説明

耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント及びそのコンポーネントを被覆する方法

【課題】
本発明は、炭化水素坑井の掘削又は作業のための耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント及びに当該コンポーネントを被覆する方法に関する。
【解決手段】
管状コンポーネントはその両末端(1;2)の一方にねじ式領域(3;4)があり、当該ねじ式領域はそのねじ式末端が雄型ねじか雌型ねじかにより外周面又は内周面上に作られており、少なくとも末端(1;2)の部分がフルオロウレタンマトリックスを含む乾燥フィルムで被覆されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭化水素坑井の掘削及び作業に用いられる耐摩耗性管状コンポーネントに関し、より的確には、当該コンポーネントのねじ式末端に関し、当該末端は雄型又は雌型であり、対応する別のコンポーネントの末端に接続されることができ、接続部を構成する。本発明はまた組立により2の管状コンポーネントを合わせて得られるねじ式接続部に関する。本発明はまた当該耐摩耗性管状コンポーネントを被覆する方法に関する。
【0002】
「炭化水素坑井の掘削及び作業に用いられる」コンポーネントとは、同じタイプの別の要素と接続することを目的にするか、又は、炭化水素坑井掘削用ストリング若しくはワークオーバー用ライザー等のメンテナンスを目的とするライザー、生産(プロダクション)ライザー等の作業用ライザー、あるいは坑井での作業で用いられる鋳型ストリングや管状ストリング用ライザーを最終的に形成することを目的とする、実質的に管状のいかなる要素をも意味する。本発明はまた、ドリルパイプ、重量ドリルパイプ、パイプ接続部のドリルカラー及びその部分並びにツールジョイントとして知られる重量パイプ等のドリルストリングで用いられるコンポーネントにも適用できる。
【0003】
各管状コンポーネントは、雄型ねじ式領域を備える1の末端及び/又は雌型ねじ式領域を備える1の末端を含み、各々対応する別のコンポーネントの末端と組立てて接続されることを目的とし、当該組立品を接続部と定義する。
【背景技術】
【0004】
ねじ式管状コンポーネントは、使用条件により課せられた締まりばめや密封のための条件を満たすように設定された応力で接続される。接続部で用いられる合金のタイプに応じて、当該応力の程度や性質は異なってよい。炭素鋼合金は、一般に、腐食挙動に関してやや脆弱であるが、その一方でより有益な摩擦特性がある。ステンレス鋼合金は、それに対して、より臨界的な摩擦挙動を示すが、腐食耐性は極めて良好である。坑井では当該ねじ式管状コンポーネントが数度の組立−分解サイクルを受けなければならないかもしれない。組立作業は、高軸荷重下、例えば、ねじ接続部により接続される長さ数メートルの管の荷重、で一般的に行われ、当該管は、接続されるねじ式要素の軸からわずかにずらして配置されてるかもしれないが;これにより、ねじ領域及び金属/金属封止面での摩耗のリスクが生じる。
【0005】
ねじ式領域を保護することを目的とした様々な解決方法が行われてきた。
【0006】
伝統的に、組立−分解作業中で摩耗からねじ式領域を保護するために、腐食から保護するグリースを剥ぎ取り、米国石油協会(API)規格のAPI Bul 5A2又は5A3によるグリース等の特別な組立グリースで被覆する。しかしながら、現場で追加の被覆プロセスが実施される必要がある不都合に加え、鉛等の重金属及び/又は有毒金属が混在する当該グリースを用いると、坑井や周辺に汚染が生じるという不都合が生じるが、それは、過剰なグリースが組立作業中にねじ切りから排出されるからである。
【0007】
潤滑剤の保持力と炭素鋼の被覆の接着力を高めるために、リン酸亜鉛皮膜処理、リン酸マグネシウム皮膜処理又は混合リン酸塩皮膜処理等のリン酸塩皮膜処理系の処理が開発されてきた。当該処理は、鋼鉄に化学的に処理を施し、腐食保護を促進する接着性が高い結晶層を形成することからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2008/108263号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】D Kuhlmann-Wilsdorfet al, “Plastic flow between Bridgman anvils under high pressures", J Mater Res, vol 6, no 12, Dec 1991
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このタイプの表面処理は、しかしながら、クロム鋼には適用できない点で不都合である。また工業的規模では、技術的パラメータの制御が困難(潜在的な均一性の問題)であり、廃液を高価な態様で処理しなければならないという不都合がある。
【0011】
シュウ酸処理タイプの表面処理は、シュウ酸で表面処理をすることに基づき、鋼鉄に用いられるが、環境問題が前記リン酸塩皮膜処理よりもより顕著であるという欠点がある。
【0012】
