説明

肺炎球菌DNA検出用リアルタイムPCRアッセイの開発および肺炎球菌疾患の診断

リアルタイムPCRを肺炎球菌疾患の診断に用いて、psaA遺伝子の特異的配列を検出するための組成物および方法が開示される。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)は、米国における市中感染性肺炎、髄膜炎および中耳炎の主要原因である(Brown et al., 1998)。過去においては従来の抗菌療法が効果的な治療法であると証明されているが、ペニシリン耐性株および多剤耐性株の出現によって、罹患者および死亡者は増加することとなった(Doern et al., 1999; Jacoby, 1996)。培養における増殖が抗菌的の抑制によって、および正常細菌叢のα型溶血連鎖球菌による混入によって、肺炎球菌の単離および同定は複雑になる。古典的な技術、培養、および血清学的方法による検出は、時間を消費し結果は明瞭ではない。臨床検査室において、迅速に完了することができる敏感で特異的な分析は、早期診断および効果的な治療にとって不可欠である。分子的分析は、鋭敏な感度および特異性で検出することができるので、本質的な価値があり、検出は生存不能生物で減少しない。様々な分子的方法は検査を補助するために使用された(Gillespie, 1999; Hall, 1998; Olive and Bean, 1999)。
【0002】
患者の標本から生物単離物を得る際の困難さだけではなく、肺炎球菌様緑色連鎖球菌種(P-LVS)を肺炎連鎖球菌(Spn)として誤同定することによっても、正確な肺炎球菌疾患の診断は頻繁に妨げられた。検討される標本が呼吸器系部位に由来する場合、これは特に重大である。
【0003】
肺炎球菌疾患研究における焦点の主要領域は、ワクチンの開発であった。認可済み23価多糖類ワクチンが、幼い子ども(<2歳)、高齢者、または免疫障害者へ防御作用がないことが(Forrester et al., 1987) 、第2世代タンパク質結合ワクチンの開発へと結びつき、すぐに認可されることとなった。侵襲性疾患を引き起こす頻度の高い7つの莢膜血清型から構成されるこのワクチンは、23価ワクチンに関連する免疫原性が乏しいという問題を克服しするかもしれない。しかしながら、このタンパク質結合ワクチンは、ワクチンに含まれていない交代血清型保菌を防がないであろうという指摘がある(Obaro et al., 1996)。抗生物質耐性の肺炎球菌増加の報告とともに、肺炎連鎖球菌の肺炎球菌種共通の免疫原性タンパク質に基づいたワクチンの開発へと、これらの問題の関心は移った(Hammerschmidt et al., 1977)。これらのタンパク質の中で最も有望なものは、ニューモリシン(Paton, 1996)、肺炎球菌表面タンパク質(PspA)(Briles et al., 1988)、および本研究で特に焦点を当てた肺炎球菌表面のアドへジンA(PsaA)(Sampson et al., 1994)を含む。
【0004】
psaA遺伝子によってコードされるPsaAは、Russellらによって最初に同定された37-kDaの表面タンパク質である(Russell et al., 1990)。モノクローナル抗体研究により、肺炎連鎖球菌の90血清型のすべてで、PsaAが発現することが示唆され(Crook et al., 1998)、23ワクチン血清型のPCR制限酵素断片長多型分析によって、psaA遺伝子が保存されていることが実証された(Sampson et al., 1997)。
【発明の開示】
【0005】
概要
肺炎球菌DNAの検出および肺炎球菌疾患の診断に関する方法ならびに組成物が開示される。より具体的には、肺炎球菌表面の接着タンパク質(psaA)遺伝子検出のためのリアルタイムPCR法が開示される。
【0006】
詳細な記述
本化合物、組成物、物品、装置、および/または方法が開示および記述される前に、それらは特別の定めのない限り特異的な合成法または特異的な組換え生物工学的方法に限定されておらず、または特別の定めのない限り特定の試薬に限定されておらず、そのためもちろん変化してもよいことが理解されるべきである。ここに用いられる用語は、特定の態様を記述するためだけにあり、限定を意図しないことも理解されるべきである。
【0007】
A.定義
本明細書および添付された特許請求の範囲において用いられたように、文脈が明白にそうではないと指示しない限り、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数の指示物を含む。したがって例えば、「薬学的担体」への言及は、2つまたはそれ以上のそのような担体などの混合物を含む。
【0008】
本明細書において範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現することができる。そのような範囲が表現される場合、別の態様は1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって値が近似として表現される場合、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。各範囲の終了点が、別の終了点と関連しておよび別の終了点とは独立しての両方で、意味を持つことがさらに理解されるであろう。本明細書において開示された多くの値があること、および各値は値自体に加えて「約」として特定の値も本明細書において開示されることが理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。値が「以下」の値と開示される場合、当業者によって適切に理解されるように、「以上の値」および値間の可能な範囲も開示されることが理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「10以上」と同様に「10以下」も開示される。出願の全体にわたってデータは多くの異なる形式において提供されること、このデータは終了点および出発点ならびにデータポイントの任意の組み合わせの範囲を表わすことも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント15が開示される場合、10および15の間と同様に、10および15より大きい、それら以上、それら未満、それら以下、およびそれらに等しい値が開示されたと考えられることが理解される。
【0009】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、以下の意味を持つと定義される多くの用語への言及がなされるであろう。
【0010】
「任意の」または「任意で」は、続いて記述された事象または状況が生じてもよいし生じなくてもよいこと、およびその記述が該事象または状況が生じる実例および生じない実例を含むことを意味する。
【0011】
「プライマー」は、ある型の酵素的操作を支援することができ、酵素的操作が可能であるように、標的核酸とハイブリダイズすることができるプローブのサブセットである。プライマーは、酵素的操作を妨害しない、当技術分野において利用可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体もしくはアナログの任意の組み合わせから作製することができる。
【0012】
「プローブ」は、典型的には配列の特異的な方法で、例えばハイブリダイゼーションによって、標的核酸に相互作用することができる分子である。核酸のハイブリダイゼーションは、当技術分野において十分に理解され、本明細書において考察される。典型的にはプローブは、当技術分野において利用可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体もしくはアナログの任意の組み合わせから作製することができる。
【0013】
ポリメラーゼ連鎖反応は「PCR」と略される。「リアルタイムPCR」という用語は、進行中の増幅反応の進展をモニターすることを可能にする任意の増幅法を意味することを意図する。
【0014】
「被験体」は個体である。したがって、「被験体」は、ネコ、イヌなどのような飼育された動物、家畜(例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験動物(例えばマウス、ウサギ、ネズミ、モルモットなど)およびトリを含むことができる。好ましくは被験体は霊長類などの哺乳動物、より好ましくはヒトである。
【0015】
本明細書において使用される「ストリンジェント条件」は、ハイブリダイゼーション手順において用いられる洗浄条件を指す。一般に洗浄条件は、変性温度が、研究中の核酸ハイブリッドの計算されたTm値(分子の半分がハイブリダイゼーションの相手から解離する融解温度)よりおよそ5〜20℃下であるように選択された温度および塩濃度の組み合わせであるべきである。温度および塩の条件は、フィルター上に固定された参照DNA試料がプローブまたはタンパク質をコードする対象核酸にハイブリダイズされ、その後異なるストリンジェント条件下で洗浄される予備実験で、経験的に容易に決定される。そのようなオリゴヌクレオチドのTm値は、各AまたはTヌクレオチドに対して2℃、および各GまたはCに対して4℃とすることにより推定することができる。したがって例えば、50%G+Cである18ヌクレオチドプローブは、およそ54℃のTm値を有するであろう。ストリンジェント条件は、当業者に公知である。例えば、Sambrookら(2001)を参照されたい。ストリンジェント洗浄条件の一例は、65℃で4×SSCである。例えば、高ストリンジェント洗浄条件は、65℃で0.2×SSCを含む。
【0016】
本出願の全体にわたって、様々な出版物が参照される。これらの出版物の開示はその全体が、これが関係する最先端技術をより完全に記述するために、参照により本出願に組み入れられる。開示された参照も、それらに含まれる材料に関する参照により個別に具体的に本明細書に組み入れられ、参照が信頼されるものは、文中で考察される。
【0017】
B.組成物
本明細書において開示された方法の中で使用される組成物自体と同様に、開示された組成物を調製するために使用される構成要素も開示される。これらおよび他の材料は本明細書において開示され、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが開示される場合、様々な各個体ならびにこれらの化合物の集合的な組み合わせおよび順列の特異的な参照は明確に開示されなくとも、本明細書において各々は具体的に検討され記述されることが理解される。例えば、特定のプローブが開示および考察され、プローブを含む多くの分子を作製することができる多くの修飾が考察される場合、反する内容が具体的に示されない限り可能であるような、各々およびすべてのプローブの組み合わせおよび順列ならびに修飾が、具体的に検討される。したがって、分子D、EおよびFのクラスと同様に、分子A、BおよびCのクラスが開示され、組み合わせ分子例のA-Dが開示される場合、その後各々が個別に列挙されなくても、各々が個別的におよび集団的に検討された、A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-EおよびC-Fを意味する組み合わせが開示されたと考えられる。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも開示される。したがって例えば、A-E、B-FおよびC-Eのサブグループが開示されたと考えられるであろう。この概念は、開示された組成物の作製および使用方法における工程を含むが、それらに限定されない本出願のすべての局面に適用される。したがって、行なうことができる様々な付加的な工程がある場合、任意の特異的な態様または開示された方法の態様の組み合わせにより、これらの付加的な工程の各々を行なうことができることは理解される。
【0018】
1.配列類似性
本明細書において考察されるように、相同性および同一性という用語の使用は、類似性と同じものを意味することが理解される。したがって例えば、相同性という単語の使用が2つの非天然性の配列間で使用される場合、必ずしもこれら2つの配列間の進化的関係を示していないが、むしろこれらの核酸配列間の類似性または関連性を注目しているということは理解される。進化的に関連する2つの分子間の相同性を決定する方法の多くは、それらが進化的に関連するどうかにかかわらず、配列類似性を測定する目的で、任意の2つもしくはそれ以上の核酸またはタンパク質に慣例的に適用される。
【0019】
一般に、本明細書において開示された遺伝子およびタンパク質の、任意の公知の変異体および誘導体または生じるかもしれないそれらのものを定義する1つの方法は、特異的な公知の配列への相同性の点から変異体および誘導体を定義することによると理解される。本明細書において開示された特定の配列の同一性も、本明細書の他のところで考察される。例えば、


