説明

肥満を治療するための組成物、組成物の使用及び方法

本発明は、脂肪吸収の防止が企図された調製品の調製における食品認可の乳化剤の使用、脂肪吸収を予防するための乳化剤を含有する栄養組成物、及び食品認可の乳化剤の有効量を含有することを特徴とする機能性食品に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
肥満は、世界の最も厳しい健康問題になっている。WHO、世界保健機構は、肥満に悩む人々の数は3億を超えたと推定している。
米国において、成人の人口の肥満の人々(体重指数>30)の割合は27%であると当局は推定している。太りすぎの人々(体重指数25〜30)の割合は、成人の人口の約33%である(NCCDPHP 2003)。このことは、また、フィンランドの重大な健康問題でもある。5分の1の成人はすべて太りすぎである。先進工業国の肥満の人々の数は、約20年で2倍になり、傾向の転換は見えない(WHO 2003)。肥満の基礎にある理由は、栄養における多量又は一定量のエネルギーと共に身体活動の減少にある。
【0002】
栄養においては、脂肪は、最も高エネルギーを有し、進化とともに、人は、エネルギー源としてだけでなく、嗜好性があることからますます脂肪を評価している。ほとんどすべての先進工業国において、栄養の脂肪分は提言を上回っている。脂肪の連続的な過剰摂取は、肥満と関連している美容上の損害だけでなく、病気に関した深刻な健康問題や合併症、例えば、心臓血管疾患、呼吸器疾患、糖尿病を引き起こす。かなりのコストは、前記国民的疾患とも関連している。
過剰な脂肪の弱点を防止する最も好ましい方法は、運動の増進と食品から得られるエネルギーの調整である。エネルギー摂取は、例えば、厳しい食事を続けることによって、低脂肪製品を用いることによって又は食品におけるエネルギーの全面的な使用を防止することによって減少させることができる。
【0003】
食料品の脂肪含有量を低下させるという目標によって、食料品業界に新しい挑戦が生じた。WHO及び食品加工業は、より健康的な将来の食料品の開発についての開かれた議論を開始した。他の専門家組織もまた、業界への圧力を強めた(例えば、IASO 2003)。その結果、幾つかの食料品会社では、脂肪の品質を改善するとともに製品中の量を減少させることを目標として設定した。
低エネルギー脂肪混合物は、例えば、国際出願第O0/15043号に記載され、この種の最初の脂肪組成物が市場に入ってきている。しかしながら、欧州では、何年もかかる許可手続きを含む厳しい法規制によって進行が失速した。
【0004】
過剰脂肪の問題の更に効率的な解決策は、脂肪を吸収させることを防止することである。コレステロールに関しては、この考えに基づく解決策として、例えば、国際出願第03/026672号に記載されるような、植物ステロールと植物スタノールに基づく方法を例としてあげることができる。
例えば、米国特許第5,453,282号には、脂肪の主成分、トリアシルグリセロール(TAG)の吸収を防止するキトサン含有栄養素が開示されているが、しばらくの間、最も有効な予防は、薬物療法によってのみ成功している。欧州特許第129748号に開示される処方薬、オルリスタット(テトラヒドロリプスタチン)は、トリアシルグリセロールの吸収を30%だけ減少させるために用いることができる(Zhi et al., 1994)。
しかしながら、オルリスタットの使用の問題は、その相対的な無効と、薬物療法が含まれ、医師への通院が必要であるという事実である。
機能性食品によって脂肪吸収の予防を達成することは、深刻で国際的に認識された問題の極めて興味深い解決策である。
【発明の開示】
【0005】
ここで予想外に、食品認可の乳化剤が、脂肪が消化管から吸収されることをほぼ完全に防止することが見出された。従って、本発明は、脂肪吸収の予防を目的とする製品を調製するための乳化剤の使用に関する。このような製品の調製において食品認可の乳化剤の使用は、当局によって設定されるセキュリティ要件を満たし、従って、規制を満たしている機能性食品の調製品を可能にする。このような調製品は、ヒトにおいて脂肪吸収のほぼ完全な予防を示す第1機能性食品である。
【0006】
本発明は、また、脂肪吸収を防止するための食品組成物であって、乳化剤がソルビタン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン誘導体、脂肪酸のサッカロースエステル及び他の脂肪酸誘導体からなる群より選ばれる、前記組成物に関する。
本発明は、また、食品認可の乳化剤の有効量を含むことを特徴とする機能性食品に関する。
本発明は、更に、ソルビタン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン誘導体、脂肪酸のサッカロースエステル及び他の脂肪酸誘導体からなる群より選ばれる乳化剤の有効量を含む医薬組成物に関する。
【0007】
本発明は、また、脂肪吸収の予防を目的とする医薬品を調製するための乳化剤の使用に関する。
