説明

耐震ロック装置

【課題】 扉等の移動体の耐震ロック装置に関し、ロック作動後にロックの解除操作を不要にしている。
【解決手段】 耐震ロック装置(10)は、キャビネット(20)側のフック装置(50)と、扉(30)側のフック受け(40)とを備える。フック装置(50)は、フック本体(90)と、付勢手段(例えばウェイト100)とを備える。フック本体(90)は、一端部に位置し、キャビネット(20)の内部に回転可能に取り付けられる回転軸(91)と、他端部に位置し、フック受け(40)に引っ掛かる鍵形に屈曲した可動フック部92とを有する。付勢手段(ウェイト100)は、フック本体(90)に設けられ、回転軸(91)に対して偏心し、常時は可動フック部(92)がフック受け(40)から離隔する方向に付勢し、所定以上の振動が加わった際には、回転軸(91)を中心に可動フック部(92)が回転し、フック受け(40)に引っ掛かるのを許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扉等の移動体の耐震ロック装置に関し、特にロック作動後にロックの解除操作が不要にしたものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、球形のウェイトが振動時に落下するのを利用して、扉をロックするものを提案していている(特許文献1の段落番号「0038」〜「0042」、図1〜6参照)。
上記ロック装置は、球形のウェイトが振動により落下した状態では、扉のロック状態を維持する。
【0003】
このため、扉を開放する際には、ウェイトを元の位置に上昇させるためのロック解除操作が必要となる。
【特許文献1】特開平9−67969号公報(段落番号「0038」〜「0042」、図1〜6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したロック装置では、地震でなく、家具の配置換えに際し家具を移動したり、或いは付近を走行する自動車の振動等により、誤ってウェイトが落下してしまうと、ロック解除操作が必要なってしまうという第1の問題点があった。
また、船やトラック等の揺れによる荷物の落下防止用に利用した場合には、ロック解除操作を頻繁に行わなければならないという第2の問題点があった。
【0005】
そこで、請求項1〜3記載の各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、振動の中止後、ロックが自動的に解除するようにしたものである。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項2記載の発明は、付勢手段として、ウェイトを利用できるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項3記載の発明は、付勢手段として、ばねを利用できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(特徴点)
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下にそれぞれ説明する。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0009】
すなわち、フック装置(50)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)と付勢手段(例えばウェイト100)とを備える。
上記フック本体(90)は、例えば図1に示すように、回転軸(91)と、可動フック部(92)とを備える。
上記回転軸(91)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)の一端部に位置し、固定体(例えばキャビネット20)と移動体(例えば扉30)のいずれか他方(例えばキャビネット20)に回転可能に設けられている。
【0010】
なお、固定体として、例えば図2に示すキャビネット(20)を例示したが、これに限らず、図9,10に示すように、家屋、船、自動車等の壁(130,160)であっても良い。
また、移動体として、例えば図2に示す扉(30)を例示したが、これに限らず、図9に示すように、タンス(120)等の家具や、或いは図10に示すように、棚(140)に置いた荷物(150)等であっても良い。
【0011】
前記可動フック部(92)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)の他端部に位置し、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かる鍵形に屈曲している。
前記付勢手段(例えばウェイト100)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)に設けられ、回転軸(91)に対して偏心している。
そして、付勢手段(例えばウェイト100)は、例えば図1に示すように、常時は可動フック部(92)がフック受け(40)の固定フック部(42)から離隔する方向に付勢している。
【0012】
これに対し、付勢手段(例えばウェイト100)は、例えば図5に示すように、所定以上の振動が加わった際には、回転軸(91)を中心に可動フック部(92)が回転し、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かるのを許容するものである。
