説明

脊椎ロッド挿入器具

長手の脊椎部材を骨留め具の中に押込むための外科手術器具を提供する。外科手術器具は、骨留め具に嵌合するホルダー組立体を有し、ホルダー組立体は1対の旋回自在な接続部材が鋏式形状に配置されるのが好ましい。外科手術器具は骨留め具に相関的に脊椎ロッドを移動させる整復機構も有するが、整復機構は、ホルダー組立体の少なくとも一部を受け入れる開口部と垂直駆動機構の少なくとも一部を受け入れる空洞とを有する外側支持構造体を有し、垂直駆動機構はホルダー組立体にねじで結合する寸法および形状に設定される。ホルダー組立体は1対の顎部を有し、これら顎部は各々に延長部が形成され、骨留め具の両横側壁に形成された凹部に嵌合するようにしたことで、ホルダー組立体は、U字形の溝の中に張出すことなく、骨留め具に係合することができる。両顎部の寸法と形状は、骨留め具のヘッド部に形成された両側壁の一方のみに係合するように設定されているのがより好ましい。外科手術器具は、横方向に片寄らせて配置された脊椎ロッドを骨留め具に相関的に整列させる水平駆動機構を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には、脊椎外科手術の外科手術器具に関するものである。より詳細には、本発明は、椎骨係合用の脊椎移植片のロッド受け入れ溝に長手の脊椎ロッドを押込むための器具に関連している。
【背景技術】
【0002】
脊椎の自然形成時の損傷または欠損のいずれかにより生じる脊椎奇形を矯正するために、脊椎固定システムが骨接合外科手術処置に使われるのが通例となっている。典型的な脊椎固定システムは複数の骨留め具を組み込み、これら留め具は脊椎の長尺部に沿って整列させられ、個々の留め具は脊椎ロッドにより相互接続されている。脊椎ロッドは骨留め具のヘッドに形成されたチャネルの中に受け入れられる。骨留め具は、留め具のヘッドから延び出ているねじを切ったシャンクまたはフックのいずれかにより椎体の椎弓板または椎弓根に固着される。フック型の骨留め具は、更に、横突起に固着させることができる。
【0003】
しかし、医者は、この外科手術処置を実施している際に、複数の骨留め具のそれぞれのヘッドに形成されたロッド受け入れ溝の内部に脊椎ロッド(単数または複数)を整列させる処理に付随する諸問題のせいで、相当な難儀をすることが多かった。例えば、骨留め具のヘッドは、脊椎の湾曲や個々の椎骨の寸法と形状のせいで垂直方向に、および/または、水平方向に互いに不整列になることがある。このような不整列により、脊椎ロッドを曲げて、脊椎ロッドをロッド受け入れ溝の内部に適切に載置することが必要となる。脊椎ロッドは更に、脊椎欠陥を矯正するための選択された形状を呈するように曲がっていることがある。脊椎ロッドは真っ直ぐな形状を呈していることもある。複数の骨留め具を脊椎ロッドによって強制的に相互接続することで、患者の脊椎に矯正応力を伝達することができる。
【0004】
脊椎固定システムで使用されることが多いタイプの骨留め具は、頂端装填式骨留め具と呼ばれる。より詳しく説明すると、骨留め具にはヘッド部が設けられており、このヘッドには、中を貫いて延びるU字型のロッド受け入れ溝と閉鎖キャップを受け入れる頂端開口部とが設けられて、U字型受け入れ溝の中に脊椎ロッドを固定するようにしている。U字型ロッド受け入れ溝は骨留め具のヘッド部の頂端と連絡状態にあって、脊椎ロッドを受け入れる経路を定めている。骨留め具のヘッド部自体は通例は本質的に球状または円筒状で、かかるヘッド部の壁の外面は形が弧状であるが、それ以外の形状であってもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脊椎ロッドを整復させる器具、すなわち、脊椎ロッドを骨留め具のU字型ロッド受け入れ溝の中に移動させるための器具が必要となる。大抵は、2個以上の外科手術器具が使われるが、この場合、そのうちの1個の器具が骨留め具に取付けられて、ロッド取付処理の間、骨留め具のヘッドを安定させるか、または、脊椎ロッドをU字型ロッド受け入れ溝の中に導入する第2の外科手術器具のためのガイドの役をするか、いずれかの働きをする。2個の外科手術器具を必要とする取付処理に関する問題点は、医者に一方の手を自由に使わせることができずに、外科手術処置を完了するのに多人数の医者が必要となる可能性があることである。これに代わる例として、1個の外科手術器具を使って移植片の安定化と脊椎ロッドへの必要な導入力の付与との両方を行う場合、通例、外科手術器具はU字型ロッド受け入れ溝の両側で骨留め具のヘッド部と係合することになり、従って、外科手術器具の少なくとも一部がU字型ロッド受け入れ溝を横断方向に跨ることになる。すなわち、一般的に、外科手術器具はU字型ロッド受け入れ溝の頂端開口部の上に不当に張出す態様で取付けられて、開通路への接近を著しく制限してしまう。更に、U字型ロッド受け入れ溝の両側で骨留め具のヘッドに係合しているロッド整復用の器具は骨留め具に対する接近角度が制限され、その場合は外科手術処置を不必要に複雑にしてしまい、とりわけ、外科手術領域の幾何学的形状のせいで医者がヘッド部の左右両側を掴むことができず、閉鎖キャップを取付けることができないような場合は外科手術処置が複雑となる。患者の生来の解剖学的構造のせいで、また、骨留め具のヘッド部に形成されているU字型ロッド受け入れ溝の左右両側に固定されなければならない外科手術器具のせいで、外科手術領域は狭く小さくなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は長手の脊椎ロッドを骨留め具の中に押込む外科手術器具に関するものであり、留め具にはヘッド部と骨係合部が設けられているのが好ましく、更にヘッド部には頂面と、底面と、U字形の溝の外郭を定めている左右両側壁と、頂端開口部とが設けられて、頂端開口部を通してU字形の溝に脊椎ロッドを導入することができるようにしている。骨留め具の両側壁には対向端面が設けられており、各端面には凹部が設けられて、1対の端部壁とこれら両端部壁の間に配置される載置部とを定めて外科手術器具を嵌合させるように図っている。
【0007】
外科手術器具はホルダー組立体と整復機構とを含むように構成されるのがよい。ホルダー組立体は骨留め具に係合する寸法および形状に設定されており、整復機構は骨留め具に相関的に脊椎ロッドを移動させる寸法および形状に設定されている。ホルダー組立体は1対の旋回自在な接続部材が鋏式形状に配置されているが、ホルダー組立体には第1端と第2端が設けられており、第1端の少なくとも一部には溝がある領域が設けられており、第2端は骨留め具のヘッド部に係合する寸法および形状になっている。整復機構はロッド接触部材、外側支持構造体、および、垂直駆動機構を備えており、ロッド接触部材には第1端と第2端が設けられており、第1端は脊椎ロッドに接触する寸法および形状に設定されており、外側支持構造体には第1端、第2端、駆動領域、および、ホルダー領域が設けられており、ホルダー領域は支持構造体の第1端に第1開口部が設けられて、ホルダー組立体の第1端の少なくとも一部を受け入れるようになっており、駆動領域には空洞が設けられて、垂直駆動機構の少なくとも一部を受け入れるようになっており、垂直駆動機構はホルダー組立体の、溝を有している領域に係合する形状の長手の部材を有しており、垂直駆動機構が運動することでホルダー組立体に相関的に整復機構を移動させるようにしている。
【0008】
溝を設けた領域には複数の凹部と突起部が設けられており、長手部材の少なくとも一部にねじが切られており、このねじは凹部および突起部と相互作用する寸法および形状に設定されている。
【0009】
ホルダー組立体の第1の旋回自在な接続部材には溝を有する領域が設けられており、この領域には複数の凹部と突起部が形成されており、第2の旋回自在な接続部材にも溝を有する領域が設けられており、この領域には複数の凹部と突起部が形成されて、第1の旋回自在な接続部材と第2の旋回自在な接続部材が閉位置にくると、凹部と突起部が整列して均一な、溝を有する領域を形成する。均一な、溝を有する領域はホルダー組立体の頂面の張出部に形成されて、溝を有する領域が旋回自在な両接続部材の頂面より上方へ張出すようにするのが好ましい。更に、ホルダー組立体の第1の旋回自在な接続部材と第2の旋回自在な接続部材はロック機構を有しており、閉位置で第1の接続部材を第2の接続部材に不動に固定させるのが好ましい。
