説明

職員情報提供サーバ、及び職員情報提供処理プログラム

【課題】分散して管理している職員情報を一括管理することなく円滑に提供する。
【解決手段】職員情報提供サーバ10が、組織内情報インデックスDB11に記憶された所定の検索項目をユーザ端末50に対して提示し、提示した所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した検索要求に応じて、職員情報の一部をそれぞれ管理する複数の管理サーバ20,30,40のうち、指定された各検索項目に係る職員情報をそれぞれ管理する複数の管理サーバから、指定された検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれの項目条件を全て満たす職員に関する情報を示す情報を特定し、特定した情報を検索結果の職員情報として送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末からの検索要求に応じて所定の組織に属する職員に関する職員情報を検索して提供する職員情報提供サーバ、及び職員情報提供処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小売店などの各店舗の従業員を含む会社等の組織全体の職員に関する職員情報を管理するシステムが提案されている。
【0003】
このようなシステムでは、例えば、勤怠情報や評価情報などの職員情報を人事部門、研修部門、各店舗などの担当部門にてそれぞれ蓄積して管理し、必要に応じて管理している職員情報を提供する機能を備えている。また、職員情報を統括して管理するようにしたシステムもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−20526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムにおいて職員情報を分散して管理する場合には、各種の職員情報を担当部門それぞれで分散して管理することとなるため、必要な職員情報のみを抽出して提供することが困難であるという問題があった。
【0006】
なお、分散して管理している各種の職員情報を特定のデータベースで一括して管理するようにすることも考えられるが、分散して管理している職員情報を一括して管理するようにシステムを再編成すると膨大なコストを要することとなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解消し、分散して管理している職員情報を一括管理することなく、必要な職員情報を円滑に提供することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の職員情報提供サーバは、ユーザ端末からの検索要求に応じて所定の組織に属する職員に関する職員情報を検索して提供する職員情報提供サーバであって、職員情報を特定する際に用いられる所定の検索項目が記憶された検索項目記憶手段と、該検索項目記憶手段に記憶された所定の検索項目を前記ユーザ端末に対して提示する検索項目提示手段と、該検索項目提示手段によって提示された所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した前記検索要求に応じて、職員情報の一部をそれぞれ管理する複数の管理サーバのうち、指定された各検索項目に係る職員情報をそれぞれ管理する複数の管理サーバから、指定された検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す条件合致職員情報を取得する条件合致職員情報取得手段と、該条件合致職員情報取得手段によって取得された条件合致職員情報に基づいて、前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれの項目条件を全て満たす職員に関する情報を示す全条件合致職員情報を特定する全条件合致職員情報特定手段と、該全条件合致職員情報特定手段によって特定された全条件合致職員情報を検索結果の職員情報として送信する職員情報送信手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記の構成としたことで、分散して管理している職員情報を一括管理することなく、必要な職員情報を円滑に提供することができるようになる。
【0010】
前記条件合致職員情報取得手段は、前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定する管理サーバ特定手段と、該管理サーバ特定手段によって特定された複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を順次取得する個別条件合致職員情報取得手段と、該個別条件合致職員情報取得手段により最後に取得された個別条件合致職員情報を条件合致職員情報に決定する条件合致職員情報決定手段とを有し、前記個別条件合致職員情報取得手段は、既に個別条件合致職員情報を取得している場合には、取得している最新の個別条件合致職員情報が示す職員を次に個別条件合致職員情報の取得を依頼する管理サーバに提示して、当該管理サーバから、提示した職員のうち該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を取得し、前記全条件合致職員情報特定手段は、前記条件合致職員情報決定手段によって決定された条件合致職員情報を全条件合致職員情報に特定する構成とされていてもよい。