なお、上記付勢手段としては、例えば図1に示すウェイト(80)を例示したが、これに限らず、図7に示すばね(110)を利用しても良い。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の3つの点を特徴とする。
【0013】
第1に、付勢手段は、例えば図1に示すように、ウェイト(80)より構成されている。
第2に、フック受け(40)の固定フック部(42)は、例えば図1に示すように、下方に向かって開放している。
また、フック本体(90)の可動フック部(92)は、例えば図1に示すように、上記固定フック部(42)と対向して開放している。
【0014】
そして、可動フック部(92)は、例えば図5に示すように、回転軸(91)を中心に上方に向かって回転することで、フック受け(40)の固定フック部(42)に下方より引っ掛かる。
第3に、ウェイト(80)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)の下側に固定されている。
そして、ウェイト(80)の自重により、例えば図1に示すように、可動フック部(92)が回転軸(91)を中心に下方に向かって回転する。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の3つの点を特徴とする。
【0015】
第1に、付勢手段は、例えば図7に示すように、ばね(110)より構成されている。
第2に、フック受け(40)の固定フック部(42)は、例えば図7に示すように、上方に向かって開放している。
また、フック本体(90)の可動フック部(92)は、例えば図7に示すように、上記固定フック部(42)と対向して開放している。
【0016】
そして、可動フック部(92)は、例えば図8に示すように、回転軸(91)を中心に下方に向かって回転することで、フック受け(40)の固定フック部(42)に上方より引っ掛かるようにしている。
第3に、ばね(110)のばね復元力により、例えば図7に示すように、可動フック部(92)が回転軸(91)を中心に上方に向かって回転するようにしている。
【0017】
なお、ばね(110)として、例えばコイルバネを例示したが、これに限らず、板ばねや、フック本体(90)自体を弾性部材から構成しても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、振動の中止後、ロックを自動的に解除することができる。
【0019】
これに加えて、従来の球形のウェイトを使用した従来の装置に比較して、装置の構造を簡便にすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0020】
すなわち、請求項2記載の発明によれば、付勢手段として、ウェイトを利用することができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0021】
すなわち、請求項3記載の発明によれば、付勢手段として、ばねを利用することができるようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施例)
図1〜6は、本発明の実施の形態の第1実施例をそれぞれ示すものである。
図1は、耐震ロック装置の断面図を示す。
図2は、キャビネットの斜視図を示す。
図3,4は、フック装置をそれぞれ示し、図3は平面図、図4は図3の側面図をそれぞれ示す。
【0023】
図5,6は、耐震ロック装置を示し、図5は図1に対応し、動作状態を示す断面図、図6は動作説明図をそれぞれ示す。
(耐震ロック装置)
図中、10は、耐震ロック装置を示すものであり、このロック装置10は、例えば図2に示すように、棚等のキャビネット20の開口面に開閉可能に取り付けられた左右一対の扉30,30にそれぞれ装着され、例えば地震の時等に扉30が開放しないようにするためのものである。
【0024】
なお、ロック装置10を左右の扉30にそれぞれ装着したが、左右の扉30の一方が開かないと、他方が開かない構造の場合には、いずれか一方に装着すれば良い。
上記各ロック装置10は、図1に示すように、大別すると、フック受け40と、このフック受け40に係脱するフック装置50とを備える。
(フック受け)
上記フック受け40は、図1に示すように、例えばねじ60を使用し、扉30の内側面31にねじ止めされるプレート状の基端部41と、この基端部41の上端部からキャビネット20の奥に向かって横向きに延び、下方に向かって鍵形に屈曲した固定フック部42とを備える。
【0025】
そして、フック受け40は、剛性を有する、例えばPOMにより一体的に成形されている。
(フック装置)
前記フック装置50は、図1,4,5に示すように、大別すると、例えばねじ70を使用し、キャビネット20の内部の上面21にねじ止めされるベース80と、このベース80に回転可能に支持され、前記フック受け40の固定フック部42に引っ掛かるフック本体90とを備える。
(フック装置:ベース)
上記ベース80は、図1,4に示すように、キャビネット20の上面21にねじ止めされる水平部81と、この水平部81のキャビネット20の奥側の端部から下方に向かって断面L字形に延びた垂直部82と、前記水平部81の左右両側面からそれぞれ下方に向かって断面L字形に延びた左右一対の軸受部83,83とを備える。
【0026】