【0010】
外科手術器具は、垂直駆動機構の回転が外側支持構造体に相関的に垂直方向にロッド接触部材を移動させるような構成に設定される。
【0011】
外科手術器具は、ホルダー組立体が整復機構に取外し自在に装着されるような構成に設定されるのが好ましい。
【0012】
ロッド接触部材はH字型部材として形成されると同時に、1対の互いに平行な取付具が設けられており、両取付具の間には中継部材が延びており、取付具の少なくとも一方には脊椎ロッドに係合する寸法および形状に設定されたフックが設けられており、他方の取付具には凹部が設けられ、凹部が脊椎ロッドと接触して、脊椎ロッドを偏倚させて、骨留め具のヘッド部に形成されているU字形の溝と脊椎ロッドを整列状態する。ロッド接触部材の第2端は外側支持構造体に接続されている。ロッド接触部材は外側支持構造体に旋回自在に接続されている。これに代わる例として、ロッド接触部材の第2端は少なくとも1個の中継支持部材に接続されており、この中継支持部材がロッド接触部材を外側支持構造体に相互接続する。
【0013】
中継支持部材は三角形の部材の形態を取り、中継支持部材はロッド接触部材には固定的に接続されているが、外側支持構造体には旋回自在に接続されているのが好ましい。
【0014】
垂直駆動機構は、第1端、第2端、および、両端の間で延びる少なくとも一部にねじを切った領域が設けられたシャフトを有しており、シャフトは外側支持構造体に相関的に軸線方向に固定されているが、それでも尚、自由に回転することができ、シャフトが回転することでホルダー組立体が外側支持構造体に相関的に直線的に移動するようにするのが好ましい。シャフトはホルダー組立体に形成されている、溝を有している領域にねじで結合するのがより好ましい。
【0015】
外科手術器具は、骨留め具のヘッド部に形成されているU字形の溝に相関的に脊椎ロッドを横方向に移動させる水平駆動機構を備えており、水平駆動機構はシャフトと横方向に延びる支持部材からなり、シャフトには第1端、第2端、および、少なくとも一部にねじを切った部分が設けられており、シャフトの第1端は外側支持構造体に接続されており、横方向に延びる支持部材はロッド接触部材に直接的または間接的に接続されており、シャフトの一部にねじを切った部分は横方向に延びる支持部材と相互作用して、水平駆動機構が作動することで、ロッド接触部材を横方向に移動させるようにしている。
【0016】
横方向に延びる支持部材には、前記支持部材の中を縦断して延びてシャフトにねじで結合する、ねじを切った穴が設けられており、シャフトの回転により、横方向に延びる支持部材を外側支持構造体に相関的に移動させて、ロッド接触部材を横方向に移動させるようにしている。
【0017】
水平駆動機構には、外側支持構造体に係合する球状の第1端が設けられており、球状の第1端が支持構造体の内側に捕捉されるのが好ましい。
【0018】
変形例として、骨留め具の中に長手の脊椎ロッドを押込むための外科手術器具は、ホルダー組立体と、整復機構と、水平駆動機構とを含むように構成するのがよい。ホルダー組立体は骨留め具に係合する寸法および形状に設定されている。ホルダー組立体は1対の旋回自在な接続部材が鋏式形状に配置されているが、ホルダー組立体には第1端と第2端が設けられており、第1端の少なくとも一部には溝がある領域が設けられており、第2端は骨留め具のヘッド部に係合する寸法および形状になっている。整復機構は骨留め具に相関的に脊椎ロッドを移動させる寸法および形状に設定されている。整復機構は、ロッド接触部材と、外側支持構造体と、垂直駆動機構とを備えており、ロッド接触部材には第1端と第2端が設けられており、第1端は脊椎ロッドに接触する寸法および形状に設定されており、外側支持構造体には第1端、第2端、駆動領域、および、ホルダー領域が設けられており、ホルダー領域は支持構造体の第1端に第1開口部が設けられて、ホルダー組立体の第1端の少なくとも一部を受け入れるようになっており、駆動領域には空洞が設けられて、垂直駆動機構の少なくとも一部を受け入れるようになっており、垂直駆動機構は、ホルダー機構組立体の、溝を有している領域に係合する形状の長手の部材を有しており、垂直駆動機構が運動することでホルダー組立体に相関的に第1の方向に整復機構を移動させるようにしている。水平駆動機構は、シャフトと、横方向に延びた支持部材とを有しており、シャフトには第1端、第2端、および、少なくとも一部にねじを切った部分が設けられており、シャフトの第1端は外側支持構造体に接続されており、横方向に延びる支持部材はロッド接触部材に直接的または間接的に接続されており、シャフトの、一部にねじを切った部分が横方向に延びる支持部材と相互作用して、水平駆動機構が作動することで、ロッド接触部材を横方向に第2の方向に移動させるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を容易に理解するために、また、本発明を例示するために、添付の図面に具体的かつ好ましい特徴および実施形態が開示されているが、複数の図面を通して同じ参照番号は同じ構成要素を示している。
【0020】
本発明の原理をよりよく理解できるようにするために、図面に例示されている、具体的ではあるが限定するものではない実施形態について言及し、特定的な用語を使って同一物を説明してゆく。とはいえ、本発明の範囲を限定する意図は本明細書には無く、本明細書に例示されるような本発明の原理の代替例や修正例、および、その更なる応用例は、本発明が関連している技術分野の当業者なら当然想起するであろうと考えられると解釈するべきである。この点で、本発明を実施するための要件とは言えない具体的特徴が例示および説明されることもあり、従って、本発明は特許請求の範囲の各請求項によってのみ限定されるものと解釈するべきである。
【0021】
図1に例示されているように、脊椎ロッド挿入器具50は、長手の脊椎ロッド15を椎骨係合用の脊椎移植片10の中に押込むために医者が使う外科手術器具であり、その具体例には、椎弓根ねじ、椎弓根フック、横突起フック、下位椎弓板フックなど(本明細書後段では、「骨留め具」と総称される)がある。骨留め具10が長手の脊椎ロッド15を受け入れる寸法および形状に設定されたロッド受け入れ溝を組み込んでいる限り、脊椎ロッド挿入器具50を骨締め具10と関連づけて使用することができるものと見なすべきである。脊椎ロッド15は円形などのような多様な断面形状を呈することができ、また、ねじを切ってもよいし、ねじを切っていなくてもよいと考えられる。
【0022】
図2に例示されているように、骨留め具10は、とりわけ、中心軸線25を規定しているヘッド部24と骨係合部材21とを有しているのが好ましい。ヘッド部24には頂面12と、底面13と、左右両側の壁26、28とが更に設けられてU字形の溝22と頂端開口部14との外郭を定めており、頂端開口部14はU字形の溝22の頂端と連絡状態にある。U字形の溝22は中心軸線25に対して垂直な長手方向軸線23を規定している。U字形の溝22は長手の脊椎ロッド15を受け入れる寸法および形状に設定されている。脊椎ロッド15は、U字形の溝22の頂端に装填するために頂端開口部14を通して導入されるのが好ましい。そのため、図示のように、U字形の溝22と頂端開口部14は脊椎ロッド15の通路11を定めている。通路11は実質的にU字型にされた容積部分を含んでおり、この部分を通して、脊椎ロッド15を、U字形の溝22に固定する前に移動させることができる。
【0023】
左右両側壁26、28の内面は内側ねじ(図示せず)が切られており、このようなねじは、当該技術で周知のように鋸歯ねじであるのが好ましいが、ねじを切った閉鎖カップ(図示せず)とねじで結合して、U字形の溝22の内側に脊椎ロッド15を停留させることができる。しかしながら、これ以外の、内側にねじを切った止めねじのような(これに限定されないが)閉鎖構造であって、U字形の溝に形成された外側ねじ、内側・外側のカムロック、差込み口金式の接続部を設けた閉鎖カップ、スナップ嵌め式接続部を設けた閉鎖カップ、ラチェット式接続部を設けた閉鎖カップなどに係合するものも考えられる。
【0024】
