脚立
【課題】従来の天板の果たす機能に、さらなる付加的機能を果たすことのできる付加価値の高い脚立を提供する。
【解決手段】脚11は、互いに間隔をおいてのびた一対のポール21を有している。両ポール21に複数段のステップ22が渡し止められている。両ポール21の、最上段のステップ22よりも上方レベルにツールボックス23が渡し止められている。ツールボックス23は、両ポール21に固定されかつ上方、下方および側方の少なくともいずれか1つの方向に開放されている開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被せられている蓋42とを備えている。
【解決手段】脚11は、互いに間隔をおいてのびた一対のポール21を有している。両ポール21に複数段のステップ22が渡し止められている。両ポール21の、最上段のステップ22よりも上方レベルにツールボックス23が渡し止められている。ツールボックス23は、両ポール21に固定されかつ上方、下方および側方の少なくともいずれか1つの方向に開放されている開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被せられている蓋42とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、脚立に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脚立の脚は、互いに間隔をおいてのびた一対のポールと、両ポールに渡し止められている複数段のステップと、両ポールの、最上段のステップよりも上方レベルに渡し止められている天板とを備えているものが一般的である。
【0003】
上記脚立を作業者が利用する場合、作業者はステップを上がり下りはするものの、天板に上がり下りをしてはいけない規則になっている。
【0004】
この種の脚立の天板の機能を検証すると、まず、両ポールの天部となる側の端部を連結固定し、これにより、脚立の強度部材としての役割を果たしている。つぎに、作業者が最上段のステップに上がった場合、作業者がその臑を天板にあてがうようにすれば、作業者のサポートととして機能を、天板が果たすことになる。
【0005】
従来の脚立の天板は、上記の通り、主として、2通りの機能を果たすだけであるが、これに、さらなる機能を付加することができれば、脚立を付加価値の高いものとすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、従来の天板の果たす機能に、さらなる付加的機能を果たすことのできる付加価値の高い脚立を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による脚立は、脚が、互いに間隔をおいてのびた一対のポールを有しており、両ポールに複数段のステップが渡し止められており、両ポールの、最上段のステップよりも上方レベルにツールボックスが渡し止められているものである。
【0008】
この発明による脚立では、周知の天板に代わって、ツールボックスが備えられている。ツールボックスは、脚立の強度部材および作業者のサポートの機能を果たせることは勿論、作業に使う器具等をツールボックスに収納できるという、付加的な機能を脚立が果たすことができる。しかも、ツールボックスの備えられたか所は、作業者の手が容易に届くところであり、作業者にとって、極めて便利な脚立とすることができる。
【0009】
さらに、ツールボックスが、両ポールに固定されかつ上方、下方および側方の少なくともいずれか1つの方向に開放されている開口を有しているボックス本体と、ボックス本体の開口に被せられている蓋とを備えていることが好ましい。
【0010】
また、ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として揺動自在であっても良い。
【0011】
また、ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として回転自在であってもよい。
【0012】
また、ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心とする円周上を移動自在であってもよい。
【0013】
また、蓋が、一定姿勢に保持された状態で移動しうるようになされていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、従来の天板のを果たす機能に、さらなる付加的機能を果たすことのできる付加価値の高い脚立が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0016】
以下の説明において、矢印Aで示す方向を前、これと反対側を後といい、左右とは、後方より見て、そのその左右の側を左右というものとする。
【0017】
<実施の形態1>
図1に示すように、脚立は、ここでは、前の脚のみを図示するが、前後の脚を備えている。前後の脚は、図示しない連結部材によって、開閉自在に連結されている。
【0018】
脚11は、互いに間隔をおいてのびた左右一対のポール21を有している。両ポール21には、複数段のステップ22が渡し止められているが、ここでは、最上段のステップ22のみを図示している。両ポール21の、最上段のステップ22よりも上方レベルにツールボックス23が渡し止められている。
【0019】
各ポール21は、横断面コ字状のアルミニウム押出型材製のものであって、互いに平行に拡がる対向状前後壁31、32と、これらの前後壁31、32の相対する両縁部の一方を連絡している側壁33とよりなる。両ポール21は、前後壁31、32の先端同士を相対させるように配置されている。両ポール21の前後壁31、32には前後一対ずつの外リベット孔34が同心状にあけられている。
【0020】
各ステップ22は、中空状のアルミニウム押出型材製のものであって、図示しないリベットによって、各ポール21の対応する部分に固定されている。
【0021】
図2〜図4に示す実施の形態1によるツールボックス23は、両ポール21にこれらにまたがるように固定されかつ上方を開放している開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに開閉自在に被覆されている蓋42と、ボックス本体41に対し蓋42をロック解除自在にロックするロック機構43とよりなる。
【0022】
ボックス本体41および蓋42は、いずれも、アルミニウム押出型材製のものである。
【0023】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた水平軸線Cを有する横断面略U字をなす樋状のものであって、前上り傾斜状底壁51と、底壁51の前縁部より立上っている垂直状前側壁52と、底壁51の後縁部より前側壁52と同じ高さまで立上っている垂直状後側壁53と、底壁51、前側壁52および後側壁53の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状エンドピース54とよりなる。
【0024】
ボックス本体41の底壁51および後側壁53の交差させられた角部には、横断面一部切欠円周状リベット溝55が形成されている。前側壁52の上端部には横断面U字状嵌合突条56が形成されている。ボックス本体41の前側壁52および後側壁53の左右両端部には、外リベット孔34と合致させられた中リベット孔57が同心状にあけられている。
【0025】
各エンドピース54には、左右対応する側の中リベット孔57と合致させられた内リベット孔58があけられている。
【0026】
