説明

胸部ポンプシステム

【課題】母乳を得るための胸部ポンプシステムを提供する。
【解決手段】このシステムは、母乳から空気流を密封的に分離し、女性の胸部に付加する正圧と負圧の両方について単空気管を使用する。胸部ポンプは、使用者が吸引およびサイクル時間を制御できるようにするための、圧力を生成するピストン/シリンダ装置を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母乳を得るための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、搾乳を行うための、胸部への正圧と負圧の両方に適合する胸部ポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
手動および自動の両方の方法で母乳を得るための胸部ポンプシステムが当技術分野において公知である。従来のシステムは、管を介し、胸部上に配置される胸部覆い、即ちカップへ伝播される負圧または真空を生成するために、真空源を使用している。この従来型装置および方法では、搾乳のために胸部に負圧を用いている。このようなシステムには、胸部に負圧として真空源のみを付加することで搾乳を誘発するという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、搾乳のために胸部に正圧と負圧の両方を付加する、搾乳を行う胸部ポンプシステムを提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、1つの圧力源から正圧と負圧を供給するシステムを提供することである。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、胸部に付加される正圧と負圧の制御を促進するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこれらの、およびこれ以外の目的と利点は、正圧と負圧を生成するための圧力源と、圧力源と流体連絡している胸部カップとを備え、胸部カップが胸部に正圧と負圧を付加する、胸部ポンプシステムによって提供される。
【0007】
本発明はさらに、シリンダ容量室を有するシリンダと、シリンダ内に移動可能に配置されているピストンと、シリンダ容量室内で圧力を生成するためにピストンに動作可能に接続されているモータと、さらに、シリンダ容量室と流体連絡している胸部カップとを有し、胸部カップが胸部カップに圧力を付加する、胸部ポンプシステムを含む。
【0008】
本発明はさらに、正圧と負圧を生成するための圧力源と、さらに、圧力源に動作可能に接続された制御装置とを有し、制御装置が正圧と負圧を調整し、胸部への正圧の付加と負圧の付加の間のサイクル時間を調整する、胸部ポンプを含む。
【0009】
これに加えて本発明は、圧力を生成するための圧力源と、さらに、圧力源に動作可能に接続されている制御装置とを有し、制御装置が圧力を調整し、胸部への圧力付加の間のサイクル時間を調整する、胸部ポンプを含む。制御装置はさらに、圧力とサイクル時間に応じて波形信号を生成し、波形信号に応じて圧力源を制御する。
【0010】
本発明は、胸部ポンプの拡張可能な容量室のための駆動システムを含む。この駆動システムは、第1回転出力を有するモータと、モータに動作可能に接続された第1ギアシステムと、第1ギアシステムと拡張可能な容量室に動作可能に接続された第2ギアシステムとを有する。第1ギアシステムは、少なくとも1本のベルトを有することができる。第2ギアシステムは、ラックギアと、ラックギアに動作可能に接続されたピニオンギアとを有する。第1ギアシステムは、第2ギアシステムおよび第2回転出力に供給された回転出力を調整する。第2ギアシステムは、第2回転出力を直線出力に変換する。
【0011】
本発明は、胸部カップに圧力を供給する胸部ポンプを含む。この胸部ポンプは、圧力を供給するために胸部カップと流体連絡している拡張可能な容量室と、第1回転出力を有するモータと、モータに動作可能に接続された第1ギアシステムと、第1ギアシステムと拡張可能な容量室とに動作可能に接続された第2ギアシステムとを有する。第1ギアシステムは、少なくとも1本のベルトを有することができる。第2ギアシステムは、ラックギアと、ラックギアに動作可能に接続されたピニオンギアとを有する。第1ギアシステムは、第2ギアシステムに供給された回転出力を第2回転出力に調整する。第2ギアシステムは、第2回転出力を直線出力に変換する。
【0012】
このシステムはさらにチャネルを有することができ、胸部カップは空気孔を有することができ、チャネルは空気孔および圧力源と接続され、圧力源は、胸部カップと圧力源の間のチャネルを介して、往復的な空気流を供給する。このチャネルは可撓性管であってよい。圧力源は、シリンダ内に移動可能に配置されたピストンであってよい。モータ、第1歯を有するラック、第2歯を有するギアを設けることが可能である。ラックはピストンと接続されることが好ましく、ギアはモータと動作可能に接続されることが好ましく、第1歯は、シリンダ内でピストンを往復動させるために第2歯と係合している。
【0013】
ピストンは、ピストンとシリンダの間に配置された密封部材を有することができる。密封部材は、ピストンの周囲に配置されたOリングであってよい。ピストンは、円周壁を備えたほぼ円筒形状であってよく、密封部材は、円周壁に配置された複数のガスケットであってよい。ピストンは、円周チャネルが内設されている円周壁を備えたほぼ円筒形状であってよく、密封部材はチャネル内に少なくとも部分的に配置されている。ピストンは、前端と後端を備えたV字型断面を有してよく、前端と後端はシリンダと共に密封係合を形成する。
【0014】
ピストンはラックに可撓的に取着することができる。ピストンは凹部を有することができ、ラックは当接部が内部に形成されている第1端部を有することができ、この当接部は凹部内に可撓的に取着されている。凹部と第1端部は戻り止め構造を有することができる。シリンダは第1直径と空気穴を有することができ、空気穴は第2直径を有し、大気と流体連絡しており、第1直径は第2直径よりも相当に大きい。
【0015】
さらに、モータに動作可能に接続された制御装置を設けることができ、モータは反転可能であり、制御装置が、正圧または負圧制限に基づいてモータを反転させる。モータに動作可能に接続された制御装置を設けることができ、モータは反転可能なモータであり、制御装置は、ピストンがシリンダに対して移動した距離を決定し、制御装置は、この距離に基づいてモータを反転させる。この距離に応じて信号を生成する光センサを設けることができ、この信号は制御装置へ送信され、制御装置はこの信号に応じてモータを反転させる。
【0016】
ラックは、これに形成された複数の開口部を有することができ、光センサは開口部と動作可能に整列し、光センサを通過して移動する開口部の個数に基づいて信号が生成される。さらにポジションスイッチを設けることができ、光センサは、ポジション信号を生成するべくポジションスイッチと動作可能に整列しており、ポジション信号は制御装置へと送信され、また、制御装置は、ポジション信号に応じて前記個数をリセットする。モータに動作可能に接続された制御装置を設けることができ、モータは変速を有し、制御装置は、胸部に正圧または負圧を付加するための所望のサイクル時間に基づいて速度を調整する。制御装置はユーザインタフェースを有することができ、ユーザインタフェースに所望のサイクル時間を入力することができ、所望のサイクル時間をユーザインタフェースから制御装置へ送信することができる。
【0017】
ユーザインタフェースを有し、圧力源に動作可能に接続された制御装置を設けることができ、制御装置は、ユーザインタフェースから送信された信号に応じて、圧力源によって生成された正圧または負圧を調整する。ユーザインタフェースを有し、圧力源に動作可能に接続された制御装置を設けることができ、制御装置は、ユーザインタフェースから制御装置へ送信された信号に応じて、胸部に正圧または負圧を付加するためのサイクル時間を調整する。圧力値と、正圧と負圧の間のサイクル時間に応じて波形信号を生成し、この波形信号に応じてモータを制御する制御装置を設けることができる。ユーザインタフェースを設けることができ、ユーザインタフェースに所望の波形信号が入力され、この所望の波形信号は、ユーザインタフェースから制御装置へ送信され、また、制御装置が、所望の波形信号に対応するよう波形信号を調整する。
【0018】
シリンダは圧力解放弁と流体連絡している。圧力解放弁は調整可能であってよい。圧力源は、収納小室が内部に形成されたハウジングを有することができ、可撓性管はこの収納小室内に取り外し可能に収納することができる。ハウジングは、第1端部と第2端部を備えた排気口を有することができ、第1端部は圧力源と流体連絡しており、第2端部は収納小室内に配置されている。
【0019】
入口、第1出口、第2出口、プラグを有するT字型コネクタを設けることができ、入口は第1および第2出口と流体連絡しており、プラグは第1出口または第2出口と選択的に密封係合する。T字型コネクタは外面を有することができ、プラグはこの外面につなぎ留められている。制御装置はユーザインタフェースを有することができ、所望レベルの正圧または負圧をユーザインタフェースに入力することができ、制御装置は、ユーザインタフェースから送信された信号に応じて、正圧または負圧を調整することができる。