【0011】
前記条件合致職員情報取得手段は、前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定する管理サーバ特定手段と、該管理サーバ特定手段によって特定された複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を順次取得する個別条件合致職員情報取得手段と、該個別条件合致職員情報取得手段により取得された複数の個別条件合致職員情報から、当該複数の個別条件合致職員情報の全てに含まれている職員を示す条件合致職員情報を作成する条件合致職員情報作成手段とを有し、前記全条件合致職員情報特定手段は、前記条件合致職員情報作成手段によって作成された条件合致職員情報を全条件合致職員情報に特定する構成とされていてもよい。
【0012】
前記管理サーバは、例えば、前記職員情報のうち給与・評価情報を管理する人事部サーバ、前記職員情報のうち研修評価情報を管理する研修部サーバ、前記職員情報のうち管理対象店舗の勤怠情報を管理する1または2以上の店舗サーバのうち、少なくとも2つを含む構成とされていてもよい。
【0013】
前記検索項目は、例えば、職員の経歴や評価に関する項目を含み、検索対象期間、役職、社内経歴、休暇取得日数のうち1つを含む項目である構成とされていてもよい。
【0014】
また、本発明の職員情報提供プログラムは、ユーザ端末からの検索要求に応じて所定の組織に属する職員に関する職員情報を検索して提供する処理を実行させる職員情報提供処理プログラムであって、コンピュータに、職員情報を特定する際に用いられる所定の検索項目が記憶された検索項目記憶手段に記憶された当該所定の検索項目を前記ユーザ端末に対して提示する検索項目提示処理と、該検索項目提示処理にて提示した所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した前記検索要求に応じて、職員情報の一部をそれぞれ管理する複数の管理サーバのうち、指定された各検索項目に係る職員情報をそれぞれ管理する複数の管理サーバから、指定された検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す条件合致職員情報を取得する条件合致職員情報取得処理と、該条件合致職員情報取得処理にて取得した条件合致職員情報に基づいて、前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれの項目条件を全て満たす職員に関する情報を示す全条件合致職員情報を特定する全条件合致職員情報特定処理と、該全条件合致職員情報特定処理にて特定した全条件合致職員情報を検索結果の職員情報として送信する職員情報送信処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、分散して管理している職員情報を一括管理することなく、必要な職員情報を円滑に提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態における職員情報提供システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】組織内情報インデックスの例を示す説明図である。
【図3】給与・評価情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】研修評価情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】勤怠情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】職員情報提供処理の例を示すフローチャートである。
【図7】抽出条件入力画面の例を示す説明図である。
【図8】職員情報表示画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る職員情報提供システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、職員情報提供システム100は、職員情報提供サーバ10と、人事部サーバ20と、研修部サーバ30と、店舗サーバ40と、ユーザ端末50とを含む。本例では、人事部などの各部門の部門サーバを例に挙げているが、他の部門のサーバが含まれていてもよい。また、ユーザ端末50は、複数設けられていてもよい。
【0019】
職員情報提供サーバ10、人事部サーバ20、研修部サーバ30、店舗サーバ40、およびユーザ端末50は、それぞれ、例えばLANやインターネットなどの通信ネットワーク60に接続されている。
【0020】
職員情報提供サーバ10、人事部サーバ20、研修部サーバ30、および店舗サーバ40は、それぞれ、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。また、ユーザ端末50は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成される。