蓋42は、左右方向に長い方形平板状のもので、その外面に連続して並んだ多数の並列状補強リブ61を有しかつその後縁部にボックス本体41の後側壁53よりも後方に突出させられた張出部62を有している。蓋42の前縁部には、嵌合突条56にはめ被せられた横断面C字状嵌合条溝63が形成されている。蓋42の後縁部中央には横断面L字状ロック係合部64がボックス本体41側に突出させられるように設けられている。蓋42の、ロック係合部64の基部にはロック解除孔65が形成されている。
【0027】
ロック機構43は、リベット溝55の長さの中間か所に挿入固定された一対のリベット71によって、ボックス本体41の後側壁53に取付られているホルダ72と、ボックス本体41の後側壁53およびホルダ72に挟まれた状態で下端部を中心として前後揺動自在に保持されているロック部材73と、ロック部材73を前向きに付勢している横断面U字状板ばね74とよりなる。
【0028】
ロック部材73の上部にはフック75が設けられている。ロック部材73の下端部には水平丸棒ばね押え76が設けられている。ばね押え76が板ばね74の屈曲部に上側からはめ合わされ、これをホルダ72に対して押圧している。
【0029】
両ポール21およびツールボックス23は、つぎのようにして、連結固定される。ボックス本体41および蓋42を相互に長さ方向にスライドさせることによって、嵌合突条56および嵌合条溝63をはめ合わせる。ついで、ボックス本体41の左右両端部にエンドピース54をそれぞれはめ入れる。そして、外、中および内リベット孔34、57、58にリベット(図示略)を通して、その先端部を押し潰す。最後に、ロック機構43をボックス本体41に取付ければよい。ロック機構43の取付は、両ポール21およびツールボックス23の連結前に行ってもよい。
【0030】
蓋42は、嵌合突条56嵌合条溝63にそってのびた軸線Cを中心として、上下方向に揺動し、ボックス本体41の開口Oを開閉する。蓋42を閉じて、ロック係合部64にロック部材73のフック75に係合することによって、蓋42がロック状態に保持される。ロックを解除する場合、ロック解除孔65を通じて、ロック部材73のフック75を後方に押圧すると、ロック係合部64およびフック75のロック状態が解除される。そうすると、蓋42は、ボックス本体41の上方開放部を自在に開閉できる。図4に示す蓋42の開き角度は、約100°である。
【0031】
以下に、ツールボックス23の変形例を様々に説明する。以下の説明において、実施の形態1おいて説明したポール21等についての説明は、省略する。
【0032】
<実施の形態2>
図5および図6に示す実施の形態2によるツールボックス23は、実施の形態1に示す構造から、蓋42を省いたようなものであって、常時上方に開放されたボックス本体41を備えている。
【0033】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた横断面略U字をなす樋状のものであって、前上り傾斜状底壁51と、底壁51の前縁部より立上っている垂直状前側壁52と、底壁51の後縁部より前側壁52と同じ高さまで立上っている垂直状後側壁53と、底壁51、前側壁52および後側壁53の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状エンドピース54とよりなる。
【0034】
後側壁53の上縁部には後方に突出させられた張出部81が設けられている。張出部81の頂面には並列状補強リブ82が設けられている。
【0035】
<実施の形態3>
図7〜図9に示す実施の形態3によるツールボックス23は、下方および前方を開放した開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被覆されている蓋42とよりなる。
【0036】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた横断面略L字の屈曲板状をなすものであって、水平状頂壁91と、頂壁91の後縁部より若干後上りに傾斜させられた側壁92と、頂壁91および側壁92の左右両端部内面に当接させられた2面を有する左右一対のブロック状大エンドピース93とよりなる。
【0037】
ボックス本体41の頂壁91後縁部には、その側壁92よりも後方に張り出した延長部94が設けられている。延長部94の左右両端部には切欠95がそれぞれ形成されている。ボックス本体41の側壁92下端部には、横断面円形状嵌合突条96が設けられている。ボックス本体41の側壁左右両端部には中リベット孔97がそれぞれあけられている。
【0038】
各大エンドピース93には、左右対応する側の中リベット孔97と合致させられた内リベット孔98があけられている。
【0039】
蓋42は、全体として、左右方向にのびた横断面略U字をなす樋状のものであって、相対させられた前側壁101および後側壁102と、これらの両側壁101、102の下縁部を連絡している底壁103と、前側壁101および後側壁102並びに底壁103の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状小エンドピース104とよりなる。
【0040】
蓋42の後側壁102および底壁103の交差させられた角部には、嵌合突条96をはめ入れた横断面半円形状嵌合条溝105が形成されている。
【0041】
ボックス本体41および蓋42を相対的に長さ方向にスライドさせることによって、嵌合突条96および嵌合条溝105がはめ合わされる。前側壁101および後側壁102並びに底壁103と、各小エンドピース104とは、適宜手段によって結合されている。
【0042】
ポール21に対して、ボックス本体41がリベットによって固定される手順は、実施の形態1における説明に準じる。ポール21およびボックス本体41を固定するには、ボックス本体41の頂壁切欠95にポール21が挿入される。
【0043】
蓋42は、嵌合突条96および嵌合条溝105にそってのびた軸線Cを中心として、揺動させられ、これにより、ボックス本体41の開口Oが開閉される。蓋42が閉じられた際に、ボックス本体41の側壁92と、蓋42の後側壁102とが当接させられ、これが、ストッパの機能を果たすことになる。
【0044】
実施の形態3において、ロック機構43が示されていないが、実施の形態1のロック機構43に準じたロック機構43が実施の形態3において備えられていてもよい。
【0045】
<実施の形態4>
図10〜図12に示す実施の形態4によるツールボックス23は、下方および前方を開放した開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被覆されている蓋42とよりなる。
【0046】
実施の形態4のボックス本体41および蓋42の基本的構造は、若干の形状上の差異は有るが、実施の形態3のそれに似ている。したがって、実施の形態4のボックス本体41および蓋42について、実施の形態3に示す部分と対応する部分には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
以下、主として、実施の形態3および実施の形態4の相違点を説明する。
【0048】
実施の形態3において、蓋42は、嵌合突条96および嵌合条溝105にそってのびた1つの軸線Cを中心として、揺動させられるが、実施の形態4においては、蓋42は、互いに平行にのびた2つの軸線Cを中心として、平行リンク機構111によって一定姿勢に保持された状態で揺動させられるようになっている。
【0049】
左右それぞれの端部において、大エンドピース93および小エンドビス104の対向面にはピン112、113が2つずつ前後に並んで設けられている。大エンドピース93および小エンドピース104の、前後対応する側のピン112、113に連結ロッド114がそれぞれ渡されている。
