説明

耐火間仕切り壁及びその施工法並びに耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠

【目的】熟練を要することなく間仕切り壁の施工が可能であり、しかも工期の短縮化及びコストダウンを図ることができ、均質な仕上がり美観を得ることができる耐火間仕切り壁及びその施工法並びに耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠を提供する。
【構成】耐火間仕切り壁が、複数枚のパネル体を並設して構成され、該パネル体が、上下のランナーと少なくとも2本のスタッドとを有して組み立てられる構造体の一方面側の略全部ないし主要部分に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが取付けられ、前記構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成り、前記他方面側の上方部分及び下方部分の開放部である隙間が、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの後取付けで塞がれる構成であることを特徴とする耐火間仕切り壁である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐火間仕切り壁及びその施工法並びに耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
高層住宅、ホテル、病院等の建築物において隣接する部屋との区切りと壁体を現場打ちコンクリート壁体によらずに石膏ボードに代表される耐火ボードを用いた耐火間仕切り壁を取付けることで構築することが一般的となっている。
【0003】
コスト、耐火性能及び遮音性能に優れた耐火ボードを用いた耐火間仕切り壁の構築方法には、スラブ下面又は梁下面と床スラブ上面との間に下地間柱であるスタッドを立設し、該スタッドに耐火ボードを取付けるスタッド式(例えば、特許文献1参照)と、スラブ下面又は梁下面及び床スラブ上面にランナーを取付け、該上下のランナー間にスタッドを設けることなく耐火ボードを自立させて壁面を構築するノンスタッド式(例えば、特許文献2参照)とがある。
【0004】
また、ノンスタッド式では、耐火ボードをスペーサーや補強材を介して中空複数枚構造の定形化したパネル体を上下のランナー間に複数枚並設して壁面を構築する方式(例えば、特許文献3及び4参照)もある。
【0005】
【特許文献1】実開平2−137409号公報
【特許文献2】特開平8−165724号公報
【特許文献3】特開2004−176316号公報
【特許文献4】特開2005−23679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のスタッド式では、スラブ下面又は梁下面と床スラブ上面との間の所定位置毎の複数本のスタッドの建込みや、建込み寸法に対する耐火ボードの寸法合せ等の作業に熟練を要するため、工期の短縮化が困難であるだけでなく、専門職の作業者が必要となるので、コスト高であるという課題を有している。また、配線・配管作業が必要な場合、間仕切り壁の構築途中に行わなければならないため、作業がより煩雑となり易い。
【0007】
特許文献2に記載のノンスタッド式では、建込み高さ寸法が2m数十cm〜3m超となる耐火ボードを自立させるための強度を確保しなければならず、用いる補強材の断面性能に耐火ボードの長さが制限されてしまう欠点を有している。また、耐火ボードとして石膏ボードを用いた場合、石膏ボードをノンスタッド式で自立させると湾曲や捩れ等の変形による不陸が生じ易く、仕上げ美観に影響するという欠点を有している。
【0008】
特許文献3及び4に記載の定形化したパネル体を用いたノンスタッド式では、スラブ下面又は梁下面と床スラブ上面との間は±数cm程度の誤差があるだけでなく表面も平滑ではないため、定形化したパネル体を用いた場合、建込み寸法が設計寸法より大きい場合には隙間が生じるので該隙間を埋める作業が必要であり、小さい場合にはパネル体の上部及び/又は下部を削る等の作業が必要であり、パネル体の現場での微調整が煩雑で作業性が低下するという欠点を有している。また、現場での微調整作業は、作業者の技量によって仕上げの個人差が出易く、仕上がり美観の均質化が図り難いという欠点を有している。
【0009】
そこで本発明の課題は、熟練を要することなく間仕切り壁の施工が可能であり、しかも工期の短縮化及びコストダウンを図ることができ、均質な仕上がり美観を得ることができる耐火間仕切り壁及びその施工法並びに耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0011】
1.間仕切り壁設置位置のスラブ下面又は梁下面及び床スラブ上面の夫々にランナーが取付けられ、上下のランナー間に所定本数のスタッドが立設され、複数本のスタッドの両側面に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが取付けられた構成の耐火間仕切り壁であって、
該耐火間仕切り壁が、複数枚のパネル体を並設して構成され、
該パネル体が、上下のランナーと少なくとも2本のスタッドとを有して組み立てられる構造体の一方面側の略全部ないし主要部分に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが取付けられ、前記構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成り、
前記他方面側の上方部分及び下方部分の開放部である隙間が、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの後取付けで塞がれる構成であることを特徴とする耐火間仕切り壁。
【0012】
2.前記パネル体の下張り耐火ボードの目地と上張り耐火ボードの目地とが重合しない位置に設けられていることを特徴とする上記1に記載の耐火間仕切り壁。
【0013】