【0021】
職員情報提供サーバ10は、例えば職員情報提供システム100のシステム管理者によって管理されるサーバであり、ユーザからの要求に応じた職員情報を生成して提供するための各種の処理などを実行する。また、職員情報提供サーバ10は、後述する組織内情報インデックスを記憶する組織内情報インデックスDB11を備えている。組織内情報インデックスDB11は、職員情報提供サーバ10の内部にあっても外部にあってもよい。
【0022】
「職員情報」は、会社等の組織に属する職員に関する各種の情報を意味し、後述する給与・評価情報、研修評価情報、勤怠情報を含む情報である。
【0023】
人事部サーバ20は、例えば会社組織における人事部門によって管理されるサーバであり、後述する給与・評価情報を管理するための各種の処理などを行う。人事部サーバ20は、給与・評価情報を記憶する給与・評価情報DB21を備えている。給与・評価情報DB21は、人事部サーバ20の内部にあっても外部にあってもよい。
【0024】
研修部サーバ30は、例えば会社組織における研修部門によって管理されるサーバであり、後述する研修評価情報を管理するための各種の処理などを行う。研修部サーバ30は、研修評価情報を記憶する研修評価情報DB31を備えている。研修評価情報DB31は、研修部サーバ30の内部にあっても外部にあってもよい。
【0025】
店舗サーバ40は、例えば会社が管理する小売店などの店舗によって管理されるサーバであり、後述する勤怠情報を管理するための各種の処理などを行う。店舗サーバ40は、勤怠情報を記憶する勤怠情報DB41を備えている。勤怠情報DB41は、店舗サーバ40の内部にあっても外部にあってもよい。店舗サーバ40は、各店舗毎に別個に設けられていてもよいし、複数の店舗を管理するようにしてもよい。
【0026】
図2は、組織内情報インデックスの例を示す説明図である。図2に示すように、組織内情報インデックスは、インデックス番号と、項目(インデックス)とが対応付けされた情報である。組織内情報インデックスは、会社等の組織内における職員情報の内容を特定するための項目を示す情報である。項目には、例えば、従業員番号、氏名、役職、社内経歴、入社日、勤務地の他、対象期間(検索の対象とする期間)や対象エリアなどの抽出すべき職員情報の内容を特定するための各種の項目が用いられる。なお、各項目には、その項目に係る職員情報を管理している管理サーバ20,30,40を特定可能な識別情報が対応付けされているものとする。よって、組織内情報インデックスを参照することで、各項目に係る職員情報を管理している管理サーバを特定可能となる。
【0027】
図3は、給与・評価情報の例を示す説明図である。給与・評価情報は、各従業員についての給与に関する情報、過去の役職や担当などの社内の経歴に関する情報、各種の評価に関する情報などを含む情報である。本例では、給与・評価情報は、図3に示すように、従業員番号、氏名、入社日、現在の役職、社内経歴、給与経歴、評価などが対応付けされた情報である。
【0028】
図4は、研修評価情報の例を示す説明図である。研修評価情報は、従業員が受けた研修の内容や日時、その研修において受けた評価など、研修に関する各種の情報である。本例では、研修評価情報は、図4に示すように、従業員番号、氏名、総合評価、知識に関する評価、服装に関する評価、マナーに関する評価、危機管理に関する評価などが対応付けされた情報である。各評価は、例えば、最新の研修において受けた評価の値、あるいは過去の研修において受けた評価の値の平均値として登録される。
【0029】
図5は、勤怠情報の例を示す説明図である。勤怠情報は、出勤状況や欠勤状況などの勤怠状況に関する各種の情報である。本例では、勤怠情報は、図5に示すように、従業員番号、氏名の他、欠勤回数、遅刻回数、早退回数、慶弔における休暇日数、有給休暇の取得日数、有給休暇の残り日数などが対応付けされた情報である。この回数や日数は、本例では、年平均の日数であるものとする。回数や日数は、月などの他の期間での平均値であってもよいし、累積値であってもよい。また、勤怠情報に勤怠に関する詳細な履歴情報が含まれていてもよい。
【0030】
次に、本例の職員情報提供システム100の動作について説明する。
【0031】
図6は、本例の職員情報提供システム100における職員情報提供処理の例を示すフローチャートである。ここでは、ユーザ端末50からの要求に応じて、職員情報提供サーバ10が、職員情報を作成してユーザ端末50に提供する場合を例に説明する。なお、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合があるものとする。
【0032】
ユーザ端末50は、例えば組織の管理者によって使用される。なお、提供可能な情報を限定(この場合、ユーザの認証処理を行うようにすればよい。)して、従業員や外部の者によって使用されることとしてもよい。
【0033】
職員情報提供処理において、先ず、ユーザ端末50は、ユーザ(例えば組織の管理者)の操作に応じて職員情報提供サーバ10にアクセスする(ステップS101)。ステップS101では、例えば、職員情報提供サーバ10の管理者が提供している職員情報提供サイトのURL(Uniform Resource Locator)によりアクセスされる。
