説明

脱気方法

【課題】保存安定性の改善された銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクの提供。
【解決手段】銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクを、10mmHg以上300mmHg以下でインク中の溶存酸素が2mg/L以上5mg/L以下となるまで脱気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットインクの脱気方法、該脱気方法を用いて脱気処理されたインクジェットインク及び該インクジェットインクを収容するインクカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録ヘッドに備えられたノズルからインク滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
インクジェット記録装置に用いられるインクジェットインクは脱気処理されていることが望ましい。脱気処理されていないインクを用いた場合、インク流路で気泡が発生し、正常な吐出状態が得られなくなる場合があるためである。
【0004】
インクを脱気処理する技術に関して、減圧によりインクに溶解する気体を除去する方法やその他の様々な技術が開示されている。例えば、特許文献1は、空気よりもインクへの溶解度が小さい気体と接触させる処理をすることにより、インク中に溶解する気体の量を減じる技術を開示している。また、特許文献2は、気体透過性のある膜を用いて脱気を行う方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−320549号公報
【特許文献2】特開平05−17712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクにおいては、脱気処理の方法によっては、脱気処理を該インクに行うことで、該インクの保存安定性が低下する場合があるということがわかった。具体的には、該インクを空気の入ったビンに入れて保存した場合や該インクを空気が入らないようにパウチに収容した場合には長期保存をしても増粘しないが、該インクを脱気処理した後にパウチに収容した場合には長期保存で増粘する場合があることがわかった。
【0007】
別の表現をすると、銅フタロシアニンを含有するインクは、他の顔料を含有するインクでは保存安定性に影響を与えない条件で脱気した場合でも、保存安定性が低下することがある。本発明者等はその理由として銅フタロシアニンが触媒として作用し、インク成分が反応することがあるためと推測する。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、保存安定性を低下させることなく銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクを脱気する脱気方法を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、該脱気方法を用いて脱気処理されたインクジェットインクおよび該インクジェットインクを収容するインクカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明は、銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクの脱気方法であって、10mmHg以上300mmHg以下の圧力の脱気槽内でインク中の溶存酸素が2mg/L以上5mg/L以下となるまで脱気する脱気工程を少なくとも有することを特徴とする。
【0011】
また、上記の課題を解決するための別の本発明は、インクジェットインクであって、前記脱気方法を用いて脱気処理されたことを特徴とする。
【0012】
さらに、上記の課題を解決するための別の本発明は、インクカートリッジであって、前記インクジェットインクを収容していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、保存安定性を低下させることなく銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクを脱気する脱気方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態に係るインクカートリッジの分解斜視図である。
【図3】本発明のインク充填方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【0016】
本実施形態のインクジェット記録装置1は、図1に示すように、記録媒体50を水平に配置して図1の紙面奥行き方向に搬送し、インクジェット方式によって、記録媒体50の表面に記録データに応じた画像や文字などを記録する。
【0017】
インクジェット記録装置1は、記録媒体50を搬送する搬送部40と、記録媒体50に記録する記録部41とを備える。また、記録媒体50の搬送方向と直交する方向に往復走査して記録を行う記録ヘッド9と、記録ヘッド9をクリーニングするクリーニングユニット10とを備える。また、インクジェット記録装置1は、記録データの受信や記録動作の制御を含めた装置全体の制御を行う制御部(不図示)を備える。
【0018】
搬送部40は、図1の紙面奥行き方向に延ばされた略平板状のプラテン2上に、モータ5によって紙面に沿う水平軸回りに回転される複数のピンチローラ3を備える。そして、これらピンチローラ3によって、ピンチローラ3の回転軸と平行な回転軸回りに回転自在に支持されたグリッドローラ4が、紙面奥行き方向に複数配列されている。これらグリッドローラ4は、プラテン2の上方において図1の紙面奥行き方向に延びる水平面に整列され、記録媒体50の搬送路を形成している。
【0019】
記録部41は、搬送部40およびクリーニングユニット10の上方で、記録媒体50の搬送方向と直交する方向に延在されたキャリッジレール7と、キャリッジレール7に沿って移動可能に設けられた記録ヘッドユニット8とを備える。また、記録ヘッドユニット8をキャリッジレール7上で位置制御および速度制御可能に往復移動させるモータ6を備える。さらに、記録ヘッドユニット8に記録用のインクを供給する着脱可能なインクカートリッジ17を備える。
