背骨固定システムとその方法
背骨固定装置、システム、方法を提供するものであり、1以上のペディクル・スクリュウと、ペディクル・スクリュウに対して3回転自由度の状態に支持する1以上の機構と、を含有しているものである。該機構は、ユニバーサルジョイント機構又はボール&ソケット機構を含有しているものである。ダイナミックな接合点は、背骨固定システムに有利に組み込まれるものである。該システムは、追加のペディクル・スクリュウと、球状の要素と、ソケット部材と、を包含している。ペディクル・スクリュウは、上方に伸びるコレットを含むものとして記載されている。コレットは、その間で反ることができる部分を定める下方に伸びるスロットを包含しているものでも良い。ペディクル・スクリュウは、干渉することによって適切な位置に、保持されている、予め組み込まれたセットスクリュウを含有している。該干渉は、該セットスクリュウに有利なように形成されており、これによって、例えば、ペディクル・スクリュウの出荷時、及び/又は、診療所において、セットスクリュウが無理に取り外されることを防ぐ。球状要素、又は、例えば、非ダイナミックな固定要素等の他の構成物が、コレットの周りに設けられている時、セットスクリュウの導入は、球状要素に係合する直立部分の外向きの曲げを生じることになる。スナップリングは、コレットと球状要素との間の位置決めを促すため、それらの間に入れられる。代わりの実施例において、溝の切られていないコレットが用いられる。先細りになっているガイド部材は、ペディクル・スクリュウの頭部に隣接、又は、並列となるように設けるために開示されている。例えば、球状要素等の部品は、コレットの上へと進められる。コレットは、ガイド部材を用いるペディクル・スクリュウの頭部から上向きに伸びている。誘導線が、また、部品をペディクル・スクリュウに導き、及び/又は、誘導線を予め定めた位置へと導くために用いられている。表されている力分配機構は、その周りに設けられているシースを含有するものでも良い。該シースは、周りの解剖学的構造に対して実質不活性な状態を示す、隣接する部材の作動機構に適合する材料で、組み立てられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、背骨固定用に、有利な、方法と、装置と、に関するものである。より詳しくは、臨床的に有効な結果をもたらすように、背骨へのダイナミックな固定を提供する方法と、装置と、に関して開示するものである。
【背景技術】
【0002】
腰痛は、工業化社会に影響する最も迷惑な疾患の1つである。風邪を除き、あらゆる他の病気よりも、医者に行く割合の多いものである。腰痛の範囲は広く、慢性の痛みの程度を変えようと決める、何もできなくなる程の強い痛みの時点からおよぶものである。腰痛に利用できる従来の治療は、冷却パックと、理学療法と、麻酔薬と、ステロイドと、カイロプラティック手技とを、含有しているものである。一旦、患者が、従来の治療を終えると、外科手術のオプションは、一般に、神経根と脊髄との上の圧力を和らげる、比較的一般的でない処置である、微小な椎間板切除から、痛みのある箇所の背骨の動きを止める、融合に、までにわたるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
毎年、200,000人を越える患者が、米国において、腰部融合手術を受けている。融合は、当時、約70%が有効である一方で、これらの成功した処置に至る因果関係は、減少された動作範囲と、背骨の隣接レベルへの増加した負荷の伝わりとを含有しているものであり、該処置は、それらのレベルでの変質を速めるものである。更に、かなりの人数、米国内で700万人を越えると見積もられている、背痛患者が、慢性の腰痛に、それらの症状を緩和するのに適切な、又は、効果的なものではないかもしれない、危険を伴う処置を行うのではなく、むしろ、ただ耐えているだけなのである。
【0004】
新規の治療モダリティは、まとめて、動作維持装置と呼ばれているものであり、現に、これらの制限を解決するために発展しているものである。幾つかの有望な治療は、細胞核、椎間板、又は、椎関節の置き換えという形式のものである。他の動作維持装置は、無傷の、及び/又は、負傷している背骨のダイナミックな内部固定、例えば、ダイニン系固定システム(Zimmer,Inc;Warsaw, IN)と、グラフ靱帯(Graf Ligament)とを提供するものである。この概念の主要な目標は、近くの正常な背骨機能を維持すると共に、痛みを防ぐための、背骨の固定である。2つのタイプの動作維持装置の主な違いは、ダイナミックな内部固定装置が、異常な背骨の動きを固定、制御する目標に利用されているのに対して、置き換え装置が、動きを促す変質した解剖学的構成物を置き換える目標に利用されている、ということである。
【0005】
10年以上も前に示されていた、腰痛の仮説において、背骨システムは、脊柱(脊椎、椎間板、靱帯)と、脊柱周りの筋肉と、日常生活で種々動いている間の背骨の固定を補助する神経筋制御ユニットと、から成るとして概念的に説明されていた。Panjabi MM.による論文、“The stabilizing system of the spine. Part I. Function, dysfunction, adaptation, and enhancement.”、J Spinal Disord 5(4): 頁383-389, 1992aがある。 この仮説の結果は、強い背筋は、背骨が負傷し、又は、損傷した時に、必要になる、というものである。このことは、中立姿勢で立っている間に、特に当てはまる。Panjabi MMによる論文、“The stabilizing system of the spine. Part II. Neutral zone and instability hypothesis.”、J Spinal Disord 5(4): 頁390〜397, 1992bがある。換言すれば、腰痛患者は、十分に、良く調整された筋力を有し、即ち、必要とされている筋肉の強化、訓練を行い、これによって、中立姿勢で立っている間に最大の保護を与えるようにする、必要がある。
【0006】
ダイナミックな固定(非融合)装置は、背痛の(機能不全により負傷、又は、損傷している)欠陥のある背骨を補助するため、確実な機能性を必要とするものである。特に、装置は、欠陥のある背骨に対し、特に、補助を最も必要とする中立位置において、機械的な補助を与えなければならない。“中立位置”とは、低い背骨剛性領域、又は、背骨部分のモーメント−回転曲線の先端領域(図1を参照)のことをいう。Panjabi MM, Goel VK, Takata Kによる論文、1981年、Volvo Award in Biomechanics、“Physiological Strains in Lumber Spinal Ligaments, an in vitro Biomechanical Study.”、Spine 7(3): 頁192〜203、1982年がある。中立区間は、通常、中立姿勢付近の動作範囲の中心部分として定められている。中立姿勢は、背骨の軟組織と、面関節とが、背骨の動きに少ない抵抗を与える部分である。
【0007】
この概念は、図1に示されているように、無傷の背骨と、負傷している背骨との負荷−移動度、又は、モーメント−回転曲線を参照することによって、視覚化することができる。曲線は、非線形であり、ということは、背骨の機構特性は、角度、及び/又は、回転の合計と共に変わるものであるということである。ポジティブ側と、ネガティブ側との曲線は、それぞれ、背骨を曲げる、伸ばすという動きを表しているものと、理解されるのであれば、各点での曲線の傾きは、背骨の剛性を表すということになる。図1に示されているように、中立区間は、動作範囲の低い剛性領域のことである。
【0008】
実験は、脊柱が負傷、及び/又は、背骨が変質した後の、中立区間が、動作範囲と同様に、増加していることを示している(図1を参照)。しかし、対応する無傷のものの値の割合(%)として記載したとき、中立区間は、動作範囲よりも広範囲に増加している。このことは、中立区間が、動作範囲よりも背骨の負傷と、不安定さとを、より良く測定できる、ということを暗示しているものである。臨床学上の研究では、また、動作範囲が、腰痛に相互に関連するものではないということが見いだされた。それ故、不安定な背骨、特に中立区間は、固定することが必要である。
【0009】
前述のものを考慮して、当業者であれば、従来の装置と、システムと、方法との欠点を克服する、背骨固定装置、システム、及び/又は、方法が必要であると言うことが、理解されるであろう。本発明は、改良された、有効な背骨固定用の装置と、システムと、方法とを提供するものである。より詳しくは、本発明は、有利な、ダイナミックな内部固定装置と、システムと、方法とを提供するものである。装置と、システムと、方法とは、背骨を動かすことができるように柔軟であり、故に、椎間板、面関節、そして、靱帯が、栄養学上の健康維持のために必要な、通常の(又は改善された)生理動作と、負荷と、を許容するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示によると、背骨固定用の、有利な、装置と、システムと、方法とが、提供されている。発明の開示の好ましい実施例によると、開示されている装置と、システムと、方法とは、臨床的に有効な結果を提供するために、背骨へのダイナミックな固定を与えるものである。加えて、開示されている装置と、システムと、方法とは、設置しやすさと、適用の汎用性/柔軟性と、個人が受ける腰痛及びその他の背骨に関する困難に対する優れた臨床的結果と、を含む、臨床的な有利性を提示するものである。
【0011】
本発明の開示の一例の実施によると、装置と、システムと、方法とは、背骨構成物に取り付けるための1以上のペディクル・スクリュウを含んでいるものである。本発明の開示のペディクル・スクリュウは、典型的には、背骨固定システムの一部に用いられている。該システムは、1又は、複数の以下の有利な構成及び/又は機能的な属性を含有しているものである。
・1以上のペディクル・スクリュウと、例えば、ロッドのような、ペディクル・スクリュウに係合、及び/又は、換言すれば協動する、1以上の伸張部材(又は多重伸張部材)と、の間のダイナミックな接合点。
・有利な、アッセンブリ機構であって、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状、又は、他の付属構成要素の、組み立て/設置を促すと共に、背骨固定システムの一部として有利な機能的属性を提供するもの。一例の機構は、有利な、コレット・ベース機構、協働ねじ機構、ボール/球状、又は、他の付属構成要素にベアリング力を印加する機構、及び/又は、スナップリング又は類似構造を含有している機構を、含有している。
・有利な、マルチレベルのダイナミックな背骨固定システム/器具であって、マルチレベルシステムを含有していること。該システムは、(例えば、臨床設置の際、又は、その前に)必要な、1又は、複数の調節、例えば、固定システムによって印加される力の、大きさ、及び/又は、移動度との応答特性に関する調節を、可能にするものである。本発明の開示の一例のマルチレベル器具によると、異なる固定モダリティが、個々の固定レベルで用いることができる。例えば、ペディクル・スクリュウの隣接位置の間に、異なる固定レベルの、ダイナミックな固定構成物と、非ダイナミックな固定構成物の混合体によって、用いることができる。
・背骨固定システム部品の配置/設置を促す、(例えば、円錐形の構成物等の)有利な、設置付属部品であって、上記付属部品は、ペディクル・スクリュウに対するシステム部品の位置合わせ/位置決めを促すため、特に、従来の誘導線を用いるようになっているもの。
・ダイナミックな固定システム、及び/又は、他の外科手術による移植は、カバー、及び/又は、シース構成物を含有していること。カバー、及び/又は、シース構成物は、例えば、カバー、又は、シース等の、周囲の解剖学的流体、及び/又は、構成物が臨床上許容される相互作用を発現している間に、内側の力を伝える部品、例えば、1又は、複数のスプリングに、有利な保護を与えるものである。カバー、及び/又は、シース構成物は、ePTFE、UHMWPE、及び/又は、ポリカーボネート・ポリウレタン共重合体、及び/又は、混合物等の代替的なポリマー材料から(全体又は一部分が)製造されているものである。
・有利な、ダイナミックな背骨固定接合システムが、簡単、且つ、有効な、手術中のシステム配置を可能にするため、隣接構成物(例えば、ペディクル・スクリュウ)に対する動きを促すと同時に、ペディクル・スクリュウに対して細長い部材(例えば、ロッド)の実質かたい取り付けを促すものであること。
・(例えば、セットスクリュウ等の)固定構成物用の、有利な、“予め組み込まれた”配列が、ペディクル・スクリュウに対するボール接合、又は、他の付属部品にそのままの状態で備え付けるのに用いることができる、ということであり、これによって、上記固定構成物の位置、及び/又は、位置合わせに関連する臨床上の困難の可能性を最小にとどめること。
【0012】
上述の通り、有利な、背骨固定装置と、システムと、方法とは、1又は、複数の前述した構成物、及び/又は、機能的属性と、組み込むことができるものである。従って、システム、装置、及び/又は、方法は、本発明の開示の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、上に説明した、有利な、構成物/機能のただ一つ、ここに記載されている、有利な、複数の構成物/機能、又は、前述した構成物/機能の全て、を利用することができるものである、ということを意図している。言い方を変えれば、ここに記載されている、有利な、構成物と、機能とは、例えば、単独であろうが、又は、開示されている他のものとの組合せであろうが、何れにしても、臨床医学者、及び/又は、患者に対し、臨床学上の有利性等の、利便を与えるものであると思われる。
【0013】
一般に、ここに記載されている、ペディクル・スクリュウのねじ切りされているシャフト部分の構成物/機能は、従来通りの設計のものである。従って、ペディクル・スクリュウの設置は、従来の手法で、臨床医学者によって、一般に、実行されるものである。ペディクル・スクリュウの選択と、置く位置とは、当業者に知られているように、一般に、従来の基準に基づくものである。しかし、従来のペディクル・スクリュウに基づくシステムとは異なり、本発明の開示の装置と、システムと、方法とは、有利な、臨床的結果を与えるものであり、これらの結果は、例えば、ロッド/細長い部材配置の利便性と柔軟性と、ペディクル・スクリュウに関連するロッド/細長い部材のダイナミックな属性と、及び/又は、背骨の移動刺激に応答して運ばれるダイナミックな力と等、に基づくものである。
【0014】
本発明の開示の装置と、システムと、方法と追加の、有利な、特性と、機能とは、特に、添付の図面と連動しつつ読まれるとき、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるものである。上記追加の特性と、機能とは、それと共に関連する構成上の、そして、機構上の特徴を含有しているものであり、本発明の範囲内に含まれるものである。
添付の図面を参照することにより、当業者が、背骨固定、他の使用(アプリケーション)用に、開示されている装置と、システムと、方法とを、製造し、且つ、使用することが補助される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の開示は、背骨固定、及び/又は、代替的な外科移植への適用のための有利な装置と、システムと、方法とを提供するものである。より詳しくは、本発明の開示は、臨床的に有効な結果を提供するために、背骨へのダイナミックな固定を付する装置と、システムと、方法とを提供するものである。ここに記載されている一実施例は、本発明の開示の、有利な背骨固定システム及び外科移植と、その実施用の方法/技術と、を図説するものである。しかしながら、開示されている実施例は、本発明のほんの一例であり、種々の形態で実施することができるものであるということを理解すべきである。故に、これより行う、一例のダイナミックな背骨固定システムと、関連する方法/技術に関する記載は、限定するものであると解釈してはならず、本発明の開示の有利なダイナミックな背骨固定システムと、代替的な外科移植とを、製造、及び/又は、使用するための方法を当業者に教えるためだけのものであると解釈されるものである。
【0016】
図2、図3a乃至図3e、図4を参照すると、背骨固定用の一例の方法と器具とが開示されている。以下に続く記載は、主に背骨固定に関するものであるが、開示されている方法と、器具とは、例えば、任意の長い骨への適用といった、代替的な外科手術への適用に有利に用いることができる、ということは、明確に意図されているものである。従って、以下に続く詳細な記載を通して、背骨固定に関する引用と技術とは、単に図説されているだけのものであり、且つ、開示されているシステムと、装置と、方法とは、大腿、頸骨、腓骨、尺骨、及び/又は、上腕骨等に関連する特に長い骨への適用を含む、多数の外科手術/解剖学的な設定での、適用を見いだすものである、ということが理解されるべきである。
【0017】
本発明の開示の一実施例によると、背骨固定方法は、隣接する脊椎12、14の間に体内においてダイナミックな背骨固定部材10を固定することによって達成されるものであり、これによって、ダイナミックな背骨固定部材10が取り付けられる背骨の領域に弾性抵抗という形で機械的補助を提供するものである。弾性抵抗は、移動度の関数として与えられ、即ち、より大きな剛性、即ち、抵抗の増加分が多い状態は、背骨が中立区間にある時にもたらされ、より少ない剛性、即ち、抵抗の増加分が少ない状態は、背骨が中立区間を越えて曲げられている時にもたらされる。弾性抵抗という技術用語が、本発明の明細書の本文を通じて一般に用いられているが、他の形態の抵抗を、本発明の骨子から離れない範囲において用いることができる。
【0018】
当業者が確かに認識するように、且つ、上述するように、“中立区間”とは、低い背骨剛性状態の領域、又は、背骨部分のモーメント−回転曲線(図2を参照)の下端領域を参照するものであると理解される。というのは、中立区間は、体内の脊椎の動作に最小の抵抗を与える、背骨部分の中立の安静位置付近の筋肉が弛緩した状態の領域を参照するものと考えられるものである。中立区間の範囲は、背骨固定度を測定する大きな意味を持つものであると考えられている。Panjabi, MMによる論文、"The stabilizing system of the spine. PartII. Neutral zone and instability hypothesis." J Spinal Disorder 1992年、5(4)、390〜397頁を参照。
【0019】
事実、(本発明の発明者である)Dr.Panjabiは、以前に、“ボウル内のボール”類推の使用を通じ背骨固定に関する負荷・移動度特性曲線について述べている。この類推によれば、ボウルの形状は、背骨固定を示している。より深いボウルは、より安定した背骨をあらわしており、一方で、より浅いボウルは、不安定な背骨をあらわしている。Dr.Panjabiは、以前に、背骨を負傷してない人は、通常範囲の動作、即ち、痛みを伴わない動作を伴う中立区間(体内の脊椎動作に最小の抵抗を与える、動作範囲の一部)について仮説を立てていた。この例では、ボウルは、深すぎず、浅すぎない。しかし、背骨に関し解剖学的構造に負傷が生じたとき、脊柱の中立区間は、増加し、且つ、“ボール”が、より長い距離に渡り自由に移動することになる。有名な類推によって、ボウルは、より浅いものとなり、ボールの安定性が失われた。このため、広げられた中立区間から痛みを生じる結果となった。
【0020】
一般に、ペディクル・スクリュウ16、18は、当業者に周知の、よい耐性を有しており、且つ、よく知られている、外科手術に用いられている、ダイナミックな背骨固定部材10を、背骨の脊椎12、14に取り付けるために使用されるものである。ダイナミックな背骨固定部材10との組合せにおいて、ペディクル・スクリュウ16、18は、固定システム11を含んでいる。一実施例では、当業者が確かに認識するように、一対の固定システム11が、背骨に印加されている負荷の均衡をとるため、通常、使用されている(図3cを参照)。ダイナミックな背骨固定部材10は、背痛患者の損傷(負傷、及び/又は、変成)した背骨を補助する。ダイナミックな背骨固定部材10は、特に、中立区間の領域の中立な姿勢付近の背骨の動きに、制御された抵抗を提供することによって、固定システム11の一部を成している。背骨が前向きに曲がる(屈曲する)と、固定部材10は、引っ張られ(図3dを参照)、背骨が後ろ向きに曲がる(伸びる)と、固定部材10は、圧縮される(図3eを参照)。
【0021】
ダイナミックな背骨固定部材10によって提供される移動度に対する抵抗は、非線形であり、個人々の中立区間に相当するように、その中心区間で最大値となる。ということは、固定部材10の中心区間は、背骨を支持する高レベルの機械的補助を提供するということである。個人が中立区間を越えて動くと、抵抗の増加分は、より穏やかなレベルに減少する。結果として、個人は、中立区間内で動作している間に、移動するためにより多くの抵抗(又は、より多くの抵抗の増加)にあうことになる。
【0022】
ダイナミックな背骨固定システム11の中心区間、即ち、背骨固定システム11が移動するための抵抗の最大の増加を提供する動作範囲は、個々の患者の中立区間にあうように、本発明の開示の一実施例による外科手術の時に調節することができる。従って、本発明の開示の一実施例による、ダイナミックな背骨固定部材10によって提供される移動するための抵抗は、手術前、及び/又は、手術中に、調節することができる。この調節機能は、ダイナミックな背骨固定システム11を、個人の患者の損傷した背骨にあうように、調整するのに役立つ。加えて、本発明の開示の一実施例による、ダイナミックな背骨固定装置10は、更に(又は、代替的に)、個人の患者の解剖学にあうように、且つ、所望の姿勢が得られるように、手術中に調節することができる。そのような一実施例では、ダイナミックな背骨固定要素10は、例えば、患者の変化した必要のため便宜を図るように、その中心区間を調節するために、外科手術処置と共に、次の手術中に再度調節することができる。
【0023】
図4を参照すると、ボール接合36、38は、ペディクル・スクリュウを備えているダイナミックな背骨固定部材10に連結、又は、換言すれば接合するために、本発明の開示の一実施例によって用いることができる。ダイナミックな背骨固定部材10と、ペディクル・スクリュウ16、18との接合は、自由、且つ、回転することに関して非拘束な状態のものである。従って、3回転自由度が、本発明の開示による有利なダイナミックな接合によって与えられる。代替的な構成上の配列が、例えば、図29に開示され、且つ、後述されているタイプのユニバーサルジョイント構成等の、開示されたダイナミックな接合の、所望の回転自由度を提供するように意図されている。例えば、開示された球状要素、ユニバーサルジョイント等の、ペディクル・スクリュウに関連する動作を支持又は動作の便宜を図るため、ペディクル・スクリュウに関し備え付けられた構成物は、本発明の開示による一例の動作インターフェース要素である。故に、まず第1に、本発明の開示のダイナミックな接合を提供することによって、背骨は、曲げる、捻るなどの全ての生理学上の動作が可能になり、そして、第2に、ダイナミックな背骨固定部材10と、ペディクル・スクリュウ16、18とは、ありうる有害な曲げ、及び/又は、ねじり力又はモーメントから保護されている。予め定められているように、ボール結合は、本発明の開示の一実施例により開示されており、本発明の開示は、1又は2以上のボール接合の使用を限定するものではなく、且つ、他の連結構成物/機構は、本発明の開示の範囲を逸脱することなく、利用することができるものである。
【0024】
図4の一実施例による固定部材10の各端部と機械的に協働するボール接合36、38が存在するため、曲げモーメントは、背骨から固定システム11内の固定部材10へと、一般に、伝わらない。更に、固定部材10の働きに関連する唯一の力が、固定部材10の一部からのスプリング30、32の力に由来する力であるということを承知する事は、重要なことである。これらの力は、背骨の動作による、固定部材10の引っ張り、及び/又は、圧縮に単に依存するものである。要するに、固定部材10の働きに伴う力は、スプリング力に限定されるものである。背骨への大きな負荷にかかわりなく、人が重い負荷を運んだり、持ち上げたりするとき、固定部材10によって受ける負荷は、固定部材10内で作成されるスプリング力に、唯一関連するものであり、背骨の動作によるものであるが、背骨の負荷によるものではない。固定部材10は、故に、永続する背骨の高い負荷を伴うことなく、背骨の補助を、独自に可能にするものであり、広範な設計変更を可能にするものである。
【0025】
本発明の開示されている固定システム11内のペディクル・スクリュウ16、18は、従来のペディクル・スクリュウ固定装置とは全く異なるものである。固定装置11のペディクル・スクリュウ16、18によって受ける唯一の負荷は、ボール接合スクリュウインターフェースで全くの軸力へと変換される、固定部材10によって作成される力である。開示されている固定システム11の設計と働きとは、従って、従来のペディクル・スクリュウ融合システムに比べ、ペディクル・スクリュウ16、18への曲げモーメントを大幅に減少するものである。ボール接合36、38による自由動作に由来して、各ペディクル・スクリュウ16、18内の曲げモーメントは、それぞれ理論上ゼロであり、故障の可能性は、故に、有利に減少されている。つまり、ペディクル・スクリュウ16、18は、本発明の開示の一例のダイナミックな背骨固定システムの一部として用いられるとき、十分に少ない負荷をもたらし、且つ、典型的なペディクル・スクリュウよりも十分に少ない応力下に置かれるものである。
【0026】
図2に、健康な背骨用モーメント回転曲線が、ダイナミックな背骨固定システムの一部分である、一例の固定部品10の構成と共に示されている。この曲線は、健康な背骨の中立区間に見られる、動作に対する少ない抵抗を示している。しかし、背骨の負傷時、中立区間の拡大によって顕在化されるように(図1を参照)、この曲線は変化し、背骨は、不安定な状態になる。
【0027】
本発明の開示の一実施例によると、背骨の負傷に苦しんでいる人々は、中立区間に増加した機械的な補助を提供する、装置と、システムと、方法とを通じて、最良の治療を受けることになる。中立区間を越えて背骨が動くと、必要な機械的補助が減少し、より穏やかになる。特に、図3を参照すると、有利に開示されている装置と、システムと、方法との実施を通じて意図されている、一例の支持グラフが描かれている。
【0028】
図3aには、3つの異なるグラフが示されている。開示されているグラフは、中立区間内の可能な支持必要物を、単に例示し、且つ、実証するものである。グラフ1は、中立区間で多くの補助を必要としている個人の一例であり、本発明の開示の固定システムの中心区間は、故に、増加されており、広い移動度に渡り高レベルの抵抗を提供しているものであり、グラフ2は、中立区間で、グラフ1よりも少ない補助を必要としている個人の一例であり、本発明の開示の固定システムの中心区間は、故に、より穏やかになっており、より限定された範囲の移動度に渡り増加した抵抗を提供しているものであり、グラフ3は、中立区間でほんの僅かな補助を必要としている状態の一例であり、本発明の開示の固定システムの中心区間は、故に、僅かな範囲の移動度に渡り増加した抵抗を提供するように、増加されている。
【0029】
当業者が確かに認識するように、中立区間の、必要としている機械的な補助と、範囲とは、個人々で異なるものである。しかし、本発明の基本理念は、依然として、即ち、背骨の不安定性に苦しめられているこれらの個人のためにより多くの機械的補助が、個人の中立区間内に必要とされている、ということである。この補助は、個人の中立区間と、ダイナミックな背骨固定システムの一部に有利に形成されている、ダイナミックな背骨固定部材10の中心区間と、において与えられる動作に対する大きな抵抗という形で提供されている。
【0030】
本発明の開示の一例のダイナミックな背骨固定部材10は、所望の支持フラグによる機械的な補助を、有利に、提供するものである。更に、ダイナミックな背骨固定部材10の一実施例は、例えば、同軸スプリング設計を介して、調節可能になっている。より詳しくは、本発明の開示の一実施例を参照すると、背骨固定システム10は、任意の生理学上の方向への、中立姿勢からの背骨の動作として、(好ましい実施例によるスプリングによって提供される)動作に対するより大きな増加抵抗等の、増加した剛性という形で、損傷した背骨に補助を提供する。上述するように、一例の固定システム10やダイナミックな背骨固定部材10によって提供される力と移動度との関係は、非線形なものであり、背骨の中立区間であって、且つ、固定システム11の中心区間、付近では、より大きな増加抵抗を伴うと共に、個人の動作が中立区間を越えると同時に、ダイナミックな背骨固定システム11の中心区間を越えたところの増加抵抗を減少させるものである(図3aを参照)。
【0031】
更に、本発明の固定システム11の、張力し、且つ、圧縮されている間に印加される力との関係が、図3aを参照することによって示されている。上述したように、本発明の固定システム11の動作特性は、非線形である。負荷と移動度との特性曲線は、張力、中心、圧縮の3つの区間を有している。K1、K2とが、それぞれ、張力区間、圧縮区間を定めるとすると、本発明の開示による有利な固定システムでは、高い剛性が、中心区間、即ち、“K1+K2"の区間で実現されるように設計される。固定部材10の“予め組み込まれた”部分に依存して、後に詳述されるように、中心区間の幅は、故に、高い剛性の領域において、調節することができる。
【0032】
図4を参照すると、本発明によるダイナミックな背骨固定部材10を含有している、一例のダイナミックな背骨固定システム11が、概略して描かれている。ダイナミックな背骨固定システム11は、第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24とを含んでいる、ハウジング20の形で背骨固定部材10と関連する支持アッセンブリを含有している。第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24とは、第1ハウジング部材22の開口端26に形成されている外向きのねじと、第2ハウジング部材24の開口端28に形成されている内向きのねじと、によって、伸縮自在に接続されている。このように、ハウジング20は、第1ハウジング部材22を第2ハウジング部材24にねじ込むことによって完成されている。そのようにして、後に詳述されるように、第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24との間の相対距離は、ハウジング20内に包含されている第1スプリング30と、第2スプリング32との圧縮を調節するために、簡単に調節することができる。スプリングが、本発明の開示の好ましい実施例では用いられているが、他の伸縮部材を、本発明の骨子又は範囲から逸脱せずに用いることもできる。ピストン・アッセンブリ34は、第1、第2ボール接合36、38に対して、第1スプリング30と、第2スプリング32とを連結付けている。第1、第2ボール接合36、38は、ペディクル・スクリュウ16、18に選択的に取り付けるために、成形され、且つ、設計されている。ペディクル・スクリュウ16、18は、(例えば、図2に示すように)それぞれの脊椎12、14から伸びているものである。
【0033】
第1ボール接合36は、ねじ係合部材40を介して、第1ハウジング部材22の開口端39に対して固定されている。ねじ係合部材40は、第1ハウジング部材22に結合するように、形成され、且つ、寸法取りされているものである。本発明の開示の一実施例によると、開口42は、第1ハウジング部材22の開口端39内に形成されており、且つ、係合部材40のねじ切りされている部分に係合するためのねじを備えている。このように、第1ボール接合36は、第1ハウジング部材22の開口端39を実質閉鎖している。ダイナミックな背骨固定システム11の長さは、第1ハウジング部材22に対して第1ボール接合36を回転することによって容易に調節することができ、これによって、第1ボール接合36の第1ハウジング部材22と第2ハウジング部材24との間の重なりの長さを、即ち、係合部材40が第1ハウジング部材22に入れ子状に重なり入っている、その程度を、調節することができる。当業者が確かに認めているように、第1ハウジング部材22と、第1ボール接合36の係合部材40との間のねじ係合は、本発明の開示の一実施例によって開示されている。しかし、他の結合構成物(例えば、溶接取り付け部品、バヨネットロック等)は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく用いることができる。
【0034】
本発明の開示の一実施例では、第2ハウジング部材24の閉端44は、その中に形成されている開口48を有しているキャップ46に提供されている。後に詳述されるように、開口48は、ピストンロッド50が通るピストン・アッセンブリ34に関して、該ピストンロッド50の通過の便宜を図るため、形成され、且つ、寸法取りされているものである。一例のピストン・アッセンブリ34は、ピストンロッド50と、第1、第2スプリング30、32と、保持ロッド52とを含有している。ピストンロッド50は、その第1端58に、ストップ・ナット54と、拡張頭部56とを包含している。拡張頭部56は、ピストンロッド50にかたく接続されており、且つ、本発明のダイナミックな背骨固定部材10のオペレーション中に保持ロッド52が通って伸びる、誘導孔60を含有している。そのようにして、拡張頭部56は、第2ボール接合38が第1ボール接合36に向かって、そして、離れるように、即ち、第1、第2ボール接合間の動作に関連して、保持ロッド52に沿って誘導される。後に詳述されるように、拡張頭部56は、ダイナミックな背骨固定部材10が伸ばされ、そして、背骨が曲げられるように、抵抗を生成するため、第1スプリング30と相互作用する。
【0035】
ストップ・ナット54は、ピストンロッド50に関し自由に動くことができるように、該ピストンロッド50にぴたりと合うようになっている。しかし、ボール接合36に向かうストップ・ナット54の動作は、ストップ・ナット54を支持し、且つ、ストップ・ナット54が第1ボール接合36に向かって動くことを防ぐ、保持ロッド52によって、防がれている。後に詳述されるように、ストップ・ナット54は、ダイナミックな背骨固定部材10が圧縮され、そして、背骨が伸ばされるように、抵抗を生成するため、第2スプリング32と相互作用する。
【0036】
ピストンロッド50の第2端62は、第2ハウジング部材24の閉端44で開口48から伸び、第2ボール接合38に関連する係合部材64に取り付けられている。本発明の開示の一実施例では、ピストンロッド50の第2端62は、ねじ係合を介して、第2ボール接合38の係合部材64に連結されている。当業者に確かに認められているように、ピストンロッド50の第2端62と、第2ボール接合38の係合部材64との間のねじ係合は、一実施例として開示されているが、他の結合構成物は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく用いることができる。
【0037】
簡単に上述したように、第1、第2スプリング30、32は、ハウジング20内に保持又は捕獲されている。特に、第1スプリング30は、ピストンロッド50の拡張頭部56と、第2ハウジング部材24のキャップ46との間に伸びている。第2スプリング32は、第2ボール接合38の係合部材64の遠位端と、ピストンロッド50のストップ・ナット54との間に伸びている。第1、第2スプリング30、32によって印加される、予め組み込まれた力は、一般に、ハウジング20内の静止位置内のピストンロッドに保持され、且つ、ピストンロッド50は、背骨を伸ばしている、又は、曲げている、の何れの期間中においても、ハウジング20に関連して動くことができるものである。
【0038】
使用時、脊椎12、14が、曲げられ、且つ、第1ボール接合36が、第2ボール接合38から引き離され、即ち、第1、第2ボール接合36、38との間に、それらを引き離すような動きが存在しているとき、ピストンロッド50は、第1スプリング30によって印加されている力に抗してハウジング24内から引き出される。特に、ピストンロッド50の拡張頭部56は、第2ハウジング部材24の閉端44に向かって動かされる。この動きは、背骨の動きに対する抵抗を生成する、第1スプリング30の圧縮を生じる。第2スプリング32に関し、第2スプリング32は、第2ボール接合38から離れるようにピストンロッド50を動かす。脊椎が中立区間内で曲げられるのに伴い、第2スプリング32の高さは、増加され、ぶれている力を減少し、事実上、動きに対する装置の抵抗を増加させる。この機構を通じて、背骨が初期位置から曲げられるのに伴い、スプリング30とスプリング32との両方は、スプリング内の負荷を増加すること(即ち、第1スプリング30)によって、そして、動作を補助する負荷を減少させること(即ち、第2スプリング32)によって、装置のぶれに、直接的に抵抗する。
【0039】
しかし、背骨が伸びている状態にあり、且つ、第2ボール接合38が第1ボール接合36に向かって動かされている時、第2ボール接合38の係合部材64は、ストップ・ナット54に向かって動く。ストップ・ナット54は、ピストンロッド50が第1ボール接合36に向かって動くように、保持ロッド52によって適当な位置に保持されている。この機構は、第2ボール接合38の係合部材64と、ストップ・ナット54との間に保持されている第2スプリング32の圧縮を生じ、これにより、ダイナミックな背骨固定部材10内の動作に対する抵抗を生成するものである。第1スプリング30に関し、第1スプリング30は、キャップ46と、拡張頭部56との間に支持されており、脊椎が中立区間内で伸びるのに伴い、第2スプリング30の高さは、増加され、圧縮されている力を減少し、事実上、動きに対する装置の抵抗を増加させる。この機構を通じて、背骨が初期位置から伸ばされるのに伴い、スプリング32とスプリング30との両方は、スプリング(即ち、第2スプリング32)内の負荷を増加することによって、そして、動作を補助している(即ち、第1スプリング30の)負荷を減少させることによって、装置の圧縮に、直接的に抵抗する。
