説明

脊椎固定デバイス

脊椎固定デバイスにおける使用のための可撓性連結ユニットは、第1および第2の端を有する長軸部材と;第1および第2の端の間に位置される少なくとも1つのスペーサであって、少なくとも1つのスペーサは、第1の材料から作られる第1の部分と第2の材料から作られる第2の部分とを備える、少なくとも1つのスペーサと;少なくとも1つのスペーサの長軸チャンネルの中に位置される少なくとも1つの可撓性部材であって、第1および第2の端は、長軸方向において少なくとも1つの可撓性部材に対する少なくとも1つのスペーサの動きを実質的に制限する、少なくとも1つの可撓性部材とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本特許出願は、2005年3月3日出願された米国特許出願第11/072,886号の一部継続出願に対して利益を主張し、該出願は、2004年12月10日に出願された米国特許出願第11/009,097号の一部継続出願であり、該出願は、2004年3月10日に出願された米国特許出願第10/798,014号の一部継続出願であり、該出願は、2003年12月5日に出願された米国特許出願第10/728,566号の一部継続出願であり、該出願は、2003年9月24日に出願された韓国特許出願第2003−0066108号に対して、35U.S.C.§119(a)に基づく優先権を主張し、その全体が本明細書において参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、脊柱を安定させるための方法およびシステムに関し、より詳細には、1つ以上のねじ型固定部材が患者の脊柱部分に移植および固定され、様々な断面の可撓性、半剛の棒状または板状の構造(以下、それぞれ「棒」または「板」という)を含む長軸部材が、固定部材の上端に連結および固定されることにより脊柱の安定性を提供する、脊椎固定の方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
椎間板変性疾患(DDD)、脊椎狭窄症、脊椎すべり症などの脊柱変性疾患は、保存療法で改善しない場合に外科手術が必要になる。一般的に、最初に行う外科的処置は、脊椎除圧術である。その除圧の主な目的は、脊柱のある組織を摘出することにより脊柱管およびそこに位置する神経根への圧力を軽減し、その圧力により生じる圧力や痛みを軽減または解消することにある。脊柱の組織が摘出されると痛みは軽減されるが、脊柱は弱くなる。従って、癒合手術(例えば、ALIF、PLIF、または後外側固定術)は、多くの場合に、除圧処置後に脊椎を安定させるために必要になる。しかしながら、外科的処置後、癒合によって最大の安定性を得るまでには時間をさらに要するので、脊椎固定デバイスが、一般的に、所望のレベルの癒合が達成されるまで脊柱を支持するために使用される。患者特有の事情や病状に従って、癒合処置を行わずに、脊椎固定術が除圧の直後に行われる場合がある。固定手術は手術の直後に安定性を提供するので、固定手術は多くの症例において行われ、癒合手術が行われた場合にも、充分な癒合と安定性が達成されるまで脊椎を支持する。
【0004】
脊椎固定の従来の方法は、損傷した脊椎部位を支持し、損傷部位の運動を防ぐために、剛な脊椎固定デバイスを利用する。このような従来の脊椎固定デバイスは、椎弓根または背骨の仙骨に所定の深さや角度で挿入されるように構成されている固定ネジ、損傷した脊椎部位に隣接して配置されるように構成されている棒または板、および損傷した脊椎部位を比較的固定された位置に棒または板によって支持および保持するように、棒または板を固定ネジに連結および結合する結合要素を備えている。
【0005】
特許文献1は従来の脊椎固定デバイスを開示し、該デバイスにおいて、棒または板状の連結部材は、椎弓根または背骨の仙骨に挿入される少なくとも1つ以上のネジの上端に装着される。棒や板などの連結ユニットは、除圧により弱くなった脊柱の損傷部位を安定させるために使用される。連結ユニットはまた、脊柱の運動を大幅に抑制することにより、患者へのさらなる疼痛や損傷を防ぐ。しかしながら、連結ユニットは、長期間の使用後に脊柱の通常の動作を防ぐため、脊椎固定デバイスは、脊柱に関連する合併症および異常をさらにもたらす「関節症候群」(通過症候群)や「癒合症」などの悪影響を及ぼすことがある。特に、従来の固定デバイスに使用される棒または板の高い剛度が原因で、手術後に患者の固定された関節が動かず、手術領域の上下に位置する脊椎の関節の動きが増加する。従って、このような脊椎固定デバイスは、患者の可動性を低下させ、手術領域に隣接する脊柱の関節に対する応力や不安定性を増加させる。
【0006】
脊椎の固定は過度に剛な、剛な固定により生じる荷重の防護のために、癒合処置には有用でないこと報告されている。従って、荷重を共有する半剛の脊椎固定デバイスを使用する試験が、このような問題を排除し、骨の癒合プロセスを補助するために行われている。例えば、特許文献2、特許文献3、および特許文献4は、骨の癒合を促進するために軸方向の荷重変動(すなわち、脊椎の垂直軸に沿って)を可能にする可撓性のある設計を有する動的脊椎安定デバイスを開示する。しかしながら、このようなデバイスは、骨の癒合処置後の使用を意図されており、癒合を行わない脊椎固定にはあまり適していない。従って、最終的な結果として、このようなデバイスは、癒合により生じる剛な固定の問題を解決しない。
【0007】
剛な固定に関する上記の問題を解決するために、非癒合技術が開発されている。Grafバンドは、非癒合固定デバイスの一例であり、骨を癒合せず除圧後に適用される。Grafバンドは、ポリエチレンのバンドと、そのポリエチレンバンドを安定性を必要とする脊椎に結合する椎弓根スクリューとにより構成される。Grafバンドの主な目的は、損傷した脊椎部位の矢状回転(sagittal rotation)(屈曲不安定)を防ぐことにある。従って、特定の症例には効果的であるが、さらなる安定性および固定を必要とする症例には適していない。非特許文献1、非特許文献2を参照されたい。「Dynesys」という別の非癒合固定デバイスが最近導入された。非特許文献3、非特許文献4を参照されたい。DynesysデバイスはGrafバンドと似ているが、Dynesysデバイスは、スクリューの間にポリカーボウレタンのスペーサを使用し、2つの対応する椎弓根スクリューの先端の間の距離を維持し、それによりスクリューが固定される隣接する椎骨の距離を保つ。Dynesysデバイスの発明者による初期段階の報告によると、そのデバイスは多くの症例において成功している。しかしながら、Dynesysデバイスが、可撓性および耐久性を有して長期にわたって安定性を保持できるか否かについてはまだ綿密な研究で判定されていない。なぜならば、そのデバイスはポリエチレンの構成要素および界面を有するので、機械的故障のリスクを有するからである。さらに、デバイスの機械的構成により、デバイスを脊柱に取り付けるために必要な外科技術は、手間が掛かり複雑である。
【0008】
特許文献5および特許文献6は、プラスチック製で非金属の棒を使用した可撓性脊椎固定システムおよび方法を開示する。特許文献7は、細長い可撓性部材を使用する可撓性脊椎安定デバイスの別の例を開示する。このようなデバイスは可撓性であるが、持続的な軸方向の荷重や応力に耐えることにはあまり適していない。さらに、所望の可撓性に対する剛度の程度は、患者によって変化し得る。既存の可撓性固定デバイスの設計は、個々の対象者それぞれにとって最善の結果を提供する可撓性レベルを変更するには適していない。例えば、特許文献2は、金属合金および/または複合材料から作られる可撓性棒を利用する可撓性脊椎固定デバイスを開示する。さらに、所望の方向への回転を抑止する力を椎骨に提供するために、圧縮バネまたは引っ張りコイルバネが棒の周りに巻かれる。しかしながら、この特許は、主に、脊椎の「(その)垂直軸に沿って相対的長軸方向へ並進して滑動する移動(translational sliding movement)」を可能にする脊椎固定デバイスを提供することに関し、様々な可撓性特性を提供する連結ユニット(例えば、棒または板)に関する何らの特定の設計を教示も示唆もしない。特許文献2に記載の従来の可撓性棒は、一般的に、所望のレベルの可撓性を提供するために、比較的小さな直径を有する中実構造を有する。それらは、一般的に適切な可撓性を提供するために非常に薄いために、このような従来技術の棒は、機械的故障を起こしやすく、患者への移植後に破損することで公知である。
【0009】
従って、従来の脊椎固定デバイスは、脊椎疾患治癒に関する問題に対して包括的でバランスのとれた解決策を提供していない。従来のデバイスの多くが、過度な剛度によって特徴付けられ、該剛度が上記のような問題を引き起こし、その他のデバイスはいくらか可撓性があるが、長軸間の安定性を提供し可撓性の程度を変更するにはあまり適していない。従って、所望の程度の可撓性を脊柱の損傷部位に提供し、また、長期にわたる耐久性および一貫した安定性を脊柱に提供する、動的脊椎固定デバイスを改善する必要性がある。
【0010】
さらに、脊椎固定デバイスを脊柱に固定する従来の外科手技において、医師は、背部の正中線を約10〜15cmまで切開し、それを解剖して両側に開創する。このようにして、医師は、筋肉解剖を行って、面関節の外側部分を露出する。次に、その解剖の後に、医師は、X線デバイス(例えば、CアームX線透視検査)を使用して椎弓根への挿入点を検出し、脊椎固定デバイスの固定部材(以下、「椎弓根スクリュー」)を椎弓根に挿入する。その後、連結ユニット(例えば、棒または板)が、脊柱の損傷部位に支持と安定性を提供するために、椎弓根スクリューの上部に取り付けられる。従って、従来の脊椎固定処置においては、患者の背部が約10〜15cm切開され、結果として脊柱を保持するために重要である背部筋肉が切開または損傷され、術後の疼痛および回復期間の遅れを患者にもたらす。
【0011】
最近、患者の外傷を軽減するために、外科的処置における患者の背部の部位において切開される比較的小さい穴または「窓」を通して脊椎固定手術を実施することが可能である最小侵襲性外科処置が普及している。内視鏡または顕微鏡の使用を通じて、最小侵襲性手術は、患者の患部の切開をさらにより小さくすることを可能にする。このようなより小さな切開を通じて、脊椎固定デバイスの2つ以上の固定部材(例えば、椎弓根スクリュー)は、ナビゲーションシステムを使用してそれぞれの椎弓根部位にねじ込まれる。その後、固定デバイスの安定部材(例えば、棒または板)を固定部材に連結するために特別な器具が使用される。代替的にまたはさらに、外科的処置は、段階的拡張器を切開部に挿入し、拡張の直径を徐々に増大させることをさらに含み得る。その後、管状開創器が拡張された領域に挿入され、患者の筋肉を開創し、手術のための視野を提供する。この視野が確立されると、除圧および必要であれば癒合処置が実施されることがあり得、その後に、固定処置が続き、該固定処置は、椎弓根位置を検出するステップと、椎弓根スクリューを椎弓根に挿入するステップと、内視鏡または顕微鏡を使用するステップと、弱くなった脊柱を安定よび支持するために、安定部材(例えば、棒または板)を椎弓根スクリューに固定するステップとを含む。
【0012】
最小侵襲性脊椎固定処置を実施するうえで最も課題となる局面の一つは、内視鏡または顕微鏡による可視化により椎弓根スクリューの挿入点の位置付けをすることである。通常、解剖学的ランドマークおよび/またはX線デバイスは、挿入点を検出するために使用されるが、明確な解剖学的関係は、多くの場合に、限定された作業空間のために特定することが困難である。さらに、最小侵襲性処置は、多量の軟組織が、椎弓根スクリュー挿入領域の解剖学的構造を明らかにするために摘出されることを必要とする。この軟組織の摘出は、患部における出血をもたらし、その結果、固定部材を挿入するための正確な位置を検出することをさらに困難にし、手術部位の周囲の筋肉および軟組織をさらに損傷させる。さらに、固定部材の挿入点の位置を正確に決定することが困難であるために、従来の処置は不必要に外傷をもたらす。
【0013】
X線技術が、固定部材が挿入される椎弓根の位置をより正確かつ迅速に検出するために、提案および実施されている。しかしながら、外科手術中に使用される金属の器具や設備によるX線干渉により、X線技術を使用して対応する椎弓根の位置を検出するために必要な鮮明な画像を得ることは、多くの場合に困難となる。さらに、X線画像を読み取り、解釈することは、かなりの訓練と専門知識を必要とする複雑な作業である。X線は、患者が大量の放射線にさらされるという点でさらなる問題を提起する。
【0014】
椎弓根の所望の挿入点への椎弓根スクリューの挿入を誘導するいくつかの誘導システムが開発されているが、このような従来のシステムは、使用することが困難であり、さらに手術処置の妨げになることが立証されている。例えば、椎弓根スクリュー挿入の従来の誘導システムは、患者の背部の筋肉および組織に挿入される誘導管を通して挿入される長いワイヤを利用する。誘導管の挿入場所は、X線手段(例えば、CアームX線透視デバイス)で決定され、誘導管の第1の端部が、椎弓根の骨の表面の所望の位置に到達するまで駆動される。その後、一般的に生体適合性金属材料から作られる誘導ワイヤの第1の端部が、誘導管に挿入され、椎弓根の骨まで差し込まれ、ワイヤの反対側の端部は、患者の背部から突き出ている。誘導ワイヤが椎弓根の骨に固定されると、誘導管は摘出され、誘導ワイヤを中心とする穴は拡張および開創される。最後に、誘導ワイヤを受け取るように構成される軸方向の穴またはチャンネルを有する椎弓根スクリューが、誘導ワイヤにより椎弓根の骨の所望の位置まで誘導され、そこで、椎弓根スクリューは、椎弓根にねじ込まれる。
【0015】
ワイヤによる誘導システムの概念は優れているが、実際には、誘導ワイヤは使用することが非常に困難である。比較的長くて細いワイヤであるために、誘導ワイヤの構造的完全性は、多くの場合にワイヤの一端を椎弓根の骨まで駆動させようとする間に機能しなくなり、そのプロセスを不必要に時間がかかり面倒なものにする。さらに、ワイヤは、挿入中に屈曲し、波状になるので、その後の器具および椎弓根スクリューを椎弓根の挿入点に誘導するための円滑で安定した固定を提供しない。さらに、現在の経皮的なワイヤによる誘導システムは、内視鏡または顕微鏡の使用により直接的に可視化することなく、CアームX線透視検査(またはその他のX線デバイス)と共に使用される。従って、現在のワイヤによる誘導システムは、誤った位置設定または椎弓根の破損に対する潜在的リスクをもたらす。最後に、ワイヤの一端が椎弓根スクリューの頭部および患者の背部から突き出ているので、このワイヤは、脊椎固定手術に伴う次の様々な処置を実施する際に外科医の自由な動作を妨げる。したがって、内視鏡または顕微鏡による可視化の下で最小侵襲性椎弓根スクリュー固定処置における使用に適合可能であり、椎弓根に移植することが容易であり、外科医により実施される次の処置を妨げない改善された誘導システムを提供する必要性がある。
【0016】
上記のように、脊椎疾患を治癒させるために使用される既存の方法およびデバイスは、大幅な改善を必要としている。最も従来的な脊椎固定デバイスは、あまりにも剛であり、可撓性がない。このような過度の剛度は、脊椎のさらなる異常および疾患に加え、かなりの不快感を患者にもたらす。既存の脊椎固定デバイスには、一定のレベルの可撓性を提供するものもあるが、これらのデバイスは、各特定の患者に対する所望のレベルの可撓性を提供するために、様々なレベルの可撓性が簡単に取得され得るように設計も製造もされていない。さらに、可撓性連結ユニット(例えば、棒または板)を有する従来技術のデバイスは、機械的故障に関してさらなる危険性をもたらし、脊椎の長期にわたる耐久性および安定性を提供しない。さらに、脊椎固定デバイスが固定される椎弓根または背骨の仙骨の正確な位置を検出することが困難であるために、脊椎固定処置を実施する既存の方法は不必要に患者に外傷をもたらす。
【特許文献1】米国特許第6,193,720号明細書
【特許文献2】米国特許第5,672,175号明細書
【特許文献3】米国特許第5,540,688号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/0037111号明細書
【特許文献5】米国特許第5,282,863号明細書
【特許文献6】米国特許第4,748,260号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0083657号明細書
【非特許文献1】Kanayamaら、Journal of Neurosurgery 95(補遺1):2001年、p.5−10
【非特許文献2】MarkwalderおよびWenger、Acta Neurochrgica 145(3):p.209−14
【非特許文献3】Stollら、European Spine Journal 11 補遺2:2002年、p.S170−8
【非特許文献4】Schmoelzら、J.of Spinal Disorder & Techniques、2003年、16(4):p.418−23