本発明は、更に、肥満を予防、治療又は改善するとともに肥満と関連するリスクを減少させる方法であって、脂肪吸収を防止するための薬学的に許容しうる乳化剤の有効量、及び任意に他の薬学的に許容しうる添加剤及び担体を含有する調製品を肥満にかかっているヒト又は動物に投与することを特徴とする、前記方法に関する。
本発明の好ましい実施態様は、従属特許請求の範囲に記載される。
以下における本発明の好ましい実施態様は、添付の図面によって詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、食品認可の乳化剤が、消化管からの脂肪吸収をほぼ完全に防止するという驚くべき所見に基づくものである。前記所見は、異なる治療と製剤が有益な脂肪の吸収にどのように影響を及ぼすかを見つけ出すことを目的として行われた臨床試験において見いだされた。
従って、本発明は、食品における添加剤又は成分として、健康増進効果、即ち、脂肪吸収の部分的な又は完全な予防を達成する栄養添加剤又は医薬製剤として食品認可の乳化剤の使用に関する。
これに関連して、‘食品認可の乳化剤’は、食品添加物として承認された配合物、清浄剤、乳化剤又は安定化剤に関連する。本発明による使用において、好ましい食品認可の乳化剤は、下記式Iのソルビタン誘導体を含む。
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、w + x + y + z = 約20、又はw、x、y、z = 0、RはH、OOC(CH2)10-CH3、OOC(CH2)14-CH3、OOC-(CH2)7-(CH)2-(CH2)7-CH3又は3XOOC-(CH2)16-CH3である。)
ソルビタン誘導体、例えば、ソルビタンモノステアレート(E 491)、ソルビタントリステアレート(E 492)、ソルビタンモノラウレート(E 493)、ソルビタンモノオレエート(E 494)、ソルビタンモノパルミテート(E 495)、又は異なるポリオキシエチレンソルビタン誘導体、例えば、-モノラウレート(E 432)、-モノオレエート(E 433)、-モノパルミテート(E 434)、-モノステアレート(E 435)、-トリステアレート(E 436)が特に好ましい。本発明による特に好ましい乳化剤は、ソルビタンモノオレエート(E 494)である。
【0011】
他の好ましい食品認可の乳化剤としては、脂肪酸のサッカロースエステル(E 473)及び他の脂肪酸誘導体、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩(E 470a)、マグネシウム塩(E 471)、モノ-及びジグリセリド(E 471)、モノ-及びジグリセリドの酢酸エステル(E 472a)、モノ-及びジグリセリドの乳酸エステル(E 472b)、モノ-及びジグリセリドのクエン酸(E 472c)エステル、モノ-及びジグリセリドの酒石酸エステル(E 472d)、モノ-及びジグリセリドのモノ-及びジアセチル酒石酸エステル(E 472e)、モノ-及びジグリセリドの酢酸エステルと酒石酸エステルとの混合物(E 472f)が含まれる。本発明による特に好ましい脂肪酸誘導体乳化剤としては、脂肪酸のサッカロースエステルが含まれる。
【0012】
本発明の栄養組成物は、ヒト又は動物の脂肪吸収のほぼ完全な予防を示すことがわかった第1機能性食品である。
本発明において、‘機能性食品’とは、従来の栄養的な特性だけでなく、健康を増進させる或いは病気のリスクを減少させることによって生物の1以上の機能に対して明確な効果(positive effect)を有することが示された栄養/食品を意味する。
【0013】
本発明の機能性食品は、本発明による乳化剤が添加されたいずれの食品であってもよいが、好ましい食品としては、飲料や他の液状食品、例えば、ジュース、乳飲料、粥、スープ、ソースが挙げられる。本発明の食品認可の乳化剤を添加することができる脂肪含有食品又は食品の成分の例としては、ベーキング又は他の使用のための脂肪乳剤、クリームイミテーション製品、アイスクリーム、乳状のソース、例えば、ハンバーガソース、サラダソース、ディップソース、熱処理された食肉製品、例えば、料理されたハンバーガー、種々のチョコレートが挙げられる。本発明の機能性食品には、脂肪食品、例えば、ペストリー、クッキー、ポテトチップス、ハンバーガー、チョコレートが含まれ、それらの調製品には上記の脂肪乳剤が用いられている。他の好ましい使用形態は、当業者に明らかであり、上記例は、本発明の範囲外の他の応用を制限するためのものではない。
【0014】
本発明の栄養組成物に、所望の効果が達成されるような量の食品認可の乳化剤が添加される。有効量は、前記食品の組成によって、また、一度に摂取される前記食品の用量のサイズによってかなり変えることができる。乳化剤の有効量は、また、用いられる乳化剤、食品、摂取される食品の量に従って変えることができる。乳化剤の有効量は、(1kgの)食品に対して、0.1〜100g/kg、好ましくは1〜25g/kg、最も好ましくは5〜10g/kgである。
【0015】
