説明

胃液において不溶性の微小顆粒、その調製方法、および薬学的調製物

【課題】長期の安定性を有し、胃液において不溶性の胃プロトンポンプ阻害剤の微小顆粒の製剤を提供する。
【解決手段】オメプラゾール以外の胃プロトンポンプ阻害剤を含有し、有効成分を含有する有効層および胃液における不溶性を提供する外層をそれぞれ含む、胃液中で不溶性の微小顆粒であり、有効層および胃液において不溶性を提供する層は、それぞれ、微小顆粒の保存安定性を増大させるために選択される疎水性物質を含有することを特徴とし、そして微小顆粒は、アルカリ性化合物およびイオン性界面活性剤を含まない微小顆粒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オメプラゾール以外の胃プロトンポンプ阻害剤の薬学的製剤に関する。この製剤は、改善された長期にわたる安定性を有する、胃液において不溶性の微小顆粒(microgranule)の形態である。
【0002】
本発明は、さらに、該微小顆粒の製造のためのプロセス、およびこれらを含む薬学的調製物に適用される。
【0003】
本発明の範囲内にある胃プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール以外の、ベンズイミダゾールまたはチエノイミダゾール(thienoimidazole)の誘導体、およびそれらの薬学的に許容される塩である。
【0004】
本発明の範囲内にあるプロトンポンプ阻害剤は、特に、ランソプラゾール(lansoprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、ペルプラゾール(perprazole)、パリプラゾール(pariprazole)、レミノプラゾール(leminoprazole)、チモプラゾール(timoprazole)およびそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0005】
プロトンポンプ阻害剤は、胃酸の過剰分泌に関連する疾患(例えば、食道炎、胃炎、十二指腸炎、胃潰瘍および十二指腸潰瘍)の処置および予防について公知である。
【0006】
これらの化合物はまた、抗AIDS治療に従っている患者、および胃食道逆流症またはガストリノーマに罹患している患者において使用され得る。
【0007】
最後に、これらの化合物は、ヘリコバクターによって引き起こされる乾癬および感染の処置において有用である。
【0008】
本発明のベンズイミダゾール誘導体は、酸性または中性媒体において分解し得る化合物であり、これらを含む製剤は、以下でなければならないという結果を伴う:−有効成分が小腸に達するために、腸溶性であり、そして、−熱、湿気、有機溶媒および光に対してより少ない程度に保護される。
【0009】
本発明は、その役割が保存中における該製剤の安定性を改善することである、少なくとも2つの疎水性物質を含むプロトンポンプ阻害剤の、胃液において不溶性の新規の製剤に関する。
【0010】
ベンズイミダゾール誘導体および疎水性物質を含む製剤は、既に、先行技術に存在するが、この物質は、製剤の安定性を増大させるためには特に使用されない。さらに、これらの製剤は、アルカリ性化合物および/またはイオン性界面活性剤を含む。
【背景技術】
【0011】
WO /96 01624は、プロトンポンプ阻害剤を含む腸溶性微小顆粒から形成される錠剤を開示する。開示される発明の主題は、それらの腸溶性層の特性を改変することなしに錠剤化され得る微小顆粒を調製することである。所望の機械的特性を得るために、腸溶性層は、可塑剤(例えば、ポリソルベート、PEGおよびセチルアルコール)を含まなければならない。腸溶性層は、例えば、74〜80%のメタクリルコポリマー、16〜23%のトリエチルシトレートおよび1〜3%のモノグリセリド/ジグリセリド混合物から構成される。WO 96/01624は、錠剤化される顆粒の能力を改善するための、腸溶性層における特定の可塑剤の使用を開示する。さらに、開示される組成物は、イオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、またはアルカリ性塩(例えば、リン酸カルシウム)を含む。WO 97/12581は、いずれの塩基性化化合物も有さない、安定なオメプラゾール顆粒を開示する。従来、腸溶性層は、可塑剤(例えば、トリエチルシトレート)を含む。この顆粒は、疎水性特性を示す滑沢剤を含み得る。さらに、イオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、またはクロスポビドン(crospovidone)(これは、アルカリ性特性を有する)が、有効成分と混合される。