そして、ベース80は、適度な剛性と弾性とを有する、POMにより一体的に成形されている。
上記左右の軸受部83の各下端部には、図1に示すように、C字形に凹んだ凹部84をそれぞれ形成している。
(フック装置:フック本体)
前記フック本体90は、図1に示すように、中空構造で、キャビネット20の奥側に位置する一端部には、左右両側面から円柱形に横向きにそれぞれ延び、前記ベース80の凹部64にそれぞれはまり込む左右一対の回転軸91,91を有している。
【0027】
また、扉30の内側面31側に位置するフック本体90の他端部には、図1に示すように、扉30の内側面31に向かって延び、上方に向かって鍵形に屈曲し、前記フック受け40の固定フック42に下方より引っ掛かる可動フック部92を有している。
そして、フック本体90は、剛性を有する、POMにより一体的に成形されている。
上記可動フック部92は、図3に示すように、フック受け40の固定フック42に引っ掛かり易いように、先細状に形成されている。
【0028】
また、前記フック本体90の中空内部には、図1に示すように、直方体形のウェイト100を埋め込んでいる。
ウェイト100は、例えば真鍮製で、回転軸91の下方で、しかも固定フック42とは反対側のキャビネット20の奥側に位置させている。
そして、上記ウェイト100により、図1に示すように、フック本体90の重心X1を回転軸91の中心Oの垂線上の下方に位置させている。
【0029】
また、回転軸91の中心Oからフック本体90の重心X1迄の距離を、図1に示すように、回転軸91の中心Oから可動フック部92のフック基点Z1迄の距離より遙かに短く設定している(OX1<<OZ1)。
(フック装置:組立方法)
フック装置50を組み立てるには、図1に示すように、ベース80の左右の凹部64に、フック本体90の左右の回転軸91をそれぞれ合わせて、ベース80の弾力を利用してはめ込めば良い。
【0030】
こうして、回転軸91を凹部64にはめ込むと、凹部64が樹脂の弾性により復元することで、回転軸91が外れなくなる。
そして、回転軸91は、図1に示すように、凹部84内に回転可能に軸止され、フック本体90はベース80に回転可能に支持される。
こうして組み立てたフック装置70は、図4に示すように、そのベース80をキャビネット20の上面21にねじ止めする。
【0031】
また、フック受け40の基端部41を、図1に示すように、扉30の内側面31にねじ止めする。
このとき、フック本体90の可動フック部92が、図1に示すように、フック受け40の固定フック部42に引っ掛かる距離に保つ。
こうして、フック装置70を固定すると、ウェイト100の重さにより、フック本体90は、図1に示すように、その可動フック部92がフック受け40の固定フック部42から下方に離れたほぼ水平状態を維持する。
【0032】
なお、このとき、フック本体90の後端部が、図1に示すように、ベース80の垂直部62に当接することで、回転角度が規制されている。
(使用方法)
一方、地震等により所定以上の振動がキャビネット20に加わると、フック本体90が、図1,5に示すように、その回転軸91を中心に揺れ動き、可動フック部92がフック受け40の固定フック部42に下方より引っ掛かる。
【0033】
このときの動作を図6を用いて説明する。
図6の角度aは、フック本体90の振幅bにより生ずる角度である。
図6の距離cは、フック本体90の可動フック部92のフック基点Z1が上記角度a移動した後の両フック基点Z1,Z2の高さである。
このとき、先に説明したように、OX1<<OZ1の関係の時、b<<cの関係となる。
【0034】
このため、重心X1,X2の移動速度より、フック本体90の可動フック部92のフック基点Z1,Z2の移動速度の方が速く、扉30が距離d移動して開くより先に、フック本体90の可動フック部92がフック受け40の固定フック部42に引っ掛かる。
このため、地震等により、扉30が開く前に、可動フック部92が固定フック部42に引っ掛かり、扉30が開くのを防止する。
【0035】
そして、扉30に開く力が作用している間は、可動フック部92が固定フック部42に引っ掛かった状態を維持する。
その後、地震等が止まり、扉30に開く力が作用しなくなると、フック本体90は、図1に示すように、ウェイト100の重さにより、その回転軸91を中心に下方に戻り回転する。
このため、図1に示すように、可動フック部92が固定フック部42から離れ、扉30の開放が可能となる。
(第2実施例)
図7,8は、本発明の実施の形態の第2実施例をそれぞれ示すものである。
【0036】
図7は、耐震ロック装置の断面図、図8は図7に対応し、動作状態を示す断面図でを示す。
本第2実施例の特徴は、先に説明した第1実施例のウェイト100に代えて、ばね110を用いることで、固定フック部42と可動フック部92との向きを上下逆転できるようにしたものである。
【0037】
なお、本第2実施例の説明においては、先の第1実施例と同一構成部分については、同一符号を用いて説明を省略する。
(第3実施例)
図9は、本発明の実施の形態の第3実施例をそれぞれ示すものである。
図9は、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
【0038】
本第3実施例は、耐震ロック装置10を利用して、タンス120が倒れるのを防止できるようにしたものである。
本第3実施例では、タンス120にフック受け40を固定し、壁130にフック装置50を固定しているが、逆でも良い。