および

はそれぞれ、psaAの特異的で敏感な増幅および検出のための、プライマーセットおよびプローブの特定の配列を示す。明示された配列または天然の配列に、少なくとも約70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99パーセントの相同性を有する、本明細書において開示されたこれらおよび他の遺伝子ならびにタンパク質の変異体が具体的に開示される。当業者は、2つのタンパク質、または遺伝子などの核酸の相同性を決定する方法を容易に理解する。例えば、相同性がその最大レベルになるように2つの配列をアライメントさせた後に、相同性を計算することができる。
【0020】
相同性を計算する別の方法は、公表されたアルゴリズムによって行なうことができる。比較のための配列の最適なアライメントは、Smith and Waterman Adv. Appl. Math. 2: 482 (1981)の局所的な相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch, J. MoL Biol. 48: 443 (1970)の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85: 2444 (1988)の類似性の検索法、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP, BESTFIT, FASTA, およびTFASTA)、または検定によって行なってもよい。
【0021】
同様の型の相同性は、核酸に対しては、例えば少なくとも核酸アライメントに関する材料の参照により本明細書に組み入れられる、Zuker, M. Science 244:48-52, 1989, Jaeger et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:7706-7710, 1989, Jaeger et al. Methods Enzymol. 183:281-306, 1989で開示されたアルゴリズムによって得ることができる。方法のいずれかは典型的に使用できること、および特定の実例においてこれらの様々な方法の結果は異なってもよいことが理解されるが、当業者は、同一性がこれらの方法の少なくとも1つによって見出される場合、配列が明示された同一性を有すると表現され、本明細書において開示されたと理解する。
【0022】
例えば、本明細書において使用されるように、他の配列に対して特定のパーセント相同性を有するとそて列挙された配列は、上述された計算方法の任意の1つまたは複数によって計算されるように、列挙された相同性を有する配列を指す。 例えば、他の計算方法のうちのいずれかによって計算された場合に、たとえ第1の配列が第2の配列に対して80パーセントの相同性を有しなくても、Zukerの計算方法を使用して第1の配列が第2の配列に対して80パーセントの相同性を有すると計算される場合、本明細書において定義されるように第1の配列は第2の配列に対して80パーセントの相同性を有する。他の例として、SmithおよびWatermanの計算方法、NeedlemanおよびWunschの計算方法、Jaegerの計算方法または他の計算方法のいずれかによって計算された場合に、たとえ第1の配列が第2の配列に対して80パーセントの相同性を有しなくても、Zukerの計算方法ならびにPearsonおよびLipmanの計算方法の両方を使用して、第1の配列が第2の配列に対して80パーセントの相同性を有すると計算される場合、本明細書において定義されるように、第1の配列は第2の配列に対して80パーセントの相同性を有する。さらに他の例として、各計算方法を使用して第1の配列が第2の配列に対して80パーセントの相同性を有すると計算される場合、本明細書において定義されるように、第1の配列は第2の配列に対して80パーセントの相同性を有する(実際には、異なる計算方法は異なる相同性パーセンテージの計算結果をしばしばもたらすのだが)。
【0023】
2.ハイブリダイゼーション/選択的ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションという用語は、典型的には、プライマーまたはプローブおよび遺伝子または遺伝子の一部のような少なくとも2つの核酸分子間の、配列によって行なわれる相互作用を意味する。配列によって行なわれる相互作用は、ヌクレオチド特異的な様式で、2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド誘導体の間に生じる相互作用を意味する。例えば、Cと相互作用するG、またはTと相互作用するAは、配列によって行なわれる相互作用である。典型的には、配列によって行なわれる相互作用は、ヌクレオチドのワトソン-クリック面またはフーグスティーン面で生じる。2つの核酸のハイブリダイゼーションは、当業者に公知の多くの条件およびパラメーターによって影響される。例えば、2つの核酸分子がハイブリダイズするかどうかには、反応の塩濃度、pHおよび温度のすべてが影響する。
【0024】
2つの核酸分子間の選択的ハイブリダイゼーションのためのパラメーターは当業者に周知である。例えばいくつかの態様では、選択的ハイブリダイゼーション条件は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件として定義することができる。例えば、ハイブリダイゼーションおよび洗浄工程のいずれかまたは両方の温度および塩濃度の両方によって、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーはコントロールされる。例えば、選択的ハイブリダイゼーションを達成するハイブリダイゼーション条件は、高イオン強度溶液(6×SSCまたは6×SSPE)中でTm値より約12〜25℃下の温度でのハイブリダイゼーション、続いて、洗浄温度がTm値より約5〜20℃下であるように選択された温度および塩濃度の組み合わせでの洗浄を含んでもよい。温度および塩の条件は、フィルター上に固定された参照DNA試料を標識された対象核酸にハイブリダイズし、その後異なるストリンジェント条件下で洗浄する予備実験で、経験的に容易に決定される。ハイブリダイゼーション温度は、DNA-RNAおよびRNA-RNAハイブリダイゼーションに対しては典型的にはより高い。上述されるように、または当技術分野において公知であるように、本条件はストリンジェンシーを達成するために使用することができる。(少なくとも核酸のハイブリダイゼーションに関する材料の参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989; Kunkel et al. Methods Enzymol. 1987:154:367, 1987)。好ましいDNA:DNAハイブリダイゼーションに対するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、6×SSCまたは6×SSPE中で約68℃(水溶液中)、続いて68℃の洗浄であり得る。所望する相補性の度合いの減少に応じて、およびさらに変異性が探索される任意の領域のG-CまたはA-T含有量に依存して、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェンシーは、所望の場合は引き下げることができる。同様に、すべて当技術分野において公知であるように、所望する相同性の増加に応じて、およびさらに高い相同性が所望される任意の領域のG-CまたはA-T含有量に依存にして、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェンシーは、所望の場合は増加させることができる。
【0025】
選択的ハイブリダイゼーションを定義する他の方法は、別の核酸に結合した核酸のうちの1つの量(パーセンテージ)に注目することによる。例えばいくつかの態様では、選択的ハイブリダイゼーション条件とは、制限核酸の少なくとも約60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100パーセントが、非制限核酸に結合する場合であろう。典型的には、非制限プライマーは、例えば10または100または1000倍過剰である。この型のアッセイは、制限および非制限プライマーの両方が、例えばそれらのkd値より10倍もしくは100倍もしくは1000倍低い条件下、または核酸分子のうちの1つだけが10倍もしくは100倍もしくは1000倍である条件下、または1つもしくは両方の核酸分子が、それらのkd値より高い条件下で行なうことができる。
【0026】
選択的なハイブリダイゼーションを定義する他の方法は、所望の酵素的操作を促進するためにハイブリダイゼーションが要求される条件下で、酵素によって操作されるプライマーのパーセンテージに注目することによる。例えばいくつかの態様では、選択的ハイブリダイゼーション条件は、プライマーの少なくとも約60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100パーセントが、酵素的操作を促進する条件下で酵素で操作される場合であり、例えば酵素的操作がDNA伸長ならば、選択的ハイブリダイゼーション条件とは、プライマー分子の少なくとも約60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100パーセントが伸長される場合であろう。好ましい条件は、製造者によって示唆された条件、または当技術分野において操作を実行する酵素に適切であると示された条件も含む。
【0027】
相同性でそうであったように、2つの核酸分子間のハイブリダイゼーションレベルの決定のために、本明細書において開示された様々な方法があることが理解される。これらの方法および条件が、2つの核酸分子間のハイブリダイゼーションの異なるパーセンテージをもたらしてもよいことは理解されるが、特別の指示のない限り、方法のうちのいずれかのパラメーターを満たすことで十分であろう。例えば、80%のハイブリダイゼーションが要求される場合で、これらの方法のうちのいずれか1つにおいて要求されるパラメーター内でハイブリダイゼーションが起こる限り、それは本明細書において開示されたと考えられる。
【0028】
組成物または方法が、ハイブリダイゼーションを集団的にまたは単独に決定するこれらの基準のうちのいずれか1つを満たす場合、組成物または方法が本明細書において開示されたと当業者は理解することが、理解される。特異的ハイブリダイゼーション条件の例が、本明細書において提供される。上に述べられた理由で、これらの条件は例示的なだけであり、記述されたリアルタイムPCR法を限定しない。
【0029】
3.核酸
本明細書において開示された様々な分子があり、それらは例えば肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子に特異的にハイブリダイズするプライマーおよびプローブを含む核酸に基づいたものある。開示された核酸は、例えばヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド置換物で構成される。これらおよび他の分子の非限定例は、本明細書において考察される。例えばベクターが細胞において発現される場合、発現されたmRNAは、典型的には、A、C、GおよびUで構成されるであろうことが理解される。同様に、例えばアンチセンス分子が、細胞または細胞の周囲へ、例えば外来性の送達によって導入される場合、細胞の周囲でのアンチセンス分子の分解を低減するヌクレオチドアナログでアンチセンス分子が構成されることが有利であることが理解される。
【0030】
a)ヌクレオチドおよび関連する分子
ヌクレオチドは、塩基部分、糖部分およびリン酸部分を含んでいる分子である。ヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合を生成するリン酸部分および糖部分によって相互に結合することができる。ヌクレオチドの塩基部分は、アデニン-9-イル(A)、シトシン-1-イル(C)、グアニン-9-イル(G)、ウラシル-1-イル(U)およびチミン-1-イル(T)であり得る。ヌクレオチドの糖部分はリボースまたはデオキシリボースである。ヌクレオチドのリン酸部分は5価のリン酸である。ヌクレオチドの非限定例は、3'-AMP(3'-アデノシン一リン酸)または5'-GMP(5'-グアノシン一リン酸)であるだろう。
【0031】
ヌクレオチドアナログは、塩基、糖またはリン酸部分のいずれかに対する、いくつかの型の修飾を含むヌクレオチドである。塩基部分に対する修飾は、ウラシル-5-イル(Ψ)、ヒポキサンチン-9-イル(I)および2-アミノアデニン-9-イルなどの異なるプリンまたはピリミジン塩基と同様に、A、C、GおよびT/Uの天然および合成修飾を含むであろう。修飾塩基は、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルならびに他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルならびに他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、および3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンを含むが、それらに限定されない。追加の塩基修飾は、例えば、米国特許第3,687,808号、Englisch et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613、およびSanghvi, Y. S., Chapter 15, Antisense Research and Applications, pages 289-302, Crooke, S. T. and Lebleu, B. ed., CRC Press, 1993に見出すことができる。2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2、N-6およびO-6置換プリンなど特定のヌクレオチドアナログは、二重鎖形成の安定性を増すことができる。しばしば塩基修飾は、二重鎖の安定性増加などの特有の特性を達成するために、例えば2'-Oメトキシエチルのような糖修飾と組み合わせることができる。4,845,205;5,130,302;5,134,066;5,175,273;5,367,066;5,432,272;5,457,187;5,459,255;5,484,908;5,502,177;5,525,711;5,552,540;5,587,469;5,594,121;5,596,091;5,614,617;および5,681,941のような多数の米国特許があり、これらは一連の塩基修飾を列挙および記述する。これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0032】
ヌクレオチドアナログは、糖部分の修飾も含むことができる。糖部分に対する修飾は、合成修飾と同様にリボースおよびデオキシリボースの天然修飾も含むであろう。糖修飾は2'位での以下の修飾を含むが、それらに限定されない:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-、またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキル、ここでアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換または非置換のC1〜C10アルキルまたはC2〜C10アルケニルおよびアルキニルでありうる。2'糖修飾は、nおよびmが1〜約10である、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)n-ONH2、および-O(CH2)nON[(CH2)nCH3]2も含むが、それらに限定されない。
【0033】