3.上下のランナー間に少なくとも2本のスタッドを立設した構造体の一方面側の全部ないし主要部分に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付け、前記構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成るパネル体を複数枚形成し、
該複数枚のパネル体を、間仕切り壁設置位置に並設し、スラブ下面又は梁下面及び床スラブ上面の夫々に上下のランナーの夫々を取付け、必要に応じて断熱材及び/又は配線・配管をパネル体の内部に施した後、前記他方面側の上方部分及び下方部分の開放部である隙間を、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの後取付けで塞ぐことを特徴とする耐火間仕切り壁の施工法。
【0014】
4.前記パネル体の下張り耐火ボードの目地と上張り耐火ボードの目地とが重合しない位置に設けられることを特徴とする上記3に記載の耐火間仕切り壁の施工法。
【0015】
5.前記下張り耐火ボードと上張り耐火ボードとの位置合わせを行った後に、該下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを前記構造体に同時に固定することを特徴とする上記3又は4に記載の耐火間仕切り壁の施工法。
【0016】
6.所定間隔毎に立設される少なくとも2本のスタッドに下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成るパネル体の型枠であって、スタッド位置決め用の凹溝が所定間隔毎に設けられると共に、下張り耐火ボードの端部位置決め部と上張り耐火ボードの端部位置決め部が設けられていることを特徴とする耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【0017】
7.前記下張り耐火ボードの端部位置決め部及び上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置から退避可能な構成を有し、スタッドの位置決め終了後に下張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰し、該下張り耐火ボードの位置決め終了後に、上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰可能な構成を有することを特徴とする上記6に記載の耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【0018】
8.上記6に記載の型枠を用いて少なくとも2本のスタッドの立設と下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの取付けが終わったパネル体の片面が嵌り込む凹部が設けられると共に、反対面に取付けられる下張り耐火ボードの端部位置決め部と上張り耐火ボードの端部位置決め部が設けられていることを特徴とする耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【0019】
9.上記7に記載の型枠を用いて少なくとも2本のスタッドの立設と下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの取付けが終わったパネル体の片面が嵌り込む凹部が設けられると共に、反対面に取付けられる下張り耐火ボードの端部位置決め部と上張り耐火ボードの端部位置決め部が設けられており、該下張り耐火ボードの端部位置決め部及び上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置から退避可能な構成を有し、スタッドの位置決め終了後に下張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰し、該下張り耐火ボードの位置決め終了後に、上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰可能な構成を有することを特徴とする耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【発明の効果】
【0020】
請求項1又は3に示す発明によれば、パネル体の構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けられた構成を有することにより、耐火間仕切り壁を構成するパネル体を、該パネル体の上下のランナーをスラブ下面又は梁下面及び床スラブ上面の夫々に取付ける際に、前記開放部から釘打ち機によってランナーを釘打ちすることが可能である。また、開放部は、配線・配管作業や、断熱材の充填の際にも利用することができる。
【0021】
開放部である隙間は、パネル体を取付けた後に、後工程として下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを後取付けして塞ぐことができる。従って、パネル体の取付けによる間仕切壁の構築、配線・配管作業、断熱材の充填等の各作業を進めながら乃至は各作業終了後に、開放部である隙間を塞げばよいので、効率的な施工作業が可能となる。
【0022】
特に請求項1又は3に示す発明によれば、間仕切り壁を構成するパネル体は、パネル体の一方面側に取付けられている下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが略全部ないし主要部分であり、他方面側に取付けられている下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて取付けられているので、その大部分が既に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの取付けられた定形化したパネル体として形成されているため、均質な仕上がり美観を得ることができる定形化したパネル体であっても、熟練を要する現場での微調整作業が不要であり、隙間部分は現場での従来工法による下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの取付けで済むので簡易な作業が可能である。
【0023】
従って、請求項1又は3に示す発明によれば、熟練を要することなく間仕切り壁の施工が可能であり、しかも工期の短縮化及びコストダウンを図ることができ、均質な仕上がり美観を得ることができる。
