説明

背負バンド用バックル

【課題】緊急時に肩バンドや胸バンド等の3本以上のベルトをワンタッチ操作で同時に分離することができる、比較的シンプルで合理的な構成の背負バンド用バックルを提供する。
【解決手段】緊急時に分離すべき第1バンド及び第2バンドの端部にそれぞれ取り付けられる第1連結具及び第2連結具と、前記第1及び第2バンドとは異なる方向に分離すべき第3バンドの端部に取り付けられるフック状ないしタング状の第3連結具とを備え、前記第1連結具及び第2連結具に、それぞれ、相互に係止され、かつ、緊急時にはその係止状態をワンタッチ操作で解除できるようにされた第1係止部及び第2係止部が設けられるとともに、前記係止状態において前記第3連結具を協同して係止する第3係止部及び第4係止部が設けられ、前記係止状態が解除されたとき、前記第1連結具、第2連結具、及び第3連結具が相互に分離されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背負バンド用バックルに係り、例えば背負式刈払機等に用いられる緊急解放(分離)機能付きの背負バンド装置に組み込むのに好適な、背負バンド用バックルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、背負式刈払機は、エンジンや燃料タンク等が搭載された背負架台(機器本体)を背負バンドで背負いながら刈払作業を行うものであるが、この作業時において、気象の急変時や有害動物等の出現時、又はエンジンに異常が生じた際等には、背負っている機器本体を人体から直ちに分離させることが必要となる場合がある。
【0003】
このようなエンジン異常等の緊急時に、機器本体を人体から分離させるべく、背負バンド部に緊急解放(分離)機能付きのバックルを組み込むことが知られている。
【0004】
従来、一般的に用いられている緊急解放(分離)機能付きのバックル(緊急解放用バックル)は、左右一対の肩バンドの一方の中間部(胸あたり)に組み込まれ、ワンタッチ操作で該肩バンドの上部側と下部側とを分離するようになっており、通常、緊急時以外は操作(使用)されない。
【0005】
また、例えば下記特許文献1等に見られるように、3本のバンドをワンタッチ操作で同時に分離することのできる背負バンド用バックルも開発されている。
【特許文献1】実公平5-25389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、背負式刈払機等に用いられる背負バンド装置について、背負い安定性を向上させるため、言い換えれば、左右の肩バンドが肩からずれ落ちるのを防ぐこと等を目的として、例えば、左右の肩バンドを連結するように胸バンドを配在することが検討されている。
【0007】
しかしながら、前記のように左右の肩バンドの一方に緊急解放用バックルを組み込み、さらに、左右の肩バンドを連結するように胸バンドを配在する場合には、背負う際や降ろす際の便宜を図るため(前記胸バンドが存在すると肩バンドを肩に掛ける際や肩から外す際に邪魔になるので)、胸バンドの中間部に連結/解除用バックルを組み込むことが要求される。
【0008】
ところが、前記のように左右の肩バンドの一方に緊急解放用バックルを組み込むとともに、左右の肩バンドを連結するように胸バンドを配在し、さらに、胸バンドの中間部に連結/解除用バックルを組み込んだ背負バンド装置では、緊急時に肩バンドの一方に組み込まれた緊急解放用バックルを操作して該肩バンドの上部側と下部側とを分離しても、胸バンドが存在するため、胸バンドに組み込まれた連結/解除用バックルを操作してその連結を解除しなければ、機器本体を人体から分離させることができず、分離操作をワンタッチで素早く行うことができないという問題がある。
【0009】
なお、前記特許文献1に所載の背負バンド装置及びそれに組み込まれているバックルは、3本のバンドをワンタッチ操作で同時に分離することができるが、構成が複雑で部品点数が多い等の問題があるとともに、背負う際(肩バンドを肩に掛ける際)の操作やバンド相互の連結が厄介で面倒であり、前記のような肩バンド及び胸バンドを備えた背負バンド装置に適用することは難しい。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、緊急時に肩バンドや胸バンド等の3本以上のバンドをワンタッチ操作で同時に分離することができる、比較的シンプルで合理的な構成の背負バンド用バックルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成すべく、本発明に係る背負バンド用バックルは、基本的には、緊急時に分離すべき第1バンド及び第2バンドの端部にそれぞれ取り付けられる第1連結具及び第2連結具と、前記第1及び第2バンドとは異なる方向に分離すべき第3バンドの端部に取り付けられるフック状ないしタング状の第3連結具とを備える。