2'位での他の修飾は以下を含むが、それらに限定されない:C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、挿入剤、オリゴヌクレオチドの薬物速度論的特性を改善する基、またはオリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善する基、および同様の特性を有する他の置換基。同様の修飾も、糖の他の位、特に3'末端ヌクレオチド上または2'-5'結合したオリゴヌクレオチド内の糖の3'位、および5'末端ヌクレオチドの5'位でなされてもよい。修飾糖は、CH2およびSなど架橋環酸素で修飾されるものも含むであろう。ヌクレオチド糖アナログは、ペントフラノシル糖の代わりのシクロブチル部分などの糖模倣体を有してもよい。4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,658,873;5,670,633;および5,700,920のような、そのような修飾糖構造の調製を教示する多数の米国特許があり、各々はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0034】
ヌクレオチドアナログはリン酸部分でも修飾することができる。修飾リン酸部分は、2つのヌクレオチド間の結合が以下を含むように修飾できるものを含むが、それらに限定されない:ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3'-アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含むメチルおよび他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3'-アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェート。2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸または修飾リン酸結合は、3'-5'結合または2'-5'結合によって生成することができ、結合は、5'-3'に対して3'-5'または5'-2'に対して2'-5'など反転した方向性を含むことができることが理解される。様々な塩、混合塩および遊離酸型も含まれる。多数の米国特許は、修飾リン酸を含むヌクレオチドの作製および使用法を教示し、各々が参照により本明細書に組み入れられる以下を含むが、それらに限定されない:3,687,808;4,469,863;4,476,301;5,023,243;5,177,196;5,188,897;5,264,423;5,276,019;5,278,302;5,286,717;5,321,131;5,399,676;5,405,939;5,453,496;5,455,233;5,466,677;5,476,925;5,519,126;5,536,821;5,541,306;5,550,111;5,563,253;5,571,799;5,587,361;および5,625,050。
【0035】
ヌクレオチドアナログは、単一の修飾を含む必要があるだけであるが、その部分の1つの内で、または異なる部分間でも多数の修飾を含んでもよいことが理解される。
【0036】
ヌクレオチド置換物はヌクレオチドに対して同様の機能特性を有する分子であるが、ペプチド核酸(PNA)などリン酸部分を含まない。ヌクレオチド置換物は核酸をワトソン-クリックまたはフーグスティーン様式で認識する分子であるが、リン酸部分以外の部分によって相互に結合される。適切な標的核酸と相互作用する場合、ヌクレオチド置換物は二重らせん型構造と一致することができる。
【0037】
ヌクレオチド置換物は、交換したリン酸部分および/または糖部分を有するヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログである。ヌクレオチド置換物は通常のリン原子を含んでいない。リン酸置換物は、例えば、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つもしくは複数の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間結合であり得る。これらは、モルホリノ結合(部分的にヌクレオシドの糖部分から形成される);シロキサン骨格;スルフィド、スルフォキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケンを含む骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホネートおよびスルホンアミド骨格;アミド骨格;ならびにN、O、S、およびCH2の混合した構成要素部分を有するその他を有するものを含んでいる。多数の米国特許は、リン酸置換のこれらの型の作製および使用法を開示し、各々が参照により本明細書に組み入れられる5,034,506;5,166,315;5,185,444;5,214,134;5,216,141;5,235,033;5,264,562;5,264,564;5,405,938;5,434,257;5,466,677;5,470,967;5,489,677;5,541,307;5,561,225;5,596,086;5,602,240;5,610,289;5,602,240;5,608,046;5,610,289;5,618,704;5,623,070;5,663,312;5,633,360;5,677,437;および5,677,439を含むが、これらに限定されない。
【0038】
ヌクレオチド置換物において、ヌクレオチドの糖およびリン酸部分の両方が、例えばアミド型結合(アミノエチルグリシン)(PNA)により交換できることもまた理解される。米国特許第5,539,082;5,714,331;および5,719,262号は、PNA分子を作製および使用法を教示し、それら各々は、参照により本明細書に組み入れられる。(Nielsen et al., Science, 1991, 254, 1497-1500も参照されたい)。
【0039】
他の型の分子(結合体)を、例えば細胞での取り込みを促進するように、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに結合することも可能である。結合体は、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに化学的に結合することができる。そのような結合体は以下を含むが、それらに限定されない:コレステロール部分などの脂質部分(Letsinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1989, 86, 6553-6556)、コール酸(Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1994, 4, 1053-1060)、チオエーテル、例えばヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al., Ann. N. Y. Acad. Sci., 1992, 660, 306-309; Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1993, 3, 2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al., Nucl. Acids Res., 1992, 20, 533-538)、脂肪鎖、例えばドデカンジオールまたはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al., EMBO J., 1991 , 10, 1111-1118; Kabanov et al., FEBS Lett., 1990, 259, 327-330; Svinarchuk et al., Biochimie, 1993, 75, 49-54)、リン脂質、例えばジ-ヘキサデシル-rac-グリセロール、もしくはトリエチルアンモニウム1、2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651-3654; Shea et al., Nucl. Acids Res., 1990, 18, 3777-3783)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al., Nucleosides & Nucleotides, 1995, 14, 969-973)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651-3654)、パルミチル部分(Mishra et al., Biochim. Biophys. Acta, 1995, 1264, 229-237)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277, 923-937)。多数の米国特許は、そのような結合物の調製を教示し、各々が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,828,979;4,948,882;5,218,105;5,525,465;5,541,313;5,545,730;5,552,538;5,578,717;5,580,731;5,580,731;5,591,584;5,109,124;5,118,802;5,138,045;5,414,077;5,486,603;5,512,439;5,578,718;5,608,046;4,587,044;4,605,735;4,667,025;4,762,779;4,789,737;4,824,941;4,835,263;4,876,335;4,904,582;4,958,013;5,082,830;5,112,963;5,214,136;5,082,830;5,112,963;5,214,136;5,245,022;5,254,469;5,258,506;5,262,536;5,272,250;5,292,873;5,317,098;5,371,241;5,391,723;5,416,203;5,451,463;5,510,475;5,512,667;5,514,785;5,565,552;5,567,810;5,574,142;5,585,481;5,587,371;5,595,726;5,597,696;5,599,923;5,599,928および5,688,941号を含むが、これらに限定されない。
【0040】
ワトソン-クリック相互作用は、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド置換物のワトソン-クリック面との少なくとも1つの相互作用である。ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド置換物のワトソン-クリック面は、プリンに基づいたヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド置換物のC2、NlおよびC6位、ならびにピリミジンに基づいたヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド置換物のC2、N3、C4位を含む。
【0041】
フーグスティーン相互作用は、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログのフーグスティーン面上で起こる相互作用であり、二重鎖DNAの主溝において露出される。フーグスティーン面は、プリンヌクレオチドのC6位でN7位および反応基(NH2またはO)を含む。
【0042】
b)配列
SEQ ID NO:1に示された特定の1つの配列は、開示されたプライマーの例として本明細書において使用される。SEQ ID NO:2に示された特定の1つの配列は付加的な開示されたプライマーの例である。SEQ ID NO:3に示された特定の1つの配列は開示されたプローブの例である。プライマーおよび/またはプローブは、本明細書において開示された情報を与えられたpsaA配列に対して特異的になるように設計することができる。本明細書において開示された任意の他のタンパク質と同様に、Genbankで開示されたタンパク質に関する様々な配列、例えばpsaAがあり、これらの配列および他の配列は、そこに含まれる個々の部分配列と同様に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0043】
様々な配列は本明細書において提供され、これらおよび他の配列はwww.pubmed.govでGenbank中に見出すことができる。当業者は、配列の不一致および差異を解決する方法、ならびに特定の配列に関する組成物および方法を他の関連する配列に適合させる方法を理解する。プライマーおよび/またはプローブは、本明細書において開示され、かつ当技術分野において公知の情報を与えられた任意の配列に対して設計することができる。
【0044】
c)プライマーおよびプローブ
プライマーおよびプローブを含む組成物が開示され、それらは本明細書において開示されたpsaA遺伝子と相互作用することができる。特定の態様では、プライマーはDNA増幅反応を支援するために使用される。典型的には、プライマーは配列特異的な様式で伸長できるであろう。配列特異的様式のプライマーの伸長は、プライマーがハイブリダイズされるかさもなくば結合される核酸分子の配列および/または組成物が、プライマーの伸長により生成された生成物の組成物もしくは配列を、方向付けるかまたはそれに影響を与える任意の方法を含む。したがって、配列特異的な様式によるプライマー伸長は、PCR、DNA配列決定、DNA伸長、DNA重合、RNA転写、または逆転写を含むが、それらに限定されない。配列特異的な様式でプライマーを増幅する技術および条件が好ましい。特定の態様では、プライマーは、PCRまたは直接配列決定などのDNA増幅反応に使用される。特定の態様では、非酵素的手法を使用してプライマーを伸長することもまた可能であり、その場合例えば、それらが化学的に反応し、配列特異的様式でプライマーを伸長するように、プライマー伸長用に使用されるヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは修飾されることが理解される。典型的には、開示されたプライマーはpsaA遺伝子またはpsaA遺伝子領域とハイブリダイズするか、またはそれらはpsaA遺伝子の相補体もしくはpsaA遺伝子領域の相補体とハイブリダイズする。
【0045】
特定の態様におけるpsaA遺伝子との相互作用のためのプライマーまたはプローブのサイズは、DNA増幅などのプライマーの所望の酵素的操作、またはプローブもしくはプライマーの単純なハイブリダイゼーションを支援する任意のサイズになり得る。典型的なpsaAプライマーまたはプローブは、少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長であろう。
【0046】
他の態様では、psaAプライマーまたはプローブは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長以下であり得る。
【0047】
特定の態様では、psaA遺伝子との最も近い相互作用点が、SEQ ID NO:3の最も外側に定義するヌクレオチドの0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26または27ヌクレオチド以内である外部プライマーであるように、プライマーおよびプローブは設計される。
【0048】
例えば、SEQ ID NO:4(GenBankアクセッション番号U53509)に示されたpsaA遺伝子に関して、psaA遺伝子との最も近い相互作用点が、それぞれSEQ ID NO:4の217位および254位で生じる外部プライマーであるように、プライマーまたはプローブの特定の態様は設計されるであろう。
【0049】
psaA遺伝子のためのプライマーは、典型的には、SEQ ID NO:4の166位および280位間のpsaA遺伝子の領域を含む、増幅されたDNA生成物を生成するために使用されるであろう。一般に典型的には、生成物のサイズは3または2または1ヌクレオチド内のサイズに正確に決定することができるようになるだろう。
【0050】
特定の態様では、この生成物は少なくとも30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、または114ヌクレオチド長である。
【0051】
他の態様では、生成物は30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、または114ヌクレオチド長以下である。
【0052】
SEQ ID NO:1、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で

またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドであるセンスプライマーも開示され、オリゴヌクレオチドは連続した15〜30のヌクレオチドである。
【0053】
SEQ ID NO:2の少なくとも連続した15ヌクレオチドまたはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で

;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドであるアンチセンスプライマーも開示され、オリゴヌクレオチドは連続した15〜30のヌクレオチドである。
【0054】
SEQ ID NO:3の少なくとも連続した20ヌクレオチドまたはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で

;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドである非縮重プローブも開示される。

を含むオリゴヌクレオチドである非縮重プローブも開示され、配列中Xは蛍光団であり、Yは1つまたは複数のリン酸基であり、「T」はダーククエンチャーを有するチミンまたはチミンに結合されたアクセプター色素である。
【0055】
いくつかの態様では、蛍光団は、カルボキシフルオレセイン(HEX)、Fam、Joe、6-カルボキシ-X-ローダミン(Rox)、テキサスレッドまたはCy 5であり得る。
【0056】
いくつかの態様では、1、2、3、4、5、6または7つのリン酸基をプローブの3'末端に付けることもできる。
【0057】
いくつかの態様では、プローブの「T」残基に結合されたダーククエンチャーは、aminolink修飾されたdTを介して、ブラックホールクエンチャー(BHQ1-dT)、Dabcyl-dT(Glen Research)またはQSY7(Molecular probes)であり得る。
【0058】
d)機能的核酸
機能的核酸は、標的分子を結合するかまたは特異的反応を触媒するような特異的機能を有する核酸分子である。機能的核酸分子は以下のカテゴリーに分類することができ、限定することを意味しない。例えば、機能的核酸はアンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成分子および外部ガイド配列を含む。機能的核酸分子は標的分子が有する特異的活性の作用因子、抑制因子、修飾因子および刺激因子として作用することができるか、または機能的核酸分子は、任意の他の分子に非依存的にデノボ活性を有することができる。
【0059】
機能的核酸分子は、DNA、RNA、ポリペプチドまたは糖鎖など任意の高分子と相互作用することができる。したがって、機能的核酸は、psaAのmRNA(例えばSEQ ID NO:4によってコードされるmRNA)、もしくはpsaAのゲノムDNA(例えばSEQ ID NO:4)と相互作用することができるか、またはそれらは、SEQ ID NO:4によってコードされるポリペプチドPsaAと相互作用することができる。しばしば、機能的核酸は、標的分子と機能的核酸分子間の配列相同性に基づいて他の核酸と相互作用するように設計される。他の状況において、機能的核酸分子と標的分子間の特異的認識は、機能的核酸分子と標的分子間の配列相同性に基づかないが、むしろ特異的認識を可能とする三次構造の形成に基づく。
【0060】
アンチセンス分子は、標準または非標準塩基対合のいずれかによって標的核酸分子と相互作用するように設計される。アンチセンス分子および標的分子の相互作用は、例えばRNAseH仲介RNA-DNAハイブリッド分解によって標的分子の破壊を促進するように設計される。または、アンチセンス分子は、転写または複製などの標的分子で通常に起こるプロセッシング機能を妨げるように設計される。アンチセンス分子は標的分子の配列に基づいて設計することができる。標的分子の最も接近しやすい領域を見つけることによる、アンチセンス効率最適化のための多数の方法が存在する。例示的な方法は、インビトロ選択実験、ならびにDMSおよびDEPCを用いたDNA修飾研究であるだろう。アンチセンス分子が標的分子に10-6、10-8、10-10または10-12以下の解離定数(kd)で結合することが好ましい。アンチセンス分子の設計および使用を補助する方法ならびに技術の代表的な試料は、以下の米国特許の非制限リストに見出すことができる:5,135,917、5,294,533、5,627,158、5,641,754、5,691,317、5,780,607、5,786,138、5,849,903、5,856,103、5,919,772、5,955,590、5,990,088、5,994,320、5,998,602、6,005,095、6,007,995、6,013,522、6,017,898、6,018,042、6,025,198、6,033,910、6,040,296、6,046,004、6,046,319および6,057,437。
【0061】
アプタマーは、標的分子と好ましくは特異的な方法で、相互作用する分子である。典型的には、アプタマーは、ステムループまたはG-カルテットなど、定義された二次および三次構造へ折りたたまれる15〜50の塩基長に及ぶ短い核酸である。アプタマーは、逆転写酵素(米国特許第5,786,462号)およびトロンビン(米国特許第5,543,293号)などの巨大分子と同様に、ATP(米国特許第5,631,146号)およびテオフィリン(米国特許第5,580,737号)などの小分子も結合することができる。アプタマーは、10-12M未満の標的分子のkd値で非常に強く結合することができる。アプタマーが標的分子に10-6、10-8、10-10または10-12未満のkd値で結合することが好ましい。アプタマーは標的分子を非常に高い特異性で結合することができる。例えば、標的分子と、分子上の一つの位置でのみ異なる他の分子の間の結合親和性において10000倍以上の差のあるアプタマーが単離されている(米国特許第5,543,293号)。アプタマーは、バックグラウンドの結合分子に対するkd値より、少なくとも10、100、1000、10,000、または100,000倍低い標的分子に対するkd値を有することが好ましい。例えばポリペプチドに対して比較を行う場合、バックグラウンド分子は異なるポリペプチドであることが好ましい。例えば、psaAアプタマーの特異性を決定する場合、バックグラウンドタンパク質はGADPHであり得る。様々な異なる標的分子を結合するアプタマーの作製および使用法の代表的な例は、以下の米国特許の非限定リストに見出すことができる:5,476,766、5,503,978、5,631,146、5,731,424、5,780,228、5,792,613、5,795,721、5,846,713、5,858,660、5,861,254、5,864,026、5,869,641、5,958,691、6,001,988、6,011,020、6,013,443、6,020,130、6,028,186、6,030,776、および6,051,698。
【0062】
リボザイムは、分子内または分子間のいずれかで化学反応を触媒することができる核酸分子である。したがってリボザイムは触媒核酸である。リボザイムは分子間反応を触媒することが好ましい。ハンマーヘッド型リボザイム(例えば以下の米国特許があるが、それらに限定されない:5,334,711、5,436,330、5,616,466、5,633,133、5,646,020、5,652,094、5,712,384、5,770,715、5,856,463、5,861,288、5,891,683、5,891,684、5,985,621、5,989,908、5,998,193、5,998,203、Ludwig and SproatによるWO 9858058、Ludwig and SproatによるWO 9858057、およびLudwig and SproatによるWO 9718312)、ヘアピン型リボザイム(例えば以下の米国特許があるが、それらに限定されない:5,631,115、5,646,031、5,683,902、5,712,384、5,856,188、5,866,701、5,869,339、および6,022,962)、およびテトラヒメナリボザイム(例えば以下の米国特許があるが、それらに限定されない:5,595,873および5,652,107)などの天然系で見出されたリボザイムに基づく、ヌクレアーゼ反応または核酸ポリメラーゼ型反応を触媒する多くの異なる型のリボザイムがある。天然系で見出されないが、デノボに特異的反応を触媒するために操作された多くのリボザイムもある(例えば以下の米国特許があるが、それらに限定されない:5,580,967、5,688,670、5,807,718、および5,910,408)。好ましいリボザイムはRNAまたはDNA基質を切断し、より好ましくはRNA基質を切断する。典型的にはリボザイムは、後に切断する標的基質の認識および結合によって核酸基質を切断する。この認識はしばしば大半は標準または非標準塩基対相互作用に基づく。この特性は、標的基質の認識が標的基質配列に基づくため、リボザイムを特に標的特異的な核酸切断のためのよい候補とする。様々な異なる反応を触媒するリボザイムの作製および使用法の代表的な例は、以下の米国特許の非限定リストに見出すことができる:5,646,042、5,693,535、5,731,295、5,811,300、5,837,855、5,869,253、5,877,021、5,877,022、5,972,699、5,972,704、5,989,906、および6,017,756。
【0063】
三重鎖形成機能的核酸分子は、二本鎖または一本鎖核酸のいずれかと相互作用することができる分子である。三重鎖分子が標的領域と相互作用する場合、三重鎖と呼ばれる構造が形成され、その中にはワトソン-クリックおよびフーグスティーン塩基対合の両方に依存する複合体を形成する3つのDNA鎖がある。三重鎖分子は標的領域に高い親和性および特異性で結合することができるため、好ましい。三重鎖形成分子は標的分子に10-6、10-8、10-10、または10-12未満のkd値で結合することが好ましい。様々な異なる標的分子を結合する三重鎖形成分子の作製および使用法の代表的な例は、以下の米国特許の非限定リストに見出すことができる:5,176,996、5,645,985、5,650,316、5,683,874、5,693,773、5,834,185、5,869,246、5,874,566、および5,962,426。
【0064】
外部ガイド配列(EGS)は複合体を形成する標的核酸分子を結合する分子であり、この複合体はRNasePにより認識され、標的分子を切断する。EGSは、選択したRNA分子を特異的に標的とするように設計することができる。RNAsePは細胞の中で転移RNA(tRNA)をプロセッシングすることを補助する。標的RNA:EGS複合体が天然tRNA基質を模倣するように導くEGSの使用により、バクテリアRNAsePを、実質的に任意のRNA配列を切断するように動員することが可能である。(YaleによるWO 92/03566、およびForster and Altman, Science 238:407-409 (1990))。
【0065】
同様に、真核生物のEGS/RNAsePに指令されたRNAの切断を、真核生物細胞内の所望の標的を切断するために利用することができる。(Yuan et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:8006-8010 (1992);YaleによるWO 93/22434;Yale によるWO 95/24489;Yuan and Altman, EMBO J 14: 159-168 (1995)、およびCarrara et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 92:2627-2631 (1995))。様々な異なる標的分子の切断を促進するEGS分子の作製および使用法の代表的な例は以下の米国特許の非制限リストに見出すことができる:5,168,053、5,624,824、5,683,873、5,728,521、5,869,248、および5,877,162。
【0066】
4.ペプチド
a)タンパク質変異体
本明細書において考察されるように、公知であり、かつ本明細書において検討されるPsaAタンパク質変異体を含む異なる肺炎連鎖球菌血清型がある。本明細書において開示された方法は、肺炎連鎖球菌血清型すべての検出という長所を有する。
【0067】
5.チップおよびマイクロアレイ
少なくとも1つのアドレスは、本明細書において開示された核酸配列のうちのいずれかに示された配列または配列の一部であるチップが開示される。少なくとも1つのアドレスは、本明細書において開示されたペプチド配列のうちのいずれかに示された配列または配列の部分であるチップも開示される。
【0068】
少なくとも1つのアドレスは、本明細書において開示された核酸配列のうちのいずれかに示された配列または配列の一部の変異体であるチップも開示される。少なくとも1つのアドレスは、本明細書において開示されたペプチド配列のうちのいずれかに示された配列または配列の部分の変異体であるチップも開示される。
【0069】
6.コンピューター読取り可能な媒体
開示された核酸およびタンパク質は、アミノ酸のヌクレオチドからなる配列として表わせることが理解される。これらの配列を表示する様々な方法があり、例えばヌクレオチドのグアノシンはGまたはgにより表わすことができる。同様に、アミノ酸のバリンはValまたはVにより表わすことができる。様々な方法のうちのいずれかによって、任意の核酸またはタンパク質の配列を表示し、かつ表す方法が存在し、その各々は本明細書において開示され考慮されることを当業者は理解する。具体的には、市販のフロッピーディスク、テープ、チップ、ハードドライブ、コンパクトディスク、およびビデオディスク、または他のコンピューター読取り可能な媒体のようなコンピューター読取り可能な媒体上での、これらの配列の表示が本明細書において検討される。開示された配列の2進コード表示も開示される。当業者は、コンピューター判読可能な媒体が何であるかを理解する。したがって、核酸またはタンパク質配列が記録、記憶、または保存されるコンピューター読取り可能な媒体である。
【0070】
本明細書において示された配列に関する配列および情報を含む、コンピューター読取り可能な媒体が開示される。本明細書において示された配列に関する配列および情報を含む、コンピューター読取り可能な媒体も開示される。
【0071】
7.キット
本明細書において開示された方法の実行に使用できる試薬を含むキットが本明細書において開示される。キットは本明細書において考察された任意の試薬もしくは試薬の組み合わせも含むことができるか、または開示された方法の実行において必要または有益と理解されるであろう。例えばキットは、意図されるプライマーの使用に必要な緩衝液および酵素と同様に、方法の特定の態様で議論された増幅反応を実行するためのプライマーを含むことができるであろう。例えば、センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブを含む、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含むキットが開示される。例えばキットは、肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を検出することができる。
【0072】
センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブ含む試薬を含む、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のためのキットも開示され、センスプライマーは、SEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:5;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドであり、ここでオリゴヌクレオチドは連続した15〜30ヌクレオチドであり、およびアンチセンスプライマーは、SEQ ID NO:2の少なくとも連続した15ヌクレオチド、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:6;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドであり、ここでオリゴヌクレオチドは連続した15〜30ヌクレオチドであり、および非縮重プローブは、SEQ ID NO:3の少なくとも連続した20ヌクレオチド、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:7;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドである。開示されたキットは、本明細書において定義されるようなプローブのうちのいずれか、例えばプローブの5'末端に結合された蛍光団を有するプローブを含むことができ、少なくとも1つのリン酸基はプローブの3'末端に結合され、ダーククエンチャーはプローブの「T」残基に結合される。
【0073】
センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブ含む、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含むキットも開示され、センスプライマーはSEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:5;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドであり、オリゴヌクレオチドは連続した15〜30のヌクレオチドである。
【0074】
センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブを含む、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含むキットも開示され、アンチセンスプライマーはSEQ ID NO:2の少なくとも連続した15ヌクレオチドまたはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:6;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドである。
【0075】
センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブを含む、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含むキットも開示され、非縮重プローブはSEQ ID NO:3の少なくとも連続した20ヌクレオチドまたはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:7;またはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含むオリゴヌクレオチドである。開示されたキットは、本明細書において定義されるようなプローブのうちのいずれか、例えばプローブの5'末端に結合された蛍光団を有するプローブを含むことができ、少なくとも1つのリン酸基がプローブの3'末端に結合され、ダーククエンチャーはプローブの「T」残基に結合される。
【0076】
8.同様の機能を有する組成物
本明細書において開示された組成物は、DNA合成のプライミングまたはpsaA結合のような特定の機能を有することが理解される。開示された機能の実行のための、特定の構造的な必要条件が本明細書において開示され、開示された構造に関連する同様な機能を実行することができる様々な構造があること、およびこれらの構造が最終的には同様な結果、例えばDNA合成のプライミングまたはpsaAの結合を達成することが理解される。
【0077】
C.組成物を作製する方法
本明細書において開示された組成物および開示された方法を実行するのに必要な組成物は、具体的な言及がない限り、特定の試薬または化合物について当業者に公知の任意の方法を使用して作製することができる。
【0078】
1.核酸合成
例えば、プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドのような核酸は、標準の化学合成方法を使用して作製することが可能であるか、または酵素法もしくは任意の他の公知の方法を使用して生成することが可能である。そのような方法は、標準の酵素消化およびその後のヌクレオチド断片の単離(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1989) Chapters 5, 6を参照されたい)から、純粋な合成法、例えばMilligenまたはBeckman Systeml Plus DNA合成装置を使用するシアノエチル・フォスフォアミダイト方法(例えば、Model 8700 automated synthesizer of Milligen- Biosearch, Burlington, MAまたはABI Model 380B)によるものまでわたることができる。オリゴヌクレオチドの作製に役立つ合成法も、Ikuta et al., Ann. Rev. Biochem. 53:323-356 (1984)、(ホスホトリエステルおよびフォスファイトトリエステル法)、およびNarang et al., Methods Enzymol., 65:610-620 (1980)、(フォスフォトリエステル法)によって記述される。タンパク質核酸分子は、Nielsen et al., Bioconjug, Chem. 5:3-7 (1994)によって記述されたものなどの公知の方法を使用して作製することができる。
【0079】
2.組成物を作製する過程
組成物に結びつく中間物を作製する過程と同様に、組成物を作製する過程が開示される。例えば、SEQ ID NO:1、2および3の核酸が開示される。
【0080】
合成化学的方法および標準的な分子生物学的方法など、これらの組成物の作製のために使用することができる様々な方法がある。これらおよび他の開示された組成物を作製する方法が具体的に開示されることが理解される。
【0081】
SEQ ID NO:1、2および3に示された配列に対して少なくとも80%の同一性を有する配列、ならびに核酸の発現を制御する配列を含む核酸分子を、操作可能な手法で結合する段階を含む過程により生成された核酸分子も開示される。
【0082】
SEQ ID NO:3を含む核酸分子を5'末端側で蛍光団に、操作可能な方法で結合する段階を含む過程により生成された核酸分子も開示される。
【0083】
SEQ ID NO:3を含む核酸分子を3'末端側でリン酸部分に、操作可能な方法で結合する段階を含む過程により生成された核酸分子も開示される。
【0084】
SEQ ID NO:3