【0024】
請求項2又は4に示す発明によれば、パネル体の下張り耐火ボードの目地と上張り耐火ボードの目地とが重合しない位置に設けられていることにより、耐火性(火、煙廻りの伝達防止性)及び遮音性(音の伝達防止性)が良好となると共に、並設するパネル体の隣接する下張り耐火ボード同士を上張り耐火ボードによって一体化することができるので強度補強が可能となる。
【0025】
請求項5に示す発明によれば、下張り耐火ボードと上張り耐火ボードとを前記構造体に1枚ずつ取付けるのではなく、下張り耐火ボードと上張り耐火ボードとの位置合わせを行った後に前記構造体に同時に固定することにより、作業の効率化を図ることができる。
【0026】
請求項6〜9に示す発明によれば、所定間隔毎に立設される少なくとも2本のスタッドに下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成るパネル体の型枠により、均質な定形化したパネル体を容易に得ることができる。特に、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードのスタッドへの取付けは、下張り耐火ボードと上張り耐火ボードとを前記構造体に1枚ずつ取付けるのではなく、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを位置合わせたした後に前記構造体に同時に取付けることにより、作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の詳細について添付図面に基づき説明する。
【0028】
図1は本発明に係る耐火間仕切り壁(多方面側)の一実施例の施工途中を示す斜視図、図2は図1の耐火間仕切り壁を構成するパネル体(端部パネル)の一例を示す4面図{(a)平面図、(b)他方面側図、(c)一方面側図、(d)側面図}、図3は図1の耐火間仕切り壁を構成するパネル体(基本パネル)の一例を示す4面図{(a)平面図、(b)他方面側図、(c)一方面側図、(d)側面図}、図4は図2に示すパネル体(端部パネル)と図3に示すパネル体(基本パネル)との接合状態を示す説明平面図、図5は図2のパネル体(端部パネル)の他の例を示す4面図{(a)平面図、(b)他方面側図、(c)一方面側図、(d)側面図}、図6はパネル体(端部パネル)の型枠の一実施例を示す平面図、図7は図6の型枠を用いてパネル体(端部パネル)を製造する工程を示す説明平面図、図8はパネル体(基本パネル)の型枠の一実施例を示す平面図、図9は図8の型枠を用いてパネル体(基本パネル)を製造する工程を示す説明平面図である。
【0029】
図1において、1は耐火間仕切り壁、2は間仕切り壁設置位置のスラブ下面又は梁下面、3は床スラブ上面、4は間仕切り壁1が接する一方の壁面(他方の壁面は省略)を示す。
【0030】
耐火間仕切り壁1は、複数枚(図1では2枚のみ図示)のパネル体10・・・・を並設して構成される。
【0031】
パネル体10は、図2及び図3に示すように、上下のランナー11・12と少なくとも2本のスタッド13・13・・・とを有して組み立てられる構造体の一方面側の略全部に下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15が取付けられ、前記構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間16をあけて下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15を取付けて成り、前記他方面側の上方部分及び下方部分の開放部である隙間16が、下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の後取付けで塞がれる構成を有している。
【0032】
パネル体10は、一方の壁面4に接して間仕切り壁1の一方の端部を構成するパネル体(端部パネル)10A(図2参照)と、間仕切り壁1の一方の端部以外を構成するパネル体(基本パネル)10B(図3参照)とを有して成る。
【0033】
本発明に用いられるランナー11・12及びスタッド13は、この種の耐火間仕切り壁に用いられる公知公用のランナー(例えば、断面コ字状の溶融亜鉛メッキ銅板帯体や銅板帯体等)及びスタッド(例えば、断面ロ字状の溶融亜鉛メッキ銅板柱体や銅板柱体等)を用いることができる。
【0034】
本発明に用いられる下張り耐火ボード14としては、この種の耐火間仕切り壁の下張り耐火ボードとして用いられる公知公用の耐火ボード(例えば、石膏ボード等)を用いることができる。
【0035】
本発明に用いられる上張り耐火ボード15としては、この種の耐火間仕切り壁の上張り耐火ボードとして用いられる公知公用の耐火ボード(例えば、強化石膏ボード等)を用いることができる。
【0036】
ランナー11・12及びスタッド13とを有してなる構造体への下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボードの取付けは、下張り耐火ボード14と上張り耐火ボード15の位置合せを行った後に、同時にビス打ちによってスタッド13に固定することが好ましい。同時ビス打ちすることによって、従来までの下張り耐火ボードを先ずビス打ち固定した後に上張り耐火ボードを下張り耐火ボードにタッカーにより取り付けていた方法に比して作業効率が高く好ましい。
【0037】
尚、ランナー11・12は、スタッド13への下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15への取付けが終了した後にスタッド13に取付けられてもよいし、或いは上下の一方(例えば上のランナー11)のみをスタッド13に取付けて構造体と成した後に下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15を取付け、その後に上下の他方(例えば、下のランナー12)をスタッド13に取付けてもよい。組立て手順は設置する施工場所に応じて適宜変更してもよいが、上のランナー11以外を予め組立てておき、施工現場において、設置位置の躯体の寸法高を測定確認した後に、スタッド13の長さを調整し、その後に上のランナー11を取付けることが設置位置の誤差に最も対応できるので好ましい。