図示のように、椎弓根ねじの左右両側壁26、28は各々が対向する端面30、32および端面34、36をそれぞれ有している。端面30、32、34、36には全て、後段でより詳細に説明するように、脊椎ロッド挿入器具50に係合する凹部41、42が設けられているのが好ましい。端面30、32、34、36は脊椎ロッド15の長手方向軸線23に関して約85度から約95度の角度を形成し、この角度は約90度であるのが好ましい。凹部41、42には端面30、32、34、36から切取りまたは面取りを行うことにより載置部45が設けられており、載置部45は、以下でより詳細に論じるように、脊椎ロッド挿入器具50に直接嵌合する寸法および形状に設定されている。載置部45は実質的に平滑にすることができる。これに代わる例として、載置部は表面処理剤で輪郭を区切られ、または、同処理剤で皮膜されて、脊椎ロッド挿入器具50を凹部41、42とより堅固に嵌合させることができる。
【0025】
凹部41、42はU字形の溝22と連絡状態になる構成になっている。すなわち、載置部45はU字形の溝22に向かう内方向に切り取られることで、U字形の溝22の長手方向軸線23に関して測定される角度α(アルファ)を形成する。具体的な角度α(アルファ)は約15度から約90度の範囲であり、角度約45度から約75度の範囲であるのが好ましく、約55度から約60度の範囲であるのがより好ましい。図示のように、凹部41に関しては、凹部41、42は端部壁35、37を更に定めており、両端部壁の間には載置部45が配置されている。端部壁35、37が脊椎ロッド挿入器具50に係合する形状および寸法に設定されることにより、脊椎ロッド挿入器具50と骨留め具10の間にまた別な表面接点を設けて、骨留め具10を脊椎ロッド挿入器具50に関して固着することができる。骨留め具10は凹部41、42に載置部45が設けられて脊椎ロッド挿入器具50と嵌合するようにし、任意の端部壁35、37が設けられて脊椎ロッド挿入器具に嵌合するものと既に説明したが、ピンと、これらピンに対応するピンホールのような上述以外の構成を利用して、脊椎ロッド挿入器具50を骨留め具10に係合させるようにしてもよい。
【0026】
骨係合部材21は骨留め具10のヘッド部24と一体成形されているうえに、骨留め具10を骨に固定するためのねじを切ったシャフトまたはシャンク21の形状であるとして概略が例示されているが、椎弓根ねじ、椎弓根フック、横突起フック、下位椎弓板フックなどのような(これらに限定されないが)上述以外の構成も考えられる点に留意するべきである。更に、骨留め具10は多軸ねじ、または、多軸フックの形態を呈し、骨係合部材21が骨留め具10のヘッド部24とは別個に形成され、かつ、ヘッド部に多軸接続されているため、医者はヘッド部24の角度調節を行うことができると同時に、ヘッド部の中で脊椎ロッド15を骨係合部材21に関して角度調節することができる。
【0027】
図1を再度参照すると、脊椎ロッド挿入器具50は、骨留め具10のヘッド部24に係合するホルダー組立体100と、ホルダー組立体100に関してロッド接触部材210を移動させ、従って、骨留め具10に相関的に脊椎ロッド15を移動させる整復機構200とを有している。
【0028】
一般に、図3Aから図3Dにもっともよく例示されているように、ホルダー組立体100には第1端110と第2端130が設けられており、第2端130は骨留め具10のヘッド部24を堅固に係合する寸法および形状に設定されている。好ましい実施形態では、ホルダー組立体100は1対の旋回自在に接続された部材140、150を備えており、部材140、150は鋏式の構成を有しており、第1端110において部材140、150が運動することにより、第2端でも旋回ピン145を中心として部材がそれぞれに対応した旋回運動を行えるようにしている。すなわち、医者がホルダー組立体100の第1端110を開位置(図示せず)から閉位置(例えば、図3Dに例示されているような)に移動させると、ホルダー組立体100の第2端130は旋回ピン145を中心として開位置(図示せず)から閉位置、すなわち、係合位置(例えば、図3Dに例示されているような)まで旋回させられる。図3Dにもっともうまく例示されているのだが、ホルダー組立体は全長がX1であり、この場合、X1は約100 ミリメートルから約230ミリメートルの間であり、約165ミリメートルであるのが好ましい。顎部材132、134と旋回ピン145は距離X2だけ離隔されるが、その場合、X2は約25ミリメートルから約60ミリメートルの間であり、約40ミリメートルであるのが好ましい。
【0029】
ホルダー組立体100の第2端130は1対の顎部132、134を有している。顎部132、134は骨留め具10のヘッド部24と嵌合する寸法および形状に設定されているのが好ましいが、骨留め具10の両側壁26に嵌合する寸法および形状に設定されているのがより好ましい。すなわち、顎部132、134には反対側の対向位置にある平坦部または延長部136、138が設けられており、これらは骨留め具10の両側壁26、28に形成されている凹部41、42に堅固に嵌合する寸法および形状に設定されている。
【0030】
延長部136、138は骨留め具10のヘッド部24に形成されている載置部45に係合する寸法および形状に設定されているのが好ましい。従って、顎部132、134と骨留め具10の間に密着嵌めを設けることで、骨留め具10は顎部132、134に相関的な回転をしないように抑制される。これに代わる例として、骨留め具10が既に患者の骨に固着されている場合は、顎部132、134に形成されている延長部136、138を端部壁35、37および載置部45と堅固に係合させることで、脊椎ロッド挿入器具50が骨留め具10に相関的に滑り、移動し、または、回転するのを阻止している。従って、延長部136、138は骨留め具10のヘッド部に堅固に嵌合する寸法および形状に設定されているのが好ましい。窪み部すなわちピンホールなどのような骨留め具10にまた別な構造が形成されて脊椎ロッド挿入器具50に係合するように図った場合は、顎部132、134は、本明細書中に記載されている延長部136、138以外の異なる対応構造を設けて骨留め具10に係合する形状に設定されることに留意するべきである。
【0031】
図3Cおよび図4にもっともうまく例示されているように、ホルダー組立体100は角度Ω(オメガ)だけ屈曲されて、顎部132、134と延長部136、138を部材140、150の第1端と異平面に置くことができる。図示のように、顎部の屈曲の角度Ω(オメガ)は約24度であるのが好ましい。更に、延長部136、138は、ホルダー組立体100が骨留め具10に係合した時にU字形の溝22を越えて延び出たり、U字形の溝を妨害することがないような寸法および形状に設定されているのが好ましい。部材140、150の屈曲形状と、顎部132、134および延長部136、138の構成とは、U字形の溝22に脊椎ロッド15を移動して入れるのを妨げることがないようにするのに役立つ。より好ましくは、ホルダー組立体100を骨留め具10の上に左右横方向に係合させて顎部132、134を両側壁26、28のうちの一方のみと嵌合させて接触させるようにすることで、脊椎に沿って互いに整列している多数の骨留め具のU字形の溝22に脊椎ロッド15を容易に導入することができるようにしているが、その場合、脊椎ロッドが或る骨留め具10を別な骨留め具10と相互接続している状態となる。すなわち、ホルダー組立体100は、側壁26に形成されている凹部41のみに接触して係合するような、または、側壁28に形成されている凹部42のみに接触して係合するような寸法および形状に設定されて、脊椎ロッド挿入器具50が通路11を閉鎖しないようにすることで、図4にもっともうまく例示されているように、ホルダー組立体100が骨留め具10に係合する際に、U字形の溝22に脊椎ロッド15を導入する妨げとならないようにするのが好ましい。
【0032】