なお、移動体として、タンス120を例示したが、これに限らず、他の家具や電化製品等でも良い。また、固定体として、壁130を例示したが、これに限らず、家具や電化製品同士を、耐震ロック装置10を利用して連結して倒れないようにしても良い。
(第4実施例)
図10は、本発明の実施の形態の第4実施例をそれぞれ示すものである。
【0039】
図10は、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
本第4実施例は、耐震ロック装置10を利用して、棚140からの荷物150の落下を防止できるようにしたものである。
本第3実施例では、荷物150にフック受け40を固定し、壁160にフック装置50を固定しているが、逆でも良い。また、壁160に代えて、棚140にフック受け40やフック装置50を固定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】耐震ロック装置の断面図である。
【図2】キャビネットの斜視図である。
【図3】フック装置の平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図1に対応し、動作状態を示す断面図である。
【図6】図5に対応し、動作説明図である。
【図7】第2実施例を示し、耐震ロック装置の断面図である。
【図8】図6に対応し、動作状態を示す断面図である。
【図9】第3実施例を示し、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
【図10】第4実施例を示し、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 耐震ロック装置 20 キャビネット(固定体)
21 上面 30 扉(移動体)
31 内側面 40 フック受け
41 基端部 42 固定フック部
50 フック装置 60 ねじ
70 ねじ 80 ベース
81 水平部 82 垂直部
83 軸受部 84 凹部
90 フック本体 91 回転軸
92 可動フック部 100 ウェイト(付勢手段)
110 ばね(付勢手段) 120 タンス
130 壁 140 棚
150 荷物 160 壁

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扉等の移動体の耐震ロック装置に関し、特にロック作動後にロックの解除操作が不要にしたものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、球形のウェイトが振動時に落下するのを利用して、扉をロックするものを提案していている(特許文献1の段落番号「0038」〜「0042」、図1〜6参照)。
上記ロック装置は、球形のウェイトが振動により落下した状態では、扉のロック状態を維持する。
【0003】
このため、扉を開放する際には、ウェイトを元の位置に上昇させるためのロック解除操作が必要となる。
【特許文献1】特開平9−67969号公報(段落番号「0038」〜「0042」、図1〜6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したロック装置では、地震でなく、家具の配置換えに際し家具を移動したり、或いは付近を走行する自動車の振動等により、誤ってウェイトが落下してしまうと、ロック解除操作が必要なってしまうという第1の問題点があった。
また、船やトラック等の揺れによる荷物の落下防止用に利用した場合には、ロック解除操作を頻繁に行わなければならないという第2の問題点があった。
【0005】
そこで、請求項1〜3記載の各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、振動の中止後、ロックが自動的に解除するようにしたものである。
【0006】
これに加え、請求項1記載の発明は、付勢手段として、ウェイトを利用できるようにしたものである。
(請求項2)
請求項1記載の発明は、請求項1記載の発明と同様に、振動の中止後、ロックが自動的に解除するようにしたものである。
【0007】
これに加え、請求項2記載の発明は、付勢手段として、ばねを利用できるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項3記載の発明は、キャビネットの扉に利用できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(特徴点)
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下にそれぞれ説明する。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0010】
第1に、耐震ロック装置(10)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(1)フック受け(40)
フック受け(40)は、例えば図1に示すように、鍵形に屈曲した固定フック部(42)を有する。
(2)フック装置(50)
フック装置(50)は、所定以上の振動により、例えば図5に示すように、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かるものである。
【0011】