本発明による好ましい使用形態は、例えば、スナックバー又は‘エネルギー飲料’として、標準栄養に加えて摂取される別個に消費する機能性食品である。
別個の補助食品として本発明の乳化剤を摂取することによって、脂肪吸収の有効な予防も達成することができる。本発明の補助食品は、例えば、本発明の乳化剤の有効量を含有するカプセルであってもよい。カプセルは、軟カプセル又は硬カプセルであってもよく、封入材料は、ゼラチン、寒天、デンプン、化工デンプン、化工デンプン末、カラゲナン、糖、特にスクロース、ラクトース又はフルクトースからなる群より選ぶことができる。
【0016】
本発明の栄養組成物が標準栄養に加えて補助食品として摂取される場合には、摂取される用量当たりの乳化剤の好ましい量は、1mgを超え、好ましくは1〜10,000mg、より好ましくは100〜5,000mg、更により好ましくは500〜5,000mg、最も好ましくは2,000mgである。このような好ましい量は、0〜65mg/kg人の体重、最も好ましくは約25〜60mg/kgに対応する。栄養を知っている食品分野の熟練した専門家は、上記の基準値と実施例に記載される実験に基づいて所望の効果を達成するのに必要とされる乳化剤の有効量を簡単に決定することができる。
【0017】
本発明は、また、用いられる乳化剤によっては錠剤、カプセル、溶液又はエマルジョンであり得る医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、従来法を用いて調製することができる。本発明の医薬剤形は、例えば、本発明の乳化剤の有効量を含有するカプセルであり得る。カプセルは、軟カプセル又は硬カプセルであってもよく、封入材料は、ゼラチン、デンプン、化工デンプン、化工デンプン末、カラゲナン、糖、特にスクロース、ラクトース又はフルクトースからなる群より選ばれる。
【0018】
本発明の乳化剤含有医薬製剤は、従来法を用いて調製することができる(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16, volume, 1990を参照のこと)。単位当たりの乳化剤の治療的に有効な量は、所望の効果によれば、1〜10,000mg、好ましくは100〜5,000mg、より好ましくは、500〜5,000mg、最も好ましくは2,000mgであり得る。乳化剤に加えて、本発明の医薬製剤は、当該分野で通常用いられる他の添加剤及び担体、例えば、パラフィン油、アラック油、ゴマ油、オリーブ油、ダイズ油、杏仁油のような薬学的に許容しうる植物油を含有することもできる。
【0019】
本発明は、また、食品認可の乳化剤を含有する本発明の栄養組成物又は医薬組成物の有効量を投与することによって、それを必要としている動物又はヒトにおいて消化管から脂肪の部分的な吸収又は完全な吸収を防止する方法に関する。本発明の方法は、美容又は治療の体重コントロール、従って、脂肪の過度の使用と関連した健康被害又は病気の予防又は病気にかかるリスクの減少を達成する。本発明による治療は、標準栄養の一部を置き換えるために本発明の機能性食品を摂取することによって又は標準の脂肪栄養に加えて、機能性食品、例えば、飲料用量を摂取することによって又は標準栄養に対する補助食品として、別個の補助食品、例えば、カプセルの形態で摂取することによって投与することができる。
各々の食事とともに、即ち、毎日3回に有効な一回量は、500mg/用量であり、脂肪吸収の所望の予防を達成する。
【実施例】
【0020】
実施例1
乳化脂を含有する試験製品の調製
飲料(製品A)
成分 %
1. 水 72.81
2. 濃縮されたジュース混合物 9.13
3. クエン酸 0.01
4. 糖 7.03
5.クロフサスグリ芳香 0.07
6.クロフサスグリ種子油 9.98
7. E494 0.98
8.ビタミンA 2,800IU/100g
9.ビタミンE 20IU/100g
【0021】
調製:
成分1〜5を標準工業用調製過程に従って混合した。成分6、7、8、9を、激しく混合して製品に添加した。
オートミール飲料(製品B)
成分 g %
1. 水 70.00 67.6
2.オートミール 10.00 9.7
3. 酸味剤 0.10 0.1
4. ナタネ油 0.45 0.4
5. ベリー調製物* 12.00 11.6
6. クロフサスグリ種子油 9.97 9.6
7. E494 0.98 0.9
8.ビタミンA 2,800IU/100g
9.ビタミンE 20 IU/100g
*)フルクトース6%、つぶしたベリー、ペクチン、芳香を含む
調製:
成分1〜3を混合し、標準工業用調製過程に従って酸性にする。酸性にした製品に成分4と5を混合する。成分6、7、8、9を激しく混合して製品に添加する。
対照製品を、成分7を含めずに上記の説明に従って調製した。
【0022】
実施例2
ヒトにおける乳化植物油の吸収
臨床試験の目的は、異なる栄養調製品からある植物油の吸収を研究することであった。実験において、油を含有する試験製品を健康なヒト被検者に投与した。血液試料を、被検者から集め、脂肪分析にかけ、それに基づいて油の吸収を量的に評価した。