【0020】
第1ギアシステムは、第1ベルトと第2ベルトを有することができる。第1ベルトは歯無しであってよく、第2ベルトは歯付きであってよい。第1ベルトは弾性であってよい。第1ベルトは複数のベルトであってよい。第1ギアシステムは、第1滑車と第2滑車を有することができる。第1滑車は第1円周と、この第1円周に沿って形成された第1チャネルとを有することができる。第2滑車は第2円周と、この第2円周に沿って形成された複数の歯とを有することができる。第1ベルトは、第1チャネル内に部分的に配置されていてよく、第2ベルトは第2滑車の複数の歯と係合できる。
【0021】
モータは、環状チャネルが内設された駆動シャフトを有することができる。第1ベルトは、環状チャネル内に部分的に配置されてよい。第2滑車はピニオンギアに取着されてよい。拡張可能な容量室は、シリンダと、シリンダ内で移動可能なピストンとであり、ピストンにラックギアが取着された状態であってよい。ラックギアは、ピストンに可撓的に取着されてよい。シリンダは、第1直径と空気穴を有することができる。空気穴は第2直径を有し、大気と流体連絡することができる。この第1直径は、第2直径よりも相当に大きい。
【0022】
本発明のこれ以外およびさらなる目的、利点、特徴は、図面を参照することで理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面、特に図1、図2を参照すると、概して参照符号100で表す本発明の胸部ポンプを示している。胸部ポンプ100、さらに図11に示す胸部カップ400は、本発明の胸部ポンプシステムの主要な構成部品を構成する。胸部ポンプ100は、組み立てユニットを形成するように設けられた、頂部ハウジング102と底部ハウジング103を有する。
【0024】
図1ないし図3を参照すると、頂部ハウジング102は、ほぼ楕円形であり、平坦な前面200と、小室用ドア104を有する収納小室210とを有している。胸部ポンプ100をシステムの他の構成部品と接続する空気管、即ち導管350を収納するための、選択的に密封可能な収納小室210を形成するように、前記ドア104は、頂部ハウジング102に蝶番接続されていることが好ましいが、これについては以降でより詳細に述べる。
【0025】
前記前面200は、LEDカバー106を有するボタンパッド105を受容できる。このパッド105は、胸部ポンプ100を制御するために消費者によって使用される。底部ハウジング103が、ラックギア109と、このラックギアと係合可能なピニオンギア110と、ピストン112と、このピストンを受容可能なシリンダ113と、ピニオンギアが装着されるシャフト126を有するモータ125とを含む、胸部ポンプの様々な構成部品を安全に収納することができる。このような設計により、胸部ポンプ100は、低ノイズでのポンピングを提供できる。胸部ポンプ100は、あらゆる硬質材料、例えばプラスチック等で製造できる。
【0026】
図3ないし図7を参照すると、胸部ポンプ100は、前記ピストン112およびシリンダ113を使用して、母乳を得るための正圧と負圧との両方を生成する。このピストン112は、これに取着されているラックギア109によって駆動される。ピストン112は、第1ヘッド3000および第2ヘッド3100を有するほぼ円筒形状をしている。これら第1ヘッド3000および第2ヘッド3100は、環状チャネル3020、3120を各々有することが好ましい。これらチャネル3020、3120は、第1ヘッド3000、第2ヘッド3100の各々の外周に沿って配置されていることが好ましい。さらに、チャネル3020、3120は、第1ヘッド3000および第2ヘッド3100の外周に沿った中心に配置されていることが好ましい。チャネル3020、3120内には、密封部材3050、3150が各々設置されていることが好ましい。これら密封部材3050、3150は、Oリングガスケットであることが好ましい。密封部材3050、3150は、チャネル3020およびチャネル3120の深さ、即ち高さよりも大きい直径、即ち幅を有する。密封部材3050、3150は、第1ヘッド3000および第2ヘッド3100の外周を越えて延び、ピストン112がシリンダ内で往復駆動されるのに合わせてシリンダ113の内面1130と密封係合を果たす。
【0027】
複数の密封部材、即ち、ピストン112のOリングガスケット3050とOリングガスケット3150とを使用することで、2重密封が得られ、正圧と負圧とを生成する効率が増加する。この実施形態では、2つの密封部材を使用して2つの別個の密封面を作成しているが、ピストン112をシリンダ113と密封するために、任意数の密封部材を使用して、任意数の密封面を作成することが可能である。さらに、この実施形態では、Oリング密封ガスケット3050、3150を有するピストン112を使用しているが、別の密封構造をピストンとシリンダ113の間に使用することもできる。
【0028】
前記ラックギア109は、歯1100を有するピニオンギア110と係合する歯1090を有する。このピニオンギア110は、好ましくはシャフト126を介して、モータ125に動作可能に接続されている。そして、このモータ125の起動時に、シャフト126とピニオンギア110とが回転する。ラック109の歯1090とピニオン110の歯1100とが係合して、モータ125とシャフト126との往復回転動を、単軸に沿った両方向に向かう往復縦動に変換する。
【0029】
前記ラックギア109は、ピストン112に形成された凹部3200と係合する第1端部1095を有することが好ましい。この凹部3200は、ピストン112内の中央に配置されていることが好ましい。ラックギア109の前記第1端部1095は、ピストン112の凹部3200とのスナップフィット係合または摩擦フィット係合を有することが好ましい。第1端部1095と凹部3200との各々に、戻り止め構造1096、3296が形成されていることが好ましい。これにより、これら構成部品の製造が促進され、さらに、ラックギア109に対して必要となる可能性のあるピストン112の任意の直線旋回運動を提供する。
【0030】
ピストンの別の実施形態を、図8に概して参照符号8112で示す。このピストン8112は、前縁8120と後縁8121とを有し、ほぼV字型である。これら前縁8120と後縁8121は、ピストン8112がシリンダ内で往復駆動されると、シリンダ113の内面1130と密封係合する。シリンダ113の内面1130と密封係合する、ピストン8112の複数の縁部、即ち前縁8120と後縁8121とを使用することにより、2重密封が得られ、正圧と負圧とを生成する効率が増加する。
【0031】
図3ないし図7を参照すると、前記モータ125は、変速モータであることが好ましい。これにより、使用者は、胸部ポンピングのサイクル時間を制御および変更することが可能になる。胸部ポンプ100は、さらに、振動を低減し、モータ125を底部ハウジング103に取着するために、モータカバー107とベアリング108とを有する。
【0032】
正圧と負圧とは、シリンダ113内の排気量を変更することで変えることができる。この実施形態では、これは光電または光センサシステムの使用によって行われる。光センサシステムは、2つ以上の光センサ121とポジションスイッチ124とを有する。光センサ121は、ラックギアが往復動を行うとラックギア109の開口部50の個数を数える。これにより、使用者は、ラックギア109が移動する距離を制御でき、またこれに関連してシリンダ113内の排気量を制御できる。
【0033】
ピストン112をシリンダ113の前部へ正確に移動させるために、光センサシステムはさらに、計数器のスタータとして機能する、好ましくは、シリンダの前部に配置されたポジションスイッチ124を含む。あるいは、ポジションスイッチは、光センサ121によって検出可能な、サイズまたは形状の異なる開口部50であってよい。
【0034】
ラックギア109はさらに、これに取り付けられた安全機構を有する。光センサ121は、ラックギア109が後方へ移動すると開口部50を読み取る。もし何らかの理由でラックギア109が対象を外し、移動し過ぎた場合、安全機構がポジションスイッチを始動させる。ラックギア109が、後方へ移動中にポジションスイッチが始動された場合、ソフトウェアが、システムを始動させて再び前方へ移動させ、ポジション位置へ戻す。
【0035】
胸部ポンプ100は、ラックギア109の上方に配置された案内カバー111を有する。この案内カバー111は、ラックギア109の往復動を案内および振動減衰することにより、胸部ポンプをさらに安定させる。案内カバー111はさらに、光センサ121と開口部50の不整列の危険を低減することで、光センサシステムに正確性を提供する。
【0036】
光センサシステムとモータ125とは、PC、即ち回路基板120に接続されていることが好ましい。これにより、正圧と負圧との量に変換される距離ピストン112の移動と、サイクル時間に変換されるピストン速度とが、電子的に制御される。
【0037】
図15ないし図19を参照すると、本発明の駆動システムの好ましい実施形態が、概して参照符号1500で示されている。前記シリンダ113に対するピストン112の直線的な往復動を提供するべく、駆動システム1500を図1ないし図7の胸部ポンプ100と共に使用することができる。