【0012】
WO 98/19668は、オメプラゾール顆粒を開示し、この安定性は、腸溶性コーティングと有効成分との間にバリア層を挿入することによって改善される。このバリア層は、周囲湿気および腸溶性ポリマーから有効成分を保護するに役立ち、これは、酸性特性を有する。この文献は、バリア層における疎水性物質の使用を示唆しないが、それは、有効成分の重量に関して0.4%の質量の割合でSimethicone(登録商標)を含み得る。Myvacet(登録商標)が、腸溶性層において可塑剤として使用される。顆粒は、マグネシウム、カルシウムまたはアルミニウムの水酸化物または酸化物、リン酸三ナトリウムあるいはマグネシウムトリシリケートを含み得るアルカリ性コアから構成される。
【0013】
そのために安定性を増大させることが望ましいプロトンポンプ阻害剤の固形経口製剤に関する先行技術の文献は、疎水性物質を含む製剤を開示するが、これらの文献は、疎水性物質が、保存中における安定性を増大させることにおいて有用であることを教示しない。逆に、これらの文献において、疎水性物質は、従来、腸溶性層における可塑剤として(WO 96/01624、WO 97/12581およびWO 98/19668)、滑沢剤として(WO 97/12581)またはバインダーとして(WO 98/19668)、使用される。さらに、それらが開示する組成物は、アルカリ性化合物またはイオン性界面活性剤を含む。
【0014】
プロトンポンプ阻害剤を含む、胃液において不溶性の製剤の保存中における安定性の持続を改善するために、先行技術において、アルカリ性物質および疎水性物質を製剤へ導入するという提案がなされた。
【0015】
WO 98/52564は、アルカリ性物質と組み合わせて有効成分を含む層、疎水性物質から構成されるバリア層、および腸溶性層でコーティングされた不活性核を含む、ベンズイミダゾール顆粒を開示する。疎水性物質は、ポリアルキルシロキサン、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸またはセチルアルコールである。アルカリ性物質は、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウムまたは炭酸アンモニウムである。
【0016】
WO 98/52564は、有効成分と腸溶性コーティングとの間に疎水性フィルムを挿入することによって、そして有効成分と組み合わせてアルカリ性物質を使用することによって、ベンズイミダゾール顆粒の安定性に対する改善を提供する。
【0017】
先行技術において、胃液において不溶性でなく、微小顆粒の形態でなく、そして疎水性物質を含む、プロトンポンプ阻害剤の製剤に関する2つの文献がまた存在する。
WO 96/31213は、獣医学的用途のためのまたは嚥下困難な人々のための、プロトンポンプ阻害剤のペースト状経口製剤に関する。この製剤は、長期保存において安定である。それは、疎水性油状液体ビヒクルおよび疎水性濃化剤を含む。油状ビヒクルは、例えば、Miglyol810(登録商標)である。濃化剤は、セテアリル(cetearyl)アルコール、流動パラフィンまたは硬化ひまし油である。製剤はまた、塩基性化剤(例えば、ソルビン酸カリウムまたはトリエタノールアミンを含む。この文献の教示は、半固形製剤に特有のものである。
【0018】
EP 796 938は、湿気、酸化および胃液に対して不安定である活性物質を含む徐放性(prolonged-release)軟カプセル剤を開示する。
【0019】
従来の軟カプセル剤は、主に、有効成分と非相溶性であると判明し得る多量の水和ゼラチンおよび多数の添加物から構成される。EP 769 938は、ゼラチン本体から有効成分を分離することによって、湿気感受性の有効成分を含む軟カプセル剤の安定性を保証する。EP 769 938の軟カプセル剤は、−シリコーンフィルムで、−コーティングされている、ゼラチン、ソルビトールおよびグリセロールから構成される第1層で、−コーティングされている、有効成分および70%シリコーンを含むコア、から構成される。
【0020】
EP 796 938の教示は、胃液において不溶性でない軟カプセル剤に限定される。
【0021】