【0040】
本発明の開示の一実施例に開示されている、2つの同軸上に設けられた伸縮性のスプリング30、32に基づいて、図2に示されているような、補助(力)グラフが、本発明のダイナミックな背骨固定部材10によって提供される。つまり、第1、第2スプリング30、32は、ダイナミックな背骨固定部材10が固定システム11の中心区間内に置かれた時、大きな伸縮力を与えるように連動している。しかし、一旦、第1ボール接合36と、第2ボール接合38との間の移動度が、固定システム11の中心区間と、個人の背骨動作の中立区間とを越えて伸びると、個人が中立区間で必要としている実質的な補助が、もはや不要であるため、動作に対する抵抗の増加分は、実質的に減少される。このことは、以下に開示される装置の中心区間を設定することによって、達成される。力と移動度との曲線の中心区間は、曲線の範囲である。該曲線の範囲は、上述したように、両方のスプリングが装置内で動作するときに、あらわされるものである。背骨の動作が、中立区間外であり、関連装置の伸張と圧縮とが設定した中心区間の外側であるとき、伸張しているスプリングは、その自由長になる。自由長は、当業者が皆認めているように、スプリングに何の力も加えられていない状態の長さのことを言う。有利な、本発明の開示の一例の機構での、中心区間(両方のスプリングが抵抗動作を行っているところ)の外側で装置の動作に対する抵抗は、1つのスプリングの抵抗、曲げている状態のスプリング30、又は、伸びている状態のスプリング32による抵抗のみである。
【0041】
簡単に上に議論したように、一例のダイナミックな背骨固定部材10は、第2ハウジング部材24に対して第1ハウジング部材22の回転によって、調節することができる。この動作は、最終的には、第1、第2スプリングを横切る予め組み込まれた位置を、変えるという手法によって、第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24との間の距離を変えるものである。この予め組み込まれた位置の変更は、ダイナミックな背骨固定部材10の現在の抵抗グラフを、図3aのグラフ2に示されている状態から、第1、第2スプリング30、32が一体となって活動する効果的な範囲を広げる、予め組み込まれた状態(図3aのグラフ1を参照)に増加するものである。固定部材10の中心区間のこの増加された幅は、背骨の動く広い範囲に渡る高い剛性に相互に関連するものである。図3aのグラフ3に明らかなように、この効果は、逆転することもできる。
【0042】
本発明のダイナミックな背骨固定部材10は、支持を必要とする脊椎部から伸びている、ペディクル・スクリュウ16、18に取り付けられている。ダイナミックな背骨固定部材10の外科手術中の取り付け時に、外科医によって判断され、及び/又は、不安定測定装置によって定量化される、固定装置の中心区間の程度は、本発明の開示の一実施例による各個人の患者に合わせて調節することができる。この調節することができるという、ダイナミックな背骨固定部材10の特徴は、本発明の1実施例によって生成された3例のグラフ(図3a、3bを参照し、装置中心区間の幅に注目)に例示されている。
【0043】
手術前、ダイナミックな背骨固定部材10の第1、第2伸縮スプリング30、32は、より広範囲な背骨固定の便宜を図るため、1組の(一部又は全部が)異なるスプリングに置き換えることができる。図3bに呈されているように、グラフ2bは、図3bのグラフ2aに示されている曲線に比べ、1組の硬いスプリングによって生成された力と移動度との曲線の実例である。
【0044】
手術中、一例のダイナミックな背骨固定部材10は、例えば、異なる患者の生体構造と、所望の背骨の姿勢とに適合するように、固定部材10を伸ばすために、第1ボール接合36の係合部材40を回転させることによって、調節することができる。手術前、ピストンロッド50は、生体構造のより広い範囲の変化に適合するように、異なる長さ/形状のピストンロッドに置き換えることができる。
【0045】
ここに開示されている、一例のダイナミックな背骨固定部材10は、その負荷と移動度との関係を単独で調べたものである。張力を印加しているとき、ダイナミックな背骨固定部材10は、予め定められている移動度まで、増加抵抗を示し、その後、装置が完全に伸張した状態になるまで、減少された傾きの増加抵抗を示している。圧縮されているとき、ダイナミックな背骨固定部材10は、予め定められている移動度まで、増加抵抗を示し、その後、装置が完全に圧縮された状態になるまで、減少された傾きの増加抵抗を示している。故に、ダイナミックな背骨固定装置10は、中立姿勢付近で移動度に対する最も大きな抵抗を伴う、非線形な、負荷と移動度との曲線を示す。この有利な性質は、負傷した背骨の負荷と移動度との曲線を正規化することを助けるものである。
【0046】
本発明の開示の他の一実施例において、図5を参照すると、固定部材110は、一列に並んだスプリング配列で構成することができる。この実施例では、ハウジング120は、第1、第2ハウジング部材122、124を含んでいる。第1、第2ハウジング部材122、124は、調節可能なねじによって連結されている。第1ボール接合136は、第1ハウジング部材122から、又はこれに関連し、伸びている。第2ハウジング部材124には、ピストンロッド150の第2端162が通り、伸びている、開口148が与えられている。ピストンロッド150の第2端162は、第1ボール接合138に関連し、取り付けられている。例えば、第2ボール接合138は、ピストンロッド150にねじ込むことができる。
【0047】
ピストンロッド150は、その第1端158に、拡張頭部156を含有している。第1、第2スプリング130、132は、拡張頭部156と、第1、第2ハウジング部材122、124の閉部139、144との間に、それぞれ、固定されている。この方法によって、固定部材110は、前の実施例、即ち、固定部材10と同じ機械的原理を用いて、伸張と、圧縮との両方に対し抵抗を与える。
【0048】
代替的な実施例による抵抗グラフの調節は、第2ハウジング部材124に対して第1ハウジング部材122を回転することによって、達成することができる。この方法での回転は、固定部材110によって提供される高い抵抗の中心区間を変えるものである。前述したように、一方又は両方のスプリングが、また、それぞれ、2又は3つの区間において、力と移動度との曲線の傾きを変えるのに交換することができる。
【0049】
一例の固定部材10、110が、どのようにして、損傷した背骨を補助する(中心区間内での支持を増加する)のかを説明するため、引例は、モーメント−回転曲線(図6)に合わせてつくられている。4つの曲線が示されている。1.無傷な状態、2.負傷している状態、3.固定装置(“DSS")、そして、4.負傷している状態+固定装置(“DSS”)である。無傷の背骨、負傷した背骨、固定装置のみ、負傷した背骨に固定装置を加えたもの、のモーメント−回転曲線が、それぞれ、存在する。注目すべきは、後者の曲線(即ち、本発明の開示の負傷した背骨に固定装置を加えたもの)は、無傷の背骨の曲線に近似していることである。従って、本発明の開示による固定装置/固定システムは、中立姿勢付近の動作に対し、より大きな抵抗を提供するものであり、背骨の不安定性を補償するという用途に合うものである。
【0050】
図8乃至図17を参照すると、本発明の開示の有利な固定システム211の更なる実施例(及び、関連する力のグラフ特性)が、概略して描かれ、且つ、そこに記載されている。この一例の固定システム211は、図8の分解図に概ね示されているように、第1、第2ペディクル・スクリュウ216、218の間に設けられている固定部材210の一部として、第1、第2同軸スプリング212、214を含有している。当業者が認めるように、固定部材210内に組み込まれるスプリングは、例えば、機械スプリング、ワイヤコイルスプリング、ウェーブスプリング等、本発明の骨子又は範囲を逸脱しない、当業者に知られている種々の形態をとることができる。加えて、他の抵抗装置、例えば、エラストマー材料、及び/又は、エラストマー構成物、皿バネ等(そのような代替的な抵抗装置は、単独で、又は、先のスプリングと組み合わせて用いられる)は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく、固定部材210内に組み込むことができる、ということは意図されているものである。
【0051】
固定システム211は、概ね、第1端220と、第2端222とを定める。図8に概略して描かれているものは、一対のペディクル・スクリュウ(216、218)を含有しているが、“第1端”、及び/又は、“第2端”は、それらを越えて設けられている、追加のペディクル・スクリュウ、及び/又は、固定部材の中間位置に形成することもできる、ということが理解されるはずである。第1端220に向かって、第1取り付け部材224は、第1ボール(又は球状要素)262aを受け取り、第1ボール接合226を定めるように、構成され、且つ、寸法取りされているものである。第1ボール接合226は、第1取り付け部材224と、ペディクル・スクリュウ216との間の関連する動作機構の便宜を図るものである。実際、ボール接合226に形成されるダイナミックな接合点は、3回転自由度を有利に提供するものである。固定システム211の第2端222に向かって、第2取り付け部材228は、第2ボール接合230を定めるため、第2ボール(又は、球状要素)262bを受け取るように、構成され、且つ、寸法取りされ、提供されている。第2ボール接合は、第2取り付け部材228と、ペディクル・スクリュウ218との間の、即ち、3回転自由度を提供するダイナミックな接合点を定める相対作動機構の便宜を有利に図るものである。
【0052】
図8の一実施例では、ボール接合226、230は、それぞれの第1、第2取り付け部材224、228と、そこに設けられているボール、又は、球状236、238に一体形成されたソケット232、234を含有している。当然、ソケット232、234は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく、第1、第2取り付け部材224、228からの分離部品として組み立てることができる。ソケットが取り付け部材から分離して組み込まれている、実施において、サブアッセンブリのような接合/接続用の適切な機構、例えば、溶接接続、ねじ係合、バヨネットロック機構等を、用いることができる。
【0053】
図8乃至図17の一実施例では、第1取り付け部材224は、本発明の固定システム211のオペレーション用に、内側第1スプリング212を支持するように構成されている。図16、図28に最も良く示されているように、第1取り付け部材224は、本体部材240を含有している。本体部材240は、該本体を通る開口242に有している。開口242の内面は、ソケット232を定め、且つ、ボール(又は球状要素)236を受け取るために、形成され、且つ、寸法取りされているものである。ボール/球状要素のアッセンブリは、ソケット232に対してボールの通常の位置を90度回転させることによって、達成される。この位置において、ボール/球状要素は、ソケット内の内側の球状の案内溝に切られている、2つの対向するスロット232aを通って摺動することができる。本発明の開示の一実施例では、対向するスロットは、実質弓形であり、球状要素の高さに適合する距離に渡り伸びている。一旦ソケット内に設けられると、ボール/球状要素は、一般に、それから係合解除されるのを防ぐため、ソケットに対して回転される。実際、一旦ペディクル・スクリュウに組み立てられると、ボール/球状要素が、ソケット部材内に形成された内側の球状の案内溝から分解されることはない。本発明の開示の一実施例では、開口242は、ボール/球状要素236がボール/球状要素236の直径を定める面、又は該面付近でソケット232に係合するような大きさに形成されている。この方法で、ボール/球状要素236は、ソケット232に対して中心に設けられており、ソケット232を通り抜けることができないようになっている。内側第1スプリング212は、第1取り付け部材224の本体部材240から伸びており、且つ、一実施例では、本体部材240に一体形成されている。
【0054】
第2取り付け部材228は、同様に、貫通開口246を有している本体部材244を含有している。開口246の内面は、ボール238を受け取るように形成され、且つ、寸法取りされている、ソケット234を定めている。従って、一実施例では、ソケット234は、ソケット232に関連して上述したように、ボール/球状要素の導入の便宜を図るために、対向するスロットを含有している。ボール236と、ソケット232との間の寸法関係に関し、開口246は、ボール238がボール238の直径を定める面、又は、該面付近でソケット232に係合する(そして、ボール238がソケット232を通り抜けることができない)ような大きさに、有利に、形成されている。第2取り付け部材228は、更に、ロッドコネクタ248を含有している。ロッドコネクタ248は、該コネクタを通って伸びている横軸開口/チャンネル250を備えている。横軸開口/チャンネル250は、該横軸開口/チャンネル250を通るスプリング・キャップ・ロッド252の通路が、形成され、且つ、寸法取りされている。スプリング・キャップ・ロッド252は、例えば、ねじ切りされている開口を通って伸びているセットスクリュウ254を介して、横軸開口250内に固定されている。該ねじ切りされている開口は、ロッドコネクタ248の外面から、横軸開口/チャンネル250のスプリング・キャップ・ロッド252が設けられているところ、までのチャンネルを提供するものである。
【0055】
代替的な実施例によると、図10を参照すると、セットスクリュウ254’は、くさび部材249’に相互作用する。くさび部材249’は、横軸開口/チャンネル250’内に設けられており、横軸開口/チャンネル250’を通るスプリング・キャップ・ロッド252を係合するために、形成され、且つ、寸法取りされている。より詳しくは、くさび部材249’は、スプリング・キャップ・ロッド252’と相互作用するように、形成され、且つ、寸法取りされている、露出弓形表面を含有しており、これによって、セットスクリュウ254’がくさび部材249’に締結されたとき、第2取り付け部材228’に対するスプリング・キャップ・ロッドの動作を実質止めるようになっている。
【0056】
図11、図15a、図15bを参照すると、本発明の開示による取り付け部材に対してスプリング・キャップ・ロッドを固定するための、更に代替的な構造配列が描かれている。図11、図15a、図15bの構造配列は、取り付け部材内でのスプリング・キャップ・ロッドの柔軟な装填が望まれている時、特に有利なものである。図11、図15a、図15bは、取り付け部材228”を定める横軸開口/チャンネル250”内に選択的に回転可能なボール249”を用いている。ボール249”は、該ボールを通って伸びている横軸圧縮スロット251”を含有している。開口255に開口している複数の内部溝253は、また、ボール249”内に形成されているものであるが、これによって、後に詳述されるように、そこに設けられたスプリング・キャップ・ロッド252”の固持を促すものである。注目すべきは、ボール249”内に形成され、且つ、図15bに示されている開口255は、有利な、短径“Y"と、長径“X"の、幾何学的楕円形状のものであるということである。圧縮スロット251は、実質、短径“Y"に位置調節されており、溝253は、圧縮スロット251”に面している弓形の位置、即ち、開口255の反対側に、配備されている。
【0057】
使用時、例えば、ロッドのような細長い部材等の要素が、開口255内に設けられた後、機構(例えば、セットスクリュウ254”)が、ボール249”の外側に力を印加するのに用いられる。力は、楕円状開口255の長軸“Z"に実質位置調節された状態でボール249”に、有利に、印加される。力が、ボール249”の外面に印加されるのと同時に、楕円状開口255は、変形され、幾何学的円状(又は、実質円状)の形になる。幾何学的円状への変形は、開口255に対する、圧縮スロット251”と、溝253との位置決めによって、容易にされている。実際、圧縮スロット251”と、溝253との位置は、ボール249”が所望の円状(又は実質円状)の開口255へと優先的に変形するための便宜を図るものである。幾何学的に円状/実質円状の形になることによって、開口255周りのボール249”の内壁が、実質、細長い部材/ロッドの全周囲に渡り円状の断面の細長い部材/ロッドに係合する。その全周囲に渡り円状の断面の細長い部材/ロッドと係合することによって、よりしっかりとした固定が、ボールと細長い部材/ロッドとの間に与えられる。
【0058】
従って、スロット251”と、溝253とは、ボール249”がセットスクリュウ254”によって与えられた力によって、限定された程度にまで圧縮され、且つ、変形できるようにする。これによって、ボール249”と、スプリング・キャップ・ロッド252”とが、横軸開口/チャンネル250”内の適切な位置に係止される。第2取り付け部材228”に対して、ボール249”と、スプリング・キャップ・ロッド252”との向きが、所望の向きに調節されている間、ボール249”は、スプリング・キャップ・ロッド252”がボール249”を通って伸びることができるようにする。つまり、ボール249”は、開口/チャンネル250”内で3回転自由度を有しており、これによって、ボール249”は、スプリング・キャップ・ロッド(又は、他の細長い部材/ロッド)との位置調節の便宜を図るため、本質的に任意の角度に方向付けることができるようになっている。これによって、背骨固定システムに関するアッセンブリの利便性と、柔軟性とを大きく進展させることができる。実際、ボール249”内に設けられたロッドは、取り付け部材に一旦組み込まれた後は、臨床医学者/外科医によって、一般に、正しい長さに調節される。ロッドが、ボール249”の出口端の非常に近くに調節されるのであれば、ボール/ロッドの組合せは、取り付け部材228”に対して、本質的に180回転自由度を提示する。ここで、開示されている一実施例による、高度/高レベルな角度測定は、一般に、臨床応用で有利なものである。取り付け部材228”の開口/チャンネル250”を備えているボール249の組合せは、“箱の中のボール”と称することができる。一旦所望の方向が、背骨固定システムの他の部品に関連するロッド用に達成されると、セットスクリュウ254”が、きつく締められ、且つ、アッセンブリが、それによって適切な位置に係止される。
【0059】
更に図8を参照すると、第1、第2取り付け部材224、228は、第1、第2ペディクル・スクリュウ216、218に備え付けられている。ペディクル・スクリュウ216、218の各々は、近位端256と、遠位端258とを含有している(ここに描かれている一実施例の第1、第2ペディクル・スクリュウ216、218は、同一のものであるから、同じ参照番号が両方のペディクル・スクリュウに記載されている。しかし、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく、異なる構成、及び/又は、特性を有しているペディクル・スクリュウが、本発明の開示による固定システムの実施に組み込むことができる、ということは、意図されていたものである)。遠位端258は、個人の脊柱に沿ってしっかりと取り付けるための従来のねじを含有している。本発明の開示の一実施例により、且つ、更に、図23を参照すると、ペディクル・スクリュウ216の近位端256は、コレット260を提供するものである。コレット260は、ボール/球状要素236内に形成されている、実質、円筒型の収納開口/チャンネル262aに受け入れられるように、寸法取りされているものである。
【0060】
コレット260は、例えば、固定システム211の使用に伴い必要になる、開業医の制御下において、伸張、収縮能力を有するように、組み立てられ、及び/又は、形成されている。一例のコレット260は、複数の直立部分264を含有している。該部分264は、中央空洞266周り、即ち、中央空洞266の周囲に、実質弓形に配列されている。隣接する直立部分264は、スロット又はチャンネル265によって分離されている。図23に示されているように、スロット265は、スロット265の底で、拡大された、実質円状の領域265aを定めることができる。本発明の開示の一実施例では、円状の領域265aは、更に、隣接する直立部分264の相対動作を促すものである。
【0061】
更に、図8、図23を参照すると、一例のコレット260は、3つの(3)直立部分264で定められている。これらの直立部分264は、実質同じ形状/寸法であるが、直立部分264の代替的な数、間隔、及び/又は、配列が、本発明の開示の骨子又は範囲を逸脱することなく、利用、及び/又は、用いることができる。後に詳説されるように、直立部分264は、(i)ボール/球状要素236、238の受け入れチャンネル262a、262bの中でコレット260を係止するために伸びている(又は、外側に反れた)状態と、(ii)コレット260が、ボール/球状要素236、238の受け入れチャンネル262a、262bから選択的に差し込み、又は、取り除くことができる、伸びていない(又は、安静)状態と、の間の動作に合うようになっている。注目すべきは、“伸びている状態”とは、一般に、しっかりと固定された、又は、予め定めた、拡大の程度のことを言うのではなく、むしろ、一般に、コレット260と、ボール/球状要素236、238との間の所望の摩擦係合を達成するために必要な拡大(即ち、外側への反り)のレベルによって定められるものである。
【0062】
本発明の開示の一実施例によると、ボール/球状要素236、268の受け入れチャンネル262a、262bの各々は、それが伸びていない(又は、実質伸びていない)状態にある間、ペディクル・スクリュウ216、218に使われる、コレット260を受け取るため、構成され、且つ、寸法取りされている。コレット260の保有は、更に、コレット260の直立部分264の遠位端又は上部端で、又は、その付近で、リップ268の設備によって、拡張することができる。リップ268は、例えば、コレット260の鋳造又は機械製造中に、各直立部分264上に、概ね、形成されるものであり、且つ、得られるコレット260の縁周りに、概ね、伸びている。各受け入れチャンネル262a、262bは、その対向端で第1、第2面取り領域を、概ね、含有している。面取り領域は、例えば、ペディクル・スクリュウ216、218と、ボール/球状要素236、238との間の相互作用のような、開示されている固定システムの部品の位置合わせと接続とを促すものである。開示されている固定システムの柔軟な使用を促すため、ボール/球状要素236、238は、中間面(図23に一点鎖線“MP"で示されいる)の周り、又は、中間面に対して、概ね、対称になっている。それに応じて、何れの、受け入れチャンネル262a、262bの端においても、面取り領域は、幾何学的に、寸法上、実質同じものである。
【0063】
上述の通り、リップ268は、直立部分264の外壁上に形成されており、受け入れチャンネル262a、262bの面取り領域と協働するように、有利に、構成され、且つ、寸法取りされている。従って、一旦コレット260が、受け入れチャンネル262a、262bを通って広がると、直立部分246に使われるリップ268は、受け入れチャンネル262a、262bに関連する面取り領域内に、概ね、設けられる。リップ268と、受け入れチャンネル262a、262bの面取り面との間の摩擦相互作用は、ここに記載されている、コレット260の膨張の前後において、コレット260と、受け入れチャンネル262a、262bとの相対位置を保つことを助けるものである。
【0064】
本発明の開示の一実施例によると、構成上の特徴、及び/又は、要素は、ボール/球状要素236、238、及び/又は、コレット260に与えられており、これによって、例えば、ペディクル・スクリュウ216、218に対して、ボール/球状要素236、238を固定するためのツール、及び/又は、固定システム211の部品等の、1又は複数のツールとの相互作用を促すようになっている。図8、図23の一例のシステムを参照すると、位置合わせタブ又は切欠き270、272は、ツールと相互作用するように直立部分264内に形成されている。図23に示されている、位置合わせタブ/切欠き270、272は、実質L字形状を有しているが、特別なツール設計、及び/又は、ツール相互作用の便宜を図るため、代替的な形状を用いることもできる。図8、図23の一実施例では、例えば、弓状に配列された固持伸張部のような、ツール(描かれてはいないが)は、隣接する位置合わせタブ/切欠き270、272と有利に相互作用することができる。固持伸張部は、隣接する位置合わせタブ/切欠きと係合/協働するように、間隔を開けられ、構成され、且つ、寸法取りされている。上述の通り、ボール/球状要素236、238は、中間面(“MP")に対して、概ね、対称であり、開示されている位置合わせタブ/切欠き270、272は、ボール/球状要素236、238の両方の端に、典型的に形成されている。実際、ボール/球状要素236、238の両端上の位置合わせタブ/切欠き270、272の設備は、機能性/相互作用性、例えば、付属ツール又はそのようなものとの相互作用、を犠牲にすることなく、何れの向きへのボール/236、238の備え付けを、有利に促すものである。本発明の開示の一実施例によると、補完ノッチ271は、ツール相互作用を促すため、ボール236、238に形成することができる。ノッチ271は、ボール262a、262bの周囲に間隔を開けて設けられており、例えば、コレット260に対するボール262a、262bの回転再配列によって、また、そのツール関連操作に関連するツール(図示せず)によって、切欠き270、272と位置合わせすることができる。また、ペディクル・スクリュウ上の形状、及び/又は、構成物は、例えば、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状要素をしっかりと固定するとき、自動的に正しい方向に向け、逆トルクを考慮に入れた回転安定性を提供するため、ボール/球状要素上の切欠きと相互作用するように構成されている。
【0065】
ペディクル・スクリュウ216、218に関連する一例のコレット260の拡張は、コレット260の直立部分264内に定められている中心開口266内にセットスクリュウ274を差し込むことによって達成される。一実施例によると、セットスクリュウ274は、中心開口266の内面と、セットスクリュウ274の外面とに沿って形成されているねじを合わすことによって中心開口266に固定される。セットスクリュウ274は、例えば、そのねじ切りされていない端に、外向きに先細りになっている一部分274aを含有している。該一部分274aは、スクリュウ274がペディクル・スクリュウ216、218にねじ込まれるのに従って、コレット260の直立部分264に係合するように、構成され、且つ、寸法取りされている。従って、セットスクリュウ274は、中心開口266内に下に向かって進み、直立部分264は、スクリュウ274の先細りになっている一部分274aに下側で接触し、外向きに力がかけられる/反らされる。直立部分264の外向きの反りは、コレット260の有効直径を増加し、コレット260の外面と、受け入れチャンネル262a、262bの内壁との間の干渉接触を増加(又は構築)する。更に、セットスクリュウを差し込むことによって、コレット260は、ボール/球状要素236、238の受け入れチャンネル262a、262bとの係合を係止することができる。前述の通り、直立部分264の外面に与えられているリップ268は、とりわけ、コレット260によって与えられる“係止する”力を強化することができる。
【0066】
図24a、図24b、図24cを参照すると、本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対して、ボール/球状要素を、固定、又は、備え付けるための、代替的なコレット・ベースシステムが、描かれている。図24a乃至図24cのコレット・ベースシステムは、図23に描かれているシステムと同じである。しかし、図24a乃至図24Cのシステムでは、内部スナップリング273は、直立部分264の外壁内に形成された外部リング溝277と、ボール/球状236内で形成された内部リング溝279とに協働するように構成されている。スナップリング273は、部分円であり、該部分円は、スナップリング273の直径を広がりやすくするための開口273aを備えている。典型的には、スナップリング273は、所望の弾性率が得られる、チタンやステンレス鋼から製造されている。外部、内部リング溝277、279の深さは、それぞれ、通常、スナップリング273の配置を確実にするように選択される。
【0067】
使用時、スナップリング273は、典型的には、ボール/球状要素内に形成された内溝に設けられている。そして、例えば、部品が所望の位置に達した時に、コレット内に形成されている外溝に、本質的に“はめ込む”ということを行う。ボール/球状要素と、コレット/ペディクル・スクリュウとの間の、この“はめ込む”という接続は、臨床医学者が部品の位置合わせを誤るというリスクを伴うことなく、互いに関連する部品をより長い間固定する(例えば、適切なツールを設け、且つ、位置決めする)ための適切なステップを実行できるようにするものである。従って、スナップリングは、両方のリング溝277、279に有利に位置合わせされ、且つ、部分的に入れ子状にされ、これによって、ボール/球状236の間に一層の係合を与えるものである。セットスクリュウ274が差し込まれ、直立部分264が外向きに反らされ、これによって、ボール/球状236と、ペディクル・スクリュウ216との間に強い係合が提供される。その代替的な実施例において、スナップリングは、コレットの表面(即ち、外溝)に初めのうちに設けられている。この場合において、所望の位置合わせが達成されたときに、スナップリングは、ボール/球状位置合わせの溝に“はめ込む”ということを行う。
【0068】
注目すべきは、スナップリングは、開示されたアッセンブリに含有されており、コレットは、もはや内側、外側の両方に変形する必要がないということである。コレットのリップの機能は、仮のスナップフィットと、最終的な固定との機能を分離するスナップリングによって置き換えることができる。スナップリング273によって分けられた、この機械機能の分離に由来して、スロット/チャンネル265の深さは、ボール/球状要素とコレットとの間の安全な相互作用の有効性を減少することなく、図23の実施例に関連する、図24a乃至図24cの一実施例において、減少することができる。スロット/チャンネル265の深さを減少することの可能性は高く、というのは、スロット/チャンネルは、もはや、内側への変形できることを必要としないためである。直立部分264の外向きの反りのみが、必要な固定力を得るために要求され、スロット/チャンネル深さは、減少され、これによって、コレットを硬化し、且つ、強化することができる。スロット/チャンネルの適切な深さの選択は、本発明の開示に基づいて当業者の技術で十分にできるものである。スロット/チャンネル265の深さを減少することによって、コレット260に強い強度を与えることができる。
【0069】
図25a乃至図25cを参照すると、更に、代替的な機構が、描かれている。コレットは、反らされる物ではなく、即ち、前述の実施例からスロット/チャンネルが、削除されている。従って、コレット260’は、前述した実施例に記載されているように、スロット/チャンネル265によって分離されている、複数の直立している、反ることができる部分というよりも、むしろ、実質円筒状の構成物である。円筒状の構成物は、前に記載されたスロットの設けられている実施例との関連において、コレット260’を補強するものである。図24a乃至図24cの実施例のように、内側のスナップリング273は、上述した手法によって、内溝277又は外溝279内に、設けられ、且つ、入れ子にされる。スナップリング273と、リング溝277、279との間の相互作用は、コレット260’と、ボール/球状236間に固定力を与えるものである。
【0070】
図25bの分解図と、図25cの断面図において、特に言及されているように、セットスクリュウ274’は、拡張頭部274aを定めている。拡張頭部274aとは、ボール/球状236に面取りされた開口に協働するように寸法取りされたものである。先細りになっている、円周ベアリング表面274bは、頭部274aの下部に定められている。頭部274aは、セットスクリュウ274’がコレット260’にねじ込まれるのに伴い、ボール/球状236に係合されるようになっている。協働するねじ山は、セットスクリュウ274’(例えば、6−32ねじ)の下側に伸びている一部分の外側と、コレット260’の内面とに、一般に、定められている。従って、セットスクリュウ274’は、コレット260’へと進められ、ベアリング表面274bは、ボール/球状236上の協働する面取りされている表面に係合する。同時に、ペディクル・スクリュウ216によって、定められ(又は、関連して)定められている、傾斜した、円周ベアリング表面261は、対称に定められた、ボール/球状236の対向端の面取りされた表面に、係合される。従って、ボール/球状236は、セットスクリュウ274’の拡張頭部と、コレット260’の底に隣接して設けられているベアリング表面261との間に、効果的に捕らえられる。
【0071】
図25a乃至図25cの代替的な実施例によると、コレットの強さは、スロット/チャンネルの削除によって増加されている。加えて、セットスクリュウ274’の大きなサイズの拡張頭部は、前述した実施例に関連する、大きな6角(又は、他の幾何学的形状)ツール係合特性を可能にする。その上、“生体組織親和性を有している”表面特性274cは、ボール/球状要素236内の空間から生体組織を保護するため、拡張頭部の上面に定められている。しかし、図25a乃至図25cの実施例によると、ペディクル・スクリュウ内に形成された中心開口内にセットスクリュウ274’を“予め組み込む”ことは(後に詳述されるように)難しい。というのは、ボール/球状要素を越えて通過できないからである。
【0072】
図26a乃至図26cを参照すると、ペディクル・スクリュウに対して、ボール/球状をしっかりと固定、又は、備え付けるための機構の更なる一例が、本発明の開示によって描かれている。図25a乃至図25cの実施例のように、スロットが設けられていないコレットが、ペディクル・スクリュウに関連して与えられている。また、前述した実施例のように、傾斜された、円周ベアリング表面261は、コレットの底付近に設けられており、ボール/球状によって定められている内面に係合するように、構成され、且つ、寸法取りされている。ベアリング表面261は、ペディクル・スクリュウ216によって定められ(又は、関連付けされ)、後述するねじ山の下に設けられている。
【0073】
図26b、図26cを特に参照すると、ボール/球状要素236’は、ねじ切りされている内面236aを定めている。内面236aは、コレット260”に形成されている外向きにねじ切りされている面260aと協働するようになっている。協働するねじは、前の実施例で述べたスナップリングの必要を無くすものである。注目すべきは、1又は、複数の特徴形状が、ペディクル・スクリュウ216に関連するボール/球状236’の回転動作を与えるため、ツール(描かれてはいないが)との相互作用を促すために、ボール/球状236’の開口に、一般に、形成される、ということである。測定器具のように、コレット260”に対するボール/球状236’の所望の締め付けを、結果として生じるように、ボール/球状236の回転を確実に行うために、逆トルクツール(描かれてはいないが)との相対動作を促すように、1又は、複数の特徴形状が、コレット260”の頂部で、一般に、形成されている。ボール/球状236’が、コレット260”に対して締め付けられるのに伴って、ボール/球状の底の部分は、ベアリング表面261に係合し、これによって、その間に、更なる摩擦係合が与えられる。
【0074】
使用時、図26a乃至図26cの備え付け機構は、(前の実施例で述べた)セットスクリュウの必要と、スロットの設けられていないコレットの利用と、を無くすものであり、これによって、スロットの設けられている実施例との関連において、コレット構成を補強するものである。ボール/球状と、ペディクル・スクリュウとのアッセンブリは、ねじの位置合わせと、コレット/ペディクル・スクリュウに関連し、ボール/球状の所望の回転をもたらすための適切なツール相互作用とを要求するものである。
【0075】
図27を参照すると、更に、代替的な備え付け機構が、描かれている。ボール/球状236”の入口ねじ236bは、スロットの設けられているコレット260kの底で(又は、その付近で)、協働ねじ260xと相互動作するように構成されている。スナップリング273は、スロットが設けられているコレット260kの直立部分が外側にそれるのに伴い、即ち、セットスクリュウ274がペディクル・スクリュウ216に対して下向きに進めされたとき、よりしっかりとした備え付けの確実さを与えるように、備えられている。開示された機能の一実施例では、入口ねじは、“左巻き”ねじであり、これによって、セットスクリュウ274が導入されるのに伴い、係合が解ける可能性を最小にする。実際、セットスクリュウが進められるのに伴い、ボール/球状は、その反対を向いたねじによって、係止位置へと促される。代替的に、同じ結果を得るために、セットスクリュウは、左巻きのものが与えられ、入口ねじは、右巻きのものでも良い。使用時、図27の備え付け機構は、(セットスクリュウの導入に伴い)コレットの反ることができる直立部分と、スナップリングの含有と、ボール/球状上への入口ねじの含有との組み合わされた働きを通じて、ボール/球状と、コレット/ペディクル・スクリュウとの間の、よりしっかりとした備え付けの確実さを与えるものである。
【0076】
