説明

肩掛け

【課題】 着用性に優れ、保温や血行促進に効果的で、冷え性や肩こり等にも有効な肩掛けを提供する。
【解決手段】 平面略馬蹄形で、身体の胸部を覆う二つの前側部2、肩部を覆う中間部3、および背面部を覆う後側部4を有してなり、二つの前側部2同士を係止すべく、前側部2に、面ファスナー、ホック、磁石等の係止部材6を設け、後側部4に切込み7を形成する。また、首部を覆う内側部5を設け、その内側部5にも切込み7を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用性に優れ、保温や血行促進に効果的で、冷え性や肩こり等にも有効な肩掛けに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、寒い時期に屋外で作業を行うと、足もとと同様に、肩や背中などが冷え切ってしまい、肩こりなどの身体の不調が生じることが多い。
【0003】
こうした点を解消するために、従来から、胸、肩および背中を覆う肩掛けが創案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2005−278813号公報
【特許文献2】実用新案登録第3105484号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの肩掛けは、単に、平面リング状であったり、馬蹄形であるため、身体を動かすとそれに伴って移動してずれてしまい、着用性が悪いといった問題がある。
【0005】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、着用性に優れ、かつ、保温や血行促進に効果的に、冷え性や肩こり等にも有効な肩掛けを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1乃至図10を参照して説明する。請求項1に記載の肩掛け1は、平面略馬蹄形で、身体の胸部を覆う二つの前側部2、肩部を覆う中間部3、および背面部を覆う後側部4を有してなり、前記二つの前側部2同士を係止すべく、当該前側部2に、面ファスナー、ホック、磁石等の係止部材6を設け、前記後側部4に切込み7を形成したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の肩掛け1は、平面略馬蹄形で、身体の胸部を覆う二つの前側部2、肩部を覆う中間部3、背面部を覆う後側部4、および首部を覆う内側部5を有してなり、前記二つの前側部2同士を係止すべく、当該前側部2に、面ファスナー、ホック、磁石等の係止部材6を設け、前記後側部4および内側部5に切込み7を形成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の肩掛け1は、請求項1または2に記載の発明において、その全体または一部を血流活性化シート8で構成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の肩掛け1は、請求項1または2に記載の発明において、全体または一部を伸縮性を持つ織布または編布等の布片10で形成し、その全体または一部に血流活性化シート8を挿入、縫い付け、接着等によって設けたことを特徴とする。なお、ここで言う「挿入」には、布片10に袋部11を形成し、その袋部11に入れる場合を含む。
【0010】
請求項5に記載の肩掛け1は、請求項1乃至4に記載の発明において、少なくとも、後側部4または内側部5あるいはその両方に、密着および保形用の弾性樹脂シート9を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の肩掛け1は、請求項3乃至5に記載の発明において、血流活性化シート8を、マイナスイオンおよび遠赤外線、または磁力を放出する粉粒体を混合した弾性合成樹脂またはゴムあるいはその発泡体で構成したことを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の肩掛け1は、請求項6に記載の発明において、マイナスイオンおよび遠赤外線を放出する粉粒体がゲルマニウムであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項8に記載の肩掛け1は、請求項6に記載の発明において、磁力を放出する粉粒体が磁石であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の肩掛け1は、二つの前側部2同士を係止すべく、その前側部2に、面ファスナー、ホック、磁石等の係止部材6を設け、かつ、後側部4に切込み7を形成したので、極めて着用性に優れる。
【0015】
すなわち、例えば、屋外での身体を大きく動かす作業においても、二つの前側部2を係止部材6で係止しているので、身体から外れることがない。また、後側部4に切込み7を形成しているので、この切込み7が肩掛け1の動きを吸収し、身体からずれるのを防止する。
【0016】
一般に、作業などにおいて身体を動かすと、胸部に比べて背面部の動きの方が大きいため、肩掛け1の後側部4には、背面部の動きに合わせて、左右方向に拡大および縮小といった歪み変形が強く作用する。その結果、肩掛け1がずり下がったり移動するなどの作用を受けるが、その作用を小さくするために後側部4に切込み7を形成して隙間を作り、その切込み(隙間)7によって歪みの作用を吸収し緩和するものである。
【0017】
これにより、身体の動きに対応して切込み(隙間)7が開いたり閉じたりして肩掛け1に作用する歪み変形の力を緩和し、その結果、肩掛け1の身体への密着性を高め、そのずれを小さくすることができるものである。
【0018】