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、損傷または弱体化した脊柱を安定させる改善された方法およびシステムを提供することによって、上記およびその他の必要性に取り組む。
【0018】
1つの実施形態において、従来の脊椎固定デバイスの欠点を克服するために、本発明の発明者は、改善された構成および設計を有する、新規な可撓性脊椎固定デバイスを発明した。該デバイスは、耐久性があり、所望のレベルの可撓性および安定性を提供する。
【0019】
手術領域の近くにある組織への損傷を最小化するために、最小侵襲性脊椎手術に必要な手術時間を削減するよう長期にわたって行われた研究の結果として、別の実施形態において、本発明は、脊椎固定デバイスの固定部材が挿入される脊柱の位置を正確かつ迅速に検出する方法およびデバイスを提供する。新規の誘導/標識付けデバイスが、固定部材が挿入される脊柱における位置を示すために使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、図面を参照して以下に詳細に説明され、同様の要素については全体を通して同一の数字を使用して参照される。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に従う、脊椎固定デバイスを示す。脊椎固定デバイスは、図3に関して以下にさらに詳細に説明されるように、2つの固定部材2(2’および2’’として表示)、および結合アセンブリ14内に受け取りおよび固定されるように構成された可撓性固定棒4を備える。各固定部材2は、患者の椎弓根に挿入およびねじ込まれるように構成されるネジ山の入ったねじ型シャフト10を備える。図1に示されるように、ねじ型シャフト10は、シャフト10の長さ全体にわたって形成される外側のらせん状のネジ山12と、指定の場所で患者の脊柱に挿入されるよう構成されるシャフト10の端部にある円錐形先端を備える。固定部材2が脊柱に挿入および固定され、棒4にしっかりと結合され得るならば、その他の公知の形状の固定部材2が本発明に関連して使用され得る。
【0022】
上記のように、脊椎固定デバイスは、脊柱の所望の位置に固定部材2を装着することによって、脊椎疾患の外科処置のために使用される。一実施形態において、棒4は、脊柱の2つ以上の椎骨間にわたって伸び、これらの2つ以上の椎骨の動きを安定させるために固定部材2によって固定される。
【0023】
図2は、本発明のさらなる実施形態に従う、脊椎固定デバイスの斜視図を示す。図2の脊椎固定デバイスは、図1の脊椎固定デバイスと同様であるが、棒4が、棒4の2つの剛な端部9の間で並列される可撓性中間部8を備える点で異なる。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に従う、結合アセンブリ14の様々な構成要素を示す図1および図2の固定部材2の分解図を提供する。図3に示すとおり、結合アセンブリ14は、ネジ型シャフト10の上端に位置する円筒形頭部16と、円筒形頭部16の内側の壁面部分に沿って形成されるらせん状のネジ山または溝18と、および棒4を受け取るように構成されるU字状の据付け溝20とを備える。結合アセンブリ14は、ナット22の外側面に形成されるらせん状のネジ山24を有する外側にネジ山の入ったナット22をさらに備え、らせん状のネジ山24は、円筒形頭部16の内側のらせん状のネジ山18と嵌合するように構成される。さらなる実施形態において、結合アセンブリ14は、外側にネジ山の入ったナット22を被覆および保護し、さらにしっかりと棒4を据付け溝20に保持するために、円筒形頭部16の一部分を覆うように装着されるように構成される固定キャップ26を含む。一実施形態において、固定キャップ26の内径は、円筒形頭部16の外径としっかりと嵌合するように構成される。対応して配置される切欠と溝(図示せず)などの、円筒形頭部に固定キャップ26を固定するその他の方法は、当業者には容易に理解される。好適な実施形態において、固定部材2の構成要素および部品は、高剛および耐久性のある生体適合性材料、例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、チタン、またはチタン合金から作製され得る。さらにまたは代替的に、非金属の生体適合性材料がまた使用され得る。例えば、ポリマ、エラストマ、樹脂、セラミック、およびそれらの組み合わせなどである。そのような材料は当該分野において公知である。当該分野において公知であるように、本明細書で使用される場合に、「生体適合性」材料とは、患者の身体に移植された後に、いかなる有害な化学反応も免疫反応も引き起こさない材料をいう。
【0025】
図1および2に示されるように、好適な実施形態において、棒4は、結合手段14の収容溝20に棒4を水平に受け取ることによって、固定手段2のネジ山の入ったシャフト10の長手方向に対して垂直に固定手段2に結合される。次に、外側にネジ山の入ったナット22は、棒4の上側の円筒形頭部16に受け取りおよびねじ込められ、据付け溝20に棒4を固定する。次に、固定キャップ26は円筒形頭部16を覆うように置かれ、円筒形頭部16の内部空洞における構成要素を被覆、保護し、これらの構成要素をさらにしっかりと固定する。図4〜図7は、本発明に従う、固定デバイスに使用され得る棒4の様々な実施形態の斜視図を示す。図4は、図1の棒4を示し、棒全体は、可撓であるように作製および設計される。一実施形態において、棒4は所定の厚さの円筒形壁5を有する金属チューブまたはパイプを備える。代替的な実施形態において、棒4は、生体適合性金属−合成ハイブリッド材料、または完全に生物適合性の合成材料から作られるチューブを備え得る。生体適合性金属の例は、チタン、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、コバルト、クロミウム、ニッケル、およびそれらの合金である。生体適合性合成材料の例は、ポリマ、エラストマ、樹脂、プラスチック、カーボングラファイト、およびそれらの複合物である。そのような材料は当該分野において公知である。
【0026】
一実施形態において、棒4に可撓性を提供するために、円筒形壁5は、らせん状の切り込みまたは溝6を形成するように、棒4の長さに沿って、らせん状に切り込まれる。当業者には明白であるように、らせん状の溝6の幅と密度は、所望のレベルの可撓性を提供するように調整され得る。一実施形態において、溝6は、棒4の円筒形壁の全厚を貫く極細のらせん状の切り込みまたは切開により形成される。当業者に公知であるように、管状壁5の厚さおよび材料はまた、可撓性の程度に影響する。
【0027】
一実施形態において、棒4は、正常な背部の可撓性と実質的に等しい可撓性を有するように設計される。正常な背部の可撓性の範囲は、当業者には公知であり、通常の技能を有する者でも、管状壁5の厚さと材料、および溝6の幅と密度を容易に決定し、通常の背部の範囲内における所望の可撓性または可撓性範囲を達成することができる。本明細書で溝6に言及する場合、用語の「密度」は、らせん状の溝6の詰まり、すなわち、図4に示されるような隣接する溝のライン6の間の距離を意味する。しかしながら、本発明が、特定の所定の可撓性範囲に限定されないことを理解されたい。一実施形態において、所望の横方向の可撓性特性を有するだけでなく、棒4の剛度は、患者の自然脊椎の残りの部分に対して均等になるように、脊椎の垂直軸に沿って患者の脊柱に加えられる垂直軸方向の荷重に耐えることが可能であるべきである。
【0028】
図5は、図2の棒4を示し、中間部8のみが可撓であるように作製および設計されており、2つの端部9は剛であるように作られる。一実施形態において、端部9を剛にするために、溝がない金属の端部リングまたはキャップ9’が、図4の棒4のそれぞれの端部に配置され得る。リングまたはキャップ9’は、金属をプレスおよび/または溶接して結合するなどの公知の方法を使用して、棒4の両端に永久的に付着され得る。別の実施形態において、らせん状の溝6は、中間部8の長手方向に沿ってのみ切り込まれ、端部9は溝6有さない管状壁5を備えている。溝6を持たない管状側壁5は、剛な金属または金属のハイブリッド材料から作製され、高い剛度を示す。
【0029】
図6は、多数のセクション、つまり、3つの剛なセクション9の間に交互に配置される2つの可撓性セクション8を有する棒4のさらなる実施形態を示す。本実施形態は、例えば、3つの隣接する椎骨を相互に安定させるために使用され得、3つの椎弓根スクリューはこれらの椎骨のうちの1つにそれぞれ固定され、3つの剛な部分9は、図3に関して上に説明したように、それぞれの椎弓根スクリュー2の結合アセンブリ14に連結される。可撓性部分8および剛な部分9の各々は、図5に関して上記されたように作製され得る。
【0030】
図7は、「脊椎前弯症」として知られる患者の脊椎の湾曲に適合し、その湾曲を保持しつつ、脊柱を安定させる予め曲げられた構造および構成を有する棒4の別の実施形態を示す。概して、患者の腰骨は「C」字形状であり、棒4の構造は、本発明の一実施形態に従う図2の脊椎固定デバイスにおいて利用されるときに、通常の腰骨の形状に一致して形成される。一実施形態において、予め曲げられた棒4は、2つの剛な端部9の間に置かれ、可撓であるように作製および設計される中間部8を備える。中間部8および端部9は、図5に関して上記されたように作製され得る。様々なサイズ、長さ、および予め曲げられた構造の金属または金属ハイブリッドの管状棒を製造する方法は、当該分野において周知である。さらにまたは代替的に、図23Aに関して以下にさらに詳細に説明されるように、棒4の予め曲げられた構造および設計は、2つの隣接する椎弓根スクリューが相互に平行に挿入されないときに、スキュー角(skew angle)をずらし得る。
【0031】
可撓性管状棒4または可撓性中間部8を形成するために使用されるさらなる設計および材料が、図8〜図10に関して以下に説明される。図8は、本発明の一実施形態に従う可撓性管状棒4または棒部8の斜視断面図を示す。本実施形態において、可撓性棒4、8は、図4〜図7に関して上に説明されたように、中に切り込まれるらせん状の溝6を有する第1の金属チューブ5から作られる。中に切り込まれるらせん状の溝31と、第1のチューブ5よりも小さい直径を有する第2のチューブ30は、第1のチューブ5の円筒形空洞に挿入される。一実施形態において、第2のチューブ30は、第1のチューブ5に切り込まれるらせん状の溝6に対して反対のらせん状方向で切り込まれるらせん状の溝31を有し、よって、第2のチューブ30の回転ねじれ特性は、少なくともある程度の第1のチューブ5の回転ねじれ特性を相殺する。第2の可撓性チューブ30は、第1のチューブの中核に挿入され、さらなる耐久性および強度を可撓性棒4、8に提供する。第2のチューブ30は、第1のチューブと同一または異なる材料から作製され得る。好適な実施形態において、第1のチューブ5および第2のチューブ30を製造するために使用される材料はそれぞれ、次の例示的な生体適合性金属:チタン、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、コバルト、クロミウム、ニッケル、およびそれらの合金のうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせであり得る。代替的な実施形態において、チューブ5および30は、生体適合性金属−合成ハイブリッド材料、または完全に生物適合性の合成材料から作製され得る。生体適合性合成材料の例は、ポリマ、エラストマ、樹脂、プラスチック、カーボングラファイト、およびそれらの複合物である。そのような材料は当該分野において公知である。
【0032】
図9は、本発明のさらなる実施形態に従う可撓性棒4、8の斜視断面図を示す。一実施形態において、可撓性棒4、8は、スチールヤーン、チタンヤーン、またはチタン合金ヤーンなどの複数の重なる細い金属ヤーンを備える生体適合性金属ワイヤ32で作られる内核を備える。ワイヤ32は、上に説明されたような中に切り込まれたらせん状の溝6を有する金属または金属ハイブリッドの可撓性チューブ5に包まれる。ワイヤ32の金属ヤーンの数および太さはまた、棒4、8の剛度および可撓性に影響する。ヤーンの数、太さ、または材料を変更することによって、可撓性は増加または減少され得る。従って、ワイヤ32の金属ヤーンの数、太さ、および/または材料は、患者の特定の必要性に応じて所望の剛度および可撓性を提供するように調整され得る。当業者は、棒4、8に対する所望の剛度対可撓性のプロフィールを達成するために、チューブ5の所与の可撓性に関連して、ヤーンの数、太さ、および材料を容易に決定し得る。代替的な実施形態において、ワイヤ32および複数のヤーンは、上記のような生体適合性金属−合成ハイブリッド材料、または完全に生物適合性の合成材料から作製され得る。
【0033】
図10は、可撓性棒4のさらに別の実施形態を示し、可撓性チューブ5が、非金属性で可撓性核34を包む。様々な実施形態において、核34は、例えば、公知の生体適合性金属、生体適合性形状記憶合金(例えば、ニチノール)または、炭素繊維、ポリエテールエテールケトン(PEEK)、ポリエテールケトンケトンエーテルケトン(PEKKEK)、もしくは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの生体適合性合成材料から作製され得る。
【0034】
図11は、図9に関して上記したように、編組金属ワイヤ棒35を形成するために、中に複数の金属ワイヤ32が織り交ぜられ、または編組されている可撓性棒35の別の実施形態の斜視図を示す。編組金属ワイヤ棒35は、上記のような金属ワイヤ32と同一の材料から作製され得る。上記のようなワイヤ32の剛度および可撓性の可変性に加え、編組棒35の剛度および可撓性は、編組構造35で使用されるワイヤ32の数や太さを変更することによって、所望の特性を達成するためにさらに修正され得る。例えば、正常で健康的な脊椎の公知の湾曲範囲内での様々な湾曲レベルまたは範囲を達成するために、当業者は、編組金属ワイヤ棒35を作製するために使用されるワイヤの異なる太さ、数、および材料によって提供される湾曲を変更および測定することによって、様々な設計の編組金属ワイヤ棒35を容易に製造し得る。さらなる実施形態において、編組金属ワイヤ棒35の各端部は、図5〜図7に関して上記されたような剛な金属キャップまたはリング9’によって包まれており、可撓性中間部8と剛な端部9とを有する棒4を提供する。さらなる実施形態において(図示せず)、編組金属ワイヤ棒35は、図8〜図10に示される実施形態と同様の方法で、可撓性金属棒4または棒部8を作製するために、中に切り込まれるらせん状の溝6を有する金属チューブ5に包まれる可撓性内核として利用され得る。本明細書で使用される場合に、用語「編組」または「編組構造」は、重なる様式で織り交ぜられる2つ以上のワイヤ、ストリップ、ストランド、リボン、および/またはその他の形状の材料を含む。ワイヤ、ストリップ、ストランド、リボン、および/またはその他の形状の材料を織り交ぜる様々な方法は、当該分野において公知である。このような織り交ぜる技術は本発明に含まれる。別の例示的な実施形態において(図示せず)、可撓性金属棒35は、斜めに重なるパターンで織り交ぜられる2つ以上の金属ストリップ、ストランド、またはリボンを有する編組金属構造を備える。
【0035】
図12Aは、2つの剛な端部9’と、端部間に配置されている例示的な数の剛性スペーサ37とを有する可撓性連結ユニット36のさらなる実施形態を示す。一実施形態において、剛な端部9’およびスペーサは、上記されたような生体適合性金属、金属ハイブリッドおよび/または合成材料の材料で作製され得る。連結ユニット36は、図9に関して上記されたような剛な端部9’とスペーサ37の各々における軸方向の空洞または穴(図示せず)を横断する可撓性ワイヤ32とをさらに備える。図12Bは、ワイヤ32がどのように剛な端部9’およびスペーサ37の中央軸穴に挿入されるかをさらに示す連結ユニット36の分解図を示す。図12Bにさらに示されるように、端部9’およびスペーサ37のそれぞれは、直接隣接する端部9’またはスペーサ37におけるメス型連結空洞(図示せず)に嵌合するように構成される、オス型の連結部材38を備える。図12Cは、分解側面図を図示し、対応するオス型連結部材38を収容するためのメス型連結空洞39の位置および構成を破線で示す。
【0036】