図3Aから図3Dと図4を概観すると、ホルダー組立体100の第1端110には、ホルダー組立体100を医者が容易に握れるようにする鋸歯が設けられたタイプの表面を有しているハンドル112が設けられている。ホルダー組立体100の第1端110の少なくとも一部には、後段でより詳細に説明されるような、垂直方向の駆動機構275と組になって嵌合する寸法および形状に設定された領域114も設けられている。より特定的に説明すると、図示のように、第1接続部材140と第2接続部材150は各々に、一部にねじが切られた領域116、118が設けられており、第1の旋回可能な接続部材140と第2の旋回可能な接続部材150が図3Aに例示されているようにそれぞれの閉鎖位置にある場合には、一部にねじが切られた領域116、118は互いに相関的に整列状態にされることで、後段でより詳細に説明されるように、垂直駆動機構275にねじで結合する1個の均一なねじが切られた領域114を設けている。図示のように、少なくとも一部にねじが切られた領域114がホルダー組立体100の上に形成されるとともにそこに固定的に取付けられて、ねじを切った領域114が接続部材140、150の外面135の上に延びるようにするのが好ましく、その理由は以下で明らかになる。ねじが切られた領域114は、接続部材140、150と一体に形成してもよいし、或いは、接続部材140、150と同じ平面内にあるようにしてもよい
【0033】
更に、図3Aにもっともうまく例示されているように、第1の旋回自在な接続部材140と第2の旋回自在な接続部材150にはまた、第1部材140を第2部材150に閉位置で固着的に取付ける寸法および形状に設定されているロック機構160が設けられている。ロック機構160は、ラチェット式機構、ねじを切ったねじ・ナット式機構などのような(これらに限定されないが)当該技術で周知のロック機構であってもよい。図示のように、ロック機構160は、一方の接続部材140から横断方向に他方の接続部材150まで延びている固定用アーム162を有しているのが好ましい。固定用アーム162は他方の接続部材150に形成されている凹部、すなわち、窪み(図示せず)に係合するような寸法および形状に設定され、ホルダー組立体100が閉位置にあって、この位置でホルダー組立体100が骨留め具10のヘッド部24に固定的に係合すると、固定用アーム162が凹部に係合して、ホルダー組立体100を閉位置に固定的に取付けることができるようになっている。これに代わる例として、または、これに加えて、固定用アーム162には、接続部材150の外面135に接触するショルダー部を有しているフランジが設けられていてもよい。
【0034】
ホルダー組立体100は脊椎ロッド挿入器具50に取外し自在に装着できるようにして、ホルダー組立体100が整復機構200とは無関係に骨具留め具100に取付けられるようにするのが有利である。この態様で、医者は比較的小型で嵩を減じたホルダー組立体100を容易に操作して骨締め具10に係合させることができる。骨留め具10が脊椎に係合状態となって、器具を操作するのに外科手術環境に限られた空間しかなくなった後では、骨留め具10に単独で係合することができるようにすることは特に有利となる。
【0035】
図5を参照すると、整復機構200は、ロッド接触部材210と、垂直駆動機構275と、水平駆動機構300とを含んでいる。図6Aおよび図6Bにもっともうまく例示されているように、整復機構200は、ロッド接触部材210、垂直駆動機構275、および、水平駆動機構300を有している。図6Aおよび図6Bにもっともうまく例示されているように、ロッド接触機構210には第1端212と第2端230が設けられており、第1端212は脊椎ロッド15に接触する寸法および形状に設定されている。
【0036】
ロッド接触部材210は概ねH字型の部材の形態を取って、1対の互いに平行な取付具214、216が設けられており、これら取付具の間に中継部材218が延びている。ロッド接触部材210は概ねH字型の部材であると例示されてきたし、そのように説明されているが、それ以外の形状や寸法も利用できると思われる。取付具214、216のうちの少なくとも一方は、脊椎ロッド15を受け入れる開口部215が設けられる寸法および形状に設定されたフック220を有しており、脊椎ロッド15がロッド接触部材210によって把持されるようになっている。取付具のうちの一方216は脊椎ロッド15を把持するフック220を有しており、他方の取付具214は凹部および/または切欠き222を有しており、脊椎ロッド15を接触させ付勢して、骨取付具10のヘッド部24に形成されているU字型チャネル22と整列状態にするのが好ましい。フック220と凹部222を利用することで、ロッド接触部材210と脊椎ロッド15の間の堅固な接続を尚も維持しながら、必要に応じて医者は脊椎ロッド15をより容易に係合させたり切り離したりすることができるようになる。しかし、これに代わる例として、ロッド接触部材210は1対のフック220または1対の凹部222を備えていてもよい。
【0037】
ロッド接触部材210の第2端230は整復機構200の残余の部分に係合する寸法および形状に設定されている。図示のように、ロッド接触部材210の取付具214、216は各々が中継支持部材240に係合しており、この支持部材がロッド接触部材210を整復機構200の残余の部分と相互接続する。ロッド接触部材210は、ねじ留め、ボルト留め、溶接、接着、圧力嵌めなどのような(これらに限定されないが)当該技術で周知の何らかの機構によって中継支持部材240と接続される。図示のように、ロッド接触部材210は、ねじ、および/または、リベット244を受け入れる1対の穴242を有しており、中継支持部材240と係合するようにすることで、ロッド接触部材210が中継支持部材240と固定的に取付けられて、中継支持部材に相関的に旋回運動することができなくなるのが好ましい。これに代わる例として、ロッド接触部材210は、当該技術で周知の何らかの手段によって、整復機構200の残余の部分に接続されてもよい。ロッド接触部材210は中継支持部材とは別個の構成要素として例示および説明されてきたが、ロッド接触部材210と中継支持部材240は一体成形されてもよいものと考えられる。
【0038】
図5にもっともうまく例示されているように、2個の中継支持部材240は三角形の形状246を取り、その一方がロッド接触部材210のいずれか一方側に配置されるのが好ましい。図7にもっともうまく例示されているように、三角の部材246には三点の角248、250、252があり、そのうち角248にはロッド接触部材210に係合する1対のねじ穴249が設けられており、残りの角250と角252は各々に1個のねじ穴251、253がそれぞれ設けられて、水平駆動機構300と垂直駆動機構275とそれぞれに旋回自在に係合するように図っている。中継支持部材240は概ね三角形の部材であると例示および説明されたが、それ以外の形状や寸法を採用してもよいものと考えられる。
【0039】
図5および図8を参照すると、整復機構200はまた、外側支持構造体260を有している。支持構造体260は、穴253を通して挿入されて支持構造体260に接続される1本のねじまたはピン部材によって、角252の位置で中継支持部材240に旋回自在に接続される。支持構造体260は、概ね矩形であると例示されているが、第1端262、第2端264、駆動領域266、および、ホルダー領域268を有している。支持構造体260のホルダー領域268は、第1端262から第2端264まで延びている貫通穴270を有している。貫通穴270はの寸法および形状は、ホルダー組立体100が閉位置にきた時にホルダー組立体100が嵌合することができるように設定される。支持構造体260の駆動領域266は垂直駆動機構275を受け入れる寸法および形状に設定されている。外側支持構造体260は概ね矩形の部材であると例示および説明されたが、それ以外の形状および寸法が採用されてもよいものと考えられる。
【0040】
図9に例示されているように、垂直駆動機構275は長手方向軸線の方向に細長い部材の形態を呈しており、シャフト277には第1端278、第2端280、および、両者の間で延びている少なくとも一部にねじを切った領域281が設けられているのが好ましい。一部にねじを切った領域281は、第1の部材と第2の部材からなる2個の部材のうちの一方の回転運動の結果として、第2の部材に相関的に第1の部材を並進運動させることができるようにしたものであれば、当該技術で周知のどのような機構であってもよい。一部にねじを切った領域281は、後段でより詳細に説明されるように、垂直機構としての垂直駆動機構275が医者によって回転させられると、垂直駆動機構に相関的にホルダー組立体100が移動させられるような寸法および形状に設定されている。ねじを切った領域281は従来のねじ、溝を設けた領域、ラックとピニオン、ワームギアなどのような形態であればよい。一部にねじを切った領域281は、荷重および/または力を伝達する寸法および形状に設定されているアクメ(Acme)のISOの台形ねじであるのが好ましい。