本発明の開示の一実施例によると、セットスクリュウ274は、中心開口266内に、有利に、“予め組み込まれ”ており、即ち、セットスクリュウ274は、臨床処置が始まる前に、中心開口266へと部分的にねじ込まれている。上述された備え付け機構の目的のため、図25a乃至図25cの設計のみは、(セットスクリュウ274’上の拡張頭部のため)“予め組み込まれている”セットスクリュウを受け入れる余地はない。干渉(interference)は、セットスクリュウ274の表面上に与えられ、セットスクリュウ274を、例えば、出荷時と、患者に対してペディクル・スクリュウの初めの臨床学的な位置/導入を行う間とに、初めの“予め組み込まれた”位置に保持できるようにする。本発明の開示による一干渉は、例えば、その遠位端、又は、その付近での、螺旋状のねじの変形に伴って生じるものである。変形は、かたい表面の1又は、複数の位置(例えば、対向する位置)に特に形成されているねじによって、もたらされる。一実施例において、一対の変形、又は、“ピング”は、セットスクリュウの遠位端、又は、その付近で、ねじ山内に形成される。更に、所望の干渉は、ねじ山の長手方向に沿って“オフ・ピッチ”な状態でねじ切りされている限定領域に備えることによって、達成できる、ということが意図されている。代替的な構成、及び/又は、機構は、本発明の開示から当業者が容易に見いだすことができるものであるが、(ペディクル・スクリュウに対してセットスクリュウを進めるときに、臨床医学者によって容易に克服される)所望の干渉を得るために、用いることができるものである。
【0077】
ここに記載されている、“予め組み込まれた”セットスクリュウによって、記載されているシステムの臨床使用は、臨床処置中、中心開口266にセットセットスクリュウ274の位置合わせを行う潜在的困難さ、及び/又は、臨床作業に関連する、セットスクリュウの置き間違い/落下、及び/又は、斜め止め、の可能性、を実質的に削除される。注目すべきは、セットスクリュウ274の長さ、及び/又は、セットスクリュウ274の外向きに先細りになっている領域の相対寸法、及び/又は、位置は、“予め組み込んだ”構成のセットスクリュウ274の直立部分264の外向きの反りを妨げ、又は、制限するように、有利に選択されている。
【0078】
一般に、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状要素を締結、又は、係止することは、従って、セットスクリュウをペディクル・スクリュウの頭部、又は、その付近に、設けられている中心開口へとねじ込むことによって、本発明の開示の一実施例により、取られるものである。セットスクリュウは、その臨床使用を促すため、中心開口へと、有利に、予め組み込むことができる。セットスクリュウの中心開口へのねじ込みは、ペディクル・スクリュウに関連するコレット機構に、関連する一連の直立部分の外向きの反りを生じする。ペディクル・スクリュウに対するセットスクリュウの動作を促すため、セットスクリュウが、中心開口に差し込まれ、又は、取り外された時に、ペディクル・スクリュウの回転動作を妨げ/制限するように、ペディクル・スクリュウへ“逆トルク”力を、一般に、与えることが望ましい。所望の逆トルクを与える(且つ、セットスクリュウを差し込み/取り外すための)ツールは、知られている。本発明の開示の一実施例において、切欠き/位置合わせタブは、コレットに形成され、且つ、使われており、そして、協働するノッチは、例えば、セットスクリュウの差し込み/取り外しの間、ペディクル・スクリュウに所望の逆トルクを与えるツール等の上記ツールとの相互作用を促すために、ボール/球状に形成され、且つ、使われている。
【0079】
本発明の開示は、一連の一実施例として記載されている。ボール/球状要素は、ペディクル・スクリュウに備え付けられており、ペディクル・スクリュウに関連する動作を支持するように、ソケット部材と協働し(即ち、動作インターフェース要素として働き)、且つ、有利なダイナミックな接合点を提供するものである。本発明の開示が、ボール/球状要素と、ソケット部材との間の相互作用を通じて形成されたダイナミックな接合点に限定されないということが理解される。例えば、図29に示されているように、外向きにねじ切りされているコレット260aを有している、ペディクル・スクリュウは、内向きにねじ切りされている空洞236aと係合することができる。空洞236aは、動作インターフェース要素である、第1ユニバーサル接合機構241に、備え付けられ、又は、接合されている。ロッド252は、その第1端で第1ユニバーサル接合機構241と、その反対側の端で第2ユニバーサル接合機構243と、協働する。ユニバーサル接合機構の設計と働きとは、当業者に知られているところであり、ここに開示されているタイプのペディクル・スクリュウ備え付け構成物に関連する実施は、固定システム/応用で使用するための有利な、代替的なダイナミックな接合点を、提供するものである。代替的なダイナミックな接合点のアッセンブリは、また、個々に開示されている詳細な記載から、当業者にとって、容易に自明なように、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく用いることができるものである。
【0080】
当業者が確かに認識するように、効果的、且つ、信頼できる、ボール/球状要素236、238の、コレット260に関連する、そして、ソケット232、234内での、位置合わせは、望ましいものである。本発明の開示の一実施例により、図12と図14とを参照すると、代替的な働きが、有利な誘導線システム275を臨床医学者に与えることによって、促される。一例の誘導線システム275は、誘導線276と、先細りになっている部材278と、を含有している。部材278は、ここに記載されるように、ペディクル・スクリュウ、及び/又は、ソケットシステムに関連し、ボールの容易な位置決めのために、形成され、且つ、寸法取りされている、(例えば、円錐形の)外向きの先細りになっている誘導面を定めている。誘導線276は、一般に、その間に中心部分284を備えている、近位端280と、遠位端282とを定めている。本発明の開示の一実施例において、誘導線276の近位端280と遠位端282とは、従来のペディクル・スクリュウの設置に用いられている従来の誘導線と、実質、同じものである。しかし、中心部分284は、ここに記載されているように、有利な、先細りになっている誘導部材278を与えるものである。
【0081】
先細りになっている誘導278は、一般に、傾斜している外面と、実質平面である底279とを定めるものである。底279は、(面取りされていない領域で測定して)受け入れチャンネル262a、262bの直径よりも、僅かに小さな最大直径を有しているように、概ね、寸法取りされている。典型的には、先細りになっている誘導278の底279と、受け入れチャンネル262a、262bの中心チャンネルとの間の直径の違いは、約0.001”〜0.020”であり、これによって、ペディクル・スクリュウに対するボールの位置合わせを促す一方で、同時に、先細りになっている誘導の底に対してボールの通路が遮断されていないことを確実にするものである。本発明の開示の一実施例において、誘導線276の遠位端282は、例えば、ペディクル・スクリュウ216、218の遠位端258の手前の位置にまで、ペディクル・スクリュウ216、218内で伸びている。先細りになっている誘導部材278は、その後、底279が、例えば、コレット260の隣接位置、又は、接する位置において、ペディクル・スクリュウの近位端256に隣接する用に、誘導線276上に有利に設けられている。
【0082】
使用時、ペディクル・スクリュウは、所望の解剖学的位置へと導入される。開示されている誘導線システムは、その後、ペディクル・スクリュウに対するボール/球状の効果的、且つ、信頼できる位置決を促すように、有利に、用いることができる。開示されている、先細りになっている誘導部材の底が、例えば、コレットがその頭部の位置に、又は、その付近に設けられている、ペディクル・スクリュウの近位端の近接位置、及び/又は、接する位置にまで、運ばれるように、誘導線は、ペディクル・スクリュウへと、概ね、送り込まれる。経皮的応用においては、しかし、誘導線は、ペディクル・スクリュウが誘導線を越えて所望の解剖学的位置へと導入されると共に、最初に、位置決めされるものである。ボール/球状要素(又は、代替的な付属部品の構成物)は、その後、誘導線に沿って送り込まれる。即ち、誘導線は、ボール/球状要素の受け入れチャンネルを通ることになる。先細りになっている誘導部材は、ボールを、ペディクル・スクリュウの近位端の配置位置へと、例えば、ペディクル・スクリュウの頭部に設けられているコレットの配置位置へと、有利に、導く。ボール/球状は、その後、先細りになっている誘導部材を越えて、例えば、ボールの受け入れチャンネル内に設けられている、本発明の開示の、有利な、コレットを備えている、ペディクル・スクリュウの頭部の位置まで、通る。
【0083】
本発明の開示の先細りになっている誘導部材は、特定の必要、及び/又は、目的に合うように、設計された種々の形状に形成することができる、ということを意図している。例えば、先細りになっている誘導部材は、螺旋状に成形すること、そして、ボールが、コレット上に置かれる時に、正確な向き/位置決めの状態にあることを確実にするための、追加の誘導を与えることができる。上記実施例は、例えば、取り付け部材のセットスクリュウの正確な位置合わせを促すために、最小の侵襲性手術で使用される可能性がある。加えて、先細りになっている部材は、例えば、ペディクル・スクリュウに関連し、1以上の非対称な特徴を有している部品等、の部品の回転位置合わせ、又は、位置決めを促す、構成物、及び/又は、特徴形状を、有利に、含有しているものである。従って、例えば、螺旋は、ペディクル・スクリュウ上の特徴形状を用いて正確な位置合わせ/位置決めを確実にする、先細りになっている誘導部材上に備えることができるものである。
【0084】
加えて、誘導を行う円錐、又は、先細りになっている誘導部材は、例えば、限定された、又は、視覚化されていない、セットスクリュウへのアクセスを容易にするために、ねじ回し、及び/又は、逆トルク装置を、誘導線の下へと導くのに、利用することができる。本発明の開示の、追加の有利な実施例では、誘導線システムは、中に誘導線が設けられているペディクル・スクリュウに対する周知の横/軸外への方向と距離とに基づいて、例えば、横向きに間隔を開けて設けられている取り付け部材、及び/又は、ロッドコネクタ等のように、軸外位置へのツール位置合わせ/誘導を促すことができる。従って、誘導部材は、例えば、誘導線に対するツール(例えば、ねじ回し)の、予め定められた、且つ、有利な、軸外位置決めをもたらすように、誘導線に沿って摺動することができる。
【0085】
更に、本発明の開示による、先細りになっている誘導部材は、星形形状や三角断面を有するものであっても良い。加えて、先細りになっている誘導部材は、分離している部品、即ち、例えば、本発明の開示による固定システムの設置中等の、所望の時点で、誘導線を備えるアッセンブリ用に、分離している部品として提供されている。実施時、先細りになっている部材は、(先に組み立てられている誘導線システムに対向する)誘導線に関する特有の部品として提供されている。先細りになっている誘導部材は、誘導線を越えて、有利に、通っており、且つ、固定システムの設置作業中、所望の軸位置に設けられている。実際、更に、先細りになっている誘導部材は、例えば、ペディクル・スクリュウで用いられる、コレットに対して、先細りになっている誘導部材を備え付けることによって、例えば、ペディクル・スクリュウの近位端に、並列に並べられている、先細りになっている誘導部材を置くことによって、誘導線とは分離した状態で形成され、且つ、使用される、ということを意図している。
【0086】
一例の固定部材210のバイアス構成物を、更に、参照すると、ピストン・アッセンブリ286は、同軸スプリング212、214を含有するように提供されている。同軸スプリングは、内側の第1スプリング212と、外側の第2スプリング214との形態をとっている。後に詳述されるように、ピストン・アッセンブリ286は、更に、スプリング・キャップ288と、スプリング・ロッド252とを含有しており、これらは、ピストン・アッセンブリ286と、ペディクル・スクリュウ216、218との間の力の変換、及び/又は、伝達とを行うものである。ペディクル・スクリュウ216、218は、患者の背骨構成物に実質一体化されるため、ここに記載されている構成上の配列は、患者の背骨への、力の変換、及び/又は、伝達を効果的に行うものである。
【0087】
内側の第1スプリング212は、一般に、第1端290と、第2端292とを定めている。上述するように、本発明の開示の一実施例において、第1スプリング212は、第1取り付け部材224に捕捉されている。内側の第1スプリング212の第2端292は、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294に捕捉されている。外側の第2スプリング214は、また、第1端296と、第2端298とを定めている。本発明の一実施例において、外側の第2スプリング214の第1端296は、スプリング・キャップ288にかたく固定されており、外側の第2スプリング214の第2端298は、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294にかたく固定されている。
【0088】
上述するように、それぞれの第1、第2スプリング212、214は、一例の固定部材210に関連する1又は複数の構成物に連結されている。その一実施例によると、1又は両方のスプリング212、214は、かたく(即ち、しっかりと)、固定部材210に関連して、1又は複数の部品に関連して連結されている。本発明の好ましい実施例によると、スプリングは、その一端又は両端において、構成物に溶接されている。しかし、当業者は、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、他の技術(例えば、入れ子状にする、及び/又は、捕捉するための技術)を用いることができることを認めることができるであろう。
【0089】
スプリング212、214は、一般に、シース300内に設けられている。シール300は、例えば、実質円筒状の部材であり、本来の位置で、スプリングと解剖学的構造との間で、所望しない相互作用、又は、干渉が生じることを防ぐものである。従って、シース300は、周囲の解剖学的構造と、流動体とに関し、有利に、実質、不活性なものである。本発明の実施例の一実施例によると、シース300は、ePTFE(発泡ポリテトラフルオロエチレン)、UHMWPE(超高分子量ポリエチエレン)、ポリカーボネート−ウレタン複合材料(例えば、共重合体、及び/又は、その混合体)、又は、それらを組み合わせたものによって、(少なくとも一部分が)製造されているが、当業者は、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、他の材料を用いることができることを認めるであろう。シース300は、固定部材110の軸伸張/圧縮の便宜を図るのに十分な弾性の材料で、一般に、製造されているが、例えば、ベローズ(蛇腹)のような構成物等の上記軸動作に適合する構成配列を、用いることもできる。シース300は、所望の臨床結果を促す、又は、助長するため、例えば、薬物、及び/又は、薬剤等の表面処理を含有することができる、ということを意図している。
【0090】
スプリング・キャップ・ロッドの隣接面294は、概ね、その第1端でシース300に関して固定されており、且つ、スプリング・キャップ288は、概ね、その対向する端でシース300に関して固定されている。ワッシャ、又は、Cクランプ302は、シース300と、端部材(即ち、スプリング・キャップ288と隣接面294)との間の相互作用を促すため、その間の接合点に、設けられている。本発明の開示の一実施例において、スプリング・キャップ288は、更に、第1取り付け部材224の本体部材240に関連して、かたく固定されている。
【0091】
図8、図9に示されているように、第1、第2スプリング212、214と、スプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252とは、背骨に適用し得る限られた解剖学的空間にもかかわらず、所望、且つ、有利な、力のグラフを与える手法によって、ピストン・アッセンブリ286を、ペディクル・スクリュウ216、218に、一般的に、連結している。例えば、背骨が伸びる動きをするとき、ペディクル・スクリュウ216、218は、ペディクル・スクリュウに互いの向きにバイアスをかける力を受ける。ペディクル・スクリュウ216、218が受ける力は、第1、第2取り付け部材224、228にかかる力に変えられる。第1、第2取り付け部材224、228は、同時に、互いの向きに動くようにバイアスされる。(背骨動作から生じた)先述の力は、固定部材210に圧縮力を生成する。固定部材210によって受ける圧縮力に応じて、反対向きの力が、スプリング・キャップ・ロッド252がスプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面との間に、外側の第2スプリング214を押し、且つ、圧縮する、スプリング力を通じて、固定部材210内に生成される。スプリング・キャップ・ロッド252が、第1取り付け部材224の本体240と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面との間の内側の第1スプリング212を、押し、且つ、圧縮すると同時に、追加の反対向きの力が、固定部材210によって生成される。図17に示されているように、伸張がスプリング部材を横切る圧縮を生成している間、第1スプリング212と、第2スプリング214との合成スプリング力は、張力を生じる背骨の動きに応じて、実質、均一な力のグラフを生成する。
【0092】
背骨を曲げる動きをするとき、ペディクル・スクリュウ216、218には、該ペディクル・スクリュウを互いに離れる向きにバイアスをかける力がかけられる。背骨を曲げる動きをする際に、ペディクル・スクリュウ216、218にかけられる力は、第1、第2取り付け部材224、228にかかる力に変えられる。第1、第2取り付け部材224、228は、同時に、固定システムの上記部品に、互いに離れる向きに動くように、バイアスする力を受ける。反対向きの力は、背骨を曲げる動きに応じて固定部材210によって生成される。反対向きの力は、スプリング・キャップ・ロッド252が、スプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294との間の外側の第2スプリング214を引っ張り、且つ、伸ばす時に生成されるスプリング力の結果生じるものの一部として生成されるものである。追加の反対向きの力は、スプリング・キャップ・ロッド252が第1取り付け部材224と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面との間の内側の第1スプリング212の伸びを許すと同時に、背骨を伸ばす動きに応じて生成される。図17の力のグラフが示しているように、固定部材210内のスプリング212、214の働きは、全背骨の移動度の増加/継続において、強度を有利に低減する、力のグラフを生成する。ある点において、内側のスプリングは自由長に達し、且つ、動くことに対する抵抗は、外側スプリングの伸張の増加時にのみ応じるものである。
【0093】
図8と図13乃至図16とを参照すると、本発明の開示の一実施例による固定システム211は、一般に、以下の手法によって生成されている。ペディクル・スクリュウ216、218は、従来技術を使用して脊椎に設けられる。ペディクル・スクリュウ誘導用の蛍光透視法の使用は、一般に、用いられており、且つ、強く薦められている。ペディクル・スクリュウ216、218は、小関節と、埋め込まれたシステムとの間に干渉が無いことを確実にするため、典型的には、小関節に対して、横向きに設けられている。ペディクルは、高速バー(burr)、又は、錐によって、最初に開けられる。それから、固定ペディクル・プローブは、ペディクル・スクリュウ216、218用のチャンネルを形成するために用いることができる。ペディクル・スクリュウ216、218は、一般に、セルフ・タッピングなものであり、それ故、ペディクル・スクリュウのタッピングは、典型的には、要求されない。ペディクル・チャンネル・壁の一体性は、その後、典型的に、調べられ、且つ、適切なサイズのペディクル・スクリュウ216、218は、スクリュウ・ドライバにスクリュウを取り付け、且つ、小関節に横向きに導入することによって、設置される。ペディクル・スクリュウ216、218は、スクリュウの頭部がペディクルに接するまで、一般に、進められる。典型的には、ペディクル・スクリュウ216、218の配置を可能な限り低くすることは、特に、L5、S1ペディクルにおいて、重要なことである。ペディクル・スクリュウ216、218の配置は、その後、蛍光透視法、X線、及び/又は、他の外科用ナビゲーション/映像化技術により、一般に、確認される。
【0094】
ペディクル・スクリュウ216、218が、一旦、適切に設置されると、ペディクル・スクリュウ216、218間の距離は、一般に、測定され、且つ、固定部材210のロッド252は、適切に、正確な寸法に切断することもできる。代替的に、ロッド252の変動長さは、臨床医学者が、所望の長さのロッドを選択できるように、与えられる。そして、更に、ロッド252の長さを調整する手段、例えば、1又は、複数の所望の長さでロッドを固定するための機構を備えている、入れ子式ロッド(例えば、固定間隔の移動止め機構、互いに伸縮自在のロッド部材をしっかりと固定するためのセットスクリュウシステム等)を、用いることができる。
【0095】
設置処置中、誘導線システムが、システム部品の位置合わせ、及び/又は、設置を誘導するために用いられ、誘導線276は、ペディクル・スクリュウ216、218の一方、又は、両方に設けられている。本発明の開示の一実施例によると、先細りになっている誘導部材278は、コレット260の頂部隣接位置に有利に設けられている。しかし、前述したように、先細りになっている誘導部材は、システム部品の位置合わせ、及び/又は、設置を促すために、ペディクル・スクリュウ、及び/又は、コレットに直接使用することができるものである(例えば、実施では誘導線を用いていない)。
【0096】
(ボール/球状236を包む)取り付け部材224、228は、先細りになっている誘導278が到達するまで、誘導線276に沿って滑り落とされる。一旦、取り付け部材224、228が先細りになっている誘導278に到達すると、より多くの誘導機能が、取り付け部材に与えられる。実際、先細りになっている誘導278は、取り付け部材224、228に使用されているボール/球状236を、コレット260に位置合わせするため、誘導するように、有利に機能するものであり、これによって、ボール/球状236は、コレット上の有効な滑り通路に、設けられ/位置合わせされることになっている。従って、先細りになっている誘導278は、ボール/球状236内に形成されているチャンネルの中心線を、コレット260の中心線に実質位置合わせするものであり、これによって、コレット260は、ボール/球状236を難なく通ることができるようになっている。コレットとボール/球状との間の相互作用に使用されている備え付け機構(図23乃至図27)に依存して、位置合わせされた部品は、その後、互いに備え付けられる。
【0097】
従って、図8、図15、図16の一実施例において、セットスクリュウ274は、直立部分の外側への反りが生じるように、コレット内に、有利に、締結されるものであり、これによって、コレット/ペディクル・スクリュウに対して、適切な位置に、ピストン内に、ボール236、238を係止/固定するものである。注目すべきは、図8、図15、図16の一実施例において、セットスクリュウ274は、コレット260に有利に、予め組み込まれており、これによって、前述の通り、備え付け処理を促すものである。ここに記載される代替的な備え付け機構のために、適切な工程、例えば、コレットに対してボール236、238を回転させる動作が、コレットに対してボール/球状を固定するために実行される。注目すべきは、ボール236、238は、取り付け部材224、228に対して自由に回転動作するようになっており、これによって、所望されるのであれば、ボールの回転実装が促される。
【0098】
組み立て/設置の、この期間では、第1ボールは、第1コレット/スクリュウに対し固定されている。しかし、本発明の開示によると、ダイナミックな接合点は、それでもなお、確立されるものであり、というのは、取り付け部材は、例えば、ボールに対し回転するように、自由に動くことができるからである。そのようなものとして、取り付け部材の再位置合わせ、及び/又は、再方向付けは、即ち、ダイナミックな固定レベルの組み立てのために、隣接するペディクル・スクリュウとの位置合わせを促すために、実行することができるものである。顕著なことには、隣接するペディクル・スクリュウに対する取り付け部材の取り付け後においてでさえ、ダイナミックな接合点は、依然として、ここに記載されている冒頭のペディクル・スクリュウによって作動しているものであり、これによって、開示されたダイナミックな固定システムの設置後に起きる、解剖学的なずれに適合するものである。
【0099】
更に、図15、図16を参照すると、第2取り付け部材228に使用されているロッド252は、ロッドコネクタ248の受け取り部分と位置合わせされている。上述した第1取り付け部材と同様に、ダイナミックな接合点は、ソケット232と、ボール/球状238との間に、有利に、定められており、これによって、ロッドコネクタ248と、ロッド252との間の位置合わせが促されるようになっている。その上、ダイナミックな接合点の機能性は、ロッドコネクタ248に対するロッド252の備え付けによっては、影響を受けないものであり、即ち、それらの間の回転動作は、開示されているダイナミックな固定システムにより、ロッドが固定/組み立てられているときに、影響を受けないものである。ロッド252が、ロッドコネクタ248内に正確に位置合わせされている時、セットスクリュウ254は、ロッド252を適切な位置に係止させるために、横軸開口250内に、締結されている。設置処置は、一般に、単一レベルのダイナミックな固定を完了するため、脊椎の両側に繰り返し行われる。従って、組み立て処理のこの期間では、ダイナミックな固定が、単一レベルで確立され、即ち、レベルは、ペディクル・スクリュウ216、218の位置に(そして、脊椎の反対側の関連する対向部分に)よって、定められるものである。
【0100】
図28、図30(そして、図8、図19の対応する構成物)を参照すると、追加構成物と、アッセンブリとが、現に与えられている、開示されているダイナミックな固定部材の一実施例との関連において、詳述してある。上述の通り、第1取り付け部材224は、スプリング・キャップ228を含有している。図28に示されているように、スプリング・キャップ228は、スプリング・キャップ228のフランジのような構成物の外周に螺旋状の溝229を含有している。溝229の幅と深さとは、螺旋状の外側スプリング(例えば、図8の第2スプリング214、又は、図19の第2スプリング456)の線のゲージに適合するように、一般に、寸法取りされている。加えて、ポスト231は、スプリング・キャップ228のフランジのような構成物から伸びている。ポスト231は、フランジのような構成物の上の、一般に、中心に設けられており、ソケット232からは離れて伸びている。環状の空洞233は、ポスト231の周囲に形成されている。本発明の開示による一実施例により、且つ、図30を参照すると、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294は、螺旋状の溝295(螺旋状の溝229に類似するもの)と、ポスト297(ポスト231に類似するもの)と、環状の空洞299(233)とを含有している。細長い部材(ロッド)301は、ポスト297と反対の向きの隣接面から伸びている。前述の構成物と、特徴形状とは、本発明の開示による、一例のダイナミックな固定部材の組み立てと、オペレーションとを促すものである。
【0101】
より詳しくは、本発明の開示の一実施例によると、内側の第1スプリング212は、第2(外側の)スプリング214内に、最初、設けられており、その後、隣接面から伸びている、ポスト231と、対向するポスト297との周囲、又は、その位置に設けられる。本発明の実施の一実施例によると、内側の第1スプリング212は、隣接面内に形成されている、環状の空洞233と、対向する空洞299との中へと、有利に、伸びている。この方法において、内側の第1スプリング212は、スプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252との間に、効果的に、捕らえられており、且つ、対向するポスト231、297に関し、本質的に、浮いている状態にある。これ故、第2スプリング214は、スプリング・キャップ288(又は、隣接面内に形成された対向する溝295)内に形成されている、溝229へとねじ込まれる。結局のところ、第2スプリング214は、典型的には、それに加えて、例えば、溶接等によって、しっかりと固定されており、且つ、備え付けられるフランジのような構成物の外側エッジと面一になるように、整えられている。外側の第2スプリング214は、その後、対向する溝、即ち、隣接面294、又は、スプリング・キャップ288に関する溝に、例えば、場合によっては、第2スプリング214に対して、隣接面294、又は、スプリング・キャップ288を、回転することによって、ねじ込まれるように、伸ばされている。一旦、対向する溝にねじ込まれると、第2スプリング214は、典型的には、それに加えて、例えば、溶接などによって、しっかりと固定されており、平らなエッジが確立されるように整えられている。
【0102】
注目すべきは、外側の第2スプリング214は、典型的には、内側の第2スプリングよりも短いものであるということである。従って、隣接面と、スプリング・キャップ288とが、(第2スプリング214がその両方に備え付けられることを防ぐため)互いの向きに運ばれると同時に、内側の第1スプリング212は、圧縮状態に置かれる。第1スプリング212が圧縮される程度は、スプリング212、214の間の長さの違いに、一般に、依存するものである。従って、第1スプリング212の予め組み込まれている圧縮は、スプリング212の相対長さの選択部分を部分的に通って、制御、及び/又は、調節することができる。内側のスプリング212の予め組み込まれた圧縮に加えて、スプリング・キャップ288と、隣接面294との両方に対して外側のスプリング214を備え付けることは、外側スプリング214を、張力がかけられた状態にする。一実施例による、ダイナミックな固定部材の全先行荷重は、スプリング212、214によって、即ち、外側のスプリング214の初期張力と、内側のスプリング212の初期圧縮とによって、与えられる、等しく、且つ、対向する力に相当する。
【0103】
本発明の開示の一実施例によると、内側のスプリング212は、患者が中立区間を越えて動いた時点、又は、その付近で、自由長(即ち、非圧縮状態)に達する。この点を越えると、内側のスプリング212は、(対向するポストで)自由に動ける状態であり、且つ、背骨の動きに何ら抵抗を与えない。前述されているように、本発明の開示のダイナミックな固定システムによって与えられる、有利な、力のグラフは、相乗的に働く内側のスプリングと、外側のスプリングとの利用を通じて、得られるものである。特に、スプリングの力のグラフは、移動度が中立区間を越えると同時に、機械的な抵抗の増加の減少を生じるように、選択されている。
【0104】
簡単に上述したように、軸スプリング構成が用いられてもよく、該構成は、図17に示されている力と移動度との曲線を生成するものであり、第1、第2取り付け部材の間の距離をより短くすることを可能にするものである。上述の通り、力と移動度との曲線は、図1乃至図7の実施例に関連して開示されているものと正確には同じものではない。ということは、曲線は、背中が伸びている間と、装置が圧縮されている間とで、実質均一なものであるが、曲線は、背中が曲げられ、且つ、装置が伸ばされた時、図3a、図3bに関連して記載されているように、実質類似しているものである。本発明の開示の一例の同軸スプリング設計は、第1、第2取り付け部材の間の距離をより短くすることを可能にするものであり、幾つかの前の実施例において突出部分を除去するが、しかし、この同軸スプリングの向きは、伸張曲線を均一、又は、直線(即ち、急に曲がってないこと)なものとする。このグラフの特徴は、以下の事実に起因するものである。即ち、装置の中立区間から外れて伸ばされている間、唯一のスプリングに曲げようとする負荷がかけられている状況に比べて、両方のスプリングに中立区間で負荷がかけられている時、両方のスプリングは、伸びるような負荷がかけられ、従って、全く同じ曲線を生成する、という事実に起因するものである。
【0105】
ここに記載されている、有利な、ダイナミックな固定システムは、また、マルチレベル固定システムに使用することができる。マルチレベル固定は、複数の細長い部材(例えば、ロッド)と、複数のペディクル・スクリュウを通じて、連結されている、複数の固定部材の設置を通じて、得られるものである。例えば、図18乃至図22を参照することにより、マルチレベルでダイナミックな固定ステム410が、図示されている。マルチレベル固定システム410は、種々の異なる取り付け部材412、414、416を用いることができる。異なる取り付け部材設計は、解剖学的な考慮に基づいて、例えば、設置する背骨の位置、及び/又は、マルチレベルシステム内の位置に基づいて、選択することができる。換言すれば、ある取り付け部材設計は、第1端、又は、第2端において利用するのに向いているが、他の取り付け部材設計は、中間位置に合うようになっているということである。特定の要素の組合せ、及び/又は、部品は、図18乃至図22の一例のマルチレベル固定システムによって開示されているが、当業者は、種々の背骨の位置で、及び/又は、代替的な配備案で、取り付け部材と、関連する構成物/部品とを、ダイナミックな固定を得るためにどのように用いるのかは、当業者に本発明の開示から容易に理解される、ものである。
【0106】
一例のマルチレベルのダイナミックな固定システム410は、2レベルシステムの構築時にピストン・アッセンブリ418、420によって、ダイナミックに関連付けられた3つの特徴ある取り付け部材412、414、416を用いるものである。当然、追加のレベルは、追加のペディクル・スクリュウと、コレット/ボール備え付け機構と、ダイナミックな固定部材と、細長い部材/ロッドとを用いて、アッセンブリを伸ばすことによって固定することができる。種々の取り付け部材は、上述したように、ペディクル・スクリュウ(図示せず)と相互作用を通じて脊椎へ固定される。典型的には、ダイナミックな接合点は、(ボール/コレット機構との協働を通じて)各ペディクル・スクリュウと、それに関して備え付けられている、取り付け部材との間に、有利に、確立されるものである。ダイナミックな接合点は、マルチレベルでダイナミックな固定システムの設置/組み立て中に隣接するペディクル・スクリュウ/取り付け部材サブアッセンブリとの位置合わせを促すものであり、限定された解剖学的シフト/ポスト−設置の再位置合わせの便宜を図るものである。
【0107】
第1取り付け部材412と、第2取り付け部材414との間のダイナミックな固定に関し、第1取り付け部材412は、内側の第1スプリング428を支持するために構造化されており、且つ、それを通り伸びている開口432を有している本体部材430を含有している。本体部材430は、ソケット434を定めている。ソケット434は、ボール436を収容するために、構成され、且つ、寸法取りされており、これによって、第1のダイナミックな接合点を確立するものである。ここに描かれている一実施例によると、内側の第1スプリング428は、第1取り付け部材412の本体部材430から伸びており、且つ、本体部材430に一体形成(換言すれば、本体部材430に関連して設ける)ことができるものである。
【0108】
第2取り付け部材414は、本体部分438を同様に含有しているものである。本体部分438は、該本体部分を通り、伸びている開口440を有している。本体部材438は、ボール444を収容するために、構成され、且つ、寸法取りされている、ソケット442を定めており、これによって、第2のダイナミックな接合点を確立している。第2取り付け部材414は、更に、ロッドコネクタ446を含有し、且つ、定めている。ロッドコネクタ446は、該ロッドコネクタを通り、伸びている横軸スロット、又は、チャンネル448を備えている。横軸スロット/チャンネル448は、その間に、固定スプリング・キャップ・ロッド450の位置、及び/又は、通路に適合するように、構成され、且つ、寸法取りされている。スプリング・キャップ・ロッド450は、セットスクリュウ452を介して、横軸スロット/チャンネル448に、一般に、固定されている。セットスクリュウ452は、ロッド・コネクタ446の外面と、ロッド・コネクタ446によって形成されている横軸スロット/チャンネル448との間に伸びている。当業者が確かに認識するように、横軸チャンネル/スロットは、(図8乃至図11を参照しながら上に説明されているように)種々の方法で構成することができる。第2取り付け部材414は、更に、(後述するように)第3取り付け部材416と相互作用するために、そこから伸びている、内側の第1スプリング454と関連している。
【0109】
ピストン・アッセンブリ418は、第1、第2取り付け部材412、414の間に設けられているものであり、一般に、一対の同心スプリングを含有している。内側の第1スプリング428と、外側の第2スプリング456とは、典型的に、与えられている。上述した実施例のように、内側の第1スプリング428と、外側の第2スプリング456とは、スプリング・キャップ・ロッド450の隣接面458と、第1取り付け部材412の本体部分430とに対し、固定されている。従って、第1、第2スプリング428、456は、背骨が動いている間、例えば、背骨を伸ばし、そして、曲げている間、第1、第2取り付け部材412、414に作用する(又は、関連する)力をかける。ここで述べたことから容易に明らかとなるように、第1、第2取り付け部材412、414に及ぶ力は、関連するペディクル・スクリュウにかかる力へと変えられ、これによって、ペディクル・スクリュウが備え付けられた脊椎が固定される。
【0110】
現在の、第2取り付け部材414と、第3取り付け部材416との間の関係に関し、第3取り付け部材の構成上の特徴は、第2取り付け部材414のものと実質同じである。しかし、ここに開示されている、一例の2レベル固定システムにおいて、第3取り付け部材416は、そこから伸びている内側の、そして、外側のスプリングを、有していない。そのような実施例において、“第2”レベルは、ダイナミックな固定の影響を受けやすい。第2、第3取り付け部材414、416の間に設けられている、ピストン・アッセンブリ420は、前述のピストン・アッセンブリと同様である。一般に、ピストン・アッセンブリ420は、第2取り付け部材414から伸びている、内側の第1スプリング454と、第3取り付け部材416から伸びている、スプリング・キャップ・ロッド464とを含有している。