【0020】
本実施形態では、インクカートリッジ17には、カラー記録を行うための複数色のインクが備えられ、配管(インク流路)としての複数のインクチューブ16を介して、色ごとに、記録ヘッドユニット8に供給できるようになっている。
【0021】
記録ヘッドユニット8は、下面側に、インクの色や記録範囲などに応じて、複数の記録ヘッド9が設けられ、インクチューブ16から供給されるインクは、同色の記録を行う記録ヘッド9に分配して供給される。また、記録ヘッドユニット8には、各記録ヘッド9の温度を適宜の温度範囲に保つための冷却ファン18が設けられている。
【0022】
なお、記録ヘッド9の詳細は図示しないが、各ノズルにインクを供給するインク室や、圧電素子などを用いた吐出機構が設けられている。記録ヘッド9は該圧電素子などを用いた吐出機構によってインクの吐出及びノズルのインクメニスカスを微振動させる空駆動動作を行うことが可能な構成となっている。また、ノズルは吐出機構の構成や記録画素ピッチなどに応じて適宜の個数及び配列ピッチで設けることができる。例えば、256個などの多数のノズルを配列することができる。本実施例の記録ヘッド9は、記録素子として圧電素子を用いているが、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドであっても良い。また、インクチューブ16との接続部からノズルまでのインク流路も本発明における配管に含まれる。
【0023】
モータ6の位置制御、速度制御は、制御部の制御信号に応じて行われ、モータ6は記録動作時には記録ヘッドユニット8を所定速度で記録媒体50上を復移動させる。また、モータ6はクリーニング動作時にはクリーニングユニット10内の所定のクリーニング位置に記録ヘッドユニット8を移動できるようになっている。
【0024】
クリーニングユニット10は、本実施形態では、記録ヘッド9内のインクをノズルから外部に吸引することで記録ヘッド9をクリーニングする吸引クリーニング部14Aと、記録ヘッド面をワイピング処理することで記録ヘッド9をクリーニングするワイプ部14Bとからなる。クリーニングユニット10は、搬送部40の側方かつ記録部41の下方における記録ヘッドユニット8の移動経路上に、搬送部40側からワイプ部14B、吸引クリーニング部14Aの順に配置されている。本実施形態は、これら吸引クリーニング部14A、ワイプ部14Bの上方位置が、所定のクリーニング位置となっている。
【0025】
吸引クリーニング部14Aの概略構成は、キャップ11、キャップ駆動部(不図示)、吸引ポンプ12、ポンプ駆動部(不図示)、大気開放弁(不図示)および大気開放弁駆動部(不図示)からなる。
【0026】
これらのうち、少なくともキャップ11は記録ヘッド9ごとに設けられている。ただし、キャップ駆動部、吸引ポンプ12、大気開放弁および大気開放弁駆動部は、記録ヘッド9ごとに各動作を共通化できる場合には、複数のキャップ11に対して1台設ける構成としてもよい。
【0027】
キャップ駆動部は、キャップ11の上下方向の位置を選択的に切り換えるための上下動を行うものであり、例えば、機械的、電磁的、流体的な適宜の昇降手段からなる。そのため、キャップ駆動部は、モータ6によってキャリッジレール7上を移動されて吸引クリーニング部14Aの上方に位置した状態の記録ヘッドユニット8に対して、キャップ11を上下方向に進退させ、キャップ11が記録ヘッド面を封止する状態と、封止を解除する状態とを切り換えることができるようになっている。
【0028】
吸引ポンプ12は、吸引空間内の空気、インクなどの内容物を吸引して、吸引空間外に排出するためのものであり、適宜構成の流体ポンプ、例えばロータリポンプなどを採用することができる。本実施形態では、ポンプ駆動部により吸引量を可変できる構成としている。また、吸引ポンプ12の吸引量は、必要に応じて多段階に変化できるようにしてもよい。吸引ポンプ12は、吸引口が吸引管に接続され、排出口が排出管に接続されている。排出管の他端は、廃液ボトル15に接続されている。
【0029】
吸引クリーニング部14Aにおいて、キャップ駆動部、大気開放弁駆動部、ポンプ駆動部は、不図示のクリーニング制御部にそれぞれ電気的に接続され、クリーニング制御部からの制御信号により、それぞれの動作が制御されるようになっている。
【0030】
ワイプ部14Bは、周知のワイピング処理を行うものであればどのような構成を有していてもよい。例えば、ワイプ部14Bの上方に移動された記録ヘッド9の記録ヘッド面上でワイプ液を含んだワイピングブレードを相対移動させることで、記録ヘッド面をワイピングする構成を採用することができる。
【0031】
図2は、本発明の好ましい実施形態に係るインクカートリッジの分解斜視図である。
インクカートリッジ17は、インクを内部に収容した可撓性のパウチ(インク袋)100と、該パウチ100を収容するケース(筐体)110とを備えている。パウチ100は、ガスバリヤー性の向上のためにアルミ箔を2枚のフィルム、例えば、外側をナイロンフィルム、内側をポリエチレンフィルムによって挟み込んだアルミラミネートフィルムを2枚重ね合わせ、周囲を熱溶着等によって接合することで構成されている。パウチ100の一端には、内部に収容されているインクを外部に排出するインク取出口120を備えている。
【0032】
このように構成されたインクカートリッジ17を、インクジェット記録装置1に装着すると、パウチ100とインクチューブ16とがインク取出口120を介して導通するようになっている。
【0033】
インクを収容する図2で示されるインクカートリッジは、本発明のインクカートリッジの好ましい実施形態であるが、本発明のインクカートリッジはこの形態のインクカートリッジに限られない。
【0034】
次に、本発明のインク充填方法について説明する。
図3は、本発明のインク充填方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS110で、銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクを10mmHg以上300mmHg以下の圧力の脱気槽内でインク中の溶存酸素が2mg/L以上5mg/L以下となるまで脱気する。なお、該脱気は、20℃以上30℃以下の環境で行われることが望ましい。この温度範囲内で脱気を行うと、インクは安定であり脱気効率は良いからである。