図13は、本発明の別の実施形態に従う可撓性連結ユニット40の斜視図を示す。連結部40は、上記の連結ユニット36と同様であるが、しかしながら、スペーサ42は、剛な端部9’と同一の形状および設計を有するように構成されている。さらに、端部9’は、横方向の側面に配置される出穴または溝44を有し、この穴または溝を通して、ワイヤ32が、出され、引っ張られ、クランプで固定され得るかまたは金属クリップ(図示せず)もしくはその他の公知の技術を使用して固定され得る。このようにして、可撓性連結ユニット36または40の長さは、手術時に変更され、各患者特有の解剖学的特徴に合わせ得る。一実施形態において、ワイヤ32は、金属クリップまたはストッパー(図示せず)を使用して固定され得る。例えば、クリップまたはストッパーは、ワイヤ32が貫通できるように、ワイヤ32の直径よりわずかに大きい内径を有する小さな管状の円筒形を備え得る。ワイヤ32が管状ストッパーを通じて所望の張力まで引っ張られると、ストッパーは、圧迫されてその中に含まれるワイヤ32を摘む。あるいは、ワイヤ32は、公知の技術を使用して、所定の数のスペーサ37、42を有する連結ユニット36、40の製造時に予め固定され得る。
【0037】
図14は、本発明の別の実施形態に従う脊椎固定デバイスを示す。脊椎固定デバイスは、外側のらせん状のネジ山12を有する細長いネジ型シャフト10を含む少なくとも2つの固定部材2と、結合アセンブリ14とを備える。デバイスは、2つの固定部材2の結合部品14にしっかりと連結されるように構成される板状連結ユニット50、または単に「板50」をさらに備える。板50は、それぞれが平面を有し、可撓性中間部8により相互に連接される2つの剛な連結部材51を備える。可撓性中間部8は、図4〜図11に関して上記された実施形態のいずれかに従って作製され得る。各連結部材51は、結合アセンブリ14の第2のネジ山の入ったシャフト54(図15)によって受け取られるように構成される結合穴52を含む。
【0038】
図15に示されるように、固定部材2の結合アセンブリ14は、第1のネジ山の入ったシャフト10の先端に隣接し、第1のネジ山の入ったシャフト10の円周よりも大きい円周または直径を有するボルトヘッド56を備える。第2のネジ山の入ったシャフト54は、ボルトヘッド56から上部に延びる。結合アセンブリ14は、ボルトヘッド56の上面に対して連結部材51をクランプで固定し、しっかりと板50を椎弓根スクリュー2に装着するために、第2のネジ山の入ったシャフト54と嵌合するように構成される内側にネジ山を有するナット58、および1つ以上の座金60をさらに備える。
【0039】
図16Aおよび16Bは、少なくとも2つの結合部材51、および2つの隣接する連結部材51の間に配置および装着される少なくとも1つの可撓性部分8を有する板状連結ユニット40の2つの実施形態を示す。図16Aおよび図16Bに示されるように、可撓性中間部8は、図11に関して上記されたように可撓性金属編組ワイヤ構造36を備える。しかしながら、可撓性部分8は、図4〜図11に関して上記された実施形態のいずれか、またはそれらの組み合わせに従って設計および製造され得る。図16Cおよび16Dは、図16Aの板50の側面図および上面図それぞれを示す。上記のように、異なる型の可撓性中間部8を有する可撓性連結ユニット50および58の製造に関する異なる実施形態は、既知の冶金、有機ポリマ、天然樹脂、または複合材料、ならびに適合する製造プロセスおよび機械プロセスを使用して容易に達成される。
【0040】
図16Eは、本発明のさらなる実施形態に従う、予め曲げられた板状の連結ユニット50’の側面図を示す。この板状の連結ユニット50’は、板50と同様であるが、連結部材51’は、板状連結ユニット50’の製造の間に平行面53から角度θで形成または曲げられる点で異なる。図7の予め曲げられた棒状連結ユニット4に関して上記されたように、この予め曲げられた構成は、脊椎の自然湾曲(例えば、前弯)をまねて、支持するように設計される。さらにまたは代替的に、図23Aに関連して以下にさらに詳細に説明されるように、二つの隣接する椎弓根スクリューが相互に平行に挿入されない場合に、この予め曲げられた構造はスキュー角をずらし得る。
【0041】
図17は、椎弓根スクリュー2の第2のネジ山の入ったシャフト44を受け取るために結合穴64をそれぞれに有する2つの板状連結部材62を備える板状連結ユニット60の斜視図を示す。可撓性中間部8は、2つの連結部材62の間に配置され、それらに装着される。一実施形態において、可撓性中間部8は、図9に関連して上に説明されたようにワイヤ32と同様の方法で作られるが、図9に示されるような円筒形または円形の構成の代わりに長方形の構成を有する。しかしながら、可撓性中間部8は、上に説明された実施形態のいずれかの設計および材料に従って作製され得ることが理解される。
【0042】
図18は、図17の板60さらなる実施形態の斜視図を示し、結合穴64は、ナット58(図15)を結合穴64に据付けおよび固定するために、連結部材62の上部に切り込まれた1つ以上のナット案内溝66を備える。ナット案内溝66は、ナット58の少なくとも一部分を受け取りおよび保持し、連結部材62が椎弓根スクリュー2のボルトヘッド56にクランプで固定された後に結合穴64内でのナット58の横滑りを防止するように構成される。
【0043】
図19は、図4〜図7に関して上記されたような剛な棒状連結部材4、9、または9’を連結ユニット70の一端に有し、そして図14〜図18に関して上記されたような板状連結部材51または62を連結ユニット70の他端に有するハイブリッドの板状および棒状の連結部70の斜視図を示す。一実施形態において、可撓性部材8が、棒状連結部材9(9’)と板状連結部材52(64)の間に配置される。可撓性部材8は、図8〜図13に関連して上に説明された実施形態のいずれかに従って設計および製造され得る。
【0044】
図20は、図19のハイブリッドの板状および棒状の連結ユニット70を利用する脊椎固定デバイスの斜視図を示す。図20に示されるように、この固定デバイスは、2つの型の固定部材2(例えば、椎弓根スクリュー)を利用し、図15に関して上記されたような板状連結部材42(64)をしっかりと保持するように構成される第1の固定部材2’、および図3に関連して上記されたような棒状連結部材4、9、または9’をしっかりと保持するように構成される第二の固定部材2’’である。
【0045】
図21は、図1に示される実施形態に従う、椎骨を柔軟に安定させるために、二つの隣接する椎骨80および82に装着された後の、二つの脊椎固定デバイスの上面斜視図を示す。図22Aおよび22Bは、脊椎の二つ以上の隣接する椎骨に装着された後の、図16Aの可撓性安定部材50および16Bの可撓性安定部材58を使用する脊椎固定デバイスの上面斜視図をそれぞれ示す。
【0046】
図23Aは、二つの隣接する椎骨の椎弓根に移植された後の、脊椎固定デバイスの側面図を示す。この図に示されるように、椎弓根スクリュー2は、椎弓根の骨に装着され、その結果、スクリュー2の中心軸80が、平行面82から角度θだけずれるようにし、2つのスクリュー2の中心軸80が相互に角度約2θだけずらされる。最小侵襲手術を実施する際に限られた利用可能なスペースを使用することにより、この型の椎弓根スクリュー2の非平行挿入が頻繁に行われる。さらに、椎弓根スクリュー2は、患者の脊椎の元々の湾曲(例えば、前弯)により、平面から斜めにされる傾向を有し得る。従って、椎弓根スクリュー2が椎弓根に最終的に非平行に固定されるので、棒状または板状の連結ユニットを椎弓根スクリュー2のそれぞれに装着するときには、このスキューを相殺することが望ましい。
【0047】
図23Bは、本発明の一実施形態に従う、椎弓根スクリューの頭部の側面図を示す。スクリュー2は、図3に関して上に説明されたような円筒形頭部16と同様の円筒形頭部84を含むが、円筒形頭部84は、上に説明されたような椎弓根スクリュー2の傾斜またはスキューθをずらす傾斜方向で、可撓性棒4を受け取りおよび保持するように構成される傾斜据付け部86を含む。改善された椎弓根スクリュー2は、円筒形頭部84の空洞内にしっかりと適合し、傾斜据付け部86と同じ傾斜で棒4を押し下げるように構成される傾斜安定スペーサ88をさらに含む。椎弓根スクリュー2は、傾斜スペーサ88および棒4を傾斜据付け部86、つまり椎弓根スクリュー2の円筒形頭部84にクランプで締め付けて固定するために、円筒形頭部84の内面に沿ったらせん状のネジ山(図示せず)に嵌合するように構成される、外側にネジ山の入ったナット22をさらに含む。
【0048】
図23Cは、本発明の実施形態に従う、傾斜スペーサ88の斜視図を示す。スペーサ88は、円形の中央部90と、円形の中央部90の反対側から外側に延びる二つの長方形の端部92を含む。図23Dは、椎弓根スクリュー2のスキュー角θを補正または相殺するための、一端から別端への傾斜をさらに示すスペーサ88の側面図を示す。図23Eは、棒4および傾斜スペーサ88を受け取るよう構成される円筒形頭部84の上面図を示す。棒4は円筒形頭部84の円筒形側壁の二つの開口部またはスロット94を介して受け取られ、棒4が円筒形頭部84の円形または円筒形の空洞96に入り、円形または円筒形空洞94内で形成される傾斜据付け部86の先端に留まることを可能にする。棒4が傾斜据付け部86に配置されると、傾斜安定スペーサ88は空洞96に受け取られ、その結果、2つの長方形状の端部92が二つのスロット94内で受け取られ、それにより円筒形空洞96内でのスペーサ88の横方向の回転を防止する。最後に、外側にネジ山の入ったナット22および固定キャップ26は、傾斜スペーサ88の上に挿入され、スペーサ88と棒4を円筒形頭部84内でしっかりと保持する。
【0049】
図24は、椎弓根スクリュー2が挿入される椎弓根上の所望の位置を標識付けし、最小侵襲性手術法を使用して椎弓根スクリュー2を標識付けされた位置に誘導するための標識付けおよび誘導デバイス100の斜視図を示す。図24に示されるように、標識付けデバイス100は、患者の筋肉および組織を貫通し椎弓根まで達する一端に鋭い先端105を有する内部トロカール104を中空部内に受け取る管状の中空ガイダ52を含む。内部トロカール104は、他端にトロカールグリップ106をさらに含み、トロカール104の挿入および除去を容易にする。一実施形態において、標識付けおよび誘導デバイス100は、誘導ハンドル108を含み、デバイス100の操作を容易にする。
【0050】
図25に示されるように、トロカール104は、管状のガイダ102の中空に挿入されるように、ガイダ102の中空部の内径よりも小さい直径を有する長いチューブまたは円筒の形状である。トロカール104は、椎弓根を通って椎骨を貫通するために、さらに鋭いまたは先の尖った先端105をさらに含む。トロカール104は、トロカール104が中空部から完全に滑り落ちないようにするために、ガイダチューブ102の中空の直径よりも大きい直径を有するトロカールグリップ106をさらに含む。トロカールグリップ106はまた、トロカール104の操作を容易にする。
【0051】
図26Aおよび26Bは、標識付けおよび誘導デバイス100が患者の背部に挿入され、筋肉および軟組織を通して椎弓根上の所望の位置に達した後の、標識付けおよび誘導デバイス100の斜視図を示す。所望の位置は、X線または放射線画像などの公知の技術を使用して比較的短い時間で決定される。標識付けおよび誘導デバイス100が挿入された後に、患者は長い間X線照射を浴びる必要はない。図26Bに示されるように、誘導チューブ102が椎弓根の所望の位置に配置されると、内部トロカール104は取り除かれ、基準ピン(図示せず)が誘導チューブ102の中空部に挿入され、その後に椎弓根に固定されることを可能にする。
【0052】
図27Aおよび27Bは、基準ピン110および112の2つの実施形態の斜視図をそれぞれ示す。上記のように、本発明に従う基準ピン110および112は、中空ガイダ102を通過した後に、椎弓根に挿入および固定される。ピン110および112は、ガイダ102の中空部を通過するために、ガイダチューブ102の中空部の内径よりも小さい直径を有する円筒形の形状を有する。各基準ピンの端部は、脊柱の椎弓根に容易に挿入および固定されるように構成される、鋭く尖った先端111である。一実施形態において、図27Bに示されるように、基準ピンの他端には、ピン112を抜き出すために、回収器(図示せず)の内側にネジ山の入ったチューブに嵌合するように構成されるネジ山の入ったシャフト114が組み込まれている。この回収器は、図32に関して以下でさらに詳細に説明される。
【0053】
基準ピン110、112は、好適には、椎弓根に容易に挿入するために、耐久性のあり剛な生体適合性金属(例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、チタン、チタン合金)から作られる。従来技術の誘導ワイヤとは対照的に、比較的長さが短く、より剛な構造のために、基準ピン110、112は、曲げまたは構造破損のリスクを負うことなく椎弓根内まで容易に駆動される。上記されたように、従来技術の誘導ワイヤを駆動するプロセスは、多くの場合に非常に困難であり、かつ時間を要する。椎弓根上の挿入点への基準ピン110、112の挿入は、外科医にとって非常に容易かつ便利であり、さらに、患者の背部から突き出る誘導ワイヤによってその後の処置を妨げることはない。
【0054】
図28は、差し込みトロカール116の本体より大きい直径の円筒形頭部118を有する円筒形の差し込みトロカール116を示す。本発明に従う差し込みトロカール116は、基準ピン110または112を椎弓根内まで駆動し固定するために、基準ピン110または112がガイダ102の中空部に挿入された後、ガイダ102の中空部に挿入される。このピンの挿入処置の間に、医師は、トロカール頭部118をノミまたはハンマーで打ち、基準ピン110および112を椎弓根内まで駆動する。好適な実施形態において、差し込みトロカール116は円筒形チューブの形状であり、ガイダチューブ112の中空部の内径より小さい直径を有する。差し込みトロカール116はまた、医師がノミまたはハンマーで容易に打つことを可能にするように、差し込みトロカール116の直径よりも大きい直径を有する円筒形頭部118を含む。もちろん、代替的な実施形態において、ハンマーまたはノミは必ずしも必要ではない。例えば、各症例の病状によって、外科医は、差し込みトロカール116の頭部118を自身の掌またはその他の物で押すことまたは叩くことを選択し得る。
【0055】
図29Aは、ハンマーまたは木槌120、および差し込みトロカール116がピン110、112をガイダチューブ102の中空部を通して、椎弓根の指定された位置まで駆動するためにどのように使用され得るかを示す。図29Bは、二つの基準ピン110、112が二つの隣接する椎骨まで駆動および固定された後の、脊柱の斜視断面図を示す。
【0056】
基準ピン110または112が、上に説明のように椎弓根に挿入された後、一実施形態において、椎弓根スクリュー2を椎弓根の骨に容易に挿入および装着することを可能にするように、各ピン110、112を中心とする大きめの穴または領域が作成される。大きめの穴は、図30に示されるような管状目打ち122を使用して作成される。管状目打ち122は、椎弓根の所望の位置に固定された基準ピン110、112を覆うように挿入される。目打ち122は、円筒形の中空チューブの形状であり、この中空部の内径は、ピン110、112が目打ち122の中空部に挿入され得るように、基準ピン110および112の外径よりも大きい。目打ち122は、基準ピン110、112を中心とする大きめの挿入点を形成するために、組織および骨を切断および穿孔するための1つ以上の鋭い歯124を第1の端にさらに含み、その結果、椎弓根スクリュー2がさらに容易に椎弓根に移植され得る。図31は、椎弓根スクリュー2(図示せず)のための大きめの挿入穴を形成するために、基準ピン110、112を覆うように、管状目打ち122が患者の背部の最小侵襲性切開に挿入されるときの、患者の脊柱の斜視断面図を示す。図31に示されるように、開創器130は、手術領域の最小侵襲性切開に挿入され、開創器130の下部の管状本体は、手術領域から離すように周辺の組織を外側へ押すように拡大され、外科医が手術するためにさらなるスペースおよび視野を提供する。一実施形態において、開創器130を挿入するために、最小侵襲性切開は、患者の背部において、2つの基準ピン110、112を挿入するために使用される誘導チューブ102の2つの挿入点の間で作られ、これらを連結する。開創器130が挿入される前に、一連の段階的拡張器(図示せず)を使用して最小侵襲性切開を事前に拡大することが、一般的に必要とされており、後で使用する拡張器は、それぞれ前の拡張器より大きい直径を有する。最後の段階的拡張器が適所に置かれると、開創器130は、下部の管状体が格納され、拡張されていない状態で挿入される。開創器130が所望の深さまで椎弓根に差し込まれた後、下部の管状部は、その後、図31に示されるように拡大される。段階的拡張器および開創器の使用は、当該分野において周知である。
【0057】
一実施形態において、管状目打ち122が椎弓根スクリュー2のための大きめの挿入穴を作成した後に、基準ピン110、112は摘出される。上記のように、基準ピン112が使用された場合に、椎弓根スクリュー2の移植前に、回収デバイス140が使用され、基準ピン112を除去し得る。図32に示されるように、回収器140は、基準ピン112の外側にネジ山の入った上部114と嵌合するように構成される、内側にネジ山の入った端142を有する長い管状または円筒形の部を備える。回収器の端142がネジ山の入った端114の上にねじ込まれると、医師は、基準ピン112を椎弓根から引き抜き得る。別の実施形態において、ネジ山の入った上部を持たない基準ピン110が使用される場合に、適切な器具(例えば、特製ニードルノーズプライヤー)が使用され、ピン110を引き抜き得る。