【0034】
ユーザ端末50からのアクセスがあると、職員情報提供サーバ10は、抽出条件入力画面を生成し、ユーザ端末50に送信する(ステップS102)。ステップS102では、職員情報提供サーバ10は、組織内情報インデックスを参照し、組織内情報インデックスに登録されている各項目が選択可能に提示され得る抽出条件入力画面を生成する。
【0035】
ユーザ端末50は、職員情報提供サーバ10から抽出条件入力画面を受信すると、自己が備える表示装置に、受信した抽出条件入力画面を表示する(ステップS103)。
【0036】
図7は、抽出条件入力画面の例を示す説明図である。図7に示すように、本例における抽出条件入力画面には、項目(インデックス)を入力する項目入力領域101、対応する項目における抽出条件を示す項目抽出条件を入力する項目抽出条件入力領域102、抽出条件を決定し、職員情報提供サーバ10に送信する際に押下される決定ボタン103などが設けられている。項目入力領域101は、例えばプルダウンメニューなどによって、組織内情報インデックスに登録されている各項目を選択できるように構成される。項目抽出条件入力領域102は、対応する項目における項目抽出条件をOR条件で複数指定できるように、複数の入力領域が設けられているものとする。また、本例では、複数の項目抽出条件をAND条件で複数指定できるように、項目入力領域101と項目抽出条件入力領域102との組み合わせが複数設けられているものとする。
【0037】
抽出条件入力画面を表示すると、ユーザ端末50は、抽出対象とする職員情報の項目の内容と、その項目についての項目抽出条件とを含む抽出条件の入力を受け付ける(ステップS104)。すなわち、ユーザは、項目(インデックス)の内容を項目入力領域101に入力するとともに、入力した項目についての項目抽出条件を項目抽出条件入力領域102に入力することで、職員情報についての検索の希望内容(抽出条件)を指定する。なお、各入力領域101,102への入力は、提示された選択肢の中から選択することによって入力する形式としても、直接入力する形式としてもよい。
【0038】
項目と項目抽出条件とを受け付けた後、ユーザ端末50は、決定ボタン103の押下を受け付けると、ユーザによって入力された項目と項目抽出条件とを抽出条件を職員情報提供サーバ10に送信する(ステップS105)。
【0039】
抽出条件を受信すると、職員情報提供サーバ10は、受信した抽出条件に応じて各サーバ20,30,40から情報を収集する処理を行う(ステップS106)。すなわち、職員情報提供サーバ10は、受信した抽出条件に応じた職員情報を管理している各サーバ20,30,40に対して、抽出条件に合致した職員情報の提供を要求し、各サーバ20,30,40から抽出条件に合致した職員情報を収集する。
【0040】
例えば、図7に示す例では、1990年から2010年までの間に、役職が店長または副店長であった従業員であり、かつ、休暇を年平均で3日以内だけとっている従業員という抽出条件になっている。この場合、職員情報提供サーバ10は、先ず、1990年から2010年までの間に役職が店長または副店長であった従業員が誰であるかを、給与・評価情報を管理している人事部サーバ20に問い合わせる。人事部サーバ20は、給与・評価情報DB21に格納されている給与・評価情報を参照し、1990年から2010年までの間に役職が店長または副店長であった従業員を特定し、特定した従業員の従業員番号と氏名とを職員情報提供サーバ10に通知する。次に、職員情報提供サーバ10は、人事部サーバ20から通知を受けた従業員のうち休暇を年平均で3日以内だけとっている従業員が誰であるかを、勤怠情報を管理している店舗サーバ40に問い合わせる。店舗サーバ40は、勤怠情報DB41に格納されている勤怠情報を参照し、指定された従業員(1990年から2010年までの間に役職が店長または副店長であった従業員)のうち休暇を年平均で3日以内だけとっている従業員を特定し、特定した従業員の従業員番号と氏名とを職員情報提供サーバ10に通知する。
【0041】
各サーバ20,30,40から情報を収集すると、職員情報提供サーバ10は、収集した情報に基づいて提供対象とする職員情報を作成する(ステップS107)。図7に示す例における抽出条件が指定されていた場合には、職員情報提供サーバ10は、人事部サーバ20からの通知のあとの問い合わせに応じて取得した店舗サーバ40からの通知における従業員が抽出条件を満たす従業員であると判断し、抽出条件を満たす従業員のリストを提供対象とする職員情報として作成する。
【0042】
上記の例では、受信した抽出条件に応じた職員情報を管理している管理サーバを特定し、各管理サーバに順番に問い合わせを行い、2番目以降に問い合わせるときにはそれまでに絞り込みされている職員を提示した上で問い合わせを行い、最後に取得した通知が示す職員情報を提供対象の職員情報とする構成としていたが、各管理サーバに一括して問い合わせを行い、各管理サーバからの通知が示すそれぞれの職員情報の全てに含まれている職員を示す職員情報を作成し、作成した職員情報を提供対象の職員情報とする構成としてもよい。
【0043】