【0050】
蓋42を前向きに揺動させて、ボックス本体41の下方から蓋42を退去させると、ボックス本体41の開口Oが開かれ、この状態から、蓋42を後向きに揺動させて、ボックス本体41の下方に蓋42を進入させると、同開口Oが閉じられる。蓋42が閉じた状態で、ボックス本体41の下縁部および蓋42の上縁部がそれぞれの全周にわたって合致させられる。
【0051】
<実施の形態5>
図13〜図15に示す実施の形態5によるツールボックス23は、上方開放開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被覆されている蓋42とよりなる。
【0052】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた横断面略U字をなす樋状の胴壁121と、胴壁121の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状エンドピース122とよりなる。
【0053】
胴壁121の左右両端部には中リベット孔123がそれぞれ形成されている。各エンドピース122の外面上部に部分案内面124が形成されている。胴壁121にエンドピース122がはめ合わされた状態で、エンドピース122の部分案内面124が胴壁121の両上縁部間に露出させられている。胴壁121外面および部分案内面124は、双方にまたがって一巡するほぼ円環状の全周案内面125を形成している。各エンドピース122には、中リベット孔123と合致させられた内リベット孔126が形成されている。
【0054】
蓋42は、平板状頂壁131と、頂壁131の後縁部にこれと直交させられている側壁132と、頂壁131および側壁132のなす直交2面にまたがる横断面半円状被案内壁133とよりなる。
【0055】
全周案内面125の中心を、ボックス本体41の軸線Cが延びている。ボックス本体41の胴壁121外面に蓋42の被案内壁133の内面が嵌め合わされた状態で、ボックス本体41の軸線CCを中心として、ボックス本体41に対して蓋42が回転摺動自在である。
【0056】
蓋42を正逆方向に回転させることによつて、ボックス本体41の開口Oが蓋42によって開閉される。
【0057】
実施の形態5において、ボックス本体41は、上記実施の形態1〜4の例にならって、ポール21に固定される。
【0058】
<実施の形態6>
図16〜図20に、実施の形態6によるツールボックス23が示されている。実施の形態6によるツールボックス23は、実施の形態1によるツールボックス23と比較的良く似ている。
【0059】
ツールボックス23は、上方を開放している開口O(図18参照)を有しているアルミニウム押出型材製ボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに開閉自在に被覆されているアルミニウム押出型材製蓋42と、ボックス本体41の両端部を両ポール21にそれぞれ固定している左右一対の固定部材141とよりなる。
【0060】
ボックス本体41は、左右方向にのびた横断面略U字をなす浅い樋状の胴壁151と、胴壁151の両端を閉鎖している左右一対の垂直板状エンドピース152とよりなる。
【0061】
胴壁151の上端両縁部の2か所と、胴壁151の底部の1か所との合計3か所には、ねじ孔形成用条孔161が形成されている。
【0062】
各エンドピース152の3か所には、ねじ孔形成用条孔161と対応するビス孔162が形成されている。各エンドピース152の下縁部の2か所には内ボルト孔163があけられている。各エンドピース152の上縁前端部には軸孔164が形成されている。各エンドピース152の上縁後端部には切欠165が形成されている。切欠165の直下に位置するように、各エンドピース152の下縁後端部にはロッド孔166が形成されている。
【0063】
各固定部材141は、アルミニウム押出型材によって一体成形されたもので、方形状中空壁171と、中空壁171の内面側から垂下させられた延長壁172とよりなる。延長壁172には、内ボルト孔163と対応する外ボルト孔173があけられている。中空壁171の内部には隔壁によって支持されている前後方向リベット孔形成筒174が一体的に設けられている。中空壁171の頂面には凹円弧状窪み175が形成されている。
【0064】
ねじ孔形成用条孔161およびビス孔162の対応するもの同士にはビス167がねじ入れられ、これにより、ボックス本体41が一体化されている。この状態で、両固定部材141によって、ボックス本体41がポール21に渡し止められている。
【0065】
両内ボルト孔163および外ボルト孔173をそれぞれ合致させた状態で、ボルト176およびナット177によって、各エンドピース152および固定部材141が締付けられ、これにより、双方が固定状に連結されている。
【0066】
リベット孔形成筒174の開口を前後方向に向けた状態で、ポール21の前後壁31、32の間に固定部材141がはめ込まれている。この状態で、ポール前後壁31、32のリベット孔34とリベット孔形成筒174が合致させられ、リベット孔34とリベット孔形成筒174に通されたリベット(図示略)によって、ポール21に固定部材141が固定されている。ポール21に固定部材141が固定された状態で、窪み175は前後方向からポール前後壁31、32によって挟まれ、これにより、窪み175を小物入れとして利用できる。
【0067】
蓋42の頂面のほぼ全体にはリブ181が並列状に設けられている。蓋42の前縁部にはこれにそって支持筒182がのびている。支持筒182の両端開口には支持ボルト183がそれぞれねじ入れられている。支持ボルト183は、外周面を円筒面とする六角孔付頭部184を有している。支持ボルト183の頭部184が、軸孔164に遊びばめされ、これにより、支持ボルト183の軸線が蓋開閉時の揺動中心軸線Cを形成している。
【0068】
蓋42の後縁部下面中央にはロック用フック部材191が取付られている。フック部材191を係合離脱自在に係合させる一対の係合ローラ192がボックス本体胴壁151後縁部内面中央に取付られている。
【0069】
門形状に折曲げ成形された蓋押えロッド201の両端部がロッド孔166に遊びはめされている。蓋押えロッド201は、ロッド孔166を中心として上下方向に揺動自在である。蓋押えロッド201が上向きに揺動させられる際に、閉じられた蓋42の後縁部に蓋押えロッド201の頂部直線部分が上側から係合させられ、同時に、同直線部分の両端部が切欠165に係合される。これにより、蓋42が閉じられた状態で、その安定姿勢に保持される(図17および図19)。
【0070】
蓋42を開ける際は、蓋押えロッド201を下向きに揺動させて、蓋42の後縁部から蓋押えロッド201の頂部直線部分を後方に外すようにすればよい。外された蓋押えロッド201は、その自重によって、ロッド孔166から垂れ下がる(図18および図20)。
【0071】
<実施の形態7>
図21〜図26に、実施の形態7によるツールボックス23が示されている。実施の形態7によるツールボックス23の流れを酌むもので、したがって、実施の形態6によるツールボックス23とも比較的良く似ている。
【0072】
ツールボックス23は、上方を開放している開口O(図23参照)を有しているアルミニウム押出型材製ボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに開閉自在に被覆されているアルミニウム押出型材製蓋42と、ボックス本体41の両端部を両ポール21にそれぞれ固定している左右一対の固定部材301と、ボックス本体41の底面に固定されている補助ステップ302とよりなる。
