説明

背負い式携帯仰向け寝防止器具

【課題】睡眠時無呼吸症を改善・解消し、さらに出張、旅行にも携帯使用できる背負い式携帯仰向け寝防止器具を提供する。
【解決手段】睡眠時に、組み立て式軽量の中空・長方形六面体の箱体1を、背負いベルト2で背負い、2本の背負いベルトを胸前紐で寄せ合わせて睡眠中ベルトが外に開かないよう調節(ヴエスト着用方式の場合は背負いベルトおよび寄せ合わせ紐は不要)し、また、箱体が寝返り時に左右にずれて効果が減殺されないよう、箱体下部に横ずれ防止ベルト5を取り付け、そのベルトを腹周りに前へ回し、マジックテープ(登録商標)などで調節し、安定的に固定する。これによって、睡眠中、常に身体姿勢が発症原因の仰向け寝範囲、仰方向角、およそ100度から守られた、俯せ寝・横向き寝など、残り角、およそ260度の間に保たれるよう機能し、睡眠時の呼吸を守る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生命に危険な睡眠時無呼吸症状防止・解消のための器具であって、容易に移動、運搬が可能な背負い式器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、睡眠時無呼吸症患者に対しては、▲1▼睡眠者自身にいびきを知らせる振動装置、▲2▼上顎に対して下顎の位置を前方に引き出し、舌の咽頭部への落ち込みを防ぐプラスチック製のマウスピース(歯科で誂えられる)、▲3▼睡眠時に顔面に装着するCPAPなどの方法で症状の軽快が計られてきた。
【特許文献1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現段階では、上記▲1▼▲2▼▲3▼のうち、▲3▼CPAP使用が、病院等における睡眠時無呼吸症究極の対症治療法とされている。しかし、▲1▼、▲2▼を含めて、これらの方法にはいろいろな難点があり、いずれも充分な対処法とはいえない。当然、▲3▼CPAP使用が最も確実で有効性の高い方法であることはよく知られているが、実際にはこの方法も、患者の顔面に装着する長いチューブを伴った器具のため、頭部をはじめ身体自由度が低く、少しの器具のずれでも送気が漏れ易い。顔面を鋭く這う漏れた空気の刺激と音で安眠が著しく妨げられる。長期連用では圧迫と擦れにより鼻周りに不快な疼痛が発生し耐え難い。さらに、アレルギー性鼻炎などがある場合には特に呼吸に苦痛を伴うなどの難点がある。また、CPAP使用中は、1ヶ月に1回は病院でのデータ確認診察のため、貸し出しCPAPを持っての通院が義務付けられている、という労作負担もある。
本発明は、以上の諸問題点を解決し、危険な睡眠時無呼吸症を安価、簡単、エコロジカルに防止するよう、工夫されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
睡眠時無呼吸症の真因は、人類の進化に伴い咽頭部の空間が狭くなり、睡眠中仰向け寝時に舌が気道に落ち込み、空気の通路を塞ぐことにある。そこで唯一の解決方法は、仰向け姿勢を防ぎ、俯せ寝姿勢か、少なくとも横向き姿勢を保って気道を確保して眠ることである。
しかし、睡眠時無意識中に、この姿勢を保ち続けることは、実際には誰にとっても中々困難であって、つい仰向け寝に戻って、無呼吸症状を引き起こすものである。これを解決するための手段は、どのように深く眠っていても仰向け寝姿勢にだけはならせず、通常360度の寝返りが可能であるうち、仰方向角およそ100度の仰向け寝姿勢を除く、残り角、およそ260度内の範囲に身体姿勢を保つ確実な器具を用いて睡眠をとるほかはない。その最も簡単で具体的な方法と器具が、ここに示す着脱簡便・軽量で、心身に負荷の少ない、しかも、携帯移動容易な背負い式仰向け寝防止器具である。
本発明は、以上の構成よりなる(1)着脱簡便・軽量で、(2)心身に負荷の少ない、(3)電気エネルギーを使用せずエコロジカルな、(4)通院義務を伴はない、(5)しかも、携帯移動容易な、背負い式仰向け寝防止器具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明を使用することによって、睡眠時無呼吸症患者ないし予備軍の強いいびき症状保持者は、無呼吸症状から解放され、快眠の成果を実感することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)軽量金属板、木板、合板、プラスチック、段ボール紙、硬質ゴム板と蛇腹(空気加圧式)、籠体など軽量で丈夫な素材で作られた、一辺が夫々28cm、15cm、24cm程度の中空・長方形六面体の箱体(1)に、この箱体を丈長方向が上下として背負えるよう、身体に着脱容易な長さ調節式背負いベルト(2)を付ける。
他に、この箱体の背負い方法として、(A)この箱体を、余裕無く一杯に包み込こんだ背負いベルト付きの布製、または皮革製の袋で背負うものと、(B)丈夫なヴエストを着用し、その背部に上記箱体を、余裕無く一杯に収納できるポケット状の収納袋を縫い付けた仕方で箱体を背負うものと、2方法を提供する。
上記、箱体の寸法は、日本人の平均的な体格から割り出したもので、特に大柄や小柄の場合には、サイズLL、L、Sなどで対応する。
(ロ)背負いベルト(2)には、使用中2本のベルトが胸元で外に開かないよう、左右両方のベルトの長さ調節環(3)に紐(4)を付け、中央で紐を結び合わせ、締まり具合を調節する。