【0058】
代替的な実施形態において、基準ピン110、112は椎弓根から除去されない。代わりに、特製の椎弓根スクリュー144が、ピン110、112を事前に除去することなく、ピン110、112を覆うように椎弓根に挿入され得る。図33に示されるように、特製の椎弓根スクリュー144は、外側にネジ山の入ったシャフト10、および可撓性棒状連結ユニット4(図4〜図13)を受け取る円筒形頭部16(図3)を含む結合アセンブリ14(図3)を含む。代替的に、結合アセンブリ14は、図14〜図20に示されるような板状連結ユニットを受け取るよう構成され得る。椎弓根スクリュー144は、開口部146をシャフト10の先端に有し、基準ピン110、112をその中に受け取るように構成される、長手方向軸チャンネル(図示せず)をネジ山の入ったシャフト10の内側にさらに含む。
【0059】
図34は、挿入デバイス150を使用して椎弓根スクリュー2が第1の椎弓根に挿入された後の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。当該分野で公知である様々な型の挿入デバイス150が、椎弓根スクリュー2を挿入するために使用され得る。図34に示されるように、第1の椎弓根スクリュー2が移植された後、開創器130は、第二の基準ピン110、112の位置に第二の椎弓根スクリューの挿入のためのスペースおよび視野を提供するために、わずかに調整および移動される。
【0060】
図35は、本発明に従う、二つの椎弓根スクリュー2が二つのそれぞれの隣接する椎弓根に移植された後の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。椎弓根スクリュー2が適所に置かれると、図4〜図20に関して上記されたような可撓性棒状、板状、またはハイブリッドの連結ユニットが、脊椎の柔軟性のある安定を提供するために、椎弓根スクリューに連結され得る。その後、開創器130は取り除かれ、最小侵襲性切開は閉鎖および/または縫合される。
【0061】
図36Aは、本発明のさらなる実施形態に従う、脊椎固定のための可撓性棒200の斜視図を示す。棒200は、図1〜図3に関連して上に説明されたような固定部材2によって固定されるように構成される。好適な実施形態において、以下に説明される棒200、棒210、220、230、および240は、公知の生体適合性材料、例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、チタン、チタン合金、ニチノール、および他の適切な金属、金属−合成ハイブリッド、もしくは非金属の材料または複合物などで作られる中実の円筒形の棒からなる。図36Aに示されるように、らせん状の溝202は、棒200の円筒形の本体の長手方向の少なくとも一部分に沿って切り込まれるかまたは形成される。例示的な実施形態において、棒の長さ「l」は、4センチメートルから8センチメートル(cm)の間であり得、その円筒の直径「D」は、4ミリメートルから8ミリメートル(mm)である。らせん状の溝202は、0.1mmから0.5mmの間の幅「w」と、水平から50度から85度の間であるらせん状の角度θとを有する。らせん状の溝202の間の距離は、3mmから6mmの間であり得る。しかしながら、当業者には理解されるように、上記の寸法は、単に例示的なものであり、特定の患者または用途に適切である所望の可撓性、ねじれ、および強度の特性を達成するために変更され得る。
【0062】
図36Bは、図36AのB−Bの線に沿って切られた、可撓性棒200の断面図を示す。図示されるように、らせん状の溝202は、円筒形棒200の中心の長手方向軸に向かって切り込まれる。溝は、中実または中空の棒に、ヘリックスまたは中断されたヘリックスのように、らせん状に連続的に形成され得るか、または中実の棒に対して不連続の円周方向の溝として形成され得る。中空の棒が不連続の円周方向の溝を形成する場合に、これらの溝は、不連続となるのを回避するために、部分的にのみ棒の材料を貫通し得る。一実施形態において、溝202の深さは、図36Bに示されるように棒200の円筒半径にほぼ等しく、円筒形の棒200の中心の長手方向軸の深さまで貫通する。しかしながら、棒の断面積および形状、長手軸方向部材の溝付き部の溝の深さ、溝幅、溝の断面形状、および溝から溝の間の間隔は、必要に応じて機械的特徴および構造的特徴を調整するために変更され得る。例えば、溝の深さまたは幅が増加すると可撓性が増加するが、溝から溝の間の間隔が増加すると、可撓性が減少する。これは、指定の曲げ力における棒の曲げの程度を修正し、棒の曲げ形状をあつらえ、曲げる間に棒における機械的応力を均一にして、材料疲労を最小限に抑え、棒の信頼性を向上するために使用され得る。
【0063】
図37Aは、本発明の別の実施形態に従う、脊椎固定のための可撓性棒210を示す。棒210は、棒210の本体に穿孔または形成される複数の横断型穴またはトンネル212を備える。一実施形態において、トンネル212は、円筒型棒210の中心の長手方向軸を水平から角度Φで貫通する。各トンネル212の開口部は、棒210の円筒形壁で向かい合って位置され、隣接するトンネル212は、円筒形壁の一側面で共通の開口部を共有し、図37Aに示されるように、棒210の中心の長手方向軸を横断して貫通する内部トンネル212のジグザグ模様を形成する。一実施形態において、各トンネル212の直径Dは、棒210の所望の機械的特徴および構造的特徴(例えば、可撓性、ねじれ、および強度)に応じて0.2mmから3mmの間で変更され得る。しかしながら、これらの寸法は例示的であり、使用される材料ならびに所望の構造的特徴および機械的特徴に応じて、その他の直径Dが所望され得ることが理解される。同様に、水平線からの角度Φが変更されることにより、トンネル212の数または隣接するトンネル212間の距離が変更され得る。
【0064】
図37Bは、図37AのB−Bの線に沿って切られた、可撓性棒210の断面図を示す。トンネル212は、棒210の中心の円筒軸を通るように切り込まれ、その結果トンネル212の開口部が、棒210の円筒形側壁で向かい合って形成される。
【0065】
図38Aは、本発明のさらなる実施形態に従う、脊椎固定のための可撓性棒220の斜視図を示す。棒220は、図36Aおよび36Bに関して上記されたらせん状の溝202の他に、図37Aおよび37Bに関して上記された横断トンネル212を組み込む。らせん状の溝202は、棒220の円筒形の壁面に棒220の中心の縦方向軸に向かって切り込まれる。上記のように、らせん状の溝202の寸法およびその水平線からの角度θ(図36A)は、所望の機械的特徴および構造的特徴に応じて変更され得る。同様に、横断トンネル212の寸法およびその水平からの角度Φ(図37A)は、所望の機械的特徴および構造的特徴に応じて変更され得る。一実施形態において、角度θおよびΦは、実質的に同じであり、その結果トンネル212の開口部は、棒220の円筒型側壁の反対側におけるらせん状の溝202と実質的に一致する。
【0066】
図38Bは、図38AのB−Bの線により示される視点に沿う可撓性棒の上面図を示す。図38Bに示されるように、トンネル212の開口部はらせん状の溝202と一致する。らせん状の溝202と横断トンネル212の両方を、中実の棒220に提供することによって、異なる患者、用途、脊椎固定のレベルに適した多数の所望の機械的特徴および構造的特徴が達成され得る。
【0067】
図39Aは、本発明の別の実施形態に従う、脊椎固定のための可撓性棒230を示す。棒230は、棒230の本体に形成される複数の横断トンネル232を含む。トンネル232は、図37Aおよび37Bに関して上記されたトンネル212と実質的に同じであるが、トンネル232はジグザグ模様に結合されていない。むしろ、各トンネル232は、すぐ隣接するトンネル232に対して実質的に平行であり、トンネル232の開口部は、隣接するトンネル232の開口部と重ならない。図39Aに示されるように、本実施形態における水平からの角度Φは、およそ90度である。しかしながら、その他の角度Φが、本発明に従って組み込まれ得ることが理解される。トンネル232(およびトンネル212)の寸法、サイズ、および形状は、所望の機械的特徴および構造的特徴を達成するために変更され得ることがさらに理解される。例えば、トンネル212および232の断面の形状は、円形である必要はない。代わりに、例えば、楕円形または菱形、またはその他の所望の形状であり得る。
【0068】
図39Bは、図39AのB−Bの線に沿って切られた棒230の断面図を示す。図39Bに示されるように、横断トンネル232は、垂直におよび棒230の中心の長手方向軸を通って横断する。図39Cは、棒230のさらなる実施形態の断面図を示し、さらなる横断トンネル232’が第1の横断トンネル232に実質的に直交して形成され、第1の横断型トンネル232と円筒の中心軸点で交差する。このようにして、棒230のさらなる可撓性が所望のとおりに提供され得る。
【0069】
図40Aは、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性棒240の斜視図を示す。棒240は、図40Aに示されるように、実質的に相互に直交するが、交差しない、複数の間挿される横断トンネル232および242を含む。図40Bに断面図が示される別の実施形態において、隣接するトンネル232および242は相互に直交する必要はない。各トンネル232、242は、直前の隣接するトンネル232、242から所望の角度ωだけずれ得る。当業者に確認され得るように、必要以上の実験を実施することなく、トンネルの寸法、数、および相互の角度方向を変更することによって、脊椎固定デバイスに使用される可撓性棒の様々な所望の機械的特徴および構造的特徴が達成され得る。
【0070】
時には、複数のレベルの脊椎固定処置に関して、例えば図22Bに示されているように、1つの脊椎関節が強固に固定されるが、隣接する関節は動的に(可撓性のあるように)安定されることが望ましいことがあり得る。この機能を達成するための長軸部材の実施形態が図41Aに示されている。長軸部材250の軸部254は、屈曲のための可撓性の増加を提供するように溝を彫られ、軸部252および256は、溝を彫られず、比較的に剛なままである。穴258は、溝が亀裂を形成することを防ぎ、信頼性を改善するように、溝の終端をなすように使用される。材料内の溝またはスロットの終端をなすそのような穴の拡大された直径の使用は、材料における機械的応力のピークを減少し、材料破損の可能性を減少する手段として当該分野において周知である。
【0071】
図41Bは、図41Aの棒250のアセンブリを示し、該アセンブリは、少なくとも3つの固定部材2(図3)を使用して患者の脊椎に固定されるように構成され、第1の対の固定部材2の間に置かれている可撓性セクション254と、第2の対の固定部材2の間に置かれている可撓性のないセクション252とを有する。
【0072】
図41Cに示されたさらなる実施形態として、溝のない延伸セクション252は、単一の固定部材2が置かれるべき位置の範囲に順応性をもたせ得る。別の実施形態において、溝のない延伸セクションは、溝を彫られたセクションのいずれかの端に対称的に配置され得る。セクション252の延伸長は、「1つのサイズで全てに適合する」長軸部材250を提供し、該長軸部材は隣接する椎骨の椎弓根の間の様々な距離に順応し得るということが理解される。図41Cに示されるように、隣接する部材2および2’の間の距離は、セクション252上の固定部材2の位置を選択することによって調節され得る。それからセクション252の任意の余分な長さは切り離されるか、または取り除かれ得る。
【0073】
溝のパラメータ、例えば、溝の深さ、溝の幅、溝の断面の形状およびプロフィール、ならびに溝を彫られた部分254の溝から溝の間の間隔などは、均一な構造的および機械的特性に対して、溝を彫られた部分254の軸に沿って均一に一定であり得る。時には、局所的な機械的応力レベルを制御し、屈曲形状を特別仕様で製作し、または全ての屈曲方向もしくは選択された屈曲方向への屈曲に対する抵抗に影響するように、長軸部材に対して構造的および機械的特性を軸方向に変更することが有利である。(例えば)円筒形中空長軸部材の断面積は、外径を変化させるが、中空円筒の壁の厚さを一定に維持することによって変化され得る。別の実施形態は、内径(すなわち、円筒内の空洞の直径)を調節するが、中空円筒の外径を一定に保持することによって壁の厚さを修正することである。さらに別の実施形態は、外径と内径とを同時に変更する。上記の主張が円筒形ではない形状を有する長軸部材にもどのように適用されるかということは容易に観察される。
【0074】
図42Aは、本発明の実施形態に従う、らせん状に溝を彫られた可撓性安定デバイス270の側面図を示す。らせん状に溝を彫られたセクション271は、溝を彫られていないセクション262および262’に対して拡大された外径を有する。らせん状の溝はセクション271に対する可撓性を増加させるが、らせん状に溝を彫られたセクション271の外径が、溝を彫られていないセクション262および262’の外径と同じである場合には、溝の存在により、該らせん状の溝はまた、セクション271の断面エリアの材料の減少により、溝を彫られていないセクション262および262’に対するよりもセクション271に対して単位面積あたりでより大きな可撓性を与える。セクション271の外径を拡大することは、らせん状に溝を彫られたセクション271を曲げる間に、らせん状に溝を彫られたセクション271と、溝を彫られていないセクション262および262’との両方に対し、許容可能な材料の応力レベルを維持し得る。
【0075】
一実施形態において、図42Aの長軸部材が中空である場合に、らせん状に溝を彫られたセクション271の空洞の内径は、溝を彫られていないセクション262および262’の内径と等しくなり得、らせん状に溝を彫られたセクション271の外径が、曲げる間の材料の応力を減少し、および/または溝を彫られたセクション271の可撓性を変更するように増加される。
【0076】
(以下で述べられるように)図42Aおよび図42Bは、長手方向脊柱安定デバイスの例を示し、可撓性セクションは、長手方向安定デバイスの対応する端部のものとは異なる断面プロフィール(例えば、円筒形棒の場合の外径)または周縁の形状を有する。
【0077】
さらなる実施形態において、溝を彫られた可撓性セクションの断面プロフィール(例えば、外径)は、溝を彫られていないセクションと同じ断面プロフィール(例えば、外径)に保持され、溝を彫られたセクションの空洞の内径は、溝を彫られていない空洞の内径よりも減少される。これが上記のものと同様な材料応力減少効果を有する。
【0078】
本発明のまたさらなる実施形態において、溝を彫られた可撓性セクションの内径と外径との両方は、溝を彫られていないセクションの内径および外径に対して変更され得ることにより、セクション間の材料の歪の差を減少する。
【0079】
図42Bは、本発明の別の実施形態の側面図を示し、該実施形態は、溝を彫られたセクション266と溝を彫られていないセクション262および262’のそれぞれとの間の遷移セクション264および264’付近における機械的応力を減少させるために、溝を彫られた円筒形セクション266の直径または断面のプロフィールを調節する(中空の長手方向軸の事例に関しては、空洞の内径を一定に維持する)ことによって、長手方向軸に沿った可撓性のバリエーションを達成する。溝を彫られたセクション266の外径は、溝を彫られたセクション266の中央部近辺において最小となり、溝を彫られていないセクション262に向けて徐々に拡大する。これは、力を分散するより多くの断面材料面積を提供し、それにより遷移セクション264および264’近辺の溝を彫られたセクション266の領域において単位面積あたりの応力を減少させる。
【0080】
別の実施形態において、溝の深さ、溝の幅、溝の断面の形状、および溝から溝の間の間隔の軸上でのバリエーションはまた、単独か、または上記のような円筒形断面の変動と組み合わせてかのいずれかで、軸上において様々な可撓性および機械的特性を達成し得る。例えば:(i)溝を彫られたセクションの中央近辺における最大から、溝を彫られていないセクションの境界におけるゼロになるまで深さにテーパーをつけること(図43A);(ii)溝を彫られたセクションの中央近辺における最大から、溝を彫られていないセクションの境界における最小になるように溝の幅にテーパーをつけること(図43B);(iii)溝を彫られたセクションの中央近辺において最大の曲げを許す形状から、溝を彫られていないセクションの境界で曲げが減少される形状に溝の形状を遷移させること(図43C);または(iv)溝を彫られたセクションの中央近辺において最小から、溝を彫られていないセクションの境界において最大に、溝から溝の間の間隔を拡大すること(図43D)などである。
