説明

耐衝突安全性に優れた船首構造

【課題】バルバスバウを有する船舶において、衝突時に相手方の船の損傷を効果的に防止できる緩衝効果を備えた船首構造を提供する。
【解決手段】バルバスバウを構成する外殻部材及び内殻部材について、L部材:船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部材、W部材:船体長手水平方向に対し45度より大きい角度を有する部材、としたとき、L部材として、W部材よりも降伏強度が低い120〜400MPaの降伏強度の鋼材を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突時に変形して衝突された相手方の船の損傷を防止できる緩衝効果を有し、衝突安全性を向上させた船の船首構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の大型船では、波の抵抗によるエネルギーのロスを少しでも軽減させるために船首水線下にバルバスバウ(球状船首)が備えられている。このバルバスバウに用いる曲率の大きな曲板を製造するために、その成形過程で、線状加熱による曲げ加工、すなわち線状加熱加工が多用されている。
【0003】
この線状加熱加工は、ガスバーナー等を用いて鋼板表面を線状に局所加熱し、加熱部分が熱膨張してその周囲からの拘束により塑性変形する現象を利用するもので、通常は作業効率を高めるために加熱直後に水冷が行われており、線状加熱加工後の鋼板は加熱された部分に焼きが入り、局所的に降伏強度が上昇している。
【0004】
そのため、そのような曲板を用いたバルバスバウは強度が均一でなく、変形しにくくなっており、このバルバスバウを備えた船が他船に衝突した場合、図2(a)に示すように、衝突した船の船首が衝突された船の船腹に食い込み、船腹を破壊し、さらには破壊部位が拡大して船体が破口する危険性も大きい。
【0005】
従来、船の衝突安全性を向上させる手段としては、船殻の二重構造化等の船体構造面からの検討が主体であったが、近年では、衝突時のエネルギー吸収性能に優れた鋼材の適用についても検討がなされている。
【0006】
その例として、特許文献1には、船側外板などに、従来の国際船級協会連合(IACS)の統一規格材に比べて降伏応力σyと一様伸びεuの積(σy×εu)を20%以上増加させた鋼材、または引張試験において一様伸びεuまでのエネルギー吸収量を20%以上増加させた鋼材、または降伏応力σyは同等以上で、かつ一様伸びεuを20%以上増加させた鋼材を適用することにより、従来と変わらない船体構造のままで、船体に破口が生じるまでに吸収できるエネルギー量を増加させることのできる船体構造について示されている。
【0007】
しかし、船の船首が他船の船腹に衝突した場合には、エネルギー吸収量を50%以上アップした鋼板を使用していても、船首が変形しない場合は船腹を貫通する恐れがあり、その場合には効果が期待できないという問題がある。
【0008】
このような問題に対して、船首を他の船と衝突した場合の緩衝効果を有する構造とすることも検討されている。
例えば、特許文献2には、船首部を、船体建造に用いられる鉄鋼材料と比較して柔らかい材質の材料を用いて建造して、船首部を柔構造とすることが示されている。
しかし、特許文献2では、柔らかい材質の材料として大型船舶に適用が困難なアルミ材が示されているのみで、鋼材を用いて柔構造とすることについては特に示されていない。また、柔らかい材質の材料を船首部の外板や内部構造にどのように組み込むのかについても特に示されていない。
【0009】
また、特許文献3には、バルバスバウの球状突起(バルブ)部の内部構造をリング状の横肋骨部材を用いた構造とするとともに、バルブ根本部の横肋骨部材間における側部外板に、降伏応力が235MPa以下の低降伏点鋼からなる低強度部を設け、根本部の横方向の曲げ強度を低下させて、船首部が衝突の反力で折れ曲がることにより、相手方の船腹に衝突船の船首部がメリ込むことを防止する船首構造が示されている。
【0010】
この特許文献3は、バルバスバウの上下方向の強度は十分確保しつつ、バルバスバウの水平方向の構造強度を低下させることにより、図2(b)に示すように、衝突時にバルバスバウの根元部が船体幅方向に容易に変形して、衝突部の接触面積を増大させることで、衝突船及び被衝突船双方の破口を防止しようとする構造であるが、バルブ部の折れ曲がりは、低降伏点鋼を使用した部位の局所的な変形によるものであり、折れ曲がる際のエネルギー吸収は大きなものではない。