【0038】
パネル体10の内、先ず、パネル体(端部パネル)10Aについて説明する。
パネル体(端部パネル)10Aは前述したように耐火間仕切り壁1の一方の端部を構成するので、図2(a)に示すように壁面4に接する側の端部{図2(a)において図面上、右側}で、スタッド13・ランナー11・12{図2(a)の平面図では図示を省略}・下張り耐火ボード14・上張り耐火ボード15の全ての端部が面一となるように揃えてある。
【0039】
図2(c)に示すように、パネル体(端部パネル)10Aの一方面側の略全部には下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15がビス打ち等の手段によって取付けられている。全部ではなく略全部(具体的に好ましくはスタッド13の半分まで)としたのは、壁面4とは接しない側{図2(c)において図面上、右側)、即ち、パネル体(基本パネル)10Bが並設される側の端部の目地がスタッド13と下張り耐火ボード14とで一致してしまうのを防ぐためである。また、上張り耐火ボード15の同じく壁面4とは接しない側は、スタッド13と下張り耐火ボード14の両方の目地と一致しないように更にズラして取付けられる。スラブ下面又は梁下面2に接する上端部と、床スラブ上面3に接する下端部の夫々についてもスタッド13・ランナー11・12{(a)の平面図では図示を省略}・一方面側の下張り耐火ボード14・一方面側の上張り耐火ボード15の全ての端部が面一となるように揃えてある。
【0040】
次に図2(b)に示すように、パネル体(端部パネル)10Aの他方面側については、上方部分及び下方部分に開放部となる隙間16をあけて下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15がビス打ち等の手段によって取付けられている。
【0041】
開放部となる隙間16を設けることにより、パネル体(端部パネル)10Aをスラブ下面又は梁下面2及び床スラブ上面3に取付ける際に、上下のランナー11・12の夫々が開放部となる隙間16から露出しているので、該ランナー11・12を釘打ちすることが可能となるのである。
【0042】
他方面側の壁面4とは接しない側{図2(b)において図面上、左側)、即ち、パネル体(基本パネル)10Bが並設される側の端部については、上述した一方面側と同様に、目地がスタッド13と下張り耐火ボード14とで一致してしまうのを防ぐためにスタッド13の半分が隠れる部分まで取付けられている。また、上張り耐火ボード15は、壁面4とは接しない側は上述の一方面側と同様にスタッド13と下張り耐火ボード14の両方の目地と一致しないように更にズラして取付けられている。
【0043】
他方面側の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の上端部と下端部については、開放部となる隙間16を設けたことによって、該開放部となる隙間16を後工程である後取付けによって塞ぐことで目地が発生する。従って、この上端部と下端部についても上張り耐火ボード15は下張り耐火ボード14と目地が一致しないようにズラして取付けられる。
【0044】
下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の上端部と下端部の位置について、一方面側では上端及び下端まで隙間なく取付けられており、他方面側では上方と下方に開放部となる隙間16が設けられて取り付けられている構成については、図2(d)に明瞭に表れている。
【0045】
本実施例のパネル体(端部パネル)10Aでは、スタッド13は壁面4に接する側用と中間用とパネル体(基本パネル)10Bとの接合端部の目地部分を受け持つ部分用の3本設けられている。スタッド13・13・13の隙間には要求される防火基準等の諸条例を満たすように必要に応じて断熱材が充填される。用いられる断熱材としては、この種の耐火間仕切り壁に用いられる公知公用の断熱材(例えば、グラスウール等)を用いることができる。断熱材の充填は、パネル体10の製造中に充填してもよいし、前記した開放部となる隙間16から後充填してもよい。開放部となる隙間16は、断熱材の充填の他、配線・配管が必要な場合にも利用することができる。
【0046】
次に、図3に基づきパネル体(基本パネル)10Bについて説明する。
パネル体(基本パネル)10Bは前述したように耐火間仕切り壁1の一方の端部以外を構成するものであり、上述したパネル体(端部パネル)10Aに複数枚を並設して連続接続していく{図4(a)及び図4(b)参照}ことで、耐火間仕切り壁1を並設した長さ分だけ構築することができる。即ち、一つの耐火間仕切り壁1に対して、パネル体(端部パネル)10Aは1枚用いられるのに対し、パネル体(基本パネル)10Bは、耐火間仕切り壁1の長さ(幅)に応じて同一構成のものが複数枚用いられることになる。
【0047】
構築される耐火間仕切り壁1の長さ(幅)に応じて同一構成の複数枚を連続的に並設して接続できるように、パネル体(基本パネル)10Bの左右の端部は、接合した際に互いに合致する凹凸の形状となるようにスタッド13・下張り耐火ボード14・上張り耐火ボード15が夫々ズラして取付けられて構成される。しかも、凹となる端部は、パネル体(端部パネル)10Aの接続端部の凸と合致する構成を有することから、パネル体(基本パネル)10Bの凸となる端部は、パネル体(端部パネル)10Aの凸となる端部と同じ構成となる。
【0048】
スタッド13・下張り耐火ボード14・上張り耐火ボード15の具体的な取付け位置について説明すると、パネル体(端部パネル)10Aの接続端部が上述したように、スタッド13の半分まで下張り耐火ボード14が取付けられ、該下張り耐火ボード14からズラした上張り耐火ボード15が取付られているので、このズレた分と一致するように、パネル体(基本パネル)10Bの凹となる接続端部の上張り耐火ボード15は下張り耐火ボード15から接続方向に突出するようにズレて取付けられる。
【0049】