【0111】
上述するように、第1、第2、第3取り付け部材412、414、416は、特定の解剖学的位置で特定の実用性を有している。例えば、第1取り付け部材412は、位置S1と、位置L5の下で最も有用なものである、一方で、第2、第3取り付け部材414、416は、位置L5、又は、それより上に、有利に、用いられる、ということを意図している。前述の代替的な実施は、臨床治療の必要/判断に基づいて行われる。
【0112】
注目すべきは、本発明の開示による、単一、又は、マルチレベルのダイナミックな背骨固定システム/器具は、(例えば、臨床設置の際、又は、その前に)必要な、1又は、複数の調節を可能にするものである。例えば、固定システムによって印加される力の、大きさ、及び/又は、移動度の応答特性に関する調節は、例えば、図8を参照し記載されているように、1又は、複数の固定部材内でのスプリングの取り換え、及び/又は、第1/第2ハウジングの調節、によって実施することができる。調節は、例えば、特定の患者の評価に基づいて、臨床処置開始前に行われ、又は、例えば、患者の次の手術予定に基づいて、臨床治療後に行われる。
【0113】
本発明の開示の更なる一実施例によると、マルチレベル背骨固定は、同一、又は、異なる固定モダリティが個々のレベルの各々で用いられている状況下で、行うことができる。従って、例えば、本発明の開示によるダイナミックな固定部材は、第1固定レベルで用いられ、非ダイナミックな固定部材(例えば、かたいロッド、又は、プレート接合のような、かたい構成物/アッセンブリ)は、第2固定レベルで用いられ、ダイナミック、又は、非ダイナミックな固定要素は、第3固定レベルで用いられる。ペディクル・スクリュウに対する備え付け用に開示されたシステム/設計の、有利な、柔軟性と、多様性とは、本発明の開示による、固定モダリティを変更する能力を強化するものである。例えば、ここに開示されているコレットを上向きに伸ばすことは、ダイナミックな、そして、非ダイナミックな固定部材/要素の両方に関する共同備え付けの便宜を図ることを容易にするものである。実際、固定モダリティに関する決定は、例えば、臨床上での観察結果、及び/又は、限界に基づいて、外科手術の時に行われるものであるということは、本発明の開示により明らかである。その上、ダイナミックな、そして、非ダイナミックなモダリティは、次の外科手術の時に、置き換えることができる、ということを意図している。そのような応用において、(ダイナミックなものであろうと、非ダイナミックなものであろうと)第1取り付け部材は、臨床上設置された固定システムから離れることができるものであり、異なるモダリティを与える第2取り付け部材は、その位置に設置することができるものである。従って、本発明の開示によるシステムは、ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルと、非ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルと、を含有している、マルチレベル固定を含むものである。
【0114】
本発明の開示による、即ち、背骨固定処置による、臨床処置を実行するのに必要な部品を包含しているキットが、有利に、与えられる。キット内容は、当業者に知られているように、典型的には、消毒されており、且つ、その使用を促すための適切な標識/表示を含有することができるものである。典型的な、キット内容は、(i)2又は3以上の取り付け部材(取り付け部材の1つが固定部材を組み込む拡張部材を含有している)と、(ii)2又は3以上のボール/球状と、(iii)2又は3以上のペディクル・スクリュウを、含有しているものである。本発明の開示による、代替的なキットは、以下の追加品目の内の1又は複数の、即ち、(iv)本発明の開示の固定部材で利用し得るスプリングの種類と、取り合わせと、(v)本発明の開示のダイナミックな固定処置で用いる、1又は、複数のツール(例えば、ねじ回し、逆トルク装置、測定ツール、ペディクル・スクリュウの配置用ツール)と、(vi)1又は、複数の誘導線と、(vii)1又は、複数の先細りになっている誘導、又は、円錐と、及び/又は、(viii)1又は、複数のセットスクリュウと、の内の1又は、複数の追加品目を含有することができる。前述のキットの筐体は、前述の部品と適合するように、典型的に、構成され、且つ、寸法取りされており、且つ、当業者に知られているように、固定の便宜を図る物質から製造されている。本発明の開示の骨子、又は、範囲から逸脱することなく、単一のキットは、多数の筐体に分けることができる。
【0115】
本発明の開示の一実施例用に、スプリングは、開示されているダイナミックな固定部材の製造中に利用され、スプリング選択は、上述したように、特定の力のグラフ、又は、力のグラフ曲線をもたらすための必要、又は、要求によって、一般に、誘導されている。一般に、スプリング選択は、特定のスプリング設計/材料によって、生成された力を予測する基本物理法則によって、律側されるものである。しかし、(上述されると共に、図3a、図3b、図17に図示されているような)本発明の開示によって得られる、特に有利な、ダイナミックな背骨固定は、背骨の状況に応じて見られる、状態と、刺激とを認識することを求めるものである。
【0116】
第1設計基準は、ダイナミックな固定部材が圧縮され、引っ張られている、両方の状態で機能しなければならない。第2設計基準は、中心区間で、開示されているダイナミックな固定部材によって、与えられている、より高い剛性(K1+K2)であり、予め組み込まれたスプリングの存在を通じて、一般に得られるものである。両方のスプリングは、予め組み込まれているものが存在するとき、協働するように作られている。ダイナミックな固定部材が、引っ張られ、圧縮されるのに伴い、応答力は、ある1つのスプリングで増加し、他のスプリングで減少する。減少する力がゼロになったとき、この力に対応するスプリングは、もはや固定機能に貢献していない。図7a、図7bに示されている線図を含む、技術分析は、後に示される。この分析は、図5に開示されている一実施例に特に関連するものであるが、当業者は、分析が、ここに開示されている全ての実施例に等しい力を印加する方法を認めることができるだろう。
F0は、上述したように、ハウジングの本体長さを短くすることによって、ダイナミックな固定部材内に予め組み込まれているものである。
K1、K2は、ダイナミックな固定部材の引っ張り、圧縮を行っている間に、それぞれ、動く、圧縮スプリングの剛性係数である。
F、Dは、ダイナミックな固定部材の本体に関連するダイナミックな固定部材のディスクの、それぞれ、力と移動度とである。
力の合計は、ゼロに等しくなる。それ故、
F+(F0-D×K2)−(F0+D×K1)=0であり、
F=D×(K1+K2)となる。
中心区間(CZ)の幅(図3を参照)に関し、
引っ張られている時のCZTは、
CZT=F0/K2であり、
圧縮されている時のCZCは、
CZC=F0/K1となる。
【0117】
前述した分析は、開示されたダイナミックな固定部材の働きに関連する、物理特性と、力とを理解するのに役立つものである一方で、本発明の開示は、スプリング設計、又は、機能の、理論上、又は、定量的な特性を限定するものではない。むしろ、所望の力のグラフ/力のグラフの曲線は、定量分析、実験に基づく研究、又は、それらの組合せを通じて、得ることができるものである。加えて、当業者が確かに認めるように、ダイナミックな固定システムのコンセプトと、関連する部品/アッセンブリは、他の臨床上の必要、及び/又は、医療/外科手術処置に、適用することができるものである。このように、開示された装置と、システムと、方法とは、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、背骨治療の域を超えて利用することができるものである。
【0118】
本発明の開示の一実施例に記載されているように、本発明は、以下に示すものを含有する、背骨固定装置/システムと、方法と、において、特に有用な、一連の、有利な、特性と、機能とを実現するものである、ということに特に注目すべきである。
・即ち、1以上のペディクル・スクリュウと、ペディクル・スクリュウと係合、及び/又は、換言すれば、協働する、1以上の細長い部材(又は、多数の細長い部材)、例えば、ロッドとの間にダイナミックな接合点を与える、装置と、システムと、方法とである。本発明の開示の一実施例において、ダイナミックな接合点は、取り付け部材に関連する、コレット/ボール機構と、ソケットとの間の相互作用を通じて与えられている。ダイナミックな接合点は、背骨固定システムの組み立てを促し、ペディクル・スクリュウ/細長い部材が、次に設置する解剖学的な再位置合わせ、及び/又は、再方向付けの限定された程度に適合することを可能にする。
・装置と、システムと、方法とは、ペディクル・スクリュウに対して、ボール/球状の組み立て/設置を促すボール・アッセンブリ機構を提供、又は、具体化するものであり、且つ、背骨固定システムの一部として、有利な、機能的属性を提供するものである。一例の機構は、有利な、コレット基盤機構(例えば、スロットの設けられたものと、スロットの設けられていないもの)と、協働ねじ機構(例えば、内向きにねじ切りされているボール/球状と協働する外向きにねじ切りされているコレット)と、ボール/球状に対してベアリング力を印加する機構(例えば、拡張頭部を有しているセットスクリュウに形成されている、円周ベアリング表面)と、及び/又は、スナップ・スプリング、又は、アナログ構成物を含有している機構と、を、含有している。開示された機構は、ペディクル・スクリュウに対する、ボール/球状の信頼できる備え付けを可能にするものである。
・装置と、システムと、方法とは、単一レベル、及び/又は、マルチレベルにわたるダイナミックな背骨固定システム/器具を提供するものである。該システム/器具は、(例えば、臨床上の設置の際、又は、その前に)1又は、複数の調節、例えば、固定システムによって印加される力の程度、及び/又は、移動度−応答特性に関し、調節を行うことを可能にする、単一、マルチレベルシステムを含有している。
・装置と、システムと、方法とは、マルチレベルでダイナミックな固定システムを提供する。該システムは、異なるレベルで、異なる固定モダリティ、例えば、ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルと、非ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルといったものを、含有している。混合マルチレベル固定システムの一実施例において、ダイナミックな、そして、非ダイナミックな固定要素は、共通して、即ち、ここに開示された、同一のペディクル・スクリュウに備え付けられている。
・装置と、システムと、方法とは、背骨固定システム部品の配置、及び/又は、設置を促すための、(例えば、円錐形の構成物等の)有利な、設置付属部品を、提供、又は、利用するものであり、上記付属部品は、特に、従来の誘導線を用い、ペディクル・スクリュウに対する、システム部品の位置合わせ/位置決めを促すようになっているものである。
・装置と、システムと、方法とは、カバー、又は、シースを含有している、ダイナミックなスプリング固定部品を提供、及び/又は、利用するものである。カバー、又は、シースは、周囲の解剖学的流体、及び/又は、構成物が臨床上許容される相互作用を発現している間に、内側の部品に力が与えられることに対する、有利な、保護を与えるものであり、例えば、カバー、及び/又は、シース構成物は、ePTFE、UHMWPE、及び/又は、ポリカーボネート・ポリウレタン共重合体、及び/又は、混合物等の代替的なポリマー材料から(全体又は一部分が)製造されているものである。
・装置と、システムと、方法とは、有利な、ダイナミックな背骨固定接合システムを提供するものである。該システムは、簡単、且つ、有効な、手術中のシステム配置を可能にするため、隣接構成物(例えば、ペディクル・スクリュウに隣接する構成物)に関連する動きを促すと同時に、ペディクル・スクリュウに対する、細長い部材(例えば、ロッド)の実質かたい取り付けを促すものである。
・装置と、システムと、方法とは、(例えば、セットスクリュウ等の)固定構成物用の有利な、“予め組み込まれた”配列を提供する。該配列は、ペディクル・スクリュウに対してボール接合をそのままの状態で備え付けるのに用いられるものであり、これによって、上記固定構成物の位置、及び/又は、位置合わせに関連する臨床上の困難の可能性を最小にとどめることができる。
・装置と、システムと、方法とは、有利な、キットを具体化し、且つ、利用するものである。該キットは、ここに記載されている手法によってダイナミックな固定を実施するための筐体と、必要な部品とを含有しており、上記筐体/部品は、(例えば、臨床上用いるための固定等)臨床学上許容し得る形式において、供給されるものである。
【0119】
本発明の開示は、その一実施例と、実施とを参照しつつ開示されているが、当業者は、本発明の開示が、本発明の開示の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、種々の変更、改良、及び/又は、実施を行い得るものである、ということを認めるであろう。事実、開示されている接合構成物は、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、種々の環境と、臨床上の設定状態において用いることができるものである、ということを意図している。それ故、本発明の開示の一実施例が示され、且つ、記載されているが、これらは、上記開示によって発明を限定することを意図しているものではなく、むしろ、本発明は、全ての変更、代替的な構造を、その骨子、又は、範囲を逸脱することなく、カバーし、且つ、含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】(無傷のものと負傷しているものの)背骨部分のモーメント−回転曲線であり、中立区間内の比較的低い背骨剛性を示しているものである。
【図2】背骨部分のモーメント−回転曲線に連動する、背骨部分の概略図であり、中立区間内の比較的低い背骨剛性を示しているものである。
【図3a】力と移動度との曲線に連動する、本発明の開示による一例の装置/システムの概略図であり、本発明の開示によるダイナミックな背骨固定装置の中心区間内にもたらされる増加した抵抗を実証するものである。
【図3b】本発明の開示の一実施例によるスプリングの置き換えによって得られるグラフの変化を実証している、力と移動度との曲線である。
【図3c】一対の一例の固定装置によって固定されている、背骨の背面又は背側の図である。
【図3d】張力がかけられた状態の本発明の開示による一例の固定装置を示している、側面又は側方図である。
【図3e】圧力がかけられた状態の本発明の開示による一例の固定装置を示している、側面又は側方図である。
【図4】本発明の開示による一例のダイナミックな背骨固定装置の概略図である。
【図5】本発明の開示のある側面によるダイナミックな背骨固定装置の概略図である。
【図6】本発明の一例のダイナミックな背骨固定装置が背骨の固定を助けていることを実証している、モーメント−回転曲線である。
【図7a】本発明の開示による一例のダイナミックな固定装置の自由体の線図であり、一例の固定装置のような中心区間をあらわしている線図である。
【図7b】本発明の開示による一例のダイナミックな固定装置の自由体の線図であり、一例の固定装置のような中心区間をあらわしている線図である。
【図8】本発明の開示の実施例による一例のダイナミックな背骨固定システムの分解図である。
【図9】一例のダイナミックな背骨固定システムの斜視図である。
【図10】本発明の開示のダイナミックな背骨固定を使用するための一例の取り付け部材を示している斜視図である。
【図11】本発明の開示のダイナミックな背骨固定を使用するための一例の取り付け部材を示している斜視図である。
【図12】本発明の開示の背骨固定技術の一例の実施による誘導線組み立て技術を示している概略図である。
【図13】本発明の開示の一例の実施例による一対のペディクル・スクリュウの概略側方図である。
【図14】本発明の開示の一例の実施例による誘導線を伴うペディクル・スクリュウの側方図である。
【図15a】本発明の開示の一例の実施例による、例えば、ロッド等の細長い部材との位置合わせ促すようになっている、取り付け部材の斜視図である。
【図15b】本発明の開示の一例の実施例による、取り付け部材を使用するための球状の側方図である。
【図16】本発明の開示の一例の実施例による、一対の単一レベルの背骨固定システムの上面図である。
【図17】本発明の開示による一例のダイナミックな背骨固定システム用の力と移動度との曲線を図説するものである。
【図18】本発明の開示の実施による、一例のマルチレベルのダイナミックな背骨固定システムの概略上面図である。
【図19】図18の一例のダイナミックな背骨固定システムの一部分の概略、分解、側方図である。
【図20】図18の一例のダイナミックな背骨固定システムのある側面の概略側方図である。
【図21】図18乃至図20の一例のマルチレベルのダイナミックな背骨固定システムの斜視図である。
【図22】図19の一例のマルチレベルのダイナミックな背骨固定システムの更なる斜視図である。
【図23】本発明の開示によるペディクル・スクリュウ/ボール接合アッセンブリの一例の一部分の側方図である。
【図24a】本発明の開示による、代替的に用いられる、コレット・ベース機構の図である。
【図24b】本発明の開示による、代替的に用いられる、コレット・ベース機構の図である。
【図24c】本発明の開示による、代替的に用いられる、コレット・ベース機構の図である。
【図25a】本発明の開示による、非拡散なコレット・ベース機構の図である。
【図25b】本発明の開示による、非拡散なコレット・ベース機構の図である。
【図25c】本発明の開示による、非拡散なコレット・ベース機構の図である。
【図26a】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための、更なる、代替的に用いられる、機構の図である。
【図26b】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための、更なる、代替的に用いられる、機構の図である。
【図26c】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための、更なる、代替的に用いられる、機構の図である。
【図27】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための追加の代替的に用いられる、機構の図である。
【図28】本発明の開示の一実施例による一例のソケット部材と、スプリング・キャップとの斜視図である。
【図29】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウと、付属構成要素との間の代替的なダイナミックな接合の分解図である。
【図30】本発明の開示の一実施例によるスプリング・キャップ・ロッドの斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、背骨固定用に、有利な、方法と、装置と、に関するものである。より詳しくは、臨床的に有効な結果をもたらすように、背骨へのダイナミックな固定を提供する方法と、装置と、に関して開示するものである。
【背景技術】
【0002】
腰痛は、工業化社会に影響する最も迷惑な疾患の1つである。風邪を除き、あらゆる他の病気よりも、医者に行く割合の多いものである。腰痛の範囲は広く、慢性の痛みの程度を変えようと決める、何もできなくなる程の強い痛みの時点からおよぶものである。腰痛に利用できる従来の治療は、冷却パックと、理学療法と、麻酔薬と、ステロイドと、カイロプラティック手技とを、含有しているものである。一旦、患者が、従来の治療を終えると、外科手術のオプションは、一般に、神経根と脊髄との上の圧力を和らげる、比較的一般的でない処置である、微小な椎間板切除から、痛みのある箇所の背骨の動きを止める、融合に、までにわたるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
毎年、200,000人を越える患者が、米国において、腰部融合手術を受けている。融合は、当時、約70%が有効である一方で、これらの成功した処置に至る因果関係は、減少された動作範囲と、背骨の隣接レベルへの増加した負荷の伝わりとを含有しているものであり、該処置は、それらのレベルでの変質を速めるものである。更に、かなりの人数、米国内で700万人を越えると見積もられている、背痛患者が、慢性の腰痛に、それらの症状を緩和するのに適切な、又は、効果的なものではないかもしれない、危険を伴う処置を行うのではなく、むしろ、ただ耐えているだけなのである。
【0004】
新規の治療モダリティは、まとめて、動作維持装置と呼ばれているものであり、現に、これらの制限を解決するために発展しているものである。幾つかの有望な治療は、細胞核、椎間板、又は、椎関節の置き換えという形式のものである。他の動作維持装置は、無傷の、及び/又は、負傷している背骨のダイナミックな内部固定、例えば、ダイニン系固定システム(Zimmer,Inc;Warsaw, IN)と、グラフ靱帯(Graf Ligament)とを提供するものである。この概念の主要な目標は、近くの正常な背骨機能を維持すると共に、痛みを防ぐための、背骨の固定である。2つのタイプの動作維持装置の主な違いは、ダイナミックな内部固定装置が、異常な背骨の動きを固定、制御する目標に利用されているのに対して、置き換え装置が、動きを促す変質した解剖学的構成物を置き換える目標に利用されている、ということである。
【0005】
10年以上も前に示されていた、腰痛の仮説において、背骨システムは、脊柱(脊椎、椎間板、靱帯)と、脊柱周りの筋肉と、日常生活で種々動いている間の背骨の固定を補助する神経筋制御ユニットと、から成るとして概念的に説明されていた。Panjabi MM.による論文、“The stabilizing system of the spine. Part I. Function, dysfunction, adaptation, and enhancement.”、J Spinal Disord 5(4): 頁383-389, 1992aがある。 この仮説の結果は、強い背筋は、背骨が負傷し、又は、損傷した時に、必要になる、というものである。このことは、中立姿勢で立っている間に、特に当てはまる。Panjabi MMによる論文、“The stabilizing system of the spine. Part II. Neutral zone and instability hypothesis.”、J Spinal Disord 5(4): 頁390〜397, 1992bがある。換言すれば、腰痛患者は、十分に、良く調整された筋力を有し、即ち、必要とされている筋肉の強化、訓練を行い、これによって、中立姿勢で立っている間に最大の保護を与えるようにする、必要がある。
【0006】
ダイナミックな固定(非融合)装置は、背痛の(機能不全により負傷、又は、損傷している)欠陥のある背骨を補助するため、確実な機能性を必要とするものである。特に、装置は、欠陥のある背骨に対し、特に、補助を最も必要とする中立位置において、機械的な補助を与えなければならない。“中立位置”とは、低い背骨剛性領域、又は、背骨部分のモーメント−回転曲線の先端領域(図1を参照)のことをいう。Panjabi MM, Goel VK, Takata Kによる論文、1981年、Volvo Award in Biomechanics、“Physiological Strains in Lumber Spinal Ligaments, an in vitro Biomechanical Study.”、Spine 7(3): 頁192〜203、1982年がある。中立区間は、通常、中立姿勢付近の動作範囲の中心部分として定められている。中立姿勢は、背骨の軟組織と、面関節とが、背骨の動きに少ない抵抗を与える部分である。
【0007】
この概念は、図1に示されているように、無傷の背骨と、負傷している背骨との負荷−移動度、又は、モーメント−回転曲線を参照することによって、視覚化することができる。曲線は、非線形であり、ということは、背骨の機構特性は、角度、及び/又は、回転の合計と共に変わるものであるということである。ポジティブ側と、ネガティブ側との曲線は、それぞれ、背骨を曲げる、伸ばすという動きを表しているものと、理解されるのであれば、各点での曲線の傾きは、背骨の剛性を表すということになる。図1に示されているように、中立区間は、動作範囲の低い剛性領域のことである。
【0008】
実験は、脊柱が負傷、及び/又は、背骨が変質した後の、中立区間が、動作範囲と同様に、増加していることを示している(図1を参照)。しかし、対応する無傷のものの値の割合(%)として記載したとき、中立区間は、動作範囲よりも広範囲に増加している。このことは、中立区間が、動作範囲よりも背骨の負傷と、不安定さとを、より良く測定できる、ということを暗示しているものである。臨床学上の研究では、また、動作範囲が、腰痛に相互に関連するものではないということが見いだされた。それ故、不安定な背骨、特に中立区間は、固定することが必要である。
【0009】
前述のものを考慮して、当業者であれば、従来の装置と、システムと、方法との欠点を克服する、背骨固定装置、システム、及び/又は、方法が必要であると言うことが、理解されるであろう。本発明は、改良された、有効な背骨固定用の装置と、システムと、方法とを提供するものである。より詳しくは、本発明は、有利な、ダイナミックな内部固定装置と、システムと、方法とを提供するものである。装置と、システムと、方法とは、背骨を動かすことができるように柔軟であり、故に、椎間板、面関節、そして、靱帯が、栄養学上の健康維持のために必要な、通常の(又は改善された)生理動作と、負荷と、を許容するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示によると、背骨固定用の、有利な、装置と、システムと、方法とが、提供されている。発明の開示の好ましい実施例によると、開示されている装置と、システムと、方法とは、臨床的に有効な結果を提供するために、背骨へのダイナミックな固定を与えるものである。加えて、開示されている装置と、システムと、方法とは、設置しやすさと、適用の汎用性/柔軟性と、個人が受ける腰痛及びその他の背骨に関する困難に対する優れた臨床的結果と、を含む、臨床的な有利性を提示するものである。
【0011】
本発明の開示の一例の実施によると、装置と、システムと、方法とは、背骨構成物に取り付けるための1以上のペディクル・スクリュウを含んでいるものである。本発明の開示のペディクル・スクリュウは、典型的には、背骨固定システムの一部に用いられている。該システムは、1又は、複数の以下の有利な構成及び/又は機能的な属性を含有しているものである。
・1以上のペディクル・スクリュウと、例えば、ロッドのような、ペディクル・スクリュウに係合、及び/又は、換言すれば協動する、1以上の伸張部材(又は多重伸張部材)と、の間のダイナミックな接合点。
・有利な、アッセンブリ機構であって、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状、又は、他の付属構成要素の、組み立て/設置を促すと共に、背骨固定システムの一部として有利な機能的属性を提供するもの。一例の機構は、有利な、コレット・ベース機構、協働ねじ機構、ボール/球状、又は、他の付属構成要素にベアリング力を印加する機構、及び/又は、スナップリング又は類似構造を含有している機構を、含有している。
・有利な、マルチレベルのダイナミックな背骨固定システム/器具であって、マルチレベルシステムを含有していること。該システムは、(例えば、臨床設置の際、又は、その前に)必要な、1又は、複数の調節、例えば、固定システムによって印加される力の、大きさ、及び/又は、移動度との応答特性に関する調節を、可能にするものである。本発明の開示の一例のマルチレベル器具によると、異なる固定モダリティが、個々の固定レベルで用いることができる。例えば、ペディクル・スクリュウの隣接位置の間に、異なる固定レベルの、ダイナミックな固定構成物と、非ダイナミックな固定構成物の混合体によって、用いることができる。
・背骨固定システム部品の配置/設置を促す、(例えば、円錐形の構成物等の)有利な、設置付属部品であって、上記付属部品は、ペディクル・スクリュウに対するシステム部品の位置合わせ/位置決めを促すため、特に、従来の誘導線を用いるようになっているもの。
・ダイナミックな固定システム、及び/又は、他の外科手術による移植は、カバー、及び/又は、シース構成物を含有していること。カバー、及び/又は、シース構成物は、例えば、カバー、又は、シース等の、周囲の解剖学的流体、及び/又は、構成物が臨床上許容される相互作用を発現している間に、内側の力を伝える部品、例えば、1又は、複数のスプリングに、有利な保護を与えるものである。カバー、及び/又は、シース構成物は、ePTFE、UHMWPE、及び/又は、ポリカーボネート・ポリウレタン共重合体、及び/又は、混合物等の代替的なポリマー材料から(全体又は一部分が)製造されているものである。
・有利な、ダイナミックな背骨固定接合システムが、簡単、且つ、有効な、手術中のシステム配置を可能にするため、隣接構成物(例えば、ペディクル・スクリュウ)に対する動きを促すと同時に、ペディクル・スクリュウに対して細長い部材(例えば、ロッド)の実質かたい取り付けを促すものであること。
・(例えば、セットスクリュウ等の)固定構成物用の、有利な、“予め組み込まれた”配列が、ペディクル・スクリュウに対するボール接合、又は、他の付属部品にそのままの状態で備え付けるのに用いることができる、ということであり、これによって、上記固定構成物の位置、及び/又は、位置合わせに関連する臨床上の困難の可能性を最小にとどめること。
【0012】
上述の通り、有利な、背骨固定装置と、システムと、方法とは、1又は、複数の前述した構成物、及び/又は、機能的属性と、組み込むことができるものである。従って、システム、装置、及び/又は、方法は、本発明の開示の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、上に説明した、有利な、構成物/機能のただ一つ、ここに記載されている、有利な、複数の構成物/機能、又は、前述した構成物/機能の全て、を利用することができるものである、ということを意図している。言い方を変えれば、ここに記載されている、有利な、構成物と、機能とは、例えば、単独であろうが、又は、開示されている他のものとの組合せであろうが、何れにしても、臨床医学者、及び/又は、患者に対し、臨床学上の有利性等の、利便を与えるものであると思われる。
【0013】
一般に、ここに記載されている、ペディクル・スクリュウのねじ切りされているシャフト部分の構成物/機能は、従来通りの設計のものである。従って、ペディクル・スクリュウの設置は、従来の手法で、臨床医学者によって、一般に、実行されるものである。ペディクル・スクリュウの選択と、置く位置とは、当業者に知られているように、一般に、従来の基準に基づくものである。しかし、従来のペディクル・スクリュウに基づくシステムとは異なり、本発明の開示の装置と、システムと、方法とは、有利な、臨床的結果を与えるものであり、これらの結果は、例えば、ロッド/細長い部材配置の利便性と柔軟性と、ペディクル・スクリュウに関連するロッド/細長い部材のダイナミックな属性と、及び/又は、背骨の移動刺激に応答して運ばれるダイナミックな力と等、に基づくものである。
【0014】
本発明の開示の装置と、システムと、方法と追加の、有利な、特性と、機能とは、特に、添付の図面と連動しつつ読まれるとき、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるものである。上記追加の特性と、機能とは、それと共に関連する構成上の、そして、機構上の特徴を含有しているものであり、本発明の範囲内に含まれるものである。
添付の図面を参照することにより、当業者が、背骨固定、他の使用(アプリケーション)用に、開示されている装置と、システムと、方法とを、製造し、且つ、使用することが補助される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の開示は、背骨固定、及び/又は、代替的な外科移植への適用のための有利な装置と、システムと、方法とを提供するものである。より詳しくは、本発明の開示は、臨床的に有効な結果を提供するために、背骨へのダイナミックな固定を付する装置と、システムと、方法とを提供するものである。ここに記載されている一実施例は、本発明の開示の、有利な背骨固定システム及び外科移植と、その実施用の方法/技術と、を図説するものである。しかしながら、開示されている実施例は、本発明のほんの一例であり、種々の形態で実施することができるものであるということを理解すべきである。故に、これより行う、一例のダイナミックな背骨固定システムと、関連する方法/技術に関する記載は、限定するものであると解釈してはならず、本発明の開示の有利なダイナミックな背骨固定システムと、代替的な外科移植とを、製造、及び/又は、使用するための方法を当業者に教えるためだけのものであると解釈されるものである。
【0016】
図2、図3a乃至図3e、図4を参照すると、背骨固定用の一例の方法と器具とが開示されている。以下に続く記載は、主に背骨固定に関するものであるが、開示されている方法と、器具とは、例えば、任意の長い骨への適用といった、代替的な外科手術への適用に有利に用いることができる、ということは、明確に意図されているものである。従って、以下に続く詳細な記載を通して、背骨固定に関する引用と技術とは、単に図説されているだけのものであり、且つ、開示されているシステムと、装置と、方法とは、大腿、頸骨、腓骨、尺骨、及び/又は、上腕骨等に関連する特に長い骨への適用を含む、多数の外科手術/解剖学的な設定での、適用を見いだすものである、ということが理解されるべきである。
【0017】
本発明の開示の一実施例によると、背骨固定方法は、隣接する脊椎12、14の間に体内においてダイナミックな背骨固定部材10を固定することによって達成されるものであり、これによって、ダイナミックな背骨固定部材10が取り付けられる背骨の領域に弾性抵抗という形で機械的補助を提供するものである。弾性抵抗は、移動度の関数として与えられ、即ち、より大きな剛性、即ち、抵抗の増加分が多い状態は、背骨が中立区間にある時にもたらされ、より少ない剛性、即ち、抵抗の増加分が少ない状態は、背骨が中立区間を越えて曲げられている時にもたらされる。弾性抵抗という技術用語が、本発明の明細書の本文を通じて一般に用いられているが、他の形態の抵抗を、本発明の骨子から離れない範囲において用いることができる。
【0018】
当業者が確かに認識するように、且つ、上述するように、“中立区間”とは、低い背骨剛性状態の領域、又は、背骨部分のモーメント−回転曲線(図2を参照)の下端領域を参照するものであると理解される。というのは、中立区間は、体内の脊椎の動作に最小の抵抗を与える、背骨部分の中立の安静位置付近の筋肉が弛緩した状態の領域を参照するものと考えられるものである。中立区間の範囲は、背骨固定度を測定する大きな意味を持つものであると考えられている。Panjabi, MMによる論文、"The stabilizing system of the spine. PartII. Neutral zone and instability hypothesis." J Spinal Disorder 1992年、5(4)、390〜397頁を参照。
【0019】
事実、(本発明の発明者である)Dr.Panjabiは、以前に、“ボウル内のボール”類推の使用を通じ背骨固定に関する負荷・移動度特性曲線について述べている。この類推によれば、ボウルの形状は、背骨固定を示している。より深いボウルは、より安定した背骨をあらわしており、一方で、より浅いボウルは、不安定な背骨をあらわしている。Dr.Panjabiは、以前に、背骨を負傷してない人は、通常範囲の動作、即ち、痛みを伴わない動作を伴う中立区間(体内の脊椎動作に最小の抵抗を与える、動作範囲の一部)について仮説を立てていた。この例では、ボウルは、深すぎず、浅すぎない。しかし、背骨に関し解剖学的構造に負傷が生じたとき、脊柱の中立区間は、増加し、且つ、“ボール”が、より長い距離に渡り自由に移動することになる。有名な類推によって、ボウルは、より浅いものとなり、ボールの安定性が失われた。このため、広げられた中立区間から痛みを生じる結果となった。
【0020】
一般に、ペディクル・スクリュウ16、18は、当業者に周知の、よい耐性を有しており、且つ、よく知られている、外科手術に用いられている、ダイナミックな背骨固定部材10を、背骨の脊椎12、14に取り付けるために使用されるものである。ダイナミックな背骨固定部材10との組合せにおいて、ペディクル・スクリュウ16、18は、固定システム11を含んでいる。一実施例では、当業者が確かに認識するように、一対の固定システム11が、背骨に印加されている負荷の均衡をとるため、通常、使用されている(図3cを参照)。ダイナミックな背骨固定部材10は、背痛患者の損傷(負傷、及び/又は、変成)した背骨を補助する。ダイナミックな背骨固定部材10は、特に、中立区間の領域の中立な姿勢付近の背骨の動きに、制御された抵抗を提供することによって、固定システム11の一部を成している。背骨が前向きに曲がる(屈曲する)と、固定部材10は、引っ張られ(図3dを参照)、背骨が後ろ向きに曲がる(伸びる)と、固定部材10は、圧縮される(図3eを参照)。
【0021】
ダイナミックな背骨固定部材10によって提供される移動度に対する抵抗は、非線形であり、個人々の中立区間に相当するように、その中心区間で最大値となる。ということは、固定部材10の中心区間は、背骨を支持する高レベルの機械的補助を提供するということである。個人が中立区間を越えて動くと、抵抗の増加分は、より穏やかなレベルに減少する。結果として、個人は、中立区間内で動作している間に、移動するためにより多くの抵抗(又は、より多くの抵抗の増加)にあうことになる。
【0022】