【0011】
さらに、バルバスバウが折れ曲がることにより、衝突船と被衝突船がより接近し、両者の距離が大きなエネルギー吸収を伴わずに小さくなる。その結果、図2(b)に示すように、衝突船の舳先部分が被衝突船に接触して貫入する場合があるので、衝突事故による損傷が増大する可能性もある。
【0012】
したがって、衝突の際、バルバスバウが変形し船体の舳先部分と被衝突船が接触するまでの間に衝突エネルギーを大きく吸収する必要があり、そのような緩衝効果を備えた船首構造が望まれる。
【0013】
【特許文献1】特開2002−87373号公報
【特許文献2】特開平7−329881号公報
【特許文献3】特開2004−314825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、船舶の衝突の際、船首のパルバスバウのバルブ部ができるだけ均一に変形し、変形時に大きなエネルギー吸収を実現できるような緩衝効果を備えた船首構造を、鋼材を用いて実現できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明では、次のような船首構造とした。
(1)バルバスバウを有する船首構造であって、該バルバスバウを構成する外殻部材及び内殻部材について、
L部材:船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部材、
W部材:船体長手水平方向に対し45度より大きい角度を有する部材
としたとき、L部材として、W部材の降伏強度よりも低い降伏強度の鋼材を使用することを特徴とする船首構造。
(2)前記L部材に使用されている鋼材の内、少なくともその60%以上の鋼材の降伏強度が、W部材に使用される鋼材の降伏強度よりも低いことを特徴とする(1)に記載の船首構造。
(3)前記W部材の降伏強度より低いL部材の降伏強度が120〜240MPaであることを特徴とする(1)または(2)に記載の船首構造。
(4)前記W部材の降伏強度より低いL部材の降伏強度が240〜400MPaであることを特徴とする(1)または(2)に記載の船首構造。
(5)バルバスバウを有する船首構造であって、該バルバスバウを構成する外殻部材及び内殻部材について、
L部材:船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部材、
W部材:船体長手水平方向に対し45度より大きい角度を有する部材
としたとき、外殻部材および内殻部材のL部材が、内殻部材のW部材の降伏強度よりも低い降伏強度の鋼材を使用することを特徴とする船首構造。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バルバスバウを有する船舶の船首が他船の船腹に衝突するような事故を起こした場合に、衝突船におけるバルバスバウのバルブ部側面がより均一に座屈変形することにより、衝突エネルギーを大きく吸収することができるとともに、衝突エネルギーを吸収しながら衝突面がつぶれることで、被衝突船の損傷を極力低減できるようになり、これによって被衝突船の沈没や油流出による海洋汚染の予防に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
バルバスバウを有する船舶が他船の船腹に衝突するような事故を起こした場合に、もっとも大きな損傷、被害が想定されるケースは、図2(a)のように衝突船の船首が被衝突船の船側に垂直にぶつかる場合である。
そのような場合でも、図2(c)に示すように、バルバスバウのバルブ部分が衝突時のエネルギーを吸収しながらつぶれるように変形し、さらに、その変形によって衝突部分の接触面積が増大することにより、衝突船の船首が被衝突船の船側に貫入しないようにすることが望ましい。
特に、バルブ部分がより均一に座屈変形をすることができれば、より多くの衝突エネルギーを吸収することができるので、衝突による衝撃力は緩和され、被衝突船の局所的な破断や破損を回避できる。
【0018】