提供対象とする職員情報を作成すると、職員情報提供サーバ10は、作成した職員情報を含む職員情報表示画面を作成し、作成した職員情報表示画面をユーザ端末50に対して送信する(ステップS108)。
【0044】
ユーザ端末50は、職員情報表示画面を受信すると、自己が備える表示装置の表示画面に、受信した職員情報表示画面を表示する(ステップS109)。
【0045】
図8は、職員情報表示画面の例を示す説明図である。図8に示すように、本例における職員情報表示画面には、抽出条件表示領域201と、抽出結果表示領域202と、終了ボタン203とが設けられている。
【0046】
図8に示すように、抽出条件表示領域201にはユーザによって指定された抽出条件が表示され、抽出結果表示領域202には抽出結果を示す職員情報が表示される。ユーザは、この職員情報表示画面の表示内容を閲覧することで、希望する職員情報を確認することができるようになる。そして、ユーザは、閲覧を終了するときに終了ボタン203を押下する。
【0047】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、ユーザ端末50からの検索要求に応じて所定の組織に属する職員に関する職員情報を検索して提供する職員情報提供サーバ10が、職員情報を特定する際に用いられる所定の検索項目が記憶された組織内情報インデックスDB11を備え、組織内情報インデックスDB11に記憶された所定の検索項目をユーザ端末50に対して提示し、提示した所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した検索要求に応じて、職員情報の一部をそれぞれ管理する複数の管理サーバ20,30,40のうち、指定された各検索項目に係る職員情報をそれぞれ管理する複数の管理サーバから、指定された検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す条件合致職員情報(各管理サーバが管理している職員情報のうち、各管理サーバに提示された条件が合致する職員情報)を取得し(例えばステップS106)、取得した条件合致職員情報に基づいて、検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれの項目条件を全て満たす職員に関する情報を示す全条件合致職員情報(検索結果の職員情報)を特定し(例えばステップS107)、特定した全条件合致職員情報を検索結果の職員情報として送信する構成としているので、分散して管理している職員情報を一括管理することなく、必要な職員情報を円滑に提供することができるようになる。
【0048】
すなわち、組織内情報インデックスDB11に記憶された所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した検索要求に応じて、検索項目から特定される各管理サーバ20,30,40から職員情報を収集し、収集した複数の職員情報から検索要求に合致した職員情報を特定し、特定した職員情報を提供する構成としているので、別個に管理している職員情報を統合して管理することなく、必要な職員情報を円滑に提供することができるようになる。よって、分散管理を行っている既存のシステムを利用することができ、低コストで検索要求に応じた職員情報を円滑に抽出し提供することが可能なシステムを構築することができるようになる。
【0049】
上述した実施の形態において、職員情報提供サーバ10が、検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定し、特定し複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報(各管理サーバが管理している職員情報のうち、各管理サーバに提示された条件が合致する職員情報)を順次取得し、最後に取得した個別条件合致職員情報を条件合致職員情報に決定する構成とし、既に個別条件合致職員情報を取得している場合には、取得している最新の個別条件合致職員情報が示す職員を次に個別条件合致職員情報の取得を依頼する管理サーバに提示して、その管理サーバから、提示した職員のうち該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を取得し、条件合致職員情報として決定された全条件合致職員情報(検索結果の職員情報)に特定する構成とした場合には、各管理サーバに順次問い合わせを行っていき、徐々に絞り込みを行っていって最終的な検索結果を得ることができるようになる。よって、各管理サーバの処理負担を軽減することが可能となる。
【0050】
上述した実施の形態において、職員情報提供サーバ10が、検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定し、特定した複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報(各管理サーバが管理している職員情報のうち、各管理サーバに提示された条件が合致する職員情報)を順次取得し、取得した複数の個別条件合致職員情報から、その複数の個別条件合致職員情報の全てに含まれている職員を示す条件合致職員情報を作成し、作成した条件合致職員情報を全条件合致職員情報(検索結果の職員情報)に特定する構成とした場合には、各管理サーバに同時に問い合わせを行い、各管理サーバからの検索結果に基づいてユーザ端末に提供する職員情報を作成するため、職員情報提供サーバ10の処理不可を軽減させることが可能となる。