先行技術において、保存中において安定であり、アルカリ性物質を有さず、そして有効層および腸溶性層の両方において疎水性物質を含む、ベンズイミダゾール誘導体を含む微小顆粒から形成される、胃液において不溶性の製剤は存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、保存中において改善された長期の安定性を有し、そしてさらに所望の治療特性(すなわち、酸性媒体における溶解に対する耐性の程度および中性媒体において迅速な溶解性)を示す、オメプラゾール以外の胃プロトンポンプ阻害剤の微小顆粒から形成される、胃液において不溶性の製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、有効成分の安定性を増大させ、一方、所望の溶解プロフィールを得るために選択されるいくつかの疎水性物質を含む、オメプラゾール以外のプロトンポンプ阻害剤の、胃液において不溶性の新規の製剤に関する。
【0024】
本発明の主題である微小顆粒は、有利には、以下を有さない:・アルカリ性化合物(すなわち、このpHは、7以上である)、例えば、アミノ塩基(例えば、アンモニウムまたはトリエタノールアミン);カルボン酸の塩(例えば、クエン酸ナトリウムまたはソルビン酸カリウム);ナトリウム、アルミニウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの炭酸塩、リン酸塩、水酸化物または酸化物;マグネシウムトリシリケート;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;天然粘土(natural clay)(例えば、モンモリロン石);ソディウムグリセロホスフェート;ホウ酸ナトリウム;有機緩衝液;またはクロスポビドン(crospovidone);
・イオン性界面活性剤(例えば、ラウリルスルフェート)、および・微量の有機溶媒。
【0025】
本発明に従う微小顆粒は、オメプラゾール以外の胃プロトンポンプ阻害剤を含み、そして各々が、有効成分を含む有効層、および胃液における保護のための外層を含む。それらは、有効層および胃液における保護のための層がそれぞれ、保存中における微小顆粒の安定性を増大させるために選択される少なくとも1つの疎水性物質を含むことを特徴とする。本発明の微小顆粒は、アルカリ性化合物およびイオン性界面活性剤を有さない。
【0026】
有効成分と化学的に反応せず、処方の間に容易に加工され得、そして使用される賦形剤と相溶性である、疎水性物質が選択される。
【0027】
本発明の文脈において、用語「疎水性物質」は、保存中における微小顆粒の安定性を増大させることを可能にする任意の物質、特に、15未満のHLBを示すか、または非吸湿性であるか、または実質的には水に不溶性であるか、または水蒸気に不浸透性であるフィルムを形成する、任意の物質を意味すると理解される。
【0028】
有効層において、疎水性物質は、好ましくは、有効成分の5〜40重量%を示す。それは、有利には、シリコーンオイルから選択される。
【0029】
有効層において、有効成分の重量に関して5〜15%の、好ましくはポリソルベート(Montanox80(登録商標)またはMontane 20−60(登録商標))から選択される非イオン性界面活性剤を含むことがまた可能である。
【0030】
有効層は、有利には、薬学的に許容されるバインダー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)から選択されるバインダーを含み、その質量割合は、有効成分の重量に関して好ましくは30〜50%を示す。
【0031】
胃液における保護のための外層は、有利には、胃液における保護のためのフィルム形成剤、疎水性物質、および親水性可塑剤から構成される。
【0032】
有利には、胃液における保護のための層に存在する疎水性物質は、フィルム形成剤の乾燥グレーズ(glaze)の5〜20%の割合で、製薬工業においてしばしば使用されるワックス、オイルおよびそれらの混合物、好ましくはグリセリド(例えば、Gelucire(登録商標))から選択される。
【0033】
可塑剤は、薬学的に許容される可塑剤(例えば、PEG、セチルアルコールまたはトリエチルシトレート)から選択される。
【0034】
可塑剤は、フィルム形成剤の乾燥グレーズの重量の5〜20%、有利には10%を示す。
【0035】
胃液において不溶性のフィルム形成剤は、有利には、微小顆粒の質量に関して15〜60%の乾燥ポリマーデポジット(deposit)の割合の、メタクリル酸のコポリマー(例えば、Eudragit L30D(登録商標))である。
【0036】
胃液における保護のための層の湿気に対する耐性を強化するために、薬学的に許容される滑沢剤、有利にはタルクから選択される滑沢剤が、必要に応じて使用される。
【0037】
胃液における保護のための層は、有利には、90〜95%のフィルム形成剤、および等量の可塑剤および疎水性物質から構成される。
