵌合する2個で1対をなすメス型のスナップ131が設けられている。メス型のスナップ131の各々は、(図示せぬ)電源の両電極と電気的に接続されている。なお、オス型のスナップ121とメス型のスナップ131との嵌合は、ユーザによるトリートメント時に生じる振動や衝撃を受けても外れない程度にしっかりとしたものでなければならない。
【0037】
また、制御装置13には、例えば図2に示されるようなユーザインターフェースが設けられている。当該ユーザインターフェースは、例えば、必要な情報を表示する液晶ディスプレイと、電源のオンオフを行うためのスイッチと、美容器具1のモード(交流電圧の周波数)を切り替えるためのスイッチと、電圧(交流電圧の振幅)を昇降させるための上下2つのスイッチとを有している。
【0038】
なお、制御装置13は略直方体状の形状を有しており、制御装置13の大きさは、例えば、縦が約7センチメートル、横が約5センチメートル、厚さが約3センチメートルである。
【0039】
制御装置13は、上述した電源に加え、(図示せぬ)電圧調整機構と、(図示せぬ)周波数調整機構とを内蔵している。
【0040】
電源は、例えば、電池と、当該電池から電流の流れを取り出すための周辺装置とを有しており、上述のオンオフを行うためのスイッチに対するユーザの操作に応じてオンオフされる。
【0041】
電圧調整機構は、トランス(変圧器)、すなわち2つのコイル間の相互誘導を利用し交流電圧の昇降もしくは交流電流の増減を行う装置を有しており、上述の電圧を昇降させるための2つのスイッチに対するユーザの操作に応じて電圧を昇降する。
【0042】
電圧調整機構は、例えば、メス型のスナップ131の各々の間の電圧を、10.3ボルトから155ボルトまでの範囲内で調整する。
【0043】
周波数調整機構は、例えば、サイリスタ型のインバーターであり、直流電流を交流電流に変換するとともに、上述のモードを切り替えるためのスイッチに対するユーザの操作に応じて周波数の大きさを調整する。
【0044】
周波数調整機構は、例えば、上述の交流電流の周波数を、2ヘルツから100ヘルツまでの範囲内で調整する。
【0045】
以下、本実施形態にかかる美容器具1の使用方法の一例について説明する。
【0046】
先ず、ユーザは、右手用のグローブ本体11および左手用のグローブ本体11の各々に関し、グローブ本体11のオス型のスナップ121と制御装置13のメス型のスナップ131とを嵌合することにより、図2に示されるように制御装置13をグローブ本体11に取り付ける。これにより、グローブ本体11の上に固着された面状電極12の各々が、制御装置13の電極の各々と電気的に接続される。
【0047】
続いてユーザが制御装置13のスイッチを操作して電源をオンにすると、上述の制御装置13の液晶ディスプレイ上にモード選択を促す表示が行われる。この表示に応じて、ユーザは上述のモードを切り替えるためのスイッチを操作して、「フェイス(顔)」モード、「スキンケア(肌)」モード、および「ボディ(身体)」モードのいずれかを選択する。
【0048】
なお、ユーザにより選択されたモードに応じて、スキンケアモードの場合は100ヘルツに周波数の設定がなされる。一方、フェイスモードおよびボディモードの場合は、動作中、所定の規則に従った時間間隔(例えばランダムな時間間隔)で順次、2ヘルツと10ヘルツとの間で周波数の切り替えが行われる。
【0049】
電圧は、表1に示されるように、モード毎にレベル1乃至5までのうちから選べるようになっているが、デフォルトでは一番低い電圧が印加される。当該電圧を高くしたい場合には、上方向のスイッチを押せばよいし、その後に電圧を低くしたい場合には、下方向のスイッチを押せばよい。
【0050】
【表1】

【0051】
モード(周波数)およびレベル(電圧)を所望の設定にした状態で、ユーザは例えば顔面や手足などの自分が望む身体の部位に対するトリートメントを行う。例として顔面に対するトリートメントに関しより具体的に説明すると、ユーザは例えば目の下から頬までの部分を親指とその他の4本の指とで挟んでマッサージを行う。
【0052】
その結果、例えば顔面に望ましい周波数の交流電流が適量流れるとともにユーザの指によるマッサージとの相乗効果によって、当該ユーザに血行の改善、細胞活動の活性化、疲労回復、筋肉痛等の痛みの解消、美顔、痩身等の施療がもたらされる。
【0053】
なお、美容器具1は、両手に装着して一度に2か所のトリートメントを行うことができるので非常に便利であるとともに、上述の顔面以外にも腹や二の腕等の全身をくまなくトリートメントすることができる。