第2に、フック装置(50)は、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(3)フック本体(90)
フック本体(90)は、例えば図1に示すように、一端部に位置する回転軸(91)、及び他端部に位置し、例えば図5に示すように、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かる鍵形に屈曲した可動フック部(92)とを有する。
【0012】
(4)付勢手段
付勢手段は、例えば図1に示すように、フック本体(90)に設けられ、回転軸(91)に対して偏心し、常時は可動フック部(92)がフック受け(40)の固定フック部(42)から離隔する方向に付勢し、所定以上の振動が加わった際には、例えば図5に示すように、回転軸(91)を中心に可動フック部(92)が回転し、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かるのを許容するものである。
【0013】
第3に、付勢手段は、例えば図1に示すように、ウェイト(100)より構成される。
第4に、フック受け(40)の固定フック部(42)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)の可動フック部(92)に向かって開放する。
第5に、フック本体(90)の可動フック部(92)は、例えば図1に示すように、固定フック部(42)と対向して開放する。
【0014】
第6に、可動フック部(92)は、例えば図5に示すように、回転軸(91)を中心に回転することで、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かる。
第7に、ウェイト(100)は、例えば図1に示すように、フック本体(90)に固定され、ウェイト(100)の自重により、例えば図5に示すように、可動フック部(92)が回転軸(91)を中心に回転するようにしている。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0015】
第1に、耐震ロック装置(10)には、例えば図7に示すように、次の構成を備える。
(1)フック受け(40)
フック受け(40)は、例えば図7に示すように、鍵形に屈曲した固定フック部(42)を有する。
(2)フック装置(50)
フック装置(50)は、所定以上の振動により、例えば図8に示すように、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かるものである。
【0016】
第2に、フック装置(50)は、例えば図7に示すように、次の構成を備える。
(3)フック本体(90)
フック本体(90)は、例えば図7に示すように、一端部に位置する回転軸(91)、及び他端部に位置し、例えば図8に示すように、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かる鍵形に屈曲した可動フック部(92)とを有する。
【0017】
(4)付勢手段
付勢手段は、例えば図7に示すように、フック本体(90)に設けられ、回転軸(91)に対して偏心し、常時は可動フック部(92)がフック受け(40)の固定フック部(42)から離隔する方向に付勢し、所定以上の振動が加わった際には、例えば図8に示すように、回転軸(91)を中心に可動フック部(92)が回転し、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かるのを許容するものである。
【0018】
第3に、付勢手段は、例えば図7に示すように、ばね(110)より構成される。
第4に、フック受け(40)の固定フック部(42)は、例えば図7に示すように、フック本体(90)の可動フック部(92)に向かって開放する。
第5に、フック本体(90)の可動フック部(92)は、例えば図7に示すように、固定フック部(42)と対向して開放する。
【0019】
第6に、可動フック部(92)は、例えば図8に示すように、回転軸(91)を中心に回転することで、フック受け(40)の固定フック部(42)に引っ掛かる。
第7に、ばね(110)のばね復元力により、例えば図8に示すように、可動フック部(92)が回転軸(91)を中心に回転するようにしている。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0020】
第1に、固定体は、例えば図2に示すように、キャビネット(20)より構成される。
第2に、移動体は、例えば図2に示すように、キャビネット(20)に開閉可能に取り付けられた扉(30)より構成される。
第3に、フック受け(40)は、例えば図2に示すように、扉(30)の内側に固定される。
第4に、フック本体(90)の回転軸(91)は、例えば図1〜2に示すように、キャビネット(20)の内部に軸止されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、振動の中止後、ロックを自動的に解除することができる。
【0022】
これに加えて、従来の球形のウェイトを使用した従来の装置に比較して、装置の構造を簡便にすることができる。
さらに、請求項1記載の発明によれば、付勢手段として、ウェイトを利用することができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
【0023】
