説明

耕耘爪取り付け構造

【課題】 非回転ゆるみの発生が効果的に防止され、耕耘爪が強固に固定された状態が維持できることを可能とする耕耘爪取り付け構造を提供すること。
【解決手段】 この発明は、耕耘爪1と爪保持具2とを、それぞれに設けたボルト挿通孔3,4にボルト5を通し、ナット6で締め付け固定するようにした耕耘爪取り付け構造であって、爪保持具2の内面7においてボルト挿通孔4から適宜離れた位置に耕耘爪1と接触する接触部8を有しており、ボルト5の軸力により耕耘爪1と爪保持具2とが狭圧され、耕耘爪1と爪保持具2の接触部8とが接触した状態に維持されるようにしているとともに、外力等の作用による前記軸力の低下を、耕耘爪1又は爪保持具2が弾性変形することにより補償するようにしたものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、耕耘用作業機の耕耘軸における耕耘爪取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータリ耕耘機の耕耘軸における耕耘爪取り付け構造としては、図9、図10に示したような、耕耘爪20を耕耘軸21に付設された2つ1組の爪保持具からなるホルダ22に挿入し、耕耘爪1とホルダ22それぞれに設けたボルト挿通孔23,24に通したボルト25とナット26により締め付け固定するようにしたものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、この種の従来の取り付け構造では、耕耘爪とホルダとのボルト・ナットによる締結にゆるみの生じることが多かった。その原因として考えられていたのは、ナットの締め付け力の不足、各種の強い衝撃や断続的に爪に加わる負荷、耕耘軸全体に加わるX・Y
・Z方向の振動、そしてこれらによるナットの戻り回転であり、ゆるみ防止策として、ハイテンションボルト等を使って締め付け力を強化する、締め付けを行う場合、十分検定を行ったトルクレンチで締め付けを行い、締めすぎないようにする、インパクトレンチで衝撃締め付けを行う、アーム部分を長くしたスパナで強く締め付ける、耕耘爪の背部を爪保持具に強く押し付けた状態で締め付けるなどの措置がとられていた。
【0004】
しかし、このような措置にもかかわらず、依然としてゆるみが発生しているのが現状であり、ゆるみが生じるたびに増し締めを行わなければならず、また、複数ある耕耘爪のどれが何時ゆるむのかを予測することができないため、対策が煩わしく、農作業の効率を低下させることにもなっていた。
【0005】
ゆるみ対策を講じるにあたってまず考えるべきことは、耕耘爪のゆるめに作用する外力の働き方と、耕耘爪のゆるみ防止力の働き方を明確にすることである。そこで、力学的解析を行った結果、この種の締結方式では、耕耘爪の背部を爪保持具に押しつけて、ボルト締めで爪保持具内に固定することは不可能であり、耕耘爪は爪保持具側壁内面との摩擦力によってのみ保持されることが解明できた。
【0006】
また、耕耘爪は回転する耕耘軸に取り付けられているため、絶えず回転しながら耕耘抵抗によるゆるめトルクの作用を受けており、さらに、回転作業体であるために、その他のゆるめトルクの作用も数種類受けていることも明らかになった。
【0007】
これらのゆるめトルクに対抗するのは上記の摩擦力によって発生する摩擦トルクである。トルクは力学上はF×lの式で表される。ここでFは摩擦力、lは回転中心までの距離(アーム)であり、回転中心はボルト軸心である。ゆるめトルクに対抗するトルクを大きくするには、Fとともにlを大きくすればよい。lを大きくするにあたっては、摩擦力の発生点、換言すると、耕耘爪と爪保持具側壁内面との接触点が極めて重要ということになる。
【0008】
現在、前記接触点についてはほとんど関心がもたれていないため、実際の製品を調べてみると、設計上も何らの配慮もなされておらず、偶発的に接触部位が決まっているというのが実情である。最悪の場合は、接触点がボルト軸孔周辺に集中していることがあり、この場合、トルクは最低になる。
【0009】
摩擦力は力学上の基本法則として、F=μ×Pの式で表される。ここで、Fは接触面に発生する摩擦力、μは接触面間の摩擦係数、Pは接触面に直角に働く力である。摩擦力を最大に維持することは極めて重要なことであるが、前述の関係式からもわかるように、摩擦力は接触面積とは無関係である。したがって、接触点が適切であれば、爪保持具側壁内面と耕耘爪側面は全面接触する必要はなく、一部の接触で充分である。