そのためには、バルバスバウのバルブ部が均一に変形しながら、図2(b)のようにバルバスバウが曲げ変形により折れ曲がったりしないことが必要である。
そこで、より変形しやすい鋼材を用いて、船首部が図2(c)のように蛇腹状に均一に座屈する構造について検討した。
【0019】
衝突時にバルバスバウが変形するためには、衝突方向である船体長手方向に沿って配置されている部材は、変形しやすい鋼材で構成されていることが必要である。そして、バルバスバウが均一に座屈するためには、船体長手方向に沿って配置されている部材の変形を、船体長手方向に対し交わる方向に配置されている部材より拘束して、バルバスバウが折れ曲がらないようにすることが有効であると考えられる。
【0020】
バルバスバウの形状や内部構造は様々であるが、曲率を有する外殻部材と内部構造部材とにより構成され、内部構造部材は、一般的には、縦肋骨や横肋骨の組み合わせよりなっている。
図1(a)、(b)のその一例について概略を示すが、バルバスバウを構成する外殻部材と内部構造部材は、船体衝突方向である船体長手水平方向を基準に考えると、船体長手水平方向に平行あるいは直角に配置されている多くの部材と船体長手水平方向に対して角度を持って配置されている一部の部材より構成されている。
【0021】
そこで、船体長手水平方向に対して角度を持って配置されている部材は、前記の平行か垂直の部材のいずれかに分類して、バルバスバウを構成する外殻部材と内部構造部材(内殻部材)を、次のように定義されるL部材とW部材に分け、L部材に衝突時の変形を受け持たせ、W部材にその変形を拘束する機能を受け持たせるようにする。
L部材:船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部材
W部材:船体長手水平方向に対し45度より大きい角度を有する部材
【0022】
そして、L部材に変形を受け持たせるために、L部材としてW部材の降伏強度よりも低い降伏強度の鋼材を使用し、W部材をL部材に対して変形しにくいものとする。
これによって、L部材が腰折れを生じて倒れこむように変形することを防止し、バルバスバウが軸方向に対し大きく外れることなく変形し、衝突のエネルギーを吸収できるようにする。
なお、外殻部材のW部材は、バルバスバウの先端部など、低い降伏応力の鋼材を使用する場合があるので、そのような場合には、外殻部材のW部材を除いて、外殻部材および内殻部材のL部材として、内殻部材のW部材よりも低い降伏応力の鋼材を使用する。
【0023】
外殻を構成する外板の配置方向は、水平面と外板の交線が船体長手水平方向となす角度で決定する。外板は、板内で曲率が異なっている場合もあるが、そのような場合は、板内において、船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部分と45度より大きい角度を有する部分の面積率を求め、その比率でどちらかに決定する。
【0024】
本発明者の検討によれば、L部材に使用される鋼材のうち、少なくともその60%以上の鋼材の降伏強度が、W部材に使用される鋼材の降伏強度よりも低いようにするとより有効であることが分かった。
【0025】
本発明者は、まず、L部材に使用される鋼材として、W部材よりも降伏強度が低い鋼材をすべて使用した結果、バルバスバウの軸方向の変形が容易となり、所定の効果を発揮できることを知見した。しかし、変形は降伏しやすい部位で生じるため、すべての領域で、必ずしもL部材よりもW部材の方が降伏強度を低くする必要はないので、部分的にL部材とW部材の鋼材の降伏強度を同一として実験を実施した。
その結果、L部材の50%をW部材よりも降伏強度の低い鋼材で構成した場合でも、L部材とW部材の鋼材の降伏強度をすべて同一レベルとした場合よりは軸方向の変形が容易となったが、その効果が顕著になるにはL部材の比率が60%以上の場合であった。
【0026】
以上の検討は、W部材とL部材の板厚がほぼ同一レベルである場合を想定したものであるが、板厚が極端に異なる場合には、降伏強度と板厚の関係から、設計要件として、それぞれの部材での降伏強度を変化させる場合があるが、そのような場合でも本発明の範疇である。そのような設計要件としての具体例は、後述する実施例に示す。
【0027】
次に、船首部に使用する鋼材の降伏強度などの好ましい条件について説明する。
【0028】