【0081】
図44は、溝を彫られたセクション276の周囲にエラストマクラッディング(elastomer cladding)278を有する長軸部材を示す。この実施形態において、エラストマクラッディング278は、溝を彫られたセクション276のみを覆い、溝を彫られていないセクション272を覆わない。さらに、選択的なテーパー274が、クラッディングされたセクションとクラッディングされていないセクションとの遷移を滑らかにする表面を提供するために、長軸部材において形成される。これらの選択的なテーパー274はまた、クラッディングの長手方向の位置を固定する。代替的に、クラッディングは、溝を彫られていないセクション272にまで延伸され得る。エラストマクラッディングは、(i)長軸部材の表面にのみ接触するか、(2)長軸部材の溝の中にさらに浸透するか、(3)長軸部材が中空である場合に、長軸部材の内側にさらに浸透し、少なくとも部分的にそこを満たし得る。エラストマクラッディングは、長軸部材の軸方向および曲げの安定性に対してさらなる制御を提供し、組織と溝を彫られたセクションとの間にバリアを提供する。
【0082】
エラストマクラッディングは、例えば、シリコーン、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタン、およびシリコーン−ウレタン共重合体などを含む様々な医療レベルのエラストマのうちの任意のものからなり得る。クラッディングは、当該分野において周知の様々な技術を使用して長手方向の部材に適用され得る。一技術において、熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性樹脂が、長軸部材の所望のセクションを取り囲む加熱モールドの中に注入され得、該熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性樹脂は、モールド内で付着される。この注入モールディングプロセスの利点は、室温または室内の圧力で代替的手段による、塗布のためには粘度が充分に低くはないクラッディングの材料を許容し得るということである。注入モールディングのさらなる利点は、クラッディングの外形が、使用されるモールドの形状によって決定されるということである。注入モールディングの別の利点は、溝の隙間および中空の長軸部材の内側への再現可能な浸透である。代替的なモールディング技術は、圧縮モールディングおよびトランスファモールディングを含む。
【0083】
他のクラッディング塗布方法は、液体注入モールディング、浸漬、噴霧、または絵筆のような機械的塗布具を用いた塗装を含む。これらの方法は、クラッディング材料が粘度の低い形式で塗布されるということを必要とする。例えば、塗布のための樹脂は、塗布の後に蒸発する溶媒で懸濁され得る。別の例において、クラッディング材料は、粘度の低い形式で塗布され、続いて、化学的方法、加熱による方法、または放熱による方法を通じて硬化される。クラッディング材料の塗布が所望されない長軸部材の一部分をマスクすることが、時には有益である。
【0084】
図45Aは、材料277で作製されている長軸部材の可撓性セクションの均一な断面図を示す。図44Bは、材料277で作製されている長軸部材の可撓性セクションとしての棒の不均一な断面を示し、該棒は別の材料279で作製されているセクションを含む。明らかに、図45Aの棒は、x方向およびy方向の両方に加えられた力に対して同じ曲げ挙動を示す。セクション320および330の材料が異なる曲げ特性を有する場合に、図45Bの棒は、x方向およびy方向に加えられた力に対して異なる曲げ挙動を示す。例えば、図45Bの材料279が、材料277よりも硬い場合に、棒は、y方向よりもx方向により容易に曲がる。
【0085】
図46Aは、長手方向の部材のワイヤ部280の周りにエラストマクラッディング278を有する金属ハイブリッドの長軸部材の別の実施形態を示す。この実施形態において、エラストマクラッディング278は、クラッディングされていない2つの端部262の間の編組ワイヤ280を取り囲む。該ワイヤはまた、単一のワイヤ、編み込まれていない複数のワイヤ(図示せず)であり得、端部262に同軸であり得るか、図46に示されるように端部262の長手方向軸に対して偏心して配置され得る。ワイヤ部280は、図46Aに示されているように直線であり得るか、または図46Cに示されるワイヤ281のように湾曲され得る。端部262の間の直線のワイヤ280は、長軸部材が張力の下で伸びるにつれ直線になる湾曲したワイヤ281よりも大きな張力に対する抵抗を提供する。一実施形態において、端部262とワイヤ280とは、棒4およびワイヤ32に関して上記の任意の所望のおよび適切な生体適合性金属、または金属−合成ハイブリッド材料から作製され得る。さらなる実施形態において、クラッディング278は、上記の適切な生体適合性合成材料または非金属材料のうちの任意のもの、またはそれらの組み合わせから作製され得る。
【0086】
図46A〜図46Cの金属ハイブリッドの長軸部材の剛性は、上記のようなエラストマクラッディング278内のワイヤ構成を変更すること、またはワイヤ280および/またはクラッディング278の物理的ジオメトリを変更することによって改変され得る。剛性が、例えば、ワイヤ部280およびクラッディング278の長さおよび/または直径、直径の比率、またはワイヤの数および配置を変化させることによって変更され得るということを、当業者は認識する。
【0087】
図47Aは、2つの剛な端部9’の間に1つ以上のスペーサ37を有し、エラストマクラッディング278が1つ以上のスペーサを覆っている可撓性連結ユニットのさらに別の実施形態を示す。該連結ユニットはワイヤ32をさらに含み、該ワイヤは長手方向軸のチャンネルまたは各スペーサ37内の穴を横断する。一実施形態において、図47Aに示されるように、スペーサ37は、端部9’の間のスペースの実質的にすべてを占め、その結果、複数のスペーサ37は、端部9’の間の長手方向軸に沿って実質的に固定された位置に維持されている。言い換えると、スペーサ37は、実質的に、ワイヤ32に対して長手方向に移動または滑動しない。なぜならば、端部9’の間に移動または滑動するスペースがないからである。各スペーサ37は、隣接するスペーサ37および/または端部9’に接し、その結果、スペーサ37は、端部9’の間のスペーサ37の長手方向軸チャンネル内に位置されるワイヤ32または他の可撓性部材に対して滑動する余地を有していない。クラッディング278は、各スペーサ37またはスペーサ37の群全体の周囲に形成される。スペーサ37とクラッディング278との組み合わせは、複合またはハイブリッドのスペーサを形成し、スペーサ37はハイブリッドスペーサの第1の材料を提供し、クラッディング278はハイブリッドスペーサの第2の材料を提供するということを理解されたい。一実施形態において、スペーサ37は、上記のような生体適合性金属または金属−合成ハイブリッド材料から作製され得、クラッディング278は、上記のような適切な生体適合性合成または非金属材料から作製され得る。
【0088】
別の実施形態において、図47Bに示されるように、隣接するスペーサ37と端部9’との間にスペースを有するように、スペーサ37はワイヤ32に沿って配置され得る。隣接スペーサ37と端部9’との間隔の実質的に全てをクラッディング278によって占められるように、クラッディング278は、スペーサ37とワイヤ32との周りに形成される。従って、クラッディング278は、そこに包まれているスペーサ37およびワイヤ32の動きを制限し、端部9’の間の可撓性部分にさらなる剛度を提供する。クラッディング278、スペーサ37、およびワイヤ32は、例えば図9、図10、および図47Aに関して上記された材料を含む任意の適切な材料から作製され得る。
【0089】
図47Aおよび図47Bにおけるクラッディング278は、端部9’の間の各金属ハイブリッドスペーサ37の全てを閉じ込めるように示されている。連結ユニット36の剛性が、スペーサ37の一部分のみ、例えば、スペーサ37およびワイヤ32の金属部分のスペース、またはスペーサ37のスペースおよびスペーサ37と端部9’とのスペースなどをクラッディングすることによって変更され得るということを、当業者は理解する。
【0090】
様々な実施形態において上記された可撓性連結ユニットの剛性は、様々な生体適合性材料を選択することによって変更され得る。例えば、スペーサ37は、生体適合性金属(例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、タンタル、ジルコニウム、コバルトクロミウム、およびそのような材料の合金)で作製され得る。スペーサ37はまた、公知の硬質ポリマ(例えば、UHMWPE、PEEKおよびポリウレタン)またはセラミック(例えば、アルミナまたはジルコニア)を含む材料から作製され得る。
【0091】
図48は、剛な端部9’の間に金属スペーサ37を有し、エラストマクラッディング278が剛性スペーサ37の少なくとも一部を取り囲んでいる可撓性連結ユニット36のさらなる実施形態を示す。連結ユニット36は、スペーサ37および端部9’を軸方向に通して配置される可撓性ワイヤ32をさらに含み、スペーサ37、端部9’、およびワイヤ32は、エラストマクラッディング278によって全て物理的に分離されている。そのような実施形態において、可撓性連結ユニットの全要素は、機械的な荷重の下で、エラストマクラッディング278の曲げ特性、伸縮特性、および圧縮特性によってのみ制限され、その他任意の要素に対して動き得る。従って、要素のサイズおよび形状は、人間の脊柱への荷重に耐え、連結ユニットが装着されている脊椎の通常の動作を可能にするように選択され得る。金属スペーサ37とクラッディング278とは共に、金属−合成ハイブリッドスペーサまたは複合スペーサを形成し、エラストマクラッディング278は、それぞれの剛な端部9’および金属ワイヤ32から金属スペーサ37を分離し、その結果、それらは互いに擦れ合うことはなく、それにより磨耗片の生成を最小化する。連結ユニットが、全方向において可撓性があり、自由度があり、従って、あらゆる方向における固定されたまたは剛な機械的な制限を伴うことなく、脊柱の曲げ、伸長、横方向の曲げ、および軸回転を可能にするということがこの実施形態のさらなる利点となる。図48のエラストマクラッディング278は、可撓性ワイヤ32に対して同心である。他の実施形態(図示せず)において、ワイヤ32は、スペーサ37の軸上の空洞内に偏心して位置され得、または複数のワイヤ32は、スペーサ37の軸上の空洞全体を通して分散され得る。
【0092】
図48に示されているワイヤ32は、両端において端部9’から物理的に分離されている。これは、ワイヤ32を個々にクラッディングして、金属ハイブリッドワイヤを作成し、スペーサ37をクラッディングする前に、ワイヤを端部9’と共に組み立てることによって達成され得る。代替的に、金属ハイブリッドワイヤ32は、ワイヤ32の周囲にエラストマを押し出し成型すること、または組み立ての前に、ワイヤを事前形成された押し出し成型エラストマの中に滑入することによってクラッディングされ得る。後者の製造方法は、ワイヤ32がエラストマクラッディング278内の軸に沿って滑動し、それにより曲げ剛性および剪断剛性と比べて連結ユニット36の軸剛性を減少させる利点を有する。可撓性ワイヤ32が本明細書において記述されているように自由に滑動する場合に、連結ユニット36の曲げ剛性および剪断剛性は、連結ユニット36の軸方向の剛性の最小の変化で、ワイヤ32の直径を変更することによって改変され得るということを、当業者は認識する。当該分野において公知のように、「曲げ剛性」は、対象が曲がり得る程度に関し、「剪断剛性」は、対象が横方向の剪断力に耐え得る程度に関する。「軸剛性」は、対象が伸長または圧縮され得る程度に関する。
【0093】
図49は、図48と同一の可撓性連結ユニットを示すが、ワイヤの各端が端部9’と接触している点で異なる。代替的な実施形態(図示せず)においてワイヤ32の一端は、一方の端部9’に接触し得るが、ワイヤ32の他端は、上記のようなクラッディングによって他方の端部9’から分離される。ワイヤ32と端部9’との間の接触は、滑動接触または固定接触、例えば、圧入アセンブリ、溶接アセンブリ、または編組アセンブリなどであり得る。ワイヤ32の両端が端部9’に対して固定接触である、すなわち、剛性に連結されている場合に、可撓性連結ユニットの軸剛性が増加される。ワイヤ32の一端のみにおける固定接触は、連結ユニットの軸剛性に対する影響がより少ない。
【0094】
図48および図49は、エラストロマクラッディング278の周囲を取り囲む金属スペーサ37を含む金属−ハイブリッドスペーサを示す。従って、スペーサ37は内面で主にクラッディングされる。これらの実施形態は、クラッディング278が塗布される間、モールド内で、端部9’に対してスペーサ37の金属部分をしかるべき位置に保持することによって、容易に製造され得る。連結ユニット36が機械的に負荷されるときに、周囲に位置されたスペーサ37が、クラッディング278の膨張および曲がりを制限するということがこの実施形態のさらなる利点となる。この制限効果は、連結ユニット36の剛性変化、特に軸圧縮、曲げ、剪断に関する変化をもたらす。連結ユニット36の剛性が、スペーサ37の内径、長さ、および数を変更することによって変更され得るということを、当業者は認識する。
【0095】
様々な実施形態におけるエラストマクラッディング278は、上記のような様々なモールディング技術、押し出し成形、浸漬、および塗装を含む様々な方法によって形成され得る。代替的な実施形態において、エラストマクラッディング278は、注入モールドプロセス、およびポリカーボネートウレタン(PCU)のような生体適合性熱可塑性エラストマを使用して適所にモールドされる。PCUは、注入モールディングプロセスとの適合性に加え、好都合な生体適合性、劣化およびクラッキングに対する抵抗、有利な疲労特性、および金属基板に対する良好な接着といった利点を有する。しかしながら、クラッディングは、上記の材料のような他の適切な非金属材料から作製され得るということが理解される。さらなる実施形態において、スペーサ37と端部9’との表面は、エラストマクラッディング278の固定の耐久性を改善するために、1つ以上の特徴または表面処理を用いて調整される。
【0096】
図50A〜図50Dは、任意の剛な要素281の表面に対するエラストマクラッディング278の固定を改善するための様々な特徴を示す。図50Aは、剛な要素281内におけるアンダーカット空洞を示し、空洞282の本体はネック283よりも大きく、それにより空洞282内にエラストマクラッディング278を捕捉する。空洞は、エラストマクラッディング278の交互嵌合のために、空洞の壁により小さいアンダーカット溝283をさらに含む。アンダーカット溝283とアンダーカット空洞282とは、独立でも利用され得る。図50Bは、剛な要素281の外側のバーブ284を示し、該バーブの周囲にエラストマクラッディング278はモールドされる。図50Cは、剛な要素281の壁を貫通した穴285を示し、該穴を通じてエラストマクラッディング278はモールドされる。一実施形態において、エラストマクラッディング278は、穴285の周囲の壁の内面と外面との両方を覆う。図50Dは、エラストマクラッディング278との界面における剛な要素281の凹凸面281’を示す。凹凸面は様々な方法によって形成され得る。例えば、グリットブラスト、ビーズブラスト、プラズマ溶射、化学的エッチングおよび様々な機械加工技術などを含む。図50A〜図50Dに示された特徴のうちの任意のものが、互いに組み合わされて使用され得るか、表面処理、例えば、剛な要素281の表面のクリーニング、不動態化、または化学的プライミングと組み合わせて使用され得る。
【0097】
図51は、スペーサ37と端部9’とのさらなる実施形態を示し、該実施形態において、スペーサ37と端部9’とは、エラストマクラッディング278によって物理的に分離され、連結ユニット36が機械的に負荷されるときに、スペーサ37と端部9’とがエラストマクラッディング278を補強するように構成されている。スペーサ37と端部9’とは、互いに関して端部9’の軸方向移動を必ずしも制限することなく、互いに関して端部9’の剪断移動を物理的に制限する重複部分を含む。図51は、1つ以上の方向における連結ユニット36の剛性を変更するために使用され得るスペーサ37および端部9’の任意の数の組み合わせの形の例示である。この目的は、重複特徴を用いるか、剛性スペーサ37と端部9’との間の間隔を単に増加もしくは減少するか、またはさらなるスペーサ(図示せず)を追加し、隣接するスペーサの間隔を変更することによって達成され得るということを、当業者は認識し得る。
【0098】