すなわち、請求項2記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様に、振動の中止後、ロックを自動的に解除することができる。
これに加えて、従来の球形のウェイトを使用した従来の装置に比較して、装置の構造を簡便にすることができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、付勢手段として、ばねを利用することができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0024】
すなわち、請求項3記載の発明によれば、キャビネットの扉に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施例)
図1〜6は、本発明の実施の形態の第1実施例をそれぞれ示すものである。
図1は、耐震ロック装置の断面図を示す。
図2は、キャビネットの斜視図を示す。
図3,4は、フック装置をそれぞれ示し、図3は平面図、図4は図3の側面図をそれぞれ示す。
【0026】
図5,6は、耐震ロック装置を示し、図5は図1に対応し、動作状態を示す断面図、図6は動作説明図をそれぞれ示す。
(耐震ロック装置)
図中、10は、耐震ロック装置を示すものであり、このロック装置10は、例えば図2に示すように、棚等のキャビネット20の開口面に開閉可能に取り付けられた左右一対の扉30,30にそれぞれ装着され、例えば地震の時等に扉30が開放しないようにするためのものである。
【0027】
なお、ロック装置10を左右の扉30にそれぞれ装着したが、左右の扉30の一方が開かないと、他方が開かない構造の場合には、いずれか一方に装着すれば良い。
上記各ロック装置10は、図1に示すように、大別すると、フック受け40と、このフック受け40に係脱するフック装置50とを備える。
(フック受け)
上記フック受け40は、図1に示すように、例えばねじ60を使用し、扉30の内側面31にねじ止めされるプレート状の基端部41と、この基端部41の上端部からキャビネット20の奥に向かって横向きに延び、下方に向かって鍵形に屈曲した固定フック部42とを備える。
【0028】
そして、フック受け40は、剛性を有する、例えばPOMにより一体的に成形されている。
(フック装置)
前記フック装置50は、図1,4,5に示すように、大別すると、例えばねじ70を使用し、キャビネット20の内部の上面21にねじ止めされるベース80と、このベース80に回転可能に支持され、前記フック受け40の固定フック部42に引っ掛かるフック本体90とを備える。
(フック装置:ベース)
上記ベース80は、図1,4に示すように、キャビネット20の上面21にねじ止めされる水平部81と、この水平部81のキャビネット20の奥側の端部から下方に向かって断面L字形に延びた垂直部82と、前記水平部81の左右両側面からそれぞれ下方に向かって断面L字形に延びた左右一対の軸受部83,83とを備える。
【0029】
そして、ベース80は、適度な剛性と弾性とを有する、POMにより一体的に成形されている。
上記左右の軸受部83の各下端部には、図1に示すように、C字形に凹んだ凹部84をそれぞれ形成している。
(フック装置:フック本体)
前記フック本体90は、図1に示すように、中空構造で、キャビネット20の奥側に位置する一端部には、左右両側面から円柱形に横向きにそれぞれ延び、前記ベース80の凹部64にそれぞれはまり込む左右一対の回転軸91,91を有している。
【0030】
また、扉30の内側面31側に位置するフック本体90の他端部には、図1に示すように、扉30の内側面31に向かって延び、上方に向かって鍵形に屈曲し、前記フック受け40の固定フック42に下方より引っ掛かる可動フック部92を有している。
そして、フック本体90は、剛性を有する、POMにより一体的に成形されている。
上記可動フック部92は、図3に示すように、フック受け40の固定フック42に引っ掛かり易いように、先細状に形成されている。
【0031】
また、前記フック本体90の中空内部には、図1に示すように、直方体形のウェイト100を埋め込んでいる。
ウェイト100は、例えば真鍮製で、回転軸91の下方で、しかも固定フック42とは反対側のキャビネット20の奥側に位置させている。
そして、上記ウェイト100により、図1に示すように、フック本体90の重心X1を回転軸91の中心Oの垂線上の下方に位置させている。
【0032】
また、回転軸91の中心Oからフック本体90の重心X1迄の距離を、図1に示すように、回転軸91の中心Oから可動フック部92のフック基点Z1迄の距離より遙かに短く設定している(OX1<<OZ1)。
(フック装置:組立方法)
フック装置50を組み立てるには、図1に示すように、ベース80の左右の凹部64に、フック本体90の左右の回転軸91をそれぞれ合わせて、ベース80の弾力を利用してはめ込めば良い。
【0033】
こうして、回転軸91を凹部64にはめ込むと、凹部64が樹脂の弾性により復元することで、回転軸91が外れなくなる。
そして、回転軸91は、図1に示すように、凹部84内に回転可能に軸止され、フック本体90はベース80に回転可能に支持される。
こうして組み立てたフック装置70は、図4に示すように、そのベース80をキャビネット20の上面21にねじ止めする。
【0034】
また、フック受け40の基端部41を、図1に示すように、扉30の内側面31にねじ止めする。