潤滑剤の保持力と炭素鋼の被覆の接着力を高めるために、ショットブラスト加工、サンドブラスト加工及び他の衝撃加工等の機械的動作で表面を改変する解決方法もまた用いられてきた。しかしながら、観察される性能は低い。
【0013】
亜鉛めっきや他の派生的な製法等のその他の製法は金属拡散を用いる。このタイプの製法は、工業的に扱いにくく高価であり、表面に亜鉛が存在するため廃液処理に問題がある。
【0014】
環境基準をより満たすさらなる進歩として、「乾燥」潤滑製品として知られる製品が設計されてきたが、当該製品はAPIタイプのグリースの使用に伴う多くの問題を解決する。したがって、乾燥熱硬化性滑動ニスタイプの潤滑剤は、高性能で、環境的にも有望な解決方法をもたらしてきた。
【0015】
粘塑性タイプの系もまた、より良好な成果を得るために開発されてきた。
【0016】
しかしながら、乾燥熱硬化性も粘塑性潤滑ニスも常に十分な摩耗耐性を示すとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、耐摩耗性である乾燥潤滑ニスタイプ潤滑剤に分類される解決方法を提案する。
より的確には、本発明は、炭化水素坑井の掘削又は作業のための耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントに関する。前記管状コンポーネントは、両末端の一方にねじ式領域があり、前記ねじ式領域はそのねじ式末端が雄型ねじか雌型ねじかにより外周面又は内周面上に作られており;少なくとも末端の部分がフルオロウレタンマトリックスを含む乾燥フィルムで被覆される。
【0018】
補完的又は代用的な選択的な特徴を以下に明示する。
【0019】
フルオロウレタンマトリックスはフルオロエチレンビニルエーテルの架橋により得ることができる。
【0020】
固体潤滑剤の粒子はマトリックス中に分散されている.
固体潤滑剤の粒子は第1、2、3及び4類の少なくとも2つの類由来の潤滑剤の粒子を含む。
【0021】
耐腐食剤はマトリックスに溶け込んでいる。
【0022】
合成ワックス及び/又は油はマトリックスに溶け込んでいる。
【0023】
添加剤はマトリックスに溶け込んでおり、機械的性質を補強する。
【0024】
ねじ式領域全体が乾燥フィルムで被覆されている。
【0025】
管状コンポーネント上にもたらされた金属/金属封止面は乾燥フィルムで被覆されている。
【0026】
本発明はまた、互いに組み合わさった雄型ねじ式管状コンポーネント及び雌型ねじ式管状コンポーネントを含むねじ式管状接続部に関する。少なくとも1の当該ねじ式管状コンポーネントは上記のとおりである。
【0027】
本発明はまた、炭化水素坑井の掘削又は作業のための耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法に関し、前記管状コンポーネントには両末端の一方にねじ式領域があり、前記ねじ式領域はそのねじ式末端が雄型ねじか雌型ねじかにより外周面又は内周面上に作られている。当該方法は以下の工程:
−架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂を含む系を得る工程;
−ねじ式領域(3;4)の少なくとも部分に少なくとも20ミクロンを上回る厚さで前記系を堆積する工程;及び
−フルオロエチレンビニルエーテル樹脂を架橋してフルオロウレタンにする工程;
を含む。
【0028】
補完的又は代用的な選択的な特徴を以下に明示する。
【0029】
系は、架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、好ましくは重合第2級アミンで中和されたカルボン酸基で官能化された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、の水分散液又は有機分散液であってよい。
【0030】
系は、架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、好ましくはエチレンオキシド基で官能化された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、のエマルジョンであってよい。
【0031】
系は有機溶媒に溶解された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂であってよい。
【0032】
系は硬化剤、好ましくは脂肪族ポリイソシアネート系硬化剤、を含んでよい。
【0033】
系は固体潤滑剤の粒子を含んでよい。
【0034】
前記固体潤滑剤の粒子は第1、2、3及び4類の少なくとも2つの類由来の潤滑剤の粒子を含んでよい。
【0035】
系は耐腐食剤を含んでよい。
【0036】
系は合成ワックス及び/又は油を含んでよい。
【0037】
系は補強添加剤を含んでよい。
【0038】
フルオロエチレンビニルエーテル樹脂を含む系の堆積前に、砂の吹付、リン酸塩皮膜処理及び銅−亜鉛−スズの電解析出から構成される群から選択される表面処理の工程が行われてよい。
【0039】
本発明の特徴や利点は、添付図面を参照して、本明細書の以下に詳細に記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】組立により2の管状コンポーネントを接続してなる接続部の線図である。