図52は、2つの剛な端部285および286と中間部とを有する連結ユニット284の別の実施形態を示し、該中間部において、可撓性部材287は端部285および286に連結し、金属−ハイブリッドスペーサ288における軸方向の穴を横断する。一実施形態において、金属−ハイブリッドスペーサ288は、少なくとも1つの金属および1つのエラストマ材料から形成され、その結果、スペーサ289の金属部分は、固定部材、例えば椎弓根スクリューまたは薄板フックのような固定部材によって受け入れられ、保持されるように構成され、スペーサ288のエラストマ部分290は、金属部分289の反対側に位置され、端部285および286のそれぞれに隣接するように位置される。
【0099】
図52を参照すると、端部285と金属スペーサ289とは、例えば、それぞれの固定部材2(図2)によって保持され、隣接する椎骨に付着されるときに、連結ユニット284は安定性を提供し、同時に、6つの自由度(すなわち、x軸、y軸、z軸、ピッチング、ローリング、ヨーイング)で椎骨に対する動きを可能にする。端部285および286は、実質的に、長手方向軸方向への金属−ハイブリッドスペーサ288の動作を制限するが、金属スペーサ289の両側のエラストマ部分290の圧縮性および弾性は、6つの自由度のそれぞれにおいて、端部285および286および/または可撓性連結部材287に対する金属スペーサ289の安定された動きを可能にし、6つの自由度のそれぞれにおいて、動きの抵抗および安定性をさらに提供する。従って、一実施形態において、連結ユニットは、動的に安定された動きのより大きな範囲を提供する。さらに、一実施形態において、エラストマクラッディング290は高摩擦材料を備え、可撓性中間部287上の金属−ハイブリッドスペーサ288の滑動に抵抗し、それにより、長手方向軸方向への金属スペーサ289の動きに対するさらなる抵抗を提供する。端部285および286は、上記の技術または他の公知の方法のうちの任意のもの使用して、金属−ハイブリッドスペーサ288のそれぞれの端に連結される。端部285は、椎弓根スクリューまたは他の型の固定部材によって受け入れられ、保持されるために充分な長さを有するように構成される。ハイブリッドスペーサ288の金属部分289が、例えば、固定部材2(図3)に結合および固定されるときに、端部286は、(2つの固定部材2の間のスペースと反対側に)固定部材2を越えて延伸する。従って、固定部材2を越えて延伸する連結ユニット284の長さを最小化するように、端部286は連結ユニット284の軸に沿って短いように構成される。
【0100】
別の実施形態(図示せず)において、可撓性部材287は、連結ユニット284の中心の長手方向軸から偏心して位置され得る。この偏心構成は、連結ユニットが曲げられる方向に従って、様々なレベルの剛性を提供する。連結ユニット284が、脊椎の伸長の間に曲げられるとき(例えば、患者が後方にそるとき)に、より大きなレベルの剛性を提供することが所望され、連結ユニット284が、脊椎を曲げる間に曲げられるとき(例えば、患者が前方にかがむとき)に、より小さいレベルの剛性を提供することが所望される場合に、これは有利となり得る。さらにまたは代替的に、曲げ方向に対する様々なレベルの剛性のプロファイルが、連結ユニット284の他の側に対するものとは異なる連結ユニット284の一方の側に対する様々な量または厚さのクラッディング290を塗布することによって達成され得る。さらに、様々な量および/またはタイプのクラッディング材料290がスペーサ289のいずれか側に塗布され得る。従って、連結ユニット284は、スペーサ289の様々な方向の移動に様々なレベルの剛性を提供し得、それにより様々なレベルの安定性が、固定部材2を介してスペーサ289に固定される椎骨の様々な方向の移動に提供され得る。連結ユニット284の剛性レベルが曲げの方向に従うこれらの実施形態において、適切な標識(例えば、レーザーエッチング、物理的特徴など)が、患者の脊椎に連結ユニット284を固定する前に、連結ユニット284の適切な方位を示すように、連結ユニット284の上に配置され得る。
【0101】
図53は、2つの連結ユニット284が脊椎の椎骨のそれぞれに移植され、固定された後の2つの連結ユニット284の位置を示す。各連結ユニット284に関して、金属ハイブリッドスペーサ288は下位の椎骨291に固定され、端部285は上位の椎骨292に固定される。図53に示されるように、連結ユニット284は、脊椎の自然で解剖学的な動きを考慮した可撓性を可能にする。椎間板293と椎間関節294とは上位の椎骨292の椎弓根よりも下位の椎骨291の椎弓根に近いので、金属ハイブリッドスペーサ288によって提供される連結ユニット284可撓性部分は、下位の椎骨291に固定されるときに、中心からそれて脊椎内の自然関節の高さ付近、すなわち椎間板293および椎間関節294の高さに位置される。自然関節の高さにおけるこの可撓性は、脊椎の自然で解剖学的に正しい動きを可能にする。
【0102】
当然、可撓性がさらなるエリアにおいて所望される場合に、図54に示されているように、連結ユニット294の反対の端において金属−ハイブリッドスペーサ288と連結部材287とを複製することによって、これは達成され得る。連結ユニット295は、両方のスペーサ288に装着されるそれぞれの固定部材によって保持されるように構成されている。連結ユニット295内のスペーサ288は、連結ユニット284内のスペーサ288よりも長くなり得、その結果、椎骨間の距離に関する変動が許容され得る。さらなる実施形態において、上記の連結ユニットは、3つ以上の隣接する椎骨間の2つ以上の関節または脊椎の動セグメントを安定させるように延伸され、3つ以上の固定部材(例えば、椎弓根スクリュー)によって、それぞれの椎骨に付着され得る。従って、一実施形態において、連結ユニットは、複数の金属−ハイブリッドスペーサ288を含み、安定した可撓性を複数の関節または脊椎の動セグメントに提供する。さらに、金属−ハイブリッドスペーサ288は、外科医によって必要に応じて、任意の順序または組み合わせで剛な端部285と互い違いにされ得る。この方法で、マルチレベルまたはマルチ脊椎セグメント(multi−spine segment)のハイブリッド連結ユニットが設計され得、連結ユニットの各セグメントは、安定されるべき下位および上位の椎骨の各対に適した所望のレベルの可撓性を提供し得る。例えば、第1の対の椎骨を安定する連結ユニットの第1のセクションは、非常に剛であり得るが、第2の対の椎骨を安定する連結ユニットの第2のセクションは、第1のセクションと比較すると、より可撓性があり得る。セクションの様々な所望の組み合わせが、本発明に従って、マルチレベルまたはマルチセグメントのハイブリッド連結ユニットを作成するように達成され得る。
【0103】
様々な実施形態において、図52、図54および図55に示されている可撓性部材287は、生体適合性金属などの、好適には、端部285および286と同じである剛な材料からなる硬い部材であり得、端部285に統合的に形成され、端部286に恒久的に固定され得る。代替的に、連結部材287は、端部285および286を連結するためのワイヤ、複数のワイヤ、編組ケーブル、または他の構造であり得る。連結部材の構造、長さおよび直径が、連結ユニット284の可撓性に影響するということが当業者には明らかである。同様に、金属−ハイブリッドスペーサ288は、生体適合性金属、好適には、端部285および286と同じ材料で作製され、かつ、生体適合性エラストマ、例えば、シリコーンまたはポリウレタン、好適にはポリカーボネートウレタンで作製され得る。金属−ハイブリッドスペーサ288は、剛な端部285および286と実質的に同じ外径であるように示されている。代替的に、スペーサ290のエラストマ部分は、直径がより小さいか、もしくはより大きくなり得るか、または直径が可変であり得る。連結ユニット284の可撓性は、クラッディング材料の選択およびその寸法の変更によって変えられ得るということが当業者にとって明らかである。
【0104】
金属−ハイブリッドスペーサ288の非金属またはエラストマ部分290は、図50A〜図50Dに示された方法を含む様々な方法によって、端部285および286のそれぞれの表面、金属スペーサ289および/または可撓性部材287に付着され得る。図52〜図55に示されるように、エラストマクラッディング290は、端部285および286に対して実質的に固定された位置に金属スペーサ289を維持するが、外部の力が、任意の方向にクラッディングを曲げまたは圧縮させるときに、スペーサ289のある程度の相対的な移動を可能にする。従って、一実施形態において、連結ユニット284の可撓性は、ハイブリッドスペーサ288のエラストマ部分290の圧縮性によって、実質的に制限され、金属部分289が固定部材2によって椎骨に固定されるときに、該エラストマ部分290は、スペーサ288の金属部分289の動きによって、様々な方向に圧縮され得る。
【0105】
図55は、3つ以上の異なる材料からなる金属−ハイブリッドスペーサ297を有する連結ユニット296の実施形態を示す。スペーサ297は、図52に記述されたような金属部分289およびエラストマ部分290と、エラストマ部分290の外側に示されている生体吸収性部分298とを有する。金属−ハイブリッドスペーサの生体吸収性部分298は、スペーサの金属部分289から剛な端部285および286のそれぞれの最近端に実質的に延伸し、生体吸収性部分298が、体内で軟化するか、または劣化するまで、金属部分297の動きを制限するように構成されている。スペーサの生体吸収性部分298は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクティック酸(polyglactic acid)、ポリジオクサン、ポリグリコネート、硫酸カルシウム、燐酸カルシウムおよびそれらの組み合わせからなる一群の公知の生物吸収性材料から選択された少なくとも1つの材料を備え得る。他の公知の生体吸収性材料および将来発見される生体吸収性材料でさえも、本発明に従って利用され得る。
【0106】
一実施形態において、脊椎癒合処置の後に、連結ユニット296は使用され得る。多くの症例において、手術によって配置された骨移植片を癒し、隣接する椎骨に効果的に癒合することを可能にするように、癒合処置の施術後すぐに、移植されたデバイスを用いて強固に固定することが望ましい。癒合が成功裏に達成された後に、骨移植片が脊柱を独力で安定させることを可能にするように、移植されたデバイスを摘出することが望ましい。これは移植片部位に対する荷重をもたらし、長期の確かな固定のための骨移植片の健常な再生をもたらす。しかしながら、移植されたデバイスを摘出する第2の手術を実施することは、非常に望ましくない。図55における連結ユニットは、最初に、脊柱の癒合に続けてより強固な安定を提供し、次に、自然過程を通じて、連結ユニット296の生体吸収性部分298が劣化し、体内に吸収され、それにより連結ユニット296の剛性を減少させ、移植片が、脊柱を長期間安定させるためにより大きな割合の荷重を分担することを可能にする。従って、可撓性連結ユニット296は、外科医が、一度の手術処置のみで、第1のより剛な状態から第2のあまり剛でない状態に可撓性の安定レベルを変換することを可能にする。言うまでもないが、手術処置の削除は健康面と金銭面との両方から患者にとって非常に大きな利点となる。
【0107】
可撓性の連結ユニット296は、様々なレベルの安定を提供することが望ましいあらゆる状況において、有利に利用され得る。さらに、連結ユニット298に統合される生体吸収性材料の相対的な量およびタイプは、連結ユニット296の最初の剛性と、生体吸収性部分298の全てを完全に吸収することに必要とされた時間とを変えるように変更され得る。一実施形態において、異なる剛性特性および/または吸収時間を有する2つ以上の異なるタイプの生体吸収性材料が、複数のレベルの剛性からの変換を提供するように利用され得る。さらなる実施形態において、複数の脊椎セグメントを安定させるように構成されている連結ユニットは、マルチ脊椎セグメント連結ユニットの様々な可撓性部分によって様々な状態の可撓性を提供するために、連結ユニットの1つ以上の可撓性部分に生体吸収性材料を統合し得る。さらに、生物吸収性材料298は、連結ユニットの可撓性部分(例えば、金属−ハイブリッドスペーサ部分)を完全に包むか、または連結ユニットの選択部分を単に覆うか、または連結ユニットのギャップ、スペースおよび/またはチャンネルを満たすように塗布され得る。言い換えると、1つ以上の生体吸収性材料298の塗布は、連結ユニットの1つ以上の可撓性部分に対して所望の最初および最終的な剛性特性を達成するために、様々な方法で実装され得る。さらに、生体吸収性クラッディング298を非生体吸収性クラッディング290に組み合わせることは、必ずしも必要ではない。従って、一実施形態において、図55に図示された連結ユニット296のエラストマクラッディング290は、全て省略されるか、または生体吸収性クラッディング298もしくは異なる剛性特性および/または劣化/吸収特性を有する別の生体吸収性クラッディング(図示せず)に置換され得る。
【0108】
本発明の様々な実施形態が上に説明された。しかしながら、好適な実施形態の上述の説明が単に例示的なものであり、本発明が上に開示されたデバイスおよび工学技術の修正または変更を伴って実施され得ることを、当業者は理解されたい。当業者は、本明細書中に記載された本発明の特定の実施形態に対する多数の均等物を理解すること、または通常の実験だけを使用して確証することが可能である。このような修正、変更、および均等物は、特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う、脊椎固定デバイスの斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に従う、脊椎固定デバイスの斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に従う、図1および図2の椎弓根スクリュー2の結合アセンブリ14の分解図を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に従う、可撓性棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態に従う、可撓性棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図6】図6は、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従う、予め曲げられた可撓性棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従う、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態に従う、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図10】図10は、本発明のさらなる実施形態に従う、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に従う、可撓性棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図12A】図12Aは、本発明の一実施形態に従う、2つの端部の間に一つ以上のスペーサを有する可撓性連結ユニットの斜視図を示す。
【図12B】図12Bは、図12Aの可撓性連結ユニットの分解図を示す。
【図12C】図12Cは、本発明の一実施形態に従う、図12Aおよび12Bの可撓性連結ユニットのオス型およびメス型の連結要素の図を提供する。
【図13】図13は、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性連結ユニットの斜視図を示す。
【図14】図14は、本発明の別の実施形態に従う、脊椎固定デバイスの斜視図を示す。
【図15】図15は、図14の脊椎固定デバイスの分解図を示す。
【図16A】図16Aは、本発明の一実施形態に従う、可撓性板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図16B】図16Bは、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図16C】図16Cは、図16Aの可撓性板状連結ユニットの側面図を示す。
【図16D】図16Dは、図16Aの可撓性板状連結ユニットの上面図を示す。
【図16E】図16Eは、本発明のさらなる実施形態に従う、予め曲げられた構成を有する図16Aの可撓性板状連結ユニットの側面図を示す。
【図17】図17は、本発明の別の実施形態に従う、可撓性板状連結ユニットの斜視図である。
【図18】図18は、本発明の別の実施形態に従う、可撓性板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図19】図19は、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性中間部を有するハイブリッドの棒−板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図20】図20は、図19のハイブリッドの棒−板状連結ユニットを利用する脊椎固定デバイスの斜視図である。