ダイナミックな背骨固定システム11の中心区間、即ち、背骨固定システム11が移動するための抵抗の最大の増加を提供する動作範囲は、個々の患者の中立区間にあうように、本発明の開示の一実施例による外科手術の時に調節することができる。従って、本発明の開示の一実施例による、ダイナミックな背骨固定部材10によって提供される移動するための抵抗は、手術前、及び/又は、手術中に、調節することができる。この調節機能は、ダイナミックな背骨固定システム11を、個人の患者の損傷した背骨にあうように、調整するのに役立つ。加えて、本発明の開示の一実施例による、ダイナミックな背骨固定装置10は、更に(又は、代替的に)、個人の患者の解剖学にあうように、且つ、所望の姿勢が得られるように、手術中に調節することができる。そのような一実施例では、ダイナミックな背骨固定要素10は、例えば、患者の変化した必要のため便宜を図るように、その中心区間を調節するために、外科手術処置と共に、次の手術中に再度調節することができる。
【0023】
図4を参照すると、ボール接合36、38は、ペディクル・スクリュウを備えているダイナミックな背骨固定部材10に連結、又は、換言すれば接合するために、本発明の開示の一実施例によって用いることができる。ダイナミックな背骨固定部材10と、ペディクル・スクリュウ16、18との接合は、自由、且つ、回転することに関して非拘束な状態のものである。従って、3回転自由度が、本発明の開示による有利なダイナミックな接合によって与えられる。代替的な構成上の配列が、例えば、図29に開示され、且つ、後述されているタイプのユニバーサルジョイント構成等の、開示されたダイナミックな接合の、所望の回転自由度を提供するように意図されている。例えば、開示された球状要素、ユニバーサルジョイント等の、ペディクル・スクリュウに関連する動作を支持又は動作の便宜を図るため、ペディクル・スクリュウに関し備え付けられた構成物は、本発明の開示による一例の動作インターフェース要素である。故に、まず第1に、本発明の開示のダイナミックな接合を提供することによって、背骨は、曲げる、捻るなどの全ての生理学上の動作が可能になり、そして、第2に、ダイナミックな背骨固定部材10と、ペディクル・スクリュウ16、18とは、ありうる有害な曲げ、及び/又は、ねじり力又はモーメントから保護されている。予め定められているように、ボール結合は、本発明の開示の一実施例により開示されており、本発明の開示は、1又は2以上のボール接合の使用を限定するものではなく、且つ、他の連結構成物/機構は、本発明の開示の範囲を逸脱することなく、利用することができるものである。
【0024】
図4の一実施例による固定部材10の各端部と機械的に協働するボール接合36、38が存在するため、曲げモーメントは、背骨から固定システム11内の固定部材10へと、一般に、伝わらない。更に、固定部材10の働きに関連する唯一の力が、固定部材10の一部からのスプリング30、32の力に由来する力であるということを承知する事は、重要なことである。これらの力は、背骨の動作による、固定部材10の引っ張り、及び/又は、圧縮に単に依存するものである。要するに、固定部材10の働きに伴う力は、スプリング力に限定されるものである。背骨への大きな負荷にかかわりなく、人が重い負荷を運んだり、持ち上げたりするとき、固定部材10によって受ける負荷は、固定部材10内で作成されるスプリング力に、唯一関連するものであり、背骨の動作によるものであるが、背骨の負荷によるものではない。固定部材10は、故に、永続する背骨の高い負荷を伴うことなく、背骨の補助を、独自に可能にするものであり、広範な設計変更を可能にするものである。
【0025】
本発明の開示されている固定システム11内のペディクル・スクリュウ16、18は、従来のペディクル・スクリュウ固定装置とは全く異なるものである。固定装置11のペディクル・スクリュウ16、18によって受ける唯一の負荷は、ボール接合スクリュウインターフェースで全くの軸力へと変換される、固定部材10によって作成される力である。開示されている固定システム11の設計と働きとは、従って、従来のペディクル・スクリュウ融合システムに比べ、ペディクル・スクリュウ16、18への曲げモーメントを大幅に減少するものである。ボール接合36、38による自由動作に由来して、各ペディクル・スクリュウ16、18内の曲げモーメントは、それぞれ理論上ゼロであり、故障の可能性は、故に、有利に減少されている。つまり、ペディクル・スクリュウ16、18は、本発明の開示の一例のダイナミックな背骨固定システムの一部として用いられるとき、十分に少ない負荷をもたらし、且つ、典型的なペディクル・スクリュウよりも十分に少ない応力下に置かれるものである。
【0026】
図2に、健康な背骨用モーメント回転曲線が、ダイナミックな背骨固定システムの一部分である、一例の固定部品10の構成と共に示されている。この曲線は、健康な背骨の中立区間に見られる、動作に対する少ない抵抗を示している。しかし、背骨の負傷時、中立区間の拡大によって顕在化されるように(図1を参照)、この曲線は変化し、背骨は、不安定な状態になる。
【0027】
本発明の開示の一実施例によると、背骨の負傷に苦しんでいる人々は、中立区間に増加した機械的な補助を提供する、装置と、システムと、方法とを通じて、最良の治療を受けることになる。中立区間を越えて背骨が動くと、必要な機械的補助が減少し、より穏やかになる。特に、図3を参照すると、有利に開示されている装置と、システムと、方法との実施を通じて意図されている、一例の支持グラフが描かれている。
【0028】
図3aには、3つの異なるグラフが示されている。開示されているグラフは、中立区間内の可能な支持必要物を、単に例示し、且つ、実証するものである。グラフ1は、中立区間で多くの補助を必要としている個人の一例であり、本発明の開示の固定システムの中心区間は、故に、増加されており、広い移動度に渡り高レベルの抵抗を提供しているものであり、グラフ2は、中立区間で、グラフ1よりも少ない補助を必要としている個人の一例であり、本発明の開示の固定システムの中心区間は、故に、より穏やかになっており、より限定された範囲の移動度に渡り増加した抵抗を提供しているものであり、グラフ3は、中立区間でほんの僅かな補助を必要としている状態の一例であり、本発明の開示の固定システムの中心区間は、故に、僅かな範囲の移動度に渡り増加した抵抗を提供するように、増加されている。
【0029】
当業者が確かに認識するように、中立区間の、必要としている機械的な補助と、範囲とは、個人々で異なるものである。しかし、本発明の基本理念は、依然として、即ち、背骨の不安定性に苦しめられているこれらの個人のためにより多くの機械的補助が、個人の中立区間内に必要とされている、ということである。この補助は、個人の中立区間と、ダイナミックな背骨固定システムの一部に有利に形成されている、ダイナミックな背骨固定部材10の中心区間と、において与えられる動作に対する大きな抵抗という形で提供されている。
【0030】
本発明の開示の一例のダイナミックな背骨固定部材10は、所望の支持フラグによる機械的な補助を、有利に、提供するものである。更に、ダイナミックな背骨固定部材10の一実施例は、例えば、同軸スプリング設計を介して、調節可能になっている。より詳しくは、本発明の開示の一実施例を参照すると、背骨固定システム10は、任意の生理学上の方向への、中立姿勢からの背骨の動作として、(好ましい実施例によるスプリングによって提供される)動作に対するより大きな増加抵抗等の、増加した剛性という形で、損傷した背骨に補助を提供する。上述するように、一例の固定システム10やダイナミックな背骨固定部材10によって提供される力と移動度との関係は、非線形なものであり、背骨の中立区間であって、且つ、固定システム11の中心区間、付近では、より大きな増加抵抗を伴うと共に、個人の動作が中立区間を越えると同時に、ダイナミックな背骨固定システム11の中心区間を越えたところの増加抵抗を減少させるものである(図3aを参照)。
【0031】
更に、本発明の固定システム11の、張力し、且つ、圧縮されている間に印加される力との関係が、図3aを参照することによって示されている。上述したように、本発明の固定システム11の動作特性は、非線形である。負荷と移動度との特性曲線は、張力、中心、圧縮の3つの区間を有している。K1、K2とが、それぞれ、張力区間、圧縮区間を定めるとすると、本発明の開示による有利な固定システムでは、高い剛性が、中心区間、即ち、“K1+K2"の区間で実現されるように設計される。固定部材10の“予め組み込まれた”部分に依存して、後に詳述されるように、中心区間の幅は、故に、高い剛性の領域において、調節することができる。
【0032】
図4を参照すると、本発明によるダイナミックな背骨固定部材10を含有している、一例のダイナミックな背骨固定システム11が、概略して描かれている。ダイナミックな背骨固定システム11は、第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24とを含んでいる、ハウジング20の形で背骨固定部材10と関連する支持アッセンブリを含有している。第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24とは、第1ハウジング部材22の開口端26に形成されている外向きのねじと、第2ハウジング部材24の開口端28に形成されている内向きのねじと、によって、伸縮自在に接続されている。このように、ハウジング20は、第1ハウジング部材22を第2ハウジング部材24にねじ込むことによって完成されている。そのようにして、後に詳述されるように、第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24との間の相対距離は、ハウジング20内に包含されている第1スプリング30と、第2スプリング32との圧縮を調節するために、簡単に調節することができる。スプリングが、本発明の開示の好ましい実施例では用いられているが、他の伸縮部材を、本発明の骨子又は範囲から逸脱せずに用いることもできる。ピストン・アッセンブリ34は、第1、第2ボール接合36、38に対して、第1スプリング30と、第2スプリング32とを連結付けている。第1、第2ボール接合36、38は、ペディクル・スクリュウ16、18に選択的に取り付けるために、成形され、且つ、設計されている。ペディクル・スクリュウ16、18は、(例えば、図2に示すように)それぞれの脊椎12、14から伸びているものである。
【0033】
第1ボール接合36は、ねじ係合部材40を介して、第1ハウジング部材22の開口端39に対して固定されている。ねじ係合部材40は、第1ハウジング部材22に結合するように、形成され、且つ、寸法取りされているものである。本発明の開示の一実施例によると、開口42は、第1ハウジング部材22の開口端39内に形成されており、且つ、係合部材40のねじ切りされている部分に係合するためのねじを備えている。このように、第1ボール接合36は、第1ハウジング部材22の開口端39を実質閉鎖している。ダイナミックな背骨固定システム11の長さは、第1ハウジング部材22に対して第1ボール接合36を回転することによって容易に調節することができ、これによって、第1ボール接合36の第1ハウジング部材22と第2ハウジング部材24との間の重なりの長さを、即ち、係合部材40が第1ハウジング部材22に入れ子状に重なり入っている、その程度を、調節することができる。当業者が確かに認めているように、第1ハウジング部材22と、第1ボール接合36の係合部材40との間のねじ係合は、本発明の開示の一実施例によって開示されている。しかし、他の結合構成物(例えば、溶接取り付け部品、バヨネットロック等)は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく用いることができる。
【0034】
本発明の開示の一実施例では、第2ハウジング部材24の閉端44は、その中に形成されている開口48を有しているキャップ46に提供されている。後に詳述されるように、開口48は、ピストンロッド50が通るピストン・アッセンブリ34に関して、該ピストンロッド50の通過の便宜を図るため、形成され、且つ、寸法取りされているものである。一例のピストン・アッセンブリ34は、ピストンロッド50と、第1、第2スプリング30、32と、保持ロッド52とを含有している。ピストンロッド50は、その第1端58に、ストップ・ナット54と、拡張頭部56とを包含している。拡張頭部56は、ピストンロッド50にかたく接続されており、且つ、本発明のダイナミックな背骨固定部材10のオペレーション中に保持ロッド52が通って伸びる、誘導孔60を含有している。そのようにして、拡張頭部56は、第2ボール接合38が第1ボール接合36に向かって、そして、離れるように、即ち、第1、第2ボール接合間の動作に関連して、保持ロッド52に沿って誘導される。後に詳述されるように、拡張頭部56は、ダイナミックな背骨固定部材10が伸ばされ、そして、背骨が曲げられるように、抵抗を生成するため、第1スプリング30と相互作用する。
【0035】
ストップ・ナット54は、ピストンロッド50に関し自由に動くことができるように、該ピストンロッド50にぴたりと合うようになっている。しかし、ボール接合36に向かうストップ・ナット54の動作は、ストップ・ナット54を支持し、且つ、ストップ・ナット54が第1ボール接合36に向かって動くことを防ぐ、保持ロッド52によって、防がれている。後に詳述されるように、ストップ・ナット54は、ダイナミックな背骨固定部材10が圧縮され、そして、背骨が伸ばされるように、抵抗を生成するため、第2スプリング32と相互作用する。
【0036】
ピストンロッド50の第2端62は、第2ハウジング部材24の閉端44で開口48から伸び、第2ボール接合38に関連する係合部材64に取り付けられている。本発明の開示の一実施例では、ピストンロッド50の第2端62は、ねじ係合を介して、第2ボール接合38の係合部材64に連結されている。当業者に確かに認められているように、ピストンロッド50の第2端62と、第2ボール接合38の係合部材64との間のねじ係合は、一実施例として開示されているが、他の結合構成物は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく用いることができる。
【0037】
簡単に上述したように、第1、第2スプリング30、32は、ハウジング20内に保持又は捕獲されている。特に、第1スプリング30は、ピストンロッド50の拡張頭部56と、第2ハウジング部材24のキャップ46との間に伸びている。第2スプリング32は、第2ボール接合38の係合部材64の遠位端と、ピストンロッド50のストップ・ナット54との間に伸びている。第1、第2スプリング30、32によって印加される、予め組み込まれた力は、一般に、ハウジング20内の静止位置内のピストンロッドに保持され、且つ、ピストンロッド50は、背骨を伸ばしている、又は、曲げている、の何れの期間中においても、ハウジング20に関連して動くことができるものである。
【0038】
使用時、脊椎12、14が、曲げられ、且つ、第1ボール接合36が、第2ボール接合38から引き離され、即ち、第1、第2ボール接合36、38との間に、それらを引き離すような動きが存在しているとき、ピストンロッド50は、第1スプリング30によって印加されている力に抗してハウジング24内から引き出される。特に、ピストンロッド50の拡張頭部56は、第2ハウジング部材24の閉端44に向かって動かされる。この動きは、背骨の動きに対する抵抗を生成する、第1スプリング30の圧縮を生じる。第2スプリング32に関し、第2スプリング32は、第2ボール接合38から離れるようにピストンロッド50を動かす。脊椎が中立区間内で曲げられるのに伴い、第2スプリング32の高さは、増加され、ぶれている力を減少し、事実上、動きに対する装置の抵抗を増加させる。この機構を通じて、背骨が初期位置から曲げられるのに伴い、スプリング30とスプリング32との両方は、スプリング内の負荷を増加すること(即ち、第1スプリング30)によって、そして、動作を補助する負荷を減少させること(即ち、第2スプリング32)によって、装置のぶれに、直接的に抵抗する。
【0039】
しかし、背骨が伸びている状態にあり、且つ、第2ボール接合38が第1ボール接合36に向かって動かされている時、第2ボール接合38の係合部材64は、ストップ・ナット54に向かって動く。ストップ・ナット54は、ピストンロッド50が第1ボール接合36に向かって動くように、保持ロッド52によって適当な位置に保持されている。この機構は、第2ボール接合38の係合部材64と、ストップ・ナット54との間に保持されている第2スプリング32の圧縮を生じ、これにより、ダイナミックな背骨固定部材10内の動作に対する抵抗を生成するものである。第1スプリング30に関し、第1スプリング30は、キャップ46と、拡張頭部56との間に支持されており、脊椎が中立区間内で伸びるのに伴い、第2スプリング30の高さは、増加され、圧縮されている力を減少し、事実上、動きに対する装置の抵抗を増加させる。この機構を通じて、背骨が初期位置から伸ばされるのに伴い、スプリング32とスプリング30との両方は、スプリング(即ち、第2スプリング32)内の負荷を増加することによって、そして、動作を補助している(即ち、第1スプリング30の)負荷を減少させることによって、装置の圧縮に、直接的に抵抗する。
【0040】
本発明の開示の一実施例に開示されている、2つの同軸上に設けられた伸縮性のスプリング30、32に基づいて、図2に示されているような、補助(力)グラフが、本発明のダイナミックな背骨固定部材10によって提供される。つまり、第1、第2スプリング30、32は、ダイナミックな背骨固定部材10が固定システム11の中心区間内に置かれた時、大きな伸縮力を与えるように連動している。しかし、一旦、第1ボール接合36と、第2ボール接合38との間の移動度が、固定システム11の中心区間と、個人の背骨動作の中立区間とを越えて伸びると、個人が中立区間で必要としている実質的な補助が、もはや不要であるため、動作に対する抵抗の増加分は、実質的に減少される。このことは、以下に開示される装置の中心区間を設定することによって、達成される。力と移動度との曲線の中心区間は、曲線の範囲である。該曲線の範囲は、上述したように、両方のスプリングが装置内で動作するときに、あらわされるものである。背骨の動作が、中立区間外であり、関連装置の伸張と圧縮とが設定した中心区間の外側であるとき、伸張しているスプリングは、その自由長になる。自由長は、当業者が皆認めているように、スプリングに何の力も加えられていない状態の長さのことを言う。有利な、本発明の開示の一例の機構での、中心区間(両方のスプリングが抵抗動作を行っているところ)の外側で装置の動作に対する抵抗は、1つのスプリングの抵抗、曲げている状態のスプリング30、又は、伸びている状態のスプリング32による抵抗のみである。
【0041】
簡単に上に議論したように、一例のダイナミックな背骨固定部材10は、第2ハウジング部材24に対して第1ハウジング部材22の回転によって、調節することができる。この動作は、最終的には、第1、第2スプリングを横切る予め組み込まれた位置を、変えるという手法によって、第1ハウジング部材22と、第2ハウジング部材24との間の距離を変えるものである。この予め組み込まれた位置の変更は、ダイナミックな背骨固定部材10の現在の抵抗グラフを、図3aのグラフ2に示されている状態から、第1、第2スプリング30、32が一体となって活動する効果的な範囲を広げる、予め組み込まれた状態(図3aのグラフ1を参照)に増加するものである。固定部材10の中心区間のこの増加された幅は、背骨の動く広い範囲に渡る高い剛性に相互に関連するものである。図3aのグラフ3に明らかなように、この効果は、逆転することもできる。
【0042】
本発明のダイナミックな背骨固定部材10は、支持を必要とする脊椎部から伸びている、ペディクル・スクリュウ16、18に取り付けられている。ダイナミックな背骨固定部材10の外科手術中の取り付け時に、外科医によって判断され、及び/又は、不安定測定装置によって定量化される、固定装置の中心区間の程度は、本発明の開示の一実施例による各個人の患者に合わせて調節することができる。この調節することができるという、ダイナミックな背骨固定部材10の特徴は、本発明の1実施例によって生成された3例のグラフ(図3a、3bを参照し、装置中心区間の幅に注目)に例示されている。
【0043】
手術前、ダイナミックな背骨固定部材10の第1、第2伸縮スプリング30、32は、より広範囲な背骨固定の便宜を図るため、1組の(一部又は全部が)異なるスプリングに置き換えることができる。図3bに呈されているように、グラフ2bは、図3bのグラフ2aに示されている曲線に比べ、1組の硬いスプリングによって生成された力と移動度との曲線の実例である。
【0044】
手術中、一例のダイナミックな背骨固定部材10は、例えば、異なる患者の生体構造と、所望の背骨の姿勢とに適合するように、固定部材10を伸ばすために、第1ボール接合36の係合部材40を回転させることによって、調節することができる。手術前、ピストンロッド50は、生体構造のより広い範囲の変化に適合するように、異なる長さ/形状のピストンロッドに置き換えることができる。
【0045】
ここに開示されている、一例のダイナミックな背骨固定部材10は、その負荷と移動度との関係を単独で調べたものである。張力を印加しているとき、ダイナミックな背骨固定部材10は、予め定められている移動度まで、増加抵抗を示し、その後、装置が完全に伸張した状態になるまで、減少された傾きの増加抵抗を示している。圧縮されているとき、ダイナミックな背骨固定部材10は、予め定められている移動度まで、増加抵抗を示し、その後、装置が完全に圧縮された状態になるまで、減少された傾きの増加抵抗を示している。故に、ダイナミックな背骨固定装置10は、中立姿勢付近で移動度に対する最も大きな抵抗を伴う、非線形な、負荷と移動度との曲線を示す。この有利な性質は、負傷した背骨の負荷と移動度との曲線を正規化することを助けるものである。
【0046】
本発明の開示の他の一実施例において、図5を参照すると、固定部材110は、一列に並んだスプリング配列で構成することができる。この実施例では、ハウジング120は、第1、第2ハウジング部材122、124を含んでいる。第1、第2ハウジング部材122、124は、調節可能なねじによって連結されている。第1ボール接合136は、第1ハウジング部材122から、又はこれに関連し、伸びている。第2ハウジング部材124には、ピストンロッド150の第2端162が通り、伸びている、開口148が与えられている。ピストンロッド150の第2端162は、第1ボール接合138に関連し、取り付けられている。例えば、第2ボール接合138は、ピストンロッド150にねじ込むことができる。
【0047】
ピストンロッド150は、その第1端158に、拡張頭部156を含有している。第1、第2スプリング130、132は、拡張頭部156と、第1、第2ハウジング部材122、124の閉部139、144との間に、それぞれ、固定されている。この方法によって、固定部材110は、前の実施例、即ち、固定部材10と同じ機械的原理を用いて、伸張と、圧縮との両方に対し抵抗を与える。
【0048】
代替的な実施例による抵抗グラフの調節は、第2ハウジング部材124に対して第1ハウジング部材122を回転することによって、達成することができる。この方法での回転は、固定部材110によって提供される高い抵抗の中心区間を変えるものである。前述したように、一方又は両方のスプリングが、また、それぞれ、2又は3つの区間において、力と移動度との曲線の傾きを変えるのに交換することができる。
【0049】
一例の固定部材10、110が、どのようにして、損傷した背骨を補助する(中心区間内での支持を増加する)のかを説明するため、引例は、モーメント−回転曲線(図6)に合わせてつくられている。4つの曲線が示されている。1.無傷な状態、2.負傷している状態、3.固定装置(“DSS")、そして、4.負傷している状態+固定装置(“DSS”)である。無傷の背骨、負傷した背骨、固定装置のみ、負傷した背骨に固定装置を加えたもの、のモーメント−回転曲線が、それぞれ、存在する。注目すべきは、後者の曲線(即ち、本発明の開示の負傷した背骨に固定装置を加えたもの)は、無傷の背骨の曲線に近似していることである。従って、本発明の開示による固定装置/固定システムは、中立姿勢付近の動作に対し、より大きな抵抗を提供するものであり、背骨の不安定性を補償するという用途に合うものである。
【0050】
図8乃至図17を参照すると、本発明の開示の有利な固定システム211の更なる実施例(及び、関連する力のグラフ特性)が、概略して描かれ、且つ、そこに記載されている。この一例の固定システム211は、図8の分解図に概ね示されているように、第1、第2ペディクル・スクリュウ216、218の間に設けられている固定部材210の一部として、第1、第2同軸スプリング212、214を含有している。当業者が認めるように、固定部材210内に組み込まれるスプリングは、例えば、機械スプリング、ワイヤコイルスプリング、ウェーブスプリング等、本発明の骨子又は範囲を逸脱しない、当業者に知られている種々の形態をとることができる。加えて、他の抵抗装置、例えば、エラストマー材料、及び/又は、エラストマー構成物、皿バネ等(そのような代替的な抵抗装置は、単独で、又は、先のスプリングと組み合わせて用いられる)は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく、固定部材210内に組み込むことができる、ということは意図されているものである。
【0051】
固定システム211は、概ね、第1端220と、第2端222とを定める。図8に概略して描かれているものは、一対のペディクル・スクリュウ(216、218)を含有しているが、“第1端”、及び/又は、“第2端”は、それらを越えて設けられている、追加のペディクル・スクリュウ、及び/又は、固定部材の中間位置に形成することもできる、ということが理解されるはずである。第1端220に向かって、第1取り付け部材224は、第1ボール(又は球状要素)262aを受け取り、第1ボール接合226を定めるように、構成され、且つ、寸法取りされているものである。第1ボール接合226は、第1取り付け部材224と、ペディクル・スクリュウ216との間の関連する動作機構の便宜を図るものである。実際、ボール接合226に形成されるダイナミックな接合点は、3回転自由度を有利に提供するものである。固定システム211の第2端222に向かって、第2取り付け部材228は、第2ボール接合230を定めるため、第2ボール(又は、球状要素)262bを受け取るように、構成され、且つ、寸法取りされ、提供されている。第2ボール接合は、第2取り付け部材228と、ペディクル・スクリュウ218との間の、即ち、3回転自由度を提供するダイナミックな接合点を定める相対作動機構の便宜を有利に図るものである。
【0052】
図8の一実施例では、ボール接合226、230は、それぞれの第1、第2取り付け部材224、228と、そこに設けられているボール、又は、球状236、238に一体形成されたソケット232、234を含有している。当然、ソケット232、234は、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく、第1、第2取り付け部材224、228からの分離部品として組み立てることができる。ソケットが取り付け部材から分離して組み込まれている、実施において、サブアッセンブリのような接合/接続用の適切な機構、例えば、溶接接続、ねじ係合、バヨネットロック機構等を、用いることができる。
【0053】
図8乃至図17の一実施例では、第1取り付け部材224は、本発明の固定システム211のオペレーション用に、内側第1スプリング212を支持するように構成されている。図16、図28に最も良く示されているように、第1取り付け部材224は、本体部材240を含有している。本体部材240は、該本体を通る開口242に有している。開口242の内面は、ソケット232を定め、且つ、ボール(又は球状要素)236を受け取るために、形成され、且つ、寸法取りされているものである。ボール/球状要素のアッセンブリは、ソケット232に対してボールの通常の位置を90度回転させることによって、達成される。この位置において、ボール/球状要素は、ソケット内の内側の球状の案内溝に切られている、2つの対向するスロット232aを通って摺動することができる。本発明の開示の一実施例では、対向するスロットは、実質弓形であり、球状要素の高さに適合する距離に渡り伸びている。一旦ソケット内に設けられると、ボール/球状要素は、一般に、それから係合解除されるのを防ぐため、ソケットに対して回転される。実際、一旦ペディクル・スクリュウに組み立てられると、ボール/球状要素が、ソケット部材内に形成された内側の球状の案内溝から分解されることはない。本発明の開示の一実施例では、開口242は、ボール/球状要素236がボール/球状要素236の直径を定める面、又は該面付近でソケット232に係合するような大きさに形成されている。この方法で、ボール/球状要素236は、ソケット232に対して中心に設けられており、ソケット232を通り抜けることができないようになっている。内側第1スプリング212は、第1取り付け部材224の本体部材240から伸びており、且つ、一実施例では、本体部材240に一体形成されている。
【0054】
第2取り付け部材228は、同様に、貫通開口246を有している本体部材244を含有している。開口246の内面は、ボール238を受け取るように形成され、且つ、寸法取りされている、ソケット234を定めている。従って、一実施例では、ソケット234は、ソケット232に関連して上述したように、ボール/球状要素の導入の便宜を図るために、対向するスロットを含有している。ボール236と、ソケット232との間の寸法関係に関し、開口246は、ボール238がボール238の直径を定める面、又は、該面付近でソケット232に係合する(そして、ボール238がソケット232を通り抜けることができない)ような大きさに、有利に、形成されている。第2取り付け部材228は、更に、ロッドコネクタ248を含有している。ロッドコネクタ248は、該コネクタを通って伸びている横軸開口/チャンネル250を備えている。横軸開口/チャンネル250は、該横軸開口/チャンネル250を通るスプリング・キャップ・ロッド252の通路が、形成され、且つ、寸法取りされている。スプリング・キャップ・ロッド252は、例えば、ねじ切りされている開口を通って伸びているセットスクリュウ254を介して、横軸開口250内に固定されている。該ねじ切りされている開口は、ロッドコネクタ248の外面から、横軸開口/チャンネル250のスプリング・キャップ・ロッド252が設けられているところ、までのチャンネルを提供するものである。
【0055】
代替的な実施例によると、図10を参照すると、セットスクリュウ254’は、くさび部材249’に相互作用する。くさび部材249’は、横軸開口/チャンネル250’内に設けられており、横軸開口/チャンネル250’を通るスプリング・キャップ・ロッド252を係合するために、形成され、且つ、寸法取りされている。より詳しくは、くさび部材249’は、スプリング・キャップ・ロッド252’と相互作用するように、形成され、且つ、寸法取りされている、露出弓形表面を含有しており、これによって、セットスクリュウ254’がくさび部材249’に締結されたとき、第2取り付け部材228’に対するスプリング・キャップ・ロッドの動作を実質止めるようになっている。
【0056】
図11、図15a、図15bを参照すると、本発明の開示による取り付け部材に対してスプリング・キャップ・ロッドを固定するための、更に代替的な構造配列が描かれている。図11、図15a、図15bの構造配列は、取り付け部材内でのスプリング・キャップ・ロッドの柔軟な装填が望まれている時、特に有利なものである。図11、図15a、図15bは、取り付け部材228”を定める横軸開口/チャンネル250”内に選択的に回転可能なボール249”を用いている。ボール249”は、該ボールを通って伸びている横軸圧縮スロット251”を含有している。開口255に開口している複数の内部溝253は、また、ボール249”内に形成されているものであるが、これによって、後に詳述されるように、そこに設けられたスプリング・キャップ・ロッド252”の固持を促すものである。注目すべきは、ボール249”内に形成され、且つ、図15bに示されている開口255は、有利な、短径“Y"と、長径“X"の、幾何学的楕円形状のものであるということである。圧縮スロット251は、実質、短径“Y"に位置調節されており、溝253は、圧縮スロット251”に面している弓形の位置、即ち、開口255の反対側に、配備されている。
【0057】
使用時、例えば、ロッドのような細長い部材等の要素が、開口255内に設けられた後、機構(例えば、セットスクリュウ254”)が、ボール249”の外側に力を印加するのに用いられる。力は、楕円状開口255の長軸“Z"に実質位置調節された状態でボール249”に、有利に、印加される。力が、ボール249”の外面に印加されるのと同時に、楕円状開口255は、変形され、幾何学的円状(又は、実質円状)の形になる。幾何学的円状への変形は、開口255に対する、圧縮スロット251”と、溝253との位置決めによって、容易にされている。実際、圧縮スロット251”と、溝253との位置は、ボール249”が所望の円状(又は実質円状)の開口255へと優先的に変形するための便宜を図るものである。幾何学的に円状/実質円状の形になることによって、開口255周りのボール249”の内壁が、実質、細長い部材/ロッドの全周囲に渡り円状の断面の細長い部材/ロッドに係合する。その全周囲に渡り円状の断面の細長い部材/ロッドと係合することによって、よりしっかりとした固定が、ボールと細長い部材/ロッドとの間に与えられる。
【0058】
従って、スロット251”と、溝253とは、ボール249”がセットスクリュウ254”によって与えられた力によって、限定された程度にまで圧縮され、且つ、変形できるようにする。これによって、ボール249”と、スプリング・キャップ・ロッド252”とが、横軸開口/チャンネル250”内の適切な位置に係止される。第2取り付け部材228”に対して、ボール249”と、スプリング・キャップ・ロッド252”との向きが、所望の向きに調節されている間、ボール249”は、スプリング・キャップ・ロッド252”がボール249”を通って伸びることができるようにする。つまり、ボール249”は、開口/チャンネル250”内で3回転自由度を有しており、これによって、ボール249”は、スプリング・キャップ・ロッド(又は、他の細長い部材/ロッド)との位置調節の便宜を図るため、本質的に任意の角度に方向付けることができるようになっている。これによって、背骨固定システムに関するアッセンブリの利便性と、柔軟性とを大きく進展させることができる。実際、ボール249”内に設けられたロッドは、取り付け部材に一旦組み込まれた後は、臨床医学者/外科医によって、一般に、正しい長さに調節される。ロッドが、ボール249”の出口端の非常に近くに調節されるのであれば、ボール/ロッドの組合せは、取り付け部材228”に対して、本質的に180回転自由度を提示する。ここで、開示されている一実施例による、高度/高レベルな角度測定は、一般に、臨床応用で有利なものである。取り付け部材228”の開口/チャンネル250”を備えているボール249の組合せは、“箱の中のボール”と称することができる。一旦所望の方向が、背骨固定システムの他の部品に関連するロッド用に達成されると、セットスクリュウ254”が、きつく締められ、且つ、アッセンブリが、それによって適切な位置に係止される。
【0059】
更に図8を参照すると、第1、第2取り付け部材224、228は、第1、第2ペディクル・スクリュウ216、218に備え付けられている。ペディクル・スクリュウ216、218の各々は、近位端256と、遠位端258とを含有している(ここに描かれている一実施例の第1、第2ペディクル・スクリュウ216、218は、同一のものであるから、同じ参照番号が両方のペディクル・スクリュウに記載されている。しかし、本発明の骨子又は範囲を逸脱することなく、異なる構成、及び/又は、特性を有しているペディクル・スクリュウが、本発明の開示による固定システムの実施に組み込むことができる、ということは、意図されていたものである)。遠位端258は、個人の脊柱に沿ってしっかりと取り付けるための従来のねじを含有している。本発明の開示の一実施例により、且つ、更に、図23を参照すると、ペディクル・スクリュウ216の近位端256は、コレット260を提供するものである。コレット260は、ボール/球状要素236内に形成されている、実質、円筒型の収納開口/チャンネル262aに受け入れられるように、寸法取りされているものである。
【0060】
コレット260は、例えば、固定システム211の使用に伴い必要になる、開業医の制御下において、伸張、収縮能力を有するように、組み立てられ、及び/又は、形成されている。一例のコレット260は、複数の直立部分264を含有している。該部分264は、中央空洞266周り、即ち、中央空洞266の周囲に、実質弓形に配列されている。隣接する直立部分264は、スロット又はチャンネル265によって分離されている。図23に示されているように、スロット265は、スロット265の底で、拡大された、実質円状の領域265aを定めることができる。本発明の開示の一実施例では、円状の領域265aは、更に、隣接する直立部分264の相対動作を促すものである。
【0061】
更に、図8、図23を参照すると、一例のコレット260は、3つの(3)直立部分264で定められている。これらの直立部分264は、実質同じ形状/寸法であるが、直立部分264の代替的な数、間隔、及び/又は、配列が、本発明の開示の骨子又は範囲を逸脱することなく、利用、及び/又は、用いることができる。後に詳説されるように、直立部分264は、(i)ボール/球状要素236、238の受け入れチャンネル262a、262bの中でコレット260を係止するために伸びている(又は、外側に反れた)状態と、(ii)コレット260が、ボール/球状要素236、238の受け入れチャンネル262a、262bから選択的に差し込み、又は、取り除くことができる、伸びていない(又は、安静)状態と、の間の動作に合うようになっている。注目すべきは、“伸びている状態”とは、一般に、しっかりと固定された、又は、予め定めた、拡大の程度のことを言うのではなく、むしろ、一般に、コレット260と、ボール/球状要素236、238との間の所望の摩擦係合を達成するために必要な拡大(即ち、外側への反り)のレベルによって定められるものである。