【0073】
ボックス本体41は、左右方向にのびた横断面略U字をなす浅い樋状の胴壁311と、胴壁311の両端を閉鎖しかつ胴壁311の両端に溶接によって固着されている左右一対の垂直板状端壁312とよりなる。
【0074】
胴壁311の後面長さ方向中央にはパッチン錠313が取付られている。パッチン錠313は、門形状可動フック314を有している。
【0075】
各固定部材301は、方形状に枠組された板状体よりなる。各固定部材301の一端開口縁部がボックス本体41の左右対応する側の端壁312外面に溶接によって固着されている。
【0076】
各固定部材301の前後測板にはリベット孔315が一直線上にあけられている。
【0077】
補助ステップ302は、横断面L字状をなす左右方向にのびた帯状長尺部材製幅狭板部316および幅広板部317より、胴壁311底面のほぼ中央部を被覆している。幅狭板部316および幅広板部317の先端部が胴壁311底面に溶接によって固着されている。
【0078】
各固定部材301の開口を前後方向に向けた状態で、ポール21の前後壁31、32の間に固定部材301がはめ込まれている。この状態で、ポール前後壁31、32のリベット孔34と、各固定部材301のリベット孔315が合致させられ、双方のリベット孔34、315に通されたリベット(図示略)によって、ポール21に固定部材301が固定されている。
【0079】
蓋42は、浅い樋状のもので、平板状蓋本体321と、蓋本体321の前後両縁部から垂下させられた前後一対のスカート322とよりなる。胴壁311の前面および前側のスカート322内面に、これらにまたがって一対のヒンジ323がビス止めされている。ヒンジ323の揺動連結ピンの軸線が蓋開閉時の揺動中心軸線Cを形成している(図24)。
【0080】
蓋42の後スカート322の長さ方向中央に切欠324が形成されている。切欠324の底には横断面略U字状係合突縁325が設けられている。
【0081】
図22は、蓋42が閉じられた状態を示している。この状態では、ボックス本体41の胴壁311前後両面に、これの外面側から、蓋42の両スカート322が被せられている。パッチン錠313の可動フック314は係合突縁325に掛け止められており、これにより、蓋42は、閉鎖状態に保持されているる。可動フック314を係合突縁325から掛け外し、ヒンジ323を中心として、蓋42を前向きに揺動させると、図23に示すように、蓋42が開かれた状態となる。
【0082】
図25は、前後の脚11の頂部同士が一対の連結部材331によって連結されている状態を示している。両連結部材331は、互いに連結ピン332によって連結されている。これは、脚立を、脚立として、使用する通常の状態を示している。
【0083】
場合によっては、脚立を脚立として使用するのでは無く、梯子のような用途に使用することもある。その場合、前後の脚11は、1つの平面に含まれるように展開された状態で使用されることもある。その様子が図26に示されている。
【0084】
図26では、前側の脚11の頂部に後側の脚11が上方に延長されている。このときに、後側の脚11のツールボックス23は、前側の脚11のツールボックス23の上側で、上下裏返しとなる。そうすると、後側の脚11のツールボックス23の補助ステップ302は上向きとなる。この状態で、補助ステップ302の幅広板状部317上面は、水平姿勢となり、これを、ステップの踏み面と利用することが可能となる。
【0085】
上記の各実施の形態1〜7において、ボックス本体を、リベットによってポールに固定する例が示されている。リベットに代わり、ボルト・ナット等の他の締結手段を用いても良く、溶接等によって双方を接合してもよい。
【0086】
さらに、ボックス本体を直接的にポールに固定する代わりに、ポールにホルダ等を設けて、これに、ボックス本体を着脱するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の実施の形態1による脚立の頂部付近の斜視図である。
【図2】同脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図3】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図4】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図6】同ツールボックスの横断面図である。
【図7】この発明の実施の形態3による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図8】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図9】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図11】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図12】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図13】この発明の実施の形態5による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図14】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図15】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図16】この発明の実施の形態6による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図17】同ツールボックスの閉鎖時の斜視図である。
【図18】同ツールボックスの開放時の斜視図である。
【図19】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図20】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図21】この発明の実施の形態7による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図22】同ツールボックスの閉鎖時の斜視図である。
【図23】同ツールボックスの開放時の斜視図である。
【図24】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図25】同脚立の使用時の頂部付近側面図である。
【図26】同脚立を梯子のように使用するときの頂部付近側面図である。
【符号の説明】
【0088】
11 脚
21 ポール
22 ステップ
23 ツールボックス
41 ボックス本体
42 蓋
O 開口
【技術分野】
【0001】
この発明は、脚立に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脚立の脚は、互いに間隔をおいてのびた一対のポールと、両ポールに渡し止められている複数段のステップと、両ポールの、最上段のステップよりも上方レベルに渡し止められている天板とを備えているものが一般的である。
【0003】
上記脚立を作業者が利用する場合、作業者はステップを上がり下りはするものの、天板に上がり下りをしてはいけない規則になっている。
【0004】
