説明

耐圧防爆用アンテナおよび耐圧防爆用アンテナの製造方法

【課題】製造が容易なうえ低価格でかつ軽量に形成され、しかもアンテナの中心周波数が変化し難いアンテナカバーを有する耐圧防爆用アンテナを提供する。
【解決手段】圧力発信器の外端部(支持部材5)に設けられるアンテナ本体11と、前記アンテナ本体11を覆うアンテナカバー12とを備える。前記アンテナカバー12は、ポリカーボネイトによって耐圧防爆構造の強度条件を充足するとともに電波が透過するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ本体を覆うアンテナカバーを備えた耐圧防爆用アンテナおよび耐圧防爆用アンテナの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、爆発性雰囲気となるような危険場所で使用する無線通信機器は、アンテナを含めて防爆構造を採る必要がある。従来のこの種の防爆無線アンテナとしては、たとえば特許文献1や特許文献2に記載されているものがある。特許文献1に開示されたアンテナは、防爆型機器本体に接続された線状のアンテナ本体と、このアンテナ本体を覆うアンテナカバーとを備えている。
【0003】
前記アンテナカバーは、ナイロン66ガラス繊維入り材ナイロンによって中空部を有する円柱状に形成されている。このアンテナカバーの中空部は、アンテナ本体を収容できる大きさに形成され、アンテナカバーの一端部に開口している。
特許文献2に開示されたアンテナは、耐熱強化ガラスによって形成されたアンテナカバーの中にアンテナ本体を収納した構造のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−78835号公報
【特許文献2】特開2006−197402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたアンテナカバーは、後述する二つの理由によって製造コストを低くするにも限界があった。第1の理由は、ガラス繊維が混入した高価な材料で形成されているために材料費が嵩むからである。第2の理由は、ガラス繊維が金型や成型機などを摩耗させるために製造設備の費用が高くなるからである。
【0006】
特許文献2に開示された耐熱強化ガラス製のアンテナカバーは、高価であるばかりか、重量も重くなるという問題がある。また、ガラスは、プラスチックに較べると誘電率が大きいから、ガラス製のアンテナカバーは、いわゆる波長短縮効果が生じ、アンテナの中心周波数が変化するという問題もある。さらに、ガラスに衝撃強度を持たせるためには、風冷または化学強化処理が必要であり、製造し難いという問題も有している。
【0007】
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、製造が容易なうえ低価格でかつ軽量に形成され、しかもアンテナの中心周波数が変化し難いアンテナカバーを有する耐圧防爆用アンテナおよびこの耐圧防爆用アンテナの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る耐圧防爆用アンテナは、耐圧防爆型通信機器の外端部に設けられるアンテナ本体と、前記アンテナ本体を覆うアンテナカバーとを備え、前記アンテナカバーは、ポリカーボネイトによって耐圧防爆構造の強度条件を充足するとともに電波が透過するように形成されているものである。
【0009】
本発明は、前記発明において、前記ポリカーボネイトは、前記耐圧防爆型通信機器を使用する環境の温度に適合した相対温度指数のものであることを特徴とするものである。
本発明は、前記発明において、前記アンテナカバーは、前記アンテナ本体を挿入可能な中空部を有する有底筒状に形成されるとともに、前記中空部の開口部分に形成された雌ねじに前記アンテナ本体が螺着することによって前記アンテナ本体に取付けられているものである。
【0010】
本発明は、前記発明において、前記アンテナ本体には、前記耐圧防爆型通信機器に取付けられる取付部が設けられているものである。
本発明に係る耐圧防爆用アンテナの製造方法は、溶融されたポリカーボネイトをアンテナカバー成形用の金型に注入して有底筒状のアンテナカバーを成形するステップと、前記アンテナカバーを前記金型から取出すステップと、前記アンテナカバーの内部にアンテナ本体を挿入し、アンテナカバーとアンテナ本体とを結合させるステップとを有する方法である。