【0012】
そして、前記第1連結具及び第2連結具に、それぞれ、相互に係止され、かつ、緊急時にはその係止状態をワンタッチ操作で解除できるようにされた第1係止部及び第2係止部が設けられるとともに、前記係止状態において前記第3連結具を協同して係止する第3係止部及び第4係止部が設けられ、前記係止状態が解除されたとき、前記第1連結具、前記第2連結具、及び前記第3連結具が相互に分離されるようになっていることを特徴としている。
【0013】
好ましい態様では、前記第1連結具の一側部に、前記第3係止部として、前記第3連結具の被係止部が遊嵌される断面溝形状で上面が開口している下側係止部が設けられるとともに、前記第2連結具の一側部に、前記第4係止部として、前記第1係止部と第2係止部の係止状態においては前記下側係止部の上面開口を覆うように被せられる上側蓋状部が設けられる。
【0014】
他の好ましい態様では、前記第2連結具に、前記第1連結具に設けられた前記第1係止部に係止される前記第2係止部としての舌状弾性片部が設けられ、該舌状弾性片部を押圧することにより前記係止状態が解除されるように構成される。
【0015】
さらに好ましい態様では、前記第1連結具、第2連結具、及び第3連結具は、それぞれ合成樹脂材料を素材として射出成形等の金型成形により作製されたものとされる。
【0016】
一方、本発明に係る背負バンド装置は、前記バックルが組み込まれたもので、好ましい態様では、左右一対の肩バンドの一方の上部側が前記第1バンド、下部側が前記第2バンドとされるとともに、前記左右一対の肩バンドを連結するように配在される胸バンドが前記第3バンドとされ、前記肩バンドの一方の上部側に前記第1連結具が取り付けられ、前記肩バンドの一方の下部側に前記第2連結具が取り付けられ、前記胸バンドに前記第3連結具が取り付けられていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係る背負式刈払機等の背負式作業機は、前記背負バンド用バックルが組み込まれた背負バンド装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0018】
上記の如くの構成とされた本発明に係る背負バンド用バックルは、第1バンド(例えば肩バンドの上部側)の端部に取り付けられた第1連結具に設けられた第1係止部と第2バンド(前記肩バンドの下部側)の端部に取り付けられた第2連結具に設けられた第2係止部との係止状態をワンタッチ操作で解除できるとともに、この係止状態が解除されたとき、背負っている機器本体等の荷重により第1及び第2バンドが引っ張られて第1連結具と第2連結具が分離され、これに伴い、第3連結具を協同して係止する第1連結具に設けられた第3係止部と第2連結具に設けられた第4係止部も相互に分離し、これによって第3連結具の係止状態が解除され、第3連結具が第1及び第2連結具から分離される。
【0019】
したがって、本発明の背負バンド用バックルを背負バンド装置に組み込むことにより、緊急時に肩バンドや胸バンド等の3本以上のベルトをワンタッチ操作で同時に分離することができ、背負っている機器本体等を人体から素早く分離させることができる。
【0020】
また、本発明の背負バンド用バックルは、第1連結具、第2連結具、及び第3連結具の3部品で極めてシンプルに合理的に構成され、しかも、それらは、それぞれ合成樹脂材料を素材として射出成形等の金型成形により作製することができるので、従来の同種のバックルに比して、部品点数の削減、構成の簡素化、製造コスト低減等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の背負バンド用バックルの実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1(A)、(B)は、本発明に係る背負バンド用バックルの一実施形態の使用状態を示す図である。具体的には、本実施形態の背負バンド用バックル20が組み込まれた背負バンド装置10が用いられた背負式刈払機1を背負った状態を示している。
【0022】
図示の背負式刈払機1は、エンジン3や燃料タンク等が搭載された背負架台6からなる機器本体2と、この機器本体2の右側部にフレキシブルカバー7を介して連結された操作棹8とを備え、エンジン3の動力がフレキシブルカバー7に内挿されたフレキシブルシャフトや操作棹8に内挿されたドライブシャフトを介して、ハンドル5が取り付けられた操作棹8の先端に設けられた刈刃9に伝達され、刈刃9を回転させることにより刈払作業を行うものである。