【0054】
(変形例)
上述した実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形が可能である。
【0055】
例えば、グローブ本体11の素材はナイロンであるものとしたが、アクリル、ポリウレタン、ポリエステルのうちの一つ、もしくはそれらのうちの2以上の組み合わせであってもよく、特に問題がなければ他のいかなる非導電性の素材が用いられてもよい。
【0056】
また、グローブ本体11は、日本人の一般的な女性の手にフィットする大きさを有するものとしたが、それ以外のいかなる大きさのものが用いられてもよい。
【0057】
また、面状電極12は、導電性樹脂の素材によって作られているものとしたが、導電性布によって作られていてもよい。ここで、導電性布とは、導電性の金属繊維を絡めて織られた布のことを言う。
【0058】
また、面状電極12は所定の量の銀粉を散りばめられたシリコンであるものとしたが、面状電極12の導電性を損なわないものであれば、当該銀粉およびシリコンは他のいかなる物質によって代替されてもよい。
【0059】
また、当該銀粉の量は面状電極12の総重量に基づいて約10パーセントであるものとしたが、面状電極12の導電性を損なわなければ、また特に問題がなければ、他のいかなる量が用いられてもよい。
【0060】
また、面状電極12は、グローブ本体11の上において一方の電極がユーザの手の平の側の親指の全面を覆うように配置されており他方の電極がユーザの手の平の側の親指以外の4本の指の全面を覆うように配置されるものとしたが、特に問題がなければ他のいかなる位置に配置されてもよい。
【0061】
例えば、面状電極12は、電源の一方の電極と電気的に接続されユーザの手の複数の指のうち少なくとも1の指(例えば、親指と人差し指)の手の平の側の領域の少なくとも一部を覆う第1の電極と、上述の電源の一方の電極とは異なる他方の電極と電気的に接続されユーザの手の複数の指のうち上述の少なくとも1の指とは異なる少なくとも1の他の指(例えば、中指、薬指および小指)の手の平側の領域の少なくとも一部を覆う第2の電極とを有してもよい。
【0062】
また、面状電極12の一方の電極および他方の電極の各々の端部にはオス型のスナップ121が設けられており制御装置13が有するメス型のスナップ131と嵌合し面状電極12に交流電流が流れるものとしたが、他のいかなる構成によって面状電極12に電流が流れるようにしてもよい。例えば、制御装置13に電源を設ける代わりに家庭用のコンセントからプラグとコードを用いて面状電極2に電流を流すようにしてもよい。また、オス型のスナップ121とメス型のスナップ131との嵌合の構造も他の任意の構造で代替可能である。
【0063】
また、制御装置13は略直方体状の形状を有するものとしたが、特に問題がなければ他のいかなる形状であってもよく、その大きさも特に問題がなければいかなる大きさであってもよい。
【0064】
また、制御装置13に設けられるとした上述の電源、電圧調整機構、周波数調整機構、ユーザインターフェースの各々は、特に問題がなければ設けられなくてもよい。
【0065】
また、電圧調整機構はトランスであるとしたが、他のいかなる手段によって電圧の大きさの調整を行ってもよい。
【0066】
また、周波数調整機構はサイリスタ型のインバーターであるとしたが、他のいかなる手段によって周波数の大きさの調整を行ってもよい。
【0067】
また、制御装置13に設けられるとした上述のモードおよびレベルは随意のものであり、一般的に周波数に関しては1ヘルツ以上かつ1500ヘルツ以下の範囲内で調整され、電圧に関しては8ボルト以上かつ170ボルト以下の範囲内で調整されることが望ましいが、本願で述べた美容効果をもたらす限り他のいかなる大きさの周波数および電圧が採用されてもよい。
【0068】
また、美容器具1の各要素の形状、大きさ、材料、特定の位置、製造方法、およびそれらを限定する数値はあくまでも一例であり、必要に応じてその他のいかなる形状、大きさ、材料、特定の位置、製造方法、およびそれらを限定する数値が用いられてもよい。例えば、面状電極12は熱溶着によってグローブ本体11の上に固着されるものとしたが、他のいかなる方法によってグローブ本体11の上に取り付けられてもよい。すなわち、例えば、超音波溶着、振動溶着等の熱溶着以外の溶着や、加圧による接着、接着剤を用いた接着等によりそれらの固着が行われてもよい。