【発明の効果】
【0011】
ポリカーボネイトは、強化用繊維を混入させなくてもガラス繊維入りナイロンと同等の強度を有し、かつガラスより比重が軽いものである。また、ポリカーボネイトは、上記二つの材料と較べて安価で、ガラスと較べると誘電率が小さいものである。
したがって、本発明によれば、製造が容易なうえ低価格でかつ軽量に形成され、しかもアンテナの中心周波数が変化し難いアンテナカバーを有する耐圧防爆用アンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る耐圧防爆用アンテナを備えた圧力発信器を示す図で、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図である。
【図2】要部を拡大して示す断面図である。
【図3】アンテナカバーを成形する工程を説明するための成型機の断面図である。
【図4】アンテナの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る耐圧防爆用アンテナおよび耐圧防爆用アンテナの製造方法の一実施の形態を図1〜図4によって詳細に説明する。この実施の形態においては、本発明でいう耐圧防爆型通信機器として無線式圧力発信器を用いる場合について説明する。
【0014】
図1に示す耐圧防爆型圧力発信器1は、図示していない被検出用流体通路が接続される検出部2と、この検出部2に取付けられた通信部3とを備え、内蔵したバッテリー(図示せず)を電源として動作するものである。通信部3の外端部には、本発明に係る耐圧防爆用アンテナ4が取付けられている。通信部3は、無線通信によって検出データを送信したり、動作制御用の信号を受信するように構成されている。
【0015】
この圧力発信器1は、耐圧防爆構造の強度条件を充足するように形成されている。ここでいう耐圧防爆構造とは、圧力発信器1内で爆発が起きた際にその火災を外部に出さない防爆構造をいう。すなわち、この圧力発信器1は、機器内部での爆発衝撃で破損しない機械的強度を有するように形成されている。
【0016】
前記耐圧防爆用アンテナ4は、図2に示すように、前記通信部3の外端部を構成する支持部材5に突出するように取付けられている。詳述すると、このアンテナ4は、前記支持部材5の先端部に取付けられたアンテナ本体11と、このアンテナ本体11を覆うアンテナカバー12とによって構成されている。
前記アンテナ本体11は、前記支持部材5に取付けられたホルダー13と、このホルダー13に取付けられたアンテナ素子14とによって構成されている。
【0017】
前記ホルダー13は、前記支持部材5に重ねられるフランジ部13aと、このフランジ部13aから支持部材5側に延びる第1の筒状部13bと、前記フランジ部13aから支持部材5とは反対方向に延びる第2の筒状部13cとによって構成されている。
前記フランジ部13aは、円環状に形成されている。このフランジ部13aの軸心部には、第1の筒状部13bの中空部分と第2の筒状部13cの中空部分とを連通する貫通孔15が穿設されている。
【0018】
前記第1、第2の筒状部13b,13cの外周部には、それぞれ雄ねじ16,17が形成されている。第1の筒状部13bの雄ねじ16は、支持部材5に形成されたねじ孔18に螺着している。この実施の形態においては、前記第1の筒状部13bの雄ねじ16によって、請求項4記載の発明でいう「取付部」が構成されている。
【0019】
前記第2の筒状部13cの雄ねじ17は、後述するアンテナカバー12を取付けるためのものである。第2の筒状部13cの内周部には、アンテナ素子14を取付けるためのねじ孔19が形成されている。
アンテナ素子14は、モノポールアンテナを構成するもので、前記第2の筒状部13cのねじ孔19に螺着されて前記ホルダー13に支持されている。このアンテナ素子14に接続されたリード線20は、ホルダー13の中空部21と支持部材5内とを通して前記通信部3に導かれている。
【0020】
前記アンテナカバー12は、耐圧防爆構造の強度条件を充足するとともに電波が透過するように、ポリカーボネイトによって所定の形状に形成されている。このアンテナカバー12の形状は、前記アンテナ本体11を挿入可能な中空部22を有する有底円筒状である。このアンテナカバー12における前記中空部22の開口する端面は、平坦面に形成されている。前記中空部22の開口部分には、前記第2の筒状部13cの雄ねじ17が螺合する雌ねじ23が形成されている。この雌ねじ23は、アンテナカバー12が成形された後に機械加工によって形成されている。