実験が始められる前に、サウスウェストフィンランド病院部局の倫理委員会は実験の研究計画を受け入れた。被検者は、製品とその摂取順序に関して無作為にした。実験の日の朝に、被検者は、実施例1に従って試験製品(製品A)を摂取した。乳化剤の量が約65mg/キロ体重であるように、摂取される量は被検者の体重と比例した。従って、試験製品の平均一回量は、490mlであった。対照グループの被検者は、乳化剤を含有しない対応する油含有製品(製品A0)を摂取した。次の6時間被検者は実験研究室で監視下で過ごし、全体で7つの血液試料をそれぞれから採取した。試験製品が摂取される前とその30分、60分、180分、27O分、360分後に血液試料が集められた。実験を行った日に、被検者は、あらゆる急性副作用を見つけ出すために接触した。実験2日目は、2〜4週後に行い、摂取される試験製品を除いて準備は同様であった。
【0023】
集めた試料を直ちに分析するか又は小部分に分割し、後に行われる分析を待つために凍結した。特に、カイロミクロンの組成が、その中に含有する脂質が食事から吸収される脂肪と脂溶性化合物を直接反映するので研究された。カイロミクロンを、超遠心分離法によって血漿から分離し、更にマイクロシリカカラムによって脂肪酸とリン脂質部分の小部分に分割した。小部分における脂肪酸を、ガスクロマトグラフィによって分析した。結果を、SPSSソフトウェアを用いた統計的所見に供した。
【0024】
血漿における酵素で測定されたトリアシルグリセロール含有量は、乳化油の非吸収を示した。吸収が完全に防止されたかのように思われたので、結果は非常に予想外であった。
カイロミクロンに行われるTAG分析は、同じ結果を示した。従って、乳化油を含有する試験製品は全く吸収されなかった。
脂肪と同様に可溶性であるパルミチン酸レチニルとしてのビタミンEとビタミンAを、試験製品に添加した。脂肪吸収と、ある程度は、血液循環におけるカイロミクロンの数、即ち、血液循環から脂肪の放出を監視することを可能にする。ビタミンEとビタミンAは、乳化剤含有製品を投与した被検者の試料から測定することができなかった。この結果は、更に、乳化油製品が全く吸収されないという驚くべき所見を支持する。
試験製品は、コレステロールを含有しなかった。しかしながら、製品AとA0間の明らかな違いは、コレステロール値に見られた。この結果は、更に、脂肪吸収が生物自体のコレステロール代謝に影響を及ぼすので、乳化油の非吸収性についての所見を支持する。
【0025】
実施例3
脂肪吸収に対する乳化剤用量の影響
この実験では、被検者は、乳化剤含有製品の異なる量を摂取した。試験製品は、実施例1で調製した製品AとBであり、E494の量は、0.1%(A1とB1)、0.4%(A2とB2)、0.98%(A3とB3)又は0%(A0とB0)であった。実施例2に記載されたように、実験と試料採取が準備された。
乳化剤用量が表1に一致するように、摂取される試験製品の量は被検者の体重と比例した。従って、平均一回量は490mlであった。
【0026】
表1

【0027】
図1は、試験製品Aを摂取した被検者の0〜6時間の間の血液脂肪値を示すグラフであり、図2は試験製品Bを摂取した被検者のグラフである。図3は、図1と2の曲線の下に残っている面積(iAUC)を示している棒グラフであり、人が吸収し且つ当該分野において通常使われる脂肪の量を表している。図が示すように、本実施例に用いられる用量レベルは、製品Aに関して線状効果を有する。製品Bに関しては、効果は、全ての投薬レベルで目に見えるが、レベルB1とB2に対する効果は等しい。このことは、用量反応曲線に対する可能なプラトーを意味する。脂肪吸収の予防に対する試験製品の効果は、より低投薬レベルですでに明らかに示された。
【0028】
図4は、脂肪吸収の達成された予防が乳化剤の用量と比例していることを示すグラフである(100%= B0とA0、全く乳化剤を含有しない)。
製品Bに関しては、より低い全体のレベルは、より複雑である製品のためであると思われ(例えば、タンパク質と複合糖質を含有する)、それにより、脂肪吸収に対する効果は製品Aほど強くない。一方では、製品Bによって明らかにされる効果は、本発明の機能性食品が所望の効果を達成することを示している。
技術が進歩するにつれて、本発明についての基本的な考えは、さまざまな方法で実施することができることは当業者に明らかである。従って、本発明とその実施態様は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲内で変えることができる。
【0029】
参考
Zhi J; Melia A T; Guerciolini R; Chung J; Kinberg J; Hauptman J B; Patel I H
標準志願者と肥満志願者のオルリスタットの用量応答(便中の脂肪排出)関係の集団ベースのレトロスペクティブ分析。
Clinical Pharmacology And Therapeutics 1994, 56(1), 82-5.