【0062】
本発明の開示の一実施例によると、ボール/球状要素236、268の受け入れチャンネル262a、262bの各々は、それが伸びていない(又は、実質伸びていない)状態にある間、ペディクル・スクリュウ216、218に使われる、コレット260を受け取るため、構成され、且つ、寸法取りされている。コレット260の保有は、更に、コレット260の直立部分264の遠位端又は上部端で、又は、その付近で、リップ268の設備によって、拡張することができる。リップ268は、例えば、コレット260の鋳造又は機械製造中に、各直立部分264上に、概ね、形成されるものであり、且つ、得られるコレット260の縁周りに、概ね、伸びている。各受け入れチャンネル262a、262bは、その対向端で第1、第2面取り領域を、概ね、含有している。面取り領域は、例えば、ペディクル・スクリュウ216、218と、ボール/球状要素236、238との間の相互作用のような、開示されている固定システムの部品の位置合わせと接続とを促すものである。開示されている固定システムの柔軟な使用を促すため、ボール/球状要素236、238は、中間面(図23に一点鎖線“MP"で示されいる)の周り、又は、中間面に対して、概ね、対称になっている。それに応じて、何れの、受け入れチャンネル262a、262bの端においても、面取り領域は、幾何学的に、寸法上、実質同じものである。
【0063】
上述の通り、リップ268は、直立部分264の外壁上に形成されており、受け入れチャンネル262a、262bの面取り領域と協働するように、有利に、構成され、且つ、寸法取りされている。従って、一旦コレット260が、受け入れチャンネル262a、262bを通って広がると、直立部分246に使われるリップ268は、受け入れチャンネル262a、262bに関連する面取り領域内に、概ね、設けられる。リップ268と、受け入れチャンネル262a、262bの面取り面との間の摩擦相互作用は、ここに記載されている、コレット260の膨張の前後において、コレット260と、受け入れチャンネル262a、262bとの相対位置を保つことを助けるものである。
【0064】
本発明の開示の一実施例によると、構成上の特徴、及び/又は、要素は、ボール/球状要素236、238、及び/又は、コレット260に与えられており、これによって、例えば、ペディクル・スクリュウ216、218に対して、ボール/球状要素236、238を固定するためのツール、及び/又は、固定システム211の部品等の、1又は複数のツールとの相互作用を促すようになっている。図8、図23の一例のシステムを参照すると、位置合わせタブ又は切欠き270、272は、ツールと相互作用するように直立部分264内に形成されている。図23に示されている、位置合わせタブ/切欠き270、272は、実質L字形状を有しているが、特別なツール設計、及び/又は、ツール相互作用の便宜を図るため、代替的な形状を用いることもできる。図8、図23の一実施例では、例えば、弓状に配列された固持伸張部のような、ツール(描かれてはいないが)は、隣接する位置合わせタブ/切欠き270、272と有利に相互作用することができる。固持伸張部は、隣接する位置合わせタブ/切欠きと係合/協働するように、間隔を開けられ、構成され、且つ、寸法取りされている。上述の通り、ボール/球状要素236、238は、中間面(“MP")に対して、概ね、対称であり、開示されている位置合わせタブ/切欠き270、272は、ボール/球状要素236、238の両方の端に、典型的に形成されている。実際、ボール/球状要素236、238の両端上の位置合わせタブ/切欠き270、272の設備は、機能性/相互作用性、例えば、付属ツール又はそのようなものとの相互作用、を犠牲にすることなく、何れの向きへのボール/236、238の備え付けを、有利に促すものである。本発明の開示の一実施例によると、補完ノッチ271は、ツール相互作用を促すため、ボール236、238に形成することができる。ノッチ271は、ボール262a、262bの周囲に間隔を開けて設けられており、例えば、コレット260に対するボール262a、262bの回転再配列によって、また、そのツール関連操作に関連するツール(図示せず)によって、切欠き270、272と位置合わせすることができる。また、ペディクル・スクリュウ上の形状、及び/又は、構成物は、例えば、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状要素をしっかりと固定するとき、自動的に正しい方向に向け、逆トルクを考慮に入れた回転安定性を提供するため、ボール/球状要素上の切欠きと相互作用するように構成されている。
【0065】
ペディクル・スクリュウ216、218に関連する一例のコレット260の拡張は、コレット260の直立部分264内に定められている中心開口266内にセットスクリュウ274を差し込むことによって達成される。一実施例によると、セットスクリュウ274は、中心開口266の内面と、セットスクリュウ274の外面とに沿って形成されているねじを合わすことによって中心開口266に固定される。セットスクリュウ274は、例えば、そのねじ切りされていない端に、外向きに先細りになっている一部分274aを含有している。該一部分274aは、スクリュウ274がペディクル・スクリュウ216、218にねじ込まれるのに従って、コレット260の直立部分264に係合するように、構成され、且つ、寸法取りされている。従って、セットスクリュウ274は、中心開口266内に下に向かって進み、直立部分264は、スクリュウ274の先細りになっている一部分274aに下側で接触し、外向きに力がかけられる/反らされる。直立部分264の外向きの反りは、コレット260の有効直径を増加し、コレット260の外面と、受け入れチャンネル262a、262bの内壁との間の干渉接触を増加(又は構築)する。更に、セットスクリュウを差し込むことによって、コレット260は、ボール/球状要素236、238の受け入れチャンネル262a、262bとの係合を係止することができる。前述の通り、直立部分264の外面に与えられているリップ268は、とりわけ、コレット260によって与えられる“係止する”力を強化することができる。
【0066】
図24a、図24b、図24cを参照すると、本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対して、ボール/球状要素を、固定、又は、備え付けるための、代替的なコレット・ベースシステムが、描かれている。図24a乃至図24cのコレット・ベースシステムは、図23に描かれているシステムと同じである。しかし、図24a乃至図24Cのシステムでは、内部スナップリング273は、直立部分264の外壁内に形成された外部リング溝277と、ボール/球状236内で形成された内部リング溝279とに協働するように構成されている。スナップリング273は、部分円であり、該部分円は、スナップリング273の直径を広がりやすくするための開口273aを備えている。典型的には、スナップリング273は、所望の弾性率が得られる、チタンやステンレス鋼から製造されている。外部、内部リング溝277、279の深さは、それぞれ、通常、スナップリング273の配置を確実にするように選択される。
【0067】
使用時、スナップリング273は、典型的には、ボール/球状要素内に形成された内溝に設けられている。そして、例えば、部品が所望の位置に達した時に、コレット内に形成されている外溝に、本質的に“はめ込む”ということを行う。ボール/球状要素と、コレット/ペディクル・スクリュウとの間の、この“はめ込む”という接続は、臨床医学者が部品の位置合わせを誤るというリスクを伴うことなく、互いに関連する部品をより長い間固定する(例えば、適切なツールを設け、且つ、位置決めする)ための適切なステップを実行できるようにするものである。従って、スナップリングは、両方のリング溝277、279に有利に位置合わせされ、且つ、部分的に入れ子状にされ、これによって、ボール/球状236の間に一層の係合を与えるものである。セットスクリュウ274が差し込まれ、直立部分264が外向きに反らされ、これによって、ボール/球状236と、ペディクル・スクリュウ216との間に強い係合が提供される。その代替的な実施例において、スナップリングは、コレットの表面(即ち、外溝)に初めのうちに設けられている。この場合において、所望の位置合わせが達成されたときに、スナップリングは、ボール/球状位置合わせの溝に“はめ込む”ということを行う。
【0068】
注目すべきは、スナップリングは、開示されたアッセンブリに含有されており、コレットは、もはや内側、外側の両方に変形する必要がないということである。コレットのリップの機能は、仮のスナップフィットと、最終的な固定との機能を分離するスナップリングによって置き換えることができる。スナップリング273によって分けられた、この機械機能の分離に由来して、スロット/チャンネル265の深さは、ボール/球状要素とコレットとの間の安全な相互作用の有効性を減少することなく、図23の実施例に関連する、図24a乃至図24cの一実施例において、減少することができる。スロット/チャンネル265の深さを減少することの可能性は高く、というのは、スロット/チャンネルは、もはや、内側への変形できることを必要としないためである。直立部分264の外向きの反りのみが、必要な固定力を得るために要求され、スロット/チャンネル深さは、減少され、これによって、コレットを硬化し、且つ、強化することができる。スロット/チャンネルの適切な深さの選択は、本発明の開示に基づいて当業者の技術で十分にできるものである。スロット/チャンネル265の深さを減少することによって、コレット260に強い強度を与えることができる。
【0069】
図25a乃至図25cを参照すると、更に、代替的な機構が、描かれている。コレットは、反らされる物ではなく、即ち、前述の実施例からスロット/チャンネルが、削除されている。従って、コレット260’は、前述した実施例に記載されているように、スロット/チャンネル265によって分離されている、複数の直立している、反ることができる部分というよりも、むしろ、実質円筒状の構成物である。円筒状の構成物は、前に記載されたスロットの設けられている実施例との関連において、コレット260’を補強するものである。図24a乃至図24cの実施例のように、内側のスナップリング273は、上述した手法によって、内溝277又は外溝279内に、設けられ、且つ、入れ子にされる。スナップリング273と、リング溝277、279との間の相互作用は、コレット260’と、ボール/球状236間に固定力を与えるものである。
【0070】
図25bの分解図と、図25cの断面図において、特に言及されているように、セットスクリュウ274’は、拡張頭部274aを定めている。拡張頭部274aとは、ボール/球状236に面取りされた開口に協働するように寸法取りされたものである。先細りになっている、円周ベアリング表面274bは、頭部274aの下部に定められている。頭部274aは、セットスクリュウ274’がコレット260’にねじ込まれるのに伴い、ボール/球状236に係合されるようになっている。協働するねじ山は、セットスクリュウ274’(例えば、6−32ねじ)の下側に伸びている一部分の外側と、コレット260’の内面とに、一般に、定められている。従って、セットスクリュウ274’は、コレット260’へと進められ、ベアリング表面274bは、ボール/球状236上の協働する面取りされている表面に係合する。同時に、ペディクル・スクリュウ216によって、定められ(又は、関連して)定められている、傾斜した、円周ベアリング表面261は、対称に定められた、ボール/球状236の対向端の面取りされた表面に、係合される。従って、ボール/球状236は、セットスクリュウ274’の拡張頭部と、コレット260’の底に隣接して設けられているベアリング表面261との間に、効果的に捕らえられる。
【0071】
図25a乃至図25cの代替的な実施例によると、コレットの強さは、スロット/チャンネルの削除によって増加されている。加えて、セットスクリュウ274’の大きなサイズの拡張頭部は、前述した実施例に関連する、大きな6角(又は、他の幾何学的形状)ツール係合特性を可能にする。その上、“生体組織親和性を有している”表面特性274cは、ボール/球状要素236内の空間から生体組織を保護するため、拡張頭部の上面に定められている。しかし、図25a乃至図25cの実施例によると、ペディクル・スクリュウ内に形成された中心開口内にセットスクリュウ274’を“予め組み込む”ことは(後に詳述されるように)難しい。というのは、ボール/球状要素を越えて通過できないからである。
【0072】
図26a乃至図26cを参照すると、ペディクル・スクリュウに対して、ボール/球状をしっかりと固定、又は、備え付けるための機構の更なる一例が、本発明の開示によって描かれている。図25a乃至図25cの実施例のように、スロットが設けられていないコレットが、ペディクル・スクリュウに関連して与えられている。また、前述した実施例のように、傾斜された、円周ベアリング表面261は、コレットの底付近に設けられており、ボール/球状によって定められている内面に係合するように、構成され、且つ、寸法取りされている。ベアリング表面261は、ペディクル・スクリュウ216によって定められ(又は、関連付けされ)、後述するねじ山の下に設けられている。
【0073】
図26b、図26cを特に参照すると、ボール/球状要素236’は、ねじ切りされている内面236aを定めている。内面236aは、コレット260”に形成されている外向きにねじ切りされている面260aと協働するようになっている。協働するねじは、前の実施例で述べたスナップリングの必要を無くすものである。注目すべきは、1又は、複数の特徴形状が、ペディクル・スクリュウ216に関連するボール/球状236’の回転動作を与えるため、ツール(描かれてはいないが)との相互作用を促すために、ボール/球状236’の開口に、一般に、形成される、ということである。測定器具のように、コレット260”に対するボール/球状236’の所望の締め付けを、結果として生じるように、ボール/球状236の回転を確実に行うために、逆トルクツール(描かれてはいないが)との相対動作を促すように、1又は、複数の特徴形状が、コレット260”の頂部で、一般に、形成されている。ボール/球状236’が、コレット260”に対して締め付けられるのに伴って、ボール/球状の底の部分は、ベアリング表面261に係合し、これによって、その間に、更なる摩擦係合が与えられる。
【0074】
使用時、図26a乃至図26cの備え付け機構は、(前の実施例で述べた)セットスクリュウの必要と、スロットの設けられていないコレットの利用と、を無くすものであり、これによって、スロットの設けられている実施例との関連において、コレット構成を補強するものである。ボール/球状と、ペディクル・スクリュウとのアッセンブリは、ねじの位置合わせと、コレット/ペディクル・スクリュウに関連し、ボール/球状の所望の回転をもたらすための適切なツール相互作用とを要求するものである。
【0075】
図27を参照すると、更に、代替的な備え付け機構が、描かれている。ボール/球状236”の入口ねじ236bは、スロットの設けられているコレット260kの底で(又は、その付近で)、協働ねじ260xと相互動作するように構成されている。スナップリング273は、スロットが設けられているコレット260kの直立部分が外側にそれるのに伴い、即ち、セットスクリュウ274がペディクル・スクリュウ216に対して下向きに進めされたとき、よりしっかりとした備え付けの確実さを与えるように、備えられている。開示された機能の一実施例では、入口ねじは、“左巻き”ねじであり、これによって、セットスクリュウ274が導入されるのに伴い、係合が解ける可能性を最小にする。実際、セットスクリュウが進められるのに伴い、ボール/球状は、その反対を向いたねじによって、係止位置へと促される。代替的に、同じ結果を得るために、セットスクリュウは、左巻きのものが与えられ、入口ねじは、右巻きのものでも良い。使用時、図27の備え付け機構は、(セットスクリュウの導入に伴い)コレットの反ることができる直立部分と、スナップリングの含有と、ボール/球状上への入口ねじの含有との組み合わされた働きを通じて、ボール/球状と、コレット/ペディクル・スクリュウとの間の、よりしっかりとした備え付けの確実さを与えるものである。
【0076】
本発明の開示の一実施例によると、セットスクリュウ274は、中心開口266内に、有利に、“予め組み込まれ”ており、即ち、セットスクリュウ274は、臨床処置が始まる前に、中心開口266へと部分的にねじ込まれている。上述された備え付け機構の目的のため、図25a乃至図25cの設計のみは、(セットスクリュウ274’上の拡張頭部のため)“予め組み込まれている”セットスクリュウを受け入れる余地はない。干渉(interference)は、セットスクリュウ274の表面上に与えられ、セットスクリュウ274を、例えば、出荷時と、患者に対してペディクル・スクリュウの初めの臨床学的な位置/導入を行う間とに、初めの“予め組み込まれた”位置に保持できるようにする。本発明の開示による一干渉は、例えば、その遠位端、又は、その付近での、螺旋状のねじの変形に伴って生じるものである。変形は、かたい表面の1又は、複数の位置(例えば、対向する位置)に特に形成されているねじによって、もたらされる。一実施例において、一対の変形、又は、“ピング”は、セットスクリュウの遠位端、又は、その付近で、ねじ山内に形成される。更に、所望の干渉は、ねじ山の長手方向に沿って“オフ・ピッチ”な状態でねじ切りされている限定領域に備えることによって、達成できる、ということが意図されている。代替的な構成、及び/又は、機構は、本発明の開示から当業者が容易に見いだすことができるものであるが、(ペディクル・スクリュウに対してセットスクリュウを進めるときに、臨床医学者によって容易に克服される)所望の干渉を得るために、用いることができるものである。
【0077】
ここに記載されている、“予め組み込まれた”セットスクリュウによって、記載されているシステムの臨床使用は、臨床処置中、中心開口266にセットセットスクリュウ274の位置合わせを行う潜在的困難さ、及び/又は、臨床作業に関連する、セットスクリュウの置き間違い/落下、及び/又は、斜め止め、の可能性、を実質的に削除される。注目すべきは、セットスクリュウ274の長さ、及び/又は、セットスクリュウ274の外向きに先細りになっている領域の相対寸法、及び/又は、位置は、“予め組み込んだ”構成のセットスクリュウ274の直立部分264の外向きの反りを妨げ、又は、制限するように、有利に選択されている。
【0078】
一般に、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状要素を締結、又は、係止することは、従って、セットスクリュウをペディクル・スクリュウの頭部、又は、その付近に、設けられている中心開口へとねじ込むことによって、本発明の開示の一実施例により、取られるものである。セットスクリュウは、その臨床使用を促すため、中心開口へと、有利に、予め組み込むことができる。セットスクリュウの中心開口へのねじ込みは、ペディクル・スクリュウに関連するコレット機構に、関連する一連の直立部分の外向きの反りを生じする。ペディクル・スクリュウに対するセットスクリュウの動作を促すため、セットスクリュウが、中心開口に差し込まれ、又は、取り外された時に、ペディクル・スクリュウの回転動作を妨げ/制限するように、ペディクル・スクリュウへ“逆トルク”力を、一般に、与えることが望ましい。所望の逆トルクを与える(且つ、セットスクリュウを差し込み/取り外すための)ツールは、知られている。本発明の開示の一実施例において、切欠き/位置合わせタブは、コレットに形成され、且つ、使われており、そして、協働するノッチは、例えば、セットスクリュウの差し込み/取り外しの間、ペディクル・スクリュウに所望の逆トルクを与えるツール等の上記ツールとの相互作用を促すために、ボール/球状に形成され、且つ、使われている。
【0079】
本発明の開示は、一連の一実施例として記載されている。ボール/球状要素は、ペディクル・スクリュウに備え付けられており、ペディクル・スクリュウに関連する動作を支持するように、ソケット部材と協働し(即ち、動作インターフェース要素として働き)、且つ、有利なダイナミックな接合点を提供するものである。本発明の開示が、ボール/球状要素と、ソケット部材との間の相互作用を通じて形成されたダイナミックな接合点に限定されないということが理解される。例えば、図29に示されているように、外向きにねじ切りされているコレット260aを有している、ペディクル・スクリュウは、内向きにねじ切りされている空洞236aと係合することができる。空洞236aは、動作インターフェース要素である、第1ユニバーサル接合機構241に、備え付けられ、又は、接合されている。ロッド252は、その第1端で第1ユニバーサル接合機構241と、その反対側の端で第2ユニバーサル接合機構243と、協働する。ユニバーサル接合機構の設計と働きとは、当業者に知られているところであり、ここに開示されているタイプのペディクル・スクリュウ備え付け構成物に関連する実施は、固定システム/応用で使用するための有利な、代替的なダイナミックな接合点を、提供するものである。代替的なダイナミックな接合点のアッセンブリは、また、個々に開示されている詳細な記載から、当業者にとって、容易に自明なように、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく用いることができるものである。
【0080】
当業者が確かに認識するように、効果的、且つ、信頼できる、ボール/球状要素236、238の、コレット260に関連する、そして、ソケット232、234内での、位置合わせは、望ましいものである。本発明の開示の一実施例により、図12と図14とを参照すると、代替的な働きが、有利な誘導線システム275を臨床医学者に与えることによって、促される。一例の誘導線システム275は、誘導線276と、先細りになっている部材278と、を含有している。部材278は、ここに記載されるように、ペディクル・スクリュウ、及び/又は、ソケットシステムに関連し、ボールの容易な位置決めのために、形成され、且つ、寸法取りされている、(例えば、円錐形の)外向きの先細りになっている誘導面を定めている。誘導線276は、一般に、その間に中心部分284を備えている、近位端280と、遠位端282とを定めている。本発明の開示の一実施例において、誘導線276の近位端280と遠位端282とは、従来のペディクル・スクリュウの設置に用いられている従来の誘導線と、実質、同じものである。しかし、中心部分284は、ここに記載されているように、有利な、先細りになっている誘導部材278を与えるものである。
【0081】
先細りになっている誘導278は、一般に、傾斜している外面と、実質平面である底279とを定めるものである。底279は、(面取りされていない領域で測定して)受け入れチャンネル262a、262bの直径よりも、僅かに小さな最大直径を有しているように、概ね、寸法取りされている。典型的には、先細りになっている誘導278の底279と、受け入れチャンネル262a、262bの中心チャンネルとの間の直径の違いは、約0.001”〜0.020”であり、これによって、ペディクル・スクリュウに対するボールの位置合わせを促す一方で、同時に、先細りになっている誘導の底に対してボールの通路が遮断されていないことを確実にするものである。本発明の開示の一実施例において、誘導線276の遠位端282は、例えば、ペディクル・スクリュウ216、218の遠位端258の手前の位置にまで、ペディクル・スクリュウ216、218内で伸びている。先細りになっている誘導部材278は、その後、底279が、例えば、コレット260の隣接位置、又は、接する位置において、ペディクル・スクリュウの近位端256に隣接する用に、誘導線276上に有利に設けられている。
【0082】
使用時、ペディクル・スクリュウは、所望の解剖学的位置へと導入される。開示されている誘導線システムは、その後、ペディクル・スクリュウに対するボール/球状の効果的、且つ、信頼できる位置決を促すように、有利に、用いることができる。開示されている、先細りになっている誘導部材の底が、例えば、コレットがその頭部の位置に、又は、その付近に設けられている、ペディクル・スクリュウの近位端の近接位置、及び/又は、接する位置にまで、運ばれるように、誘導線は、ペディクル・スクリュウへと、概ね、送り込まれる。経皮的応用においては、しかし、誘導線は、ペディクル・スクリュウが誘導線を越えて所望の解剖学的位置へと導入されると共に、最初に、位置決めされるものである。ボール/球状要素(又は、代替的な付属部品の構成物)は、その後、誘導線に沿って送り込まれる。即ち、誘導線は、ボール/球状要素の受け入れチャンネルを通ることになる。先細りになっている誘導部材は、ボールを、ペディクル・スクリュウの近位端の配置位置へと、例えば、ペディクル・スクリュウの頭部に設けられているコレットの配置位置へと、有利に、導く。ボール/球状は、その後、先細りになっている誘導部材を越えて、例えば、ボールの受け入れチャンネル内に設けられている、本発明の開示の、有利な、コレットを備えている、ペディクル・スクリュウの頭部の位置まで、通る。
【0083】
本発明の開示の先細りになっている誘導部材は、特定の必要、及び/又は、目的に合うように、設計された種々の形状に形成することができる、ということを意図している。例えば、先細りになっている誘導部材は、螺旋状に成形すること、そして、ボールが、コレット上に置かれる時に、正確な向き/位置決めの状態にあることを確実にするための、追加の誘導を与えることができる。上記実施例は、例えば、取り付け部材のセットスクリュウの正確な位置合わせを促すために、最小の侵襲性手術で使用される可能性がある。加えて、先細りになっている部材は、例えば、ペディクル・スクリュウに関連し、1以上の非対称な特徴を有している部品等、の部品の回転位置合わせ、又は、位置決めを促す、構成物、及び/又は、特徴形状を、有利に、含有しているものである。従って、例えば、螺旋は、ペディクル・スクリュウ上の特徴形状を用いて正確な位置合わせ/位置決めを確実にする、先細りになっている誘導部材上に備えることができるものである。
【0084】
加えて、誘導を行う円錐、又は、先細りになっている誘導部材は、例えば、限定された、又は、視覚化されていない、セットスクリュウへのアクセスを容易にするために、ねじ回し、及び/又は、逆トルク装置を、誘導線の下へと導くのに、利用することができる。本発明の開示の、追加の有利な実施例では、誘導線システムは、中に誘導線が設けられているペディクル・スクリュウに対する周知の横/軸外への方向と距離とに基づいて、例えば、横向きに間隔を開けて設けられている取り付け部材、及び/又は、ロッドコネクタ等のように、軸外位置へのツール位置合わせ/誘導を促すことができる。従って、誘導部材は、例えば、誘導線に対するツール(例えば、ねじ回し)の、予め定められた、且つ、有利な、軸外位置決めをもたらすように、誘導線に沿って摺動することができる。
【0085】
更に、本発明の開示による、先細りになっている誘導部材は、星形形状や三角断面を有するものであっても良い。加えて、先細りになっている誘導部材は、分離している部品、即ち、例えば、本発明の開示による固定システムの設置中等の、所望の時点で、誘導線を備えるアッセンブリ用に、分離している部品として提供されている。実施時、先細りになっている部材は、(先に組み立てられている誘導線システムに対向する)誘導線に関する特有の部品として提供されている。先細りになっている誘導部材は、誘導線を越えて、有利に、通っており、且つ、固定システムの設置作業中、所望の軸位置に設けられている。実際、更に、先細りになっている誘導部材は、例えば、ペディクル・スクリュウで用いられる、コレットに対して、先細りになっている誘導部材を備え付けることによって、例えば、ペディクル・スクリュウの近位端に、並列に並べられている、先細りになっている誘導部材を置くことによって、誘導線とは分離した状態で形成され、且つ、使用される、ということを意図している。
【0086】
一例の固定部材210のバイアス構成物を、更に、参照すると、ピストン・アッセンブリ286は、同軸スプリング212、214を含有するように提供されている。同軸スプリングは、内側の第1スプリング212と、外側の第2スプリング214との形態をとっている。後に詳述されるように、ピストン・アッセンブリ286は、更に、スプリング・キャップ288と、スプリング・ロッド252とを含有しており、これらは、ピストン・アッセンブリ286と、ペディクル・スクリュウ216、218との間の力の変換、及び/又は、伝達とを行うものである。ペディクル・スクリュウ216、218は、患者の背骨構成物に実質一体化されるため、ここに記載されている構成上の配列は、患者の背骨への、力の変換、及び/又は、伝達を効果的に行うものである。
【0087】
内側の第1スプリング212は、一般に、第1端290と、第2端292とを定めている。上述するように、本発明の開示の一実施例において、第1スプリング212は、第1取り付け部材224に捕捉されている。内側の第1スプリング212の第2端292は、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294に捕捉されている。外側の第2スプリング214は、また、第1端296と、第2端298とを定めている。本発明の一実施例において、外側の第2スプリング214の第1端296は、スプリング・キャップ288にかたく固定されており、外側の第2スプリング214の第2端298は、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294にかたく固定されている。
【0088】
上述するように、それぞれの第1、第2スプリング212、214は、一例の固定部材210に関連する1又は複数の構成物に連結されている。その一実施例によると、1又は両方のスプリング212、214は、かたく(即ち、しっかりと)、固定部材210に関連して、1又は複数の部品に関連して連結されている。本発明の好ましい実施例によると、スプリングは、その一端又は両端において、構成物に溶接されている。しかし、当業者は、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、他の技術(例えば、入れ子状にする、及び/又は、捕捉するための技術)を用いることができることを認めることができるであろう。
【0089】
スプリング212、214は、一般に、シース300内に設けられている。シール300は、例えば、実質円筒状の部材であり、本来の位置で、スプリングと解剖学的構造との間で、所望しない相互作用、又は、干渉が生じることを防ぐものである。従って、シース300は、周囲の解剖学的構造と、流動体とに関し、有利に、実質、不活性なものである。本発明の実施例の一実施例によると、シース300は、ePTFE(発泡ポリテトラフルオロエチレン)、UHMWPE(超高分子量ポリエチエレン)、ポリカーボネート−ウレタン複合材料(例えば、共重合体、及び/又は、その混合体)、又は、それらを組み合わせたものによって、(少なくとも一部分が)製造されているが、当業者は、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、他の材料を用いることができることを認めるであろう。シース300は、固定部材110の軸伸張/圧縮の便宜を図るのに十分な弾性の材料で、一般に、製造されているが、例えば、ベローズ(蛇腹)のような構成物等の上記軸動作に適合する構成配列を、用いることもできる。シース300は、所望の臨床結果を促す、又は、助長するため、例えば、薬物、及び/又は、薬剤等の表面処理を含有することができる、ということを意図している。
【0090】
スプリング・キャップ・ロッドの隣接面294は、概ね、その第1端でシース300に関して固定されており、且つ、スプリング・キャップ288は、概ね、その対向する端でシース300に関して固定されている。ワッシャ、又は、Cクランプ302は、シース300と、端部材(即ち、スプリング・キャップ288と隣接面294)との間の相互作用を促すため、その間の接合点に、設けられている。本発明の開示の一実施例において、スプリング・キャップ288は、更に、第1取り付け部材224の本体部材240に関連して、かたく固定されている。
【0091】
図8、図9に示されているように、第1、第2スプリング212、214と、スプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252とは、背骨に適用し得る限られた解剖学的空間にもかかわらず、所望、且つ、有利な、力のグラフを与える手法によって、ピストン・アッセンブリ286を、ペディクル・スクリュウ216、218に、一般的に、連結している。例えば、背骨が伸びる動きをするとき、ペディクル・スクリュウ216、218は、ペディクル・スクリュウに互いの向きにバイアスをかける力を受ける。ペディクル・スクリュウ216、218が受ける力は、第1、第2取り付け部材224、228にかかる力に変えられる。第1、第2取り付け部材224、228は、同時に、互いの向きに動くようにバイアスされる。(背骨動作から生じた)先述の力は、固定部材210に圧縮力を生成する。固定部材210によって受ける圧縮力に応じて、反対向きの力が、スプリング・キャップ・ロッド252がスプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面との間に、外側の第2スプリング214を押し、且つ、圧縮する、スプリング力を通じて、固定部材210内に生成される。スプリング・キャップ・ロッド252が、第1取り付け部材224の本体240と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面との間の内側の第1スプリング212を、押し、且つ、圧縮すると同時に、追加の反対向きの力が、固定部材210によって生成される。図17に示されているように、伸張がスプリング部材を横切る圧縮を生成している間、第1スプリング212と、第2スプリング214との合成スプリング力は、張力を生じる背骨の動きに応じて、実質、均一な力のグラフを生成する。
【0092】
背骨を曲げる動きをするとき、ペディクル・スクリュウ216、218には、該ペディクル・スクリュウを互いに離れる向きにバイアスをかける力がかけられる。背骨を曲げる動きをする際に、ペディクル・スクリュウ216、218にかけられる力は、第1、第2取り付け部材224、228にかかる力に変えられる。第1、第2取り付け部材224、228は、同時に、固定システムの上記部品に、互いに離れる向きに動くように、バイアスする力を受ける。反対向きの力は、背骨を曲げる動きに応じて固定部材210によって生成される。反対向きの力は、スプリング・キャップ・ロッド252が、スプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294との間の外側の第2スプリング214を引っ張り、且つ、伸ばす時に生成されるスプリング力の結果生じるものの一部として生成されるものである。追加の反対向きの力は、スプリング・キャップ・ロッド252が第1取り付け部材224と、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面との間の内側の第1スプリング212の伸びを許すと同時に、背骨を伸ばす動きに応じて生成される。図17の力のグラフが示しているように、固定部材210内のスプリング212、214の働きは、全背骨の移動度の増加/継続において、強度を有利に低減する、力のグラフを生成する。ある点において、内側のスプリングは自由長に達し、且つ、動くことに対する抵抗は、外側スプリングの伸張の増加時にのみ応じるものである。
【0093】
図8と図13乃至図16とを参照すると、本発明の開示の一実施例による固定システム211は、一般に、以下の手法によって生成されている。ペディクル・スクリュウ216、218は、従来技術を使用して脊椎に設けられる。ペディクル・スクリュウ誘導用の蛍光透視法の使用は、一般に、用いられており、且つ、強く薦められている。ペディクル・スクリュウ216、218は、小関節と、埋め込まれたシステムとの間に干渉が無いことを確実にするため、典型的には、小関節に対して、横向きに設けられている。ペディクルは、高速バー(burr)、又は、錐によって、最初に開けられる。それから、固定ペディクル・プローブは、ペディクル・スクリュウ216、218用のチャンネルを形成するために用いることができる。ペディクル・スクリュウ216、218は、一般に、セルフ・タッピングなものであり、それ故、ペディクル・スクリュウのタッピングは、典型的には、要求されない。ペディクル・チャンネル・壁の一体性は、その後、典型的に、調べられ、且つ、適切なサイズのペディクル・スクリュウ216、218は、スクリュウ・ドライバにスクリュウを取り付け、且つ、小関節に横向きに導入することによって、設置される。ペディクル・スクリュウ216、218は、スクリュウの頭部がペディクルに接するまで、一般に、進められる。典型的には、ペディクル・スクリュウ216、218の配置を可能な限り低くすることは、特に、L5、S1ペディクルにおいて、重要なことである。ペディクル・スクリュウ216、218の配置は、その後、蛍光透視法、X線、及び/又は、他の外科用ナビゲーション/映像化技術により、一般に、確認される。
【0094】
ペディクル・スクリュウ216、218が、一旦、適切に設置されると、ペディクル・スクリュウ216、218間の距離は、一般に、測定され、且つ、固定部材210のロッド252は、適切に、正確な寸法に切断することもできる。代替的に、ロッド252の変動長さは、臨床医学者が、所望の長さのロッドを選択できるように、与えられる。そして、更に、ロッド252の長さを調整する手段、例えば、1又は、複数の所望の長さでロッドを固定するための機構を備えている、入れ子式ロッド(例えば、固定間隔の移動止め機構、互いに伸縮自在のロッド部材をしっかりと固定するためのセットスクリュウシステム等)を、用いることができる。
【0095】
設置処置中、誘導線システムが、システム部品の位置合わせ、及び/又は、設置を誘導するために用いられ、誘導線276は、ペディクル・スクリュウ216、218の一方、又は、両方に設けられている。本発明の開示の一実施例によると、先細りになっている誘導部材278は、コレット260の頂部隣接位置に有利に設けられている。しかし、前述したように、先細りになっている誘導部材は、システム部品の位置合わせ、及び/又は、設置を促すために、ペディクル・スクリュウ、及び/又は、コレットに直接使用することができるものである(例えば、実施では誘導線を用いていない)。