【0021】
すなわち、このアンテナカバー12は、前記雌ねじ23に前記アンテナ本体11の雄ねじ17を螺着させることによって、前記アンテナ本体11に取付けられている。なお、アンテナカバー12をアンテナ本体11に取付けるにあたっては、上述したようなねじ式の取付構造に限定されることはない。アンテナカバー12は、たとえば接着剤(図示せず)を用いてアンテナ本体11に固定することができる。この場合は、アンテナカバー12をアンテナ本体11の第2の筒状部13cに嵌合するように形成し、この嵌合部分と、アンテナカバー12の端面とフランジ部13aとの間とを接着剤で接着することができる。
アンテナカバー12がアンテナ本体11に取付けられた状態においては、アンテナカバー12の前記端面がアンテナ本体11のフランジ部13aに直接または接着剤を介して密着し、アンテナ本体11のアンテナ素子14と第2の筒状部13cとがアンテナカバー12の中空部22内に収容される。
【0022】
アンテナ素子14の線状部14aを収容するアンテナカバー12の先端部12aは、先端に向かうにしたがって漸次外径が細くなるように形成されている。
言い換えれば、前記先端部12aは、アンテナ本体11に取付けられる基部12bと較べて厚みが薄く形成されている。これは、アンテナカバー12の上端付近に側方から衝撃が加えられた場合に、アンテナカバー12全体が受ける曲げモーメントを小さくし、耐衝撃性を向上させるためである。なお、図2に示すアンテナカバー12は、耐圧防爆構造の強度条件を確実に満たすように、厚みに充分な余裕をもたせた状態で描いてある。
【0023】
このアンテナカバー12は、図3に示すような射出成形機31を使用して成形することができる。射出成形機31は、アンテナカバー12を成形するための金型32と、この金型32を開閉させる型締めユニット(図示せず)と、溶融されたポリカーボネイト33を前記金型32内に射出する射出ユニット34などを備えている。
前記金型32は、アンテナカバー12の径方向に分割する第1、第2の金型32a,32bと、アンテナカバー12の内周面を形成するための第3の金型32cとによって構成されている。なお、金型32の構成は、図3に示す構成に限定されることはなく、適宜変更することができる。たとえば、金型32としては、アンテナカバー12の内周側と外周側とに分割するものを用いることができるし、アンテナカバー12の開口部に雌ねじ23を成形できるようなものを用いることもできる。
【0024】
次に、前記アンテナカバー12を有する耐圧防爆用アンテナ4の製造方法を図4に示すフローチャートを用いて説明する。このアンテナ4を製造するためには、先ず、図3に示した射出成形機31において、加熱、溶融されたポリカーボネイト33を金型32内に射出し、有底円筒状のアンテナカバー12を成形する(ステップP1)。次に、ポリカーボネイト33が固化した後、前記アンテナカバー12を前記金型32から取出す(ステップP2)。
【0025】
その後、アンテナカバー12の開口部に雌ねじ23を形成する。そして、アンテナカバー12の中空部22内に開口部分からアンテナ本体11を挿入し、アンテナカバー12の雌ねじ23をアンテナ本体11の雄ねじ17に螺着させてアンテナカバー12とアンテナ本体11とを結合させる(ステップP3)。このアンテナ本体11は、アンテナカバー12に取付ける以前に、前記ホルダー13に前記アンテナ素子14を螺着させて組み立てておく。なお、この結合ステップP3は、支持部材5に予め取付けられたアンテナ本体11にアンテナカバー12を結合することによっても実施可能である。
【0026】
この実施の形態によるアンテナカバー12は、耐圧防爆構造の強度条件を充足するために、以下の二つの構成が採られている。第1の構成は、圧力発信器1の使用環境に適合する相対温度指数{以下、単にRTI(Relative Temperture Index)という}のポリカーボネイトを使用していることである。この実施の形態においては、使用環境の温度を最大約80℃と想定し、RTI(Elec)が130℃であり、RTI(Imp)が125℃、RTI(Str)が130℃であるポリカーボネイトを使用している。