このとき、フック本体90の可動フック部92が、図1に示すように、フック受け40の固定フック部42に引っ掛かる距離に保つ。
こうして、フック装置70を固定すると、ウェイト100の重さにより、フック本体90は、図1に示すように、その可動フック部92がフック受け40の固定フック部42から下方に離れたほぼ水平状態を維持する。
【0035】
なお、このとき、フック本体90の後端部が、図1に示すように、ベース80の垂直部62に当接することで、回転角度が規制されている。
(使用方法)
一方、地震等により所定以上の振動がキャビネット20に加わると、フック本体90が、図1,5に示すように、その回転軸91を中心に揺れ動き、可動フック部92がフック受け40の固定フック部42に下方より引っ掛かる。
【0036】
このときの動作を図6を用いて説明する。
図6の角度aは、フック本体90の振幅bにより生ずる角度である。
図6の距離cは、フック本体90の可動フック部92のフック基点Z1が上記角度a移動した後の両フック基点Z1,Z2の高さである。
このとき、先に説明したように、OX1<<OZ1の関係の時、b<<cの関係となる。
【0037】
このため、重心X1,X2の移動速度より、フック本体90の可動フック部92のフック基点Z1,Z2の移動速度の方が速く、扉30が距離d移動して開くより先に、フック本体90の可動フック部92がフック受け40の固定フック部42に引っ掛かる。
このため、地震等により、扉30が開く前に、可動フック部92が固定フック部42に引っ掛かり、扉30が開くのを防止する。
【0038】
そして、扉30に開く力が作用している間は、可動フック部92が固定フック部42に引っ掛かった状態を維持する。
その後、地震等が止まり、扉30に開く力が作用しなくなると、フック本体90は、図1に示すように、ウェイト100の重さにより、その回転軸91を中心に下方に戻り回転する。
このため、図1に示すように、可動フック部92が固定フック部42から離れ、扉30の開放が可能となる。
(第2実施例)
図7,8は、本発明の実施の形態の第2実施例をそれぞれ示すものである。
【0039】
図7は、耐震ロック装置の断面図、図8は図7に対応し、動作状態を示す断面図でを示す。
本第2実施例の特徴は、先に説明した第1実施例のウェイト100に代えて、ばね110を用いることで、固定フック部42と可動フック部92との向きを上下逆転できるようにしたものである。
【0040】
なお、本第2実施例の説明においては、先の第1実施例と同一構成部分については、同一符号を用いて説明を省略する。
(第3実施例)
図9は、本発明の実施の形態の第3実施例をそれぞれ示すものである。
図9は、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
【0041】
本第3実施例は、耐震ロック装置10を利用して、タンス120が倒れるのを防止できるようにしたものである。
本第3実施例では、タンス120にフック受け40を固定し、壁130にフック装置50を固定しているが、逆でも良い。
なお、移動体として、タンス120を例示したが、これに限らず、他の家具や電化製品等でも良い。また、固定体として、壁130を例示したが、これに限らず、家具や電化製品同士を、耐震ロック装置10を利用して連結して倒れないようにしても良い。
(第4実施例)
図10は、本発明の実施の形態の第4実施例をそれぞれ示すものである。
【0042】
図10は、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
本第4実施例は、耐震ロック装置10を利用して、棚140からの荷物150の落下を防止できるようにしたものである。
本第3実施例では、荷物150にフック受け40を固定し、壁160にフック装置50を固定しているが、逆でも良い。また、壁160に代えて、棚140にフック受け40やフック装置50を固定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】耐震ロック装置の断面図である。
【図2】キャビネットの斜視図である。
【図3】フック装置の平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図1に対応し、動作状態を示す断面図である。
【図6】図5に対応し、動作説明図である。
【図7】第2実施例を示し、耐震ロック装置の断面図である。
【図8】図6に対応し、動作状態を示す断面図である。
【図9】第3実施例を示し、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
【図10】第4実施例を示し、耐震ロック装置の使用例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 耐震ロック装置 20 キャビネット(固定体)
21 上面 30 扉(移動体)
31 内側面 40 フック受け
41 基端部 42 固定フック部
50 フック装置 60 ねじ
70 ねじ 80 ベース
81 水平部 82 垂直部
83 軸受部 84 凹部
90 フック本体 91 回転軸
92 可動フック部 100 ウェイト(付勢手段)
110 ばね(付勢手段) 120 タンス
130 壁 140 棚
150 荷物 160 壁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定体と、この固定体に近接して配置され、所定以上の振動が加わった際に、前記固定体から離れる方向に移動する移動体とのいずれか一方に固定され、鍵形に屈曲した固定フック部を有するフック受けと、