この種の脚立の天板の機能を検証すると、まず、両ポールの天部となる側の端部を連結固定し、これにより、脚立の強度部材としての役割を果たしている。つぎに、作業者が最上段のステップに上がった場合、作業者がその臑を天板にあてがうようにすれば、作業者のサポートととして機能を、天板が果たすことになる。
【0005】
従来の脚立の天板は、上記の通り、主として、2通りの機能を果たすだけであるが、これに、さらなる機能を付加することができれば、脚立を付加価値の高いものとすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、従来の天板の果たす機能に、さらなる付加的機能を果たすことのできる付加価値の高い脚立を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による脚立は、脚が、互いに間隔をおいてのびた一対のポールを有しており、両ポールに複数段のステップが渡し止められており、両ポールの、最上段のステップよりも上方レベルにツールボックスが渡し止められているものである。
【0008】
この発明による脚立では、周知の天板に代わって、ツールボックスが備えられている。ツールボックスは、脚立の強度部材および作業者のサポートの機能を果たせることは勿論、作業に使う器具等をツールボックスに収納できるという、付加的な機能を脚立が果たすことができる。しかも、ツールボックスの備えられたか所は、作業者の手が容易に届くところであり、作業者にとって、極めて便利な脚立とすることができる。
【0009】
さらに、ツールボックスが、両ポールに固定されかつ上方、下方および側方の少なくともいずれか1つの方向に開放されている開口を有しているボックス本体と、ボックス本体の開口に被せられている蓋とを備えていることが好ましい。
【0010】
また、ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として揺動自在であっても良い。
【0011】
また、ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として回転自在であってもよい。
【0012】
また、ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心とする円周上を移動自在であってもよい。
【0013】
また、蓋が、一定姿勢に保持された状態で移動しうるようになされていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、従来の天板のを果たす機能に、さらなる付加的機能を果たすことのできる付加価値の高い脚立が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0016】
以下の説明において、矢印Aで示す方向を前、これと反対側を後といい、左右とは、後方より見て、そのその左右の側を左右というものとする。
【0017】
<実施の形態1>
図1に示すように、脚立は、ここでは、前の脚のみを図示するが、前後の脚を備えている。前後の脚は、図示しない連結部材によって、開閉自在に連結されている。
【0018】
脚11は、互いに間隔をおいてのびた左右一対のポール21を有している。両ポール21には、複数段のステップ22が渡し止められているが、ここでは、最上段のステップ22のみを図示している。両ポール21の、最上段のステップ22よりも上方レベルにツールボックス23が渡し止められている。
【0019】
各ポール21は、横断面コ字状のアルミニウム押出型材製のものであって、互いに平行に拡がる対向状前後壁31、32と、これらの前後壁31、32の相対する両縁部の一方を連絡している側壁33とよりなる。両ポール21は、前後壁31、32の先端同士を相対させるように配置されている。両ポール21の前後壁31、32には前後一対ずつの外リベット孔34が同心状にあけられている。
【0020】
各ステップ22は、中空状のアルミニウム押出型材製のものであって、図示しないリベットによって、各ポール21の対応する部分に固定されている。
【0021】
図2〜図4に示す実施の形態1によるツールボックス23は、両ポール21にこれらにまたがるように固定されかつ上方を開放している開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに開閉自在に被覆されている蓋42と、ボックス本体41に対し蓋42をロック解除自在にロックするロック機構43とよりなる。
【0022】
ボックス本体41および蓋42は、いずれも、アルミニウム押出型材製のものである。
【0023】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた水平軸線Cを有する横断面略U字をなす樋状のものであって、前上り傾斜状底壁51と、底壁51の前縁部より立上っている垂直状前側壁52と、底壁51の後縁部より前側壁52と同じ高さまで立上っている垂直状後側壁53と、底壁51、前側壁52および後側壁53の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状エンドピース54とよりなる。
【0024】
ボックス本体41の底壁51および後側壁53の交差させられた角部には、横断面一部切欠円周状リベット溝55が形成されている。前側壁52の上端部には横断面U字状嵌合突条56が形成されている。ボックス本体41の前側壁52および後側壁53の左右両端部には、外リベット孔34と合致させられた中リベット孔57が同心状にあけられている。
【0025】
各エンドピース54には、左右対応する側の中リベット孔57と合致させられた内リベット孔58があけられている。
【0026】
蓋42は、左右方向に長い方形平板状のもので、その外面に連続して並んだ多数の並列状補強リブ61を有しかつその後縁部にボックス本体41の後側壁53よりも後方に突出させられた張出部62を有している。蓋42の前縁部には、嵌合突条56にはめ被せられた横断面C字状嵌合条溝63が形成されている。蓋42の後縁部中央には横断面L字状ロック係合部64がボックス本体41側に突出させられるように設けられている。蓋42の、ロック係合部64の基部にはロック解除孔65が形成されている。
【0027】
ロック機構43は、リベット溝55の長さの中間か所に挿入固定された一対のリベット71によって、ボックス本体41の後側壁53に取付られているホルダ72と、ボックス本体41の後側壁53およびホルダ72に挟まれた状態で下端部を中心として前後揺動自在に保持されているロック部材73と、ロック部材73を前向きに付勢している横断面U字状板ばね74とよりなる。
【0028】
ロック部材73の上部にはフック75が設けられている。ロック部材73の下端部には水平丸棒ばね押え76が設けられている。ばね押え76が板ばね74の屈曲部に上側からはめ合わされ、これをホルダ72に対して押圧している。
【0029】
両ポール21およびツールボックス23は、つぎのようにして、連結固定される。ボックス本体41および蓋42を相互に長さ方向にスライドさせることによって、嵌合突条56および嵌合条溝63をはめ合わせる。ついで、ボックス本体41の左右両端部にエンドピース54をそれぞれはめ入れる。そして、外、中および内リベット孔34、57、58にリベット(図示略)を通して、その先端部を押し潰す。最後に、ロック機構43をボックス本体41に取付ければよい。ロック機構43の取付は、両ポール21およびツールボックス23の連結前に行ってもよい。
【0030】