【図2】2のねじ式管状コンポーネントの組立曲線の線図である。
【図3】本発明に関する化学組成物である。
【図4】試験の配置の線図である。
【図5】別の試験の配置の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1に示されるねじ式接続部は、雄型末端1を備える回転軸10がある第1管状コンポーネント及び雌型末端2を備える回転軸10がある第2管状コンポーネントを含む。この2つの末端1及び2はねじ式接続部の軸10に対して放射状に配置された端子表面7及び8で各々終端となり、2つのコンポーネントの組立により相互に接続するように互いに協働するねじ式領域3と4を各々備える。当該ねじ式領域3及び4は台形で自己固定する等のねじタイプであってよい点で従来型である。さらに、組立により2のねじ式コンポーネントを接続した後、互いに緊密に干渉接触することが意図される金属/金属封止面5、6が雄型末端1のねじ式領域3、4と端子表面7の間にもたらされる。
【0042】
少なくとも1のねじ式管状コンポーネントが、末端1、2の片方の少なくとも部分で、フルオロウレタンマトリックスを含む乾燥フィルムで被覆される。このフルオロウレタンマトリックスはフルオロエチレンビニルエーテル(FEVE)の架橋により得られるが、当該FEVEはフッ素重合体ファミリーの部分を構成する。あるフッ素重合体を幅広い種類の基質の被覆に用いることは1930年代から知られていた。これらは耐化学性及び耐熱性、また耐水性に優れることを特徴とする。当該被覆は接触しても粘着しないばかりか、抗腐食特性の点で有利である。当該被覆としては、特に、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE、PFE(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンの共重合体)及びPAF(ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)があげられる。しかしながら、これらは、高温(>200℃)で溶媒を用いなければフィルムを形成することができないため、使用が限定され、結局、表面エネルギーが低いフィルムしか得られず、その結果、得られたフィルムの金属に対する接着性は低い。
【0043】
それに対して、出願人は、厳しい環境条件下でフルオロエチレンビニルエーテル樹脂のマトリックスを用いて優れたトライボロジー性能を獲得したが、当該マトリックスの摩擦係数はPTFEの摩擦係数(0.05〜0.2の範囲)の1.1倍以下である。フィルムに関する、架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテルマトリックスを用いた試験でフルオロウレタンが生成したという、極めて決定的な試験が顕著に行われた。
【0044】
図3に示されるように、出願人が用いたフルオロエチレンビニルエーテル(FEVE)は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を置換し、特に、船舶用塗料等の建築的被覆、例えば、「コイル塗装」で溶媒を用いないことを主目的とする架橋可能な改変共重合体である。
【0045】
化学構造に本発明に望ましい特性が特に補強される。フルオロエチレンモノマーは(特に、湿度及び腐食条件並びにUVに関する)耐候特性と共に硬度特性及び耐化学特性を付与してフッ素重合体の安定性を強化補強することができる。当該モノマーのフッ素原子は、その性質のため、水又は塩素イオンの拡散を低下させると同時にイオン化ポテンシャルを低下させることができ、それにより、酸及びアルカリに対する耐性がより優れ、遊離電子の形成を制限することができる。従って、溶媒及びUVに対してより優れた耐性が得られる。
【0046】
ビニルエーテルモノマーがもたらす特性は、存在するアルキル基R1、R2及びR3の官能性(function)である。アルキル基の特性としては、フッ素重合体のR1について透明性、光沢及び硬度、フッ素重合体のR2について柔軟性、R3又は水酸基(−OH)について接着性がある。
【0047】
R3は架橋部位並びに水中及び有機溶媒中でのフッ素重合体の溶解性の部位であることは注目されるべきである。
【0048】
1の実施態様によれば、当該乾燥フィルムは以下の:
−架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂を含む水分散液を得る工程;
−ねじ式領域(3;4)の少なくとも部分に少なくとも20ミクロンを上回る厚さで前記系を堆積する工程;
−フルオロエチレンビニルエーテル樹脂をHDIタイプの親水性多官能性イソシアネートタイプ、メラミンタイプの硬化剤で架橋してフルオロウレタンを得る工程;
を含む方法を用いて得られる。
【0049】
水中分散はビニルエーテル基で確実に行う。これらの基の部分は末端の水酸基での無水二塩基酸の反応の後に、カルボン酸で官能性化される。当該酸性官能基はその後、重合第2級アミンで中和される。フルオロエチレンビニルエーテル樹脂は、例えば、AGC Chemicals製LUMIFLON FD916又はFD1000であってよい。得られたカルボン酸塩は脱塩水中で直ちに分散されうる。