【0096】
(ボール/球状236を包む)取り付け部材224、228は、先細りになっている誘導278が到達するまで、誘導線276に沿って滑り落とされる。一旦、取り付け部材224、228が先細りになっている誘導278に到達すると、より多くの誘導機能が、取り付け部材に与えられる。実際、先細りになっている誘導278は、取り付け部材224、228に使用されているボール/球状236を、コレット260に位置合わせするため、誘導するように、有利に機能するものであり、これによって、ボール/球状236は、コレット上の有効な滑り通路に、設けられ/位置合わせされることになっている。従って、先細りになっている誘導278は、ボール/球状236内に形成されているチャンネルの中心線を、コレット260の中心線に実質位置合わせするものであり、これによって、コレット260は、ボール/球状236を難なく通ることができるようになっている。コレットとボール/球状との間の相互作用に使用されている備え付け機構(図23乃至図27)に依存して、位置合わせされた部品は、その後、互いに備え付けられる。
【0097】
従って、図8、図15、図16の一実施例において、セットスクリュウ274は、直立部分の外側への反りが生じるように、コレット内に、有利に、締結されるものであり、これによって、コレット/ペディクル・スクリュウに対して、適切な位置に、ピストン内に、ボール236、238を係止/固定するものである。注目すべきは、図8、図15、図16の一実施例において、セットスクリュウ274は、コレット260に有利に、予め組み込まれており、これによって、前述の通り、備え付け処理を促すものである。ここに記載される代替的な備え付け機構のために、適切な工程、例えば、コレットに対してボール236、238を回転させる動作が、コレットに対してボール/球状を固定するために実行される。注目すべきは、ボール236、238は、取り付け部材224、228に対して自由に回転動作するようになっており、これによって、所望されるのであれば、ボールの回転実装が促される。
【0098】
組み立て/設置の、この期間では、第1ボールは、第1コレット/スクリュウに対し固定されている。しかし、本発明の開示によると、ダイナミックな接合点は、それでもなお、確立されるものであり、というのは、取り付け部材は、例えば、ボールに対し回転するように、自由に動くことができるからである。そのようなものとして、取り付け部材の再位置合わせ、及び/又は、再方向付けは、即ち、ダイナミックな固定レベルの組み立てのために、隣接するペディクル・スクリュウとの位置合わせを促すために、実行することができるものである。顕著なことには、隣接するペディクル・スクリュウに対する取り付け部材の取り付け後においてでさえ、ダイナミックな接合点は、依然として、ここに記載されている冒頭のペディクル・スクリュウによって作動しているものであり、これによって、開示されたダイナミックな固定システムの設置後に起きる、解剖学的なずれに適合するものである。
【0099】
更に、図15、図16を参照すると、第2取り付け部材228に使用されているロッド252は、ロッドコネクタ248の受け取り部分と位置合わせされている。上述した第1取り付け部材と同様に、ダイナミックな接合点は、ソケット232と、ボール/球状238との間に、有利に、定められており、これによって、ロッドコネクタ248と、ロッド252との間の位置合わせが促されるようになっている。その上、ダイナミックな接合点の機能性は、ロッドコネクタ248に対するロッド252の備え付けによっては、影響を受けないものであり、即ち、それらの間の回転動作は、開示されているダイナミックな固定システムにより、ロッドが固定/組み立てられているときに、影響を受けないものである。ロッド252が、ロッドコネクタ248内に正確に位置合わせされている時、セットスクリュウ254は、ロッド252を適切な位置に係止させるために、横軸開口250内に、締結されている。設置処置は、一般に、単一レベルのダイナミックな固定を完了するため、脊椎の両側に繰り返し行われる。従って、組み立て処理のこの期間では、ダイナミックな固定が、単一レベルで確立され、即ち、レベルは、ペディクル・スクリュウ216、218の位置に(そして、脊椎の反対側の関連する対向部分に)よって、定められるものである。
【0100】
図28、図30(そして、図8、図19の対応する構成物)を参照すると、追加構成物と、アッセンブリとが、現に与えられている、開示されているダイナミックな固定部材の一実施例との関連において、詳述してある。上述の通り、第1取り付け部材224は、スプリング・キャップ228を含有している。図28に示されているように、スプリング・キャップ228は、スプリング・キャップ228のフランジのような構成物の外周に螺旋状の溝229を含有している。溝229の幅と深さとは、螺旋状の外側スプリング(例えば、図8の第2スプリング214、又は、図19の第2スプリング456)の線のゲージに適合するように、一般に、寸法取りされている。加えて、ポスト231は、スプリング・キャップ228のフランジのような構成物から伸びている。ポスト231は、フランジのような構成物の上の、一般に、中心に設けられており、ソケット232からは離れて伸びている。環状の空洞233は、ポスト231の周囲に形成されている。本発明の開示による一実施例により、且つ、図30を参照すると、スプリング・キャップ・ロッド252の隣接面294は、螺旋状の溝295(螺旋状の溝229に類似するもの)と、ポスト297(ポスト231に類似するもの)と、環状の空洞299(233)とを含有している。細長い部材(ロッド)301は、ポスト297と反対の向きの隣接面から伸びている。前述の構成物と、特徴形状とは、本発明の開示による、一例のダイナミックな固定部材の組み立てと、オペレーションとを促すものである。
【0101】
より詳しくは、本発明の開示の一実施例によると、内側の第1スプリング212は、第2(外側の)スプリング214内に、最初、設けられており、その後、隣接面から伸びている、ポスト231と、対向するポスト297との周囲、又は、その位置に設けられる。本発明の実施の一実施例によると、内側の第1スプリング212は、隣接面内に形成されている、環状の空洞233と、対向する空洞299との中へと、有利に、伸びている。この方法において、内側の第1スプリング212は、スプリング・キャップ288と、スプリング・キャップ・ロッド252との間に、効果的に、捕らえられており、且つ、対向するポスト231、297に関し、本質的に、浮いている状態にある。これ故、第2スプリング214は、スプリング・キャップ288(又は、隣接面内に形成された対向する溝295)内に形成されている、溝229へとねじ込まれる。結局のところ、第2スプリング214は、典型的には、それに加えて、例えば、溶接等によって、しっかりと固定されており、且つ、備え付けられるフランジのような構成物の外側エッジと面一になるように、整えられている。外側の第2スプリング214は、その後、対向する溝、即ち、隣接面294、又は、スプリング・キャップ288に関する溝に、例えば、場合によっては、第2スプリング214に対して、隣接面294、又は、スプリング・キャップ288を、回転することによって、ねじ込まれるように、伸ばされている。一旦、対向する溝にねじ込まれると、第2スプリング214は、典型的には、それに加えて、例えば、溶接などによって、しっかりと固定されており、平らなエッジが確立されるように整えられている。
【0102】
注目すべきは、外側の第2スプリング214は、典型的には、内側の第2スプリングよりも短いものであるということである。従って、隣接面と、スプリング・キャップ288とが、(第2スプリング214がその両方に備え付けられることを防ぐため)互いの向きに運ばれると同時に、内側の第1スプリング212は、圧縮状態に置かれる。第1スプリング212が圧縮される程度は、スプリング212、214の間の長さの違いに、一般に、依存するものである。従って、第1スプリング212の予め組み込まれている圧縮は、スプリング212の相対長さの選択部分を部分的に通って、制御、及び/又は、調節することができる。内側のスプリング212の予め組み込まれた圧縮に加えて、スプリング・キャップ288と、隣接面294との両方に対して外側のスプリング214を備え付けることは、外側スプリング214を、張力がかけられた状態にする。一実施例による、ダイナミックな固定部材の全先行荷重は、スプリング212、214によって、即ち、外側のスプリング214の初期張力と、内側のスプリング212の初期圧縮とによって、与えられる、等しく、且つ、対向する力に相当する。
【0103】
本発明の開示の一実施例によると、内側のスプリング212は、患者が中立区間を越えて動いた時点、又は、その付近で、自由長(即ち、非圧縮状態)に達する。この点を越えると、内側のスプリング212は、(対向するポストで)自由に動ける状態であり、且つ、背骨の動きに何ら抵抗を与えない。前述されているように、本発明の開示のダイナミックな固定システムによって与えられる、有利な、力のグラフは、相乗的に働く内側のスプリングと、外側のスプリングとの利用を通じて、得られるものである。特に、スプリングの力のグラフは、移動度が中立区間を越えると同時に、機械的な抵抗の増加の減少を生じるように、選択されている。
【0104】
簡単に上述したように、軸スプリング構成が用いられてもよく、該構成は、図17に示されている力と移動度との曲線を生成するものであり、第1、第2取り付け部材の間の距離をより短くすることを可能にするものである。上述の通り、力と移動度との曲線は、図1乃至図7の実施例に関連して開示されているものと正確には同じものではない。ということは、曲線は、背中が伸びている間と、装置が圧縮されている間とで、実質均一なものであるが、曲線は、背中が曲げられ、且つ、装置が伸ばされた時、図3a、図3bに関連して記載されているように、実質類似しているものである。本発明の開示の一例の同軸スプリング設計は、第1、第2取り付け部材の間の距離をより短くすることを可能にするものであり、幾つかの前の実施例において突出部分を除去するが、しかし、この同軸スプリングの向きは、伸張曲線を均一、又は、直線(即ち、急に曲がってないこと)なものとする。このグラフの特徴は、以下の事実に起因するものである。即ち、装置の中立区間から外れて伸ばされている間、唯一のスプリングに曲げようとする負荷がかけられている状況に比べて、両方のスプリングに中立区間で負荷がかけられている時、両方のスプリングは、伸びるような負荷がかけられ、従って、全く同じ曲線を生成する、という事実に起因するものである。
【0105】
ここに記載されている、有利な、ダイナミックな固定システムは、また、マルチレベル固定システムに使用することができる。マルチレベル固定は、複数の細長い部材(例えば、ロッド)と、複数のペディクル・スクリュウを通じて、連結されている、複数の固定部材の設置を通じて、得られるものである。例えば、図18乃至図22を参照することにより、マルチレベルでダイナミックな固定ステム410が、図示されている。マルチレベル固定システム410は、種々の異なる取り付け部材412、414、416を用いることができる。異なる取り付け部材設計は、解剖学的な考慮に基づいて、例えば、設置する背骨の位置、及び/又は、マルチレベルシステム内の位置に基づいて、選択することができる。換言すれば、ある取り付け部材設計は、第1端、又は、第2端において利用するのに向いているが、他の取り付け部材設計は、中間位置に合うようになっているということである。特定の要素の組合せ、及び/又は、部品は、図18乃至図22の一例のマルチレベル固定システムによって開示されているが、当業者は、種々の背骨の位置で、及び/又は、代替的な配備案で、取り付け部材と、関連する構成物/部品とを、ダイナミックな固定を得るためにどのように用いるのかは、当業者に本発明の開示から容易に理解される、ものである。
【0106】
一例のマルチレベルのダイナミックな固定システム410は、2レベルシステムの構築時にピストン・アッセンブリ418、420によって、ダイナミックに関連付けられた3つの特徴ある取り付け部材412、414、416を用いるものである。当然、追加のレベルは、追加のペディクル・スクリュウと、コレット/ボール備え付け機構と、ダイナミックな固定部材と、細長い部材/ロッドとを用いて、アッセンブリを伸ばすことによって固定することができる。種々の取り付け部材は、上述したように、ペディクル・スクリュウ(図示せず)と相互作用を通じて脊椎へ固定される。典型的には、ダイナミックな接合点は、(ボール/コレット機構との協働を通じて)各ペディクル・スクリュウと、それに関して備え付けられている、取り付け部材との間に、有利に、確立されるものである。ダイナミックな接合点は、マルチレベルでダイナミックな固定システムの設置/組み立て中に隣接するペディクル・スクリュウ/取り付け部材サブアッセンブリとの位置合わせを促すものであり、限定された解剖学的シフト/ポスト−設置の再位置合わせの便宜を図るものである。
【0107】
第1取り付け部材412と、第2取り付け部材414との間のダイナミックな固定に関し、第1取り付け部材412は、内側の第1スプリング428を支持するために構造化されており、且つ、それを通り伸びている開口432を有している本体部材430を含有している。本体部材430は、ソケット434を定めている。ソケット434は、ボール436を収容するために、構成され、且つ、寸法取りされており、これによって、第1のダイナミックな接合点を確立するものである。ここに描かれている一実施例によると、内側の第1スプリング428は、第1取り付け部材412の本体部材430から伸びており、且つ、本体部材430に一体形成(換言すれば、本体部材430に関連して設ける)ことができるものである。
【0108】
第2取り付け部材414は、本体部分438を同様に含有しているものである。本体部分438は、該本体部分を通り、伸びている開口440を有している。本体部材438は、ボール444を収容するために、構成され、且つ、寸法取りされている、ソケット442を定めており、これによって、第2のダイナミックな接合点を確立している。第2取り付け部材414は、更に、ロッドコネクタ446を含有し、且つ、定めている。ロッドコネクタ446は、該ロッドコネクタを通り、伸びている横軸スロット、又は、チャンネル448を備えている。横軸スロット/チャンネル448は、その間に、固定スプリング・キャップ・ロッド450の位置、及び/又は、通路に適合するように、構成され、且つ、寸法取りされている。スプリング・キャップ・ロッド450は、セットスクリュウ452を介して、横軸スロット/チャンネル448に、一般に、固定されている。セットスクリュウ452は、ロッド・コネクタ446の外面と、ロッド・コネクタ446によって形成されている横軸スロット/チャンネル448との間に伸びている。当業者が確かに認識するように、横軸チャンネル/スロットは、(図8乃至図11を参照しながら上に説明されているように)種々の方法で構成することができる。第2取り付け部材414は、更に、(後述するように)第3取り付け部材416と相互作用するために、そこから伸びている、内側の第1スプリング454と関連している。
【0109】
ピストン・アッセンブリ418は、第1、第2取り付け部材412、414の間に設けられているものであり、一般に、一対の同心スプリングを含有している。内側の第1スプリング428と、外側の第2スプリング456とは、典型的に、与えられている。上述した実施例のように、内側の第1スプリング428と、外側の第2スプリング456とは、スプリング・キャップ・ロッド450の隣接面458と、第1取り付け部材412の本体部分430とに対し、固定されている。従って、第1、第2スプリング428、456は、背骨が動いている間、例えば、背骨を伸ばし、そして、曲げている間、第1、第2取り付け部材412、414に作用する(又は、関連する)力をかける。ここで述べたことから容易に明らかとなるように、第1、第2取り付け部材412、414に及ぶ力は、関連するペディクル・スクリュウにかかる力へと変えられ、これによって、ペディクル・スクリュウが備え付けられた脊椎が固定される。
【0110】
現在の、第2取り付け部材414と、第3取り付け部材416との間の関係に関し、第3取り付け部材の構成上の特徴は、第2取り付け部材414のものと実質同じである。しかし、ここに開示されている、一例の2レベル固定システムにおいて、第3取り付け部材416は、そこから伸びている内側の、そして、外側のスプリングを、有していない。そのような実施例において、“第2”レベルは、ダイナミックな固定の影響を受けやすい。第2、第3取り付け部材414、416の間に設けられている、ピストン・アッセンブリ420は、前述のピストン・アッセンブリと同様である。一般に、ピストン・アッセンブリ420は、第2取り付け部材414から伸びている、内側の第1スプリング454と、第3取り付け部材416から伸びている、スプリング・キャップ・ロッド464とを含有している。
【0111】
上述するように、第1、第2、第3取り付け部材412、414、416は、特定の解剖学的位置で特定の実用性を有している。例えば、第1取り付け部材412は、位置S1と、位置L5の下で最も有用なものである、一方で、第2、第3取り付け部材414、416は、位置L5、又は、それより上に、有利に、用いられる、ということを意図している。前述の代替的な実施は、臨床治療の必要/判断に基づいて行われる。
【0112】
注目すべきは、本発明の開示による、単一、又は、マルチレベルのダイナミックな背骨固定システム/器具は、(例えば、臨床設置の際、又は、その前に)必要な、1又は、複数の調節を可能にするものである。例えば、固定システムによって印加される力の、大きさ、及び/又は、移動度の応答特性に関する調節は、例えば、図8を参照し記載されているように、1又は、複数の固定部材内でのスプリングの取り換え、及び/又は、第1/第2ハウジングの調節、によって実施することができる。調節は、例えば、特定の患者の評価に基づいて、臨床処置開始前に行われ、又は、例えば、患者の次の手術予定に基づいて、臨床治療後に行われる。
【0113】
本発明の開示の更なる一実施例によると、マルチレベル背骨固定は、同一、又は、異なる固定モダリティが個々のレベルの各々で用いられている状況下で、行うことができる。従って、例えば、本発明の開示によるダイナミックな固定部材は、第1固定レベルで用いられ、非ダイナミックな固定部材(例えば、かたいロッド、又は、プレート接合のような、かたい構成物/アッセンブリ)は、第2固定レベルで用いられ、ダイナミック、又は、非ダイナミックな固定要素は、第3固定レベルで用いられる。ペディクル・スクリュウに対する備え付け用に開示されたシステム/設計の、有利な、柔軟性と、多様性とは、本発明の開示による、固定モダリティを変更する能力を強化するものである。例えば、ここに開示されているコレットを上向きに伸ばすことは、ダイナミックな、そして、非ダイナミックな固定部材/要素の両方に関する共同備え付けの便宜を図ることを容易にするものである。実際、固定モダリティに関する決定は、例えば、臨床上での観察結果、及び/又は、限界に基づいて、外科手術の時に行われるものであるということは、本発明の開示により明らかである。その上、ダイナミックな、そして、非ダイナミックなモダリティは、次の外科手術の時に、置き換えることができる、ということを意図している。そのような応用において、(ダイナミックなものであろうと、非ダイナミックなものであろうと)第1取り付け部材は、臨床上設置された固定システムから離れることができるものであり、異なるモダリティを与える第2取り付け部材は、その位置に設置することができるものである。従って、本発明の開示によるシステムは、ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルと、非ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルと、を含有している、マルチレベル固定を含むものである。
【0114】
本発明の開示による、即ち、背骨固定処置による、臨床処置を実行するのに必要な部品を包含しているキットが、有利に、与えられる。キット内容は、当業者に知られているように、典型的には、消毒されており、且つ、その使用を促すための適切な標識/表示を含有することができるものである。典型的な、キット内容は、(i)2又は3以上の取り付け部材(取り付け部材の1つが固定部材を組み込む拡張部材を含有している)と、(ii)2又は3以上のボール/球状と、(iii)2又は3以上のペディクル・スクリュウを、含有しているものである。本発明の開示による、代替的なキットは、以下の追加品目の内の1又は複数の、即ち、(iv)本発明の開示の固定部材で利用し得るスプリングの種類と、取り合わせと、(v)本発明の開示のダイナミックな固定処置で用いる、1又は、複数のツール(例えば、ねじ回し、逆トルク装置、測定ツール、ペディクル・スクリュウの配置用ツール)と、(vi)1又は、複数の誘導線と、(vii)1又は、複数の先細りになっている誘導、又は、円錐と、及び/又は、(viii)1又は、複数のセットスクリュウと、の内の1又は、複数の追加品目を含有することができる。前述のキットの筐体は、前述の部品と適合するように、典型的に、構成され、且つ、寸法取りされており、且つ、当業者に知られているように、固定の便宜を図る物質から製造されている。本発明の開示の骨子、又は、範囲から逸脱することなく、単一のキットは、多数の筐体に分けることができる。
【0115】
本発明の開示の一実施例用に、スプリングは、開示されているダイナミックな固定部材の製造中に利用され、スプリング選択は、上述したように、特定の力のグラフ、又は、力のグラフ曲線をもたらすための必要、又は、要求によって、一般に、誘導されている。一般に、スプリング選択は、特定のスプリング設計/材料によって、生成された力を予測する基本物理法則によって、律側されるものである。しかし、(上述されると共に、図3a、図3b、図17に図示されているような)本発明の開示によって得られる、特に有利な、ダイナミックな背骨固定は、背骨の状況に応じて見られる、状態と、刺激とを認識することを求めるものである。
【0116】
第1設計基準は、ダイナミックな固定部材が圧縮され、引っ張られている、両方の状態で機能しなければならない。第2設計基準は、中心区間で、開示されているダイナミックな固定部材によって、与えられている、より高い剛性(K1+K2)であり、予め組み込まれたスプリングの存在を通じて、一般に得られるものである。両方のスプリングは、予め組み込まれているものが存在するとき、協働するように作られている。ダイナミックな固定部材が、引っ張られ、圧縮されるのに伴い、応答力は、ある1つのスプリングで増加し、他のスプリングで減少する。減少する力がゼロになったとき、この力に対応するスプリングは、もはや固定機能に貢献していない。図7a、図7bに示されている線図を含む、技術分析は、後に示される。この分析は、図5に開示されている一実施例に特に関連するものであるが、当業者は、分析が、ここに開示されている全ての実施例に等しい力を印加する方法を認めることができるだろう。
F0は、上述したように、ハウジングの本体長さを短くすることによって、ダイナミックな固定部材内に予め組み込まれているものである。
K1、K2は、ダイナミックな固定部材の引っ張り、圧縮を行っている間に、それぞれ、動く、圧縮スプリングの剛性係数である。
F、Dは、ダイナミックな固定部材の本体に関連するダイナミックな固定部材のディスクの、それぞれ、力と移動度とである。
力の合計は、ゼロに等しくなる。それ故、
F+(F0-D×K2)−(F0+D×K1)=0であり、
F=D×(K1+K2)となる。
中心区間(CZ)の幅(図3を参照)に関し、
引っ張られている時のCZTは、
CZT=F0/K2であり、
圧縮されている時のCZCは、
CZC=F0/K1となる。
【0117】
前述した分析は、開示されたダイナミックな固定部材の働きに関連する、物理特性と、力とを理解するのに役立つものである一方で、本発明の開示は、スプリング設計、又は、機能の、理論上、又は、定量的な特性を限定するものではない。むしろ、所望の力のグラフ/力のグラフの曲線は、定量分析、実験に基づく研究、又は、それらの組合せを通じて、得ることができるものである。加えて、当業者が確かに認めるように、ダイナミックな固定システムのコンセプトと、関連する部品/アッセンブリは、他の臨床上の必要、及び/又は、医療/外科手術処置に、適用することができるものである。このように、開示された装置と、システムと、方法とは、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、背骨治療の域を超えて利用することができるものである。
【0118】
本発明の開示の一実施例に記載されているように、本発明は、以下に示すものを含有する、背骨固定装置/システムと、方法と、において、特に有用な、一連の、有利な、特性と、機能とを実現するものである、ということに特に注目すべきである。
・即ち、1以上のペディクル・スクリュウと、ペディクル・スクリュウと係合、及び/又は、換言すれば、協働する、1以上の細長い部材(又は、多数の細長い部材)、例えば、ロッドとの間にダイナミックな接合点を与える、装置と、システムと、方法とである。本発明の開示の一実施例において、ダイナミックな接合点は、取り付け部材に関連する、コレット/ボール機構と、ソケットとの間の相互作用を通じて与えられている。ダイナミックな接合点は、背骨固定システムの組み立てを促し、ペディクル・スクリュウ/細長い部材が、次に設置する解剖学的な再位置合わせ、及び/又は、再方向付けの限定された程度に適合することを可能にする。
・装置と、システムと、方法とは、ペディクル・スクリュウに対して、ボール/球状の組み立て/設置を促すボール・アッセンブリ機構を提供、又は、具体化するものであり、且つ、背骨固定システムの一部として、有利な、機能的属性を提供するものである。一例の機構は、有利な、コレット基盤機構(例えば、スロットの設けられたものと、スロットの設けられていないもの)と、協働ねじ機構(例えば、内向きにねじ切りされているボール/球状と協働する外向きにねじ切りされているコレット)と、ボール/球状に対してベアリング力を印加する機構(例えば、拡張頭部を有しているセットスクリュウに形成されている、円周ベアリング表面)と、及び/又は、スナップ・スプリング、又は、アナログ構成物を含有している機構と、を、含有している。開示された機構は、ペディクル・スクリュウに対する、ボール/球状の信頼できる備え付けを可能にするものである。
・装置と、システムと、方法とは、単一レベル、及び/又は、マルチレベルにわたるダイナミックな背骨固定システム/器具を提供するものである。該システム/器具は、(例えば、臨床上の設置の際、又は、その前に)1又は、複数の調節、例えば、固定システムによって印加される力の程度、及び/又は、移動度−応答特性に関し、調節を行うことを可能にする、単一、マルチレベルシステムを含有している。
・装置と、システムと、方法とは、マルチレベルでダイナミックな固定システムを提供する。該システムは、異なるレベルで、異なる固定モダリティ、例えば、ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルと、非ダイナミックな固定部材を含有している1以上のレベルといったものを、含有している。混合マルチレベル固定システムの一実施例において、ダイナミックな、そして、非ダイナミックな固定要素は、共通して、即ち、ここに開示された、同一のペディクル・スクリュウに備え付けられている。
・装置と、システムと、方法とは、背骨固定システム部品の配置、及び/又は、設置を促すための、(例えば、円錐形の構成物等の)有利な、設置付属部品を、提供、又は、利用するものであり、上記付属部品は、特に、従来の誘導線を用い、ペディクル・スクリュウに対する、システム部品の位置合わせ/位置決めを促すようになっているものである。
・装置と、システムと、方法とは、カバー、又は、シースを含有している、ダイナミックなスプリング固定部品を提供、及び/又は、利用するものである。カバー、又は、シースは、周囲の解剖学的流体、及び/又は、構成物が臨床上許容される相互作用を発現している間に、内側の部品に力が与えられることに対する、有利な、保護を与えるものであり、例えば、カバー、及び/又は、シース構成物は、ePTFE、UHMWPE、及び/又は、ポリカーボネート・ポリウレタン共重合体、及び/又は、混合物等の代替的なポリマー材料から(全体又は一部分が)製造されているものである。
・装置と、システムと、方法とは、有利な、ダイナミックな背骨固定接合システムを提供するものである。該システムは、簡単、且つ、有効な、手術中のシステム配置を可能にするため、隣接構成物(例えば、ペディクル・スクリュウに隣接する構成物)に関連する動きを促すと同時に、ペディクル・スクリュウに対する、細長い部材(例えば、ロッド)の実質かたい取り付けを促すものである。
・装置と、システムと、方法とは、(例えば、セットスクリュウ等の)固定構成物用の有利な、“予め組み込まれた”配列を提供する。該配列は、ペディクル・スクリュウに対してボール接合をそのままの状態で備え付けるのに用いられるものであり、これによって、上記固定構成物の位置、及び/又は、位置合わせに関連する臨床上の困難の可能性を最小にとどめることができる。
・装置と、システムと、方法とは、有利な、キットを具体化し、且つ、利用するものである。該キットは、ここに記載されている手法によってダイナミックな固定を実施するための筐体と、必要な部品とを含有しており、上記筐体/部品は、(例えば、臨床上用いるための固定等)臨床学上許容し得る形式において、供給されるものである。
【0119】
本発明の開示は、その一実施例と、実施とを参照しつつ開示されているが、当業者は、本発明の開示が、本発明の開示の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、種々の変更、改良、及び/又は、実施を行い得るものである、ということを認めるであろう。事実、開示されている接合構成物は、本発明の骨子、又は、範囲を逸脱することなく、種々の環境と、臨床上の設定状態において用いることができるものである、ということを意図している。それ故、本発明の開示の一実施例が示され、且つ、記載されているが、これらは、上記開示によって発明を限定することを意図しているものではなく、むしろ、本発明は、全ての変更、代替的な構造を、その骨子、又は、範囲を逸脱することなく、カバーし、且つ、含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】(無傷のものと負傷しているものの)背骨部分のモーメント−回転曲線であり、中立区間内の比較的低い背骨剛性を示しているものである。
【図2】背骨部分のモーメント−回転曲線に連動する、背骨部分の概略図であり、中立区間内の比較的低い背骨剛性を示しているものである。
【図3a】力と移動度との曲線に連動する、本発明の開示による一例の装置/システムの概略図であり、本発明の開示によるダイナミックな背骨固定装置の中心区間内にもたらされる増加した抵抗を実証するものである。
【図3b】本発明の開示の一実施例によるスプリングの置き換えによって得られるグラフの変化を実証している、力と移動度との曲線である。
【図3c】一対の一例の固定装置によって固定されている、背骨の背面又は背側の図である。
【図3d】張力がかけられた状態の本発明の開示による一例の固定装置を示している、側面又は側方図である。
【図3e】圧力がかけられた状態の本発明の開示による一例の固定装置を示している、側面又は側方図である。
【図4】本発明の開示による一例のダイナミックな背骨固定装置の概略図である。
【図5】本発明の開示のある側面によるダイナミックな背骨固定装置の概略図である。
【図6】本発明の一例のダイナミックな背骨固定装置が背骨の固定を助けていることを実証している、モーメント−回転曲線である。
【図7a】本発明の開示による一例のダイナミックな固定装置の自由体の線図であり、一例の固定装置のような中心区間をあらわしている線図である。
【図7b】本発明の開示による一例のダイナミックな固定装置の自由体の線図であり、一例の固定装置のような中心区間をあらわしている線図である。
【図8】本発明の開示の実施例による一例のダイナミックな背骨固定システムの分解図である。
【図9】一例のダイナミックな背骨固定システムの斜視図である。
【図10】本発明の開示のダイナミックな背骨固定を使用するための一例の取り付け部材を示している斜視図である。
【図11】本発明の開示のダイナミックな背骨固定を使用するための一例の取り付け部材を示している斜視図である。
【図12】本発明の開示の背骨固定技術の一例の実施による誘導線組み立て技術を示している概略図である。
【図13】本発明の開示の一例の実施例による一対のペディクル・スクリュウの概略側方図である。
【図14】本発明の開示の一例の実施例による誘導線を伴うペディクル・スクリュウの側方図である。
【図15a】本発明の開示の一例の実施例による、例えば、ロッド等の細長い部材との位置合わせ促すようになっている、取り付け部材の斜視図である。
【図15b】本発明の開示の一例の実施例による、取り付け部材を使用するための球状の側方図である。
【図16】本発明の開示の一例の実施例による、一対の単一レベルの背骨固定システムの上面図である。
【図17】本発明の開示による一例のダイナミックな背骨固定システム用の力と移動度との曲線を図説するものである。
【図18】本発明の開示の実施による、一例のマルチレベルのダイナミックな背骨固定システムの概略上面図である。
【図19】図18の一例のダイナミックな背骨固定システムの一部分の概略、分解、側方図である。
【図20】図18の一例のダイナミックな背骨固定システムのある側面の概略側方図である。
【図21】図18乃至図20の一例のマルチレベルのダイナミックな背骨固定システムの斜視図である。
【図22】図19の一例のマルチレベルのダイナミックな背骨固定システムの更なる斜視図である。
【図23】本発明の開示によるペディクル・スクリュウ/ボール接合アッセンブリの一例の一部分の側方図である。
【図24a】本発明の開示による、代替的に用いられる、コレット・ベース機構の図である。
【図24b】本発明の開示による、代替的に用いられる、コレット・ベース機構の図である。
【図24c】本発明の開示による、代替的に用いられる、コレット・ベース機構の図である。
【図25a】本発明の開示による、非拡散なコレット・ベース機構の図である。
【図25b】本発明の開示による、非拡散なコレット・ベース機構の図である。
【図25c】本発明の開示による、非拡散なコレット・ベース機構の図である。
【図26a】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための、更なる、代替的に用いられる、機構の図である。
【図26b】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための、更なる、代替的に用いられる、機構の図である。
【図26c】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための、更なる、代替的に用いられる、機構の図である。
【図27】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウに対してボール/球状を備え付けるための追加の代替的に用いられる、機構の図である。
【図28】本発明の開示の一実施例による一例のソケット部材と、スプリング・キャップとの斜視図である。
【図29】本発明の開示による、ペディクル・スクリュウと、付属構成要素との間の代替的なダイナミックな接合の分解図である。
【図30】本発明の開示の一実施例によるスプリング・キャップ・ロッドの斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背骨固定システムの一部のダイナミックな接合点であって、上記ダイナミックな接合点は、
(a)頭部領域に上向きに伸びている構成物を定めているペディクル・スクリュウと、
(b)上記ペディクル・スクリュウの上記上向きに伸びている構成物に対して備え付けられている機構であって、上記ペディクル・スクリュウに対して3回転自由度の状態に支持する機構と、
を含んでいるものである、ダイナミックな接合点。
【請求項2】
上記機構が、ユニバーサル接合機構である、請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項3】
上記機構が、球状要素と、ソケット部材とを含有しているものである、請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項4】
上記機構が、
(a)上記上向きに伸びている構成物が通れるように、構成され、且つ、寸法取りされている、中心チャンネルを定めている球状要素と、
(b)上記球状要素に係合するように、構成され、且つ、寸法取りされている、開口を定めているソケット部材と、
を含有している、請求項2に記載のダイナミックな接合点。
【請求項5】
上記球状要素が、上記頭部領域でペディクル・スクリュウに対し固定されており、上記ソケット部材が、上記球状要素に係合されたままの状態で、上記球状要素に対し自由に動けるものである、
請求項4に記載のダイナミックな接合点。
【請求項6】
上記機構が、1以上の細長い部材と協働するようになっている、取り付け部材に使われているものである、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項7】
上記1以上の細長い部材が、ロッドである、
請求項6に記載のダイナミックな接合点。
【請求項8】
上記機構が、ソケット部材を含有しており、上記ソケット部材が、上記取り付け部材に一体的に接合されているものである、
請求項6に記載のダイナミックな接合点。
【請求項9】
上記取り付け部材が、チャンネルを定めており、該チャンネルが、上記細長い部材を受け入れるために、構成され、且つ、寸法取りされている、
請求項6に記載のダイナミックな接合点。
【請求項10】
上記上向きに伸びている構成物が、コレットである、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項11】