蓋42は、嵌合突条56嵌合条溝63にそってのびた軸線Cを中心として、上下方向に揺動し、ボックス本体41の開口Oを開閉する。蓋42を閉じて、ロック係合部64にロック部材73のフック75に係合することによって、蓋42がロック状態に保持される。ロックを解除する場合、ロック解除孔65を通じて、ロック部材73のフック75を後方に押圧すると、ロック係合部64およびフック75のロック状態が解除される。そうすると、蓋42は、ボックス本体41の上方開放部を自在に開閉できる。図4に示す蓋42の開き角度は、約100°である。
【0031】
以下に、ツールボックス23の変形例を様々に説明する。以下の説明において、実施の形態1おいて説明したポール21等についての説明は、省略する。
【0032】
<実施の形態2>
図5および図6に示す実施の形態2によるツールボックス23は、実施の形態1に示す構造から、蓋42を省いたようなものであって、常時上方に開放されたボックス本体41を備えている。
【0033】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた横断面略U字をなす樋状のものであって、前上り傾斜状底壁51と、底壁51の前縁部より立上っている垂直状前側壁52と、底壁51の後縁部より前側壁52と同じ高さまで立上っている垂直状後側壁53と、底壁51、前側壁52および後側壁53の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状エンドピース54とよりなる。
【0034】
後側壁53の上縁部には後方に突出させられた張出部81が設けられている。張出部81の頂面には並列状補強リブ82が設けられている。
【0035】
<実施の形態3>
図7〜図9に示す実施の形態3によるツールボックス23は、下方および前方を開放した開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被覆されている蓋42とよりなる。
【0036】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた横断面略L字の屈曲板状をなすものであって、水平状頂壁91と、頂壁91の後縁部より若干後上りに傾斜させられた側壁92と、頂壁91および側壁92の左右両端部内面に当接させられた2面を有する左右一対のブロック状大エンドピース93とよりなる。
【0037】
ボックス本体41の頂壁91後縁部には、その側壁92よりも後方に張り出した延長部94が設けられている。延長部94の左右両端部には切欠95がそれぞれ形成されている。ボックス本体41の側壁92下端部には、横断面円形状嵌合突条96が設けられている。ボックス本体41の側壁左右両端部には中リベット孔97がそれぞれあけられている。
【0038】
各大エンドピース93には、左右対応する側の中リベット孔97と合致させられた内リベット孔98があけられている。
【0039】
蓋42は、全体として、左右方向にのびた横断面略U字をなす樋状のものであって、相対させられた前側壁101および後側壁102と、これらの両側壁101、102の下縁部を連絡している底壁103と、前側壁101および後側壁102並びに底壁103の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状小エンドピース104とよりなる。
【0040】
蓋42の後側壁102および底壁103の交差させられた角部には、嵌合突条96をはめ入れた横断面半円形状嵌合条溝105が形成されている。
【0041】
ボックス本体41および蓋42を相対的に長さ方向にスライドさせることによって、嵌合突条96および嵌合条溝105がはめ合わされる。前側壁101および後側壁102並びに底壁103と、各小エンドピース104とは、適宜手段によって結合されている。
【0042】
ポール21に対して、ボックス本体41がリベットによって固定される手順は、実施の形態1における説明に準じる。ポール21およびボックス本体41を固定するには、ボックス本体41の頂壁切欠95にポール21が挿入される。
【0043】
蓋42は、嵌合突条96および嵌合条溝105にそってのびた軸線Cを中心として、揺動させられ、これにより、ボックス本体41の開口Oが開閉される。蓋42が閉じられた際に、ボックス本体41の側壁92と、蓋42の後側壁102とが当接させられ、これが、ストッパの機能を果たすことになる。
【0044】
実施の形態3において、ロック機構43が示されていないが、実施の形態1のロック機構43に準じたロック機構43が実施の形態3において備えられていてもよい。
【0045】
<実施の形態4>
図10〜図12に示す実施の形態4によるツールボックス23は、下方および前方を開放した開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被覆されている蓋42とよりなる。
【0046】
実施の形態4のボックス本体41および蓋42の基本的構造は、若干の形状上の差異は有るが、実施の形態3のそれに似ている。したがって、実施の形態4のボックス本体41および蓋42について、実施の形態3に示す部分と対応する部分には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
以下、主として、実施の形態3および実施の形態4の相違点を説明する。
【0048】
実施の形態3において、蓋42は、嵌合突条96および嵌合条溝105にそってのびた1つの軸線Cを中心として、揺動させられるが、実施の形態4においては、蓋42は、互いに平行にのびた2つの軸線Cを中心として、平行リンク機構111によって一定姿勢に保持された状態で揺動させられるようになっている。
【0049】
左右それぞれの端部において、大エンドピース93および小エンドビス104の対向面にはピン112、113が2つずつ前後に並んで設けられている。大エンドピース93および小エンドピース104の、前後対応する側のピン112、113に連結ロッド114がそれぞれ渡されている。
【0050】
蓋42を前向きに揺動させて、ボックス本体41の下方から蓋42を退去させると、ボックス本体41の開口Oが開かれ、この状態から、蓋42を後向きに揺動させて、ボックス本体41の下方に蓋42を進入させると、同開口Oが閉じられる。蓋42が閉じた状態で、ボックス本体41の下縁部および蓋42の上縁部がそれぞれの全周にわたって合致させられる。
【0051】
<実施の形態5>
図13〜図15に示す実施の形態5によるツールボックス23は、上方開放開口Oを有しているボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに被覆されている蓋42とよりなる。
【0052】
ボックス本体41は、全体として、左右方向にのびた横断面略U字をなす樋状の胴壁121と、胴壁121の左右両端部内面にはめ合わされている左右一対のブロック状エンドピース122とよりなる。
【0053】
胴壁121の左右両端部には中リベット孔123がそれぞれ形成されている。各エンドピース122の外面上部に部分案内面124が形成されている。胴壁121にエンドピース122がはめ合わされた状態で、エンドピース122の部分案内面124が胴壁121の両上縁部間に露出させられている。胴壁121外面および部分案内面124は、双方にまたがって一巡するほぼ円環状の全周案内面125を形成している。各エンドピース122には、中リベット孔123と合致させられた内リベット孔126が形成されている。
【0054】
蓋42は、平板状頂壁131と、頂壁131の後縁部にこれと直交させられている側壁132と、頂壁131および側壁132のなす直交2面にまたがる横断面半円状被案内壁133とよりなる。
【0055】
全周案内面125の中心を、ボックス本体41の軸線Cが延びている。ボックス本体41の胴壁121外面に蓋42の被案内壁133の内面が嵌め合わされた状態で、ボックス本体41の軸線CCを中心として、ボックス本体41に対して蓋42が回転摺動自在である。