【図21】図21は、患者の脊柱に移植された後の図1の脊椎固定デバイスの斜視図を示す。
【図22】図22は、図16Aの板状連結ユニットを利用する脊椎固定デバイスの斜視図を示す。
【図23A】図23Aは、本発明の一実施形態に従う、あるスキュー角で2つの隣接する椎骨の椎弓根に挿入される2つの椎弓根スクリューの斜視図を示す。
【図23B】図23Bは、本発明の一実施形態に従う、椎弓根スクリューの結合アセンブリの構造図を示す。
【図23C】図23Cは、本発明の一実施形態に従う、傾斜した安定スペーサの斜視図を示す。
【図23D】図23Dは、図23Cの傾斜した安定スペーサの側面図を示す。
【図23E】図23Eは、図23の椎弓根スクリューの円筒形頭部の上面図である。
【図24】図24は、本発明の一実施形態に従う、標識付けおよび誘導デバイスの斜視図を示す。
【図25】図25は、図24の標識付けおよび誘導デバイスの分解図を示す。
【図26A】図26Aは、図24の標識付けおよび誘導デバイスが手術中に挿入された後の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図26B】図26Bは、図24の標識付けおよび誘導デバイスの内部のトロカールが除去される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図27】図27Aおよび図27Bは、基準ピンに関する2つの実施形態の斜視図を示す。
【図28】図28は、本発明のさらなる実施形態に従う、差し込みトロカールの斜視図である。
【図29A】図29Aは、本発明の一実施形態に従う、図28の差し込みトロカールが基準ピンを椎弓根の指定の位置に駆動するために使用される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図29B】図29Bは、本発明の一実施形態に従う、2つの基準ピンが2つの隣接する椎弓根に移植された後の患者の脊椎の、斜視断面図を示す。
【図30】図30は、本発明の一実施形態に従う、管状目打ちの斜視図である。
【図31】図31は、本発明の一実施形態に従う、図30の管状目打ちが椎弓根スクリューのための挿入穴を拡大するために使用される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図32】図32は、本発明の一実施形態に従う、基準ピン回収デバイスの斜視図である。
【図33】図33は、本発明のさらなる実施形態に従う、基準ピンの少なくとも一部分を受け取る軸方向に円筒形空洞を有する椎弓根スクリューの斜視図である。
【図34】図34は、本発明の一実施形態に従う、一つの椎弓根スクリューが椎弓根の指定の位置に移植された後の患者の脊椎の斜視断面図である。
【図35】図35は、本発明の一実施形態に従う、2つの椎弓根スクリューが2つの隣接する椎弓根の指定の位置に移植された後の、患者の脊椎の、斜視断面図である。
【図36A】図36Aは、本発明の一実施形態に従う、らせん状の溝が切り込まれた、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図36B】図36Bは、図36AのB−Bの線に沿って切られた、図36Aの可撓性棒の断面図を示す。
【図37A】図37Aは、本発明の一実施形態に従う、棒の本体内に横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図を示す。
【図37B】図37Bは、図37AのB−Bの線に沿って切られた、図37Aの可撓性棒の断面図である。
【図38A】図38Aは、本発明のさらなる実施形態に従う、棒の本体内に切り込まれたらせん状の溝と横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図38B】図38Bは、図38AのB−Bの線の視点からの、図38Aの可撓性棒の上面図である。
【図39A】図39Aは、本発明の別の実施形態に従う、棒の本体内に横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図39B】図39Bは、図39AのB−Bの線に沿って切られた、図39Aの可撓性棒の断面図である。
【図39C】図39Cは、本発明のさらなる実施形態に従う、棒の本体内に実質的に直交する横断型トンネルを有する、図39AのB−Bの線に沿って切られた、図39Aの可撓性棒の代替の断面図である。
【図40A】図40Aは、本発明のさらなる実施形態に従う、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図を示す。
【図40B】図40Bは、本発明のさらなる実施形態に従う、脊椎固定のための可撓性棒の断面図を示す。
【図41A】図41Aは、本発明の一実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの斜視図を示す。
【図41B】図41Bは、固定部材と共に組み立てられた、図41Aの連結ユニットの斜視図を示す。
【図41C】図41Cは、長さに対して切り取られた、固定部材と共に組み立てられた、可撓性長軸部材の斜視図である。
【図42A】図42Aは、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの側面図を示す。
【図42B】図42Bは、本発明の別の実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの側面図を示す。
【図43A】図43Aは、本発明の別の実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの側面図を示す。
【図43B】図43Bは、本発明の別の実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの斜視図を示す。
【図43C】図43Cは、本発明の別の実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの側面図を示す。
【図43D】図43Dは、本発明の別の実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの側面図を示す。
【図44】図44は、本発明のさらなる実施形態に従う、可撓性長軸部材連結ユニットの斜視図を示す。
【図45A】図45Aは、本発明の実施形態に従う、可撓性長軸部材の断面図を示す。
【図45B】図45Bは、本発明の別の実施形態に従う、2つのタイプの材料で作られる可撓性長軸部材の断面図を示す。
【図46】図46A〜図46Cは、本発明の様々な実施形態に従う、エラストマクラッディングを有する金属−ハイブリッド長軸部材の斜視図を示す。
【図47】図47A〜図47Bは、本発明の様々な実施形態に従う、少なくとも1つのスペーサおよびエラストマを有する長軸部材の斜視図を示す。
【図48】図48は、本発明の別の実施形態に従う、スペーサおよびエラストマクラッディングを有する可撓性連結ユニットを示す。
【図49】図49は、本発明の別の実施形態に従う、スペーサおよびエラストマクラッディングを有する可撓性連結ユニットを示す。
【図50】図50A〜図50Dは、本発明の様々な実施形態に従う、剛な面に対するエラストマクラッディングの固定を改善する様々な特徴を示す。
【図51】図51は、本発明に従う、少なくとも1つのスペーサおよびエラストマクラッディングを有する可撓性連結ユニットの一実施形態を示す。
【図52】図52は、本発明に従う、少なくとも1つのスペーサおよびエラストマクラッディングを有する可撓性連結ユニットの一実施形態を示す。
【図53】図53は、本発明の一実施形態に従う、図52に示されたような、患者の脊椎に装着された2つの可撓性連結ユニットを示す。
【図54】図54は、本発明に従う、少なくとも1つのスペーサおよびエラストマクラッディングを有する可撓性連結ユニットさらなる実施形態を示す。
【図55】図55は、本発明に従う、少なくとも1つのスペーサおよびエラストマクラッディングを有する可撓性連結ユニットさらなる実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎固定デバイスにおける使用のための可撓性連結ユニットであって、
第1の端および第2の端を有する長軸部材と、
該第1の端および該第2の端の間に位置される少なくとも1つのスペーサであって、該少なくとも1つのスペーサは、第1の材料から作られる第1の部分と第2の材料から作られる第2の部分とを備えている、少なくとも1つのスペーサと、
該少なくとも1つのスペーサの長軸チャンネルの中に位置される少なくとも1つの可撓性部材であって、該少なくとも1つの可撓性部材は、生体適合性金属材料を備え、第1の端および第2の端は、長軸方向において、該少なくとも1つのスペーサの動きを実質的に制限する、少なくとも1つの可撓性部材と
を備えている、可撓性連結ユニット。
【請求項2】
前記第1の材料は、金属、金属合金、ポリマ、樹脂、プラスチックおよびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択される少なくとも1つの材料を備えている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項3】
前記第2の材料は、エラストマ、ポリマ、樹脂、プラスチックおよびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択されるすくなくとも1つの材料を備えている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項4】
前記第1の部分は、金属スペーサを備え、前記第2の部分は、該金属スペーサを取り囲んでいる非金属クラッディングを備えている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項5】
前記非金属クラッディングは、エラストマを備えている、請求項4に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項6】
前記第1の部分は金属材料を備え、前記第2の部分は非金属材料を備え、該金属材料は、該非金属材料の少なくとも一部分を取り囲んでいる、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項7】
前記非金属材料は、エラストマを備えている、請求項6に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項8】
前記第1の部分は、金属スペーサを備え、前記第2の部分は、該金属スペーサと前記第1の端との間の前記少なくとも1つの可撓性部材の第1の部分を取り囲んでいる第1の非金属クラッディングと、該金属スペーサと前記第2の端との間の前記少なくとも1つの可撓性部材の第2の部分を取り囲んでいる第2の非金属クラッディングとを備えている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項9】
前記金属スペーサは、患者の脊椎に対する第1の固定部材によって固定されるように構成され、前記第2の端は、該患者の脊椎に対する第2の固定部材によって固定されるように構成されている、請求項8に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項10】
前記金属スペーサの位置は、前記第1の固定部材が下位椎骨に固定され、前記第2の固定部材が上位椎骨に固定されるときに、前記患者の脊椎の隣接する該上位椎骨と該下位椎骨との間の関節の位置に実質的に一致する、請求項9に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項11】
前記第1の材料は、金属、金属合金、ポリマ、樹脂、プラスチック、およびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択される少なくとも1つの材料を備え、
前記第2の材料は、エラストマ、ポリマ、樹脂、プラスチック、およびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択される少なくとも1つの材料を備え、
前記少なくとも1つのスペーサは、生体吸収性材料を備えている第3の材料から作られる第3の部分をさらに備えている、
請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項12】
前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクティック酸、ポリジオクサン、ポリグリコネート、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備えている、請求項11に記載の連結ユニット。
【請求項13】
前記第1の材料は、金属、金属合金、ポリマ、樹脂、プラスチック、およびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択される少なくとも1つの材料を備え、
前記第2の材料は、生体吸収性の材料を備えている、
請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項14】
前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクティック酸、ポリジオクサン、ポリグリコネート、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備えている、請求項13に記載の連結ユニット。
【請求項15】
前記少なくとも1つの可撓性部材は、単一のシャフトを備えている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項16】
前記少なくとも1つの可撓性部材は、複数のヤーンを有する少なくとも1つのワイヤを備えている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項17】
前記少なくとも1つのワイヤは、複数の織り交ぜられたワイヤを備えている編組ワイヤを備えている、請求項16に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項18】
前記少なくとも1つの可撓性部材は、前記第1の端および前記第2の端とともに統合的に形成されている、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項19】
前記少なくとも1つの可撓性部材の少なくとも一端は、前記第1の端および前記第2の端のそれぞれの端に直接的には連結されない、請求項1に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項20】
第1の端と第2の端とを有する長軸部材と、
該第1の端と該第2の端との間に位置されるスペーサと、
該スペーサの長軸方向チャンネル内に位置される可撓性部材と、
該スペーサの動きを制限するように構成されている可撓性クラッディングと
を備えている、脊椎の安定に使用される可撓性連結ユニット。
【請求項21】
前記可撓性クラッディングは、前記第1の端と前記第2の端との間で前記スペーサと前記可撓性部材とを包み込んでいる、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項22】
前記可撓性クラッディングは、前記可撓性部材ならびに前記第1の端および前記第2の端に対する前記スペーサの動きを制限するように、該スペーサと該可撓性部材との間および該第1の端と該第2の端との間の1つ以上のスペースを満たす、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項23】
前記スペーサは、金属、金属合金、ポリマ、樹脂、プラスチック、およびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択される材料を備え、
前記可撓性クラッディングは、エラストマ、ポリマ、樹脂、プラスチック、およびそれらの複合物からなる一群の生体適合性材料から選択される材料を備えている、
請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項24】
前記可撓性クラッディングは、前記スペーサと前記第1の端との間の前記可撓性部材の第1の部分を取り囲んでいる第1のセグメントと、該1つのスペーサと前記第2の端との間の該可撓性部材の第2の部分を取り囲んでいる第2のセグメントとを備えている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項25】