【0010】
また、最も注目されるのは、ナットが回転しなくとも締め付け力の低下すなわち軸力の低下が起きるという現象である。酒井智次氏はこの現象を「非回転ゆるみ」と呼称している(株式会社養賢堂発行、酒井智次著「増補ねじ締結概論」の「3.9.2 非回転ゆるみ」の項参照)。
【0011】
この非回転ゆるみは、締結体に起こるごく初期のゆるみ現象であるが、締結体の本格的なゆるみに発展する前兆とも言うべきものであるため、早期に対策をとるべきである。しかし、超音波等を応用した測定器はあるものの、一般にはナットのゆるみでは発見できないため、まだあまり認識されていない。
【0012】
耕耘爪締結体の場合は、この非回転ゆるみが起こりやすい。その理由を説明すると、次の通りである。1.締結には極めて軸長の短いボルトが使用されていること。締結体は、弾性変形量が大きいほど締め付け力(軸力)が長く保たれる。ボルトの弾性変形量は、軸が長いものほど大きいのであるが、耕耘爪の場合、締結箇所からいって、長いボルトは使用不可能である。よって、ボルトの弾性変形量を、被締結体の弾性変形量で補うという発想も検討されるべきである(本願発明は、この点に重点がおかれている)。2.被締結体の表面に塗装が施されていること。耕耘爪や爪保持具の塗装面に形成された塗膜は摩擦係数が低く、また、互いの接触、摺動により破壊されやすい。塗膜が破壊されると被締結体同士の面間距離を縮め、ボルト軸力の低下を招くことになる。よって、初期に起こるこの軸力の低下を補償するような構造にすることも検討されるべきである(本願発明は、この点についても考慮されている)。
【0013】
非回転ゆるみは、やがてナットのゆるみ回転へと発展するものであるが、公知の従来技術はナットの回転を防止することによりゆるみを防止するものばかりであり、有効な対策はとられていなかった。
【特許文献1】実開平1−60606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、この発明は、非回転ゆるみの発生が効果的に防止され、耕耘爪が強固に固定された状態が維持できることを可能とする耕耘爪取り付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
【0016】
この発明は、耕耘爪1と爪保持具2とを、それぞれに設けたボルト挿通孔3,4にボルト5を通し、ナット6で締め付け固定するようにした耕耘爪取り付け構造であって、爪保持具2の内面7においてボルト挿通孔4から適宜離れた位置に耕耘爪1と接触する接触部8を有しており、ボルト5の軸力により耕耘爪1と爪保持具2とが狭圧され、耕耘爪1と爪保持具2の接触部8とが接触した状態に維持されるようにしているとともに、外力等の作用による前記軸力の低下を、耕耘爪1又は爪保持具2が弾性変形することにより補償するようにしたものとしている。
【0017】
爪保持具2は、湾曲した形状とすることができる。
【0018】
また、耕耘爪1と爪保持具2が、作業時における互いの摺動により塗膜が破壊され、金属面同士での接触が生じるようにしたものとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明の耕耘爪取り付け構造は、上述のような構成を有しており、外力等の作用によるボルト5の軸力の低下を、耕耘爪1又は爪保持具2が弾性変形することにより補償するようにしているため、非回転ゆるみの発生が効果的に防止されることになり、耕耘爪1が強固に固定された状態が維持でき、耕耘用作業機による農作業を効率よく進めることが可能となっている。
【0020】
爪保持具2が湾曲した形状であれば、爪保持具2は大きな弾性を得ることができ、ゆるみの発生がより効果的に防止される。
【0021】
また、耕耘爪1と爪保持具2が、作業時における互いの摺動により塗膜が破壊され、金属面同士での接触が生じるようにすれば、耕耘爪1と爪保持具2との間の摩擦力が増大し、さらにゆるみの発生が効果的に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1はこの発明の実施形態の耕耘爪取り付け構造の要部の断面図、図2はこの取り付け構造の分解状態の説明図、図3は爪保持具2の正面図(内面7側)、図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図、図6は図3のC−C断面図である。