パネル体(基本パネル)10Bの凹となる接続端部以外の他の構成については、上述したパネル体(端部パネル)10Aと同様の構成を有する。従って、下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の上端部と下端部についても、一方面側は図3(c)及び図3(d)に示すように上端及び下端まで隙間なく取付けられており、他方面側は図3(b)及び図3(d)に示すように上方と下方に開放部となる隙間16が設けられて取り付けられた構成を有している。
【0050】
以上、本発明に係る耐火間仕切り壁1について説明したが、耐火間仕切り壁1を構成するパネル体(端部パネル)10A及びパネル体(基本パネル)10Bは、1種類ないし数種類の規格化した寸法のものを工場等で予め製造し、適用する建築物に応じて選択し用いるようにすることができる。特に、高層住宅、ホテル、病院等の各建築物は天井高さ等が一律化しているものが多いため、規格化は低コスト化、作業効率化等の点で極めて有効である。規格外の場合には、現場での修正や現場での製造することで対応してもよいし、数量が多い時等は工場等で予め製造することによって対応してもよい。
【0051】
パネル体(端部パネル)10A及びパネル体(基本パネル)10Bを規格化することにより、用いるスタッド13・下張り耐火ボード14・上張り耐火ボード15についても規格に適応するものを予め発注・製造することが可能となるので、より低コスト化等が可能となる。また、規格化によって当該規格に適用する寸法の下張り耐火ボード14と上張り耐火ボード15を工場等で予め位置合せした状態で重合し貼り合せたものを発注・製造することが可能となるので、製造効率を上げることができる。
【0052】
次に、上記構成を有するパネル体(端部パネル)10Aとパネル体(基本パネル)10Bを用いて耐火間仕切り壁1を構築する施工法の一実施例について以下説明する。
【0053】
設置位置の壁面4に接する部分に先ずパネル体(端部パネル)10Aを配設し、レーザーや事前墨出しを基準にして位置確認を行った後、該パネル体(端部パネル)10Aの上下のランナー11・12を開放部となる隙間16から釘打ち機を用いてスラブ下面又は梁下面2及び床スラブ上面3の夫々に固定する。
【0054】
次に、図4(a)に示すように、固定したパネル体(端部パネル)10Aの隣にパネル体(基本パネル)10Bを配設し、レーザーや事前墨出しを基準にして位置確認を行った後、該パネル体(基本パネル)10Bの上下のランナー11・12を開放部となる隙間16から釘打ち機を用いてスラブ下面又は梁下面2及び床スラブ上面3の夫々に固定する。更に、パネル体(端部パネル)10Aとパネル体(基本パネル)10Bとの接続部分に位置するパネル体(基本パネル)10Bの下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15をパネル体(端部パネル)10Aのスタッド13及び下張り耐火ボード14にビス又はタッカー等の固定手段によって固定する{図4(b)参照}。
【0055】
次に、固定したパネル体(基本パネル)10Bの隣に図4(a)及び図4(b)に示すように、次々と設計枚数分のパネル体(基本パネル)10Bを壁面4に対向する壁面や柱等に接する側に接するまで並設設置し固定していくことで耐火間仕切り壁1を構築することができる。
【0056】
耐火間仕切り壁1の構築後、又は構築中において、必要に応じて断熱材の充填や配線・配管作業を行い、その後、耐火間仕切り壁1の他方側の上方及び下方に横方向に存在する開放部となる隙間16を塞ぐ作業を行う。塞ぐ作業は、開放部となる隙間16の寸法に合わせた下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15を当該箇所にビス又はタッカー等の固定手段によって取付けることによって行われる。
【0057】
また、最後に設置固定されたパネル体(基本パネル)10Bについては、壁面4に対向する壁面や柱等に接する側の端部部分のスタッド14の半分及び下張り耐火ボード14の一部が露出したままの状態となっているので、この部分の寸法に合わせた下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15を当該箇所にビス又はタッカー等の固定手段によって取付ける。この作業によって、構築された耐火間仕切り壁1の表面全面が下張り耐火ボード14と上張り耐火ボード15によって二重に耐火被覆されることになる。
【0058】
耐火間仕切り壁1の表面全面の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けが終わった後、耐火間仕切り壁1の表面仕上げのための下地処理や仕上げ処理が施されることになる。
【0059】
以上、本発明に係る耐火間仕切り壁1及びその施工法の一実施例について説明したが、本発明は上記に限定されず、他の種々の態様を採ることもできる。
【0060】
例えば、天井高が一般的な寸法より高い場所に適用する場合には、例えば、図5のパネル体(端部パネル)10A’に示すように、スタッド13’を当該適用場所の天井高さ寸法に合せた長さとし、下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15については一般的な高さ寸法のものを取付けた構成とすることが好ましい。石膏ボード等の如き耐火ボードは比較的重量物であるため、高天井に合せた高さ寸法の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15を取付けると重量が嵩んで施工場所への搬入・運搬や設置が困難となるので、一般的な高さ寸法のものを取付ける構成とすることで、これらの困難を防ぐことができる。尚、この構成とした場合、一方面側の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の上端部分は目地が一致しないようにズレるように取付けることものとする。この構成によって、一方面側と多方面側の両側で上方部分に大きな開放部となる隙間16’が生じるが、該開放部となる隙間16’についても前述した実施例と同様に、後取付け工程で当該開放部となる隙間16’の寸法に対応する下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15を取付けて塞ぐ作業を行えばよい。