【0023】
この背負式刈払機1に用いられている背負バンド装置10は、その両端が背負架台6の上下に連結されて左右の肩に掛け廻される左肩バンド11及び右肩バンド12と、この左肩バンド11と右肩バンド12を胸のあたりで連結する胸バンド13と、右肩バンド12の上部と操作棹8とを結ぶ吊持バンド16とを備えており、前記左肩バンド11の中間部(胸のあたり)に本発明実施形態の緊急解放(分離)機能付きの背負バンド用バックル(緊急解放用バックル)20が介装され、また、前記胸バンド13の中央に連結/分離用バックル15が介装されている。
【0024】
前記緊急解放用バックル20は、緊急時にワンタッチ操作で前記左肩バンド11の上部側(左肩バンド上部11Aの下端部)と下部側(左肩バンド下部11Bの上端部)と前記胸バンド13(の左端部)の3本のバンドを相互に分離するようになっており、通常、緊急時以外は操作(使用)されない。また、前記機器本体2(背負架台6)を背負う際や降ろす際には、前記連結/分離用バックル15を操作して前記胸バンド13を左右に分離(胸バンド左部13Aと胸バンド右部13Bとに分離)するようにされる。
【0025】
より詳細には、前記緊急解放用バックル20は、図2〜図6に示される如くに、緊急時に分離すべき左肩バンド上部11(の下端部)と左肩バンド下部11B(の上端部)にそれぞれ取り付けられる第1連結具30及び第2連結具40と、胸バンド左部13A(の左端部)に取り付けられる平面視概略台形リング状(フック状ないしタング状)の第3連結具50とを備えている。
【0026】
前記第1連結具30、第2連結具40、及び第3連結具50は、それぞれ合成樹脂材料を素材として射出成形等の金型成形により作製されたものであり、相互に係止可能とされるとともに、ワンタッチ操作でその係止状態を解除できるようになっている。
【0027】
すなわち、第1連結具30は、平面視矩形の基体部31を備え、この基体部31の一側部に、後述する第3連結具50の断面円形の被係止部52が遊嵌される断面溝形状で上面が開口している細長の下側係止部37が設けられるとともに、前記基体部31の上端部に、前記左肩バンド上部11Aの下端部が取着される断面角丸付き矩形のベルト止め部36が設けられている。
【0028】
前記基体部31は、図3〜図6を参照すればよくわかるように、後述する第2連結具40に設けられた矩形枠状部42及び舌状弾性片部45が嵌挿される、下面が開口している有底角筒形状とされ、その天面部32には、前記舌状弾性片部45に設けられた平面視半円ないし半小判形の係止用傾斜凸部46が嵌合せしめられる係止用開口35が形成されている。
【0029】
一方、第2連結具40は、平面視門形の基体部41とこの基体部41から上方に突出する矩形枠状部42とを備え、前記基体部41の一側部には、該一側部から上方に突出して、前記第1連結具30の下側係止部37の上面開口を覆うように被せられる上側蓋状部47が設けられるとともに、前記基体部41の中央部と下端部には、前記左肩バンド下部11Bの上端部が廻し止め固定されるベルト止め部43、44が設けられている。なお、ベルト止め部43、44には、それぞれベルトの喰い付きをよくするための溝43a、44aが多数形成されている。また、前記基体部41及びベルト止め部44の下端部には、平面視円形の着脱用つまみ部49が連設されている。
【0030】
また、図5に示される如くに、前記矩形枠状部42の上辺部42aには、第1連結具30の基体部31内に挿入されて、その天面部32と底面部33との間で弾性撓曲可能とされた舌状弾性片部45が連設されている。該舌状弾性片部45の上面には、前記天面部32に形成された係止用開口35に嵌合せしめられる係止用傾斜凸部46が突設されている。該係止用傾斜凸部46は、上端(上辺部42a側)から下端にかけてその肉厚が厚くなるようにその上面が傾斜せしめられており、その肉厚が最大となる下端部46aが前記係止用開口35の下端縁部35aに当接して係止されるようになっている。
【0031】
また、平面視概略台形リング状の第3連結具50は、第1連結具30の下側係止部37と第2連結具40の上側蓋状部47とで構成される係止部により係止される断面円形の被係止部52と、胸バンド左部13A(の左端部)が取着される断面円形のベルト止め部53と、断面矩形の中間橋架部54とを有している。
【0032】
また、第1連結具30の基体部31の一側上端隅部には、外れ止め突起部38が突設されるとともに、第2連結具40の上側蓋状部47の上端隅部には、前記外れ止め突起部38が嵌合する凹部48が形成されている。
【0033】