【0041】
シャフト277の第2端280には、支持部材260の中を通って延びている少なくとも1本のねじ284(図5に例示されているような)とねじで結合する径を減じた凹部282が設けられて、垂直駆動機構275が支持構造体に相関的に軸線方向に固定されていながらも自由に回転することができるようになっているのが好ましい。ここでは、後段でより詳細に説明されるが、シャフト277の、一部にねじを切った領域281とホルダー組立体100に形成されているねじを切った領域114とが互いにねじで結合した結果として、垂直駆動機構275の回転により、ホルダー組立体100を支持構造体260に相関的に移動させることができる。
【0042】
シャフト277の第2端280にもノブ286に堅固に係合するようにした係合部284が設けられて、垂直駆動機構275の取扱いと回転とをより容易にするように図っている。ノブ286は、ピン、ねじ、リベット、溶接、接着、圧力嵌めなどのような(これらに限定されない)当該技術で周知な何らかの手段によって、シャフト277の第2端280に固着される。これに代わる例として、シャフト277の第2端280は、例えば、スクリュードライバ、六角ドライバ、ソケット、パワーツールなどのような駆動機構に係合する寸法および形状に設定されてもよいし、医者により直接係合させられる寸法および形状に設定されていてもよい。
【0043】
図示されているような脊椎ロッド挿入器具50は次のように作動させられる。骨留め具10が患者の骨に取付けられるが、椎骨の椎弓根に取付けられるのが好ましい。その後で、脊椎ロッド挿入器具50が骨留め具10に取付けられる。より詳細には、接続部材140、150を医者が操作することにより、ホルダー組立体100が骨留め具10に取付けられて、前述のように、ホルダー組立体100の第2端130に形成されている顎部132、134が骨留め具10のヘッド部24の両側壁26、28に形成されている凹部41、42に係合するようになっている。その後で、ロック機構160によりホルダー組立体100は閉位置すなわち係合位置にロックされて、ホルダー組立体100の旋回自在な接続部材140、150が互いに相関的に閉鎖され、骨留め具10がホルダー組立体100によって堅固に保持されるとともに、接続部材140、150がロックされ、従って、骨留め具10を離脱させることができないようにする。その後で、ホルダー組立体100に形成されたねじを切った領域114がシャフト277に形成された一部にねじを切った領域281にねじで結合するまで、ホルダー組立体100の第1端を医者が移動させて支持構造体260のホルダー領域268に形成されている貫通穴270の中に入れる。その後で、垂直駆動機構275が例えば反時計方向に回転させられるが、これにより、支持構造体260のホルダー領域268に形成されている貫通穴270の中にホルダー組立体100を更に移動させることができるが、この動作は、シャフト277に形成されている一部にねじを切った領域281とホルダー組立体100のねじを切った領域114を相互作用させることで実施される。その後、脊椎ロッド15は、このとき既に骨留め具10に隣接して置かれているのであるが、ロッド接触部材210によって把持されて、時計方向などの方向に垂直駆動機構275を回転させることで、支持構造体260の駆動領域266の内部でシャフト277を回転させ、延いては、シャフト277の一部にねじを切った領域281をホルダー組立体100のねじを切った領域114にねじで結合させることができるようにしている。この結果、ホルダー組立体100に相関的に、支持構造体260を線形かつ長手方向軸線の方向に運動させ、従って、支持構造体260に間接的に接続されている脊椎ロッド15を、ホルダー組立体100に接続されている骨留め具10に相関的に運動させることができるようになる。この態様で、脊椎ロッド15は骨留め具のヘッド部24に形成されているU字形の溝22の中に移動させられる。その後、脊椎ロッド15は閉鎖キャップによってU字形の溝22に固定される。
【0044】
更に、脊椎ロッド挿入器具50には、U字形の溝22に相関的に横方向に片寄って配置された脊椎ロッド15を移動させるようにした水平駆動機構300が設けられて、ロッドがU字型溝22と垂直方向に整列状態になるようにしている。図10にもっともうまく例示されているように、水平駆動機構300は縦断方向に長手の部材の形態を取っており、シャフト302には第1端304、第2端306、および、両者の間で延びている少なくとも一部にねじが切られた部分308が設けられているのが好ましい。一部にねじが切られた部分308は、第1部材と第2部材からなる2個の部材のうちの一方が回転運動をした結果として第2部材に相関的に第1部材が並進運動することができるようにした、当該技術で周知である何らかの機構であればよい。一部にねじが切られた部分308は、後でより詳細に説明されるように、水平駆動機構300を回転させるにつれて、外側支持構造体260が横方向に延びる支持部材320に相関的に移動させられるような寸法および形状に設定されているのが好ましい。一部にねじが切られた部分308は従来のねじ、溝が設けられた領域、ラックとピニオン、ワームギアなどのような形態を呈していればよい。一部にねじが切られた部分308は、荷重および/または力を伝達する寸法および形状に設定されているアクメ(Acme)のISOの台形ねじであるのが好ましい。
【0045】
一部にねじが切られた部分308は、横方向に延びる支持部材320に形成されている穴322の中に保持される寸法および形状に設定されるのが好ましい。横方向の支持部材320は、図5にもっともうまく例示されているように、1対の中継支持部材240の間に設置されているのが好ましい。横方向の支持部材320は、ねじ留め、リベット留め、溶接、接着、圧力嵌めなどのような(これらに限定されないが)当該技術で周知の何らかの機構によって、中継支持部材240に接続されている。
【0046】
横方向に延びる支持部材320は、略円筒状の部材の形態であるものとして例示されているが、ねじを切った穴332を有しており(図8にもっともうまく例示されている)、この穴が支持部材の中を縦断して延びて、シャフト302の一部にねじを切った部分にねじで結合するように図るのが好ましい。後でより詳細に説明されるように、シャフト302の第1端304は支持構造体260に接続されており、水平駆動機構300の回転が横方向に延びる支持部材320を移動させ、よって、中継支持部材240の角250が支持構造体260から横方向に離れる方向に移動するようになっている。支持構造体260、ホルダー組立体100、従って、骨留め具10は直接的または間接的に一緒に接続されているが、これらを、直接的または間接的に一緒に接続されている中継支持部材240、ロッド接続部材210、よって、脊椎ロッド15に相関的に横方向に移動させることで、横方向に片寄って配置された脊椎ロッド15を骨留め具10のヘッド部24に形成されているU字形の溝22と整列させることができる。
【0047】
水平駆動機構300には、支持構造体260に係合するための球状の第1端310が設けられているのが好ましい。球状の第1端310は、その横側で支持構造体260を通って延びている少なくとも1本のピン312(1対のピン312が好ましい)によって、支持構造体260の第1端262に設けられているスロット(図示せず)の中に固定されており、水平駆動機構300が支持部材260に固着されながらも前記支持部材に旋回自在に接続されて、水平駆動機構300を回転させた結果として横方向の支持部材320がシャフト302に沿って移動するにつれて、シャフト302を角度づけすることができるようにするのが好ましい。
【0048】
垂直駆動機構275と同様に、水平駆動機構300の第2端306には、水平方向駆動機構300の取扱いと回転運動をより容易にするために、ノブ330に堅固に係合するようにした係合部314が設けられている。ノブ330は、ピン、ねじ、リベット、溶接、接着、圧力嵌めなどのような(但し、これらに限定されないが)当該技術で周知の何らかの手段によって、シャフト302の第2端306に固着される。これに代わる例として、シャフト302の第2端306は、例えば、スクリュードライバ、六角ドライバ、ソケット、パワーツールなどのような駆動機構に係合する寸法および形状に設定されてもよいし、医者により直接係合させられる寸法および形状に設定されていてもよい。