【0038】
この駆動システム1500は、ギアリダクションを内蔵するラックおよびピニオンドライブのベルト駆動システムである。駆動システム1500は、第1駆動車輪または滑車1510と、この第1駆動車輪1510に取着された第2ギア、駆動車輪または滑車1520と、第3ギア、駆動車輪または滑車4530と、第3ギアに取着されたピニオンギア1540とを有する。
【0039】
前記第1駆動車輪1510は、第1ベルト1550によって、モータ駆動シャフト126に動作可能に接続されている。この好ましい実施形態では、第1ベルト1550は歯無しベルトである。より好ましくは、第1ベルト1550は弾性または可撓性を有する。可撓性または弾性のベルト1550を使用することで、駆動シャフト126と第1駆動車輪1510の間の安全な接続が得られ、さらにノイズと振動が低減される。駆動シャフト126および第1駆動車輪1510は、その上に第1ベルト1550が装着される滑らかな外面を有する。
【0040】
前記第1駆動車輪1510は、第1共軸シャフト1515によって、第2ギア1520に動作可能に接続されている。この好ましい実施形態では、第1シャフト1515は、対向した第1ベアリング1517間に回転可能に取り付けられている。しかし、別の回転可能な取り付け装置あるいは装着構造を使用することも可能である。ノイズと振動とを低減するために、モータシャフト126と第1駆動車輪1510は、金属製である。第1駆動車輪1510と第2ギア1520とは、モータシャフト126とピニオンギア1540の間にギアリダクションを部分的に提供し、また、異なる直径を有する。
【0041】
前記第2ギア1520は、第2ベルト1570によって、第3ギア1530に動作可能に接続されている。第2ベルト1570は、第2ギア1520、第3ギア1530の円周に沿って形成された歯1580と係合する、歯1575を有することが好ましい。第2ギア1520と第3ギア1530とは、モータシャフト126とピニオンギア1540との間にギアリダクションを部分的に提供する、異なる直径を有する。駆動システム1500はさらに、第2ベルト1570に張力を与えるテンション滑車1580を有することが可能である。
【0042】
前記第3ギア1530は、第2共軸シャフト1535によって、ピニオンギア1540に動作可能に接続されている。この好ましい実施形態では、第2シャフト1535は、対向する第2ベアリング1537の間に回転可能に取り付けられている。しかし、これ以外の回転可能な取り付け装置または装着構造を使用することも可能である。第3ギア1530は、第2シャフト1535に沿ってピニオンギア1540と一体鋳造することが好ましい。
【0043】
前記ピニオンギア1540は、ラックギア109の歯1090と係合する歯1545を有する。モータ125を起動すると、シャフト126の回転動が、ラックギア109の単軸に沿った双方向への往復縦動に変換される。第1、第2ベルト1550、1570、第1、第2、第3駆動車輪、即ちギア1510、1520、1530を使用することで、駆動システム1500は、モータシャフト126とピニオンギア1540の間に所望の移動比、すなわちギアリダクションを提供することが可能である。
【0044】
歯無しベルト1550と歯付きベルト1570の組み合わせを使用することにより、ノイズと振動を低減する一方で、胸部ポンプ100に所望の速度および圧力における必要な前後方向への直線移動を与えることができる、安定した頑丈な駆動システム1500を維持する。
【0045】
図20ないし図26を参照すると、本発明の駆動システムの別の実施形態が、概して参照符号4500にて示されている。この駆動システム4500も、ピストン112とシリンダ113の直線的往復動を提供するために、図1ないし図7の胸部ポンプ100と共に使用することができる。
【0046】
駆動システム4500は、ギアリダクションを内蔵したベルト駆動システムである。駆動システム4500は、第1ギア、駆動車輪、即ち滑車4510と、第1ギアに取着された第2ギア、駆動車輪、即ち滑車4520と、第3ギア、駆動車輪、即ち滑車4530と、第3ギアに取着されたピニオンギア4540とを有する。
【0047】
第1ギア4510は、第1ベルト4550によってモータ駆動シャフト126に動作可能に接続されている。この好ましい実施形態では、この第1ベルト4550は、複数のベルトであり、さらに好ましくは3本のベルトである。第1ベルト4550は、好ましくは歯無しベルトである。より好ましくは、第1ベルト4550は、弾性または可撓性を有するOリングである。例えばOリングのような可撓性または弾性ベルト4550を使用することで、駆動シャフト126と第1ギア4510との間に安全な接続が提供され、さらにノイズと振動が低減される。駆動シャフト126および第1ギア4510は、この各々に形成された環状チャネル4555、4560を有する。環状チャネル4555、4560は、第1ベルト4550を適所に保持し、駆動システム4500の組み立てを促進する上で補助するための案内部である。
【0048】
前記第1ギア4510は、第1共軸シャフト4515によって、第2ギア4520に動作可能に接続されている。この別の実施形態では、第1シャフト4515は、対向した第1ベアリング4517の間に回転可能に取り付けられている。しかし、代替的な回転取り付け装置または装着構造の使用も可能である。ノイズと振動を低減するために、モータシャフト126と第1ギア4510は金属製である。第1、第2ギア4510、4520は、モータシャフト126とピニオンギア4540との間にギアリダクションを部分的に提供する、異なる直径を有する。
【0049】
前記第2ギア4520は、第2ベルト4570によって、第3ギア4530に動作可能に接続されている。また、第2ベルト4570は、第2ギア4520、第3ギア4530の円周に沿って形成された歯4580と係合する、歯4575を有することが好ましい。第2、第3ギア4520、4530は、モータシャフト126とピニオンギア4540の間にギアリダクションを部分的に提供し、また、互いに異なる直径を有する。駆動システム4500はさらに、第2ベルト4570に引張力を与えるテンション滑車4580を有する。
【0050】
前記第3ギア4530は、第2共軸シャフト4535によって、ピニオンギア4540に動作可能に接続されている。この別の実施形態では、第2シャフト4535は、対向した第2ベアリング4537間に回転可能に取り付けられている。しかし、これ以外の回転可能な取り付け装置または装着構造の使用も可能である。第3ギア4530は、第2シャフト4535に沿ってピニオンギア4540と一体鋳造されることが好ましい。
【0051】
このピニオンギア4540は、ラックギア109の歯1090と係合する歯4545を有する。モータ125を起動すると、シャフト126の回転動が、ラックギア109の単軸に沿った双方向への往復縦方向運動に変換される。第1、第2ベルト4550、4570、第1、第2、第3ギア4510、4520、4530を使用することで、駆動システム4500は、モータシャフト126とピニオンギア4540の間に所望の移動比、すなわちギアリダクションを提供することができる。
【0052】
歯無しのOリング型ベルト4550と歯付きベルト4570の組み合わせを使用することで、ノイズと振動が低減される一方で、所望の速度と圧力における必要な前後の直線移動を胸部ポンプ100に提供することが可能な、安全で頑丈な駆動システム4500が維持される。
【0053】
上述した駆動システム1500、4500の実施形態は、ギアリダクションのためのベルトを使用している。しかし、これ以外の実施形態では、ギアリングを、胸部ポンプ100を駆動するラックおよびピニオンギアリングに伝播される所望の比率に低減する、ギアボックスを使用できる。
【0054】
再度図3ないし図9を参照すると、シリンダ113は、胸部カップ400に正圧と負圧を供給するための供給コネクタ115に取着された供給チューブ116を有する。好ましくは、この供給コネクタは、収納小室210内に配置された出口215を有する。空気管350は、出口215、さらに胸部カップ400に取着されてよい。収納小室210は、ポンピング動の最中に開閉することができる。シリンダ113は、約1.5in.Hgに設定することが好ましい圧力解放弁2000(図9に示す)と、流体連絡している。
【0055】
圧力解放弁2000は、吸入口2010と排出口2050を有する。吸入口2010はシリンダ113と流体連絡しており、排出口2050は管350によって胸部カップ400と流体連絡している。圧力解放弁2000は、吸入口2010および排出口2050と流体連絡している解放排出部2100を有する。解放排出部2100は実質的に管状で、解放アセンブリ2200に取着されている。
【0056】