【0038】
本発明の好ましい実施形態に従うと、少なくとも1つの中間層が、有効層と胃液における保護のための層の間に挿入される。中間層はまた、疎水性物質を含み得、これは、好ましくは、有効成分の5〜40重量%を示す。
【0039】
中間層は、疎水性可塑剤と組み合わせて、希釈物質またはコーティング剤を含み得る。
【0040】
好ましい実施形態に従うと、本発明に従う微小顆粒は、以下を含む:・有効成分、薬学的に許容されるバインダーから選択されるバインダー、疎水性物質および非イオン性界面活性剤を含む、有効成分の層、・1以上の薬学的に許容される疎水性希釈物質および薬学的に許容されるバインダーから選択されるバインダーを含む、第1保護層、・コーティング剤および疎水性可塑剤を含む、第2疎水性保護層、・腸溶性フィルム形成剤、親水性可塑剤および疎水性物質を含む、胃液における保護のための層。
【0041】
第1中間保護層は、有利には、マンニトール(これは、非吸湿性である)を、有効成分の重量の100〜300%そして好ましくは200%の質量の割合で含む。
【0042】
この層はまた、薬学的に許容されるバインダーから選択されるバインダー、有利にはヒドロキシプロピルメチルセルロースを、マンニトールの重量の10〜30%そして好ましくは20%の割合で含む。
【0043】
この保護層に、薬学的に許容される滑沢剤から選択される滑沢剤、この場合、タルク(これは、非吸湿性である)を、有効成分の重量の100%未満の割合で含むことが、必要に応じて可能である。
【0044】
第2保護層は、薬学的に許容されるフィルム形成剤から選択される水溶性コーティング剤、有利には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、第1保護層の適用後に得られる微小顆粒の重量の1〜10%好ましくは5%の割合で構成される。
【0045】
第2保護層において、有利には、疎水性可塑剤(例えば、Myvacet(登録商標))が、使用されるコーティング剤の乾燥グレーズの10〜30%の割合で使用される。
【0046】
第2保護層は、薬学的に許容される滑沢剤から選択される滑沢剤(例えば、タルク)を、使用されるコーティング剤の乾燥グレーズの10〜50重量%好ましくは15重量%の割合で含み得る。
【0047】
本発明の好ましい実施形態に従うと、有効層は、その直径が200〜900ミクロンである、例えばスクロースおよびスターチから構成される中性核(neutral nucleus)へ適用される。
【0048】
本発明に従う微小顆粒は、好ましくは、0.3〜3mm、より好ましくは0.4〜2mmの粒径を有する。
【0049】
好ましい実施形態に従うと、本発明の微小顆粒は、以下を含む:− 35〜45%の中性材料、− 15〜25%のマンニトール、− 5〜15%の有効成分、− 8〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、− 15〜60%のメタクリル酸のコポリマー、− 0.5〜1.5%のシリコーンオイル、−0.5〜1.5%の非イオン性界面活性剤、− 1〜6%の可塑剤、− 1〜6%のグリセリド、− 1〜2%のタルク、(パーセンテージは、質量によって表される)。
【0050】
本発明の別の主題は、本発明に従う微小顆粒の調製のためのプロセスである。このプロセスは、有機溶媒を使用することなしに、水性媒体において実施されることを特徴とする。
【0051】
本発明において開示される微小顆粒は、当業者に周知の微小顆粒のコーティングおよび調製に好適な設備、特に従来のパン、多孔(perforated)パンまたは流動空気床(fluidized air bed)タイプの設備の使用によって得られる。
【0052】
好ましい実施形態に従うと、本発明に従う微小顆粒は、以下の連続噴霧:・有効成分および疎水性物質の水性懸濁液、・必要に応じて、希釈物質の水性懸濁液、・必要に応じて、コーティング剤および疎水性可塑剤の水性懸濁液、および・腸溶性フィルム形成剤としても公知の、胃液における保護のための薬剤の水性懸濁液、による、好ましくは流動空気床における、中性核への適用によって得られる。
【0053】
非常に特に価値ある実施形態に従うと、本発明に従う微小顆粒は、以下の連続噴霧:・有効成分およびシリコーンオイルの水性懸濁液、・マンニトールの水性懸濁液、・ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水性懸濁液、および・胃液における保護のための薬剤の水性懸濁液、によって、流動空気床において中性核へ適用される。
【0054】