【0050】
この水分散液は周囲温度(最低5℃)及び高温(最高230℃)で、水分散性脂肪族ポリイソシアネート等の硬化剤を用いて架橋されてよく、フルオロウレタンタイプの乾燥被覆が形成される。例えば、BAYER製BAYHYDUR 3100が用いられてよい。
【0051】
最適架橋に必要な硬化剤の量は、最終被覆のNCO/OHの比率が極めてわずかに1未満であるように決定され、すなわち、分散液100gのLUMIFLON FD916あたり10〜14.7gのBAYHYDUR 3100が必要である。
【0052】
LUMIFLON FD916の水分散液の物理化学特性を以下の表に示す:
【0053】
【表1】

有利には、改変ポリジメチルシロキサンポリエーテルタイプのシリコン界面活性剤にはFEVEマトリックスが添加されてよく、これにより支持体の湿潤が改善される。ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルタイプで蒸発率が低い融合剤を、Lumiflon FD916の乾燥抽出物の2.5%〜10%質量パーセント、より好ましくは2.5%〜5%質量パーセントの範囲で加えると、重合物の外部樹脂加工による融合が促進され、フィルム形成温度が低下し、拡散を促進するための分散溶媒の表面張力を改変できることが考えられる。
【0054】
有利には、合成ワックス及び/又は油FEVEマトリックスに加えてよく、それによりフィルム形成能を改善し、摩擦を減少させることができる。当該ワックスは水分散液中にあってよく、当該油はエマルジョン状であってよい。
【0055】
空気中及び周囲温度(25℃)での保存期間が4時間を超えないFEVEと硬化剤の混合物は空気圧ガンスプレー系(pneumatic gun spraying system)の使用に適用されてよい。混合物及び被覆される表面の温度は近接しているのが好ましく、好ましくは、20℃〜30℃の範囲であるべきである。
【0056】
有利には、適用温度で5分間の前乾燥工程もまたすすめられ、これは10分間にわたり適用温度から80℃へ徐々に温度を上げる乾燥工程前に行われる。最終乾燥工程又は硬化工程が120℃15分間行われてよい。
【0057】
FEVE系の架橋、より具体的には熱架橋、の後に被覆するフルオロウレタンの化学構造は以下のとおりである:
【0058】
【表2】

乾燥フルオロウレタンフィルムの厚さは30〜60ミクロンの範囲である。
【0059】
銅−スズ−亜鉛電解堆積で前被覆された炭素鋼の試料及び従来型リン酸亜鉛皮膜処理が施された炭素鋼試料について行った試験は、乾燥フルオロウレタンフィルムの接着に関して極めて満足度が高かった。銅−スズ−亜鉛電解堆積による表面処理は、参照によって本明細書に組み込まれる特許文献1の開示に従ったに留意すべきである。
【0060】
より具体的には、試験は図4に線図で示したスクラッチテストを用いて行った。当該テストはボウデンテスト(Bowden test)由来で、表面又は表面処理の接着力又は被覆接着を測定することができた。当該方法は、球状ビーズで被覆をせん断し及び変形することからなり、当該球状ビーズは負荷を受け、その負荷は増大する。当該方法は、摩擦係数とフィルム凝集の減少分に相当する臨界負荷という2の主要なトライボロジーパラメータを測定することができる。
【0061】
実験条件は、Inconel 718から形成した直径5mmの球状圧子と上記金属試料及び以下のパラメータ:10Nから310Nへ(15N/秒の速度で)増加する負荷、ビーズの移動速度2mm/秒、期間20秒及び追跡長40mmで行った。測定された摩擦係数は小さく、負荷5Nでμ=0.05〜負荷80Nでμ=0.09の範囲であり、特に銅−スズ−亜鉛電解堆積タイプの表面処理のμは、負荷80Nで0.06と測定された。さらに、フルオロウレタン被覆の摩擦は、適用負荷にかかわらず、非常に安定と考えられる。このように、接触圧力を250から1.1Gpaまで高めると(接触圧力は表面処理のヤング率及び低負荷で表面処理を被覆した場合のヤング率を考慮して測定される)、一定摩擦値が得られ、それは、不均一な態様で応力がかかったねじ式領域は摩擦の点では均一な態様で反応するであろうという結論が導かれることを意味する。この性能は、フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムを用いた接続部は肩トルクが比較的低値になりうることを特に意味する。
【0062】
フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムはまた、エポキシ被覆やいかなる表面処理に対しても、2.5GPaと同程度の高接触応力では特に摩擦係数が低い(μ=0.07)。フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムは応力にかかわらず、摩擦での金属−金属接触の可能性を制限する。
【0063】
臨界負荷はまたスクラッチテストを用いて測定され、その結果を以下の表に示す。
【0064】
【表3】

フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムは、表面処理の性質(極性又は非極性)にかかわらず、粗度(リン酸亜鉛皮膜処理でRz=10μm、銅−スズ−亜鉛電解堆積でRz=3μm)にかかわらず、多孔率にかかわらず、少なくとも広範囲で炭素鋼への優れた接着能を示す。
【0065】
エポキシ被覆と比較したこの接着多価性は本発明の利点を強化する。
【0066】
フィルムに関するトライボロジーの結果について、「高品質」接続部の組立作業におけるフルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの性質を評価することを望んだ。より的確には、肩トルク抵抗値CSBやToSRをモデル化して評価した。このトルクはオイル業界で用いられる高品質接続部の組立作業中に上昇し、これを図2に示した。図2の曲線は、行われた回転数の関数としての組立てトルク(又は締付け)を示す。
【0067】
図からわかるように、「高品質」接続部の当該組立てトルクのプロファイルは4つの部分に分けられる。第1の部分P1では、ねじ式管状接続部の第1コンポーネントの雄型ねじ式要素(又はピン)の外部ねじは、同じねじ式管状接続部の第2コンポーネントの相当する雌型ねじ式要素(又はボックス)の内部ねじとはまだいかなる放射状締め付けもない。
【0068】
第2の部分P2では、雄型及び雌型のねじ式要素のねじの幾何学的干渉が、組立が進むにつれて放射状の締め付けを(程度は低いが組立トルクを高めるように)おこす。
【0069】
第3の部分P3では、雄型ねじ式要素の末端部分外周部での封止面が、雌型ねじ式要素の相当する封止面と放射状に干渉し、金属/金属封止を形成する。
【0070】
第4の部分P4では、雄型ねじ式要素の前部末端表面が、雌型ねじ式要素の組立隣接部の環状表面がある軸隣接部にある。この第4の部分P4は組立の最終期に相当する。第3の部分P3のおわりに相当し、また第4の部分P4のはじめに相当する組立てトルクCABを肩トルク(shouldering torque)と表す。第4の部分P4の終わりに相当する組立てトルクCPを樹脂加工トルク(plastification torque)と表す。
【0071】
この樹脂加工トルクCPを超えると、雄型組立隣接部(雄型ねじ式要素の末端部分)及び/又は雌型組立隣接部(雌型ねじ式要素の環状隣接部表面背後に位置する領域)は塑性変形され、また、封止面の樹脂加工による封止面間の接触の締め付けに関する性能が低下するかもしれない、と考えられる。樹脂加工トルクCPと肩トルクCABの価の差を肩トルク抵抗値CSB(CSB=CP−CAB)と表す。
【0072】
ねじ式管状接続部は、組立の終わりに締め付けが最適化されるが、これは例えば、張力、稼働中の突発的な分解等のねじ式接続部の機械的抵抗が最適化されたことになり、封止性能も最適化されたことになる。ねじ式接続部の設計者は、すなわち、所定のタイプのねじ式接続部について、このタイプの接続部すべての接続について、(隣接部の樹脂加工とそれに伴う不都合を防ぐために)最適化組立トルクの値を樹脂加工トルクCPよりも低く、肩トルクCABよりも高く設定しなければならない。
【0073】
組立終期にトルクがCABより低いと、雄型及び雌型の要素の正しい相対位置が確保されず、よって、封止面間の有効な封止も確保されない。さらに、分解のおそれもある。肩トルクCABの有効値は、同タイプの接続部について1の接続部と別の接続部とでは大きく変動するが、これは、雄型及び雌型の封止面の直径方向と軸方向の機械加工の許容値に依存し;最適化組立トルクは実質的には肩トルクCABよりも高いはずである。その結果、肩トルク抵抗値CSBの値が高くなれば、組立トルクを設定する限界が広くなり、ねじ式接続部は操作上の応力に対してより耐えうるであろう。
【0074】
摩擦試験は、ブリッジマン型装置を用いて行った。当該タイプの装置については特に非特許文献1に記載されている。
【0075】
ブリッジマン装置の図及び動作例は図5に記載されている。この装置は、以下の:
−選択された速度で回転することができるディスクDQ;
−第1アンビルEC1であって、好ましくは円錐形で、ディスクDQの第1面に取り外せないように取付けられる;
−第2アンビルEC2であって、好ましくは円錐形で、ディスクDQの第1面と反対の第2面に取り外せないように取付けられる;
−第1圧力要素EP1及び第2圧力要素EP2であって、例えば、選択された軸圧力Pをかけることができるピストン等;
−第3アンビルEC3であって、好ましくは円筒形で、第1圧力要素EP1の1の面に取り外せないように取付けられる;
−第4アンビルEC4であって、好ましくは円筒形で、第2圧力要素EP2の1の面に取り外せないように取付けられる;
を含む。
【0076】
潤滑剤組成物を試験するために、ねじ式要素を構成するのと同一の材料の2つの断片を当該組成物で被覆し、第1試料S1と第2試料S2を形成する。次に、第1試料S1が第1アンビルEC1と第3アンビルEC3の空いている面の間に置かれ、第2試料S2が第2アンビルEC2と第4アンビルEC4の空いている面の間に置かれる。次に、ディスクDQを選択した速度で回転させ、第1圧力要素EP1と第2圧力要素EP2各々で選択された軸圧力P(例えばほぼ1.5GPa)を加え、各試料S1及びS2が受ける組立トルクが測定される。
【0077】