(ハ)箱体背負い面下部に沿って、横ずれ防止用ベルト(5)を取り付け、箱体が使用中背部の中心線から左右に大きくずれないよう、このベルトを胴に巻き、腹前部でマジックテープなどで締め具合を調節、固定することが極めて重要である。
(ニ)中空長方形六面体の箱体(1)は、携帯移動に便なよう、底面および四方立面は金属製、布製などの蝶番(6)でつなげ、箱の内側および外側に折りたたみ、その上に天板(7)を被せて、あたかも一枚の板(8)のように薄くして運ぶことができる構造からなる。不可逆弁付き空気吹き込み口のある天地硬質板、側面蛇腹のゴム製箱体については空気を抜くことで平板化する。
本発明は以上の構成よりなる。
本発明を使用する場合は、中空・長方形六面体の箱体(1)を、箱体(1)に取り付けた長さ調節式の左右2本の背負いベルト(2)で背負い、そのベルトの胸元にある長さ調節環(3)に取り付けた2本の紐(4)で程よく寄せて、ベルトが睡眠時胸元で外向きに開かないよう結び合わせる。さらに、箱体(1)が睡眠中、背中中心線から左右にずれないよう、箱体下部に取り付けた横ずれ防止用ベルト(5)を腹部胴周りに前へ回し、マジックテープなどで調節し、安定的に固定する。
この点については、上記(A)の背負い方法の場合も同じである。(B)の背負い方法、ヴエスト着用方式の場合には、箱体下部に取り付けた横ずれ防止用ベルトを、背部のポケット下部両側に付けたスリットを通してポケット外に出し、腹周りに前に回して締め具合を調節し、マジックテープなどで安定的に固定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の斜視図
【図2】本発明の斜視図(ヴエスト着用タイプの場合)
【図3】本発明の箱体の形を変え、機能を増大する方法と附属部品図
【図4】本発明の箱体の解体過程図
【符号の説明】
【0008】
(1)箱体 (2)長さ調節式背負いベルト (3)ベルトの長さ調節環 (4)ベルト寄せ合わせ用紐 (5)横ずれ防止用ベルト (6)箱体の底面および四方立面の板をつなぐ平紐自在蝶番、(7)天板 (8)携帯に便な一枚の板状になる箱体 (9)背部に箱体収納ポケットを付けたヴエスト (10)直方体の箱体を逆台形にする楔形直角不等辺三角柱 (11)直方体箱体の外側に付けて、箱体を超えてでも仰向け方向に身体を回したいときに寝返りをし易く助ける半円柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心筋梗塞、脳梗塞、腎臓疾患、突然死などを招くとされ、また、危険運転、ぼんやり症状、集中力欠如、日中の眠気で仕事にならないなど、日常生活にも大きな負の影響をもたらす睡眠時無呼吸症状を解消するための新防止具。同症の原因となる仰向け状の寝姿を防ぐ器具。
▲1▼睡眠時に背負って寝るように作られた、背負いベルト付の軽量金属板、軽量木材板、プラスチック板、段ボール紙、硬質ゴムと蛇腹(空気圧式)、籠体などを素材とした、一定の大きさの中空・長方形六面体の箱体。
▲2▼あるいは、この箱体を、余裕無く一杯に包み込んだ背負いベルト付きの布製、または皮革製の袋。
▲3▼あるいは、背部に、上記箱体を、余裕無く一杯に収納できるポケット状の袋を取り付けたヴエスト(チョッキ)。
【請求項2】
患者の出張、移動に際しても、途切れることなく継続的に使用できるよう、箱体は簡単に携帯可能な簡易組み立て式とし、移動時には軽量コンパクトな板状に纏められる。
【請求項3】
上記、中空箱を身体背部に背負うにあたって、背負いベルトは、身長、体格に適合するよう、その長さ調節が可能であることは無論であるが、加えて、▲1▼2本の背負いベルトが睡眠時に胸元で外向きに開く事を防ぎ、胸の中心部に程よく寄せ合わせることができるよう、左右のベルトの長さ調節環、夫々に紐を付け、互いに結んで加減できるようにする。▲2▼箱の下部が使用中背部の中心から左右にずれて効果が減殺されないよう、箱体の下部に伸縮性のある横ずれ防止ベルトを付け、腹周りに回して前部でマジックテープなどにより程よく締め、箱体を安定的に固定する。
【請求項4】
患者の病態の状況、程度に応じて、箱体の形状を簡単に変形することができるよう、幾らかの附属部品を用意する。
(1)箱体横断面の形を、背に接する側が短辺、外側が長辺となる逆台形の立方体に変形できるよう、元の直方体の両側面に、楔状の木製直角不等辺三角柱を沿わせ、この箱体の寝返り防止能力を増大させる。
(2)箱体の背中接面の反対側に位置する外面に、軽量素材で作成した同形、同サイズの断面を持つ半円柱を取り付け、患者が睡眠中、無意識、半意識で極めて強い仰向け側への寝返り欲求に襲われた場合、相当困難ではあるが、寝返りも角形程不可能ではないよう余地を残す。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−268858(P2009−268858A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141632(P2008−141632)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(508159662)
【Fターム(参考)】