前記固定体と前記移動体のいずれか他方に固定され、前記所定以上の振動により、前記フック受けの固定フック部に引っ掛かり、前記移動体が固定体から離隔するのを防止するフック装置とを備えた移動体の耐震ロック装置において、
前記フック装置は、
一端部に位置し、前記固定体と前記移動体のいずれか他方に回転可能に設けられた回転軸、及び他端部に位置し、前記フック受けの固定フック部に引っ掛かる鍵形に屈曲した可動フック部とを有するフック本体と、
前記フック本体に設けられ、前記回転軸に対して偏心し、
常時は前記可動フック部が前記フック受けの前記固定フック部から離隔する方向に付勢し、
所定以上の振動が加わった際には、前記回転軸を中心に前記可動フック部が回転し、前記フック受けの前記固定フック部に引っ掛かるのを許容する付勢手段とを備えていることを特徴とする移動体の耐震ロック装置
【請求項2】
前記付勢手段は、ウェイトより構成され、
前記フック受けの前記固定フック部は、下方に向かって開放し、
前記フック本体の前記可動フック部は、前記固定フック部と対向して開放し、
前記可動フック部は、前記回転軸を中心に上方に向かって回転することで、前記フック受けの前記固定フック部に下方より引っ掛かり、
前記ウェイトは、前記フック本体の下側に固定され、前記ウェイトの自重により、前記可動フック部が前記回転軸を中心に下方に向かって回転するようにしていることを特徴とする請求項1記載の移動体の耐震ロック装置。
【請求項3】
前記付勢手段は、ばねより構成され、
前記フック受けの前記固定フック部は、上方に向かって開放し、
前記フック本体の前記可動フック部は、前記固定フック部と対向して開放し、
前記可動フック部は、前記回転軸を中心に下方に向かって回転することで、前記フック受けの前記固定フック部に上方より引っ掛かり、
前記ばねのばね復元力により、前記可動フック部が前記回転軸を中心に上方に向かって回転するようにしていることを特徴とする請求項1記載の移動体の耐震ロック装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵形に屈曲した固定フック部を有するフック受けと、
前記所定以上の振動により、前記フック受けの固定フック部に引っ掛かるフック装置とを備えた耐震ロック装置において、
前記フック装置は、
一端部に位置する回転軸、及び他端部に位置し、前記フック受けの固定フック部に引っ掛かる鍵形に屈曲した可動フック部とを有するフック本体と、
前記フック本体に設けられ、前記回転軸に対して偏心し、
常時は前記可動フック部が前記フック受けの前記固定フック部から離隔する方向に付勢し、
所定以上の振動が加わった際には、前記回転軸を中心に前記可動フック部が回転し、前記フック受けの前記固定フック部に引っ掛かるのを許容する付勢手段とを備え、
前記付勢手段は、ウェイトより構成され、
前記フック受けの前記固定フック部は、前記フック本体の前記可動フック部に向かって開放し、
前記フック本体の前記可動フック部は、前記固定フック部と対向して開放し、
前記可動フック部は、前記回転軸を中心に回転することで、前記フック受けの前記固定フック部に引っ掛かり、
前記ウェイトは、前記フック本体に固定され、前記ウェイトの自重により、前記可動フック部が前記回転軸を中心に回転するようにしていることを特徴とする耐震ロック装置。
【請求項2】
鍵形に屈曲した固定フック部を有するフック受けと、
前記所定以上の振動により、前記フック受けの固定フック部に引っ掛かるフック装置とを備えた耐震ロック装置において、
前記フック装置は、
一端部に位置する回転軸、及び他端部に位置し、前記フック受けの固定フック部に引っ掛かる鍵形に屈曲した可動フック部とを有するフック本体と、
前記フック本体に設けられ、前記回転軸に対して偏心し、
常時は前記可動フック部が前記フック受けの前記固定フック部から離隔する方向に付勢し、
所定以上の振動が加わった際には、前記回転軸を中心に前記可動フック部が回転し、前記フック受けの前記固定フック部に引っ掛かるのを許容する付勢手段とを備え、
前記付勢手段は、ばねより構成され、
前記フック受けの前記固定フック部は、前記フック本体の前記可動フック部に向かって開放し、
前記フック本体の前記可動フック部は、前記固定フック部と対向して開放し、
前記可動フック部は、前記回転軸を中心に回転することで、前記フック受けの前記固定フック部に引っ掛かり、
前記ばねのばね復元力により、前記可動フック部が前記回転軸を中心に回転するようにしていることを特徴とする耐震ロック装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の耐震ロック装置であって、
前記固定体は、キャビネットより構成され、
前記移動体は、前記キャビネットに開閉可能に取り付けられた扉より構成され、
前記フック受けは、前記扉の内側に固定され、
前記フック本体の前記回転軸は、前記キャビネットの内部に軸止されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐震ロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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