軸圧力、回転速度及び回転角度はブリッジマンテストで選択され、組立の終わりのヘルツ圧力や隣接部表面の相対速度がモデル化される。
【0078】
このような装置を使用して、パラメータ(組立トルクや回転速度)をいくつか組み合わせて固定して試料S1とS2を所定の組立トルクにすることができ、それにより、当該試料S1及びS2が設定された組立トルクプロファイルに厳密であるか、及び、特に、選択された組立トルクについて選択された閾値と少なくとも同等の回転数に摩耗前に完全に到達することができるかを確認することができる。
【0079】
本発明では、選択された接触圧力が500Mpaであり、回転速度が10rpmであった。テスト試料は、13%Cr含有ステンレス鋼から形成され、機械加工され、その後、異なる処方の乾燥被覆で被覆された。当該処方は以下の表で肩トルク(CSB又はToSR)と共に記載されている。
【0080】
【表4】

フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの肩トルクの値は100%API A3グリースの参照値よりもかなり高い。またアラルダイドや硬化エポキシ樹脂と同程度である。
【0081】
有利にはFEVEマトリックスに溶け込んでいる腐食阻害剤を用いてフルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの腐食に関する耐性を改善することができる。より的確には、フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの気候条件に関する耐性は、塩水噴霧試験(saline mist test)を用いた被覆にもたらされる抗腐食性保護を通じて研究された。抗腐食性保護はフルオロウレタンマトリックスを含むフィルムを腐食阻害顔料の存在下又は非存在下で試験した。これは、フルオロウレタン被覆の障壁効果を決定することと顔料性腐食阻害剤又は非顔料性腐食阻害剤とフルオロウレタンの最良の適合性を決定することに関与した。
【0082】
研究された腐食阻害剤は:オルトリン酸ケイ酸ストロンチウムカルシウム亜鉛、リン酸ケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウム、ラメラ亜鉛、脂肪酸−アミン複合体、ゾル−ゲルハイブリッドである。
【0083】
以下の表は、フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムで被覆された、銅−スズ−亜鉛で電解堆積された炭素鋼表面に、様々な腐食阻害剤をもたらした場合の評価に関する。
【0084】
【表5】

【0085】
【表6】

フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの抗腐食性保護は、オルトリン酸ケイ酸ストロンチウムカルシウム亜鉛及びリン酸ケイ酸カルシウムの腐食阻害顔料を用いて大幅に改善され、ISO標準9227に従った1000時間以上の表面腐食耐性が得られ、点さび跡も剥離もなかった。
【0086】
同時に、40℃の脱塩水で168時間の浸漬試験(フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムで被覆されているリン酸亜鉛皮膜処理炭素鋼試料)を用いて耐水性が評価された。その結果として、MICROPOWDERS製商品名AQUABEAD 325Eのパラフィンワックスの水分散液で当該被覆を補強した場合に優れた耐水性が示された。水性パラフィンワックス分散物に添加された量は、LUMIFLON FD916の水分散液の乾燥抽出物に対して3%〜5%質量パーセントの範囲である。固体潤滑タイプ顔料の存在下又は非存在下でLumiflon FD916に対して乾燥抽出物5%の濃度でパラフィンワックスを加えると摩擦耐性が著しく改善され、すなわち、μ=0.06に対して0.08〜0.1であることに注目すべきである。
【0087】
同様に、固体潤滑剤をFEVEマトリックスに融合させることもできる。本明細書で用いられる「固体潤滑剤」の用語は固形で安定な物体を意味し、2つの摩擦表面の間に位置して、摩擦係数を下げたり、当該表面の摩耗や損傷を低下させうる。当該物体は機能的メカニズムや構造によって定義される異なるカテゴリーに分類されるが、それはすなわち:
−第1類:潤滑特性が結晶構造による固体であって、例えば、グラファイト、酸化亜鉛(ZnO)又は窒化ホウ素(BN);
−第2類:潤滑特性が結晶構造及び組成物中の反応性化学元素による固体であって、例えば、二硫化モリブデン(MoS)、フッ化黒鉛、硫化スズ、硫化ビスマス、二硫化タングステン又はフッ化カルシウム;
−第3類:潤滑特性が化学反応性による固体であって、例えば、特定のチオ硫酸塩系化学化合物又はDesilube Technologies Inc.製Desilube 88(登録商標);
−第4類:潤滑特性が摩擦応力下での可塑性挙動又は粘塑性による固体であって、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリアミド;
である。
【0088】