【0056】
蓋42を正逆方向に回転させることによつて、ボックス本体41の開口Oが蓋42によって開閉される。
【0057】
実施の形態5において、ボックス本体41は、上記実施の形態1〜4の例にならって、ポール21に固定される。
【0058】
<実施の形態6>
図16〜図20に、実施の形態6によるツールボックス23が示されている。実施の形態6によるツールボックス23は、実施の形態1によるツールボックス23と比較的良く似ている。
【0059】
ツールボックス23は、上方を開放している開口O(図18参照)を有しているアルミニウム押出型材製ボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに開閉自在に被覆されているアルミニウム押出型材製蓋42と、ボックス本体41の両端部を両ポール21にそれぞれ固定している左右一対の固定部材141とよりなる。
【0060】
ボックス本体41は、左右方向にのびた横断面略U字をなす浅い樋状の胴壁151と、胴壁151の両端を閉鎖している左右一対の垂直板状エンドピース152とよりなる。
【0061】
胴壁151の上端両縁部の2か所と、胴壁151の底部の1か所との合計3か所には、ねじ孔形成用条孔161が形成されている。
【0062】
各エンドピース152の3か所には、ねじ孔形成用条孔161と対応するビス孔162が形成されている。各エンドピース152の下縁部の2か所には内ボルト孔163があけられている。各エンドピース152の上縁前端部には軸孔164が形成されている。各エンドピース152の上縁後端部には切欠165が形成されている。切欠165の直下に位置するように、各エンドピース152の下縁後端部にはロッド孔166が形成されている。
【0063】
各固定部材141は、アルミニウム押出型材によって一体成形されたもので、方形状中空壁171と、中空壁171の内面側から垂下させられた延長壁172とよりなる。延長壁172には、内ボルト孔163と対応する外ボルト孔173があけられている。中空壁171の内部には隔壁によって支持されている前後方向リベット孔形成筒174が一体的に設けられている。中空壁171の頂面には凹円弧状窪み175が形成されている。
【0064】
ねじ孔形成用条孔161およびビス孔162の対応するもの同士にはビス167がねじ入れられ、これにより、ボックス本体41が一体化されている。この状態で、両固定部材141によって、ボックス本体41がポール21に渡し止められている。
【0065】
両内ボルト孔163および外ボルト孔173をそれぞれ合致させた状態で、ボルト176およびナット177によって、各エンドピース152および固定部材141が締付けられ、これにより、双方が固定状に連結されている。
【0066】
リベット孔形成筒174の開口を前後方向に向けた状態で、ポール21の前後壁31、32の間に固定部材141がはめ込まれている。この状態で、ポール前後壁31、32のリベット孔34とリベット孔形成筒174が合致させられ、リベット孔34とリベット孔形成筒174に通されたリベット(図示略)によって、ポール21に固定部材141が固定されている。ポール21に固定部材141が固定された状態で、窪み175は前後方向からポール前後壁31、32によって挟まれ、これにより、窪み175を小物入れとして利用できる。
【0067】
蓋42の頂面のほぼ全体にはリブ181が並列状に設けられている。蓋42の前縁部にはこれにそって支持筒182がのびている。支持筒182の両端開口には支持ボルト183がそれぞれねじ入れられている。支持ボルト183は、外周面を円筒面とする六角孔付頭部184を有している。支持ボルト183の頭部184が、軸孔164に遊びばめされ、これにより、支持ボルト183の軸線が蓋開閉時の揺動中心軸線Cを形成している。
【0068】
蓋42の後縁部下面中央にはロック用フック部材191が取付られている。フック部材191を係合離脱自在に係合させる一対の係合ローラ192がボックス本体胴壁151後縁部内面中央に取付られている。
【0069】
門形状に折曲げ成形された蓋押えロッド201の両端部がロッド孔166に遊びはめされている。蓋押えロッド201は、ロッド孔166を中心として上下方向に揺動自在である。蓋押えロッド201が上向きに揺動させられる際に、閉じられた蓋42の後縁部に蓋押えロッド201の頂部直線部分が上側から係合させられ、同時に、同直線部分の両端部が切欠165に係合される。これにより、蓋42が閉じられた状態で、その安定姿勢に保持される(図17および図19)。
【0070】
蓋42を開ける際は、蓋押えロッド201を下向きに揺動させて、蓋42の後縁部から蓋押えロッド201の頂部直線部分を後方に外すようにすればよい。外された蓋押えロッド201は、その自重によって、ロッド孔166から垂れ下がる(図18および図20)。
【0071】
<実施の形態7>
図21〜図26に、実施の形態7によるツールボックス23が示されている。実施の形態7によるツールボックス23の流れを酌むもので、したがって、実施の形態6によるツールボックス23とも比較的良く似ている。
【0072】
ツールボックス23は、上方を開放している開口O(図23参照)を有しているアルミニウム押出型材製ボックス本体41と、ボックス本体41の開口Oに開閉自在に被覆されているアルミニウム押出型材製蓋42と、ボックス本体41の両端部を両ポール21にそれぞれ固定している左右一対の固定部材301と、ボックス本体41の底面に固定されている補助ステップ302とよりなる。
【0073】
ボックス本体41は、左右方向にのびた横断面略U字をなす浅い樋状の胴壁311と、胴壁311の両端を閉鎖しかつ胴壁311の両端に溶接によって固着されている左右一対の垂直板状端壁312とよりなる。
【0074】
胴壁311の後面長さ方向中央にはパッチン錠313が取付られている。パッチン錠313は、門形状可動フック314を有している。
【0075】
各固定部材301は、方形状に枠組された板状体よりなる。各固定部材301の一端開口縁部がボックス本体41の左右対応する側の端壁312外面に溶接によって固着されている。
【0076】
各固定部材301の前後測板にはリベット孔315が一直線上にあけられている。
【0077】
補助ステップ302は、横断面L字状をなす左右方向にのびた帯状長尺部材製幅狭板部316および幅広板部317より、胴壁311底面のほぼ中央部を被覆している。幅狭板部316および幅広板部317の先端部が胴壁311底面に溶接によって固着されている。
【0078】
各固定部材301の開口を前後方向に向けた状態で、ポール21の前後壁31、32の間に固定部材301がはめ込まれている。この状態で、ポール前後壁31、32のリベット孔34と、各固定部材301のリベット孔315が合致させられ、双方のリベット孔34、315に通されたリベット(図示略)によって、ポール21に固定部材301が固定されている。
【0079】
蓋42は、浅い樋状のもので、平板状蓋本体321と、蓋本体321の前後両縁部から垂下させられた前後一対のスカート322とよりなる。胴壁311の前面および前側のスカート322内面に、これらにまたがって一対のヒンジ323がビス止めされている。ヒンジ323の揺動連結ピンの軸線が蓋開閉時の揺動中心軸線Cを形成している(図24)。
【0080】
蓋42の後スカート322の長さ方向中央に切欠324が形成されている。切欠324の底には横断面略U字状係合突縁325が設けられている。
【0081】