【0069】
また、美容器具1は右手用および左手用の各々に関し、グローブ本体11の上に配置された2個1対の面状電極12と、それらに電気的に接続される制御装置13により構成されるものとしたが、それらの構成要素(もしくは構成要素が有する構成部)の配置は様々に変更可能である。
【0070】
例えば、1つの制御装置13に対し、右手用のグローブ本体11と左手用のグローブ本体11とを並列的に接続する構成が採用されてもよい。またその場合、右手用のグローブ本体11および左手用のグローブ本体11の各々に2個1対の面状電極12を配置する代わりに、例えば右手用のグローブ本体11の上に5つの指の手の平の側の全面を覆うように1つの面状電極を配置し、左手用のグローブ本体11の上にも同様に5つの指の手の平の側の全面を覆うように1つの面状電極を配置し、右手用のグローブ本体11の電極を制御装置13の一方の電極に、また左手用のグローブ本体11の電極を制御装置13の他方の電極に接続する構成が採用されてもよい。なおこの場合、親指と他の4本の指との間ではなく、右手と左手との間の身体部分に電流が流れることになる。
【0071】
また、上述した美容器具1の使用方法はあくまでも一例であり、他のいかなる方法によって使用されてもよい。例えば、上述の使用方法においては、右手および左手の両方に同時に美容器具1を装着し、両手でトリートメントを行うものとしたが、右手もしくは左手の一方のみに美容器具1を装着し、片手でトリートメントを行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明にかかる美容器具は、健康に関心のある多くのユーザにより用いられると考えられ、いわゆる製造業や卸売り・小売り等のサービス業において利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…美容器具、11…グローブ本体、12…面状電極、121…オス型のスナップ、13…制御装置、131…メス型のスナップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手に装着される非導電性のグローブ本体と、
前記グローブ本体の外面上に取り付けられた導電性樹脂または導電性布の面状電極と
を備え、
ユーザの身体に交流電圧をかけるために用いられる美容器具。
【請求項2】
前記面状電極は、溶着によって前記グローブ本体に取り付けられている
請求項1に記載の美容器具。
【請求項3】
前記面状電極は、熱溶着によって前記グローブ本体に取り付けられている
請求項2に記載の美容器具。
【請求項4】
前記面状電極は、電源の一方の電極と電気的に接続され前記手の複数の指のうち少なくとも1の指の手の平側の領域の少なくとも一部を覆う第1の電極と、前記電源の前記一方の電極とは異なる他方の電極と電気的に接続され前記手の複数の指のうち前記少なくとも1の指とは異なる少なくとも1の他の指の手の平側の領域の少なくとも一部を覆う第2の電極とを有する
請求項1乃至3のいずれかに記載の美容器具。
【請求項5】
前記面状電極の素材は、銀粉を含むシリコン樹脂を有する
請求項1乃至4のいずれかに記載の美容器具。
【請求項6】
前記グローブ本体の素材は、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、ナイロンおよびポリエステルのうちの一つ、もしくはそれらのうちの2以上を有する
請求項1乃至5のいずれかに記載の美容器具。
【請求項7】
前記面状電極に電気的に接続される電源と、前記電源から前記面状電極を介して前記ユーザの身体にかけられる前記交流電圧の大きさを8ボルト以上かつ170ボルト以下の範囲内で調整する電圧調整機構とを有する制御装置
を備える請求項1乃至6のいずれかに記載の美容器具。
【請求項8】
前記制御装置は、前記交流電流の周波数の大きさを1ヘルツ以上かつ1500ヘルツ以下の範囲内で調整する周波数調整機構を有する
請求項7に記載の美容器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−152352(P2012−152352A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13394(P2011−13394)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(506316627)株式会社コニー (2)
【Fターム(参考)】