フラーレンの特定の分類にもまた留意すべきであり;第1類のサブカテゴリーに分類される。フラーレンは、球状又は管状構造で、単層又は多層構造で、摩擦減少特性があり、摩擦表面で安定な転移フィルムを形成する特性がある分子であることを想起させるであろう。特に、例えば、炭素フラーレンタイプ又は二硫化金属タイプのフラーレンを用いることができる。
【0089】
異なる類に属する少なくとも2の固体潤滑剤を組み合わせて用いることもまた推奨でき、それにより相乗効果が得られ、非常に高い潤滑性能を得ることができる。
【0090】
有利には、機械的性質を補強するために窒化チタン若しくは炭化チタン等の添加剤がFEVEマトリックスに溶け込まれていてよく、又は摩擦係数を調節して鉱物層の摩擦耐性を高めるために鉱物ナノメートル粒子(アルミナ、シリカ)等が溶け込まれていてもよい。
【0091】
他の被覆方法としてフルオロエチレンビニルエーテル樹脂に基づく系を組み込んでもよい。当該系は、例えば、架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂エマルジョン、好ましくは、エチレンオキシド基により官能化された当該樹脂エマルジョンからなってよい。当該系はまた、有機溶媒に溶解された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、芳香族炭化水素、ケトン、炭酸塩等からなってよい。
【0092】
フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの適用は炭化水素坑井の調査や作業で用いられる接続部のねじ式領域に関するだけでなく、当該接続部の封止領域にも関する。実際、当該領域はしばしば干渉(干渉領域の雄型管状コンポーネントの直径は雌型管状コンポーネントの直径よりもわずかに長く、それにより封止表面が作られる)のために高いヘルツ応力を受け、その結果、摩耗もまたおこりやすい。
【0093】
要するに、官能化フルオロエチレンビニルエーテル樹脂の架橋に基づくフルオロウレタンマトリックスを含むフィルムは、著しい摩擦性能を示し、それはエポキシ被覆と同等かそれより優れる。フルオロエチレンビニルエーテル樹脂の架橋可能な水性分散液に基づく関連する方法は、双コンポーネント又は多層被覆に関連する方法よりもより簡素に行うことができるという利点がある。
【0094】
同様に、フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムは、単一潤滑層において、熱硬化性被覆の硬度特性とPTFE等の高応力下で変形可能な潤滑剤の特性を組み合わせて有するが、多層適用にみられる欠点はない。
【0095】
同様に、フルオロウレタンマトリックスを含むフィルムの性能は、「テフロン化」の分野で用いられる従来の解決方法と比較して、低沸点で溶媒が放出されたり、硬化に過剰な温度を用いたりする欠点もなく、機械的保持(mechanical hold)が限定されるという欠点もない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素抗井の掘削又は作業のための耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントであって、前記管状コンポーネントはその両末端(1;2)の一方にねじ式領域(3;4)があり、前記ねじ式領域はそのねじ式末端が雄型ねじか雌型ねじかにより外周面又は内周面上に作られており、ここで少なくとも前記末端(1;2)の部分がフルオロウレタンマトリックスを含む乾燥フィルムで被覆されていることを特徴とする、前記コンポーネント。
【請求項2】
フルオロウレタンマトリックスが架橋フルオロエチレンビニルエーテルにより得られることを特徴とする、請求項1記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項3】
固体潤滑剤の粒子がマトリックス中に分散されていることを特徴とする、前記請求項いずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項4】
固体潤滑剤の前記粒子が第1、2、3及び4類の少なくとも2つの類由来の潤滑剤の粒子を含むことを特徴とする、請求項3記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項5】
耐腐食剤が前記マトリックスに溶け込んでいることを特徴とする、前記請求項いずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項6】
合成ワックス及び/又は油が前記マトリックスに溶け込んでいることを特徴とする、前記請求項いずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項7】
機械的性質を補強するために添加剤が前記マトリックスに溶け込んでいることを特徴とする、前記請求項いずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項8】
ねじ式領域(3;4)全体が乾燥フィルムで被覆されていることを特徴とする、前記請求項いずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項9】
金属/金属封止面を含み、前記封止面が乾燥フィルムで被覆されていることを特徴とする、前記請求項いずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネント。