【0024】
この耕耘爪取り付け構造は、耕耘爪1と爪保持具2とを、それぞれに設けたボルト挿通孔3,4にボルト5を通し、ナット6で締め付け固定するようにした耕耘爪取り付け構造であって、爪保持具2の内面7においてボルト挿通孔4から適宜離れた位置に耕耘爪1と接触する接触部8を有しており、ボルト5の軸力により耕耘爪1と爪保持具2とが狭圧され、耕耘爪1と爪保持具2の接触部8とが接触した状態に維持されるようにしているとともに、外力等の作用による前記軸力の低下を、耕耘爪1又は爪保持具2が弾性変形することにより補償するようにしている。
【0025】
この実施形態における耕耘爪1は、従来のものと同様であり、適材に熱処理を施して高強度の弾性体に仕上げられており、基部と刃部(図示せず)とから構成され、基部の中央部にはボルト挿通孔3が設けられている。
【0026】
図1等に示したように、爪保持具2は、略正方形の板状の中央部2aとその両側の側部2b,2cからなる断面略コ字状で、開口部(図3中、左端)から耕耘爪1の基部が挿入され、円弧状に凹んだ底部(図3中、右端)が耕耘軸の外周面に固着されるようにしている。爪保持具2は、高い弾性を有する適材(例えば、ばね鋼)で形成されており、耕耘軸の外周面に放射状となるように適宜間隔で複数個、溶接等の手段により固着される。
【0027】
爪保持具2の中央部2aは、外側に膨らむように緩やかに湾曲した形状であり、その内面7(耕耘爪1と接触する側)には開口部と底部との間に前記湾曲よりややきつい曲面となった窪み9を形成している。また、中央部2aには、前記耕耘爪1のボルト挿通孔3に対応するボルト挿通孔4が形成されており、外面側においてボルト挿通孔4の周囲には、少し隆起した突出部10が形成されている。
【0028】
開口部側と底部側の縁部は、前記窪み9と段差を有する接触部8となっている。接触部8は、内面7において両側の側部2b,2cと直角の方向に、この両側部2b,2c間にわたって形成されている。図6に示したように、接触部8はゆるい曲線状に形成されており、ボルト挿通孔4の中心線から離れるにしたがって傾斜がきつくなるようにしている。
【0029】
なお、爪保持具2の内面7は、中央部2aの中心付近において耕耘爪1との間に空隙が生じる部分を有するとともに、その外に耕耘爪1と接触する接触部8(ランド部)を有するものとした構成であればよい。したがって、接触部8は、内面7に形成した窪みの周囲に生じる部分であればよく、内面7に意図的に形成した隆起部分として構成する必要はない。また、爪保持具2の内面7を起伏のない平坦な面とし、代わりに耕耘爪1において前記内面7に面する部分に窪みや隆起部分を設けることにより、前記内面7が耕耘爪1と接触する部分(接触部8)を有するようにした構成とすることもできる。
【0030】
この実施形態では、爪保持具2はカバー体11と組み合わされて、図9に示した従来のものと同様なホルダを構成し、このホルダ内に耕耘爪1の基部が挿入されるようにしている。カバー体11は、中央部11aとその両側の側部11b,11cからなる断面略コ字状で、中央部11aに前記爪保持具2のボルト挿通孔4に対応するボルト挿通孔12が設けられ、両側の側部11b,11cが爪保持具2の両側の側部2b,2cに外側から接するようにしている。カバー体11の材質は、爪保持具2と同じものとすることができる。また、爪保持具2とカバー体11との間に溶接箇所13を設けて両者を固定することができる。
【0031】
この実施形態の取り付け構造は、図1、図2に示したように、爪保持具2とカバー体11とを互いの内面が向き合うように組み合わせてホルダを構成し、このホルダ内に耕耘爪1の基部を挿入し、スプリングワッシャ14を爪保持具2の外面側のボルト挿通孔4の位置にあわせて配置し、そして、スプリングワッシャ14と各ボルト挿通孔3,4,12に通したボルト5と、爪保持具2の外面側に配置されたナット6とにより、締め付けるようにしている。
【0032】
なお、この発明においてカバー体11やスプリングワッシャ14は必須のものではなく、また、爪保持具2に両側の側部2b,2cを設けることも必須ではない。