各噴霧段階に続いて、有利には、ふるいにかけそして該段階の微小顆粒の組成物に関与する化合物の各々の融点未満の温度で乾燥する。
このプロセスに従って得られる微小顆粒は、有利には、1.5重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の水を含む。
【0055】
本発明の最終的主題は、上述のプロセスによって得られ得る本発明に従う微小顆粒を含む薬学的調製物である;これらの調製物は、有利には、約5〜60mgの有効成分を含む硬カプセル剤の形態である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明の他の特徴および利点は、以下の実施例を考慮して明らかになる。
【0057】
実施例 微小顆粒を、Ohlmanタイプの流動空気床デバイスにおいて調製し、これらの微小顆粒は、以下の組成を有する:
【0058】
【表1】

【0059】
a)成分の適用 精製水を攪拌し、そして、Pharmacoat603(登録商標)(Seppic製)、ポリソルベート 80(登録商標)(Seppic製)、Dimethicone(登録商標)(Lambertet Riviere製)および有効成分を、連続的に添加する。
【0060】
懸濁液の攪拌を、流動空気床に配置した中性核への適用の間中、維持する。
【0061】
コーティングした中性材料を、引き続いてふるいにかけ、そして約50℃で4時間乾燥する。
【0062】
b)Pharmacoat(登録商標)/マンニトールのプレ適用 4重量%のPharmacoat 603(登録商標)、20重量%のマンニトール 25(登録商標)(両方ともRoquette製)および76%の精製水から構成されるプレ適用懸濁液を、調製する。
【0063】
上記で得たコーティングされそして乾燥させた中性材料に、このプレ適用懸濁液を噴霧する。
【0064】
プレ適用した中性材料を、引き続いてふるいにかけ、次いで、約50℃で1〜4時間乾燥する。
【0065】
c)Pharmacoat(登録商標)/Myvacet(登録商標)プレ適用 このプレ適用段階を、Pharmacoat(登録商標)/マンニトールプレ適用段階と同一の条件下で実施する。
【0066】
段階a)、b)およびc)の過程において、顆粒の温度を、懸濁液の噴霧の間、26〜28℃に維持する。
【0067】
d)Eudragit L30D(登録商標)/Gelucire(登録商標)コーティングEudragit L30D(登録商標)、トリエチルシトレートおよびGelucire 50/13(登録商標)を含む水性コーティング懸濁液を調製し、Gelucire(登録商標)(Gattefosse製)は、50℃で融解した状態で添加する。
【0068】
コーティングした微小顆粒を、引き続いてふるいにかけ、そして約45℃で4時間乾燥し、次いで、タルクで滑沢にする。
【0069】
微小顆粒の乾燥減量は、段階a)〜d)のそれぞれの終わりで、95℃で15分間後、0.5〜1%のオーダーである。
【0070】
得られる微小顆粒は、以下の特性を有する:
【0071】
【表2】

【0072】
ヨーロッパ薬局方に従って、インビトロ溶解試験を、100回転/分の速度で回転するパドル装置を用いて、37℃±0.5℃およびpH=1.2の水750ml中で、2時間後、これに250mlのNa3PO4水溶液(pH=12.5)を添加して1lの溶液(pH=6.8)を得て、実施する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分を含む有効層および胃液における保護のための外層を含む、オメプラゾール以外の胃プロトンポンプ阻害剤を含む微小顆粒であって、該有効層および該胃液における保護のための層が、それぞれ、保存中における該微小顆粒の安定性を増大させるために選択される少なくとも1つの疎水性物質を含むことを特徴とし、そして該微小顆粒が、アルカリ性化合物およびイオン性界面活性剤を有さないことを特徴とする、微小顆粒。
【請求項2】
前記有効層に存在する前記疎水性物質が、前記有効成分の5〜40重量%を示すことを特徴とする、請求項1に記載の微小顆粒。
【請求項3】
前記有効層に存在する前記疎水性物質が、シリコーンオイルから選択されることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の微小顆粒。
【請求項4】
前記有効層が、前記有効成分の重量に関して5〜15%の非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート)を含むことを特徴とする、請求項1〜3の1項に記載の微小顆粒。