衝突船側の船首が座屈変形するためには、L部材に使用する鋼板などの鋼材の降伏強度を、被衝突船の船側に用いられている鋼板の降伏強度よりも小さくする必要がある。
しかし、船に使用する鋼板の降伏強度は、国際船級協会連合(IACS)の統一規格を満たす必要があり、また、船首には全体として波動衝撃に耐えられる強度が必要である。さらに、あまり強度を低下させると変形にともなう大きなエネルギー吸収効果を期待できなくなる。
【0029】
そのような点から、L部材の降伏強度は120MPa以上が望ましい。また、降伏強度の上限は、通常、船の船側に使用されている鋼板の降伏強度から見て、400MPa以下とすることが望ましい。衝突時により確実に座屈変形するためには、240MPa以下が望ましく、さらには200MPa未満が望ましい。
したがって、L部材は室温での降伏強度が120MPa以上240MPa以下の鋼材を使用するのが好ましいが、W部材の強度との関係から240MPa以上400MPa以下の鋼材を使用してもよい。
【0030】
そのような鋼材としては、降伏強度の条件を満たせば既存の溶接構造部材用の鋼材でよい。もちろん、特許文献3で上げられているような低降伏点鋼を用いてもよい。
【0031】
また、W部材に使用する鋼材も既存の鋼材でよく、特に制限されるものではないが、全体としてバルバスバウが変形しやすいものとするため、L部材と同様に船側に用いられている鋼板の降伏強度よりも小さく鋼材が望ましい。
【0032】
ところで、バルバスバウのバルブ部には、前述のように鋼板に線状加熱などの局所的な熱を与えることにより熱変形を生じさせ、それによって曲率をもたせるよう加工(線状加熱加工)された鋼板を用いて製造されている。その際、鋼板の熱を受けた部分では降伏強度が高くなるので、局所的な熱の付与を受けた部分と受けていない部分で鋼板の降伏強度に差異が生じている。
【0033】
そのような鋼板を用いた場合、衝突によってバルバスバウが変形を受ける際に、不均一な変形となり、構造部材としてのエネルギー吸収能は、板内の降伏強度に差異がない鋼板に比べて低下している場合もあるので、バルバスバウの外板となるL部材は、鋼板内での降伏応力の差異が少ない鋼板を使用することが望ましい。
【0034】
鋼板内での降伏応力の差異が少ない鋼板としては、少ない熱の付与で所定の曲率に加工された鋼板、すなわち1回の線状加熱加工による曲げ変形量が大きい鋼板が適している。
【0035】
線状加熱加工は600℃以上の高温で実施する方法と600℃未満の比較的低温で実施する方法があるが、600℃以上の高温で実施する場合の鋼板としては、例えば、特開2007−56348号公報に記載されているような、質量%で、C :0.02〜0.2%、Si:0.03〜1%、Mn:0.3〜2%、Al:0.002〜0.1%を含有し、不純物としてのP、Sを、P:0.03%以下、S:0.01%以下に制限した基本組成を有し、室温におけるミクロ組織の20〜95%が、加工あるいは変態歪により転位が導入されたフェライト組織であり、かつ、ベイナイトとマルテンサイトとの合計割合が70%未満である鋼板がある。
【0036】
また、600℃未満の比較的低温で実施する場合の鋼板としては、例えば、特開2006−205181号公報に記載されているような、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.02〜1.0%以下、Mn:0.2〜2.5%以下、P:0.025%以下、S:0.020%以下、Al:0.002〜0.10%以下、及びN:0.0010〜0.0080%以下の基本組成を有し、フェライト分率が20%以上の鋼板を、250℃以下の時効が生じない温度で圧下矯正して降伏点を低下させた鋼板がある。
【0037】
バルバスバウの外殻部材に用いられる曲板として、以上に例示したような鋼板を用いれば、座屈する際、均一に変形してより大きな吸収エネルギーを期待できるので、衝突時の被衝突船の損傷防止により大きな効果を得ることができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、さらに、実施例により、本発明の実施可能性及び効果について説明する。
【実施例】
【0039】