【0033】
耕耘用作業機の使用時においては、耕耘爪1に作用する外力等により、耕耘爪1の基部が傾いたり位置がずれたりし、ボルト5の軸力を低下させるような作用が働く。また、ボルト5の軸力が低下する原因としては、耕耘爪1に直接的に働く外力の他に、二次的に発生する反動的な力等が関与していることが考えられる。
【0034】
外力としては、耕耘爪1にかかる耕耘抵抗が主なものである。耕耘抵抗とは、土壌への打ち込み、土壌の反転や粉砕、放てき時に摩擦や衝撃を反力として受ける抵抗力のことである。そして、この力に強い影響を与えるのは、作業機の進行速度、牽引力、耕耘軸の重量、回転速度、耕耘爪の形状や取付本数等の作業機全体の条件や、その他、耕耘する圃場の条件、すなわち土壌の土質、土性、含水率等である。
【0035】
二次的に発生する反動的な力としては、耕耘軸に取り付けられた耕耘爪が、他の耕耘爪に与えるものが考えられる。耕耘爪は、1本の耕耘軸に多数本取り付けられており、各耕耘爪は負荷の変動を受けながらも、一見、等速回転しているように見える。しかし、作業中において、いずれかの耕耘爪が土壌中に埋没している障害物(石礫、木根等)に衝突した場合には、急激な負の加速が他の耕耘爪1に働くことになる。
【0036】
このように、耕耘爪1は、他の耕耘爪の影響によって、二次的に慣性や反動を絶えず繰り返し受けていることになり、これによって耕耘爪1と爪保持具2との摩擦力が減少し、ボルトの軸力が低下する可能性がある。
【0037】
その他、ボルト5の軸力の低下の原因としては、耕耘軸に発生する前後、上下、左右の振動、さらにこれに加えて回転ムラによる回転振動が考えられる。また、回転する耕耘軸を中心とする耕耘爪1の遠心力がボルト軸を中心とするゆるめトルクの働きをすると考えられる。
【0038】
ところで、ボルト5の軸力は、ボルト5の長手方向の弾性変形量によって定まる。したがって、ボルト5の長さが短いと、耕耘爪1と爪保持具2との接触面に直角に働く力が低下し、摩擦力を維持するためにきわめて不利となる。ボルト5の長さは構造上制限があり、一定以上に長くすることはできないが、この耕耘爪取り付け構造では、耕耘爪1又は爪保持具2(いずれか一方のみ、あるいは双方でもよい)が弾性変形することにより、ボルト5の軸力の低下が補償され、耕耘爪1と爪保持具2との摩擦力を維持できるようにしている。
【0039】
さらには、外力によって変位する耕耘爪1と爪保持具2との接触により、それぞれの表面の塗膜が破壊されると、両者の塗膜に覆われていた部分が露出し、金属面同士の接触が生じるが、金属面同士の接触が進行すると、塗膜同士の接触に比べて摩擦係数が増大し、より大きな摩擦力が発生することになる。
【0040】
つまり、この耕耘爪取り付け構造においては、ボルト5の弾性変形量と耕耘爪1、爪保持具2の弾性変形量とを合わせた締結体の総弾性変形量を大きくし、外力によって耕耘爪1が変位する量を利用する構造にして、耕耘爪1と爪保持具2との摩擦力の減少を補うとともに、早期に金属面同士の接触を進行させることにより摩擦力が増大するようになっている。そのため、初期ゆるみ(非回転ゆるみ)段階における軸力低下が外力を利用して自動的に補償されるのであり、また、外力を利用するということは、耕耘爪1に加わる衝撃を緩衝する働きもある。
【0041】
なお、爪保持具2は湾曲した形状であるため、より大きな弾性が得られるようになっている。また、接触部8は、開口部付近と底部側付近に形成されており、回転の中心となるボルト挿通孔4の中心から遠い位置にあるため、耕耘爪1をゆるめようとするトルクに対抗し得る大きな摩擦トルクが得られるようになっている。
【0042】
図7はこの発明の他の実施形態の断面図、図8はその正面図(外面側)である。この実施形態では、耕耘軸の周方向に設けられたフランジ15に爪保持具2を取り付けたものとしている。
【0043】
フランジ15は、爪保持具2が嵌入されるようにした凹部16を有しており、この凹部16の略中央にボルト挿通孔17が形成されている。爪保持具2とフランジ15の凹部16とは、互いの内面が向き合うように組み合わされてホルダを構成し、このホルダ内に耕耘爪1の基部を挿入し、スプリングワッシャ14を爪保持具2の外面側のボルト挿通孔4の位置にあわせて配置し、そして、スプリングワッシャ14と各ボルト挿通孔3,4,17に通したボルト5と、爪保持具2の外面側に配置されたナット6とにより、締め付けるようにしている。