【0051】
なお、上述した実施の形態では、管理サーバとして、職員情報のうち給与・評価情報を管理する人事部サーバ20、職員情報のうち研修評価情報を管理する研修部サーバ30、職員情報のうち管理対象店舗の勤怠情報を管理する1または2以上の店舗サーバ40を備える構成としていたが、このうち少なくとも2つを含む構成であればよい。また、他の管理サーバが含まれていてもよい。
【0052】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、職員情報提供サーバ10は、自己が備える記憶媒体に格納されている処理プログラム(職員情報提供処理プログラム)に従って、上述した各種の処理(例えば図6参照)を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、分散して管理している職員情報を一括管理することなく、必要な職員情報を円滑に提供するのに有用である。
【符号の説明】
【0054】
10 職員情報提供サーバ
11 組織内情報インデックス
20 人事部サーバ
21 給与・評価情報DB
30 研修部サーバ
31 研修評価情報DB
40 店舗サーバ
41 勤怠情報DB
50 ユーザ端末
60 通信ネットワーク
100 職員情報提供システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からの検索要求に応じて所定の組織に属する職員に関する職員情報を検索して提供する職員情報提供サーバであって、
職員情報を特定する際に用いられる所定の検索項目が記憶された検索項目記憶手段と、
該検索項目記憶手段に記憶された所定の検索項目を前記ユーザ端末に対して提示する検索項目提示手段と、
該検索項目提示手段によって提示された所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した前記検索要求に応じて、職員情報の一部をそれぞれ管理する複数の管理サーバのうち、指定された各検索項目に係る職員情報をそれぞれ管理する複数の管理サーバから、指定された検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す条件合致職員情報を取得する条件合致職員情報取得手段と、
該条件合致職員情報取得手段によって取得された条件合致職員情報に基づいて、前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれの項目条件を全て満たす職員に関する情報を示す全条件合致職員情報を特定する全条件合致職員情報特定手段と、
該全条件合致職員情報特定手段によって特定された全条件合致職員情報を検索結果の職員情報として送信する職員情報送信手段とを含む
ことを特徴とする職員情報提供サーバ。
【請求項2】
前記条件合致職員情報取得手段は、
前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定する管理サーバ特定手段と、
該管理サーバ特定手段によって特定された複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を順次取得する個別条件合致職員情報取得手段と、
該個別条件合致職員情報取得手段により最後に取得された個別条件合致職員情報を条件合致職員情報に決定する条件合致職員情報決定手段とを有し、
前記個別条件合致職員情報取得手段は、既に個別条件合致職員情報を取得している場合には、取得している最新の個別条件合致職員情報が示す職員を次に個別条件合致職員情報の取得を依頼する管理サーバに提示して、当該管理サーバから、提示した職員のうち該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を取得し、
前記全条件合致職員情報特定手段は、前記条件合致職員情報決定手段によって決定された条件合致職員情報を全条件合致職員情報に特定する
請求項1記載の職員情報提供サーバ。
【請求項3】
前記条件合致職員情報取得手段は、
前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定する管理サーバ特定手段と、
該管理サーバ特定手段によって特定された複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を順次取得する個別条件合致職員情報取得手段と、
該個別条件合致職員情報取得手段により取得された複数の個別条件合致職員情報から、当該複数の個別条件合致職員情報の全てに含まれている職員を示す条件合致職員情報を作成する条件合致職員情報作成手段とを有し、
前記全条件合致職員情報特定手段は、前記条件合致職員情報作成手段によって作成された条件合致職員情報を全条件合致職員情報に特定する
請求項1記載の職員情報提供サーバ。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記職員情報のうち給与・評価情報を管理する人事部サーバ、前記職員情報のうち研修評価情報を管理する研修部サーバ、前記職員情報のうち管理対象店舗の勤怠情報を管理する1または2以上の店舗サーバのうち、少なくとも2つを含む