解放アセンブリ2200は、可撓性挿入部2210、付勢部材2220、保持部材2230を有する。可撓性挿入部2210が解放排出部2100の内面と密封係合することで、解放排出部からの空気の漏出を防止する。挿入部2210は、付勢部材2200と合致する取着部材2215を有する。この実施形態では、この取着部材2215は、付勢部材2200の内部容量に受容される交差形状の構造である。好ましくは、付勢部材2200はばねである。より好ましくは、付勢部材2200はコイルばねである。保持部材2230は、解放排出部2100の外面上に配置された、対応する係合突起部2105の対と係合する対向した保持アーム2235を有する、キャップ型構造である。挿入部2210とばね2220は、キャップ2230によって解放排出部2100の内部容量室内に保持される。
【0057】
ばね2220は、解放圧力弁2000の解放圧力と等しい付勢強度または弾性を有する。この実施形態において、好ましくは約1.5in.Hgに設定されている正圧が、解放圧力を超えた場合、挿入部2210の内面上で生成された力が、ばね2220の付勢力を克服し、挿入部がキャップ2230の方向、および解放排出部2100の内部容量室の外へと移動する。圧力解放弁内の正圧がばね2220の付勢強度未満に低下するまで、空気が解放排出部2100を介して圧力解放弁2000から逃げるが、この時点で、挿入部2210が解放排出部の内部容量室内へ戻り、解放排出部の内面と密封係合する。
【0058】
あるいは圧力解放弁を、「マッサージ強度」、つまり使用者の胸部への正圧の量を制御できるようにするべく、調整可能に製造することができる。図3に示す回路基板120により、使用者が数レベルの速度と数レベルの吸引をプログラムすることができる。
【0059】
この実施形態では、速度(サイクル時間)は約45サイクル/分(cpm)から約75cpmの間である。本発明は、この速度範囲内での多数の速度レベルの事前設定プログラミングを提供する。レベルの数は約2レベルから約8レベルの間であることが好ましい。使用者がこの速度範囲内で5レベルの速度をプログラムできることがより好ましい。本発明はさらに、使用者による速度レベルのプログラミングを想定する。
【0060】
図15ないし図21に示す1個の胸部カップ400および好ましい駆動システム1500と共に使用する場合の吸引範囲は約3in.Hgから約10in.Hg、さらに、2個の胸部カップの場合は約3in.Hgから約8in.Hgである。図3、図4に示す1個の胸部カップ400およびギアボックスシステムと共に使用する場合の吸引範囲は約3in.Hgから約9in.Hgであり、さらに、2個の胸部カップの場合は約3in.Hgから8in.Hgである。本発明は、この吸引範囲内での多数の吸引レベルの事前設定プログラミングを提供する。レベルの数は約2レベルから約8レベルの間であることが好ましい。使用者は、吸引範囲内において5レベルの吸引をプログラムできることがより好ましい。本発明はさらに、使用者による吸引レベルのプログラミングを想定する。
【0061】
さらに、コンピュータソフトウェアを使用して、正圧と負圧の量を制御できることが好ましい。これにより、正圧と負圧の量を、使用者個人に合ったものにすることができ、また、ポンピング工程期間にかけて変更して、効率を最大化することができる。
【0062】
胸部ポンプ100は、ソフトウェアによって駆動される回路基板120、さらにギアモータ125、ラックとピニオンのセット109、110、ピストンシステム112、113によって制御されることが好ましい。ソフトウェアとシステムは、最大の可撓性を提供するべく、さらに、圧力曲線、即ち「波形(wave)」の変更を促進するべく、設計されている。これは、ソフトウェアが、モータ120の速度と、ピストン112がシリンダ113内で移動する距離とを制御しているために、実現可能となる。ピストン112の移動距離は圧力レベルに関連する。速度レベルと圧力レベルをソフトウェアにより制御することで、圧力曲線、即ち「波形」を制御することができる。
【0063】
乳児による吸引に類似した、または母親にとって最も快適な、特定の「波形」、即ち圧力曲線が存在するという判断が為されたら、タイミング(モータ速度とピストン距離)を変更することで望ましい波形を得ることができる。ソフトウェアの使用により、使用者は、特定の圧力曲線およびこの圧力曲線の時間にともなう変化にメモリを付加して、使用者にとっての快適さを最大化する能力を有する。
【0064】
この実施形態では、正弦波を使用して胸部ポンプ100の制御を行う。これは、最も快適な圧力曲線は、噛まれた感覚を使用者に与える極端な圧力ピークおよび最低点を有さず、正弦波に類似して圧力が徐々に増減するものであるという仮定に基づいている。ピストン112による前後の動きは、所望の正弦波に近似している。しかし、極端な圧力ピークを回避するために、ピストン112のタイミングを遅速化され、波形上の最大吸引点と最小吸引点における継続時間にかけて圧力が一定に保たれる。これにより、使用者にとってより快適である安定した正弦波を有する圧力曲線が得られる。
【0065】
さらに、母親が別の波形を望ましいと判断した場合には、このような波形を圧力曲線に使用することも可能である。例えば、母親が極端なピークを有する「鋸状」圧力曲線を好む場合には、ピストン112の方向変換時における一時停止を最小化しながら、ピストン112のタイミングを単純に前後運動するサイクルに変更することができる。さらに、例えば母親が「四角形曲線」を好む場合には、ピストンが方向変換できる状態になるとピストン位置を維持し、その後迅速に下降傾斜し、さらに上方傾斜する前に再びこの位置を保持するように、ピストン112のタイミングを変更することができる。これにより「四角形曲線」波形が生成される。
【0066】
ソフトウェア制御を使用することで、波形、即ち圧力曲線の様々な選択を行うことができる。さらにこれにより、1個の胸部ポンプ100で、より広い選択を変更または提供する柔軟性が得られる。反対に、同時にあるポンプには、圧力曲線波形を柔軟に変更できないという欠点が伴う。
【0067】
シリンダ113は圧力差分穴75を有する。圧力差分穴75は、シリンダ113の底面80に沿って配置されるのが好ましい。正圧および負圧を生成するために、圧力差分穴75は、排出孔1013、および空気が内部を流れる供給管116よりも実質的に小型である。圧力差分穴75は、負圧の量と比較した正圧の量に多様性を与える。圧力差分穴75は、真空ストロークの最後に「損失」空気を提供するためのより広い真空範囲に有効である。正圧ストローク時に、圧力差分穴75を介して少量の空気が解放されるが、圧力レベルがより高くなると、負圧ストローク中に空気が再導入される。
【0068】
図10を参照すると、シリンダ113はゼロドラフトシリンダとして形成されている。胸部上に真空および圧力を作成しながら、シリンダ内の所定の体積の空気を移動させるために、ピストン112の外径がシリンダ113の内径dと密封を作成する。胸部ポンプ100では、ピストン112への干渉または抵抗を最小化しながら適切な密封を作成するために、シリンダの全長にかけて一定な内径dを有するシリンダ113が必要である。典型的な射出成形部品は、シリンダ113の不均等な内径dを作り出すためのドラフト角度を要する。
【0069】
シリンダ113は、均一な内径dを提供するゼロドラフトシリンダとして鋳造することが好ましく、一単体として鋳造することがより好ましい。図10に示すように、シリンダ113は単体のプラスチック射出成形部品である。2個の部品から成るシリンダ、または機械加工したシリンダには、単体のゼロドラフトシリンダ133が克服する欠点が伴う。2個の部品から成るシリンダは、エンドキャップに取り付けられた押し出し形成管を要し、2個の部品は溶接または接着剤によって結合している。典型的には、機械加工した部品は金属管である。ゼロドラフト、単体シリンダ113の利点の1つは、射出成形が可能なことである。
【0070】
図3ないし図10を参照すると、ボタンパッド105は、胸部ポンプ100用のユーザインタフェースまたは制御機構である。ボタンパッド105は、吸引と速度のレベルを増減するための正鍵および負鍵の対を有する。パッド105はさらに、オン/オフスイッチを含む。
【0071】
シリンダ113内におけるピストン112の往復的な前後の動きにより、胸部ポンプ100は、1本のホース、即ち管350を介して、女性の胸部に正圧と負圧の両方を供給する。この実施形態では、正圧と負圧を生成するためにピストン/シリンダ機構を使用しているが、これ以外の拡張可能な容量室または圧力源の使用も可能である。このような別の実施形態は、必要な部品数がより少数で済むふいご状機構またはダイアフラムを含む。
【0072】
図11、図12を参照すると、本発明の胸部カップ400が示されている。胸部カップ400の一例が、2002年12月27日に出願された、同時係属および同一所有の米国特許出願第10/331,183号に開示されており、この開示は参照して本明細書に組み込まれる。胸部カップ400は、空気孔560を有するハウジング500、可撓性挿入部600、ホルダ700を有する。ハウジング500は硬質構造であり、可撓性挿入部600は可撓性構造である。ハウジング500は、ハウジングと挿入部の間に移動容量室510を形成するために、挿入部600と密封係合するよう適合されている。空気孔560は移動容量室510と流体連絡している。
【0073】