なお、この肩掛け1は、前側部2で身体の胸部を覆い、中間部3で肩部を覆い、さらに後側部4で背面部を覆うので、保温や血行促進に効果的である。よって、冷え性や肩こりの改善にも有効である。
【0019】
請求項2に記載の肩掛け1は、請求項1に記載の発明と同様に、着用性に優れ、保温や血行促進に効果的である。また、この肩掛け1は、首部を覆う内側部5を有しているので、当該首部の保温や血行促進も行うことができる。さらに、内側部5にも切込み7を形成しているので、首部の動きによってずれることがなく、着用性に優れる。
【0020】
この肩掛け1を着用して首部を動かした場合、内側部5に加わる歪み変形作用は、後側部4の場合と同様に大きい。当該肩掛け1は、内側部5にも切込み7を形成しているので、首部の動きに伴って当該切込み(隙間)7が開いたり閉じたりして、歪み変形力を吸収する。その結果、身体への密着性を高めてずれを防止することができ、着用性に極めて優れる。
【0021】
請求項3に記載の肩掛け1は、請求項1および2に記載の発明と同様に着用性、保温性および血行促進に優れる。また、その全体または一部を血流活性化シート8で構成したので、身体の血流を促進して、より高い保温効果を発揮し、さらには身体を温めるので冷え性や肩こりにも、より有効である。
【0022】
請求項4に記載の肩掛け1は、請求項1および2に記載の発明と同様に、着用性、保温性および血行促進に優れる。また、全体または一部を伸縮性を持つ織布や編布等の布片10で形成したので、その柔軟性により、さらに優れた着用性を発揮する。また、その全体または一部に血流活性化シート8を挿入、縫い付け、接着等によって設けたので、当該シート8が布片10からずれたり離脱することがない。よって、着用性に優れる。
【0023】
請求項5に記載の肩掛け1は、請求項1乃至4に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、後側部4または内側部5あるいはその両方に、密着および保形用の弾性樹脂シート9を設けたので、身体への密着性が向上し、着用性により優れる。
【0024】
請求項6に記載の肩掛け1は、請求項3乃至5に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、血流活性化シート8を、マイナスイオンおよび遠赤外線、または磁力を放出する粉粒体を混合した弾性合成樹脂またはゴムあるいはその発泡体で構成したので、保温と血行促進をより促すことができる。
【0025】
なお、マイナスイオンは、疲労によって酸化した血液に作用して中性化し、体内の新陳代謝を活発化するといった作用を発揮する。また、遠赤外線は、血流を良くして血行を促進すると共に、温熱効果を発揮する。そして、磁力は、同様に血流を促して血行を促進する。
【0026】
なお、弾性合成樹脂またはゴムを発泡体とすると、多数の空隙が形成されるので、その表面積が拡大し、マイナスイオンおよび遠赤外線の放出率が向上し、新陳代謝および血行促進をさらに促すことができる。
【0027】
請求項7に記載の肩掛け1は、請求項6に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、マイナスイオンおよび遠赤外線を放出する粉粒体がゲルマニウムであるので、それらを安定的かつ充分に放出して、保温および血行促進を促すことができる。
【0028】
請求項8に記載の肩掛け1は、請求項6に記載の発明と同様の効果を発揮する。また、磁力を放出する粉粒体が磁石であるので、確実かつ半永久的に磁力を放出して、効果的に血行を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る肩掛け1の第一実施形態を、図1乃至図4に示す。これは、平面略馬蹄形で、身体の胸部を覆う二つの前側部2、肩部を覆う二つの中間部3、および背面部の上部を覆う後側部4を有している。また、二つの前側部2同士を係止すべく、当該前側部2に、面ファスナーからなる係止部材6を設けている。さらに、背面部を覆う後側部4に、三つの切込み7を縦方向に形成し、その一端部を開放している。なお、切込み7の数は限定されない。また、その方向も縦方向に限定されず、例えば、斜め方向に形成することもできる。
【0030】
この肩掛け1は、例えば、屋外での身体を大きく動かす作業においても、二つの前側部2を係止部材6で係止しているので、身体から外れることがない。また、後側部4に複数の切込み7を形成しているので、この切込み7が肩掛け1の動きを吸収し、よって、身体からずれるのを防止する。従って、極めて着用性に優れる。
【0031】
また、この肩掛け1は、前側部2で身体の胸部を覆い、中間部3で肩部を覆い、さらに後側部4で背面部を覆うので、保温や血行促進に効果的である。よって、冷え性や肩こりの改善にも有効である。
【0032】
本発明に係る肩掛け1の第二実施形態を、図5乃至図8に示す。この肩掛け1は、第一実施形態の肩掛け1の構成に加えて、首部を覆う内側部5を設け、当該内側部5にも一端を開放した切込み7を形成したことを特徴としている。本実施形態では、三つの切込み7を係止しているが、その数は限定されない。
【0033】
この肩掛け1は、首部を覆う内側部5を設けたので、胸部、肩部、背面部に加えて当該首部の保温や血行促進を効果的に行うことができる。また、内側部5にも切込み7を形成しているので、首部の動きによってずれることがなく、着用性にも優れる。
【0034】
なお、第一実施形態および第二実施形態に係る肩掛け1は、その全体または一部を血流活性化シート8で構成することができる。血流活性化シート8は、例えば、マイナスイオンおよび遠赤外線、または磁力を放出する粉粒体を混合した弾性合成樹脂またはゴムあるいはその発泡体で構成することができる。その場合、マイナスイオンおよび遠赤外線を放出する粉粒体をゲルマニウムで構成することができる。また、磁力を放出する粉粒体を磁石で構成することができる。