【請求項5】
前記有効層が、バインダー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含むことを特徴とする、請求項1〜4の1項に記載の微小顆粒。
【請求項6】
前記胃液における保護のための層が、90〜95%のフィルム形成剤ならびに等量の可塑剤および疎水性物質から構成されることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の微小顆粒。
【請求項7】
前記胃液における保護のための層に存在する前記疎水性物質が、グリセリドから選択されることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の微小顆粒。
【請求項8】
前記可塑剤が、前記フィルム形成剤の乾燥グレーズの5〜20重量%を示すことを特徴とする、請求項6および7のいずれかに記載の微小顆粒。
【請求項9】
前記フィルム形成剤が、前記微小顆粒の質量に関して15〜60%の乾燥ポリマーデポジットを示すことを特徴とする、請求項6〜8の1項に記載の微小顆粒。
【請求項10】
前記フィルム形成剤が、メタクリル酸のコポリマー(例えば、EudragitL30D(登録商標))であることを特徴とする、請求項6〜9の1項に記載の微小顆粒。
【請求項11】
少なくとも1つの中間層が、前記有効層と前記胃液における保護のための層との間に挿入されることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の微小顆粒。
【請求項12】
各微小顆粒が、 ・有効成分、薬学的に許容されるバインダーから選択されるバインダー、疎水性物質および非イオン性界面活性剤を含む、有効成分の層、 ・1以上の薬学的に許容される疎水性希釈物質およびバインダーを含む、第1保護層、 ・コーティング剤および疎水性可塑剤を含む、第2疎水性保護層、・腸溶性フィルム形成剤、疎水性可塑剤および疎水性物質を含む、胃液における保護のための層、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の微小顆粒。
【請求項13】
前記第1保護層が希釈物質としてマンニトールを含むことを特徴とする、請求項12に記載の微小顆粒。
【請求項14】
前記第2保護層が、水溶性コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)および疎水性可塑剤(例えば、Myvacet(登録商標))から構成されることを特徴とする、請求項12および13のいずれかに記載の微小顆粒。
【請求項15】
前記有効層が中性核に適用され、そして前記微小顆粒の粒子サイズが0.3〜3mmであることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の微小顆粒。
【請求項16】
以下: − 35〜45%の中性材料、 − 15〜25%のマンニトール、 − 5〜15%の有効成分、− 8〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、 − 15〜60%のメタクリル酸のコポリマー、 − 0.5〜1.5%のシリコーンオイル、 − 0.5〜1.5%の非イオン性界面活性剤、 − 1〜6%の可塑剤、 − 1〜6%のグリセリド、 − 1〜2%のタルク、(パーセンテージは、質量によって表される)
を含むことを特徴とする、前記請求項の1項に記載の微小顆粒。
【請求項17】
水性媒体において実施されることを特徴とする、前記請求項の1項に記載の微小顆粒の調製のためのプロセス。
【請求項18】
適用が流動空気床において実施されることを特徴とする、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
約5〜60mgの有効成分を含む、請求項1〜16の1項に記載されるかまたは請求項17および18のいずれかのプロセスに従って得られる微小顆粒を含む、薬学的調製物。

【公開番号】特開2011−157390(P2011−157390A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85521(P2011−85521)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【分割の表示】特願2000−619428(P2000−619428)の分割
【原出願日】平成12年5月19日(2000.5.19)
【出願人】(500232329)
【氏名又は名称原語表記】ETHYPHARM
【Fターム(参考)】