胸部ポンプ100は、空気孔560に接続され、シリンダ113と流体連絡している空気管350を介して、胸部カップ400と流体連絡した状態に配置されている。胸部ポンプは、胸部カップ400に正圧と負圧の両方を供給する。胸部ポンプ100によって生成された正圧と負圧により、空気が空気孔560内を流れ、移動容量室510内に流入し、移動容量室510から排出される。胸部カップ400に供給された正圧および負圧により、可撓性挿入部600、また特に移動容量室510が拡張および収縮し、使用者の胸部上に往復する正の力と負の力が付加される。
【0074】
胸部ポンプ100と胸部カップ400は、空気孔560に接続された1本の空気管350を介して、使用者の胸部に正圧と負圧の両方を付加することができる。
【0075】
移動容量室510内にのた容量は、好ましくは22cmから52cmの間、より好ましくは32cmから42cmの間である。拡張可能および収縮可能な移動容量室510により、使用者の胸部に付加され得る負圧の量に上限が課され、これがさらに胸部ポンプ100の使用における安全特性として役立つ。これに加え、空気管350または胸部ポンプ内への母乳の流入を完全に防止するために、挿入部600とハウジング500の密封係合によって、使用者の胸部と胸部ポンプ100の間にバリアが形成される。
【0076】
胸部ポンプシステムの好ましい実施形態が、使用者の胸部から流体隔離した移動容量室510を有する胸部カップ400を使用している一方で、別の胸部カップを胸部ポンプ100と共に使用することも可能である。本発明の胸部ポンプシステムに固有の特徴を、例えば本発明の制御システム、またはラックおよびピニオン駆動機構のような、他タイプの胸部カップと共に使用することも可能である。
【0077】
図13を参照すると、T字型コネクタ300は、第1孔310と第2孔320の使用により、使用者が1個の胸部カップ400または2個の胸部カップを使用できるようにするための三角形弁である。胸部ポンプ100は、入口330において、空気管350を介してT字型コネクタ300に接続されている。T字型コネクタ300の単一分岐弁構造により、ダブルポンピングに必要な管350の本数が最小化される。T字型コネクタ300は、シングルポンピングが望ましい場合に、第1孔310、第2孔320のいずれかを閉鎖するプラグ340を有する。プラグ340は、第1孔310または第2孔320との係合を促進するために、T字型コネクタ300の外周につなぎ留められていることが好ましい。
【0078】
図14を参照すると、本発明の胸部ポンプシステムによる搾乳方法が示されている。使用者は、ステップ800にあるように、胸部ポンプ100を「オン」にすることで胸部ポンピング動作を開始する。これにより、胸部ポンプ100に電力が供給される(ステップ810)。使用者は次に、ステップ820にあるように、望ましいサイクル時間と吸引レベルを入力する。この好ましい実施形態では、使用者は、5つのサイクル時間と吸引レベルから選択を行うことができる。サイクル時間と吸引レベルは、ボタンパッド105を使用して入力される。
【0079】
ステップ830では、PC基板120が、使用者が入力したサイクル時間および吸引のレベルに従って、モータ速度と対象ピストン移動距離を設定する。次に、ステップ840にて、サイクル時間および吸引レベルが使用者に対して表示される。この実施形態では、サイクル時間と吸引レベルは、レベルに応じた数の照明ライトを有するライト225によって表される。ステップ850では、モータ125が始動され、ピストン112がシリンダ113の底部175に向けて移動する。これにより、空気管350によって胸部カップ400に供給される正圧が生成される。
【0080】
ステップ855にて、ピストン112との接触によってホームスイッチが始動されたか否かを判断するために、PC基板がホームスイッチを監視する。ステップ860において、ホームスイッチが始動されたか否かを判断する。ホームスイッチが始動されている場合には、ステップ870におけるようにこれがリセットされる。ステップ880にて、モータ125が反転され、ピストン112をシリンダ113の頂部180に向けて移動させる。これにより、空気管350により胸部カップ400に供給される負圧が生成される。本発明の胸部ポンプシステムの利点の1つは、正圧と負圧を同一の空気管350を介して供給することである。これにより、洗浄回数が減り、使用者による動作が簡素化される。
【0081】
ステップ890に示すように、使用者が入力したとおりの正確な吸引量を提供するために、光センサ121がラック開口部50の個数を数える。ステップ900では、PC基板120が、数えられたラック開口部50の個数が、使用者が入力した対象のピストン移動距離と等しいか否かを判断する。ステップ910にて、胸部ポンプ100がまだ「オン」状態にあるか否かを判断する。胸部ポンプ100が停止されている場合には、ステップ915に示すようにポンピング動作が終了する。
【0082】
ステップ920にて、使用者が新規のサイクル時間または吸引レベルを入力したか否かを決定する。新規のサイクル時間または吸引レベルが入力されている場合には、ステップ830に戻り上述したステップを繰り返す、つまり、使用者が入力したサイクル時間および吸引のレベルに従って、PC基板120がモータ速度と対象ピストン移動距離を設定する。使用者が新規のサイクル時間または吸引レベルを入力しなかった場合には、モータが再び反転し、これによりピストン112がシリンダ113の底部175へ移動する。これにより、空気管350を介して胸部カップ400に供給される正圧が生成される。この工程は、胸部ポンプが停止するまで、胸部ポンプ100が胸部カップ400に正圧を供給し、次に負圧を供給しながら継続する(ステップ910)。
【0083】
本発明の胸部ポンプシステムは、多数の構成部品を含んでおり、また、使用者が旅行中の場合などに遠隔地において使用することができる。使用を容易化するために、様々な構成部品はバッグシステム内に配置することが可能である。このようなバッグシステム、およびこのようなシステムの構成部品の一例が、2002年12月27日に出願された、同時係属および同一所有の米国特許出願第10/331,130号に開示されており、この開示は参照して本明細書に組み込まれる。
【0084】
好ましい形式を特に参照しながら本発明を説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の精神および範囲から逸脱しない限りで、様々な変更および改造の実行が可能であることが明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の胸部ポンプシステムの胸部ポンプの正面斜視図である。
【図2】開放位置にある、図1の胸部ポンプの正面斜視図である。
【図3】図1の胸部ポンプの展開斜視図である。
【図4】カバーを外した状態にある、図1の胸部ポンプの平面図である。
【図5】本発明のピストンおよびシリンダの展開斜視図である。
【図6】図5のピストンおよびシリンダの一部分の展開側面図である。
【図7】図5のピストンの正面斜視図である。
【図8】本発明によるピストンの別の実施形態の展開斜視図である。
【図9】図1のシステムの圧力解放弁の展開斜視図である。
【図10】図5のシリンダの断面平面図である。
【図11】本発明の胸部カップの正面斜視図である。
【図12】図11の胸部カップの側部断面図である。
【図13】本発明のT字コネクタの背面斜視図である。
【図14】図1、図11のシステムに従って胸部をポンピングする方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の胸部ポンプシステムのための胸部ポンプの好ましい実施形態の平面斜視図である。
【図16】図15の胸部ポンプの平面図である。
【図17】図15に示した胸部ポンプの駆動システムの平面斜視図である。
【図18】図17の駆動システムの側部斜視図である。
【図19】部分的に組み立てた状態にある、図15に示した駆動システムのギアリダクションシステムの一部分の平面斜視図である。
【図20】本発明の胸部ポンプシステムのための胸部ポンプの別の実施形態の平面斜視図である。
【図21】図20の胸部ポンプの平面図である。
【図22】図20に示した胸部ポンプの駆動システムの平面斜視図である。
【図23】図20の駆動システムの側部斜視図である。
【図24】図20に示した駆動システムのモータの平面斜視図である。
【図25】部分的に組み立てた状態にある、図20に示した駆動システムのギアリダクションシステムの一部分の平面斜視図である。
【図26】部分的に組み立てた状態にある、図20に示した駆動システムのギアリダクションシステムの平面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸部から搾乳を行うための胸部ポンプシステムであって、
正圧と負圧とを生成するための圧力源と、
この圧力源と流体連絡する胸部カップとを具備し、この胸部カップは、前記胸部に前記正圧と負圧とを与える、胸部ポンプシステム。
【請求項2】
チャネルをさらに具備し、前記胸部カップは、空気孔を有し、前記チャネルは、前記空気孔と前記圧力源とに接続されており、また、前記圧力源は、前記胸部カップと前記圧力源との間の前記チャネルを介して往復動する空気流を供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記チャネルは、可撓性管である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧力源は、シリンダ内に可動的に配置されたピストンである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