上記コレットが、高さを定めており、上記コレットが、複数のスロットを含有しており、該スロットが、上記コレットの頂部エッジから上記高さの一部分を超えて伸びている、
請求項10に記載のダイナミックな接合点。
【請求項12】
上記コレットは、スロットが設けられていない、
請求項10に記載のダイナミックな接合点。
【請求項13】
上記機構が、球状要素を含有しており、上記球状要素が、上記ペディクル・スクリュウの上記頭部領域に設けられているセットスクリュウによって、少なくとも部分的に、上記ペディクル・スクリュウに対して固定されている、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項14】
上記ペディクル・スクリュウに関連する上記セットスクリュウの利点は、上記上向きに伸びている構成物を外向きに反らし、これによって、上記球状要素と効果的に係合することである、
請求項13に記載のダイナミックな接合点。
【請求項15】
上記セットスクリュウは、上記球状要素と係合するため、ベアリング表面を定める、拡張頭部を定めている、
請求項13に記載のダイナミックな接合点。
【請求項16】
機構が、球状要素を含有しており、該球状要素が、中心チャンネルを定めており、上記中心チャンネルが、少なくとも1つの面取りされている入口領域を定めている、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項17】
上記球状要素の上記中心チャンネルが、その各端で実質対称的に面取りされている領域を定めている、
請求項16に記載のダイナミックな接合点。
【請求項18】
上記機構が、ソケット部材と、球状要素とを含有しており、上記ソケットが、上記球状要素に係合するように、案内溝を定めている、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項19】
上記上向きに伸びている構成物は、球状要素と協働するようになっており、上記球状要素は、内面を有している中心通路を定めており、且つ、上記中心通路の上記内面の少なくとも一部分に形成されている螺旋状のねじを含有しているものである、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項20】
上記中心通路が、1以上の入口領域を定めており、上記1以上の入口領域は、面取りされているものである、
【請求項21】
上記球状要素の上記中心通路が、実質対称的な入口領域を定めている、
請求項20に記載のダイナミックな接合点。
【請求項22】
上記螺旋状のねじが、上記1以上の入口領域内に設けられている、
請求項20に記載のダイナミックな接合点。
【請求項23】
上記上向きに伸びている構成物が、ねじ山を有しており、上記螺旋状のねじが、上記ねじ山に対して逆の向きに成っているものである、
請求項20に記載のダイナミックな接合点。
【請求項24】
背骨固定システムを実施するための方法であって、
(a)頭部領域に上向きに伸びている構成物を定めている第1ペディクル・スクリュウを脊椎に位置決めする工程と、
(b)上記第1ペディクル・スクリュウ上に、中心チャンネルを有している球状要素を、上記中心チャンネル内に上記上向きに伸びている構成物を位置決めすることによって、位置決めする工程と、
(c)球状要素に対してソケット部材を位置決めし、これによって、上記ソケット部材が、上記球状要素に係合されたままの状態で、上記球状要素に対して自由に動けるようにする工程と、
(d)上記球状要素を、上記第1ペディクル・スクリュウに固定する工程と、
を含んでいる方法。
【請求項25】
上記球状要素が、上記第1ペディクル・スクリュウに対しセットスクリュウを進めることによって、上記第1ペディクル・スクリュウに固定されている、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
更に、上記球状要素を、誘導線を越えて通すことによって、上記第1ペディクル・スクリュウの上記頭部領域に対して上記球状要素を導く工程を含んでいる、
請求項24に記載の方法。
【請求項27】
更に、上記上向きに伸びている構成物に対して上記球状要素を導くため、上記誘導線上に先細りになっている誘導部材を用意する工程を含んでいる、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
更に、
(a)頭部領域に第2の上向きに伸びている構成物を定めている第2ペディクル・スクリュウを脊椎に位置決めする工程と、
(b)上記第2のペディクル・スクリュウ上に中心チャンネルを有している第2球状要素を、上記第2球状要素の上記中心チャンネル内に上記第2の上向きに伸びている構成物を位置決めすることによって、位置決めする工程と、
(c)上記第2球状要素に対して第2ソケット部材を位置決めし、これによって、上記第2ソケット部材が、上記第2球状要素に係合されたままの状態で、上記第2球状要素に対して自由に動けるようにする工程と、
(d)上記第2球状要素を、上記第2ペディクル・スクリュウに固定する工程と、
(e)背骨固定システムを定めるため、上記第1ペディクル・スクリュウを、上記第2ペディクル・スクリュウに接合させる工程と、
を含んでいる請求項24に記載の方法。
【請求項29】
ペディクル・スクリュウであって、
(a)ねじ切りされているスクリュウシャフトと、
(b)複数の下向きに伸びているスロットを含有している、上向きに伸びているコレットと、を含んでおり、
上記スロットが、その間に、複数の反ることができる直立部分を定めている、
ペディクル・スクリュウ。
【請求項30】
上記コレットが、3つの下向きに伸びているスロットを含有しており、上記3つの下向きに伸びているスロットが、3つの反ることができる直立部分を定めている、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項31】
上記コレットが、セットスクリュウを受け入れるようになっている内向きにねじ切りされている領域を定めている、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項32】
上記セットスクリュウを上記内向きにねじ切りされている領域へと進めることが、上記反ることができる直立部分の外向きの反りを生じるものである、
請求項31に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項33】
更に、上記コレットの周囲に設けられているスナップリングを含んでいる、請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項34】
上記コレットが、円周リング溝を定めており、
上記スナップリングが、上記円周リング溝内に少なくとも部分的に設けられているものである、
請求項33に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項35】
上記スナップリングが、スナップリングの拡大を促す開口を含有している、
請求項34に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項36】
更に、球状要素と、スナップリングとを含んでおり、上記球状要素が、中心通路を有しており、該中心通路は、上記上向きに伸びているコレットが中心通路を通るように、構成され、且つ、寸法取りされており、上記スナップリングが、上記球状要素内に形成されている内溝に設けられている、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項37】
上記上向きに伸びているコレットが、外溝を含有しており、
上記スナップリングが、上記コレットと、上記球状要素とが、予め決められている配置にある時に、上記外溝内の少なくとも部分的位置にはめ込まれる、
請求項36に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項38】
上記球状要素が上記コレットに関して係止された状態になる前に、スナップリングが適切な位置にはめ込まれたとき、上記コレットと球状要素とが、適切な位置に固定されるようになっている、
請求項37に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項39】
上記コレットが、その基礎領域内に外向きにねじ切りされている領域を含有している、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項40】
ダイナミックな背骨固定システムであって、
(a)第1ペディクル・スクリュウ、第2ペディクル・スクリュウ、第3ペディクル・スクリュウであって、上記3つのペディクル・スクリュウが、頭部と、細長いねじ切りされている領域とを定めているものと、
(b)上記第1ペディクル・スクリュウと、上記第2ペディクル・スクリュウとの間に伸びている、第1の細長い部材と、
(c)上記第2ペディクル・スクリュウと、上記第3のペディクル・スクリュウとの間に伸びている、第2の細長い部材と、
を含んでおり、
ダイナミックな背骨固定が、上記第1の細長い部材と、上記第2の細長い部材との少なくとも一方の一部分に、ダイナミックな固定部材を含有することによって、もたらされるものである、ダイナミックな背骨固定システム。
【請求項41】
上記ダイナミックな背骨固定部材が、一対の入れ子式スプリングを含有している、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項42】
ダイナミックな固定部材が、上記第1の細長い部材と、上記第2の細長い部材との両方の一部分に含有されている、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項43】
上記ペディクル・スクリュウの各々が、コレットから上記頭部領域へと、上向きに伸びている構成物を定めている、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項44】
更に、上記コレットの各々に固定されている球状要素を含んでいる、
請求項43に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項45】
ソケット部材が、上記球状要素の各々に対して、備え付けられており、上記ソケット部材の各々が、上記球状要素に係合されたままの状態で、上記球状要素に対し自由に動けるようになっている、
請求項44に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項46】
上記ソケット部材の各々が、上記第1、第2の細長い部材の少なくとも一方の一部分を形成している、取り付け部材に関連するものである、
請求項45に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項47】
1以上の上記取り付け部材が、ロッドコネクタを含有しているものである、
請求項46に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項48】
取り付け部材が、上記第1、第2ペディクル・スクリュウの少なくとも一方に関連しており、上記ロッドコネクタが上記第1の細長い部材を受け取るための横軸チャンネルを定めているものである、
請求項47に記載のダイナミックな固定システム。
【請求項49】
上記第1、第2ペディクル・スクリュウが、直線の軸を定めており、上記ロッドコネクタの上記横軸チャンネル内での上記第1の細長い部材の位置決めが、上記第1の細長い部材を軸外に置く、というものである、
請求項48に記載のダイナミックな固定システム。
【請求項50】
圧縮スロットを有している回転可能なボールが、上記横軸チャンネル内に、上記ロッドコネクタに対して上記第1の細長い部材の固定を促すように、設けられている、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項51】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、更に、
背骨の固定処置を促すためのアッセンブリを含んでいるものであって、該背骨の固定処置が、
(a)ペディクル・スクリュウに関して動かせるように設けられている誘導線と、
(b)上記誘導線を受け取るための中心チャンネルを含有している、先細りになっている誘導部材と、を含んでおり、
上記先細りになっている誘導部材が、ペディクル・スクリュウの上向きに伸びている構成物の断面に実質的に一致するように、構成され、且つ、寸法取りされている底を定めている、
システム、又は、方法。
【請求項52】
先細りになっている誘導部材が、円錐形である、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項53】
先細りになっている誘導部材が、誘導線に対して軸外での位置合わせをもたらすように、構成されている、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項54】
先細りになっている部材が、1以上の円周位置決め特徴形状を含有している、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項55】
先細りになっている部材が、部品をペディクル・スクリュウと位置が合うように誘導する、螺旋状の形状を含有している、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項56】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、
螺旋状の固定システムが、
(a)直線方向のある区間内に設けられている、第1、第2隣接面と、
(b)上記第1隣接面と、第2隣接面との間に設けられている、力分散機構と、
(c)上記第1、第2隣接面に備え付けられており、且つ、上記力分散機構を囲んでいるシース部材と、を含有しており、
上記シース部材が、解剖学的構造に関し、実質、不活性な材料から製造されている、
システム、又は、方法。
【請求項57】
上記シース部材が、発泡ポリテトラフルオロエチレンと、超高分子量ポリエチレンと、ポリカーボネート−ウレタン複合材料と、ポリカーボネートとウレタンとのグループから選ばれた材料から製造されたものである、
請求項56に記載の、システム、又は、方法。
【請求項58】
上記シース部材が、上記直線方向のある区間の伸張と、圧縮とに、適合するような、十分な弾力性を与えるものである、
請求項56に記載のシステム、又は、方法。
【請求項59】
上記シース部材は、少なくとも一部分がベローズ(蛇腹)で構成されている、
請求項56に記載のシステム、又は、方法。
【請求項60】
更に、上記シース部材の表面処理を含んでいる、
請求項56に記載のシステム、又は、方法。
【請求項61】
上記表面処理が、薬物、薬剤、又は、それらを組み合わせたものである、
請求項60に記載のシステム、又は、方法。
【請求項62】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、
ペディクル・スクリュウ・アッセンブリを含んでおり、該ペディクル・スクリュウ・アッセンブリが、
(a)細長い、ねじ切りされているシャフトと、頭部領域とを定めている、ペディクル・スクリュウであって、上記頭部領域が、内向きにねじ切りされている中心開口を含有しているものと、
(b)上記中心開口に予め組み込まれているセットスクリュウと、
を含んでいる、システム、又は、方法。
【請求項63】
上記セットスクリュウが、上記予め組み込まれているセットスクリュウが上記中心開口から無理に取り外されることを防ぐための、1以上の構成上の特徴形状を含有している、
請求項62に記載のシステム、又は、方法。
【請求項64】
上記1以上の構成上の特徴形状が、上記セットスクリュウに形成されている干渉を含有しているものである、
請求項63に記載のシステム、又は、方法。
【請求項65】
上記干渉が、上記ねじ切りされているシャフトに関連する1以上の変形を含有しているものである、
請求項64に記載のシステム、又は、方法。
【請求項66】
上記1以上の変形が、上記ねじ切りされているシャフトのネジの中に形成されているピングである、
請求項65に記載のシステム、又は、方法。
【請求項67】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、更に、ロッド接合機構を含んでおり、上記ロッド接合機構が、
(i)横軸チャンネルを定めている取り付け部材であって、上記横軸チャンネルが、幾何学的に実質楕円形であり、且つ、複数の内溝と、横軸チャンネルに連絡している圧縮スロットと、を含有しているものと、
(ii)横軸チャンネル内に設けられている、回転可能なボールであって、上記取り付け部材への圧縮力の印加が、上記幾何学的に実質楕円形を、幾何学的に実質真円状に変形するものと、
を含有している、システム、又は、方法。
【請求項68】
上記複数の溝と、上記圧縮スロットとが、横軸チャンネルの幾何学的に実質真円状への優先的な変形を促すものである、
請求項67に記載のシステム、又は、方法。
【請求項1】
背骨固定システムの一部のダイナミックな接合点であって、上記ダイナミックな接合点は、
(a)頭部領域に上向きに伸びている構成物を定めているペディクル・スクリュウと、
(b)上記ペディクル・スクリュウの上記上向きに伸びている構成物に対して備え付けられている機構であって、上記ペディクル・スクリュウに対して3回転自由度の状態に支持する機構と、
を含んでいるものである、ダイナミックな接合点。
【請求項2】
上記機構が、ユニバーサル接合機構である、請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項3】
上記機構が、球状要素と、ソケット部材とを含有しているものである、請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項4】
上記機構が、
(a)上記上向きに伸びている構成物が通れるように、構成され、且つ、寸法取りされている、中心チャンネルを定めている球状要素と、
(b)上記球状要素に係合するように、構成され、且つ、寸法取りされている、開口を定めているソケット部材と、
を含有している、請求項2に記載のダイナミックな接合点。
【請求項5】
上記球状要素が、上記頭部領域でペディクル・スクリュウに対し固定されており、上記ソケット部材が、上記球状要素に係合されたままの状態で、上記球状要素に対し自由に動けるものである、
請求項4に記載のダイナミックな接合点。
【請求項6】
上記機構が、1以上の細長い部材と協働するようになっている、取り付け部材に使われているものである、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項7】
上記1以上の細長い部材が、ロッドである、
請求項6に記載のダイナミックな接合点。
【請求項8】
上記機構が、ソケット部材を含有しており、上記ソケット部材が、上記取り付け部材に一体的に接合されているものである、
請求項6に記載のダイナミックな接合点。
【請求項9】
上記取り付け部材が、チャンネルを定めており、該チャンネルが、上記細長い部材を受け入れるために、構成され、且つ、寸法取りされている、
請求項6に記載のダイナミックな接合点。
【請求項10】
上記上向きに伸びている構成物が、コレットである、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項11】
上記コレットが、高さを定めており、上記コレットが、複数のスロットを含有しており、該スロットが、上記コレットの頂部エッジから上記高さの一部分を超えて伸びている、
請求項10に記載のダイナミックな接合点。
【請求項12】
上記コレットは、スロットが設けられていない、
請求項10に記載のダイナミックな接合点。
【請求項13】
上記機構が、球状要素を含有しており、上記球状要素が、上記ペディクル・スクリュウの上記頭部領域に設けられているセットスクリュウによって、少なくとも部分的に、上記ペディクル・スクリュウに対して固定されている、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項14】
上記ペディクル・スクリュウに関連する上記セットスクリュウの利点は、上記上向きに伸びている構成物を外向きに反らし、これによって、上記球状要素と効果的に係合することである、
請求項13に記載のダイナミックな接合点。
【請求項15】
上記セットスクリュウは、上記球状要素と係合するため、ベアリング表面を定める、拡張頭部を定めている、
請求項13に記載のダイナミックな接合点。
【請求項16】
機構が、球状要素を含有しており、該球状要素が、中心チャンネルを定めており、上記中心チャンネルが、少なくとも1つの面取りされている入口領域を定めている、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項17】
上記球状要素の上記中心チャンネルが、その各端で実質対称的に面取りされている領域を定めている、
請求項16に記載のダイナミックな接合点。
【請求項18】
上記機構が、ソケット部材と、球状要素とを含有しており、上記ソケットが、上記球状要素に係合するように、案内溝を定めている、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項19】
上記上向きに伸びている構成物は、球状要素と協働するようになっており、上記球状要素は、内面を有している中心通路を定めており、且つ、上記中心通路の上記内面の少なくとも一部分に形成されている螺旋状のねじを含有しているものである、
請求項1に記載のダイナミックな接合点。
【請求項20】
上記中心通路が、1以上の入口領域を定めており、上記1以上の入口領域は、面取りされているものである、
【請求項21】
上記球状要素の上記中心通路が、実質対称的な入口領域を定めている、
請求項20に記載のダイナミックな接合点。
【請求項22】
上記螺旋状のねじが、上記1以上の入口領域内に設けられている、
請求項20に記載のダイナミックな接合点。
【請求項23】
上記上向きに伸びている構成物が、ねじ山を有しており、上記螺旋状のねじが、上記ねじ山に対して逆の向きに成っているものである、
請求項20に記載のダイナミックな接合点。
【請求項24】
背骨固定システムを実施するための方法であって、
(a)頭部領域に上向きに伸びている構成物を定めている第1ペディクル・スクリュウを脊椎に位置決めする工程と、
(b)上記第1ペディクル・スクリュウ上に、中心チャンネルを有している球状要素を、上記中心チャンネル内に上記上向きに伸びている構成物を位置決めすることによって、位置決めする工程と、
(c)球状要素に対してソケット部材を位置決めし、これによって、上記ソケット部材が、上記球状要素に係合されたままの状態で、上記球状要素に対して自由に動けるようにする工程と、
(d)上記球状要素を、上記第1ペディクル・スクリュウに固定する工程と、
を含んでいる方法。
【請求項25】
上記球状要素が、上記第1ペディクル・スクリュウに対しセットスクリュウを進めることによって、上記第1ペディクル・スクリュウに固定されている、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
更に、上記球状要素を、誘導線を越えて通すことによって、上記第1ペディクル・スクリュウの上記頭部領域に対して上記球状要素を導く工程を含んでいる、
請求項24に記載の方法。
【請求項27】
更に、上記上向きに伸びている構成物に対して上記球状要素を導くため、上記誘導線上に先細りになっている誘導部材を用意する工程を含んでいる、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
更に、
(a)頭部領域に第2の上向きに伸びている構成物を定めている第2ペディクル・スクリュウを脊椎に位置決めする工程と、
(b)上記第2のペディクル・スクリュウ上に中心チャンネルを有している第2球状要素を、上記第2球状要素の上記中心チャンネル内に上記第2の上向きに伸びている構成物を位置決めすることによって、位置決めする工程と、
(c)上記第2球状要素に対して第2ソケット部材を位置決めし、これによって、上記第2ソケット部材が、上記第2球状要素に係合されたままの状態で、上記第2球状要素に対して自由に動けるようにする工程と、
(d)上記第2球状要素を、上記第2ペディクル・スクリュウに固定する工程と、
(e)背骨固定システムを定めるため、上記第1ペディクル・スクリュウを、上記第2ペディクル・スクリュウに接合させる工程と、
を含んでいる請求項24に記載の方法。
【請求項29】
ペディクル・スクリュウであって、
(a)ねじ切りされているスクリュウシャフトと、
(b)複数の下向きに伸びているスロットを含有している、上向きに伸びているコレットと、を含んでおり、
上記スロットが、その間に、複数の反ることができる直立部分を定めている、
ペディクル・スクリュウ。
【請求項30】
上記コレットが、3つの下向きに伸びているスロットを含有しており、上記3つの下向きに伸びているスロットが、3つの反ることができる直立部分を定めている、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項31】
上記コレットが、セットスクリュウを受け入れるようになっている内向きにねじ切りされている領域を定めている、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項32】
上記セットスクリュウを上記内向きにねじ切りされている領域へと進めることが、上記反ることができる直立部分の外向きの反りを生じるものである、
請求項31に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項33】
更に、上記コレットの周囲に設けられているスナップリングを含んでいる、請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項34】
上記コレットが、円周リング溝を定めており、
上記スナップリングが、上記円周リング溝内に少なくとも部分的に設けられているものである、
請求項33に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項35】
上記スナップリングが、スナップリングの拡大を促す開口を含有している、
請求項34に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項36】
更に、球状要素と、スナップリングとを含んでおり、上記球状要素が、中心通路を有しており、該中心通路は、上記上向きに伸びているコレットが中心通路を通るように、構成され、且つ、寸法取りされており、上記スナップリングが、上記球状要素内に形成されている内溝に設けられている、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項37】
上記上向きに伸びているコレットが、外溝を含有しており、
上記スナップリングが、上記コレットと、上記球状要素とが、予め決められている配置にある時に、上記外溝内の少なくとも部分的位置にはめ込まれる、
請求項36に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項38】
上記球状要素が上記コレットに関して係止された状態になる前に、スナップリングが適切な位置にはめ込まれたとき、上記コレットと球状要素とが、適切な位置に固定されるようになっている、
請求項37に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項39】
上記コレットが、その基礎領域内に外向きにねじ切りされている領域を含有している、
請求項29に記載のペディクル・スクリュウ。
【請求項40】
ダイナミックな背骨固定システムであって、
(a)第1ペディクル・スクリュウ、第2ペディクル・スクリュウ、第3ペディクル・スクリュウであって、上記3つのペディクル・スクリュウが、頭部と、細長いねじ切りされている領域とを定めているものと、
(b)上記第1ペディクル・スクリュウと、上記第2ペディクル・スクリュウとの間に伸びている、第1の細長い部材と、
(c)上記第2ペディクル・スクリュウと、上記第3のペディクル・スクリュウとの間に伸びている、第2の細長い部材と、
を含んでおり、
ダイナミックな背骨固定が、上記第1の細長い部材と、上記第2の細長い部材との少なくとも一方の一部分に、ダイナミックな固定部材を含有することによって、もたらされるものである、ダイナミックな背骨固定システム。
【請求項41】
上記ダイナミックな背骨固定部材が、一対の入れ子式スプリングを含有している、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項42】
ダイナミックな固定部材が、上記第1の細長い部材と、上記第2の細長い部材との両方の一部分に含有されている、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項43】
上記ペディクル・スクリュウの各々が、コレットから上記頭部領域へと、上向きに伸びている構成物を定めている、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項44】
更に、上記コレットの各々に固定されている球状要素を含んでいる、
請求項43に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項45】
ソケット部材が、上記球状要素の各々に対して、備え付けられており、上記ソケット部材の各々が、上記球状要素に係合されたままの状態で、上記球状要素に対し自由に動けるようになっている、
請求項44に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項46】
上記ソケット部材の各々が、上記第1、第2の細長い部材の少なくとも一方の一部分を形成している、取り付け部材に関連するものである、
請求項45に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項47】
1以上の上記取り付け部材が、ロッドコネクタを含有しているものである、
請求項46に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項48】
取り付け部材が、上記第1、第2ペディクル・スクリュウの少なくとも一方に関連しており、上記ロッドコネクタが上記第1の細長い部材を受け取るための横軸チャンネルを定めているものである、
請求項47に記載のダイナミックな固定システム。
【請求項49】
上記第1、第2ペディクル・スクリュウが、直線の軸を定めており、上記ロッドコネクタの上記横軸チャンネル内での上記第1の細長い部材の位置決めが、上記第1の細長い部材を軸外に置く、というものである、
請求項48に記載のダイナミックな固定システム。
【請求項50】
圧縮スロットを有している回転可能なボールが、上記横軸チャンネル内に、上記ロッドコネクタに対して上記第1の細長い部材の固定を促すように、設けられている、
請求項40に記載のダイナミックな背骨固定システム。
【請求項51】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、更に、
背骨の固定処置を促すためのアッセンブリを含んでいるものであって、該背骨の固定処置が、
(a)ペディクル・スクリュウに関して動かせるように設けられている誘導線と、
(b)上記誘導線を受け取るための中心チャンネルを含有している、先細りになっている誘導部材と、を含んでおり、
上記先細りになっている誘導部材が、ペディクル・スクリュウの上向きに伸びている構成物の断面に実質的に一致するように、構成され、且つ、寸法取りされている底を定めている、
システム、又は、方法。
【請求項52】
先細りになっている誘導部材が、円錐形である、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項53】
先細りになっている誘導部材が、誘導線に対して軸外での位置合わせをもたらすように、構成されている、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項54】
先細りになっている部材が、1以上の円周位置決め特徴形状を含有している、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項55】
先細りになっている部材が、部品をペディクル・スクリュウと位置が合うように誘導する、螺旋状の形状を含有している、
請求項51に記載のシステム、又は、方法。
【請求項56】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、
螺旋状の固定システムが、
(a)直線方向のある区間内に設けられている、第1、第2隣接面と、
(b)上記第1隣接面と、第2隣接面との間に設けられている、力分散機構と、
(c)上記第1、第2隣接面に備え付けられており、且つ、上記力分散機構を囲んでいるシース部材と、を含有しており、
上記シース部材が、解剖学的構造に関し、実質、不活性な材料から製造されている、
システム、又は、方法。
【請求項57】
上記シース部材が、発泡ポリテトラフルオロエチレンと、超高分子量ポリエチレンと、ポリカーボネート−ウレタン複合材料と、ポリカーボネートとウレタンとのグループから選ばれた材料から製造されたものである、
請求項56に記載の、システム、又は、方法。
【請求項58】
上記シース部材が、上記直線方向のある区間の伸張と、圧縮とに、適合するような、十分な弾力性を与えるものである、
請求項56に記載のシステム、又は、方法。
【請求項59】
上記シース部材は、少なくとも一部分がベローズ(蛇腹)で構成されている、
請求項56に記載のシステム、又は、方法。
【請求項60】
更に、上記シース部材の表面処理を含んでいる、
請求項56に記載のシステム、又は、方法。
【請求項61】
上記表面処理が、薬物、薬剤、又は、それらを組み合わせたものである、
請求項60に記載のシステム、又は、方法。
【請求項62】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、
ペディクル・スクリュウ・アッセンブリを含んでおり、該ペディクル・スクリュウ・アッセンブリが、
(a)細長い、ねじ切りされているシャフトと、頭部領域とを定めている、ペディクル・スクリュウであって、上記頭部領域が、内向きにねじ切りされている中心開口を含有しているものと、
(b)上記中心開口に予め組み込まれているセットスクリュウと、
を含んでいる、システム、又は、方法。
【請求項63】
上記セットスクリュウが、上記予め組み込まれているセットスクリュウが上記中心開口から無理に取り外されることを防ぐための、1以上の構成上の特徴形状を含有している、
請求項62に記載のシステム、又は、方法。
【請求項64】
上記1以上の構成上の特徴形状が、上記セットスクリュウに形成されている干渉を含有しているものである、
請求項63に記載のシステム、又は、方法。
【請求項65】
上記干渉が、上記ねじ切りされているシャフトに関連する1以上の変形を含有しているものである、
請求項64に記載のシステム、又は、方法。
【請求項66】
上記1以上の変形が、上記ねじ切りされているシャフトのネジの中に形成されているピングである、
請求項65に記載のシステム、又は、方法。
【請求項67】
任意の前述した請求項によるシステム、又は、方法であって、更に、ロッド接合機構を含んでおり、上記ロッド接合機構が、
(i)横軸チャンネルを定めている取り付け部材であって、上記横軸チャンネルが、幾何学的に実質楕円形であり、且つ、複数の内溝と、横軸チャンネルに連絡している圧縮スロットと、を含有しているものと、
(ii)横軸チャンネル内に設けられている、回転可能なボールであって、上記取り付け部材への圧縮力の印加が、上記幾何学的に実質楕円形を、幾何学的に実質真円状に変形するものと、
を含有している、システム、又は、方法。
【請求項68】
上記複数の溝と、上記圧縮スロットとが、横軸チャンネルの幾何学的に実質真円状への優先的な変形を促すものである、
請求項67に記載のシステム、又は、方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24a】
【図24b】
【図24c】
【図25a】
【図25b】
【図25c】
【図26a】
【図26b】
【図26c】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24a】
【図24b】
【図24c】
【図25a】
【図25b】
【図25c】
【図26a】
【図26b】
【図26c】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2008−504070(P2008−504070A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518286(P2007−518286)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/022346
【国際公開番号】WO2006/002333
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506237447)アプライド スパイン テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【出願人】(392019352)イェール ユニバーシティ (38)
【氏名又は名称原語表記】YALE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/022346
【国際公開番号】WO2006/002333
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506237447)アプライド スパイン テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【出願人】(392019352)イェール ユニバーシティ (38)
【氏名又は名称原語表記】YALE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】
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