を含む核酸分子をSEQ ID NO:3の内部「T」残基上でダーククエンチャーに、操作可能な方法で結合する段階を含む過程により生成された核酸分子も開示される。ダーククエンチャー分子はアミノ結合によりプローブに結合することができるが、内部「T」残基にダーククエンチャーを結合する任意の標準的な方法も、この方法において使用することができる。
【0085】
D.組成物を使用する方法
1.研究ツールとして組成物を使用する方法
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、様々な方法で使用することができる。例えばSEQ ID NO:1、2および3などの開示された組成物は、psaA遺伝子の存在を検出するために、単独または組み合わせのいずれかで使用することができる。
【0086】
組成物は単独または組み合わせのいずれかで、肺炎連鎖球菌血清型、例えば肺炎連鎖球菌感染を検出するためにも使用することができる。
【0087】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、真の肺炎連鎖球菌種と肺炎双球菌様緑色連鎖球菌種を区別するためにも使用することができる。
【0088】
肺炎双球菌様緑色連鎖球菌種は以下を含む:S.シュードニューモニエ(S. pseudopneumoniae)、S.ミティス(S. mitis)、S.オラリス(S. oralis)、S.サンギニス(S. sanguinis)、S.パラサンギニス(S. parasanguinis)、S.ペロリス(S. peroris)、S.インファンティス(S. infantis)、S.ゴルドニ(S. gordonii)、S.クリスタツス(S. cristatus)、S.サリバリウス(S. salivarius)、S.ヴェスティブラリス(S. vestibularis)、S.オーストラリス(S. australis)、S.シネンシス(S. sinensis)、S.オリゴファーメンタンス(S. oligofermentans)、S.インテスティナリス(S. intestinalis);およびS.ピオジェネス(S. pyogenes)、S.アガラクティエ(S. agalactiae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ドロシグラヌラム-ピグラム(Dolosigranulum pigrum)、エンテロコッカス-フェカリス(Enterococcus faecalis)、および大腸菌(Escherichia coli)などの他の上気道生物。
【0089】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、一塩基変異多型を単離または同定する任意の公知の方法においても使用することができる。組成物は、例えば開示された組成物に関する同系性の研究または分子モデリング分析の実行のために、開示された組成物のコンピューター読取り可能な態様を使用する任意の公知の方法においても使用することができる。
【0090】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行なうのため組成物としても使用することができる。
【0091】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、リアルタイムPCR反応を行なうのため組成物としても使用することができる。
【0092】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、肺炎双球菌様緑色連鎖球菌種からの真の肺炎連鎖球菌の存在を差次的に検出するためにも使用することができる。
【0093】
a)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
PCR技術は、微量の標的核酸の増幅およびその後の検出を可能にする。PCRの詳細は、例えばMullis et al.に対する米国特許第4,683,195号、Mullisに対する第4,683,202号、およびMullis et al.に対する第4,965,188号を含めて、当技術分野において十分に記述される。一般に、オリゴヌクレオチドプライマーは標的核酸の変性した鎖へアニールされ、プライマー伸長生成物はポリメラーゼによるデオキシヌクレオシド三リン酸の重合により形成される。典型的なPCR法は、テンプレート核酸の変性、プライマーのアニーリング、および耐熱性ポリメラーゼ作用によるアニールされたプライマーの伸長の反復サイクルを含む。その過程は標的核酸の指数関数的な増幅をもたらし、それにより試料中の非常に低濃度で存在する標的の検出を可能にする。PCRは、生物工学研究、臨床診断および法医学を含む様々な応用で広く使用される。
【0094】
b)リアルタイムPCR
本発明を実行する際に、Perkin Elmer Applied Biosystems (1999)により出版された「Quantitation of DNA/RNA Using Real-Time PCR Detection」と題するPCR技術の一般的な総説および注釈、ならびにPCRプロトコール(Academic Press New York, 1989)を任意で参照してもよい。
【0095】
リアルタイムPCRは、エンドポイント検出に対立するものとして、各PCRサイクルの間に(すなわちリアルタイムで)、アンプリコン生産の指標として反応の間に発光された蛍光をモニターする(例えば、図1;Higuchi, 1992;Higuchi, 1993を参照されたい)。反応のリアルタイム進行はいくつかのシステムで観察することができる。
【0096】
リアルタイムPCRシステムは蛍光性レポーターの検出に基づく(Lee, 1993;Livak, 1995)。このシグナルは反応中、PCR生成物量に正比例して増加する。各サイクルで蛍光発光の量を記録することにより、指数関数的フェーズの間にPCR反応をモニターすることは可能であり、ここでPCR生成物量の最初の有意な増加は標的テンプレートの初期量と相関する。核酸標的の開始時のコピー数が高いほど、蛍光の有意な増加は、より早く観察される。
【0097】
固定蛍光閾値は、操作者により変更することができるベースラインより、有意に上に設定される。パラメーターCT(閾値サイクル)は、蛍光発光が固定閾値を越えるサイクル数として定義される。
【0098】
DNA増幅のための3つの主要な蛍光モニタリングシステムがある(Wittwer, 1997(a)):(1)加水分解プローブ;(2)ハイブリダイズするプローブ(蛍光モニタリングシステムのその教示のために参照により本明細書に組み入れらた、Hybridisation Probe Chemistryを参照されたい);および(3)DNA結合剤(DNA結合剤のそれらの教示のために本明細書に組み入れられた、Wittwer, 1997; van der Velden, 2003)。加水分解プローブは、TaqMan(商標)プローブ(加水分解プローブのその教示のために参照により本明細書に組み入れられた、Heid et al, 1996)、分子ビーコン(分子ビーコンのそれらの教示のために参照により本明細書に組み入れられた、Mhlanga, 2001;Vet, 2002; Abravaya, 2003; Tan, 2004; Vet & Marras, 2005)、およびスコーピオン(スコーピオンのそれらの教示のために参照により本明細書に組み入れられた、Saha, 2001; Solinas, 2001; Terry, 2002)を含む。それらは、cDNA試料中の標的配列量を測定するために、Taqポリメラーゼの蛍光発生5'エキソヌクレアーゼ活性を使用する(発光プローブのその教示ために参照により本明細書に組み入れられた、Svanvik, 2000も参照されたい)。
【0099】
通常は5'塩基で蛍光色素、および典型的に3'塩基でクエンチング色素を含むTaqMan(商標)プローブは、プライマーより長いオリゴヌクレオチドである(10℃高いTm値で20〜30塩基長)。照射された時、励起蛍光色素は近くのクエンチング色素分子にエネルギーを転移する(これはFRET=Forsterまたは蛍光共鳴エネルギー転移と呼ばれる)(Hiyoshi, 1994; Chen, 1997)。したがってプローブが無傷である間は、レポーターおよびクエンチャーの隣接は、いかなる蛍光の検出も防ぐ。TaqMan(商標)プローブはPCR生成物の内部領域にアニールするように設計される。ポリメラーゼが、TaqMan(商標)プローブが結合されたテンプレートを複製する場合、ポリメラーゼの5'エキソヌクレアーゼ活性によりこのプローブが切断される(Holland, 1991)。クエンチャー活性(FRETはない)およびレポーター色素が、各サイクルにおいてプローブ切断の割合に比例して増加する蛍光を発光し始めるようになる。PCR生成物の蓄積はレポーター色素の蛍光の増加のモニターにより検出される(プライマーが標識されないことに留意されたい)。TaqMan(商標)アッセイは普遍的な熱サイクルパラメーターおよびPCR反応条件を使用する。プローブが標的にハイブリダイズする場合にのみ切断が生じるので、検出された蛍光の由来は特異的増幅である。ハイブリダイゼーションおよび切断の過程は生成物の指数関数的蓄積を妨害しない。蛍光プローブのための特異的な1つの必要条件は、5'末端においてGがないことである。レポーター色素に隣接している「G」は、切断後でさえレポーター蛍光をクエンチングすることができる。
【0100】
分子ビーコンも、いずれかの末端で蛍光色素(FAM、TAMRA、TET、ROX)およびクエンチング色素(典型的にはDABCYL)を含むが、溶液中に遊離している間にFRETが生じるために、ヘアピン構造を適合し、蛍光色素およびクエンチャーが非常に隣接するように設計される。それらには非常に安定したハイブリッドまたはステムを形成する相補的な配列を有する2つのアームを有する。このヘアピン立体配置における、レポーターおよびクエンチャーの隣接は、レポーター蛍光を抑制する。アニーリング工程の間にビーコンが標的にハイブリダイズする場合、レポーター色素はクエンチャーから分離され、レポーターは蛍光を発する(FRETは生じない)。分子ビーコンはPCRの間はそのままで、蛍光発光のためのすべてのサイクルで標的に再結合しなければならない。これは利用可能なPCR生成物量に相関するであろう。プラットフォームが融解曲線分析に適する限り、すべてのリアルタイムPCRケミストリーは、スペクトル特有の蛍光/クエンチ対を備えた各プローブ/ビーコンの設計により、複数のDNA種(多重化)の検出を可能にする。多重化により、標的および内在性対照を、単一チューブ内で増幅することができる。例については、Bernard, 1998;Vet, 1999;Lee, 1999;Donohoe, 2000;Read, 2001;Grace, 2003;Vrettou, 2004;Rickert, 2004を参照されたい。
【0101】
スコーピオンプローブで、配列特異的なプライミングおよびPCR生成物検出は単一のオリゴヌクレオチドの使用で達成される。スコーピオンプローブはハイブリダイズしない状態においてはステムループ立体配置を維持する。蛍光団は5'末端に結合されており、3'末端に連結された部分によりクエンチングされる。ステムの3'部分は、プライマーの伸長生成物に相補的な配列も含む。この配列は増幅不能モノマーを介して特異的プライマーの5'末端に結合される。スコーピオンプライマーの伸長後、特異的プローブ配列は伸長したアンプリコン内のその相補物に結合することができ、したがってヘアピンループを開く。これは蛍光のクエンチングを妨げ、シグナルが観察される。
【0102】
他の代替物は二本鎖DNA結合色素ケミストリーであり、配列非特異的な蛍光挿入剤(SYBRグリーンIまたは臭化エチジウム)の使用により、アンプリコン産生(非特異的増幅およびプライマー二量体複合体を含む)を定量する。それはssDNAに結合しない。SYBRグリーンは溶液中に存在する場合蛍光をほとんど示さないが、二本鎖DNAへの結合に際して強い蛍光シグナルを発するマイナーグルーブ結合蛍光発生色素である(Morrison, 1998)。SYBRグリーンに基づいたリアルタイムPCRの短所は、広範囲な最適化の必要性を含む。さらに、非特異的増幅は、アンプリコン同定のための追加アッセイ(融点曲線または解離分析)を必要とする(Ririe, 1997)。この方法はHFE-C282Y遺伝子型決定において使用された(Donohoe, 2000)。他の制御可能な問題は、より長いアンプリコンがより強いシグナを生成するということである(他の要因と組み合わされた場合、これはCCDカメラ飽和を引き起こすかもしれない、以下を参照されたい)。SYBRグリーンは通常、シングルプレックス反応において使用されるが、融点分析組み合わせた場合、多重反応に使用することができる(Siraj, 2002)。
【0103】
閾値サイクルまたはCT値は、ΔRnの有意な増加が最初に検出されるサイクルである(ΔRnの定義に関しては、以下を参照されたい)。閾値サイクルとは、システムが、対数線形フェーズ間にPCR生成物の指数関数的増加に関連したシグナルの増加をいつ検出し始めるかである。このフェーズは反応に関する最も有用な情報を提供する(確かにエンドポイントよりも重要である)。対数線形フェーズの勾配は増幅効率を反映する。反応の効率(Eff)は以下の式により計算することができる:Eff=10(-1/勾配)-1。PCRの効率は90〜110%(-3.6>勾配>-3.1)であるべきである。多くの変数はPCRの効率に影響し得る。これらの要因は、アンプリコンの長さ、二次構造およびプライマー品質を含んでいる。効率範囲外に入る有効データを得ることができるが、リアルタイムPCRがさらに最適化されるか、代替アンプリコンが設計されるべきである。勾配が実際の増幅の指標であるためには(シグナルドリフトよりむしろ)、変曲点がなければならない。それは対数線形フェーズが始まる時の増加曲線上の点である。それは増加曲線に沿った最も大きな変化率も表わす。(シグナルドリフトは、生成物増幅のない蛍光の漸増または漸減により特徴づけられる)。定量のための重要なパラメーターはCTである。ゲノムDNAの初期量が高いほど、蓄積された生成物はより早くPCR過程において検出され、CT値はより低い。閾値はいかなるベースライン活性より上に、および指数関数的増加フェーズ内(それは対数変換において直線状に見える)に置かれるべきである。いくつかのソフトウェアは、増加曲線の数学的分析によりサイクル閾値(CT)の決定を可能にする。これは実験毎のよりよい再現性を提供する。定量に使用されることに加えて、CT値は合格/不合格測定として定性分析に使用することができる。
【0104】
開示されたリアルタイムPCR方法のいくつかの局面では、別個の発光波長を備えた複数の色素を使用して、多重TaqMan(商標)分析をABI機器で実行することができる。この目的のために利用可能な色素はFAM、TET、VICおよびJOE(最も高価)である。TAMRAはプローブ上のクエンチャーとして、ROXは受動的参照として保留される。最良の結果のためには、FAM(標的)およびVIC(内在性対照)の組み合わせが推奨される(それらの最大発光において最も大きな差がある)が、JOEおよびVICは組み合わせられるべきでない。もし色素レイヤーが正確に選択されていなければ、機械がまだ別の色素のスペクトルを読み取るであろうことは重要である。例えば、VICおよびFAMの両方は互いに同様の範囲の蛍光を発し、単一の色素を用いる場合、ウェルは正確に標識されるべきである。多重化の場合には、実行後の分析のためのスペクトル補償が行なわれるべきである(ABI 7700:Instrument/Diagnostics/Advanced Options/Miscellaneous)。スペクトル補償の活性化は色素スペクトル分解能を改善する。