このような構成とされた本実施形態の緊急解放用バックル20においては、通常時は、図1(A)、図2、図5(A)、図6(A)に示される如くに、第1連結具30、第2連結具40、及び第3連結具50を連結係止状態としておく。この連結係止状態にするには、第3連結具50の被係止部52を第1連結具30の下側係止部37(と第2連結具40の上側蓋状部47とで構成される係止部)内に遊嵌した状態で、第1連結具30の基体部31内に、第2連結具40の矩形枠状部42及び舌状弾性片部45を挿入する。この際、第2連結具40の舌状弾性片部45を押圧すれば、該舌状弾性片部45が図6(A)において仮想線で示される如くに撓んで、基体部31の下面開口を通過し、その先端が基体部31の内壁奥端面に衝接して停止させられる。この状態で押圧を解除すると、舌状弾性片部45が元に戻って、該舌状弾性片部45の上面に設けられた係止用傾斜凸部46が基体部31の係止用開口35に嵌め込まれ、これによって、係止用傾斜凸部46の下端部46aが係止用開口35の下端部35aに係止される係止状態となる。
【0034】
このように第1連結具30と第2連結具40とを係止状態とする操作を行うと、これと同時に、第1連結具30の下側係止部37を覆うように第2連結具40の上側蓋状部47が被せられ、前記下側係止部37と上側蓋状部47とで協同して第3連結具50を係止した状態となる。
【0035】
一方、エンジン3に異常が生じた際等の緊急時には、第1連結具30、第2連結具40、及び第3連結具50の連結係止状態を解除する。この連結係止状態の解除を行うには、図6(A)に示される如くに、前記舌状弾性片部45を押圧する。これにより、図6(A)において仮想線で示される如くに、舌状弾性片部45が基端部(矩形枠状部42の上辺部42a)を支点にして弾性的に撓み、その上面に設けられた係止用傾斜凸部46の肉厚の下端部46aが係止用開口35の下端部35aから外れ、舌状弾性片部45を基体部31から抜き出し可能となる。この場合、背負っている機器本体2の荷重により、第1連結具30が取り付けられた左肩バンド上部11Aと第2連結具40が取り付けられた左肩バンド下部11Bは上下方向に引っ張られるので、図1(B)、図3、図4、図5(B)、及び図6(B)に示される如くに、第1連結具30と第2連結具40が分離され、これに伴い、第3連結具50を協同して係止する第1連結具30に設けられた下側係止部37と第2連結具40に設けられた上側蓋状部47も相互に分離し、これによって第3連結具50の係止状態が解除され、第3連結具50が第1連結具30及び第2連結具40から分離される。
【0036】
したがって、本実施形態の緊急解放用バックル20を背負バンド装置10に組み込むことにより、緊急時に左肩バンド上部11A、左肩バンド下部11B、及び胸バンド左部13Aをワンタッチ操作で同時に分離することができ、機器本体2を人体から素早く分離させることができる。
【0037】
また、本実施形態の緊急解放用バックル20は、第1連結具30、第2連結具40、及び第3連結具50の3部品で極めてシンプルに合理的に構成され、しかも、それらは、それぞれ合成樹脂材料を素材として射出成形等の金型成形により作製することができるので、従来の同種のバックルに比して、部品点数の削減、構成の簡素化、製造コスト低減等を図ることができる。
【0038】
なお、図6(C)に示される如くに、第1連結具30の下側係止部37や第2連結具40の上側蓋状部47の材質や寸法肉厚等を適宜に設定することにより、第1連結具30、第2連結具40、及び第3連結具50が連結係止状態にあるとき、第3連結具50(胸ベルト13)を強く引っ張ると、例えば、第2連結具40の上側蓋状部47が第3連結具50の被係止部52に押されて、基端部を支点にして上方に撓み、第3連結具50を第1連結具30及び第2連結具40から分離することができる。
【0039】
また、例えば、第1連結具30の基体部31及び第2連結具40の基体部41の他側部に、一側部に設けられた下側係止部37及び上側蓋状部47と同様な係止部を設け、該係止部により第4ベルトに取り付けられた第3連結具50と同様な第4連結具を係止するようになせば、緊急時にワンタッチ操作で4本のバンドを同時に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る背負バンド用バックルの一実施形態の使用状態を示す図。
【図2】図1に示される背負バンド用バックルの連結係止状態を示し、(A)は拡大平面図、(B)は拡大斜視図。
【図3】図2に示される背負バンド用バックルの分離状態を示す平面図。
【図4】図2に示される背負バンド用バックルの分離状態を示す斜視図。
【図5】図2に示される背負バンド用バックルの構成作用効果の説明に供される断面図。
【図6】図2に示される背負バンド用バックルの構成作用効果の説明に供される上面図。