図22は、蓋42が閉じられた状態を示している。この状態では、ボックス本体41の胴壁311前後両面に、これの外面側から、蓋42の両スカート322が被せられている。パッチン錠313の可動フック314は係合突縁325に掛け止められており、これにより、蓋42は、閉鎖状態に保持されているる。可動フック314を係合突縁325から掛け外し、ヒンジ323を中心として、蓋42を前向きに揺動させると、図23に示すように、蓋42が開かれた状態となる。
【0082】
図25は、前後の脚11の頂部同士が一対の連結部材331によって連結されている状態を示している。両連結部材331は、互いに連結ピン332によって連結されている。これは、脚立を、脚立として、使用する通常の状態を示している。
【0083】
場合によっては、脚立を脚立として使用するのでは無く、梯子のような用途に使用することもある。その場合、前後の脚11は、1つの平面に含まれるように展開された状態で使用されることもある。その様子が図26に示されている。
【0084】
図26では、前側の脚11の頂部に後側の脚11が上方に延長されている。このときに、後側の脚11のツールボックス23は、前側の脚11のツールボックス23の上側で、上下裏返しとなる。そうすると、後側の脚11のツールボックス23の補助ステップ302は上向きとなる。この状態で、補助ステップ302の幅広板状部317上面は、水平姿勢となり、これを、ステップの踏み面と利用することが可能となる。
【0085】
上記の各実施の形態1〜7において、ボックス本体を、リベットによってポールに固定する例が示されている。リベットに代わり、ボルト・ナット等の他の締結手段を用いても良く、溶接等によって双方を接合してもよい。
【0086】
さらに、ボックス本体を直接的にポールに固定する代わりに、ポールにホルダ等を設けて、これに、ボックス本体を着脱するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の実施の形態1による脚立の頂部付近の斜視図である。
【図2】同脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図3】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図4】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図6】同ツールボックスの横断面図である。
【図7】この発明の実施の形態3による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図8】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図9】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図11】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図12】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図13】この発明の実施の形態5による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図14】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図15】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図16】この発明の実施の形態6による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図17】同ツールボックスの閉鎖時の斜視図である。
【図18】同ツールボックスの開放時の斜視図である。
【図19】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図20】開放時の同ツールボックスの横断面図である。
【図21】この発明の実施の形態7による脚立のツールボックスの分解斜視図である。
【図22】同ツールボックスの閉鎖時の斜視図である。
【図23】同ツールボックスの開放時の斜視図である。
【図24】閉鎖時の同ツールボックスの横断面図である。
【図25】同脚立の使用時の頂部付近側面図である。
【図26】同脚立を梯子のように使用するときの頂部付近側面図である。
【符号の説明】
【0088】
11 脚
21 ポール
22 ステップ
23 ツールボックス
41 ボックス本体
42 蓋
O 開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚が、互いに間隔をおいてのびた一対のポールを有しており、両ポールに複数段のステップが渡し止められており、両ポールの、最上段のステップよりも上方レベルにツールボックスが渡し止められている脚立。
【請求項2】
ツールボックスが、両ポールに固定されかつ上方、下方および側方の少なくともいずれか1つの方向に開放されている開口を有しているボックス本体と、ボックス本体の開口に被せられている蓋とを備えている請求項1に記載の脚立。
【請求項3】
ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として揺動自在である請求項2に記載の脚立。
【請求項4】
ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として回転自在である請求項2に記載の脚立。
【請求項5】
ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心とする円周上を移動自在である請求項2に記載の脚立。
【請求項6】
蓋が、一定姿勢に保持された状態で移動しうるようになされている請求項2に記載の脚立。
【請求項1】
脚が、互いに間隔をおいてのびた一対のポールを有しており、両ポールに複数段のステップが渡し止められており、両ポールの、最上段のステップよりも上方レベルにツールボックスが渡し止められている脚立。
【請求項2】
ツールボックスが、両ポールに固定されかつ上方、下方および側方の少なくともいずれか1つの方向に開放されている開口を有しているボックス本体と、ボックス本体の開口に被せられている蓋とを備えている請求項1に記載の脚立。
【請求項3】
ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として揺動自在である請求項2に記載の脚立。
【請求項4】
ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心として回転自在である請求項2に記載の脚立。
【請求項5】
ボックス本体が、軸線を有しており、蓋が、ボックス本体の軸線を中心とする円周上を移動自在である請求項2に記載の脚立。
【請求項6】
蓋が、一定姿勢に保持された状態で移動しうるようになされている請求項2に記載の脚立。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−31626(P2010−31626A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261897(P2008−261897)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(393018130)長谷川工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(393018130)長谷川工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]