【0049】
1つの使用方法では、骨留め具10を患者の椎骨に堅固に係合させ終わると、縦方向の脊椎ロッド15は、以下の要領で脊椎ロッド挿入器具50を使用することにより、骨留め具10のヘッド部24に形成されているU字形の溝22と整列し、前記U字形の溝に導入される。ホルダー組立体100は、まず、骨留め具10に取付けられるが、より具体的に説明すると、ホルダー組立体100の第2端130に形成されている顎部132、134が上述のように骨留め具10のヘッド部24の両側壁26、28に形成されている凹部41、42と嵌合し、または、顎部132、134がまた別な態様で、或いは、何らかの異なる構造体によって骨留め具10に取付けられる。その後、ロック機構160により、ホルダー組立体100は閉位置すなわち係合位置にロックされ、ホルダー組立体100の旋回自在な接続部材140、150が互いに相関的に閉鎖され、骨留め具10がホルダー組立体100によって堅固に保持されるようにする。その後、ホルダー組立体100に形成されたねじを切った領域114がシャフト277の一部にねじを切った部分281とねじで結合するまで、医者がホルダー組立体100の第1端110を移動して支持構造体260のホルダー領域268に形成されている貫通穴270の中に入れる。その後、垂直駆動機構275が、例えば、反時計方向に回転させられるが、これによりホルダー組立体100は支持構造体260のホルダー領域268に形成されている貫通穴270の中に更に移動させられる。その後、脊椎ロッド15は、骨留め具10に隣接して設置されるが、ロッド接触部材210によって係合させられる。次いで、医者は水平駆動機構300を回転させて脊椎ロッド15を横方向に移動させ、骨留め具10の頂端開口部14の上方で脊椎ロッドを垂直方向に整列させるとともにU字形の溝22と整列状態にするよう図っている。より詳細に説明すると、水平駆動機構300は回転ノブ330によって作動されるが、延いては、これがシャフト302を回転させることになる。シャフト302に形成されている一部にねじを切った部分308が、横方向に延びる支持部材320にシャフト302の長尺部に沿って形成されている内側にねじを切った穴322と相互作用する。横方向に延びる支持部材320がシャフト302に沿って移動すると、横方向の支持部材320が中継支持部材240を移動させて、支持部材240が支持構造体260に相関的に旋回運動させられるようにし、それが今度はロッド接触部材210を移動させることになり、このロッド接触部材が脊椎ロッドを横方向に移動させたり、復位させたりする。このように、横方向に片寄って配置された脊椎ロッド15を、骨留め具10のヘッド部24に形成されているU字形の溝222と整列させることができる。
【0050】
その後、垂直駆動機構275の回転により、垂直駆動機構275のシャフト277はホルダー組立体100のねじを切った領域114にねじで結合するようになる。この結果、ホルダー組立体100に相関的に支持構造体260を垂直運動させることができるようになり、従って、支持構造体260に間接的に接続されている脊椎ロッド15を垂直方向に移動させて、骨留め具10に形成されているU字形の溝22の中に収めることができるようになる。その後、脊椎ロッド15は閉鎖キャップによってU字形の溝22の中に固定される。
【0051】
本発明を好ましい実施形態に関連づけて説明してきた。しかし、これらの実施形態は単なる具体例として説明されたにすぎず、本発明はこれら実施形態に限定されないし、制約を受けるものでもない。斯くして、添付の特許請求の範囲の各請求項によって限定されるような本発明の範囲内で上記以外の複数の変形および修正を容易に行うことができるものと理解するべきであり、従って、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ制約を受けるものと解釈するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態による、骨留め具と脊椎ロッドを係合させる脊椎ロッド挿入器具の斜視図である。
【図2】骨締め具の部分図である。
【図3A】図1の脊椎ロッド挿入器具のホルダー組立体の斜視図である。
【図3B】図3Aに例示されているホルダー組立体の底面図である。
【図3C】図3Aに例示されているホルダー組立体の側面図である。
【図3D】図3Aに例示されているホルダー組立体の頂面図である。
【図4】図3Aに例示されているホルダー組立体が骨締め具と係合しているのを例示した斜視図である。
【図5】図1の脊椎ロッド挿入器具の整復機構の斜視図である。
【図6A】ロッド接触部材の頂面図である。
【図6B】図6Aに例示されているロッド折衝部材の側面図である。
【図7】中継支持部材の側面図である。
【図8】図1に例示されている脊椎ロッド挿入器具の断面側面図である。
【図9】水平駆動機構の側面図である。
【図10】垂直駆動機構の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手の脊椎ロッドを骨留め具の中に押込む用途の外科手術器具であって、留め具にはヘッド部と骨係合部が設けられており、ヘッド部には底面と、U字形の溝の外郭を定めている左右両側壁と、頂端開口部とが設けられている外科手術器具において、
骨留め具に係合するホルダー組立体を備え、前記ホルダー組立体は、鋏式形状に配置された1対の旋回自在な接続部材を有しており、ホルダー組立体には第1端と第2端が設けられており、第1端の少なくとも一部には溝がある領域が設けられており、第2端は骨留め具のヘッド部に係合する寸法および形状になっており、
さらに、骨留め具に相関的に脊椎ロッドを移動させる整復機構を備え、前記整復機構は、ロッド接触部材と、外側支持構造体と、垂直駆動機構とを含んでおり、ロッド接触部材には第1端と第2端が設けられており、第1端は脊椎ロッドに接触する寸法および形状に設定されており、外側支持構造体には第1端、第2端、駆動領域、および、ホルダー領域が設けられており、ホルダー領域は支持構造体の第1端に第1開口部が設けられて、ホルダー組立体の第1端の少なくとも一部を受け入れるようになっており、駆動領域には空洞が設けられて、垂直駆動機構の少なくとも一部を受け入れるようになっており、垂直駆動機構は、ホルダー組立体の、溝を有している領域に係合する形状の長手の部材を有しており、垂直駆動機構が運動することでホルダー組立体に相関的に整復機構を移動させるようにしたことを特徴とする、外科手術器具。
【請求項2】
前記骨留め具の前記両側壁には対向端面が設けられており、各端面には凹部が形成されて、前記外科手術器具を嵌合させるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項3】
前記凹部には1対の端部壁と、両端部壁の間に配置されている載置部とが設けられて、前記外科手術器具を嵌合させるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の外科手術器具。
【請求項4】
前記ホルダー組立体の前記第2端には1対の顎部が設けられており、両顎部は各々に延長部が形成されて、前記延長部が前記骨留め具の前記両側壁に形成されている前記凹部に嵌合し、ホルダー組立体が、前記U字形の溝の中に張出すことなく、骨留め具と係合することができるようにしたことを特徴とする、請求項3に記載の外科手術器具。
【請求項5】
前記延長部は前記骨留め具の前記ヘッド部に形成されている前記載置部に嵌合する寸法および形状に設定されていることを特徴とする、請求項4に記載の外科手術器具。
【請求項6】
前記ホルダー組立体の前記第2端には1対の顎部が設けられており、前記顎部は各々に延長部が形成されて、前記骨留め具の前記ヘッド部に形成されている前記両側壁のうちの一方とのみ嵌合するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項7】
前記溝を有している領域には複数の凹部と突起部が設けられており、前記長手の部材の少なくとも一部にねじが切られており、このねじは前記凹部および前記突起部と相互作用する寸法および形状に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項8】