【0044】
爪保持具2は、前述の実施形態と同様の構成を有しているが、それに加えて、外面側において、フランジ15の凹部16の外側に延びる2つの延長部18,19を有している。各延長部18,19は、耕耘爪1の挿入方向と直交する方向にそれぞれ延びる板状で、溶接やリベット等によりフランジ15に固定されている。
【0045】
従来より、ホルダーを使用せずにフランジに耕耘爪を取り付けたものは存在するが、この従来のものは、強固な固定状態を得るため、2対のボルト・ナットで固定されており、また、フランジは10mm程度の厚みが必要であった。これに対し、この実施形態の耕耘爪取り付け構造は、前記延長部18,19がフランジ15に固定されているため、一対のボルト・ナット5,6で強固に固定することが可能で、また、フランジ15の厚みは6mm程度でも強度的に問題はないと思われる。したがって、従来のものに比べて、作業者にかかる労働負荷が著しく軽減されることになる。
【0046】
なお、フランジ15の形状は、図示したような円板状に限らず、多角形でもよく、また、1枚のフランジ15に多数の爪保持具2を取り付けたものとすることができる。さらに、耕耘爪1は、基部が耕耘軸の半径方向と一致する向きに取り付けられるだけでなく、耕耘爪1の基部や爪保持具2の形状を変更して、耕耘爪1の基部が斜めに倒れた向き(耕耘軸の半径方向に対して傾斜した向き)に取り付けられるようにすることもできる。
【0047】
さらに、この発明は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、素材、形状、寸法等を適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の実施形態の耕耘爪取り付け構造の要部の断面図である。
【図2】この発明の実施形態の耕耘爪取り付け構造の分解状態の説明図である。
【図3】この発明の実施形態の耕耘爪取り付け構造の爪保持具の正面図(内面側)である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図3のC−C断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態の断面図である。
【図8】この発明の他の実施形態の正面図(外面側)である。
【図9】従来の耕耘爪取り付け構造の斜視図である。
【図10】従来の耕耘爪取り付け構造の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 耕耘爪
2 爪保持具
3,4 ボルト挿通孔
5 ボルト
6 ナット
7 内面
8 接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘爪(1)と爪保持具(2)とを、それぞれに設けたボルト挿通孔(3)(4)にボルト(5)を通し、ナット(6)で締め付け固定するようにした耕耘爪取り付け構造であって、爪保持具(2)の内面(7)においてボルト挿通孔(4)から適宜離れた位置に耕耘爪(1)と接触する接触部(8)を有しており、ボルト(5)の軸力により耕耘爪(1)と爪保持具(2)とが狭圧され、耕耘爪(1)と爪保持具(2)の接触部(8)とが接触した状態に維持されるようにしているとともに、外力等の作用による前記軸力の低下を、耕耘爪(1)又は爪保持具(2)が弾性変形することにより補償するようにしていることを特徴とする耕耘爪取り付け構造。
【請求項2】
爪保持具(2)が湾曲した形状である請求項1記載の耕耘爪取り付け構造。
【請求項3】
耕耘爪(1)と爪保持具(2)が、作業時における互いの摺動により塗膜が破壊され、金属面同士での接触が生じるようにしている請求項1又は2記載の耕耘爪取り付け構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−159566(P2007−159566A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306521(P2006−306521)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(505428798)
【Fターム(参考)】