【0061】
次に、耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠について以下説明する。
上記したパネル体(端部パネル)10A及びパネル体(基本パネル)10Bの製造は、設計寸法に合せて位置合せを行いながら組み立てるものであるが、寸法を規格化することで型枠を用いた製造が可能となる。
【0062】
先ず、パネル体(端部パネル)10A用の型枠は、スタッド13の位置を決めると共に片面の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けを行うための型枠(その1)17A(図6参照)と、残りの反対面の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けを行うための型枠(その2)18A(図7参照)との2つを有して構成される。
【0063】
型枠(その1)17Aは、図6に示すように、所定間隔毎に立設される3本のスタッド13・13・13の位置を決めるスタッド位置決め用凹溝19・19・19が所定間隔毎に設けられており、該型枠(その1)17Aの端部には、下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の端部位置決め部(その1)20が設けられている。
【0064】
先ず、型枠(その1)17Aを用いて、型枠(その1)17Aのスタッド位置決め用凹溝19・19・19の各々にスタッド13・13・13を嵌め込み、次に、下張り耐火ボード14を端部位置決め部(その1)20に端部を突設させて載せ、次に、上張り耐火ボード15を端部位置決め部(その1)20に端部を突設させて載せ、次にビス打ち機等によってビス打ち固定することで、片面(一方面側又は多方面側のいずれか)の取付けが終了する。
【0065】
次に、図7に示す型枠(その2)18Aを用いて、反対側の片面(他方面側又は一方面側のいずれか)の取付けを行う。
【0066】
型枠(その2)18Aは、図7に示すように、型枠(その1)17Aで下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けの終わった面が入り込むと共に上張り耐火ボード15の段差に対応する段差部21A及び下張り耐火ボード14の段差に対応する段差部21Bを有する凹部21が設けられており、該凹部21の一方の端部には前記端部位置決め部(その1)20と同様に下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の端部位置を決める端部位置決め部(その2)22が設けられている。
【0067】
型枠(その1)17Aで下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けの終わった面である前記片面を、凹部21に嵌め込み、次に、下張り耐火ボード14を端部位置決め部(その2)22に端部を突設させて載せ、次に、上張り耐火ボード15を端部位置決め部(その2)22に端部を突設させて載せ、次にビス打ち機等によってビス打ち固定することで、反対面の取付けも終了する。
【0068】
反対面の取付けの際、下張り耐火ボード14を載せる前に、必要であれば、充填材5の充填を行うこともできる。
【0069】
以上のように、先ず、型枠(その1)17Aを用い、次に、型枠(その2)18Aを用いることで、スタッド13・13・13の各間隔等の各寸法をその度に測ることなく正確にパネル体(端部パネル)10Aを極めて容易に製造することができる。尚、本実施例では、3本のスタッド13・13・13を立設する構成を示しているが、本発明はこれに限定されず、他の本数のスタッド13に対応するように変更してもよいし、スタッド13以外の他の構成についても、パネル体(端部パネル)10Aの規格化される仕様に応じて適宜変更した型枠(その1)17A及び型枠(その2)18Aを用意することができる。
【0070】
次に、パネル体(基本パネル)10B用の型枠は、スタッド13の位置を決めると共に片面の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けを行うための型枠(その1)17B(図8参照)と、残りの反対面の下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けを行うための型枠(その2)18B(図9参照)との2つを有して構成される。
【0071】
型枠(その1)17Bは、図8に示すように、所定間隔毎に立設される2本のスタッド13・13の位置を決めるスタッド位置決め用凹溝19・19が所定間隔毎に設けられており、該型枠(その1)17Aの端部には、下張り耐火ボード14の端部位置決め部(その1)23と上張り耐火ボード15の端部位置決め部(その1)24が位置決め設定位置から退避可能な構成を有して夫々設けられている。
【0072】
下張り耐火ボード14用の端部位置決め部(その1)23は、スタッド13・13の位置決め終了後に下張り耐火ボード14の位置決め設定位置に復帰し、上張り耐火ボード15用の端部位置決め部(その1)24は、下張り耐火ボード14の位置決め終了後に、上張り耐火ボード15の位置決め設定位置に復帰する構成を有している。退避及び復帰する構成としては、退避可能であると共に正しい位置に復帰できる構成であればよく、例えば、型枠(その1)17Aの端部を支点とする回動式でもよいし、スライド式でもよいし、着脱式でもよい。好ましくは、図示の回動式である。
【0073】
以下、パネル体(基本パネル)10Bの製造について説明する。図8に示すように、型枠(その1)17Bを用いて片面の取付けを行う。先ず、スタッド13・13の位置決めの前に、端部位置決め部(その1)23及び端部位置決め部(その1)24の両方を夫々の位置決め設定位置から退避させた状態とする。次に、スタッド位置決め用凹溝19・19の各々にスタッド13・13を嵌め込み位置決めする。スタッド13・13の位置決め終了後、退避させていた下張り耐火ボード14用の端部位置決め部(その1)23を位置決め設定位置に復帰させ、下張り耐火ボード14を端部位置決め部(その1)23に端部を突設させて載せる。下張り耐火ボード14の位置決め終了後、退避させていた上張り耐火ボード15用の端部位置決め部(その1)24を位置決め設定位置に復帰させ、上張り耐火ボード15を端部位置決め部(その1)24に端部を突設させて載せる。次にビス打ち機等によって下張り耐火ボード14と上張り耐火ボード15とを同時にスタッド13・13にビス打ち固定することで、片面(一方面側又は多方面側のいずれか)の取付けが終了する。