前記垂直駆動機構の回転により、前記外側支持構造体に相関的に前記ロッド接触部材を垂直方向に移動させることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項9】
前記ホルダー組立体は前記整復機構に取外し自在に装着されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項10】
前記ホルダー組立体の前記第1端には、医者がホルダー組立体を容易に握ることができるようにするためのハンドルが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項11】
前記ホルダー組立体の前記第1の旋回自在な接続部材には溝を有する領域が設けられており、前記領域には複数の凹部と突起部が形成されており、前記第2の旋回自在な接続部材にも溝を有する領域が設けられており、前記領域には複数の凹部と突起部が形成されて、第1の旋回自在な接続部材と第2の旋回自在な接続部材が閉位置にくると、第1の接続部材と第2の接続部材の溝を有している領域が互いに整列し合い、その結果、前記凹部と前記突起部が整列して均一な、溝を有する領域を形成するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項12】
均一な、溝を有する前記領域は前記ホルダー組立体の頂面の張出部に形成されて、溝を有する領域が旋回自在な前記両接続部材の頂面より上方へ張出すようにしたことを特徴とする、請求項11に記載の外科手術器具。
【請求項13】
前記ホルダー組立体の前記第1の旋回自在な接続部材と前記第2の旋回自在な接続部材はロック機構を有しており、閉位置で第1の接続部材を第2の接続部材に不動に固定させるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項14】
前記ロック機構には、旋回自在な前記両接続部材のうちの一方から他方に向けて横断方向に延びて、他方の旋回自在な接続部材に形成されている凹部に嵌合するようにした固定アームが設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の外科手術器具。
【請求項15】
前記ロック機構には、横方向のエッジに嵌合する寸法および形状に設定されたショルダー部を有している固定アームが設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の外科手術器具。
【請求項16】
前記ロッド接触部材はH字型の部材であって、1対の平行な取付具を有しており、前記両取付具の間に中継部材が延びていることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項17】
前記両取付具のうちの少なくとも一方の第1取付具には、前記脊椎ロッドに係合する寸法および形状に設定されたフックが設けられていることを特徴とする、請求項16に記載の外科手術器具。
【請求項18】
前記両取付具のうちの他方の第2取付具には凹部が設けられ、前記凹部が前記脊椎ロッドと接触して、脊椎ロッドを偏倚させて、前記骨留め具の前記ヘッド部に形成されている前記U字形の溝と脊椎ロッドを整列状態するようにしたことを特徴とする、請求項17に記載の外科手術器具。
【請求項19】
前記ロッド接触部材の前記第2端は前記外側支持構造体に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項20】
前記ロッド接触部材の前記第2端は少なくとも1個の中間の支持部材に接続されており、前記中間の支持部材は前記ロッド接触部材を前記外側支持構造体に相互接続していることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項21】
前記ロッド接触部材の前記第2端は1対の中間の支持部材に接続されていることを特徴とする、請求項20に記載の外科手術器具。
【請求項22】
前記中間の支持部材は三角形の部材の形態を呈していることを特徴とする、請求項21に記載の外科手術器具。
【請求項23】
前記中間の支持部材は前記ロッド接触部材には固定的に接続されているが、前記外側支持構造体には旋回自在に接続されていることを特徴とする、請求項22に記載の外科手術器具。
【請求項24】
前記ロッド接触部材は前記外側支持構造体に旋回自在に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項25】
前記垂直駆動機構は、第1端、第2端、および、両端の間で延びる少なくとも一部にねじを切った領域が設けられたシャフトを有していることを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項26】
前記シャフトは前記外側支持構造体に相関的に軸線方向に固定されていながらも、自由に回転することができ、シャフトが回転することで前記ホルダー組立体が外側支持構造体に相関的に直線的に移動するようにしたことを特徴とする、請求項25に記載の外科手術器具。
【請求項27】
前記シャフトは前記ホルダー組立体に形成されている、溝を有している領域にねじで結合することを特徴とする、請求項26に記載の外科手術器具。
【請求項28】
前記シャフトの前記第2端には、ノブに堅固に係合するようにした係合部が設けられていることを特徴とする、請求項27に記載の外科手術器具。
【請求項29】
前記骨留め具の前記ヘッド部に形成されている前記U字形の溝に相関的に前記脊椎ロッドを横方向に移動させるようにした水平駆動機構を更に備えている、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項30】
前記外科手術器具は、シャフトおよび横方向に延びる支持部材を有する水平駆動機構を更に備えており、前記シャフトには第1端、第2端、および、少なくとも一部にねじを切った部分が設けられており、シャフトの第1端は前記外側支持構造体に接続されており、横方向に延びる支持部材は前記ロッド接触部材に直接的または間接的に接続されており、シャフトの一部にねじを切った部分は横方向に延びる支持部材と相互作用して、水平駆動機構が作動することで、ロッド接触部材を横方向に移動させるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項31】
前記横方向に延びる支持部材には、この支持部材を貫通して延びる、ねじを切った穴が設けられて前記シャフトにねじで結合するようにし、シャフトが回転することで前記外側支持構造体に相関的に、前記横方向に延びる支持部材を移動させた結果、前記ロッド接触部材を横方向に移動させるようにしたことを特徴とする、請求項30に記載の外科手術器具。
【請求項32】
前記水平駆動機構には、前記外側支持構造体に嵌合する球状の第1端が設けられていることを特徴とする、請求項31に記載の外科手術器具。
【請求項33】
前記球状の第1端は前記支持構造体の内部に捕捉されることを特徴とする、請求項32に記載の外科手術器具。
【請求項34】
前記球状の第1端は、前記支持構造体を通って延びている1対のピンによって支持構造体の内部に捕捉されることを特徴とする、請求項33に記載の外科手術器具。
【請求項35】
前記シャフトの前記第2端には、ノブに堅固に係合するようにした係合部が設けられていることを特徴とする、請求項30に記載の外科手術器具。
【請求項36】
長手の脊椎ロッドを骨留め具の中に押込む用途の外科手術器具であって、留め具にはヘッド部と骨係合部が設けられており、ヘッド部には底面と、U字形の溝の外郭を定めている左右両側壁と、頂端開口部とが設けられている外科手術器具において、
骨留め具に係合するホルダー組立体を備え、前記ホルダー組立体は、
ホルダー組立体は、鋏式形状に配置された1対の旋回自在な接続部材を有しており、ホルダー組立体には第1端と第2端が設けられており、第1端の少なくとも一部には溝がある領域が設けられており、第2端は骨留め具のヘッド部に係合する寸法および形状になっており、