【請求項10】
互いに組み合わさった雄型ねじ式管状コンポーネント及び雌型ねじ式管状コンポーネントを含むねじ式管状接続部であって、前記ねじ式管状コンポーネントの少なくとも1が前記請求項いずれか1項記載のコンポーネントであることを特徴とする、前記接続部。
【請求項11】
炭化水素坑井の掘削又は作業のための耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法であって、前記管状コンポーネントはその両末端(1;2)の一方にねじ式領域(3;4)があり、前記ねじ式領域はそのねじ式末端が雄型ねじか雌型ねじかにより外周面又は内周面上に作られており、前記方法は、以下の:
−架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂を含む系を得る工程;
−少なくともねじ式領域(3;4)の部分に少なくとも20ミクロンを上回る厚さで前記系を堆積する工程;
−フルオロエチレンビニルエーテル樹脂を架橋してフルオロウレタンを得る工程;
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
系が、架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、好ましくは重合第2級アミンで中和されたカルボン酸基で官能化された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、の水分散液又は有機分散液であることを特徴とする、請求項11記載のねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項13】
系が、架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、好ましくはエチレンオキシド基で官能化された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂、のエマルジョンであることを特徴とする、請求項11記載のねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項14】
系が、有機溶媒に溶解された架橋可能なフルオロエチレンビニルエーテル樹脂であることを特徴とする、請求項11記載のねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項15】
系が、硬化剤、好ましくは脂肪族ポリイソシアネート系硬化剤、を含むことを特徴とする、前記請求項11〜14のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項16】
系が固体潤滑剤の粒子を含むことを特徴とする、前記請求項11〜15のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項17】
系が、前記固体潤滑剤の前記粒子が第1、2、3及び4類の少なくとも2つの類由来の潤滑剤の粒子を含むことを特徴とする、前記請求項11〜16のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項18】
系が耐腐食剤を含むことを特徴とする、前記請求項11〜17のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項19】
系が合成ワックス及び/又は油を含むことを特徴とする、前記請求項11〜18のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項20】
系が補強添加剤を含むことを特徴とする、前記請求項11〜19のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。
【請求項21】
フルオロエチレンビニルエーテル樹脂を含む系の堆積前に、砂の吹付、リン酸塩皮膜処理及び銅−亜鉛−スズの電解析出から構成される群から選択される表面処理の工程が行われることを特徴とする、前記請求項11〜20のいずれか1項記載の耐摩耗性ねじ式管状コンポーネントを被覆する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515918(P2013−515918A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545133(P2012−545133)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007556
【国際公開番号】WO2011/076350
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(504255249)ヴァルレック・マンネスマン・オイル・アンド・ガス・フランス (30)
【氏名又は名称原語表記】VALLOUREC MANNESMANN OIL & GAS FRANCE
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】