【0074】
次に、図9に示す型枠(その2)18Bを用いて、反対側の片面(他方面側又は一方面側のいずれか)の取付けを行う。
【0075】
型枠(その2)18Bは、図9に示すように、型枠(その1)17Bで下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けの終わった面が入り込むと共に上張り耐火ボード15の段差に対応する段差部25Aと下張り耐火ボード14の段差に対応する段差部25Bを有する凹部25が設けられており、該凹部25の一方の端部には、下張り耐火ボード14の端部位置決め部(その2)26と上張り耐火ボード15の端部位置決め部(その2)27が位置決め設定位置から退避可能な構成を有して夫々設けられている。
【0076】
下張り耐火ボード14用の端部位置決め部(その2)26は、片面の取付けの終わった状態のものを凹部25に嵌め込んだ後に下張り耐火ボード14の位置決め設定位置に復帰し、上張り耐火ボード15用の端部位置決め部(その2)27は、下張り耐火ボード14の位置決め終了後に、上張り耐火ボード15の位置決め設定位置に復帰する構成を有している。退避及び復帰する構成としては、退避可能であると共に正しい位置に復帰できる構成であればよく、例えば、型枠(その1)17Aの端部を支点とする回動式でもよいし、スライド式でもよいし、着脱式でもよい。好ましくは、図示の回動式である。
【0077】
反対面の取付けは、図9に示すように、型枠(その2)18Bを用いて片面の取付けを行う。先ず、端部位置決め部(その2)26及び端部位置決め部(その2)27の両方を夫々の位置決め設定位置から退避させた状態とする。次に、型枠(その1)17Bで下張り耐火ボード14及び上張り耐火ボード15の取付けの終わった面である前記片面を、凹部25に嵌め込む。嵌め込み後、退避させていた下張り耐火ボード14用の端部位置決め部(その2)26を位置決め設定位置に復帰させ、下張り耐火ボード14を端部位置決め部(その2)26に端部を突設させて載せる。下張り耐火ボード14の位置決め終了後、退避させていた上張り耐火ボード15用の端部位置決め部(その2)27を位置決め設定位置に復帰させ、上張り耐火ボード15を端部位置決め部(その2)27に端部を突設させて載せる。次にビス打ち機等によって下張り耐火ボード14と上張り耐火ボード15とを同時にスタッド13・13にビス打ち固定することで、反対面の取付けも終了する。
【0078】
反対面の取付けの際、下張り耐火ボード14を載せる前に、必要であれば、充填材5の充填を行うこともできる。
【0079】
以上のように、先ず、型枠(その1)17Bを用い、次に、型枠(その2)18Bを用いることで、スタッド13・13の各間隔等の各寸法をその度に測ることなく正確にパネル体(基本パネル)10Bを極めて容易に製造することができる。尚、本実施例では、3本のスタッド13・13を立設する構成を示しているが、本発明はこれに限定されず、他の本数のスタッド13に対応するように変更してもよいし、スタッド13以外の他の構成についても、パネル体(基本パネル)10Bの規格化される仕様に応じて適宜変更した型枠(その1)17B及び型枠(その2)18Bを用意することができる。
【0080】
以上のように、本発明に係る耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠を用いることにより、寸法間違い等のミスを抑制することができ、しかも製造作業は熟練不要となるので、低コスト化及び量産化が可能となる。
【0081】
尚、耐火ボードを更に1以上積層しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る耐火間仕切り壁(多方面側)の一実施例の施工途中を示す斜視図
【図2】図1の耐火間仕切り壁を構成するパネル体(端部パネル)の一例を示す4面図{(a)平面図、(b)他方面側図、(c)一方面側図、(d)側面図}
【図3】図1の耐火間仕切り壁を構成するパネル体(基本パネル)の一例を示す4面図{(a)平面図、(b)他方面側図、(c)一方面側図、(d)側面図}
【図4】図2に示すパネル体(端部パネル)と図3に示すパネル体(基本パネル)との接合状態を示す説明平面図
【図5】図2のパネル体(端部パネル)の他の例を示す4面図{(a)平面図、(b)他方面側図、(c)一方面側図、(d)側面図}
【図6】パネル体(端部パネル)の型枠の一実施例を示す平面図
【図7】図6の型枠を用いてパネル体(端部パネル)を製造する工程を示す説明平面図
【図8】パネル体(基本パネル)の型枠の一実施例を示す平面図
【図9】図8の型枠を用いてパネル体(基本パネル)を製造する工程を示す説明平面図
【符号の説明】
【0083】
1 耐火間仕切り壁
2 スラブ下面又は梁下面
3 床スラブ上面
4 間仕切り壁1が接する一方の壁面
5 充填材
10 パネル体
10A パネル体(端部パネル)
10A’ パネル体(端部パネル)
10B パネル体(基本パネル)
11 ランナー(上)
12 ランナー(下)
13 スタッド
13’ スタッド
14 下張り耐火ボード
15 上張り耐火ボード
16 開放部となる隙間
16’ 開放部となる隙間
17A パネル体(端部パネル)用の型枠(その1)
18A パネル体(端部パネル)用の型枠(その2)
17B パネル体(基本パネル)用の型枠(その1)
18B パネル体(基本パネル)用の型枠(その2)
19 スタッド位置決め用凹溝
20 端部位置決め部(その1)
21 凹部
21A 段差部
21B 段差部
22 端部位置決め部(その2)
23 下張り耐火ボード用の端部位置決め部(その1)
24 上張り耐火ボード用の端部位置決め部(その1)
25 凹部
25A 段差部
25B 段差部
26 下張り耐火ボード用の端部位置決め部(その2)