【0027】
前記RTI(Elec)とは、絶縁破壊が起こることがない最高温度であり、RTI(Imp)とは、衝撃に耐え得る温度であり、RTI(Str)とは、曲げ変形に耐え得る温度である。また、このポリカーボネイトは、いわゆるUL認証を取得したものを使用した。なお、RTIは、上述した値に限定されることはないが、使用環境の温度に20を加算した値以上とすることが望ましい。
【0028】
第2の構成は、以下の各種の試験に合格することである。試験としては、衝撃試験、耐光性試験、爆発試験などがある。衝撃試験は、重錘の落下により生じた衝撃に耐える強度を確認する試験である。耐光性試験は、紫外線を1000時間照射し続けた後の強度が照射以前の強度の1/2以上であることを確認する試験である。爆発試験は、機器内部に試験ガスを入れ、強制的に点火させ、その爆発圧力に容器が耐えることを確認する試験である。
【0029】
この実施の形態によるアンテナカバー12は、前記RTIが125℃のポリカーボネイトによって形成されている。この材料で試験片(L80mm×w10mm×t4mm)を作成し、前記耐光性試験を実施した結果、シャルピー衝撃強度は紫外線照射以前と以後とで殆ど変化しないことが分かった。
耐光性試験は、キセノンランプを光源とし、試験温度は55℃、湿度50%RH、放射照度60W/m2(300〜400nm)として行った。
【0030】
また、シャルピー衝撃試験は、ハンマー持ち上げ角度150°とし、ハンマー容量2J、ノッチの有無:有り(Aノッチ)、後ノッチ、試験片の置き方:エッジワイズ、試験温度23℃として行った。 紫外線照射以前のシャルピー衝撃強度は8.5(KJ/m2)であり、紫外線照射後のシャルピー衝撃強度は8.7(KJ/m2)であった。
【0031】
前記アンテナカバー12を形成する材料であるポリカーボネイトは、強化用繊維を混入させなくてもガラス繊維入りナイロンと同等の強度を有し、かつガラスより比重が軽いものである。また、このポリカーボネイトは、上記二つの材料と較べて安価で、ガラスと較べると誘電率が小さいものである。
したがって、この実施の形態によれば、製造が容易なうえ低価格でかつ軽量に形成され、しかも電波の波長短縮効果が生じ難く、アンテナの中心周波数が変化し難いアンテナカバー12を有する耐圧防爆用アンテナ4を提供することができる。
【0032】
この実施の形態によるポリカーボネイトは、圧力発信器1を使用する環境の温度に適合した相対温度指数のものである。このため、この実施の形態による耐圧防爆用アンテナ4は、アンテナカバー12の高温耐久性が高くなるから、耐圧防爆の信頼性がより一層高いものとなる。
【0033】
この実施の形態による前記アンテナカバー12は、前記アンテナ本体11を挿入可能な中空部22を有する有底円筒状に形成されている。また、アンテナカバー12は、前記中空部22の開口部分に形成された雌ねじ23に前記アンテナ本体11が螺着することによって前記アンテナ本体11に取付けられている。
このため、この実施の形態による耐圧防爆用アンテナ4は、ボルト、ナットなどの締結部材や接着剤などを用いることなく簡単に組立てることができる。したがって、この実施の形態によれば、短時間で組立てることが可能な耐圧防爆用アンテナ4を提供することができる。
【0034】
この実施の形態によるアンテナ本体11には、前記圧力発信器1の支持部材5に取付けられる雄ねじ16が設けられている。このため、この実施の形態による耐圧防爆用アンテナ4は、アンテナ本体11を支持部材5に螺着することによって支持部材5に取付けられるから、アンテナ本体11を圧力発信器1の支持部材5に取付けるための締結力がアンテナカバー12に加えられることはない。したがって、この実施の形態によれば、アンテナカバー12に過度に大きな外力が加えられることを防ぎながら、アンテナ4を強固に(耐圧防爆構造の条件を満たすように)圧力発信器1に取付けることができる。
【0035】
この実施の形態によるアンテナ4の製造方法は、溶融されたポリカーボネイト33をアンテナカバー成形用の金型32に注入して有底筒状のアンテナカバー12を成形するステップ(図4におけるステップP1)と、前記アンテナカバー12を前記金型32から取出すステップ(図4におけるステップP2)と、前記アンテナカバー12の中空部22内にアンテナ本体11を挿入し、アンテナカバー12とアンテナ本体11とを結合させるステップ(図4におけるステップP3)とを有している。