モータと、第1歯を有するラックと、第2歯を有するギアとをさらに具備し、前記ラックは、前記ピストンに接続されており、前記ギアは、前記モータに動作可能に接続されており、また、前記第1歯は、前記第2歯と係合して、前記シリンダ内で前記ピストンを往復動させる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ピストンは、このピストンと前記シリンダとの間に配置された密封部材を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記密封部材は、前記ピストンの周囲に配置されたOリングである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ピストンは、円周壁を有するほぼ円筒形状をなし、前記密封部材は、前記円周壁に配置された複数のガスケットである、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ピストンは、円周チャネルが内設された円周壁を有するほぼ円筒形状を有し、前記密封部材は前記チャネル内に少なくとも部分的に配置されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記ピストンは、前縁と後縁とを備えたV字型の断面を有し、前記前縁と後縁とは、前記シリンダと密封係合している、請求項4に記載のシステム。
【請求項11】
前記ピストンは、前記ラックに可撓的に取着されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
前記ピストンは、凹部を有し、前記ラックは、当接部が設けられている第1端部を有し、この当接部は、前記凹部内に可撓的に取着されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記凹部と前記第1端部とは、戻り止め構造を有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記シリンダは、第1直径と空気穴とを有し、この空気穴は、第2直径を有し、大気と流体連絡しており、前記第1直径は、前記第2直径よりも相当に大きい、請求項5に記載のシステム。
【請求項15】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能であり、前記制御装置は、正圧または負圧の限界に基づいて前記モータを反転させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項16】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能なモータであり、前記制御装置は、前記ピストンが前記シリンダに対して移動した距離を決定し、前記制御装置は前記距離に基づいて前記モータを反転させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項17】
前記距離に応じて信号を生成する光センサをさらに具備し、前記信号は前記制御装置へ送信され、前記制御装置は、前記信号に応じて前記モータを反転させる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ラックは、これに形成された複数の開口部を有し、前記光センサは、前記開口部と動作可能に整列されており、前記信号は、前記光センサを通過して移動する前記開口部の個数に基づいて生成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
ポジションスイッチをさらに具備し、前記光センサは、ポジション信号を生成するように前記ポジションスイッチと動作可能に整列されており、前記ポジション信号は、前記制御装置へ送信され、この制御装置は、前記ポジション信号に応じて前記個数をリセットする、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、速度が可変であり、前記制御装置は、前記正圧または負圧を前記胸部に付加するための所望のサイクル時間に基づいて、前記速度を調整する、請求項5に記載のシステム。
【請求項21】
前記制御装置は、ユーザインタフェースを有し、前記所望のサイクル時間は、前記ユーザインタフェースに入力され、さらにこの所望のサイクル時間は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
ユーザインタフェースを有し、前記圧力源に動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記制御装置は、前記ユーザインタフェースから送信された信号に応じて、圧力源によって生成された正圧または負圧を調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
ユーザインタフェースを有し、前記圧力源に動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、この制御装置は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信された信号に応じて、前記正圧または負圧を前記胸部に付加するためのサイクル時間を調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
圧力値と、前記正圧および負圧の間のサイクル時間とに応じて波形信号を生成し、この波形信号に応じて前記モータを制御する制御装置をさらに具備する、請求項5に記載のシステム。
【請求項25】
ユーザインタフェースをさらに具備し、前記ユーザインタフェースに所望の波形信号が入力され、この所望の波形信号は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信され、この制御装置は、前記所望の波形信号に関連して前記波形信号を調整する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記シリンダ、は圧力解放弁と流体連絡している、請求項4に記載のシステム。
【請求項27】
前記圧力解放弁は、調整可能である、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記圧力源は、収納小室が内設されたハウジングを有し、前記可撓性管は、前記収納小室内に取り外し可能に収納される、請求項3に記載のシステム。
【請求項29】
前記ハウジングは、第1端部と第2端部とを備えた排気口を有し、これの第1端部は、前記圧力源と流体連絡しており、第2端部は、前記収納小室内に配置されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
入口、第1出口、第2出口、プラグを有するT字型コネクタをさらに具備し、前記入口は、前記第1および第2出口と流体連絡しており、前記プラグ、は前記第1出口または前記第2出口と選択的に密封係合可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記T字型コネクタは、外面を有し、前記プラグは、この外面につなぎ留められている、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
胸部から搾乳を行うための胸部ポンプシステムであって、
シリンダ容量室を有するシリンダと、
このシリンダ内に移動可能に配置されているピストンと、
前記シリンダ容量室内で圧力を生成するために、前記ピストンに動作可能に接続されているモータと、
前記シリンダ容量室と流体連絡している胸部カップとを具備し、この胸部カップは、前記胸部に前記圧力を与える、胸部ポンプシステム。
【請求項33】
チャネルをさらに具備し、前記胸部カップは、空気孔を有し、前記チャネルは、この空気孔と前記シリンダ容量室とに接続されており、前記シリンダ容量室は、前記チャネルを介して、往復する空気流を供給する、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記チャネルは、可撓性管である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
第1歯を有するラックと、第2歯を有するギアとをさらに具備し、前記ラックは、前記ピストンに接続されており、前記ギアは、前記モータに動作可能に接続されており、前記第1歯は、前記シリンダ内で前記ピストンを往復動させるために前記第2歯と係合している、請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