27 上張り耐火ボード用の端部位置決め部(その3)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間仕切り壁設置位置のスラブ下面又は梁下面及び床スラブ上面の夫々にランナーが取付けられ、上下のランナー間に所定本数のスタッドが立設され、複数本のスタッドの両側面に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが取付けられた構成の耐火間仕切り壁であって、
該耐火間仕切り壁が、複数枚のパネル体を並設して構成され、
該パネル体が、上下のランナーと少なくとも2本のスタッドとを有して組み立てられる構造体の一方面側の略全部ないし主要部分に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードが取付けられ、前記構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成り、
前記他方面側の上方部分及び下方部分の開放部である隙間が、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの後取付けで塞がれる構成であることを特徴とする耐火間仕切り壁。
【請求項2】
前記パネル体の下張り耐火ボードの目地と上張り耐火ボードの目地とが重合しない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の耐火間仕切り壁。
【請求項3】
上下のランナー間に少なくとも2本のスタッドを立設した構造体の一方面側の全部ないし主要部分に下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付け、前記構造体の他方面側の上方部分及び下方部分に開放部となる隙間をあけて下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成るパネル体を複数枚形成し、
該複数枚のパネル体を、間仕切り壁設置位置に並設し、スラブ下面又は梁下面及び床スラブ上面の夫々に上下のランナーの夫々を取付け、必要に応じて断熱材及び/又は配線・配管をパネル体の内部に施した後、前記他方面側の上方部分及び下方部分の開放部である隙間を、下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの後取付けで塞ぐことを特徴とする耐火間仕切り壁の施工法。
【請求項4】
前記パネル体の下張り耐火ボードの目地と上張り耐火ボードの目地とが重合しない位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の耐火間仕切り壁の施工法。
【請求項5】
前記下張り耐火ボードと上張り耐火ボードとの位置合わせを行った後に、該下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを前記構造体に同時に固定することを特徴とする請求項3又は4に記載の耐火間仕切り壁の施工法。
【請求項6】
所定間隔毎に立設される少なくとも2本のスタッドに下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードを取付けて成るパネル体の型枠であって、スタッド位置決め用の凹溝が所定間隔毎に設けられると共に、下張り耐火ボードの端部位置決め部と上張り耐火ボードの端部位置決め部が設けられていることを特徴とする耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【請求項7】
前記下張り耐火ボードの端部位置決め部及び上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置から退避可能な構成を有し、スタッドの位置決め終了後に下張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰し、該下張り耐火ボードの位置決め終了後に、上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰可能な構成を有することを特徴とする請求項6に記載の耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【請求項8】
前記請求項6に記載の型枠を用いて少なくとも2本のスタッドの立設と下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの取付けが終わったパネル体の片面が嵌り込む凹部が設けられると共に、反対面に取付けられる下張り耐火ボードの端部位置決め部と上張り耐火ボードの端部位置決め部が設けられていることを特徴とする耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。
【請求項9】
前記請求項7に記載の型枠を用いて少なくとも2本のスタッドの立設と下張り耐火ボード及び上張り耐火ボードの取付けが終わったパネル体の片面が嵌り込む凹部が設けられると共に、反対面に取付けられる下張り耐火ボードの端部位置決め部と上張り耐火ボードの端部位置決め部が設けられており、該下張り耐火ボードの端部位置決め部及び上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置から退避可能な構成を有し、スタッドの位置決め終了後に下張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰し、該下張り耐火ボードの位置決め終了後に、上張り耐火ボードの端部位置決め部が位置決め設定位置に復帰可能な構成を有することを特徴とする耐火間仕切り壁に用いられるパネル体の型枠。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−241940(P2006−241940A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62549(P2005−62549)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(597042630)宮下建設株式会社 (1)
【Fターム(参考)】