【0105】
さらに、リアルタイムPCR反応は、以下を含むがそれらに限定されない様々なプラットフォームにおいて行なうことができる:ABI 7700(ABI)、LightCycler(Roche Diagnostics)、iCycler(RioRad)、DNA Engine Opticon ContinuousFluorescence Detection System(MJ Research)、Mx400(Stratagene)、Chimaera Quantitative Detection System(Thermo Hybaid)、Rotor-Gene 3000(Corbett Research)、Smartcycler(Cepheid)またはMX3000P format(Stratagene)。
【0106】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および該増幅生成物を検出する工程;を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出される、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法が開示される。
【0107】
SEQ ID NO:1、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマー、およびSEQ ID NO:2、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程:ならびにSEQ ID NO:3、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなり、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でハイブリダイズするプローブを用いて、該増幅生成物を検出する工程;を含み、それにより肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出される、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法も開示される。
【0108】
SEQ ID NO:1、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマー、およびSEQ ID NO:2、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程:ならびにSEQ ID NO:3、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプローブを用いて、該増幅生成物を検出する工程であって、蛍光団はプローブの5'末端に結合され、少なくとも1つのリン酸基はプローブの3'末端に結合され、ダーククエンチャーはプローブの「T」残基に結合されており、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でハイブリダイズする工程;を含み、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出される、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法も開示される。
【0109】
c)生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸の定量
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、以下の工程を含む、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を定量する方法においても使用することができる:センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用してリアルタイムPCRにて肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;およびポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む非縮重プローブの使用により該増幅生成物を検出する工程;ならびに該プローブからの検出シグナルの測定、および定量化基準からの第2プローブ検出シグナルと該検出シグナルの比較により、該生物試料中の該増幅生成物を定量する工程であって、該定量化基準はセンスプローブおよび核酸基準を含む、工程。
【0110】
本明細書において記述された方法のすべてについて、生物試料は、任意の生物由来のもの、ならびに血清、末梢血、骨髄標本、包埋組織切片、凍結組織切片、細胞製剤、細胞調製物、剥離試料(例えば痰)、細針吸引物、羊膜細胞、新鮮組織、乾燥組織、および培養細胞または組織であり得るが、それらに限定されない。そのような試料は、被験体から直接得るか、商業的に得るか、他の手段を介して得ることができる。したがって本明細書において記述された発明は、ゲノムDNA、増幅されたDNA(PCR生成物など)cDNA、cRNA、制限断片または他の任意の所望の核酸試料を含む核酸試料を分析するために利用することができる。ゲノムDNAについて本明細書において記述された方法のうちの1つを実行する場合、典型的にはゲノムDNAは、DNAの粘性を低減し、プライマーまたはプローブがゲノムDNAの標的領域とより接触できる様式で処理されるであろう。そのような粘性の低減は任意の所望の方法によっても達成することが可能で、それはゲノムDNAのデオキシリボヌクレアーゼ処理または剪断など当業者に公知であり、好ましくは容易である。
【0111】
2.診断ツールとして組成物を使用する方法
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、肺炎球菌疾患などの疾患に関する診断ツールとして使用することもできる。例えばSEQ ID NO:1、2および3などの開示された組成物は、psaA遺伝子存在の検出により、肺炎球菌性肺炎を診断するために使用することができる。
【0112】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および該増幅生成物を検出する工程;を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、肺炎連鎖球菌核酸の検出は肺炎連鎖球菌感染を診断する、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法においても、開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、使用することができる。
【0113】
SEQ ID NO:1、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマー、およびSEQ ID NO:2、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程:ならびにSEQ ID NO:3、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプローブを用いて、該増幅生成物を検出する工程であって、蛍光団はプローブの5'末端に結合され、少なくとも1つのリン酸基はプローブの3'末端に結合され、ダーククエンチャーはプローブの「T」残基に結合されている工程;を含み、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、肺炎連鎖球菌核酸の検出が肺炎連鎖球菌感染を診断する、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法においても、開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、使用することができる。
【0114】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および該増幅生成物を検出する工程;を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、センスプライマーはSEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなり、肺炎連鎖球菌核酸の検出は肺炎連鎖球菌感染を診断する、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法においても、開示された組成物を使用することができる。
【0115】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用してリアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および該増幅生成物を検出する工程;を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、アンチセンスプライマーはSEQ ID NO:2またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくははそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなり、肺炎連鎖球菌核酸の検出は肺炎連鎖球菌感染を診断する、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法においても、開示された組成物を使用することができる。
【0116】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および該増幅生成物を検出する工程;を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、非縮重プローブはSEQ ID NO:3またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくははそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなり、蛍光団はプローブの5'末端に結合され、少なくとも1つのリン酸基はプローブの3'末端に結合され、ダーククエンチャーはプローブの「T」残基に結合されており、肺炎連鎖球菌核酸の検出は肺炎連鎖球菌感染を診断する、リアルタイムPCRを使用して生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法においても、開示された組成物を使用することができる。
【0117】
SEQ ID NO:1、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマー、およびSEQ ID NO:2、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくははそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することにより増幅生成物を生成する工程:ならびにSEQ ID NO:3、またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくははそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプローブを用いて、該増幅生成物を検出する工程であって、蛍光団はプローブの5'末端に結合され、少なくとも1つのリン酸基はプローブの3'末端に結合され、ダーククエンチャーはプローブの「T」残基に結合される工程;を含み、該プローブはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でハイブリダイズし、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出される、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法においても、開示された組成物を使用することができる。
【0118】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、真の肺炎連鎖球菌種のpsaA遺伝子の存在の検出によって、肺炎球菌性肺炎を診断するためにも使用することができる。真の肺炎連鎖球菌種は本明細書において別記される。
【0119】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、異なる血清型中の真の肺炎連鎖球菌種のpsaA遺伝子の存在の検出によって、肺炎球菌性肺炎を診断するためにも使用することができる。
【0120】
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、肺炎双球菌様緑色連鎖球菌種感染から真の肺炎連鎖球菌感染を差次的に診断するためにも使用することができる。
【0121】
3.マイクロアレイを使用して遺伝子発現を評価する方法
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、本明細書において考察されるように、マイクロアレイ中の試薬または既存のマイクロアレイを探索もしくは分析する試薬のいずれかとして使用することができる。
【0122】
4.チップ/マイクロアレイを使用するスクリーニングアッセイの方法
開示された組成物は、単独または組み合わせのいずれかで、本明細書において考察されるように、チップおよびマイクロアレイ中の試薬または既存のチップおよびマイクロアレイを探索もしくは分析する試薬のいずれかとして使用することができる。
【0123】
E.実施例
以下の実施例は、当業者に対して、本明細書において特許請求された化合物、組成物、製品、装置および/または方法が、どのように作製および評価されるのかについての完全な開示および記述を提供するように提出され、純粋に例示的になるように意図され、開示を限定するようには意図されない。数値(例えば量、温度など)に関して正確さを保証する努力がなされたが、ある程度の誤差および偏差は考えられるべきである。特別の指示のない限り、部分は重量による部分であり、温度は℃であるか周囲温度であり、圧力は大気圧またはその付近である。
【0124】
1.実施例1:肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の検出
a)方法
(1)プライマーおよびプローブ
肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を増幅するそれらの能力に対して、プライマーを設計および評価した。