前記ピストンは、このピストンと前記シリンダの間に配置された密封部材を有する、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記密封部材は、前記ピストンの周囲に配置されたOリングである、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記ピストンは、円周壁を備えたほぼ円筒形状を有し、前記密封部材は、前記円周壁に配置された複数のガスケットである、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記ピストンは、円周チャネルが形成された円周壁を備えたほぼ円筒形状を有し、前記密封部材は、前記チャネル内に少なくとも部分的に配置されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記ピストンは、前端と後端を備えたV字型断面を有しており、これら前端と前記後端とは、前記シリンダと密封係合を形成している、請求項32に記載のシステム。
【請求項41】
前記ピストンは、前記ラックに可撓的に取着されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記ピストンは、凹部を有し、前記ラックは、当接部が設けられた第1端部を有し、この当接部は、前記凹部内に可撓的に取着されている、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記凹部と前記第1端部とは、戻り止め構造を有する、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記シリンダは、第1直径と空気穴とを有し、この空気穴は、第2直径を有し、大気と流体連絡しており、前記第1直径は、前記第2直径よりも相当に大きい、請求項32に記載のシステム。
【請求項45】
前記モータに動作可能に接続された制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能であり、前記制御装置は、圧力制限に基づいて前記モータを反転させる、請求項32に記載のシステム。
【請求項46】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは反転可能であり、前記制御装置は、前記ピストンが前記シリンダに対して移動した距離を決定し、前記制御装置は、前記距離に基づいて前記モータを反転させる、請求項35に記載のシステム。
【請求項47】
前記距離に応じて信号を生成する光センサをさらに具備し、この信号は前記制御装置へ送信される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記ラックは、これに形成された複数の開口部を有し、前記光センサは、前記開口部と動作可能に整列されており、前記信号は、前記光センサを通過して移動する前記開口部の個数に基づいて生成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
ポジションスイッチをさらに具備し、前記光センサは、ポジション信号を生成するために、前記ポジションスイッチと動作可能に整列されており、このポジション信号は前記制御装置へ送信され、前記制御装置は、前記ポジション信号に応じて前記個数をリセットする、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは変速モータであり、前記制御装置は、前記圧力を前記胸部に付加するための所望のサイクル時間に基づいて前記速度を調整する、請求項32に記載のシステム。
【請求項51】
前記制御装置は、ユーザインタフェースを有し、前記所望のサイクルは、前記ユーザインタフェースに入力され、前記所望のサイクル時間は、前記インタフェースから前記制御装置へ送信される、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
ユーザインタフェースを有し、前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、この制御装置は、前記ユーザインタフェースから送信された信号に応じて、前記シリンダ容量室内で生成された圧力を調整する、請求項32に記載のシステム。
【請求項53】
ユーザインタフェースを有し、前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、この制御装置は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信された信号に応じて、前記圧力を前記胸部に付加するための所望のサイクル時間を調整する、請求項32に記載のシステム。
【請求項54】
圧力値と、前記圧力のためのサイクル時間に応じて、波形信号を生成する制御装置をさらに具備し、この波形信号に応じて前記モータを制御する、請求項32に記載のシステム。
【請求項55】
ユーザインタフェースをさらに具備し、前記ユーザインタフェースに所望の波形信号が入力され、この所望の波形信号は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信され、前記制御装置は、前記所望の波形信号に関連して前記波形信号を調整する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記シリンダは、圧力解放弁と流体連絡している、請求項32に記載のシステム。
【請求項57】
前記圧力解放弁は、調整可能である、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
収納小室を有するハウジングをさらに具備し、このハウジング内に、前記モータと、ピストンと、シリンダとが配置され、前記可撓性管は、前記収納小室内に取り外し可能に収納されている、請求項34に記載のシステム。
【請求項59】
前記ハウジングは、第1端部と第2端部とを備えた排気口を有しており、これの第1端部は、前記シリンダ容量室と流体連絡しており、第2端部は、前記収納小室内に配置されている、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
入口と、第1出口と、第2出口と、プラグとを有するT字型コネクタをさらに具備し、前記入口は、前記第1と第2出口とに流体連絡しており、前記プラグは、前記第1出口または前記第2出口と選択的に密封係合可能である、請求項32に記載のシステム。
【請求項61】
前記T字型コネクタは、外面を有し、前記プラグは、この外面につなぎ留められている、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
胸部から搾乳を行うための胸部ポンプであって、
正圧と負圧とを生成するための圧力源と、
この圧力源に動作可能に接続された制御装置とを具備し、この制御装置は、前記正圧と負圧を調整し、前記胸部への正圧の付加と負圧の付加の間のサイクル時間を調整する、胸部ポンプ。
【請求項63】
前記制御装置は、ユーザインタフェースを有し、このユーザインタフェースに所望のサイクル時間が入力され、この所望のサイクル時間は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信され、前記制御装置は、前記所望のサイクル時間に関連して前記サイクル時間を調整する、請求項62に記載のポンプ。
【請求項64】
前記制御装置は、ユーザインタフェースを有し、このユーザインタフェースに所望レベルの前記正圧または負圧が入力され、また、前記制御装置は、前記ユーザインタフェースから送信された信号に応じて、前記正圧または負圧を調整する、請求項62に記載のポンプ。
【請求項65】
前記制御装置は、前記圧力および前記サイクル時間に応じて波形信号を生成し、この波形信号に応じて前記圧力源を制御する、請求項62に記載のポンプ。
【請求項66】
ユーザインタフェースをさらに具備し、前記ユーザインタフェースに所望の波形信号が入力され、前記所望の波形信号は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信され、前記制御装置は、前記所望の波形信号に関連して前記波形信号を調整する、請求項65に記載のポンプ。
【請求項67】
胸部から搾乳を行うための胸部ポンプであって、
圧力を生成するための圧力源と、
この圧力源に動作可能に接続されている制御装置とを具備し、この制御装置は、前記圧力を調整し、かつ前記胸部への前記圧力付加の間のサイクル時間を調整し、また、この制御装置は、前記圧力と前記サイクル時間に応じて波形信号を生成し、前記波形信号に応じて前記圧力源を制御する、胸部ポンプ。
【請求項68】
ユーザインタフェースをさらに具備し、前記ユーザインタフェースに所望の波形信号が入力され、この所望の波形信号は、前記ユーザインタフェースから前記制御装置へ送信され、また、この制御装置は、前記所望の波形信号に関連して前記波形信号を調整する、請求項67に記載のポンプ。
【請求項69】
胸部ポンプの拡張可能な容量室のための駆動システムであって、
第1回転出力を有するモータと、
このモータに動作可能に接続されている第1ギアシステムと、
この第1ギアシステムと前記拡張可能な容量室とに動作可能に接続されている第2ギアシステムとを具備し、前記第2ギアシステムは、ラックギアと、前記ラックギアに動作可能に接続されたピニオンギアとを有し、
前記第1回転出力は前記第2ギアシステムに供給され、
前記第1ギアシステムは、前記第2ギアシステムに供給された前記第1回転出力を第2回転出力に調整し、