【0036】
また、インク中の銅フタロシアンは、インクジェットインクの全体を100重量%としたときに、2重量%以上10重量%以下含有することが好ましく、3重量%以上6重量%以下含有することがさらに好ましい。インク中の銅フタロシアンの含有量がこの範囲にあれば、インクを安定して吐出でき、記録媒体上に好適に発色させることができる。この含有量が少なすぎると記録媒体上での発色が不十分となる場合があり、この含有量が多すぎると記録ヘッドからのインクの吐出が不安定となる場合がある。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0038】
顔料として銅フタロシアニンであるC.I.ピグメントブルー15:4を用い、主溶媒としてジプロピレングリコールジメチルエーテルを用い、バインダ樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とアクリル樹脂とを併用したインクを脱気した。インク全体を100重量%としたとき、顔料のC.I.ピグメントブルー15:4は3.8重量%、バインダ樹脂は4重量%含むように調製した。
【0039】
なお、本実施例は非水性のインクについての好ましい実施例であるが、本発明は非水性のインクに限定されるものではない。非水性のインクに使用される溶剤は臭気や安全衛生性の観点からアルキレングリコール系溶剤が好ましく、具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のグリコールジアセテート類等が挙げられる。
【0040】
表1に、実施例1から4及び比較例1から3の脱気条件(吸引圧力及び温度)と、この脱気条件により脱気されたインクの溶存酸素量を示す。インクの脱気は、インクを500mlインクパウチ(インクを収容する袋状の容器)に入れて、それを脱気槽に入れておくことで行った。その後、該インクパウチに入ったインクの溶存酸素量を測定し、該インクパウチのシールを行い、該インクパウチを用いて保存評価及びプリント評価を行った。該保存評価及びプリント評価の結果についても合わせて表1に示す。なお、比較例1は脱気を行わない条件である。インクをインクパウチに入れた後、該インクパウチを脱気槽に入れることなくシールを行った。
【0041】
インクの保存評価(粘度変化)は、脱気されたインクを60℃3日放置させることでインクの粘度が大きく変動するかしないかで判断した。また、プリント評価は安定的にプリントを続けることができるか否かで判断した。
【0042】
なお、脱気槽はEYELA VACUUM OVEN VOS-601SD(東京理科器械株式会社製)を用いて行った。また、インクパウチ(インクを収容する袋状の容器)のシールはV602GII(東静電気株式会社製)を用いて行った。また、プリント評価は
セイコーアイ・インフォテック社製ColorPainterW−64Sを用い、インクパウチは株式会社セイコーアイ・インフォテック社製ColorPainterW−64S用のインクパウチを用いた。また、溶存酸素量の測定はUC−12(セントラル科学株式会社製)を用いて測定した。
【0043】
【表1】

【0044】
表1の評価結果から明らかなように、実施例1から4では何れも実質的な粘度変化がなく、安定にプリントを続けることができた。特に、溶存酸素量が2mg/L以上3mg/Lとなっている実施例1及び2は、極めて安定にプリントを続けることができた。一方、比較例1のように脱気を行わなければ、粘度変化はないものの安定にプリントを続けることができなかった。また、溶存酸素量が2mg/L未満まで脱気を行った比較例2及び3は、明らかな増粘が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上記本発明の脱気方法、インクジェットインク及びインクカートリッジは、一般的なインクジェット記録装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 記録装置
17 インクカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅フタロシアニンを含有するインクジェットインクの脱気方法であって、
10mmHg以上300mmHg以下の圧力の脱気層内でインク中の溶存酸素が2mg/L以上5mg/L以下となるまで脱気する脱気工程を少なくとも有する脱気方法。
【請求項2】
前記銅フタロシアニンは、前記インクジェットインクの全体を100重量%としたときに2重量%以上10重量%以下含まれていることを特徴とする請求項1に記載の脱気方法。
【請求項3】
前記溶存酸素が2mg/L以上3mg/L以下となるまで脱気することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脱気方法。
【請求項4】
前記脱気工程は、20℃以上30℃以下の環境で行われることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の脱気方法。
【請求項5】
前記インクジェットインクは非水性のインクであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の脱気方法。
【請求項6】
前記インクジェットインクはバインダ樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の脱気方法。
【請求項7】
前記バインダ樹脂は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の脱気方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−76037(P2013−76037A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218243(P2011−218243)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(395003187)株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Fターム(参考)】