バルバスバウ部材に相当する実物モデル試験体を作製し、バルバスバウの軸方向から剛体を押し付けてバルバスバウ部材を変形させて、その変形モードと、荷重―変位線図の面積部から得られる吸収エネルギー値EAを比較例1の場合の吸収エネルギー値EA(ref)との相対値で、表1に示す。
変形モードは図2(b)(c)に対応させ、蛇腹状に変形したケースを(c)、途中で座屈変形し、十分な蛇腹変形できなかったケースを(b)と表記した。
【0040】
内殻部材は板厚が異なる鋼板、降伏強度の異なる鋼板を用いることがあるので、その場合には、用いたW部材の平均板厚、平均降伏点(強度)も表記した。なお、この場合の平均は、部材の使用量へ加重平均した。
【0041】
次に、L部材の板厚・降伏点を表1に示したが、この際、W部材の平均板厚に換算した相対降伏点を下記のように定義した。
相対降伏点=(L部材の降伏点)×(L部材の板厚)/(W部材の平均板厚)
この相対降伏点とW部材の平均降伏点を比較して、W部材の平均降伏点以下であるL部材がL部材全体に占める割合を、YP(W)av以下の部材比率(%)として表1に示した。
【0042】
発明例1〜6は、YP(W)av以下の部材比率(%)が60%以上である場合であり、比較例1よりも、吸収エネルギー値は大きい。
発明例7〜8は、外殻部材については、W部材、L部材が同一のため、L部材ではYP(W)av以下の部材比率(%)は0%であるが、内殻部材のW部材よりも降伏強度は低く、内殻部材のL部材においてYP(W)av以下の部材比率(%)は、60%以上、確保されているので、比較例1よりも吸収エネルギー値は大きく、変形モードも(c)となっている。
比較例2〜3は、L部材におけるYP(W)av以下の部材比率(%)が十分な値で無いため、比較例1よりは吸収エネルギーは大きいが、発明例と比較して満足のいく値ではない。
【0043】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】バルバスバウを有する船首の内部構造の概略を示す図である。
【図2】船の衝突時の変形を示す模式図であり、(a)は、緩衝効果を有しない船首構造の場合、(b)と(c)は緩衝効果を有する船首構造の場合である。
【図3】バルバスバウの変形モデル試験の概要を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルバスバウを有する船首構造であって、該バルバスバウを構成する外殻部材及び内殻部材について、
L部材:船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部材、
W部材:船体長手水平方向に対し45度より大きい角度を有する部材
としたとき、L部材として、W部材の降伏強度よりも低い降伏強度の鋼材を使用することを特徴とする船首構造。
【請求項2】
前記L部材に使用される鋼材のうち、少なくともその60%以上の鋼材の降伏強度が、W部材に使用される鋼材の降伏強度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の船首構造。
【請求項3】
前記W部材の降伏強度より低いL部材の降伏強度が120〜240MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の船首構造。
【請求項4】
前記W部材の降伏強度より低いL部材の降伏強度が240〜400MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の船首構造。
【請求項5】
バルバスバウを有する船首構造であって、該バルバスバウを構成する外殻部材及び内殻部材について、
L部材:船体長手水平方向に対し45度以下の角度を有する部材、
W部材:船体長手水平方向に対し45度より大きい角度を有する部材
としたとき、外殻部材および内殻部材のL部材が、内殻部材のW部材の降伏強度よりも低い降伏強度の鋼材を使用することを特徴とする船首構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−248731(P2009−248731A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98522(P2008−98522)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)