前記第2ギアシステムは、前記第2回転出力を直線出力に変換する、駆動システム。
【請求項70】
前記第1ギアシステムは、少なくとも1本のベルトを有する、請求項69に記載の駆動システム。
【請求項71】
前記少なくとも1本のベルトは、第1ベルトおよび第2ベルトである、請求項70に記載の駆動システム。
【請求項72】
前記第1ベルトは歯無しであり、前記第2ベルトは歯付きである、請求項71に記載の駆動システム。
【請求項73】
前記第1ベルトは、弾性を有する、請求項72に記載の駆動システム。
【請求項74】
前記第1ベルトは、複数のベルトである、請求項73に記載の駆動システム。
【請求項75】
前記モータは、環状チャネルが形成された駆動シャフトを有し、前記第1ベルトは、この環状チャネル内に部分的に配置されている、請求項74に記載の駆動システム。
【請求項76】
前記第1ギアシステムは、さらに第1滑車と第2滑車とを備え、この第1滑車は、第1円周と、この第1円周に沿って形成された第1チャネルとを有し、前記第2滑車は、第2円周と、この第2円周に沿って形成された複数の歯とを有し、前記第1ベルトは、前記第1チャネル内に部分的に配置されており、前記第2ベルトは、前記第2滑車の前記複数の歯と係合する、請求項72に記載の駆動システム。
【請求項77】
前記第2滑車は、前記ピニオンギアに取着されている、請求項76に記載の駆動システム。
【請求項78】
胸部カップに圧力を供給する胸部ポンプであって、
前記圧力を供給するように前記胸部カップと流体連絡している拡張可能な容量室と、
第1回転出力を有するモータと、
このモータに動作可能に接続された第1ギアシステムと、
この第1ギアシステムと前記拡張可能な容量室とに動作可能に接続された第2ギアシステムとを備え、この第2ギアシステムは、ラックギアと、このラックギアに動作可能に接続されたピニオンギアとを有し、
前記第1回転出力は、前記第2ギアシステムに供給され、
前記第1ギアシステムは、前記第2ギアシステムに供給された前記第1回転出力を第2回転出力に調整し、
前記第2ギアシステムは、第2回転出力を直線出力に変換する、胸部ポンプ。
【請求項79】
前記第1ギアシステムは、少なくとも1本のベルトを有する、請求項78に記載の駆動システム。
【請求項80】
前記少なくとも1本のベルトは、第1ベルトおよび第2ベルトである、請求項79に記載の駆動システム。
【請求項81】
前記第1ベルトは、歯無しであり、前記第2ベルトは、歯付きである、請求項80に記載の駆動システム。
【請求項82】
前記第1ベルトは、弾性を有する、請求項81に記載の駆動システム。
【請求項83】
前記第1ベルトは、複数のベルトである、請求項81に記載の駆動システム。
【請求項84】
前記モータは、環状チャネルが形成された駆動シャフトを有し、前記第1ベルトは、前記環状チャネル内に部分的に配置されている、請求項83に記載の駆動システム。
【請求項85】
前記第1ギアシステムは、さらに第1滑車と第2滑車とを備え、この第1滑車は、第1円周と、前記第1円周に沿って形成された第1チャネルとを有し、
前記第2滑車は、第2円周と、この第2円周に沿って形成された複数の歯とを有し、前記第1ベルトは、前記第1チャネル内に部分的に配置されており、前記第2ベルトは、前記第2滑車の前記複数の歯と係合する、請求項81に記載の駆動システム。
【請求項86】
前記第2滑車は、前記ピニオンギアに取着されている、請求項85に記載の駆動システム。
【請求項87】
前記拡張可能な容量室は、シリンダと、このシリンダ内で移動可能なピストンとを備え、前記ラックギアは、前記ピストンに取着されている、請求項78に記載の胸部ポンプ。
【請求項88】
前記ラックギアは、前記ピストンに可撓的に取着されている、請求項87に記載の胸部ポンプ。
【請求項89】
前記シリンダは、第1直径と空気穴を有し、この空気穴は第2直径を有し、大気と流体連絡しており、前記第1直径は、前記第2直径よりも相当に大きい、請求項87に記載の胸部ポンプ。
【請求項90】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能であり、前記制御装置は、前記ピストンが前記シリンダに対して移動した距離を決定し、前記制御装置は、前記距離に基づいて前記モータを反転させる、請求項87に記載の胸部ポンプ。
【請求項91】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能であり、前記制御装置は、圧力制限に基づいて前記モータを反転させる、請求項78に記載の胸部ポンプ。
【請求項92】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、可変速モータであり、前記制御装置は、前記圧力を前記胸部カップに供給するための所望のサイクル時間に基づいて前記速度を調整する、請求項78に記載の胸部ポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸部カップに圧力を供給する胸部ポンプであって、
前記圧力を供給するように前記胸部カップと流体連絡している拡張可能な容量室と、
第1回転出力を有するモータと、
このモータに動作可能に接続された第1ギアシステムと、
この第1ギアシステムと前記拡張可能な容量室とに動作可能に接続された第2ギアシステムとを備え、この第2ギアシステムは、ラックギアと、このラックギアに動作可能に接続されたピニオンギアとを有し、
前記第1回転出力は、前記第2ギアシステムに供給され、
前記第1ギアシステムは、前記第2ギアシステムに供給された前記第1回転出力を第2回転出力に調整し、
前記第2ギアシステムは、第2回転出力を直線出力に変換する、胸部ポンプ。
【請求項2】
前記第1ギアシステムは、少なくとも1本のベルトを有する、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項3】
前記少なくとも1本のベルトは、第1ベルトおよび第2ベルトである、請求項2に記載の駆動システム。
【請求項4】
前記第1ベルトは、歯無しであり、前記第2ベルトは、歯付きである、請求項3に記載の駆動システム。
【請求項5】
前記第1ベルトは、弾性を有する、請求項4に記載の駆動システム。
【請求項6】
前記第1ベルトは、複数のベルトである、請求項4に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記モータは、環状チャネルが形成された駆動シャフトを有し、前記第1ベルトは、前記環状チャネル内に部分的に配置されている、請求項6に記載の駆動システム。
【請求項8】
前記第1ギアシステムは、さらに第1滑車と第2滑車とを備え、この第1滑車は、第1円周と、前記第1円周に沿って形成された第1チャネルとを有し、
前記第2滑車は、第2円周と、この第2円周に沿って形成された複数の歯とを有し、前記第1ベルトは、前記第1チャネル内に部分的に配置されており、前記第2ベルトは、前記第2滑車の前記複数の歯と係合する、請求項4に記載の駆動システム。
【請求項9】
前記第2滑車は、前記ピニオンギアに取着されている、請求項8に記載の駆動システム。
【請求項10】
前記拡張可能な容量室は、シリンダと、このシリンダ内で移動可能なピストンとを備え、前記ラックギアは、前記ピストンに取着されている、請求項1に記載の胸部ポンプ。
【請求項11】
前記ラックギアは、前記ピストンに可撓的に取着されている、請求項10に記載の胸部ポンプ。
【請求項12】
前記シリンダは、第1直径と空気穴を有し、この空気穴は第2直径を有し、大気と流体連絡しており、前記第1直径は、前記第2直径よりも相当に大きい、請求項10に記載の胸部ポンプ。
【請求項13】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能であり、前記制御装置は、前記ピストンが前記シリンダに対して移動した距離を決定し、前記制御装置は、前記距離に基づいて前記モータを反転させる、請求項10に記載の胸部ポンプ。
【請求項14】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、反転可能であり、前記制御装置は、圧力制限に基づいて前記モータを反転させる、請求項1に記載の胸部ポンプ。
【請求項15】
前記モータに動作可能に接続されている制御装置をさらに具備し、前記モータは、可変速モータであり、前記制御装置は、前記圧力を前記胸部カップに供給するための所望のサイクル時間に基づいて前記速度を調整する、請求項1に記載の胸部ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2006−526468(P2006−526468A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514939(P2006−514939)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/016280
【国際公開番号】WO2004/108184
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(500365915)プレイテックス プロダクツ インコーポレーテッド (56)
【Fターム(参考)】