前記スペーサは、患者の脊椎に対する第1の固定部材によって固定されるように構成され、前記第2の端は、該患者の脊椎に対する第2の固定部材によって固定されるように構成されている、請求項24に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項26】
前記スペーサの位置は、前記第1の固定部材が下位椎骨に固定され、前記第2の固定部材が上位椎骨に固定されるときに、前記患者の脊椎の隣接する該上位椎骨と該下位椎骨との間の関節の位置に実質的に一致する、請求項25に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項27】
患者に対する最初の移植の際に、連結ユニットに対する剛性を増加させるように構成されている生体吸収性クラッディングをさらに備え、該連結ユニットは、該生体吸収性クラッディングのインビボ生体分解の結果として剛性を減少させる、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項28】
前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクティック酸、ポリジオクサン、ポリグリコネート、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備えている、請求項27に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項29】
前記少なくとも1つの可撓性部材は単一のシャフトを備えている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項30】
前記少なくとも1つの可撓性部材は、複数のヤーンを有する少なくとも1つのワイヤを備えている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項31】
前記少なくとも1つのワイヤは、複数の織り交ぜられたワイヤを備えている編組ワイヤを備えている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項32】
前記少なくとも1つの可撓性部材は、前記第1の端および前記第2の端とともに統合的に形成されている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項33】
前記少なくとも1つの可撓性部材の少なくとも一端は、前記第1の端および前記第2の端のそれぞれの端に直接的には連結されない、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項34】
前記連結ユニットの少なくとも1つの側におけるクラッディングの厚さは、該連結ユニットが第1の方向に曲げられているときに、第1のレベルの剛性を提供し、該連結ユニットが第2の方向に曲げられているときに、該第1のレベルの剛性とは異なる第2のレベルの剛性を提供するように変えられる、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項35】
前記可撓性部材は、該連結ユニットが第1の方向に曲げられているときに、第1のレベルの剛性を提供し、該連結ユニットが第2の方向に曲げられているときに、第1のレベルの剛性とは異なる第2のレベルの剛性を提供するように前記長軸から偏心して位置されている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項36】
前記可撓性クラッディングと前記第1の端および前記第2の端のそれぞれの表面との間の物理的な連結を維持するための少なくとも1つの捕捉および保持要素をさらに備えている、請求項20に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項37】
前記少なくとも1つの捕捉および保持要素は、前記可撓性クラッディングで満たされているアンダーカット領域を備えている、請求項36に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項38】
前記少なくとも1つの捕捉および保持要素は、前記可撓性クラッディングで満たされている貫通穴を備えている、請求項36に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項39】
前記少なくとも1つの捕捉および保持要素は、凹凸面を備えている、請求項36に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項40】
前記少なくとも1つの捕捉および保持要素は、前記可撓性クラッディングと前記それぞれの表面との間の接合を改善する中間表面処理を備えている、請求項36に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項41】
上位椎骨と下位椎骨とからなる2つそれぞれ、かつ隣り合う椎骨に固定されるように構成されている第1の固定部材と第2の固定部材とあって、各固定部材は、結合アセンブリを有する、第1の固定部材と第2の固定部材と、
該第1の固定部材の該結合アセンブリによって受け取られ固定されるように構成されている第1の部分と、該第2の固定部材の該結合アセンブリによって受け取られ固定されるように構成されている第2の部分とを有する長軸部材であって、該第1の固定部材と該第2の固定部材とが該上位椎骨および該下位椎骨のそれぞれの椎骨に固定されているときに、該上位椎骨と該下位椎骨との間の椎間板において、またはその付近に可撓性を提供するように、該長軸部材は、該第1の部分と該第2の部分とに関して中心からずれて位置される可撓性部分をさらに備えている、長軸部材と
を備えている、脊椎固定デバイス。
【請求項42】
前記可撓性部分は、金属−ハイブリッドスペーサを備え、該金属ハイブリッドスペーサは、金属部分と非金属部分とを備えている、請求項41に記載の脊椎固定デバイス。
【請求項43】
前記金属部分は金属スペーサを備え、前記非金属部分はエラストマクラッディングを備えている、請求項41に記載の脊椎固定デバイス。
【請求項44】
前記第2の部分は前記金属スペーサを備え、該金属スペーサは、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の前記結合アセンブリのそれぞれによって、受け取られ固定されるように構成されている、請求項43に記載の脊椎固定デバイス。
【請求項45】
脊椎固定デバイスにおける使用のための可撓性連結ユニットであって、該可撓性連結ユニットは、
少なくとも3つの固定部材を使用して、患者の脊椎に固定されるように構成されている長軸部材を備え、
該長軸部材の第1の部分は、第1の対の固定部材の間に位置されるように構成され、該長軸部材の第2の部分は、第2の対の固定部材の間に位置されるように構成され、
該長軸部材の少なくとも第1の部分は、2つの端部の間に置かれている少なくとも1つのスペーサと、該少なくとも1つのスペーサの長軸チャンネル内に位置されている少なくとも1つの可撓性部材とを備え、該少なくとも1つのスペーサは、該少なくとも1つの可撓性部材に対してしかるべき位置に実質的に固定されている、
可撓性連結ユニット。
【請求項46】
前記第1の部分は非金属クラッディングをさらに備え、該非金属クラッディングは、前記少なくとも1つの可撓性部材と前記端部とに対する前記少なくとも1つのスペーサの動きを制限する、請求項45に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項47】
前記第1の部分は、患者に対する最初の移植の際に、該第1の部分に対する剛性を増加させるように構成されている生体吸収性クラッディングをさらに備え、該第1の部分は、該生体吸収性クラッディングのインビボ生体分解の結果として剛性を減少させる、請求項46に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項48】
前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクティック酸、ポリジオクサン、ポリグリコネート、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備えている、請求項47に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項49】
前記第1の部分は、患者に対する最初の移植の際に、該第1の部分に対する剛性を増加させるように構成されている生体吸収性クラッディングをさらに備え、該第1の部分は、該生体吸収性クラッディングのインビボ生体分解の結果として剛性を減少させる、請求項45に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項50】
前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクティック酸、ポリジオクサン、ポリグリコネート、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備えている、請求項49に記載の可撓性連結ユニット
【請求項51】
脊椎安定における使用のための可撓性連結ユニットであって、
第1の端および第2の端を有する長軸部材と、
該第1の端と該第2の端との間に位置され、その中に長軸チャンネルを有するスペーサと、
該第1の端と該第2の端との間の該スペーサの該長軸チャンネル内に位置される可撓性の部材と、
該スペーサと該第1の端との間に置かれる該可撓性部材の第1の部分を取り囲む第1のクラッディングと、
該スペーサと該第2の端との間に置かれる該可撓性部材の第2の部分を取り囲む第2のクラッディングと
を備えている、可撓性連結ユニット。
【請求項52】
前記第1の端は、第1の固定部材に結合されるように構成され、前記スペーサは、第2の固定部材に結合されるように構成されている、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項53】
前記第1の固定部材は、上位椎骨の椎弓根骨に固定されるように構成され、前記第2の固定部材は、下位椎骨の椎弓根骨に固定されるように構成され、その結果、安定した可動性が、もっぱら、前記第1の端および前記第2の端ならびに前記可撓性部材に対する前記スペーサの移動によって、下位椎骨の椎弓根に提供されるが、該第2の固定部材の結合アセンブリ内の該スペーサの移動によっては提供されない、請求項52に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項54】
前記スペーサは、6つの自由度での移動が可能であるが、該6つの自由度のそれぞれにおけるそのような移動に対して抵抗を受ける、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項55】
前記第1のクラッディングと前記第2のクラッディングとのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの側におけるクラッディングの厚さは、該連結ユニットが第1の方向に曲げられているときに、第1のレベルの剛性を提供し、該連結ユニットが第2の方向に曲げられているときに、該第1のレベルの剛性とは異なる第2のレベルの剛性を提供するように変えられる、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項56】
前記第1のクラッディングの前記厚さは、前記第2のクラッディングの前記厚さとは異なる、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項57】
前記第1のクラッディングは、前記第2のクラッディングとは異なる材料を備えている、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項58】
前記第1のクラッディングと前記第2のクラッディングとは、前記スペーサの内面と前記可撓性部材との間に位置されているクラッディング材料の中間部分によって統合的に形成され、連結されている、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項59】
前記可撓性部材は、前記連結ユニットが第1の方向に曲げられているときに、第1のレベルの剛性を提供し、該連結ユニットが第2の方向に屈曲されているときに、第1のレベルの剛性とは異なる第2のレベルの剛性を提供するように前記長軸から偏心して位置されている、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項60】
少なくとも前記第1のクラッディングと前記第2のクラッディングとを取り囲んでいる生体吸収性材料をさらに備えている、請求項51に記載の可撓性連結ユニット。
【請求項61】
上位椎骨の椎弓根骨と下位椎骨の椎弓根骨とにそれぞれ固定されるように構成されている可撓性連結ユニットであって、該可撓性連結ユニットは、もっぱら、該下位椎骨の該椎弓根骨に位置されるか、またはその付近に位置されている該連結ユニットの可撓性部分の曲がりによって、該下位椎骨の該椎弓根骨に安定した可動性を提供する、可撓性連結ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図40A】
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【図40B】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図42A】
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【図42B】
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【図43A】
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【図43B】
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【図43C】
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【図43D】
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【図44】
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【図45A】
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【図45B】
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【図46A】
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【図46B】
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【図46C】
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【図47A】
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【図47B】
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【図48】
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【図49】
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【図50A】
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【図50B】
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【図50C】
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【図50D】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公表番号】特表2008−531210(P2008−531210A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558182(P2007−558182)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/007289
【国際公開番号】WO2006/096414
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(507191186)エヌ スパイン, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】