【0035】
本発明に係る肩掛け1の第三実施形態を、図9および図10に示す。これは、全体を伸縮性を持つ布片(織布や編布)10で形成し、その所望部分に袋部11を設け、その袋部11に血流活性化シート8を挿入したものである。
【0036】
なお、この肩掛け1は、伸縮性を持つトリコットやメリヤス編みなどの布片10で構成することができる。そして、上記したように、その所望部分に袋部11を構成し、その袋部11に弾性血流活性化シート8を挿入すると、その布片10の伸縮性と後側部4および内側部5に形成した切込み7との組み合わせ作用によって、さらにずれ難くて密着性が高く、より優れた着用性を有する肩掛け1とすることができる。そしてこの袋部11は、首部,肩部,背面部のいわゆるツボ部及びその廻りに多数設けておけば、肩掛け1を装着するとき身体のこりの状況に応じて血流活性化シート8の配置位置を移動することが出来、より効果が上がる。
【0037】
また、袋部11を設ける代わりに、布片10の中の所望部分に挟んだり、千鳥縫い付け、あるいは、柔軟接着等で固定することができるし、これらの組合せでも良い。いずれの場合も、同様に、ずれ難く、密着性が高く、着用性に優れる肩掛け1とすることができる。
【0038】
さらに、少なくとも、後側部4または内側部5あるいはその両方の内面側に、密着および保形用として弾性樹脂シート9を設けて、身体に対する密着性を高め、着用性の向上を図ることができる。なお、この弾性樹脂シート9は、中間部3や内側部5に設けることもできる。また、この弾性樹脂シート9は、第一実施形態および第二実施形態に係る肩掛け1に設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る肩掛け1の構成要件である切込み7は、腰痛保護帯及び保温ベストの背面部上部や下部にも形成して、その着用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る肩掛けの第一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す肩掛けを着用した状態を示す正面図である。
【図3】図1に示す肩掛けを着用した状態を示す背面図である。
【図4】図1に示す肩掛けを着用した状態を示す側面図である。
【図5】本発明に係る肩掛けの第二実施形態を示す平面図である。
【図6】図5に示す肩掛けを着用した状態を示す正面図である。
【図7】図5に示す肩掛けを着用した状態を示す背面図である。
【図8】図5に示す肩掛けを着用した状態を示す側面図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る肩掛けを示す平面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】図9のY−Y線断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 肩掛け
2 前側部
3 中間部
4 後側部
5 内側部
6 係止部材
7 切込み
8 血流活性化シート
9 弾性樹脂シート
10 布片
11 袋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面略馬蹄形で,身体の胸部を覆う二つの前側部(2),肩部を覆う中間部(3),および背面部を覆う後側部(4)を有してなり、前記二つの前側部同士を係止すべく,該前側部に,面ファスナー,ホック,磁石等の係止部材(6)を設け、前記後側部に切込み(7)を形成したことを特徴とする肩掛け。
【請求項2】
平面略馬蹄形で,身体の胸部を覆う二つの前側部(2),肩部を覆う中間部(3),背面部を覆う後側部(4),および首部を覆う内側部(5)を有してなり、前記二つの前側部同士を係止すべく,該前側部に,面ファスナー,ホック,磁石等の係止部材(6)を設け、前記後側部および内側部に切込み(7)を形成したことを特徴とする肩掛け。
【請求項3】
全体または一部を血流活性化シート(8)で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の肩掛け。
【請求項4】
全体または一部を伸縮性を持つ織布または編布等の布片(10)で形成し,その全体または一部に血流活性化シート(8)を挿入,縫い付け,接着等によって設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の肩掛け。
【請求項5】
少なくとも、後側部(4)または内側部(5)あるいはその両方に、密着および保形用の弾性樹脂シート(9)を設けたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の肩掛け。
【請求項6】
血流活性化シート(8)を、マイナスイオンおよび遠赤外線、または磁力を放出する粉粒体を混合した弾性合成樹脂またはゴムあるいはその発泡体で構成したことを特徴とする請求項3乃至5に記載の肩掛け。
【請求項7】
マイナスイオンおよび遠赤外線を放出する粉粒体がゲルマニウムであることを特徴とする請求項6に記載の肩掛け。
【請求項8】
磁力を放出する粉粒体が磁石であることを特徴とする請求項6に記載の肩掛け。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−211383(P2007−211383A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34665(P2006−34665)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(591083439)
【Fターム(参考)】