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の職員情報提供サーバ。
【請求項5】
前記検索項目は、職員の経歴や評価に関する項目を含み、検索対象期間、役職、社内経歴、休暇取得日数のうち1つを含む項目である
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の職員情報提供サーバ。
【請求項6】
ユーザ端末からの検索要求に応じて所定の組織に属する職員に関する職員情報を検索して提供する処理を実行させる職員情報提供処理プログラムであって、
コンピュータに、
職員情報を特定する際に用いられる所定の検索項目が記憶された検索項目記憶手段に記憶された当該所定の検索項目を前記ユーザ端末に対して提示する検索項目提示処理と、
該検索項目提示処理にて提示した所定の検索項目の中から選択された複数の検索項目と、各検索項目におけるそれぞれの抽出条件を示す項目条件とを指定した前記検索要求に応じて、職員情報の一部をそれぞれ管理する複数の管理サーバのうち、指定された各検索項目に係る職員情報をそれぞれ管理する複数の管理サーバから、指定された検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す条件合致職員情報を取得する条件合致職員情報取得処理と、
該条件合致職員情報取得処理にて取得した条件合致職員情報に基づいて、前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれの項目条件を全て満たす職員に関する情報を示す全条件合致職員情報を特定する全条件合致職員情報特定処理と、
該全条件合致職員情報特定処理にて特定した全条件合致職員情報を検索結果の職員情報として送信する職員情報送信処理とを
実行させるための職員情報提供処理プログラム。
【請求項7】
前記条件合致職員情報取得処理では、
前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定する管理サーバ特定処理と、
該管理サーバ特定処理にて特定した複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を順次取得する個別条件合致職員情報取得処理と、
該個別条件合致職員情報取得処理にて最後に取得した個別条件合致職員情報を条件合致職員情報に決定する条件合致職員情報決定処理とを実行させ、
前記個別条件合致職員情報取得処理では、既に個別条件合致職員情報を取得している場合には、取得している最新の個別条件合致職員情報が示す職員を次に個別条件合致職員情報の取得を依頼する管理サーバに提示して、当該管理サーバから、提示した職員のうち該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を取得する処理を実行させ、
前記全条件合致職員情報特定処理では、前記条件合致職員情報決定処理にて決定した条件合致職員情報を全条件合致職員情報に特定する処理を
実行させるための請求項6記載の職員情報提供処理プログラム。
【請求項8】
前記条件合致職員情報取得処理では、
前記検索要求にて指定された複数の検索項目それぞれに係る職員情報を管理するそれぞれの管理サーバを特定する管理サーバ特定処理と、
該管理サーバ特定処理にて特定した複数の管理サーバから、該当する検索項目における指定された項目条件を満たす職員に関する情報を示す個別条件合致職員情報を順次取得する個別条件合致職員情報取得処理と、
該個別条件合致職員情報取得処理にて取得した複数の個別条件合致職員情報から、当該複数の個別条件合致職員情報の全てに含まれている職員を示す条件合致職員情報を作成する条件合致職員情報作成処理とを実行させ、
前記全条件合致職員情報特定処理では、前記条件合致職員情報作成処理にて作成した条件合致職員情報を全条件合致職員情報に特定する処理を
実行させるための請求項6記載の職員情報提供処理プログラム。
【請求項9】
前記管理サーバは、前記職員情報のうち給与・評価情報を管理する人事部サーバ、前記職員情報のうち研修評価情報を管理する研修部サーバ、前記職員情報のうち管理対象店舗の勤怠情報を管理する1または2以上の店舗サーバのうち、少なくとも2つを含む
請求項6から請求項8のうちいずれかに記載の職員情報提供処理プログラム。
【請求項10】
前記検索項目は、職員の経歴や評価に関する項目を含み、検索対象期間、役職、社内経歴、休暇取得日数のうち1つを含む項目である
請求項6から請求項9のうちいずれかに記載の職員情報提供処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203435(P2012−203435A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64488(P2011−64488)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(503396309)生活協同組合コープさっぽろ (144)
【Fターム(参考)】