【符号の説明】
【0041】
1 背負式刈払機
2 機器本体
10 背負バンド装置
11 左肩バンド
11A 左肩バンド上部(第1バンド)
11B 左肩バンド下部(第2バンド)
12 右肩バンド
13 胸バンド(第3バンド)
15 連結/分離用バックル
20 緊急離脱用バックル(背負バンド用バックル)
30 第1連結具
31 基体部
35 係止用開口(第1係止部)
37 下側係止部(第3係止部)
40 第2連結具
41 基体部
42 矩形枠状部
45 舌状弾性片部(第2係止部)
46 係止用傾斜凸部
47 上側蓋状部(第4係止部)
50 第3連結具
52 被係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急時に分離すべき第1バンド(11A)及び第2バンド(11B)の端部にそれぞれ取り付けられる第1連結具(30)及び第2連結具(40)と、前記第1及び第2バンド(11A、11B)とは異なる方向に分離すべき第3バンド(13)の端部に取り付けられるフック状ないしタング状の第3連結具(50)とを備え、前記第1連結具(30)及び第2連結具(40)に、それぞれ、相互に係止され、かつ、緊急時にはその係止状態をワンタッチ操作で解除できるようにされた第1係止部(35)及び第2係止部(45)が設けられるとともに、前記係止状態において前記第3連結具(50)を協同して係止する第3係止部(37)及び第4係止部(47)が設けられ、前記係止状態が解除されたとき、前記第1連結具(30)、第2連結具(40)、及び第3連結具(50)が相互に分離されるようになっていることを特徴とする背負バンド用バックル。
【請求項2】
前記第1連結具(30)の一側部に、前記第3係止部として、前記第3連結具(50)の被係止部(52)が遊嵌される断面溝形状で上面が開口している下側係止部(37)が設けられるとともに、前記第2連結具(40)の一側部に、前記第4係止部として、前記第1係止部(35)と第2係止部(45)の係止状態においては前記下側係止部(37)の上面開口を覆うように被せられる上側蓋状部(47)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の背負バンド用バックル。
【請求項3】
前記第2連結具(40)に、前記第1連結具(30)に設けられた前記第1係止部(35)に係止される前記第2係止部としての舌状弾性片部(45)が設けられ、該舌状弾性片部(45)を押圧することにより前記係止状態が解除されるようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の背負バンド用バックル。
【請求項4】
前記第1連結具(30)、第2連結具(40)、及び第3連結具(50)は、それぞれ合成樹脂材料を素材として射出成形等の金型成形により作製されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の背負バンド用バックル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の背負バンド用バックル(20)が組み込まれた背負バンド装置。
【請求項6】
左右一対の肩バンド(11、12)の一方の上部側(11A)が前記第1バンド、下部側(11B)が前記第2バンドとされるとともに、前記左右一対の肩バンド(11、12)を連結するように配在される胸バンド(13)が前記第3バンドとされ、前記肩バンド(11、12)の一方の上部側(11A)に前記第1連結具(30)が取り付けられ、前記肩バンド(11、12)の一方の下部側(11B)に前記第2連結具(40)が取り付けられ、前記胸バンド(13)に前記第3連結具(50)が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の背負バンド装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の背負バンド装置(10)を備えた背負式作業機。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の背負バンド装置(10)を備えた背負式刈払機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−125546(P2008−125546A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310376(P2006−310376)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000141990)株式会社共立 (110)
【Fターム(参考)】