さらに、骨留め具に相関的に脊椎ロッドを移動させる整復機構を備え、前記整復機構は、ロッド接触部材と、外側支持構造体と、垂直駆動機構とを有してり、ロッド接触部材には第1端と第2端が設けられており、第1端は脊椎ロッドに接触する寸法および形状に設定されており、外側支持構造体には第1端、第2端、駆動領域、および、ホルダー領域が設けられており、ホルダー領域は支持構造体の第1端に第1開口部が設けられて、ホルダー組立体の第1端の少なくとも一部を受け入れるようになっており、駆動領域には空洞が設けられて、垂直駆動機構の少なくとも一部を受け入れるようになっており、垂直駆動機構は、ホルダー組立体の、溝を有している領域に係合する形状の長手の部材を有しており、垂直駆動機構が運動することでホルダー組立体に相関的に整復機構を第1の方向に移動させるようにしており、
さらに、シャフトおよび横方向に延びる支持部材を有する水平駆動機構を備え、前記水平駆動機構のシャフトには第1端、第2端、および、少なくとも一部にねじを切った部分が設けられており、シャフトの第1端は外側支持構造体に接続されており、横方向に延びる支持部材はロッド接触部材に直接的または間接的に接続されており、シャフトの、一部にねじを切った部分が横方向に延びる支持部材と相互作用して、水平駆動機構が作動することでロッド接触部材を横方向に第2の方向に移動させるようにしたことを特徴とする、外科手術器具。
【請求項37】
前記溝を有している領域には複数の凹部と突起部が設けられており、前記長手の部材の少なくとも一部にねじが切られており、このねじは前記凹部および前記突起部と相互作用する寸法および形状に設定されていることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項38】
前記垂直駆動機構の回転により、前記ロッド接触部材を前記外側支持構造体に対して垂直方向に移動させることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項39】
前記ホルダー組立体は前記整復機構に取外し自在に装着されていることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項40】
前記ホルダー組立体の前記第1端には、医者がホルダー組立体を容易に握ることができるようにするためのハンドルが設けられていることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項41】
前記ホルダー組立体の前記第1の旋回自在な接続部材には溝を有する領域が設けられており、前記領域には複数の凹部と突起部が形成されており、前記第2の旋回自在な接続部材にも溝を有する領域が設けられており、前記領域には複数の凹部と突起部が形成されて、第1の旋回自在な接続部材と第2の旋回自在な接続部材が閉位置にくると、第1の接続部材と第2の接続部材の溝を有している領域が互いに整列し合い、その結果、前記凹部と前記突起部が整列して均一な、溝を有する領域を形成するようにしたことを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項42】
均一な、溝を有する前記領域は前記ホルダー組立体の頂面の張出部に形成されて、溝を有する領域が旋回自在な前記両接続部材の頂面より上方へ張出すようにしたことを特徴とする、請求項41に記載の外科手術器具。
【請求項43】
前記ホルダー組立体の前記第1の旋回自在な接続部材と前記第2の旋回自在な接続部材はロック機構を有しており、閉位置で第1の接続部材を第2の接続部材に不動に固定させるようにしたことを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項44】
前記ロック機構には、旋回自在な前記両接続部材のうちの一方から他方に向けて横断方向に延びて、他方の旋回自在な接続部材に形成されている凹部に嵌合するようにした固定アームが設けられていることを特徴とする、請求項43に記載の外科手術器具。
【請求項45】
前記ロック機構には、横方向のエッジに嵌合する寸法および形状に設定されたショルダー部を有している固定アームが設けられていることを特徴とする、請求項43に記載の外科手術器具。
【請求項46】
前記ロッド接触部材はH字型の部材であって、1対の平行な取付具を有しており、前記両取付具の間に中継部材が延びていることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項47】
前記両取付具のうちの少なくとも一方の第1取付具には、前記脊椎ロッドに係合する寸法および形状に設定されたフックが設けられていることを特徴とする、請求項46に記載の外科手術器具。
【請求項48】
前記両取付具のうちの他方の第2取付具には凹部が設けられ、前記凹部が前記脊椎ロッドと接触して、脊椎ロッドを付勢して、前記骨留め具の前記ヘッド部に形成されている前記U字形の溝と脊椎ロッドを整列状態するようにしたことを特徴とする、請求項47に記載の外科手術器具。
【請求項49】
前記ロッド接触部材の前記第2端は前記外側支持構造体に接続されていることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項50】
前記ロッド接触部材の前記第2端は少なくとも1個の中間の支持部材に接続されており、前記中間の支持部材は前記ロッド接触部材を前記外側支持構造体に相互接続していることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項51】
前記ロッド接触部材の前記第2端は1対の中間の支持部材に接続されていることを特徴とする、請求項50に記載の外科手術器具。
【請求項52】
前記中間の支持部材は三角形の部材の形態を呈していることを特徴とする、請求項51に記載の外科手術器具。
【請求項53】
前記中間の支持部材は前記ロッド接触部材には固定的に接続されているが、前記外側支持構造体には旋回自在に接続されていることを特徴とする、請求項52に記載の外科手術器具。
【請求項54】
前記ロッド接触部材は前記外側支持構造体に旋回自在に接続されていることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項55】
前記垂直駆動機構は、第1端、第2端、および、両端の間で延びる少なくとも一部にねじを切った領域が設けられたシャフトを有していることを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項56】
前記シャフトは前記外側支持構造体に相関的に軸線方向に固定されていながらも、自由に回転することができ、シャフトが回転することで前記ホルダー組立体が外側支持構造体に相関的に直線的に移動するようにしたことを特徴とする、請求項55に記載の外科手術器具。
【請求項57】
前記シャフトは前記ホルダー組立体に形成されている、溝を有している領域にねじで結合することを特徴とする、請求項56に記載の外科手術器具。
【請求項58】
前記横方向に延びる支持部材には、前記支持部材を貫通して延びる、ねじを切った穴が設けられて前記シャフトにねじで結合するようにし、シャフトが回転することで前記外側支持構造体に相関的に、前記横方向に延びる支持部材を移動させた結果、前記ロッド接触部材を横方向に移動させるようにしたことを特徴とする、請求項36に記載の外科手術器具。
【請求項59】
前記水平駆動機構には、前記外側支持構造体に嵌合する球状の第1端が設けられていることを特徴とする、請求項58に記載の外科手術器具。
【請求項60】
前記球状の第1端は前記支持構造体の内部に捕捉されることを特徴とする、請求項59に記載の外科手術器具。
【請求項61】
前記球状の第1端は、前記支持構造体を通って延びている1対のピンによって支持構造体の内部に捕捉されることを特徴とする、請求項60に記載の外科手術器具。
【請求項62】
前記シャフトの前記第2端には、ノブに堅固に係合するようにした係合部が設けられていることを特徴とする、請求項61に記載の外科手術器具。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−505740(P2008−505740A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537856(P2007−537856)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/021635
【国際公開番号】WO2007/037772
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【Fターム(参考)】