【0125】
肺炎連鎖球菌DNAのpsaA遺伝子を増幅するプライマーの異なる組み合わせの能力を検査することによって、プライマーを評価した。
【0126】
異なる2つの以下のプローブを、肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を結合する能力に対して、設計および評価した:
プローブ1:

、XはFAMであり、Yはリン酸基であり、ROXは「T」に結合される。
プローブ2:

、XはHEXであり、Yはリン酸基であり、ROXは「T」に結合される。
【0127】
プローブ2(SEQ ID NO:3)のヌクレオチド配列は、プローブ1(SEQ ID NO:7)のヌクレオチド配列を逆向き相補に変更すること、および3'末端の最後のヌクレオチドを減じることによって設計した。
【0128】
psaA遺伝子を結合する肺炎連鎖球菌の能力を検査することによって、プローブを評価した。
【0129】
プライマーおよびプローブの組み合わせを、リアルタイムPCR反応における肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を検出するそれらの能力に対して、上に列挙した1つのフォワードプライマーおよび1つのリバースプライマーと上に列挙した2つのプローブのうちの1つを組み合わせることによって分析した。
【0130】
(2)肺炎連鎖球菌(Spn)および肺炎双球菌様緑色連鎖球菌種(P-LVS)単離菌
単離菌は連鎖球菌参照試験所より得た。検査した単離菌は以下からなっていた:40のSpn(28の異なる血清型);4の無莢膜性Spn(結膜炎発症の代表菌);51のP-LVS(S.シュードニューモニエ、S.ミティス、S.オラリス、S.サンギニス、S.パラサンギニス、S.ペロリス、S.インファンティス、S.ゴルドニ、S.クリスタツス、S.サリバリウス、S.ヴェスティブラリス、S.オーストラリス、S.シネンシス、S.オリゴファーメンタンス、S.インテスティナリス);S.ピオジェネス、S.アガラクティエ、黄色ブドウ球菌、ドロシグラヌラム-ピグラム、エンテロコッカス-フェカリス、および大腸菌などの他の上気道生物。
【0131】
株は、オプトヒン感受性検査、胆汁溶解検査およびAccuprobe [GENE-PROBE]検査により同定され特徴づけられ、かつヒツジ脱フィブリン血中で−70℃で保存された。
【0132】
(3)DNA抽出
細菌DNAを、DNeasy Tissue Kit(QIAGEN GmbH)を使用して単離菌から抽出した。
【0133】
5000×g (7500 rpm)で10分の遠心分離によって、微小遠心管中に細胞(最大2×109細胞)を採取し、次に上清を廃棄して試料を調製した。その後細菌の沈殿を、0.02g/mlのリゾチーム(Sigma)および5 U/mlのミュータノリシン(Sigma)を含む180μlの溶解緩衝液中に37℃で1時間、再懸濁した。
【0134】
25μlのプロテイナーゼKおよび200μlの緩衝液ALを試料に加え、試料を攪拌によって混合した。その後試料を70℃で30分間インキュベートした。その後200μlのエタノール(96〜100%)を試料に加えた。その後試料を攪拌によって完全に混合した。その後その混合物を、2mlの収集チューブ中に置かれたDNeasy Miniスピンカラムへ移した。その後試料を6000×g(8000rpm)で1分間遠心分離した。その後フロースルーおよび収集チューブを廃棄し、DNeasy Miniスピンカラムを新しい2mlの収集チューブに置き、500μlの緩衝液AW1を加えた。新しい混合物を6000×g(8000rpm)で1分間遠心分離した。その後再びフロースルーおよび収集チューブを廃棄し、DNeasy Miniスピンカラムを新しい2mlの収集チューブ中に置いた。500μlの緩衝液AW2を試料に加え、DNeasy膜を乾燥するために20,000×g(14,000rpm)で3分間遠心分離した。遠心分離の後、次いでフロースルーおよび収集チューブを廃棄した。DNeasy Miniスピンカラムを新しい2mlの微小遠心管中に置き、200μlの緩衝液AEをDNeasy膜上に直接加え、試料は1分間室温でインキュベートし、その後6000×g(8000rpm)で1分間遠心分離し、試料を溶出した。その後溶出工程を繰り返した。
【0135】
核酸はPCR工程まで4℃で保存した。
【0136】
(4)PCR反応
使用したPCR条件は以下のとおりであった:25μlの全容積中に、500nMのプライマー、100nMのプローブ、1×TaqMan(商標)ユニバーサルPCRマスターミックス緩衝液、および2.5μlのDNA。2.5μl容積の滅菌水をDNAの代わりに加え、テンプレート対照を調製しなかった。2.5μl容積の滅菌水をDNAの代わりに加え、テンプレート対照を調製しなかった。
【0137】
使用したサイクル条件は以下のとおりであった:95℃10分の変性を1サイクル、続いて95℃15秒の変性および60℃60秒のアンプリコン伸長を40サイクル。(熱プロフィール計画を示す図3を参照されたい)。
【0138】
(5)機械および定量化
プライマーの最適化は、SYBRグリーンを使用して、iCyclerフォーマット(BIO-RAD)で勾配溶融温度検査を使用して行なった。
【0139】
プローブはMX3000Pフォーマット(Stratagene)を使用して、定量的PCRシステムで検査した。
【0140】
リアルタイムPCR反応はすべてMX3000P機(Stratagene)を用いて行なわれ、その機械で蛍光プローブ(TaqMan(商標)プローブ)によってPCRサイクル間にシグナルを検出した。
【0141】
MX3000Pシステムはサーモサイクラーであり、その中で各ウェル(n=96)は光ファイバーに接続され、この光ファイバーはレーザーに接続された。CCDカメラは、各ウェルに対する蛍光発光を約6秒ごとに収集した。MX3000Pソフトウェアは蛍光データを分析し、試料中の標的コピー数を決定した。
【0142】
定量化はリアルタイムPCRの原理に基づいた。具体的には、PCR生成物の蓄積に関連するプローブの分解により、増幅が検出可能な時のPCRサイクルの間に、PCR生成物は特徴づけられた。(図4および5を参照されたい)。開始時の標的コピー数が高いほど、蛍光の有意な増加の検出に必要なPCRサイクルは少ない。
【0143】
リアルタイムPCRデータはサイクル閾値(Ct)値に関して定量した。Ct値は開始時のテンプレートの量に反比例する;高Ct値はpsaA遺伝子の低コピー数と相関するが、低Ct値は高レベルのpsaA遺伝子と相関する。
【0144】
試料中の標的コピーの数は、Ct値の測定および標準曲線の使用によって定量した(図4および5)。PCRが100%で作動する場合、理論上3.32サイクルが各標的の10倍増加に必要であった。
【0145】
第2パラメーター(ΔRn)は、PCRシグナルが陽性であることを確認するために使用した。ΔRnは、バックグラウンドノイズの測定蛍光および分析試料の検出蛍光の間に検出した蛍光の差であった。
【0146】
b)結果
プライマー(1Fおよび1R;それぞれSEQ ID NO:1および2)の最初のセットは、iCyclerフォーマット(BIO-RAD)においてSYBRグリーンを使用して勾配溶融温度検査下で、肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を特異的および鋭敏に同定した。
【0147】
プライマーの最適化の後、プローブは、MX3000Pフォーマット(Stratagene)を使用して定量的PCRシステムで検査した。
【0148】
2.実施例2:方法の特異性
患者の標本から生物単離物を得る際の困難さだけではなく、肺炎球菌様緑色連鎖球菌種(P-LVS)を肺炎連鎖球菌(Spn)として誤同定することによっても、正確な肺炎球菌疾患の診断は頻繁に妨げられた。検討される標本が呼吸器系部位から来る場合、これは特に重大である。
【0149】
ここに、公開されているPCR手順に類似しない、psaA、lytAおよびply遺伝子の特異的配列領域の検出に対して設計した3つのリアルタイムPCR分析が開発された;以前に開発されたlytAおよびply(それぞれ、McAlvin et al.およびCorless et
al.)のための他の2つのアッセイも評価した。
【0150】
a)方法
(1)プライマーおよびプローブ
実施例1に記述されるように、psaAに特異的なプライマーおよびプローブを同定した。
【0151】
肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を検出するためのリアルタイムPCR反応で使用されるプライマーは、以下の配列を含んでいた。

【0152】
肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子を検出するためのリアルタイムPCR反応で使用されるプローブは、以下の配列を有した:
プローブ2:

、XはHEXであり、Yはリン酸基であり、ROXは「T」に結合される。
【0153】
この研究のための生成したplyおよびlytAのためのプライマーおよびプローブの配列と同様に、これらの2つの遺伝子のためのプライマーおよびプローブは、以前に記述され、参照により本明細書に組み入れられるように(それぞれ、McAlvin et al. およびCorless et al.)、lytAおよびplyのためのプライマーおよびプローブの配列と一致するようにも生成される。
【0154】
(2)肺炎連鎖球菌(Spn)および肺炎双球菌様緑色連鎖球菌種(P-LVS)単離菌
単離菌は連鎖球菌参照試験所より得た。検査した単離菌は以下からなっていた:40のSpn(28の異なる血清型);4の無莢膜性Spn(結膜炎発症の代表菌);51のP-LVS(S.シュードニューモニエ、S.ミティス、S.オラリス、S.サンギニス、S.パラサンギニス、S.ペロリス、S.インファンティス、S.ゴルドニ、S.クリスタツス、S.サリバリウス、S.ヴェスティブラリス、S.オーストラリス、S.シネンシス、S.オリゴファーメンタンス、S.インテスティナリス);S.ピオジェネス、S.アガラクティエ、黄色ブドウ球菌、ドロシグラヌラム-ピグラム、エンテロコッカス-フェカリス、および大腸菌などの他の上気道生物。
【0155】
株は、オプトヒン感受性検査、胆汁溶解検査およびAccuprobe [GENE-PROBE]検査により同定され特徴づけられ、かつヒツジ脱フィブリン血中で−70℃で保存された。
【0156】
P-LVS単離菌はすべてDNA/DNA再会合により非Spnとして確認された。
【0157】
(3)DNA抽出
細菌DNAを、DNeasy Tissue Kit(QIAGEN)を使用して単離菌から抽出した。
【0158】
5000×g(7500 rpm)で10分の遠心分離によって、微小遠心管中に細胞(最大2×109細胞)を採取し、次に上清を廃棄して試料を調製した。その後細菌の沈殿を、0.02g/mlのリゾチーム(Sigma)および5 U/mlのミュータノリシン(Sigma)を含む180μlの溶解緩衝液中に37℃で1時間、再懸濁した。
【0159】
25μlのプロテイナーゼKおよび200μlの緩衝液ALを試料に加え、試料を攪拌によって混合した。その後試料を70℃で30分間インキュベートした。その後200μlのエタノール(96〜100%)を試料に加えた。その後試料を攪拌によって完全に混合した。その後その混合物を、2mlの収集チューブ中に置かれたDNeasy Miniスピンカラムへ移した。その後試料を6000×g(8000rpm)で1分間遠心分離した。その後フロースルーおよび収集チューブを廃棄し、DNeasy Miniスピンカラムを新しい2mlの収集チューブに置き、500μlの緩衝液AW1を加えた。新しい混合物を6000×g(8000rpm)で1分間遠心分離した。その後再びフロースルーおよび収集チューブを廃棄し、DNeasy Miniスピンカラムを新しい2mlの収集チューブ中に置いた。500μlの緩衝液AW2を試料に加え、DNeasy膜を乾燥するために20,000×g(14,000rpm)で3分間遠心分離した。遠心分離の後に、フロースルーおよび収集チューブをその後廃棄した。DNeasy Miniスピンカラムを新しい2mlの微小遠心管中に置き、200μlの緩衝液AEをDNeasy膜上に直接加え、試料は1分間室温でインキュベートし、その後6000×g(8000rpm)で1分間遠心分離し、試料を溶出した。その後溶出工程を繰り返した。
【0160】
核酸は、実施例または上で記述したPCR工程まで4℃で保存した。
【0161】
(4)PCR反応
使用したPCR条件は以下のとおりであった:25μlの全容積中に、500nMのプライマー、100nMのプローブ、1×TaqMan(商標)ユニバーサルPCRマスターミックス緩衝液、および2.5μlのDNA。2.5μl容積の滅菌水をDNAの代わりに加え、テンプレート対照を調製しなかった。2.5μl容積の滅菌水をDNAの代わりに加え、テンプレート対照を調製しなかった。使用したサイクル条件は以下のとおりであった:95℃10分の変性を1サイクル、続いて95℃15秒の変性および60℃60秒のアンプリコン伸長を40サイクル。(図3を参照されたい)。
【0162】
(5)機械および定量化
リアルタイムPCR反応はすべてMX3000P機(Stratagene)を用いて行ない、その機械で蛍光プローブ(TaqMan(商標)プローブ)によってPCRサイクル間にシグナルを検出した。
【0163】
MX3000Pシステムはサーモサイクラーであり、その中で各ウェル(n=96)は光ファイバーに接続され、この光ファイバーはレーザーに接続された。CCDカメラは、各ウェルに対する蛍光発光を約6秒ごとに収集した。MX3000Pソフトウェアは蛍光データを分析し、試料中の標的コピー数を決定した。
【0164】
定量化はリアルタイムPCRの原理に基づいた。具体的には、PCR生成物の蓄積に関連するプローブの分解により、増幅が検出可能な時のPCRサイクルの間に、PCR生成物は特徴づけられた。(図4および5を参照されたい)。開始時の標的コピー数が高いほど、蛍光の有意な増加の検出に必要なPCRサイクルは少ない。
【0165】
リアルタイムRT-PCRデータはサイクル閾値(Ct)値に関して定量した。Ct値は開始時のテンプレートの量に反比例する;高Ct値は遺伝子発現の低レベルと相関するが、低Ct値は遺伝子発現の高レベルと相関する。
【0166】
試料中の標的コピーの数は、Ct値の測定および標準曲線の使用によって定量した(図4および5)。PCRが100%で作動する場合、理論上3.32サイクルが各標的の10倍増加に必要であった。
【0167】
第2パラメーター(ΔRn)を、PCRシグナルが陽性であることを確認するために使用した。ΔRnは、バックグラウンドノイズの測定蛍光および分析試料の検出蛍光の間に検出した蛍光の差であった。
【0168】
b)結果
検査した5つのアッセイはすべて、Spn単離菌のすべてに対して陽性で、15未満のDNAコピーを検出することができた。psaAおよびlytAを標的とする新しく開発したアッセイは、psaAアッセイに対して陽性だった1つのS.シュードニューモニエ単離菌以外は、すべての非Spn単離菌に対して陰性だった。同種類の単離菌は、McAlvinにより以前に開発されたlytA PCRアッセイに対して定義されなかった。両方のply PCRは、12の他のP-LVS単離菌と共に、S.シュードニューモニエのすべての単離菌に対して陽性だった。したがって、肺炎球菌の検出のためのply遺伝子の使用はP-LVSの誤同定に結びつく場合がある。psaAおよびlytAのための新しいアッセイは、McAlvin et al.およびCorless et al.により開発されたアッセイよりも、真のSpnの検出に対してより特異的だった。
【0169】
F.参考文献













【0170】
G.配列


【図面の簡単な説明】
【0171】
本明細書に組み入れられ一部を構成する添付の図面は、いくつかの態様を説明し、記述と共に開示された組成物および方法を説明する。
【図1】対象となる配列を検出するために、リアルタイムPCR反応においてTaqMan(商標)プローブを用いる一般法を示す。
【図2】肺炎球菌のpsaA遺伝子を検出するために用いられる、フォワードおよびリバースプライマーならびにプローブの位置を示す。
【図3】肺炎球菌のpsaA遺伝子を検出するために用いられるリアルタイムPCR法の熱プロフィールを示す。
【図4】肺炎連鎖球菌ATCC 33400T株のpsaA増幅プロットの稀釈/濃度曲線を示す。
【図5】肺炎連鎖球菌ATCC 33400T株のpsaAの増幅プロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマー、および
SEQ ID NO:2またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなるプライマー
を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ヌクレオチド配列を増幅することによって増幅生成物を生成する工程:ならびに
SEQ ID NO:3またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、SEQ ID NO:7もしくはそれに相補的で、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でハイブリダイズする配列とハイブリダイズする配列からなるプローブを用いて、該増幅生成物を検出する工程;
を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出される、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法。
【請求項2】
肺炎連鎖球菌核酸の検出が肺炎連鎖球菌感染を診断する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して、肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することによって増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および
該増幅生成物を検出する工程;
を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、センスプライマーはSEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなる、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法。
【請求項4】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することによって増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および
該増幅生成物を検出する工程;
を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、アンチセンスプライマーはSEQ ID NO:2またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなる、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法。
【請求項5】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することによって増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および
該増幅生成物を検出する工程;
を含み、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在が検出され、非縮重プローブはSEQ ID NO:3またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなる、リアルタイムPCRを使用して、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を検出する方法。
【請求項6】
前記プローブが、明らかにする分子または明らかにする分子のシステムを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記プローブが

を含み、Xは蛍光団であり、Yは1つまたは複数のリン酸基であり、「T」はダーククエンチャーを有するチミンまたはそれに結合されたアクセプター色素である、請求項5記載の方法。
【請求項8】
SEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含み、連続した15〜30からのヌクレオチドであるオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
請求項8記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項10】
センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブを含み、センスプライマーは請求項8記載のオリゴヌクレオチドである、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含む、キット。
【請求項11】
SEQ ID NO:2の連続した少なくとも15ヌクレオチドまたはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列にハイブリダイズする配列を含み、連続した15〜30のヌクレオチドからである、オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
請求項11記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項13】
センスプライマー、アンチセンスプライマーおよび非縮重プローブ含み、アンチセンスプライマーは請求項11記載のオリゴヌクレオチドである、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含むキット。
【請求項14】
SEQ ID NO:3の連続した少なくとも20ヌクレオチドまたはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:7もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列を含み、連続した20〜30ヌクレオチドからである、オリゴヌクレオチド。
【請求項15】
請求項14記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項16】

を含み、Xは蛍光団であり、Yは1つまたは複数のリン酸基であり、「T」はダーククエンチャーを有するチミンまたはそれに結合されたアクセプター色素である、請求項14記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーおよび非縮重プローブを含み、非縮重プローブは請求項14記載のオリゴヌクレオチドである、肺炎連鎖球菌検出用リアルタイムPCR型増幅反応のための試薬を含むキット。
【請求項18】
センスプライマーがSEQ ID NO:1またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:5もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなる、センスプライマー、アンチセンスプライマー、および非縮重プローブを含む、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、肺炎連鎖球菌を検出するためのPCR型増幅反応用の試薬を含み、
プライマーは、SEQ ID NO:2またはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下でSEQ ID NO:6もしくはそれに相補的な配列とハイブリダイズする配列からなり:ならびに

からなるプローブであって、Xは蛍光団であり、Yは1つまたは複数のリン酸基であり、「T」はダーククエンチャーを有するチミンまたはそれに結合されたアクセプター色素であるプローブを用いて、該増幅生成物を検出し、それによって肺炎連鎖球菌核酸の存在を検出するための、
キット。
【請求項19】
センスプライマーおよびアンチセンスプライマーを使用して、リアルタイムPCRによる肺炎連鎖球菌ヌクレオチド配列を増幅することによって、増幅生成物を生成する工程であって、該プライマーはポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドから選択される、工程;および、
ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で肺炎連鎖球菌のpsaA遺伝子の配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む非縮重プローブの使用により、該増幅生成物を検出する工程;および
該プローブからの検出シグナルを測定し、センスプローブおよび核酸基準を含む定量化基準からの第2プローブ検出シグナルと該検出シグナルを比較することにより、該生物試料中の該増幅生成物を定量する工程;
を含む、生物試料中の肺炎連鎖球菌核酸を定量する方法。
【請求項20】
前記定量化基準が前記生物試料と同時に抽出される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記核酸基準が、精製されかつ滴定量された肺炎連鎖球菌溶液を含む請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記プローブからの前記検出シグナルが、前記生物試料と同時に抽出された核酸キャリブレーターからの第3プローブ検出シグナルとさらに比較され、該核酸キャリブレーターがセンスプローブおよび核酸キャリブレーターを含む、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記核酸キャリブレーターが肺炎連鎖球菌の既知量および生物試料に類似する培地の既知量を含む、請求項22記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−536491(P2008−536491A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502961(P2008−502961)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/010449
【国際公開番号】WO2006/104486
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(503245650)アメリカ合衆国 (9)
【Fターム(参考)】