【0036】
この製造方法によれば、アンテナカバー12を射出成形法によって形成することができるから、アンテナカバー12の大量生産が可能になる。また、アンテナ本体11を組付け可能な形状にアンテナカバー12を成形できるから、少ない工程でアンテナカバー12をアンテナ本体11に取付けることができる。
したがって、この実施の形態によれば、アンテナカバー12の大量生産が可能で、しかも組立工数が少なくてよいから、低いコストで耐圧防爆用アンテナ4を製造することができる。
【0037】
この実施の形態で示した圧力発信器1は、耐圧防爆構造の強度条件を充足しているために、内蔵するコンデンサ(図示せず)の容量に制限を受けることがないものである。このため、この圧力発信器1は、大容量のコンデンサを使用するエナジーハーベスト技術を適用することが可能になる。このエナジーハーベスト技術とは、環境エネルギー(光、振動、熱など)を電気に変換し、一次電池や外部電源を使わずに電子部品を駆動する技術である。すなわち、この圧力発信器1においては、エナジーハーベスト技術によって得られた微少な電力を前記コンデンサに蓄え、回路を動作させることによって、バッテリーの長寿命化やバッテリレス化を実現することが可能である。
【0038】
上述した実施の形態においては、本発明を無線式圧力発信器1のアンテナ4に適用する例を示したが、本発明に係る耐圧防爆用アンテナは、耐圧防爆型の無線通信機器であればどのようなものにも適用することができる。たとえば、本発明に係るアンテナは、耐圧防爆型の流量計、バルブ用ポジショナー、温度発信器、差圧発信器、PH計、無線LAN用アクセスポイントなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…圧力発信器、5…支持部材、4…耐圧防爆用アンテナ、11…アンテナ本体、12…アンテナカバー、13…ホルダー、13b…第1の筒状部、13c…第2の筒状部、14…アンテナ素子、16,17…雄ねじ、22…中空部、23…雌ねじ、31…射出成形機、32…金型、33…ポリカーボネイト、P1…成形ステップ、P2…取出しステップ、P3…結合ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐圧防爆型通信機器の外端部に設けられるアンテナ本体と、
前記アンテナ本体を覆うアンテナカバーとを備え、
前記アンテナカバーは、ポリカーボネイトによって耐圧防爆構造の強度条件を充足するとともに電波が透過するように形成されていることを特徴とする耐圧防爆用アンテナ。
【請求項2】
請求項1記載の耐圧防爆用アンテナにおいて、前記ポリカーボネイトは、前記耐圧防爆型通信機器を使用する環境の温度に適合した相対温度指数のものであることを特徴とする耐圧防爆用アンテナ。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の耐圧防爆用アンテナにおいて、前記アンテナカバーは、前記アンテナ本体を挿入可能な中空部を有する有底筒状に形成されるとともに、前記中空部の開口部分に形成された雌ねじに前記アンテナ本体が螺着することによって前記アンテナ本体に取付けられていることを特徴とする耐圧防爆用アンテナ。
【請求項4】
請求項3記載の耐圧防爆用アンテナにおいて、前記アンテナ本体には、前記耐圧防爆型通信機器に取付けられる取付部が設けられていることを特徴とする耐圧防爆用アンテナ。
【請求項5】
溶融されたポリカーボネイトをアンテナカバー成形用の金型に注入して有底筒状のアンテナカバーを成形するステップと、
前記アンテナカバーを前記金型から取出すステップと、
前記アンテナカバーの内部にアンテナ本体を挿入し、アンテナカバーとアンテナ本体とを結合させるステップとを有することを特徴とする耐圧防爆用アンテナの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−105042(P2012−105042A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251526(P2010−251526)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】