NCCDPHP(国立慢性疾患予防・健康増進センター ), 29.8.2003 11:00 GMT.
http: //www.cdc.gov/nccdphp/dnpa/obesity/defining.htm
WHO, Technical Report Series 916. Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases. Geneva 2003.
IASO 2003, http://www.iotf.orq/media/iotfian29.htm
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】試験製品Aを摂取した0〜6時間後の被検者の血漿から測定されたTAG濃度を示すグラフである。
【図2】試験製品Bを摂取した0〜6時間後の被検者の血漿から測定されたTAG濃度を示すグラフである。
【図3】iAUC値として被検者が吸収した脂肪量を示すグラフである。
【図4】試験製品当たりのパーセントとして表される吸収した脂肪の量を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪吸収を防止するための組成物であって、食品認可の乳化剤の有効量を含有することを特徴とする前記組成物。
【請求項2】
食品認可の乳化剤が、ソルビタン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン誘導体、脂肪酸のサッカロースエステル及び他の脂肪酸誘導体からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
食品認可の乳化剤が、ソルビタンモノステアレート(E 491)、ソルビタントリステアレート(E 492)、ソルビタンモノラウレート(E 493)、ソルビタンモノオレエート(E 494)及びソルビタンモノパルミテート(E 495)からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
食品認可の乳化剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(E 432)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(E 433)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(E 434)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(E 435)及びポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(E 436)からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
食品認可の乳化剤が、脂肪酸のサッカロースエステル(E 473)、ナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩(E 470a)、マグネシウム塩(E 471)、モノ-及びジグリセリド(E 471)、モノ-及びジグリセリドの酢酸エステル(E 472a)、モノ-及びジグリセリドの乳酸エステル(E 472b)、モノ-及びジグリセリドのクエン酸エステル(E 472c)、モノ-及びジグリセリドの酒石酸エステル(E 472d)、モノ-及び及びジグリセリドのモノ-及びジアセチル酒石酸エステル(E 472e)、及びモノ-及びジグリセリドの酢酸エステルと酒石酸酸エステルとの混合物(E 472f)からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が食品であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
機能性食品であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含む前記食品。
【請求項8】
その中に含有する乳化剤の量が、摂取される一回量当たり1〜10,000mg、好ましくは100〜5,000mg、より好ましくは500〜5,000mg、最も好ましくは2,000mgであることを特徴とする、請求項7記載の食品。
【請求項9】
食品認可の乳化剤の有効量を含む医薬組成物。
【請求項10】
脂肪吸収の予防を目的とする製品を調製するための食品認可の乳化剤の使用。
【請求項11】
製品が医薬であることを特徴とする、請求項10記載の使用。
【請求項12】
製品が補助食品であることを特徴とする、請求項10記載の使用。
【請求項13】
製品が機能性食品であることを特徴とする、請求項10記載の使用。
【請求項14】
肥満の治療方法であって、食品認可の乳化剤の有効量を治療を必要としている動物又はヒトに投与し、乳化剤が消化管からの脂肪吸収を防止することを特徴とする、前記方法。
【請求項15】
脂肪が消化管から吸収されることを予防する方法であって、食品認可の乳化剤の有効量を動物又はヒトに投与することを特徴とする、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−529478(P2007−529478A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503361(P2007−503361)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/FI2005/000151
【国際公開番号】WO2005/087025
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506313903)
【出願人】(506313914)
【Fターム(参考)】